説明

医用情報処理装置

【課題】検査画像の画像データ及びカルテ情報の送信を容易に行う。
【解決手段】検査装置から検査画像の画像データを取得し(ステップS1)、取得された画像データに基づいて、検査画像を検査画像表示画面に表示する(ステップS2)。次に、ユーザーの操作部からの操作入力に基づいて、カルテ情報を作成し(ステップS3)、カルテ情報をカルテ情報表示画面に表示する(ステップS4)。操作部から送信指示があった場合に(ステップS5;YES)、カルテ情報をPDF形式に変換し(ステップS6)、カルテ情報と画像データとを対応付けて連携先の医療施設に送信する(ステップS7)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療の分野では、患者を撮影して得られる検査画像や医師の診察による診療録(カルテ)のデジタル化が進んでいる。検査画像を参照しながらカルテ情報を作成する場合には、カルテ情報を表示するカルテ情報表示画面と、検査画像を表示するための検査画像表示画面と、が並べられて表示される。
【0003】
また、複数の医療施設が連携して患者の検査や治療を行う医療連携が普及しつつある。例えば、複数の医師のスケジュールや専門分野に基づいて、医用画像を読影する医師を割り当て、割り当てた医師に対して医用画像を配信する遠隔読影システムが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−329190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、読影を依頼された医療施設や患者の病状を相談された医療施設において、検査画像のみに基づいて診断を行う場合に、情報不足のため診断の精度が低下するおそれがあった。検査画像に加えてカルテ情報を参照できると便利であるが、検査画像の画像データとは別にカルテ情報を他の医療施設に送信するとなると、作業が煩雑であった。
【0006】
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、検査画像の画像データ及びカルテ情報の送信を容易に行うことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、カルテ情報を作成する作成手段と、検査画像の画像データを取得する取得手段と、外部装置への送信指示を受け付ける操作手段と、前記操作手段から送信指示があった場合に、前記カルテ情報と前記画像データとを対応付けて前記外部装置に送信する制御手段と、を備える医用情報処理装置である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医用情報処理装置において、前記制御手段は、前記カルテ情報についてはPDF形式に変換してから送信し、前記画像データについてはDICOM形式で送信する。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の医用情報処理装置において、前記カルテ情報及び/又は前記画像データに基づく検査画像を表示する表示手段を備え、前記制御手段は、前記表示手段に前記カルテ情報及び前記検査画像が表示されている状態で、前記操作手段から送信指示があった場合には、前記カルテ情報と前記画像データとを対応付けて前記外部装置に送信し、前記表示手段に前記カルテ情報が表示され前記検査画像は表示されていない状態で、前記操作手段から送信指示があった場合には、前記カルテ情報のみを前記外部装置に送信し、前記表示手段に前記検査画像が表示され前記カルテ情報は表示されていない状態で、前記操作手段から送信指示があった場合には、前記画像データのみを前記外部装置に送信する。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、検査画像の画像データ及びカルテ情報の送信を容易に行うことができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、カルテ情報についてはPDF形式に変換してから送信するので、外部装置においてカルテ情報の参照が容易になる。また、画像データについてはDICOM形式で送信するので、外部装置とのデータ通信が容易になる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、表示手段におけるカルテ情報及び検査画像の表示状態に応じて、送信する内容を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】データ管理システムのシステム構成図である。
【図2】データ管理サーバーの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】端末装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態における端末装置において実行される第1の医用情報送信処理を示すフローチャートである。
【図5】医用情報表示画面の例である。
【図6】連携BOX出力画面の例である。
【図7】連携先選択画面の例である。
【図8】第2の実施の形態における端末装置において実行される第2の医用情報送信処理を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態における端末装置において実行される第2の医用情報送信処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施の形態)
まず、本発明に係る医用情報処理装置の第1の実施の形態について説明する。
【0015】
〔データ管理システムの構成〕
図1に、本発明に係る医用情報処理装置としての端末装置4A,4B,・・・を含むデータ管理システム100のシステム構成を示す。
図1に示すように、データ管理システム100は、地域のデータセンターに設置されたデータ管理サーバー1と、医療施設Aに設けられた施設内システム2Aと、医療施設Bに設けられた施設内システム2Bと、・・・を備えて構成されている。データ管理サーバー1、施設内システム2A、施設内システム2B、・・・は、インターネット等の通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続されている。
【0016】
データ管理サーバー1は、各医療施設において生成された検査画像の画像データを蓄積し管理する。また、データ管理サーバー1は、医療施設間の医療連携サービスを提供するものであり、各施設内システム2A,2B,・・・から他の施設内システムにおける検査や読影の依頼を受け付け、検査結果や読影結果のデータを管理する。
【0017】
施設内システム2Aは、医事会計システム3A、端末装置4A、検査装置5A及びルーター6Aを備え、医事会計システム3A、端末装置4A及びルーター6Aは、LAN(Local Area Network)等の施設内ネットワーク7Aにより相互にデータ通信可能に接続されて構成されている。施設内システム2Aを構成する装置のうち、少なくとも端末装置4Aは、ルーター6Aにより通信ネットワークNを介してデータ管理サーバー1とデータ通信可能に接続されている。
【0018】
施設内システム2Bは、医事会計システム3B、端末装置4B、検査装置5B及びルーター6Bを備え、医事会計システム3B、端末装置4B及びルーター6Bは、LAN等の施設内ネットワーク7Bにより相互にデータ通信可能に接続されて構成されている。施設内システム2Bを構成する装置のうち、少なくとも端末装置4Bは、ルーター6Bにより通信ネットワークNを介してデータ管理サーバー1とデータ通信可能に接続されている。
【0019】
なお、データ管理システム100を構成する施設内システム2A,2B等の施設内システム、各施設内システムの各装置の数は、特に限定されない。
また、データ管理システム100における通信方式としては、一般的に、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格が用いられており、各装置間の通信では、DICOM MWM(Modality Worklist Management)やDICOM MPPS(Modality Performed Procedure Step)が用いられる。
【0020】
〔データ管理サーバーの構成〕
図2に、データ管理サーバー1の機能的構成を示す。
図2に示すように、データ管理サーバー1は、制御部11、操作部12、表示部13、通信部14、RAM15、記憶部16等を備えて構成されており、各部はバス17により接続されている。
【0021】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、データ管理サーバー1の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、操作部12から入力される操作信号又は通信部14により受信される指示信号に応じて、記憶部16に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAM15に展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0022】
操作部12は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部11に出力する。
【0023】
表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成されており、制御部11から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0024】
通信部14は、ネットワークインターフェース等により構成され、通信ネットワークNを介して接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0025】
RAM15は、制御部11により実行制御される各種処理において、記憶部16から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメーター等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0026】
記憶部16は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリー等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。具体的に、記憶部16には、サーバープログラムP1、センターDB(DataBase)161、連携BOX162、アプリケーションプログラムP2等が記憶されている。
【0027】
サーバープログラムP1は、データ管理サーバー1におけるデータ管理処理、アプリケーションプログラムP2や医療連携サービスを提供する処理等を実行するためのプログラムである。
【0028】
センターDB161には、各医療施設A,B,・・・の端末装置4A,4B,・・・から送信された患者基本情報、カルテ情報、検査画像の画像データ等が格納されている。
【0029】
患者基本情報は、患者に関する情報であり、患者ID、患者氏名、年齢、性別、生年月日、受診日時等を含む。患者基本情報は、各医療施設A,B,・・・の端末装置4A,4B,・・・が医事会計システム3A,3B,・・・から取得したものである。
カルテ情報は、各医療施設A,B,・・・における患者の診療の経過を示す情報であり、病名、検査内容、処方情報等を含む。カルテ情報は、複数の患者毎、受診毎に作成される。
検査画像の画像データは、各医療施設A,B,・・・において患者を検査して得られた画像データである。検査画像の画像データは、DICOM規格に則ったDICOMファイル形式で保存されており、患者ID、検査ID、患者氏名、検査日時、モダリティー等の付帯情報が付帯されている。
【0030】
連携BOX162には、各医療施設A,B,・・・の間で医療連携が行われる場合に、他の医療施設に提供される情報が記憶される。また、連携BOX162に記憶されるそれぞれの情報には、公開が許可された連携先(医療施設やユーザー)を示す連携先情報が対応付けられている。
【0031】
例えば、他の医療施設に患者を紹介する場合には、その患者のカルテ情報及び検査画像の画像データが連携BOX162に記憶され、紹介先の医療施設に対して、カルテ情報及び画像データが公開される。
【0032】
また、他の医療施設に対して検査の依頼が行われた場合には、他の医療施設で行われた検査結果のデータが連携BOX162に記憶され、依頼元の医療施設に対して、検査結果のデータが公開される。
【0033】
また、他の医療施設に対して読影の依頼が行われた場合には、その患者のカルテ情報及び読影対象の検査画像の画像データが連携BOX162に記憶され、読影依頼先の医療施設に対して、カルテ情報及び画像データが公開される。読影依頼先の医療施設で作成された読影結果のデータは連携BOX162に記憶され、読影依頼元の医療施設に対して、読影結果のデータが公開される。
【0034】
また、他の医療施設に対して患者の診断に関する相談が行われた場合には、その患者のカルテ情報及び検査画像の画像データが連携BOX162に記憶され、相談先の医療施設に対して、カルテ情報及び画像データが公開される。相談先の医療施設で作成された回答結果のデータは連携BOX162に記憶され、相談した医療施設に対して、回答結果のデータが公開される。
【0035】
アプリケーションプログラムP2は、施設内システム2A,2B,・・・の端末装置4A,4B,・・・からデータ管理サーバー1にアクセスがあった場合に、必要に応じてダウンロードされるSaaS(Software as a Service)型アプリケーションである。アプリケーションプログラムP2は、端末装置4A,4B,・・・において、電子カルテ作成機能、画像ビューアー機能等を実現させるためのプログラムである。
【0036】
制御部11は、通信部14により、端末装置4A,4B,・・・から患者基本情報、カルテ情報、検査画像の画像データ等を受信すると、受信された患者基本情報、カルテ情報、検査画像の画像データ等を記憶部16のセンターDB161に格納する。
【0037】
制御部11は、データ管理システム100内の各医療施設から他の医療施設への検査依頼や読影依頼等を受け付け、他の医療施設に対して検査依頼や読影依頼等を通知する。また、制御部11は、当該他の医療施設から検査依頼に応じて行われた検査に係る検査データや、読影依頼に応じて行われた読影に係るレポートデータ等を取得し、依頼元の医療施設へ提供する。
【0038】
〔施設内システムの構成〕
次に、施設内システム2Aを構成する各装置について説明する。
医事会計システム3Aは、制御部、操作部、表示部、通信部、RAM、記憶部等を備えたコンピューター装置であり、会計計算、保険点数計算等を行う。
【0039】
端末装置4Aは、電子カルテを作成する場合、検査装置5Aから検査画像の画像データを取り込む場合、検査画像を参照する場合等に用いられる。
【0040】
図3に、端末装置4Aの機能的構成を示す。
図3に示すように、端末装置4Aは、制御部41、操作部42、表示部43、通信部44、RAM45、記憶部46、I/F47等を備えて構成されており、各部はバス48により接続されている。
【0041】
制御部41は、CPU等から構成され、端末装置4Aの各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、操作部42から入力される操作信号又は通信部44により受信される指示信号に応じて、記憶部46に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAM45に展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0042】
操作部42は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部41に出力する。例えば、操作部42は、外部装置への送信指示を受け付け、受け付けた送信指示を示す操作信号を制御部41に出力する。
【0043】
表示部43は、LCD等のモニターを備えて構成されており、制御部41から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。例えば、表示部43は、カルテ情報及び検査画像を表示する。
【0044】
通信部44は、ネットワークインターフェース等により構成され、施設内ネットワーク7Aや通信ネットワークNを介して接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0045】
RAM45は、制御部41により実行制御される各種処理において、記憶部46から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメーター等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0046】
記憶部46は、HDDや不揮発性メモリー等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。具体的に、記憶部46には、アプリケーションプログラムP2等が記憶される。
【0047】
I/F47は、検査装置5Aにおいて患者を撮影して得られた検査画像の画像データを取り込む。
【0048】
制御部41は、操作部42からの操作に基づいて、カルテ情報を作成する。既に作成されているカルテ情報を読み出す場合には、制御部41は、操作部42からの操作に基づいて、通信部44を介して、診断対象患者のカルテ情報の取得要求をデータ管理サーバー1に送信し、データ管理サーバー1から送信されたカルテ情報を取得する。
【0049】
制御部41は、検査画像の画像データを取得する。新たに検査が行われる場合には、制御部41は、I/F47を介して、検査装置5Aから検査画像の画像データを取得する。既に保存されている画像データを読み出す場合には、制御部41は、操作部42からの操作に基づいて、通信部44を介して、診断対象患者の画像データの取得要求をデータ管理サーバー1に送信し、データ管理サーバー1から送信された画像データを取得する。
【0050】
制御部41は、カルテ情報及び画像データに基づく検査画像を表示部43に表示させる。
【0051】
制御部41は、操作部42から送信指示があった場合に、通信部44を介して、カルテ情報と画像データとを対応付けて外部装置としての連携先の医療施設に送信する。具体的には、制御部41は、カルテ情報と画像データとを対応付けて、公開を許可する連携先を示す連携先情報とともにデータ管理サーバー1に送信する(連携BOX162へのアップロード)。この際、制御部41は、カルテ情報についてはPDF(Portable Document Format)形式に変換してから送信し、画像データについてはDICOM形式で送信する。
【0052】
制御部41は、通信部44を制御して、作成されたカルテ情報を、データ管理サーバー1が備えるセンターDB161に記憶させるために、データ管理サーバー1に送信させる(通常のアップロード)。
【0053】
制御部41は、通信部44を制御して、検査装置5Aから取得された検査画像の画像データを、データ管理サーバー1が備えるセンターDB161に記憶させるために、付帯情報(患者ID、検査ID、患者氏名、検査日時、モダリティー等)とともに、データ管理サーバー1に送信させる(通常のアップロード)。
【0054】
検査装置5Aは、患者の診断対象部位を被写体として撮影を行い、撮影した画像をデジタル変換して検査画像の画像データを生成する。検査装置5Aとして、CR(Computed Radiography)、CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)等が挙げられる。
【0055】
施設内システム2A以外の施設内システム2B等についても、施設内システム2Aと同様の構成であるため、説明を省略する。
【0056】
〔データ管理システムにおける動作〕
次に、データ管理システム100における動作について説明する。
図4は、端末装置4Aにおいて実行される第1の医用情報送信処理を示すフローチャートである。この処理は、制御部41と記憶部46に記憶されているアプリケーションプログラムP2との協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0057】
まず、制御部41により、I/F47を介して、検査装置5Aから検査画像の画像データが取得されると(ステップS1)、取得された画像データに基づいて、検査画像が表示部43の検査画像表示画面に表示される(ステップS2)。取得された画像データは、制御部41により、RAM45に格納される。
【0058】
次に、ユーザー(医師)が、患者の症状や検査画像に基づいて、操作部42からカルテ情報を入力する。制御部41により、操作部42からの操作入力に基づいて、カルテ情報が作成されると(ステップS3)、カルテ情報が表示部43のカルテ情報表示画面に表示される(ステップS4)。作成されたカルテ情報は、制御部41により、RAM45に格納される。
【0059】
次に、制御部41により、操作部42から送信指示があったか否かが判断される(ステップS5)。操作部42から送信指示があった場合には(ステップS5;YES)、制御部41により、カルテ情報がPDF形式に変換される(ステップS6)。そして、制御部41により、通信部44を介して、カルテ情報と画像データとが対応付けられて連携先の医療施設に送信される(ステップS7)。具体的には、制御部41により、カルテ情報と画像データとが対応付けられて、連携先情報とともにデータ管理サーバー1に送信される。この際、画像データについてはDICOM形式で送信される。
【0060】
データ管理サーバー1では、通信部14により、カルテ情報、画像データ及び連携先情報が受信され、制御部11により、カルテ情報と画像データと連携先情報とが対応付けられて記憶部16の連携BOX162に格納される。
連携先の医療施設では、データ管理サーバー1にアクセスすることにより、連携BOX162に格納されているカルテ情報及び画像データを参照可能となる。
【0061】
ステップS7の後、又は、ステップS5において、操作部42から送信指示がない場合には(ステップS5;NO)、第1の医用情報送信処理が終了する。
【0062】
なお、ここでは、端末装置4Aにおける処理について説明したが、端末装置4Bにおいても同様の処理が行われる。
【0063】
図5に、表示部43に表示される医用情報表示画面431の例を示す。
医用情報表示画面431には、カルテ情報表示画面81、検査画像表示画面82、連携ボタンB1等が含まれる。カルテ情報表示画面81には、診断対象患者のカルテ情報が表示される。検査画像表示画面82には、検査装置5Aから取得された画像データに基づいて、検査画像が表示される。連携ボタンB1は、データ管理システム100内の他の医療施設に対して読影や検査を依頼したり、患者を紹介したりする際に押下される。
【0064】
ユーザーの操作部42からの操作により、医用情報表示画面431の連携ボタンB1が押下されると、制御部11により、図6に示す連携BOX出力画面432が表示部43に表示される。
連携BOX出力画面432には、送信画像選択領域83、次へボタンB2等が含まれる。送信画像選択領域83には、医療連携を行う際に連携先に送信する画像の候補が表示される。図6の例では、送信画像選択領域83にカルテ情報G1及び検査画像G2が表示されている。ユーザーは、操作部42からの操作により、送信する画像の選択や選択の解除を行うことができる。
【0065】
送信画像選択領域83において、カルテ情報G1及び検査画像G2が選択された状態で、ユーザーの操作部42からの操作により、次へボタンB2が押下されると、制御部11により、図7に示す連携先選択画面433が表示部43に表示される。
連携先選択画面433には、連携先選択領域84、マスク選択領域85、コメント入力領域86、送信ボタンB3等が含まれる。連携先選択領域84には、医療連携を行う連携先の候補(医療施設名)が表示される。連携先選択領域84において、ユーザーは、操作部42からの操作により、連携先の医療施設を選択する。マスク選択領域85は、送信する患者情報の中からマスクする内容を選択するための領域である。コメント入力領域86は、連携先へのコメントを入力するための領域である。
【0066】
連携先選択領域84において、連携先の医療施設が選択された状態で、ユーザーの操作部42からの操作により、送信ボタンB3が押下されると、制御部11により、カルテ情報と画像データとが対応付けられて連携先情報とともにデータ管理サーバー1に送信される。
【0067】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、検査画像の画像データとカルテ情報とを別々に送信する手間を省くことができるので、検査画像の画像データ及びカルテ情報の送信を容易に行うことができる。
【0068】
また、カルテ情報についてはPDF形式に変換してから送信するので、連携先の医療施設においてカルテ情報の参照が容易になる。また、画像データについてはDICOM形式で送信するので、連携先の医療施設とのデータ通信が容易になる。
【0069】
(第2の実施の形態)
次に、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態におけるデータ管理システムは、第1の実施の形態に示したデータ管理システム100と同様の構成によってなるため、図1、図2及び図3を援用し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第2の実施の形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
第2の実施の形態では、端末装置4Aの表示部43の表示状態に応じて送信内容を変更する。
【0070】
制御部41は、表示部43のカルテ情報表示画面にカルテ情報が表示され、かつ、表示部43の検査画像表示画面に検査画像が表示されている状態で、操作部42から送信指示があった場合には、通信部44を介して、カルテ情報と画像データとを対応付けて外部装置としての連携先の医療施設に送信する。具体的には、制御部41は、カルテ情報と画像データとを対応付けて、公開を許可する連携先を示す連携先情報とともにデータ管理サーバー1に送信する。
【0071】
制御部41は、表示部43のカルテ情報表示画面にカルテ情報が表示され、かつ、表示部43の検査画像表示画面に検査画像が表示されていない状態で、操作部42から送信指示があった場合には、通信部44を介して、カルテ情報のみを連携先の医療施設に送信する。具体的には、制御部41は、カルテ情報を連携先情報とともにデータ管理サーバー1に送信する。
【0072】
制御部41は、表示部43の検査画像表示画面に検査画像が表示され、かつ、表示部43のカルテ情報表示画面にカルテ情報が表示さていない状態で、操作部42から送信指示があった場合には、通信部44を介して、画像データのみを連携先の医療施設に送信する。具体的には、制御部41は、画像データを連携先情報とともにデータ管理サーバー1に送信する。
【0073】
次に、第2の実施の形態のデータ管理システムにおける動作について説明する。
図8及び図9は、端末装置4Aにおいて実行される第2の医用情報送信処理を示すフローチャートである。この処理は、制御部41と記憶部46に記憶されているアプリケーションプログラムP2との協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0074】
まず、制御部41により、I/F47を介して、検査装置5Aから検査画像の画像データが取得されると(ステップS11;YES)、取得された画像データに基づいて、検査画像が表示部43の検査画像表示画面に表示される(ステップS12)。取得された画像データは、制御部41により、RAM45に格納される。
【0075】
ステップS12の後、又は、ステップS11において、検査装置5Aから画像データが取得されない場合には(ステップS11;NO)、ステップS13に移行する。
【0076】
次に、ユーザー(医師)が、患者の症状や検査画像に基づいて、操作部42からカルテ情報を入力し、制御部41により、操作部42からの操作入力に基づいて、カルテ情報が作成されると(ステップS13;YES)、制御部41により、カルテ情報が表示部43のカルテ情報表示画面に表示される(ステップS14)。作成されたカルテ情報は、制御部41により、RAM45に格納される。
【0077】
ステップS14の後、又は、ステップS13において、カルテ情報が作成されない場合には(ステップS13;NO)、図9のステップS15に移行する。
【0078】
次に、制御部41により、操作部42から送信指示があったか否かが判断される(ステップS15)。操作部42から送信指示があった場合には(ステップS15;YES)、制御部41により、表示部43の検査画像表示画面に検査画像が表示されているか否かが判断される(ステップS16)。
【0079】
検査画像表示画面に検査画像が表示されている場合には(ステップS16;YES)、制御部41により、表示部43のカルテ情報表示画面にカルテ情報が表示されているか否かが判断される(ステップS17)。
【0080】
カルテ情報表示画面にカルテ情報が表示されている場合には(ステップS17;YES)、制御部41により、カルテ情報がPDF形式に変換される(ステップS18)。そして、制御部41により、通信部44を介して、カルテ情報と画像データとが対応付けられて連携先の医療施設に送信される(ステップS19)。具体的には、制御部41により、カルテ情報と画像データとが対応付けられて、連携先情報とともにデータ管理サーバー1に送信される。この際、画像データについてはDICOM形式で送信される。
【0081】
データ管理サーバー1では、通信部14により、カルテ情報、画像データ及び連携先情報が受信され、制御部11により、カルテ情報と画像データと連携先情報とが対応付けられて記憶部16の連携BOX162に格納される。
連携先の医療施設では、データ管理サーバー1にアクセスすることにより、連携BOX162に格納されているカルテ情報及び画像データを参照可能となる。
【0082】
ステップS17において、カルテ情報表示画面にカルテ情報が表示されていない場合(ステップS17;NO)、すなわち、検査画像のみが表示されている場合には、制御部41により、通信部44を介して、画像データのみが連携先の医療施設に送信される(ステップS20)。具体的には、制御部41により、画像データが連携先情報とともにデータ管理サーバー1に送信される。
【0083】
データ管理サーバー1では、通信部14により、画像データ及び連携先情報が受信され、制御部11により、画像データと連携先情報とが対応付けられて記憶部16の連携BOX162に格納される。
連携先の医療施設では、データ管理サーバー1にアクセスすることにより、連携BOX162に格納されている画像データを参照可能となる。
【0084】
ステップS16において、検査画像表示画面に検査画像が表示されていない場合には(ステップS16;NO)、制御部41により、表示部43のカルテ情報表示画面にカルテ情報が表示されているか否かが判断される(ステップS21)。
【0085】
カルテ情報表示画面にカルテ情報が表示されている場合には(ステップS21;YES)、制御部41により、カルテ情報がPDF形式に変換され(ステップS22)、通信部44を介して、カルテ情報のみが連携先の医療施設に送信される(ステップS23)。具体的には、制御部41により、カルテ情報が連携先情報とともにデータ管理サーバー1に送信される。
【0086】
データ管理サーバー1では、通信部14により、カルテ情報及び連携先情報が受信され、制御部11により、カルテ情報と連携先情報とが対応付けられて記憶部16の連携BOX162に格納される。
連携先の医療施設では、データ管理サーバー1にアクセスすることにより、連携BOX162に格納されているカルテ情報を参照可能となる。
【0087】
ステップS19の後、ステップS20の後、ステップS23の後、ステップS15において、操作部42から送信指示がない場合(ステップS15;NO)、又は、ステップS21において、カルテ情報表示画面にカルテ情報が表示されていない場合には(ステップS21;NO)、第2の医用情報送信処理が終了する。
【0088】
なお、ここでは、端末装置4Aにおける処理について説明したが、端末装置4Bにおいても同様の処理が行われる。
【0089】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果に加え、表示部43におけるカルテ情報及び検査画像の表示状態に応じて、連携先の医療施設に送信する内容を変更することができる。
【0090】
なお、上記各実施の形態における記述は、本発明に係る医用情報処理装置の例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0091】
例えば、上記各実施の形態では、検査装置5Aから取得した検査画像の画像データを連携先の医療施設に送信する場合について説明したが、データ管理サーバー1に保存されている画像データを取得し、取得された画像データを連携先の医療施設に送信することとしてもよい。
また、カルテ情報についても、データ管理サーバー1に保存されているカルテ情報を取得し、取得されたカルテ情報を連携先の医療施設に送信することとしてもよい。
【0092】
また、上記各実施の形態では、端末装置4Aから連携先にカルテ情報を送信する際に、PDF形式に変換してから送信することとしたが、カルテ情報をXML(Extensible Markup Language)形式のデータに変換してから送信することとしてもよい。
【0093】
また、上記各実施の形態では、データ管理サーバー1の連携BOX162にデータを格納して連携先の医療施設からデータを参照可能とする場合について説明したが、連携先の医療施設においてデータが参照可能となれば、どのような送信方法を用いてもよい。
【0094】
以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピューター読み取り可能な媒体としてHDDや不揮発性メモリーを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【符号の説明】
【0095】
1 データ管理サーバー
2A,2B 施設内システム
3A,3B 医事会計システム
4A,4B 端末装置
5A,5B 検査装置
7A,7B 施設内ネットワーク
11 制御部
12 操作部
13 表示部
14 通信部
15 RAM
16 記憶部
41 制御部
42 操作部
43 表示部
44 通信部
45 RAM
46 記憶部
47 I/F
81 カルテ情報表示画面
82 検査画像表示画面
100 データ管理システム
161 センターDB
162 連携BOX
431 医用情報表示画面
432 連携BOX出力画面
433 連携先選択画面
N 通信ネットワーク
P1 サーバープログラム
P2 アプリケーションプログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルテ情報を作成する作成手段と、
検査画像の画像データを取得する取得手段と、
外部装置への送信指示を受け付ける操作手段と、
前記操作手段から送信指示があった場合に、前記カルテ情報と前記画像データとを対応付けて前記外部装置に送信する制御手段と、
を備える医用情報処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記カルテ情報についてはPDF形式に変換してから送信し、前記画像データについてはDICOM形式で送信する、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項3】
前記カルテ情報及び/又は前記画像データに基づく検査画像を表示する表示手段を備え、
前記制御手段は、
前記表示手段に前記カルテ情報及び前記検査画像が表示されている状態で、前記操作手段から送信指示があった場合には、前記カルテ情報と前記画像データとを対応付けて前記外部装置に送信し、
前記表示手段に前記カルテ情報が表示され前記検査画像は表示されていない状態で、前記操作手段から送信指示があった場合には、前記カルテ情報のみを前記外部装置に送信し、
前記表示手段に前記検査画像が表示され前記カルテ情報は表示されていない状態で、前記操作手段から送信指示があった場合には、前記画像データのみを前記外部装置に送信する、
請求項1又は2に記載の医用情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−105353(P2013−105353A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249247(P2011−249247)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)