説明

医用情報処理装置

【課題】カルテ情報の作成における操作性を向上させる。
【解決手段】カルテ情報表示画面において検査項目が指定されると(ステップS2;YES)、検査項目に対応する検査装置からの検査画像の画像データの取り込みの待機状態となる(ステップS4)。検査装置から画像データが受信された場合には(ステップS5;YES)、検査装置から画像データを取り込み(ステップS6)、取り込まれた画像データに基づいて、検査画像を検査画像表示画面に表示する(ステップS7)。次に、取り込まれた画像データを間引いて間引き画像データを生成し(ステップS8)、間引き画像データに基づいて、サムネイル画像をカルテ情報表示画面に表示する(ステップS9)。そして、取り込まれた画像データ及び間引き画像データを、カルテ情報表示画面に表示されているカルテ情報と対応付けて記憶部に記憶させる(ステップS10)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療の分野では、患者を撮影して得られる検査画像や医師の診察による診療録(カルテ)のデジタル化が進んでいる。検査画像を参照しながらカルテ情報を作成する場合には、カルテ情報を表示するカルテ情報表示画面と、検査画像を表示するための検査画像表示画面と、が並べられて表示される。
【0003】
また、診療所等の小規模の医療施設では、検査画像表示画面(画像ビューアー画面)が、CR(Computed Radiography)等のモダリティーに対するコンソール画面を兼ねている場合が多い。つまり、医師が使用するPC(Personal Computer)上で、モダリティーにおいて生成された検査画像の画像データが取り込まれ、取り込まれた画像データに基づいて、検査画像が検査画像表示画面に表示される。
【0004】
この場合、まず、操作画面上において、患者に対して行われる検査の検査項目が指定される。そして、指定された検査項目に対応するモダリティーの取り込みボタンが押下されると、モダリティーからの検査画像の画像データの取り込みの待機状態となる。モダリティーにおいて検査画像の画像データが生成されると、生成された画像データが診断対象患者の画像データとしてPCに取り込まれる。
【0005】
また、検査画像の参照を伴うカルテ情報の作成において、検査画像表示画面に表示されている検査画像をカルテ情報表示画面内にドラッグ&ドロップして貼り付ける場合がある。この際、異なる患者のデータ同士が混じってしまうのを防ぐために、検査画像に付帯されている患者情報と、カルテ情報表示画面に表示されているカルテ情報の患者情報との整合性をチェックする医用画像システムが提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
カルテ情報表示画面内に検査画像を貼り付ける際には、より低い解像度の小容量の汎用画像データ(例えば、JPEG)に変換する。医師は、検査画像表示画面に表示された検査画像を参照しながら患者を診察して、カルテ情報表示画面上でカルテ情報を作成する。作成されたカルテ情報は、汎用画像データ(サムネイル画像)と対応付けられて保存される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−211647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来は、検査画像表示画面に表示されている検査画像をカルテ情報表示画面上に貼り付ける際に、手動で行っていたため、ユーザーは煩雑な作業を強いられていた。具体的には、検査画像のファイルの選択、検査画像をカルテ内に取り込むための指示、サムネイル画像を貼り付けた状態での保存等、各段階でユーザーの操作が必要であった。
【0009】
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、カルテ情報の作成における操作性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、同一患者に関するカルテ情報表示画面及び検査画像表示画面を表示する表示手段と、検査画像の画像データを取り込む取り込み手段と、前記取り込み手段により前記画像データが取り込まれた場合に、当該取り込まれた画像データに基づいて検査画像を前記検査画像表示画面に表示させるとともに、前記取り込まれた画像データを間引いて間引き画像データを生成し、当該間引き画像データに基づいてサムネイル画像を前記カルテ情報表示画面に表示させる制御手段と、を備える医用情報処理装置である。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医用情報処理装置において、前記制御手段は、前記間引き画像データを、前記カルテ情報表示画面に表示されているカルテ情報と対応付けて記憶手段に記憶させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、カルテ情報の作成における操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】データ管理システムのシステム構成図である。
【図2】データ管理サーバーの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】端末装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】端末装置において実行される処理を示すフローチャートである。
【図5】検査項目を指定する際の医用情報表示画面の例である。
【図6】画像データの取り込み中の医用情報表示画面の例である。
【図7】画像データを取り込んだ後の医用情報表示画面の例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る医用情報処理装置の一実施の形態について説明する。
【0015】
〔データ管理システムの構成〕
図1に、本発明に係る医用情報処理装置としての端末装置4A,4B,・・・を含むデータ管理システム100のシステム構成を示す。
図1に示すように、データ管理システム100は、地域のデータセンターに設置されたデータ管理サーバー1と、医療施設Aに設けられた施設内システム2Aと、医療施設Bに設けられた施設内システム2Bと、・・・を備えて構成されている。データ管理サーバー1、施設内システム2A、施設内システム2B、・・・は、インターネット等の通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続されている。
【0016】
データ管理サーバー1は、各医療施設において生成された検査画像の画像データを蓄積し管理する。また、データ管理サーバー1は、医療施設間の医療連携サービスを提供するものであり、各施設内システム2A,2B,・・・から他の施設内システムにおける検査や読影の依頼を受け付け、検査結果や読影結果のデータを管理する。
【0017】
施設内システム2Aは、医事会計システム3A、端末装置4A、検査装置5A及びルーター6Aを備え、医事会計システム3A、端末装置4A及びルーター6Aは、LAN(Local Area Network)等の施設内ネットワーク7Aにより相互にデータ通信可能に接続されて構成されている。施設内システム2Aを構成する装置のうち、少なくとも端末装置4Aは、ルーター6Aにより通信ネットワークNを介してデータ管理サーバー1とデータ通信可能に接続されている。
【0018】
施設内システム2Bは、医事会計システム3B、端末装置4B、検査装置5B及びルーター6Bを備え、医事会計システム3B、端末装置4B及びルーター6Bは、LAN等の施設内ネットワーク7Bにより相互にデータ通信可能に接続されて構成されている。施設内システム2Bを構成する装置のうち、少なくとも端末装置4Bは、ルーター6Bにより通信ネットワークNを介してデータ管理サーバー1とデータ通信可能に接続されている。
【0019】
なお、データ管理システム100を構成する施設内システム2A,2B等の施設内システム、各施設内システムの各装置の数は、特に限定されない。
また、データ管理システム100における通信方式としては、一般的に、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格が用いられており、各装置間の通信では、DICOM MWM(Modality Worklist Management)やDICOM MPPS(Modality Performed Procedure Step)が用いられる。
【0020】
〔データ管理サーバーの構成〕
図2に、データ管理サーバー1の機能的構成を示す。
図2に示すように、データ管理サーバー1は、制御部11、操作部12、表示部13、通信部14、RAM15、記憶部16等を備えて構成されており、各部はバス17により接続されている。
【0021】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、データ管理サーバー1の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、操作部12から入力される操作信号又は通信部14により受信される指示信号に応じて、記憶部16に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAM15に展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0022】
操作部12は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部11に出力する。
【0023】
表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成されており、制御部11から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0024】
通信部14は、ネットワークインターフェース等により構成され、通信ネットワークNを介して接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0025】
RAM15は、制御部11により実行制御される各種処理において、記憶部16から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメーター等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0026】
記憶部16は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリー等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。具体的に、記憶部16には、サーバープログラムP1、センターDB(DataBase)161、アプリケーションプログラムP2等が記憶されている。
【0027】
サーバープログラムP1は、データ管理サーバー1におけるデータ管理処理、アプリケーションプログラムP2や医療連携サービスを提供する処理等を実行するためのプログラムである。
【0028】
センターDB161には、各医療施設A,B,・・・の端末装置4A,4B,・・・から送信された患者基本情報、カルテ情報、検査画像の画像データ等が格納されている。
【0029】
患者基本情報は、患者に関する情報であり、患者ID、患者氏名、年齢、性別、生年月日、受診日時等を含む。患者基本情報は、各医療施設A,B,・・・の端末装置4A,4B,・・・が医事会計システム3A,3B,・・・から取得したものである。
カルテ情報は、各医療施設A,B,・・・における患者の診療の経過を示す情報であり、病名、検査内容、処方情報等を含む。カルテ情報は、複数の患者毎、受診毎に作成される。
検査画像の画像データは、各医療施設A,B,・・・において患者を検査して得られた画像データである。検査画像の画像データは、DICOM規格に則ったDICOMファイル形式で保存されており、患者ID、検査ID、患者氏名、検査日時、モダリティー等の付帯情報が付帯されている。
【0030】
アプリケーションプログラムP2は、施設内システム2A,2B,・・・の端末装置4A,4B,・・・からデータ管理サーバー1にアクセスがあった場合に、必要に応じてダウンロードされるSaaS(Software as a Service)型アプリケーションである。アプリケーションプログラムP2は、端末装置4A,4B,・・・において、電子カルテ作成機能、画像ビューアー機能等を実現させるためのプログラムである。
【0031】
制御部11は、通信部14により、端末装置4A,4B,・・・から患者基本情報、カルテ情報、検査画像の画像データ等を受信すると、受信された患者基本情報、カルテ情報、検査画像の画像データ等を記憶部16のセンターDB161に格納する。
【0032】
制御部11は、データ管理システム100内の各医療施設から他の医療施設への検査依頼や読影依頼等を受け付け、他の医療施設に対して検査依頼や読影依頼等を通知する。また、制御部11は、当該他の医療施設から検査依頼に応じて行われた検査に係る検査データや、読影依頼に応じて行われた読影に係るレポートデータ等を取得し、依頼元の医療施設へ提供する。
【0033】
〔施設内システムの構成〕
次に、施設内システム2Aを構成する各装置について説明する。
医事会計システム3Aは、制御部、操作部、表示部、通信部、RAM、記憶部等を備えたコンピューター装置であり、会計計算、保険点数計算等を行う。
【0034】
端末装置4Aは、電子カルテを作成する場合、検査装置5Aから検査画像の画像データを取り込む場合、検査画像を参照する場合等に用いられる。
【0035】
図3に、端末装置4Aの機能的構成を示す。
図3に示すように、端末装置4Aは、制御部41、操作部42、表示部43、通信部44、RAM45、記憶部46、I/F47等を備えて構成されており、各部はバス48により接続されている。
【0036】
制御部41は、CPU等から構成され、端末装置4Aの各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、操作部42から入力される操作信号又は通信部44により受信される指示信号に応じて、記憶部46に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAM45に展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0037】
操作部42は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部41に出力する。例えば、操作部42は、カルテ情報表示画面において検査項目を指定する際に用いられる。
【0038】
表示部43は、LCD等のモニターを備えて構成されており、制御部41から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。例えば、表示部43は、同一患者に関するカルテ情報表示画面及び検査画像表示画面を表示する。
【0039】
通信部44は、ネットワークインターフェース等により構成され、施設内ネットワーク7Aや通信ネットワークNを介して接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0040】
RAM45は、制御部41により実行制御される各種処理において、記憶部46から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメーター等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0041】
記憶部46は、HDDや不揮発性メモリー等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。具体的に、記憶部46には、アプリケーションプログラムP2等が記憶される。
【0042】
また、記憶部46には、検査−装置対応テーブルT1が記憶されている。検査−装置対応テーブルT1は、複数の検査項目について、各検査項目と当該検査項目の検査に用いる検査装置5Aとを対応付けたテーブルである。
【0043】
また、記憶部46には、端末装置4Aにおいて入力されたカルテ情報や、検査装置5Aから取得された検査画像の画像データが記憶される。
【0044】
I/F47は、検査装置5Aにおいて患者を撮影して得られた検査画像の画像データを取り込む取り込み手段である。
【0045】
制御部41は、アプリケーションプログラムP2との協働により、操作部42によりカルテ情報表示画面において検査項目が指定された場合に、記憶部46に記憶されている検査−装置対応テーブルT1を参照して、指定された検査項目に対応する検査装置5Aを特定する。制御部41は、特定された検査装置5Aに対して、I/F47を介して検査オーダーを送信し、I/F47を画像データの取り込みの待機状態とさせる。検査オーダーには、検査対象患者の氏名、性別、年齢、身長、体重等の患者情報、撮影部位、撮影方向等の検査条件等が含まれる。
【0046】
制御部41は、I/F47により検査装置5Aから画像データが取り込まれた場合に、取り込まれた画像データを、カルテ情報表示画面に表示されているカルテ情報と対応付けて記憶部46に記憶させる。
制御部41は、I/F47により検査装置5Aから画像データが取り込まれた場合に、取り込まれた画像データに基づいて検査画像を表示部43の検査画像表示画面に表示させる。
【0047】
制御部41は、I/F47により検査装置5Aから画像データが取り込まれた場合に、取り込まれた画像データを間引いて間引き画像データを生成し、当該間引き画像データに基づいてサムネイル画像をカルテ情報表示画面に表示させる。
制御部41は、間引き画像データを、カルテ情報表示画面に表示されているカルテ情報と対応付けて記憶部46に記憶させる。
【0048】
制御部41は、通信部44を制御して、記憶部46に記憶されたカルテ情報、検査画像の画像データ及び間引き画像データを、データ管理サーバー1が備えるセンターDB161に記憶させるために、データ管理サーバー1に送信させる。
【0049】
検査装置5Aは、患者の診断対象部位を被写体として撮影を行い、撮影した画像をデジタル変換して検査画像の画像データを生成する。検査装置5Aとして、CR(Computed Radiography)、CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)等が挙げられる。
なお、端末装置4Aに接続される検査装置5Aは一つでも複数でもよく、その数は限定されない。
【0050】
施設内システム2A以外の施設内システム2B等についても、施設内システム2Aと同様の構成であるため、説明を省略する。
【0051】
〔データ管理システムにおける動作〕
次に、データ管理システム100における動作について説明する。
図4は、端末装置4Aにおいて実行される処理を示すフローチャートである。この処理は、制御部41と記憶部46に記憶されているアプリケーションプログラムP2との協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0052】
まず、制御部41により、カルテ情報表示画面と検査画像表示画面とを含む医用情報表示画面が表示部43に表示される(ステップS1)。
【0053】
図5に、表示部43に表示される医用情報表示画面431の例を示す。
医用情報表示画面431には、カルテ情報表示画面81、検査画像表示画面82等が含まれる。
カルテ情報表示画面81には、前回カルテ情報表示画面83、カルテ情報入力画面84、スタンプ箱85等が含まれる。前回カルテ情報表示画面83には、前回のカルテ情報が表示される。カルテ情報入力画面84は、今回のカルテ情報を入力するための画面である。スタンプ箱85には、複数のカテゴリー毎に、診療行為や処方等のスタンプ(医事会計システム3Aにおいて薬価が付与されたアイテム)が選択可能に表示される。スタンプ箱85の各タブが各カテゴリーを表している。スタンプ箱85から各スタンプをカルテ情報入力画面84上にドラッグ&ドロップすることにより、頻繁に用いる検査の検査項目や処方内容を指定することができる。
検査画像表示画面82には、カルテ情報表示画面81にカルテ情報が表示されている患者と同一の患者について、検査装置5Aから取り込まれた検査画像の画像データに基づいて、検査画像が表示される。
【0054】
次に、制御部41により、カルテ情報表示画面において、ユーザーの操作部42からの操作により、検査項目が指定されたか否かが判断される(ステップS2)。具体的には、図5に示す医用情報表示画面431のカルテ情報表示画面81において、スタンプ箱85からいずれかの検査項目に対応するスタンプが選択され、カルテ情報入力画面84へドラッグ&ドロップされることにより、検査項目が指定される。
【0055】
カルテ情報表示画面において、検査項目が指定された場合には(ステップS2;YES)、制御部41により、記憶部46に記憶されている検査−装置対応テーブルT1が参照され、指定された検査項目に対応する検査装置5Aが特定される。そして、制御部41により、特定された検査装置5Aに対して、I/F47を介して検査オーダーが送信され(ステップS3)、I/F47が検査画像の画像データの取り込みの待機状態とされる(ステップS4)。
【0056】
例えば、図5に示すように、スタンプ箱85の放射線タブ86に含まれる「単純撮影(デジタル撮影)」を示すスタンプ87がカルテ情報入力画面84へドラッグ&ドロップされると、カルテ情報入力画面84内に「放射線(単純撮影(デジタル撮影))」の検査内容表示領域88が追加され、「単純撮影(デジタル撮影)×1枚」「電子画像管理加算(単純撮影)」が表示される。また、医用情報表示画面431内のCR装置(検査装置5A)からの取り込みボタンB1が押下された状態となる。取り込みボタンB1は、CR装置から送信される検査画像の画像データを現在診断対象となっている患者(カルテ情報表示画面81にカルテ情報が表示されている患者)の画像として取り込むことを指示するためのボタンである。
【0057】
検査装置5Aでは、検査オーダーに基づいて患者の撮影が行われ、検査画像の画像データが生成される。そして、検査装置5Aから端末装置4Aに画像データが送信される。
【0058】
検査装置5Aから画像データが受信されない場合には(ステップS5;NO)、ステップS4に戻り、画像データの取り込みの待機状態が継続する。
【0059】
検査装置5Aから画像データが受信された場合には(ステップS5;YES)、I/F47により、検査装置5Aから画像データが取り込まれる(ステップS6)。取り込まれた画像データは、制御部41により、RAM45に格納される。
【0060】
図6に、検査装置5Aから画像データの取り込み中に表示部43に表示される医用情報表示画面432の例を示す。検査画像表示画面82の取り込み状況表示領域89に、画像データが取り込まれた割合が表示される。
【0061】
次に、制御部41により、検査装置5Aから取り込まれた画像データに基づいて、検査画像が検査画像表示画面に表示される(ステップS7)。
【0062】
次に、制御部41により、検査装置5Aから取り込まれた画像データが間引かれ、間引き画像データが生成される(ステップS8)。生成された間引き画像データは、制御部41により、RAM45に格納される。
【0063】
次に、制御部41により、間引き画像データに基づいて、サムネイル画像がカルテ情報表示画面に表示される(ステップS9)。
【0064】
図7に、表示部43に表示される医用情報表示画面433の例を示す。検査画像表示画面82には、検査装置5Aから取り込まれた画像データに基づく検査画像が表示される。カルテ情報表示画面81のカルテ情報入力画面84内に、サムネイル画像表示領域90が追加され、サムネイル画像表示領域90に間引き画像データに基づくサムネイル画像が表示される。
【0065】
次に、制御部41により、検査装置5Aから取り込まれた検査画像の画像データ、及び、ステップS8において生成された間引き画像データが、カルテ情報表示画面に表示されているカルテ情報と対応付けられて記憶部46に記憶される(ステップS10)。
【0066】
ユーザーの操作部42からの操作により、カルテ情報の確定が指示されると、制御部41により、通信部44を介して、検査画像の画像データ及び間引き画像データが、カルテ情報と対応付けられてデータ管理サーバー1に送信される(ステップS11)。
【0067】
データ管理サーバー1では、通信部14により、端末装置4Aから検査画像の画像データ、間引き画像データ及びカルテ情報が受信され、制御部11により、画像データ及び間引き画像データが、カルテ情報と対応付けられて記憶部16のセンターDB161に格納される。
カルテ情報が参照される際には、カルテ情報表示画面内にサムネイル画像が表示され、サムネイル画像がクリックされると、高解像度・高精細画像(間引かれる前の画像データに基づく検査画像)が表示される。
【0068】
ステップS2において、検査項目が指定されない場合(ステップS2;NO)、又は、ステップS11の後、端末装置4Aにおいて実行される処理が終了する。
【0069】
なお、ここでは、端末装置4Aにおける処理について説明したが、端末装置4Bにおいても同様の処理が行われる。
【0070】
以上説明したように、本実施の形態によれば、画像データの取り込みをきっかけとして自動的に間引き画像データを生成し、間引き画像データに基づいてサムネイル画像をカルテ情報表示画面に表示させることができる。したがって、従来のように、検査画像表示画面に表示されている検査画像をドラッグ&ドロップしてカルテ情報表示画面に貼り付ける手間を省くことができ、カルテ情報の作成における操作性を向上させることができる。
【0071】
また、間引き画像データをカルテ情報と対応付けて記憶させることにより、カルテ情報を参照する際に、間引き画像データに基づくサムネイル画像を参照することができる。
【0072】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る医用情報処理装置の例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0073】
例えば、上記実施の形態では、カルテ情報表示画面81と検査画像表示画面82とが同一の画面(医用情報表示画面431〜433)内に含まれる場合について図示したが、カルテ情報表示画面81と検査画像表示画面82とが別個のウィンドウとして表示されることとしてもよいし、別々のモニターにそれぞれ表示されることとしてもよい。
【0074】
また、上記実施の形態では、端末装置4Aが検査装置5Aから検査画像の画像データを取り込む場合について説明したが、端末装置4A,4B等が検査装置5A,5B等から直接画像データを取り込まずに、他の装置を介して画像データを取り込むこととしてもよい。
【0075】
また、検査装置5Aにおいて1回の検査で生成される検査画像の画像データが複数存在し、端末装置4Aが検査装置5Aから複数の画像データを取り込む場合には、複数の画像データのうち、いずれか一つの画像データ(例えば、最初に生成された画像データ、その検査において代表的な部位を撮影して得られた画像データ、その検査において代表的な撮影方向から撮影して得られた画像データ等)について間引き画像データを生成し、この間引き画像データに基づいてサムネイル画像を表示することとしてもよい。
【0076】
以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピューター読み取り可能な媒体としてHDDや不揮発性メモリーを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 データ管理サーバー
2A,2B 施設内システム
3A,3B 医事会計システム
4A,4B 端末装置
5A,5B 検査装置
7A,7B 施設内ネットワーク
11 制御部
12 操作部
13 表示部
14 通信部
15 RAM
16 記憶部
41 制御部
42 操作部
43 表示部
44 通信部
45 RAM
46 記憶部
47 I/F
81 カルテ情報表示画面
82 検査画像表示画面
83 前回カルテ情報表示画面
84 カルテ情報入力画面
85 スタンプ箱
86 放射線タブ
87 スタンプ
88 検査内容表示領域
89 取り込み状況表示領域
90 サムネイル画像表示領域
100 データ管理システム
161 センターDB
431 医用情報表示画面
432 医用情報表示画面
433 医用情報表示画面
N 通信ネットワーク
P1 サーバープログラム
P2 アプリケーションプログラム
T1 検査−装置対応テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一患者に関するカルテ情報表示画面及び検査画像表示画面を表示する表示手段と、
検査画像の画像データを取り込む取り込み手段と、
前記取り込み手段により前記画像データが取り込まれた場合に、当該取り込まれた画像データに基づいて検査画像を前記検査画像表示画面に表示させるとともに、前記取り込まれた画像データを間引いて間引き画像データを生成し、当該間引き画像データに基づいてサムネイル画像を前記カルテ情報表示画面に表示させる制御手段と、
を備える医用情報処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記間引き画像データを、前記カルテ情報表示画面に表示されているカルテ情報と対応付けて記憶手段に記憶させる、
請求項1に記載の医用情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−105352(P2013−105352A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249245(P2011−249245)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)