説明

医用生体材料

本発明は、3ブロックコポリマーおよびそれを含む粘弾性生体内安定性フォームを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
[0001] 本出願は、米国仮特許出願番号61/287,909(2009年12月18日出願)に基づく優先権を主張し、その内容全体を本明細書に援用する。
【0002】
発明の分野
[0002] 本発明は、医用材料、特に消化器系の苛酷な環境で医学的および化学的に安定である材料に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 胃の低いpHおよび消化酵素のほかに膵臓に由来する消化酵素が種々の食物成分を分解する際に特に有効であることが見出された。逆流抑制、胆汁排液カテーテル、胆管ステントおよび肥満症器具など多数の医療器具が、解剖学上のこの部分に用いられる。これらの用途に現在用いられている医用生体材料には、シロキサン、ポリエーテルポリウレタンおよびポリカーボネートポリウレタンが含まれる。これらの材料は、胃もしくは腸の酵素、または腸および胃にそれぞれ存在する極端に高いpHおよび低いpHに起因するさまざまな分解機序を受ける。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 本発明の特定の態様によれば、式[ポリブタジエン][ポリアルキルエーテル][ポリシロキサン]の3ブロックコポリマー、たとえば式Iの3ブロックコポリマーが提供される:
【0005】
【化1】

【0006】
これらのコポリマーはウレタン結合および/またはウレア結合の間に化学的に挿入され(結合し)ており、式中のm、n、p、L、L、R、R、R、およびRはそれぞれ、本明細書中に定義および記載するものである。
【0007】
[0005] 特定の態様において、本発明は、本明細書中に定義および記載する提供されるコポリマーを含む医用生体材料を提供する。特定の態様において、本発明は、本明細書中に定義および記載する提供されるコポリマーを含む医療器具を提供する。
【0008】
[0006] 特定の態様において、本発明は、本明細書中に定義および記載する提供されるコポリマーを含むポリウレタン/ウレアフォームを提供する。特定の態様において、本発明は、本明細書中に定義および記載する提供されるコポリマーを含む生体内安定性粘弾性フォーム(biostable viscoelastic foam)を提供する。
【0009】
[0007] ある態様において、本発明は、ポリウレタン/ウレアフォームのための予備形成された軟質セグメントを提供し、その際、軟質セグメントは本明細書中に定義および記載する式Iのものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】[0008] 図1は、模擬胃液中における経時的な弁性能のグラフであり、その際、性能基準は弁の開放圧である。
【図2】[0009] 図2は、本発明の医用生体材料に関する経時的な吸収質量のグラフである。
【図3】[0010] 図3は、本発明のBAS 3ブロックウレタンポリマーの化学的安定性の比較である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.全般的な説明
[0011] 本明細書には、消化器系の環境で化学的および機械的に安定である、ブタジエン、シロキサン、およびアルキルエーテルポリマーの交互ブロックから形成されるウレタン/ウレア3ブロックコポリマー、および関連フォームを記載する。これらのブロックコポリマーは、シロキサン、アルキルエーテルおよびアルキレンポリマーを含み、これらのブロックのうち3つすべてまたは2つがウレタン/ウレア官能基により連結している。
【0012】
[0012] ある態様において、本発明は、バイオミメティック(生体模倣性)でありかつ胃の環境で加水分解安定性である、多ブロックコポリマーを提供する。そのような多ブロックコポリマーは、式[ポリブタジエン][ポリアルキルエーテル][ポリシロキサン]の3ブロックコポリマーである。特定の態様において、提供される多ブロックコポリマーは式Iのものである:
【0013】
【化2】

【0014】
[式中:
【0015】
【化3】

【0016】
はそれぞれ、ウレタン結合またはウレア結合への結合点を表わし;
、R、R、およびRは、それぞれ独立して、ハロゲン、R、OR、−COR、フッ素化炭化水素、ポリエーテル、ポリエステルまたはフルオロポリマーのうち1以上から選択され;
Rは、それぞれ独立して、水素、場合により置換されたC1−20脂肪族基、あるいは下記のものから選択される、場合により置換された基であり:フェニル、8〜10員二環式アリール、独立して窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子をもつ4〜8員単環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または独立して窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子をもつ5〜6員単環式もしくは8〜10員二環式ヘテロアリール基;
m、nおよびpは、それぞれ独立して2〜100であり;
およびLは、それぞれ独立して二価C1−20炭化水素鎖であり、その際、炭化水素鎖の1〜4つのメチレン単位は、場合により、独立して−O−、−S−、−N(R)C(O)O−、−N(R)C(O)N(R)−、−OC(O)N(R)−、−N(R)−、−C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)−、−SO−、−SON(R)−、−N(R)SO−、−OC(O)−、−C(O)O−、または二価のシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロサイクレン、もしくはヘテロアリーレンにより置き換えられている]。
【0017】
[0013] 特定の態様において、ウレタン/ウレア結合で互いに連結したブタジエン(B)、アルキルエーテル(A)およびシロキサン(S)の交互ブロックを含むコポリマーが提供される。
【0018】
[0014] 特定の態様において、提供されるコポリマーは、高濃度の酵素および他の分解作用種をもつ消化器系および他の解剖学的領域で使用するための医療器具に用いられる。
[0015] 特定の態様において、提供されるコポリマーは低い吸水性をもち、したがって改善された化学的安定性に寄与する。
【0019】
[0016] 特定の態様において、提供されるコポリマーは生体適合性である。特定の態様において、提供されるコポリマーは、苛酷な環境で高い伸長性、柔軟性、化学的および機械的安定性をもつ。
【0020】
[0017] 特定の態様において、提供されるコポリマーは、図2に示すように吸水性に関する改善された性能、ならびに図1および3に示すように化学的安定性/生体内耐久性を示す。
【0021】
2.定義
[0018] 本発明の化合物は、全般的に前記に述べたものを含み、さらに本明細書に開示するクラス、サブクラスおよび種により説明される。別に指示しない限り、本明細書中で用いるように下記の定義を適用すべきである。本発明の目的に関して、化学元素は、Periodic Table of the Elements, CAS version, Handbook of Chemistry and Physics, 75th Edに従って同定される。さらに、有機化学の全般的原理は.「Organic Chemistry」, Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito: 1999、および「March's Advanced Organic Chemistry」, 5th Ed., Ed.: Smith, MB. and March, J., John Wiley & Sons, New York: 2001に記載されており、それらの内容全体を本明細書に援用する。
【0022】
[0019] 本明細書に記載するように、本発明の化合物は1以上の置換基、たとえば全般的に前記に説明するもの、または本発明の特定のクラス、サブクラスおよび種により例示されるもので、場合により置換されていてもよい。「場合により置換された」という句が「置換されたまたは置換されていない」という句と互換性をもって用いられることは認識されるであろう。一般に用語「置換された」は、用語「場合により」が前に付くか否かにかかわらず、与えられた構造中の水素ラジカルが特定置換基のラジカルで置換されていることを表わす。別に指示しない限り、場合により置換された基はその基の置換可能なそれぞれの位置に置換基をもつことができ、与えられたいずれかの構造中の1より多い位置が特定群から選択される1より多い置換基で置換されていてもよい場合、置換基は各位置において同一でも異なってもよい。本発明により考慮される置換基の組合わせは、好ましくは結果的に安定または化学的に可能な化合物を形成するものである。本明細書中で用いる用語「安定な」は、それらの製造、検出、ならびに好ましくはそれらの回収、精製、および本明細書に開示する1以上の目的のための使用を可能にする条件下においた際に、実質的に変化しない化合物を表わす。ある態様において、安定な化合物または化学的に可能な化合物は、水分または他の化学反応性条件の不存在下で40℃以下の温度に少なくとも1週間保存した際に実質的に変化しないものである。
【0023】
[0020] 本明細書中で用いる用語「脂肪族」または「脂肪族」基は、炭化水素部分を表わし、それは直鎖(すなわち、非分枝)、分枝鎖、または環状(縮合、架橋、およびスピロ縮合した多環を含む)であってもよく、完全飽和であってもよく、あるいは1以上の不飽和単位を含んでもよいが、それは芳香族ではない。別に明記しない限り、脂肪族基は1〜20個の炭素原子を含む。ある態様において、脂肪族基は1〜10個の炭素原子を含む。他の態様において、脂肪族基は1〜8個の炭素原子を含む。さらに他の態様において脂肪族基は1〜6個の炭素原子を含み、さらにまた他の態様において、脂肪族基は1〜4個の炭素原子を含む。適切な脂肪族基には、直鎖または分枝鎖アルキル、アルケニル、およびアルキニル基、ならびにそれらのハイブリッド、たとえば(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキルまたは(シクロアルキル)アルケニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0024】
[0021] 用語「低級アルキル」は、C1−4直鎖または分枝鎖アルキル基を表わす。低級アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、およびtert−ブチルである
[0022] 用語「低級ハロアルキル」は、1個以上のハロゲン原子で置換されたC1−4直鎖または分枝鎖アルキル基を表わす。
【0025】
[0023] 用語「ヘテロ原子」は、1個以上の酸素、硫黄、窒素、リン、またはケイ素を意味する(いずれかの酸化された形の窒素、硫黄、リン、もしくはケイ素;四級化した形のいずれかの塩基性窒素;または複素環式環の置換可能な窒素、たとえばN(たとえば、3,4−ジヒドロ−2H−ピロリル中の)、ΝΗ(たとえば、ピロリジニル中の)もしくはNR(たとえば、N−置換ピロリジニル中の)を含む)。
【0026】
[0024] 本明細書中で用いる用語「不飽和」は、ある部分が1以上の不飽和単位をもつことを意味する。
[0025] 本明細書中で用いる用語「二価C1−8[またはC1−6]飽和または不飽和、直鎖または分枝鎖炭化水素鎖」は、本明細書中で定義する直鎖または分枝鎖である二価アルキレン、アルケニレン、およびアルキニレン鎖を表わす。
【0027】
[0026] 用語「アルキレン」は、二価アルキル基を表わす。「アルキレン鎖」は、ポリメチレン基、すなわち−(CH−であり、ここでnは正の整数、好ましくは1から6まで、1から4まで、1から3まで、1から2まで、または2から3までである。置換されたアルキレン鎖は、ポリメチレン基において1個以上のメチレン水素原子が置換基で置き換えられたものである。適切な置換基には、置換された脂肪族基について後記に述べるものが含まれる。
【0028】
[0027] 用語「アルケニレン」は、二価アルケニル基を表わす。置換されたアルケニレン鎖は、少なくとも1つの二重結合を含み、その1以上の水素原子が置換基で置き換えられたポリメチレン基である。適切な置換基には、置換された脂肪族基について後記に述べるものが含まれる。
【0029】
[0028] 用語「ハロゲン」は、F、Cl、Br、またはIを意味する。
[0029] 単独で、または「アラルキル」、「アラルコキシ」もしくは「アリールオキシアルキル」の場合のように、より大きな部分の一部として用いられる用語「アリール」は、合計5〜14個の環員子をもつ単環式または二環式の環系を表わし、その際、その系中の少なくとも1つの環は芳香族であり、その系中の各環は3〜7個の環員子を含む。用語「アリール」は、用語「アリール環」と互換性をもって使用できる。
【0030】
[0030] 本明細書に記載するように、本発明の化合物は「場合により置換された」部分を含むことができる。一般に、用語「置換された」は、用語「場合により」が前に付くか否かにかかわらず、表記した部分の1個以上の水素が適切な置換基で置き換えられていることを意味する。別に指示しない限り、「場合により置換された」基はその基の置換可能なそれぞれの位置に適切な置換基をもつことができ、与えられたいずれかの構造中の1より多い位置が特定群から選択される1より多い置換基で置換されていてもよい場合、置換基は各位置において同一でも異なってもよい。本発明により考慮される置換基の組合わせは、好ましくは結果的に安定または化学的に可能な化合物を形成するものである。本明細書中で用いる用語「安定な」は、それらの製造、検出、ならびに特定の態様においてはそれらの回収、精製、および本明細書に開示する1以上の目的のための使用を可能にする条件下においた際に、実質的に変化しない化合物を表わす。
【0031】
[0031] 「場合により置換された」基の置換可能な炭素原子上の適切な一価置換基は、独立して下記のものである:ハロゲン;−(CH0−4R°;−(CH0−4OR°;−O−(CH0−4C(O)OR°;−(CH0−4CH(OR°);−(CH0−4SR°;R°で置換されていてもよい−(CH0−4Ph;R°で置換されていてもよい−(CH0−4O(CH0−1Ph;R°で置換されていてもよい−CH=CHPh;
【0032】
【化4】

【0033】
−(C1−4直鎖または分枝鎖アルキレン)O−N(R°);または−(C1−4直鎖または分枝鎖アルキレン)C(O)O−N(R°);これらにおいて、各R°は後記に定めるように置換されていてもよく、独立して水素、C1−6脂肪族、−CHPh、−O(CH0−1Ph、または独立して窒素、酸素もしくは硫黄から選択される0〜4個のヘテロ原子をもつ5〜6員飽和、部分不飽和、もしくはアリール環であり、あるいは前記の定義にもかかわらず、2つの独立して存在するR°がそれらの間にある原子(単数または複数)と一緒になって、独立して窒素、酸素もしくは硫黄から選択される0〜4個のヘテロ原子をもつ3〜12員飽和、部分不飽和、もしくはアリール単環式または二環式環を形成しており、これらは後記に定めるように置換されていてもよい。
【0034】
[0032] R°(または2つの独立して存在するR°がそれらの間にある原子と一緒になることにより形成された環)上の適切な一価置換基は、独立して下記のものである:ハロゲン;
【0035】
【化5】

【0036】
−(C1−4直鎖または分枝鎖アルキレン)C(O)O−R、または−SSR;これらにおいて、各Rは置換されていないか、あるいは前に「ハロ」が付く場合は1個以上のハロゲンのみで置換されており、独立してC1−4脂肪族、−CHPh、−O(CH0−1Ph、または独立して窒素、酸素もしくは硫黄から選択される0〜4個のヘテロ原子をもつ5〜6員飽和、部分不飽和、もしくはアリール環から選択される。R°の飽和炭素原子上の適切な二価置換基には=Oおよび=Sが含まれる。
【0037】
[0033] 「場合により置換された」基の飽和炭素原子上の適切な二価置換基には下記のものが含まれる:=O、=S、=NNR、=NNHC(O)R、=NNHC(O)OR、=NNHS(O)、=NR、=NOR、−O(C(R))2−3O−、または−S(C(R))2−3S−;これらにおいて、独立して存在する各Rは、水素、後記に定めるように置換されていてもよいC1−6脂肪族、または独立して窒素、酸素もしくは硫黄から選択される0〜4個のヘテロ原子をもつ非置換5〜6員飽和、部分不飽和、もしくはアリール環から選択される。「場合により置換された」基の隣接する置換可能な炭素に結合している適切な二価置換基には−O(CR2−3O−が含まれ、その際、独立して存在する各Rは、水素、後記に定めるように置換されていてもよいC1−6脂肪族、または独立して窒素、酸素もしくは硫黄から選択される0〜4個のヘテロ原子をもつ非置換5〜6員飽和、部分不飽和、もしくはアリール環から選択される。
【0038】
[0034] Rの脂肪族基上の適切な置換基には、ハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NR、または−NOが含まれ、これらにおいて、各Rは置換されていないか、あるいは前に「ハロ」が付く場合は1個以上のハロゲンのみで置換されており、独立してC1−4脂肪族、−CHPh、−O(CH0−1Ph、または独立して窒素、酸素もしくは硫黄から選択される0〜4個のヘテロ原子をもつ5〜6員飽和、部分不飽和、もしくはアリール環である。
【0039】
[0035] 「場合により置換された」基の置換可能な窒素上の適切な置換基には下記のものが含まれる:
【0040】
【化6】

【0041】
これらにおいて、各Rは、独立して水素、後記に定めるように置換されていてもよいC1−6脂肪族、非置換−OPh、または独立して窒素、酸素もしくは硫黄から選択される0〜4個のヘテロ原子をもつ非置換5〜6員飽和、部分不飽和、もしくはアリール環であり、あるいは前記の定義にもかかわらず、2つの独立して存在するRがそれらの間にある原子(単数または複数)と一緒になって、独立して窒素、酸素もしくは硫黄から選択される0〜4個のヘテロ原子をもつ非置換3〜12員飽和、部分不飽和、もしくはアリール単環式または二環式環を形成している。
【0042】
[0036] Rの脂肪族基上の適切な置換基は、独立してハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NR、または−NOであり、これらにおいて、各Rは置換されていないか、あるいは前に「ハロ」が付く場合は1個以上のハロゲンのみで置換されており、独立してC1−4脂肪族、−CHPh、−O(CH0−1Ph、または独立して窒素、酸素もしくは硫黄から選択される0〜4個のヘテロ原子をもつ5〜6員飽和、部分不飽和、もしくはアリール環である。
【0043】
3.例示的な態様の説明
A.多ブロックコポリマー
[0037] 前記に全般的に記載したように、本発明の1態様は式[ポリブタジエン][ポリアルキルエーテル][ポリシロキサン]の3ブロックコポリマーを提供する。特定の態様において、提供される3ブロックコポリマーは式Iのものである:
【0044】
【化7】

【0045】
これらのコポリマーはウレタン結合および/またはウレア結合の間に化学的に挿入され(結合し)ており(すなわち
【0046】
【化8】

【0047】
で表示される結合において)、式中のm、n、p、L、L、R、R、R、およびRはそれぞれ、本明細書中に定義および記載するものである。
[0038] 特定の態様において、mおよびpはそれぞれ独立して2〜50であり、nは2〜20である。ある態様において、mおよびpはそれぞれ独立して2〜30であり、nは2〜20である。特定の態様において、m、nおよびpはそれぞれ独立して8〜16である。
【0048】
[0039] 前記に全般的に定義したように、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して、ハロゲン、R、OR、−COR、フッ素化炭化水素、ポリエーテル、ポリエステルまたはフルオロポリマーのうち1以上から選択される。ある態様において、R、R、R、R、RおよびRのうち1以上は−CORである。ある態様において、R、R、R、R、RおよびRのうち1以上は−CORであり、その際、各Rは独立して、場合により置換されたC1−6脂肪族基である。特定の態様において、R、R、R、およびRのうち1以上は−CORであり、その際、各Rは独立して非置換C1−6アルキル基である。そのような基の例には、メタン酸またはエタン酸、ならびにメタクリル酸および他のアクリル系の酸が含まれる。
【0049】
[0040] 特定の態様において、R、R、R、およびRのうち1以上は独立してRである。ある態様において、R、R、R、およびRのうち1以上は場合により置換されたC1−6脂肪族基である。特定の態様において、R、R、R、およびRのうち1以上は場合により置換されたC1−6アルキルである。他の態様において、R、R、R、およびRのうち1以上は下記のものから選択される、場合により置換された基である:フェニル、8〜10員二環式アリール、独立して窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子をもつ4〜8員単環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または独立して窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子をもつ5〜6員単環式もしくは8〜10員二環式ヘテロアリール基。そのようなR、R、R、およびR基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、シクロブチル、フェニル、ピリジル、モルホリニル、ピロリジニル、イミダゾリル、およびシクロヘキシルが含まれる。特定の態様において、R、R、R、およびRのうち1以上は、メチル、エチル、プロピル、またはより高級のホモログである。特定の態様において、Rは、ポリマー鎖に付与される相対的疎水性のため、メチル、エチル、プロピル、またはより高級のホモログである。特に好ましいものは、メチルであるRである。
【0050】
[0041] 特定の態様において、R、R、R、およびRのうち1以上は独立して−ORである。ある態様において、R、R、R、およびRのうち1以上は−ORであり、その際、Rは場合により置換されたC1−6脂肪族基である。特定の態様において、R、R、R、およびRのうち1以上は独立して−ORであり、その際、RはC1−6アルキルである。他の態様において、R、R、R、およびRのうち1以上は−ORであり、その際、Rは下記のものから選択される、場合により置換された基である:フェニル、8〜10員二環式アリール、独立して窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子をもつ4〜8員単環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または独立して窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子をもつ5〜6員単環式もしくは8〜10員二環式ヘテロアリール基。そのようなR、R、R、R、RおよびR基の例には、−Oメチル、−Oエチル、−Oプロピル、−Oイソプロピル、−Oシクロプロピル、−Oブチル、−Oイソブチル、−Oシクロブチル、−Oフェニル、−Oピリジル、−Oモルホリニル、−Oピロリジニル、−Oイミダゾリル、および−Oシクロヘキシルが含まれる。
【0051】
[0042] 特定の態様において、R、R、R、およびRのうち1以上は独立してRであり、その際、各Rは1個以上のハロゲンで置換されたC1−6脂肪族基である。ある態様において、各Rは1、2または3個のハロゲンで置換されたC1−6脂肪族である。他の態様において、各Rは過フッ素化されたC1−6脂肪族基である。R、R、R、およびRにより表わされるフッ素化炭化水素の例には、モノ−、ジ−、トリ−または過フッ素化されたメチル、エチル、プロピル、ブチル、またはフェニルが含まれる。ある態様において、R、R、R、およびRはそれぞれトリフルオロメチル、トリフルオロエチル、またはトリフルオロプロピルである。
【0052】
[0043] 特定の態様において、R、R、R、およびRのうち1以上は独立してポリエーテルである。R、R、R、およびRにより表わされるポリエーテルの例には、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ジフルオロメチルエチレンオキシド)、ポリ(トリフルオロメチルエチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(ジフルオロメチルプロピレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(トリフルオロメチルプロピレンオキシド)、ポリ(ブチレンオキシド)、ポリ(テトラメチレンエーテルグリコール)、ポリ(テトラヒドロフラン)、ポリ(オキシメチレン)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテルエーテルケトン)、およびそのコポリマーが含まれる。
【0053】
[0044] 特定の態様において、R、R、R、R、RおよびRのうち1以上は独立してポリエステルである。ある態様において、R、R、R、R、RおよびRにより表わされるポリエステルの例には、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(エチレンテレフタレートイオノマー)(PETI)、ポリ(エチレンナフタレート)(PEN)、ポリ(メチレンナフタレート)(PTN)、ポリ(ブチレンテラファレート(teraphalate))(PBT)、ポリ(ブチレンナフタレート)(PBN)、ポリカーボネートが含まれる。
【0054】
[0045] 特定の態様において、R、R、R、R、RおよびRのうち1以上は独立してフルオロポリマーである。R、R、R、R、RおよびRにより表わされるフルオロポリマーの例には、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ(メチル ジ−フルオロエチルシロキサン)、ポリ(メチル トリ−フルオロエチルシロキサン)、ポリ(フェニル ジ−フルオロエチルシロキサン)が含まれる。
【0055】
[0046] ある態様において、R、R、R、およびRは、独立して水素、ヒドロキシル、カルボン酸、たとえばメタン酸またはエタン酸、ならびにメタクリル酸および他のアクリル系の酸である。アルキルまたはアリール炭化水素、たとえばメチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニルおよびそのエーテル類。フッ素化炭化水素、たとえばモノ−、ジ−、トリ−または過フッ素化されたメチル、エチル、プロピル、ブチル、またはフェニル。ポリエーテル、たとえばポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ジフルオロメチルエチレンオキシド)、ポリ(トリフルオロメチルエチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(ジフルオロメチルプロピレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(トリフルオロメチルプロピレンオキシド)、ポリ(ブチレンオキシド)、ポリ(テトラメチレンエーテルグリコール)、ポリ(テトラヒドロフラン)、ポリ(オキシメチレン)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテルエーテルケトン)、およびそのコポリマー。ポリエステル、たとえばポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(エチレンテレフタレートイオノマー)(PETI)、ポリ(エチレンナフタレート)(PEN)、ポリ(メチレンナフタレート)(PTN)、ポリ(ブチレンテラファレート(teraphalate))(PBT)、ポリ(ブチレンナフタレート)(PBN)、ポリカーボネート、およびフルオロポリマー、たとえばポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ(メチル ジ−フルオロエチルシロキサン)、ポリ(メチル トリ−フルオロエチルシロキサン)、ポリ(フェニル ジ−フルオロエチルシロキサン)。
【0056】
[0047] ある態様において、Rは水素である。ある態様において、Rはハロゲンである。特定の態様において、Rはクロロまたはフルオロである。ある態様において、Rは場合により置換されたC1−6アルキルである。特定の態様において、Rはメチルである。
【0057】
[0048] ある態様において、Rは水素である。ある態様において、Rは場合により置換されたC1−6アルキルである。特定の態様において、Rは、ポリマー鎖に付与される相対的疎水性のため、メチル、エチル、プロピル、またはより高級のホモログである。特に好ましいものは、メチルであるRである。
【0058】
[0049] ある態様において、Rは場合により置換されたC1−6アルキルである。特定の態様において、Rはメチルである。特定の態様において、Rは−CHCHFである。ある態様において、Rはハロゲンである。特定の態様において、Rはフルオロである。ある態様において、Rはフェニルである。
【0059】
[0050] ある態様において、Rは場合により置換されたC1−6アルキルである。特定の態様において、Rはメチルである。特定の態様において、Rは−CHCHFである。ある態様において、Rはハロゲンである。特定の態様において、Rはフルオロである。ある態様において、Rはフェニルである。
【0060】
[0051] 前記に全般的に定義したように、LおよびLは、それぞれ独立して二価C1−20炭化水素鎖であり、その際、炭化水素鎖の1〜4つのメチレン単位は、場合により、独立して−O−、−S−、−NHC(O)O−、−NHC(O)NH−、−N(R)−、−C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)−、−SO−、−SON(R)−、−N(R)SO−、−OC(O)−、−C(O)O−、または二価のシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロサイクレン、もしくはヘテロアリーレンにより置き換えられている。ある態様において、LおよびLは、それぞれ独立して二価C1−20アルキレン鎖である。特定の態様において、LおよびLは、それぞれ独立して二価C1−10アルキレン鎖である。特定の態様において、LおよびLは、それぞれ独立して二価C1−6アルキレン鎖である。特定の態様において、LおよびLは、それぞれ独立して二価C1−4アルキレン鎖である。そのようなLおよびL基の例には、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、またはより高級の二価アルカンが含まれる。
【0061】
[0052] ある態様において、LおよびLは、それぞれ独立して二価C1−20アルキレン鎖であり、その際、鎖の少なくとも1つのメチレン単位は−O−により置き換えられている。ある態様において、LおよびLは、それぞれ独立して二価C1−10アルキレン鎖であり、その際、鎖の少なくとも1つのメチレン単位は−O−により置き換えられている。ある態様において、LおよびLは、それぞれ独立して二価C1−6アルキレン鎖であり、その際、鎖の少なくとも1つのメチレン単位は−O−により置き換えられている。ある態様において、LおよびLは、それぞれ独立して二価C1−4アルキレン鎖であり、その際、鎖の少なくとも1つのメチレン単位は−O−により置き換えられている。そのようなLおよびL基の例には、−OCH−、−OCHCH−、−OCHCHCH−、−OCHCHCHCH−、またはより高級の二価C1−4アルキレンエーテルが含まれる。
【0062】
[0053] ある態様において、LおよびLは、それぞれ独立して二価C1−20アルキレン鎖であり、その際、鎖の少なくとも1つのメチレン単位は−O−により置き換えられており、かつ鎖の少なくとも1つのメチレン単位は二価アリーレンにより置き換えられている。ある態様において、LおよびLは、それぞれ独立して二価C1−10アルキレン鎖であり、その際、鎖の少なくとも1つのメチレン単位は−O−により置き換えられており、かつ鎖の少なくとも1つのメチレン単位は二価アリーレンにより置き換えられている。LおよびLは、それぞれ独立して二価C1−6アルキレン鎖であり、その際、鎖の少なくとも1つのメチレン単位は−O−により置き換えられており、かつ鎖の少なくとも1つのメチレン単位は二価アリーレンにより置き換えられている。LおよびLは、それぞれ独立して二価C1−4アルキレン鎖であり、その際、鎖の少なくとも1つのメチレン単位は−O−により置き換えられており、かつ鎖の少なくとも1つのメチレン単位は二価アリーレンにより置き換えられている。そのようなLおよびL基の例には、−OCH−フェニレン−、−OCHCH−フェニレン−、−OCHCH−フェニレン−CH−、−OCHCHCHCH−フェニレン−などが含まれる。
【0063】
[0054] ある態様において、LおよびLは、それぞれ独立して二価C1−20アルキレン鎖であり、その際、鎖の3つのメチレン単位は−N(R)C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、または−OC(O)N(R)−により置き換えられている。ある態様において、LおよびLは、それぞれ独立して二価C1−10アルキレン鎖であり、その際、鎖の1つのメチレン単位は−O−により置き換えられている。ある態様において、LおよびLは、それぞれ独立して二価C1−6アルキレン鎖であり、その際、鎖の1つのメチレン単位は−N(R)C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、または−OC(O)N(R)−により置き換えられている。ある態様において、LおよびLは、それぞれ独立して二価C1−4アルキレン鎖であり、その際、鎖の1つのメチレン単位は−N(R)C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、または−OC(O)N(R)−により置き換えられている。そのようなLおよびL基の例は、−N(H)C(O)N(H)−、−N(H)C(O)O−、または−OC(O)N(H)−を含む。
【0064】
[0055] ある態様において、Lはウレタンである。ある態様において、Lは−CHCH−である。
[0056] ある態様において、RおよびRはメチルである。ある態様において、RおよびRのうち一方または両方は独立してC1−20炭化水素鎖であり、その際、炭化水素鎖の1〜4つのメチレン単位は、場合により、独立してハロゲンにより置換されている。ある態様において、RはC1−20炭化水素鎖であり、その際、炭化水素鎖の1〜4つのメチレン単位は、場合により、独立してハロゲンにより置換されている。ある態様において、RはC1−20炭化水素鎖であり、その際、炭化水素鎖の1〜4つのメチレン単位は、場合により、独立してハロゲンにより置換されている。ある態様において、RおよびRは独立してC1−20炭化水素鎖であり、その際、炭化水素鎖の1〜4つのメチレン単位は、場合により、独立してハロゲンにより置換されている。ある態様において、RおよびRのうち一方または両方は独立してC1−20炭化水素鎖である。ある態様において、RはC1−20炭化水素鎖である。ある態様において、RはC1−20炭化水素鎖である。ある態様において、RおよびRは独立してC1−20炭化水素鎖である。ある態様において、LおよびLは独立して二価C1−20炭化水素鎖であり、その際、炭化水素鎖の1〜4つのメチレン単位は、場合により、独立して−NHC(O)O−または−NHC(O)NH−により置き換えられている。ある態様において、Lは−NHC(O)O−または−NHC(O)NH−である。ある態様において、LはC1−20炭化水素鎖である。
【0065】
[0057] ある態様において、RおよびRはメチルであり、RおよびRのうち一方または両方は独立してC1−20炭化水素鎖であり、その際、炭化水素鎖の1〜4つのメチレン単位は、場合により、独立してハロゲンにより置換されており、LおよびLは独立して二価C1−20炭化水素鎖であり、その際、炭化水素鎖の1〜4つのメチレン単位は、場合により、独立して−NHC(O)O−または−NHC(O)NH−により置き換えられている。
【0066】
[0058] ある態様において、RおよびRはメチルであり、RおよびRのうち一方または両方は独立してC1−20炭化水素鎖であり、その際、炭化水素鎖の1〜4つのメチレン単位は、場合により、独立してハロゲンにより置換されており、Lは−NHC(O)O−または−NHC(O)NH−であり、LはC1−20炭化水素鎖である。
【0067】
[0059] ある態様において、RおよびRはメチルであり、RおよびRのうち一方または両方は独立してC1−20炭化水素鎖であり、Lは−NHC(O)O−または−NHC(O)NH−であり、LはC1−20炭化水素鎖である。
【0068】
[0060] ポリウレタンがイソシアネートとヒドロキシル基の反応から得られることは、当業者に理解されるであろう。同様に、ポリウレアはイソシアネートとアミンの反応から得られる。これらの反応を以下に記載する。
【0069】
【化9】

【0070】
[0061] したがって、提供される式Iの化合物をウレタン結合および/またはウレア結合の形成に適した末端基で官能化しうることは容易に認識される。特定の態様において、本発明は式IIの化合物を提供する:
【0071】
【化10】

【0072】
[式中:
およびRは、それぞれ独立して、−OH、−NH、保護されたヒドロキシルまたは保護されたアミンであり;
、R、R、およびRは、それぞれ独立して、ハロゲン、R、OR、−COR、フッ素化炭化水素、ポリエーテル、ポリエステルまたはフルオロポリマーのうち1以上から選択され;
Rは、それぞれ独立して、水素、場合により置換されたC1−20脂肪族基、あるいは下記のものから選択される、場合により置換された基であり:フェニル、8〜10員二環式アリール、独立して窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子をもつ4〜8員単環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または独立して窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子をもつ5〜6員単環式もしくは8〜10員二環式ヘテロアリール基;
m、nおよびpは、それぞれ独立して2〜100であり;
およびLは、それぞれ独立して二価C1−20炭化水素鎖であり、その際、炭化水素鎖の1〜4つのメチレン単位は、場合により、独立して−O−、−S−、−N(R)C(O)O−、−N(R)C(O)N(R)−、−OC(O)N(R)−、−N(R)−、−C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)−、−SO−、−SON(R)−、−N(R)SO−、−OC(O)−、−C(O)O−、または二価のシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロサイクレン、もしくはヘテロアリーレンにより置き換えられている]。
【0073】
[0062] ある態様において、m、n、p、L、L、R、R、R、およびRはそれぞれ、本明細書中に定義および記載するものである。
[0063] 前記に全般的に定義するように、RおよびRは、それぞれ独立して、−OH、−NH、保護されたヒドロキシルまたは保護されたアミンである。ある態様において、RおよびRは両方とも−OHである。他の態様において、RおよびRは両方とも−NHである。ある態様において、RおよびRのうち一方は−OHであり、他方は−NHである。
【0074】
[0064] ある態様において、RおよびRは、それぞれ独立して、保護されたヒドロキシルまたは保護されたアミンである。そのような保護されたヒドロキシルまたは保護されたアミン基は当業者に周知であり、Protecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳細に記載されており、それの全体を本明細書に援用する。保護されたアミンの例には下記のものが含まれる:メチルカルバメート、エチルカルバメート(ethyl carbamante)、9−フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、9−(2−スルホ)フルオレニルメチルカルバメート、9−(2,7−ジブロモ)フルオレニル(fluoroenyl)メチルカルバメート、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバメート(DBD−Tmoc)、4−メトキシフェナシルカルバメート(Phenoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、2−フェニルエチルカルバメート(hZ)、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルカルバメート(Adpoc)、1,1−ジメチル−2−ハロエチルカルバメート、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルカルバメート(DB−t−BOC)、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(TCBOC)、1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エチルカルバメート(Bpoc)、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチルカルバメート(t−Bumeoc)、2−(2’−および4’−ピリジル)エチルカルバメート(Pyoc)、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバメート、t−ブチルカルバメート(BOC)、1−アダマンチルカルバメート(Adoc)、ビニルカルバメート(Voc)、アリルカルバメート(Alloc)、1−イソプロピルアリルカルバメート(Ipaoc)、シンナミルカルバメート(Coc)、4−ニトロシンナミルカルバメート(Noc)、8−キノリルカルバメート、N−ヒドロキシピペリジニルカルバメート、アルキルジチオカルバメート、ベンジルカルバメート(Cbz)、p−メトキシベンジルカルバメート(Moz)、p−ニトベンジルカルバメート、p−ブロモベンジルカルバメート、p−クロロベンジルカルバメート、2,4−ジクロロベンジルカルバメート、4−メチルスルフィニルベンジルカルバメート(Msz)、9−アントリルメチルカルバメート、ジフェニルメチルカルバメート、2−メチルチオエチルカルバメート、2−メチルスルホニルエチルカルバメート、2−(p−トルエンスルホニル)エチルカルバメート、[2−(1,3−ジチアニル)]メチルカルバメート(Dmoc)、4−メチルチオフェニルカルバメート(Mtpc)、2,4−ジメチルチオフェニルカルバメート(Bmpc)、2−ホスホニオエチルカルバメート(Peoc)、2−トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバメート(Ppoc)、1,1−ジメチル−2−シアノエチルカルバメート、m−クロロ−p−アシルオキシベンジルカルバメート、p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバメート、5−ベンゾイソオキサゾリルメチルカルバメート、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチルカルバメート(Tcroc)、m−ニトロフェニルカルバメート、3,5−ジメトキシベンジルカルバメート、o−ニトロベンジルカルバメート、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルカルバメート、フェニル(o−ニトロフェニル)メチルカルバメート、フェノチアジニル−(10)−カルボニル誘導体、N’−p−トルエンスルホニルアミノカルボニル誘導体、N’−フェニルアミノチオカルボニル誘導体、t−アミルカルバメート、S−ベンジルチオカルバメート、p−シアノベンジルカルバメート、シクロブチルカルバメート、シクロヘキシルカルバメート、シクロペンチルカルバメート、シクロプロピルメチルカルバメート、p−デシルオキシベンジルカルバメート、2,2−ジメトキシカルボニルビニルカルバメート、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバメート、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバメート、1,1−ジメチルプロピニルカルバメート、ジ(2−ピリジル)メチルカルバメート、2−フラニルメチルカルバメート、2−ヨードエチルカルバメート、イソボルニル(isoborynl)カルバメート、イソブチルカルバメート、イソニコチニルカルバメート、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバメート、1−メチルシクロブチルカルバメート、1−メチルシクロヘキシルカルバメート、1−メチル−1−シクロプロピルメチルカルバメート、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−フェニルエチルカルバメート、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチルカルバメート、フェニルカルバメート、p−(フェニルアゾ)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリ-t-ブチルフェニルカルバメート、4−(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリメチルベンジルカルバメート、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N-ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニト(nito)フェニルアセトアミド、o−ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N’−ジチオベンジルオキシカルボニルアミノ)アセトアミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4−クロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロシンナミド、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミド、o−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミド、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリンン−2−オン、N−フタルイミド、N−ジチアスクシンイミド(Dts)、N−2,3−ジフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルピロール、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加物(STABASE)、5−置換1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5−置換1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換3,5−ジニトロ−4−ピリドン、N−メチルアミン、N−アリルアミン、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N−3−アセトキシプロピルアミン、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピロオリン(pyroolin)−3−イル)アミン、第四級アンモニウム塩、N−ベンジルアミン、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチルアミン、N−5−ジベンゾスベリルアミン、N−トリフェニルメチルアミン(Tr)、N−[(4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N−9−フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレンアミン、N−フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N−2−ピコリルアミノ N’−オキシド、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p-メトキシベンジリデンアミン、N−ジフェニルメチレンアミン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N−(N’,N’−ジメチルアミノメチレン)アミン、Ν,Ν’−イソプロピリデンジアミン、N−p−ニトロベンジリデンアミン、N−サリチリデンアミン、N−5−クロロサリチリデンアミン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N−シクロヘキシリデンアミン、N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル)アミン、N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボリン酸(borinic acid)誘導体、N−[フェニル(ペンタカルボニルクロム−またはタングステン)カルボニル]アミン、N−銅キレート、N−亜鉛キレート、N−ニトロアミン、N−ニトロソアミン、アミン N−オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホルアミデート、ジベンジルホスホルアミデート、ジフェニルホスホルアミデート、ベンゼンスルフェンアミド、o−ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4-ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、3−ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)、p−トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6,−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7、8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β−トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9−アントラセンスルホンアミド、4−(4’,8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、およびフェナシルスルホンアミド。
【0075】
[0065] ヒドロキシル保護基の例には下記のものが含まれる:メチル、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4−メトキシフェノキシ)メチル(p−AOM)、グアヤコールメチル(GUM)、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4-メトキシテトラヒドロチオピラニル S,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(CTMP)、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−1,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−ピコリル、4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリル N−オキシド、ジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンゾヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、a−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4”−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イル)ビス(4’,4”−ジメトキシフェニル)メチル、1、1−ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジチオラン−2−イル、ベンゾイソチアゾリル S,S−ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルテキシル(thexyl)シリル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ-p-キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t−ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、ホルメート、ベンゾイルホルメート、アセテート、クロロアセテート、ジクロロアセテート、トリクロロアセテート、トリフルオロアセテート、メトキシアセテート、トリフェニルメトキシアセテート、フェノキシアセテート、p−クロロフェノキシアセテート、3−フェニルプロピオネート、4−オキソペンタノエート(レブリネート)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノエート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバロエート、アダマントエート、クロトネート、4−メトキシクロトネート、ベンゾエート、p−フェニルベンゾエート、2,4,6−トリメチルベンゾエート、(メシトエート)、アルキルメチルカーボネート、9−フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、アルキルエチルカーボネート、アルキル 2,2,2−トリクロロエチルカーボネート(Troc)、2−(トリメチルシリル)エチルカーボネート(TSEC)、2−(フェニルスルホニル)エチルカーボネート(Psec)、2−(トリフェニルホスホニオ)エチルカーボネート(Peoc)、アルキルイソブチルカーボネート、アルキルビニルカーボネート アルキルアリルカーボネート、アルキル p−ニトロフェニルカーボネート、アルキルベンジルカーボネート、アルキル p−メトキシベンジルカーボネート、アルキル 3,4−ジメトキシベンジルカーボネート、アルキル o−ニトロベンジルカーボネート、アルキル p−ニトロベンジルカーボネート、アルキル S−ベンジルチオカーボネート、4−エトキシ−1−ナフチルカーボネート、メチルジチオカーボネート、2−ヨードベンゾエート、4−アジドブチレート、4−ニトロ−4−メチルペンタノエート、o−(ジブロモメチル)ベンゾエート、2−ホルミルベンゼンスルホネート、2−(メチルチオメトキシ)エチル、4−(メチルチオメトキシ)ブチレート、2−(メチルチオメトキシメチル)ベンゾエート、2,6−ジクロロ−4-メチルフェノキシアセテート、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシアセテート、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシアセテート、クロロジフェニルアセテート、イソブチレート、モノスクシネート、(E)−2−メチル−2−ブテノエート、o−(メトキシカルボニル)ベンゾエート、α−ナフトエート、ナイトレート、アルキル N,N,N’,N’−テトラメチルホスホロジアミデート、アルキル N−フェニルカルバメート、ボレート、ジメチルホスフィノチオリル、アルキル 2,4−ジニトロフェニルスルフェネート、スルフェート、メタンスルホネート(メシレート)、ベンジルスルホネート、およびトシレート(Ts)。1,2−または1,3−ジオール類の保護について、保護基には下記のものが含まれる:メチレンアセタール、エチリデンアセタール、1−t−ブチルエチリデンケタール、1−フェニルエチリデンケタール、(4−メトキシフェニル)エチリデンアセタール、2,2,2−トリクロロエチリデンアセタール、アセトニド、シクロペンチリデンケタール、シクロヘキシリデンケタール、シクロヘプチリデンケタール、ベンジリデンアセタール、p−メトキシベンジリデンアセタール、2,4−ジメトキシベンジリデンケタール、3,4−ジメトキシベンジリデンアセタール、2−ニトロベンジリデンアセタール、メトキシメチレンアセタール、エトキシメチレンアセタール、ジメトキシメチレンオルトエステル、1−メトキシエチリデンオルトエステル、1−エトキシエチリデンオルトエステル、1,2−ジメトキシエチリデンオルトエステル、α−メトキシベンジリデンオルトエステル、1−(N,N−ジメチルアミノ)エチリデン誘導体、α−(N,N’−ジメチルアミノ)ベンジリデン誘導体、2−オキサシクロペンチリデンオルトエステル、ジ−t−ブチルシリレン基(DTBS)、1,3−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサニリデン)誘導体(TIPDS)、テトラ−t−ブトキシジシロキサン−1,3−ジイリデン誘導体(TBDS)、環状カーボネート類、環状ボロネート類、エチルボロネート、およびフェニルボロネート。
【0076】
[0066] ヒドロキシルおよびアミン保護基の選択はこれらの基が同時に除去されるものであってもよいことは当業者に認識されるであろう(たとえば、両方の保護基が酸不安定または塩基不安定である場合)。あるいは、そのような基を段階的に除去することができる(たとえば、まず一方の保護基を一組の除去条件により除去し、次に他方の保護基を異なる一組の除去条件により除去する)。そのような方法は当業者に自明である。
【0077】
[0067] 特定の態様において、本発明は式II−a、II−b、II−c、およびII−dのいずれかの化合物を提供する:
【0078】
【化11】

【0079】
式中のm、n、p、L、L、R、R、R、およびRはそれぞれ、本明細書中に定義および記載するものである。
[0068] 本発明の3ブロックコポリマーの例には下記のものが含まれる:
【0080】
【化12】

【0081】
式中のL、L、m、nおよびpはそれぞれ、本明細書中に定義および記載するものである。
[0069] ある態様において、本発明は下記のものを含むポリマーフォームを提供する:
(a)1以上の式Iの3ブロックコポリマー:
【0082】
【化13】

【0083】
式中のm、n、p、L、L、R、R、R、およびRはそれぞれ、本明細書中に定義および記載するものである;
(b)これらのコポリマーはウレタン結合および/またはウレア結合の間に化学的に挿入され(結合し)ている(すなわち
【0084】
【化14】

【0085】
で表示される結合において)。
[0070] 本発明はさらに、前記に定義する式Iの予備形成された軟質セグメントを提供する。ある態様において、本発明は式Iの軟質セグメント3ブロックコポリマーを含むポリウレタン/ウレアフォームを提供する。
【0086】
[0071] ある態様において、本発明は下記のものを含む粘弾性生体内安定性フォームを提供する:
(a)1以上の式Iの3ブロックコポリマー:
【0087】
【化15】

【0088】
式中のm、n、p、L、L、R、R、R、およびRはそれぞれ、本明細書中に定義および記載するものである;
(b)これらのコポリマーはウレタン結合および/またはウレア結合の間に化学的に挿入され(結合し)ている(すなわち
【0089】
【化16】

【0090】
で表示される結合において)。
[0072] 意外にも、本発明の3ブロックコポリマーを含むポリウレタンおよび/またはポリウレアが胃液に対して安定であることが見出された。本発明の3ブロックコポリマーを用いて製造したそのようなポリウレタンおよびポリウレアは粘弾性であり、胃液に対して安定である。ある態様において、提供される粘弾性材料はフォームである。
【0091】
[0073] 特定の態様において、提供される生体内安定性フォームは胃液に対して安定である。ある態様において、提供される生体内安定性フォームは胃液に対して少なくとも1年間安定である。ある態様において、提供される生体内安定性フォームは胃液に対して少なくとも3ケ月間、少なくとも4ケ月間、少なくとも5ケ月間、少なくとも6ケ月間、少なくとも7ケ月間、少なくとも8ケ月間、少なくとも9ケ月間、少なくとも10ケ月間、少なくとも11ケ月間、少なくとも1年間、安定である。提供される生体内安定性フォームの安定性を測定する方法は、模擬胃液を用いるものが当技術分野で既知であり、後記の実施例中に詳細に記載するものを含む。
【0092】
[0074] ある態様において、本発明の3ブロックコポリマーを含む提供される粘弾性フォームは、フォームが平衡状態で約30重量%未満の水を吸収することを特徴とする。特定の態様において、提供される粘弾性フォームは、平衡状態で約5重量%未満、約10重量%未満、約15重量%未満、約20重量%未満、約25重量%未満、約30重量%未満の水を吸収する。そのような化学的安定性(すなわち、胃液中で、したがってきわめて低いpHで)および疎水性(すなわち、約30重量%未満の吸水率)が、たとえばコンタクトレンズの製造に用いられる既知のシロキサンポリマーと著しく異なる特徴であることは、当業者には認識されるであろう。たとえばコンタクトレンズの製造に用いられるシロキサンポリマーには、たとえば50〜120%の吸水率が要求される。
【0093】
[0075] 前記に述べたように、本発明は、本発明の3ブロックコポリマーを含む粘弾性フォームを提供する。意外にも、提供されるフォームは、高い伸長能、および伸長後にきわめて徐々に回復する能力をもつことが見出された。実際に、提供される粘弾性フォームは約200〜1200%の伸長能をもつことが見出された。ある態様において、提供される粘弾性フォームは約500%の伸長能をもつ。
【0094】
[0076] ある態様において、提供される粘弾性フォームは約0.1〜約1.0MPaの引張り強さをもつ。特定の態様において、提供される粘弾性フォームは約0.25〜約0.5MPaの引張り強さをもつ。
【0095】
[0077] ある態様において、提供される粘弾性フォームは約0.05〜約1.0MPaのヤング率をもつ。特定の態様において、提供される粘弾性フォームは約0.05〜約0.5MPaのヤング率をもつ。
【0096】
[0078] 提供されるフォームの個々の用途に要求される物理的特性に応じて種々の密度のフォームを製造できることは当業者に認識されるであろう。たとえば、同様な物理的特性(たとえば、引張り強さなど)をもつそれぞれの弁を得るために、より薄い壁をもつ弁はより厚い壁をもつ同様な弁より高い密度をもつフォームを必要とするであろう。したがって特定の態様において、提供される粘弾性フォームは0.1〜1.5g/cmの密度をもつ。特定の態様において、提供される粘弾性フォームは0.3〜1.2g/cmの密度をもつ。特定の態様において、提供される粘弾性フォームは0.8〜0.9g/cmの密度をもつ。ある態様において、提供される粘弾性フォームは0.5〜0.6g/cmの密度をもつ。
【実施例】
【0097】
[実施例1] ポリブタジエン、ポリアルキルエーテルおよびポリ(トリフルオロメチルシロキサン)をベースとするヒドロキシル末端基付き3ブロックコポリマーの合成
[0079] (工程1)フルオロシロキサンをベースとする3ブロックコポリマープレ軟質セグメントの合成
[0080] これは2段階法である。第1段階ではシラノール末端基付きポリ(トリフルオロプロピルメチルシロキサン)をそれの2水素化誘導体に変換する。次の段階でこの2水素化誘導体をアリル末端基付きポリ(プロピレングリコール)と反応させる。
【0098】
[0081] この合成法は下記のとおりである。
[0082] 第一段階
[0083] 機械的撹拌機を備えた4口セパラブルフラスコに、40gのシラノール末端基付きポリ(トリフルオロプロピルメチルシロキサン)(FMS-9922,Gelest Inc.から)を添加し、これを50mlのトルエンと混合し、窒素の連続フラッシュを施した。反応混合物に7.57gのジメチルクロロシラン(DMCS,Sigma Aldrichから)を、徐々に約20分間かけて、混合物の温度を一定に30℃に維持しながら添加した。ジメチルクロロシランを添加する度に混合物は混濁したが、短期間で透明になった。ジメチルクロロシランの添加が終了した時点で、混合物を90℃に3時間加熱した。次いで反応物を過剰の水で数回洗浄して、混合物の酸性度を低下させた。得られた混合物をシリカゲルで乾燥させ、濾過し、65℃で一夜吸引して溶媒および痕跡量の水を除去した。こうして赤外分光分析(IR)で2130cm−1にきわめて強いSi−Hバンドをもつ透明な流体が得られ、これによりこの反応が確認された。GPC分析は分子量が1200g/molであることを示した。
【0099】
[0084] 第二段階
[0085] 機械的撹拌機を備えた4口セパラブルフラスコ内の90mlの試薬用トルエンに、46.67gのアリル末端基付きポリ(プロピレングリコール)(MW=700g/mol,Jiangsu GPRO Group Co.)を添加し、次いで加熱還流した。次いで40gの水素化物末端基付きFMS-9922を50mLの試薬用トルエンに溶解し、温度を約90℃に高めた。次いで反応混合物にイソプロパノール(Merckによる)中のヘキサクロロ白金(IV)酸(0.01M HPtCl,Sigmaから)溶液を2滴添加した。この触媒溶液を添加した後、混合物を1時間還流し、最終生成物を得るために溶媒を留去した。反応をH−NMRにより追跡し、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により最終分子量は2700g/molであることが確認された。
【0100】
【化17】

【0101】
【表1】

【0102】
[実施例2] 実施例1の3ブロックコポリマーからのポリウレタンフォームの製造
[0086] フォームを製造するための方法は2工程法であった:
[0087] (工程1) まず、0.041gのDABCO LV-33 (Airproducts)、0.10gのネオデカン酸亜鉛(Bicat Zn,Shepherd chemicalsから)、0.467gのジエタノールアミン(DEOA,Sigmaから)、5.0gの実施例1からの合成ブロックコポリマー、0.250gの水および0.05gの界面活性剤(Silsurf C-208,Siltech Corp.から)を用いて、プラスチック平底容器内で混合物を調製した。次いでこれを、均質な混合物が得られるまで30秒間、十分に混合した。
【0103】
[0088] (工程2) 上記混合物に、メチレンジフェニルイソシアネート(MDI)をベースとするポリブタジエン・プレポリマー(Krasol NN3a,Sartomerから)15gを添加した。次いでこれを約30秒間、機械的撹拌機で十分に混合した。この材料を次いで成形し、70℃で2.5時間硬化させ、50℃でさらに3時間、後硬化させた。
【0104】
[実施例3] 実施例1の3ブロックコポリマーからの熱可塑性ポリウレタンの製造
[0089] メチレンジフェニルイソシアネート(MDI)をベースとするポリブタジエン・プレポリマー(Krasol NN3a,Sartomerから)30gに、50gのTHFを添加した。これを約5分間混合してプレ−ポリマーを溶解し、次いで4口セパラブルフラスコへ移した。これに、0.2gのネオデカン酸亜鉛(Bicat Zn,Shepherd chemicalsから)および前記実施例1の記載に従って合成した3ブロックコポリマー9.5gを添加した。機械的撹拌機を取り付け、反応器に窒素パージを施した。混合物を24時間撹拌し、次いでTHFを真空下で除去した。得られた粘稠なポリマーを次いでテフロン皿に注ぎ、残りの溶媒を真空下に50℃で24時間除去した。
【0105】
[0090] 最終生成物は次式をもつ:
【0106】
【化18】

【0107】
[実施例4] ポリブタジエン、ポリアルキルエーテルおよびポリ(ジメチルシロキサン)をベースとする3ブロックコポリマーの合成
[0091] (工程1) ジメチルシロキサンをベースとする3ブロックコポリマー プレ軟質セグメントの合成:
[0092] 機械的撹拌機を備えたセパラブルフラスコ内の130mLの試薬用トルエンに、64gのアリル末端基付きポリ(プロピレングリコール)(MW=700g/mol,Jiangsu GPRO Group Co.)を添加し、両者を混合し、加熱還流した。次いで40gの水素化物末端基付きポリ(ジメチルシロキサン)(Silmer H Di 10,Siltech Corp.による)を50mLの試薬用トルエンに溶解し、温度を約90℃に高めた。この反応混合物に、次いでイソプロパノール中のヘキサクロロ白金(IV)酸(0.01M HPtCl、Sigma)溶液を2滴添加した。この触媒溶液を添加した後、混合物を1時間還流し、次いで最終生成物を得るために溶媒を留去した。反応をH−NMRにより追跡し、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により生成物の最終分子量は2300g/molであることが確認された。
【0108】
【化19】

【0109】
【表2】

【0110】
[実施例5] 実施例4の3ブロックコポリマーからの架橋した水吹込フォームの製造
[0093] フォームを製造するための方法は2工程法であった。
[0094] (工程1) まず、0.041gのDABCO LV-33 (Airproducts)、0.10gのネオデカン酸亜鉛(Bicat Zn,Shepherd chemicalsから)、0.467gのジエタノールアミン(DEOA,Sigmaから)、5.0gの前記実施例4の記載に従って合成した3ブロックコポリマー、0.250gの水および0.05gの界面活性剤(Silsurf C-208,Siltech Corp.から)を用いて、プラスチック平底容器内で混合物を調製した。次いでこれを、均質な混合物が得られるまで30秒間、十分に混合した。
【0111】
[0095] (工程2) 上記混合物に、メチレンジフェニルイソシアネート(MDI)をベースとするポリブタジエン・プレポリマー(Krasol NN3a,Sartomerから)15gを添加した。次いでこれを約30秒間、機械的撹拌機で十分に混合した。この材料を次いで成形し、70℃で2.5時間硬化させ、50℃でさらに3時間、後硬化させた。
【0112】
[実施例6] 実施例4の3ブロックコポリマーからの熱可塑性ポリウレタンの製造
[0096] メチレンジフェニルイソシアネート(MDI)をベースとするポリブタジエン・プレポリマー(Krasol NN3a,Sartomerから)30gに、50gのTHFを添加した。これを約5分間混合してプレ−ポリマーを溶解し、次いで4口セパラブルフラスコへ移した。これに、0.2gのネオデカン酸亜鉛(Bicat Zn,Shepherd chemicalsから)および前記実施例4の記載に従って合成した3ブロックコポリマー9.5gを添加した。機械的撹拌機を取り付け、反応器に窒素パージを施した。混合物を24時間撹拌し、次いでTHFを真空下で除去した。得られた粘稠なポリマーを次いでテフロン皿に注ぎ、残りの溶媒を真空下に50℃で24時間除去した。
【0113】
[0097] 最終生成物は次式を有する。
【0114】
【化20】

【0115】
[実施例7] 使用
[0098] 胃腸系内で使用する器具は、従来は特別に設計された材料から作成されてはいない。胃の腐食性環境での適用に用いられる入手可能な材料は生体内安定性が限られており、一般に短期間後にそれらの機能性を失う。
【0116】
[0099] 特定の態様において、本発明のフォームは本出願人のUS 2007/0198048に記載するタイプの弁の製造に使用でき、その内容全体を本明細書に援用する。特定の態様において、本発明のフォームは本出願人のUS 2010/0137998に記載するタイプの弁の製造に使用でき、その内容全体を本明細書に援用する。この弁は開放位置と閉鎖位置をもつ。この弁は近位末端と遠位末端をもつであろう。この弁材料は、嚥下(液体または固体)の作用で開口が伸長した際に近位方向から周囲径が100%〜3000%開放可能である。開放した開口は、場合によっては長期間かけて非弾性的に閉鎖し、したがって身体の自然応答を模倣する。閉鎖するのにかかる時間は2〜15秒であってよい。気体、液体または固体が25cmHO〜60cmHOの前決定された力を超えると、この材料は遠位方向から100%〜300%に伸長することができる。ある態様において、材料は平衡状態でそれ自身の質量の15%未満の水を吸収する。ある態様において、材料は水またはアルコール中における平衡状態でそれ自身の質量の3%未満を失う(浸出する)。ある態様において、pH1.2の模擬胃液に30日間浸漬すると、材料はそれの引張り強さの10%未満を失う。ある態様において、pH1.2の模擬胃液に30日間浸漬すると、弁材料はそれの伸び率の25%未満を失う。
【0117】
[実施例8] 使用
[00100] 本発明の熱可塑性材料は、医療器具にコーティングとして適用でき、あるいはさらに、押し出して特定の形状にすることができる。この熱可塑性ポリウレタンの溶液を、PTFEマンドレルに保持したステントその他の器具に適用することができる。キャリヤー溶媒の蒸発により連続コーティングが形成されるであろう。これによりステントその他の医療器具に保護コーティングが付与されるであろう。
【0118】
[00101] 熱可塑性ポリウレタンの製造に用いた溶媒の蒸発により、押出しに適した固体ポリマーを形成することができる。たとえば、実施例2で製造したポリマーを190℃において5Kgの力で押し出して、0.475g/10分のメルトフローインデックス(ISO 1133)を得ることができる。そのような押出しを利用してカテーテルその他の管状器具を作成することができる。
【0119】
[実施例9] 弁機能試験
[00102] 健康な下部食道括約筋(LES)は、個体が食物を飲み込むことにより筋肉の弛緩を誘導してこれにより順行方向へ通過させることができるようになるまで、閉じたままである。さらに、個体がおくび(げっぷ)をし(belch)または吐く際には、それらはこの弁を克服するのに十分な逆行方向への圧力を胃内に生じる。抗逆流弁は、体内に配置された際にこの機能性を果たすことができなければならないので、性能を評価するために簡単な機能試験を実施する。
【0120】
[00103] フンドプリケーション(胃底皺襞形成術)後の患者は22〜45mmHgの降伏圧をもち、40mmHgを超える胃内降伏圧をもつ患者の大部分はおくびの問題をもつと報告されている。参照:Yield pressure, anatomy of the cardia and gastroesophageal reflux. Ismail, J. Bancewicz, J. Barow British Journal of Surgery. Vol: 82, 1995, pages: 943-947。したがって、おくびを促すけれども逆流を防ぐためには、40mmHg(550mmHO)の絶対上限GYP値が妥当である。目視できる食道炎を伴う患者はすべて胃内降伏圧値が15mmHg未満であることも報告され、したがって15mmHgを超える胃内降伏圧最小値を選択的に目標とするのに十分な理由がある。前掲を参照。適切な胃内降伏圧最小値は15mmHg+誤差域25%であり、したがって18.75mmHgまたは255mmHOの弁降伏圧最小有効値になるであろう。
【0121】
[00104] 試験装置は高さ1mの垂直管からなり、これに蠕動ポンプ、および試験すべき弁を収容するように設計された取付け具が接続している。
[00105] 試験すべき弁を37℃の水浴に30分間入れて、それの温度を平衡状態にする。弁の温度が平衡状態になった時点で、次いでそれを、弁の遠位閉鎖末端が試験装置の内側に面するようにハウジング内へ取り付ける。次いで800ml/分の速度でポンプのスイッチを入れて垂直管に充填し始める。上昇する水カラムは最初は弁を閉じさせる圧力を付与する。カラム内の圧力が上昇するのに伴って、弁はめくれて水が通過できる点に達する。降伏圧として知られるこの点をその際に記録し、この試験を4回繰り返す。
【0122】
[実施例10] 材料の老化促進の理論的根拠
模倣的臨床条件
[00106] 正常な患者の下部食道は、周期的に胃の酸性内容物に曝露されても何ら有害な副作用を受けないことが可能である。しかし、胃食道逆流性症を伴う患者は、胃内容物への曝露が増すため、下部食道の粘膜に損傷を受ける。病院では専用のpH測定装置を用いて酸性の胃内容物に対する下部食道の曝露をルーティンに測定する。典型的な方法は、24時間にわたるpH測定を伴う。病的な逆流性疾患の患者における酸曝露のレベルを、6つの臨床参考文献から表3にまとめる。参照:DeMeester TR, Johnson LF, Joseph GJ, et al. Patterns of Gastroesophageal Reflux in Health and Disease Ann. Surg. Oct 1976 459-469; Pandolfino JE, Richter JE, Ours T, et al. Ambulatory Esophageal pH Monitoring Using a Wireless System Am. J. Gastro 2003; 98:4; Mahmood Z, McMahon BP, Arfin Q, et al. Results of endoscopic gastroplasty for gastroesophageal reflux disease: a one year prospective follow-up Gut 2003; 52:34-9; Park PO, Kjellin T, Appeyard MN, et al. Results of endoscopic gastroplasty suturing for treatment of GERD: a multicentre trial Gastrointest endosc 2001 ; 53: AB115; Filipi CJ, Lehman GA, Rothstein Rl, et al. Transoral flexible endoscopic suturing for treatment of GERD: a multicenter trial Gastrointest endosc 2001 ; 53 416-22;およびArts J, Slootmaekers S Sifrim D, et al. Endoluminal gastroplication (Endocinch) in GERD patient 's refractory to PPI therapy Gastroenterology2002; 122:A47。
【0123】
【表3】

【0124】
重要な臨床パラメーター
[00107] 下部食道が平均して測定期間の11%の間、酸性pH曝露時間を受けることを考慮すると、促進老化法は容易に判断できる。被験材料を胃内容物(またはUSP模擬胃液−参考文献米国薬局方)に定常的に曝露すると、ほぼ10倍の老化速度上昇を示すであろう。したがって、胃内容物への下部食道の1年間の曝露を模倣するのに必要な時間は方程式1により記述される。
【0125】
【数1】

【0126】
臨床理論的根拠
[00108] 表4に示すように、試験片をUSP模擬胃液に37℃で40.28日間浸漬すると、GERD患者のシナリオにおける酸性の胃内容物への下部食道のほぼ1年間の曝露になるであろう。
【0127】
【表4】

【0128】
実施例5に記載した本発明の粘弾性フォームから作成した弁の促進安定性の結果を図1に表わす。弁はこの場合はUS 2010/0137998の図64および65に関して図示および記載されたタイプのものである。
【0129】
これらの弁の性能を静水降伏圧または反転圧(eversion pressure)の測定により測定した。実施例5に記載した材料のドッグボーン形試験片の吸収質量試験の結果を図2に示す。実施例2に記載した本発明の粘弾性フォームから作成したドッグボーン形試験片の促進安定性の結果を図3に示す。これらのサンプルの性能を引張り試験により測定した。
【0130】
[00109] 本発明の多数の態様を記載したが、本発明の基本例を変更して本発明の化合物および方法を利用した他の態様を得ることができるのは明らかである。したがって、本発明の範囲が実施例により表わされる特定の態様によってではなく特許請求の範囲によって決定されるべきであることは認識されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式[ポリブタジエン][ポリアルキルエーテル][ポリシロキサン]の3ブロックコポリマー。
【請求項2】
式Iの3ブロックコポリマー:
【化1】

[式中:
【化2】

はそれぞれ、ウレタン結合またはウレア結合への結合点を表わし;
、R、R、およびRは、それぞれ独立して、ハロゲン、R、OR、−COR、フッ素化炭化水素、ポリエーテル、ポリエステルまたはフルオロポリマーのうち1以上から選択され;
Rは、それぞれ独立して、水素、場合により置換されたC1−20脂肪族基、あるいは下記のものから選択される、場合により置換された基であり:フェニル、8〜10員二環式アリール、独立して窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子をもつ4〜8員単環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または独立して窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子をもつ5〜6員単環式もしくは8〜10員二環式ヘテロアリール基;
m、nおよびpは、それぞれ独立して2〜100であり;
およびLは、それぞれ独立して二価C1−20炭化水素鎖であり、その際、炭化水素鎖の1〜4つのメチレン単位は、場合により、独立して−O−、−S−、−N(R)C(O)O−、−N(R)C(O)N(R)−、−OC(O)N(R)−、−N(R)−、−C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)−、−SO−、−SON(R)−、−N(R)SO−、−OC(O)−、−C(O)O−、または二価のシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロサイクレン、もしくはヘテロアリーレンにより置き換えられている]。
【請求項3】
およびRはメチルであり、RおよびRのうち一方または両方は独立してC1−20炭化水素鎖であり、その際、炭化水素鎖の1〜4つのメチレン単位は、場合により、独立してハロゲンにより置換されており、LおよびLは独立して二価C1−20炭化水素鎖であり、その際、炭化水素鎖の1〜4つのメチレン単位は、場合により、独立して−NHC(O)O−または−NHC(O)NH−により置き換えられている、請求項2に記載のコポリマー。
【請求項4】
およびRはメチルであり、RおよびRのうち一方または両方は独立してC1−20炭化水素鎖であり、その際、炭化水素鎖の1〜4つのメチレン単位は、場合により、独立してハロゲンにより置換されており、Lは−NHC(O)O−または−NHC(O)NH−であり、LはC1−20炭化水素鎖である、請求項2に記載のコポリマー。
【請求項5】
およびRはメチルであり、RおよびRのうち一方または両方は独立してC1−20炭化水素鎖であり、Lは−NHC(O)O−または−NHC(O)NH−であり、LはC1−20炭化水素鎖である、請求項2に記載のコポリマー。
【請求項6】
mおよびpはそれぞれ独立して2〜50であり、nは2〜20である、請求項2に記載のコポリマー。
【請求項7】
mおよびpはそれぞれ独立して2〜30であり、nは2〜20である、請求項6に記載のコポリマー。
【請求項8】
m、nおよびpはそれぞれ8〜16である、請求項6に記載のコポリマー。
【請求項9】
、R、RおよびRのうち1以上は、独立して、場合により置換されたC1−6アルキルである、請求項2〜8のいずれか1項に記載のコポリマー。
【請求項10】
、R、RおよびRは、それぞれ独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、またはシクロブチルである、請求項9に記載のコポリマー。
【請求項11】
、R、RおよびRは、それぞれ独立して、モノ−、ジ−、トリ−または過フッ素化されたメチル、エチル、プロピル、ブチル、またはフェニルである、請求項10に記載のコポリマー。
【請求項12】
、R、RおよびRは、それぞれ独立して、メチル、エチル、プロピル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、またはトリフルオロプロピルである、請求項9に記載のコポリマー。
【請求項13】
は、水素、メチル、クロロまたはフルオロである、請求項2に記載のコポリマー。
【請求項14】
は、水素またはメチルである、請求項2に記載のコポリマー。
【請求項15】
は、メチル、フェニル、フルオロ、または−CHCHFである、請求項2に記載のコポリマー。
【請求項16】
は、メチル、フェニル、フルオロ、または−CHCHFである、請求項2に記載のコポリマー。
【請求項17】
およびLは、それぞれ独立して二価C1−20アルキレン鎖である、請求項2〜16のいずれか1項に記載のコポリマー。
【請求項18】
およびLは、それぞれ独立して二価C1−10アルキレン鎖である、請求項17に記載のコポリマー。
【請求項19】
およびLは、それぞれ独立して二価のメチレン、エチレン、プロピレン、またはブチレン鎖である、請求項18に記載のコポリマー。
【請求項20】
およびLは、それぞれ独立して−OCH−、−OCHCH−、−OCHCHCH−、または−OCHCHCHCH−である、請求項2〜16のいずれか1項に記載のコポリマー。
【請求項21】
およびLは、それぞれ独立して二価C1−6アルキレン鎖であり、その際、鎖の少なくとも1つのメチレン単位は−O−により置き換えられており、鎖の少なくとも1つのメチレン単位は二価アリーレンにより置き換えられている、請求項2〜16のいずれか1項に記載のコポリマー。
【請求項22】
およびLは、それぞれ独立して−OCH−フェニレン−、−OCHCH−フェニレン−、−OCHCH−フェニレン−CH−、または−OCHCHCHCH−フェニレン−である、請求項21に記載のコポリマー。
【請求項23】
およびLのうち少なくとも1つは二価C1−20炭化水素鎖であり、その際、炭化水素鎖の1〜4つのメチレン単位は、場合により、独立して−N(H)C(O)N(H)−、−N(H)C(O)O−、または−OC(O)N(H)−により置き換えられている、請求項2に記載のコポリマー。
【請求項24】
はウレタンである、請求項2に記載のコポリマー。
【請求項25】
は−CHCH−である、請求項2に記載のコポリマー。
【請求項26】
式IIの3ブロックコポリマー:
【化3】

[式中:
およびRは、それぞれ独立して、−OH、−NH、保護されたヒドロキシルまたは保護されたアミンであり;
、R、R、およびRは、それぞれ独立して、ハロゲン、R、OR、−COR、フッ素化炭化水素、ポリエーテル、ポリエステルまたはフルオロポリマーのうち1以上から選択され;
Rは、それぞれ独立して、水素、場合により置換されたC1−20脂肪族基、あるいは下記のものから選択される、場合により置換された基であり:フェニル、8〜10員二環式アリール、独立して窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子をもつ4〜8員単環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または独立して窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子をもつ5〜6員単環式もしくは8〜10員二環式ヘテロアリール基;
m、nおよびpは、それぞれ独立して2〜100であり;
およびLは、それぞれ独立して二価C1−20炭化水素鎖であり、その際、炭化水素鎖の1〜4つのメチレン単位は、場合により、独立して−O−、−S−、−N(R)C(O)O−、−N(R)C(O)N(R)−、−OC(O)N(R)−、−N(R)−、−C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)−、−SO−、−SON(R)−、−N(R)SO−、−OC(O)−、−C(O)O−、または二価のシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロサイクレン、もしくはヘテロアリーレンにより置き換えられている]。
【請求項27】
およびRは−OHである、請求項26に記載のコポリマー。
【請求項28】
式II−a、II−b、II−c、およびII−dのいずれか:
【化4】

から選択される、請求項26に記載のコポリマー。
【請求項29】
【化5】

から選択される、請求項2に記載のコポリマー。
【請求項30】
請求項2〜25または請求項29のいずれか1項に記載の3ブロックコポリマーを含む医用生体材料。
【請求項31】
請求項2〜25または請求項29のいずれか1項に記載の3ブロックコポリマーを含む医療器具。
【請求項32】
請求項2〜25または請求項29のいずれか1項に記載の3ブロックコポリマーを含む粘弾性生体内安定フォーム。
【請求項33】
請求項29に記載の3ブロックコポリマーを含む、請求項32に記載の粘弾性生体内安定性フォーム。
【請求項34】
フォームが、胃液に対して少なくとも3ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも7ヶ月間、少なくとも8ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも10ヶ月間、少なくとも11ヶ月間、少なくとも1年間、安定である、請求項32に記載の粘弾性生体内安定性フォーム。
【請求項35】
フォームが、平衡状態で約5重量%未満、約10重量%未満、約15重量%未満、約20重量%未満、約25重量%未満、約30重量%未満の水を吸収する、請求項32に記載の粘弾性生体内安定性フォーム。
【請求項36】
フォームが約200〜1200%の伸長能を有する、請求項32に記載の粘弾性生体内安定性フォーム。
【請求項37】
フォームが約0.1〜約1.0MPaの引張り強さを有する、請求項32に記載の粘弾性生体内安定性フォーム。
【請求項38】
フォームが0.1〜1.5g/cmの密度を有する、請求項32に記載の粘弾性生体内安定性フォーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−514426(P2013−514426A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543993(P2012−543993)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【国際出願番号】PCT/IE2010/000073
【国際公開番号】WO2011/073967
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(508188503)ヴィセラ・バイオメディカル・リミテッド (6)
【Fターム(参考)】