説明

医用画像処理システム

【課題】医用画像データに対する画像処理を複数のサーバーに分散させてあらかじめ実行させて、これらのサーバーの処理結果を整合させてクライアントに表示させる。
【解決手段】画像処理サーバーを複数備え、所定のワークフローに基づき、複数の医用画像群を所定の表示態様でクライアントに出力する医用画像処理システムである。ワークフロー解析部は、ワークフローに対応する医用画像群ごとに、医用画像データに対する画像処理の種別が関連付けられた制御データを特定する。分散処理制御部は、特定された制御データに基づき、医用画像群ごとの画像処理を異なる画像処理サーバーに処理させて医用画像群を生成させる。画面生成部は、操作画面の生成に係る指示を受けて、指定されたワークフローに基づき、生成された医用画像群を画像処理サーバーから受けて、当該医用画像群を閲覧可能に表示させた操作画面を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、取得された医用画像データを基に表示態様の異なる医用画像を、複数のサーバーに分散して生成させて、クライアントに表示させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Rresonance Imaging)、または超音波診断装置のような各種モダリティで取得された医用画像データに画像処理を施して医用画像を生成し、ネットワークを介してクライアントに表示させる医用画像処理システムがある。この、医用画像データに対する画像処理は、一般的に処理負荷が高く、生成する医用画像が多くなるほど処理時間が長くなる傾向にある。そのため、医用画像の表示に係る予約を受けて、予約された時刻以前に、このような画像処理をあらかじめ実行させることで、画像処理の実行によるレスポンスの低下(応答の遅れ)を防止する場合がある。
【0003】
一方で、担当医師等の操作者が、医用画像を基に診断を行う際に、その診断内容に応じて表示態様の異なる複数の医用画像を比較しながら、診断結果を作成する場合がある。このような場合には、表示態様の異なる複数の医用画像を生成する必要があるため、生成する医用画像の数に応じて画像処理の負荷が高くなり、1つのサーバーでは処理に時間を要する場合がある。このような問題を解決する構成として、画像処理を複数のサーバーに分散して処理させる分散処理システムがある。このような分散処理システムを利用することで、医用画像の生成に係る画像処理を、複数のサーバーで並行して実行させて、処理時間を短縮することが可能となる。
【0004】
このような分散処理システムを利用して画像処理を行い、その処理結果を各サーバーから受け取る場合には、その結果を受け取る構成が、各処理がどのサーバーで実行されているかを認識する必要がある。しかしながら、医用画像の表示に係る予約を受けて、画像処理をあらかじめ実行する場合には、クライアントからの予約に係る処理、医用画像データに対する画像処理、及び、画像処理により生成された医用画像の表示に係る処理が非同期で実行される。即ち、クライアントの処理は、分散処理される画像処理に同期しないため、このクライアントは、各画像処理がどのように分散されて、どのサーバーで処理されているかを知ることが困難である。そのため、このような場合には、クライアントは、処理結果を受け取るべきサーバーの特定や、それらのサーバーの処理結果を整合させることが困難となる。
【0005】
一方で、クライアントが各サーバーから処理結果を受け取るために、クライアントの処理と医用画像データに対する画像処理とを同期させると、サーバーはクライアントからの指示を受けて画像処理を開始することになる。そのため、画像処理を事前に実行させることが困難となり、医用画像を表示する際に画像処理が実行され、この画像処理によるレスポンスの低下が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−7377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明の実施形態は、医用画像データに対する画像処理を複数のサーバーに分散させてあらかじめ実行させて、これらのサーバーの処理結果を整合させてクライアントに表示させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、この実施形態は、医用画像データに対して画像処理を施して所望の表示態様の医用画像を1以上含む医用画像群を生成する画像処理サーバーを複数備え、少なくとも複数の医用画像を閲覧しながら行う診断の内容に応じてあらかじめ決められたワークフローに基づき、ワークフローに関連付けられた複数の医用画像群を、所定の表示態様でクライアントに出力する医用画像処理システムである。医用画像処理システムは、ワークフロー解析部と、分散処理制御部と、画面生成部とを含んで構成される。ワークフロー解析部は、医用画像データ及びワークフローの指定を受けて、ワークフローに対応する医用画像群ごとに、医用画像群を生成するための医用画像データに対する画像処理の種別があらかじめ関連付けられた制御データを特定する。分散処理制御部は、特定された制御データに基づき、医用画像群ごとに種別の異なる画像処理を、それぞれ異なる画像処理サーバーに処理させ、医用画像群を生成させる。画面生成部は、操作画面の生成に係る指示を受けて、指定されたワークフローに基づき、生成された医用画像群を画像処理サーバーから受けて、医用画像群を表示可能な操作画面を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係る医用画像処理システムの概略的な構成図である。
【図2】本実施形態に係る医用画像処理システムの構成を示したブロック図である。
【図3A】医用画像を表示させるためのワークフローの一例である。
【図3B】医用画像を表示させるためのワークフローの一例である。
【図3C】医用画像を表示させるためのワークフローの一例である。
【図4】本実施形態に係る医用画像処理システムの一連の処理の流れを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(ワークフローについて)
本実施形態に係る医用画像処理システムは、操作者が被検体を撮影した医用画像を閲覧しながら診断を行う際に、表示態様の異なる複数の医用画像を所定の順序で表示することにより操作者の診断を補助する。この場合に、表示される医用画像の表示態様や、それらを表示する順序は、診断の内容に応じて異なる。例えば、ある診断においては、医用画像処理システムは、まず複数の異なる方向からの断層像を表示させて診断対象の画像を選択させ、その後、選択された画像について血流を示す情報を重畳表示させる。これにより、操作者は、表示される画面を操作することにより、所望の診断を行うために必要な画面を表示させることが可能となる。この診断の内容や診断に係る作業の各段階に対応して、あらかじめ決められた手順(即ち、閲覧すべき医用画像の表示態様や、それらを表示する順序)をワークフローと呼ぶ。本実施形態に係る医用画像処理システムは、指定されたワークフローに応じて、操作者が診断を行うために、所定の表示態様の医用画像を所定の順序で並べた操作画面を表示させる。操作者は、この操作画面の画面遷移に応じて操作を行うことで、所望の診断を行い、その診断内容を含むデータ(例えば、読影レポート等)を生成することが可能となる。
【0011】
ここで、本実施形態に係る医用画像処理システムが、指定されたワークフローに応じて出力する操作画面について図3A〜図3Cを参照しながら説明する。図3A〜図3Cは、2以上の画面で構成される操作画面を示している。図3Aは、操作画面全体の構成を示している。また、図3Bは、画面V1の詳細な構成について示している。また、図3Cは、画面V2の詳細な構成について示している。図3Aに示す例は、2段階の作業に基づくワークフローの操作画面を示している。そのため、この操作画面は、ワークフローの各作業段階に対応して、画面V1及び画面V2の2つの画面により構成されている。画面V1は、診断対象の断層像を選択するための画面を示している。また、画面V2は、画面V1で選択した断層像に対する所見及び診断を入力し、読影レポートを生成するための画面を示している。画面V1及びV2の詳細については後述する。なお、図3Aの例では、2つの画面により構成された操作画面を示しているが、画面の数はワークフローを構成する作業段階の数に応じて変更してもよい。
【0012】
次に、図3Bを参照する。図3Bに示すように、画面V1は、医用画像を表示するための表示領域V11A〜V13Aと、表示領域V11B〜V13Bとを含んで構成される。画面V1は、異なる医用画像データを基に生成された医用画像を比較するための画面である。表示領域V11A〜V13Aと表示領域V11B〜V13Bとには、それぞれ異なる医用画像データから生成された医用画像群E11A〜E13Aと医用画像群E11B〜E13Bとが関連付けられている。これらの医用画像群は、少なくとも1枚以上の医用画像を含んで構成されており、各表示領域には、関連付けられた医用画像群のうち、いずれかの医用画像が表示される。例えば、医用画像群E11A〜E13Aは、操作者により指定された医用画像データD1から生成される。また、医用画像群E11B〜E13Bは、操作者からの指示に基づき指定された医用画像データD1とは異なる医用画像データD2から生成される。
【0013】
また、表示領域V11A及びV11Bには、それぞれ医用画像データから生成されたアキシャル画像の医用画像群E11A及びE11Bが関連付けられており、他の表示領域で選択された位置のアキシャル画像が表示される。また、表示領域V12A及びV12Bには、それぞれ医用画像データから生成されたコロナル画像の画像群E12A及びE12Bが関連付けられており、他の表示領域で選択された位置のコロナル画像が表示される。また、表示領域V13A及びV13Bには、それぞれ医用画像データから生成されたサジタル画像の画像群E13A及びE13Bが関連付けられており、他の表示領域で選択された位置のサジタル画像が表示される。操作者は、画面V1を操作して診断対象の医用画像を選択する。操作者により、診断対象の医用画像が選択されると、画面V2が表示される。
【0014】
次に、図3Cを参照する。図3Cに示すように、画面V2は、表示領域V21A及びV22Aと、表示領域V22B及びV22Bと、表示領域V23と、入力手段V24とを含んで構成される。画面V2は、画面V1で選択された医用画像に対して、例えば、血流情報等のような他の表示態様の医用画像を重畳表示させて表示させ、この表示に基づき操作者が診断結果を入力するための画面である。表示領域V21A及びV22Aと、表示領域V21B及びV22Bとは、画面V1と同様に、それぞれ撮影日の異なる医用画像が表示される。表示領域V22A及びV22Bには、画面V1で選択された医用画像がE22A及びE22Bとして表示される。また表示領域V21A及びV21Bには、医用画像E22A及びE22Bに対して、表示態様を変えた医用画像E21A及び21Bが表示される。また、表示領域V23には、医用画像E22A及びE22Bと、医用画像E21A及び21Bとが重畳表示されている。また、入力手段V24は、操作者が診断結果を入力するための入力インタフェースである。操作者は、表示領域V21A及びV21B、V22A及びV22B、及びV23に表示された医用画像を確認しながら、入力手段V24を操作して診断結果を入力する。
【0015】
このように、ワークフローに応じた操作画面は、そのワークフローを構成する作業段階の数に応じて、1以上の画面により構成されている。本実施形態に係る医用画像処理システムは、ワークフローごとに操作画面の雛型をあらかじめ記憶しており、医用画像データ及びワークフローの指定を受けて、この雛型を基に、図3A〜図3Cに示すような操作画面を生成してクライアント50に出力する。操作者は、ワークフローに応じて表示された医用画像を確認しながら操作を行うことで、所望の診断を行い、その診断内容を含むデータ(例えば、読影レポート)を生成することが可能となる。
【0016】
(医用画像処理システムの構成)
次に、本実施形態に係る医用画像処理システムについて図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る医用画像処理システムの概略的な構成図である。本実施形態に係る医用画像処理システムは、画像取得部20と、画像記憶部30と、画像処理サーバー40A〜40Cと、制御サーバー10と、クライアント50とを含んで構成されている。これらの構成は、ネットワークを介して接続されている。画像処理サーバー40A〜40Cは、それぞれが、各ワークフローに対応する各医用画像群を生成するための画像処理が実行可能に構成されている。なお、以降では、画像処理サーバー40A〜40Cを特に区別しない場合には、単に「画像処理サーバー40」と記載する。
【0017】
画像取得部20は、医用画像を生成するための医用画像データを取得する。画像取得部20の一例としては、CT、MRI、または超音波診断装置などの各種モダリティが挙げられる。画像取得部20は、取得された医用画像データを、その医用画像データの属性情報と関連付けて画像記憶部30に記憶させる。画像記憶部30は、医用画像データを記憶させるための記憶部である。属性情報には、例えば、モダリティを示す情報、医用画像データの取得条件(撮影条件)、被検体の患者情報、または被検体の担当医の識別情報等が含まれる。これにより、属性情報を検索条件として、所望の医用画像データを画像記憶部30から読み出すことが可能となる。なお、画像記憶部30は、例えば、データサーバーとして構成するとよい。
【0018】
次に、図2を参照しながら、本実施形態に係る医用画像処理システムの詳細な構成について説明する。図2は、本実施形態に係る医用画像処理システムの構成を示したブロック図である。図2に示すように、制御サーバー10は、依頼受付部11と、リスト出力部12と、ワークフロー解析部13と、ワークフロー記憶部14と、分散処理制御部15と、雛型出力部16とを含んで構成されている。また、画像処理サーバー40A〜40Cは、それぞれ、画像処理部41と、キャッシュ保持部42と、画像出力部43とを含んで構成される。また、クライアント50は、操作部51と、表示部52と、画面生成部53とを含んで構成される。
【0019】
本実施形態に係る医用画像処理システムでは、処理対象の医用画像データとワークフローの指定を受けて、ワークフローに応じてあらかじめ決められた態様の異なる複数の医用画像を生成し、これらを所定の表示態様でクライアント50に出力する。以降では、医用画像データを選択するための「医用画像データの一覧の出力」と、医用画像データとワークフローの選択を受けて動作する、「ワークフローに応じた出力の生成」とに分けて、各処理に関連する構成について説明する。
【0020】
(医用画像データの一覧の出力)
依頼受付部11は、操作部51から医用画像データの一覧の出力依頼を、医用画像データの検索条件とあわせて受ける。検索条件としては、例えば、担当医の識別情報、患者情報、モダリティを示す情報、または医用画像データの取得条件等が挙げられる。依頼受付部11は、この出力依頼を受けると、あわせて受けた検索条件をリスト出力部12に出力し、医用画像データの一覧の出力を指示する。これを受けて、リスト出力部12が、検索条件に対応する医用画像データの一覧をクライアント50に出力する。これにより操作者は、所望の医用画像データを選択することが可能となる。
【0021】
リスト出力部12は、依頼受付部11から検索条件とあわせて医用画像データの一覧の出力指示を受ける。リスト出力部12は、この出力指示を受けると、あわせて受けた検索条件で画像記憶部30を検索し、検索条件に対応する医用画像データを画像記憶部30から抽出する。リスト出力部12は、抽出された医用画像データの一覧を生成し、これを表示部52に表示させる。これにより、操作者は、検索条件に合致する医用画像データの一覧を確認し、その一覧の中から所望の医用画像データを、操作部51を介して選択することが可能となる。また、リスト出力部12は、診断の内容に応じてあらかじめ生成されたワークフローの一覧を、その一覧のうちいずれかを選択可能に表示部52に表示させる。このワークフローの一覧は、ワークフロー記憶部14に記憶されている。ワークフロー記憶部14の詳細については、「ワークフローに応じた出力の生成」に係る処理とあわせて後述する。これにより、操作者は、表示部52に表示された一覧の中から所望のワークフローを、操作部51を介して選択することが可能となる。操作部51は、操作者により選択された、医用画像データを示す情報とワークフローを示す情報とを依頼受付部11に送信する。なお、リスト出力部12は、一覧中の各医用画像データを示す情報に、その医用画像データの属性情報を参照可能に関連付けてもよい。これにより、操作者は、この属性情報を確認しながら、所望の医用画像データを選択することが可能となる。
【0022】
(ワークフローに応じた出力の生成)
次に、指定された医用画像データ及びワークフローに基づき、そのワークフローに対応する操作画面を生成するための構成について説明する。本実施形態に係る医用画像処理システムは、画像取得部20で取得された医用画像データを基に医用画像を生成し、この医用画像が表示された操作画面をクライアント2に表示させる。この際に、医用画像処理システムでは、医用画像データを基に医用画像を生成する処理を、制御サーバー10の制御に基づき、複数の画像処理サーバー40A〜40Cに分散処理させる。
【0023】
依頼受付部11は、操作部51から、操作者により選択された医用画像データを示す情報とワークフローを示す情報とともに、操作画面の出力に係る予約を受ける。依頼受付部11は、これらの情報をワークフロー解析部13に出力する。また、依頼受付部11は、この出力が予約された操作画面を特定するための予約情報を雛型出力部16に通知する。
【0024】
ワークフロー記憶部14は、操作画面を生成するための雛型が、ワークフローを示す情報と関連付けられて取り出し可能に記憶されている。この雛型は、例えば、図3A〜図3Cに示すような、ワークフローに対応する一連の操作画面を生成するための雛型であり、操作画面を構成する各画面を示す情報が、その表示順序とあわせて記憶されている。また、この雛型は、図3B及び図3Cに示すように、操作画面を構成する画面ごとに複数の表示領域を含んで構成されている。これらの表示領域には、表示対象の医用画像を生成するために、医用画像データに対して実行する一連の画像処理を示す情報が関連付けられている。この画像処理には、例えば、骨抜き、多断面再構成法(MRP:Multi−Planar Reconstruction)、ボリュームレンダリング(VR:Volume Rendering)、最大値投影法(MIP:Maximum Intensity Projection)等の処理が含まれる。なお、ワークフロー記憶部14は、各雛型に関連付けられたワークフローの一覧を出力可能に構成されている。
【0025】
ワークフロー解析部13は、依頼受付部11から、医用画像データを示す情報とワークフローを示す情報とを受ける。ワークフロー解析部13は、受けたワークフローを示す情報に関連付けられた雛型をワークフロー記憶部14から抽出する。以降では、この抽出された雛型を「雛型V0」とする。また、ワークフロー解析部13は、医用画像データを示す情報を基に、画像記憶部30を検索し、その情報に対応する医用画像データを特定し、雛型V0に含まれる各表示領域に関連付ける。
【0026】
例えば、図3A〜図3Cの例の場合には、ワークフロー解析部13は、操作者により指定された医用画像データD1及びD2を、画像記憶部30内から抽出する。図3Bに示す画面V1については、ワークフロー解析部13は、特定された医用画像データD1を、表示領域V11A〜V13Aに関連付ける。これにより、例えば、表示領域V11Aに関連付けられた画像データ1に対して、その表示領域にあらかじめ関連付けられた画像処理を施すことで、医用画像群E11Aを生成することが可能となる。同様に、ワークフロー解析部13は、特定された医用画像データD2を、表示領域V11B〜V13Bに関連付ける。また、図3Cに示す画面V2については、ワークフロー解析部13は、医用画像データD1を、表示領域V21A及びV22Aに関連付ける。同様に、ワークフロー解析部13は、医用画像データD2を、表示領域V21A及びV22Aに関連付ける。また、ワークフロー解析部13は、医用画像データD1及びD2を表示領域V23に関連付ける。これにより、表示領域V23に、医用画像データD1から生成された医用画像と医用画像データD2から生成された医用画像とを重畳表示させることが可能となる。なお、以降では、図3A〜図3Cに示した操作画面を生成するものとして説明する。
【0027】
ワークフロー解析部13は、各表示領域に医用画像データD1及びD2が関連付けられた雛型V0を雛型出力部16及び分散処理制御部15に出力する。
【0028】
雛型出力部16は、ワークフロー解析部13から雛型V0を受ける。また、雛型出力部16は、依頼受付部11から出力が予約された操作画面(即ち、この雛型V0に対応する操作画面)を特定するための予約情報を受ける。雛型出力部16は、この予約情報を雛型V0に関連付ける。
【0029】
また、雛型出力部16は、画面生成部53から予約情報とともに雛型V0の出力指示を受ける。雛型出力部16は、受けた予約情報に関連付けられた雛型V0を画面生成部53に送信する。これを受けて、画面生成部53は、この雛型V0を基に操作画面を生成する。画面生成部53の詳細については後述する。なお、雛型出力部16は、画面生成部53が含まれるクライアント50の位置を、例えば、依頼受付部11から取得し特定すればよい。この場合には、依頼受付部11は、医用画像データを示す情報とワークフローを示す情報とを操作部51から受ける際に、送信元を示す情報からクライアント50のアドレスを特定すればよい。
【0030】
分散処理制御部15は、ワークフロー解析部13から雛型V0を受ける。分散処理制御部15は、雛型V0に含まれる各表示領域と、いずれかの画像処理サーバー40(即ち、画像処理サーバー40A〜40Cのいずれか)を示す情報とを関連付けて、これらを基に管理テーブルT1を生成する。分散処理制御部15は、管理テーブルT1に基づき、表示領域ごとに、医用画像データを示す情報と画像処理を示す情報とを、その表示領域を示す情報とあわせて、その表示領域が関連付けられた画像処理サーバー40の画像処理部41に送信する。これらの情報を受けて、画像処理部41は、その表示領域に表示するための医用画像群を生成する。なお、分散処理制御部15は、管理テーブルT1を生成する際に、表示対象の医用画像群を生成する際に処理負荷の高い表示領域を、その時点で処理負荷の低い画像処理サーバー40を優先的に関連付けるように動作させてもよい。この場合には、分散処理制御部15は、各画像処理サーバー40から、CPUやメモリの使用率等の自身の処理負荷を示す情報を受けて、より処理負荷の低い画像処理サーバー40を特定すればよい。
【0031】
また、分散処理制御部15は、画面生成部53から、表示領域を示す情報と、その画面生成部53が含まれるクライアント50のアドレスを受ける。この情報を受けると、分散処理制御部15は、管理テーブルT1を参照し、その情報が示す表示領域に関連付けられた画像処理サーバー40を特定する。分散処理制御部15は、特定された画像処理サーバー40の画像出力部43に、クライアント50のアドレスと表示領域を示す情報を通知し、生成された医用画像群の出力を指示する。この指示を受けて、画像出力部43は、その表示領域に対応する医用画像群を画面生成部53に出力する。画像出力部43の詳細については後述する。これにより、画面生成部53は、雛型V0に受けた医用画像群を埋め込み、操作画面(例えば、画面V1及びV2)を生成することが可能となる。
【0032】
画像処理部41は、分散処理制御部15から、医用画像データを示す情報、画像処理を示す情報、及び表示領域を示す情報を受ける。画像処理部41は、受けた医用画像データを示す情報に対応する医用画像データを画像記憶部30から抽出する。画像処理部41は、これらの情報に基づき、抽出された医用画像データに対して画像処理を施すことで、少なくとも1以上の医用画像を含む医用画像群を生成する。画像処理部41は、生成された医用画像群を受けた表示領域を示す情報と関連付けて、キャッシュ保持部42に記憶させる。キャッシュ保持部42は、医用画像群を記憶するための記憶部である。
【0033】
画像出力部43は、分散処理制御部15からクライアント50のアドレス及び表示領域を示す情報とあわせて、医用画像群の出力指示を受ける。画像出力部43は、通知された表示領域を示す情報に関連付けられた医用画像群をキャッシュ保持部42から抽出する。画像出力部43は、クライアント50のアドレスを基に画面生成部53の場所を特定する。画像出力部43は、抽出された医用画像群を画像出力部43に出力する。
【0034】
画面生成部53は、操作部51から、あらかじめ予約された操作画面の表示指示を、その操作画面に対応する予約情報とともに受ける。画面生成部53は、受けた予約情報を雛型出力部16に送信し、その応答として、雛型出力部16から雛型V0を受ける。画面生成部53は、雛型V0に含まれた表示順序を示す情報を基に、最初に表示させる画面を特定する。図3Aに示す例の場合には、画面生成部53は、操作画面を構成する画面V1及びV2のうち、画面V1を最初に表示させる画面として特定する。
【0035】
画面生成部53は、特定された画面V1に含まれる表示領域(即ち、表示領域V11A〜V13A及びV11B〜V13B)を示す情報を、クライアント50のアドレスとあわせて分散処理制御部15に送信する。これらの情報を受けて、分散処理制御部15は、通知された表示領域に関連付けられた画像処理サーバー40の画像出力部43に、その表示領域に対応する医用画像群を出力させる。例えば、画面V1の場合には、表示領域V11A〜V13A及びV11B〜V13Bに画像処理サーバー40の画像出力部43から、医用画像群E11A〜E13A及びE11B〜E13Bが画面生成部53に出力される。画面生成部53は、受けた医用画像群を、雛型V0のうち画面V1に対応する表示領域に埋め込むことで操作画面として画面V1を生成する。画面生成部53は、生成された操作画面(即ち、画面V1)を表示部52に表示させる。
【0036】
また、表示部52に表示された操作画面に基づき、操作者が操作部51を介して次の画面も表示を指示した場合には、画面生成部53は、雛型V0に含まれた表示順序を示す情報を基に、次に表示させる画面を特定する。例えば、図3Aの例に示す例の場合には、画面V1の次に表示させる画面として画面V2を特定する。以降の処理は、画面V1の場合と同様である。即ち、画面生成部53は、画面V2に含まれる表示領域を示す情報を分散処理制御部15に送信し、それらの表示領域に対応する医用画像群を各画像出力部43から受ける。画面生成部53は、受けた医用画像群を、雛型V0のうち画面V2に対応する表示領域に埋め込むことで操作画面として画面V2を生成する。画面生成部53は、生成された操作画面(即ち、画面V2)を表示部52に表示させる。
【0037】
なお、画面生成部53は、上記に説明したように各画面を遂次生成せずに、あらかじめ一連の画面を生成するように動作させてもよい。この場合には、画面生成部53は、雛型V0に含まれる一連の画面の各表示領域全ての情報を分散処理制御部15に通知し、一連の医用画像群を各画像出力部43から受ける。画面生成部53は、これらの医用画像群を、各画面の対応する表示領域に埋め込み、一連の操作画面を生成する。一連の操作画面を生成したら、画面生成部53は、雛型V0に含まれた表示順序を示す情報に基づき、各画面を表示部52に表示させればよい。また、画面生成部53は、一画面ずつに限らず、例えば、所定数の画面ずつ生成するように動作させてもよい。
【0038】
また、上記では、画面生成部53を、クライアント50に含める構成について説明したが、操作部51から操作者の指示を受けて、表示部52に操作画面を表示させることが可能であれば、画面生成部53の位置は限定されない。例えば、クライアント50と、制御サーバー10及び画像処理サーバー40との間に、画面生成部53を含むサーバーを介在させてもよい。また、画面生成部53を、制御サーバー10に設けてもよい。
【0039】
また、雛型出力部16は、分散処理制御部15から管理テーブルT1を受けて、この管理テーブルT1を雛型V0に関連付けて画面生成部53に送信してもよい。この場合には、画面生成部53は、分散処理制御部15を介することなく、各表示領域に対応する医用画像群の生成元となる画像処理サーバー40を特定し、その画像処理サーバー40から医用画像群を取得することが可能となる。
【0040】
また、雛型出力部16と画面生成部53との間に依頼受付部11を介在させてもよい。この場合には、雛型出力部16は、雛型V0を依頼受付部11に出力する。依頼受付部11は、受けた雛型V0と、その雛型V0に基づく操作画面出力の予約情報とを関連付けて記憶する。画面生成部53は、依頼受付部11に予約情報を送信し、その応答として、送信した予約情報に対応する雛型V0を依頼受付部11から受けるように動作させればよい。
【0041】
次に、図4に示されたフローチャートを参照しながら、本実施形態に係る医用画像処理システムの一連の動作について説明する。図4は、本実施形態に係る医用画像処理システムの一連の処理の流れを示した図である。
【0042】
(ステップS11)
まず、依頼受付部11は、操作部51から医用画像データの一覧の出力依頼を、医用画像データの検索条件とあわせて受ける。
【0043】
(ステップS21)
依頼受付部11は、この出力依頼を受けると、あわせて受けた検索条件をリスト出力部12に出力し、医用画像データの一覧の出力を指示する。リスト出力部12は、この出力指示を受けると、あわせて受けた検索条件で画像記憶部30を検索し、検索条件に対応する医用画像データを画像記憶部30から抽出する。リスト出力部12は、抽出された医用画像データの一覧を生成し、これを表示部52に表示させる。これにより、操作者は、検索条件に合致する医用画像データの一覧を確認し、その一覧の中から所望の医用画像データを、操作部51を介して選択することが可能となる。また、リスト出力部12は、診断の内容に応じてあらかじめ生成されたワークフローの一覧を、その一覧のうちいずれかを選択可能に表示部52に表示させる。このワークフローの一覧は、ワークフロー記憶部14に記憶されている。これにより、操作者は、この属性情報を確認しながら、所望の医用画像データを選択することが可能となる。
【0044】
(ステップS12)
次に、依頼受付部11は、操作部51から、操作者により選択された医用画像データを示す情報とワークフローを示す情報とともに、操作画面の出力に係る予約を受ける。依頼受付部11は、これらの情報をワークフロー解析部13に出力する。また、依頼受付部11は、この出力が予約された操作画面を特定するための予約情報を雛型出力部16に通知する。
【0045】
(ステップS22)
ワークフロー解析部13は、依頼受付部11から、医用画像データを示す情報とワークフローを示す情報とを受ける。ワークフロー解析部13は、受けたワークフローを示す情報に関連付けられた雛型V0をワークフロー記憶部14から抽出する。
【0046】
(ステップS23)
また、ワークフロー解析部13は、医用画像データを示す情報を基に、画像記憶部30を検索し、その情報に対応する医用画像データを特定し、雛型V0に含まれる各表示領域に関連付ける。例えば、図3A〜図3Cの例の場合には、ワークフロー解析部13は、操作者により指定された医用画像データD1及びD2を、画像記憶部30内から特定する。図3Bに示す画面V1については、ワークフロー解析部13は、特定された医用画像データD1を、表示領域V11A〜V13Aに関連付ける。また、図3Cに示す画面V2については、ワークフロー解析部13は、医用画像データD1を、表示領域V21A及びV22Aに関連付ける。同様に、ワークフロー解析部13は、医用画像データD2を、表示領域V21A及びV22Aに関連付ける。また、ワークフロー解析部13は、医用画像データD1及びD2を表示領域V23に関連付ける。なお、以降では、図3A〜図3Cに示した操作画面を生成するものとして説明する。
【0047】
(ステップS24)
ワークフロー解析部13は、各表示領域に医用画像データD1及びD2が関連付けられた雛型V0を雛型出力部16及び分散処理制御部15に出力する。
【0048】
雛型出力部16は、ワークフロー解析部13から雛型V0を受ける。また、雛型出力部16は、依頼受付部11から出力が予約された操作画面(即ち、この雛型V0に対応する操作画面)を特定するための予約情報を受ける。雛型出力部16は、この予約情報を雛型V0に関連付ける。
【0049】
分散処理制御部15は、ワークフロー解析部13から雛型V0を受ける。分散処理制御部15は、雛型V0に含まれる各表示領域と、いずれかの画像処理サーバー40(即ち、画像処理サーバー40A〜40Cのいずれか)を示す情報とを関連付けて、これらを基に管理テーブルT1を生成する。分散処理制御部15は、管理テーブルT1に基づき、表示領域ごとに、医用画像データを示す情報と画像処理を示す情報とを、その表示領域を示す情報とあわせて、その表示領域が関連付けられた画像処理サーバー40に送信する。
【0050】
(ステップS31)
画像処理部41は、分散処理制御部15から、医用画像データを示す情報、画像処理を示す情報、及び表示領域を示す情報を受ける。画像処理部41は、受けた医用画像データを示す情報に対応する医用画像データを画像記憶部30から抽出する。画像処理部41は、これらの情報に基づき、抽出された医用画像データに対して画像処理を施すことで、少なくとも1以上の医用画像を含む医用画像群を生成する。画像処理部41は、生成された医用画像群を受けた表示領域を示す情報と関連付けて、キャッシュ保持部42に記憶させる。
【0051】
(ステップS13)
画面生成部53は、操作部51から、あらかじめ予約された操作画面の表示指示を、その操作画面に対応する予約情報とともに受ける。画面生成部53は、受けた予約情報を雛型出力部16に送信する。
【0052】
(ステップS25)
雛型出力部16は、画面生成部53から予約情報とともに雛型V0の出力指示を受ける。雛型出力部16は、受けた予約情報に関連付けられた雛型V0を画面生成部53に送信する。
【0053】
(ステップS14)
画面生成部53は、雛型V0に含まれた表示順序を示す情報を基に、最初に表示させる画面を特定する。図3Aに示す例の場合には、画面生成部53は、操作画面を構成する画面V1及びV2のうち、画面V1を最初に表示させる画面として特定する。画面生成部53は、特定された画面V1に含まれる表示領域(即ち、表示領域V11A〜V13A及びV11B〜V13B)を示す情報を、クライアント50のアドレスとあわせて分散処理制御部15に送信する。
【0054】
(ステップS26)
分散処理制御部15は、画面生成部53から、表示領域を示す情報と、その画面生成部53が含まれるクライアント50のアドレスを受ける。この情報を受けると、分散処理制御部15は、管理テーブルT1を参照し、その情報が示す表示領域に関連付けられた画像処理サーバー40を特定する。分散処理制御部15は、特定された画像処理サーバー40の画像出力部43に、クライアント50のアドレスと表示領域を示す情報を通知し、生成された医用画像群の出力を指示する。
【0055】
(ステップS32)
画像出力部43は、分散処理制御部15からクライアント50のアドレス及び表示領域を示す情報とあわせて、医用画像群の出力指示を受ける。画像出力部43は、通知された表示領域を示す情報に関連付けられた医用画像群をキャッシュ保持部42から抽出する。画像出力部43は、クライアント50のアドレスを基に画面生成部53の場所を特定する。画像出力部43は、抽出された医用画像群を画像出力部43に出力する。
【0056】
(ステップS14)
画面生成部53は、受けた医用画像群を、雛型V0のうち画面V1に対応する表示領域に埋め込むことで操作画面として画面V1を生成する。画面生成部53は、生成された操作画面(即ち、画面V1)を表示部52に表示させる。
【0057】
また、表示部52に表示された操作画面に基づき、操作者が操作部51を介して次の画面も表示を指示した場合には、画面生成部53は、雛型V0に含まれた表示順序を示す情報を基に、次に表示させる画面を特定する。例えば、図3Aの例に示す例の場合には、画面V1の次に表示させる画面として画面V2を特定する。以降の処理は、画面V1の場合と同様である。即ち、画面生成部53は、画面V2に含まれる表示領域を示す情報を分散処理制御部15に送信し、それらの表示領域に対応する医用画像群を各画像出力部43から受ける。画面生成部53は、受けた医用画像群を、雛型V0のうち画面V2に対応する表示領域に埋め込むことで操作画面として画面V2を生成する。画面生成部53は、生成された操作画面(即ち、画面V2)を表示部52に表示させる。
【0058】
以上のように、本実施形態に係る医用画像処理システムは、ワークフローに対応した操作画面を構成する各医用画像群の生成を、表示領域ごと(即ち、その表示領域に対応する医用画像群ごと)に複数の画像処理サーバー40に分散処理させる。これにより、複数の医用画像群を生成する場合においても、画像処理の処理時間を短縮することが可能となる。また、ワークフローに基づく操作画面の生成において、各画像処理サーバー40とクライアント50との間の医用画像群の送受信が、分散処理制御部15により生成された管理テーブルT1に基づき制御される。これにより、クライアント50からの予約に係る処理、医用画像データに対する画像処理、及び、生成された医用画像群の表示に係る処理が非同期で実行される場合においても、クライアント50は、各医用画像群を、その医用画像群を生成した画像処理サーバー40から受け取ることが可能となる。
【0059】
(変形例)
次に、変形例に係る医用画像処理システムについて説明する。上記の実施形態では、あらかじめ取得された医用画像データを基に、指定されたワークフローに対応する操作画面を生成し表示させる例について説明した。変形例に係る医用画像処理システムでは、画像取得部20が医用画像データを取得した際に、その医用画像データの種別に応じてワークフローを特定し、そのワークフローに対応する各医用画像群をあらかじめ生成させる。以降では、変形例に係る医用画像処理システムの構成について、上述した実施形態とは異なる部分に着目し説明する。
【0060】
画像取得部20は、医用画像を生成するための医用画像データを取得する。画像取得部20は、取得された医用画像データを、その医用画像データの属性情報と関連付けて画像記憶部30に記憶させる。この動作は、前述した実施形態と同様である。次に、画像取得部20は、取得した医用画像データを示す情報と、その医用画像データの種別を示す情報(例えば、モダリティを示す情報や、画像所の取得条件等の属性情報)とあわせて依頼受付部11に通知する。
【0061】
依頼受付部11は、医用画像データの種別を示す情報とワークフローを示す情報とを関連付けてあらかじめ記憶している。この場合には、例えば、その種別の医用画像データを使用する頻度が最も高いワークフローの情報を、その医用画像データを示す情報と関連付けておくよい。依頼受付部11は、画像取得部20から、医用画像データを示す情報と、その医用画像データの種別を示す情報とを受ける。依頼受付部11は、受けた医用画像データの種別を示す情報に関連付けられたワークフローを示す情報を特定する。依頼受付部11は、特定されたワークフローを示す情報と、画像取得部20から受けた医用画像データを示す情報とをワークフロー解析部13に出力する。以降の動作は、前述した実施形態と同様であり、この医用画像データに基づき、特定されたワークフローに対応する医用画像群が生成される。
【0062】
以上、本実施形態に係る医用画像処理システムに依れば、医用画像データが取得されたときに、その医用画像データの種別に対応するワークフローを特定し、そのワークフローで表示対象となる医用画像群をあらかじめ生成する。これにより、例えば、その種別に関連付けられたワークフローについては、操作画面の表示に係る予約を受ける以前に、関連する医用画像群があらかじめ生成される。これにより、操作画面の表示に係る予約の受け付けから操作画面の表示までに処理時間が短縮され、操作画面の表示に係るレスポンスが向上する。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載されたその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0064】
10 制御サーバー
11 依頼受付部
12 リスト出力部
13 ワークフロー解析部
14 ワークフロー記憶部
15 分散処理制御部
16 雛型出力部
20 画像取得部
30 画像記憶部
40A、40B、40C 画像処理サーバー
41 画像処理部
42 キャッシュ保持部
43 画像出力部
50 クライアント
51 操作部
52 表示部
53 画面生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像データに対して画像処理を施して所望の表示態様の医用画像を1以上含む医用画像群を生成する画像処理サーバーを複数備え、複数の医用画像を閲覧しながら行う診断の内容に応じてあらかじめ決められたワークフローに基づき、当該ワークフローに関連付けられた複数の医用画像群を、所定の表示態様でクライアントに出力する医用画像処理システムであって、
前記医用画像データ及び前記ワークフローの指定を受けて、当該ワークフローに対応する前記医用画像群ごとに、当該医用画像群を生成するための前記医用画像データに対する画像処理の種別があらかじめ関連付けられた制御データを特定するワークフロー解析部と、
特定された前記制御データに基づき、前記医用画像群ごとに種別の異なる画像処理を、それぞれ異なる前記画像処理サーバーに処理させ、当該医用画像群を生成させる分散処理制御部と、
操作画面の生成に係る指示を受けて、指定された前記ワークフローに基づき、生成された前記医用画像群を前記画像処理サーバーから受けて、当該医用画像群を表示可能な前記操作画面を生成する画面生成部と、
を備えたことを特徴とする医用画像処理システム。
【請求項2】
前記分散処理制御部は、前記指示を受けて、当該操作画面に対応する前記医用画像群を、当該医用画像群を生成させた前記画像処理サーバーに出力させることを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理システム。
【請求項3】
前記分散処理制御部は、前記医用画像群に対応する情報と、当該医用画像群を生成させた前記画像処理サーバーを示す情報とを関連付けて管理テーブルを生成し、
前記画面生成部は、前記管理テーブルに基づき、前記医用画像群を、当該医用画像群を生成した前記画像処理サーバーに出力させることを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理システム。
【請求項4】
前記ワークフローは、前記医用画像群を表示するための複数の段階を含んで構成され、
前記分散処理制御部は、前記指示を前記複数の段階のうち1つ以上の各々について受けて、当該段階ごとに対応する前記医用画像群を、当該医用画像群を生成させた前記画像処理サーバーに出力させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の医用画像処理システム。
【請求項5】
前記操作画面は、複数の表示領域を含み、かつ前記段階ごとに設けられた画面を含んで構成され、前記表示領域ごとに、前記医用画像群を対応付けて表示可能に構成されていることを特徴とする請求項4に記載の医用画像処理システム。
【請求項6】
あらかじめ取得された前記医用画像データを検査ごとに記憶する記憶部を備え、
前記ワークフロー解析部は、指定された前記医用画像データを前記記憶部内から抽出することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の医用画像処理システム。
【請求項7】
前記医用画像データを取得する画像取得部と、
取得された前記医用画像データの種別に応じて、当該医用画像データに前記ワークフローを関連付ける受付部を備え、
前記ワークフロー解析部は、取得された前記医用画像データに関連付けられた前記ワークフローに応じて、前記医用画像群ごとに、当該医用画像データに対する画像処理の種別を特定することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の医用画像処理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−59581(P2013−59581A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201327(P2011−201327)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】