説明

医学/外科廃棄物収集システム用の該システムと一体の作動弁用のドライバを備える取外し可能な吸込みマニホールド

【課題】医学廃棄物に晒される可能性の低減する廃棄物収集システム用の吸込みマニホールドを提供する。
【解決手段】空洞を有し、廃棄物収集ユニット受器内に嵌合されるように寸法決めされた、ハウジングと、前記ハウジングに取り付けられ、前記ハウジングから離れて延在する少なくとも1つの接続具と、前記ハウジングの前記空洞内に配置されている弁ユニット248と、前記ハウジングの前記貫通孔と整合している貫通孔と、前記各面から外方に延在し且つ前記貫通孔を包囲する少なくとも1つのリブとを有するハブと、前記ハブに旋回可能に固定され且つ前記吸込みポートを覆うように位置決めされている弁部材とを備えている弁ユニットと、前記弁ユニットの前記ハブの前記第2面に対して配置されているヘッドピースと、流体を前記ハウジングの前記空洞から前記廃棄物収集ユニット内に通流させる、前記ハウジング内の排出開口170とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、外科手術中に生じる廃棄物を収集するシステムに関する。さらに詳細には、本発明は、取外し可能な吸込みマニホールドを有する廃棄物収集システムであって、マニホールドが、システムから取り外されたときに、マニホールド内またはマニホールドが取り付けられていた相補的な受器内の未収集廃棄物の放出を防ぐ、廃棄物収集システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一部の医学的および外科的手術による副産物として、液体廃棄物、半固体廃棄物、および固体廃棄物が生じる。この廃棄物は、血液のような体液、および手術がなされる身体部位に導かれる灌液を含んでいる。手術中に生じる固体廃棄物および半固体廃棄物の例としては、組織片および手術部位に残された手術材料の小片が挙げられる。廃棄物は、外科手術部位を汚染しないように、および手術室または手術が行われる他の箇所に生物災害をもたらさないように、生じた時点で収集されるのが理想的である。
【0003】
廃棄物が生じたときに、この廃棄物を収集する多くのシステムが、外科医によって使用されている。一般的に、これらのユニットは、吸引源、吸引源から延在する配管、および配管と吸引源との間の格納ユニットを備えている。システムが作動すると、廃棄物は、配管の開端内に引き込まれる。吸引によって、廃棄物は、配管を通って引き込まれ、格納ユニット内に流れ、この格納ユニット内に蓄えられることになる。
【0004】
このような1つのシステムは、本出願の譲渡人による「ネプチューン(NEPTUNE)」外
科廃棄物収集システムである。この特定のシステムは、吸引ポンプおよびキャニスタを備える可動ユニットを備えている。取外し可能なマニホールドを介して、配管がキャニスタに接続されている。このユニットは、移動できるので、手術が行われる患者に比較的近接する箇所に配置可能である。これによって、必ず手術室の乱雑物となる吸引配管が外科医の周囲に存在する程度を低減することができる。また、このシステムは、外科医および助手がシステムによって収集された材料に晒される可能性の程度を低減させる特徴部を有している。2005年8月25日に米国特許出願公開第2005/0187529A1号として公開された米国特許出願第11/060,665号(表題:廃棄物収集ユニット)は、このシステムの多くの特徴部を記載している。この特許の内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。
【0005】
このシステムの他の特徴は、吸込みマニホールドである。このマニホールドは、大きい固形片を捕捉するフィルタ要素を備えている。これは、これらの固形物がシステムの下流側部品を詰まらせる可能性があるので、望ましい。さらに、マニホールドは、使い捨てマニホールドとすることが可能な材料から形成されている。従って、システムの使用後、狭い導管または狭い内部フィルタを有するマニホールドを殺菌するために労力を払う必要がない。代わって、使用後のマニホールドを取り扱う外科医は、この部品の外面に接触することのみが必要とされる。このプロセスは、外科医が廃棄物と接触する可能性をさらに最小化することが可能である。2006年9月1日に米国特許出願公開第2005/0189288A1号として公開された本出願の譲渡人による米国特許出願第11/060,977号(表題:マニホールドおよびフィルタバスケットを有するフィルタアセンブリ)は、この種のマニホールドをより詳細に記載している。この特許の内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のシステムを用いることによって、医者/外科医が危険な医学廃棄物に晒される可能性の程度を著しく低減することが可能となる。にもかかわらず、周知の廃棄物収集システムと関連するいくつかの欠点がある。例えば、既存のシステムでは、マニホールドは、廃棄物が蓄えられるキャニスタ内に直接的に延在している。従って、廃棄物の小滴が、マニホールドの側面に付着する可能性がある。マニホールドを可動ユニットから取り外すと、この付着した液体は、必然的に、周囲環境内において未収容廃棄物となる。もしこの液体がマニホールドからすぐに吹き取られない場合、この液体は、マニホールドから落下し、床または他の表面から洗浄される必要のある廃棄物の一部になる。
【0007】
また、マニホールドのフィルタは、可動ユニットの下流側の部品を詰まらせることがある小さい固形片を大量に捕捉する。また、フィルタは、多量の半固形状態の廃棄物を捕捉している。従って、マニホールドを取り外すとき、この廃棄物が漏れないことを確実にするために、注意を払わねばならない。
【0008】
さらに、医者は、時々、可動ユニットのキャニスタに収集された材料の量を肉眼によって監視している。この監視は、手術中に患者から引き出された液の量を概略的に評価するためになされている。もしかなりの液がマニホールド内に捕捉されていた場合、収集された液の迅速な肉眼による評価の精度に悪影響を及ぼすことがある。
【0009】
さらに、マニホールドをキャニスタから取り外されるとき、マニホールドが着座していたポートが周囲環境に開口するようになっている。キャニスタに収集された材料は、通常不快感をもたらす臭気を放出することが知られている。マニホールドの取外しによって、これらの臭気をもたらすガスが環境内に放出されることになる。
【0010】
また、マニホールドおよび可動ユニットからなる廃棄物収集システム内を流れる空気および他の流体は、騒音を生じることがある。この騒音が、手術室内の望ましくない背景騒音の一因になる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、外科/医学廃棄物を収集する新規の有用なシステムを対象としている。本発明のシステムは、吸引チューブが接続される吸入マニホールドを有している。マニホールドは、システムの一部でもあるマニホールド受器に取外し可能に連結されている。マニホールドおよび相補的な受器は、マニホールドの取外しおよび取換え時に、未収容液体および毒性ガスの放出を最小限に抑えるように、設計されている。
【0012】
本発明の吸入マニホールドは、ハウジングを有している。ハウジングの一端から、多数の吸込み接続具が外方に延在している。これらの吸込み接続具は、吸引チューブを受けている。ハウジングの他端は、開口を有し、この開口を通して吸引がなされている。滴ストッパが、この開口内に嵌合されている。マニホールドが相補的な受器内に着座すると、ハウジングの開口は、受器の一部である管状ボス内に着座するようになっている。
【0013】
滴ストッパは、上記の開口によって画定された空間内に延在する選択的に開動作可能な弁を有すべく、さらに形成されている。この弁は、通常閉鎖されている。マニホールドが受器内に嵌合されると、弁を構成するリップが、ボスの周囲に着座するようになっている。従って、これらのリップは、マニホールド―ボス界面の周囲の吸引損失を防いでいる。マニホールドが受器から取り外されると、これらのリップは閉鎖して、マニホールドからの廃棄物の漏れを防いでいる。本発明の一態様では、フラップが、滴ストッパと一体の弁を構成している。
【0014】
受器ボスは、受器の一部でもある弁から延在している。通常、この弁は、廃棄物が蓄えられるキャニスタから延在する流体導管を閉鎖している。システムの運転準備の一部として、マニホールドは受器内に適切に着座させられている。マニホールドは、弁と一体の相補的な駆動部材と係合する幾何学的な特徴部を備えている。従って、マニホールドを受器内に配置することによって、滴ストッパと一体の弁が開状態に移動することになる。これによって、マニホールドからキャニスタに繋がる相補的な導管に至る開いた流路がもたらされることになる。
【0015】
マニホールドが取り外されると、弁が閉状態に戻る。弁がこの閉状態に戻ることによって、マニホールドがシステムから取り外されないとき、キャニスタからの不快な蒸気の放出が阻止されることになる。
【0016】
本発明のマニホールド内には、フィルタバスケットが設けられている。フィルタバスケットは、廃棄物流れの一部である大きな固形片を捕捉すると共に、廃棄物流れの液成分の実質的に全てを通流させることが可能となっている。手術が終了した時点で、最も漏れやすい液状廃棄物の最少量のみがマニホールド内に残されている。
【0017】
本発明は、特許請求の範囲に具体的に記載されている。本発明の上記およびさらに他の特徴ならびに利点は、添付の図面と関連する以下の詳細な説明によって、理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の医学/外科廃棄物収集システムの側面図である。
【図2】マニホールド受器内に着座されたマニホールドの斜視図である。
【図3】マニホールド受器内に着座されたマニホールドを示す断面図である。
【図4】キャニスタ蓋に取り付けられるマニホールド受器の斜視図である。
【図5】空状態のマニホールド受器の断面図である。
【図5A】受器アダプタの前端プレートと弁ディスクとの間のシールを示す拡大断面図である。
【図6】マニホールド受器ハウジングおよびロックリングの断面図である。
【図7】マニホールド受器ドアの斜視図である。
【図8】マニホールド受器が取り付けられるキャニスタキャップの一部の斜視図である。
【図9】マニホールドの斜視図である。
【図10】マニホールドの断面図である。
【図11】マニホールド滴ストッパの斜視図である。
【図12】マニホールド滴ストッパの断面図である。
【図13】マニホールド内のフィルタバスケットの斜視図である。
【図14】マニホールドキャップの内側の斜視図である。
【図15】マニホールドキャップの断面図である。
【図16】接続具がマニホールド内の空洞内に開いているマニホールドキャップ内に形成されたポートの拡大断面図である。
【図17】マニホールド内のフラッパ弁の斜視図である。
【図18】フラッパ弁の断面図である。
【図19】弁ディスクと一体のボスに嵌合された本発明の代替的滴ストッパの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(I.外観)
図1は、本発明によって構成された廃棄物収集システム30を示している。可動式ユニットと呼ばれることもあるこのシステム30は、基部32を備えている。通常は可動式ユニット30内の部品を隠蔽しているカバー/ドアアセンブリは、図1おいて、これらの部品が見えるようにするため、省略されている。基部32の底に取り付けられた車輪34は、システムに可動性をもたらしている。2つのキャニスタ36,38が、基部32に取り付けられている。第1のキャニスタ36は、略10L(リットル)から40Lの間の比較的大きな内容積を有している。第2のキャニスタ38は、略1Lから10Lの間の小さな内容積を有している。キャニスタ36,38は、それぞれ、キャップ40,42を有している。
【0020】
各キャニスタキャップ40,42には、マニホールド受器44が取り付けられている。図2および図3に示されるように、マニホールド46は、各マニホールド受器44内に取外し可能に着座している。以下に述べるように、各マニホールド46は、多数の接続具48を有している。各接続具48は、個別の吸引ライン50(1つのみを図3に示す)を受けている。各吸引ライン50の遠位端は、吸引付与装置52に取り付けられている(図1)。(「遠位側」は、吸引される外科手術部位に向かう側を意味すると理解されたい。「近位側」は、外科手術部位から離れる側を意味している)。図1では、吸引付与装置52は、吸引を行うためにのみ特別に設計されたハンドピースとして示されているが、これは、例示にすぎず、制限するものではないことを理解されたい。吸引付与装置52は、吸引以外の作業を行うために外科手術部位に適用される内視鏡または融除ツールのような他の外科ツール内に組み込まれることもある。
【0021】
各マニホールド受器44の内部には、導管56が配置されている(図3)。導管56は、マニホールド46から受器と関連するキャニスタ36,38内に至る流体連通路として機能している。
【0022】
また、可動式ユニット30の一部として、吸引ポンプ58が設けられている。(図1に破線で示される)導管59,60が、各キャニスタ36,38を吸引ポンプ58の吸込みポートに接続している。吸引ポンプ58が作動すると、生じた吸引力が、物質を吸引付与装置52内に、次いで、関連する吸引ライン50、マニホールド46、およびマニホールド受器44内に引き込む。この廃棄物の流れは、マニホールド受器44から、関連するキャニスタ36,38内に流れる。この流れに混入している液体および小さい固形片は、流れから外れてキャニスタ36,38内に沈降する。従って、この廃棄物は、キャニスタ36,38が交換されるまで、キャニスタ36,38内に蓄えられることになる。この廃棄物の流れに混入している気体および細片は、キャニスタから吸引ポンプ58に向かって流れる。この流れが吸引ポンプ58内に吸い込まれ、吸引ポンプ58から排出される前に、本発明の一部を構成しないフィルタ(図示せず)が、この流れに含まれるウイルス性物質および微生物規模の物質、およびガス成分の一部を捕捉するようになっている。
【0023】
(II.マニホールド受器)
図2、図3および図4に示されるように、マニホールド受器44は、3つの主静止部品から構成されている。ハウジング62が、マニホールド46の近位端を受けている。受器アダプタ64が、マニホールド受器ハウジング62を関連するキャニスタキャップ40,42に保持している。また、アダプタ64は、マニホールド受器ハウジング62から関連するキャニスタ36,38に至る流路として機能する導管56を備えている。マニホールド受器ハウジング62の遠位端(前端)に取り付けられたロックリング66が、受器44の第3の主静止部品である。ロックリング66には、マニホールド46が受器44内に嵌合されると、そのマニホールド46が適切に位置合わせされることを確実にする幾何学的な特徴部が形成されている。
【0024】
図4および図5から、受器ハウジング62が略円筒形状であることが分かるだろう。リブ61が、マニホールド受器ハウジング62の上端に沿って延在している。また、マニホールド受器の近位端は、より遠位側の外面から内方に段付けされた外面63を有している。この段による間隔によって、受器44は関連するキャニスタキャップ40,42に嵌合するのが容易になる。
【0025】
図6を参照すると、マニホールド受器ハウジング62が多数の孔、空洞、および窓を画定するように形成されていることが分かるだろう。これらの空洞は、一緒になって、ハウジングの長軸に沿ってハウジング62を通る貫通経路を画定している。ハウジング62は、その遠位端に、円筒孔68を有している。受器ハウジング62の遠位端は、リップ67を有するように形成されている。リップ67は、ハウジングの遠位端開口内に半径方向内方に延在している。この開口は、孔68の遠位端である。孔68の近位端にすぐ隣接して、孔70が形成されている。マニホールド受器ハウジング62は、孔70が孔68から離れるほど、その長さに沿って減少する直径を有するように、形成されている。孔70は、第2の一定直径孔である孔72内に開口している。孔72は、孔70の最小直径部分の直径と等しい直径を有している。マニホールド受器ハウジング62は、孔72の近位側に、第3の一定直径孔である孔76を有するように、形成されている。孔76は、孔72の直径よりも小さい直径を有している。孔72,76間には、小さい移行孔74が形成されている。移行孔74は、孔72から孔76に向かって内方に漸減する直径を有している。マニホールド受器ハウジング62は、最近位端に、皿孔78を有するように、形成されている。皿孔78は、孔76と交差し、孔76の直径よりも大きい直径を有している。
【0026】
マニホールド受器ハウジング62は、ノッチ80を有するように、さらに形成されている。ノッチ80は、リブ61内に形成され、ハウジングの遠位端から後方に延在し、孔68の上端に隣接している。また、ノッチ80の近位側に隣接して、近位側に延在する空洞82が、リブ61の内面によって画定されている。空洞82は、孔70,72,74,76と交差し、それらの上方にわずかな距離だけ延在している。空洞82は、略矩形の断面輪郭を有している。マニホールド受器ハウジング62は、ハウジングの両側に、2つの互いに向き合った貫通窓84(1つのみが図6に示される)も有している。各窓84は、孔68,70,72,74,77および空洞82の中央部分および近位部分に開口している。
【0027】
孔86が、孔72からマニホールドの底を通って下方に延在している。孔86は、マニホールド46を関連するキャニスタキャップ40,42に固定するのに用いられる締め具(図示せず)がその孔86に嵌入されるように、寸法決めされている。本発明のいくつかの態様では、複数の孔86がマニホールド受器62に形成され、複数の孔86の各々には、個別の締め具が嵌入されている。ハウジング62は、孔86に手を伸ばし、孔86に対して関連する締め具を挿入および取り外しできるように、窓84が形作られていることを理解されたい。
【0028】
一端が閉じられた孔88,89が、それぞれ、マニホールド受器ハウジング62の遠位面(前面)および近位面(後面)から内方に延在している。1つの孔88および1つの89しか図示されていないが、複数の孔88および複数の孔89が設けられている。各孔88には、ロックリング66をマニホールド受器ハウジング62に保持するのに用いられる締め具92が嵌入されている。各孔89には、マニホールド受器62を受器アダプタ64に保持する締め具94が嵌入されている。
【0029】
図4および図5に最もよく示されるように、受器アダプタ64は、前端プレート96を備えている。プレート96は、孔76、皿孔78、および空洞82の開端を含むマニホールド受器ハウジング62の近位端に着座するように、寸法決めされている。締め具94が
通る貫通孔(図示せず)がプレート96に形成されている。プレート96は、受器ハウジング皿孔78の遠位端開口の殆どを覆っているが、皿孔の全体を覆っていない。代わって、マニホールド受器ハウジング62の近位端の底には、皿孔78の小さい部分が露出している。
【0030】
アダプタ64は、プレート96から近位側に一体に延在するブラケット98を有している。ブラケット98は、そのブラケットの全幅がプレート96の長さに沿って、上から下に向かって大きくなる三角形の輪郭を有している。タブ102は、ブラケット98の基部から近位側(後方)に延在している。このタブ102には、開口104が形成されている。開口104には、受器アダプタ64をキャニスタ40,42に固定する締め具(図示せず)が嵌入されるようになっている。
【0031】
受器ハウジング62から関連するキャニスタ36,38に至る流体連通路をもたらす導管56は、80°から90°の間の曲りを有するように形作られたエルボーである。導管56の遠位端は、プレート96の露出面に開口している。導管56は、プレート96から、ブラケット98の下部を通って延在している。導管56の近位端は、受器アダプタ64の一部であるボス106内を通って軸方向に延在している。ボス106は、ブラケット98の下方に延在している。マニホールド受器44が関連するキャニスタキャップ40,42に取り付けられると、ボス106は、キャップに形成された開口107(図8)内に着座することになる。Oリング108が、ボスの周方向に延在する溝109内に着座している。可動式ユニット30が組み込まれると、Oリング108は、キャニスタキャップとマニホールド受器44が挿入されたボス106との間を密封することになる。
【0032】
受器アダプタ64は、タブ102が水平軸上にあり、ボス106が垂直方向に位置合わせされたとき、プレート96が垂線からずれた平面内にあるように、さらに形成されている。これは、ライン101が水平軸を表している図5に最もよく示されている。図示されるように、ライン101は、ボス106の基部と交差している。さらに具体的には、アダプタ64は、前端プレート96がタブ102の位置する面に向かって90°未満で傾斜するように、形成されている。アダプタ64は、前端プレート96が水平線から少なくとも45°傾斜されるように、さらに構成されている。従って、マニホールド受器の長軸は、近位端が遠位端の下方に位置するように、水平線から傾斜している。この角度は、少なくとも2°、多くの場合、4°である。この角度は、典型的に、水平線を基準として45°未満である。
【0033】
受器アダプタ64は、図5Aに最もよく示されるように、環状スロット110がプレート96の遠位面にあるように、さらに形成されている。スロット110は、導管56に至るプレート96の開口と同心で包囲し、離間されている。シール112が、以下に述べる理由から、スロット110内に配置されている。
【0034】
以下、図2、図5および図6を参照して、ロックリング66について説明する。このロックリング66は、略リング状に形作られている。従って、ロックリング66は、中心に配置された貫通開口114を有するように、形作られている。多数の孔116が、リング内を長手方向に延在している。孔116には、ロックリング66をマニホールド受器ハウジング62に保持するのに用いられる締め具92が嵌入されている。
【0035】
ロックリング66は、1対のスロット118,120を画定するように、さらに形成されている。スロット118,120は、貫通開口114に隣接し、開口114からロックリング66の近位端に向かって半径方向外方に延在している。スロット118,120は、直径方向において互いに向き合っているが、同一の円弧輪郭を有していない。スロット118(図6)は、スロット120(図5)によって範囲が定められた円弧よりも大きい
円弧の範囲を定めている。スロット118,120は、いずれも、ロックリング66の長さの全体にわたって延在している。ロックリング66は、その近位端に、1対の溝122を有するように、さらに形成されている。各溝は、弓状の形状を有し、開口114を画定するロックリングの内側部分に形成されている。また、各溝122は、スロット118,120の1つと隣接している。これらの溝122は、略直径方向において互いに向き合っている。ロックリング66の近位端が受器ハウジング62の遠位面に当接すると、溝122は、マニホールド46と一体のタブが以下に説明するように移動するスロットとして機能することになる。
【0036】
各溝122の遠位端基部は、ロックリング66の内部の円弧状の段付き内面123,124によって画定されている。内面123は、スロット118,120を画定する隣接面から外方に延在している。内面123は、隣接スロット118,120から直交して延在していない。代わって、内面123は、隣接する受器ハウジング62に向かって近位側に延在するように、傾斜している。内面124は、内面123から延在している。内面124は、ロックリング66の隣接する近位端面と平行である。
【0037】
マニホールド受器44は、2つの主移動部品を有している。弁ディスク132が、通常時は、受器アダプタの遠位側の前端プレート96に形成された導管56に至る開口を覆っている。マニホールドが取り付けられていないとき、ドア134が、マニホールド受器ハウジング62の遠位端開口を覆って延在している。
【0038】
図5および図19に最もよく示されているように、弁ディスク132は、マニホールド受器ハウジング62の近位端に配置された円板状部材である。さらに具体的には、弁ディスク132は、皿孔78によって画定された円筒空間内に着座している。マニホールド受器ハウジング皿孔78および弁ディスク132は、一緒になって、弁ディスクが皿孔内で回転可能となるように、形成されている。
【0039】
弁ディスク132は、マニホールド受器ハウジング孔76内に遠位側(前方)に延在する円筒ボス136を有するように、形成されている。孔138が、ボス136およびボスが延在する弁ディスクの一部の両方を貫通している。弁ディスク132は、ボス136および孔138が、弁ディスクを通る(弁ディスクの回転軸である)長軸から半径方向にずれた軸に沿って芯出しされるように、形成されている。また、弁ディスク132は、ノッチ139を有するように、形成されている。ノッチ139は、弁ディスクの外周から内方に延在している。弁ディスク132の中心軸に対して、ノッチ139は、ディスクにおけるボス136が延在する側と反対の側に配置されている。
【0040】
従って、マニホールド受器44は、弁ディスク132がマニホールド受器ハウジング62内の特定の回転位置に配置されたとき、導管56に至る受器アダプタ前縁プレートの開口を覆うように、構成されている。弁ディスク132は、弁ディスク132が上記の閉状態にあるとき、ノッチ139が受器ハウジング皿孔78の基部に位置するように、さらに形作られている。弁ディスク132は、孔138を導管開口と一直線に並んで配置するように、回転可能である。
【0041】
マニホールド受器44が組み立てられると、図5Aに最もよく示されるように、シール112が弁ディスク132の近位面と当接することになる。本発明の一態様では、シール112は、C字状シールまたはU字状シールである。バネ113が、シールの両側を外方に押圧している。従って、シール112の片側は、スロット110の基部を画定するマニホールド受器プレートの表面を押圧している。シール112の反対側は、弁ディスク132の近位面と当接している。従って、シール112は、受器アダプタプレート96と弁ディスク132との間の隙間内への材料の流れを防ぐことが可能となる。
【0042】
また、バネ113によって生じる力は、弁ディスク132を皿孔78の基部を画定する受器ハウジング62の近位面に押し込むものである。従って、バネ113は、弁ディスク132の自由な回転を阻止している。しかし、シール112およびバネ113は、これらの部品が一緒になって弁ディスク132に作用する回転阻止力が手動力を加えることによって解除されるように、選択されている。
【0043】
図7に示されるように、ドア134は、円筒ヘッド144を有している。直径方向において互いに向き合った耳部146,148が、ヘッド144から半径方向外方に延在している。第1の耳部146は、ヘッドの中心から比較的長い距離にわたって延在している。耳部146は、貫通孔150を有するように形成されている。貫通孔150は、ドアヘッドを通る中心軸と直交する軸に沿って、耳部146の上端を貫通している。ドア134は、プレートの近位面にスロット152を有するように、さらに形成されている。スロット152は、貫通孔150と交差するように、耳部146の外周から耳部の幅に沿って延在している。スロット152は、貫通孔150が芯出しされる軸と直交する線に沿って配置されている。スロット152は、耳部146を貫通し、さらに、ドアヘッド144内に部分的に延在している。
【0044】
ドア134は、耳部146の両側が外方に延在する箇所と隣接して、ノッチ152がヘッド144内にあるように、さらに形成されている。耳部148は、耳部146よりもドアヘッド148の中心から短い距離にわたって延在している。耳部148は、ドアヘッド134から比較的短い距離にわたって離れて延在する中実の円弧構造である。
【0045】
ドア144は、図5に最もよく示されるように、マニホールド受器ハウジング62に旋回可能に取り付けられている。具体的には、ドア耳部146がノッチ80内に着座している。マニホールド受器ハウジング62およびドア孔150を貫通するピン154が、マニホールドハウジングに対してドアを旋回可能に保持している。トーションバネ156が、ドアスロット152に入るピン154の部分の周囲に配置されている。トーションバネの1つの脚は、空洞82の上端を画定する受器ハウジングリブ61の内面に支持されている。この脚は、固定されている。トーションバネの第2の脚は、スロット150の基部を画定するドアの表面に当接している。
【0046】
マニホールド受器ハウジング62およびドア134は、マニホールド46が受器ハウジング内に着座したとき、ドアが空洞82内に配置されるように、互いに寸法決めされている。マニホールド46がマニホールド受器44から引き出されると、孔68,70,72を画定する受器ハウジングの内面とプレートヘッド144および耳部148との間に、ドアを下方に旋回させるのに十分な隙間が生じることになる。ドア134の両側は、窓84を通って旋回するようになっている。マニホールド受器ハウジング62およびドア134は、プレートが下方に旋回したとき、プレート耳部148が受器ハウジングリップ67の近位面(内面)に当接するように、さらに形成されている。
【0047】
図8は、マニホールド受器44が取り付けられるキャニスタキャップ42の一部を示している。キャップ42は、上方に延在するボス155を備えている。ボス155は、受器ボス106およびOリング108が着座する開口107を画定している。また、ポスト156が、キャップ42から上方に延在している。ポスト156は、受器ハウジング62および受器アダプタ64が着座する支持部材である。締め具145が、受器ハウジング62および受器アダプタ64をポスト156に保持している。
【0048】
キャップ42は、キャップの周囲がキャップの中心よりも低いドーム状の輪郭を有している。円弧状ウエブ147が、キャップの周囲から上方に延在している。ウエブ147は
、2つの最外側ポスト間に延在している。従って、ウエブ147は、ボス155の周囲に延在している。小さいウエブ149が、ポスト156から上方に延在している。ウエブ149は、ボス155から離間するように、ポスト156から延在している。キャップ42の下方に傾斜した表面、ウエブ147、およびウエブ147の片側のポスト156は、一緒になって、キャップ42の上端にポケット151を画定している。ポケット151は、部分的にボス155を包囲している。
【0049】
(III.マニホールド)
図9および図10は、マニホールド46の基本部品を示す図である。マニホールドの最近位部は、開端シェル158である。キャップ164が、シェル158の遠位開端を覆っている。シェル158およびキャップ164は、一緒になって、マニホールドハウジングを構成している。このハウジングの内部には、空洞(図示せず)が形成されている。キャップ164は、接続具48が延在するマニホールド構成部品である。フィルタバスケット166が、マニホールド空洞の内側に配置されている。フィルタバスケット166は、大きな固形片が下流に流れるのを阻止するものである。
【0050】
さらに詳細には、マニホールドシェル158は、略円筒状であることを理解されたい。シェル158は、円形の近位端基部168を有し、この基部168から、管状の側壁159が上方に延在するように、形成されている。リップ160が、側壁159の上開端の周りに周方向に延在している。リップ160は、半径方向外方に突出している。2つの指部161,162が、側壁159の上端から遠位側(上方)に延在している。各指部161,162は、円弧状の断面輪郭を有している。指部161,162は、平行となる長軸を中心とし、直径方向において互いに向き合って、配置されている。指部161は、比較的長い円弧を画定している。指部162は、比較的短い円弧を画定している。
【0051】
開口170が、シェル基部168内に形成されている。開口170は、弁ディスクボス136を受けるように、寸法決めされている。シェル158は、開口170がシェル158の長軸からずれた軸に沿って芯出しされるように、形成されている。円形リップ172が、開口170を囲んで、シェル基部168から下方に延在している。リップ172は、開口170の外周を画定するシェル基部168の環状部分から半径方向に離間している。本発明の一態様では、マニホールドシェル158は、リップの小さい円弧部分がシェル側壁159の隣接部分と本質的に同一面をなすように、形成されている。
【0052】
以下、図11および図12を参照して、滴ストッパ174について説明する。この滴ストッパ174は、マニホールド開口170内に嵌合されている。滴ストッパ174は、ポリイソプロピレンゴムのような圧縮性材料から形成されている。滴ストッパ174は、リング状基部176を有している。基部176は、その外周にスロット178を有するように形成されている。マニホールド46の組立時に、滴ストッパ174は、開口170を画定する基部168の周囲部分がスロット178内に着座するように、開口170内に着座している。スロットを画定する部分の下方のストッパ基部176の部分が、シェルリップ172によって画定された閉鎖空間の内側に着座している。
【0053】
滴ストッパ基部176は、該滴ストッパが近位端から前方に延在する方向に、第1、第2、および第3の内向きテ―パが付された環状面180,182,184を有するように、さらに形作られている。滴ストッパ174を貫通する長軸に対して、環状面180は、環状面182のテ―パよりも大きいテ―パを有し、環状面182は、環状面184のテ―パよりも大きいテ―パを有している。これらの環状面の長さに関して、環状面180は、弁基部の長さに沿って、環状面182,184の合計長さよりも長い距離にわたって延在している。弁基部176は、最も大きいテ―パが付された最上環状面184のすぐ上方に、一定直径の内面186を有するように、形作られている。この内面は、スロット178
が形成された弁基部186の部分の上方を覆って延在している。
【0054】
内面186の直径は、略0.5mm〜1.0mmだけ、弁ボス136の外径よりも大きい。弁ボスに対する滴ストッパの内面180,182,184,186のそれぞれの直径が比較的大きいことによって、滴ストッパの基部は、弁ボス136への導入部として機能することが可能である。この導入部によって、弁ディスク132の微小の位置ずれが修正されることになる。
【0055】
滴ストッパ174は、基部176と一体で遠位側(前方)に突出する凹凸輪郭を有するヘッド188を有している。滴ストッパヘッド188は、2つのリップ187から構成されている。通常時には、リップ187は、それらの間にスロット190を画定するように互いに当接している。スロット190は、滴ストッパヘッド188の中心を横切るラインに沿って延在している。スロット190は、弁ヘッド188の幅の全体にわたって延在していない。滴ストッパが弁ボスを覆って着座したときにシール機能を果たせるように、スロット190は、弁ボスの外形よりも短い長さを有している。通常時には、滴ストッパヘッド188の互いに向き合ったリップ187が当接していることによって、マニホールド開口170からの流出が阻止されることになる。
【0056】
以下、図10および図13を参照して、フィルタバスケット166について説明する。フィルタバスケット166は、円筒状幹部194を有するように形作られている。具体的には、幹部194は、その近位端基部にリング196を有している。このリング196の内面から、多数の互いに円弧に沿って離間したリブ198が上方に延在している。リブ198は、10mm以下、さらに好ましくは、5mm以下の最大距離を隔てて、互いに離間している。従って、廃棄物流れ内の大きい固形片が、フィルタバスケット166によって、下流に流れるのが阻止されることになる。フィルタバスケット166は、リブが少なくとも1mmの距離を隔てて互いに離間するように、形作られていることをさらに理解されたい。これによって、小さい固形または半固形の廃棄物片が、バスケット166に捕捉され、マニホールド46を詰まらせるのが防止されることになる。
【0057】
幹部194の上方に、フィルタバスケット166は、内向きのテ―パが付されたネック202を有している。ネック202は、概して、円錐の一部を切断した部分からなる形状を有している。ネックの基部には、円形の内向きテ―パが付されたウエブ203が形成されている。ウエブ203は、リブ198の遠位端が延在して繋がっている構造部品である。一組の互いに円弧に沿って離間したリブ204が、ウエブ203から上方かつ内方に延在している。リブ204は、フィルタバスケットヘッド206を形成する円板状部材で終端している。
【0058】
1対の直径方向において互いに向き合ったアーム208が、フィルタバスケットネック202の両側から外方に延在している。各アーム208は、略平面的な構造である。これらのアームは、フィルタバスケット166の長軸を横切る共通平面内にある。アーム208の上面は、フィルタバスケットヘッド206と同一の平面内にある。ハンド部210が、各アームの自由端に配置されている。各ハンド部210は、概して、関連するアーム208と直交するように、配向されている。各ハンド部210は、円弧状輪郭を有する外面(図示せず)を有している。各ハンド210の上端および下端に配置された強化ウエブ211が、各ハンドを関連するアーム208にさらに接続している。
【0059】
互いに平行に配置された2つの細長の耳部212が、フィルタバスケットヘッド206の上端から遠位側(前方)に延在している。各耳部242は、概して、矩形断面の輪郭を有するポストの形態にある。各耳部212は、隣接アーム208に向かって外方に短く突出するチップ214を有するように、さらに形作られている。以下に説明する理由から、
耳部は、フィルタバスケット166の残部に対してわずかな屈曲性を有することを理解されたい。
【0060】
以下、図14、図15および図16を参照して、マニホールドキャップ164について説明する。マニホールドキャップ164は、ポリプロピレンまたは同様のプラスチックの単一片から形成されている。マニホールドキャップ164は、円筒状の管状スカート220を有するように、形作られている。スカート220の近位端基部において、2つのタブ222,224が半径方向外方に突出している。タブ222,224は、直径方向において互いに向き合っている。しかし、タブ222,224は、互いに異なる円弧を画定している。タブ222は、比較的大きな円弧を画定している。このタブ222は、マニホールド受器ロックリングのスロット118内にすべり嵌めされるように、設計されている。タブ224は、短い円弧を画定している。このタブ224は、マニホールド受器ロックリングのスロット120内にすべり嵌めされるように、設計されている。
【0061】
キャップスカート220は、スカートの近位端開口を画定するリム217を有するように、さらに形成されている。リム217には、内向きテ―パが付されている。リム217の上方に、スカート220は、スカートの内部に周方向に延在する外向き段付き部218を有している。キャップ164は、段付き部218の上方のスカート220の内径がシェルリップ160の外径よりも略0.5mm小さくなるように、寸法決めされている。従って、マニホールド46が組み立てられると、シェルは、リップがスカート段付き部218に着座するように、キャップ164内に挿入されることになる。キャップリップ160の周囲をキャップスカート220の内面が圧縮することによって、キャップとスカートとの間の吸引の損失を実質的になくすことが可能となる。
【0062】
マニホールドキャップスカート220の内面から、多数のリブが内方に向かって延在している。これらのリブは、ステップ218の上方の位置から延在していることを理解されたい。1対の互いに隣接するリブ226および1対の互いに隣接するリブ228が形成されている。リブ226間の中心線は、直径方向において、リブ228間の中心線と向き合っている。リブ226と比較して、リブ228は、比較的短い距離を隔てて、互いに円弧に沿って離間している。さらに具体的には、リブ226は、シェルの指部161がそれらの間にすべり嵌めされるように、十分な距離を隔てて互いに離間している。リブ228は、指部161ではなく、指部162がそれらの間にすべり嵌めされるように、十分な距離を隔てて互いに離間している。従って、シェルの指部161,162およびキャップのリブ対226,228によって、シェルおよびキャップが互いに組み込まれたとき、マニホールドシェル158およびキャップ164の適切な位置合わせが容易になる。
【0063】
また、マニホールドキャップスカート220は、2対のリブ230(1対が図14に示されている)も有している。リブ230の各対は、フィルタバスケットハンド部210がそれらの間にすべり嵌めされるように、十分な距離を隔てて円弧に沿って離間している。
【0064】
円板状ヘッド234が、マニホールドキャップスカート220の上端にわたって延在している。ヘッド234は、中心に配置された貫通孔236を有するように、形成されている。貫通孔236は、矩形状である。キャップ164は、ヘッド234から上方に延在する矩形ポスト238を有するように、さらに形成されている。ポスト238は、貫通孔236を中心として配置され、貫通孔236へのアクセスを可能とするために、中空になっている。
【0065】
接続具48が、ヘッド234から上方に延在している。各接続具48は、中空管の形態にある。キャップヘッド234のポート237が、各接続具とマニホールド46の内部空洞との間に流体連通開口をもたらしている。円形リブ239が、キャップヘッドの内面か
ら下方に突出し、各ポート237の周囲に延在している。図16に示されるように、各リブ239は、キャップヘッド234の隣接する近位面から外方に湾曲する外面240を有するように、形作られている。外面240は、一定高さの内面241に移行している。リブ239の内面は、関連するポート237の周囲を画定している。
【0066】
図2および図9に最もよく示されるように、フェンス245が、キャップヘッド234から上方に延在している。フェンス245は、4つの個別区域(図示せず)を有している。各フェンス区域が、2つの互いに隣接する接続具48間に延在している。フェンス245は、キャップヘッド234の外周から短く内方に突出している。フェンス245は、以下に述べる手順においてマニホールドの挿入、回転、および取外しを行うために、医局員が掴むことができるマニホールド部材として機能している。
【0067】
本発明の例示的態様では、2つの互いに隣接する接続具48は短い。残りの2つの互いに隣接する接続具48は長い。この構成が取られているのは、複数の吸引ライン50を複数の接続具48に嵌合するのに必要な労力を低減するためである。
【0068】
取外し可能なキャップ246が、接続具48ごとに設けられている。各接続キャップ246は、係留部247によって、マニホールドキャップに一体に取り付けられている。接続キャップ246および係留部247は、マニホールドキャップ164の残部を形成するのと同一のプラスチック片の一部である。
【0069】
また、本発明のマニホールド46は、フラッパ弁ユニット248も有している。以下、図10、図17および図18を参照して、このフラッパ弁ユニット248について説明する。フラッパ弁ユニット248は、ポリイソプレンまたは他のエラストマー材料のような圧縮性柔軟材料の単一片から形成されている。フラッパ弁ユニット248は、円板状ハブ250を有している。ハブ250には、中心貫通孔252が形成されている。孔252は、フィルタバスケットの耳部212を受けるように、寸法決めされている。また、フラッパ弁ユニット250は、多数の環状リブ254,256を有している。1つのリブ254が、ハブ250の互いに向き合った遠位面および近位面の各々から外方に延在している。また、1つのリブ256が、ハブ250の互いに向き合った面の各々から外方に延在している。リブ254は、ハブの貫通孔252の近位側に配置されている。リブ256は、リブ254を包囲している。各リブ254,256は、内方に傾斜した断面輪郭を有している。従って、各リブ254,256は、ハブ面から外方に延在し、ハブ孔252を通る長軸に向けられるように、傾斜している。
【0070】
フラッパ弁262は、ハブ250に旋回可能に接続されて、ハブ250から延在している。各フラッパ弁262は、接続ポート237の各々を覆っている。フラッパ弁ユニット248の一体部分であるヒンジ260が、各フラッパ弁262をハブ250に旋回可能に接続している。ヒンジ260は、弁を形成する材料の部分から形成され、隣接するハブ250およびフラッパ弁262より薄い断面厚みを有している。
【0071】
各フラッパ弁262は、略円板状である。各フラッパ弁262は、関連するポート237を覆うと共に、そのポートを包囲するリブ239を覆って隣接すべく、寸法決めされている。一般的に、各フラッパ弁262は、関連するポート画定リブ239の内径よりも略4mm大きい直径を有している。
【0072】
以下に述べるように、マニホールド46が組み込まれるときに、フラッパ弁ユニットハブ250は、マニホールドキャップ164とフィルタバスケット166との間で圧縮されるようになっている。この圧縮によって、ハブ250がわずかに外方に拡張することになる。従って、フラッパ弁ユニット248を設計するとき、ハブが拡張状態にあるときにも
フラッパ弁262が相補的なキャップリブ239の全体にわたって着座していることを確実にするように、注意を払わねばならない。さらに、この拡張状態にあるとき、フラッパ弁262は、キャップスカート220の内面に接触してはならない。このような接触が生じると、弁を迅速に開閉する能力を阻止することがある。
【0073】
また、マニホールド46を形成する部品の設計は、組立時に、フラッパ弁262が、隣接するリブ239の上方にわずかに離間するか、またはわずかしか接触しないようにされるべきである。もし、マニホールドの組立時に、フラッパ弁262が隣接する円形リブ239を比較的堅く押圧した場合、弁の円弧部分が、実際、リブから離間し、わずかに開くことがある。もしフラッパ弁262がこの状態にあると、関連する接続具48を通るマニホールド46からの逆流を阻止する弁の能力が低下することになる。
【0074】
マニホールド46は、まず弁ユニット248をフィルタバスケット耳部212に装着することによって、組み立てられる。耳部212および耳部212が着座するハブ貫通孔252の相補的な矩形輪郭によって、フィルタ弁ユニット248の回転が阻止される。これによって、個々のフラッパ弁は、相補的なキャップポート237およびリブ239と一直線に並んで配置される。次いで、フィルタバスケット166が、キャップ164にスナップ嵌合される。これは、フィルタバスケット耳部212をキャップ孔236および中空ポスト238内に押圧することによって、達成される。ポスト238から露出すると、耳チップ214は、ポストを画定する壁の上端を越えて突出し、これによって、フィルタバスケット166をキャップ164に係止する。
【0075】
フィルタバスケット166をキャップ164に固定した結果として、フラッパ弁ユニットハブ250は、これらの部品間で圧縮される。リブ254,256は、マニホールドキャップ孔236を通る真空の損失を防ぐシールとして機能する。2つのリブ、すなわち、2つのシールが、フラッパ弁ユニット248の両側に存在するので、所望の液密バリアをもたらすのに、リブ254,256と隣接する静止面との間に最小の圧縮圧しか作用させる必要がない。この力は、シールハブ250の中実体を圧縮するのに必要な力よりも小さい。従って、フィルタバスケット耳部212およびキャップポスト238は、マニホールドの組立時に、リブ254,256がキャップとフィルタバスケットとの間で圧縮されるが、過剰には圧縮されないように、互いに寸法決めされることを理解されたい。
【0076】
さらに、前述したように、リブ254,256は、内方に向けられている。その結果、真空引きされると、周囲雰囲気が、フィルタバスケット耳部212の基部を囲むキャップ貫通孔236内に存在する。この空気は、リブ254,256の内面の周囲に圧力ヘッドを形成する。この圧力ヘッドが、内方を向いたリブ254,256を外方に付勢する。従って、リブ254,256は、隣接する静止面、すなわち、フィルタバスケットヘッド206の遠位面またはキャップヘッド234の近位面のいずれかに対して湾曲する。これらの隣接面に対してリブ254,256が当接することによって、これらのリブで形成された流体バリアの完全性が増大することになる。
【0077】
また、マニホールド46は、フィルタバスケットリップ196の外径がマニホールドシェル側壁159の内径よりも小さくなるように、構成されている。これらの2つの寸法の差は、フィルタバスケットリブ198によって画定された間隙の幅以下である。その結果、マニホールド46の組立時において、側壁159の内面とフィルタバスケットリップ196との間に小さい間隙が生じることになる。この間隙は、下流の部品を詰まらせることがない液体および小片がマニホールドを通る貫通流路として機能している。
【0078】
(IV.操作)
使用前、すなわち、マニホールド46が可動式ユニット30に装着される前に、マニホ
ールド受器44は、図5に示される状態にある。具体的には、弁ディスク132は、弁ディスクの本体が受器アダプタ導管56へのプレート96の開口を閉鎖する割出し位置にある。バネ156が、ドア144を閉状態に保持している。ドア144およびバネ156は、一緒になって、マニホールド受器ハウジング62への好奇心による指の進入を阻止している。
【0079】
可動式ユニット30は、マニホールド46を(外科手術部位から引き出される廃棄物を収集するキャニスタ36,38と関連付けられた)相補的な受器46に嵌合させることによって、使用の準備が整えられる。このステップは、マニホールドシェル基部168が弁ディスク132の方を向くようにして、マニホールド46を受器内に挿入することによって、行われる。可動式ユニット30を機能させるには、弁ディスクボス136が、シェル開口170内に着座しなければならない。ロックリングのスロット118,120およびマニホールドのタブ224,226が、協働して、弁ディスク132に対するマニホールド46のこの位置合わせを確実にする。具体的には、これらの部品は、以下のように、すなわち、マニホールドタブ224を受器スロット118内に位置決めすると、マニホールド46が、シェル開口170が弁ディスクボス136と一直線に並ぶように、回転可能に配置されて位置決めされている。マニホールドがこのように位置決めされた後、マニホールド46をさらに受器ハウジング62内に挿入することによって、シェル基部が弁ディスクボス136の周囲に嵌合される。
【0080】
マニホールド46が弁ディスク132に嵌合された時点で、そのマニホールド46が回転される。この回転の方向は、マニホールドタブ224,226がロックリングスロット122内に進入する方向にしか回転できないという事実によって、決定される。マニホールドが回転すると、弁ディスクボス136、従って、弁ディスク132の全体が同じように回転する。この回転によって、弁孔138が、導管58への受器アダプタ遠位端の開口と整合する。また、マニホールド46および弁ディスク132の回転によって、マニホールド46は、マニホールド開口170がマニホールドの底部における回転位置に配置されて位置決めされる。
【0081】
従って、マニホールド開口170は、弁ディスクボス136を受けるキーホールとして機能することになる。弁ディスクボス136は、弁ディスク132を開状態に回転する駆動部材として機能することになる。
【0082】
マニホールド46の回転によって、弁ディスク132のかなり大きい同様の回転が生じる。前述の説明から、マニホールドが受器ハウジングに着座すると、弁リップ187がまず弁ボス136を覆って拡がることは明らかである。マニホールド滴ストッパ174がこのように最初に弁ディスクボス136に対して当接するので、ボス136のさらなる運動が、滴ストッパ174によって阻止されることになる。しかし、マニホールド46が回転すると、ロックリング66の内面123が、マニホールドタブ222,224と当接するカム面として機能する。これらの内面123は、近位側(後方)に方向付けられている。従って、マニホールドが回転すると、タブ222,224が近位面123に当接しているので、マニホールドは、同様の近位方向に押し込まれる。この作用によって、滴ストッパのリップ187を閉鎖位置に保持している弾性力を超えるのに十分な力が生じる。その結果、マニホールド46は、弁ボス136を超えて、突き出されることになる。
【0083】
従って、このプロセスが終了した時点において、滴ストッパ基部176は、弁ボス136の基部の上に配置されている。弁リップ187が、弁ディスクのボス136の外周を押圧している。滴ストッパ基部176およびリップ187は、協働して、ボス136と開口170を画定するマニホールドシェル基部168の周囲部分との間に液密バリアを形成している。ボス136の遠位端は、弁ヘッドスロット190を貫通している。ボス136の
遠位端、すなわち、孔138への開口を画定する端は、マニホールドシェル158の底部に位置している。
【0084】
可動式ユニット30を使用する準備を整えるプロセスは、吸引ライン50によって、吸引付与装置52をユニットに連結することによって、達成される。吸引ライン50が取り付けられるマニホールド接続具48は、キャップが外され、吸引ラインが、そのキャップが外されたマニホールド接続具48に接続される。
【0085】
可動式ユニット30は、吸引ポンプ58を運転することによって、作動される。吸引ポンプ58を作動することによって、廃棄物流れが、外科手術部位から吸引付与装置52内に引き込まれ、吸引ライン50を通してマニホールド46内に引き込まれる。この廃棄物流れは、吸引付与装置52が作用する液体廃棄物および固体廃棄物と共に、吸引付与装置52の近くの空気を含む。このマニホールド内において、廃棄物流れ内に捕捉されたフィルタバスケットリブ198間の間隙よりも大きい幅を有する固形廃棄物は、フィルタバスケット166によって捕捉されるかまたはシェル壁159の内面とバスケットリップ196との間に捕捉される。吸引力によって、フィルタバスケット166を超えて流れる廃棄物流れの成分が、弁ディスク132と一体の孔138の近位開端内に引き込まれる。ボス136は、廃棄物流れをマニホールド46から導管58に流通させる接続具として機能している。マニホールド46と弁ボス136との間の滴ストッパリップ187によって形成されたバリアが、これらの構成部品間からの真空の漏れを防いでいる。
【0086】
弁ディスク孔138から、廃棄物流れが、受器アダプタ導管58を通って、関連するキャニスタ36,38内に流れる。キャニスタ36,38に入る廃棄物流れの液体成分および固体成分は、流れから沈降し、キャニスタ36,38内に保持され、最終的に廃棄されることになる。
【0087】
従って、キャニスタ36,38から移動する流体流れは、本質的に、液体および固体を含んでいない。この流体流れは、吸引ポンプ58から最終的に排出される前に、この流体流に捕捉され得る臭気生成成分および/または細菌大の粒子およびウイルス大の粒子を除去するために、濾過される。
【0088】
医学的/外科的手術が完了し、可動式ユニット30の使用がもはや必要とされなくなった時点で、マニホールド46は、取り外される。マニホールドタブ222,224がロックリングスロット122内に着座されていると、マニホールド46を受器44から引き出すのが妨げられる。実際、タブ222,224をそれぞれスロット118,120と位置
合わせさせるには、マニホールド46をまず回転させる必要がある。マニホールド46が回転すると、弁ディスク132が同じように回転する。弁ディスク132は、回転することによって、受器アダプタ導管58の開端を再び覆うように、再配向することになる。
【0089】
マニホールド46は、適切に位置決めされた時点で、受器44から手動によって引き出される。弁ヘッド188が弁ディスクボス132の遠位端から引き抜かれると、スロット190を画定する滴ストッパヘッド188の互いに向き合った部分が、合わさって、開口170を再閉鎖する。開口170のこの閉鎖によって、マニホールド46内に残っている廃棄物の漏れが実質的になくなる。
【0090】
使用された後、可動式ユニット30は、格納庫(図示せず、本発明の一部ではない)に連結される。キャニスタ36,38内における廃棄物は、格納庫を通って、処理施設に流される。マニホールドは、医学的廃棄物として廃棄される。
【0091】
前述したように、弁ディスク132は、関連するキャニスタに繋がる導管58への開口
を常時閉鎖している。システム30を用いるために、すなわち、マニホールドおよび上流の部品内を吸引するために、マニホールドは、まず、弁ディスクを適切に移動させるために、適切に位置合わせされねばならない。また、マニホールド46が取り外されると、弁ディスク132は、その閉位置に戻る。従って、本発明のシステムの1つの利点は、キャニスタへの流路が、常時閉鎖されていることである。マニホールドが取り付けられたときにのみ、開口が開けられる。従って、マニホールド46を回転させることによって、マニホールド46を受器から取り外すプロセスの結果として、弁ディスク132は、この開口を閉鎖する。この構成によって、鼻を刺激するガスがマニホールド受器44を通って放出されるが阻止されることになる。
【0092】
弁ディスク132の閉鎖によって、毒性ガスの放出が著しく阻止される。可動式ユニット30は、複数のキャニスタ36,38を有している。吸引ポンプ58が作動されると、両方のキャニスタに対して吸引がなされる。マニホールドが存在していないときに弁ディスク132が自動的に閉鎖されるので、空のマニホールド受器44を通る吸引の損失が防止される。
【0093】
マニホールドタブ222,224および関連する受器スロット118、120は、特徴のある相補的な形状を有している。これによって、マニホールド46が受器内に最初に挿入されたときに、マニホールドが弁ディスク132と略適切に整合されることが確実にされる。
【0094】
本発明のマニホールド受器44およびマニホールド46は、マニホールドが弁ボス136の周囲に着座したとき、弁ヘッド188の互いに向き合ったリップ187がボスの外面を押圧するように、さらに設計されている。受器66に対するマニホールドタブ222,224のカム作用によって、マニホールドの回転方向における「捻れ」が適所に生じ、その結果、ボスの外面を押圧するリップ187の変位が生じることになる。マニホールドの挿入および取外しを行うためにマニホールドを回転させるときに加えられる物理的な力は、挿入装置のアームまたはハンドにそれほど大きい歪を加えない。また、弁基部176は、弁ボス136を押圧する。これらのシールをなす部品の周囲には、本質的に、空気流が存在していない。この空気流が存在しないことは、これらの部品が、騒音を生じさせる振動をもたらさないことを意味している。
【0095】
さらに、本発明の好ましい態様では、弁ディスク孔138の断面積は、マニホールドキャップの複数のポート237の総断面積と少なくとも等しくされている。従って、廃棄物流れがマニホールド46内を流れるとき、この流れのガス成分は、騒音を生じる圧縮を生じないことになる。さらに、ガス流が圧縮されないので、孔138内への流体の流れは、流速が低下しないことになる。
【0096】
本発明の可動式ユニット30およびマニホールド46は、収集された廃棄物の漏れを実質的になくすように、さらに連携して設計されている。滴ストッパ174は、取り外された後のマニホールド内における廃棄物の漏れを著しく阻止するものである。マニホールド46が受器44から取り外されるとき、滴ストッパリップ187がマニホールドの内側の弁ボスの遠位端を押圧する。従って、マニホールドの取外し時に、弁リップ187は、弁ボス136の付着した廃棄物を拭き取ることになる。
【0097】
マニホールド受器44の形状および方位も、可動式ユニット30およびマニホールド46の両方からの廃棄物の漏れを低減するものである。前述したように、受器アダプタ64は、プレート96が垂線から角度的にずれるように設計されている。その結果、受器ハウジング62は、水平線から傾斜している。従って、マニホールド46が受器ハウジング62内に着座すると、そのマニホールドも同じように水平線からずれることになる。さらに
具体的には、シェル基部168が、マニホールドキャップ164の下方に位置している。これは、マニホールド46が作動位置にあるとき、シェル開口170がマニホールドの最も低い位置にあることを意味している。この特徴によって、マニホールド内に引き込まれた実質的に全ての廃棄物が、弁ディスク孔138およびアダプタ導管58を通って、キャニスタ36,38内に流出することが確実になる。
【0098】
また、マニホールド46が受器44から取り外すために回転されると、開口170を画定する基部の側が、上方に回転される。このため、マニホールド46内に残っている廃棄物は、マニホールド46内の空洞の反対側に向かって流れる。従って、マニホールド46を受器44から取り外すとき、マニホールド内に残っている廃棄物は、開口170から離れることになる。これによって、この廃棄物が開口170から漏れる事例の件数が低減している。
【0099】
また、マニホールド46の取外しによって、弁ディスク132が回転して閉鎖状態に戻されると、ノッチ139が、底回転位置に配置される。マニホールド受器ハウジング62の傾斜によって、このハウジング内に残っている液体が、弁ディスク132に向かって流れる。この液体が弁ディスクに到達すると、ノッチ139を通って受器44から流出することになる。この液体は、キャニスタキャップ40,42の上端に形成されたポケット151に溜められる。従って、本発明のマニホールド受器44およびマニホールド46は、可動式ユニット30の未収容廃棄物の蓄積を最小限に抑えるように、さらに設計されている。
【0100】
また、マニホールド受器44が前述したように傾斜しているので、可動式ユニット30の作動中、近位端基部のマニホールド排出開口170が、重力方向において、吸込みポート237の下方に位置することが確実になる。これによって、マニホールド内の廃棄物が、ポート237を通って、マニホールド46から上流側に流れる可能性を少なくすることが可能となる。
【0101】
フラッパ弁ユニット248も、マニホールド46からの廃棄物の漏れを阻止している。個々のフラッパ弁262は、キャップポート237を常時覆っている。吸引ポンプ58が作動され、接続キャップ246が取り外されると、ポンプによる吸引力によって、関連する接続具48のフラッパ弁262を開状態に屈曲させるのに十分な圧力ヘッドが生じる。従って、廃棄物流れは、マニホールド内に流れることが可能となる。ポンプ作動が停止されると、ヒンジ260が、フラッパ弁をマニホールドキャップ164と一体の隣接するリブ239に対して戻すのに十分な弾性力を有している。マニホールドを受器44から取り外すと、ポート239を通る廃棄物流れは、フラッパ弁262によって阻止される。さらに、マニホールド46が反転されると、マニホールド内の廃棄物は、フラッパ弁のこれらの面に対して移動する。従って、この廃棄物の塊は、フラッパ弁262を閉状態に保持する力を加えることになる。
【0102】
さらに、廃棄物を含むマニホールドが反転されると、廃棄物は、フラッパ弁を隣接するリブの冠部に押圧する。この界面の領域は小さいので、単位領域当たりの力が、比較的高い。従って、この集中的な力によって、フラッパ弁262の密封効果が高められることになる。
【0103】
また、前述したように、フラッパ弁ユニットのハブ250も、フィルタバスケット耳部212の周囲にシールを形成する。これによって、マニホールド46の製造が容易になる。マニホールド46の製造を簡素化するさらに他の特徴として、シェル158およびキャップ164の両方がプラスチックから形成されていることが挙げられる。これらの部品は、互いに嵌合されると、キャップスカート220がシェルリップ160を押圧するように
、さらに寸法決めされている。これらの2つの部品の相互圧縮によって、これらの部品間に実質的に液密バリアが形成される。従って、シェル158とキャップ164との間にOリングまたは他の密封要素を設ける必要性が排除されることになる。
【0104】
可動式ユニット30およびマニホールド46は、もしマニホールド挿入時にマニホールド46が弁ボス136に対してわずかに位置ずれした場合、弁ボス136が近位側に突出しているマニホールドリップ172と突き当たるように、さらに設計されている。これにより、マニホールドのさらなる挿入が阻止されることになる。ボス136がリップ172と突き当たるので、ボスが不注意に滴ストッパ174を開口174から押し出す可能性が実質的になくなる。
【0105】
本発明の好ましい態様では、マニホールドシェル158およびキャップ164を形成するプラスチックは、少なくとも部分的に透明であることも同様に認識されたい。これによって、可動式ユニット30に嵌合されるマニホールドが収集される廃棄物をすでに含む使用済みのマニホールドではないことを確認する迅速な手段を、医局員にもたらすことが可能となる。
【0106】
さらに、フラッパ弁262の旋回軸が、関連するキャップポート237から離間していることを理解されたい。従って、フラッパ弁262に対して作用する圧力ヘッドによるフラッパ弁262の最小限度の旋回によって、マニホールドキャップ164とフラッパ弁262との間に大面積の開口が迅速に形成される。その結果、フラッパ弁がこのように開かれると、大量の廃棄物流れが、本質的に妨げられることなく、マニホールド46の中心に流れることができる。
【0107】
フィルタバスケットリブ198,204間の狭い間隙によって、大きな固形物が下流に流れ、関連するキャニスタ36,38内に入るのが阻止されることになる。すなわち、可動式ユニットの下流の部品または(本発明と関連しない)格納庫に悪影響を与えることがある、可動ユニット30内へのこれらの固形物のさらなる流れが、阻止されることになる。さらに、リブ198間およびリブ204間の間隙は、リブ198,204の幅の少なくとも3倍(×3)、多くの場合、少なくとも5倍(×5)の長さを有している。間隙を画定するフィルタ構造、幹部194、およびネック202の表面積は、マニホールドシェル158内の空洞の横断面積よりも大きい。本発明のいくつかの好ましい態様では、フィルタ構造の断面積は、この構造が着座するマニホールドの内側の断面積の少なくとも2倍(×2)である。本発明のこの特徴によって、フィルタバスケット166の貫通領域がさらに大きくなる。シェル壁159とフィルタバスケットリップ196との間の間隙は、液体廃棄物および固形廃棄物の小片がマニホールド内を流れる他の経路として機能している。これによって、マニホールド46内の貫通領域がさらに大きくなる。
【0108】
フィルタ構造の表面積が大きく、フィルタ構造の個々の間隙が比較的長く、フィルタサブアセンブリがマニホールドシェルおよびフィルタバスケットリップによって形成されていることは、間隙のいくつかの一部が固形物によって詰まっても、間隙の大半は固形物によって詰まらないことを意味している。従って、多くの場合、フィルタバスケット166による固形物の捕捉が、マニホールド46を通る液体および微細な固形物の下流への流れを著しく緩慢にすることはない。
【0109】
前述の説明から、本発明の可動式ユニット30内に引き込まれたわずかな量の液体廃棄物および半固形廃棄物しかマニホールド46内に捕捉されないことを認識されたい。廃棄物の殆どは、キャニスタ36,38内に流れる。従って、外科手術部位から引き込まれた廃棄物の量を大まかに評価するためにキャニスタを時々見る医局員/外科医は、除去される実質的に全ての廃棄物の量を判断することができる。マニホールド内に捕捉されたわず
かな量の廃棄物を考慮しなくても、この評価の精度を著しく損なうことがない。
【0110】
(V.代替的実施形態)
以上の説明は、本発明の廃棄物収集システムの1つの具体的な態様を対象としていることを理解されたい。本発明の他の態様は、ここに記載したのと異なる特徴を有することが可能である。従って、前述の特徴の各々が本発明の全ての態様に含まれる必要がない。
【0111】
例えば、収集ユニット30が可動式ユニットであることは、例示にすぎないことを理解されたい。本発明の代替的態様では、廃棄物収集ユニットは、静止ユニットである。ユニットは、ポンプしか有しない静止ユニットに接続される受器から構成されてもよい。本発明のこの態様では、受器は、病院内の廃棄物収集システム(廃棄物配管系統)にも接続され、ポンプが廃棄物をこの収集システム内に引き込んでいる。
【0112】
同様に、受器44は、必ずしも、未収集廃棄物を受器から流出させるノッチまたは他の導管を有している必要がない。
【0113】
さらに、本発明のいくつかの態様では、受器44は、収集された廃棄物を蓄えるのに用いられるキャニスタまたは他の容器に取り付けられてもよい。本発明のこれらの態様では、受器からの流れを制御するのに用いられる弁プレートまたは他の弁アセンブリは、貯蔵空間内に直接開口されていてもよい。
【0114】
同様に、この廃棄物収集システムの個々の特徴は、ここに記載したのと異なる構造を有していてもよい。また、本発明の全ての態様では、廃棄物をシステムの残りに流すマニホールド開口は、必ずしも、受器と一体の弁を作動する特徴部を受ける、マニホールドと一体の駆動部材として機能する必要がない。同様に、廃棄物を流通させる弁部品は、必ずしも、マニホールドによって作動される部品として機能する必要がない。
【0115】
従って、本発明の1つの代替的態様では、弁要素は、作動ピンを有していてもよい。本
発明のこの態様では、マニホールドは、ピンが嵌入されるキーホールを有している。このキーホールは、外部スロットまたは閉端孔であってもよい。マニホールドが受器内に挿入されると、ピンが、スロット/孔を画定するマニホールド面に着座する。さらに、マニホールドの変位によって、ピンの同様の変位、従って、マニホールドの開閉が生じることになる。
【0116】
本発明の代替的態様では、受器と一体の弁は、ディスクでなくてもよい。弁は、システムの下流側の部品に通じる導管を開閉するように、円弧経路または線状経路に沿って移動するプレートでもよい。弁は、平面的部材でなくてもよい。すなわち、弁は、開位置と閉位置との間で回転するボール式部材でもよい。本発明のいくつかの態様では、弁を通常閉鎖状態に保持する付勢部材が設けられている。本発明のこれらの態様では、マニホールドによる弁駆動部材の変位が付勢力を越え、弁を開状態に変位させている。マニホールドが取り外されると、付勢部材が弁を閉状態に戻すようになっている。
【0117】
さらに、本発明のいくつかの態様では、受器の弁と連結する、マニホールドと一体の駆動部材は、空洞を画定する特徴部でなくてもよい。本発明のいくつかの態様では、タブまたはポストがマニホールドに形成されている。一方、受器の弁は、マニホールド特徴部を受けるキーホールまたは空洞を有する駆動部材を有している。マニホールドが受器内に着座すると、タブ/ポストがキーホール内に着座することになる。マニホールドがさらに変位すると、弁駆動部材が作動し、その結果、弁が開閉することになる。
【0118】
同様に、本発明のいくつかの態様では、弁は、その弁自体とは別の作動部材を有してい
る。この作動部材は、マニホールドの挿入/取外しによって変位することで、弁を開状態と閉状態との間で移動させるものである。従って、もし弁がボール状ヘッドまたは円筒状ヘッドを有している場合、作動部材は、長手方向に変位したときに弁ヘッドを回転させる駆動リンクであるとよい。
【0119】
本発明のこれらの代替的態様では、マニホールドの直線的な挿入/取外しによって、相補的なマニホールド受器弁を開閉する力を生じさせてもよいことを理解されたい。
【0120】
また、弁を特定の状態に保持する解除式ラッチ機構を設けていると望ましい。具体的には、開示された弁ディスク136の場合、弁ディスクの意図されない回転を阻止するために、バネ付勢されるボール・イン・回転止め(ball-in-detent)を設けていることが望ましい。本発明のいくつかの態様では、ボールは、弁ディスクに取り付けられ、弁ディスクと共に回転可能である。本発明のこれらの態様では、受器アダプタ面プレート96が、ボールを捕捉する少なくとも1つの回転止めを有している。このアセンブリが、弁ディスクを回転させることなく閉鎖状態に保持している。また、弁ディスクの回転を阻止することによって、弁ボス136がマニホールド開口170内に着座するように整合しない可能性を本質的になくすことができる。代替的に、ボールおよびバネは、受器アダプタ面プレート96から内方に開口する孔内に取り付けられてもよい。この場合、弁ディスクは、弁を受ける適切な回転止めを有しているとよい。
【0121】
マニホールドは、開示されているのと異なる滴ストッパを備えていてもよい。具体的には、可動式ユニット内への開口から流出する廃棄物流れを選択的に阻止する滴ストッパは、1つまたは3つまたは4つ以上のリップ、フラップ、または滴ストッパを開閉するように選択的に変位する他の部材を有してもよい。このような1つの弁は、カモノハシ型弁である。
【0122】
本発明のいくつかの態様では、滴ストッパの流れ阻止部品は、当接フラップ式でなくてもよい。バネ付勢されてもよいしまたはバネ付勢されなくてもよいバネフラッパ弁が、この機能を果たすことができる。常閉傘式弁が、滴ストッパの滴低減部材として機能することが可能である。本発明のこの態様では、弁ボスは、弁ステムと当接し、この弁ステムを変位させ、弁を開状態に付勢する。滴の放出を防ぐために、バネ付勢された常閉ポペット弁が用いられてもよい。本発明のこれらの態様、および互いに向き合ったフラップが弁を構成する前述の態様では、受器によって弁に作用する機械的な力によって、弁が開かれる。次いで、弁関連部材を押圧する力が取り外されると、弁が自動的に閉鎖される。
【0123】
本発明のいくつかの代替的な滴ストッパでは、滴ストッパの弁部品は、マニホールド開口170と相補的な受器吸込み(本発明の図示の態様では、弁ボス136)との間の吸引漏れを防ぐ構成部品としてさらに機能しなくてもよいことを理解されたい。図19は、このような1つの滴ストッパ174aを示している。滴ストッパ174aは、周囲スロット178aを有する基部176a、およびヘッド188aを備えている。滴ストッパ174aは、滴ストッパ174が開口内に着座するのと同じように、マニホールド開口170内に着座することを理解されたい。
【0124】
滴ストッパ基部176aは、基部の近位端から上方に内向きテ―パが付された第1の内側環状面272を有するように、形成されている。環状面272は、基部176aの内部に周方向に延在するビード274に繋がっている。ビード274は、凸状断面の輪郭を有している。ビード274から上方に延在して、滴ストッパ基部は、第2の内側環状面276を有している。環状面276は、凹状輪郭を有している。従って、環状面276は、ビード274によって画定された空洞薄切断片よりも大きい直径を有する空洞薄切断片を画定している。
【0125】
ビード274は、弁ボス136の外径よりもわすかに小さい内径を有している。マニホールド46が相補的な受器44内に嵌合されると、ビード274は、ボス136を圧縮する。その結果、本発明の態様では、滴ストッパビード274が、マニホールド/ボス界面間における吸引の損失を防ぐ主な構成部品である。本発明のこの態様では、滴ストッパヘッド188aと一体のリップが、弁ディスクボス136の外面に着座することを理解されたい。従って、これらのリップは、マニホールド開口170内とボス136の周囲との間における吸引の損失を低減させる二次的な部品として作用することになる。
【0126】
本発明の他の態様では、滴ストッパは、開口と弁ディスク自体との間の吸引の損失を防ぐ部品を有していてもよい。例えば、この部品は、弁ディスク132の平面を押圧するグロメットのような部材であってもよい。グロメットは、この機能を果たすことができる。このグロメットは、滴ストッパの一体部品でもよいし、または滴ストッパの一体部品でなくてもよい。
【0127】
マニホールド46からの流体流れが接続具48から流出するのを防ぐのに、開示されたフラッパ弁ユニット以外のアセンブリが用いられてもよい。例えば、いくつかのフラッパ弁は、これらのフラッパ弁の背後に配置された半球体またはリブのような補強部材を有している。これらの補強部材は、高い背圧によって弁が崩壊するのを防いでいる。接続具48内に取り付けられたカモノハシ型弁は、この逆止弁機能を果たすことが可能である。これらのカモノハシ型弁として、3つ以上のリップを有するカモノハシ型弁が挙げられる。ここでも、傘弁、ポペット弁、バネ付勢弁が、接続具48からの漏れの可能性を低減させるために、マニホールドに嵌合されていてもよい。
【0128】
マニホールドが受器内に挿入されたとき、マニホールド開口170が弁ディスクボス136および孔138と一直線に並んで配置されることを確実にするために、タブ以外の特徴がマニホールドと一体化されてもよい。具体的に、本発明の代替的態様では、マニホールドは、その外面に沿って、1つまたは複数のスロットまたは他の空洞を有している。これらのスロットには、マニホールド受器と一体の位置合わせピンが嵌入されるようになっている。本発明のこれらの態様では、これらのスロットを画定するマニホールドの表面が、カム面として機能してもよい。従って、マニホールドは、受器内に挿入されると、これらの静止位置合わせピンから離れてさらに受器内に付勢されることになる。
【0129】
同様に、本発明の代替的態様では、マニホールド回転時にマニホールドを近位側(後方)に付勢するカム面は、マニホールド受器に配置されていなくてもよい。本発明のいくつかの態様では、位置合わせタブ、溝、またはマニホールドと一体のノッチは、傾斜した輪郭またはテ―パが付された輪郭を有していてもよい。マニホールドが回転すると、これらの表面が受器と一体の固定面に当接し、マニホールドは、近位側に移動することになる。さらに、本発明のいくつかの態様では、受器および/またはマニホールドと一体の単一カム面のみが設けられていてもよい。
【0130】
また、本発明のいくつかの態様では、マニホールドは、データキャリアを備えることができ、相補的な受器は、貯蔵データを読み取れる装置を有することが可能である。このようなマニホールドは、2006年3月8日に「流体流れ予備フィルタを有する外科用廃棄物収集システム」の表題で出願された本出願の譲渡人による米国特許出願第60/780,474号、現在、________________________________に開示されている。この内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。前記の出願に記載されているように、データキャリアは、データキャリアと一体のマニホールドが取り付けられたユニットの作動を調節するのに用いられるデータ記憶している。これらのデータとして、マニホールドの使用履歴データ、真空レベルデータ、および有効期限データが挙げられる。受器デー
タ読取装置が、これらのデータをプロセッサに送り、プロセッサが、廃棄物収集システムの作動を調節している。これらのデータに基づいて、プロセッサは、取り付けられたマニホールドが用いられ得るかどうかを決定し、吸引ポンプの作動を調節している。
【0131】
さらに、本発明の全ての態様において、必ずしも、フィルタバスケットは、マニホールドの上端から懸垂される必要がない。本発明のいくつかの態様では、フィルタバスケットは、マニホールドの底から上方に延在するポストから懸垂されていてもよい。代替的に、フィルタバスケットは、マニホールドの側壁内にスナップ嵌合されていてもよい。
【0132】
同様に、マニホールドのいくつかの態様では、必ずしも、前述のフィルタバスケットのようなフィルタを設ける必要がない。また、本発明のいくつかのマニホールドは、単一の接続具48しか備えていなくてもよい。この構造の利点は、単一の吸引ライン50がシステム30に取り付けられるとき、未使用接続具にキャップが被せられているかどうかを考慮する必要がないことにある。
【0133】
また、マニホールドの代替的態様は、シェル158とキャップ164との間にOリングまたは他の圧縮性部材を備えてもよい。この部材は、真空の損失を排除しなくても最小限に抑えるように、これらの2つの構成部品間のシールとして機能するものである。
【0134】
さらに、シェルをキャップ164と一直線に並べて配置するに用いられるマニホールドシェル指部161,162は、必ずしも、互いに180°離間している必要がない。本発明の他の態様では、指部161,162は、互いにより接近して離間していてもよい。従って、相補的な対のリブ226,228は、同様に、指部161,162を受けるように、互いにより接近してキャップスカート220に配置されていてもよい。
【0135】
従って、本発明の真の精神および範囲内に含まれるこのような変更および修正の全てを包含するのが、特許請求の範囲の目的である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医学/外科廃棄物収集ユニットに接続されるマニホールド(46)であって、前記廃棄物収集ユニット(30)が前記マニホールドを受ける受器(44)を有しているマニホールドにおいて、
空洞を有し、前記廃棄物収集ユニット受器内に嵌合されるように寸法決めされた、ハウジング(158,164)であって、前記ハウジングは、前記空洞を少なくとも部分的に画成する内面と、前記内面にあり空洞内へと入る吸込みポート(237)と、前記内面内にあり、前記吸込みポート(237)に隣接し且つ離れている貫通孔(236)とを有しているハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられ、前記ハウジング(158,164)から離れて延在する少なくとも1つの接続具(48)であって、前記吸込みポートを通って前記ハウジングの前記空洞内への流体連通路を画定する、接続具(48)と、
前記ハウジングの前記空洞内に配置されている弁ユニット(248)であって、前記弁ユニットは、圧縮性材料から形成されるハブであって、前記ハブは、互いに向かい合った第1面および第2面であって、前記ハブの第1面は前記ハウジングの前記内面に対して配置されている第1面および第2面と、前記ハウジングの前記貫通孔(236)と整合している貫通孔(252)と、前記各面から外方に延在し且つ前記貫通孔(252)を包囲する少なくとも1つのリブ(254、256)とを有するハブと、前記ハブに旋回可能に固定され且つ前記吸込みポート(237)を覆うように位置決めされている弁部材(262)とを備えている弁ユニット(248)と、
前記弁ユニットの前記ハブ(250)の前記第2面に対して配置されているヘッドピース(206)であって、前記ヘッドピースは、前記弁ユニットの前記ハブを前記ヘッドピースと前記ハウジングの前記内面との間に固定するように、前記ハブの前記貫通孔(252)及び前記ハウジングの前記貫通孔(236)を貫通する少なくとも1つの耳部(212)を有し、前記リブ(254、256)の各々は、前記リブが前記ハウジングの前記貫通孔(236)の周囲にシールを形成するように、前記ハウジングの前記内面あるいは前記ヘッドピースのどちらか一方に当接している、ヘッドピース(206)と、
流体を前記ハウジングの前記空洞から前記廃棄物収集ユニット(30)内に通流させる、前記ハウジング内の排出開口(170)と
を備えているマニホールド。
【請求項2】
前記弁ユニットの前記ハブは、少なくとも1つの面を備え、前記2つのリブ(254、256)は前記ハブの前記貫通孔(252)の周囲を延在し、前記リブのうち一方(256)は前記リブの他方を包囲することを特徴とする、請求項1に記載のマニホールド。
【請求項3】
前記リブ(254、256)は、前記リブがそこから延在する前記ハブ(250)の前記表面から外方に延在して、前記リブが、前記ハブの前記貫通孔(252)を通る長軸に向かって延在するように、傾斜した断面輪郭を有していることを特徴とする、請求項1あるいは2に記載のマニホールド。
【請求項4】
前記少なくとも1つの耳部(212)が、前記ハウジング(158、164)にスナップ嵌合されていることを特徴とする、請求項請求項1、2あるいは3に記載のマニホールド。
【請求項5】
前記ハウジングの前記空洞において、前記吸込みポート(237)と前記排出開口(170)との間に配置されたフィルタ(166)をさらに備えていることを特徴とする、請求項1、2、3あるいは4に記載のマニホールド。
【請求項6】
前記ヘッドピース(206)は前記フィルタ(166)の一部であることを特徴とする、請求項5に記載のマニホールド。
【請求項7】
前記耳部(212)の2つは、前記ヘッドピース(206)から延在して前記弁ユニットの前記ハブの前記貫通孔(252)を貫通し、前記ハウジングの前記貫通孔(236)を貫通することを特徴とする、請求項1、2、3、4あるいは5に記載のマニホールド。
【請求項8】
前記弁ユニットの前記ハブの前記貫通孔(252)および前記ヘッドピースの前記少なくとも1つの耳部(212)は、前記少なくとも1つの耳部が前記弁ユニットの前記ハブの前記貫通孔内に着座したとき、前記弁ユニット(248)の回転が阻止されるように配置される相補的な輪郭を有するように相補的な形状を有していることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6あるいは7に記載のマニホールド。
【請求項9】
前記弁ユニット(248)を形成する前記ハブ(250)および前記弁部材(262)は、柔軟材料の単一片から形成されていることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7あるいは8に記載のマニホールド。
【請求項10】
前記弁ユニットの前記ハブ(250)および前記弁部材(262)はそれぞれ厚みを有し、前記ハブと前記弁部材との間にはヒンジ(260)が存在し、前記ヒンジは前記ハブおよび前記弁部材の厚みより薄い厚みを有していることを特徴とする、請求項9に記載のマニホールド。
【請求項11】
前記ハウジング(158,164)は、複数の吸込みポート(237)が存在するように形成され、
複数の接続具(48)は前記ハウジング(158,164)から離れて延在し、各接続具は、前記吸込みポート(237)の1つを通って前記ハウジングの前記空洞内に流体連通路をもたらし、
前記弁ユニット(248)は、複数の弁部材(262)を備え、前記弁部材の各々は、前記ハブ(250)に旋回可能に接続され、前記吸込みポート(237)の別個の1つの上を延在することを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9あるいは10に記載のマニホールド。
【請求項12】
前記ハウジング(158、164)に取り付けられ、前記排出開口(170)を覆う滴ストッパ(174)をさらに備えていることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10あるいは11に記載のマニホールド。
【請求項13】
前記ハウジング(158、164)は、
前記吸込みポート(237)が形成された前記内面の反対側にある基部(168)であって、前記ハウジングの前記排出開口(170)が前記基部に形成されている、基部(168)と、
前記ハウジングの回転軸から偏心すべく前記ハウジング(158、164)上に位置決めされ且つ前記受器(44)の弁ユニット(132)に係合するように位置決めされた弁ドライバ(170)であって、前記弁ユニット(132)は前記受器(44)からの流体流れを調整するように構成され、前記ハウジングは、前記ハウジングが回転したとき、その結果生じる前記弁ドライバ(170)の回転によって、前記弁ユニット(132)が開状態と閉状態の間を移動するように前記回転軸の周りを回転して前記受器(44)内に着座するようになっている、弁ドライバ(170)とを備えていることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10あるいは11に記載のマニホールド。
【請求項14】
前記ハウジング(158、164)は、前記弁ユニット(132)の相補的な部品(138)を受けるキーホールを画定するように形成された区域を有し、前記キーホールは、前記弁ドライバであることを特徴とする、請求項13に記載のマニホールド。
【請求項15】
前記ハウジングの前記排出開口(170)は、前記弁ドライバであることを特徴とする、請求項13あるいは14に記載のマニホールド。
【請求項16】
前記ハウジングが、前記排出開口(170)が形成され且つ開端を有しているシェル(158)と、前記シェル(158)の前記開端を覆っているキャップ(164)とを備え、前記接続具(48)が前記キャップから延在し、前記吸込みポート(237)および前記貫通孔(236)が前記キャップ内に形成され、
前記弁ユニットの前記ハブ(250)が前記ハウジングの前記キャップ(164)と前記ヘッドピース(206)間で圧縮されていることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14あるいは15に記載のマニホールド。
【請求項17】
前記ハウジング(158、164)は、前記開口(170)が前記廃棄物収集システム受器(44)の相補的な吸込みポート(138)と整合して位置決めされるように形作られ、
前記ハウジング(158、164)は、前記ハウジング(158、164)と一体の少なくとも1つの位置合わせ特徴部(222,224)を備え、前記位置合わせ特徴部(222,224)は、前記位置合わせ特徴部が前記受器(44)の相補的な位置合わせ特徴部と係合するときに前記ハウジングの前記排出開口が前記受器の前記吸込みポート(138)と整合するように、前記ハウジング排出開口に対して位置決めされていることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15あるいは16に記載のマニホールド。
【請求項18】
前記ハウジング(158、164)が、
前記ハウジングの前記空洞を貫通する回転軸と、
前記ハウジングから外方に延在する2つのタブ(222、224)であって、前記2つのタブは前記ハウジングの前記回転軸に対して直径方向において互いに向き合っており、前記ハウジングの周りの異なる円弧の範囲を定めるように形成されている2つのタブと、を備えていることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16あるいは17に記載のマニホールド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5A】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−46767(P2013−46767A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−212498(P2012−212498)
【出願日】平成24年9月26日(2012.9.26)
【分割の表示】特願2012−162746(P2012−162746)の分割
【原出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【出願人】(506410062)ストライカー・コーポレイション (36)
【Fターム(参考)】