説明

医用機器の操作支援装置及び操作支援方法

【課題】医用機器の操作トレーニング中に、モニタ画面上に操作部を模したハードウェア画像を表示し、かつ次に操作すべき操作項目が何であるかを識別可能に表示することができる操作支援装置を提供する。
【解決手段】複数の操作部材を有し、該操作部材の操作に応答して医用機器を制御可能な操作部と、医用機器で撮影した画像を表示可能な表示部と、医用機器の操作トレーニングの開始に応答して、操作部を模したハードウェア画像を表示部に表示させるためのハードウェア画像生成部と、操作トレーニング時に操作部材のいずれかが操作されたとき、次に操作すべき操作項目を把握し、ハードウェア画像に次に操作すべき操作部材を案内表示する制御部とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用機器の操作支援装置に係り、医用機器の操作方法を習熟するためのトレーニングを支援する操作支援装置及び操作支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、X線CT装置、X線循環器診断装置、MRI装置等の医用機器では、コンピュータによる画像診断が行われており、被検体を撮影した画像データを参照しながら診断、解析を行い、検査者に対する検査・治療を行っている。
【0003】
また最近の医用機器は、多機能化が進み操作方法も複雑化しており、医用機器の機能を活かすためには、ユーザ(医師、技師等)が操作方法を習熟する必要がある。このためユーザは、医用機器の操作方法を学習し、スムーズに操作できるように十分なトレーニングを積む必要がある。
【0004】
医用機器の操作トレーニングは、通常、取扱説明書等を利用して実施しているが、操作部と取扱説明書との間を行き来するため、操作が煩雑になっていた。
【0005】
また、トレーニング用のアプリケーションを別途用意し、モニタ上に教育用の画像を表示する例もあるが、撮影画像を覆ってしまうため、医用機器の操作を阻害する可能性があった。また実際にハードウェア機器を使って操作する場合は、モニタとハードウェア機器を交互に見ながら操作方法を覚える必要があるため、習熟するまでには時間がかかるという問題点があった。
【0006】
また、特許文献1には、初心者が、必要な作業を手順通りに進めることができる画像診断装置について記載されている。特許文献1の例では、医用画像の収集及び表示に関わる準備から終了までの一連の作業手順を、ワークフローチャートでグラフィカルに表示するようにしたものであり、操作部の操作トレーニングには適していない。
【特許文献1】特開2001−397号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来、医用機器の操作を習熟するため、各種のトレーニングが必要であったが、取扱説明書等を見ながらのトレーニングは煩雑であり、時間がかかっていた。またモニタ上に教育用の画像を表示してトレーニングする例であっても、実際にハードウェア機器を使って操作する場合は、モニタとハードウェア機器を交互に見ながら操作方法を学ぶため、習熟するまでに時間がかかるという問題点があった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みて成されたもので、医用機器の操作トレーニング中にモニタ画面上に操作部を模したハードウェア画像を表示し、このハードウェア画像上に次に操作すべき操作項目が何であるかを識別可能に表示することで、操作トレーニングを効率よく実行することができる医用機器の操作支援装置及び操作支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の本発明は、被検体を撮影する撮影部を有する医用機器の操作支援装置であって、複数の操作部材を有し、該操作部材の操作に応答して前記医用機器を制御可能な操作部と、前記撮影部で撮影した画像を表示可能な表示部と、前記医用機器の操作トレーニングの開始に応答して、前記操作部を模したハードウェア画像を前記表示部に表示させるためのハードウェア画像生成部と、前記操作トレーニング時に前記操作部材のいずれかが操作されたとき、次に操作すべき操作項目を判断し、前記ハードウェア画像に次に操作すべき操作部材を案内表示する制御部と、を具備したことを特徴とする。
【0010】
また、請求項10記載の本発明は、被検体を撮影する撮影部を有する医用機器の操作支援装置であって、複数の操作部材を有し、該操作部材の操作に応答して前記医用機器を制御可能な操作部と、前記撮影部で撮影した画像を表示可能な表示部と、前記医用機器の操作トレーニングの開始に応答して、前記操作部を模したハードウェア画像を前記表示部に表示させるためのハードウェア画像生成部と、前記操作トレーニング時に前記操作部材のいずれかが操作されたとき、次に操作すべき操作項目を判断し、前記ハードウェア画像に次に操作すべき操作部材を案内表示するとともに、前記操作部の複数の操作部材のうち、次に操作すべき操作部材を識別可能に制御する制御部と、を具備したことを特徴とする。
【0011】
さらに請求項11記載の本発明は、被検体を撮影する撮影部を有する医用機器の操作支援方法であって、複数の操作部材を有し、該操作部材の操作に応答して前記医用機器を制御可能な操作部を備え、前記医用機器の操作トレーニングの開始に応答して、前記操作部を模したハードウェア画像を表示部に表示させ、前記操作トレーニング時に前記操作部材のいずれかが操作されたとき、次に操作すべき操作項目を判断し、前記ハードウェア画像に次に操作すべき操作部材を案内表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、医用機器の操作トレーニングにおいて、操作部の操作をモニタ画面を通して支援することができ、また、操作部自体を通しても次の操作を指示することができるため、効率よくトレーニングを実行することができ、操作方法を短期間で習熟することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は本発明の医用機器の操作支援装置の全体的な構成を説明する説明図である。尚、以下の説明では、医用機器の一例としてX線循環器診断装置について説明するが、本発明の医用機器としては、X線CT装置、MRI装置等の他の画像診断装置を用いることもできる。
【0015】
図1の構成では、検査室1と操作室2に区分された部屋が設けられている。検査室1と操作室2間は鉛ガラスによって遮蔽されており、検査室1には、医用機器としてのX線循環器診断装置100(以下、X線診断装置100と略称)が設置されている。
【0016】
X線診断装置100は、X線発生部とX線検出部を含む撮影部が取り付けられたCアーム110と、被検体を載置するための寝台120を備え、さらにCアーム110等の操作を行う操作ハンドル130を備えている。また、検査室1には複数(本例では3台)のモニタ140が備え付けられている。尚、Cアーム、寝台、操作ハンドル等の詳細については、後述する。
【0017】
また、操作室2には、検査室1内での操作を操作室からサポートするメインコンソール210を備えている。また、キーボート220、マウス230等から成る検査サポート用のシステムコンソールを備えている。また複数(本例では3台)のモニタ240が設けられている。
【0018】
また、検査室1のモニタ140と、操作室2のモニタ240は、それぞれ透視モニタ、参照モニタ、システムモニタを含み、操作室2のシステムモニタは、キーボート220、マウス230等とともにコンピュータ装置250(Personal Computer)を構成する。尚、メインコンソール210等の詳細については、後述する。
【0019】
図2は、X線診断装置100の構成を示す斜視図である。
【0020】
X線診断装置100は、X線発生部11と、X線検出部12がCアーム110に対向保持されており、Cアーム110は、アーム支持部13を介してスタンド14に支持されている。尚、X線発生部11とX線検出部12を含む部分は撮影部を構成する。
【0021】
また、Cアーム110に対して寝台120が配置されており、寝台120の天板15には、被検体(図示せず)が載置され、天板15の位置及び高さは制御可能である。これによりCアーム110は、被検体の体軸方向に沿って相対的に移動可能であって、かつ被検体の周囲に沿って矢印a方向に回転可能である。また撮影部(X線発生部11とX線検出部12)を矢印b方向にスライド回転することができる。
【0022】
X線発生部11は、X線管とX線絞り器を含むX線照射部を有する。またX線検出部12は、平面検出器と、平面検出器から読み出された電荷を電圧に変換する手段と、電圧に変換後の出力をデジタル信号に変換する手段等を有し、デジタル変換されたX線投影データを生成する。
【0023】
X線投影データは、画像データ生成部(図示せず)によって処理され、透視画像データの生成が行われ、透視画像データをモニタ140に表示する。
【0024】
モニタ140は、天井部に取り付けられており、例えば透視モニタ16、参照モニタ17、システムモニタ18で構成されている。
【0025】
また、寝台120には、操作部を構成する操作ハンドル130が取り付けられており、操作ハンドル130を操作することで、天板15の高さ位置の制御、Cアーム110の移動・回転制御、X線の照射範囲の調整、モニタ140の表示制御等の各種の制御を行うことができる。
【0026】
尚、Cアーム110は、床面に置かれたスタンド14に支持された例を示したが、Cアーム110を天井部に移動可能に設置したタイプのX線診断装置100であっても良い。
【0027】
図3は、操作室2に配置された各種装置の一例を示す斜視図である。
【0028】
図3において、210は、操作部を構成するメインコンソールであり、検査室1内の機器を操作室2から制御するものである。メインコンソール210は、各種の調整・制御等を行う操作ボタン21、スイッチ22、ダイヤル23等を備えている。また、スピーカ24を内蔵している。
【0029】
またキーボード220は、複数のキー25を備え、キーボード220、マウス230はシステムコンソールを構成する。さらにモニタ240は、透視モニタ26、参照モニタ27、システムモニタ28で構成され、キーボード220、マウス230、システムモニタ28は、コンピュータ装置を構成する。
【0030】
図4は、X線診断装置100の操作ハンドル130の一例を示した平面図である。操作ハンドル130には、操作ボタン、レバー等の各種の操作部材が設けられており、幾つかの操作部材について説明する。
【0031】
スティック31は、Cアーム110の回転を操作するものであり、操作ボタン32は、X線発生部11とX線検出部12をスライド移動するものであり、操作ボタン33は、天板15を上下動させるものである。
【0032】
緊急停止ボタン34は、緊急時に寝台120等の動作を停止するボタンであり、メニュー操作レバー35は、透視モニタ16や参照モニタ17上のカーソル操作を行ったり、メニュー選択する際に用いる。画像再生レバー36は、収集画像を再生、停止、又はコマ送りする場合等に用いる。イメージファイル切替ボタン37は、イメージファイルの切替えに用いる。
【0033】
また、複数のファンクションボタン38には、システムの据付時に設定した機能がそれぞれ割り当てられており、自発光が可能なボタンである。操作レバー39は、X線の絞りを調整するのに用いられ、調整レバー40は、X線の照射範囲を調整するのに用いられる。
【0034】
さらに切換えボタン41は、X線検出部12での入力面のサイズを切換えるものであり、タイマリセットボタン42は、透視タイマの時間をリセットするのに用いられる。またオートポジショニング設定ボタン43は、天板15の位置を予め設定したポジションに設定するためのボタンであり、自発光可能なボタンである。
【0035】
尚、操作ハンドル130を操作することで、上述した各種の制御を実行可能であるが、図3のメインコンソール210を操作することによっても、操作室2から検査室1内の機器を制御することができる。
【0036】
次に、本発明の特徴部について説明する。
【0037】
本発明では、X線診断装置100の操作に不慣れなユーザ(医師、技師等)が操作トレーニングを行う際に、操作部を構成する操作ハンドル130及びメインコンソール210を模したハードウェア画像を作成してモニタ140及び240にそれぞれ表示する。
【0038】
また、操作ハンドル130及びメインコンソール210の操作に応じて、次に操作すべき操作ボタンや操作レバー等がどれであるかを、ハードウェア画像上に識別可能に表示し、かつ操作ハンドル130及びメインコンソール210の操作部自体にも、次に操作すべき操作ボタンや操作レバー等がどれであるかを知らせる手段を設け、操作トレーニングを支援するものである。
【0039】
図5は、上記した操作トレーニングを支援するための操作支援装置500の一実施形態を示すブロック図である。
【0040】
図5において、51はシステム制御部であり、操作支援装置500の全体の制御を行うもので、通信ネットワーク52を介して外部機器にも接続可能である。さらに操作支援装置500は、操作画面を表示する表示部53、及びハードウェア制御部54を有している。表示部53は、図2の透視モニタ16又は参照モニタ17、或いは図3の透視モニタ26又は参照モニタ27に相当する。表示部53は、ユーザインタフェース(UI)用の画像(以下UI画像と称す)を表示可能である。
【0041】
さらに、システム制御部51は、画像合成部55及び教育用制御部56に接続されており、画像合成部55は、UI画像生成部57及びハードウェア画像生成部58に接続されている。またハードウェア画像生成部58は教育用制御部56にも接続されている。
【0042】
画像合成部55は、ハードウェア画像生成部58によって生成したハードウェア画像を、UI画像生成部57からのUI画像に半透過的に合成するものである。ハードウェア画像は、操作ハンドル130及びメインコンソール210を模した画像であり、UI画像に子画面として表示される。
【0043】
一方、ハードウェア制御部54は、操作部60に接続されている。操作部60は、発光部61、レバー62、ダイヤル63、スピーカ64、キーボード65、マウス66等で構成される。
【0044】
操作部60の発光部61、レバー62、ダイヤル63は、メインコンソール210及び操作ハンドル130に設けた各種の操作部材に対応するものであり、いずれかの操作部材が操作されたときに、ハードウェア制御部54にその操作内容が伝送されるようになっている。
【0045】
尚、発光部61は、自発光が可能なボタンに相当するものであり、図4の例で言えば、例えばファンクションボタン38やオートポジショニング設定ボタン43が発光部61に該当する。またスピーカ64は、図3のメインコンソール210のスピーカ24に相当し、キーボード65及びマウス66は、図3に示したキーボード220及びマウス230に相当する。
【0046】
教育用制御部56は、システム制御部51から入力されたユーザ操作の状況を基に現在の操作状況を判断して次の操作項目を把握し、次に操作すべき操作部材が何であるかをハードウェア画像上に案内表示するものである。また教育用制御部56は、操作部60の各操作部材に次の操作を促すために、システム制御部51及びハードウェア制御部54を介して各操作部材を識別可能に制御する。
【0047】
尚、システム制御部51、ハードウェア制御部54、及び教育用制御部56は、操作支援装置500の制御部を構成する。また、図5の操作支援装置500は、例えば図1のコンピュータ装置250内に構成される。
【0048】
次に本発明の医用機器の操作支援装置の動作を図6及び図7を参照して説明する。
【0049】
本発明の操作支援装置500は、例えば透視モニタ16(又は透視モニタ26)に、図6に示すようなUI画像71と、トレーニングを支援するハードウェア画像74を表示する。
【0050】
例えば操作ハンドル130の操作をトレーニングする際には、操作ハンドル130を模したハードウェア画像74がUI画像71上に半透過的に重ねて表示される。
【0051】
UI画像71としては、撮影によって得た被検体の透視画像72の他に、検査時の各種の情報73(例えばCアームの位置や角度の情報、寝台120の高さ位置の情報等)が表示される。
【0052】
尚、実際のトレーニング時には、被検体を模擬した実験用の被検体を用いて撮影を行うのが良い。或いは、撮影画像のシミュレーション画像を用意しておき、操作部(例えば操作ハンドル130)の操作に応じて撮影画像が変化するようにすれば、臨場感をもってトレーニングすることができる。
【0053】
一方、ハードウェア画像74には、操作ハンドル130の各種の操作部材を表す補助画像75が含まれており、実際に操作ハンドル130を操作したとき、その操作結果をハードウェア制御部54が確認し、教育制御部56はシステム制御部51と共同して次の操作項目を判断し、次に操作すべき操作部材の補助画像75を点滅させてユーザに案内表示する。尚、点滅表示に限らず、ユーザが識別可能な表示形態で表示(例えば特定の色で表示)しても良い。
【0054】
図6では、操作ハンドル130のオートポジショニング設定ボタン43の1つに相当する補助画像751が点滅している例を示しており、ユーザは次にどのボタンを操作すればよいかを知ることができる。
【0055】
一般的に、X線診断装置100を用いて被検体を撮影する場合、その操作手順は大体決まっているため、現時点の操作内容が確認できれば、次に何を操作すべきかを判断できるため、システム制御部51と教育用制御部56は、操作手順に従って次の操作項目を把握することができる。
【0056】
また、ハードウェア制御部54は、操作ハンドル130の各種の操作部材に対して発光、振動等の制御を行い、次に操作すべき操作部材がどれであるかを知らせる。例えば次に操作すべき操作部材がオートポジショニング設定ボタン43の1つであれば、該当するボタンを発光させてユーザに知らせる。
【0057】
操作部材が自発光型でない場合は、該当する操作部材の近くにLED等の発光素子を配置して点滅させるようにしても良い。或いは操作部材がスティック31やレバー35であれば、スティック31やレバー35を小刻みに振動させる等の方法を用いても良い。
【0058】
このような操作トレーニング手法の動作をより具体的に説明する。
【0059】
医用機器(X線診断装置100)の操作トレーニングを開始する際、キーボード220やマウス230を操作することによりトレーニング開始信号が生成される。そしてトレーニング開始信号が、ハードウェア制御部54及びシステム制御部51を経由して教育用制御部56に送られる。
【0060】
次に教育用制御部56は、表示部53に表示されたUI画面で選択されたボタンや、実際に操作ハンドル130がされたときに、システム制御部51から現在の操作内容を確認し、現時点でどのような操作が行われたかを判断する。
【0061】
判断した結果、次に必要な操作がハードウェアに関与する場合は、ハードウェア画像生成部58から関連画像データ(例えば操作ハンドル130を示すハードウェア画像74のデータ)を取り出し、画像合成部55に供給する。
【0062】
また、UI画像生成部57では、撮影画像を基にUI画像71のデータを生成して画像合成部55に供給し、画像合成部55では、両画像データを合成し、合成画像データを表示部53に出力する。
【0063】
表示部53には、図6で示すようなUI画像71が表示されるとともに、ハードウェア画像74が半透過的に子画面表示される。半透過的に表示するのは、UI画像71がハードウェア画像74によって覆われることにより、UI画像が把握できなくなるのを防ぐためである。
【0064】
尚、ハードウェア画像74の表示位置は、ユーザ操作によって移動可能にしても良い。或いは、UI画像71の中にユーザが指示した注目部位(例えばカーソル76で示す部位)がある場合、この注目部位を避けた位置に自動的にハードウェア画像74を移動するようにしても良い。
【0065】
そして、次に操作ボタンの操作が必要になった場合、教育用制御部56は、ハードウェア画像74の補助画像75の一部を点滅表示させる。例えば次の操作として、図4のオートポジショニング設定ボタン43を押す必要がある場合は、それら対応する補助画像751を点滅させてユーザに知らせる。
【0066】
これによりユーザは、次にオートポジショニング設定ボタン43を操作する必要があることを知ることになる。またオートポジショニング設定ボタン43が操作された後は、その次に何を操作すべきかを判断し、順次に次の操作部材の補助画像を点滅させることになる。こうして、スムーズにトレーニングを実行することができるようになる。
【0067】
また、ハードウェア制御部54は、操作ハンドル130の各操作部材に対して発光、振動等の駆動信号を送り、次に操作すべき操作部材がどれかを知らせるように制御する。
【0068】
例えば、次に操作すべき内容がオートポジショニング設定ボタン43の操作であれば、オートポジショニング設定ボタン43のいずれかを点滅させる。これによりユーザは、実機でも次の操作を確認することができるため、一層効率よく、トレーニングを実行することができる。
【0069】
尚、次の操作部材を知らせる方法としては、発光部を点滅させる以外に、スティック31やレバー39、40等を振動させても良い。この場合は、振動させるための駆動源が別途必要となる。
【0070】
図7は、図3のメインコンソール210の操作を支援する場合の支援画像の表示例を示したものである。
【0071】
メインコンソール210の操作トレーニングを行う場合は、メインコンソール210を模したハードウェア画像77がUI画像71上に半透過的に重ねて表示される。
【0072】
ハードウェア画像77には、メインコンソール210の各種の操作部材を表す補助画像78が含まれており、実際にメインコンソール210を操作したとき、その操作結果をハードウェア制御部54が確認し、教育制御部56は次に操作すべき操作部材の補助画像を点滅させる等によってユーザに知らせる。
【0073】
図7では、メインコンソール210のダイヤル23に相当する補助画像781が点滅している例を示しており、ユーザは次にダイヤル23を操作すればよいことを知ることができる。
【0074】
また、ハードウェア制御部54は、メインコンソール210の各種の操作部材に対して発光、振動、回転等の制御を行い、次に操作すべき操作部材がどれであるかを知らせる。例えば次に操作すべき操作部材がダイヤル23である場合は、ダイヤル23を所定の回転角度範囲内で正、逆方向に小刻みに回転させてユーザに知らせる。
【0075】
また操作部材が自発光型の場合は、該当する操作部材を点滅させる。さらに操作部材が自発光型でない場合は、近くにLED等の発光素子を配置して点滅させるようにしても良い。或いは操作部材がレバーのようなものであればレバーを小刻みに振動させる等の方法を用いても良い。さらに、メインコンソール210にスピーカ24がある場合は、スピーカによって次の操作を指示するようにしても良い。
【0076】
尚、次の操作を知らせる方法として、発光部を点滅させる以外に、ダイヤルを回転させる場合や、レバー等を振動させる場合は、回転、又は振動させるための駆動源が別途必要となる。
【0077】
以上、述べたように本発明の操作支援装置によれば、医用機器のトレーニングにおいて、ハードウェア装置の次の操作を表示部の画面を通して教えることができるため、従来のように取扱説明書と実際の操作部を見比べながら操作する必要がなく、効率よくトレーニングすることができ、短期間に操作方法を習熟することができる。
【0078】
また、実際のハードウェア機器(操作部)においても、点滅表示等により次の操作を把握することができるため、一層、トレーニング効率を上げることができる。
【0079】
尚、以上の説明では医用機器としてX線循環器診断装置100を例に説明したが、X線CT装置や、MRI装置等の他の医用診断装置の操作を支援する装置にも適用することができることは言うまでもない。
【0080】
また、ハードウェア画像を子画面として表示する例を述べたが、表示画面を複数の領域に区分して多画面表示し、その中の1つにハードウェア画像を表示するようにしても良い。また、透視モニタ16、26にハードウェア画像を表示する例を説明したが、参照モニタ17、27に表示するようにしても良い。
【0081】
また本発明の実施形態は以上の説明に限定されることなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の医用機器の操作支援装置の全体的な構成を示すブロック図。
【図2】本発明の操作支援装置を備えた医用機器の構成を示す斜視図。
【図3】本発明の操作支援装置に関連する操作室内の構成を示す斜視図。
【図4】本発明の医用機器の操作に用いる操作部の一例を示す平面図。
【図5】本発明の操作支援装置の一実施形態を示すブロック図。
【図6】同実施形態の動作を説明するための説明図。
【図7】同実施形態の動作を説明するための別の説明図。
【符号の説明】
【0083】
100…X線循環器診断装置(医用機器)
110…Cアーム
120…寝台
130…操作ハンドル(操作部)
140…モニタ(表示部)
210…メインコンソール(操作部)
220…キーボード
230…マウス
240…モニタ(表示部)
250…コンピュータ装置
21〜24…操作部材
31〜43…操作部材
500…操作支援装置
51…システム制御部
52…通信ネットワーク
53…表示部
54…ハードウェア制御部
55…画像合成部
56…教育用制御部
57…ユーザインタフェース(UI)画像生成部
58…ハードウェア画像生成部
60…操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体を撮影する撮影部を有する医用機器の操作支援装置であって、
複数の操作部材を有し、該操作部材の操作に応答して前記医用機器を制御可能な操作部と、
前記撮影部で撮影した画像を表示可能な表示部と、
前記医用機器の操作トレーニングの開始に応答して、前記操作部を模したハードウェア画像を前記表示部に表示させるためのハードウェア画像生成部と、
前記操作トレーニング時に前記操作部材のいずれかが操作されたとき、次に操作すべき操作項目を判断し、前記ハードウェア画像に次に操作すべき操作部材を案内表示する制御部と、
を具備したことを特徴とする医用機器の操作支援装置。
【請求項2】
前記ハードウェア画像生成部は、前記ハードウェア画像として前記複数の操作部材を表す補助画像を含む画像を生成し、
前記制御部は、次に操作すべき操作部材を案内表示するため、前記補助画像のうち次の操作に関連する補助画像を識別可能に表示することを特徴とする請求項1記載の医用機器の操作支援装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記操作部の複数の操作部材を制御するハードウェア制御部を含み、前記操作部の複数の操作部材のうち、次に操作すべき操作部材を識別可能に制御することを特徴とする請求項1記載の医用機器の操作支援装置。
【請求項4】
前記ハードウェア制御部は、前記操作部の複数の操作部材のうち、次に操作すべき操作部材を発光表示により識別させることを特徴とする請求項3記載の医用機器の操作支援装置。
【請求項5】
前記ハードウェア制御部は、前記操作部の複数の操作部材のうち、次に操作すべき操作部材を振動又は回転させて識別させることを特徴とする請求項3記載の医用機器の操作支援装置。
【請求項6】
前記ハードウェア制御部は、前記操作部に設けたスピーカを制御し、次に操作すべき操作部材を音声で知らせることを特徴とする請求項3記載の医用機器の操作支援装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記表示部にユーザインタフェース画像を表示するとともに、前記ハードウェア画像を前記ユーザインタフェース画像に半透過的に合成して子画面表示することを特徴とする請求項1記載の医用機器の操作支援装置。
【請求項8】
前記操作部は、前記医用機器が設置された検査室内に設けられた操作ハンドルで成ることを特徴とする請求項1記載の医用機器の操作支援装置。
【請求項9】
前記操作部は、前記医用機器が設置された検査室とは別の操作室から前記医用機器を操作するためのコンソールにて成ることを特徴とする請求項1記載の医用機器の操作支援装置。
【請求項10】
被検体を撮影する撮影部を有する医用機器の操作支援装置であって、
複数の操作部材を有し、該操作部材の操作に応答して前記医用機器を制御可能な操作部と、
前記撮影部で撮影した画像を表示可能な表示部と、
前記医用機器の操作トレーニングの開始に応答して、前記操作部を模したハードウェア画像を前記表示部に表示させるためのハードウェア画像生成部と、
前記操作トレーニング時に前記操作部材のいずれかが操作されたとき、次に操作すべき操作項目を判断し、前記ハードウェア画像に次に操作すべき操作部材を案内表示するとともに、前記操作部の複数の操作部材のうち、次に操作すべき操作部材を識別可能に制御する制御部と、
を具備したことを特徴とする医用機器の操作支援装置。
【請求項11】
被検体を撮影する撮影部を有する医用機器の操作支援方法であって、
複数の操作部材を有し、該操作部材の操作に応答して前記医用機器を制御可能な操作部を備え、
前記医用機器の操作トレーニングの開始に応答して、前記操作部を模したハードウェア画像を表示部に表示させ、
前記操作トレーニング時に前記操作部材のいずれかが操作されたとき、次に操作すべき操作項目を判断し、
前記ハードウェア画像に次に操作すべき操作部材を案内表示することを特徴とする医用機器の操作支援方法。
【請求項12】
前記ハードウェア画像は、前記複数の操作部材を表す補助画像を含み、
次に操作すべき操作部材を案内表示するため、前記補助画像のうち次の操作に関連する補助画像を識別可能に表示することを特徴とする請求項11記載の医用機器の操作支援方法。
【請求項13】
前記ハードウェア画像に次に操作すべき操作部材を案内表示するともに、
前記操作部の複数の操作部材を制御して、前記操作部の複数の操作部材のうち、次に操作すべき操作部材を識別可能に制御することを特徴とする請求項11記載の医用機器の操作支援方法。
【請求項14】
前記操作部の前記次に操作すべき操作部材を、発光表示で識別させることを特徴とする請求項13記載の医用機器の操作支援方法。
【請求項15】
前記操作部の前記次に操作すべき操作部材を、振動又は回転させて識別させることを特徴とする請求項13記載の医用機器の操作支援方法。
【請求項16】
前記操作部の前記次に操作すべき操作部材を、音声によって知らせることを特徴とする請求項13記載の医用機器の操作支援方法。
【請求項17】
前記表示部にユーザインタフェース画像を表示し、前記ハードウェア画像を前記ユーザインタフェース画像に半透過的に合成して子画面表示することを特徴とする請求項11記載の医用機器の操作支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−106531(P2009−106531A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−282070(P2007−282070)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】