説明

医用テレメータシステムおよび医用テレメータ

【課題】医用テレメータと受信装置間の通信を確立するための情報と、患者を特定する情報とを正確かつ簡便に対応付けることにより、医療事故の発生を防止する。
【解決手段】医用テレメータ10の通信部83より送信される生体信号データを受信装置30の受信部35が受信可能とするための接続情報を格納している接続情報格納部81を、医用テレメータ10が備える。受信装置30は、接続情報を非接触で読み出す第1の非接触通信を実行可能とされた非接触通信部34と、該非接触通信部34により読み出された接続情報を記憶する記憶部91とを備える。記憶部91に接続情報が記憶されることで、受信部35は通信部83により送信された生体信号データの受信を開始するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体の血圧や心拍数などを測定して得た生体信号データを無線送信するテレメータ(送信装置)と、該生体信号データを遠隔受信する受信装置を含んで構成される医用テレメータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
病院の入院病棟などでは、上記のような医用テレメータシステムが患者の容態を監視するために使用されている。特許文献1は患者による携帯が可能なテレメータを開示している。患者は生体信号の測定を続けながら病棟内を自由に移動することができる。テレメータには生体信号データを受信装置へ無線送信する際に用いる固有のキャリア周波数(無線通信チャネル)が割り当てられている。
【0003】
受信装置の一例としてナースセンタなどに設置されるセントラルモニタが挙げられる。当該装置では複数のチャネルで送信される生体信号データを受信可能であり、異なる患者に装着された複数のテレメータから送信される生体信号データを受信し、一括して表示・記録することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−168600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
テレメータから送信された生体信号データを適切に管理するためには、患者の情報と通信を確立するための情報(例えば、チャネル番号や装置の製造番号など)との対応付けを正確に行なう必要がある。この対応付け作業はセントラルモニタ側にて手作業で行なっている。例えばチャネル1が割り当てられたテレメータを患者Aに装着し、チャネル2に割り当てられたテレメータを患者Bに装着する場合、チャネル1と患者Aを、チャネル2と患者Bを対応付けるような操作をセントラルモニタ側において適宜行ない、同装置が備える記憶部に記憶させておく。その後は受信チャネルを適宜選択することにより、患者Aおよび患者Bより測定した生体信号データを一括あるいは選択的に表示させることが可能となる。上記の手作業による入力が正確に遂行されない場合、例えば上記のように患者A、Bに各々テレメータを装着しておきながら、チャネル1と患者B、チャネル2と患者Aが対応するように誤入力をしてしまった場合、チャネル1で遠隔監視している患者Aの生体信号データが患者Bのものとして、チャネル2で遠隔監視している患者Bの生体信号データが患者Aのものとして認識されてしまうこととなる。遠隔監視下における患者の取り違えは深刻な医療事故を引き起こす原因となり得る。
【0006】
一方、セントラルモニタ側で患者とチャネルの対応付けを正確に入力しても、テレメータを正しく患者に装着しなければ同様の事態に陥ってしまう。例えばチャネル1と患者A、チャネル2と患者Bが対応するようにセントラルモニタ側で入力を行ない、チャネル1が割り当てられたテレメータを患者Bに、チャネル2が割り当てられたテレメータを患者Aに装着してしまうと、本来患者Aの生体信号データが受信されるべきチャネル1に患者Bの生体信号データが、本来患者Bの生体信号データが受信されるべきチャネル2に患者Aの生体信号データが入力されることとなる。特許文献1に開示のテレメータは測定した生体信号データを表示するディスプレイを備えているが、患者を特定可能な情報を表示する機能を有していない。よってテレメータを本来とは異なる患者に装着してしまう可能性を排除できない。
【0007】
本発明の目的は、テレメータから送信される生体信号を受信装置が受信できるように通信を確立するための情報と、患者を特定する情報とを正確かつ簡便に対応付けることにより、医療事故の発生を防止可能な医用テレメータシステムおよび該システムに用いられる医用テレメータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明によれば以下に列挙するものが提供される。
【0009】
(1):患者の生体信号を生体信号データとして測定可能とされた測定部と、該生体信
号データを無線送信可能とされた通信部とを備えた医用テレメータと、
前記通信部により送信された前記生体信号データを受信可能とされた受信部とを備えた受信装置と、
を備えた医用テレメータシステムであって、
前記医用テレメータは、前記通信部より送信される前記生体信号データを前記受信部が受信可能とするための接続情報を格納している接続情報格納部を備え、
前記受信装置は、前記接続情報を非接触で読み出す第1の非接触通信を実行可能とされた非接触通信部と、該非接触通信部により読み出された前記接続情報を記憶する記憶部とを備え、
前記受信部は、前記記憶部に前記接続情報が記憶されることで前記通信部により送信された前記生体信号データの受信を開始するように構成されることを特徴とするもの。
【0010】
この構成によれば、従来のように患者情報と接続情報のマッチング(対応付け)を手入力で行なう必要がなくなるので、省力化に資すると共に、誤入力に伴う医療事故の発生を防止することができる。
【0011】
(2):(1)に記載の医用テレメータシステムであって、
前記受信装置は、前記患者を特定する患者情報を格納可能とされた第1患者情報格納部を備え、
前記医用テレメータは、前記患者情報を格納可能とされた第2患者情報格納部を備え、 前記非接触通信部は、前記第1の非接触通信が行なわれる際に、前記第1患者情報格納部に格納された前記患者情報を、前記第2患者情報格納部に非接触で書き込む第2の非接触通信を実行可能とされることを特徴とするもの。
【0012】
この構成によれば、上述した医用テレメータから受信装置への接続情報の伝達と併せて受信装置から医用テレメータへの患者情報の伝達が為される。面倒かつ過誤を生じ得る手入力作業を必要とすることなく医用テレメータと受信装置の双方において接続情報と患者情報を共有させることができる。
【0013】
(3):(2)に記載の医用テレメータシステムであって、
前記医用テレメータは、前記第2患者情報格納部に格納された前記患者情報を表示可能とされた送信側表示部を備えることを特徴とするもの。
【0014】
この構成によれば、患者に直接装着される医用テレメータに設けられた表示部に患者情報が表示されているため、本来とは異なる患者に誤って医用テレメータを装着してしまう事故を防止できる。
【0015】
(4):(3)に記載の医用テレメータシステムであって、
前記患者情報は、文字情報と画像情報の少なくとも一方を含むことを特徴とするもの。
【0016】
(5):(2)に記載の医用テレメータシステムであって、
前記受信装置は、前記患者情報と前記接続情報を対応付けて表示可能とされた受信側表示部を備えることを特徴とするもの。
【0017】
(6):(2)に記載の医用テレメータシステムであって、
前記受信装置は、前記患者情報と前記接続情報が一対一に対応していない状態が検出された場合に、アラームを発生する構成とされることを特徴とするもの。
【0018】
(7):(2)に記載の医用テレメータシステムであって、
前記通信部は、前記第2患者情報格納部に格納された前記患者情報を、前記生体信号データと共に前記受信部へ送信可能であり、
前記受信装置は、前記受信部が受信した前記患者情報と、前記受信部が受信した前記生体信号データを送信した前記医用テレメータを特定する前記接続情報に対応付けられて前記記憶部に記憶された前記患者情報とを比較し、これらが相違する状態が検出された場合に、アラームを発生する構成とされることを特徴とするもの。
【0019】
これらの構成によれば、複数の医用テレメータを含む医用テレメータシステムにおいて考え得る、医用テレメータの本来とは異なる患者への誤装着を効果的に防止可能である。
【0020】
(8):(1)に記載の医用テレメータシステムであって、
前記接続情報格納部は、RFIDチップ、バーコード、および二次元コードの何れかであることを特徴とするもの。
【0021】
(9):(2)に記載の医用テレメータシステムであって、
第2患者情報格納部はRFIDチップであることを特徴とするもの。
【0022】
(10):(1)に記載の医用テレメータシステムであって、
前記接続情報は、無線通信チャネル、装置識別番号、IPアドレス、およびMACアドレスの何れかを含むことを特徴とするもの。
【0023】
(11):(1)に記載の医用テレメータシステムであって、
前記医用テレメータは、前記患者が携帯可能な送信装置であって、
前記受信装置は、ベッドサイドモニタ又はセントラルモニタの少なくとも一方であることを特徴とする。
【0024】
(12):(1)に記載の医用テレメータシステムであって、
前記医用テレメータは、前記患者が携帯可能な送信装置、ベッドサイドモニタ、およびセントラルモニタの少なくとも一つであって、
前記受信装置は、携帯情報端末であることを特徴とするもの。
【0025】
(13):(1)に記載の医用テレメータシステムであって、
前記第1の非接触通信が実行される際に、前記医用テレメータと前記受信装置が各々内部管理している時間の同期をとるように構成されていることを特徴とするもの。
【0026】
(14):(2)に記載の医用テレメータシステムであって、
前記第1の非接触通信または前記第2の非接触通信が実行される際に、前記医用テレメータと前記受信装置が各々内部管理している時間の同期をとるように構成されていることを特徴とするもの。
【0027】
この構成によれば、医用テレメータで測定した生体信号と受信装置で受信する生体信号の間に時間的な齟齬が生ずることを回避できる。
【0028】
(15):(1)に記載の医用テレメータシステムであって、
患者に装着されると共に当該患者を特定する患者情報を格納している患者情報格納部から当該患者情報を読み取り、読み取った当該患者情報を前記医用テレメータの前記通信部に送信可能な構成とされた読取通信装置を更に備えることを特徴とするもの。
【0029】
(16):(2)に記載の医用テレメータシステムであって、
患者に装着されると共に当該患者を特定する患者情報を格納している第3患者情報格納部から当該患者情報を読み取り可能な構成とされた読取通信装置を更に備え、
前記読取通信装置は、前記第3患者情報格納部から読み取った前記患者情報の前記医用テレメータの前記通信部への送信と、前記第2患者情報格納部に格納されている前記患者情報の前記医用テレメータの前記通信部からの受信の少なくとも一方を実行可能に構成されていることを特徴とするもの。
【0030】
(17):(15)または(16)に記載の医用テレメータシステムであって、
前記医用テレメータの通信部は、前記読取通信装置から受信した前記患者情報を、前記受信装置へ送信可能な構成とされていることを特徴とするもの。
【0031】
これらの構成によれば、医用テレメータを患者に装着する際において当該患者と当該医用テレメータの対応関係の再確認が可能となり、患者の取り違えに起因する医療事故の未然防止をより確実にできる。
【0032】
(18):(16)に記載の医用テレメータシステムであって、
前記読取通信装置は、前記第3患者情報格納部から読み取った患者情報と、前記医用テレメータの前記通信部より受信した患者情報が一致していない場合に、アラームを発生する構成とされていることを特徴とするもの。
【0033】
(19):(16)に記載の医用テレメータシステムであって、
前記医用テレメータは、前記読取通信装置から受信した患者情報と、前記第2患者情報格納部に格納されている患者情報とが一致していない場合に、アラームを発生する構成とされていることを特徴とするもの。
【0034】
(20):(17)に記載の医用テレメータシステムであって、
前記受信装置は、前記医用テレメータの前記通信部から受信した患者情報と、前記第1患者情報格納部に格納されている患者情報とが一致していない場合に、アラームを発生する構成とされていることを特徴とするもの。
【0035】
これらの構成によれば、医療従事者に目視確認の負担を強いることなく、患者と医用テレメータの対応関係の再確認が容易に可能となる。
【0036】
(21):(1)から(20)の何れかに記載の医用テレメータシステムに用いられる医用テレメータ。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の概念を模式的に示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る医用テレメータシステムを構成する医用テレメータおよび受信装置を模式的に示す図である。
【図3】図2の医用テレメータおよび受信装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る医用テレメータシステムを構成する医用テレメータおよび受信装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【図5】図4の医用テレメータに設けられた送信側表示部の例を模式的に示す図であ る。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る医用テレメータシステムを構成する医用テレメータおよび受信装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る医用テレメータシステムを構成する医用テレメータおよび受信装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の医用テレメータシステムが、複数の医用テレメータを含んで構成される場合を模式的に示す図である。
【図9】図8の医用テレメータシステムにおけるセントラルモニタの表示部の例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明の実施形態を添付の図面を参照しつつ以下詳細に説明する。先ず図1を用いて本発明の概念について説明する。
【0039】
本発明の医用テレメータシステムは、医用テレメータ10(以降単にテレメータ10と表記する)と受信装置30により構成される。テレメータ10は、患者の生体信号を生体信号データとして測定可能とされた生体信号測定部16(測定部)と、該生体信号データを無線送信可能とされた通信部83とを備える。受信装置30は、通信部83により送信された生体信号データを受信可能とされた受信部35を備える。
【0040】
テレメータは、通信部83より送信される生体信号データを受信部35が受信可能とするために必要な設定に関連する接続情報(例えば、無線通信チャネル、装置識別番号、IPアドレス、MACアドレスなど)を格納している接続情報格納部81を備える。接続情報格納部81の例としては、RFIDチップ、バーコード、二次元コードなどが挙げられる。
【0041】
受信装置30は、接続情報を非接触で読み出す第1の非接触通信を実行可能とされた非接触通信部34と、該非接触通信部34により読み出された接続情報を記憶する記憶部91とを備える。受信部35は、記憶部91に接続情報が記憶されることで生体信号データの受信を開始するように構成される。
【0042】
この構成によれば、非接触通信を介することで、従来のように患者情報と接続情報のマッチング(対応付け)を手入力で行なう必要がなくなるので、省力化に資すると共に、誤入力に伴う医療事故の発生を防止することができる。
【0043】
(1)受信装置30は、患者を特定する患者情報を格納可能とされた第1患者情報格納部92を備え、(2)テレメータ10は、患者情報を格納可能とされた第2患者情報格納
部82を備え、(3)非接触通信部34は、第1の非接触通信が行なわれる際に、第1患
者情報格納部92に格納された患者情報を、第2患者情報格納部82に非接触で書き込む第2の非接触通信を実行可能とされる構成としてもよい。この場合、医療従事者が一度の操作で第1の非接触通信と第2の非接触通信とを実行できるように、第1の非接触通信と第2の非接触通信とは同じ種類の非接触通信であることが望ましい。
【0044】
この構成によれば、上述したテレメータ10から受信装置30への接続情報の伝達と併せて受信装置30からテレメータ10への患者情報の伝達が為される。面倒かつ過誤を生じ得る手入力作業を必要とすることなく一度の操作でテレメータ10と受信装置30の双方において接続情報と患者情報を共有させることができる。
【0045】
テレメータ10は、第2患者情報格納部82に格納された患者情報を表示可能とされた送信側表示部14を備える構成としてもよい。
【0046】
この構成によれば、患者に直接装着されるテレメータ10に設けられた送信側表示部14に患者情報が表示されているため、医療従事者は送信側表示部14の目視により患者の確認を容易にできる。これにより医療従事者が本来とは異なる患者に誤って医用テレメータを装着してしまう事故を防止できる。
【0047】
受信装置30は、患者情報と接続情報を対応付けて表示可能とされた受信側表示部32を備える構成としてもよい。受信装置30は、患者情報と接続情報が一対一に対応していない状態が検出された場合に、アラームを発生する構成としてもよい。
【0048】
(1)通信部83は、第2患者情報格納部82に格納された患者情報を、生体信号データと共に受信部35へ送信可能であり、(2)受信装置30は、受信部35が受信した患者情報と、受信部35が受信した生体信号データを送信したテレメータ10を特定する接続情報に対応付けられて記憶部92に記憶された患者情報とを比較し、これらが相違する状態が検出された場合に、アラームを発生する構成としてもよい。
【0049】
これらの構成によれば、複数のテレメータを含む医用テレメータシステムにおいて考え得る、テレメータの本来とは異なる患者への誤装着を効果的に防止可能である。
【0050】
非接触通信の例として、RFID通信やコードリーディング、更には赤外線通信などの近距離無線通信などが挙げられる。非接触通信部34の例としては、非接触通信の種類に応じてRFIDリーダライタ、バーコードリーダ、スキャナなどが挙げられ、受信装置に対する外装・内蔵は問わない。
【0051】
第1の非接触通信または第2の非接触通信が実行される際に、医用テレメータ10と受信装置30が各々内部管理している時間の同期をとるように構成としてもよい。
【0052】
この構成によれば、医用テレメータ10で測定した生体信号と受信装置30で受信する生体信号の間に時間的な齟齬が生ずることを回避できる。
【0053】
(1)患者に装着されると共に当該患者を特定する患者情報を格納している第3患者情報格納部78から当該患者情報を読み取り可能な構成とされた読取通信装置75を更に備え、(2)読取通信装置75は、第3患者情報格納部78から読み取った患者情報の医用テレメータ10の通信部83への送信と、第2患者情報格納部82に格納されている患者情報の医用テレメータ10の通信部83からの受信の少なくとも一方を実行可能に構成してもよい。
【0054】
医用テレメータ10の通信部83は、読取通信装置75から受信した患者情報を、受信装置30へ送信可能に構成してもよい。
【0055】
これらの構成によれば、医用テレメータ10を患者に装着する際において患者と医用テレメータの対応関係の再確認が可能となり、患者の取り違えに起因する医療事故の未然防止をより確実にできる。
【0056】
読取通信装置75は、第3患者情報格納部78から読み取った患者情報と、医用テレメータ10の通信部83より受信した患者情報が一致していない場合に、アラームを発生する構成としてもよい。
【0057】
医用テレメータ10は、読取通信装置75から受信した患者情報と、第2患者情報格納部82に格納されている患者情報とが一致していない場合に、アラームを発生する構成としてもよい。
【0058】
受信装置30は、医用テレメータ10の通信部83から受信した患者情報と、第1患者情報格納部92に格納されている患者情報とが一致していない場合に、アラームを発生する構成としてもよい。
【0059】
これらの構成によれば、医療従事者に目視確認の負担を強いることなく、患者と医用テレメータの対応関係の再確認が容易に可能となる。
【0060】
医用テレメータの例として、患者が携帯可能な送信装置、ベッドサイドモニタ、セントラルモニタなどが挙げられ、受信装置の例として、ベッドサイドモニタ、セントラルモニタ、携帯情報端末などが挙げられる。
【0061】
次に本発明の第1の実施形態に係る医用テレメータシステム100について図2を用いて説明する。
【0062】
テレメータ10は、テレメータ本体11、電極群12、センサプローブ13、および送信側表示部14を備える。テレメータ本体11は患者が携帯あるいは共に移動できる程度の大きさおよび重さを有する構成とされる。
【0063】
電極群12は、患者の胸部や四肢部に装着されて該患者の心電図、呼吸などを検出するものであり、電極リード線群を介してテレメータ本体11と電気的に接続される。
【0064】
センサプローブ13は、患者の指に装着されて該患者の脈波や血中酸素飽和度(SpO2)を測定するものであり、センサリード線を介してテレメータ本体11と電気的に接続されている。またテレメータ本体11は図示しないカフと接続可能な構成とされ、これにより非観血血圧(NIBP)を測定することができる。電極群12やセンサプローブ13で測定可能な生体信号はあくまで例示であり、これらに限られるものではない。
【0065】
送信側表示部14はテレメータ本体11に設けられている。テレメータ本体11は電極群12やセンサプローブ13により測定された各種生体信号データを演算処理し、数値や波形として可視化したものが送信側表示部14に表示される。
【0066】
テレメータ本体11には後に詳述する送信部が設けられ、測定した各種生体信号データを受信装置30へ無線送信することが可能に構成されている。
【0067】
受信装置30は、本体部31、受信側表示部32、患者情報読取部33、および非接触通信部34を備える。
【0068】
本体部31には後に詳述する受信部35が設けられ、テレメータ10より無線送信された各種生体信号を受信可能に構成されている。
【0069】
受信側表示部32は本体部31に設けられている。本体部31は受信部35が受信した各種生体信号データを演算処理し、数値や波形として可視化したものが受信側表示部32に表示される。
【0070】
患者情報読取部33は、患者を特定する患者情報が格納されたIDカード37から該患者情報を取得する装置であり、本体部31と通信可能にケーブルを介して接続されている。患者情報読取部33は、例えばIDカード37に磁気情報として格納された患者情報を読み取るカードリーダとして構成してもよく、IDカード37にバーコードや二次元コードとして格納された患者情報を読取り可能なコードリーダとして構成してもよい。また患者情報読取部33は、本体部31と通信可能であれば無線接続されていてもよい。
【0071】
非接触通信部34は、本体部31と通信可能にケーブルを介して接続されている。本体部31と通信可能であれば、無線接続されていてもよい。非接触通信部34はテレメータ本体11内部に設けられたRFIDタグ回路20(後に詳述する)と非接触通信可能に構成されている。
【0072】
図3にテレメータ10および受信装置30のより詳細な構成を模式的に示す。
【0073】
テレメータ10は、生体信号測定部16、送信側制御部17、送信部18、電源部19、RFIDタグ回路20を備える。
【0074】
生体信号測定部16は、上述の電極群12やセンサプローブ13が接続されるインターフェースとして構成され、入力された各種生体信号を送信側制御部17へ中継する構成とされる。
【0075】
送信側制御部17はCPUなどの演算素子やメモリなどの記憶素子を含んでテレメータ10の各部を制御可能に構成される。また送信側制御部17は、生体信号測定部16より中継された各種生体信号にA/D変換などの各種処理を施し、メモリに記憶可能な形式のデータ、送信側表示部14を通じて視認可能な形式のデータ、送信部18を介して受信装置30へ無線送信可能な形式のデータに変換可能な構成とされる。送信側制御部17のメモリに格納されたデータは適宜参照されて送信側表示部14に表示可能とされる。
【0076】
送信部18はアンテナを含むインターフェースであり、送信側制御部17により生成された生体信号データを受信装置30へ向けて無線送信可能な構成とされる。テレメータ10には固有のキャリア周波数(無線通信チャネル)が割り当てられており、送信部18からは当該キャリア周波数で生体信号データが送信される。送信側制御部17および送信部18は本発明の通信部83として機能する。
【0077】
無線通信チャネルは、テレメータ10と受信装置30間の通信を確立するための情報(接続情報)として送信側制御部17のメモリに格納されている。割り当てられた無線通信チャネルは、テレメータ本体11を専用のチャネル登録装置に接続することにより変更可能に構成してもよい。この場合、送信側制御部17のメモリに格納された接続情報が書き替えられることとなる。送信側制御部17のメモリは、本発明の接続情報格納部81として機能する。
【0078】
電源部19はテレメータ10を構成する各要素に必要な電力を供給可能な電池である。電源部19は使い捨ての電池であってもよいし、必要に応じて商用電源に接続され、再充電可能な電池であってもよい。また電源部19は、商用電源に直接接続され、商用電源電圧を各要素を駆動する電圧に変換して供給可能な構成としてもよい。
【0079】
RFIDタグ回路20はメモリ21を備えたICチップの一部であり、送信側制御部17とデータの授受が可能に構成されている。本実施形態では送信側制御部17のメモリに格納された接続情報を適宜のタイミングで取得し、格納するように構成されている。
【0080】
よって送信側制御部17のメモリとRFIDタグ回路20のメモリ21の少なくとも一方が本発明の接続情報格納部として機能する。
【0081】
受信装置30の本体部31は、受信部35、および受信側制御部36を備えている。
【0082】
受信部35はアンテナを含むインターフェースであり、テレメータ10より無線送信された生体信号データを受信可能に構成される。受信した各種生体信号データは受信側制御部36へ中継される。受信部35は、所定の帯域内における任意の周波数に同調可能に構成されており、キャリア周波数の異なる複数のテレメータから同時あるいは選択的に生体信号を受信することができる。
【0083】
受信側制御部36はCPUなどの演算素子やメモリなどの記憶素子を含んで受信装置30の各部を制御可能に構成されている。受信部35より中継された各種生体信号データに各種処理を施し、メモリに記憶可能な形式のデータ、受信側表示部32を通じて視認可能な形式のデータに変換可能な構成とされる。患者情報読取部33により取得された患者情報をはじめとする受信側制御部36のメモリに格納された情報は、適宜参照されて受信側表示部32にて表示される。よって受信側制御部36のメモリは本発明の第1患者情報格納部92として機能する。
【0084】
非接触通信部34は受信側制御部36へデータの転送が可能に構成されている。非接触通信部34が受信した情報は受信側制御部36のメモリに格納され、適宜参照されて受信側表示部32にて視認可能とされる。
【0085】
テレメータ10のRFIDタグ回路20は、上記のメモリ21に加えて通信部22および電力生成部23を備える。
【0086】
通信部22はアンテナを含むインターフェースであり、メモリ21に格納された接続情報を非接触通信部34へ向けて送信可能に構成される。
【0087】
電力生成部23は、テレメータ本体11を非接触通信部34に接近させる(かざす)と電力を発生する構成とされる。テレメータ本体11に電池を装着していない状態で電源部19からRFIDタグ回路20への電源供給がない場合でも、非接触通信部34からの電力を受信し発生した電力によりメモリ21の書き換えまたは読み出しが可能である。また通信部22の駆動を補助し、非接触通信制御部34との情報の授受が可能である。テレメータ本体11に電池を装着している状態では、電源部19より供給される電力でメモリ21と送信側制御部17間でデータの授受を行なう。また非接触通信部34からの電力を受信し発生した電力により、上述したメモリ21の書き換えまたは読み出し、通信部22の駆動補助、および非接触通信制御部34との情報の授受が可能である。
【0088】
上記を踏まえ、再度図2を参照しながら本実施形態の医用テレメータシステムの動作を説明する。ABCという名の患者(以下患者ABCと称する)が入床(入院)手続きを行ない、チャネル番号1が割り当てられたテレメータ10を装着してベッド番号1のベッドを使用する場合を考える。
【0089】
患者ABCを特定する患者情報が格納されたIDカード37が発行されると、入院手続きとして患者情報読取部33で該患者情報を読み取り、受信装置30に患者ABCを登録する。患者情報は上述のように受信側制御部36のメモリに格納される。そしてチャネル1が割り当てられたテレメータ本体11を非接触通信部34に接近させる(かざす)ことにより、非接触通信部34とテレメータ10のRFIDタグ回路20との間で非接触通信が行なわれる(本発明における第1の非接触通信)。具体的には、RFIDタグ回路20のメモリ21に格納された接続情報(チャネル番号1)が非接触通信部34に送信されて受信側制御部36のメモリに格納され、患者情報と対応付けられる。よって受信側制御部36のメモリが本発明の記憶部91として機能する。
【0090】
本実施形態の受信装置30は、接続情報の格納を確認してから受信部35を通じた生体信号データの受信を開始するように構成される。この構成によれば、テレメータ本体11を非接触通信部34にかざすのみで受信装置30において患者情報と接続情報が対応付けられ、通信可能な状態となる。従来のように患者情報と接続情報のマッチング(対応付け)を手入力で行なう必要がなくなるので、省力化に資すると共に、誤入力に伴う医療事故の発生を防止することができる。
【0091】
なお医用テレメータ10から受信装置30へ接続情報が送信される際に、併せて両装置が内部管理する時間の同期をとるように構成される。例えば両装置が内部時計を備えている場合には、互いの時刻を一致させる処理を送信側制御部17および受信側制御部36が行なう。また両装置がタイマを備えている場合には、当該タイマに同時に計時を開始させる処理を送信側制御部17および受信側制御部36が行なう。このように両装置が生体信号データについて同時性を確保できるように構成することにより、医用テレメータ10で測定した生体信号と受信装置30で受信する生体信号の間に時間的な齟齬が生ずることを回避できる。
【0092】
本実施形態では、RFIDタグ回路20が接続情報格納部81の機能の一部を担い、非接触通信部34として当該RFIDタグ回路20と非接触通信が可能な読取装置を例示した。しかしながら、次のような構成を採ることも可能である。
【0093】
上記の接続情報を格納したバーコード又はQRコードやアズテックコード(何れも登録商標)といった二次元コードが記録された標識をテレメータ本体11に装着し、これを非接触通信部34としてのコードリーダで読み取ることで受信装置30が接続情報を取得する構成としてもよい。つまり上記コードが接続情報格納部81として機能する。患者情報読取部33を同様のコードリーダで構成した場合、これを非接触通信部34と兼用することが可能であり、装置の小型化および低コスト化に資する。
【0094】
接続情報としては、上記の割り当てられた無線通信チャネル番号、テレメータ10の製品番号、割り当てられたベッド番号などの少なくとも一つを含むようにすればよい。テレメータ10を無線ネットワーク上で動作する携帯情報端末と同様に機能させることが可能であれば、すなわち生体信号データを無線ネットワークを介して送信する場合においては、接続情報としてネットワーク上のIPアドレスやMACアドレスを含ませることも可能である。
【0095】
上述のバーコード又は二次元コードをデータ化して送信側制御部17のメモリに格納し、所定の操作を通じて送信側表示部14に表示させてコードリーダで読み取る構成としてもよい。標識としてテレメータ本体11に装着する構成とは異なり、必要に応じて接続情報の内容を変更可能となる。
【0096】
非接触通信部34を赤外線通信の受信機とし、テレメータ10に赤外線通信の送信機を内蔵する構成としてもよい。この場合、送信側制御部17のメモリに格納された接続情報は赤外線通信が可能なデータ形式に適宜変換され、テレメータ10から受信装置30へ送信される。
【0097】
次に図4を参照し、本発明の第2の実施形態に係る医用テレメータシステム200について説明する。第1の実施形態と同一または同様の要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は割愛する。
【0098】
本実施形態では、受信装置30Aが備える非接触通信部34aとしてRFIDリーダライタを用いる。すなわち第1実施形態で説明したRFIDタグ回路20のメモリ21に格納された情報の読み取り機能に加え、これに情報を書き込む機能を備える。
【0099】
具体的には、非接触通信部34aは受信側制御部36とデータの授受が可能に構成されている。非接触通信部34aが受信した情報は受信側制御部36のメモリに格納され、適宜参照されて受信側表示部32にて視認可能とされる。受信側制御部36のメモリに格納された患者情報は非接触通信部34aを通じてテレメータ10のRFIDタグ回路20へ送信可能とされる。本実施形態では、患者名を患者情報とする。
【0100】
RFIDタグ回路20のメモリ21は、送信側制御部17とデータの授受が可能に構成されており、非接触通信部34aより受信しメモリ21に格納された患者情報は、適宜のタイミングで送信側制御部17のメモリに格納される。よって送信側制御部17のメモリとRFIDタグ回路20のメモリ21の少なくとも一方が、本発明の第2患者情報格納部82として機能する。
【0101】
上記を踏まえ、本実施形態の医用テレメータシステム200の動作を説明する。第1の実施形態と同様に、患者ABCが入床(入院)手続きを行ない、チャネル番号1が割り当てられたテレメータ10を装着してベッド番号1のベッドを使用する場合を考える。
【0102】
患者ABCを特定する患者情報が格納されたIDカード37が発行されると、入院手続きとして患者情報読取部33で該患者情報を読み取り、受信装置30Aに患者ABCを登録する。患者情報は上述のように受信側制御部36のメモリに格納される。そしてチャネル1が割り当てられたテレメータ本体11を非接触通信部34aに接近させる(かざす)ことにより、非接触通信部34aとテレメータ10のRFIDタグ回路20との間で非接触通信が行なわれる。具体的には、受信側制御部36のメモリに格納された患者情報が非接触通信部34aより送信されてRFIDタグ回路20のメモリ21に格納される(本発明における第2の非接触通信)。本実施形態では、患者情報は患者名ABCとする。一方、RFIDタグ回路20のメモリ21に格納された接続情報(チャネル番号1)が非接触通信部34aに送信されて受信側制御部36のメモリに格納される(本発明における第1の非接触通信)。
【0103】
本実施形態のテレメータ10は、患者情報の格納を確認してから送信部18を通じた生体信号データの送信を開始するように構成される。一方、本実施形態の受信装置30Aは、接続情報の格納を確認してから受信部35を通じた生体信号データの受信を開始するように構成される。この構成によれば、テレメータ本体11を非接触通信部34aにかざすのみでテレメータ10と受信装置30Aの双方に患者情報と接続情報が格納され、通信可能な状態となる。従来のように患者情報と接続情報のマッチング(対応付け)を手入力で行なう必要がなくなるので、省力化に資すると共に、誤入力に伴う医療事故の発生を防止することができる。
【0104】
図5に示すように、本実施形態のテレメータ本体11に設けられた送信側表示部14には、電極群12やセンサプローブ13を通じて取得した生体信号データを表示する生体信号表示領域41、チャネル番号を表示する接続情報表示領域42に加え、受信装置30Aより取得した患者情報を表示する患者情報表示領域43が設けられている。本実施形態では該患者情報表示領域43に患者名ABCが表示される。患者に直接装着されるテレメータ本体11に設けられた送信側表示部14に患者名が表示されているため、誤って別の患者にテレメータ10を装着してしまう事故を防止できる。
【0105】
患者情報は、患者名に加えてあるいは代えてベッド番号などでもよい。また患者名のような文字情報に加えてあるいは代えて患者の顔写真といった画像情報としてもよい。送信側表示部14はスペースが限られているため、接続情報表示領域42は省略してもよい。
【0106】
一方、受信側制御部36のメモリに格納されたデータは受信側表示部32に表示可能となるため、受信側表示部32には、患者情報と接続情報、すなわち患者名とテレメータ10が使用するチャンネル番号が表示される。これらの情報と共に当該テレメータ10から送信された生体信号データが表示されることにより、所望の患者の生体信号を正しい患者情報と共に表示・監視することができる。またこの状態を確立し得る患者情報と接続情報とのマッチング(対応付け)を、面倒かつ過誤を生じ得る手入力作業を介さずに完了することができる。
【0107】
患者ABCが退床(退院)する際には、受信装置30Aにおいて退床手続きモードを有効にした上で、非接触通信部34aにテレメータ10をかざす。これを退床処理と称する。
【0108】
受信装置30A側では受信側制御部36のメモリに格納された患者情報および接続情報を削除すると共に、非接触通信部34aを通じて患者情報削除コマンドをテレメータ10のRFIDタグ回路20へ送信する。RFIDタグ回路20が患者情報削除コマンドを受信すると、送信側制御部17は、RFIDタグ回路20のメモリ21および送信側制御部17のメモリに格納された患者情報を削除する。これによりテレメータ10と受信装置30A間の通信は不可能とされる。
【0109】
なお医用テレメータ10から受信装置30Aへ接続情報が送信される際に、あるいは受信装置30Aから医用テレメータ10へ患者情報が送信される際に、併せて両装置が内部管理する時間の同期をとるように構成される。例えば両装置が内部時計を備えている場合には、互いの時刻を一致させる処理を送信側制御部17および受信側制御部36が行なう。また両装置がタイマを備えている場合には、当該タイマに同時に計時を開始させる処理を送信側制御部17および受信側制御部36が行なう。このように両装置が生体信号データについて同時性を確保できるように構成することにより、医用テレメータ10で測定した生体信号と受信装置30Aで受信する生体信号の間に時間的な齟齬が生ずることを回避できる。
【0110】
接続情報格納部81と非接触通信部34aについては、第1実施形態について説明したように種々の改変が可能である。非接触通信を赤外線通信を通じて行なう場合、非接触通信部34aとテレメータ10の双方に送受信機能を有する赤外線通信装置を設ける。本実施形態では第1の非接触通信と第2の非接触通信を同種の通信方式(RFID)を用いて行なう例について述べたが、両者を異なる通信方式を用いて行なう構成としてもよい。例えば接続情報格納部81をコード情報で実現する場合、非接触通信部34aはコードリーダとRFIDライタで構成される。RFIDライタはビーコン等を用いる特定小電力無線通信(空中線電力250μW)に対応した送信装置で代えることもできる。この場合、医用テレメータ10は当該特定小電力無線通信に対応した受信装置を備える。
【0111】
次に図6を参照し、本発明の第3の実施形態に係る医用テレメータシステム300について説明する。第1の実施形態と同一または同様の要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は割愛する。
【0112】
本実施形態の医用テレメータシステム300は、医用テレメータ10Aと、受信装置30と、患者情報読取装置75とによって構成される。医用テレメータ10Aは送受信制御部17aと送受信部18aとを備える。読取通信装置75は、読取部76と通信部77とを備え、これらは本発明の通信部として機能する。
【0113】
患者ID98(本発明の第3患者情報格納部)は、患者に装着されて当該患者を特定する情報を担持している。例えば患者を特定可能なバーコードもしくはQRコードやアズテックコード(何れも登録商標)といった二次元コード、又は当該患者の顔写真が記録された標識がバンドに装着され、当該バンドが当該患者の手首等に装着される。当該患者を特定する情報を記憶したメモリを備えるRFIDタグを患者に装着してもよい。
【0114】
読取通信装置75の読取部76は、患者ID98が担持する患者情報を読み取り可能な構成とされる。読取部76は、患者情報がバーコード等のコード情報である場合はコードリーダとして構成され、顔写真等の画像情報である場合は画像認識装置として構成され、RFIDタグのメモリに格納された情報である場合はRFIDリーダとして構成される。
【0115】
読取通信装置75の通信部77は、読取部76が読み取った患者情報を医用テレメータ10Aの送受信部18aに送信可能な構成とされている。一方送受信部18aは、通信部77より受信した患者情報を、送受信制御部17aの制御の下に受信装置30に送信可能な構成とされている。
【0116】
受信装置30の受信側制御部36は、受信部35が受信した患者情報と受信側制御部36のメモリに格納された患者情報とが一致しているかを判定し、一致していない場合にアラームを発生可能な構成とされている。
【0117】
本実施形態の医用テレメータシステム300によれば、第1の実施形態で説明した動作および機能に加え、患者に医用テレメータ10Aを装着する際において当該患者と当該医用テレメータ10Aの対応関係の再確認が可能となる。
【0118】
看護士等の医療従事者は、医用テレメータ10Aを患者に装着する際に、読取通信装置75で患者ID98が担持する患者情報を読み取る。この状態で読取通信装置75から医用テレメータ10Aへ患者情報が送信される。さらに医用テレメータ10Aの送受信部18aから受信装置30へ当該患者情報が送信され、受信装置30において患者情報の一致が判定される。患者情報が一致しない場合、すなわち当該医用テレメータ10Aが本来装着されるべき患者に装着されていない場合にアラームが発生し、医療従事者は誤りを認識できる。これにより患者の取り違えに起因する医療事故の未然防止をより確実にできる。
【0119】
なおアラーム発生機能を省略し、医用テレメータ10Aより受信した患者情報を受信装置30の受信側表示部32に表示して目視により患者情報の一致を確認する構成としてもよい。
【0120】
また本実施形態の場合、読取通信装置75を用いて患者と医用テレメータの対応確認が為されるため、医用テレメータ10Aの送信側表示部14における接続情報表示領域42や患者情報表示領域43を省略することが可能であり、医用テレメータの低コスト化に資する。
【0121】
読取通信装置75の通信部77と医用テレメータ10Aの送受信部18aとの間の通信は、無線通信または有線通信により行なわれる。無線通信の例としては、赤外線通信、特定小電力無線通信(空中線電力250μW)、Bluetooth(登録商標)、RFIDタグ通信等が挙げられる。有線通信の例としては、USBやRS−232C等の規格に基づく有線接続が挙げられる。
【0122】
読取通信装置75は、医用テレメータ10Aから独立した装置として構成されてもよいし、医用テレメータ10Aの一部として構成されてもよい。
【0123】
次に図7を参照し、本発明の第4の実施形態に係る医用テレメータシステム300Aについて説明する。第2および第3の実施形態と同一または同様の要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は割愛する。
【0124】
本実施形態の医用テレメータシステム300Aは、医用テレメータ10Bと、受信装置30Aと、患者情報読取装置75とによって構成される。医用テレメータ10Bは送受信制御部17bと送受信部18bとを備え、これらは本発明の通信部として機能する。
【0125】
読取通信装置75の通信部77は、読取部76が読み取った患者情報を医用テレメータ10Bの送受信部18bに送信可能な構成とされている。一方送受信部18bは、通信部77より受信した患者情報を、送受信制御部17bの制御の下に受信装置30Aに送信可能な構成とされている。また送受信部18bは、RFIDタグ回路20のメモリ21に格納されている患者情報を、送受信制御部17bの制御の下に読取通信装置75の通信部77へ送信可能な構成とされている。
【0126】
読取通信装置75は、読取部76が読み取った患者情報と、通信部77が医用テレメータ10Bの送受信部18bより受信した患者情報が一致しているかを判断し、一致していない場合にアラームを発生する構成とされている。また医用テレメータ10Bの送受信制御部17bは、メモリ21に格納されている患者情報と、送受信部18bが読取通信装置75の通信部77より受信した患者情報が一致しているかを判断し、一致していない場合にアラームを発生する構成とされている。
【0127】
本実施形態の医用テレメータシステム300Aによれば、第2の実施形態で説明した動作および機能に加え、患者に医用テレメータ10Bを装着する際において当該患者と当該医用テレメータ10Bの対応関係の再確認が可能となる。
【0128】
看護士等の医療従事者は、医用テレメータ10Bを患者に装着する際に、読取通信装置75で患者ID98が担持する患者情報を読み取る。この状態で読取通信装置75から医用テレメータ10Bへの患者情報の送信と、医用テレメータ10Bから読取通信装置75への患者情報の送信の少なくとも一方を実行する。上述のように、読取通信装置75と医用テレメータ10Bの少なくとも一方において患者情報の一致が判定される。患者情報が一致しない場合、すなわち当該医用テレメータ10Bが本来装着されるべき患者に装着されていない場合にアラームが発生し、医療従事者は誤りを認識できる。これにより患者の取り違えに起因する医療事故の未然防止をより確実にできる。
【0129】
なお読取通信装置75のアラーム発生機能を省略し、医用テレメータ10Bより受信した患者情報を読取通信装置75の表示部(図示せず)に表示して目視により患者情報の一致を確認する構成としてもよい。また医用テレメータ10Bのアラーム発生機能を省略し、読取通信装置75から受信した患者情報を医用テレメータ10Bの送信側表示部14に表示して目視により患者情報の一致を確認する構成としてもよい。
【0130】
なお患者情報を医用テレメータ10Bの送受信部18bから受信装置30Aに送信する場合、受信装置30Aの受信側制御部36は、受信部35が受信した患者情報と受信側制御部36のメモリに格納された患者情報とが一致しているかを判定し、一致していない場合にアラームを発生する構成としてもよい。この場合においても患者の取り違えに起因する医療事故の未然防止をより確実にできる。
【0131】
なお受信装置30Aのアラーム発生機能を省略し、医用テレメータ10Bより受信した患者情報を受信装置30Aの受信側表示部32に表示して目視により患者情報の一致を確認する構成としてもよい。
【0132】
一般に病院内では、複数の入院患者の容態を監視するために、複数のテレメータが使用される。また各患者のベッドにはベッドサイドモニタが配置され、ナースセンタなどに配置されたセントラルモニタと通信可能に接続されている。このように複数のテレメータ、複数のベッドサイドモニタ、およびセントラルモニタを含む医用テレメータシステムに本発明を適用した場合について、図8を参照しつつ説明する。上述した全ての実施形態が適用可能であることは言うまでもない。
【0133】
セントラルモニタ50にはn台のベッドサイドモニタ60a、60b、・・・、60n
がLANを介して相互通信可能に接続されている。患者がベッドに居る際には、患者の生体信号は直接ベッドサイドモニタに入力され、セントラルモニタ50へ中継される。セントラルモニタ50には図9に示すような監視画面を表示する表示部が設けられており、各患者の容態を統括管理することができる。
【0134】
以降の説明において複数のベッドサイドモニタ60a、60b、・・・、60nの何れ
かを特定しない場合は、便宜上「ベッドサイドモニタ60」と表記する。
【0135】
患者がベッドから離れる場合には、患者に装着されたテレメータを通じて患者の生体信号データが無線送信され、セントラルモニタ50による監視に供される。テレメータより送信される信号は直接セントラルモニタ50により受信される構成としてもよいし、患者のベッドサイドモニタ60により一旦受信されてからセントラルモニタ50に中継される構成としてもよい。
【0136】
複数のテレメータ10a、10b、・・・、10nの各々には固有の送信キャリア周波
数(すなわちチャネル)が割り当てられており、本実施形態では420MHz〜450MHzの帯域から選択される。以降の説明において複数のテレメータ10a、10b、・・
・、10nの何れかを特定しない場合は、便宜上「テレメータ10」と表記する。
【0137】
図8および図9の例では、ベッドサイドモニタ60aが設置された番号1のベッドに患者ABCが入床しており、チャネル1が割り当てられたテレメータ10aが装着されている。同様にベッドサイドモニタ60bが設置された番号2のベッドに患者DEFが入床してチャネル2が割り当てられたテレメータ10bが装着されており、ベッドサイドモニタ60nが設置された番号nのベッドに患者ZZZが入床してチャネルnが割り当てられたテレメータ10nが装着されている。本実施形態の各テレメータ10は、専用のチャネル登録装置70に接続されてチャネルの初期値を変更可能に構成されているが、初期値を変更不可能な構成としてもよい。
【0138】
セントラルモニタ50を上述の受信装置30として機能させる場合、患者情報読取部33と非接触通信部34(または34a)はセントラルモニタ50と通信可能に接続される。複数のテレメータ10の各々を非接触通信部34(または34a)にかざすことにより、上述した患者情報と接続情報の自動マッチング処理が実行される。上述の受信側制御部36はセントラルモニタ50に設けられ、患者情報読取部33を通じて取得した患者情報、および非接触通信部34aを通じて取得した接続情報は、受信側制御部36のメモリに格納される。
【0139】
この構成に加えてあるいは代えて、複数のベッドサイドモニタの少なくとも1つを上述の受信装置30として機能させる構成としてもよい。この場合、患者情報読取部33と非接触通信部34(または34a)は当該少なくとも1つのベッドサイドモニタ(図8ではベッドサイドモニタ60n)と通信可能に接続される。上述の受信側制御部36は当該ベッドサイドモニタ60nに設けられることとなるが、取得した患者情報と接続情報はセントラルモニタ50へ送信され、セントラルモニタ50内に設けられたメモリに格納される必要がある。患者情報と接続情報のコピーはベッドサイドモニタ60n内に保持される構成としてもよい。
【0140】
上述した患者情報と接続情報の自動マッチング処理が行なわれることにより、本例のように複数のテレメータ10を含むテレメータシステムにおいても、入力作業の省力化と誤入力に伴う医療事故発生の防止が可能である。しかしながら複数のテレメータを使用するシステムにおいては、次のような過誤の発生が生じ得る。
【0141】
患者ABCをテレメータ10aに登録した後、何らかの事情によりテレメータ10bを患者ABCに装着する必要性が生じた場合、テレメータ10aについて上述の退床処理を行なわずに患者ABCをテレメータ10bに登録する処理を行なうと、一人の患者情報が2つの接続情報に対応付けられることとなる。
【0142】
また患者ABCをテレメータ10aに登録した後、退床処理を行なわないまま誤って患者DEFをテレメータ10aに登録する処理を行なうと、複数の患者情報が1つの接続情報に対応付けられることとなる。
【0143】
これらの状況においては、受信装置30側で認識している患者と実際に生体信号データを送信している患者との間に相違が生じていることとなり、重大な医療事故につながる虞がある。そこで本実施形態では、受信装置30において患者情報と識別情報が一対一に対応していない状態が検出されると、アラームを発生する構成とされる。ここで「一対一に対応していない状態」とは、「ある一人の患者情報が複数の接続情報に対応付けられてい
る」および「ある特定の接続情報が複数人の患者情報に対応付けられている状態」であると定義する。
【0144】
具体的には、入床処理すなわちある患者をあるテレメータ10に登録する処理を行なう際に、受信装置30は受信側制御部36のメモリに格納されている情報を参照し、上述の一対一対応が成立しているかをチェックする。何らかの事情により一対一対応が成立していない状態が検出された場合は、入床処理を完了させずにアラームを発生する。アラームの例としては、確認メッセージの受信側表示部32への表示、警告音の生成、警告ランプの点灯などが考えられる。入床処理時に加えてあるいは代えて、定期的に受信側制御部36のメモリをスキャンして一対一対応が成立しているかをチェックする構成としてもよい。
【0145】
各テレメータ10の送信部18は、生体信号データに加え、格納した患者情報を送信可能に構成してもよい。この場合、受信装置30は受信部35が受信した患者情報と、テレメータ10との通信確立に用いた接続情報に対応付けられて受信側制御部36のメモリに格納された患者情報とを比較し、両者が相違する場合にアラームを発生する構成としてもよい。
【0146】
上記の実施形態では、セントラルモニタ50とベッドサイドモニタ60の少なくとも一方を本発明の受信装置30として機能させる構成について説明した。本発明は、医療機器と医療機器の間の生体信号の通信システムに限られることなく、医療機器で測定した生体信号を各医療従事者が携帯する携帯情報端末に送信できるようなシステムにも適用してもよい。具体的には、セントラルモニタ50やベッドサイドモニタ60をテレメータとし、携帯情報端末を本発明の受信装置30として機能させる構成としてもよい。携帯情報端末は無線LAN上のみで動作するものでも、これに加えて外部のWANに接続可能なものでもよい。
【0147】
従来セントラルモニタ50やベッドサイドモニタ60はナースステーションやベッドサイドなど所定の場所に据え置かれるため、医療従事者はその場所まで行かなければ、生体信号を確認できなかった。しかしながら上記の構成によれば、各医療従事者は担当の患者の生体信号を常に遠隔確認することができるため、作業効率の向上を図ることができる。
【0148】
携帯情報端末が受信し表示する生体信号データは、テレメータ10から直接送信されるものであってもよいし、ベッドサイドモニタ60あるいはセントラルモニタ50を中継して送信されるものであってもよい。同様にテレメータ10を特定する接続情報は、テレメータ10から直接取得してもよいし、ベッドサイドモニタ60あるいはセントラルモニタ50より取得する構成としてもよい。接続情報の取得は、携帯情報端末に内蔵のRFIDリーダやカメラなどのコードリーダを用い、あるいは赤外線通信機能などを用いて上述の非接触通信を通じて行なえばよい。
【0149】
以上、実施形態に基づいて本発明に係る医用テレメータシステムについて説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更・改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる事は勿論である。
【符号の説明】
【0150】
10(10A、10B):医用テレメータ、14:送信側表示部、16:生体信号測定部(測定部)、30(30A):受信装置、34(34a):非接触通信部、35:受信部、50:セントラルモニタ、60:ベッドサイドモニタ、75:読取通信装置、78:第3患者情報格納部、81:接続情報格納部、82:第2患者情報格納部、83:通信部、91:記憶部、92:第1患者情報格納部、100(200、300、300A)医用テレメータシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の生体信号を生体信号データとして測定可能とされた測定部と、該生体信号データを無線送信可能とされた通信部とを備えた医用テレメータと、
前記通信部により送信された前記生体信号データを受信可能とされた受信部とを備えた受信装置と、
を備えた医用テレメータシステムであって、
前記医用テレメータは、前記通信部より送信される前記生体信号データを前記受信部が受信可能とするための接続情報を格納している接続情報格納部を備え、
前記受信装置は、前記接続情報を非接触で読み出す第1の非接触通信を実行可能とされた非接触通信部と、該非接触通信部により読み出された前記接続情報を記憶する記憶部とを備え、
前記受信部は、前記記憶部に前記接続情報が記憶されることで前記通信部により送信された前記生体信号データの受信を開始するように構成されることを特徴とする。
【請求項2】
請求項1に記載の医用テレメータシステムであって、
前記受信装置は、前記患者を特定する患者情報を格納可能とされた第1患者情報格納部を備え、
前記医用テレメータは、前記患者情報を格納可能とされた第2患者情報格納部を備え、
前記非接触通信部は、前記第1の非接触通信が行なわれる際に、前記第1患者情報格納部に格納された前記患者情報を、前記第2患者情報格納部に非接触で書き込む第2の非接触通信を実行可能とされることを特徴とする。
【請求項3】
請求項2に記載の医用テレメータシステムであって、
前記医用テレメータは、前記第2患者情報格納部に格納された前記患者情報を表示可能とされた送信側表示部を備えることを特徴とする。
【請求項4】
請求項3に記載の医用テレメータシステムであって、
前記患者情報は、文字情報と画像情報の少なくとも一方を含むことを特徴とする。
【請求項5】
請求項2に記載の医用テレメータシステムであって、
前記受信装置は、前記患者情報と前記接続情報を対応付けて表示可能とされた受信側表示部を備えることを特徴とする。
【請求項6】
請求項2に記載の医用テレメータシステムであって、
前記受信装置は、前記患者情報と前記接続情報が一対一に対応していない状態が検出された場合に、アラームを発生する構成とされることを特徴とする。
【請求項7】
請求項2に記載の医用テレメータシステムであって、
前記通信部は、前記第2患者情報格納部に格納された前記患者情報を、前記生体信号データと共に前記受信部へ送信可能であり、
前記受信装置は、前記受信部が受信した前記患者情報と、前記受信部が受信した前記生体信号データを送信した前記医用テレメータを特定する前記接続情報に対応付けられて前記記憶部に記憶された前記患者情報とを比較し、これらが相違する状態が検出された場合に、アラームを発生する構成とされることを特徴とする。
【請求項8】
請求項1に記載の医用テレメータシステムであって、
前記接続情報格納部は、RFIDチップ、バーコード、および二次元コードの何れかであることを特徴とする。
【請求項9】
請求項2に記載の医用テレメータシステムであって、
第2患者情報格納部はRFIDチップであることを特徴とする。
【請求項10】
請求項1に記載の医用テレメータシステムであって、
前記接続情報は、無線通信チャネル、装置識別番号、IPアドレス、およびMACアドレスの何れかを含むことを特徴とする。
【請求項11】
請求項1に記載の医用テレメータシステムであって、
前記医用テレメータは、前記患者が携帯可能な送信装置であって、
前記受信装置は、ベッドサイドモニタ又はセントラルモニタの少なくとも一方であることを特徴とする。
【請求項12】
請求項1に記載の医用テレメータシステムであって、
前記医用テレメータは、前記患者が携帯可能な送信装置、ベッドサイドモニタ、およびセントラルモニタの少なくとも一つであって、
前記受信装置は、携帯情報端末であることを特徴とする。
【請求項13】
請求項1に記載の医用テレメータシステムであって、
前記第1の非接触通信が実行される際に、前記医用テレメータと前記受信装置が各々内部管理している時間の同期をとるように構成されていることを特徴とする。
【請求項14】
請求項2に記載の医用テレメータシステムであって、
前記第1の非接触通信または前記第2の非接触通信が実行される際に、前記医用テレメータと前記受信装置が各々内部管理している時間の同期をとるように構成されていることを特徴とする。
【請求項15】
請求項1に記載の医用テレメータシステムであって、
患者に装着されると共に当該患者を特定する患者情報を格納している患者情報格納部から当該患者情報を読み取り、読み取った当該患者情報を前記医用テレメータの前記通信部に送信可能な構成とされた読取通信装置を更に備えることを特徴とする。
【請求項16】
請求項2に記載の医用テレメータシステムであって、
患者に装着されると共に当該患者を特定する患者情報を格納している第3患者情報格納部から当該患者情報を読み取り可能な構成とされた読取通信装置を更に備え、
前記読取通信装置は、前記第3患者情報格納部から読み取った前記患者情報の前記医用テレメータの前記通信部への送信と、前記第2患者情報格納部に格納されている前記患者情報の前記医用テレメータの前記通信部からの受信の少なくとも一方を実行可能に構成されていることを特徴とする。
【請求項17】
請求項15または16に記載の医用テレメータシステムであって、
前記医用テレメータの通信部は、前記読取通信装置から受信した前記患者情報を、前記受信装置へ送信可能な構成とされていることを特徴とする。
【請求項18】
請求項16に記載の医用テレメータシステムであって、
前記読取通信装置は、前記第3患者情報格納部から読み取った患者情報と、前記医用テレメータの前記通信部より受信した患者情報が一致していない場合に、アラームを発生する構成とされていることを特徴とする。
【請求項19】
請求項16に記載の医用テレメータシステムであって、
前記医用テレメータは、前記読取通信装置から受信した患者情報と、前記第2患者情報格納部に格納されている患者情報とが一致していない場合に、アラームを発生する構成とされていることを特徴とする。
【請求項20】
請求項17に記載の医用テレメータシステムであって、
前記受信装置は、前記医用テレメータの前記通信部から受信した患者情報と、前記第1患者情報格納部に格納されている患者情報とが一致していない場合に、アラームを発生する構成とされていることを特徴とする。
【請求項21】
請求項1から請求項20の何れか1項に記載の医用テレメータシステムに用いられる医用テレメータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−86003(P2012−86003A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123437(P2011−123437)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000230962)日本光電工業株式会社 (179)
【Fターム(参考)】