説明

医用検査データ保管装置、医用検査データ表示装置、および、ファイル管理装置

【課題】記録媒体の記録容量を活かしつつ、医用診断装置により生成された医用検査データ等のデータの完全消失を防止する。
【解決手段】本発明の医用検査データ保管装置は、医用検査データを保存する保存部と、医用検査データを記録媒体に記録する記録部と、記録媒体に編集禁止処理を施す編集禁止処理部と、記録情報記憶部とを備える。記録情報記憶部は、編集禁止処理済の記録媒体に記録済の医用検査データには記録済かつ編集禁止処理済であることを表す記録情報を対応付けて記憶すると共に、編集禁止処理済ではない記録媒体に記録済の医用検査データには記録済であることを表す記録情報を対応付けて記憶する。従って、記録情報が記録済かつ編集禁止処理済にならない限り、保存部から当該医用検査データを削除しないようにすれば、記録媒体の記録容量を活かしつつ、当該医用検査データの完全消失を防止しうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用検査データ保管装置、医用検査データ表示装置、および、ファイル管理装置に関する。特に本発明は、医用診断装置などのモダリティにより生成された医用検査データ等のデータを(例えばファイルとして)記録媒体に記録し、当該データの消失を防止するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にX線CT装置などの医用診断装置は、当該医用診断装置内に保存されている検査データのファイルを記録媒体に記録する機能と(例えば特許文献1参照)、この検査データのファイルを一覧表示する機能とを有する。検査データのファイルがリスト表示される際、記録媒体にアーカイブ済(記録済、即ち、複製済)のファイルに対しては、例えばアーカイブ済のマークが併せて表示される。
【0003】
なお、ここでの「記録媒体」とは、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu−ray Disc)などのように着脱可能なものを指し、医用診断装置などの装置内に固定された不揮発性の記憶部は「内蔵型記憶装置」として区別する。
【0004】
医用診断装置の検査結果として生成される検査データのファイルは、一旦は当該医用診断装置の内蔵型記憶装置に保存されるが、内蔵型記憶装置の記憶容量には限度がある。従って、医用診断装置内の検査データのファイルは、上記のように記録媒体にアーカイブ済であることが確認された後、いずれは当該医用診断装置から削除される。
【0005】
X線CT装置やMRI装置などを用いた検査で生成される診断画像データのファイルは、患者が被曝、或いは、造影剤注入を受けるなどの負担を患者に与えて作成されたものである。このようなファイルは、誤って消失すると再作成は困難であるため、十分注意して取り扱うことが望まれる。そこで従来は、一検査分をまとめて記録媒体に記録する、或いは、一定量をまとめて記録媒体に記録することで、一度記録がなされた記録媒体に対しては追記をしないという運用が行われていた。これは、追記の際には当該記録媒体におけるファイルの管理情報を書き換えるため、追記中に停電などの事故が発生すると、既に当該記録媒体に記録済のファイルを消失するおそれがあるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−269167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、DVDやBDなどの大容量の記憶媒体が登場した。このような大容量の記憶媒体では、一検査分のファイルを記録しただけでは、当該記録媒体の記憶容量の残量が大きく、当該記録媒体の記録容量を十分に活かせない。また、医用診断装置内において記録媒体の記憶容量に相当する程度の容量のファイル数がたまってから、一度に当該記録媒体に記録する場合、一度の書き込み量が多く、データのバックアップ作業を例えば空き時間などの都合のよい時間内に完了できない。
【0008】
このため、追記中に事故が発生した場合には既に記録媒体に記録済のファイルを消失するおそれがあるにも拘らず、当該記録媒体に対して何度かに分けて追記をする運用が多くなってきた。この場合、当該記録媒体の記憶容量が一杯になるまで追記をしてから、当該記録媒体にアーカイブ済の検査データのファイルを医用診断装置から削除している。
【0009】
しかし、追記作業の前に当該記録媒体に記録済の検査データのファイルについては、医用診断装置においてアーカイブ済のマークが付されているため、アーカイブ済として、当該医用診断装置から削除されている可能性がある。そうすると、当該記録媒体への再度の追記中に事故が発生した場合、アーカイブ済として当該医用診断装置から削除された検査データのファイルを完全消失してしまう。従って、アーカイブ済のマークの信頼性が低下していたため、DVDやBDなどの大容量の記録媒体の記録容量を活かしつつ、例えばファイルとして記録されている医用検査データ等のデータの完全消失を防止する技術が要望されていた。
【0010】
本発明は、上記課題を鑑みてなされてものであり、記録媒体の記録容量を活かしつつ、医用診断装置などのモダリティにより生成された医用検査データ等のデータの完全消失を防止するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一形態に係る医用検査データ保管装置は、上記課題を解決するため、医用検査データを保存する保存部と、前記医用検査データを着脱可能な記録媒体に記録する記録部と、前記記録媒体に対して編集禁止処理を施す編集禁止処理部と、記録情報記憶部とを備えるものである。前記記録情報記憶部は、前記編集禁止処理が施された前記記録媒体に記録済の前記医用検査データには記録済かつ編集禁止処理済であることを表す記録情報を対応付けて記憶すると共に、前記編集禁止処理が施されていない前記記録媒体に記録済の前記医用検査データには記録済であることを表す記録情報を対応付けて記憶する。
【0012】
本発明の別の形態に係る医用検査データ保管装置は、上記課題を解決するため、医用検査データを保存する保存部と、前記医用検査データを着脱可能な記録媒体に記録する記録部と、前記記録媒体に対して編集禁止処理を施す編集禁止処理部と、記録情報処理部とを備えるものである。前記記録情報処理部は、前記保存部に保存中の前記医用検査データに対して、前記編集禁止処理が施された前記記録媒体に記録済であれば記録済かつ編集禁止処理済を表す付帯情報を追加または上書きし、前記編集禁止処理が施されていない前記記録媒体に記録済であれば記録済を表す付帯情報を追加または上書きする。
【0013】
本発明に係る医用検査データ表示装置は、上記課題を解決するため、着脱可能な記録媒体に記録された医用検査データの内容を表示する表示部と、前記記録媒体に対して編集禁止処理を施す編集禁止処理部と、前記編集禁止処理が施された前記記録媒体に記録済の前記医用検査データと同一の前記医用検査データが保存されている医用診断装置に対し、前記同一の医用検査データが記録されている前記記録媒体が編集禁止処理済であることを示す情報を送信する情報送信部とを備えるものである。
【0014】
本発明に係るファイル管理装置は、上記課題を解決するため、ファイルを保存する保存部と、前記ファイルを着脱可能な記録媒体に記録する記録部と、前記記録媒体に対して編集禁止処理を施す編集禁止処理部と、前記編集禁止処理が施された前記記録媒体に記録済の前記ファイルには記録済かつ編集禁止処理済であることを表す記録情報を対応付けて記憶すると共に、前記編集禁止処理が施されていない前記記録媒体に記録済の前記ファイルには記録済であることを表す記録情報を対応付けて記憶する記録情報記憶部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、記録媒体の記録容量を活かしつつ、医用診断装置などのモダリティにより生成された医用検査データ等のデータの完全消失を防止しうる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態の医用診断装置ネットワークの全体構成を示すブロック図。
【図2】医用診断装置における医用画像データのファイルの記録処理の流れを示すフローチャート。
【図3】医用診断装置に記録媒体が装填された場合のバックアップ情報の更新処理の流れを示すフローチャート。
【図4】画像表示装置において編集禁止処理が行われる場合の医用診断装置ネットワークの処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0018】
<本実施形態の構成>
図1は、本実施形態の医用診断装置ネットワーク10の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、医用診断装置ネットワーク10は、モダリティとしてのMRI装置(Magnetic Resonance Imaging Apparatus)20と、X線CT装置(X−ray Computed Tomography Apparatus)50と、画像表示装置(Viewer:ビューワ)80とをネットワークケーブル100により互いに接続した構成である。
【0019】
なお、実際には例えば多数の医用診断装置および多数の画像表示装置がネットワークケーブル100を介して互いに接続される。図1では本実施形態の要点を分かり易く説明するために煩雑化を避け、医用診断装置としてMRI装置20およびX線CT装置50の2つのみを示し、画像表示装置としては画像表示装置80の1つのみを示した。
【0020】
MRI装置20は、CPU22と、入力装置24と、MRI撮影機構26と、システムバス28と、1次記憶メモリ30と、内蔵型記憶装置32と、記録媒体用ドライブ34と、モニタ36と、通信部38とを備える。
【0021】
MRI撮影機構26は、CPU22の制御に従って磁気共鳴イメージングに基づく撮影を行い、これにより生成された診断画像データのファイルを内蔵型記憶装置32に保存する。本実施形態での診断画像データのファイルは、画像データや付帯情報などから構成される。この付帯情報には、患者名、検査ID、検査日、診断部位などの撮影条件に加え、当該ファイルのバックアップ情報が含まれる。
【0022】
本実施形態では一例として、「未記録」、「記録済」、「記録済かつ編集禁止処理済」のいずれかの情報と、(「未記録」の場合を除いて)そのファイルが記録された記録媒体のID(Identity:識別情報)とがバックアップ情報として記録される。「未記録」は、そのファイルが記録媒体にアーカイブ(複製、即ち、バックアップ)されていないことを示す。また、「記録済」は、そのファイルが記録媒体にアーカイブ済であることを示す。また、「記録済かつ編集禁止処理済」は、そのファイルが記録媒体にアーカイブ済であり、かつ、そのファイルが記録された記録媒体に対して編集禁止処理が施されていることを示す。
【0023】
また、アーカイブには、ファイルを個別に記録媒体などに複製して記録する場合と、複数ファイルを1つにまとめて記録媒体などに複製して記録する場合があるが、本実施形態では一例として前者の場合について説明する。但し、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、複数ファイルを1つにまとめて記録媒体などに複製して記録する構成としてもよい。
【0024】
記録媒体用ドライブ34には、例えばDVDやBDなどの記録媒体が着脱可能に装填または接続される。記録媒体用ドライブ34は、装填された記録媒体に記録されているファイルの情報を読み取り、CPU22に伝達する。また、記録媒体用ドライブ34は、CPU22の指令に従って、装填された記録媒体に固有の編集禁止処理を当該記録媒体に施す。ここでの固有の編集禁止処理とは、例えばDVDでは「ファイナライズ」、BDでは「クローズ」と呼ばれるものである。
【0025】
通信部38は、記録媒体用ドライブ34によって、ある記録媒体に編集禁止処理が施された場合、その情報を他の医用診断装置(図1の例ではX線CT装置50)に送信し、編集禁止処理済の情報を共有させる。
【0026】
CPU22は、システムバス28を介してMRI装置20全体のシステム制御を行う。また、CPU22は、内蔵型記憶装置32に保存されている全ファイルの情報を示すファイル(以下、「一覧ファイル」という)を作成し、この一覧ファイルを内蔵型記憶装置32に保存する。
【0027】
1次記憶メモリ30は、CPU22が各処理や演算を行う際に一時的にデータ等を記憶するものである。
【0028】
モニタ36は、CPU22の制御に従って、記録媒体用ドライブ34に装填された記録媒体に記録されている医用検査データのファイルや、MRI撮影機構26により生成された診断画像データのファイルを例えば画像として表示する。また、モニタ36は、CPU22の制御に従って、内蔵型記憶装置32に保存されている全ファイルを一覧表示する。この際、例えば、一覧ファイルが用いられる。
【0029】
入力装置24は、ユーザの操作を受け付けるものであり、例えば、モニタ36に表示された一覧ファイルのいずれかを選択する場合等に用いられる。
【0030】
X線CT装置50は、CPU52と、入力装置54と、X線CT撮影機構56と、システムバス58と、1次記憶メモリ60と、内蔵型記憶装置62と、記録媒体用ドライブ64と、モニタ66と、通信部68とを備える。
【0031】
X線CT撮影機構56は、被検体にX線を照射して撮影を行い、被検体Pを透過したX線を検出して、投影データに所定の処理を施し、3次元の診断画像データのファイルを生成する。また、X線CT撮影機構56は、この診断画像データのファイルを内蔵型記憶装置62に保存する。
【0032】
上記のX線CT撮影機構56とMRI撮影機構26との違いを除き、X線CT撮影機構56におけるCPU52、入力装置54、システムバス58、1次記憶メモリ60、内蔵型記憶装置62、記録媒体用ドライブ64、モニタ66、通信部68の各機能は、MRI装置20におけるCPU22、入力装置24、システムバス28、1次記憶メモリ30、内蔵型記憶装置32、記録媒体用ドライブ34、モニタ36、通信部38とそれぞれ同様である。
【0033】
画像表示装置80は、CPU82と、入力装置84と、通信部86と、モニタ88と、システムバス90と、1次記憶メモリ92と、記録媒体用ドライブ94とを備える。
【0034】
CPU82は、システムバス90を介して画像表示装置80のシステム制御を行う。
【0035】
1次記憶メモリ92は、CPU82が各処理や演算を行う際に一時的にデータ等を記憶するものである。
【0036】
モニタ88は、CPU82の制御に従って、ファイルを例えば画像として表示する。ここで表示されるファイルは、記録媒体用ドライブ94に装填された記録媒体中のファイルや、ネットワークケーブル100、通信部86を介して医用診断装置(MRI装置20またはX線CT装置50)から送信される診断画像データのファイル等である。
【0037】
入力装置84は、ユーザの操作を受け付けるものであり、例えば、モニタ88に表示されたファイルを選択する場合や、表示画像の特定部位にマークを付けるといった画像処理の操作に用いられる。
【0038】
以上の構成において、MRI装置20およびX線CT装置50は、医用検査データ保管装置として機能すると共に、ファイル管理装置としても機能する。また、画像表示装置80は医用検査データ表示装置として機能する。
【0039】
<本実施形態の動作説明>
図2は、MRI装置20における診断画像データのファイルの記録処理の流れを示すフローチャートである。以下、適宜図1を参照しながら、図2に示すフローチャートのステップ番号に従ってファイルの記録処理の流れを説明する。
【0040】
[ステップS1]MRI装置20のCPU22(図1参照)は、予め作成して内蔵型記憶装置32に保存されている一覧ファイルに基づいて、内蔵型記憶装置32に保存されているファイルの一覧をモニタ36上に表示させる。この一覧表示において、各ファイルには、「未記録」、「記録済」、「記録済かつ編集禁止処理済」のいずれかがバックアップ情報として表示される。この後、CPU22は、ステップS2に処理を移行する。
【0041】
[ステップS2]モニタ36上に表示されているファイルの一覧の中から、入力装置24を介して、記録媒体に記録するファイルが選択される。この後、CPU22は、ステップS3に処理を移行する。
【0042】
[ステップS3]記録媒体用ドライブ34に記録媒体(図示せず)が装填されている場合、記録媒体用ドライブ34は、CPU22の制御に従ってステップS3で選択されたファイルをその記録媒体に記録する。なお、記録媒体用ドライブ34に記録媒体が装填されていない場合、CPU22は、記録媒体の装填を促す表示をモニタ36に表示させ、記録媒体が記録媒体用ドライブ34に装填されるまで待機する。そして、記録媒体が装填後に上記の記録処理を行う。この後、CPU22は、ステップS4に処理を移行する。
【0043】
[ステップS4]CPU22は、記録媒体用ドライブ34を制御して、ステップS3における記録処理が正常に行われたか否か(記録に成功したか否か)を判定する。記録処理が正常に行われた場合、CPU22はステップS6に処理を移行する。記録処理が正常に行われなかった場合、CPU22は、記録処理が正常に行われなかった旨をモニタ36上に表示させてユーザに通知した後、ステップS5に処理を移行する。
【0044】
[ステップS5]CPU22は、一覧ファイルにおけるステップS2で選択されたファイルのバックアップ情報の部分について「未記録」の状態を維持する。この後、CPU22は、ファイルの記録処理を終了するか、或いは、ステップS3に戻ってファイルの記録処理を再実行する。
【0045】
なお、ファイルのバックアップ情報の記録および更新(上書きによる記録)方法としては、上記の一覧ファイルを用いる方法の他に例えば以下の3つの方法があり、いずれの方法を用いてもよい(後述のステップS6、S8、S11、S12、S27、S28、S30、S31、S43についても同様)。
【0046】
第1に、ステップS2で選択されたファイルにおけるヘッダ等の付帯情報部分にバックアップ情報を記録する方法である。この場合、ファイルの付帯情報にバックアップ情報が含まれていなければ、バックアップ情報を追加し、ファイルの付帯情報にバックアップ情報が既に含まれていれば、そのバックアップ情報を上書きして最新のものにする。
【0047】
第2に、内蔵型記憶装置32における、ステップS2で選択されたファイルを含むフォルダに対し、バックアップ情報を記録する方法である。この場合、フォルダにバックアップ情報が含まれていなければ、フォルダにバックアップ情報を追加し、フォルダにバックアップ情報が既に含まれていれば、そのバックアップ情報を上書きして最新のものにする。
【0048】
第3に、内蔵型記憶装置32における各フォルダ内にそのフォルダ内の全ファイルの管理情報のファイルを予め作成して入れておき、その管理情報のファイルにおける、ステップS2で選択されたファイルのバックアップ情報の部分を更新する方法である。
【0049】
[ステップS6]CPU22は、ステップS2で選択されたファイルのバックアップ情報を「記録済」に更新すると共に、記録した記録媒体のIDをバックアップ情報の一部として追加する。この後、CPU22はステップS7に処理を移行する。
【0050】
[ステップS7]CPU22は、記録媒体用ドライブ34を制御して、記録媒体の記憶容量に十分な空き容量があるか否かを判定する。ここでの「十分な空き容量がある」とは、記録媒体の記憶容量を有効活用するという観点から決めることが好ましい。例えば、1度の書込みの平均データ量(この例では1ファイルの平均データ量)よりも記憶残量が少ない場合、「十分な空き容量がない」と判定し、それ以外の場合、「十分な空き容量がある」と判定すればよい。或いは、記録媒体の記憶容量の例えば5%以上が空き容量として残っている場合に「十分な空き容量がある」と判定してもよい。十分な空き容量がある場合、CPU22はステップS8に処理を移行し、十分な空き容量がない場合、CPU22はステップS9に処理を移行する。
【0051】
なお、選択画面をモニタ36に表示し、編集禁止処理を行うか否かを入力装置24を介してユーザに選択させ、編集禁止処理を行う場合にはステップS9に処理を移行し、それ以外の場合はステップS8に処理を移行する構成としてもよい。
【0052】
[ステップS8]CPU22は、ステップS2で選択されたファイルのバックアップ情報を「記録済」で維持し、ファイルの記録処理を終了する。
【0053】
[ステップS9]記録媒体用ドライブ34は、CPU22の制御に従って、装填されている記録媒体に対して、その記録媒体に固有の編集禁止処理を施す。この後、CPU22はステップS10に処理を移行する。
【0054】
[ステップS10]CPU22は、記録媒体用ドライブ34を制御して、ステップS9における編集禁止処理が正常に行われたか否か(成功したか否か)を判定する。編集禁止処理が正常に行われた場合、CPU22はステップS11に処理を移行する。編集禁止処理が正常に行われなかった場合、CPU22は、編集禁止処理が正常に行われなかった旨をモニタ36上に表示させてユーザに通知した後、ステップS12に処理を移行する。
【0055】
[ステップS11]CPU22は、ステップS2で選択されたファイルのバックアップ情報を「記録済かつ編集禁止処理済」に更新する。このようにバックアップ情報が「記録済かつ編集禁止処理済」とされたファイルの取り扱いとしては、以下の2つが挙げられるが、いずれの取り扱いとしてもよい。
【0056】
第1に、当該ファイルのプロパティを「読み取り専用ファイル」にする等により、内蔵型記憶装置32内に保存されている当該ファイルを編集不可の状態にするものである。この場合、内蔵型記憶装置32内に保存されている当該ファイルと、記録媒体にアーカイブ済の当該ファイルとの同一性が失われるおそれはない。従って、両者の同一性を確実に維持したい場合には、この取り扱いとすればよい。
【0057】
第2に、内蔵型記憶装置32内に保存されている当該ファイルを編集可能な状態にしておく(「読み取り専用ファイル」にはしない)方法である。この場合、内蔵型記憶装置32内のファイルに対して、コメント追記や輝度調整などの上書きがされてから保存されると、記録媒体にアーカイブしたファイルとの同一性が失われる。従って、内蔵型記憶装置32内のファイルが上書き保存された場合、当該ファイルのバックアップ情報を「記録済かつ編集禁止処理済」から「未記録」に戻すようにしてもよい。
【0058】
この後、CPU22は、当該記録媒体のIDと、当該記録媒体に編集禁止処理を施したことの情報とを通信部38およびネットワークケーブル100経由で他の医用診断装置(図1の例ではX線CT装置50)に送信後、ファイルの記録処理を終了する。X線CT装置50のCPU52は、内蔵型記憶装置62に保存中であって、バックアップ情報が「記録済」となっているファイルの中から、送信された記録媒体のIDと記録先が一致するファイルを検索する。この検索の際、各ファイルの付帯情報におけるバックアップ情報の部分を参照する。そして、CPU52は、検索により一致したファイルがあれば、そのバックアップ情報を「記録済かつ編集禁止処理済」に更新する。
【0059】
[ステップS12]CPU22は、ステップS2で選択されたファイルのバックアップ情報を「記録済」で維持する。この後、CPU22は、ステップS9に戻って編集禁止処理を再度試みるか、或いは、ファイルの記録処理を終了する。
【0060】
以上がMRI装置20における診断画像データのファイルの記録処理の説明である。なお、X線CT装置50における診断画像データのファイルの記録処理の流れも上記のMRI装置20の場合と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0061】
図3は、MRI装置20に記録媒体が装填された場合のバックアップ情報の更新処理の流れを示すフローチャートである。以下、適宜図1を参照しながら、図3に示すフローチャートのステップ番号に従ってバックアップ情報の更新処理の流れを説明する。
【0062】
[ステップS21]記録媒体用ドライブ34(図1参照)は、装填された記録媒体の状態および型式を判定して、これをCPU22に伝達する。ここでの「記録媒体の状態」とは、編集禁止処理が施されているか否かの状態である。また、「記録媒体の型式」は、DVDやBDといった記録媒体の種類に加えて、編集禁止処理が施された状態から再び編集可能な状態に戻せる型式の記録媒体であるか否かのことである。この後、CPU22は、ステップS22に処理を移行する。
【0063】
[ステップS22]記録媒体用ドライブ34は、記録媒体中に記録されている全ファイルのIDを読み込み、これをCPU22に伝達する。この後、CPU22は、ステップS23に処理を移行する。
【0064】
[ステップS23]CPU22は、記録媒体中に記録されている全ファイルのIDと、内蔵型記憶装置32に保存されている全ファイルのIDとを照合する。この後、CPU22は、ステップS22に処理を移行する。
【0065】
[ステップS24]ステップS23での照合の結果、記録媒体中のファイルと、内蔵型記憶装置32に保存されているファイルとで一致するファイルが存在する場合、CPU22はステップS25に処理を移行し、それ以外の場合、CPU22はバックアップ情報の更新処理を終了する。
【0066】
[ステップS25]ステップS21での判定において、編集禁止処理が施された状態から再び編集可能な状態に戻せる型式の記録媒体であった場合、CPU22はステップS29に処理を移行し、編集禁止状態から編集可能な状態に戻せない型式の記録媒体であった場合、CPU22はステップS26に処理を移行する。
【0067】
[ステップS26]このステップS26(および次のステップS27、S28)に到達するのは、編集禁止処理済の状態から編集可能な状態に戻せない型式の記録媒体が装填されている場合である。ステップS21での判定において、編集禁止処理済の記録媒体であった場合、CPU22はステップS27に処理を移行し、編集禁止処理済ではない記録媒体であった場合、CPU22はステップS28に処理を移行する。
【0068】
[ステップS27]CPU22は、ステップS23での照合の結果、記録媒体中のファイルと一致する内蔵型記憶装置32に保存中のファイルのバックアップ情報を「記録済かつ編集禁止処理済」に更新後、バックアップ情報の更新処理を終了する。なお、既に「記録済かつ編集禁止処理済」になっている場合、バックアップ情報の更新は行われない。
【0069】
具体的には、MRI装置20により当該記録媒体に対してファイルのアーカイブと編集禁止処理が行われたような場合、既に「記録済かつ編集禁止処理済」にされていると考えられ、バックアップ情報の更新は行われない。一方、画像表示装置80等により、ネットワークケーブル100等を介してMRI装置20の内蔵型記憶装置32に保存中のファイルが(ステップS21で装填された)記録媒体にアーカイブされた後、医用診断装置ネットワーク10の外部の装置によって当該記録媒体に編集禁止処理が施されたような場合、このステップS27において当該ファイルのバックアップ情報が更新される。
【0070】
[ステップS28]CPU22は、ステップS23での照合の結果、記録媒体中のファイルと一致する内蔵型記憶装置32に保存中のファイルのバックアップ情報を「記録済」に更新後、バックアップ情報の更新処理を終了する。なお、既に「記録済」になっている場合、バックアップ情報の更新は行われない。
【0071】
[ステップS29]このステップS29(および次のステップS30、S31)に到達するのは、編集禁止処理が施された状態から再び編集可能な状態に戻せる型式の記録媒体が装填されている場合である。ステップS21での判定において、記録媒体が編集禁止状態であった場合、CPU22はステップS31に処理を移行し、記録媒体が編集可能な状態であった場合、CPU22はステップS30に処理を移行する。
【0072】
[ステップS30]CPU22は、ステップS23での照合の結果、記録媒体中のファイルと一致する内蔵型記憶装置32に保存中のファイルのバックアップ情報を「記録済」に更新後、バックアップ情報の更新処理を終了する。なお、既に「記録済」になっている場合、バックアップ情報の更新は行われない。
【0073】
具体的には、MRI装置20により当該記録媒体に対してファイルのアーカイブと編集禁止処理が行われたような場合、当該ファイルのバックアップ情報はMRI装置20内において「記録済かつ編集禁止処理済」になっている。しかし、他の装置(画像表示装置80)により当該記録媒体が編集可能な状態に戻されたような場合、このステップS30において当該ファイルのバックアップ情報は「記録済かつ編集禁止処理済」から「記録済」に戻される。
【0074】
[ステップS31]CPU22は、ステップS23での照合の結果、記録媒体中のファイルと一致する内蔵型記憶装置32に保存中のファイルのバックアップ情報を「記録済かつ編集禁止処理済」に更新後、バックアップ情報の更新処理を終了する。なお、既に「記録済かつ編集禁止処理済」になっている場合、バックアップ情報の更新は行われない。
【0075】
以上がMRI装置20におけるバックアップ情報の更新処理の説明である。なお、X線CT装置50におけるバックアップ情報の更新処理の流れも上記のMRI装置20の場合と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0076】
図4は、画像表示装置80において編集禁止処理が行われる場合の医用診断装置ネットワーク10の処理の流れを示すフローチャートである。以下、適宜図1を参照しながら、図4に示すフローチャートのステップ番号に従って、画像表示装置80での編集禁止処理に関わる動作の流れを説明する。
【0077】
[ステップS41]画像表示装置80のCPU82(図1参照)は、記録媒体用ドライブ94を制御して、記録媒体用ドライブ94に装填されている記録媒体に対して編集禁止処理を施す。ここで編集禁止処理が行われるのは、例えば、記録媒体中のファイルの情報がモニタ88に表示され、この表示に基づいてユーザが入力装置84を介して編集禁止処理を選択した場合などである。この後、ステップS42に進む。
【0078】
[ステップS42]画像表示装置80のCPU82は、記録媒体中の全ファイルの付帯情報を分析して、それらがどの医用診断装置(MRI装置20またはX線CT装置50)で生成および保存されているファイルであるかを検索する。
【0079】
次に、CPU82は、記録媒体中のファイルと同一のファイルが保存されている医用診断装置に対し、通信部84およびネットワークケーブル100を介して、当該記録媒体のIDと、当該記録媒体に編集禁止処理を施したことの情報を送信する。例えば、記録媒体中の全ファイルがMRI装置20により生成および保存されているものである場合、上記の情報送信はMRI装置20に対してのみ行われる。記録媒体中にはMRI装置20により生成および保存されているファイルと、X線CT装置50により生成および保存されているファイルとが含まれる場合、上記の情報送信はMRI装置20およびX線CT装置50に対して行われる。
【0080】
なお、記録媒体中のファイルと同一のファイルが保存されている医用診断装置に限定せずに、医用診断装置ネットワーク10における他の全ての装置に対して、CPU82が上記の情報送信を行う構成としてもよい。
【0081】
[ステップS43]MRI装置20のCPU22およびX線CT装置50のCPU52は、ステップS42において画像表示装置80のCPU82から情報送信を受けた場合、以下の処理を行う。まず、内蔵型記憶装置32(62)に保存中であって、バックアップ情報が「記録済」となっているファイルの中から、上記の送信された記録媒体のIDと記録先が一致するファイルを検索する。この検索の際、各ファイルの付帯情報におけるバックアップ情報の部分を参照する。そして、CPU22(52)は、検索したファイルのバックアップ情報を「記録済かつ編集禁止処理済」に更新する。
以上が本実施形態の医用診断装置ネットワーク10の動作説明である。
【0082】
<本実施形態と従来技術との違い>
従来は、本実施形態のバックアップ情報に相当するものがアーカイブ済か否かの2段階であった。このため、アーカイブ済として医用診断装置から削除されているファイルについては、それが記録されている記録媒体への再度の追記中に事故が発生した場合、完全消失するおそれがあった。
【0083】
これに対し本発明者は、医用診断装置からファイルを削除してもよいタイミングは、以下の2条件を満たしたときであることに着眼した。第1に、そのファイルを記録媒体に記録したことである。第2に、そのファイルが記録された記録媒体に対して編集禁止処理が施されている、即ち、その記録媒体に対し一切の記録処理を行うことができない状態になっていることである。これら2条件を満たせば、その記録媒体は読取専用になる以上、その記録媒体を破壊等によって物理的に消失しない限り、当該ファイルをその記録媒体からいつでも読み込める。即ち、医用診断装置から当該ファイルを削除してもよいタイミングとして、1つの判断目安になる。
【0084】
そこで本実施形態では、「未記録」、「記録済」、「記録済かつ編集禁止処理済」の3段階のバックアップ情報により、ファイルのバックアップ情報を管理および表示(ステップS1参照)する。このため、ユーザは、「記録済かつ編集禁止処理済」と表示されているファイルについて、保存の確実性を知ることができ、MRI装置20またはX線CT装置50から削除しても完全消失のおそれはないと判断できる。また、「記録済」と表示されているファイルについては、それが記録されている記録媒体への追記中の事故でデータ消失の可能性があるので、医用診断装置からは削除しない方が望ましいと判断できる。
【0085】
ステップS7、S9に従えば、記録媒体に「十分な空き容量がない」と判定されるまで記録媒体に追記して編集禁止処理を施してから、当該記録媒体に記録したファイルのバックアップ情報を「記録済かつ編集禁止処理済」にする(ステップS11参照)。従って、ステップS7で「十分な空き容量がない」と判定されるまで記録媒体に追記をすれば、記録媒体の記憶容量を有効活用できる。従って、ファイルのバックアップ情報が「記録済かつ編集禁止処理済」にならない限り、医用診断装置から当該ファイルを削除しないように管理すれば、DVDやBD等の大容量の記録媒体の記録容量を活かしつつ、当該ファイルの完全消失を防止できる。
【0086】
換言すれば、記録媒体に十分な空き容量があるか否かの判断基準よりも記憶残量が少なくなるタイミングが、その記録媒体に記録されているファイルのバックアップ情報が「記録済」から「記録済かつ編集禁止処理済」に移行するタイミングに相当すると共に、医用診断装置から当該ファイルを削除してもよいという判断の目途となるタイミングにも相当する。
【0087】
また、MRI装置20(またはX線CT装置50)は、記録媒体が装填された場合に、当該記録媒体に記録されているファイルと、内蔵型記憶装置32(または62)に保存中のファイルとを照合し、一致したファイルのバックアップ情報を更新する(ステップS27、S28、S30、S31参照)。さらに、画像表示装置80やMRI装置20が編集禁止処理を行った場合、その情報を医用診断装置ネットワーク10における他の装置と共有させ、バックアップ情報を更新する(ステップS11、S44参照)。従って、当該記録媒体に対して他の装置において編集禁止処理が施されたような場合にも、バックアップ情報を最新のものにすることができる。また、編集禁止状態から編集可能状態に戻せる型式の記録媒体について、編集禁止または編集可能の状態が変化した場合にも、バックアップ情報を更新することができる(ステップS29〜S31参照)。
【0088】
<本実施形態の補足事項>
本実施形態では、ファイル例として、主にMRI装置20やX線CT装置50により生成された診断画像データのファイルを対象に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。本発明に係るバックアップ情報の管理方法は、他のデータに関するファイルについても適用可能である。また、データの保存および記録については、ファイル以外の形式であってもよい。
【0089】
記録媒体は、CD、DVD、BDのように光で記録するものだけではなく、例えばフラッシュメモリのように電気的に記録するものや、或いは、磁気的に記録するものであってもよい。
【0090】
バックアップ情報を「未記録」、「記録済」、「記録済かつ編集禁止処理済」の3段階にして管理する例を述べたが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、「未記録」、「記録済」、「記録済かつ完全編集禁止処理済」、「記録済かつ暫定編集禁止処理済」の4段階にしてもよい。ここでの「記録済かつ完全編集禁止処理済」は、編集禁止処理済の状態から編集可能状態に戻せない型式の記録媒体にファイルをアーカイブ後、その記録媒体に編集禁止処理を施した場合である。また、「記録済かつ暫定編集禁止処理済」は、編集禁止状態から編集可能状態に戻せる型式の記録媒体にファイルをアーカイブ後、その記録媒体に編集禁止処理を施した場合である。
【0091】
最後に、請求項記載の用語と実施形態との対応関係を説明する。なお、以下に示す対応関係は、参考のために示した一解釈であり、本発明を限定するものではない。
【0092】
MRI装置20およびX線CT装置50はいずれも、請求項記載の医用検査データ保管装置の一例であると共に、請求項記載のファイル管理装置の一例でもある。
診断画像データのファイルを保存する内蔵型記憶装置32、62は、請求項記載の保存部の一例である。
CPU(22、52)の制御に従って、診断画像データのファイルを記録媒体に記録する記録媒体用ドライブ(34、64)の機能は、請求項記載の記録部の一例である。
【0093】
CPU(22、52、82)の制御に従って、記録媒体に編集禁止処理を施す記録媒体用ドライブ(34、64、94)の機能は、請求項記載の編集禁止処理部の一例である。
【0094】
バックアップ情報は、請求項記載の記録情報の一例である。
一覧ファイルにおける各ファイルのバックアップ情報を「未記録」、「記録済」、「記録済かつ編集禁止処理済」のいずれかに更新して保存する内蔵型記憶装置(32、62)と、その動作を制御するCPU(22、52)の機能は、請求項記載の記録情報記憶部の一例である。
【0095】
内蔵型記憶装置(32、62)に保存中のファイルの付帯情報に「未記録」、「記録済」、「記録済かつ編集禁止処理済」のいずれかを示すバックアップ情報を追加または上書きするCPU(22、52)の機能は、請求項記載の記録情報処理部の一例である(ステップS5、S6、S8、S11、S12参照)。
【0096】
CPU(22、52、82)の制御に従って、記録媒体に編集禁止処理が施されているか否かを判定する記録媒体用ドライブ(34、64、94)の機能は、請求項記載の判定部の一例である。
【0097】
画像表示装置80は、請求項記載の医用検査データ表示装置の一例である。
モニタ88は、請求項記載の表示部の一例である。
記録媒体中のファイルと同一のファイルが保存されている医用診断装置に対し、当該記録媒体に編集禁止処理を施したことの情報を送信するCPU82の機能は、請求項記載の情報送信部の一例である(ステップS42参照)。
【符号の説明】
【0098】
10 医用診断装置ネットワーク
20 MRI装置
22 CPU
24 入力装置
26 MRI撮影機構
28 システムバス
30 1次記憶メモリ
32 内蔵型記憶装置
34 記録媒体用ドライブ
36 モニタ
38 通信部
50 X線CT装置
52 CPU
54 入力装置
56 X線CT撮影機構
58 システムバス
60 1次記憶メモリ
62 内蔵型記憶装置
64 記録媒体用ドライブ
66 モニタ
68 通信部
80 画像表示装置
82 CPU
84 入力装置
86 通信部
88 モニタ
90 システムバス
92 1次記憶メモリ
94 記録媒体用ドライブ
100 ネットワークケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用検査データを保存する保存部と、
前記医用検査データを着脱可能な記録媒体に記録する記録部と、
前記記録媒体に対して編集禁止処理を施す編集禁止処理部と、
前記編集禁止処理が施された前記記録媒体に記録済の前記医用検査データには記録済かつ編集禁止処理済であることを表す記録情報を対応付けて記憶すると共に、前記編集禁止処理が施されていない前記記録媒体に記録済の前記医用検査データには記録済であることを表す記録情報を対応付けて記憶する記録情報記憶部と
を備えていることを特徴とする医用検査データ保管装置。
【請求項2】
前記記録媒体が装填または接続された場合に、前記記録媒体に前記編集禁止処理が施されているか否かを判定する判定部をさらに備え、
前記記録情報記憶部は、前記判定部の判定結果に基づいて、記憶している前記記録情報を更新するように構成されることを特徴とする請求項1記載の医用検査データ保管装置。
【請求項3】
医用検査データを保存する保存部と、
前記医用検査データを着脱可能な記録媒体に記録する記録部と、
前記記録媒体に対して編集禁止処理を施す編集禁止処理部と、
前記保存部に保存中の前記医用検査データに対して、前記編集禁止処理が施された前記記録媒体に記録済であれば記録済かつ編集禁止処理済を表す付帯情報を追加または上書きし、前記編集禁止処理が施されていない前記記録媒体に記録済であれば記録済を表す付帯情報を追加または上書きする記録情報処理部と
を備えていることを特徴とする医用検査データ保管装置。
【請求項4】
前記記録媒体が装填または接続された場合に、前記記録媒体に前記編集禁止処理が施されているか否かを判定する判定部をさらに備え、
前記記録情報処理部は、前記判定部の判定結果に基づいて、前記医用検査データの付帯情報を更新するように構成されることを特徴とする請求項3記載の医用検査データ保管装置。
【請求項5】
着脱可能な記録媒体に記録された医用検査データの内容を表示する表示部と、
前記記録媒体に対して編集禁止処理を施す編集禁止処理部と、
前記編集禁止処理が施された前記記録媒体に記録済の前記医用検査データと同一の前記医用検査データが保存されている医用診断装置に対し、前記同一の医用検査データが記録されている前記記録媒体が編集禁止処理済であることを示す情報を送信する情報送信部と
を備えていることを特徴とする医用検査データ表示装置。
【請求項6】
ファイルを保存する保存部と、
前記ファイルを着脱可能な記録媒体に記録する記録部と、
前記記録媒体に対して編集禁止処理を施す編集禁止処理部と、
前記編集禁止処理が施された前記記録媒体に記録済の前記ファイルには記録済かつ編集禁止処理済であることを表す記録情報を対応付けて記憶すると共に、前記編集禁止処理が施されていない前記記録媒体に記録済の前記ファイルには記録済であることを表す記録情報を対応付けて記憶する記録情報記憶部と
を備えていることを特徴とするファイル管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−130893(P2011−130893A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−292196(P2009−292196)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】