説明

医用物品を被覆するための亜鉛塩含有組成物

【課題】抗刺激効果を有し且つ感染性疾患の伝染も抑制する、コーティングを施した物品の提供。
【解決手段】医用物品のためのコーティング材中に低濃度の水溶性亜鉛塩と抗菌作用物質との組み合わせを用いたコーティング製剤により表面を被覆することを含む方法によって作製された物品。該コーティング製剤は、特定量のグルコン酸クロルヘキシジン;パンテノール酢酸亜鉛乳酸亜鉛;四級アンモニウム化合物;及びシリコーンエマルジョンを含み、水不溶性亜鉛塩は含まない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品、例えば医用物品のための、コーティング材中に低濃度の亜鉛塩及び抗菌作用物質の組み合わせを用いる方法及び組成物に関する。このコーティング材は抗刺激効果を有し且つ感染性疾病の伝染も抑制する。
【背景技術】
【0002】
米国疾病管理センター(The Center for Disease Control)(CDC)の推計では、院内感染は合衆国医療制度に年間45億ドル費やさせ、さらにそのような感染の80%は直接的な接触によって伝染している。皮膚軟化溶媒であるオクトキシグリセリン(「Sensiva」)は、特に四級アンモニウム化合物及びさらなる抗菌作用物質の存在下で抗菌活性を呈することが見出されており、この活性は、ハンドサニタイザー製剤において利用されている(特許文献1を参照されたい)。抗菌局所製剤に加えて、又はそれに代わるものとして、医療従事者により、また外食産業などの他の業界でも、手袋が感染の広がりを防ぐ手段として使用されている。しかしながら、多くの人は、ラテックスに対するアレルギー反応や水分保持に対する皮膚反応を含む、手袋に対する感受性を持っているか又は発現するようになる。
【0003】
亜鉛塩が、さまざまな作用物質によって引き起こされる刺激を抑制し得ることは、認識されている。例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4、及び特許文献5を参照されたい。これらの特許は、比較的高濃度の亜鉛を用いることを教示しているが、これは、体内に取り込まれると、有害となり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6846846号明細書
【特許文献2】米国特許第5708023号明細書
【特許文献3】米国特許第5965610号明細書
【特許文献4】米国特許第6037386号明細書
【特許文献5】米国特許第5985918号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、2種以上の水溶性亜鉛塩と1種又は複数種の抗菌作用物質の組み合わせで被覆された物品、特に医用物品に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのようなコーティング材は、さらに、皮膚軟化溶媒、エッセンシャルオイルもしくはその構成成分、及び/又はシリコーン粉末などの作用物質を含み得る。本発明に従って被覆され得る物品としては、限定するものではないが、手袋、男性用及び女性用コンドーム、医用衣類、包帯、履物などが挙げられる。本発明のコーティング材は、物品の保護効果を高めると同時に物品と触れ合う皮膚への刺激も抑制する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、少なくとも一つには、バリアー医用物品の場合、及び皮膚又は粘膜と触れ合う医用物品の場合において、それぞれ、感染性疾病の伝染を防ぐ上でのバリアーとしての有効性を高め、物品によって引き起こされる皮膚及び/又は粘膜への刺激を低減する、物品特に医用物品を被覆するための方法及び組成物に関する。
【0008】
いくつかの実施形態で、本発明は、皮膚と触れ合う物品に塗布されるコーティング材中に、低濃度の水溶性亜鉛塩と1種または複数種の抗菌作用物質とを用いることを提供する。そのような物品としては、限定するものではないが、手袋、コンドーム、及び避妊ペッサリーのようなバリアー物品、ならびに目の保護具、医用ドレープ、保護用衣類、履物、創傷被覆材、瘻孔に適用される治具(例えば、結腸瘻バッグ、気管開口チューブ及び接続具)、外科用マスクなどのような物品が挙げられる。本発明に従って被覆され得る非医用物品の例としては、限定するものではないが、外食産業、銀行、あるいは園芸で使われている手袋又はゴム製指サック、サポーター及びグローブも含めた運動ウエアなどが挙げられる。
【0009】
本発明によるコーティング材について議論するときは、パーセントは、特に断らないかぎり、重量パーセントである。さらに、そのようなパーセントは、特に断らないかぎり、コーティング溶液が乾燥した後に存在している量ではなく、物品を被覆するために用いるコーティング溶液に対して言及する。
【0010】
用語「低濃度」とは、亜鉛塩(亜鉛イオンとその結合パートナーを含む)の重量パーセントが2パーセント未満、例えば約0.05〜2パーセント、又は約0.1〜2パーセント、又は0.1〜0.5パーセント、又は0.5〜1.5パーセント、又は0.2〜0.5パーセント、又は約0.1〜1パーセント、あるいは約0.5〜2パーセントであることを意味する。好ましくは、水溶性の亜鉛塩は、本発明の組成物(製剤、コーティング材)中に、約0.1〜0.5パーセント、又は0.3パーセント未満、あるいは0.2パーセント以下の全体量(すべての水溶性亜鉛塩を合わせた重量)で存在している。
【0011】
「水溶性」亜鉛塩は、25℃における水へのモル溶解度が少なくとも0.1モル/リットル、好ましくは少なくとも0.17モル/リットルを呈するものである。このような製剤中に用いるための水溶性の亜鉛塩としては、酢酸亜鉛(25℃における水へのモル溶解度は1.64モル/l)、酪酸亜鉛(水へのモル溶解度は0.4モル/l)、グルコン酸亜鉛(水へのモル溶解度は0.28モル/l)、グリセリン酸亜鉛(適度に水溶性)、グリコール酸亜鉛(適度に水溶性)、ギ酸亜鉛(20℃における水へのモル溶解度は0.33モル/l)、乳酸亜鉛(水へのモル溶解度は0.17モル/l)、ピコリン酸亜鉛(適度に水溶性)、プロピオン酸亜鉛(水へのモル溶解度は1.51モル/l)、サリチル酸亜鉛(水への溶解度は低い)、酒石酸亜鉛(適度に水溶性)、及びウンデシレン酸亜鉛(適度に水溶性)が挙げられる。好ましい非限定的実施形態において、本発明は、水へのモル溶解度がそれぞれ約0.17〜1.64モル/リットルである2種以上の水溶性亜鉛塩を含み、且つすべての水溶性亜鉛塩の全体重量パーセントが約0.1〜0.5パーセント又は約0.3パーセント以下である、物品を被覆するための製剤を提供する。
【0012】
「水不溶性」亜鉛塩とは、この用語が本明細書で使用される場合、25℃における水溶解度が0.1モル/リットル未満である化合物を言う。水不溶性亜鉛塩の非限定的な例としては、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、クエン酸亜鉛、リン酸亜鉛、炭酸亜鉛、及びホウ酸亜鉛が挙げられる。特定の非限定的実施形態では、水不溶性亜鉛塩は、約0.05〜0.5重量パーセントあるいは約0.1〜1重量パーセントの濃度で存在している。
【0013】
さらなる特定の非限定的実施形態では、水溶性の塩及び水不溶性の塩を含めたすべての亜鉛塩の全体量は、約0.1〜1.5重量パーセントあるいは約0.1〜1重量パーセントである。
【0014】
刺激の「抑制」又は「低減」という用語は、低濃度の、2種以上の水溶性有機亜鉛塩を含んだ本発明の製剤で被覆した医用物品に曝された組織における刺激の客観的又は主観的徴候が、亜鉛塩が入っていない同じ製剤で被覆したバリアーに曝された対照の組織における刺激の徴候との対比で、少なくとも50%、さらにはより好ましくは90%を越えて低減されることを意味する。この文脈での刺激は、赤くなっていること又は色が他の色に変わっていること、炎症又は腫れ、過敏状態、ひりひり感又は痒み又は他の痛みを伴う刺激の発生、ひび割れ、皺が寄った状態、発疹、蕁麻疹、あるいは刺激と関係していると当業者に知られている他の巨視的又は微視的な変化によって、その証拠とされ得る。
【0015】
本発明の製剤は、2つ以上の表面を有する物品においてコーティング材として塗布されて、その物品の少なくとも1つの表面(全表面又はその一部)を被覆し得る。特定の非限定的実施形態として、本発明によるコーティング材は、手袋又はコンドームの内側表面に、又は手袋又はコンドームの外側表面に、あるいは手袋又はコンドームの内側表面及び外側表面のいずれにも塗布され得る。それぞれの表面には異なるコーティング材が塗布され得る。コーティング材は、表面の一部分に亘って、例えば、限定するものではないが、手袋の1つ又は複数の指先部分の内側表面に、塗布され得る。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態は、皮膚軟化剤、例えば、限定するものではないが、PEG20アーモンドグリセリズ、Probutyl DB−10、Glucam P−20、Glucam E−10、Glucam P−10、Glucam E−20、Glucam P−20ジステアレート、Procetyl−10(Croda)、Incroquat、グリセリン、プロピレングリコール、セチルアセテート、さらにはアセチル化ラノリンアルコール、セチルエーテル、ミリスチリルエーテル、ヒドロキシル化ミルクグリセリド、ポリクオタニウム化合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸との共重合体、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ポリプロピレングリコールエーテル、及びシリコーン重合体を含み得る。他の適している皮膚軟化剤としては、炭化水素系皮膚軟化剤、例えばペトロラタムオイル及びミネラルオイル、脂肪エステル系皮膚軟化剤、例えばイソプロピルパルミテート、イソプロピルミリステート、イソプロピルイソステアレート、イソステアリルイソステアレート、ジイソプロピルセバケートのような脂肪酸のメチル、イソプロピル及びブチルエステル、さらにはプロピレンジペラルゴネート、2−エチルヘキシルイソノナノエート、2−エチルヘキシルステアレート、セチルラクテートやラウリルラクテートのようなC12〜C16脂肪アルコールラクテート、イソプロピルラノレート、2−エチルヘキシルサリチレート、セチルミリステート、オレイルミリステート、オレイルステアレート、オレイルオレエート、ヘキシルラウレート、及びイソヘキシルラウレートが挙げられ得る。さらなる皮膚軟化剤としては、ラノリン、オリーブ油、ココアバター、さらにはシアバターが挙げられる。
【0017】
本発明は、製剤及びコーティング材中に、1種又は複数種の皮膚軟化溶媒を組み込むことを提供するものである。本発明の好ましい皮膚軟化溶媒としては、例えば、限定するものではないが、5パーセントまでのあるいは3パーセントまでの濃度の、例えば0.05〜5パーセント又は0.1〜3パーセントの濃度の、オクトキシグリセリン(Sensiva(登録商標))、ペンチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、及びカプリリルグリコールが挙げられる。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態は、安定化剤、例えば、限定するものではないが、抗酸化剤、例えば限定するものではないがビタミンC(アスコルビン酸)又はビタミンE(トコフェロール)を含み得る(抗酸化剤は、0.2〜1%の濃度であり得る)。
【0019】
安定化剤は、驚くべきことに、製剤の濁りを取り除き、結果として透明な製品が得られるように見える。これは、それが塗布される表面に、明るい感じを付与する。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態は、増粘剤、例えば限定するものではないが以下:ステアリルアルコール、陽イオン性ヒドロキシエチルセルロース(U Care JR30;Amerchol)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(Klucel)、Polyox N−60K、キトサンピロリドンカルボキシレート(Kytamer)、ベヘニルアルコール、ステアリン酸亜鉛、Crodamol STS(Croda)や、乳化蝋、例えば限定するものではないが、Incroquat及びPolawaxを含み得る(0.6〜2%の好ましい濃度で)。本明細書に記載した製剤又は軟膏剤中に組み込むのに適している他の増粘及び/又はゲル化剤としては、例えば、アクリル酸の付加重合体、Carbopol(登録商標)ETD(商標)2020のような樹脂、グアガム、アカシア、アクリレート/ステアレス−20メタクリレート共重合体、カンテン、アルギン、アルギン酸、アンモニウムアクリレート共重合体、アルギン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、アミロペクチン、アタパルガイト、ベントナイト、C9〜15アルコール、酢酸カルシウム、アルギン酸カルシウム、カルシウムカラギーナン、塩化カルシウム、カプリルアルコール、カルボマー910、カルボマー934、カルボマー934P、カルボマー940、カルボマー941、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグア、カラギーナン、セルロース、セルロースガム、セテアリルアルコール、セチルアルコール、トウモロコシデンプン、クロドモール(crodomol)、クロチックス(crothix)、ダマール(damar)、デキストリン、ジベンジジンソルビトール、エチレン二水素化タロウアミド、エチレンジオールアミド、エチレンジステアルアミド、ゼラチン、グアガム、グアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ヘクトライト(hectorite)、ヒアルロン酸、水和シリカ、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルステアルアミド−MIPA、イソセチルアルコール、イソステアリルアルコール、カラヤガム、昆布、ラウリルアルコール、イナゴマメガム、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、メトキシPEG−22/ドデシルグリコール共重合体、メチルセルロース、微結晶セルロース、モンロリロナイト、ミリスチルアルコール、オート麦粉、オレイルアルコール、パーム核アルコール、ペクチン、PEG−2M、PEG−5M、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、アルギン酸カリウム、ポリアクリル酸アルミニウム・カリウム、カリウムカラギーナン、塩化カリウム、硫酸カリウム、ジャガイモデンプン、プロピレングリコール、プロピレングリコールアルギネート、アクリル酸ナトリウム/ビニルアルコール共重合体、ナトリウムカルボキシメチルデキストラン、ナトリウムカラギーナン、セルロース硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム、ケイアルミン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、ステアラルコニウムベントナイト、ステアラルコニウムヘクトライト、ステアリルアルコール、タロウアルコール、TEA−ヒドロクロリド、トラガカントガム、トリデシルアルコール、トロメタミンケイ酸アルミニウム・マグネシウム、小麦粉、コムギデンプン、キサンタンガム、アビエチルアルコール、アクリリノール酸、ベヘン酸アルミニウム、カプリル酸アルミニウム、ジリノール酸アルミニウム、アルミニウム塩(例えばジステアレート、さらにはイソステアリン酸アルミニウム)、蜜蝋、ベヘン酸アミド、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、C29〜70酸、ベヘン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、カンデリラ蝋、カルナウバ、セレシン、コレステロール、コレステロールヒドロキシステアレート、ココナッツアルコール、コーパル、ジグリセリルステアレートマレート、ジヒドロアビエチルアルコール、ジメチルラウラミンオレエート、ドデカン酸/セテアリルアルコール/グリコール共重合体、エルカアミド、エチルセルロース、グリセリルトリアセチルヒドロキシステアレート、グリセリルトリ−アセチルリシノレート、グリコールジベヘネート、グリコールジ−オクタノエート、グリコールジステアレート、ヘキサンジオールジステアレート、水添C6〜14オレフィン重合体、水添ひまし油、水添綿実油、水添ラード、水添メンハーデン油、水添パーム核グリセリズ、水添パーム核油、水添パーム油、水添ポリイソブテン、水添ダイズ油、水添タロウアミド、水添タロウグリセリド、水添植物グリセリド、水添植物油、日本蝋、ホホバ蝋、ラノリンアルコール、シアバター、ラウラミド、メチルデヒドロアビエテート、メチル水添ロシネート、メチルロシネート、メチルスチレン/ビニルトルエン共重合体、微結晶蝋、モンタン酸蝋、モンタン蝋、ミリスチルエイコサノール、ミリスチルオクタデカノール、オクタデセン/無水マレイン酸共重合体、オクチルドデシルステアロイルステアレート、オレアミド、オレオステアリン、ウリキュリ蝋(ouricury wax)、酸化ポリエチレン、地蝋、パラフィン、ペンタエリトリチル水添ロシネート、ペンタエリトリチルテトラオクタノエート、ペンタエリトリチルロシネート、ペンタエリトリチルテトラアビエテート、ペンタエリトリチルテトラベヘネート、ペンタエリトリチルテトラオレエート、ペンタエリトリチルテトラステアレート、無水オフタルミン酸/グリセリン/グリシジルデカノエート共重合体、オフタルミン酸/トリメリット酸/グリコール共重合体、ポリブテン、ポリブチレンテレフタレート、ポリジペンテン、ポリエチレン、ポリイソブテン、ポリイソプレン、ポリビニルブチラール、ポリビニルラウレート、プロピレングリコールジカプリレート、プロピレングリコールジココエート、プロピレングリコールジイソノナノエート、プロピレングリコールジラウレート、プロピレングリコールジペラルゴネート、プロピレングリコールジステアレート、プロピレングリコールジウンデカノエート、PVP/エイコセン共重合体、PVP/ヘキサデセン共重合体、コメ糠蝋、ステアラルコニウムベントナイト、ステアラルコニウムヘクトライト、ステアルアミド、ステアルアミドDEA−ジステアレート、ステアルアミドジBA−ステアレート、ステアルアミドMEA−ステアレート、ステアロン、ステアリルエルカミド、ステアリルステアレート、ステアリルステアロイルステアレート、合成蜜蝋、合成蝋、トリヒドロキシステアリン、トリイソノナノイン、トリイソステアリン、トリ−イソステアリルトリリノレエート、トリラウリン、トリリノール酸、トリリノレイン、トリミリスチン、トリオレイン、トリパルミチン、トリステアリン、ラウリル酸亜鉛、ミリスチル酸亜鉛、ネオデカン酸亜鉛、ロジン酸亜鉛、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0021】
本発明の実施形態は、可溶化剤としてフェノキシエタノール(0.3〜1.0%)を含み得る。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態は、湿潤剤、例えば限定するものではないがグリセリン、パンテノール、Glucam P20、1,2−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、又は1,2,6−ヘキサントリオールを含み得る。湿潤剤の濃度は、約0.1〜5パーセントあるいは約0.1〜0.5パーセントであり得る。
【0023】
非限定的実施形態では、本発明のコーティング材は、好ましくは0.05〜5重量パーセント又は0.05〜2重量パーセントあるいは0.1〜2重量パーセントの全体濃度で1種又は複数種の抗菌又は防腐薬を含んでいる。好ましい抗菌及び/又は防腐薬の例としては、限定するものではないが、グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)、塩化ベンザルコニウム(BZK)、又はヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC;Germall plus)が挙げられる。さらなる抗菌作用物質の例としては、限定するものではないが、ヨードフォア、ヨウ素、安息香酸、ジヒドロ酢酸、プロピオン酸、ソルビン酸、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、セトリミド、(限定するものではないが塩化ベンゼトニウム(BZT)も含む)四級アンモニウム化合物、塩化デカリニウム、クロルヘキシジン(遊離塩基及び塩も含む(後を参照されたい))のようなビグアニド剤、PHMB(ポリヘキサメチレンビグアニド)、クロロエレゾール(chloroeresol)、クロルキシレノール、ベンジルアルコール、ブロノポール、クロルブタノール、エタノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、2,4−ジクロロベンジルアルコール、チオメルサール、クリンダマイシン、エリスロマイシン、ベンゾイルペルオキシド、ムピロシン、バシトラシン、ポリミキシンB、ネオマイシン、トリクロサン、パラクロロメタキシレン、フォスカネット、ミコナゾール、フルコナゾール、イトリコナゾール(itriconazole)、ケトコナゾール、ならびに薬学的に許容されるこれらの塩が挙げられる。
【0024】
特定の、本発明の非限定的実施形態は、限定するものではないが塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム(BZT)及び塩化デカリニウムのような四級アンモニウム化合物を、実質的に含まない。
【0025】
本発明に従って抗菌作用物質として用いられ得る薬学的に許容されるクロルヘキシジン塩としては、限定するものではないが、パルミチン酸クロルヘキシジン、ジホスファニル酸クロルヘキシジン、ジグルコン酸クロルヘキシジン、ジ酢酸クロルヘキシジン、ジ塩酸クロルヘキシジン、ジ塩化クロルヘキシジン、ジヨウ化水素酸クロルヘキシジン、ジ過塩素酸クロルヘキシジン、ジ硝酸クロルヘキシジン、硫酸クロルヘキシジン、亜硫酸クロルヘキシジン、チオ硫酸クロルヘキシジン、リン酸二酸クロルヘキシジン、ジフルオロリン酸クロルヘキシジン、ジギ酸クロルヘキシジン、ジプロピオン酸クロルヘキシジン、ジヨード酪酸クロルヘキシジン、ジ−n−吉草酸クロルヘキシジン、ジカプロン酸クロルヘキシジン、マロン酸クロルヘキシジン、コハク酸クロルヘキシジン、マレイン酸クロルヘキシジン、酒石酸クロルヘキシジン、ジモノグリコール酸クロルヘキシジン、モノジグリコール酸クロルヘキシジン、ジ乳酸クロルヘキシジン、ジ−α−ヒドロキシイソ酪酸クロルヘキシジン、ジグルコヘプトン酸クロルヘキシジン、ジ−イソチオン酸クロルヘキシジン、ジ安息香酸クロルヘキシジン、ジシンナム酸クロルヘキシジン、ジマンデル酸クロルヘキシジン、ジ−イソフタル酸クロルヘキシジン、ジ−2−ヒドロキシナフトエ酸クロルヘキシジン、及びエンボン酸クロルヘキシジンが挙げられる。クロルヘキシジンの遊離塩基は、抗菌作用物質のさらなる例である。
【0026】
本発明で有用なこれらの抗菌作用物質の例及びさらなる例は、Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics (Goodman Gilman A, Rall TW, Nies AS, Taylor P, ed. (Pergamon Press; Elmsford, N.Y.: 1990))などの参考書に見出され得る(その内容を、参照により、本明細書に組み込む)。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態は、1種又は複数種の他の成分中に存在するカルボキシル基(例えば増粘剤中のカルボキシル基)を中和するための中和剤を含み得る。適している中和剤としては、ジイソプロピルアミン及びトリエタノールアミンが挙げられる。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態は、界面活性剤を含み得る。界面活性剤は、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、又は非イオン界面活性剤であり得る。非イオン界面活性剤の例としては、ポリエトキシレート、脂肪アルコール(例えば、ICI Americas、Inc.(Wilmington、DE)から市販されているセテス−20(平均約20のエチレンオキシド単位を有するポリエチレンオキシドセチルエーテル)及び他の「BRIJ」(登録商標)非イオン界面活性剤)、コカミドプロピルベタイン、アルキルフェノール、ソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン、又はポリオキシエチレンソルビタンが挙げられる。適している陰イオン界面活性剤としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテルスルホコハク酸塩が挙げられる。好ましい界面活性剤としては、約0.5〜2.0%の濃度のラウロイルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム塩、約2.0%のPluronic F87、Masil SF−19(BASF)、及びインクロミド(incromide)が挙げられる。界面活性剤の適している濃度は、約0.05%〜2%である。
【0029】
本明細書に記載した製剤中に用いられる水は、好ましくは、中性pHの脱イオン水にする。本発明に従って用いられ得るアルコールとしては、限定するものではないが、エタノール及びイソプロピルアルコールが挙げられる。
【0030】
本発明の非限定的実施形態は、シリコーン粉末(例えば、限定するものではないが、Dow Corning 9701化粧用粉末)を含み得る。特定の非限定的実施形態では、そのような粉末の量は、約0.1〜5パーセントあるいは0.2〜1パーセントであり得る。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態は、限定するものではないがシリコーン溶液(例えばジメチコン又はシクロメチコン)、シリコーンエマルジョン、染料、香料、pH調整剤[塩基性pH調整剤、例えばアンモニア、モノ−、ジ−、及びトリ−アルキルアミン、アルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物(例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、モノエタノールアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン);酸性pH調整剤、例えば鉱酸及びポリカルボン酸(例えば、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、クエン酸、グリコール酸、及び乳酸);ビタミン、例えばビタミンA、ビタミンE及びビタミンC;ポリアミノ酸及び塩(例えばエチレンジアミンテトラ酸性酸(EDTA))が挙げられる]、Germall plusやDMDMヒダントインのような防腐薬を含む、さらなる作用物質を含み得る。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態は、エッセンシャルオイル(「EO」)を含み得る。これは、植物体又は動物源から得られる揮発油であり、例えば限定するものではないが、モノテルペン又はセスキテルペン炭化水素、アルコール、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、もしくはオキシドであり得る、1種又は複数種の活性作用物質(本明細書では単離された構成成分(Isolated Component)又は「IC」とも言う)を含んでいる。このようなEOの例としては、限定するものではないが、アーモンドオイル、イラン−イランオイル、ネロリオイル、ビャクダンオイル、乳香オイル、ペパーミントオイル、ラベンダーオイル、ジャスミンアブソリュート、ゼラニウムオイルブルボン、スペアミントオイル、クローブオイル、レモングラスオイル、シーダーウッドオイル、バルサムオイル、及びタンジェリンオイルが挙げられる。別の形態として、本発明は、限定するものではないが、1−シトロネロール、α−アミルシンナムアルデヒド、リラール(lyral)、ゲラニオール、ファルネソール、ヒドロキシシトロネラール、イソオイゲノール、オイゲノール、ユーカリオイル及びユーカリプトール、レモンオイル、リナロール、及びシトラールのような、エッセンシャルオイル中に見出される活性作用物質(IC)を用いることを提供する。そのような化合物は、その芳香剤又は香味剤としての効果以外にも、本発明では、抗菌作用物質としても有用であり得る。EO又はICの濃度は、約0.3〜1パーセント又は約0.1〜0.5パーセントあるいは0.5〜2パーセント(すべて重量パーセントの値)であり得る。
【0033】
本明細書では周囲温度は20〜35℃と定義される。本明細書では室温は20〜25℃と定義される。
【0034】
本発明は上述した組成物を用いて上皮組織(例えば粘膜組織又は皮膚)への刺激を抑制する方法を提供するもので、該方法には、その表面に本組成物の有効量を塗布すること、又は皮膚又は粘膜組織と触れ合うことが意図されている物品を被覆すること、が含まれている。保護が提供され得る刺激原の例としては、限定するものではないが、物理的、化学的、機械的又は生物的刺激原によって引き起こされるものが挙げられる。上述した刺激原の具体的な例としては、限定するものではないが、毛を取り除くための媒体(例えば、脱毛剤、ワックスとかみそり)、毛髪弛緩剤(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、チオグリコレート)、発汗抑制剤(例えばアルミニウムクロルハイドレート及び他のアルミニウム塩)、皮膚治療薬(例えばアルファヒドロキシアシッド(AHA)、特にグリコール酸及びトリクロロ酢酸)、角質皮膚の痒み状態(例えば乾癬、ふけなど)、感染性皮膚刺激原(例えば細菌及び真菌)、さらには治療目的で塗布される作用物質が挙げられる。刺激から保護される上皮表面は、膣、肛門直腸、口又は鼻も含めた皮膚又は粘膜であり得る。
【0035】
保護が提供され得る感染性外的病原因子の例としては、限定するものではないが、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)、クラジミアトラコマチス、淋菌、膣トリコモナス、及びカンジダアルビカンスも含めた、性感染症と関係する感染性外的病原因子、ならびに、限定するものではないが、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、肺炎連鎖球菌、大腸菌、ネズミチフス菌、腸球菌、さらには髄膜炎菌、HIV、水痘ウイルス及び肝炎ウイルス(例えば、A、B、及びC)も含めた、医療現場で遭遇し得る感染性外的病原因子が挙げられる。
【0036】
いくつかの別の非限定的実施形態では、本発明の製剤及び/又はコーティング材は、ヨードフォア、ヨウ素、安息香酸、ジヒドロ酢酸、プロピオン酸、ソルビン酸、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、セトリミド、四級アンモニウム化合物(限定するものではないが塩化ベンザルコニウムが挙げられる)、塩化デカリニウム、クロルヘキシジン(遊離塩基及び塩も含む(後を参照されたい))のようなビグアニド剤、クロロエレゾール(chloroeresol)、クロルキシレノール、ベンジルアルコール、ブロノポール、クロルブタノール、エタノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、2,4−ジクロロベンジルアルコール、チオメルサール、クリンダマイシン、エリスロマイシン、ベンゾイルペルオキシド、ムピロシン、バシトラシン、ポリミキシンB、ネオマイシン、トリクロサン、パラクロロメタキシレン、フォスカネット、ミコナゾール、フルコナゾール、イトリコナゾール(itriconazole)、ケトコナゾール、ならびに薬学的に許容されるこれらの塩からなる群から選択される抗菌作用物質が入ってない。
【0037】
なおさらなる実施形態で、本発明は亜鉛スラリーを提供するが、これは、ラテックス製物品(例えばコンドーム又は手袋)に塗布されて、刺激を低減又は抑制し得る。この亜鉛スラリーは、例えば限定するものではないが、0.5〜2%の濃度の(先に開陳した)少なくとも2種の水溶性亜鉛塩と、場合により0.1〜1パーセントの濃度の1種又は複数種の水不溶性亜鉛塩と、さらには0.1〜4%の濃度のパンテノールを含み得る。そのようなスラリーは、液体(例えばシリコーン溶液)と1:5〜1:10の比で混合してから、皮膚と触れ合うことになる物品の表面に塗布され得る。特定の非限定的実施形態で、本発明はエマルジョンを提供するが、これは、手袋(例えばラテックス製手袋)の内側表面を被覆するために用いられ得る。
【0038】
一組の好ましい非限定的実施形態で、本発明は、物品に塗布するための、又は物品に塗布されたコーティング材を提供するが、該コーティング材は、それぞれが0.1〜1重量パーセントの濃度の2種の水溶性亜鉛塩と、約0.05〜5重量パーセントの濃度のパントテン酸誘導体(例えばパンテノール)と、さらには約1〜5重量パーセントの濃度の先に開陳した抗菌作用物質(例えば、クロルヘキシジンのようなビグアニド)とを含んでいる。コーティング材溶液は、さらに、約70〜95重量パーセントの濃度のシリコーンエマルジョンを含み得る。一部の非限定的実施形態では、そのようなコーティング材は、さらに、0.1〜1重量パーセントの濃度の第3の水溶性亜鉛塩を含んでいる。一部の非限定的実施形態では、場合により第3の水溶性亜鉛塩を含むそのようなコーティング材中では、すべての水溶性亜鉛塩を合わせた量は、約0.1〜2重量パーセントである。一部の非限定的実施形態では、そのようなコーティング材は、約0.2〜1パーセントの濃度の、先に開陳したシリコーン粉末を含んでいる。
【0039】
好ましい非限定的実施形態で、本発明は:
(i)約2〜4重量パーセントの濃度のグルコン酸クロルヘキシジン;
(ii)約0.3〜1重量パーセントの濃度のパンテノール;
(iii)約0.1〜0.5重量パーセントの濃度の酢酸亜鉛;
(iv)約0.5〜1.5パーセントの濃度の乳酸亜鉛;
(v)約0.05〜0.2重量パーセントの濃度の四級アンモニウム化合物;及び
(vi)約1〜5重量パーセントの濃度のシリコーンエマルジョン;
を含み、水不溶性亜鉛塩は含まず、場合により約0.5〜2重量パーセントのファルネソール、約0.5〜3重量パーセントのオクトキシグリセリン、及び/又は約0.1〜0.5重量パーセントのシリコーン粉末をさらに含むコーティング製剤を提供する。
【0040】
他の非限定的実施形態で、本発明は:
(i)約2〜4重量パーセントの濃度のグルコン酸クロルヘキシジン;
(ii)約0.3〜1重量パーセントの濃度のパンテノール;
(iii)約0.1〜0.5重量パーセントの濃度の酢酸亜鉛;
(iv)約0.5〜1.5パーセントの濃度の乳酸亜鉛;
(v)約0.1〜1.0重量パーセントの濃度の酸化亜鉛;及び
(vi)約1〜5重量パーセントの濃度のシリコーンエマルジョン;
を含み、四級アンモニウム化合物は含まず、場合により約0.5〜2重量パーセントのファルネソール、約0.5〜3重量パーセントのオクトキシグリセリン、及び/又は約0.1〜0.5重量パーセントのシリコーン粉末をさらに含むコーティング製剤を提供する。
【0041】
なおさらなる非限定的実施形態で、本発明は:
(i)約2〜4重量パーセントの濃度のグルコン酸クロルヘキシジン;
(ii)約0.3〜1重量パーセントの濃度のパンテノール;
(iii)約0.1〜0.5重量パーセントの濃度の酢酸亜鉛;
(iv)約0.5〜1.5パーセントの濃度の乳酸亜鉛;
(v)約0.05〜0.2重量パーセントの濃度の四級アンモニウム化合物;
(vi)約1〜5重量パーセントの濃度のシリコーンエマルジョン;
(vii)約0.5〜2重量パーセントのファルネソール;
(viii)約0.5〜3重量パーセントのオクトキシグリセリン;および
(ix)約0.1〜0.5重量パーセントのシリコーン粉末;
を含むコーティング製剤を提供する。
【0042】
非限定的実施形態で、本発明は、先に開陳したコーティング製剤で未コート物品の表面を被覆することを含む方法によって作製された物品、特に医用物品を提供する。そのような物品を被覆することは、皮膚又は粘膜と触れ合った場合、それらをより刺激の低いものにすると考えられ、さらには、感染性疾患の伝染を抑制するうえで、それらをより効果的なものにすると考えられる。
【0043】
表1は、本発明の製剤の非限定的実施例中に含まれ得る各構成成分の濃度範囲を示すものである。
【表1】

【0044】
表2は、不溶性亜鉛塩は含まない、本発明の製剤の非限定的実施例中に含まれ得る各構成成分の濃度範囲を示すものである。
【表2】

【0045】
本発明の非限定的な方法によれば、コーティング製剤は、最初に2種の溶液(上記の相1と相2)を調製し、これらをその後一緒に混合することによって調製される。
【0046】
表3は、場合により不溶性亜鉛塩を含む、本発明の製剤の非限定的実施例中に含まれ得る各構成成分の濃度範囲を示すものである。
【表3】

【0047】
本発明の非限定的な方法によれば、このコーティング製剤は、最初に2種の溶液(上記の相1と相2)を調製し、これらをその後一緒に混合することによって調製される。
【0048】
1つの特定の、本発明の非限定的実施形態は、以下の表4に示されている製剤である。
【表4】

【0049】
本明細書ではいくつかの刊行物が引用されているが、その内容は、その全体が、参照により、本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)0.05〜5重量パーセントの濃度のグルコン酸クロルヘキシジン;
(ii)0.3〜1重量パーセントの濃度のパンテノール;
(iii)0.1〜0.5重量パーセントの濃度の酢酸亜鉛;
(iv)0.5〜1.5パーセントの濃度の乳酸亜鉛;
(v)0.05〜0.2重量パーセントの濃度の四級アンモニウム化合物;及び
(vi)1〜5重量パーセントの濃度のシリコーンエマルジョン;
を含み、水不溶性亜鉛塩は含まないコーティング製剤により、
物品の表面を被覆することを含む方法によって作製された物品。
【請求項2】
コーティング製剤が、0.5〜2重量パーセントのファルネソールをさらに含む請求項1に記載の物品。
【請求項3】
コーティング製剤が、0.5〜3重量パーセントのオクトキシグリセリンをさらに含む請求項1に記載の物品。
【請求項4】
コーティング製剤が、0.1〜0.5重量パーセントのシリコーン粉末をさらに含む請求項1に記載の物品。
【請求項5】
(i)2〜4重量パーセントの濃度のグルコン酸クロルヘキシジン;
(ii)0.3〜1重量パーセントの濃度のパンテノール;
(iii)0.1〜0.5重量パーセントの濃度の酢酸亜鉛;
(iv)0.5〜1.5パーセントの濃度の乳酸亜鉛;
(v)0.05〜0.2重量パーセントの濃度の四級アンモニウム化合物;
(vi)以下:
(a)1〜5重量パーセントの濃度のシリコーンエマルジョン;
(b)0.5〜2重量パーセントのファルネソール;
(c)0.5〜3重量パーセントのオクトキシグリセリン;及び
(d)1〜4重量パーセントの濃度のオクタンジオール化合物;
から本質的に構成されるシリコーン溶液;
を含むコーティング製剤により、
物品の表面を被覆することを含む方法によって作製された物品。
【請求項6】
コーティング製剤が、0.1〜0.5重量パーセントのシリコーン粉末をさらに含む請求項5に記載の物品。

【公開番号】特開2013−99543(P2013−99543A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−284373(P2012−284373)
【出願日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【分割の表示】特願2009−513121(P2009−513121)の分割
【原出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【出願人】(501306715)ザ トラスティース オブ コロンビア ユニバーシティ イン ザ シティ オブ ニューヨーク (11)
【出願人】(509121857)ブイエスピー テクノロジーズ インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】