説明

医用画像処理装置及び医用画像処理方法

【課題】保存対象となる画像のデータサイズを小さく抑えることが可能な医用画像処理装置及び医用画像処理方法を提供する。
【解決手段】第1画像及び第2画像の記憶部への保存要求を受けた場合、第2画像が更新されたと更新判断部が判断したとき、キャプチャ部に対して第1画像と第2画像とを取得させる要求をし、取得させた第1画像と第2画像とを対応付けて記憶部に保存させ、第2画像が更新されていないと更新判断部が判断したとき、キャプチャ部に対して第1画像を取得させる要求をし、リンク情報生成部に対してリンク情報を生成させる要求をし、取得させた第1画像と生成されたリンク情報とを対応付けて記憶部に保存させる制御部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、医用画像処理装置及び医用画像処理方法に関し、特に、表示部に表示された医用画像及びコントロール用画像を記憶部に保存するときに利用され、また、記憶部に保存された医用画像とコントロール用画像とを読み出して表示部に表示させるときに利用される医用画像処理装置及び医用画像処理方法に関する。ここで、記憶部としては、保存用媒体、PACS(picture archiving and communication system)の保存用サーバ、及び、データベースが含まれる。
【背景技術】
【0002】
ユーザが、例えば、検査装置(モダリティ)にて収集した医用画像を記憶部に保存し、その後の読影や診断のために表示部に表示する医用画像システムがある。
【0003】
近年、医用診断装置において、表示部としてワイドモニタが採用されつつある。ワイドモニタを採用した場合、モニタの表示領域を有効活用するため、医用画像の他に、医用画像を収集したときの撮影条件、医用画像の表示条件、医用画像の再生条件などの設定をするためのコントロール用画像を配置するデザインを実装することが多い。そのような背景から、表示部に表示された表示領域を画像ファイルとして記憶部に保存する場合、保存方式として、医用画像のみを保存する方式であるイメージ保存方式(image store)と、医用画像とコントロール用画像とを含んだ全画像を保存する方式であるフルスクリーン保存方式(full screen store)との2種類がある。
【0004】
イメージ保存方式で保存される表示領域を、図8において一点鎖線の枠で囲まれた領域で示す。また、フルスクリーン保存方式で保存される表示領域を、図8において破線の枠で囲まれた領域で示す。
【0005】
医用診断装置の運用上、ユーザは、関心領域が医用画像(検査画像)であるため、通常はイメージ保存方式を実施し、コントロール用画像も保存させたい場合は、フルスクリーン保存方式を実施する。
【0006】
医用診断装置のユーザは、上記のようにして保存された医用画像及びコントロール用画像を記憶部に転送した後に画像ビューワにて表示させ、読影や診断を行う。
【0007】
近年、HDDおよび保存用媒体の大容量化が進み、取り漏らし防止の観点から各検査にて大量の医用画像を取得し、記憶部に保存することが一般的になってきている。
【0008】
また、近年の撮影技術、画像処理技術の向上、多様化により、様々な撮影モードや臨床アプリケーションが存在し、それらをそれぞれ利用して医用画像を取得し、保存することで、各検査で、大量の画像が発生することが容易に想像される。
【0009】
以上のように、医用画像が大量となったことにより、ユーザは、読影や診断のために大量の医用画像を記憶部へ転送するようになった。
【0010】
従来、医用画像を記憶部へ転送するシステムとしては、記憶部と医用画像表示装置とを機関内ネットワークを介して相互接続することで構築されたPACS等の画像データ管理システムがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−000167
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、大量の医用画像を記憶部に転送する場合、データ転送に非常に時間がかかるため、検査および診断の効率が悪くなることが大きな問題となっている。
【0013】
ここで、データ転送にかかる時間は、データ数によるところが大きいが、加えて、各々の画像単位でのデータサイズも転送時間に多大な影響を与えている。特に、上記のイメージ保存方式で保存される画像と、フルスクリーン保存方式で保存される画像との比較では、フルスクリーン保存方式で保存される画像の方が、その画像が表示された領域が大きいため、データサイズが肥大化するという問題点がある。
【0014】
例えば、超音波診断装置の例でいうと、イメージ保存方式とフルスクリーン保存方式とで、画像のデータサイズの比較を行った場合、フルスクリーン保存方式のデータサイズは、イメージ保存方式のデータサイズより2倍に相当することがわかっている。
【0015】
画像単位でのデータサイズを抑えるための対策としては、単に、医用画像のみ保存して転送することが挙げられる。しかし、ユーザが、読影するために、設定情報や補助情報も参照したいケースも当然ながら存在し、設定情報等はコントロール用画像として保存されており、医用画像のみ保存して転送することが解決策になるとは一概にいえない。
【0016】
この発明は、上記の問題を解決するものであり、保存対象となる画像のデータサイズ(データ量)を小さく抑えることが可能な医用画像処理装置及び医用画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するため、この発明は、表示部に第1画像と同時に表示された第2画像が、表示後に更新されない場合、第1画像と第2画像とを記憶部に保存させる要求を受けたとき、第2画像に代えて、第2画像を記憶部から読み出すためのリンク情報を保存させることに着目した。
具体的に、この発明の第1の形態は、表示部に同時に表示された第1画像と第2画像とを記憶部にそれぞれ保存させる医用画像処理装置であって、前記第1画像を基に、前記第2画像を前記記憶部から読み出すためのリンク情報を生成するリンク情報生成部と、前記表示部に表示されている前記第2画像が更新されたか否かを判断する更新判断部と、前記表示部に同時に表示された前記第1画像と前記第2画像とを取得するためのキャプチャ部と、前記第1画像及び前記第2画像の前記記憶部への保存要求を受けた場合、前記第2画像が更新されたと前記更新判断部が判断したとき、前記キャプチャ部に対して前記第1画像と前記第2画像とを取得させる要求をし、該取得させた前記第1画像と前記第2画像とを対応付けて前記記憶部に保存させ、前記第2画像が更新されていないと前記更新判断部が判断したとき、前記キャプチャ部に対して前記第1画像を取得させる要求をし、リンク情報生成部に対して前記リンク情報を生成させる要求をし、前記取得させた前記第1画像と前記生成された前記リンク情報とを対応付けて前記記憶部に保存させる制御部と、を有することを特徴とする医用画像処理装置である。
さらに、この発明の第4の形態は、表示部に同時に表示された医用画像と該医用画像の設定をするためのコントロール用画像とを記憶部に保存させる医用画像処理方法であって、前記医用画像及び前記コントロール用画像の前記記憶部への保存要求を制御部が受けるステップと、前記表示部に前記医用画像と同時に表示された前記コントロール用画像が、表示後に更新されたか否かを更新判断部が判断するステップと、前記制御部が、前記コントロール用画像が前記表示後に更新されたとの前記更新判断部の判断を受けて、キャプチャ部に対して前記医用画像と前記コントロール用画像とをそれぞれ取得させる要求をし、該取得させた前記医用画像と前記コントロール用画像とを対応付けて前記記憶部に保存させるステップと、前記制御部が、前記コントロール用画像が前記表示後に更新されていないとの前記更新判断部の判断を受けて、前記キャプチャ部に対して前記医用画像を取得させる要求をし、リンク情報生成部に対して前記医用画像を基に前記コントロール用画像を前記記憶部から読み出すためのリンク情報を生成させる要求をし、前記取得させた前記医用画像と、前記生成された前記リンク情報とを対応付けて前記記憶部に保存させるステップと、を有することを特徴とする医用画像処理方法である。
【発明の効果】
【0018】
この発明によると、保存対象となる画像のデータサイズを小さく抑えることが可能となる。
【0019】
また、この発明の第1の形態によると、第1画像及び第2画像を記憶部に保存させる場合、第2画像に代えて、リンク情報を保存させたので、保存対象となる画像のデータサイズを小さく抑えることが可能となる。それにより、データ転送にかかる時間を短縮することが可能となる。
【0020】
さらに、この発明の第4の形態によると、医用画像及びコントロール用画像を記憶部に保存させる場合、コントロール用画像に代えて、リンク情報を保存させたので、保存対象となる画像のデータサイズを小さく抑えることが可能となる。それにより、データ転送にかかる時間を短縮することができ、診断及び検査の効率を向上させることが可能となる。また、医用画像を基にリンク情報によりコントロール用画像を記憶部から読み出し、医用画像とコントロール用画像とを同時に表示部に表示させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】医用診断装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】表示部に表示された各画像の表示領域を示す図である。
【図3】記憶部に保存される画像等のデータ構造を示す図である。
【図4】記憶部に保存され、表示部に表示される各画像を示す図である。
【図5】画像を保存させるときの一連の動作を示すフローチャートである。
【図6】画像を表示させるときの一連の動作を示すフローチャートである。
【図7】コントロール用画像を更新する場合の一連の動作を示すフローチャートである。
【図8】医用画像が表示された領域と、医用画像及びコントロール用画像が表示された領域とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(構成)
この発明の一実施の形態に係る医用診断装置の構成について図1〜図4を参照して説明する。図1は、医用診断装置の構成を示す機能ブロック図、図2は医用画像が表示された領域と、コントロール用画像が表示された領域とを示す図、図3はデータ構築された医用画像、コントロール用画像、及び、リンク情報を示す図、図4は記憶部から読み出され、表示部に表示される医用画像及びコントロール用画像を示す図である。
【0023】
医用画像管理システムには、モダリティ(医用撮像装置)、サーバ、医用診断装置、WS(workstation)及びアクセスルータが設けられる。医用画像管理システムの各構成要素は、LAN(local areanetwork)等の機関内ネットワークを介して相互接続される。モダリティ、サーバ、及び医用診断装置を機関内ネットワークを介して相互接続することで、PACS等の画像データ管理システムが構築される。
【0024】
モダリティは、撮像によってビットマップデータ等の医用画像を生成する。モダリティとしては、例えばX線CT装置、MR(magnetic resonance)装置及びCR(computed radiography)装置等が挙げられる。サーバは、コンピュータをベースとして構成される。サーバは、モダリティによって生成された画像データを付帯情報と共に取得し、画像データ及び付帯情報を保管及び管理する。
【0025】
医用診断装置10は、医用画像処理装置20及びユーザーインターフェース21を有し、医用画像処理装置20は、医用画像保存装置30、表示部40、及び、表示制御部41を有する。医用画像保存装置30は、操作受付部31、更新判断部32、キャプチャ部33、制御部36、リンク情報生成部34、データ構築部35、保存処理部37、及び、記憶部(データベース)38を有する。医用診断装置10の構成の一例を図1に示す。上記の医用診断装置10の構成は、ソフトウェアによる医用画像等の保存及び表示の処理をハードウェアを利用することで実現される。ソフトウェアは、医用診断装置10内に組み込んだ状態で実施されても良く、医用画像を取り扱うPACS、ワークステーション等の動作するソフトウェアとして実施されても良い。なお、上記の医用診断装置10の構成は、これに限らない。例えば、医用画像処理装置20と別個に医用画像保存装置30を設け、医用画像処理装置20と医用画像保存装置30とをネットワークを介して相互接続するようにしても良い。
【0026】
次に、医用診断装置10の構成の詳細を説明する。ユーザーインターフェース21は、キーボート、マウス、タッチパネル等の入力部(図示省略)による指定を受けて、医用画像及びコントロール用画像の保存要求及び表示要求などの出力を医用画像処理装置に対して行う。ここで、医用画像が第1画像に相当する。また、医用画像以外の画像であって、医用画像の撮影条件、表示条件、再生条件などを設定するためのコントロール用画像を含む画像が第2画像に相当する。また、第2画像には、メニュー、アイコン、ボタンなどのグラフィカルユーザーインターフェースが含まれる。なお、説明の都合上、医用画像以外の画像であって、コントロール用画像を含む画像を、単に「コントロール用画像」という。
【0027】
操作受付部31は、ユーザーインターフェース21を介して、ユーザ操作を受け付ける。ここで、ユーザ操作とは、医用画像及びコントロール用画像の保存要求及び表示要求の各操作である。
【0028】
更新判断部32は、表示部40の特定の表示領域に表示されたコントロール用画像に更新があったか否かを判断する。表示部40の表示領域は、医用画像が表示された領域と、コントロール用画像が表示された領域によって構成されている。表示部40に表示された医用画像の表示領域を一点鎖線の枠で囲まれた領域として、また、表示部40に表示されたコントロール用画像の表示領域を破線の枠で囲まれた領域として図2にそれぞれ示す。
【0029】
ユーザが医用画像及びコントロール用画像の保存要求の操作をした場合、更新判断部32は、制御部36から指示を受け、コントロール用画像に更新があったか否かを判断する。なお、第2画像は、コントロール用画像に限らず、例えば、医用画像の保存要求があった際に、その更新された画像が医用画像と共に保存対象となる画像であれば良い。
【0030】
キャプチャ部33は、制御部36から取得要求を受けて、一定の条件下で、表示部40の表示領域を分割、及び指定して、医用画像及びコントロール用画像を取得し、又は、医用画像及びリンク情報を取得する。なお、キャプチャ部33が取得すべき医用画像及びコントロール用画像は表示制御部41の内部メモリに記憶されている。また、キャプチャ部33が取得すべきリンク情報は、リンク情報生成部34の内部メモリに記憶されている。リンク情報については後述する。
【0031】
キャプチャ部33による画像取得の条件は次の通りである。モダリティによる検査を開始した後に、画像の初回の保存要求があった場合、キャプチャ部33は、表示部40に同時に表示された医用画像とコントロール用画像とを画像ファイルとして取得する。画像ファイルとして取得され、記憶部38に対応付けて保存させた医用画像とコントロール用画像とを図3にNo.1のファイルとして示す。
【0032】
上記の画像の初回の保存後に、画像の保存要求があった場合、コントロール用画像が更新されていないとき、キャプチャ部33は医用画像のみを取得する。記憶部38に対応付けて保存させた医用画像とリンク情報を図3にNo.2のファイル及びNo.n+1のファイルとしてそれぞれ示す。一方で、コントロール用画像が更新されたとき、キャプチャ部33は医用画像とコントロール用画像とを取得する。記憶部38に対応付けて保存させた医用画像とコントロール用画像とを図3にNo.nのファイルとして示す。
【0033】
リンク情報生成部34は、更新判断部32からの情報及び制御部36からの指示を受けて、医用画像を基にコントロール用画像を記憶部38から読み出すためのリンク情報を生成する。
【0034】
リンク情報生成部34によるリンク情報の生成は次の通りである。コントロール用画像が更新されていないと更新判断部32が判断した場合、リンク情報生成部34は、今回の保存の一つ前に記憶部38に保存されたコントロール用画像へのリンク情報を生成し、今回保存する医用画像に付帯して保存できるようにする。リンク情報は、今回の保存の直前に記憶部38に保存されたコントロール用画像へのリンク情報であっても良い。ここで、リンク情報とは、例えば、コントロール用画像を識別することが可能な識別子をいう。
【0035】
データ構築部35は、キャプチャ部33によって取得された画像とリンク情報生成部34によって生成されたリンク情報とを組み合わせて保存データを構築する。更新判断部32の判断内容に応じて、医用画像、コントロール用画像及びリンク情報の3つの情報を組み合わせて、保存データを構築する。
【0036】
制御部36は、モダリティによる検査を開始した後に、画像の初回の保存要求であるか否かを判断する。判断後に、更新判断部32、キャプチャ部33、及びリンク情報生成部34を制御し、保存すべき情報を生成し、データ構築部35に指示して、保存すべきデータを構築させる。
【0037】
保存処理部37は、データ構築部35により構築されたデータを記憶部(データベース)38に記憶させる。画像の初回の保存において、記憶部38に対応付けて保存させた医用画像とコントロール用画像とを図4にNo.1のファイルとして示す。また、初回以降の保存において、記憶部38に対応付けて保存させた医用画像とリンク情報を図4にNo.2のファイル及びNo.n+1のファイルとしてそれぞれ示す。さらに、記憶部38に対応付けて保存させた医用画像とコントロール用画像とを図4にNo.nのファイルとして示す。なお、記憶部38としては、医用画像処理装置20内の保存用媒体(図示省略)であっても良く、医用画像処理装置20とネットワークを介して相互接続された保存用サーバであっても良い。
【0038】
画像の初回の保存により、記憶部38に医用画像とコントロール用画像とを対応付けて保存させているとき、その対応付けて保存させた医用画像及びコントロール用画像の表示要求を制御部36から受けた表示制御部41は、記憶部38からその医用画像とコントロール用画像をそれぞれ読み出して表示部40に表示させる。このように、表示された医用画像とコントロール用画像とを図4にNo.1のファイルとして示す。
【0039】
また、画像の初回以降の保存により、記憶部38に医用画像とリンク情報とを対応付けて保存させているとき、その医用画像及びその医用画像に対応付けて保存させたコントロール用画像の表示要求を制御部36から受けた表示制御部41は、記憶部38に保存させた医用画像を読み出し、記憶部38に保存させたリンク情報を基にコントロール用画像を読み出し、医用画像とコントロール用画像とを表示部40に表示させる。このように、表示された医用画像とコントロール用画像とを図4にNo.2のファイル及びNo.n+1のファイルとしてそれぞれ示す。
【0040】
さらに、画像の初回以降の保存により、記憶部38に医用画像とコントロール用画像とを対応付けて保存させているとき、その対応付けて保存させた医用画像及びコントロール用画像の表示要求を制御部36から受けた表示制御部41は、記憶部38からその医用画像とコントロール用画像とをそれぞれ読み出して表示部40に表示させる。このように、表示された医用画像とコントロール用画像を図4にNo.nのファイルとして示す。
【0041】
(動作)
次に、画像の保存をする場合の一連の動作について図5を参照にして説明する。図5は画像を保存させるときの一連の動作を示すフローチャートである。
【0042】
操作受付部31がユーザーインターフェース21を介してユーザ操作を受け付け、そのユーザ操作が画像の保存要求であると制御部36が判断した場合(ステップS101;Y)、その画像の保存要求が初回であるか否かを判断する(ステップS102)。
【0043】
初回の保存要求であると制御部36が判断した場合(ステップS102;Y)、制御部36は、キャプチャ部33に対し、医用画像及びコントロール用画像を画像ファイルとして取得させるよう要求する(ステップS103)。次に、制御部36は、データ構築部35に対し、取得された医用画像とコントロール用画像とを基にデータを構築させる指示をし、保存処理部37は、構築された医用画像とコントロール用画像とを対応付けて記憶部38に保存させる(ステップS104)。
【0044】
初回の保存要求ではないと制御部36が判断した場合(ステップS102;N)、制御部36が、コントロール用画像の更新があったか否かを判断する(ステップS105)。コントロール用画像の更新が無かったと制御部36が判断した場合(ステップS105;N)、制御部36は、キャプチャ部33に対し、医用画像を画像ファイルとして取得させるよう要求する(ステップS106)。次に、制御部36は、リンク情報生成部34に対し、医用画像を基に、今回保存の一つ前(又は直前)に記憶部38に保存されたコントロール用画像を読み出すためのリンク情報を生成させる要求をする(ステップS107)。
【0045】
次に、制御部36は、キャプチャ部33に対し、リンク情報を取得させるよう要求する(ステップS108)。次に、制御部36は、データ構築部35に対し、取得された医用画像とリンク情報とを基にデータを構築させる指示をし、保存処理部37は、構築された医用画像とリンク情報とを対応付けて記憶部38に保存させる(ステップS109)。
【0046】
なお、コントロール用画像の更新があったと制御部36が判断した場合(ステップS105;Y)、制御部36がキャプチャ部33に対し、医用画像及びコントロール用画像を画像ファイルとして取得させるよう要求するステップS103に移行する。
【0047】
次に、画像の表示をする場合の一連の動作について図6を参照にして説明する。図6は画像を表示させるときの一連の動作を示すフローチャートである。
【0048】
操作受付部31がユーザーインターフェース21を介してユーザ操作を受け付け、そのユーザ操作が所望の医用画像及びコントロール用画像の表示要求であると制御部36が判断した場合(ステップS201;Y)、制御部36は、記憶部38に所望の医用画像に対応づけてリンク情報が記憶されているか否かを判断する(ステップS202)。
【0049】
記憶部38にリンク情報が記憶されていないとの制御部36の判断を受けた場合(ステップS202;N)、表示制御部41は、対応付けて記憶部38に保存させた所望の医用画像とコントロール用画像とを読み出して、表示部40に表示させる(ステップS203)。
【0050】
記憶部38にリンク情報が記憶されているとの制御部36の判断を受けた場合(ステップS202;Y)、表示制御部41は、記憶部38に保存された所望の医用画像を読み出し、また、その医用画像を基に、記憶部38に保存されたリンク情報によりコントロール用画像を読み出して表示部40に表示させる(ステップS204)。
【0051】
なお、図6に示すフローチャートでは、ステップS202において、リンク情報が保存されているか否かを制御部36が判断したが、医用画像に対応付けられてリンク情報が保存されていなければ、医用画像に対応付けられてコントロール用画像が保存されているはずなので、上記のステップS202で、コントロール用画像が保存されているか否かを判断するようにしても良い。
【0052】
次に、画像の更新をする場合の一連の動作について図7を参照にして説明する。図7はコントロール用画像を更新する場合の一連の動作を示すフローチャートである。
【0053】
操作受付部31がユーザーインターフェース21を介してユーザ操作を受け付け、そのユーザ操作がコントロール用画像の変更であると制御部36が判断した場合(ステップS301;Y)、制御部36による変更指示を受けて、表示制御部41が、コントロール用画像を変更表示させる(ステップS302)。次に、制御部36の内部メモリに、コントロール用画像の変更の履歴を記憶させる(ステップS303)。
【0054】
なお、前記実施形態では、ユーザーインターフェース21とコントロール用画像と別個に設けたものを示したが、コントロール用画像が、入力部(図示省略)による指示を受けて、所定の出力を提示するグラフィカルユーザインターフェースを含む場合、コントロール用画像の中に、ユーザーインターフェース21の一部又は全部が含まれることになる。
【0055】
また、医用診断装置10を、モダリティとは別個に設けたが、モダリティに含むようにしても良い。
【符号の説明】
【0056】
10 医用診断装置 20 医用画像処理装置 21 ユーザーインターフェース
30 医用画像保存装置 31 操作受付部 32 更新判断部
33 キャプチャ部 34 リンク情報生成部 35 データ構築部
36 制御部 37 保存処理部 38 記憶部(データベース)
40 表示部 41 表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に同時に表示された第1画像と第2画像とを記憶部にそれぞれ保存させる医用画像処理装置であって、
前記第1画像を基に、前記第2画像を前記記憶部から読み出すためのリンク情報を生成するリンク情報生成部と、
前記表示部に表示されている前記第2画像が更新されたか否かを判断する更新判断部と、
前記表示部に同時に表示された前記第1画像と前記第2画像とを取得するためのキャプチャ部と、
前記第1画像及び前記第2画像の前記記憶部への保存要求を受けた場合、前記第2画像が更新されたと前記更新判断部が判断したとき、前記キャプチャ部に対して前記第1画像と前記第2画像とを取得させる要求をし、該取得させた前記第1画像と前記第2画像とを対応付けて前記記憶部に保存させ、前記第2画像が更新されていないと前記更新判断部が判断したとき、前記キャプチャ部に対して前記第1画像を取得させる要求をし、リンク情報生成部に対して前記リンク情報を生成させる要求をし、前記取得させた前記第1画像と前記生成された前記リンク情報とを対応付けて前記記憶部に保存させる制御部と、
を有する
ことを特徴とする医用画像処理装置。
【請求項2】
所望の前記第1画像の表示要求を受けた場合、該第1画像に対応する前記リンク情報が前記記憶部に保存されていないとき、前記記憶部に対応付けて保存させた前記第1画像と前記第2画像とを同時に前記表示部に表示させ、前記第1画像に対応する前記リンク情報が前記記憶部に保存されているとき、前記記憶部に保存させた前記第1画像と、該第1画像を基に前記リンク情報により前記記憶部から読み出した前記第2画像とを同時に前記表示部に表示させる表示制御部を有することを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項3】
前記第1画像は、検査により取得された医用画像であり、
前記第2画像は、前記医用画像の設定をするためのコントロール用画像であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の医用画像処理装置。
【請求項4】
表示部に同時に表示された医用画像と該医用画像の設定をするためのコントロール用画像とを記憶部に保存させる医用画像処理方法であって、
前記医用画像及び前記コントロール用画像の前記記憶部への保存要求を制御部が受けるステップと、
前記表示部に前記医用画像と同時に表示された前記コントロール用画像が、表示後に更新されたか否かを更新判断部が判断するステップと、
前記制御部が、前記コントロール用画像が前記表示後に更新されたとの前記更新判断部の判断を受けて、キャプチャ部に対して前記医用画像と前記コントロール用画像とをそれぞれ取得させる要求をし、該取得させた前記医用画像と前記コントロール用画像とを対応付けて前記記憶部に保存させるステップと、
前記制御部が、前記コントロール用画像が前記表示後に更新されていないとの前記更新判断部の判断を受けて、前記キャプチャ部に対して前記医用画像を取得させる要求をし、リンク情報生成部に対して前記医用画像を基に前記コントロール用画像を前記記憶部から読み出すためのリンク情報を生成させる要求をし、前記取得させた前記医用画像と、前記生成された前記リンク情報とを対応付けて前記記憶部に保存させるステップと、
を有する
ことを特徴とする医用画像処理方法。
【請求項5】
所望の前記医用画像の表示要求を受けた場合、前記所望の医用画像に対応する前記リンク情報が前記記憶部に保存されていないとき、前記表示制御部が、前記記憶部に対応付けて保存させた前記医用画像と前記コントロール用画像とを同時に前記表示部に表示させるステップと、
所望の医用画像の表示要求を受けた場合、前記所望の医用画像に対応する前記リンク情報が前記記憶部に保存されているとき、前記表示制御部が、前記記憶部に保存させた前記医用画像と、該医用画像を基に前記リンク情報により前記記憶部から読み出した前記コントロール用画像とを同時に前記表示部に表示させるステップと、
を有する
ことを特徴とする請求項4に記載の医用画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−200939(P2010−200939A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−49120(P2009−49120)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】