説明

医用情報表示装置およびその動作方法、並びに医用情報表示プログラム

【課題】所定の期間内に患者が受診した疾患の経過を容易に把握する。
【解決手段】タイムラインT上で所定の期間を指定し、指定された期間内に所定の被検者が診察を受けた電子診療録情報Lを検索して、電子診療録情報Lに記録されている全ての診察部位を抽出する。被検者の外観を表す外観画像BDを表示するとともに、該外観画像上の診察部位の位置に該診察部位を示すマークM1,M2,M3を重ねて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラフィカルユーザインターフェースを用いて、ユーザが所望する医療情報を表示させる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療現場では、カルテ等の文字情報をはじめ、CT、MRI、US、PET等のモダリティで取得された画像、心電図や脳波等の波形の情報、各種検査報告等の多種多様な医療情報が電子データとして蓄積されている。
【0003】
また、近年、各医療機関の専用サーバに格納された医療情報を、サービスセンターを経由して各々の医療機関が閲覧できる仕組みが提供されている。例えば、サービスセンターに、どの医療機関のサーバにその患者の情報が格納されているかといった医療情報の所在管理、医療機関ごとの患者番号(患者ID)のリンクや医療情報のアクセス権管理などをサービスセンターで行い、連携している中核病院等の情報公開する施設と、診療所などの情報を閲覧する施設とが、セキュリティが担保されたVPNやSSLなどのネットワークを介して結ばれている。
【0004】
各医療機関は、情報共有する患者のIDを入力すると、地域の医療機関に分散した患者の医療情報を一覧表示した画面で共有でき、処方や検査データの閲覧に加え、医用画像もDICOM Viewerで閲覧できようにしている。さらに、文書ファイルなどの共有もでき、診療所などの情報閲覧施設からも利用可能にしたものがある。
【0005】
このような膨大な医療情報の選択や確認を容易にする手法として、様々なユーザインターフェースが提案されている。例えば、表示画面に表示された人型内の部位や、体の一部を示すイメージ内の部位をポインティングデバイスで指定することにより、指定された部分およびその周辺における疾患部位に関する医用画像が医用情報データベースから抽出され、抽出された医用画像の一覧画面が表示されるものが知られている(例えば、特許文献1)。
【0006】
また、医用画像処理用ワークステーションに接続されて使用されるタッチパネル式ディスプレイを備えた入力装置で、タッチ操作により、アキシャル断面画像中に基準線を作成すると、作成された基準線を切断面とするコロナル断面画像を作成して表示させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−260030号公報
【特許文献2】特開2009−119000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
実際の治療においては、過去において患者がどのような疾患を患い、どのような治療を行ったのかが、今後の治療に大きく影響する場合がある。そこで、現在治療している部位に関する情報のみではなく、過去の患者の医療記録を参考にしたいという要望がある。
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載されたユーザインターフェースは、より多くの医療情報を取得しようとするものであるが、一つの部位に関する情報の取得を目的としており、他の部位の疾患については把握することができない。また、特許文献2に記載されたユーザインターフェースは、既に選択されている画像を切り替える操作のためのものであり、他にどのような画像が存在しているかは確認できない。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、所定の期間内に患者が受診した疾患の経過を容易に把握することが可能な医療情報表示装置および方法、並びにプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の医用情報表示装置は、時間軸を表すタイムラインを表示装置上に表示するタイムライン表示手段と、前記タイムライン上で所定の期間を指定する指定入力を受け付けるタイムライン指定入力受付手段と、前記指定された期間内に所定の被検者が診察を受けた電子診療録情報を、多数の電子診療録情報を記憶した電子診療録記憶手段より検索して、電子診療録情報群を得る電子診療録情報検索手段と、前記電子診療録情報群に記録されている全ての診察部位を抽出する診察対象部位抽出手段と、前記被検者の外観を表す外観画像を前記表示装置上に表示するとともに、該外観画像上の前記抽出された診察部位に対応する位置に該診察部位を示すマークを重ねて表示する診察部位位置表示手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の上記の医用情報表示装置の動作方法は、前記タイムライン表示手段によって、時間軸を表すタイムラインを表示装置上に表示するタイムライン表示ステップと、前記タイムライン指定入力受付手段によって、前記タイムライン上で所定の期間を指定する指定入力を受け付けるタイムライン指定入力受付ステップと、前記電子診療録情報検索手段によって、前記指定された期間内に所定の被検者が診察を受けた電子診療録情報を、多数の電子診療録情報を記憶した電子診療録記憶手段より検索して電子診療録情報群を得る電子診療録情報検索ステップと、前記診察対象部位抽出手段によって、前記電子診療録情報群に記録されている全ての診察部位を抽出する診察対象部位抽出ステップと、前記診察部位位置表示手段によって、前記被検者の外観を表す外観画像を前記表示装置上に表示するとともに、該外観画像上の前記抽出された診察部位に対応する位置に該診察部位を示すマークを重ねて表示する診察部位位置表示ステップとを実行することを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の医用情報表示プログラムは、コンピュータを、時間軸を表すタイムラインを表示装置上に表示するタイムライン表示手段と、前記タイムライン上で所定の期間を指定する指定入力を受け付けるタイムライン指定入力受付手段と、前記指定された期間内に所定の被検者が診察を受けた電子診療録情報を、多数の電子診療録情報を記憶した電子診療録記憶手段より検索して電子診療録情報群を得る電子診療録情報検索手段と、前記電子診療録情報群に記録されている全ての診察部位を抽出する診察対象部位抽出手段と、前記被検者の外観を表す外観画像を前記表示装置上に表示するとともに、該外観画像上の前記抽出された診察部位に対応する位置に該診察部位を示すマークを重ねて表示する診察部位位置表示手段として機能させることを特徴とするものである。
【0014】
「外観画像」とは、人体の外観の模式図であって、頭部、胸部、腹部、腕、足等の標準的な形をあらわしたものをいう。
【0015】
また、前記診察部位位置表示手段は、前記電子診療録情報群のうち各診察部位に関連した電子診療録情報に基づいて、前記診察部位のそれぞれの重要度を求めて、前記診察部位のうち重要度が高い前記診察部位のマークの色を濃く表示し、前記診察部位のうち重要度が低くなるに従って前記診察部位のマークの色を薄くするように表示するものが好ましい。
【0016】
「前記診察部位のうち重要度が高い前記診察部位のマークの色を濃く表示し、前記診察部位のうち重要度が低くなるに従って前記診察部位のマークの色を薄くするように表示する」とは、複数の診療部位のマークの濃度値を、重要度が高い診療部位のマークの濃度値が重要度の低い診療部位のマークの濃度値よりも高くなるように表示することをいい、診察部位の重要度が低くなるに従って診察部位のマークの濃度値も徐々に低くすることをいう。
【0017】
また、前記重要度を、各診察部位の臓器の種類、各診察部位の疾患名、該診察部位に施した手術の術式、該手術の回数、および、該診察部位の診察頻度のうちの少なくとも1つに応じて求めるようにしてもよい。
【0018】
また、前記表示装置上に表示されている前記マークのうちのいずれか1つを指示する指示入力を受け付ける第1の指示入力受付手段と、該第1の指示入力受付手段の指示入力に応じて、前記電子診療録情報群のうち前記指示されたマークに対応する診察部位に関する電子診療録情報を前記表示装置上に表示する第1の電子診療録情報表示手段とをさらに備えたものが望ましい。
【0019】
また、前記電子診療録情報群に基づいて、前記表示装置上に表示されている前記各マークの診察部位の疾患名および/または該診察部位に施された術式名を該マークの近傍に表示する診察部位情報表示手段と、前記マークの近傍に表示された該診察部位の疾患名および/または該診察部位に施された術式名のうちの1つを指示する指示入力を受け付ける第2の指示入力受付手段と、該第2の指示入力受付手段の指示入力に応じて、前記電子診療録情報群のうち前記指示された診察部位の疾患名または該診察部位に施された術式名に関する電子診療録情報を前記表示装置上に表示する第2の電子診療録情報表示手段とをさらに備えたものが望ましい。
【0020】
また、前記第1または第2の電子診療録情報表示手段で表示した電子診療録情報に関連する医用画像を、多数の医用画像を記憶する医用画像記憶手段から検索して前記表示装置上に表示する医用画像表示手段をさらに備えたものが望ましい。
【0021】
さらに。前記第1または第2の電子診療録情報表示手段で表示した電子診療録情報に関連する検査情報を、多数の検査情報を記憶する検査情報記憶手段から検索して前記表示装置上に表示する検査情報表示手段をさらに備えたものが望ましい。
【0022】
さらにまた、前記タイムライン指定入力受付手段が、マウス、キーボード、および、前記表示装置に設けられたタッチパネルのいずれかからの入力を受け付けるものが望ましい。
【発明の効果】
【0023】
タイムライン上で指定された期間内に被検者が診察を受けた電子診療録情報を検索して、検索された電子診療録情報に記録されている全ての診察部位を抽出し、人体の外観を表す外観画像上に抽出された診察部位を示すマークを重ねて表示することにより、指定された期間内に被検者が受信した診療部位を即座に認識することが可能になる。
【0024】
また、診察部位のうち重要度が高い前記診察部位のマークの色を濃く表示し、重要度が低くなるに従って色を薄くするように表示することにより、診察部位のマークの濃淡から重要な疾患があった臓器を確認することが可能になる。
【0025】
また、前記マークのうちのいずれか1つを指示すると、電子診療録情報のうち指示されたマークに対応する診察部位に関する電子診療録情報を表示するようにすれば、各診察部位毎に過去の診療の経過を確認することが可能になる。
【0026】
また、各マークの診察部位の疾患名および/または該診察部位に施された術式名を該マークの近傍に表示して、その診察部位の疾患名および/または該診察部位に施された術式名のうちの1つを指示すると、電子診療録情報のうち指示された診察部位の疾患名または該診察部位に施された術式名に関する電子診療録情報を表示するようにすれば、各診察部位に複数の疾患を患っていた場合でも特定の疾患、または、治療のために行なわれた手術だけに注目して診療の経過を確認することが可能になる。
【0027】
さらに、表示した電子診療録情報に関連する医用画像または検査情報も併せて表示することにより、診察のために行なわれた各種の画像診断や検査結果の全体を見渡すことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態となる医療情報表示装置を含む医療情報統合システムとその周辺システムの構成を表した図
【図2】本発明の実施形態となる医療情報表示装置の外観の一例を示す図
【図3】本発明の実施形態となる医療情報表示装置と医療情報管理サーバの主要構成要素を表したブロック図
【図4A】医療情報統合システムで行われる医療情報の表示処理の流れを示したフローチャート(その1)
【図4B】医療情報統合システムで行われる医療情報の表示処理の流れを示したフローチャート(その2)
【図5】人体の外観画像と医療情報の一覧を表示した表示画面の一例を示す図
【図6】本発明の医療情報管理システムにおいて他の医療機関に分散した患者の医療情報を統合管理する場合の構成を表した図
【図7】本発明の医療情報管理システムに患者の自宅から接続する場合の構成を表した図
【図8】患者の自宅のコンピュータで管理する健康状態情報を表示した表示画面の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、本発明の実施形態となる医療情報表示装置1を含む医療情報統合システム3とその周辺のシステムの構成を表したものである。図に示したように、医療情報統合システム3は、電子カルテシステム4、画像診断システム5、内視鏡検査システム6、病理検査システム7、各診療科システム8とネットワーク9を介して通信可能に接続されて構成されている。また、医療情報統合システム3は、本発明の実施形態となる医療情報表示装置1と医療情報管理サーバ2とからなる。
【0030】
本実施形態では、電子カルテシステム4、画像診断システム5、内視鏡検査システム6、病理検査システム7、各診療科システム8で発生した医療情報は、医療情報管理サーバ2によって統合的に管理されている。また、医療情報表示装置1は、医療情報管理サーバ2に対して医療情報を要求し、医療情報管理サーバ2から提供された要求に合致する医療情報を表示する。
【0031】
医療情報表示装置1は、ワークステーション等のコンピュータであり、CPU、主記憶装置、補助記憶装置、入出力インターフェース、通信インターフェース、入力装置(マウス、キーボード等)、表示装置(ディスプレイモニタ、液晶ディスプレイ等)、データバス等の周知のハードウェア構成を備え、周知のオペレーティングシステム等がインストールされたものである。また、表示装置には、GUIと組み合わせて指の操作による入力が行えるように、タッチパネルを設けたものが好ましい。
【0032】
タッチパネルとしては、抵抗膜、静電容量、電磁誘導、表面弾性波(超音波)、赤外線等の公知の方式のものを用いることができるが、多様な指の操作を区別することができるように、投影型の静電容量方式等の、マルチタッチ(複数の位置でのタッチ)が検出可能なものを用いるのが好ましい。
【0033】
また、医療情報表示装置1は、図2に示すようなタッチパネル23と一体的に形成された液晶ディスプレイ24を正面に有したタブレット型端末であってもよい。タブレット型端末は持ち運びが可能なコンピュータであり、医療情報表示装置1と医療情報管理サーバ2との通信は、公知の移動体通信網や無線LAN等を介して行われる。
【0034】
一方、医療情報管理サーバ2は、医療情報データベースを備えたコンピュータであり、周知のオペレーティングシステムやデータベース管理用ソフトウェアの他、医療情報データベースへの医療情報の登録やこのデータベースからの医療情報の抽出を行うためのアプリケーションソフトウェアがインストールされている。
【0035】
また、電子カルテシステム4は公知のコンピュータシステムであり、例えば、各診療科等の端末と、電子診療録情報(以下、電子カルテ情報という)が格納された電子カルテデータベースを備えた電子カルテ管理サーバ41とがネットワーク9を介して通信可能に接続された構成となっており、各診療科等の端末で入力された電子カルテ情報が電子カルテデータベースを用いて管理される。
【0036】
電子カルテ情報には、例えば、患者の氏名、生年月日、性別等を含む患者情報、診察部位情報、各種検査の日付、検査の指示内容等を含む検査オーダ情報、受診した日付、主訴、確定診断名等を含む診断情報、手術、処置、投薬等の治療が行われた日付、治療内容等を含む治療情報等で構成される。電子カルテデータベースは、各患者を識別する患者IDが上記電子カルテ情報と関連づけられたデータベース構造となっている。
【0037】
各種検査には、各診療科からの発行された検査オーダ情報に基づいて各診療科と離れた検査室で行われる内視鏡検査・病理検査・画像診断、心電図などの各診療科で行われる検査等がある。検査オーダ情報には、検査種別や検査の詳細な指示が記録され、検査オーダ情報に従って撮影された医用画像と、検査オーダ情報に従って行なわれた検査の結果等を含む検査情報は、画像診断システム5、内視鏡検査システム6、病理検査システム7等で管理される。また、各診療科で行なわれた検査結果等の検査情報は各診療科システム8で管理される。
【0038】
画像診断システム5も公知のコンピュータシステムであり、例えば、画像診断医用ワークステーションと、CT、MRI等のモダリティでの撮影によって得られた画像データが格納された画像データベースを備えた画像管理サーバ51と、撮影で得られた画像の読影結果を含む読影レポートが格納された読影レポートデータベースを備えた読影レポートサーバ52とがネットワーク9を介して通信可能に接続された構成となっている。ここで、画像診断医用ワークステーションは、診断目的・対象に応じて、MIP、MPR、CPR、ボリュームレンダリング(VR)等の公知の画像処理や、骨抽出・除去、血管抽出、臓器抽出、異常陰影検出等の公知の画像解析処理を組み合わせて実行することが可能であり、これらの処理・解析済みの画像データも、画像データベースに格納される。また、画像データには、2次元画像(ピクセルデータ)と3次元画像(ボクセルデータ)の両方、および、静止画と動画の両方が含まれ得る。さらに、画像データベースでは、患者IDの他、個別の画像を識別する画像ID、その画像が得られたモダリティの情報、その画像に表されている被検体の部位の情報等の付帯情報が画像に関連づけられて格納されている。モダリティの情報は、モダリティ側で画像生成時に付与される。一方、被検者の部位の情報は、検査オーダ等に基づいてモダリティ側で画像生成時に付与してもよいし、CT等の断層画像の場合であれば、公知の部位認識処理(例えば特開2008−259682号公報等参照)を用いて、画像診断医用ワークステーション側でスライス毎に付与してもよい。また、読影レポートデータベースは、読影レポートと患者IDと読影対象の画像データの画像IDとが関連づけられたデータベース構造となっている。画像データや読影レポートは、個々の検査(撮影)を識別する検査オーダ情報を介して間接的に患者IDと関連づけられていてもよい。
【0039】
内視鏡検査システム6も公知のシステムであり、各種内視鏡での撮影によって得られた実内視鏡画像データや内視鏡検査の結果がまとめられた内視鏡検査レポート等が検査オーダ情報や患者IDと関連づけられた内視鏡検査データベースを備えた内視鏡検査管理サーバ61が、内視鏡検査データベースへのアクセスの制御を行っている。
【0040】
病理検査システム7も公知のシステムであり、病理検査で得られた顕微鏡画像データや病理検査の結果がまとめられた病理検査レポート等が検査オーダ情報や患者IDと関連づけられた病理検査データベースを備えた病理検査管理サーバ71が、病理検査データベースへのアクセスの制御を行っている。
【0041】
各診療科システム8には、その診療科の検査データや検査レポート等が検査オーダ情報や患者IDと関連づけられた各診療科のデータベースを備えた診療科検査管理サーバ81が、各診療科のデータベースへのアクセスの制御を行っている。ここで、各診療科の検査データとは、例えば、循環器科であれば心電図データ等(波形、数値等)、耳鼻咽喉科であれば聴覚検査データ等(波形、数値等)、眼科であれば視力検査や眼底検査データ等(数値等)である。
【0042】
本実施形態では、医療情報表示装置1からの要求に応じて、その要求に応じた医療情報を医療情報管理サーバ2から取得し、医療情報表示装置1の表示装置上に表示する場合について説明する。また、本実施形態では、医用画像には、モダリティでの撮影によって得られた画像データ、画像処理後の画像データ、実内視鏡画像データ、顕微鏡画像データが含まれ、検査情報には、読影レポート、内視鏡検査レポート、病理検査レポート、心電図データ(波形、数値等)、聴覚検査データ(波形、数値等)、視力検査や眼底検査データ等が含まれるものとする。また、画像管理サーバ51、内視鏡検査管理サーバ61および病理検査管理サーバ71が本発明の医用画像記憶手段を構成し、内視鏡検査管理サーバ61、読影レポートサーバ52、病理検査管理サーバ71および各診療科のデータベース81が本発明の検査情報記憶手段を構成するものとして以下説明する。
【0043】
図3は、医療情報表示装置1と医療情報管理サーバ2に実装される機能を模式的に表したブロック図である。図に示したように、本発明の医療情報表示装置1は、タイムライン表示手段11、タイムライン指定入力受付手段12、電子カルテ検索手段(電子診療録情報検索手段)13、診察対象部位抽出手段14、診察部位位置表示手段15、診察部位情報表示手段16、第1の指示入力受付手段17、第1の電子カルテ表示手段(第1の電子診療録情報表示手段)18、第2の指示入力受付手段19、第2の電子カルテ表示手段(第2の電子診療録情報表示手段)20、医用画像表示手段21、検査情報表示手段22とから構成される。医療情報管理サーバ2の医療情報管理部25では、他システム(電子カルテシステム4、画像診断システム5、内視鏡検査システム6、病理検査システム7、各診療科システム8を意味する)で発生した医療情報の所在の管理が患者IDに基づいて行われ、他システムの各サーバに対する医療情報の要求および取得が行われる。
【0044】
図4は、医療情報統合システム3で行われる処理の流れを示したフローチャートである。図5に医療情報表示装置1の表示装置の表示画面の一例を示す。
【0045】
図3、4、5を用いて、医療情報表示処理の全体の流れとともに、医療情報表示装置1の各処理と医療情報管理サーバ2の医療情報管理部25で行われる個々の処理の内容について説明する。
【0046】
まず、図5に示すように、医療情報表示装置1では表示装置の表示画面に患者IDの入力部INを表示する。まず、操作者は、キーボードを使って患者IDを入力部INに入力する(#1)。
【0047】
続いて、タイムライン表示手段11で、時間軸をあらわすタイムラインTを表示装置の画面の上部に表示する。
【0048】
タイムライン指定入力受付手段12は、表示装置上に表示されたタイムラインT上で指定された診療期間の入力を受け付ける。例えば、過去約12年間の患者の疾患に関する電子カルテ情報を確認したい場合には、操作者が、マウスを使って表示画面上のタイムラインT上の開始時期のマークSを「1998年6月18日」の位置におき、終了時期のマークEを「2010年6月18日」の位置において、診療期間を確定する操作を行なうと、タイムライン指定入力受付手段12は、1998年6月18日〜2010年6月18日を診療期間として受け付ける(#2)。タイムライン指定入力受付手段12では、マウスに限らず、表示装置に設けられたタッチパネル、キーボードを用いた操作で診療期間の入力を受け付けることも可能である。
【0049】
次に、電子カルテ検索手段13は、医療情報管理サーバ2に診療期間と患者IDを送信して、指定された診療期間内に患者IDで特定される患者が受信した電子カルテ情報の要求を行なう(#3)。この要求に応じて、医療情報管理サーバ2から電子カルテシステム4の電子カルテ管理サーバ41に患者IDと指定された診療期間が転送され、電子カルテ管理サーバ41で患者IDが一致しかつ受診した日付が診療期間内である電子カルテ情報が全て検索される(#4)。検索された電子カルテ情報群は、電子カルテ管理サーバ41から医療情報管理サーバ2を経由して医療情報表示装置1に送信され(#5)、医療情報表示装置1は受信した電子カルテ情報群を一旦補助記憶装置に記憶する(#6)。
【0050】
続いて、診察対象部位抽出手段14は、医療情報表示装置1の補助記憶装置に記憶されている電子カルテ情報群に記録されている診察部位情報から全ての診察部位の抽出を行なう(#7)。診療期間中に患者は心臓と肝臓というように複数の臓器について診察を受ける場合があるため、電子カルテ情報群から診察部位が1以上抽出される。
【0051】
診察部位位置表示手段15は、人体(被検者)の外観を表す外観画像BDを表示装置上に表示し、診察対象部位抽出手段14で抽出された診察部位を表したマークM1、M2、M3を重ねて表示する(#8)。図5に示すように、各診察部位のマークM1、M2、M3は、どの臓器であるかを即座に認識することができるように各臓器を模式図であらわした臓器アイコンが好ましい。臓器アイコンは、人体上の各臓器の位置に対応する外観画像BD上の位置に重ねて表示される。また、各診察部位のマークM1、M2、M3は、診察部位の重要度に応じて、重要度が高い診察部位のマークM1、M2、M3の色を濃く表示し、診察部位の重要度が低くなるに従って診察部位のマークM1、M2、M3の色を薄くするように表示する。あるいは、重要度に応じて、重要度が高いものを赤色で表示し、重要度が低いものを黄色で表示するというように、色を変えてもよい。
【0052】
重要度は、補助記憶装置に記憶されている電子カルテ情報群を各診察部位に分類して、各診察部位に関連する電子カルテ情報に記録されている情報に基づいて求められる。例えば、心臓・脳のような重要な臓器が診察部位であれば重要度が高いと考えられる。また、同じ診察部位であっても疾患名や、その診察部位に施した手術の術式によっても疾患の重要度が異なると考えられる。さらに、その手術の回数、診察頻度が多くなるほど疾患が重症であり、重要度は高くなると考えられる。そこで、蓄積されている過去の電子カルテ情報および紙ベースのカルテを分析して、各診察部位の臓器の種類、各診察部位の疾患名、その診察部位に施した手術の術式、その手術の回数、各診察部位の診察頻度等の要因を組み合わせた重要度を決定し、各要因と重要度の関係を表す重要度テーブルを予め作成しておき、各診察部位に関連する電子カルテ情報に記録されている情報から各要因を抽出して、重要度テーブルに基づいて各診察部位の重要度を求める。
【0053】
このように表示装置の画面上に外観画像BD上に診察部位の臓器のマークM1、M2、M3を重ねて表示することで、操作者は、画面に表示された診察部位のマークM1、M2、M3から、過去の診察部位がどの臓器であったかを確認することができるとともに、診察部位のマークM1、M2、M3の濃淡(あるいは、色)から重要な疾患があった臓器を確認することができる。
また、過去の診察部位のうち注目する診察部位については、電子カルテ情報の詳細な内容を確認したいという要望がある。そこで、操作者が診察部位ごとに関連する電子カルテ情報を確認することが可能なGUIを提供する。
【0054】
第1の指示入力受付手段17は、操作者がマウスを使って外観画像BD上に表示されている診察部位のマークM1、M2、M3うち電子カルテ情報を確認したい診察部位、例えば、心臓のマークM2をクリックすると、指示された診察部位が心臓であることを示す情報を受け付ける(#9)。
【0055】
第1の電子カルテ表示手段18は、第1の指示入力受付手段17で受け取った診察部位(ここでは、心臓)に関する電子カルテ情報を補助記憶装置に記憶されている電子カルテ情報群から検索して、図5に示すように検索された電子カルテ情報の一覧Lを、外観画像BDが表示されている画面の右側に表示する(#10)。続いて、操作者が、電子カルテ情報の一覧Lの中から詳細な内容を確認したい電子カルテ情報の欄をマウスやタッチパネル等を用いて選択する操作を行なうと、その操作の入力を受け付けて、選択された電子カルテ情報に記録されている主訴、確定診断名等の診断情報、手術、処置、投薬等の治療が行われた日付、治療内容等の治療情報等を表示する。
【0056】
さらに、電子カルテ情報の内容だけではなく、診察のために行なわれた各種の検査結果も電子カルテ情報の一覧と一緒に表示することにより、診察部位に行われた検査の全体を見渡すことが可能になる。
【0057】
そこで、医用画像表示手段21および検査情報表示手段22は、第1の電子カルテ表示手段18で一覧表示された電子カルテ情報に関連した医用画像や検査情報を表示する。
【0058】
まず、第1の電子カルテ表示手段18で一覧表示された電子カルテ情報から、患者IDと検査オーダ情報を抽出し、患者IDと検査オーダ情報を医療情報管理サーバ2に送信して医用画像と検査情報を要求する(#11)。医療情報管理サーバ2は、検査オーダ情報がCT、MRI等のモダリティによる撮影を示している場合には、画像管理サーバ51に患者IDと検査オーダ情報を転送して該当する医用画像を取得する(#12)。画像管理サーバ51では、各モダリティで撮影された画像データだけではなく、画像診断医用ワークステーションで画像処理が施されたMIP、MPR、CPR、ボリュームレンダリング(VR)等の画像データも一緒に取得される。さらに、読影レポートサーバ52にも患者IDと検査オーダ情報が転送され、画像管理サーバ51で取得した医用画像に関連した読影レポートも読影レポートサーバ52から取得する。取得した医用画像と読影レポートが医療情報管理サーバ2を経由して医療情報表示装置1に送信され(#13)、医療情報表示装置1で受信した画像データや読影レポートは一旦補助記憶装置に記憶される(#14)。
【0059】
同様に、内視鏡検査で得られた実内視鏡画像データおよび内視鏡検査レポート、病理検査でえられた顕微鏡画像データおよび病理検査レポート、各診療科で行なわれた心電図等の検査データ等を取得する場合には、検査オーダ情報の検査種別に応じて、医療情報管理サーバ2から内視鏡検査管理サーバ61、病理検査管理サーバ71、診療科検査管理サーバ81のうち該当するサーバに患者IDと検査オーダ情報が転送され、各サーバ61、71、81から要求に応じた医用画像や検査情報を取得する(#12)。取得された医用画像と検査情報は、各サーバ61、71、81から医療情報管理サーバ2を経由して医療情報表示装置1に送信され(#13)、医療情報表示装置1で受信された医用画像と検査情報は一旦補助記憶装置に記憶される(#14)。
【0060】
医用画像表示手段21で、医療情報表示装置1の補助記憶装置に記憶された医用画像を、外観画像BD上に診察部位のマークM1、M2、M3が表示されている画面の右側Gに表示し、検査情報表示手段22で、医療情報表示装置1の補助記憶装置に記憶された検査情報を、外観画像BD上に診察部位のマークM1、M2、M3が表示されている画面の右側Fに表示する(#15)。
【0061】
例えば、第1の指示入力受付手段17で、受け取った診察部位が心臓である場合には、画像管理サーバ51から心臓のCT画像、冠動脈CPR画像、心臓VR画像等画像データを取得し、読影レポートサーバ52から上記の画像の読影レポートを取得し、循環器科の診療科検査管理サーバ81から心電図データを取得して、医療情報表示装置1の表示装置の画面の右側に表示する。
【0062】
医用画像や検査情報は、図5に示すように、同一画面上で一覧できるように縮小画像に変換して並べて表示を行なう。撮影したモダリティの種類、検査の種類に応じて、医用画像や検査をまとめて同一の列に表示するのが好ましい。また、各画像や検査情報の縮小画像をマウスでクリックすることにより、各画像や検査データの詳細な情報を確認することが可能なように構成される。
【0063】
さらに、診察部位情報表示手段16は、補助記憶装置に記憶されている電子カルテ情報群のうちの各診察部位に関連する電子カルテ情報から、各診察部位の疾患名またはその診察部位に施された術式名を検索して、表示装置上に表示されている各マークM1、M2、M3の近傍にその診察部位の疾患名またはその診察部位に施された術式名を表示する(図5参照)(#16)。疾患名が複数検索された場合や、疾患名と術式名の双方が検索された場合には、検索された全ての疾患名と術式名を各診察部位のマークM1、M2、M3の横に表示する。疾患名と術式名の表示は、診察部位のマークM1、M2、M3の上にマウスを持っていった時に行われるようにしてもよい。
【0064】
診察部位のマークM1、M2、M3が表示されている臓器のうちでも、特に、注意が必要な疾患や手術については電子カルテ情報の詳細な内容の確認を行ないたいという要望がある。そこで、操作者が疾患や術式ごとに関連する電子カルテ情報を確認することが可能なGUIを提供する。
【0065】
第2の指示入力受付手段19は、操作者がマウスを使って疾患名や術式名のうちのいずれか1つを指示する操作を行なう(#17)と、指示された疾患名や術式名が選択されたことを示す情報を受け付ける。
【0066】
第2の電子カルテ表示手段20は、選択された疾患名または術式名に関する電子カルテ情報を補助記憶装置に記憶されている電子カルテ情報群から検索して、検索された電子カルテ情報の一覧Lを、外観画像BD上に診察部位のマークM1、M2、M3が表示されている画面の右側に表示する(#18)。続いて、操作者が、電子カルテ情報の一覧Lの中から詳細な内容を確認したい電子カルテ情報の欄をマウスやタッチパネル等を用いて選択する操作を行なうと、その操作の入力を受け付けて、選択された電子カルテ情報に記録されている主訴、確定診断名等の診断情報、手術、処置、投薬等の治療が行われた日付、治療内容等の治療情報等を表示する。
【0067】
また、医用画像表示手段21および検査情報表示手段22は、第2の電子カルテ表示手段20で一覧表示された電子カルテ情報に関連した医用画像や検査情報を表示する。第1の電子カルテ表示手段18で一覧表示した診察部位の電子カルテ情報に関連する医用画像と検査情報はすでに医用画像表示装置1の補助記憶装置に記憶されているため、第2の電子カルテ表示手段20で一覧表示した電子カルテ情報(つまり、疾患名または術式名)に関連する医用画像と検査情報は補助記憶装置内から検索して、検索された医用画像と検査情報の縮小画像を外観画像BD上に診察部位のマークM1、M2、M3が表示されている画面の右側F、Gに表示する(#19)。
【0068】
操作者は、診断に必要な電子カルテ情報の一覧を表示するために、診察部位を選択する操作(第1の指示入力受付手段17)と疾患名または術式名を選択する操作(第2の指示入力受付手段19)とを繰り返し行なう。操作者のこの操作に応じて、一覧表示される電子カルテ情報が診察部位に対応した一覧表示と、疾患名または術式名に対応した一覧表示との間で度々切替表示が行われ、医用画像表示手段21および検査情報表示手段22で一覧表示する医用画像と検査情報も、診察部位に対応した一覧表示と、疾患名または術式名に対応した一覧表示との間で度々切替表示が行われる。切替表示の際、一覧表示された電子カルテ情報の検査オーダ情報に対応する医用画像や検査情報が各サーバ51、52、61、71、81から取得されてすでに補助記憶装置内に存在している場合は、医療情報管理サーバ2に医用画像や検査情報を要求することなく、補助記憶装置内を検索して医用画像と検査情報を表示し、一覧表示された電子カルテ情報の検査オーダ情報に対応する医用画像や検査情報が医用画像表示装置1の補助記憶装置内に存在しない場合は、患者IDと検査オーダ情報を医療情報管理サーバ2に送信して医用画像と検査情報を要求し、要求に応じた医用画像と検査情報を医療情報管理サーバ2を介して各サーバ51、52、61、71、81から取得して表示を行なう。
【0069】
以上詳細に説明したように、タイムラインT上で指定した診療期間内に診察した診察部位のマークを人体の外観画像上に表示し、さらに、各診察部位ごとに電子カルテ情報、医用画像、検査情報を一覧することができるように表示することにより、各診療部位がどのような疾患を患っていたかを直感的に把握することが可能になる。また、疾患名/術式名ごとに電子カルテ情報、医用画像、検査情報を一覧表示すれば、各疾患の経過や手術の経過の概略の把握が容易になる。
【0070】
また、上記実施形態では、各診療部位ごと、あるいは、疾患名/術式名ごとに電子カルテ情報、医用画像、検査情報を一覧表示する場合について説明したが、初めに指定された診療期間内の全ての電子カルテ情報、医用画像、検査情報を一覧表示するようにしてもよい。
【0071】
一覧表示する医用画像や検査情報が多数検出されたときには、疾患名、診察部位、モダリティ、術式の各情報に基づいて、医用画像や検査情報の縮小画像を各欄に分けて表示するのが好ましい。
【0072】
上記実施形態では、医療情報が統合的に管理される医療情報管理サーバ2を設け、医療情報表示装置1は、医療情報管理サーバ2を介して医療情報を取得するようにしていたが、電子カルテシステム4、画像診断システム5、内視鏡検査システム6、病理検査システム7、各診療科システム8等の他システムの各々から、直接、医療情報を取得するようにしてもよい。
【0073】
また、上記実施形態の医療情報管理サーバ2は、医療情報の実データは電子カルテシステム4、画像診断システム5、内視鏡検査システム6、病理検査システム7、各診療科システム8等の他システムに置かれ、医療情報管理サーバ2を経由して、他システムのデータベースを用いる場合について説明したが、医療情報管理サーバ2で実データを集中管理するようにしてもよい。
【0074】
また、上記の実施形態では、1つの医療機関内に置かれた電子カルテシステム4、画像診断システム5、内視鏡検査システム6、病理検査システム7、各診療科システム8などの複数のシステムを統合管理する場合について説明したが、さらに、図6に示すように、1つの医療機関(病院A)の他に地域の医療機関(病院B、病院C、病院D)に分散した患者の医療情報を医療情報管理サーバ2で統合管理することができるように、医療機関ごとの患者番号(患者ID)を対応付けるリンク情報や、各医療機関で管理する医療情報のアクセス権の管理を行うようにすれば、複数の医療機関で受診した患者の医療情報を纏めてみることが可能になり、今後の治療に有益な情報を得ることができる。
【0075】
さらに、図7に示すように、医療機関のみならず各患者の自宅a、bに置かれるゲーム機、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ等の通信機能を備えたコンピュータを医療情報表示装置1と機能させるようにして、自宅のコンピュータから医療情報管理サーバ2に接続することができる構成にしてもよい。このような構成にすることで、自宅からも医療機関で診察を受けた時の医療情報を取得することが可能になる。さらに、自宅で管理している体重、血圧、血糖値、万歩計(登録商標)等から得られた健康状態に関する健康状態情報を自宅の装置に蓄積するようにすれば、医療機関で診察を受けた時の医療情報と比較することが可能になる。具体的には、図8に示すように、健康状態情報を表示するための「自己管理」と、医療機関からの医療情報を表示するための「診療情報」のタブブラウザを用意して、健康状態情報表示画面(自己管理)と診療情報表示画面(診療情報)を別画面で表示するようにする。
【0076】
さらに、健康状態情報と医療情報に関連するアドバイスの情報を用意するようにしてもよい。例えば、コレステロールが上限を大幅に超え、脳梗塞の危険性のある人に対し、「アドバイス」のボタンを押すと、「脳梗塞の危険信号が出たら、すぐ救急に言ってください」というアドバイス情報を表示する。さらに、脳梗塞の危険信号の具体例として下記の脳梗塞による症状に関する情報を表示画面上に表示する。
「1.歩いて :バランスが取れない
2.話して :言葉が不明瞭
3.手を伸ばして:片側に力が入らない
4.視て :視野の一部が欠ける
5.感じて :頭痛がひどい」
【0077】
あるいは、ダイエットのために健康状態情報で体重を管理している人のうち、体重減少後に体重が増加していることが検出された場合には、「体重のリバウンドがあり、健康に有害であるため、適度な運動をお勧めする」という内容のアドバイス情報を表示する。
【0078】
このように、患者の自宅から医療機関で診察を受けた時の医療情報を取得し、さらに、自宅で管理している健康状態情報を確認できるようにすることで、現在の自分の健康状態を把握することできる。
【符号の説明】
【0079】
1 医療情報表示装置
2 医療情報管理サーバ
3 医療情報統合システム
4 電子カルテシステム
5 画像診断システム
6 内視鏡検査システム
7 病理検査システム
8 各診療科システム
9 ネットワーク
11 タイムライン表示手段
12 タイムライン指定入力受付手段
13 電子カルテ検索手段
14 診察対象部位抽出手段
15 診察部位位置表示手段
16 診察部位情報表示手段
17 第1の指示入力受付手段
18 第1の電子カルテ表示手段
19 第2の指示入力受付手段
20 第2の電子カルテ表示手段
21 医用画像表示手段
22 検査情報表示手段
23 タッチパネル
24 液晶ディスプレイ
25 医療情報管理部
41 電子カルテ管理サーバ
51 画像管理サーバ
52 読影レポートサーバ
61 内視鏡検査管理サーバ
71 病理検査管理サーバ
81 診療科検査管理サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間軸を表すタイムラインを表示装置上に表示するタイムライン表示手段と、
前記タイムライン上で所定の期間を指定する指定入力を受け付けるタイムライン指定入力受付手段と、
前記指定された期間内に所定の被検者が診察を受けた電子診療録情報を、多数の電子診療録情報を記憶した電子診療録記憶手段より検索して、電子診療録情報群を得る電子診療録情報検索手段と、
前記電子診療録情報群に記録されている全ての診察部位を抽出する診察対象部位抽出手段と、
前記被検者の外観を表す外観画像を前記表示装置上に表示するとともに、該外観画像上の前記抽出された診察部位に対応する位置に該診察部位を示すマークを重ねて表示する診察部位位置表示手段と、
を備えたことを特徴とする医用情報表示装置。
【請求項2】
前記診察部位位置表示手段が、前記電子診療録情報群のうち各診察部位に関連した電子診療録情報に基づいて、前記診察部位のそれぞれの重要度を求めて、前記診察部位のうち重要度が高い前記診察部位のマークの色を濃く表示し、前記診察部位のうち重要度が低くなるに従って前記診察部位のマークの色を薄くするように表示することを特徴とする請求項1記載の医用情報表示装置。
【請求項3】
前記重要度を、各診察部位の臓器の種類、各診察部位の疾患名、該診察部位に施した手術の術式、該手術の回数、および、該診察部位の診察頻度のうちの少なくとも1つに応じて求めることを特徴とする請求項2記載の医用情報表示装置。
【請求項4】
前記表示装置上に表示されている前記マークのうちのいずれか1つを指示する指示入力を受け付ける第1の指示入力受付手段と、
該第1の指示入力受付手段の指示入力に応じて、前記電子診療録情報群のうち前記指示されたマークに対応する診察部位に関する電子診療録情報を前記表示装置上に表示する第1の電子診療録情報表示手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の医用情報表示装置。
【請求項5】
前記電子診療録情報群に基づいて、前記表示装置上に表示されている前記各マークの診察部位の疾患名および/または該診察部位に施された術式名を該マークの近傍に表示する診察部位情報表示手段と、
前記マークの近傍に表示された該診察部位の疾患名および/または該診察部位に施された術式名のうちの1つを指示する指示入力を受け付ける第2の指示入力受付手段と、
該第2の指示入力受付手段の指示入力に応じて、前記電子診療録情報群のうち前記指示された診察部位の疾患名または該診察部位に施された術式名に関する電子診療録情報を前記表示装置上に表示する第2の電子診療録情報表示手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の医用情報表示装置。
【請求項6】
前記第1または第2の電子診療録情報表示手段で表示した電子診療録情報に関連する医用画像を、多数の医用画像を記憶する医用画像記憶手段から検索して前記表示装置上に表示する医用画像表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項4または5記載の医用情報表示装置。
【請求項7】
前記第1または第2の電子診療録情報表示手段で表示した電子診療録情報に関連する検査情報を、多数の検査情報を記憶する検査情報記憶手段から検索して前記表示装置上に表示する検査情報表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項4または5記載の医用情報表示装置。
【請求項8】
前記タイムライン指定入力受付手段が、マウス、キーボード、および、前記表示装置に設けられたタッチパネルのいずれかからの入力を受け付けるものであることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載の医用情報表示装置。
【請求項9】
タイムラインを表示装置上に表示するタイムライン表示手段と、
前記タイムライン上で所定の期間の指定入力を受け付けるタイムライン指定入力受付手段と、
電子診療録情報を検索する電子診療録情報検索手段と、
前記電子診療録情報に記録されている診察部位を抽出する診察対象部位抽出手段と、
外観画像上に前記診察部位のマークを重ねて前記表示装置上に表示する診察部位位置表示手段とを備えた医用情報表示装置の動作方法であって、
前記タイムライン表示手段によって、時間軸を表すタイムラインを表示装置上に表示するタイムライン表示ステップと、
前記タイムライン指定入力受付手段によって、前記タイムライン上で所定の期間を指定する指定入力を受け付けるタイムライン指定入力受付ステップと、
前記電子診療録情報検索手段によって、前記指定された期間内に所定の被検者が診察を受けた電子診療録情報を、多数の電子診療録情報を記憶した電子診療録記憶手段より検索して電子診療録情報群を得る電子診療録情報検索ステップと、
前記診察対象部位抽出手段によって、前記電子診療録情報群に記録されている全ての診察部位を抽出する診察対象部位抽出ステップと、
前記診察部位位置表示手段によって、前記被検者の外観を表す外観画像を前記表示装置上に表示するとともに、該外観画像上の前記抽出された診察部位に対応する位置に該診察部位を示すマークを重ねて表示する診察部位位置表示ステップとを実行することを特徴とする医用情報表示装置の動作方法。
【請求項10】
コンピュータを、
時間軸を表すタイムラインを表示装置上に表示するタイムライン表示手段と、
前記タイムライン上で所定の期間を指定する指定入力を受け付けるタイムライン指定入力受付手段と、
前記指定された期間内に所定の被検者が診察を受けた電子診療録情報を、多数の電子診療録情報を記憶した電子診療録記憶手段より検索して電子診療録情報群を得る電子診療録情報検索手段と、
前記電子診療録情報群に記録されている全ての診察部位を抽出する診察対象部位抽出手段と、
前記被検者の外観を表す外観画像を前記表示装置上に表示するとともに、該外観画像上の前記抽出された診察部位に対応する位置に該診察部位を示すマークを重ねて表示する診察部位位置表示手段として機能させる医用情報表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−247879(P2012−247879A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117542(P2011−117542)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】