説明

医用情報システム

【課題】読影漏れや誤った情報での読影を防止するための情報を提供することが可能な医用情報システムを提供する。
【解決手段】レポート保管部5は、読影レポートと、読影レポートを作成するときに参照された参照情報とを関連付けて記憶する。管理部10は、レポート保管部5に記憶されている読影レポートに関連付けられた参照情報が、変更されたか否かを確認する。表示制御部6は、管理部10による確認の結果を表示部21に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、読影レポートに関する情報を提供する医用情報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
医用画像撮影装置、医用画像保管装置、及びレポート作成装置を含むシステムが利用されている。このシステムにおいては、読影レポートを作成して保存する技術が知られている(例えば特許文献1)。例えば医師が、医用画像や過去の読影レポートなどの情報を参照して読影レポートを作成する。上記システムにおいては、作成された読影レポートの一覧表が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−301453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来においては、医師が医用画像を読影した後、読影レポートを作成する前に、新たな医用画像が追加されたり、医用画像の付帯情報が変更されたりしても、読影レポートの一覧表において追加や変更を通知していない。また、読影レポートが作成された後に読影レポートの作成に用いられた情報が変更されても、その変更を操作者に通知していないため、読影漏れが発生するおそれがある。すなわち、操作者はその変更を認識することができないため、作成されたレポートは正確な情報を反映していないおそれがある。例えば、ある検査について読影レポートが作成された後に、その検査に対して新たな医用画像が追加されることがある。この場合、読影レポートの作成は完了しているため、追加された画像が読影されないおそれがある。その結果、追加された画像の情報が、読影レポートに反映されないことになる。
【0005】
従来においては、患者に対して行われた検査の一覧表を表示している。ある検査に対して新たな医用画像が追加された場合、対象となっている検査の日時が更新される。しかしながら、読影レポートが作成された後に新たな医用画像が追加されたか否かを確認するためには、読影レポートの作成日時と検査の更新日時とを操作者が見比べて、作成日時以後に検査が更新されたか否かを確認する必要がある。すなわち、検査の一覧表に表された更新日時とレポートの一覧に表された作成日時とを、操作者が見比べる必要がある。また、追加された画像を特定するためには、各画像の登録日時とレポートの作成日時とを操作者が見比べる必要がある。このような作業は非常に手間がかかり、効率的ではない。
【0006】
また、読影レポートが作成された後に、例えば過去の読影レポート、類似症例の読影レポート、又は医用画像などが変更されることがある。読影レポートの作成に用いられた情報に変更があっても、その変更を操作者に通知する仕組みが存在しないため、その変更を読影レポートに反映させることが困難である。
【0007】
また、変更が操作者に通知されないため、古い情報に基づいて読影レポートが作成されていても、それを検知することが困難である。
【0008】
この発明は上記の問題を解決するものであり、読影漏れや誤った情報での読影を防止するための情報を提供することが可能な医用情報システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、読影レポートの入力を受けて、前記読影レポートと、前記読影レポートを作成したときに参照された参照情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、前記読影レポートに関連付けられた前記参照情報が変更されたか否かを確認する管理手段と、前記管理手段による前記確認の結果を報知する報知手段と、を有する医用情報システムである。
【発明の効果】
【0010】
この発明によると、読影レポートと参照情報とを関連付けて記憶し、読影レポートに関連付けられた参照情報に変更があった場合には、その変更を報知する。そのため、読影レポートの作成に用いられた参照情報の変更を、操作者は認識することが可能となる。このようにこの発明によると、読影漏れや誤った情報での読影を防止するための情報を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施形態に係る医用情報システムを示すブロック図である。
【図2】レポート管理テーブルを示す図である。
【図3】参照情報管理テーブルを示す図である。
【図4】画像管理テーブルを示す図である。
【図5】患者情報管理テーブルを示す図である。
【図6】検査情報管理テーブルを示す図である。
【図7】関連情報管理テーブルを示す図である。
【図8】関連情報管理テーブルと参照情報管理テーブルとを示す図である。
【図9】参照情報の変更を表示する方法を説明するための図である。
【図10】参照情報の変更を表示する方法を説明するための図である。
【図11】複数の検査と読影レポートとの関係を示す模式図である。
【図12】参照情報の変更の表示態様を示す図である。
【図13】画像ビューアにおける表示例を示す図である。
【図14】参照情報の変更の報知態様の設定例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照して、この発明の実施形態に係る医用情報システムについて説明する。医用情報システムにおいては、ネットワークNを介して、医用画像保管装置1と、医用画像撮影装置40と、医用画像観察装置50と、医用画像処理装置60と、検像装置70と、病院情報システム(HIS)80と、放射線情報システム(RIS)90とが接続されている。
【0013】
医用画像保管装置1は通信機能を有するコンピュータを備え、ネットワークNを介してデータ通信が可能である。医用画像保管装置1は、医用画像データの登録処理や医用画像データの記憶先を通知する管理機能を有しており、医用画像データを複数の画像記憶装置に記憶させて医用画像データを管理している。例えば医用画像保管装置1は、医用画像撮影装置40、医用画像処理装置60、又は検像装置70から送信された医用画像データを受信して、医用画像データを記憶する。
【0014】
一例として、医用画像保管装置1はレポート作成装置(レポート作成部4及びレポート保管部5)を含む。レポート作成装置は、医用画像保管装置1から独立してネットワークNに接続されていてもよいし、他の装置に含まれていてもよい。
【0015】
(医用画像撮影装置40)
医用画像撮影装置40は、被検体を撮影することで被検体に関する医用画像データを生成する。医用画像撮影装置40には、超音波診断装置、X線診断装置、X線CT装置、MRI装置、又は核医学撮影装置などが用いられる。医用画像撮影装置40は通信機能を有するコンピュータを備え、ネットワークNを介してデータ通信が可能である。
【0016】
医用画像撮影装置40により生成された医用画像データは、一例としてDICOM規格に従って患者ごとに分類され、患者ごとの分類は更に検査ごとに分類されている。検査は医用画像データのシリーズから成り立っており、シリーズには複数の医用画像データが含まれている。このような構造で複数の医用画像データを分類すると、患者を頂点とし、その患者にある検査が実施され、その検査は医用画像データのシリーズからなり、シリーズは複数の医用画像データを含むことになる。
【0017】
医用画像撮影装置40は医用画像データに画像付帯情報を付帯させて、医用画像データを出力する。画像付帯情報は、例えばDICOM規格に従って、検査日時情報、患者識別情報(氏名、生年月日、性別、年齢、患者IDなど)、検査識別情報(検査ID)、シリーズ識別情報(シリーズID)、医用画像固有の識別情報であるイメージID、撮影条件情報、及び画像生成条件情報を含んでいる。
【0018】
患者識別情報、検査ID、シリーズID、イメージID、撮影条件情報、及び画像生成条件情報などの情報は、DICOM規格に従って規格化されている。例えば患者IDは、撮影された患者を特定する情報である。検査IDは、検査内容を特定するための情報である。シリーズIDは、撮影した部位ごと、画像発生時刻、スライス厚、又は造影剤の有無などで分類するために用いられる情報である。
【0019】
患者に対して複数の検査が実施されている場合は、それぞれの検査で取得された医用画像データに、それぞれの検査を示す検査IDが付されて検査ごとに分類される。また、複数の部位を撮影するなどして、検査に複数のシリーズが含まれている場合は、それぞれのシリーズについて取得された医用画像データに、それぞれのシリーズを示すシリーズIDが付されてシリーズごとに分類される。すなわち、ある患者IDが付帯された複数の医用画像データは、検査IDによって検査ごとに分類され、さらに、個々の検査では、シリーズIDによってシリーズごとに分類される。
【0020】
医用画像撮影装置40は、医用画像保管装置1に医用画像データを送信する。また、医用画像撮影装置40は、医用画像処理装置60に医用画像データを送信してもよいし、検像装置70に医用画像データを送信してもよい。
【0021】
(医用画像観察装置50)
医用画像観察装置50は通信機能を有するコンピュータを備え、ネットワークNを介してデータ通信が可能である。医用画像観察装置50は医用画像保管装置1から医用画像データを受信し、表示装置に医用画像を表示させる。
【0022】
(医用画像処理装置60)
医用画像処理装置60は、2Dワークステーションや3Dワークステーションなどで構成されている。医用画像処理装置60は通信機能を有するコンピュータを備え、ネットワークNを介してデータ通信が可能である。医用画像処理装置60は、医用画像撮影装置40又は医用画像保管装置1から医用画像データを受信して、医用画像データにレンダリングなどの画像処理を施すことで、3次元画像データやMPR画像データ(任意の断面における画像データ)などの医用画像データを生成する。医用画像処理装置60は、医用画像データを医用画像保管装置1に送信する。
【0023】
(検像装置70)
検像装置70は通信機能を有するコンピュータを備え、ネットワークNを介してデータ通信が可能である。検像装置70は医用画像撮影装置40から医用画像データを受信し、表示装置に医用画像を表示させる。操作者は、表示装置に表示された医用画像又は医用画像の画像付帯情報を参照し、画像付帯情報を確認したり修正したりする。例えば操作者は患者情報を確認し、患者の氏名などがデータベースに格納されている情報と異なる場合には、入力装置を用いて氏名を修正する。検像装置70は画像処理を行ってもよい。画像処理には、連続して撮影された複数の医用画像データの順番を変える処理、医用画像の左右又は上下を反転させる処理、又は白黒の医用画像データに対して白黒のグレースケールを変える処理などが含まれる。医用画像の確認、修正、又は画像処理を含む処理を「検像」と称する。検像が行われた後、検像装置70は医用画像データを医用画像保管装置1に送信する。
【0024】
検像装置70は、医用画像保管装置1に保管されている医用画像データに検像を行ってもよい。この場合、検像装置70は、医用画像保管装置1から医用画像データを読み込んで検像を行う。検像が行われた後、検像装置70は医用画像データを医用画像保管装置1に送信する。
【0025】
(HIS80)
病院情報システム(HIS)80は患者の受付を行うとともに、内科や外科などの担当診療科への受付の処理、患者識別情報(患者ID、氏名、性別、年齢、住所、来院履歴及治療情報など)の管理、及び診療費の会計処理を行う。
【0026】
(RIS90)
放射線情報システム(RIS)90は、放射線科における各種の情報を管理する。RIS90は、例えば放射線科での検査の受付や予約の受付の管理、医用画像撮影装置40ごとの検査の実施時間や検査内容や撮影時間などの管理、及び撮影時間の管理などを行う。
【0027】
HIS80及びRIS90は、例えば紹介状などの汎用データ(文字列を含むデータや画像データ)に汎用識別情報を付帯させて、汎用データを医用画像保管装置1に送信する。また、HIS80及びRIS90は、患者識別情報などの情報が変更された場合に、変更後の情報を医用画像保管装置1に送信する。
【0028】
(医用画像保管装置1)
医用画像保管装置1は、送受信部2と、画像保管部3と、レポート作成部4と、レポート保管部5と、表示制御部6と、管理部10と、ユーザインターフェース(UI)20とを備えている。
【0029】
(送受信部2)
送受信部2はネットワークアダプタで構成され、ネットワークNに接続する装置にデータを送信し、それらの装置からデータを受信する。送受信部2は、ネットワークNを介して送信された医用画像データを受信し、医用画像データを画像保管部3に出力する。例えば送受信部2は、検像装置70から送信された検像後の医用画像データを受信し、医用画像データを画像保管部3に出力し、医用画像データに付帯されている画像付帯情報を管理部10に出力する。また、送受信部2は、医用画像撮影装置40又は医用画像処理装置60から送信された医用画像データを受信し、医用画像データを画像保管部3に出力し、画像付帯情報を管理部10に出力する。また、送受信部2は、HIS80又はRIS90から送信された患者識別情報や汎用データなどの情報を受信し、汎用データなどの情報を画像保管部3及び管理部10に出力する。
【0030】
(画像保管部3)
画像保管部3は、複数のHDDやNAS(Network Attached Storage)などで構成される記憶装置を備え、医用画像データを記憶する。
【0031】
(レポート作成部4、レポート保管部5)
レポート作成部4は、医師などの操作者による読影レポートの作成を支援する。読影レポートはドキュメント形式のデータであり、所見などのレポートの内容を示す文字列を含む。レポート作成部4は、入力部22を用いた所見の入力に対応して、文字列を配列して読影レポートのデータを生成する。レポート作成部4は、読影レポートのデータにレポート識別情報と患者識別情報とを付帯させて、レポート保管部5と管理部10とに読影レポートのデータを出力する。レポート識別情報は、読影レポートを特定するための情報である。レポート保管部5は読影レポートのデータを記憶する。
【0032】
操作者は、参照情報を参照して読影レポートを作成する。参照情報には、検査に属する医用画像データ、過去に作成された読影レポート、HIS80又はRIS90からの情報である患者識別情報、薬剤の種類などを示す検査情報データ、及び汎用データのうち少なくとも1つのデータが含まれる。操作者は、医用画像、過去に作成された読影レポート、患者識別情報、検査情報データ、及び汎用データのうち少なくとも1つの情報を参照して読影レポートを作成する。
【0033】
操作者が医用画像を参照して読影レポートを作成する場合、操作者は、読影の対象となる検査IDを入力部22によって入力する。表示制御部6は、入力部22から入力された検査IDが付帯された医用画像データを画像保管部3から読み込んで、医用画像を表示部21に表示させる。
【0034】
過去に作成された読影レポートを操作者が参照して読影レポートを作成する場合、操作者はレポート識別情報を入力部22によって入力する。表示制御部6は、入力部22から入力されたレポート識別情報が付帯された読影レポート(過去の読影レポート)のデータをレポート保管部5から読み込んで、過去の読影レポートを表示部21に表示させる。
【0035】
汎用データが示す情報を操作者が参照して読影レポートを作成する場合、操作者は汎用識別情報を入力部22によって入力する。表示制御部6は、入力部22から入力された汎用識別情報が付帯された汎用データを画像保管部3から読み込んで、汎用データが示す情報を表示部21に表示させる。
【0036】
操作者は、表示部21に表示されている医用画像、過去の読影レポート、又は汎用データなどの参照情報を参照し、入力部22を用いて所見を入力する。レポート作成部4は、入力部22による入力に対応して、読影レポートのデータを生成する。レポート作成部4は読影レポートのデータにレポート識別情報と患者識別情報とを付帯させて、レポート保管部5と管理部10とに読影レポートのデータを出力する。レポート保管部5は読影レポートのデータを記憶する。
【0037】
レポート作成部4は、読影レポートの作成において参照された参照情報の識別情報を管理部10に出力する。医用画像が参照されて読影レポートが作成された場合、レポート作成部4は、検査IDを管理部10に出力する。例えばレポート作成部4は、表示部21に表示されている医用画像が属する検査の検査IDを管理部10に出力する。または、参照された医用画像を操作者が入力部22を用いて指定してもよい。この場合、レポート作成部4は、入力部22によって指定された医用画像が属する検査の検査IDを管理部10に出力する。過去の読影レポートが参照されて読影レポートが作成された場合、レポート作成部4は、過去の読影レポートのレポート識別情報を管理部10に出力する。例えばレポート作成部4は、表示部21に表示されている過去の読影レポートのレポート識別情報を管理部10に出力する。または、参照された過去の読影レポートを操作者が入力部22を用いて指定してもよい。この場合、レポート作成部4は、入力部22によって指定された読影レポートのレポート識別情報を管理部10に出力する。汎用データが参照されて読影レポートが作成された場合、レポート作成部4は汎用識別情報を管理部10に出力する。例えばレポート作成部4は、表示部21に表示されている汎用データの汎用識別情報を管理部10に出力する。または、参照された汎用データの汎用識別情報を操作者が入力部22を用いて指定してもよい。この場合、レポート作成部4は、入力部22によって指定された汎用データの汎用識別情報を管理部10に出力する。
【0038】
(管理部10)
管理部10は、レポート管理部11と、参照情報管理部12と、関連情報管理部13と、出力部14と、報知態様決定部15とを備えている。
【0039】
(レポート管理部11)
レポート管理部11は、レポート作成部4によって作成された読影レポートのデータを受けて、読影レポートが作成された日時(作成日時)とレポート識別情報とを関連付ける。例えば図2に示すように、読影レポート100が作成された場合、レポート管理部11は、レポート識別情報と作成日時とが関連付けられたレポート管理テーブル110を作成する。レポート管理テーブル110において、レポートR1、レポートR2、レポートR3、及びレポートR4はレポート識別情報である。レポート管理テーブル110は、レポートR1などのレポート識別情報と、作成日時(例えば、2009/10/08 11:12:00)とが関連付けられたテーブルである。またレポート管理部11は、読影レポートの変更の履歴、患者ID、レポート情報A、及びレポート情報Bを、レポート管理テーブル110に含ませてもよい。変更の履歴は、読影レポートの変更の回数を示す。変更の履歴が「0」であれば、変更がないことを意味する。変更の履歴が「1」であれば、1回目の変更であることを意味する。読影レポートに変更があるたびに、レポート管理部11は、変更された読影レポートに係る変更履歴をインクリメントする。レポート保管部5はレポート管理テーブルのデータを記憶する。レポート保管部5が、この発明の「記憶手段」の一例に相当する。
【0040】
(参照情報管理部12)
参照情報管理部12は、読影レポートの作成に用いられる参照情報の変更の履歴を管理する。すなわち、参照情報管理部12は、読影レポートの作成の根拠となる情報(参照情報)の変更の履歴を管理する。参照情報管理部12は、医用画像データに付帯されている画像付帯情報及び汎用データを送受信部2から受けて、画像付帯情報や汎用識別情報を用いて参照情報の変更の履歴を管理する。例えば図3に示すように、参照情報管理部12は、参照情報の識別情報(例えば検査T1、検査T2、検査T3、汎用G1、汎用G2、汎用G3)と、変更の履歴と、参照情報が更新された日時(更新日時)と、変更内容(例えば画像追加)とが関連付けられた参照情報管理テーブル120を作成する。変更の履歴は、変更の回数を示す。例えば変更の履歴が「0」であれば、変更がないことを意味する。変更の履歴が「1」であれば、1回目の変更であることを意味する。参照情報に変更があるたびに、参照情報管理部12は、変更された参照情報に係る変更履歴をインクリメントする。レポート保管部5は参照情報管理テーブルのデータを記憶する。
【0041】
参照情報管理部12は、例えばある検査について新たな医用画像データが追加されたり、検査に属する医用画像データが修正されたり、画像識別情報が修正されたりして検査に変更があると、その検査の変更の履歴を管理する。また、参照情報管理部12は、ある汎用データが変更されると、その汎用データの変更の履歴を管理する。
【0042】
例えば送受信部2が、検査T1に属する医用画像データを受信し、参照情報管理部12が、検査T1の検査IDを含む画像付帯情報を送受信部2から受ける。参照情報管理部12は、図3に示すように、画像付帯情報に含まれる検査T1の検査IDと、検査T1が実行された更新日時(例えば、2010/01/19 20:39:00)とを関連付けて管理する。このときにおいては、検査T1に属する情報は変更されていないため、参照情報管理部12は、変更履歴を「0」とする。例えば検像装置70が、検査T1に属する検像後の医用画像データを医用画像保管装置1に送信する。検査T1に属する検像後の医用画像データを送受信部2が受信すると、参照情報管理部12は、検査T1の検査IDと更新日時とを関連付けて管理する。
【0043】
一例として、検査T1に新たな医用画像が追加された場合について説明する。例えば医用画像撮影装置40が検査T1について新たな撮影を行った場合、医用画像撮影装置40は、検査T1に属する新たな医用画像データを医用画像保管装置1に送信する。送受信部2が、検査T1に属する新たな医用画像データを受信し、参照情報管理部12が、検査T1の検査IDを含む画像付帯情報を送受信部2から受ける。参照情報管理部12は、検査T1の更新日時に基づいて検査T1の変更の有無を判断する。
【0044】
例えば参照情報管理部12は、図4に示す画像管理テーブル120Aを作成する。具体的には、参照情報管理部12は、送信された医用画像データの検査ID、シリーズID、画像ID、検査が登録された登録日時、及び検査が更新された更新日時が関連付けられた画像管理テーブル120Aを作成する。レポート保管部5は画像管理テーブルのデータを記憶する。送信された医用画像データの検査IDが画像管理テーブル120Aに存在する場合、参照情報管理部12は、送信された医用画像データの検査IDを更新し、検査T1について更新があったと判断する。
【0045】
図3に示すように、参照情報管理部12は、検査T1の検査IDと、検査T1が更新された更新日時(2010/01/19 21:20:00)と、変更内容(画像追加)とを関連付ける。また、参照情報管理部12は、参照情報管理テーブル120における参照情報の変更の履歴をインクリメントする。1回目の変更であれば、参照情報管理部12は、変更履歴をインクリメントして「1」とする。
【0046】
医用画像処理装置60が、検査T1に属する医用画像データを医用画像保管装置1から読み込み、画像処理を行うことで、検査T1に属する新たな医用画像データを生成してもよい。医用画像処理装置60は、検査T1に属する新たな医用画像データを医用画像保管装置1に送信する。この場合も、参照情報管理部12は、検査T1の検査IDと、検査T1に属する医用画像データが追加された更新日時と、変更内容(画像追加)とを関連付ける。
【0047】
検像装置70が、検査T1に属する医用画像データを医用画像保管装置1から読み込み、検像(修正や画像処理)を新たに行ってもよい。この場合、検像装置70は、検査T1に属する検像後の医用画像データを医用画像保管装置1に送信する。この場合も、参照情報管理部12は、検査T1の検査IDと、検査T1に属する医用画像データが新たに検像された更新日時と、変更内容(画像の修正など)とを関連付ける。
【0048】
HIS80又はRIS90によって患者識別情報や汎用データが修正された場合、HIS80又はRIS90は、修正後の患者識別情報や汎用データを医用画像保管装置1に送信してもよい。参照情報管理部12は、患者識別情報や汎用データが修正された更新日時と、変更内容とを関連付ける。
【0049】
別の例として、患者識別情報が変更された場合について説明する、例えばHIS80又はRIS90によって患者識別情報が変更されると、HIS80又はRIS90は、患者識別情報を医用画像保管装置1に送信する。送受信部2が患者識別情報を受信し、参照情報管理部12が、患者識別情報を送受信部2から受ける。参照情報管理部12は、患者識別情報の更新日時に基づいて患者識別情報の変更の有無を判断する。
【0050】
例えば参照情報管理部12は、図5に示す患者情報管理テーブル120Bを作成する。具体的には、参照情報管理部12は、送信された患者識別情報に含まれる患者ID、変更の履歴、登録日時、氏名、生年月日、及び既往歴が関連付けられた患者情報管理テーブル120Bを作成する。レポート保管部5は患者情報管理テーブルのデータを記憶する。参照情報管理部12は、患者識別情報の履歴の差分に基づいて、患者識別情報における変更を判断する。参照情報管理部12は、患者識別情報に含まれる患者IDと、患者識別情報が変更された変更日時と、変更内容とを関連付ける。
【0051】
別の例として、オーダとしての検査が変更された場合について説明する。オーダとしての検査は、読影レポートと対応している。例えば参照情報管理部12は、図6に示す検査情報管理テーブル120Cを作成する。具体的には、参照情報管理部12は、オーダとしての検査に対応する読影レポートのレポート識別情報、変更の履歴、登録日時、検査名、薬剤、及び部位などが関連付けられた検査情報管理テーブル120Cを作成する。レポート保管部5は検査情報管理テーブル120Cを記憶する。参照情報管理部12は、履歴の差分に基づいて、オーダに対応する検査の変更を判断する。参照情報管理部12は、検査識別情報(レポート識別情報)と、オーダに対応する検査が変更された変更日時と、変更内容とを関連付ける。
【0052】
なお、画像管理テーブル120A、患者情報管理テーブル120B、及び検査情報管理テーブル120Cは、管理部10以外の装置で作成及び管理されていてもよい。
【0053】
(関連情報管理部13)
関連情報管理部13は、参照情報の識別情報をレポート作成部4から受けて、レポート識別情報と参照情報とを関連付ける。例えば図7に示すように、検査T1に属する医用画像と、過去の読影レポート(レポートR3)と、汎用データ(汎用G1、G2)とが参照されて読影レポート(レポートR4)が作成された場合、関連情報管理部13は、レポート識別情報と参照情報とが関連付けられた関連情報管理テーブル130を作成する。関連情報管理テーブル130は、レポートR4を示すレポート識別情報と、参照情報(検査T1、レポートR3、汎用G1、汎用G2)とが関連付けられたテーブルである。レポート保管部5は関連情報管理テーブルのデータを記憶する。
【0054】
また、関連情報管理部13は、関連情報管理テーブル130と参照情報管理テーブル120とを参照して、変更された参照情報に関連付けられた読影レポートが、関連情報管理テーブル130に含まれているか否かを確認する。参照情報管理テーブル120は、参照情報の変更の履歴を管理するためのテーブルであり、参照情報の変更の履歴を示す。関連情報管理部13は、参照情報管理テーブル120を参照して、変更された参照情報があるか否かを確認する。変更された参照情報が参照情報管理テーブル120に含まれている場合、関連情報管理部13は、関連情報管理テーブル130を参照して、変更された参照情報に関連付けられた読影レポートがあるか否かを確認する。関連情報管理部13は、参照情報の変更の有無を示す欄を関連情報管理テーブル130に設け、変更の有無を示す情報を、変更の有無を示す欄に追加する。変更された参照情報に関連付けられた読影レポートが関連情報管理テーブル130に含まれている場合、関連情報管理部13は、変更されたことを示す情報(変更情報)を関連情報管理テーブル130の変更の有無の欄に追加する。レポート保管部5は、変更情報が追加された関連情報管理テーブル130を記憶する。
【0055】
参照情報管理テーブル120と関連情報管理テーブル130とを図8に示す。図8に示す例では、参照情報管理テーブル120は、検査T1(参照情報)が変更(画像追加)されていることを示している。関連情報管理部13は、関連情報管理テーブル130を参照して、変更された検査T1(参照情報)に関連付けられた読影レポートを特定する。すなわち、関連情報管理部13は、変更された検査T1(参照情報)を検索キーとして、変更された検査T1(参照情報)に関連付けられた読影レポートを関連情報管理テーブル130から特定する。この実施形態では、レポート識別情報がレポートR4である読影レポートが、変更された検査T1(参照情報)に関連付けられている。そのため、関連情報管理部13は、関連情報管理テーブル130において、変更された検査T1に対応する欄(変更の有無)に、変更されたことを示す情報(変更有)を追加する。
【0056】
また、関連情報管理部13は、関連情報管理テーブル130において、変更されていない参照情報に対応する欄に、変更されていないことを示す情報(変更無)を追加してもよい。関連情報管理テーブル130に示すように、レポートR3の読影レポート、汎用G1の汎用データ、及び汎用G2の汎用データは、レポートR4の読影レポートの参照情報として用いられている。また、レポートR3の読影レポート、汎用G1の汎用データ、及び汎用G2の汎用データは、変更がされていない。この場合、関連情報管理部13は、関連情報管理テーブル130において、レポートR3、汎用G1、及び汎用G2にそれぞれ対応する欄(変更の有無)に、変更されていないことを示す情報(変更無)を追加する。
【0057】
以上のように、関連情報管理部13は、参照情報の変更の有無を示すフラグを関連情報管理テーブル130に設ける。
【0058】
(出力部14)
出力部14は、表示要求があった読影レポートについて参照情報の変更の有無を確認し、参照情報の変更の有無を示す情報を含む、読影レポートの一覧表を作成する。例えば操作者が、患者IDや患者名などを入力部22によって入力する。患者IDなどの情報が、ユーザインターフェース(UI)20から管理部10に出力される。出力部14は、患者IDなどの情報を検索キーとしてレポート保管部5を検索し、その患者IDを含む患者識別情報が付帯された読影レポートのデータを特定する。入力された患者IDを含む患者識別情報が付帯された読影レポートが、表示要求があった読影レポートに該当する。出力部14は関連情報管理テーブルを参照し、表示要求があった読影レポートのレポート識別情報に基づいて、読影レポートに関連付けられている参照情報に変更があるか否かを確認する。関連情報管理テーブルには、参照情報の変更の有無を示すフラグが設けられているため、出力部14は、そのフラグに基づいて参照情報の変更の有無を確認する。
【0059】
図9を参照して具体例について説明する。図9は、読影レポートの一覧表と関連情報管理テーブルとを示す。例えば、レポートR1、レポートR2、レポートR3、及びレポートR4について表示要求があった場合について説明する。出力部14は関連情報管理テーブル130を参照し、レポート識別情報(レポートR1、レポートR2、レポートR3、レポートR4)に基づいて、読影レポートに関連付けられている参照情報に変更があるか否かを確認する。図9に示す関連情報管理テーブル130においては、レポートR4について参照情報(検査T1)が変更されている。そのため、出力部14は、レポートR4について参照情報が変更されていると判定する。
【0060】
出力部14は、一例として図9に示すレポート一覧表140を作成する。具体的には、出力部14は、情報の変更と、患者IDと、患者名と、検査日と、検査名と、レポート識別情報とを含むレポート一覧表140を作成する。出力部14は、情報の変更の欄に、参照情報の変更の有無を追加する。レポートR4について参照情報が変更されているため、出力部14は、レポート一覧表140においてレポートR4に対応する欄に、参照情報が変更されたことを示す情報(例えば「変更あり」)を追加する。出力部14は、レポート一覧表のデータを表示制御部6に出力する。
【0061】
(表示制御部6)
表示制御部6は、レポート一覧表のデータを出力部14から受けて、レポート一覧表を表示部21に表示させる。例えば図9に示すように、表示制御部6はレポート一覧表140を表示部21に表示させる。これにより、参照情報の変更の有無を示すメッセージが、レポート一覧表140に表示される。なお、表示制御部6と表示部21とによって、この発明の「報知手段」の一例を構成する。
【0062】
(ユーザインターフェース(UI)20)
ユーザインターフェース(UI)20は、表示部21と入力部22とを備えている。表示部21は、液晶ディスプレイやCRTなどのモニタである。入力部22は、キーボードやマウスなどの入力装置である。
【0063】
以上の構成を有する医用情報システムによると、読影レポートの作成に用いられた参照情報の変更の履歴を管理し、参照情報に変更があった場合には、その変更を表示(報知)する。例えばレポート一覧表を表示するときに、参照情報の変更を示すメッセージをレポート一覧表に表示する。そのことにより、読影レポートの作成に用いられた参照情報の変更を、操作者は認識することが可能となる。その結果、読影漏れや誤った情報での読影を防止することが可能となる。また、読影レポートが作成された後であっても、読影レポートの作成に用いられた参照情報に変更があった場合には、その変更が報知(表示)される。そのため、誤診につながる読影レポートを容易に特定することが可能となる。
【0064】
従来技術においては、参照情報の変更の有無がレポート一覧表において表示されないため、参照情報の変更を操作者は認識することができなかった。また、従来技術においては、レポート一覧表を操作者が参照しただけでは、誤診につながる読影レポート(参照情報が変更された読影レポート)を操作者は特定することができない。誤診につながる読影レポートを特定するためには、操作者が、参照情報の更新の日時を確認し、読影レポートの作成日時と参照情報の更新日時とを見比べる必要があった。このように従来技術においては、誤診につながる読影レポートを特定することは、非常に手間がかかる作業であった。
【0065】
この実施形態に係る医用情報システムによると、読影レポートの作成に用いられた参照情報の変更を表示するので、従来技術のように手間をかけずに、誤診につながる読影レポートを効率的に特定することが可能となる。
【0066】
(読影レポートの作成日時と参照情報が変更された更新日時との比較)
出力部14は、読影レポートが作成された作成日時と、参照情報が変更された更新日時とを比較して、読影レポートが作成された後に変更された参照情報の変更内容を特定してもよい。この場合、表示制御部6は、その変更内容を表示部21に表示させる。
【0067】
図10を参照して、作成日時と更新日時とを比較する処理について説明する。例えば、レポートR1、レポートR2、レポートR3、及びレポートR4について表示要求があった場合について説明する。出力部14は関連情報管理テーブル130を参照して、レポート識別情報(レポートR1、レポートR2、レポートR3、レポートR4)に基づいて、読影レポートに関連付けられている参照情報に変更があるか否かを確認する。図10に示す関連情報管理テーブル130においては、レポートR4について参照情報(検査T1)が変更されている。そのため、出力部14は、レポートR4について参照情報が変更されていると判定する。
【0068】
さらに出力部14は参照情報管理テーブル120を参照して、変更された参照情報(検査T1)の変更の履歴を確認し、参照情報が変更された更新日時を取得する。図10に示す例では検査T1が変更されて、変更履歴が「0」のものと変更履歴が「1」のものとが存在する。出力部14は、変更履歴が「0」のときの更新日時(2010/01/19 20:39:00)と、変更履歴が「1」のときの更新日時(2010/01/19 21:20:00)とを取得する。
【0069】
また出力部14は、レポート管理テーブル110を参照して、参照情報が変更された読影レポートの作成日時を取得する。図10に示す例では、出力部14は、レポートR4の作成日時(2010/01/19 21:09:00)を取得する。
【0070】
そして出力部14は、読影レポートが作成された作成日時と、参照情報が変更された更新日時とを比較して、読影レポートが作成された後に変更された参照情報の変更内容を特定する。図10に示す例では、出力部14は、レポートR4の作成日時と、検査T1の変更履歴が「0」のときの更新日時とを比較する。また出力部14は、レポートR4の作成日時と、検査T1の変更履歴が「1」のときの更新日時とを比較する。変更履歴が「1」のときの更新日時が、レポートR4の作成日時よりも後であるため、出力部14は、変更履歴「1」に対応する変更内容(画像追加)を特定する。
【0071】
そして出力部14は、レポート一覧表140において、レポートR4に対応する「情報の変更」の欄に、変更内容(例えば「検査:画像追加」)を追加する。出力部14は、レポート一覧表のデータを表示制御部6に出力する。
【0072】
表示制御部6は、参照情報の変更内容が含まれるレポート一覧表140を表示部21に表示させる。
【0073】
以上のように読影レポートの作成日時と参照情報の更新日時とを比較し、作成日時よりも後に行われた参照情報の変更内容を表示する。そのことにより、操作者は、読影レポートが作成された後における参照情報の変更内容を確認することができる。
【0074】
(複数オーダの検査)
操作者は、複数オーダに対応する検査を参照して1つの読影レポートを作成してもよい。複数オーダのそれぞれの検査に変更があった場合に、その変更を報知する。例えば図11に示すように、操作者は、複数オーダ200に対応する検査Tを参照して、1つの読影レポート100を作成する。この場合、関連情報管理部13は、複数オーダのそれぞれの検査の識別情報とレポート識別情報とを関連付ける。出力部14は、上述したように、各検査(参照情報)の変更の有無を確認し、各検査(参照情報)の変更の有無を示す情報が含まれるレポート一覧表を作成する。表示制御部6は、各検査の変更の有無が含まれるレポート一覧表を表示部21に表示させる。このように1つの読影レポートに複数の検査が関連付けられている場合でも、各検査の変更の有無を報知することが可能となる。
【0075】
(表示態様の変形例)
参照情報の変更の有無を、レポート一覧表以外の表示態様で表示してもよい。例えば図12に示すように、出力部14は、検査名と検査日時とによってマトリクス状の表を作成する。さらに出力部14は、マトリクス状の表に、検査と検査日時とに対応する読影レポートを表すアイコンなどのマーク151と、参照情報が変更されたことを示す変更情報152(例えば「変更あり」)とを追加する。出力部14は、マトリクス状の表のデータを表示制御部6に出力する。表示制御部6は、マトリクス状の表を表示部21に表示させる。これにより、参照情報が変更されたことを表すメッセージが、マトリクス状の表に表示される。このようにアイコンなどのマークによって読影レポートの有無を表示し、そのマークの近傍に参照情報の変更の有無を表示しても、上述した実施形態と同じ効果を奏することができる。
【0076】
また図12に示すように、表示制御部6は読影レポート160を表示部21に表示させ、読影レポート160とともに、参照情報の変更の有無を示す情報を表示部21に表示させてもよい。参照情報が変更されている場合には、表示制御部6は、読影レポート160と変更情報161(例えば「変更あり」)とを表示部21に表示させる。
【0077】
具体的には、操作者がレポート識別情報を入力部22によって入力する。表示制御部6は、入力されたレポート識別情報が付帯されている読影レポートのデータをレポート保管部5から読み込み、その読影レポートを表示部21に表示させる。出力部14は上述したように、その読影レポートに関連付けられた参照情報が変更されたか否かを確認する。出力部14は、参照情報の変更の有無を示す情報を表示制御部6に出力する。表示制御部6は、読影レポートと、参照情報の変更の有無を示す情報とを表示部21に表示させる。このように読影レポートとともに参照情報の変更の有無を表示しても、上述した実施形態と同じ効果を奏することができる。
【0078】
また、参照情報の変更の有無を、画像ビューアに表示してもよい。例えば操作者が入力部22を用いて検査IDを入力する。入力された検査IDは、ユーザインターフェース(UI)20から表示制御部6と管理部10とに出力される。表示制御部6は、入力された検査IDが画像付帯情報として付帯されている医用画像データを画像保管部3から読み込んで、医用画像を表示部21に表示させる。例えば図13に示すように、表示制御部6は医用画像300を表示部21に表示させる。検査IDが示す検査が参照情報として関連付けられた読影レポートのうち、参照情報に変更がある読影レポートが存在する場合には、出力部14は、変更情報(例えば「変更あり」)を表示制御部6に出力する。表示制御部6は、医用画像300とともに変更情報310を表示部21に表示させる。
【0079】
例えば出力部14が、図8に示す参照情報管理テーブル120と関連情報管理テーブル130とを参照して、検査IDが示す参照情報に変更があるか否かを確認する。参照情報に変更がある場合には、出力部14は変更情報を表示制御部6に出力する。また出力部14は、図8に示す関連情報管理テーブル130を参照して、参照情報に変更があった読影レポートを特定し、その読影レポートのレポート識別情報や参照情報の変更内容を表示制御部6に出力してもよい。例えば図13に示すように、表示制御部6は、レポート識別情報と情報の変更(変更内容)とが含まれる表320を、表示部21に表示させる。このように医用画像とともに参照情報の変更の有無を表示しても、参照情報が変更された読影レポートの有無を操作者は確認することができる。
【0080】
また、参照情報の変更の有無を示す情報を、ポップアップにより表示してもよい。例えば、表示制御部6は、参照情報の変更の有無を示す情報を管理部10から受け、レポート一覧表やマトリクス状の表を表示部21に表示させるときに、参照情報の変更の有無を示す情報をポップアップで表示部21に表示させる。このようにポップアップによって目立つように変更の有無を表示してもよい。また、医用画像保管装置1が起動させられたときに、表示制御部6は、参照情報の変更の有無を示す情報を表示部21に表示させてもよい。また、医用画像保管装置1にスピーカを設けて、参照情報の変更の有無を示す音をスピーカが発するようにしてもよい。
【0081】
(報知態様決定部15)
読影レポートの作成の状況(読影の状況)、変更があった参照情報の種類、又は変更内容に応じて、参照情報が変更されたことを示す情報(変更情報)の報知の態様を変えてもよい。報知態様決定部15が、読影レポートの作成の状況(読影の状況)に基づいて、参照情報が変更されたことを示す情報(変更情報)の報知の態様を決定する。また、報知態様決定部15は、変更があった参照情報の種類に基づいて、変更情報の報知の態様を決定してもよい。また、報知態様決定部15は、変更内容に基づいて変更情報の報知の態様を決定してもよい。報知態様決定部15は、読影レポートの作成の状況、参照情報の種類、及び変更内容のうちのすべての条件に基づいて、報知の態様を決定してもよい。または、報知態様決定部15は、読影レポートの作成の状況、参照情報の種類、及び変更内容のうちの1つ又は2つの条件に基づいて、報知の態様を決定してもよい。
【0082】
報知態様決定部15によって報知の態様が決定されると、表示制御部6は、決定された報知の態様に従って、変更情報を表示部21に表示させる。例えば表示制御部6は、読影レポートの作成の状況に応じて、レポート一覧表に含ませて参照情報を表示部21に表示させたり、参照情報をポップアップにして表示部21に表示させたりする。
【0083】
読影レポートの作成の状況には、確定状況とチェック状況とがある。確定状況にある読影レポートとは、作成された読影レポートの内容が確定された状況にある読影レポートのことである。例えば、権限を有する医師によって確定が与えられた読影レポートが、確定状況にある読影レポートに該当する。チェック状況にある読影レポートとは、作成者以外の者によって確認を受ける必要がある読影レポートのことである。例えば、研修医などが作成した読影レポートが、チェック状況にある読影レポートに該当する。
【0084】
例えば、レポート管理部11が、読影レポートの作成の状況(読影の状況)を管理する。すなわち、レポート管理部11は、読影レポートの作成日時と、レポート識別情報と、読影レポートの作成の状況とを関連付けたレポート管理テーブルを作成する。
【0085】
例えば権限を有する医師が入力部22を用いて、ある読影レポートに対して確定を与える。入力部22から入力された確定状況を示す情報は、管理部10に出力される。レポート管理部11は、確定状況を示す情報(作成の状況)と、読影レポートの作成日時と、レポート識別情報とを関連付けたレポート管理テーブルを作成する。
【0086】
また、研修医などが入力部22を用いて、ある読影レポートについてチェック状況を示す情報を入力する。入力部22から入力されたチェック状況を示す情報は、管理部10に出力される。レポート管理部11は、チェック状況を示す情報(作成の状況)と、読影レポートの作成日時と、レポート識別情報とを関連付けたレポート管理テーブルを作成する。
【0087】
一例として、報知態様決定部15は、読影レポートの作成の状況(読影状況)、変更があった参照情報の種類、及び変更内容に基づいて、報知の態様を決定する。図14に、報知態様の設定例を示す。設定テーブル400は、読影の状況と、変更があった参照情報の種類と、変更内容と、報知態様とが関連付けられたテーブルである。読影の状況としては、確定状況とチェック状況とがある。参照情報の種類としては、検査や汎用ファイルなどがある。変更内容としては、画像追加や変更などがある。報知態様としては、レポート一覧表(リスト)に変更情報を含ませて表示する態様と、ポップアップによって変更情報を表示する態様とがある。
【0088】
上述したように、出力部14は、図8に示す参照情報管理テーブル120と関連情報管理テーブル130とを参照して、表示要求があった読影レポートに関連付けられた参照情報に変更があるか否かを確認する。出力部14は、変更があった参照情報と変更内容とを報知態様決定部15に出力する。報知態様決定部15は、読影レポートの作成の状況(読影状況)が関連付けられたレポート管理テーブルを参照し、表示要求があった読影レポートのレポート識別情報に基づいて、表示要求があった読影レポートの作成の状況を特定する。そして、報知態様決定部15は、図14に示す設定テーブル400を参照し、読影レポートの作成の状況と、変更があった参照情報の種類と、変更内容とに基づいて、報知態様を決定する。
【0089】
例えば、ある読影レポートの読影の状況が「チェック」である場合には、報知態様決定部15は、報知態様を「リスト表示」に決定する。また、ある読影レポートの読影の状況が「確定」である場合には、報知態様決定部15は、報知態様を「ポップアップ表示」に決定する。確定された読影レポートは、権限を有する医師によって確定が与えられている。そのため、確定された読影レポートに関連付けられている参照情報が変更された場合には、参照情報の変更を目立つ態様で表示することが好ましい。すなわち、確定された読影レポートは重要度が高いため、参照情報の変更を目立つ態様で表示する。そこで、確定された読影レポートに関連付けられている参照情報が変更された場合には、報知態様決定部15は、報知態様を「ポップアップ表示」に決定する。
【0090】
また、参照情報の変更内容が「画像追加」である場合には、報知態様決定部15は、報知態様を「ポップアップ表示」に決定する。また、参照情報の変更内容が「汎用ファイルの変更」である場合には、報知態様決定部15は、報知態様を「リスト表示」に決定する。医師は、医用画像を参照して読影レポートを作成するため、医用画像の追加があった場合には、参照情報の変更を目立つ態様で表示することが好ましい。すなわち、画像の追加は重要度が高いため、参照情報の変更を目立つ態様で表示する。そこで、参照情報の変更内容が「画像追加」である場合には、報知態様決定部15は、報知態様を「ポップアップ表示」に決定する。
【0091】
また、ある読影レポートの読影の状況が「チェック」であり、参照情報の種類が「検査」であり、変更内容が「画像追加」である場合には、報知態様決定部15は、その読影レポートの報知態様を「リスト表示」に決定してもよい。また、ある読影レポートの読影の状況が「確定」であり、参照情報の種類が「検査」であり、変更内容が「画像追加」である場合には、報知態様決定部15は、その読影レポートの報知様態を「ポップアップ表示」に決定してもよい。このように、報知態様決定部15は、複数の条件に基づいて報知態様を決定してもよい。
【0092】
報知態様決定部15は、報知態様を示す情報を表示制御部6に出力する。表示制御部6は、その報知態様に従って、参照情報の変更の有無を表示部21に表示させる。
【0093】
以上のように、読影レポートの読影の状況、変更された参照情報の種類、又は変更内容に応じて、報知態様を変えて参照情報の変更の有無を表示する。そのことにより、重要な参照情報の変更が目立って表示されるため、重要な参照情報の変更を操作者は容易に認識することができる。
【0094】
なお、読影レポートの作成の状況、参照情報の種類、又は変更内容に応じて報知態様を変えない場合には、報知態様決定部15を管理部10に設けなくてもよい。
【0095】
レポート作成部4、表示制御部6、及び管理部10はそれぞれ、CPU、GPU、又はASICなどの図示しない処理装置と、ROM、RAM、又はHDDなどの図示しない記憶装置とによって構成されていてもよい。記憶装置には、レポート作成部4の機能を実行するためのレポート作成プログラムが記憶されている。また記憶装置には、表示制御部6の機能を実行するための表示制御プログラムが記憶されている。また記憶装置には、管理部10の機能を実行するための管理プログラムが記憶されている。管理プログラムには、レポート管理部11の機能を実行するためのレポート管理プログラムと、参照情報管理部12の機能を実行するための参照情報管理プログラムと、関連情報管理部13の機能を実行するための関連情報管理プログラムと、出力部14の機能を実行するための出力プログラムとが含まれている。報知態様決定部15が管理部10に設けられている場合には、管理プログラムは、報知態様決定部15の機能を実行するための報知態様決定プログラムを含む。そしてCPUなどの処理装置が、記憶装置に記憶されている各プログラムを実行することにより各部の機能を実行する。
【0096】
なお、レポート作成部4、レポート保管部5、及び管理部10は、医用画像保管装置1以外の装置に含まれていてもよいし、医用画像保管装置1から独立してネットワークNに接続されていてもよい。また、この実施形態に係る医用情報システムは、医用画像撮影装置40、医用画像観察装置50、医用画像処理装置60、検像装置70、HIS80、及びRIS90のうちの全ての装置を含まずに、一部の装置のみを含んでいてもよい。例えば、医用情報システムは、医用画像保管装置1と医用画像撮影装置40と検像装置70とだけで構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0097】
1 医用画像保管装置
2 送受信部
3 画像保管部
4 レポート作成部
5 レポート保管部
6 表示制御部
10 管理部
11 レポート管理部
12 参照情報管理部
13 関連情報管理部
14 出力部
15 報知態様決定部
20 ユーザインターフェース(UI)
21 表示部
22 入力部
40 医用画像撮影装置
50 医用画像観察装置
60 医用画像処理装置
70 検像装置
80 病院情報システム(HIS)
90 放射線情報システム(RIS)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
読影レポートの入力を受けて、前記読影レポートと、前記読影レポートを作成したときに参照された参照情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
前記読影レポートに関連付けられた前記参照情報が変更されたか否かを確認する管理手段と、
前記管理手段による前記確認の結果を報知する報知手段と、
を有する医用情報システム。
【請求項2】
前記管理手段は、前記参照情報の変更の履歴を管理して、前記読影レポートに関連付けられた前記参照情報が変更されたか否かを確認する請求項1に記載の医用情報システム。
【請求項3】
前記管理手段は、前記読影レポートに関連付けられた前記参照情報が変更された場合に、前記変更があった前記参照情報に関連付けられた前記読影レポートと前記参照情報と前記変更があることを示す変更情報とを関連付けて前記記憶手段に記憶させ、前記読影レポートの報知要求を受けて、前記報知要求があった前記読影レポートに前記変更情報が関連付けられているか否かを確認し、
前記報知手段は、前記報知要求があった前記読影レポートに前記変更情報が関連付けられていることが、前記管理手段によって確認された場合に、前記参照情報の変更を前記確認の結果として報知する請求項1又は請求項2に記載の医用情報システム。
【請求項4】
前記報知手段は、前記報知要求があった前記読影レポートの一覧と、前記参照情報の変更とを報知する請求項3に記載の医用情報システム。
【請求項5】
前記報知手段は、前記報知要求があった前記読影レポートと、前記参照情報の変更とを報知する請求項3に記載の医用情報システム。
【請求項6】
前記管理手段は、前記読影レポートの入力を受けて前記読影レポートが作成された作成時を管理し、前記参照情報の変更を受けて前記参照情報が変更された更新時を管理し、前記読影レポートが作成された作成時と前記参照情報が変更された更新時とに基づいて、前記作成時以後に変更された前記参照情報を特定し、
前記報知手段は、前記管理手段によって特定された前記参照情報の変更を前記確認の結果として報知する請求項1から請求項5のいずれかに記載の医用情報システム。
【請求項7】
前記参照情報は、被検体に対する検査に含まれる医用画像であり、
前記管理手段は、前記医用画像の表示要求を受けて、前記表示要求があった前記医用画像が関連付けられた前記読影レポートのうち、前記変更があった前記参照情報に関連付けられた前記読影レポートが、前記記憶手段に記憶されているか否かを確認し、
前記報知手段は、前記変更があった前記参照情報に関連付けられた前記読影レポートが前記記憶手段に記憶されていることが、前記管理手段によって確認された場合に、前記参照情報の変更を前記確認の結果として前記医用画像とともに表示手段に表示させる請求項1から請求項3のいずれかに記載の医用情報システム。
【請求項8】
前記参照情報は、被検体に対する検査に含まれる医用画像、過去に作成された読影レポート、病院情報システムから送られた患者識別情報、放射線情報システムから送られた患者識別情報、薬剤の種類を示す情報を少なくとも含む検査情報、及び紹介状を示す情報を少なくとも含む汎用データのうち、少なくとも1つを含む請求項1から請求項6のいずれかに記載の医用情報システム。
【請求項9】
前記報知手段は、前記記憶手段に記憶されている前記読影レポートの作成の状態、前記参照情報の種類、又は前記参照情報の変更の内容に応じて、前記報知の態様を変えて前記参照情報の変更を報知する請求項1から請求項8のいずれかに記載の医用情報システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図14】
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【図7】
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【図11】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−182857(P2011−182857A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−48822(P2010−48822)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】