説明

区画化された樹脂ペレット

【課題】本発明は、多成分ペレットの成分を、著しく劣化されることなく同時に熱処理しおよび/または著しく劣化されることなく空気中または酸素の存在中で貯蔵することを可能にする。
【解決手段】本発明は、少なくとも2つの熱可塑性材料を同時に熱処理するための方法およびそのために必要な物品を開示する。この方法は、必然的に区画化または領域化されたペレット構造を利用し、各熱可塑性材料の大部分の量をペレットの個々の区画または領域に配置して、熱可塑性材料がペレット中に均一分散されていた場合よりも、熱処理時に反応する成分および/または酸素のような環境中の化合物と反応する成分が少なくなるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2004年5月18日に出願された米国仮特許出願第60/572,225号、2004年8月30日に出願された米国仮特許出願第60/605,658号、2004年9月25日に出願された米国仮特許出願第60/613,097号、2005年1月24日に出願された米国仮特許出願第60/646,329号および2005年5月5日に出願された米国仮特許出願第60/677,829号の優先権の利益を請求するものである。これらの仮特許出願の教示をここに参照して挿入する。
【0002】
本発明は、少なくとも2つの区画化領域で構成された樹脂ペレットに関する。
【背景技術】
【0003】
多くの工業的物品は、その特性を経済的に改良するために複数の成分で構成されている。熱可塑性および熱硬化性材料から製造される複数成分の物品は、一般的に仕上げ溶融混合押出し成形機を用いて製造され、この押出し成形機は、種々の成分を、シート、フィルム、繊維、ボトルまたは射出成形部品のような物品へと均一に一体化するものであり、このような物品はしばしば予備成形品と呼ばれる。この物品、特に予備成形品はしばしばさらに処理されてボトル、トレイ、ジャーまたはバッグのような別の物品を形成する。
【0004】
パッケージングにおける要求はより複雑化しているので、複数の成分がパッケージの機能特性を増加させるために必要である。気体や特定の化合物、たとえば、酸素に対する遮断性はこれらの特性の中でより重要なものの1つである。酸素遮断材料は高価であり、したがって、最終のパッケージにおいてそのコストを最小限にすることが望ましい。
【0005】
酸素透過速度の減少は、パッシブ型またはアクティブ型バリア技術を用いて達成されうる。パッシブ型バリア技術は、気体または液体のパッケージ内への透過速度を低下させるものである。逆に、アクティブ型バリア技術は、パッケージの壁に問題の気体または液体と反応する材料を導入し、よってこの気体または液体が容器壁を通過するのを防止するものである。
【0006】
現在のパッケージは、パッシブ型バリア材料を容器壁の別の層に一体成形している。これは、第1の押出し成形機を用いて、主成分を溶融して物品を形成し、他方で、第2の押出し成形機がバリア材料を溶融し、容器壁を形成する物品の別の層にバリア材料を射出することによって達成される。たとえば、特許文献1は、ポリアミド層とポリエステル層を導入して多層容器を形成することによってパッシブ型バリアの特性を改良することを記載している。特許文献1はまた、ポリアミドが別の層中に入れられるのではなく、ポリアミドはポリエステルと容器壁中で均一に混合されうることも教示している。
【0007】
特許文献2で検討されているように、ポリアミドはポリエステルと、ポリエステル製造の後の段階で混合してもよい。たとえば、ポリアミドを、縮重合反応器から取り出した溶融状態のポリエステルと混合し、均一な混合物の単一ペレットを生成することができる。特許文献2で記載されているように、縮重合反応器から取り出した溶融状態のポリエステルと混合することは、ポリエステル/ポリアミド混合物にさらなる熱処理(たとえば、固体状態重合)を施す場合に、不所望な着色および/または曇りが後の高温時に表出する場合があるので、望ましくない。したがって、本発明の目的は、ポリエステルとポリアミドを含有するペレットを、いずれの材料の特性にも悪影響を与えることなく結晶化させるおよび/または固相重合させることを可能にすることである。
【0008】
アクティブ型バリア技術は、特許文献3に記載されているように、容器壁中の成分と酸素との反応を含む。このような反応は酸素除去作用として周知となっている。特許文献3、特許文献4および特許文献5は、酸素を除去することができるポリマー組成物を用いたパッケージング材料およびパッケージング方法を開示しており、このような組成物は酸化可能な有機ポリマー成分、好ましくはポリアミド(より好ましくは、一般的にMXD6と呼ばれるm−キシリレンアジパミド)と金属酸化促進剤(たとえば、コバルト化合物)を含む。
【0009】
特許文献6は、エチレン性不飽和炭化水素の酸素除去剤が、促進剤(たとえば、遷移金属触媒と塩化物、アセテート、ステアレート、パルミテート、2−エチルヘキサノエート、ネオデカノエートまたはナフタネート対イオン)によって触媒されてなる組成物を記載している。好ましい金属塩はコバルト(II)2−エチルヘキサノエートおよびコバルト(II)ネオデカノエートから選択される。
【0010】
特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10および特許文献11は、酸化可能な成分、たとえば、ポリブタジエンオリゴマーを官能化し、これを主要なポリマーマトリックスの骨格、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)と反応させることを教示している。このような組成物は容器壁の別の層として容器壁に導入されてもよく、壁全体を構成してもよい。
【0011】
他のアクティブ型バリア技術は元素のまたは還元型の金属除去剤である。これらの金属は、通常促進剤、たとえば、塩化ナトリウムの存在中で、反応の引き金となる水分に曝されるまでは、酸素と反応しない。金属除去剤の有益性は、金属に基づく除去剤を含有するペレットが、ペレットの外側にある成分の水分と接触しなければ、酸素と反応しないことである。反応を開始されるためにペレット組成物の外側の薬剤を用いることによって、これはトリガーシステムとなることができる。このことは、容器やペレットを形成するために構成要素を組み合わせた時に活性化する前述の有機システムとは全く対照的である。先天的に酸素との反応性を有し、その上促進させおよび/またはトリガーさせうる反応性をも有する酸素反応性化合物がいくつかあることを記載しておく。
【0012】
パッシブ型バリア材料を用いた多成分物品を製造する慣習的技術は、個々の成分を一軸式仕上げ溶融混合押出し成形機のスロートに導入して均一な混合物にするものである。成分はしばしば不親和性である、すなわち成分が少なくとも2相を形成する、および主成分中への微量成分の分散体を形成する。成分が可溶性、故に互いに親和性である場合には、微量成分は主成分中に吸収され単一相を形成する。熱硬化物品の場合には、成分はしばしば互いに相互作用しまたは相互反応する。
【0013】
特許文献12は、溶融混合時に、含有材料の相互反応が開始するこのような反応を、相互作用的/相互反応的(interactive/interreactive)反応と特徴付けている。相互作用的/相互反応的反応は、さらに、米国特許第特許文献12によって、次のような反応であると特徴付けられている。すなわち、「ペレットに含まれる反応物の反応時間は、一般的に成形や押出し法に要する時間に比べて長い。その結果、分子サイズや結合の複雑さの増加が物理特性を向上させるのだが、これは材料が最終形状に成形された後に主として起こる。成形後硬化をゆっくり起こすことができ、オーブン硬化はいずれの時期に行うこともできる。」
【0014】
仕上げ溶融混合押出し成形工程のスロートに成分を供給する慣習的技術は、非常に不経済である。各成分を各押出し成形機に正確に添加せねばならない。このことは、押出し成形機毎に複数の取り扱いおよび供給システムを作ることである。したがって、押出し成形機において単一の供給ストリームを提供するとともに、単一の供給ストリームは各ペレット内に正確に計量された各種成分を含むものであることが望ましい。
【0015】
計量の問題に対する解決方法は、より大きく経済的な押出し成形機を用いて成分を予備化合させ、予備化合させた材料を多数の仕上げ溶融混合押出し成形機に送り、物品を製造するものである。予備化合はある程度の経済性を達成するが、さらなる処理工程を加えることになる。
【0016】
別の技術は、物品の微量成分を原料ペレットのマスターバッチや濃縮物にまで予備化合し濃縮するものであり、物品の微量成分は、最終の物品に比べて非常に高濃度で存在する。事実、最終物品の微量成分は、実質的に最終物品の主成分よりもマスターバッチ中では高濃度で存在する場合がある。次に、濃縮物を本質的に主成分からなるペレットと物理的に混合する。物理的混合は、最終物品において所望の成分比となる割合で行われる。次に、物理的混合物を単一の原料として仕上げ溶融混合押出し成形機に添加する。また、濃縮物と主成分を2つの原料として仕上げ溶融混合押出し成形機に添加することもできる。このことは、微量成分の量が最終物品中で非常に少ない場合には、供給ストリームと計量の失敗の数を減らすことになる。
【0017】
マスターバッチ法も、仕上げ溶融混合押出し成形機へ1以上の原料を与えるといった欠点がある。また、予備化合は、予備化合させたペレットが仕上げ溶融混合工程の前にさらなる処理を要する場合には失敗である。しばしば、次の処理、たとえば、熱への暴露は、ある成分から化合物を発生させおよび解離させ、この化合物は別の成分の特性を低下させる。これらの化合物は、熱処理の副生成物として分類されうる。
【0018】
熱処理の副生成物は、成分中に含まれ、かつ熱処理時に解離されるか、熱処理時に生成される、またその両方の化合物のことである。熱処理の副生成物の解離とは、化合物(副生成物)が熱処理時に成分から解離されるまたは成分から剥ぎ取られることを意味する。
【0019】
一旦、第1の成分から解離されれば、その副生成物は第2の成分または第2の成分の副生成物と接触し反応して、負の性質、たとえば、不所望な色のシフト、匂いまたはガスを生み出す。熱処理の副生成物は、反応生成物に限定されず、未反応モノマー、低分子量オリゴマー、分解途上の安定剤、触媒または熱処理時に解離される他の添加剤でもよい。
【0020】
ポリエステル−ポリアミド混合物はこのようなシステムの代表である。ポリエステルおよびポリアミドは共に非常に親水性(hydroscopic)である。液相中の水分の存在は、ポリマー鎖を加水分解し、分子量を減少させ、ポリマーの強度を低下させる。したがって、両者は物品を成形する直前の仕上げ溶融混合前に乾燥させねばならない。標準的条件下で貯蔵した場合、たとえば、典型的には倉庫のような条件(たとえば、空気中、50%のR.H.>25℃)に置いた場合には、ポリエステルおよびポリアミドは、工業的に許容される限界値を大きく超えるレベルまで(>1,000ppm)水分を吸収しうる。50ppm未満の水分量に化合物を乾燥させておくのが工業的慣例である。予備化合の後、ポリエステル−ポリアミドペレットを結晶化し、次いで仕上げ溶融混合押出し成形機に移す。ポリエステル−ポリアミドペレットは、溶融混合押出し成形機に添加する直前に乾燥せねばならない。この乾燥作業は、典型的には、熱乾燥工程の前に化合物中に含まれる水分の少なくとも50%を除去するものである。ポリアミドの存在中でポリエステルを乾燥させることは、非常に着色した材料を生み出すことになる。最終物品の変色は、均一に混合したポリエステルとポリアミドのペレットを乾燥させ、次いで最終物品に押出し成形したときと、ポリアミドペレットの存在中で、別にあるポリエステルペレットを乾燥し、次いで最終物品に押出し成形したときの両方で起こる。
【0021】
窒素下で乾燥してもこの問題は軽減されない。なぜなら、窒素乾燥時に成分から生じる副生成物は熱空気中での乾燥時に生じる副生成物と同じであるからである。ポリエステルは、熱処理時にアセトアルデヒドのような副生成物を生じ、乾燥処理時に除去されるものと考えられる。ブランディ(Brandi)とシュラルディ(Schraldi)(ポリマー・プレプリンツ(Polymer Preprints)2004 45 (1),992)は、乾燥がもたらした黄色い着色は、ポリエステルから生じたアセトアルデヒドとポリアミドのアミノ末端基との反応によって生じることを示している。
【0022】
乾燥器が、空気から水を除去し、水を含まないがアセトアルデヒドと他の材料を含む空気を再循環させる再生式ベッドを備えている場合には、ポリエステル−ポリアミドシステムの色のシフトは工業的用途では問題である。水分は再循環空気から除去されるが、アセトアルデヒドおよび他の材料はそのまま水を含まない空気とともに再循環され、さらに問題を大きくする。マスターバッチを使用すれば、この問題に対する影響は少なくまたは影響はない。細かく分散したポリアミド粒子は大きい表面領域を有し、これを用いて乾燥処理時に生じた副生成物と反応すると考えられる。また、着色が、1以上の反応から生じるか否か、たとえば、何かとアセトアルデヒドとの反応後に次に酸素と反応することから生じるか否かは明らかでない。
【0023】
固相重合は分子量を効果的に増加させ、これはポリエステルとポリアミドの両方の固有粘度によって判断される。固相重合法ではペレットを、ペレットが液体になる温度未満の温度に暴露する。この温度への暴露は、原動力、たとえば、不活性ガスや真空の存在中で行う。重合反応の副生成物をペレットから除去して、ポリマーの分子量が増加するように平衡状態を強いる。ポリエステルとポリアミドは共に製造時にペレット化されるので、特許文献2は、その製造当初に一方または他方ペレットを切断する時点でこれらを組み合わせることを主張している。一方または他方をペレットに切断する際にポリエステルおよびポリアミドを組み合わせることによって、次の押出しおよび切断工程を排除する。しかし、最初の切断工程でポリエステルとポリアミドを組み合わせることによって、次にポリエステル−ポリアミドの多成分ペレットは、結晶化、固相重合および乾燥工程として周知の熱処理工程を受けてこれに耐え抜くことが必要とされる。これらの熱処理工程は40℃からペレットが液体になる温度より僅かに低い温度、たとえば、ペレットが液体になる温度より1℃、工業的理由のためにより典型的には5℃低い温度までで行う。
【0024】
特許文献2は、最初の切断工程時にポリエステルおよびポリアミドを組み合わせることを主張し記載しており、実施例は以下のことを例示している。すなわち、マスターバッチ、濃縮物および予備化合物中でポリアミドとポリエステルの均一に分散した混合物を、固相重合条件下に暴露すれば、ポリアミドの分子量を損ない、劇的な色のシフトをもたらしうる。特許文献2は、予備化合したポリアミド濃縮物を用いてポリエステルと混合することによって、これを最小限にしている。予備化合した濃縮物は次の熱処理の影響を幾分減らしうるが、あまり効果的ではない。ポリアミド−ポリエステル濃縮物は、別々のポリエステルポリアミドペレットをいっしょに乾燥する場合と同じ問題を有する。
【0025】
結晶化処理では、ペレット中の材料は、実質的にアモルファスから結晶へと移行する。ポリマーペレットは通常、アモルファスであるが、熱と時間を施せば結晶化する。結晶度は結晶度パーセントとしてしばしば表示され、材料の密度とアモルファスの材料の密度間の差を、100%結晶の密度とアモルファスの密度(結晶度0%)間の差で割ることによって、改変される。ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートコポリマーにとって、アモルファスの密度は1.335gm/cmであり、結晶の密度は1.455gm/cmであり、したがって、得られた試料の式は:
(Ds−1.335)/(1.455−1.335)であり、
ここでDsは試料の密度(gm/cm)である。
【0026】
結晶度の程度は、示差走査熱量計(DSCまたはD.S.C.)によっても決定されうり、これは、100%の結晶度の試料を溶融するのに必要な熱量に対して、材料を溶融するのに必要な熱量に関する。
【0027】
ペレット内に酸素反応性成分を予備化合させることは、ポリエステル−ポリアミド混合物と同じ制約を受ける。酸素反応性ペレットの予備化合は特に不経済である。なぜなら、予備化合ペレットは酸素と反応し、酸素のない状態で貯蔵および輸送されねばならないからである。したがって、酸素反応性ペレットは、酸素のない状態で窒素下で封止されたホイルバッグに梱包される。
【0028】
さらに、予備化合された酸素反応性ペレットは、後の熱処理、たとえば、乾燥のために機能しなくなる。ポリエステルと酸素反応性材料の予備化合物は仕上げ溶融混合の前に乾燥させねばならない。したがって、ペレットは乾燥処理を耐え抜かねばならない。熱空気での乾燥は酸素を消費する酸素反応性材料の能力を低下させる。
【0029】
特許文献7は、重合後の処理、たとえば、乾燥、揮発分除去、結晶化および固体状態重合は、酸素除去能力を低下させることを教示し、酸素除去活性の損失は、このような作業を厳密に酸素のない中で行い、このような処理後のコポリマーの酸素への暴露を制限することによって、最小限にすることができることを教示している。
【0030】
その制約にもかかわらず、現在の工業的取り組みでは、最終物品の主成分を含むマスターバッチ中で酸素感応性材料を促進剤/触媒と予備化合させ、酸素反応性材料を形成し、酸素反応性材料をホイルバッグに入れ、次いで仕上げ溶融混合押出し成形処理に投入する前に窒素存在中でまたは真空中でマスターバッチを乾燥させている。
【0031】
1つの選択肢は別々のペレットを用いることである:一方のペレットは酸素感応性成分を含有し、他方のペレットは主成分と促進剤を含有する。この選択肢はいくつかの問題を生み出している。第1に、ペレットの様々な比重と静電気特性によって生じた層状化のために、成分の正確な計量が困難である。第2に、酸素感応性成分と他の成分とを予備化合させ仕上げ溶融混合工程時に促進剤/触媒を添加することは、貯蔵コストを削減しうるが、計量の困難性と別々の供給システムが再度問題となる。
【0032】
特許文献12、およびその関連特許の特許文献13は区画化された(領域化された)ペレットを記載し、相互作用または相互反応性成分を、仕上げ溶融混合工程まで、ペレットの別々の区画または領域に保持している。相互作用/相互作用成分は、成形作業においてペレットの使用時に熱的に活性化して化学反応に参加する化学反応物のことである。相互作用または相互反応として分類される反応タイプでは、生成物が硬化しすぎて成形できなくなることを防ぐべく、生成物を統一化し成形時の高分子成長を制限することができるように、これらの成分は反応して完了を迎えねばならない。逆に、特許文献12の区画化ペレット組成物は、反応の低速化を用いて、反応が容易に流動する材料をあまり流動しない材料に変えてしまう前に型枠充填を容易に行っている。相互反応/相互作用化合物の反応速度は大抵全般的に遅い。溶融混合時に、含有材料の相互反応は始まる。反応物を含有するペレットの反応時間は、一般的に成形または押出し処理に必要な時間に比べて長い。その結果、分子サイズや結合の複雑さの増加が物理特性を向上させるのだが、これは材料が最終の形状に成形された後に主として起こる。成形後の硬化をゆっくり行うことができ、またはオーブン硬化をいずれの時期に行うこともできる。
【0033】
反応性押出し処理は、熱硬化の典型である。理論的には、ポリエステル−ポリアミドの幾分かは僅かに反応しうる(アミノ基転位として周知である)が、反応は非常に速く分子量を増やしたり粘度を増加させたり、ましてや溶融押出し工程の後までこれが続くことはまずない。ポリエチレンテレフタレートはポリ−m−キシリレンアジパミド、MXD6と反応しないことは周知である。
【0034】
特許文献12および特許文献13は、区画化ペレットは、成形作業においてペレットの使用時に、熱的に活性化して化学反応に参加する1以上の化学反応物を含有することを教示している。反応を促進する触媒を含んでもよい。少なくとも2つの化学反応物に加えて、これらの特許は、化学的に非反応性の添加剤、たとえば、補強ファイバ、着色剤、潤滑剤等も考慮している。
【0035】
相互作用/相互反応性成分を溶融混合まで別々に保持することによって、単一のペレットを用い、仕上げ溶融混合工程に関連した複雑な供給システムを排除している。特許文献12および特許文献13はいずれも、別の成分の熱処理副生成物との反応、またはペレット外部の化合物(たとえば、酸素)との反応がある場合の区画化ペレットの使用を考慮していないし、開示もしていない。
【0036】
特許文献14は、区画化ペレットを用いて、非結晶性のポリエステルの乾燥において、これらを結晶性のポリエステルで取り囲むことによってブロッキングやスティッキングを防止する手助けをすることを開示している。これを達成するために、特許文献14は、成分が化学的に類似することを教示しており、非結晶性のポリエステルの物理形状をそれら自身の固着から保護するといった現象を記述している。特許文献14は、区画化ペレットを用いて、生成物を化学反応、特に熱処理副生成物との反応または空気中の酸素のような外部化合物との反応から保護することを開示も考慮もしていない。
【0037】
また、特許文献14は、水が金属に基づく酸素除去剤の反応の引き金となる場合に、ペレットの構成要素を水から保護することを開示している。上で議論したように、これは、トリガーメカニズムからの保護であり、化合物と反応することからの保護や促進剤がペレット内にある場合の保護を開示していない。そして、特許文献14は、酸素または他の成分の副生成物との反応から成分を保護することを教示していない。
【0038】
特許文献13および特許文献14は共に、いかにこのような区画化または領域化ペレットを形成するかを記載している。先行技術によって想到されない組成物の例は、少なくとも1つの成分が他の成分の副生成物と反応する場合、このような副生成物がさらなる処理(たとえば、熱処理)の生成物である場合、または成分の少なくとも1つのが環境中の化合物(たとえば、空気中に見られる酸素)と反応する場合のペレット組成物である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0039】
【特許文献1】米国特許第4,501,781号明細書
【特許文献2】米国特許第5,340,884号明細書
【特許文献3】米国特許第5,021,515号明細書
【特許文献4】米国特許第5,049,624号明細書
【特許文献5】米国特許第5,639,815号明細書
【特許文献6】米国特許第5,529,833号明細書
【特許文献7】米国特許第6,406,766号明細書
【特許文献8】米国特許第6,558,762号明細書
【特許文献9】米国特許第6,346,308号明細書
【特許文献10】米国特許第6,365,247号明細書
【特許文献11】米国特許第6,083,585号明細書
【特許文献12】米国特許第5,627,218号明細書
【特許文献13】米国特許第5,747,548号明細書
【特許文献14】米国特許第6,669,986号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0040】
本発明は、少なくとも2つの化合物を同時に熱処理するための方法およびそのために必要な物品であって、化合物の1つは熱処理の副生成物または周囲の環境中の化合物に反応する場合に関する。この方法は、別個の領域のペレットを形成し、成分はその領域内に配置されて、空気のような酸素含有環境中でのペレットの貯蔵を含めた以後の処理工程時において、ペレット中の化合物の劣化を制御することを包含する。特に、このペレット構造は、材料を熱処理可能にし、熱処理時に生じた副生成物との化学反応を最小限にしまたは防止するとともに、ペレット内の成分と周囲の化合物、たとえば、空気中にある酸素との反応を最小限にしまたは防止し、他方に対する一方化合物の分子量の増加を制御する。
【0041】
より特別には、本発明は、酸素感応性成分、酸素不活性成分および反応促進剤を含有し、酸素感応性成分は第1の区画領域にあり、酸素不活性成分は第2の区画領域にある樹脂ペレットを開示する。
【0042】
さらに、本発明は、酸素反応性成分および酸素不活性成分を含有し、酸素反応性成分は第1の区画領域にあり、酸素不活性成分は第2の区画領域にある樹脂ペレットを示す。
【0043】
さらに、本発明は、第1の成分と第2の成分を含有し、第1の成分は、熱処理時に、第2の成分および/または第2の成分によって解離された副生成物のいずれかと反応する副生成物を解離し、第1の成分は第1の区画領域にあり、第2の成分は第2の区画領域にある樹脂ペレットを示す。
【0044】
さらに、本発明は、第1の区画領域と第2の区画領域で構成される樹脂ペレットであって、第1の区画領域は熱可塑性ポリエステルで構成され、第2の区画領域はポリアミドで構成され、第1の区画領域は樹脂ペレットの全体積の少なくとも0.1パーセントに相当し、第2の区画領域は樹脂ペレットの全体積の少なくとも0.1パーセントに相当する樹脂ペレットを示す。
【0045】
さらに、本発明は、第1の成分と第2の成分を含有し、第1の成分は、酸素感応性化合物、酸素反応性化合物、酸素不活性化合物、反応促進剤からなる群から選択され、熱処理時に、第2の成分および/または第2の成分によって解離された副生成物のいずれかと反応する副生成物を解離する化合物であり、第2の成分は、第1の成分とは異なり、かつ酸素感応性化合物、酸素反応性化合物、酸素不活性化合物、反応促進剤からなる群から選択され、熱処理時に、第1の成分および/または第1の成分によって解離された副生成物のいずれかと反応する副生成物を解離する化合物であり、第1の成分は第1の区画領域にあり、第2の成分は第2の区画領域にある樹脂ペレットを示す。
【0046】
さらに、本発明は、第1の成分と第2の成分を含有し、第1の成分は、酸素感応性化合物、酸素反応性化合物、酸素不活性化合物、反応促進剤からなる群から選択され、熱処理時に、第2の成分および/または第2の成分によって解離された副生成物のいずれかと反応する副生成物を解離する化合物であり、第2の成分は、第1の成分とは異なり、かつ酸素感応性化合物、酸素反応性化合物、酸素不活性化合物、反応促進剤からなる群から選択され、熱処理時に、第1の成分および/または第1の成分によって解離された副生成物のいずれかと反応する副生成物を解離する化合物であり、第1の成分は第1の区画領域にあり、第2の成分は第2の区画領域にある樹脂ペレットを熱処理する方法であって、40℃から該ペレットが液体になる温度の少なくとも1℃下の温度までの範囲内の温度まで樹脂ペレットを加熱することを含む樹脂ペレットを熱処理する方法を示す。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】コア−シース構造中に2区画または領域を有する樹脂ペレット表現している。
【図2】コア−シース構造中に2区画または領域を有する樹脂ペレット表現しており、コアは外側シース層でカプセル状に包まれ、取り囲まれまたは封止されている。
【図3】多層またはサンドイッチ構造中に3区画または領域を有する樹脂ペレットを表現している。
【図4】コアを取り囲む2つの同心層に構成された3区画領域の樹脂ペレットを表現している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
発明の利益の1つは、組成物を熱処理することに向けられたものである。少なくとも1つの化合物は熱処理時に副生成物を生じ解離するのだが、この副生成物は最終組成物の特性に影響をもたらす。成分を別々の区画に配置することによって、発生した副生成物との反応は最小限にされる。
【0049】
本発明のさらなる利益は、酸素反応性システムが、以後の後熱処理作業、たとえば、乾燥、揮発分除去、結晶化、固体状態重合および空気のような酸素環境中での貯蔵に耐えることができることである。
【0050】
乾燥、結晶化および固相重合は、本発明からの利益を受ける熱処理である。本発明で想定される熱処理はペレットの内容物が十分に液体になって領域が混ざり合う温度未満で行うものである。ペレット中の全ての熱可塑性成分が液体になるまでペレットを加熱することは押出し成形処理として周知である。押出し成形処理は一種の熱処理であるが、本発明により実施される熱処理のタイプではなく、したがって除外される。したがって、ここで使用されるように、「十分な量のペレットの内容物が液体になって領域が混ざり合うように、ペレットを急速に加熱する」という表現は、発明が想定する熱処理ではない。
【0051】
発明の特定の実施の形態は外側区画でカプセル状に包まれた内側区画である。このような実施の形態では、ある温度に暴露すれば、コアを取り囲む表皮を溶融することなく、カプセル化されたコア内の材料を溶融または液化しうると、理解されるべきである。液化した内側区画と固体の表皮を備えたこのペレットは液体ペレットとは考えられない。
【0052】
本願で定義される熱処理に関する副生成物反応および貯蔵時の酸素との反応の問題は、たとえ解決されなくても、区画化または領域化構造を有するペレットの領域または区画に成分を適宜配置することを通じて十分に低減され得る。ある実施の形態では、区画化ペレットは、熱処理による副生成物への各種成分の暴露を最小限にする。別の実施の形態では、仕上げ溶融混合まで、酸素感応性成分を外部材料、たとえば、酸素と反応させずにおく。第3の実施の形態では、酸素不活性成分が酸素反応性成分を取り囲み、酸素が酸素反応性成分に達するのを防ぐ。
【0053】
第4の実施の形態では、副生成物感応性成分は、化学的に副生成物を生成する材料と同様である化合物で取り囲まれるが、取り囲んでいる材料は副生成物を生成しない。このペレットは次に副生成物を生成する材料のペレットと共に配置され、熱処理される。この化学的に同様の材料を副生成物反応性材料と副生成物を生成する材料の間に配置する場合は、第4の実施の形態の変更である。
【0054】
第5の実施の形態は、高濃度の一方成分が他方成分の保護層で取り囲まれてなる添加剤的な区画ペレットである。たとえば、95%ポリアミドコア領域が5%ポリエステルシース領域で取り囲まれたペレットを用いることができる。このペレットはポリエステルペレットと共に、全ての熱処理が施され、またはこのペレットは乾燥剤供給時に押出し成形機に添加されうる。
【0055】
第6の実施の形態は、少なくとも1つのアセトアルデヒド除去剤をペレット中に置き、この除去剤を、熱処理時に発生し除去されるアセトアルデヒドから本質的に離して保持する。熱処理後、仕上げ溶融混合押出し成形時に、除去剤はポリマー中に分散され、固相重合から残ったままの残渣アセトアルデヒドと溶融押出し工程時に発生したアセトアルデヒドを除去する。均一に分散したペレットのためには、より多くの反応物または触媒が必要とされる。これは、ポリエステルのアセトアルデヒド含有量が溶融重合工程直後は非常に高いためである。
【0056】
米国特許第5,258,233号公報、特許文献2および米国特許第5,650,469号公報(これらの教示をここに参照して挿入する)は、ポリエステルポリマーからのアセトアルデヒドと反応し除去するために、ポリアミドを使用することを教示している。したがって、発明の詳細な記載はポリエステルとポリアミドを利用しているが、ポリアミドをアセトアルデヒドと反応するまたはアセトアルデヒドの反応を触媒するいずれかの化合物に置き換えることができることは、当業者にとって自明である。たとえば、米国特許第6,274,212号公報(この教示をここに参照して挿入する)は、アセトアルデヒドと反応して非架橋5−または6−員環を形成する複素原子含有有機除去剤の使用とともに、アントラニルアミドが好ましい除去剤であることを教示している。米国特許第6,569,479号公報は、触媒を用いてアセトアルデヒドと酸素との反応を開始することを教示している。アセトアルデヒドを減らすために使用される化合物の他の例は、アセトアルデヒドと酸素との反応を触媒するアクティブ型酸化触媒、有機ドナー分子とアセトアルデヒド間のヒドリド移動反応を触媒するヒドリド移動触媒、1,8−ジアミノナフタレン、3,4−ジアミノ安息香酸、アントラニルアミド、ビウレット、マロンアミド、アラントイン、サリチルアミド、サリチルアニリド、o−フェニレンジアミン、3,4−ジアミノ安息香酸、1,8−ジアミノナフタレン、o−メルカプトベンズアミド、N−アセチルグリシンアミド、マロンアミド、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、4−アミノ−3−ヒドロキシ安息香酸、4,5−ジヒドロキシ−2,7−ナフタレンジスルホン酸ジナトリウム塩、ビウレット、2,3−ジアミノピリジン、1,2−ジアミノアントラキノン、ジアニリノエタン、アラントイン、2−アミノベンゼンスルホンアミド、および2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、またはコバルト塩、マンガン塩およびアミン、ホスフィンまたはアルコールが各種原子価の金属と錯体化してなる化合物からなる群から選択されるアクティブ型酸化触媒である。ヒドリド移動触媒は、酸化ジルコニウム水和物、酸化ニオビウム水和物および酸化タンタル水和物からなる群から選択されうる。
【0057】
この効果はアセトアルデヒドと反応する化合物およびアセトアルデヒドの反応を触媒する化合物に当てはまることを特に記載しておく。したがって、アセトアルデヒド除去剤という表現は、直接アセトアルデヒドと反応する化合物またはアセトアルデヒドと別の化合物との反応を触媒する化合物を示す。これらの化合物のいくつかは、米国特許出願第2005/0014929号公報、発明の名称、ポリエステルのアセトアルデヒド含有量を減らす方法に記載されており、この教示をここに参照して挿入する。挙げられている化合物の1つは酸化ジルコニウムである。市販入手可能なアセトアルデヒド除去剤の例は、アントラニル酸アミド(カラーマトリックス(Colormatrix)社、クレーブランド、OH、USA)およびビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフィト(クラリアント(Clariant)社、Cesa−nox NTA0050113)である。
【0058】
第7の実施の形態は、副生成物に対して反応性の材料を副生成物を生成しない材料で取り囲むことである。この構造は、ポリ−ネオペンチル−テレフタレートで取り囲まれたポリアミドでありうる。このペレットをポリエチレンテレフタレートのペレットと混合し、次に混合物を同時に熱処理する。場合によっては、3つの区画領域を有する構造を使用することもでき、これはポリアミドからなるコア41を有し、コアはポリ−ネオペンチル−テレフタレートからなる中間層42によって封じ込められており、これは次にポリエチレンテレフタレートからなる外側層43で取り囲まれている。
【0059】
少なくとも1つの成分が他の成分の副生成物と反応する場合に、区画化ペレット構造が、2以上の成分を同時に熱処理するといった問題を、如何に克服するかを、以下に例示する。熱処理とは、空気または不活性ガスありまたはなしの状態で(たとえば、真空中で)、70℃以上の温度であるが、ペレットが溶融する温度未満の温度にペレットを暴露することである。この温度は、ポリマーの1つがより高い融点を有するポリマーの表皮でカプセル状に包まれている場合に、前者のポリマーの融点より高いものであってもよいことを記載しておくべきである。乾燥、結晶化、揮発分除去および固体状態重合としても周知の固相重合は、以下で議論するように、このような熱処理の例である。
【0060】
特許文献12および特許文献13(これらの教示をここに参照して挿入する)は、区画化ペレットを製造する多くの技術を教示している。ある実施態様では、ペレット内に少なくとも2つの領域または範囲、好ましくはコアとシースがある。他に規定されない限り、封止末端を有するコア−シースは、特許文献14で教示されるように(この教示をここに参照して挿入する)、好ましいペレット構造である。
【0061】
コア−シース構造は2つの押出し成形機を用いて得られる。もう1つの領域に第3の材料が求められる場合には、追加の押出し成形機が必要である。第1の押出し成形機は、コア材料を形成する液体原料を供給し、コア材料はストランドの中心に線形に押出される。同時に、シース材料は、第2の押出し成形機において、コアを同心状に覆うシース層へと押出される。特許文献14は、コア−シースペレットを製造するために、多重穴ダイ装置を開示している。図1は、コア−シースに区画化されたペレットを表現しており、これは、コア1が実質的にシース2によって覆われてなる。好ましい実施の形態では、ポリエステルは外側シース2へと押出され、ポリアミド(MXD6)はコア1へと押出される。ストランドが図4のように、2以上の環状の同心状層からなりうることは当業者にとって自明である。これは別の押出し成形機と異なるダイを用いることによって達成され得る。
【0062】
第1の工程は多層ストランドを押出すことである。一方成分をペレットの中心に押出し、他方成分を中心成分の周囲に押出す。押出された多層ストランドを、冷却前または冷却後にペレタイザーによって切断し、必要なら、多層ペレットに成形する。
【0063】
次に、ストランドを常套の方法で冷却する。たとえば、ストランドを冷水の入った水槽に浸漬することができる。水冷した多層ストランドを、好ましくは、表面の水分を除去した(しばしばスピン乾燥機によって行われる)後にペレタイザーに送る。
【0064】
ペレタイザーは、多層ストランドを特定の長さにロータリナイフ等を駆動させることによって切断する。このように多層ストランドを切断することによって、コア材料とシース材料を含有する二重円柱形状の多層ペレットが得られる。
【0065】
一般的に、約2〜8mmの外側直径を有する多層ペレットが製造される。また、本発明はストランドから製造されるペレットに限定されない。たとえば、特許文献12に示されるように、熱可塑性ポリマーを層状シートにキャスティングし、次にキューブ形状に切断する。最小の構造は2層であるが、本発明のキャスティング構造にとって好ましい構造は図3に表現されるものである。サンドイッチまたは層構造では少なくとも3層あり、中間層33が第1の外側層31と第2の外側層32間にサンドイッチされている。
【0066】
区画領域は第1の区画領域、第2の区画領域のように分類され、領域数が増加する度に順に名称をつけることができる。たとえば、コア−シース設計は最小で2区画領域を有する。コアシース設計は同心の環の数に依存してより多くの領域を有しうる。
【0067】
区画領域と、均一分散体に関連付けられる領域とを区別するのは、区画領域のサイズである。均一分散体は領域を形成するが、この領域は微細に分割され、それぞれの領域はペレットの全体積の中では非常に小さい割合を示している。区画領域は全体積の中ではもっとより大きい割合ものである。
【0068】
このことを図1に示すコアシースを用いて簡単に例示する。区画領域(コア)の体積の全ペレットに対する割合は、コアの直径のペレットの筒状部分の直径に対する割合である。半径の割合もちょうどそのようになる。この割合は、押出し成形機のダイを見ることによって、ストランドをキャスティングする穴の直径比を用いて見積もることができる。実際の割合は、SEM(走査電子顕微鏡)、顕微鏡試験、または成分分離し回収した成分の密度調整重量に関連付けて必要な体積を計算することによって測定されうる。
【0069】
区画領域となるためには、領域の体積は、ペレットの全体積の少なくとも0.001パーセントでなければならない。特に、0.01体積パーセントがより好ましく、少なくとも0.1体積パーセントは最も好ましい。
【0070】
多成分ペレットの優位性を説明すれば、それはその特有の配置を通じて、反応性成分が解離された副生成物に曝されないことである。大抵の熱処理では、副生成物はペレットの中心から外向きに放出され、ポリマーを通過して外側壁まで拡散し、そこで副生成物がペレット表面から除去される。したがって、反応性の副生成物を解離する成分を、ペレットの外側壁と、副生成物と反応する成分との間に配置することは、本発明にとって本質ではないが有益であると考えられる。ポリエステルシースとポリアミドコアは、この構造の例である。反応性成分を壁と副生成物を解離する成分の間に配置する逆構造では、副生成物が反応性成分を通過して、反応性成分を劣化させ変色させうる。
【0071】
均一な分散体を上回る区画された不均一構造の改良された機能について別に説明できるとすれば、それは表面領域の違いである。均一な分散体は、反応性材料を微細粒子に粉砕したものであり、微細粒子は副生成物との反応に利用できる莫大な量の表面領域を残している。反応性材料を不均一に保持することは、反応に利用できる表面領域を最小限にし、反応性成分を、副生成物を解離する成分で取り囲むことを可能にしうる。
【0072】
好ましい実施の形態はコア−シース設計であり、コアは4000〜50,000の数平均分子量を有するm−キシリレンアジパミドポリアミド(MXD6)を含有し、シースはポリエステル、特に0.4〜1.2dl/gの固有粘度(I.V.)を有するポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートコポリマーを含有する。一旦、ペレットが形成されれば、両材料は次に、結晶化、固相重合または空気中での乾燥の標準的条件下でさらに処理されうるとともに、MXD6が均一にポリエステル中に分散されてなり、同じ熱処理に曝した対照基準と比べて、最終物品に著しい色のシフトを与えない。
【0073】
ペレットが0.2〜1.2dl/gのI.V.を有する少なくとも1つの成分を含有することが特に期待される。たとえば、少なくとも0.45dl/gのフィルム形成ポリエステル、0.49〜0.59dl/g、より好ましくは0.52〜0.56dl/gの中間の原料I.V.のフィルム形成ポリエステルを使用することができる。ペレットは0.59〜0.69dl/g、より好ましくは0.61〜0.64dl/gの範囲の原料I.V.であって、0.72〜0.84dl/g、より好ましくは0.74〜0.82dl/gの範囲のボトルについて典型的なI.V.を有するポリエステルボトル樹脂を使用することもできる。パッケージングトレイにとって、典型的なI.V.は0.85〜1.02dl/g、より好ましくは0.89〜0.95dl/gの範囲である。測定されるポリマーのI.V.は単一値であるが、この値は様々な分子鎖長さの複合体を表す。熱処理時の典型的なI.V.の増加は少なくとも0.1dl/gであるが、0.2以上、さらには0.4dl/g以上である場合もある。
【0074】
発明は材料が結晶であるかアモルファスであるかには無関係である。たとえば、0.49IVのPETのシースが、25,000の数平均分子量を有するMXD6ナイロン(MXD6−グレード6007、ミツビシ・ガス・化学から)を含むコアをカプセル状に包んでなる結晶化前のペレットは実施の形態の1つである。結晶化後の同じペレットは実施の形態の1つであり、固相重合した同じペレットもそうであり、PETのI.V.はここで0.84であり、MXD6ナイロンの数平均分子量も増加する。固相重合したペレットの乾燥も熱処理の想定される実施の形態の1つである。
【0075】
当業者は、分子量はしばしば熱処理時に増加し、ペレット中の成分位置はI.V.の増加速度に影響することを、認識している。最終分子量が各成分について決まれば、当業者は、各成分の出発分子量を低めに選択して、熱処理後の各成分の最終分子量が最終物品に必要な各成分の所望分子量になるようにする。この出発I.V.は慣習的な繰り返し最適化技術によって簡単に決定され得る。
【0076】
また、当業者は、異なる領域では著しく異なった固有粘度と溶融粘度のペレットが製造されうることを認識している。たとえば、多官能性コ−モノマー、たとえば、ピロメリト酸ジアンヒドリド(PMDA)、およびペンタエリスリトールはポリエステルの固相重合速度を増加させるとともに、固体状態重合のための温度を低減することは周知である。これによって、高温で長時間の暴露を低減することができる。シース中にPET/PMDAを有する領域化ペレットは、慣習的な固相重合条件に耐えることができない材料の処理を可能にする。この実施の形態では、ペレットは、外側シースがPETと適量のPMDAで構成され、慣習的な時間および温度に耐えることができない材料はコア中にある。多くのアセトアルデヒド除去剤およびバリアポリマー、たとえば、ポリエチルビニルアルコール(EVOH)はこのカテゴリーに入る。ペレットは、より低温で非常に短時間、いくつかの場合には、慣習的な条件より低温で短時間、固相重合条件下に暴露される。
【0077】
別の好ましい実施の形態は、図2に表現されるように、ペレットの末端を閉じて、内側コア21がシース21で完全に取り囲まれ封止されるようにしたものである。この構造は反応性材料を取り囲み、末端を封止して、周囲の環境中に存在する熱処理の副生成物や貯蔵時の大気中に存在しうる酸素と反応しないようにしている。
【0078】
特許文献14は、コア材料の末端表面がシース材料で覆われた全体的に丸みのあるの球状、楕円状または円盤状の多層ペレットが、末端切断面を丸めることによって製造されうることを教示している。外側層のシースが内側層の内容物を閉じ込めてなるペレットを形成する方法の1つは、ダイを水中に入れペレットストランドを切断することである。好ましいペレット構造は、MXD6コアがポリエステルコポリマーで取り囲まれたものである。
【0079】
区画領域の完全分離が本質ではないことを認識する必要がある。たとえ材料が別々の領域にあっても、ポリエステル領域中に幾分かのポリアミド(MXD6)が存在してもよく、ポリアミド(MXD6)の領域中に幾分かのポリエステルが存在してもよい。
【0080】
事実、ポリアミド領域またはポリエステル領域は、その領域中に均一に分散された親和剤を有し、仕上げ溶融混合工程時のポリアミドとポリエステルの親和を助けてもよい。
【0081】
このような親和剤の例は、米国特許出願第2004/0013833A1号公報に見られ、この公報は、親和化ポリマー混合物を含有する少なくとも第1の層を含む低ヘーズ容器を記載しており、前記親和化ポリマー混合物はポリアミド、PETまたはPET−含有コポリマー、およびイソフタル酸(IPA)変性PETおよびPETイオノマーから選択される少なくとも1つの親和剤を含有する。この出願は別の親和剤も記載している。この出願は、好ましくは1〜6molパーセントのIPA(イソフタル酸)を含有するようなIPA−変性PETを記載している。好ましいPETイオノマーはスルホン化PETである。他の親和剤には、p−トルエンスルホン酸変性PET、ピロメリト酸ジアンヒドリド変性PET、およびマレイン酸無水物変性PET、アクリル酸変性ポリオレフィンタイプのイオノマーおよび低分子量ビスフェノール−Aエポキシ樹脂−E44、2官能性カップラーを用いてカップリングされたトリメリト酸無水物がある。
【0082】
好ましい親和剤は、イオン性親和剤、好ましくは金属スルホネート塩の基を含有するコポリエステルである。スルホネート塩の金属イオンは、Na、Li、K、Zn++、Mn++およびCa++であってもよい。スルホネート塩の基は、芳香族核、たとえば、ベンゼン、ナフタレン、ジフェニル、オキシジフェニル、スリホニルジフェニル、またはメチレンジフェニル核に取り付けられる。
【0083】
好ましくは、芳香族酸の核は、スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジカルボン酸、およびそのエステルである。イオン性親和剤の好ましい範囲は、各酸またはグリコール部分の0.1〜2.0重量molパーセントである。
【0084】
親和剤は第3の成分として区画化ペレット中に存在してもよく、いずれかの区画に存在してもよい。場合によっては、イオン性親和剤を、ポリエステル樹脂の分子鎖内に重合させることができる。
【0085】
また、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)で変性されたPET(PETGとしてイーストマン・ケミカル(Eastman Chemical)社(USA)から入手可能)も親和剤であることを本願発明者は発見している(実施例3参照)。親和剤、特にポリエステルベースの親和剤をポリアミド区画中に配置する必要がないことも理解されるべきである。
【0086】
説明すれば、狭い側の領域は広い側の領域の材料を含むと厳密には考えられる。たとえば、一連の実施例4は、ポリエステルシースとポリアミドコアのペレットについて、コアがポリアミドとポリエステルの両方を少なくとも1:1程度の高い割合で含有する場合に、最終製品の色が維持され清澄性が改良されるといった驚くべき結果を例示している。
【0087】
純粋なポリアミドコアは高速でストランド製造した場合に空孔欠陥を形成することも見出した。PETをMXD6と共にコア中配置した場合に、高速製造でより少量の空孔欠陥が得られた。したがって、少なくともポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートコポリマーシースとMXD6コア構造について、コアは、親和性を改良しより高速製造での空孔欠陥を排除するために、ポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリエチレンテレフタレートコポリマーを含有すべきである。コア中のポリエステルの好ましい量は、連続相としてポリエステルを維持しかつ分散相としてポリアミドを維持するのに必要な最小限の量である。この好ましい量はポリエステルとポリアミドのI.V.によって変化する。これらの現象は、以下で議論するポリエステル/有機除去剤構造を含めた他の構造でも適用できるものと考える。
【0088】
空孔欠陥を減らす別の方法は、押出し後でペレット化前の水温とストランド冷却時間の慣習的な調節である。PETシースおよびMXD6コア構造について、空孔欠陥の形成は冷却時間を増やし、冷却水の温度を上げて、シースとコアの冷却の差を最小限にするようにゆっくりと冷却することによって、低減することができる。
【0089】
本発明での使用に好適な熱可塑性ポリマーは、いずれの熱可塑性ホモポリマーまたはコポリマーをも含む。これらの例には、脂肪族、部分的に芳香族および芳香族ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートコポリマー、ポリブチレンテレフタレートおよびそのコポリマー、ポリトリメチレンテレフタレートおよびそのコポリマー、およびポリエチレンナフタレートおよびそのコポリマー、分岐ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリビニリデンジクロライド、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸、ポリビニルメチルエーテル、エチレンビニルアセテートコポリマー、エチレンメチルアクリレートコポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリ(1−ヘキセン)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリ(1−ブテン)、ポリ(3−メチル−1−ブテン)、ポリ(3−フェニル−1−プロペン)およびポリ(ビニルシクロヘキサン)がある。酸素不活性熱可塑性ポリマーのいくつかの例には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートコポリマー、ポリブチレンテレフタレートおよびそのコポリマー、ポリトリメチレンテレフタレートおよびそのコポリマー、およびポリエチレンナフタレートおよびそのコポリマー、分岐ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリビニリデンジクロライド、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸、ポリビニルメチルエーテル、エチレンビニルアセテートコポリマー、エチレンメチルアクリレートコポリマーがある。
【0090】
好ましくは、本発明で使用される熱可塑性ポリマーは、ポリエステルポリマーまたはコポリマー、たとえば、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートの結晶化可能なコポリマーを含有する。ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートコポリマーのコポリマーもコポリエチレンテレフタレートとして示される。ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートコポリマーのコポリマーは、酸ユニットの総数に基づいて繰り返し酸ユニットの少なくとも85%がテレフタル酸またはテレフタル酸のジエステルから誘導され、グリコールユニットの総数に基づいて繰り返しグリコールユニットの少なくとも85%がエチレングリコールから誘導され、酸および/またはグリコールユニットの残りは少なくとも1つの他の異なる繰り返しユニットから誘導されるポリエステルである。第3の繰り返しユニットはたとえば、イソフタル酸、2,6ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジメタノール、または1,4ブタンジオールでありうる。
【0091】
説明すると、未変性PETという表現は、ポリエチレンテレフタレートまたはコポリエチレンテレフタレートを示す。変性剤の結晶化可能性は、示差走査熱量計(D.S.C.)によって測定されるようにある程度までポリマーを結晶化させる能力を示す。典型的な結晶度は5〜65パーセント程度の範囲であり、これは使用される熱処理と核形成技術のタイプに依存する。典型的には、ポリマーは5%未満の結晶度を有する場合にはアモルファスであると考えられる。
【0092】
2つのタイプの結晶構造がある。1つは、融点以下の高温で材料を力に曝すことによって分子を配列させた伸長結晶である。このタイプの結晶は配向としても周知であり、繊維を引き伸ばす場合またはボトルを引き伸ばして膨らませる場合に生じる。結晶の配列および配向のために、伸長結晶を有する材料は一般的に透明である。非伸長結晶は、応力なしでアモルファス材料を加熱した場合に生じる。この材料は白色になる。この結晶はランダムで性質は非常に脆い。本発明の実施の形態は、アモルファスペレット(これらは5%未満の結晶度を有する)、伸長結晶ペレット、非伸長結晶ペレットおよび伸長結晶と非伸長結晶の両方を有するペレットを取り扱うことができる。両方のタイプの結晶を備えたペレットは、押出し処理時にストランドを配向させ、次に切断したペレットまたはストランドを、ペレット中の幾分かの残りのアモルファス材料を非伸長結晶形態に移行させるのに十分な熱に曝すことから生じる。
【0093】
本発明での使用に好適な熱可塑性ポリマーは、フィルム、シート、または射出成形物品へと形成されうるものと理解される。
【0094】
本発明で使用されるポリマーは、業界で周知の常套の重合手順によって調製され得る。ポリエステルポリマーおよびコポリマーは、ジオールとジカルボン酸との反応またはこれに相当するジエステルを含む熔融相重合によって調製されてもよい。多様なジオールと二酸の使用から得られる多様なコポリマーを用いてもよい。1のみの化学組成の繰り返しユニットを含むポリマーはホモポリマーである。同じ高分子中に2以上の化学的に異なる繰り返しユニットを有するポリマーはコポリマーと呼ばれる。説明すれば、テレフタレート、イソフタレートおよびナフタレートと、エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびシクロヘキサンジメタノールとのポリマーは、6個の異なったモノマーを含有し、コポリマーと考えられる。繰り返しユニットの多様度は、最初の重合反応において存在する異なるタイプのモノマーの数に依存する。ポリエステルの場合、コポリマーは1以上のジオールと1以上の二酸との反応を含み、しばしばターポリマーとも呼ばれる。さらに、モノマーのランダム化は必要でない。コポリマーまたはターポリマーは、異なるモノマーを用いたポリマーとも言え、異なるモノマーはブロックまたはランダム分布している。
【0095】
好適なジカルボン酸には約6個〜約40個の炭素原子を有するものがある。特定のジカルボン酸には、これに限定されないが、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン2,6−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサン二酢酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,3−フェニレンジオキシ二酢酸、1,2−フェニレンジオキシ二酢酸、1,4−フェニレンジオキシ二酢酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等がある。特定のエステルには、これに限定されないが、フタル酸エステルおよびナフタル酸ジエステルがある。
【0096】
ポリエステルイオノマー、たとえば、メタロ−スルホネートを形成するモノマーも含まれる。リチウム、硫黄およびリンのスルホン化イソフタレート塩はこれに含まれる。
【0097】
これらの酸またはエステルを、約2個〜約10個の炭素原子を有する脂肪族ジオール、約7個〜約14個の炭素原子を有する脂環族ジオール、約6個〜約15個の炭素原子を有する芳香族ジオール、または4個〜10個の炭素原子を有するグリコールエーテルと反応させてもよい。好適なジオールには、これに限定されないが、1,4−ブテンジオール、トリメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、レゾルシノールおよびヒドロキノンがある。
【0098】
多官能性コモノマーは、典型的に約0.1〜約3モルパーセントの量で使用されうる。好適なコモノマーには、これに限定されないが、トリメリト酸無水物、トリメチロプロパン、ピロメリト酸ジアンヒドリド(PMDA)、およびペンタエリスリトールがある。ポリエステル−形成ポリ酸またはポリオールも使用されうる。
【0099】
好ましいポリエステルは、テレフタル酸またはそのエステルとエチレングリコールとの約1:1の化学量的反応から形成されるポリエチレンテレフタレート(PETホモポリマー)である。別の好ましいポリエステルは、ナフタレンジカルボン酸またはそのエステルとエチレングリコールとの約1:1〜1:1.6の化学量的反応から形成されるポリエチレンナフタレート(PENホモポリマー)である。また別の好ましいポリエステルは、ポリブチレンテレフタレート(PBT)である。PETコポリマー、PENコポリマーおよびPBTコポリマーも好ましい。利益のある特定のコ−およびターポリマーはイソフタル酸またはそのジエステル、2,6ナフタル酸またはそのジエステル、および/またはシクロヘキサンジメタノールの組み合わせを有するPETである。
【0100】
カルボン酸またはエステルとグリコールとのエステル化または縮重合反応は、典型的に触媒の存在中で起こる。好適な触媒には、これに限定されないが、酸化アンチモン、アンチモントリアセテート、アンチモンエチレングリコレート、オルガノ−マグネシウム、酸化錫、チタンアルコキシド、ジブチル錫ジラウレート、および酸化ゲルマニウムがある。これらの触媒を亜鉛、マンガンまたはマグネシウムのアセテートまたはベンゾエートと組み合わせて使用してもよい。アンチモンを含有する触媒が好ましい。食品パッケージングにおけるペレットの要望のために、他の好適なポリエステルはUSA 21 CFR 177.1000−177.2910(1997年4月改訂版)に挙げられている。
【0101】
別の好ましいポリエステルは、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)である。これは、たとえば、1,3−プロパンジオールと少なくとも1つの芳香族二酸またはそのアルキルエステルとを反応させることによって調製され得る。好ましい二酸およびアルキルエステルには、テレフタル酸(TPA)またはジメチルテレフタレート(DMT)がある。したがって、好ましくは、PTTは少なくとも約80モルパーセントのTPAまたはDMTのいずれかを含有する。このようなポリエステルにおいて共重合されてもよい他のジオールには、たとえば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、および1,4−ブタンジオールがある。コポリマーを形成するのに同時に使用してもよい芳香族および脂肪族の酸には、たとえば、イソフタル酸およびセバシン酸がある。
【0102】
PTTを調製するのに好ましい触媒には、チタンおよびジルコニウム化合物がある。好適な触媒性チタン化合物には、これに限定されないが、チタンアルキレートおよびその誘導体、チタン錯体塩、ヒドロキシカルボン酸とのチタン錯体、チタン二酸化珪素二酸物共沈物、および水和アルカリ含有二酸化チタンがある。特定の例には、テトラ−(2−エチルヘキシル)−チタネート、テトラステアリルチタネート、ジイソプロポキシ−ビス(アセチル−アセトナト)−チタン、ジ−n−ブトキシ−ビス(トリエタノールアミナト)−チタン、トリブチルモノアセチルチタネート、トリイソプロピルモノアセチルチタネート、テトラ安息香酸チタネート、アルカリチタンオキサレートおよびマロネート、カリウムヘキサフルオロチタネート、および酒石酸、クエン酸または乳酸とのチタン錯体がある。好ましい触媒性チタン化合物は、チタンテトラブチレートおよびチタンテトライソプロピレートである。対応するジルコニウム化合物を用いてもよい。
【0103】
また、本発明の好ましいポリマーは少量のリン化合物(たとえば、リン酸塩)や青味を与える傾向のあるコバルト化合物のような触媒を含有してもよい。含まれてもよい他の薬剤は赤外線吸収剤、たとえば、カーボンブラック、グラファイトおよび各種鉄化合物である。
【0104】
上記熔融相重合に次いで結晶化工程、そして固相重合(SSP)工程を行って、ボトル製造に必要な分子量を増加させてもよく、これは固有粘度によって測定される。結晶化および重合は、バッチタイプシステムにおいてタンブラー乾燥反応機中で行われうる。場合によっては、結晶化および重合は連続固相法で実施されうり、これによってポリマーは、各容器で予め定められた熱処理の後にある容器から別の容器へと流れる。
【0105】
好ましくはPETの結晶化条件は、約100℃〜約150℃の温度を含む。PETを結晶化するための典型的な熱処理作業は、ペレット中のPETの結晶度を少なくとも5パーセント増加させる。本発明の実施の形態では、たとえば、PETまたはポリアミドのいずれかの成分の結晶度を5パーセント増加させることができ、組み合わされた2つの成分の結晶度の増加が5パーセントであってもよい。結晶度パーセントの増加は、成分の加重平均でも、以前の結晶度の量に対するパーセンテージや値でもないことを記載しておくべきである。結晶度パーセントの増加または結晶度の増加は、結晶度の絶対増加である。PETおよびポリアミドの結晶が組み合わされている場合には、結晶度の増加はPETの結晶度の絶対増加プラスポリアミドの結晶度の絶対増加である。たとえば、「少なくとも5パーセントの結晶度増加」という表現は、少なくとも5パーセントの成分がアモルファスから結晶になったことを意味する。20%の結晶度を有するペレットが結晶度について5パーセント増加するということは、21%の結晶度を有することを意味するのではない。これはペレットが25%の結晶度を有することを意味している。多くの場合、結晶度の増加は少なくとも10パーセントの増加であり、いくつかの場合には15〜20パーセントと非常に高い。
【0106】
好ましくは、固相重合条件は約200℃〜約235℃、より好ましくは約215℃〜約235℃の温度を含む。固相重合は分子量が所望のレベルに上昇するのに十分な時間をかけて行われうり、このレベルは用途と最初の固有粘度に依存する。典型的なボトル用途では、好ましい分子量は、約0.68〜約0.88デシリットル/グラムの固有粘度に相当し、これは方法の段落で記載された方法によって決定される。この分子量に達するのに必要な時間は約8〜約45時間の範囲であってもよい。慣習的なI.V.の増加は少なくとも0.1dl/gであり、0.2〜0.4dl/gの増加はより慣習的である。
【0107】
発明の実施の形態では、本発明の熱可塑性ポリマーマトリックスはリサイクルされたポリエステルまたはリサイクルされたポリエステルから誘導される材料、たとえば、ポリエステルモノマー、触媒、およびオリゴマーを含有してもよい。少なくとも75%の均一に分散されたMXD6を有するPETが、コアシース設計のコア中に配置された場合、樹脂ペレット中の全MXD6含有量が5%程度であるときに、この少なくとも75%の均一に分散されたMXD6を有するPETは十分に固相重合されうることを発見し、実施例4Bおよび4Cで示している。この重要な発見は、MXD6のようなポリアミドが分散されたPETで構成された使用済み容器からリサイクルされたポリエステルを、結晶化し、固相重合し、かつ乾燥することができ、この際、一般的にMXD6ナイロンのようなポリアミドが分散されたリサイクルポリエステルを使用することに関連した着色の増加を伴わないことを意味する。リサイクル処理は、コア中にMXD6ナイロンを含有するリサイクルPETを配置し、リサイクルPETまたはMXD6を含有しない新しいPETをシースに配置するだけでよい。典型的なリサイクル処理では、コア中のPETは多くても10重量%、より好ましくは5重量%未満のMXD6を含有する。
【0108】
本実施の形態の他の成分は、熱処理時に副生成物を生成してこれが他の成分と反応する化合物か、熱処理時に他の成分から生成された副生成物と反応する化合物である。両成分はもう一方の副生成物と反応してもよいことを記載しておく。
【0109】
ポリエステルが第1の成分として好ましい材料であるとすれば、ポリアミドは第2の成分の好ましい材料である。本発明に好適なポリアミドは、アミノカプロン酸の繰り返しユニットまたはA−Dの繰り返しユニットを含有し、ここで、Aはアジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、レゾルシノールジカルボン酸、またはナフタレンジカルボン酸またはその混合物を含むジカルボン酸の残基であり、Dはm−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミンまたは1,4シクロヘキサンジメチルアミンまたはその混合物を含むジアミンの残基である、と記載することができる。これらのポリアミドは、2000〜60,000の数平均分子量の範囲でありうり、これは末端基滴定によって測定される。これらのポリアミドは、アミノカプロン酸同士の反応生成物および/またはアジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4シクロヘキサンジカルボン酸、レゾルシノールジカルボン酸、またはナフタレンジカルボン酸またはその混合物を含むジカルボン酸の残基と、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミンまたは1,4シクロヘキサンジメチルアミンまたはその混合物を含むジアミンの残基との反応生成物と記載することもできる。
【0110】
当業者は、周知の市販入手可能なポリアミドとして多くの組み合わせを認識している。セバシン酸とヘキサメチレンジアミンの残基の反応生成物はナイロン610であり、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの残基の反応生成物はナイロン66である。ナイロン612は発明からの利益を受ける別のナイロンである。ナイロン6はカプロラクタムを開環し、次に式HN−(CH−COOHを有する得られたアミノカプリン酸を重合することによって形成される特別なタイプのポリアミドである。好ましいポリアミドはアジピン酸とm−キシリレンジアミンの残基の反応生成物であり、ポリ−m−キシリレンアジパミドとして周知である。この生成物はMXD6またはナイロンMXD6として工業的に周知であり、ミツビシ・ガス・化学社、日本から購入することができる。
【0111】
さらに、このポリアミドを、ポリアミドイオノマー、たとえば、メタロ−スルホネートを生じるモノマーを用いて変性させてもよい。リチウム、硫黄およびリンのスルホン化イソフタレート塩はこれに含まれる。これらはたとえば、ジカルボン酸、前−反応ジエステル、またはジアミンとして導入されうる。米国特許第3,328,484号公報(この教示をここに参照して挿入する)は、このような変性コ−ポリアミドを記載している。
【0112】
プレコンパウンドを上回る本発明の優位性を、実施例2A、1Bおよび2Bで例示する。実施例2Aでは、ポリエステルシースとポリアミド(MXD6)コアのペレットを形成し、140℃で<1.33ミリバールで5時間保持して材料を結晶化した。結晶化後、ペレットを230℃で約13時間、<1.33ミリバール(<1mmHg)の真空に暴露して分子量を増加させた。次にペレットを空気中で160℃で6時間乾燥させて、予備成形品へと射出成形した。
【0113】
PET/MXD6の均一に分散調合された対照基準(実施例2B)を、<1.33ミリバール(<1mmHg)で140℃で5時間保持して材料を結晶化し、次いで空気中で160℃で6時間乾燥させて、予備成形品へと射出成形した。
【0114】
物理的混合物の対照基準(実施例1B)を、PETとMXD6の別のペレットを乾燥空気の存在中で160℃で6時間乾燥させ、予備成形品へと射出成形することによって形成した。
【0115】
均一に分散された対照基準から形成された予備成形品の着色はb=23.1であり、物理的混合物の対照基準の着色はb=−5.8であった。これに比べて発明の実施の形態はb*=−4.7であった。
【0116】
これらの実験は単に区画化ペレット構造の利用を例示しているだけでなく、2つの材料を同時に熱処理する方法を開示している。この熱処理には、これに限定されないが、結晶化、乾燥、固相重合またはこれらのいずれかの組み合わせがある。これらの実験は回転式真空混合機中で行われるが、工業的大きさの振動式流動床結晶器中で、空気または窒素のような不活性ガスの存在中で、および連続固相重合装置中で、窒素のような不活性ガスの存在中で非常に簡単に行われるものである。
【0117】
本発明の第2の利益は、少なくとも1つの酸素不活性ポリマー、たとえば、ポリエステルと、少なくとも1つの酸素感応性成分と、少なくとも1つの反応促進剤を含有するペレットであって、ここで、反応促進剤は、酸素感応性成分と接触して配置されたときに、酸素感応性成分と酸素との反応を開始させまたは触媒して、よって酸素感応性成分を酸素反応性成分にするものである。
【0118】
本明細書の趣旨では、酸素と反応する成分は酸素反応性成分または酸素除去剤として周知である。この成分と酸素との反応は、しばしばパッケージの壁中にも存在するさらなる成分によって促進される。促進剤の存在中で酸素に対して反応性になる成分は、酸素感応性成分と呼ばれる。通常、促進剤は酸素感応性成分と酸素との反応を開始させしばしば触媒する。酸素感応性成分が促進剤に曝され酸素と反応性となった後、酸素感応性成分は酸素反応性成分になる。酸素感応性/反応性成分は、有機でも無機でも還元された原子価状態の金属でもよい。
【0119】
逆に、酸素不活性成分という表現は、酸素感応性成分を酸素反応性成分にするレベルの促進剤に接触させて配置したときに、酸素と反応性にならない成分を示す。これは、酸素感応性成分と促進剤を組み合わせ、酸素消費量を測定することによって簡単に決定することができる。次に、問題の酸素不活性成分を促進剤とのみ組み合わせて酸素反応度を測定する。大抵の有機化合物は、酸素に対して幾分かの非常に僅かな固有の量の反応度を有することが観察された。したがって、本明細書の内容において酸素不活性成分であるためには、促進剤を伴った成分は、促進剤なしの成分に比べて、酸素消費量について、10%未満の増加を示す、好ましくは増加を示さないべきである。少量の触媒、汚染物質または促進剤がその中でおよびこれと酸素とが僅かに反応しうることによって、僅かに高い増加が引き起こされる場合がある。
【0120】
この実施の形態では、ポリマー、酸素感応性成分および促進剤をペレットの領域または区画に不均一に配置し、実質的に酸素との反応を開始しまたは触媒するには酸素感応性成分と直接接触する促進剤の量が不十分であるが、仕上げ溶融押出し工程時に構成要素を混合して均一になれば、反応を開始しまたは触媒するのに十分すぎる促進剤があるようにする。
【0121】
重要な因子は、促進剤と酸素感応性成分が、互いに均一に分散しまたは溶解しているのではなく、実質的にペレット中に不均一に配置されることである。実施の形態では、酸素感応性成分はコアかシースのいずれかの区画に配置され、促進剤は、ペレットを仕上げ溶融混合工程で処理したときに、酸素感応性成分と酸素との反応を開始しおよび/または触媒するのに十分な量を、酸素不活性成分に導入される。この構成では、酸素感応性成分は、仕上げ溶融混合時に促進剤と組み合わされるまでは、本質的に酸素と非反応性のままである。酸素感応性化合物は仕上げ溶融混合までは酸素との反応性をほとんどまたは全く有さないので、発明のペレットは、このとき、空気のような酸素含有環境中で貯蔵され、酸素の存在中で熱処理を施すことができる。
【0122】
酸素反応性化合物は多くの化合物の1つである。この特別な実施の形態の酸素反応性化合物は、酸素との反応を開始しまたは触媒するのに反応促進剤を必要とする酸素感応性成分である。アクティブ・フード・パッケージング(Active Food Packaging)、M.L.ルーニー(Rooney)、1995、p74〜110(その教示をここに参照して挿入する)は、様々なタイプの酸化可能な有機酸素感応性化合物を記載している。酸素感応性化合物は、一般的にエチレン性不飽和有機化合物であり、酸素と、開始剤または触媒である促進剤との存在中で切り取られる少なくとも1つのアリル性水素を有する。この文章において、触媒は開始剤である場合があるが、開始剤は必ずしも触媒であるわけではない。一般的に酸素との反応は、開始剤または触媒の存在がなければ、非常にゆっくりであるか、全く起こらない。開始剤は、この化合物と酸素との高速反応を開始させるものである。触媒は、反応を開始することも、反応速度を増加させることもできるが、反応に参加しない。
【0123】
ポリオレフィンのようなポリアミドは遷移金属触媒の存在中で酸素と反応性になり、したがって、酸素感応性成分でもあることも記載しておくべきである。したがって、ポリアミドも発明の第2の目的では好ましい酸素感応性成分の1つである。特に、上の実施の形態で記載されたポリアミドは、好適な酸素感応性成分である。これらのポリアミドの中でm−キシリレンアジパミド部分は好ましい。ポリブタジエン、ポリブタジエンオリゴマーおよびテルペンは酸素感応性材料の別の例であり、これらは遷移金属触媒によって促進(開始および/または触媒)される。
【0124】
酸化可能な有機化合物の別の例は、特許文献7に挙げられている(その教示をここに参照して挿入する)。特定の例には、ポリブタジエン、非水素化ポリブタジエンオリゴマー、ポリプロピレンオキサイドオリゴマー、およびメチルペンダント芳香族化合物がある。高−シス(high−cis)、高−ビニル(High−vinyl)およびシンジオタクチック(syndiotatic)微細構造を有するものを含めた多くの形態のポリブタジエンが有効である。
【0125】
主成分と物理的に混合されるだけでなく、酸素感応性部分は1以上の領域中で化学的に官能化され、主成分と親和性のある材料と反応することができる。このような官能化は、少なくとも1つのカルボキシル、ヒドロキシル、またはアミノ基をその部分に置くことである。好ましくは、この部分の各末端に2つの官能基が生じる。ポリエステルと親和性のある材料のタイプは、USA 21 CFR 177.1590に示されるポリエステルからなる群から選択される主たる縮重合体のセグメントと、官能化ポリブタジエン、非水素化ポリブタジエンオリゴマー、ポリプロピレンオキサイドオリゴマー、およびメチルペンダント芳香族化合物からなる群から選択される少量の酸素感応性部分セグメントを有するポリアミドとの反応生成物である。USA 21 CFR 177.1590は、縮重合体を、1以上の以下のフタレート(ジメチルテレフタレート、ジメチルオルトフタレート、およびジメチルイソフタレート)が形成されて、アルファ−ヒドロオメガ−ヒドロキシポリ(オキシテトラメチレン)および/または1,4ブタンジオールと反応する場合のエステル交換反応によって生成されたポリエステルエラストマーとして記載しており、最終的なエラストマーが20,000〜30,00の数平均分子量を有するようにしている。また、これらの縮合体を、テレフタレート、オルトフタレートおよびイソフタレートからなる群から選択される1以上のフタレートで構成された縮重合体として記載することもでき、ここで縮重合体はさらに、アルファ−ヒドロオメガ−ヒドロキシポリ(オキシテトラメチレン)および1,4ブタンジオールからなる群から選択される1以上のグリコールから構成され、縮重合体は20,000〜30,00の数平均分子量を有する。アルファ−ヒドロオメガ−ヒドロキシポリ(オキシテトラメチレン)は、1,4ブタンジオールのポリマー状態である。モノ−エチレングリコール(エチレングリコール)およびポリエチレングリコールとしても周知のそのポリマーも好適である。
【0126】
通常、酸素除去剤材料を主成分自身と反応させる場合に最良の親和性が得られる。特許文献7は、これが如何に達成されるかを記載している。特許文献7は官能化ポリブタジエンをポリエステルセグメントに対して反応させることを教示しているので、その発明者は官能化ポリブタジエンをポリエステルセグメントに対してモノマーとして捕らえている。本開示の趣旨では、官能化ポリブタジエンという用語は特許文献7で見出されたポリブタジエンモノマーという用語と等価である。好ましくは、官能化酸素除去剤を、主成分と同じタイプの材料と反応させる。言い換えれば、ポリエチレンテレフタレートとの最良の親和性は、官能化酸素除去剤をポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートコポリマーと反応させる場合に得られる。
【0127】
促進剤は開始剤または触媒であり、酸素感応性成分と酸素との反応を開始しまたは促進するいずれかの化合物である。促進剤は通常遷移金属、最も好ましくはコバルト塩、たとえば、コバルトネオデカノエートであり、酸素感応性材料と酸素との反応によって消費されない。さらに、酸素感応性成分は、促進剤が十分な量存在しなければ、酸素に対して十分に非反応性である。また、促進剤も、酸素との反応を開始しまたは開始剤を解離するために、ペレット外部に何らかの事象、たとえば、放射エネルギー(光、UV光、マイクロ波)または別の物質(たとえば、水)との接触を必要してもよい。
【0128】
促進剤の量は、通常、必要な酸素消費量、酸素感応性成分のタイプ、および促進剤のタイプに基づいて経験的に決定される。一般的には、促進剤の量は、酸素感応性成分に対して金属イオンで30〜1000ppmの間で変動する。より好ましくは、この値は50〜500ppmであり、最も望ましい範囲は酸素感応性成分の重量の100〜300ppmの金属イオンである。
【0129】
酸素不活性成分に対する酸素感応性成分の量は、酸素反応性になった場合に酸素と反応する酸素感応性成分の効率に依存する。効率的な酸素消費は、酸素感応性成分および/または酸素反応性成分が1〜12重量パーセント存在する場合に起こる。より好ましくは酸素感応性/酸素反応性成分は、樹脂ペレットの2〜8重量パーセントのレベルで存在すべきである。最も工業的な仕様は4〜6重量パーセントのレベルでの利用である。
【0130】
好ましい実施の形態は、未促進の酸素感応性成分、好ましくはMXD6のようなポリアミド、非水素化ポリブタジエンオリゴマーまたはポリエステル骨格に対して反応させた非水素化ポリブタジエンオリゴマーをペレットのコア中に配置し、コバルト促進剤およびポリエステルをシースまたは外側構成層中に配置するものである。この構成の下では、コバルト促進剤は、仕上げ溶融混合工程までポリエステル(酸素不活性)相中に留まり、仕上げ溶融混合工程時に酸素感応性成分はポリエステル全体に分散され、コバルト塩と密接に接触することになり、これによって酸素と酸素感応性成分との反応を開始し触媒する。この時点で酸素感応性成分は酸素反応性成分になる。
【0131】
当業者は、酸素感応性成分に添加することができるが酸素との反応を促進するには不十分である促進剤の最大レベルを決定し、完全な分散下で反応を促進するのに必要な促進剤の総量を決定し、ポリエステルシース中に少なくとも残りの量の促進剤を配置することによって、促進剤の量を最小限にしうることを認識している。
【0132】
第3の実施の形態は、既に開始され/触媒された、または酸素反応性の成分をコア中に配置し、高バリア成分を酸素反応性成分とペレットの外側エッジの間、たとえば、シース中に配置することである。好ましい実施の形態は、酸素反応性成分を取り囲むシースであり、このシースは酸素反応性成分に到達する酸素量を低減し、これによって貯蔵時の酸素反応性性能を維持する。ここで、コバルト塩を含んだMXD6、コバルト塩含んだポリブタジエンおよびコバルト塩と組み合わせたポリエステルに対して反応させた非水素化ポリブタジエンは、コアにとって好ましい材料である。これらの成分はポリエチレンテレフタレートまたはその結晶化可能なコポリマーのシースによって取り囲まれる。次にポリエステルを結晶化させ、事実上コア中の酸素反応性成分への酸素の浸透を排除する。
【0133】
官能化(非水素化)酸素反応性成分が2つの形態で存在してもよいことも、重要な事項である。初めは、酸素反応性成分は、ポリマー骨格に対してまだ反応していない官能化材料として存在してもよい。仕上げ溶融混合時に、別の区画中の成分の骨格に対して反応が起こる。同様の反応が特許文献13に記載されている。しかし、特許文献13は、成分が類似しておらず、かつ仕上げ溶融混合時に化学的に互いと相互反応性になるような構造に限定している。特許文献13は外部化合物、たとえば、酸素と反応するシステムや押出し成形機中でのみ反応するようなシステムについて何も考慮していない。
【0134】
当然ながら、本発明は、副生成物および/または酸素に対する反応だけでなく、相互作用/相互反応成分を有しうるペレットにも適用する。酸素感応性または酸素反応性成分はこれら相互作用/相互反応性成分の1つであってもよく、またはそうでなくてもよい。本実施の形態の重要な因子は、ペレット外部の化合物、たとえば、酸素との反応促進剤の存在であり、促進剤が酸素感応性化合物とは別に保持されるか、または酸素反応性成分が酸素から遮断されて、いずれの実施の形態でも室温(23℃+/−5℃)でのペレットの酸素反応速度を、対照基準のペレットを20%上回って減少させるようにすることである。
【0135】
発明の領域化ペレット構造の酸素反応性のないことを実施例5に例示する。PET、酸素感応性成分(MXD6)および酸素反応促進剤(コバルトネオデカノエート)を含有する領域化構造(5C)の酸素反応性は、まさにPETおよび酸素感応性成分を含有する対照基準(5A)と同様である。1日後に反応した酸素量は事実上同じであり、区画化構造は7日を過ぎても消費量の増加を示さない。対照基準の7日目の低い結果は、試料を製造後幾分かの時間までガラス瓶に入れておかなかったことによると考えられる。このときに少量の本来的な酸素反応性が既に生じていた。
【0136】
比較すれば、比較例(5B)は7日間で約2倍の量の酸素と反応し、これを消費していた。酸素除去性能の維持は実施例5Dで例示され、実施例5Dは領域化構造の5Cをすべての構成要素を混合するように再ペレット化したものである。この方法では、混合する準備ができる可能な限り直前まで、成分は分離され、酸素感応性材料を酸素反応性材料に移行させる。
【0137】
発明の別の実施の形態は、アセトアルデヒド除去剤またはアセトアルデヒド反応触媒を領域の1つに配置することである。ポリアミドはアセトアルデヒドと反応する一種の化合物であり、上で議論している。酸化ジルコニウム粒子もアセトアルデヒドを減らすことで周知である。酸化ジルコニウムは粒子であるので、この化合物が高レベルでは最終の製品に曇りを引き起こす。領域中に二酸化ジルコニウムを集中させることの利点は、アセトアルデヒドが熔融重合工程で一般的なレベルから劇的に減少した場合に、固相重合後まで二酸化ジルコニウムが比較的未使用のまま残ることである。多量のアセトアルデヒドは固相重合時に除去されるので、固相重合の前に酸化ジルコニウムをコアシース設計のコア中に導入することによって、必要な酸化ジルコニウムが少なくてすむ。
【0138】
(試験方法)
発明のペレットによって反応する酸素量を決定し、同じ量の構成要素を有する同様のサイズの対照基準ペレットと比較する。対照基準の場合、構成要素はペレット全体に均一に分散される。場合によっては促進剤が酸素感応性成分中に分散され、これは次に酸素不活性材料中に分散される。
【0139】
酸素反応度を、封止した容器中に対照基準のペレットを配置し、同じ数、同じサイズおよび同じ重量の区画化ペレットを同じサイズの封止した容器中に配置することによって決定することができる。容器を同じ温度に保持し、各容器中の酸素の消費をある時間の時点で、好ましくは7日の時点で測定する。たとえば、同じ量、同じサイズのペレットを2つのガスクロマトグラフのガラス瓶に入れて封止することができる。瓶Aは均一な分散体を含有する。瓶Bは実施の形態を含有する。瓶を同じ環境(温度、好ましくは23+/−5℃)中で7日間保持する。実際の温度レベルは、7日間に渡って両方の瓶を同じ温度プロファイルに暴露しつづけることが不可欠であるというほどではない。7日後、各瓶を酸素含有量について分析する。大気中の酸素量からの酸素含有量の減少が除去されたまたは反応した酸素量である。ペレット重量のばらつきを、消費された酸素量を瓶中の材料の量で割り、その値をポリマーのグラム当たりの除去(反応)酸素の立方センチメートルで表すことによって、考慮する。ペレットが同じサイズで、同じ数のペレットが使用される場合には、この標準化調整は必要ない。同じ試験は、ペレットをホイルバッグに入れ、酸素の減少についてホイルバッグ中のガスを分析することによって行うことができる。効果的な構造は7日間で対照基準より少なくとも20パーセント少ない酸素を消費する。
【0140】
(固有粘度)
60/40フェノール/テトラクロロエタンに可溶性の中程度の分子量で低結晶性のポリ(エチレンテレフタレート)と関連ポリマーの固有粘度を、0.1gポリマーのまたはグランドペレットを25mlの60/40フェノール/テトラクロロエタン溶液中に溶解し、ウッベローデ(Ubbelohde)1B粘度計を用いて30℃+/―0.05での溶液の粘度を同じ温度での溶媒に対して決定することによって、決定した。固有粘度は、相対粘度に基づいてビルメイヤー(Billmeyer)方程式を用いて計算される。
【0141】
フェノール/テトラクロロエタンに不溶性の高分子量または高結晶性のポリ(エチレンテレフタレート)と関連ポリマーの固有粘度を、0.1gポリマーのまたはグランドペレットを25mlの50/50トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン中に溶解し、タイプOCウッベローデ(Ubbelohde)粘度計を用いて30℃+/―0.05での溶液の粘度を同じ温度での溶媒に対して決定することによって、決定した。固有粘度は、ビルメイヤー(Billmeyer)方程式を用いて計算され、線形回帰を用いて変換して、60/40フェノール/テトラクロロエタン溶媒を用いて得られた結果と一貫性のある結果を得る。線形回帰はIV60/40フェノール/テトラクロロエタン=0.8229×IV50/50トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン+0.0124である。
【0142】
(結晶度の決定)
結晶度の決定はいずれの一般的な技術よって行われてもよい。しかし、いずれかの方法で多種類の化合物を含有するペレットでは、測定密度または必要な熱量(DSC技術)はペレット中の化合物の量の加重平均によって調整される。
【0143】
(成分分離とペレット中の成分量の決定)
ペレット中の各成分の量は多くの異なった技術によって決定されうる。たとえば、ペレットを製造する場合に、どれくらいの量の化合物を添加したかを知ることができ、成分を物理的に分離することができ、または成分を溶解して互いに分離し、溶媒を除去して重量を計ることによって、成分を分離することができる。ポリアミド−PETの場合には、蟻酸を用いて、PETシースを残してコアから出たポリアミドを溶解することができる。PETの量は直接計ることができ、ポリアミドの量は差から決定される。ポリアミドコアが蟻酸に不溶性の他の化合物を含有する場合には、溶液をろ過し、水を添加することによって蟻酸からポリアミドを沈殿させることができる。次に試料を乾燥させ、ポリアミドの量を直接計量することによって決定する。いずれの場合も、少量の添加剤やその他の非−ポリアミド、非−PET材料は結晶度の絶対値には大きくは影響しない。
【0144】
ペレットから分離すれば、成分の個々の結晶度または固有粘度を決定することができる。
【0145】
(実験結果)
すべての実験作業において、ポリエステルおよびポリアミドは予め乾燥し、ペレットサイズは2グラム/100ペレットであった。好ましいペレットサイズは1.5グラム/100ペレット未満、より好ましくは1.8グラム/100ペレット未満である。
【0146】
(一連の実施例1:空気中での結晶化と乾燥)
1A−区画化ペレット
区画化ペレットは、シースを95重量パーセントの0.84I.V.のポリエチレンテレフタレートコポリマー(CLEARTUF MAX、M&Gポリマーズ(Polymers)USAから)から、コアを5重量パーセントのMXD6ナイロン(グレード6007、1.181I.V.、ミツビシガス化学、日本から入手可能)から形成した。ペレットを140℃、<1.33ミリバールで、回転式容器中で5時間熱処理して、材料を結晶化させ(非伸長結晶)、空気中で6時間160℃で乾燥させ、52gの予備成形品へと射出成形した。予備成形品のハンターカラーはL=52.1、a=−0.95およびb=−4.91であった。
【0147】
(比較例1B、1C、1D)
1B−同じ容器中で乾燥させたポリエステルおよびポリアミド
ポリエチレンテレフタレートコポリマーを、実施例1Aの0.52I.V.のアモルファス原料樹脂のポリエステルを取り、これを140℃、<1.33ミリバールで、回転式容器中で5時間熱処理して、材料を結晶化させることによって調製した。結晶化後、同じ回転式容器中で、ペレットを<1.33ミリバール、230℃に約13時間曝し、I.V.を0.84dl/gmに高めた。95重量パーセントのポリエチレンテレフタレートコポリマーペレットと5重量パーセントの実施例1Aのポリアミドを、同時に同じ大気乾燥機中に6時間160℃で入れ、次に予備成形品へと射出成形した。予備成形品のカラーはL=53.3、a=−0.36およびb=−5.82であった。
【0148】
1C−別々の容器中での乾燥
実施例1Aのポリエチレンテレフタレートコポリマーのペレットと実施例1Aのポリアミドのペレットを別々の容器中で乾燥した。ポリエステルは大気中で154.4℃で一晩乾燥した。ポリアミドは一晩真空オーブン中で107.2℃で乾燥した。乾燥したペレットを、ポリエステルが94.5重量パーセント、MXD6が5.5重量パーセントの割合で、実施例1Aと同じ射出成形装置で同じ条件下で仕上げ溶融混合して、予備成形品に成形した。3つ予備成形品の平均カラーはL=50.12、a=0.10およびb=−7.47であった。
【0149】
1D−結晶化し乾燥した均一な分散体
実施例1Aのポリエチレンテレフタレートコポリマー(PET)と実施例1AのMXD6ナイロンの乾燥ペレットを94.5重量パーセントと5.5重量パーセントの割合で均一に溶融混合(配合)し、押出してペレットに切断した。溶融混合したPETとMXD6のペレットを、140℃、<1.33ミリバールで、回転式容器中で6時間保持することによって結晶化し、空気中で6時間160℃で乾燥し、次に実施例1Aと同じ予備成形品に射出成形した。2つのハンターカラーの読み取り値は同じ予備成形品について取った。読み取り値はL=47.75/46.7、a=−2.19/−2.17およびb=11.35/12.9であった。
【0150】
【表1】

【0151】
(一連の実施例2:結晶化、固相重合および空気乾燥)
2A−区画化ペレット
区画化されたコア−シースペレットは、シースを95.1重量%の実施例1Bのポリエチレンテレフタレートコポリマーから、コアを4.9重量%の実施例1Aのポリアミドから形成した。多成分ペレットを、回転式容器中で5時間、140℃、<1.33ミリバールに暴露して、材料を結晶化させた。結晶化後、ペレットを<1.33ミリバール、230℃に約13時間曝し、分子量を高めた。固相重合前のペレットの固有粘度は0.58であり、固相重合後では0.85dl/gであった。次にペレットを空気中で160℃で6時間乾燥させ、実施例1Aと同じ予備成形品へと射出成形した。予備成形品のハンターカラーはL=48.2、a=−1.87およびb=−4.71であった。
【0152】
(比較例)
2B−溶融混合、均一分散、結晶化、固相重合および空気乾燥
PET中に均一に分散されたポリアミドのペレットを、95重量パーセントの実施例1Bのポリエチレンテレフタレートコポリマーと、5重量パーセントの実施例1Aのポリアミドとを溶融混合することによって形成した。均一に混合したPETとポリアミドのペレットを140℃、<1.33ミリバールで、回転式容器中で5時間熱処理して、材料を結晶化させた。結晶化後、同じ容器中で、ペレットを<1.33ミリバール、230℃に約13時間曝し、固有粘度を0.84dl/gに高めた。次にペレットを空気中で160℃で6時間乾燥させ、実施例1Aと同じ予備成形品へと射出成形した。予備成形品のカラーはL=42.93、a=−0.61およびb=+23.14であった。
【0153】
【表2】

【0154】
(一連の実施例3:親和剤)
シクロヘキサンジメタノール(CHDM)で変性したポリエステル(PETGグレード6763、イーストマン・ケミカル社 USAから)を、ピロメリト酸ジアンヒドリド(PMDA)ありとなしのポリアミドとともに、コア中に入れてこれらの実験を実施し、ペレットを固体状態重合し空気中でペレットを乾燥し、その後ペレットを27グラムの予備成形品に射出成形し、500mlのボトルをブロー成形した。製造でのCHDM変性ポリエステルの使用はイソフタル酸変性PETよりも曇りを少なくし、PMDAの使用は以下に示すようにさらに曇りを減少させることを結果は示している。
【0155】
一連の実施例3A1および2−ピロメリト酸アンヒドリド(PMDA)ありとなしのイソフタル酸変性PET
1.この2組の実験では、区画化ペレットを実施例1Bのポリエステルをシースとして使用して形成した。コアはペレットの15重量パーセントであり、実施例1Aのポリアミドを33.33重量パーセントと10モルパーセントのイソフタル酸で変性した0.62IVのポリエステルを66.67重量パーセント含有していた。次にペレットを真空下で0.76IVにまで固相重合し、次いで空気乾燥して27グラムの予備成形品へと射出成形し、500mlのボトルにブロー成形した。側壁全体について測定したボトルのハンターヘーズは18パーセントであった。
【0156】
2.この第2の組は、実施例3A1と同様の方法で形成した。違いは、コアが0.35重量パーセントのPMDAを含有する点であった。これらのペレットを0.81IV(I.D6−3B1−08)にまで固相重合し、次いで空気乾燥して27グラムの予備成形品へと射出成形し、500mlのボトルにブロー成形した。側壁全体について測定したボトルのハンターヘーズは9.7パーセントであった。
【0157】
一連の実施例3B1および2−PMDAありとなしのシクロヘキサンジメタノール(CHDM)で変性したPET
1.この2組の実験では、区画化ペレットを実施例1Bのポリエステルをシースとして使用して形成した。コアはペレットの15重量パーセントであり、実施例1Aのポリアミドを33.33重量パーセントとシクロヘキサンジメタノールで変性した0.67IVのポリエステル(PETGグレード6763、イーストマン・ケミカル社 USAから)を66.67重量パーセント含有していた。次にペレットを真空下で0.66IVにまで固相重合し、次いで空気乾燥して27グラムの予備成形品へと射出成形し、500mlのボトルにブロー成形した。側壁全体について測定したボトルのハンターヘーズは13.3パーセントであった。
【0158】
2.この第2の組は、実施例3B2と同様の方法で形成した。違いは、コアが0.35重量パーセントのPMDAを含有し、それ故ポリアミドと別のポリエステルが調節された点である。これらのペレットを0.79IVにまで固相重合し、次いで空気乾燥して27グラムの予備成形品へと射出成形し、500mlのボトルにブロー成形した。側壁全体について測定したボトルのハンターヘーズは10.7パーセントであった。
【0159】
(実施例4:ポリエステルシースと、ポリアミドおよびポリエステルのコア)
4Aでは、対照基準の区画化ペレットを、ペレットの95重量パーセントの実施例1Bのポリエチレンテレフタレートコポリマーをシースに配置し、ペレットの5重量パーセントのMXD6(グレード6007、ミツビシガス化学、日本から)をコアに配置することによって形成した。
【0160】
4Bでは、ペレットの90重量パーセントのコポリエチレンテレフタレートをシースに配置し、コアは、ペレットの5重量パーセントのMXD6(グレード6007、ミツビシガス化学、日本から)をペレットの5重量パーセントのポリエチレンテレフタレートコポリマーと混合したものを含有していた。コア中のMXD6に対するコア中のPETの割合は1:1であった。
【0161】
4Cでは、ペレットの85重量パーセントのコポリエチレンテレフタレートをシースに配置し、コアは、ペレットの5重量パーセントのMXD6(グレード6007、ミツビシガス化学、日本から)をペレットの10重量パーセントのポリエチレンテレフタレートコポリマーと混合したものを含有していた。コア中のMXD6に対するコア中のPETの割合は3:1であった。
【0162】
4A、4Bおよび4Cを、12時間、回転式真空混合機中で、230℃<1mmHgで熱処理した。次に樹脂を空気中で300°Fで約17時間乾燥し、27グラムの予備成形品へと射出成形し、0.5Lのボトルにブロー成形した。表3のデータは僅かしか着色していないことを示している。
【0163】
【表3】

【0164】
(実施例5:区画化された酸素反応性成分)
この一連の実験は、酸素促進剤を酸素感応性成分から離して保持する性能を例示する。
5A(対照基準試料)では、区画化ペレットを、ペレットの95重量パーセントの実施例1Bのコポリエチレンテレフタレート(酸素不活性成分)をシースに配置し、ペレットの5重量パーセントのMXD6(グレード6007、ミツビシガス化学、日本から)をコアに配置することによって形成した。
【0165】
5Bの比較例では、比較例のペレットを、ペレットの約95重量パーセントのポリエチレンテレフタレートコポリマー、ペレットの約5重量パーセントのMXD6(グレード6007、ミツビシガス化学、日本から)および125パーツ・パー・ミリオンのコバルトネオデカノエート(シェファード・ケミカル(Shepherd Chemical)、20.5%)を均一に分散することによって製造した。特定の重量は、ポリエチレンテレフタレートコポリマー(酸素不活性成分)が5396グラム、MXD6(酸素感応性成分)が284グラムおよびグランドコバルトネオデカノエート錠剤(促進剤)が0.71グラムであった。
【0166】
5Cの実施例では、区画化ペレットを、ペレットの約95重量パーセントの実施例1Bのコポリエチレンテレフタレートとペレットの125パーツ・パー・ミリオンのグランドコバルトネオデカノエート錠剤をシースに配置し、ペレットの約5重量パーセントのMXD6(グレード6007、ミツビシガス化学、日本から)をコアに配置することによって形成した。
【0167】
5Dの確認例では、5Cの区画化ペレットを、コアとシースをいっしょに混合するよう再ペレット化した。
【0168】
すべてのペレットは、同じサイズに形成され、次いで約4グラムのペレットをガスクロマトグラフのガラス瓶に入れ、瓶を封止し除去された酸素量を分析することによって、室温での酸素除去について分析した。各瓶は一度のみ分析した。7日の除去結果を表4に示す。
【0169】
試験は低レベルの酸素除去で非常にばらついている。多くのポリマーは、特にペレット化直後では、酸素との低い反応性を観測し、これは時間とともに増加しない。たとえば、5Aでは、システムは非反応性(コバルトなし)であり、1日の試料は0.0104ccを示していたが、7日の試料は0.0009ccの酸素が反応したことを示していた。発明品(5C)の酸素反応性のないことは、1日目の低い反応性によって例示され、これは対照基準と同様であり、1日目から7日目までで酸素消費量の増加はない。確認例は1日目では同様の低い反応性を示していたが、7日後に酸素消費量が顕著に増加しており、材料は一旦均一な分散体に混合されれば、反応性になることを示している。
【0170】
【表4】

【符号の説明】
【0171】
1、21、41 コア
2、22 シース
31、32、43 外側層
33、42 中間層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素感応性成分、酸素不活性成分および反応促進剤を含有し、酸素感応性成分は第1の区画領域にあり、酸素不活性成分は第2の区画領域にある樹脂ペレット。
【請求項2】
酸素不活性成分は熱可塑性ポリエステルを含有する請求項1で特定される樹脂ペレット。
【請求項3】
第2の区画領域はシースであり、第1の区画領域はコアである請求項2で特定される樹脂ペレット。
【請求項4】
コアはシースでカプセル状に包まれる請求項3の樹脂ペレット。
【請求項5】
酸素感応性成分は酸化可能な有機化合物を含有する請求項2で特定される樹脂ペレット。
【請求項6】
反応促進剤は遷移金属である請求項5で特定される樹脂ペレット。
【請求項7】
遷移金属は遷移金属塩および/または遷移金属酸化物の形態である請求項6で特定される樹脂ペレット。
【請求項8】
遷移金属はコバルト、鉄、マンガン、およびニッケルからなる群から選択される請求項6で特定される樹脂ペレット。
【請求項9】
遷移金属はコバルトである請求項6で特定される樹脂ペレット。
【請求項10】
酸素感応性成分はポリブタジエン、官能化ポリブタジエン、非水素化ポリブタジエンオリゴマー、ポリプロピレンオキサイドオリゴマーおよびメチルペンダント芳香族化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する請求項5で特定される樹脂ペレット。
【請求項11】
第2の区画領域はシースであり、第1の区画領域はコアである請求項10で特定される樹脂ペレット。
【請求項12】
コアはシースでカプセル状に包まれる請求項11で特定される樹脂ペレット。
【請求項13】
反応促進剤は遷移金属である請求項11で特定される樹脂ペレット。
【請求項14】
遷移金属は遷移金属塩および/または遷移金属酸化物の形態である請求項13で特定される樹脂ペレット。
【請求項15】
遷移金属はコバルト、鉄、マンガン、およびニッケルからなる群から選択される請求項13で特定される樹脂ペレット。
【請求項16】
遷移金属はコバルトである請求項13で特定される樹脂ペレット。
【請求項17】
酸素感応性成分はポリブタジエンおよび官能化ポリブタジエンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する請求項5で特定される樹脂ペレット。
【請求項18】
第2の区画領域はシースであり、第1の区画領域はコアである請求項17で特定される樹脂ペレット。
【請求項19】
コアはシースでカプセル状に包まれる請求項18で特定される樹脂ペレット。
【請求項20】
反応促進剤は遷移金属である請求項17で特定される樹脂ペレット。
【請求項21】
遷移金属は遷移金属塩および/または遷移金属酸化物の形態である請求項20で特定される樹脂ペレット。
【請求項22】
遷移金属はコバルト、鉄、マンガン、およびニッケルからなる群から選択される請求項20で特定される樹脂ペレット。
【請求項23】
遷移金属はコバルトである請求項20で特定される樹脂ペレット。
【請求項24】
酸化可能な有機成分は、アミノカプロン酸同士のポリアミドおよび/またはアジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、レゾルシノールジカルボン酸、またはナフタレンジカルボン酸またはその混合物を含むジカルボン酸の残基と、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミンまたは1,4−シクロヘキサンジメチルアミンまたはその混合物を含むジアミンの残基との反応生成物であるポリアミドを含有する請求項5で特定される樹脂ペレット。
【請求項25】
反応促進剤は遷移金属である請求項24で特定される樹脂ペレット。
【請求項26】
遷移金属は遷移金属塩および/または遷移金属酸化物の形態である請求項25で特定される樹脂ペレット。
【請求項27】
遷移金属はコバルト、鉄、マンガン、およびニッケルからなる群から選択される請求項25で特定される樹脂ペレット。
【請求項28】
遷移金属はコバルトである請求項25で特定される樹脂ペレット。
【請求項29】
酸化可能な有機成分はMXD−6ナイロンである請求項25で特定される樹脂ペレット。
【請求項30】
第2の区画領域はシースであり、第1の区画領域はコアである請求項29で特定される樹脂ペレット。
【請求項31】
コアはシースでカプセル状に包まれる請求項30で特定される樹脂ペレット。
【請求項32】
反応促進剤は遷移金属である請求項29で特定される樹脂ペレット。
【請求項33】
遷移金属は遷移金属塩および/または遷移金属酸化物の形態である請求項32で特定される樹脂ペレット。
【請求項34】
遷移金属はコバルト、鉄、マンガン、およびニッケルからなる群から選択される請求項32で特定される樹脂ペレット。
【請求項35】
遷移金属はコバルトである請求項32で特定される樹脂ペレット。
【請求項36】
熱可塑性ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートのコポリマーである請求項2で特定される樹脂ペレット。
【請求項37】
第2の区画領域はシースであり、第1の区画領域はコアである請求項36で特定される樹脂ペレット。
【請求項38】
コアはシースでカプセル状に包まれる請求項37で特定される樹脂ペレット。
【請求項39】
反応促進剤は遷移金属である請求項36で特定される樹脂ペレット。
【請求項40】
遷移金属は遷移金属塩および/または遷移金属酸化物の形態である請求項39で特定される樹脂ペレット。
【請求項41】
遷移金属はコバルト、鉄、マンガン、およびニッケルからなる群から選択される請求項39で特定される樹脂ペレット。
【請求項42】
遷移金属はコバルトである請求項39で特定される樹脂ペレット。
【請求項43】
酸素感応性成分は酸化可能な有機化合物を含有する請求項36で特定される樹脂ペレット。
【請求項44】
反応促進剤は遷移金属である請求項43で特定される樹脂ペレット。
【請求項45】
遷移金属は遷移金属塩および/または遷移金属酸化物の形態である請求項44で特定される樹脂ペレット。
【請求項46】
遷移金属はコバルト、鉄、マンガン、およびニッケルからなる群から選択される請求項44で特定される樹脂ペレット。
【請求項47】
遷移金属はコバルトである請求項44で特定される樹脂ペレット。
【請求項48】
酸素感応性成分はポリブタジエン、官能化ポリブタジエン、非水素化ポリブタジエンオリゴマー、ポリプロピレンオキサイドオリゴマーおよびメチルペンダント芳香族化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する請求項36で特定される樹脂ペレット。
【請求項49】
第2の区画領域はシースであり、第1の区画領域はコアである請求項48で特定される樹脂ペレット。
【請求項50】
コアはシースでカプセル状に包まれる請求項49で特定される樹脂ペレット。
【請求項51】
反応促進剤は遷移金属である請求項48で特定される樹脂ペレット。
【請求項52】
遷移金属は遷移金属塩および/または遷移金属酸化物の形態である請求項51で特定される樹脂ペレット。
【請求項53】
遷移金属はコバルト、鉄、マンガン、およびニッケルからなる群から選択される請求項51で特定される樹脂ペレット。
【請求項54】
遷移金属はコバルトである請求項51で特定される樹脂ペレット。
【請求項55】
酸素感応性成分はポリブタジエンおよび官能化ポリブタジエンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する請求項36で特定される樹脂ペレット。
【請求項56】
第2の区画領域はシースであり、第1の区画領域はコアである請求項55で特定される樹脂ペレット。
【請求項57】
コアはシースでカプセル状に包まれる請求項56で特定される樹脂ペレット。
【請求項58】
反応促進剤は遷移金属である請求項55で特定される樹脂ペレット。
【請求項59】
遷移金属は遷移金属塩および/または遷移金属酸化物の形態である請求項58で特定される樹脂ペレット。
【請求項60】
遷移金属はコバルト、鉄、マンガン、およびニッケルからなる群から選択される請求項58で特定される樹脂ペレット。
【請求項61】
遷移金属はコバルトである請求項58で特定される樹脂ペレット。
【請求項62】
酸素感応性成分は、アミノカプロン酸同士が反応したポリアミドおよび/またはアジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、レゾルシノールジカルボン酸、またはナフタレンジカルボン酸またはその混合物を含むジカルボン酸の残基と、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミンまたは1,4−シクロヘキサンジメチルアミンまたはその混合物を含むジアミンの残基との反応生成物であるポリアミドを含有する請求項36で特定される樹脂ペレット。
【請求項63】
反応促進剤は遷移金属である請求項62で特定される樹脂ペレット。
【請求項64】
遷移金属は遷移金属塩および/または遷移金属酸化物の形態である請求項63で特定される樹脂ペレット。
【請求項65】
遷移金属はコバルト、鉄、マンガン、およびニッケルからなる群から選択される請求項63で特定される樹脂ペレット。
【請求項66】
遷移金属はコバルトである請求項63で特定される樹脂ペレット。
【請求項67】
酸素感応性成分はMXD−6ナイロンである請求項36で特定される樹脂ペレット。
【請求項68】
第2の区画領域はシースであり、第1の区画領域はコアである請求項67で特定される樹脂ペレット。
【請求項69】
コアはシースでカプセル状に包まれる請求項68で特定される樹脂ペレット。
【請求項70】
反応促進剤は遷移金属である請求項67で特定される樹脂ペレット。
【請求項71】
遷移金属は遷移金属塩および/または遷移金属酸化物の形態である請求項70で特定される樹脂ペレット。
【請求項72】
遷移金属はコバルト、鉄、マンガン、およびニッケルからなる群から選択される請求項70で特定される樹脂ペレット。
【請求項73】
遷移金属はコバルトである請求項70で特定される樹脂ペレット。
【請求項74】
酸素感応性成分は、テレフタレート、オルトフタレートおよびイソフタレートからなる群から選択される1以上のフタレートで構成される主要な縮重合体セグメント(ここで、前記縮重合体は、アルファ−ヒドロオメガ−ヒドロキシポリ(オキシテトラメチレン)、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコールおよびエチレングリコールからなる群から選択される1以上のグリコールとポリアミドでさらに構成される)と、官能化ポリブタジエン、非水素化ポリブタジエンオリゴマー、ポリプロピレンオキサイドオリゴマーおよびメチルペンダント芳香族化合物からなる群から選択される少量の酸素感応性部分のセグメントとの反応生成物である請求項36で特定される樹脂ペレット。
【請求項75】
第2の区画領域はシースであり、第1の区画領域はコアである請求項67で特定される樹脂ペレット。
【請求項76】
コアはシースでカプセル状に包まれる請求項68で特定される樹脂ペレット。
【請求項77】
反応促進剤は遷移金属である請求項67で特定される樹脂ペレット。
【請求項78】
遷移金属は遷移金属塩および/または遷移金属酸化物の形態である請求項70で特定される樹脂ペレット。
【請求項79】
遷移金属はコバルトである請求項70で特定される樹脂ペレット。
【請求項80】
第1の成分と第2の成分を含有し、第1の成分は、熱処理時に、第2の成分および/または第2の成分によって解離された副生成物のいずれかと反応する副生成物を解離し、第1の成分は第1の区画領域にあり、第2の成分は第2の区画領域にある樹脂ペレット。
【請求項81】
ペレットはコアとシースで構成され、シースは第1の成分で構成され、コアは第2の成分で構成される請求項80で特定される樹脂ペレット。
【請求項82】
第2の成分は第1の成分でカプセル状に包まれる請求項81の樹脂ペレット。
【請求項83】
第1の区画領域と第2の区画領域で構成される樹脂ペレットであって、第1の区画領域は熱可塑性ポリエステルで構成され、第2の区画領域はポリアミドで構成され、第1の区画領域は樹脂ペレットの全体積の少なくとも0.1パーセントに相当し、第2の区画領域は樹脂ペレットの全体積の少なくとも0.1パーセントに相当する樹脂ペレット。
【請求項84】
第2の区画領域はコアの形態であり、第1の区画領域はシースの形態である請求項83で特定される樹脂ペレット。
【請求項85】
第2の区画領域は第1の区画領域でカプセル状に包まれる請求項84の樹脂ペレット。
【請求項86】
さらに熱可塑性ポリエステルからなる第3の区画領域を含み、第2の区画領域が第1と第3の区画領域の間にある請求項83で特定される樹脂ペレット。
【請求項87】
熱可塑性ポリエステルはポリ−ネオペンチル−グリコールテレフタレートである請求項83の樹脂ペレット。
【請求項88】
さらに、ペレットは第2の熱可塑性ポリエステルを含有する第3の区画領域を含む請求項87の樹脂ペレット。
【請求項89】
ポリアミドは、アミノカプロン酸同士の反応生成物および/またはアジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、レゾルシノールジカルボン酸、またはナフタレンジカルボン酸またはその混合物を含むジカルボン酸の残基と、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミンまたは1,4−シクロヘキサンジメチルアミンまたはその混合物を含むジアミンの残基との反応生成物である請求項86で特定される樹脂ペレット。
【請求項90】
ポリアミドはMXD−6ナイロンである請求項89で特定される樹脂ペレット。
【請求項91】
熱可塑性ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートのコポリマーである請求項83で特定される樹脂ペレット。
【請求項92】
ポリアミドはMXD−6ナイロンであり、熱可塑性ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートのコポリマーである請求項84で特定される樹脂ペレット。
【請求項93】
ポリアミドはMXD−6ナイロンであり、熱可塑性ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートのコポリマーである請求項85で特定される樹脂ペレット。
【請求項94】
ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートのコポリマーの固有粘度は少なくとも0.49dl/gである請求項92で特定される樹脂ペレット。
【請求項95】
ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートのコポリマーの固有粘度は少なくとも0.49dl/gである請求項93で特定される樹脂ペレット。
【請求項96】
ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートのコポリマーの固有粘度は少なくとも0.59dl/gである請求項92で特定される樹脂ペレット。
【請求項97】
ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートのコポリマーの固有粘度は少なくとも0.59dl/gである請求項93で特定される樹脂ペレット。
【請求項98】
コアはさらに、熱可塑性ポリエステルを含む請求項92で特定される樹脂ペレット。
【請求項99】
コア中の熱可塑性ポリエステルは連続相として存在する請求項98で特定される樹脂ペレット。
【請求項100】
コアはさらに、熱可塑性ポリエステルを含む請求項93で特定される樹脂ペレット。
【請求項101】
コア中の熱可塑性ポリエステルは連続相として存在する請求項100で特定される樹脂ペレット。
【請求項102】
コア中に存在する熱可塑性ポリエステルはリサイクルされた熱可塑性ポリエステルを含む請求項98の樹脂ペレット。
【請求項103】
コア中に存在する熱可塑性ポリエステルはリサイクルされた熱可塑性ポリエステルを含む請求項100の樹脂ペレット。
【請求項104】
ペレットはシクロヘキサンジメタノール変性ポリエステルおよびイオン性親和剤からなる群から選択される親和剤をさらに含有する請求項94の樹脂ペレット。
【請求項105】
ペレットはシクロヘキサンジメタノール変性ポリエステルおよびイオン性親和剤からなる群から選択される親和剤をさらに含有する請求項95の樹脂ペレット。
【請求項106】
ペレットはシクロヘキサンジメタノール変性ポリエステルおよびイオン性親和剤からなる群から選択される親和剤をさらに含有する請求項96の樹脂ペレット。
【請求項107】
第2の区画領域はコアの形態であり、第1の区画領域はシースの形態である請求項104で特定される樹脂ペレット。
【請求項108】
ペレットはシクロヘキサンジメタノール変性ポリエステルおよびイオン性親和剤からなる群から選択される親和剤をさらに含有する請求項97の樹脂ペレット。
【請求項109】
酸素反応性成分および酸素不活性成分を含有し、酸素反応性成分は第1の区画領域にあり、酸素不活性成分は第2の区画領域にある樹脂ペレット。
【請求項110】
酸素不活性成分は熱可塑性ポリエステルで構成される請求項109で特定される樹脂ペレット。
【請求項111】
第2の区画領域はシースであり、第1の区画領域はコアである請求項110で特定される樹脂ペレット。
【請求項112】
コアはシースでカプセル状に包まれる請求項111の樹脂ペレット。
【請求項113】
酸素反応性成分は酸化可能な有機化合物で構成される請求項110で特定される樹脂ペレット。
【請求項114】
酸素感応性成分はポリブタジエン、官能化ポリブタジエン、非水素化ポリブタジエンオリゴマー、ポリプロピレンオキサイドオリゴマーおよびメチルペンダント芳香族化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する請求項110で特定される樹脂ペレット。
【請求項115】
第2の区画領域はシースであり、第1の区画領域はコアである請求項114で特定される樹脂ペレット。
【請求項116】
コアはシースでカプセル状に包まれる請求項115で特定される樹脂ペレット。
【請求項117】
酸素感応性成分はポリブタジエンおよび官能化ポリブタジエンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する請求項110で特定される樹脂ペレット。
【請求項118】
第2の区画領域はシースであり、第1の区画領域はコアである請求項117で特定される樹脂ペレット。
【請求項119】
コアはシースでカプセル状に包まれる請求項118で特定される樹脂ペレット。
【請求項120】
酸素反応性成分は、アミノカプロン酸同士の反応生成物および/またはアジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、レゾルシノールジカルボン酸、またはナフタレンジカルボン酸またはその混合物を含むジカルボン酸の残基と、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミンまたは1,4−シクロヘキサンジメチルアミンまたはその混合物を含むジアミンの残基との反応生成物であるポリアミドである請求項110で特定される樹脂ペレット。
【請求項121】
酸素反応性成分はMXD6ナイロンである請求項120で特定される樹脂ペレット。
【請求項122】
第2の区画領域はシースであり、第1の区画領域はコアである請求項121で特定される樹脂ペレット。
【請求項123】
コアはシースでカプセル状に包まれる請求項122で特定される樹脂ペレット。
【請求項124】
熱可塑性ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートのコポリマーである請求項110で特定される樹脂ペレット。
【請求項125】
第2の区画領域はシースであり、第1の区画領域はコアである請求項124で特定される樹脂ペレット。
【請求項126】
コアはシースでカプセル状に包まれる請求項125で特定される樹脂ペレット。
【請求項127】
酸素反応性成分は酸化可能な有機化合物を含有する請求項124で特定される樹脂ペレット。
【請求項128】
酸素反応性成分はポリブタジエン、官能化ポリブタジエン、非水素化ポリブタジエンオリゴマー、ポリプロピレンオキサイドオリゴマーおよびメチルペンダント芳香族化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する請求項127で特定される樹脂ペレット。
【請求項129】
第2の区画領域はシースであり、第1の区画領域はコアである請求項128で特定される樹脂ペレット。
【請求項130】
コアはシースでカプセル状に包まれる請求項129で特定される樹脂ペレット。
【請求項131】
ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートのコポリマーの固有粘度は少なくとも0.72dl/gである請求項92で特定される樹脂ペレット。
【請求項132】
ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートのコポリマーの固有粘度は少なくとも0.72dl/gである請求項93で特定される樹脂ペレット。
【請求項133】
ペレットはシクロヘキサンジメタノール変性ポリエステルおよびイオン性親和剤からなる群から選択される親和剤をさらに含有する請求項131の樹脂ペレット。
【請求項134】
ペレットはシクロヘキサンジメタノール変性ポリエステルおよびイオン性親和剤からなる群から選択される親和剤をさらに含有する請求項132の樹脂ペレット。
【請求項135】
酸素反応性成分は、アミノカプロン酸同士の反応生成物および/またはアジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、レゾルシノールジカルボン酸、またはナフタレンジカルボン酸またはその混合物を含むジカルボン酸の残基と、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミンまたは1,4−シクロヘキサンジメチルアミンまたはその混合物を含むジアミンの残基との反応生成物であるポリアミドである請求項124で特定される樹脂ペレット。
【請求項136】
酸素反応性成分はMXD−6ナイロンである請求項135で特定される樹脂ペレット。
【請求項137】
第2の区画領域はシースであり、第1の区画領域はコアである請求項136で特定される樹脂ペレット。
【請求項138】
コアはシースでカプセル状に包まれる請求項137で特定される樹脂ペレット。
【請求項139】
酸素反応性成分は、テレフタレート、オルトフタレートおよびイソフタレートからなる群から選択される1以上のフタレートで構成される主要な縮重合体セグメント(ここで、前記縮重合体は、アルファ−ヒドロオメガ−ヒドロキシポリ(オキシテトラメチレン)1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコールおよびエチレングリコールからなる群から選択される1以上のグリコールとポリアミドでさらに構成される)と、ポリブタジエンモノマー、非水素化ポリブタジエンオリゴマー、ポリプロピレンオキサイドオリゴマーおよびメチルペンダント芳香族化合物からなる群から選択される少量の酸素反応性部分のセグメントとの反応生成物である請求項125で特定される樹脂ペレット。
【請求項140】
酸素反応性成分は、テレフタレート、オルトフタレートおよびイソフタレートからなる群から選択される1以上のフタレートで構成される主要な縮重合体セグメント(ここで、前記縮重合体は、アルファ−ヒドロオメガ−ヒドロキシポリ(オキシテトラメチレン)1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコールおよびエチレングリコールからなる群から選択される1以上のグリコールとポリアミドでさらに構成される)と、ポリブタジエンモノマー、非水素化ポリブタジエンオリゴマー、ポリプロピレンオキサイドオリゴマーおよびメチルペンダント芳香族化合物からなる群から選択される少量の酸素反応性部分のセグメントとの反応生成物である請求項126で特定される樹脂ペレット。
【請求項141】
第1の成分と第2の成分を含有し、第1の成分は、酸素感応性化合物、酸素反応性化合物、酸素不活性化合物、反応促進剤からなる群から選択され、熱処理時に、第2の成分および/または第2の成分によって解離された副生成物のいずれかと反応する副生成物を解離する化合物であり、第2の成分は、第1の成分とは異なり、かつ酸素感応性化合物、酸素反応性化合物、酸素不活性化合物、反応促進剤からなる群から選択され、熱処理時に、第1の成分および/または第1の成分によって解離された副生成物のいずれかと反応する副生成物を解離する化合物であり、第1の成分は第1の区画領域にあり、第2の成分は第2の区画領域にある樹脂ペレット。
【請求項142】
請求項141で特定される樹脂ペレットを、40℃から該ペレットが液体になる温度の少なくとも1℃下の温度までの範囲内の温度に加熱することを含む樹脂ペレットを熱処理する方法。
【請求項143】
熱処理はペレットを、70℃から該ペレットが液体になる温度の少なくとも5℃下の温度までの範囲内の温度に暴露することを含む請求項142の方法。
【請求項144】
第1の成分または第2の成分の結晶度を少なくとも5パーセント増加させるのに十分な時間をかけて該温度範囲で樹脂ペレットを熱処理する請求項143の方法。
【請求項145】
第1の成分は第1の熱可塑性樹脂であり、第2の成分は第2の熱可塑性樹脂であり、第2の成分の結晶度の増加に加えて第1の成分の結晶度の増加が少なくとも5パーセントとなるように十分な時間をかけて該温度範囲でペレットを熱処理する請求項143の方法。
【請求項146】
樹脂ペレットは熱処理前は水分を有し、熱処理前に存在する水分の少なくとも2分の1を除去するのに十分な時間をかけて該温度範囲で樹脂ペレットを熱処理する請求項143の方法。
【請求項147】
熱可塑性樹脂の少なくとも1つは、熱処理前に少なくとも0.2dl/gのI.V.を有し、熱処理前に少なくとも0.2dl/gのI.V.を有する熱可塑性樹脂のI.V.を少なくとも0.1dl/g増加させるのに十分な時間をかけて該温度範囲で樹脂ペレットを熱処理する請求項145の方法。
【請求項148】
第1の成分はポリエチレンテレフタレートおよび結晶化可能なコポリエチレンテレフタレートからなる群から選択されるポリエステルである請求項142の熱処理。
【請求項149】
熱処理は、70℃とポリエステルの結晶体融点より5℃低い温度との間の温度にペレットを暴露することを含む請求項148の方法。
【請求項150】
第1の成分または第2の成分の結晶度を少なくとも5パーセント増加させるのに十分な時間をかけて該温度範囲で樹脂ペレットを熱処理する請求項148の方法。
【請求項151】
第2の成分は第2の熱可塑性樹脂であり、第2の成分の結晶度の増加に加えて第1の成分の結晶度の増加が少なくとも5パーセントとなるように十分な時間をかけて該温度範囲でペレットを熱処理する請求項143の方法。
【請求項152】
樹脂ペレットは熱処理前は水分を有し、熱処理前に存在する水分の少なくとも2分の1を除去するのに十分な時間をかけて該温度範囲で樹脂ペレットを熱処理する請求項148の方法。
【請求項153】
第1または第2の成分の少なくとも1つは、熱処理前に少なくとも0.2dl/gのI.V.を有し、熱処理前に少なくとも0.2dl/gのI.V.を有する成分のI.V.を少なくとも0.1dl/g増加させるのに十分な時間をかけて該温度範囲で樹脂ペレットを熱処理する請求項148の方法。
【請求項154】
第2の成分はポリアミドである請求項148の方法。
【請求項155】
熱処理は、70℃とポリエステルの結晶体融点より5℃低い温度との間の温度にペレットを暴露することを含む請求項148の方法。
【請求項156】
第1の成分または第2の成分の結晶度を少なくとも5パーセント増加させるのに十分な時間をかけて該温度範囲で樹脂ペレットを熱処理する請求項148の方法。
【請求項157】
第2の成分は第2の熱可塑性樹脂であり、第2の成分の結晶度の増加に加えて第1の成分の結晶度の増加が少なくとも5パーセントとなるように十分な時間をかけて該温度範囲でペレットを熱処理する請求項143の方法。
【請求項158】
樹脂ペレットは熱処理前は水分を有し、熱処理前に存在する水分の少なくとも2分の1を除去するのに十分な時間をかけて該温度範囲で樹脂ペレットを熱処理する請求項148の方法。
【請求項159】
第1または第2の成分の少なくとも1つは、熱処理前に少なくとも0.2dl/gのI.V.を有し、熱処理前に少なくとも0.2dl/gのI.V.を有する成分のI.V.を少なくとも0.1dl/g増加させるのに十分な時間をかけて該温度範囲で樹脂ペレットを熱処理する請求項148の方法。
【請求項160】
ポリアミドは、アミノカプロン酸の繰り返しユニット、および/またはA−Dの繰り返しユニットの残基を含有し、ここで、Aはアジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、レゾルシノールジカルボン酸、またはナフタレンジカルボン酸またはその混合物を含むジカルボン酸の残基であり、Dはm−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミンまたは1,4−シクロヘキサンジメチルアミンまたはその混合物を含むジアミンの残基である請求項154の方法。
【請求項161】
熱処理は、70℃とポリエステルの結晶体融点より5℃低い温度との間の温度にペレットを暴露することを含む請求項148の方法。
【請求項162】
第1の成分または第2の成分の結晶度を少なくとも5パーセント増加させるのに十分な時間をかけて該温度範囲で樹脂ペレットを熱処理する請求項148の方法。
【請求項163】
第2の成分は第2の熱可塑性樹脂であり、第2の成分の結晶度の増加に加えて第1の成分の結晶度の増加が少なくとも5パーセントとなるように十分な時間をかけて該温度範囲でペレットを熱処理する請求項143の方法。
【請求項164】
樹脂ペレットは熱処理前は水分を有し、熱処理前に存在する水分の少なくとも2分の1を除去するのに十分な時間をかけて該温度範囲で樹脂ペレットを熱処理する請求項148の方法。
【請求項165】
第1または第2の成分の少なくとも1つは、熱処理前に少なくとも0.2dl/gのI.V.を有し、熱処理前に少なくとも0.2dl/gのI.V.を有する成分のI.V.を少なくとも0.1dl/g増加させるのに十分な時間をかけて該温度範囲で樹脂ペレットを熱処理する請求項148の方法。
【請求項166】
ポリアミドはMXD−6ナイロンである請求項154の方法。
【請求項167】
熱処理は、70℃とポリエステルの結晶体融点より5℃低い温度との間の温度にペレットを暴露することを含む請求項148の方法。
【請求項168】
第1の成分または第2の成分の結晶度を少なくとも5パーセント増加させるのに十分な時間をかけて該温度範囲で樹脂ペレットを熱処理する請求項148の方法。
【請求項169】
第2の成分は第2の熱可塑性樹脂であり、第2の成分の結晶度の増加に加えて第1の成分の結晶度の増加が少なくとも5パーセントとなるように十分な時間をかけて該温度範囲でペレットを熱処理する請求項143の方法。
【請求項170】
樹脂ペレットは熱処理前は水分を有し、熱処理前に存在する水分の少なくとも2分の1を除去するのに十分な時間をかけて該温度範囲で樹脂ペレットを熱処理する請求項148の方法。
【請求項171】
第1または第2の成分の少なくとも1つは、熱処理前に少なくとも0.2dl/gのI.V.を有し、熱処理前に少なくとも0.2dl/gのI.V.を有する成分のI.V.を少なくとも0.1dl/g増加させるのに十分な時間をかけて該温度範囲で樹脂ペレットを熱処理する請求項148の方法。
【請求項172】
熱処理は、70℃とポリエステルの結晶体融点より5℃低い温度との間の温度にペレットを暴露することを含む請求項148の方法。
【請求項173】
第1の成分または第2の成分の結晶度を少なくとも5パーセント増加させるのに十分な時間をかけて該温度範囲で樹脂ペレットを熱処理する請求項148の方法。
【請求項174】
第2の成分は第2の熱可塑性樹脂であり、第2の成分の結晶度の増加に加えて第1の成分の結晶度の増加が少なくとも5パーセントとなるように十分な時間をかけて該温度範囲でペレットを熱処理する請求項143の方法。
【請求項175】
樹脂ペレットは熱処理前は水分を有し、熱処理前に存在する水分の少なくとも2分の1を除去するのに十分な時間をかけて該温度範囲で樹脂ペレットを熱処理する請求項148の方法。
【請求項176】
第1または第2の成分の少なくとも1つは、熱処理前に少なくとも0.2dl/gのI.V.を有し、熱処理前に少なくとも0.2dl/gのI.V.を有する成分のI.V.を少なくとも0.1dl/g増加させるのに十分な時間をかけて該温度範囲で樹脂ペレットを熱処理する請求項148の方法。
【請求項177】
第1の成分は、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートのコポリマーであり、第2の成分は室温でアセトアルデヒドと反応するまたはアセトアルデヒドとの反応を触媒する請求項80で特定される樹脂ペレット。
【請求項178】
第2の成分は、アセトアルデヒドと反応して非架橋5−または6−員環を形成することができる複素原子含有有機化合物、アセトアルデヒドと酸素との反応を触媒するアクティブ型酸化触媒、および有機ドナー分子とアセトアルデヒド間のヒドリド移動反応を触媒するヒドリド移動触媒からなる群から選択される請求項177のペレット。
【請求項179】
複素原子含有有機化合物は、1,8−ジアミノナフタレン、3,4−ジアミノ安息香酸、アントラニルアミド、ビウレット、マロンアミド、アラントイン、サリチルアミド、サリチルアニリド、o−フェニレンジアミン、3,4−ジアミノ安息香酸、1,8−ジアミノナフタレン、o−メルカプトベンズアミド、N−アセチルグリシンアミド、マロンアミド、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、4−アミノ−3−ヒドロキシ安息香酸、4,5−ジヒドロキシ−2,7−ナフタレンジスルホン酸ジナトリウム塩、ビウレット、2,3−ジアミノピリジン、1,2−ジアミノアントラキノン、ジアニリノエタン、アラントイン、2−アミノベンゼンスルホンアミド、および2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールからなる群から選択される請求項178のペレット。
【請求項180】
アクティブ型酸化触媒は、コバルト塩、マンガン塩およびアミン、ホスフィンまたはアルコールが各種原子価の金属と錯体化してなる化合物からなる群から選択される請求項178のペレット。
【請求項181】
ヒドリド移動触媒は、酸化ジルコニウム水和物、酸化ニオビウム水和物および酸化タンタル水和物からなる群から選択される請求項178のペレット。
【請求項182】
熱可塑性ポリエステルは伸長結晶を有さない請求項91のペレット。
【請求項183】
熱可塑性ポリエステルは少なくとも10%の非伸長結晶を有する請求項91のペレット。
【請求項184】
熱可塑性ポリエステルは伸長結晶を有さない請求項92のペレット。
【請求項185】
熱可塑性ポリエステルは少なくとも10%の非伸長結晶を有する請求項92のペレット。
【請求項186】
熱可塑性ポリエステルは伸長結晶を有さない請求項93のペレット。
【請求項187】
熱可塑性ポリエステルは少なくとも10%の非伸長結晶を有する請求項93のペレット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−236438(P2011−236438A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−179330(P2011−179330)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【分割の表示】特願2007−517250(P2007−517250)の分割
【原出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【出願人】(502214480)エンメ エ ジ・ポリメリ・イタリア・ソチエタ・ペル・アツィオーニ (16)
【Fターム(参考)】