説明

医用画像システム

【課題】所望の画面の表示構成をモニタの構成に拘らず表示可能な医用画像システムを提供すること。
【解決手段】各種画面を表示する一又は複数のモニタを有する医用画像表示装置5を備える医用画像システム1において、ユーザID毎及び表示装置ID毎に画面毎の表示設定情報を含む表示設定テーブル325記憶する記憶部32と、ユーザID及び当該ユーザIDに対応するユーザが使用する医用画像表示装置5の表示装置IDに応じて、記憶部32に記憶された表示設定テーブル325に基づき、当該医用画像表示装置5が有するモニタ上に画面を表示させる医用画像システム1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、病院での医用画像の電子データ化がすすみ、医用画像の撮影から表示までの一連の処理を担う医用画像システムが構築されている。これは撮影装置等により得られた医用画像のデータを大容量メモリに保存し、サーバがこれを管理して診察室等に病院内の各地に設置されている医用画像表示装置に配信するものである。
【0003】
医用画像の読影時には、医師は複数の医用画像を並べて観察したり、医用画像とともに患者リスト画面やレポート作成画面等を並列に表示させる場合があるので、医用画像表示装置ではモニタは一つだけでなく、複数備えているものも多い。
【0004】
医用画像表示装置を使用する毎にどのモニタにどのような表示内容を表示させるのかを設定するのは煩雑であるため、従来から医師毎に表示構成を定めてサーバに登録しておき、医用画像表示装置へのログイン時にログインした医師に対応する表示構成をサーバから取得してこれに基づく表示を行うことが行われていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−282936号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、病院内の設備構成によっては、各医師専用に医用画像表示装置を設けることは難しいため、医師は、前回使用した医用画像表示装置を次回も使用できるとは限らない。この場合、前回使用した医用画像表示装置と今回使用する医用画像表示装置とのモニタの数が異なる場合、前回と同様な位置に各画面を表示させることができない。また、前回使用した医用画像表示装置と今回使用する医用画像表示装置とのモニタの解像度が異なる場合、モニタの解像度によって表示される画面のサイズや位置が異なってしまう。
そのため、医師は、再度、各画面を見やすい大きさやサイズに調整しなくてはならず、非常に煩雑である。
【0006】
本発明の課題は、所望の画面の表示構成をモニタの構成に拘らず表示可能な医用画像システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、各種画面を表示する一又は複数のモニタを有する医用画像表示装置を備える医用画像システムにおいて、ユーザを識別するユーザ識別情報毎及び前記医用画像表示装置を識別する表示装置識別情報毎に前記画面毎の表示設定情報を記憶する記憶手段と、前記ユーザ識別情報及び当該ユーザ識別情報に対応するユーザが使用する前記医用画像表示装置の前記表示装置識別情報に応じて、前記記憶手段に記憶された表示設定情報に基づき、当該医用画像表示装置が有するモニタ上に前記画面を表示させる表示制御手段を備えた医用画像システムが提供される。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医用画像システムにおいて、前記表示設定情報は、当該表示装置識別情報に対応する前記医用画像表示装置が有するモニタに表示される前記画面の種類、当該各画面の表示サイズ、当該各画面の表示位置、当該各画面の表示状態を示す情報を含む。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の医用画像システムにおいて、前記医用画像表示装置が有するモニタ上に表示されている画面を閉じる場合、当該画面の種類、当該画面が閉じられる直前の画面の表示サイズ、表示位置及び表示状態を、当該画面を表示させた前記表示設定情報に書き替える書替制御手段を備える。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、ユーザ毎及び医用画像表示装置毎の表示設定情報に基づいて各種画面をモニタ上に表示できる。従って、医用画像表示装置のモニタ構成が異なっていても、医用画像表示装置毎に各ユーザが所望する表示設定で画面を表示させることができる。つまり、異なる医用画像表示装置であっても、同じ表示設定情報であった場合には、同じ状態で各種画面をモニタ上に表示できるので、画面が表示された後にユーザ自身が各種画面の表示設定の調整をする手間を省くことができ、利便性が高い医用画像システムを提供することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1と同様の効果を得られるのは勿論のこと、ユーザ毎及び医用画像表示装置毎に各画面の種類毎の当該画面の表示サイズ、表示位置、表示状態を設定することができる。従って、各医用画像表示装置が有するモニタの数や各モニタの大きさ、解像度等のモニタ構成に影響されず、ユーザが所望する画面を所望する表示サイズ、表示位置及び表示状態で表示させることができるため、医用画像システムの利便性を向上させることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2と同様の効果を得られるのは勿論のこと、画面が閉じられる際に、当該画面が閉じられる直前の画面の表示サイズ、表示位置及び表示状態を表示設定情報として書き替えることができるため、各種画面の表示サイズ、表示位置及び表示状態に変更が生じたとしても、最新の表示設定情報を記憶しておくことができ、次回、当該画面を表示させる際には、この最新の表示設定情報で画面を表示させることができるため、表示設定情報の再設定の手間を省くことができ、利便性が向上される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図1に、本実施形態における医用画像システム1のシステム構成を示す。
医用画像システム1は、図1に示すように、複数のモダリティ2、医用画像管理装置3、NAS(Network Attached Storage)4、複数の医用画像表示装置5、を備えて構成されており、各構成装置はネットワークNを介して接続されている。ネットワークNは、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)規格に従ったLAN(Local Area Network)である。また、DICOM規格によりHIS/RIS6等の病院内の他の情報管理システムと互いに接続可能に構成されている。
【0014】
なお、HISはHospital Information Systemの略称であり、患者の個人情報、診療費の会計処理等を統括管理する病院情報システムである。また、RISはRadiology Information Systemの略称であり、CR等の放射線検査等の予約、検査受付、検査データの読影、保管等を一貫して行う放射線科情報システムである。
【0015】
医用画像システム1は、モダリティ2により撮影された医用画像の他、レポート等のデータをNAS4に保存し、医用画像管理装置3によりその入出力を管理するものである。医用画像管理装置3の制御により、NAS4に保存された各データは医用画像表示装置5に出力される。以下、各構成装置について説明する。
【0016】
モダリティ2は、患者を撮影し、その撮影画像(医用画像)を生成する画像生成装置である。モダリティ2としては、X線撮影装置、CT(Computed Tomography)撮影装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)撮影装置、超音波/内視鏡撮影装置等、様々なものが挙げられる。撮影された医用画像はNAS4に送信される。なお、モダリティ2では撮影時に得られた医用画像に関する情報を医用画像に付加することが可能である。医用画像に関する情報としては、例えば患者の氏名、年齢等の患者情報や撮影日、モダリティ名、撮影条件等の撮影情報、医用画像のビット情報等の画像詳細情報等が挙げられる。これらの情報はモダリティ2において撮影技師が入力することにより得ることとしてもよいし、外部装置から入力されたものを得ることとしてもよい。
【0017】
医用画像管理装置3は、NAS4に保存された各種データの管理を統括的に行うものである。図2に、医用画像管理装置3の構成を示す。
医用画像管理装置3は、図2に示すように、制御部31、記憶部32、RAM(Random Access Memory)33、通信部34等を備えて構成されている。
【0018】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)等から構成されており、記憶部32に記憶されている各種制御プログラムをRAM33に展開して、これら制御プログラムとの協働により演算を行う、或いは各部32〜34の集中制御を行う。
【0019】
記憶部32は、HDD(Hard Disc)や半導体の不揮発性メモリにより構成されており、制御部31において用いられる各種制御プログラムの他、プログラムの実行に必要なパラメータやユーザテーブル321、表示装置テーブル322、モニタ構成テーブル323、モニタテーブル324等の各種テーブル、各種データ等を記憶している。また、本実施の形態において、記憶部32は、表示設定テーブル325等の必要なデータを記憶している。
【0020】
図3に、ユーザテーブル321の例を示す。図3に示すように、ユーザテーブル321には、ユーザ名、ユーザID(予めユーザを識別するために付与された番号(ユーザ識別情報))、パスワード、生年月日等の各ユーザの情報が対応付けられている。
【0021】
図4に、表示装置テーブル322の例を示す。図4に示すように、表示装置テーブル322には、表示装置ID(予め医用画像表示装置5を識別するために付与された表示装置識別情報)、医用画像表示装置名、当該医用画像表示装置が有するモニタの構成を示すモニタ構成IDが各医用画像表示装置に対応付けられている。
【0022】
図5に、モニタ構成テーブル323の例を示す。図5に示すように、モニタ構成テーブル323には、モニタ構成IDと当該構成を形成するモニタのモニタID(モニタを識別するために予め付与された識別情報)とが対応付けられている。
【0023】
図6に、モニタテーブル324の例を示す。図6に示すように、モニタテーブル324は、各モニタの解像度や表示画面サイズ、最高輝度等の各モニタの情報がモニタIDと対応付けられている。
【0024】
従って、表示装置テーブル322はモニタ構成IDによりモニタ構成テーブル323と関連付けられており、モニタ構成テーブル323はモニタIDによりモニタテーブル324と関連付けられている。このように表示装置テーブル322、モニタ構成テーブル323、モニタテーブル324が形成されていることにより、各医用画像表示装置が有するモニタの構成、当該構成を形成する各モニタの情報を抽出することができる。
【0025】
図7に、表示設定テーブル325の例を示す。
図7に示すように、表示設定テーブル325は、ユーザID、ユーザIDに対応付けられた表示装置ID、表示装置IDに対応付けられた各種画面の表示設定情報が対応付けられて記憶されている。即ち、表示設定テーブル325を記憶する記憶部32は記憶手段としての機能を実現する。
【0026】
表示設定テーブル325のユーザIDは、ユーザテーブル321に記憶されているユーザIDに対応するものであり、また、表示設定テーブル325の表示装置IDは、表示装置テーブル322に記憶されている表示装置IDに対応するものである。
【0027】
表示設定情報は、表示装置IDに対応する医用画像表示装置5が有するモニタに表示される画面の種類、当該各画面の表示サイズ、当該各画面の表示位置、当該各画面の表示状態を示す情報等から成る。
【0028】
なお、画面の種類としては、例えば、患者リストデータを表示する患者リスト画面、医用画像データを表示する読影画面、レポートデータを表示するレポート画面、読影データと比較させる比較用医用画像データを表示する比較読影画面、電子カルテデータを表示する電子カルテ画面等を挙げることができる。
【0029】
表示位置は、医用画像表示装置5が有するモニタの表示画面上の座標として示しており、複数のモニタを有する場合(マルチモニタの場合)には、当該複数のモニタの表示画面を共通の座標上とした際の座標(X座標、Y座標)である。
【0030】
表示状態としては、例えば、モニタの表示画面全体に表示する最大化状態、モニタ上から一時的に隠した状態又はアイコンやボタンとして表示する最小化状態、設定されたサイズで表示し任意の位置に移動可能な状態で表示するサイズ表示状態(フローティング)等をあげることができる。
【0031】
例えば、ユーザID「0001」のユーザが表示装置ID「001」の医用画像表示装置5を使用する際の表示設定情は、「患者リスト画面」を「200×180」(mm)のサイズで、X座標「0」、Y座標「240」の位置に最大化状態で表示させ、「読影画面」を「500×1000」(mm)のサイズで、X座標「1000」、Y座標「100」の位置にサイズ表示する等が定められている。
【0032】
RAM33は、制御部31により実行制御される各種処理において、記憶部32から読み出された制御部31で実行可能な各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等の一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0033】
通信部34は、ネットワークインターフェイスカード等の通信用インターフェイスを備え、ネットワークN上の外部装置と通信を行う。例えば、医用画像表示装置5から当該医用画像表示装置5の表示装置IDやユーザのログイン情報(ユーザID等)等を受信し、必要なデータを送信する。
【0034】
NAS4は、大容量メモリを備えて構成され、医用画像データの他、レポート等の医用画像に関する各種データを記憶している。NAS4は医用画像管理装置3の制御に従って指示されたデータを指示された外部装置へ出力する。
【0035】
医用画像表示装置5は、医師の医用画像の読影時や診療作業時に用いられるものであり、一又は複数のモニタを備えて、このモニタに対象データを表示するPC(Personal Computer)等の端末装置である。図4に、医用画像表示装置5の構成を示す。
【0036】
図8に示すように、医用画像表示装置5は、制御部51、記憶部52、RAM53、操作部54、表示部55、通信部56、その他画像処理部、画像メモリ等を備えて構成されている。
【0037】
制御部51は、CPU等を備えて構成され、記憶部52に記憶されている各種制御プログラムを読み出してRAM53に展開し、これら制御プログラムとの協働により各種演算を行うとともに各部52〜56等の集中制御を行う。
【0038】
記憶部52は、HDD(Hard Disc)や半導体の不揮発性メモリにより構成されており、制御部51において実行される各種制御プログラムの他、プログラムの実行に必要なパラメータ、データ、自装置を識別するための表示装置ID等を記憶している。
【0039】
RAM53は、制御部51により実行制御される各種処理において、記憶部52から読み出された制御部51で実行可能な各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等の一時的に記憶するワークエリアを形成する。また、本実施の形態においては、ログインしたユーザのユーザID、表示部55のモニタ上に表示されている各種画面の種類、表示サイズ、表示状態等を一時的に保持している。
【0040】
操作部54は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードで押下操作されたキーの押下信号又はマウスによる操作信号を、制御部51に出力する。
【0041】
表示部55は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等の一または複数のモニタ55aを備え、これらモニタ55aに医用画像データやレポートデータ等の各種データの画面、電子カルテ画面等の操作画面等、各種データを表示する。このモニタ55aには、前述したように個々にモニタIDが付されており、モニタ55aを有する医用画像表示装置5の表示装置ID、モニタIDの情報が予め医用画像表示装置5において登録され、表示装置テーブル及びモニタテーブルにおいて管理されている。
【0042】
通信部56は、通信用インターフェイスを備え、ネットワークN上の外部装置と通信を行う。例えば、医用画像管理装置3に医用画像等の対象データを要求する要求情報を送信し、NAS4から対象データを受信する。
【0043】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
本実施の形態における医用画像システム1では、何れの医用画像表示装置5にログインしてもそのログインしたユーザ及び医用画像表示装置5に対応した表示設定情報を医用画像管理装置3から取得して利用することが可能である。
【0044】
図9に、本実施の形態における医用画像表示装置5のログイン時において、医用画像表示装置5と医用画像管理装置3とにおいて実行される画面表示処理のフローチャートを示す。
【0045】
図9に示す画面表示処理は、医用画像管理装置3の制御部31と記憶部32に記憶された当該処理プログラム及び各種テーブルやデータと、医用画像表示装置5の制御部51と記憶部52に記憶された当該処理プログラム及び各種データ又は医用画像管理装置3の記憶部32からダウンロードしてRAM53内に格納されたプログラム及び各種データとの協働によるソフトウエア処理により実現される処理であり、当該処理の実行により、表示制御手段が実現される。
【0046】
医用画像表示装置5では、操作部54を介して医師によりログイン操作が行われ(ステップS1)、制御部51により当該ログイン操作により入力されたユーザ名(又はユーザID)によりユーザIDが取得されたか否かが判別され(ステップS2)、ユーザIDが取得されなかったと判別された場合(ステップS2;No)には、再度ユーザを特定するためにステップS1に戻る。
【0047】
医用画像表示装置5の制御部51において、ユーザIDが取得されたと判別された場合(ステップS2;Yes)、ユーザID及びパスワード等のログイン情報と、ログインが行われた医用画像表示装置5の記憶部52に予め記憶されている当該医用画像表示装置5の表示装置IDと、が通信部56を介して医用画像管理装置3に送信される(ステップS3)。
【0048】
医用画像管理装置3では、制御部31により、通信部34を介して何れかの医用画像表示装置5からユーザIDを含むログイン情報と表示装置IDとが受信されたか否かが判別され(ステップS4)、ユーザIDを含むログイン情報と表示装置IDとが受信されていないと判別された場合(ステップS4;No)、受信されるまで待機する(ステップS4に戻る)。
【0049】
医用画像管理装置3の制御部31において、ユーザIDを含むログイン情報と表示装置IDとが受信されたと判別された場合(ステップS4;Yes)、ログイン操作が行われたと判別され、受信されたユーザIDを含むログイン情報と記憶部32内のユーザテーブル321とに基づいてユーザ認証が行われる。また、表示装置IDと表示装置テーブル322とに基づいてログインされた医用画像表示装置5が特定される。更に、ログイン情報に含まれるユーザID及び表示装置IDと、記憶部32内の表示設定テーブル325が参照されて、当該該当する表示設定情報が検索される(ステップS5)。
【0050】
医用画像管理装置3の制御部31において、ユーザ認証、医用画像表示装置5の特定がなされ、認証されたユーザ及び特定された医用画像表示装置5に対する検索された表示設定情報が通信部34を介して特性された医用画像表示装置5に送信される(ステップS6)。
【0051】
医用画像表示装置5では、制御部51により通信部56を介して医用画像管理装置3から表示設定情報が受信されたか否かが判別され(ステップS7)、表示設定情報が受信されないと判別された場合(ステップS7;No)、ログインが失敗したものとしてステップS1に戻る。
【0052】
医用画像表示装置5の制御部51により、表示設定情報が受信されたと判別された場合(ステップS7;Yes)、受信された表示設定情報に基づいて各種画面がモニタ55a上に表示され(ステップS8)、本処理は終了される。
【0053】
図10に、本実施の形態における医用画像表示装置5のモニタ55aに表示されている画面が閉じられる際において、医用画像表示装置5と医用画像管理装置3とにおいて実行される表示設定情報書替処理のフローチャートを示す。
【0054】
図10に示す表示設定情報書替処理は、医用画像管理装置3の制御部31と記憶部32に記憶された当該処理プログラム及び各種テーブルやデータと、医用画像表示装置5の制御部51と記憶部52に記憶された当該処理プログラム及び各種データ又は医用画像管理装置3の記憶部32からダウンロードしてRAM33内に格納されたプログラム及び各種データとの協働によるソフトウエア処理により実現される処理であり、当該処理の実行により、書替制御手段が実現される。
【0055】
医用画像表示装置5のモニタ55aにおいて、上述した図9に示す処理により各種画面が表示されている(ステップS11)。医用画像表示装置5の制御部51では、操作部54を介してモニタ55aに表示された各種画面のうちいずれか一つの画面が医師により閉じる操作が行われたか否かが判別され(ステップS12)、画面を閉じる操作が行われていないと判別された場合(ステップS12;No)、画面を閉じる操作が行われるまで待機する(ステップS12に戻る)。
【0056】
医用画像表示装置5の制御部51により、画面を閉じる操作が行われたと判別された場合(ステップS12;Yes)、当該閉じる操作が行われた画面(以下、閉画面ともいう。)に関する表示設定情報の書替指示と、当該医用画像表示装置5がログインされた際に取得されたユーザID、当該医用画像表示装置5の記憶部52に予め記憶されている当該医用画像表示装置5の表示装置ID、閉画面の種類、閉画面に対して閉じる操作が行われた際の表示サイズ、表示位置、表示状態等を含む閉画面情報とが、通信部56を介して医用画像管理装置3に送信され(ステップS13)、閉じる操作が行われた画面がモニタ55a上から消去され閉じられる(ステップS14)。
【0057】
医用画像管理装置3では、制御部31により、通信部34を介して何れかの医用画像表示装置5から表示設定情報の書替指示が受信されたか否かが判別され(ステップS15)、表示設定情報の書替指示が受信されていないと判別された場合(ステップS15;No)、受信されるまで待機する(ステップS15に戻る)。
【0058】
医用画像管理装置3の制御部31において、表示設定情報の書替指示が受信されたと判別された場合(ステップS15;Yes)、受信された表示設定情報の書替指示と共に受信した表示装置IDと表示装置テーブル322とに基づいて表示背定情報の書替指示がされた医用画像表示装置5が特定される。また、受信された表示設定情報の書替指示と共に受信したユーザID、表示装置IDと記憶部32に記憶されている表示設定テーブル325とが参照され、書き替えられる表示設定情報が特定される。特定された表示設定情報に対して、受信された表示設定情報の書替指示と共に受信した閉画面の種類、閉画面に対して閉じる操作が行われた際の表示サイズ、表示位置、表示状態が書き替えられる(ステップS16)。
【0059】
医用画像管理装置3の制御部31において、表示設定情報が書替えられると、書替完了を示す信号が通信部34を介して特定された医用画像表示装置5に送信される(ステップS17)。
【0060】
医用画像表示装置5では、制御部51において、通信部56を介して表示設定情報の書替指示が送信され、閉じる操作が行われた画面が閉じられた後、書替完了を示す信号が受信されると、RAM53に保持されていた閉画面情報が消去され(ステップS18)、本処理が終了される。なお、書替完了を示す信号が受信されない場合には、ステップS13に戻ることが好ましい。
【0061】
以上のように、本実施の形態によれば、ユーザ毎及び医用画像表示装置5毎の表示設定情報に基づいて各種画面をモニタ55a上に表示できる。従って、医用画像表示装置5のモニタ構成が異なっていても、医用画像表示装置5毎に各ユーザが所望する表示設定で画面を表示させることができ、画面が表示された後にユーザ自身が各種画面の表示設定の調整をする手間を省くことができ、利便性が高い医用画像システム1を提供することができる。
【0062】
特に、ユーザ毎及び医用画像表示装置5毎に各画面の種類毎の当該画面の表示サイズ、表示位置、表示状態を設定することができる。従って、各医用画像表示装置5が有するモニタの数や各モニタ55aの大きさ、解像度等のモニタ構成に影響されず、ユーザが所望する画面を所望する表示サイズ、表示位置及び表示状態で表示させることができるため、医用画像システム1の利便性を向上させることができる。
【0063】
また、画面が閉じられる際に、当該画面が閉じられる直前の画面の表示サイズ、表示位置及び表示状態を表示設定情報として書き替えることができるため、各種画面の表示サイズ、表示位置及び表示状態に変更が生じたとしても、最新の表示設定情報を記憶しておくことができ、次回、当該画面を表示させる際には、この最新の表示設定情報で画面を表示させることができるため、表示設定情報の再設定の手間を省くことができ、利便性が向上される。
【0064】
なお、本発明は、上記実施の形態の内容に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本実施形態における医用画像システムのシステム構成を示す図である。
【図2】医用画像管理装置の構成を示す図である。
【図3】ユーザテーブルの例を示す図である。
【図4】表示装置テーブルの例を示す図である。
【図5】モニタ構成テーブルの例を示す図である。
【図6】モニタテーブルの例を示す図である。
【図7】表示設定テーブルの例を示す図である。
【図8】医用画像表示装置の構成を示す図である。
【図9】画面表示処理のフローチャートを示す図である。
【図10】表示設定情報書替処理のフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
【0066】
1 医用画像システム
2 モダリティ
3 医用画像管理装置
4 NAS
5 医用画像表示装置
31 制御部
32 記憶部
325 表示設定テーブル
33 RAM
34 通信部
51 制御部
52 記憶部
53 RAM
54 操作部
55 表示部
55a モニタ
56 通信部
N ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種画面を表示する一又は複数のモニタを有する医用画像表示装置を備える医用画像システムにおいて、
ユーザを識別するユーザ識別情報毎及び前記医用画像表示装置を識別する表示装置識別情報毎に前記画面毎の表示設定情報を記憶する記憶手段と、
前記ユーザ識別情報及び当該ユーザ識別情報に対応するユーザが使用する前記医用画像表示装置の前記表示装置識別情報に応じて、前記記憶手段に記憶された表示設定情報に基づき、当該医用画像表示装置が有するモニタ上に前記画面を表示させる表示制御手段と、
を備えた医用画像システム。
【請求項2】
前記表示設定情報は、
当該表示装置識別情報に対応する前記医用画像表示装置が有するモニタに表示される前記画面の種類、当該各画面の表示サイズ、当該各画面の表示位置、当該各画面の表示状態を示す情報を含む請求項1に記載の医用画像システム。
【請求項3】
前記医用画像表示装置が有するモニタ上に表示されている画面を閉じる場合、当該画面の種類、当該画面が閉じられる直前の画面の表示サイズ、表示位置及び表示状態を、当該画面を表示させた前記表示設定情報に書き替える書替制御手段を備えた請求項1又は2に記載の医用画像システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−229244(P2008−229244A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−76979(P2007−76979)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】