医用画像管理装置、及び医用画像表示装置
【課題】あらかじめ行われた医用画像に対する特有の変更処理操作を記憶し、当該操作に基づく画像処理結果とともに再現可能とすることにより、当該特有な操作の習得を支援することが可能な技術の提供を目的とする。
【解決手段】医用画像管理装置は、表示画面上の指示位置の移動方向および単位移動量に応じた表示態様の変化量との情報に基づいて、画像表示態様の変更処理がなされている時、当該処理操作の操作内容を所定の間隔で記録する。さらに制御手段が、当該記録内容と、当該表示態様の変更処理の経過を並行して表示させる。
【解決手段】医用画像管理装置は、表示画面上の指示位置の移動方向および単位移動量に応じた表示態様の変化量との情報に基づいて、画像表示態様の変更処理がなされている時、当該処理操作の操作内容を所定の間隔で記録する。さらに制御手段が、当該記録内容と、当該表示態様の変更処理の経過を並行して表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、医用画像の閲覧等に用いられる医用画像表示装置を含む医用画像管理装置に関し、特に、医用画像の表示態様の変更処理操作を記憶して、再現表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医用分野において、X線診断装置、X線CT(Computed Tomography:X線コンピュータトモグラフィ)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴イメージング)や、超音波診断装置等さまざまな医用画像診断装置が用いられており、多くの医療機関ではこのような医用画像診断装置を導入している。これらの各医用画像診断装置によって生成された画像を用いた診断が盛んに行われている。
【0003】
このような医用画像診断装置によって生成された医用画像等は、必ずしも生成された時点ですぐに読影や画像診断に用いられるとは限らない。例えば医用画像の生成と時や場所を異にして読影・画像診断に用いられる場合がある。この状況に対応して医用画像の画像データは、病院等医療機関内で共通に管理されている。
【0004】
この画像データのような医療機関内で取扱われるデータは、医療機関内のネットワークを通じて各機器や各装置間で通信可能に、PACS(Picture Archiving and Communication System:医用画像保管通信システム)により運用されている。
【0005】
PACSは、医用画像サーバと医用画像表示装置(ビューワ)を有し、各種の画像診断機器によって得られる医用画像の画像データをデジタルで保管・通信・表示することができるシステムである。
【0006】
医用画像表示装置では、読影しようとする医用画像に対し、読影作業を支援する機能が設けられている。例えば医用画像表示装置の機能として各種の画像処理を実行することが可能である。例えば表示している医用画像の拡大、縮小、回転、または階調処理、さらには医用画像に対するアノテーションの付加、医用画像内へのROI設定、または設定されたROIの解析等を行うことができる。
【0007】
医師等が医用画像の読影を行うにあたって画像処理を行う場合、当該医師等はマウス等の操作手段を操作して、画面に表示された医用画像に対し各種処理を行う。この画像処理が例えば階調処理である場合、操作手段によってウインドウレベル(WL/Window Level)、ウインドウ幅(WW/Window Width)を設定する。
【0008】
このような画像処理にかかる操作の一例として、あらかじめ設定されたマウスモードの条件下において行うマウス操作がある。ある一つのマウスモードにおいて、種々のマウス操作に対してどのような処理が行われるか設定されており、マウスモードを切り替えれば、マウス操作に対応付けられる処理が変更される。またマウス操作とは一般的なマウス操作としての、左クリック、右クリック、ダブルクリック、ドラッグアンドドロップや、ホイールの回転または、クリック・キーボード操作の組み合わせ等がある。このマウスモードにおいてはこれらマウスの単一操作または操作の組み合わせそれぞれに対して、あらかじめ種々の画像処理が割り当てられ設定されている(例えば特許文献1)。
【0009】
また2つの医用画像を医用画像表示画面に表示させた後、一方の医用画像の表示領域側に対し、他方の表示領域に表示された医用画像を、マウス操作、すなわちドラッグアンドドロップ等によって、移行させて様々な画像処理を実行する機能を有する医用画像表示装置が提案されている(例えば特許文献2)。この医用画像表示装置では、設定された条件下でのマウスのドラッグアンドドロップ操作により、ドラッグアンドドロップ元の医用画像と同じ断面方向の新たな断層画像の画像データを生成し、またはドラッグアンドドロップ元にあったアノテーションをドラッグアンドドロップ先の医用画像にも反映させることが可能である。
【0010】
このような医用画像表示装置における読影支援のための画像処理操作は、共通化されていない。例えば医用画像表示装置ごとの設定があり、さらには、医用画像表示装置それぞれにも複数の設定がある場合や、画像処理を行う医師特有の設定も存在する。このような画像処理操作は、熟練の医師等であれば経験によって迅速かつ円滑に行うことが可能である。しかし、特有の画像処理操作に慣れていない者にとっては、当該操作を行うことが不可能であるか、または操作が可能であったとしても操作が困難で画像処理および読影作業が難航してしまう。
【0011】
したがって従来、熟練の医師の画像処理操作を再現するために、医用画像表示装置において行われた画像処理操作を、例えばマクロ等のプログラムとして記憶していた。この記憶されたマクロ等は、後に読み出して処理を再現することが可能である。画像処理に慣れていない者はこの記憶されたマクロ等によって処理することで、あらかじめ行われた特有の画像処理操作を行うことなく、画像処理を行うことが提案されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2005−296156号公報
【特許文献2】特開2007−282656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら画像処理操作の経験が少ない者にとって、医用画像表示装置ごと、医師ごとに設定された特有の画像処理操作について、記憶されたマクロ等を実行するのみでは、実際の操作を理解することができない場合がある。例えばマウスの操作であれば、左右クリックの区別、ダブルクリックとの区別、ドラッグの区別はマクロ等を実行しただけでは理解できず、また医用画像にかかる各種パラメータの変化もマクロ等の再生のみによって把握することは困難である。
【0014】
特に、画像処理操作の経験が少ない者は、医用画像表示装置ごと、医師ごとに設定された特有の画像処理操作について、マクロ等の再現によって必要な情報を得ることができない場合があった。したがって、マクロ等の再現によって特有の画像処理操作を習得することは困難であった。
【0015】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、医用画像に対して行われた変更処理操作を記憶し、当該操作を再現可能とすることにより、操作の習得を支援することが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、医用画像を画面上に表示する表示手段と、複数種類の操作が可能であり、かつ前記画面上の各座標位置を指示可能な操作手段と、前記複数種類の操作の操作種別と、医用画像の表示態様の複数種類の変更処理の種別と、前記操作手段による前記画面上における指示位置の移動方向とを関連付けた操作設定情報をあらかじめ記憶する記憶手段と、前記操作設定情報の選択、前記操作および前記指示位置の移動が実行されることにより、該選択された操作設定情報に基づいて、前記表示手段に表示された前記医用画像の表示態様を変更する表示変更処理手段と、前記表示変更処理手段により前記表示態様が変更されると、前記操作手段による前記操作種別ごとの操作と、前記指示位置とを所定のタイミングで記録する記録手段と、前記記録手段による記録結果と前記操作設定情報とに基づいて、前記医用画像の表示態様の変化と該記録結果とを並行して表示手段に再現表示させる制御手段と、を備えることを特徴とする医用画像管理装置である。
また上記目的を達成するために、請求項8に記載の発明は、医用画像を表示する表示手段と、前記表示された医用画像に対する複数種類の表示変更処理の内容をそれぞれ示す複数の処理情報と、該各表示変更処理を行うための複数種類の操作内容をそれぞれ示す操作情報とを対応付けて記憶する操作設定記憶手段と、前記複数種類の操作に用いられる操作手段と、前記操作手段に対し前記複数種類の操作の少なくともいずれか1つが実行されると、該操作に該当する前記操作情報を特定し、かつ前記操作設定記憶手段から該操作情報に対応する前記処理情報を読み出し、かつ前記医用画像に対し、該読み出された処理情報に応じて前記表示された医用画像に前記表示変更処理を実行する表示変更処理手段と、
前記表示変更処理手段によって前記医用画像に表示変更処理がなされると、前記実行された操作にかかる操作情報と前記実行された表示変更処理にかかる処理情報とを、所定時間ごとに対応付けて記録する操作内容記録手段と、前記記録の後、前記表示変更処理による該医用画像の表示態様の変化を前記表示手段に再現表示するとともに、前記操作内容記録手段による記録結果を該再現表示と並行して表示手段に表示させる制御手段と、を備えることを特徴とする医用画像表示装置である。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、医用画像の読影の際、医用画像の表示態様の変更処理の再現表示と記録した操作内容を並行して表示することができるので、医師等の医用画像表示装置の操作の習得を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の実施形態にかかる医用画像管理装置の全体構成の概要を示す概略ブロック図である。
【図2】この発明の実施形態にかかる医用画像管理装置における医用画像表示装置および医用画像保管装置の機能構成の概要を示す概略ブロック図である。
【図3】医用画像表示装置における操作手段の一例を示す概略図である。
【図4】この発明の第1実施形態にかかる医用画像管理装置の医用画像表示装置に記憶された操作設定テーブルの概要を示す概略図である。
【図5】この発明の第1実施形態にかかる医用画像管理装置の医用画像保管装置に記憶された操作履歴保存テーブルの概要を示す概略図である。
【図6】この発明の実施形態にかかる医用画像管理装置の医用画像表示装置における操作手段、表示手段および処理操作再現画像の一例の概要を示す概略図である。
【図7】この発明の第1実施形態にかかる医用画像表示装置による、画像処理等の画像の表示態様の変更作業において、検査リストが表示されてからマウスモードが選択されるまでの動作の概略を示すフローチャートである。
【図8】この発明の第1実施形態にかかる医用画像表示装置による、画像処理等の画像の表示態様の変更作業において、マウスモード下でマウス操作を受け付けてから、操作履歴を記憶するまでの動作の概略を示すフローチャートである。
【図9】この発明の実施形態の第1変形例にかかる医用画像管理装置の医用画像保管装置に記憶された操作履歴保存テーブルの概要を示す概略図である。
【図10】この発明の実施形態の第2変形例にかかる処理操作再現画像の検索をするための画像検索画面を示す概略図である
【図11】この発明の実施形態の第3変形例にかかる医用画像管理装置の医用画像表示装置に表示された処理操作再現画像および操作内容表示領域の概要を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態の一例について図1〜図11を参照して説明する。
【0020】
[第1実施形態]
(全体構成)
この発明の第1実施形態にかかる医用画像管理装置1の全体構成の概略について、図1を参照して説明する。図1は、この発明の実施形態にかかる医用画像管理装置1の全体構成の概要を示す概略ブロック図である。
【0021】
図1に示すように医用画像管理装置1は、医用画像診断装置50、60と、LAN(Local Area Network)等のネットワークNによって接続されており、医用画像診断装置50等によって撮影された医用画像の画像データについて保存、表示、通信等の管理を行い、また画像処理等を行う。また医用画像管理装置1は、医師等が読影等に用いる医用画像表示装置(ビューア;viewer)100、101と、撮影された医用画像や、画像処理等がなされた医用画像の画像データを保管する医用画像保管装置300、301とを含んで構成される。また医用画像管理装置1においては、医用画像表示装置100、101と、医用画像保管装置300、301とをネットワークNによって相互に接続しており、通信可能となっている。なお、図1においては便宜上医用画像表示装置100、101の2つを示しているが、実際の医用画像管理装置1においては医用画像表示装置の数は医療機関によって異なるものである。
【0022】
医用画像診断装置50、60は、検査オーダに基づいた撮影を行うものであり、当該撮影によって医用画像を生成する。この医用画像診断装置50、60としては、X線診断装置、X線CT装置、MRI、超音波診断装置、核医学診断装置等さまざまなモダリティが用いられる。また医用画像診断装置50、60において撮影された医用画像の画像データには、当該医用画像にかかる検査ID、患者情報、検査日時、撮影条件情報等が付加され、例えばDICOM画像ファイルとして医用画像保管装置300、301に送られ、記憶される。なお、図1においては便宜上、医用画像診断装置50、60の2つを示しているが、実際の医用画像診断装置の数は医療機関によって異なるものである。
【0023】
(医用画像表示装置)
次に、本実施形態の医用画像管理装置1における医用画像表示装置100、101について図2〜図5を参照して説明する。図2は、この発明の実施形態にかかる医用画像管理装置1における医用画像表示装置100および医用画像保管装置300の機能構成の概要を示す概略ブロック図である。図3は、医用画像表示装置100における操作手段120の一例を示す概略図である。図4は、この発明の実施形態にかかる医用画像管理装置1の医用画像表示装置100に記憶された操作設定テーブル80の概要を示す概略図である。図5は、この発明の実施形態にかかる医用画像管理装置1の医用画像保管装置300に記憶された操作履歴保存テーブル90の概要を示す概略図である。なお、図2においては医用画像表示装置100を示しているが、医用画像表示装置101は、図2に示す医用画像表示装置100と同様の構成を有するものである。同じく医用画像保管装置301は、図2に示す医用画像保管装置300と同様の構成を備えるものである。
【0024】
[構成]
図2に示すように、医用画像表示装置100は、送受信手段110と、操作手段120と、主制御手段130と、表示手段140と、記憶手段150と、変更処理制御手段160とを有して構成される。このうち送受信手段110は、医用画像保管装置300等とデータや制御信号の送受信をするためのインターフェース(I/F)である。例えば医用画像表示装置100は送受信手段110を介して、医用画像保管装置300に対し、医用画像の画像データを要求する制御信号を送信し、また当該要求に応じた画像データを受信する。なお、この送受信手段110としては、LANカード等のネットワークアダプタや、インターネットに接続するためのモデム等の通信装置や、これらの組み合わせを用いることが可能である。
【0025】
操作手段120は、医用画像表示装置100において医用画像の表示操作、画像処理操作等(以下、「画像表示態様の変更処理操作」ということがある。)に用いられる。ここで本実施形態における操作手段120としては、少なくとも表示手段140の画面上での入力位置や座標を指定することが可能なポインティングデバイスを含んでいることが必要である。例えば操作手段120は、表示手段140の画面上でのカーソル(ポインタ)を移動させて、画面上のアイコン、タブ、スクロールバーを指示することによって、医用画像表示装置100の各種操作を行うことが可能である。なお、カーソルとは表示手段140の画面上での現在の座標位置を示す絵記号等である。
【0026】
さらに操作手段120としては、表示手段140の画面上のカーソルの移動だけではなく選択操作や決定操作をし、また後述の操作設定テーブル80(図4)に示すような画像表示態様の変更処理操作にかかる操作イベントを実行可能とする構成であることが必要である。例えば押下可能な操作ボタンを複数備えているマウスを用いることが可能である。その他操作手段120としては、キーボード、トラックボール、トラックパッド、ジョイスティック、デジタイザなどの任意の操作装置や入力装置を用いることが可能である。なお、これらのうち1つを採用することも可能であり、またマウスおよびキーボードの組み合わせなど複数種類の操作デバイスの組み合わせであってもよい。
【0027】
主制御手段130は、送受信手段110、表示手段140、記憶手段150や変更処理制御手段160等、医用画像表示装置100における各部を制御する。また主制御手段330としてはCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の演算制御装置を含んで構成される。変更処理制御手段160も、主制御手段130のハードウェア構成に準じた構成となる。また変更処理制御手段160の制御内容については後述する。
【0028】
また主制御手段130によって、記憶手段150や医用画像保管装置300等に記憶されたデータを基に、表示手段140に検査リスト、医用画像、後述の処理操作再現画像等が表示される。表示手段140としてはLCD(Liquid Crystal Display)やCRTディスプレイ(Cathode Ray Tube Display)等が用いられ、また表示手段140をデュアルディスプレイ等のマルチモニタとして構成することが可能である。
【0029】
なお、図2に示す医用画像表示装置100においては、表示手段140と、操作手段120とがそれぞれ個別に設けられているが、これらを一体化したタッチパネル式のLCDやタブレット等を表示操作手段として用いることも可能である。
【0030】
記憶手段150は、医用画像表示装置100における、変更処理操作の再現表示に必要となる操作履歴(図5の操作履歴保存テーブル90)等を一時的に記憶する。さらに記憶手段150は医用画像表示装置100の操作に用いるGUI(Graphical User Interface/不図示)の画面フォーマット、上述の医用画像表示画面の画面フォーマット、後述の再現画像表示画面の画面フォーマットや、変更処理等に必要となるデータ(図4の操作設定テーブル80)等を読み出し可能に記憶している。また記憶手段150はRAM(Random Access Memory)等の主記憶装置と、ROM(Read Only Memory)やHDD(ハードディスク;Hard disk drive)等を含んで構成される。なお、記憶手段150があらかじめ記憶している操作設定テーブル80の内容、および一時的に記憶する操作履歴保存テーブル90については後述する。
【0031】
[操作手段]
次に、この実施形態の医用画像管理装置1において医用画像の読影をするための画像表示態様の変更処理に用いられる操作手段120の一例について説明する。なお、この説明においては操作手段120としてマウスを含む場合について説明する。ここでのマウスは、図3に示すように医用画像表示装置100の操作者が把持する本体部と、一端部側に右クリックボタンR、マウスホイールW、左クリックボタンLが順に並んで設けられている。また図3に示すようなマウスの他、マウス側面等、他の部分にもさらにクリックボタンが設けられていてもよい。
【0032】
また本実施形態における操作手段120としてのマウスは、一般的なマウス操作、すなわち、マウスを止めたまま右クリックボタンRを押下する操作(以下、「右クリック」という)、マウスを止めたまま左クリックボタンLを押下する操作(以下、「左クリック」という)、マウスホイールWを正逆方向に回転する操作、右クリックボタンRを押下した状態を維持してマウスを前後左右方向に移動する操作(以下、「右ドラッグ」という)、左クリックボタンLを押下した状態を維持してマウスを前後左右方向に移動する操作(以下、「左ドラッグ」という)等、マウスの構成に応じた操作を行うことができる。これらのマウス操作がされると、押下されたボタンに対応した信号および操作量に応じた信号が操作信号として主制御手段130に操作信号が送られる。なお、ここで説明したマウスの操作は、本発明の「複数種類の操作」、「複数種類の操作内容」の一例に該当する。
【0033】
[操作設定テーブル]
次に、この実施形態の医用画像管理装置1において医用画像の読影をするための処理に用いられる操作設定テーブル80(図4)について説明する。本実施形態の医用画像管理装置1では、操作者等によってあらかじめ設定された操作設定テーブル80にしたがった操作がなされることにより、主制御手段130および変更処理制御手段160が、医用画像保管装置300等から読み出した医用画像の画像データに対し各種処理を行って、医用画像の表示態様を変更することができる。その結果、医用画像の閲覧者の読影作業を支援し、かつそこで行われた読影や画像診断の結果を、当該処理を行った医用画像に反映させることが可能である。
【0034】
ここでの変更処理制御手段160による処理内容は、画像の表示態様の変更処理であって、例えば表示手段140の画面上における画像の移動、回転、フィルタリング、拡大、縮小、階調処理を含み、さらにボリュームレンダリング、MIP(Maximum Intensity Projection)処理、MPR(Multi Planer Reconstruction)処理の設定等が含まれる。またこの処理内容としてシリーズ間同期、差分画像生成、近似断面画像選択、フュージョン画像生成等の処理も含まれ、さらにはアノテーション・計測結果添付処理も含まれる。また、これらの処理を行うための表示画像切換、画像の並列表示等の処理も、操作設定テーブル80にしたがった処理内容に含まれる。なお、ここで説明した操作設定テーブル80の変更処理の処理内容は、本発明の「複数種類の変更処理」、「複数種類の表示変更処理の内容」の一例に該当する。
【0035】
図4に示すように操作設定テーブル80は、医用画像表示装置100等の端末ごとの識別IDの情報を有しており、かつ当該識別IDにおける複数のマウスモードMM1〜MMnを有している。さらにこれらの複数のマウスモードMM1〜MMnは、それぞれ個別の情報を有している。この個別の情報としては、操作手段120の操作内容と、個々のマウスモードMM1〜MMnそれぞれの作動状態において当該操作内容を行ったときに実行される画像表示態様の変更処理内容(変更処理名)がある。さらに当該情報として、当該操作内容の実行時におけるマウス移動方向それぞれに対応付けられた具体的処理内容および、画面上のマウスカーソルの単位移動量に応じた当該具体的処理内容の変化量がある。これらの操作内容、変更処理内容、具体的処理内容、変化量は、それぞれ操作設定テーブル80のマウスモードMM1〜MMnに対応付けられて記憶されている。
【0036】
なお、ここでいう「マウスカーソルの単位移動量に応じた当該具体的処理内容の変化量」とは、例えばマウスカーソルの指示する座標位置が所定ピクセル分移動したことに対して、画像表示態様をどれだけ変更させるか(回転角度、輝度等)を示す数値の増減等である。図4に示す例であれば3ピクセルの移動に対して、ウインドウレベルやウインドウ幅にかかるCT値が、10HU(Hounsfield Unit)増加または減少する。また、この実施形態におけるマウスモードMM1〜MMnは、本発明における「操作設定情報」の一例に該当する。また、上記における「単位移動量に応じた当該具体的処理内容の変化量」は、本発明の「単位移動量に応じた該表示態様の変化量」の一例に該当する。また、操作設定テーブル80(図4)における変更処理内容は、本発明の「複数の処理情報」の一例に該当する。
【0037】
この操作設定テーブル80に基づいて実行可能な医用画像の画像表示態様の変更処理の内容は、上記例示した処理内容の通りである。なお、図4における操作設定テーブル80における「マウス移動↑」とは、表示された画面上におけるマウスカーソルC(図5参照)の移動方向であり、実際の机上におけるマウスの移動方向は前方である。同様に「マウス移動↓」とは、表示された画面上におけるマウスカーソルCの移動方向であり、実際のマウスの移動方向は後方である。また、ここに示す上下方向、前後方向および左右方向は、医用画像の閲覧者が、垂直に立設した表示手段140(図6参照)の画面に対して正対している状態における方向を示しているものである。またマウスカーソルCの移動方向は、現在のマウスカーソルCの画面上の座標位置と、直前の座標位置とを対比することにより求められる。なお、本実施形態におけるマウスカーソルCが示す座標位置は、本発明の「画面上における指示位置」の一例に該当する。
【0038】
[画像表示態様の変更処理の制御]
次に、上記操作設定テーブル80に基づく、主制御手段130および変更処理制御手段160の医用画像の画像表示態様の変更処理の一例として、図4に示す操作設定テーブル80における、端末の識別ID「PC−A」における「マウスモードMM1」に基づいた処理内容について説明する。
【0039】
表示手段140に表示される医用画像表示画面には、画像表示態様の変更処理に用いるマウスモードMMの選択をするための表示(タブ、ドロップダウンメニュー等)が設けられている。医師等の操作者により、この医用画像表示画面において、マウスモードMM1〜MMnの選択が行われると、表示手段140に表示された医用画像に対し、読影のための画像表示態様の変更処理を行うことが可能となる。ここでは図4に示すマウスモードMM1の選択がされたものとする。
【0040】
マウスモードMM1の選択がされると、主制御手段130は、記憶手段150の操作設定テーブル80(図4)から、選択されたマウスモードMM1の情報を取得し、変更処理制御手段160に送信する。このマウスモードMM1においては、操作手段120としてのマウスに対し操作者が、「右ドラッグ」+「マウスカーソルCの移動」操作を行うと変更処理制御手段160により医用画像の「階調処理」が実行される。例えば図4に示すように、「右ドラッグ」かつ、画面上のマウスカーソルCの移動方向が「↑」であるときは、変更処理制御手段160の変更処理によりウインドウレベル、つまり輝度の中央値に割り当てられるCT値等の数値が増加する。
【0041】
すなわち、マウスモードMM1の選択操作後、マウスから当該操作がされると、主制御手段130は、マウスからマウスの操作量の情報および、クリック・ドラッグ等の操作信号を受ける。主制御手段130は、当該操作量の情報に基づき、表示手段140の画面上のマウスカーソルCの位置を移動させて表示させる。さらに主制御手段130は「マウスモードMM1」、当該操作量の情報からマウスカーソルCの「座標位置の移動量の情報」、移動方向「↑」および「右ドラッグ」という操作信号を、変更処理制御手段160に送信する。変更処理制御手段160はこれらの情報を受けると、取得したマウスモードMM1の情報と、「右ドラッグ」という情報とに基づき当該操作に対応する表示態様の変更処理内容が階調操作であることを認識する。さらに変更処理制御手段160は、移動方向「↑」という情報から輝度の中央値に該等するウインドウレベルを増加させる操作であることを認識する。
【0042】
さらに変更処理制御手段160は、上記認識した画像表示態様の変更処理の内容と、主制御手段130から受けたマウスカーソルCの移動量の情報に基づき、医用画像の画像データに対し当該変更処理を行う。同様に変更処理制御手段160は、移動方向「↓」かつ「右ドラッグ」の操作がされると、操作設定テーブル80に基づき画像データのウインドウレベルを減少させ、移動方向「←」かつ「右ドラッグ」の操作がされると、画像データのウインドウ幅、つまりウインドウレベルを基準とした階調表示するCT値等の範囲を示す値を増加させる。同じく移動方向「→」かつ「右ドラッグ」の操作がされると、変更処理制御手段160は画像データのウインドウ幅を示す値を減少させる。
【0043】
なお、変更処理制御手段160が変更処理する画像データの各数値や絵記号、文字情報等の情報は、医用画像表示装置100が医用画像保管装置300、301等から受信した画像データの付加データに含まれる情報であってもよい。例えば医用画像の画像データがDICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)画像ファイルの場合は、DICOMタグ情報がその付加データである。
【0044】
このように操作者は、マウス等、操作手段120を介した画像データにかかる各数値の調整等によって、読影のための画像表示態様の変更処理を行うことができる。また操作者によって、マウスモードMM1〜MMnの再選択、例えばマウスモードMM2が選択されると、主制御手段130は選択に応じたマウスモードMM2の情報を記憶手段150の操作設定テーブル80(図4)から取得し、変更処理制御手段160の変更処理内容が切り替わる。また、マウスモードMM1〜MMnによっては、画像の合成等、2以上の医用画像に基づいて1の医用画像を生成する処理、1の医用画像における情報を他の医用画像に反映させる処理を実行可能であり、また表示画像の切替や、表示画像の並列表示等もマウスモードMM1〜MMnの操作によることが可能である。なお、本実施形態における変更処理制御手段160は、本発明の「表示変更処理手段」の一例に該当する。
【0045】
このように本実施形態における医用画像表示装置100では、変更処理制御手段160等が操作手段120の操作を受けて、操作設定テーブル80(図4)にしたがった処理を実行する構成である。また医用画像表示装置100における操作設定テーブル80においてはマウスモードMM1〜MMnごとの操作手段120の操作ごとに処理内容が割り当てられている。なお、操作設定テーブル80のマウスモードMM1〜MMnの設定によって、同じ処理内容を、異なる操作に割り当てることも可能である。また、特定のマウスモードMMによっては、すべての操作に同じ種類の処理内容が割り当てられるが、個々の操作による処理の変化量をそれぞれ異ならせるように構成することも可能である。また、1以上のマウスモードMM1〜MMnを複数組み合わせることを可能とするように構成してもよい。
【0046】
なお、マウスモードMMの選択は図示しない医用画像表示画面によって行う構成に限られず、例えば操作手段120としてキーボードが含まれている場合は、当該キーボードのファンクションキーによってマウスモードMMの選択する構成であってもよい。また、マウスモードMMによる画像表示態様の変更処理を行うための操作としては、マウス操作のみでなく、マウス操作とキーボードの操作の組み合わせも含まれる。例えば、図4に示すようにマウスモードMMnでは左クリックとキーボードのコントロールキー「ctrl」との組み合わせ操作によって、変更処理制御手段160は、例えば現在表示している画像とその次の画像とを並列表示する処理を行う。
【0047】
[画像表示態様の変更処理履歴の記録制御]
次に、本実施形態にかかる医用画像表示装置100の画像表示態様の変更処理にかかる操作履歴の記録処理の一例を、図5を参照して説明する。本実施形態の医用画像表示装置100の変更処理制御手段160は、医師等の操作者が行った医用画像の画像データに対する画像表示態様の変更処理操作についての履歴を記録する。
【0048】
医用画像表示装置100では、上述のように医用画像の表示態様の変更処理を行うことができる。さらに医用画像表示装置100はマウスモードMM1〜MMnの選択操作に応じて、マウスモードMMと、変更処理制御手段160が変更した内容と当該処理にかかる操作の内容を示すデータ(以下、「操作内容情報」ということがある)と、マウスカーソルCの画面上の座標位置の履歴とを対応付けて、所定の時間の間隔ごとに記憶手段150に記録させていく(図5参照)。またこれらの記録内容は、当該変更処理を実行する装置の識別情報としての識別IDと、関連付けられて記録される。
【0049】
ここで具体的な当該記録処理の制御の一例を説明する。医師等の操作者が医用画像表示装置100の操作手段120を介して、上述のようにマウスモードMM1の選択操作を行うと、当該操作に基づいて主制御手段130が操作設定テーブル80(図4)からマウスモードMM1にかかる情報を取得し、変更処理制御手段160に送信する。変更処理制御手段160は、主制御手段130からマウスモードMM1にかかる情報を取得すると、画像表示態様の変更処理操作の履歴の記録を開始する。例えば変更処理制御手段160は、図5に示すような操作履歴保存テーブル90として、次の内容を記録していく。なお、図5では縦軸が時間の経過を示しているものである。
【0050】
まず変更処理制御手段160は、操作履歴の医用画像の表示態様の変更処理の記録名として端末や医師ごとの「識別ID」と、当該処理にかかる医用画像の「検査ID」・「画像ID」と、主制御手段130から取得した「マウスモードMM」と、当該マウスモードMM1の条件下における操作手段120の操作内容を示す「操作イベント名」と、現在の表示手段140の画面上におけるマウスカーソルCの現在の座標位置(X,Y)とを、現在年月日および1000分の1秒単位の現在時刻と対応させて記憶する。また変更処理制御手段160は、1000分の1秒ごとの間隔でこの記録を実行する。ここで、記録の実行は必ずしも1000分の1秒ごとの間隔である必要は無く、マウスによるマウスカーソルCの移動を確実に記録できる間隔、つまり当該移動の間隔よりもやや短い間隔で座標等を記録すればよい。
【0051】
変更処理制御手段160は、主制御手段130からマウスモードMM1の情報として、操作イベントごと、マウス移動方向ごとの処理内容等を受信すると、操作履歴保存テーブル90に操作履歴として、図5に示すような上述の画像ID「CT-001」、「マウスモードMM1」やマウスカーソルCの座標位置(X,Y)=(0,0)等の記録を開始する。これに加えて変更処理制御手段160が主制御手段130から変更処理にかかる操作信号を受信すると、これらの情報を基に画像データに画像表示態様の変更処理を実行するとともに、操作履歴保存テーブル90に操作イベント「右ドラッグ」と、移動された座標位置(X,Y)=(0,10)とを記録する。
【0052】
このように変更処理制御手段160は、操作履歴保存テーブル90に記録を開始すると、例えば1000分の1秒間隔で、画像ID等の各種識別情報と現在時刻と現在のマウスモードMMおよびマウスカーソルの座標位置を記録し続け、かつ現在のマウスモードMMにおいて操作イベントおよびマウス移動があるごとに、あらかじめ設定された変更処理を行い、かつその操作の履歴を記録し続ける。
【0053】
変更処理制御手段160は、上述のようなマウスモードMMの選択操作があってから、画像表示態様の変更処理が完了した旨の操作信号を受ける時点までの間、記録をし続ける。ただし、このように操作履歴の記録の停止または終了のトリガを画像表示態様の変更処理が完了した旨の操作信号を受ける時点とする構成に限定されるものではなく、当該履歴の記録の停止または終了の契機となる、操作信号の検知等の条件の到来は、任意に設定することが可能である。例えば、操作履歴の記録を停止するトリガは、「マウスモードMMが解除されたとき」、「記録停止の操作を受けたとき」、「操作手段120が操作されなくなってから所定の時間が経過したとき」等、とすることが可能である。
【0054】
同じく、このように操作履歴の記録の開始のトリガを、マウスモードMMの選択の信号を受けた時点とする構成に限定されるものではない。すなわち当該履歴の記録の開始の契機となる、操作信号の検知等の条件の到来は、任意に設定することが可能である。例えば、操作履歴の記録を開始するトリガは、「マウスモードMMが選択されたとき」、「記録開始の操作を受けたとき」等、とすることが可能である。また、当該記録開始のトリガを、マウスモードMMが選択された後、実際に各種変更処理の操作(マウスホイールWの回転操作等)がなされた時点としてもよい。
【0055】
なお、上述の各操作を可能とするためには、表示手段140に表示される医用画像表示画面のフォーマットにソフトキー等を設けておくか、もしくは医用画像の画像表示態様の変更処理を行うプログラムに、キーボード等のハードキーの操作に対応して、トリガとなる信号を発生する機能が設けられる。
【0056】
また上述のように変更処理制御手段160は、記憶手段150に操作履歴保存テーブル90(図5)を記憶させる。主制御手段130はこの操作履歴保存テーブル90を、送受信手段110を介して医用画像保管装置300に送信する。さらに主制御手段130は、操作履歴保存テーブル90を医用画像保管装置300に送信するとき、画像表示態様の変更処理前の画像データと関連付けて送信する。なお、本実施形態における記憶手段150および変更処理制御手段160は、本発明の「記録手段」の一例に該当する。
【0057】
本実施形態における操作履歴保存テーブル90は、本発明の「記録結果」の一例に該当する。また、操作履歴保存テーブル90における操作イベントは、本発明の「実行された操作にかかる操作情報」の一例に該当する。
【0058】
[画像表示態様の変更処理操作の再現表示の制御]
次に、本実施形態の医用画像表示装置100における、処理操作再現画像の表示制御について図5および図6を参照して説明する。一例として、図5に示す操作履歴保存テーブル90に基づく、医用画像の階調処理操作の再現表示について説明する。図6は、この発明の実施形態にかかる医用画像管理装置1の医用画像表示装置100における操作手段120、表示手段140および処理操作再現画像の一例の概要を示す概略図である。
【0059】
医師等は医用画像を閲覧する場合、上述のように医用画像表示装置100における表示手段140に検査リストを表示させ、所望の医用画像を選択して表示させる。ここで表示された医用画像が表示態様の変更処理済であった場合、本実施形態にかかる医用画像管理装置1では、処理操作再現画像を表示手段140に表示させることができる。医師等は、この処理操作再現画像を閲覧することにより、表示されていた医用画像の表示態様が、いかなる操作によって変更処理されたかについて把握することが可能である。この処理操作再現画像の表示制御については次の通りである。
【0060】
医師等が画像表示態様の変更処理の再現画像を閲覧するために、表示手段140の画面に表示された再現画像リストから、操作手段120を介して所望の処理操作の再現画像を選択する操作を行うと、当該選択操作を受けて主制御手段130は、当該画像データ等の要求を行う。すなわち、主制御手段130が送受信手段110を介して医用画像保管装置300等に、当該選択された処理操作の再現画像を表示するために必要なデータを要求する制御信号を送信する。ここで必要なデータとは、操作履歴の記録と、表示態様の変更処理前の画像データが含まれる。この主制御手段130による制御信号に応じて、医用画像表示装置100等が送受信手段110を介して、操作履歴保存テーブル90(図5)から読み出された操作履歴の記録と、表示態様の変更処理前の画像データを受信する。
【0061】
主制御手段130は、当該操作履歴等を受信すると、記憶手段150から図6に示すような処理操作再現画像の表示画面の画面フォーマットを読み出す。さらに主制御手段130は、画面フォーマットに当該受信した処理前の画像データを割り当てる。ここでさらに主制御手段130は操作設定テーブル80(図4)を読み出す。主制御手段130は、読み出した操作設定テーブル80を参照し、受信した操作履歴の記録に基づいて、処理前の画像データに、画像表示態様の変更処理の制御を実行する。ここでの制御は、上述の医師等の操作に基づいた変更処理制御手段160による画像表示態様の変更処理の制御に準じて実行される。つまり、主制御手段130は、マウスによるマウスモードMM1〜MMnの選択情報およびマウスの移動方向・操作量等の操作信号の情報をリアルタイムで取得する代わりに、図5に示すような受信した操作履歴の記録から、記録した所定の時間の間隔で、「マウスモードMM1」、操作イベント「右ドラッグ」、「カーソル位置」、の情報を読み出す。これによって主制御手段130は、読み出した各種情報に基づき、かつ操作設定テーブル80を参照することにより読み出した変更処理前の画像データに対し画像表示態様の変更処理を行う。
【0062】
主制御手段130が所定の時間の間隔(ここでは1000分の1秒間隔)で操作履歴を読み出し、変更処理前の画像データに変更処理を実行した結果、表示手段140に送信される画像データは、操作履歴の記録時と同じ流れ、同じ間隔で表示態様が変更されていく。さらに、本実施形態にかかる医用画像管理装置1における主制御手段130は、操作履歴の記録に基づいて、医用画像の表示態様の変更操作の操作履歴を、処理操作再現画像(図6/操作内容表示領域T)に並行して表示させる。さらに主制御手段130は、操作履歴の記録に基づき、マウスカーソルCの画面上の座標位置を変更させて表示させる処理を行う。主制御手段130は、上記「画像の表示態様の変更表示」、「操作履歴の表示」、「マウスカーソルCの移動表示」を全て対応付け、同期して表示させる。このため、例えばこれらの主制御手段130の処理は、所定の時間の間隔で並行して同時に行われる。例えば図6に示す処理操作再現画像においては、画面上に操作履歴を文字で表示する操作内容表示領域TとマウスカーソルCが表示されている。
【0063】
主制御手段130は、上述のような画像表示態様の変更操作の再現表示を開始してから、操作履歴の終端の記録までを読み出して各種処理を完了するまでの間、再現表示をし続けるものとする。また、閲覧者による再現表示の停止操作があったときも再現表示を停止する。また、再現画像の閲覧者が改めて再現画像リストを表示させる操作を行ったときも、当該再現表示を停止する。なお、この再現表示については、例えば所定フレーム分、または所定の時間、操作履歴に基づく表示態様の変更処理が行われない場合には、次の変更処理があるフレームや変更処理がある時点までスキップして表示させることも可能である。なお、本実施形態における主制御手段130は、本発明の「制御手段」の一例に該当する。
【0064】
さらに主制御手段130は、操作手段120の操作を介して、画像表示態様の変更操作の再現表示を開始してから、当該表示の「一時停止」、「スロー再生」、「早送り」、「巻戻し」等を行うことが可能である。例えば主制御手段130は、一時停止の操作がされると、まず操作履歴の読み出し、変更処理の実行を停止する。さらに主制御手段130は、一時停止の操作の直前に表示されていた画像および操作履歴の記録を表示し続ける。一時停止の解除(再生)操作がされると、主制御手段130は、操作履歴の読み出し、変更処理の実行を再開する。この一時停止の操作は、例えば主制御手段130による再現表示中に操作者が何らかのマウス操作をすることによって行う構成でもよい。また再現表示画面に一時停止をするソフトキーを設けてもよい。また他の操作手段120(キーボード等)の操作によって一時停止する構成でもよい。
【0065】
スロー再生の操作がされると、主制御手段130は、所定の時間間隔より長い間隔で再現表示を行う。早送りの操作がされると、主制御手段130は、所定の時間間隔より短い間隔で再現表示を行う。スロー再生、早送りについて主制御手段130は、操作履歴の読み出しの間隔の長短を調整してもよく、変更処理の実行の間隔を調整してもよく、また読み出し・変更処理については通常の間隔で、表示の間隔を調整する構成であってもよい。
【0066】
巻き戻しの操作がされると、主制御手段130は、当該操作の時点から遡って操作履歴の読み出しを行う。さらに主制御手段130はそれにしたがって変更処理の実行を行い、再現表示をする。このとき主制御手段130は所定の時間間隔より短い間隔で再現表示を行ってもよい。なお主制御手段130は、操作履歴に基づき、行われた一連の「操作イベント」ごとや、選択された「マウスモードMM」ごとに早送り、巻き戻しを行うように構成してもよい。例えば、主制御手段130は早送り操作に応じて、操作履歴におけるマウスモードMM1での右ドラッグ操作の一連の動作について早送りをする。さらに主制御手段130は、操作履歴における次の操作イベントに切り替わる部分まで読み出しが到達すると、再び所定の速度に戻して再現表示を行う。いわゆる頭出しのようにすることも可能である。
【0067】
また主制御手段130は、画像表示態様の変更処理の再現画像の表示をしつつ、操作履歴における次の操作イベント名を表示する構成であってもよい。すなわち、主制御手段130は、所定の時間の間隔で操作履歴を読み出し、画像データに変更処理を実行し、画像の表示態様を変更していくのと同時に、操作履歴の記録における次の操作イベント名およびマウスモードMMをあらかじめ読み出す。読み出した次の操作イベント名およびマウスモードMMは、処理操作再現画像(図6)の操作内容表示領域Tと並行して、次の操作を表示する。このとき、当該次の操作イベントに応じた変更処理内容も併せて、次の操作イベント名とともに表示してもよい。また、当該次の操作イベントだけでなくマウスカーソルの移動方向も並行して表示してもよい。
【0068】
上述のように本実施形態にかかる医用画像管理装置1では、医用画像表示装置100において画像表示態様の変更処理にかかる操作の履歴を記録し、さらに当該操作履歴の記録から、画像表示態様の変更処理の操作を再現することが可能である。したがって、医用画像の読影を行う医師等は、表示された変更処理の操作再現画像を閲覧し、参照することにより、医用画像表示装置ごとや医師ごと等に設定された特有の操作について習得することができる。結果として本実施形態にかかる医用画像管理装置1は、医師等による読影操作の支援を行うことによって、医師等の読影技術の研鑽を図るとともに、読影効率の向上を図ることが可能である。
【0069】
(医用画像保管装置)
次に、本実施形態の医用画像管理装置1における医用画像保管装置300、301について図2を参照して説明する。ここでは、医用画像保管装置300の構成例について説明する。
【0070】
図2に示すように医用画像保管装置300は、送受信手段320と、主制御手段330と、画像データ記憶手段340と、操作情報記憶手段350とを有して構成される。送受信手段320は、医用画像診断装置50、60や、医用画像管理装置1に含まれる各機器および、HIS、RIS等と情報の送受信を行う。例えば医用画像保管装置300が、医用画像診断装置50、60等から医用画像の画像データおよび付加データを受信し、または画像データの読み出し要求を受けて画像データを送信する場合、インターフェースとしての送受信手段320を介して送受信が行われる。なお、この送受信手段320としては、LANカード等のネットワークアダプタや、インターネットに接続するためのモデム等の通信装置等およびこれらの組み合わせを用いることが可能である。
【0071】
主制御手段330は、送受信手段320が受信した各種データを記憶手段それぞれ(340、350等)に記憶させる。また主制御手段330は、送受信手段320を介して受けた各種データの読み出し要求に基づき、記憶手段それぞれからデータを読み出して要求元の装置に送信する制御を行う。この主制御手段330としてはCPUやMPU等の演算制御装置を含んで構成される。
【0072】
画像データ記憶手段340および操作情報記憶手段350はともに、HDD等の記憶装置を含んで構成される。このうち画像データ記憶手段340は、送受信手段320を介して医用画像診断装置50、60から受信した医用画像の画像データ・付加データや、画像処理等の表示態様の変更処理が施された画像データ、操作履歴の記録と関連付けられた変更処理前の画像データ等を読み出し可能に記憶している。また、画像データ記憶手段340に記憶されたこれらの画像データ等は、「患者ID」、「患者氏名」、「患者の性別」、「検査日付」、「検査種類」等の情報に関連付けられて記憶されている。
【0073】
また、操作情報記憶手段350は、送受信手段320を介して医用画像表示装置100等から受信した操作履歴保存テーブル90(図5)のデータを読み出し可能に記憶している。これら画像データ記憶手段340、操作情報記憶手段350に各種データを記憶させる制御は主制御手段330が実行する。また各種データの読み出しは、医用画像保管装置300等が、医用画像表示装置100等からのデータの送信要求にかかる制御信号を受けることによって、主制御手段330が画像データ記憶手段340や操作情報記憶手段350から当該要求に応じて実行する。さらに主制御手段330は、送受信手段320を介して読み出したデータを、データの要求元の装置等に送信する。
【0074】
なお、医用画像保管装置301は、医用画像保管装置300と同様の構成とすることが可能である。また、医用画像保管装置300と医用画像保管装置301との少なくともいずれか一方を、HDDやNAS(ネットワーク接続ストレージ;Network Attached Storage)として構成とすることも可能である。
【0075】
(動作)
次に、上記説明した第1実施形態における医用画像管理装置1の動作について図7〜図9を参照して説明する。図7は、この発明の第1実施形態にかかる医用画像表示装置100による、画像処理等の画像の表示態様の変更作業において、検査リストが表示されてからマウスモードMM1〜MMnが選択されるまでの動作の概略を示すフローチャートである。図8は、この発明の第1実施形態にかかる医用画像表示装置100による、画像処理等の画像の表示態様の変更作業において、マウスモードMM下でマウス操作を受け付けてから、操作履歴を記憶するまでの動作の概略を示すフローチャートである。
【0076】
まず、本実施形態にかかる医用画像表示装置100による、画像処理等の画像の表示態様の変更作業において、操作履歴を記憶するまでの動作について図7および図8に基づいて説明する。
【0077】
(ステップ01)
医師等が所望の医用画像を閲覧するために、表示手段140の画面に表示された検査リストの一覧から操作手段120を介して所望の検査を選択する操作を行うと、当該選択操作を受けて主制御手段130は、送受信手段110を介して医用画像保管装置300等に、選択された検査にかかる医用画像の画像データを要求する制御信号を送信する。その結果、医用画像表示装置100等が送受信手段110を介して、医用画像保管装置300等から画像データおよび当該画像データに対応する付加データを受信する。
【0078】
(ステップ02)
主制御手段130は、記憶手段150から医用画像の表示画面の画面フォーマットを読み出すとともに、受信した画像データ等を画面フォーマットに割り当て、医用画像または医用画像の一覧(サムネイル表示)等(ともに不図示)を表示手段140に表示させる。
【0079】
(ステップ03)
ここで主制御手段130は、医師等の操作者による操作手段120を介したマウスモードMM1〜MMnの選択操作があったかについて、操作信号の受信の有無によって確認する。選択操作が無い場合(ステップ03;No)、当該選択操作があるまでこの確認を継続する。
【0080】
(ステップ04)
マウスモードMM1〜MMnの選択操作があると(ステップ03;Yes)、選択されたマウスモードMMに切り替わる。すなわち主制御手段130は、記憶手段150の操作設定テーブル80(図4)から、選択されたマウスモードMM1の情報を取得し、変更処理制御手段160に送信する。さらに変更処理制御手段160は取得したマウスモードMMの情報に基づいた画像表示態様の変更処理が可能な状態となる。
【0081】
(ステップ05)
マウス等の操作手段120の操作があると、操作手段120から主制御手段130に操作信号が送信される。主制御手段130は、当該操作信号に基づき、表示手段140の画面上のマウスカーソルCの位置を移動させて表示させる。さらに主制御手段130は「マウスモードMM」、当該操作量の情報からマウスカーソルCの「座標位置の移動量の情報」・「移動方向」およびドラッグ等の「操作内容」を含む操作信号を、変更処理制御手段160に送信する。
【0082】
(ステップ06)
さらに変更処理制御手段160は取得したマウスモードMM1の情報に基づき、操作イベント(例えば「右ドラッグ」)の情報から表示態様の変更処理の種別(操作イベント;例えば「階調処理」)を認識し、かつ操作手段120によるマウスカーソルCの移動方向の情報から当該変更処理の種別における具体的な変更処理内容(例えばウインドウレベルを増加)を実行する操作であることを認識する。さらに変更処理制御手段160は、マウス等の操作量の情報に基づき、医用画像の画像データに対し当該変更処理を行う。
【0083】
(ステップ07)
変更処理制御手段160は、マウスモードMM1にかかる情報を取得した時点から、変更処理操作の履歴の記録を開始する。すなわち変更処理制御手段160は、記憶手段150の操作履歴保存テーブル90(図5)に、主制御手段130から取得した「マウスモードMM」、「操作イベント名」、画面上におけるマウスカーソルCの座標位置(X,Y)等を、現在年月日および1000分の1秒単位の現在時刻と対応させ、記憶させる。
【0084】
(ステップ08)
変更処理制御手段160は、主制御手段130を介して操作手段120から画像表示態様の変更処理が完了した旨の操作信号を受けると記録を完了する。その他、変更処理制御手段160は「マウスモードMMが解除されたとき」、「記録停止の操作を受けたとき」「操作手段120が操作されなくなってから所定の時間が経過したとき」等、においても当該記録を完了する。
【0085】
(ステップ09)
変更処理制御手段160が記録を完了し、変更処理の内容が確定すると、主制御手段130は、送受信手段110を介し、操作履歴保存テーブル90を医用画像保管装置300等に送信する。医用画像保管装置300は、主制御手段330により操作情報記憶手段350等に当該操作履歴保存テーブル90を記憶させる。
【0086】
次に、本実施形態にかかる医用画像表示装置100による、医用画像の読影作業において、医用画像の表示態様の変更処理操作の再現表示がなされるまでの動作について説明する。
【0087】
医師等は、画像表示態様の変更処理の再現画像を閲覧するために、再現画像リストから、再現画像の選択操作を行う。主制御手段130は、当該選択操作を受けて医用画像保管装置300等に、操作履歴の記録と、表示態様の変更処理前の画像データを要求する制御信号を送信する。
【0088】
この主制御手段130による制御信号に応じて、医用画像表示装置100等が送受信手段110を介して、操作履歴保存テーブル90(図5)から読み出された操作履歴の記録と、表示態様の変更処理前の画像データを受信する。主制御手段130は、当該操作履歴等を受信すると、処理操作再現画像(図6)を表示し、かつ操作設定テーブル80(図4)を読み出す。さらに主制御手段130は、読み出した操作設定テーブル80を参照し、受信した操作履歴の記録に基づいて、処理前の画像データに、画像表示態様の変更処理を実行する。主制御手段130は、変更処理が実行された画像データを順次表示手段140に表示させ、処理操作再現画像の変化の状態を表示するとともに、操作内容表示領域TにマウスモードMMや、操作履歴、処理内容を並行して同時に表示する(図6参照)。
【0089】
(作用・効果)
上述した本実施形態にかかる医用画像管理装置1の作用及び効果について説明する。
【0090】
上述した本実施形態の医用画像管理装置1では、医用画像表示装置100において医用画像の読影をする際、読影のために医用画像の表示態様の変更処理をあらかじめ設定された操作によって行うことができる。また変更処理の操作の履歴は、処理内容に応じて所定の間隔で記録される。
【0091】
さらに医用画像管理装置1では、この記録された操作の履歴と、変更処理前の画像データと、操作内容と処理内容を対応付けた操作設定テーブル80(図4)とに基づいて、表示された医用画像の表示態様の変更処理にかかる操作の再現表示および操作内容を示す情報(例えば文字情報)を並行して表示することが可能である。
【0092】
したがって、本実施形態の医用画像管理装置1では、医用画像の読影の際、医師等が医用画像の表示態様の変更処理にかかる操作の再現表示および並行して表示された操作内容を示す情報を参照することにより、医用画像表示装置ごとや医師ごと等に設定された特有の操作について習得することができる。結果として本実施形態にかかる医用画像管理装置1は医師等による読影操作の支援を行うことが可能である。
【0093】
[第2実施形態]
次にこの発明の第2実施形態にかかる医用画像管理装置1の構成について説明する。第2実施形態においては、前述の第1実施形態と比較して、医用画像の表示態様の変更処理時において、変更処理制御手段160が記録する記録内容が異なる。さらに第2実施形態にかかる医用画像管理装置1は、図6に示すような処理操作再現画像を表示するために用いるデータが異なる。第2実施形態にかかる医用画像管理装置1におけるその他の部分については第1実施形態と同様である。以下、第2実施形態の医用画像管理装置1について第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0094】
[画像表示態様の変更処理履歴の記録制御]
まず第2実施形態にかかる医用画像管理装置1における画像表示態様の変更処理の操作等の履歴の記録にかかる制御について説明する。
【0095】
第2実施形態にかかる医用画像管理装置1においても、医用画像表示装置100によって、上述のように医用画像の表示態様の変更処理を行うことができる。また第1実施形態と同様に、マウスモードMMの選択操作がなされたときに、変更処理制御手段160が識別IDなどと、操作内容情報およびマウスカーソルCの画面上の座標位置の履歴とを対応づけ、所定の時間の間隔ごとに操作履歴保存テーブル90(図5)として記憶手段150に記憶させる。ここで第2実施形態にかかる変更処理制御手段160は、これらの操作履歴保存テーブル90に対応付けて、表示手段140に表示された医用画像が当該変更処理によって表示態様を変化される過程を、画像データとして連続的または断続的に記憶手段150に記憶させる。
【0096】
この表示態様の変化の過程を示す画像(以下、「変化表示画像」という)は、変更処理制御手段160により、変更処理にかかる操作履歴と同じ間隔(例えば1000分の1秒)で、かつ操作履歴に対応付けられて記憶手段150に記憶される。
【0097】
また、この変化表示画像は、変更処理にかかる操作履歴と同じタイミングで記憶が開始され、また同じタイミングで記憶が終了される。ただし、この画像の記憶のみ、操作履歴の記録より早いタイミングで開始してもよい。また第1実施形態と同様に、必ずしも操作履歴の記録が終了したときに必ず、当該画像の記憶を終了させる必要はない。
【0098】
このようにして変更処理制御手段160によって記憶手段150に記憶された変化表示画像は、操作履歴保存テーブル90とともに、関連付けられて医用画像保管装置300等に記憶される。すなわち主制御手段130は送受信手段110を介して、変化表示画像と操作履歴保存テーブル90とを関連付けて医用画像保管装置300等に送信する。医用画像保管装置300等は、主制御手段330等により送受信手段320を介して受信した変化表示画像を画像データ記憶手段340に記憶する。このとき主制御手段330は、操作履歴保存テーブル90を、変化表示画像と関連付けて操作情報記憶手段350に記憶させる。
【0099】
[画像表示態様の変更処理操作の再現表示の制御]
次に、第2実施形態にかかる医用画像管理装置1における変更処理操作等の再現表示の制御について説明する。
【0100】
第2実施形態にかかる医用画像管理装置1においても、図6に示すような処理操作再現画像により、画像表示態様の変更処理操作を再現して表示させることができる。ただし、第2実施形態にかかる処理操作再現画像を表示するための制御内容および、取り扱うデータが、第1実施形態と異なる。すなわち医師等が、再現画像リストから、操作手段120を介して所望の処理操作の再現画像を選択する操作を行うと、当該選択操作を受けて主制御手段130が医用画像保管装置300等から、変化表示画像の画像データと、当該画像データに関連付けられた操作履歴保存テーブル90(図5)とを取得する。
【0101】
主制御手段130は、当該画像データ等を受信すると、記憶手段150から図6に示すような処理操作再現画像の表示画面の画面フォーマットを読み出す。さらに主制御手段130は、当該受信した処理前の画像データを割り当てる。主制御手段130によるこれらの制御は、第1実施形態と同様である。ここで第2実施形態の医用画像表示装置100では、主制御手段130が処理操作再現画像(図6)を表示するために、操作設定テーブル80(図4)を用いない。つまり第2実施形態における医用画像表示装置100の主制御手段130は、あらかじめ記憶されていた表示態様の変化の過程を示す変化表示画像を画面フォーマットに割り当てる処理のみによって、処理操作再現画像を表示させる。
【0102】
なお、第2実施形態にかかる医用画像表示装置100においても、主制御手段130が、操作履歴の記録に基づいて、図6に示すような医用画像の表示態様の変更操作の操作履歴を、処理操作再現画像に表示する。さらに主制御手段130は、操作履歴の記録に基づき、マウスカーソルCの画面上の座標位置を変更させて表示させる処理を行う。これらの点については、第1実施形態と同様である。ただし、変化表示画像にマウスカーソルCの移動も記録されている場合、すなわちマウスカーソルCを変化表示画像の一部として記憶している場合、当該処理は行われない。
【0103】
(作用・効果)
上述した第2実施形態の医用画像管理装置1によっても、第1実施形態と同様に、医師等が医用画像の表示態様の変更処理にかかる操作の再現表示および並行して表示された操作内容を示す情報を参照することにより、医用画像表示装置ごとや医師ごと等に設定された特有の操作について習得することができる。結果として本実施形態にかかる医用画像管理装置1は医師等による読影操作の支援を行うことが可能である。
【0104】
また、第2実施形態における医用画像管理装置1は、第1実施形態と比較して変化表示画像の記録および当該画像の画像データの保存、読み出し等の処理が生じる。しかし、処理操作再現画像の表示処理においては、画面フォーマットに画像データを割り当てる処理を行うのみでよい。
【0105】
[第3実施形態]
次にこの発明の第3実施形態にかかる医用画像管理装置1の構成について説明する。第3実施形態においては、前述の第1実施形態または第2実施形態と構成および制御内容が重複する。ただし、第3実施形態においては操作履歴保存テーブル90(図5)に基づいて、画像の表示態様の変更処理の操作それぞれ(以下、単に「各処理操作」という)の所要時間を集計し、統計情報として表示する。
【0106】
医用画像保管装置300等は、医用画像表示装置100から図5に示すような操作履歴保存テーブル90を受信すると、操作情報記憶手段350に当該操作履歴保存テーブル90を記憶させる。第3実施形態にかかる医用画像保管装置300等の主制御手段330は、さらに操作情報記憶手段350に記憶された操作履歴保存テーブル90と医用画像の画像データに付加された付加データを基に、各処理操作にかかる所要時間を集計し、統計情報を生成する。例えば主制御手段330は、記憶された操作履歴保存テーブル90から、各処理操作内用と、処理内容と、所要時間の情報を収集する。さらに主制御手段330は、この各処理操作に関連付けられた画像データに基づき付加データを参照する。主制御手段330は、この参照した付加データから、「医用画像診断装置のモダリティ」、「撮影方法」、「画像種別」、「撮影部位」、「撮影条件」等の情報を収集する。
【0107】
医用画像保管装置300の主制御手段330は、これらの関連する各種情報からどのような条件(撮影条件等)の医用画像に対し、どのような各種変更処理がなされ、その変更処理にかかった所要時間を、上記収集した情報ごとの各観点から統計をとる処理を行う。例えば、主制御手段330は、保管した全ての操作履歴保存テーブル90の操作履歴の情報の中から、X線CT装置による頭部の血管造影の画像に対してのウインドウ変換処理にかかる操作履歴の情報を特定し、当該処理にかかった所要時間を集計することが可能である。さらに主制御手段330はこの集計した情報を、例えば一覧表示しまたはグラフ表示することが可能である。
【0108】
(作用・効果)
上述した第3実施形態の医用画像管理装置1では、どのような条件の医用画像に対し、どのような各種変更処理がなされ、その変更処理にかかった所要時間を、上記収集した情報ごとの各観点から統計をとる処理を行う。したがって、医師等は当該統計をとった情報をグラフ表示等の形式で参照することにより、医用画像表示装置ごとや医師ごと等に設定された特有の操作のうち、どの変更処理操作に時間がかかるか、もしくはどの変更処理操作に重点がおかれているかについて習得することができる。結果として本実施形態にかかる医用画像管理装置1は医師等による読影作業の支援を図ることが可能である。
【0109】
また、第3実施形態における医用画像管理装置1によれば、読影作業の経験が少ない医師等は、自らが画像表示態様の変更処理操作に要している時間と、読影経験が豊富な医師等の当該操作に要している時間とを対比することができる。
【0110】
[第1変形例]
次に、上記実施形態にかかる医用画像管理装置1の第1変形例について図9を参照して説明する。図9は、この発明の実施形態の第1変形例にかかる、医用画像管理装置1の医用画像表示装置100に記憶された操作履歴保存テーブル90の概要を示す概略図である。
【0111】
図9に示すように当該マウスモードMMでの操作イベントに割り当てられた処理内容(例えば「階調処理」)と、記録時点で画像表示態様の変更処理が行われていれば、変更処理結果も加えて対応付けて記録する構成とすることも可能である。
【0112】
ここで変更処理結果とは、階調処理の場合であれば、「現在のウインドウレベルの値」、「ウインドウレベルの増減値」等の少なくとも一方を示す情報である。「マウスモードMM1」、操作イベント「右ドラッグ」の場合は、当該マウスモードMM1での操作「右ドラッグ」に割り当てられた処理内容「階調操作」と、移動された座標位置(X,Y)=(0,10)と、マウスの移動方向に基づいた変更処理結果「WL82(WL増)」とを記録する。また、この変形例における操作履歴保存テーブル90に記録される「処理内容」、「変更処理結果」のうち少なくともいずれか一方は、本発明の「実行された表示変更処理にかかる処理情報」の一例に該当する。
【0113】
この第1変形例においては、処理操作再現画像(図6)を表示するにあたり、医用画像表示装置100の主制御手段130は次のような処理を行う。主制御手段130は操作履歴の情報と処理前の医用画像の画像データを取得すると、操作履歴の情報を参照する。さらに主制御手段130は、参照した操作履歴の情報における変更処理結果の情報に基づき、所定間隔で当該画像データに対し、変更処理を実行する。この変更処理が施された画像データは、表示手段140に表示される。つまりこの第1変形例も第2実施形態と同様に、主制御手段130が、処理操作再現画像(図6)を表示するために、操作設定テーブル80(図4)を用いない構成である。
【0114】
[第2変形例]
次に図10を参照して、上記実施形態の第2変形例について説明する。図10は、この発明の実施形態の第2変形例にかかる処理操作再現画像(図6)の検索をするための画像検索画面78を示す概略図である。
【0115】
第2変形例における医用画像管理装置1では、処理操作再現画像を検索するために図10に示すような画像検索画面78が用いられる。この画像検索画面78は例えば医用画像表示装置100に記憶されている。図10に示すように画像検索画面78は、「操作者ID/端末ID」の選択領域、「画像種別」の選択領域、「撮影部位」の選択領域を少なくとも有している。この変形例では、この画像検索画面78の各項目の少なくとも1項目を選択することにより、選択した項目にかかる操作履歴や画像データを読み出し処理操作再現画像を表示することが可能である。例えば、医師等が医用画像表示装置100の操作手段120等によって、画像検索画面78上で、画像の表示態様の変更処理を行った操作者のID「AAA」を選択すると、主制御手段130が操作者ID「AAA」該当する操作履歴や画像データを特定する。さらに医師等がモダリティ「MRI」を選択すると、情報「AAA」によって特定した操作履歴等からさらにモダリティで特定をする。さらに撮影法「SE」や、画像「T1強調画像」、撮影部位「脳」等を選択するとさらに操作履歴等の検索結果を絞ることができる。この画像検索画面78に用いる検索クエリは、操作履歴保存テーブル90や医用画像の画像データに付加された付加データが基準となる。
【0116】
第2変形例では、読影にかかる画像表示態様の変更処理の経験が少ない者、すなわち特有のマウスモードMM1〜MMnの操作に慣れていない者が、処理操作再現画像により当該変更処理を習得しようとする場合、画像種別や撮影部位を基準に画像検索することができる。したがって、モダリティ、画像種別や撮影部位に基づいて処理操作再現画像を検索しようとするとき、検索が容易である。
【0117】
[第3変形例]
次に、上記実施形態にかかる医用画像管理装置1の第3変形例について図11を参照して説明する。図11は、この発明の実施形態の第3変形例にかかる医用画像管理装置1の医用画像表示装置100に表示された処理操作再現画像および操作内容表示領域の概要を示す概略図である。上記実施形態にかかる医用画像管理装置1は、医用画像表示装置100の主制御手段130が処理操作再現画像の操作内容表示領域Tに操作履歴等を示す文字情報を表示させている(図6参照)。しかし本発明にかかる医用画像管理装置においてはこの構成に限られない。例えば図11に示すように、操作手段120を示す図と、文字情報を組み合わせて表示することも可能である。操作履歴保存テーブル90に記録された操作履歴が、上記実施形態に示したマウスモードMM1における階調処理であった場合であれば、図11に示す処理操作再現画像のように表示する。すなわち処理操作再現画像では、マウスの図を示すとともに、当該処理の際、押下・回転等の操作を実行しているマウスボタン等の部分の色を変更するなどして他の部分と区別し強調して表示される。例えば図11に示すように、この変形例の処理操作再現画像における操作内容表示領域Tでは、上記実施形態において「右ドラッグ」と文字で示していた情報の代わりに、マウスの図を示すとともに右クリックボタンRの部分の色表示を変更させ状態を維持して表示させる。
【0118】
この第3変形例では、処理操作再現画像により読影にかかる画像表示態様の変更処理を習得しようとする場合、当該変更処理にかかる操作をより直感的に把握することが可能となる。
【0119】
また、以上説明した第1変形例乃至第3変形例にかかる医用画像管理装置の構成によっても、上記実施形態と同様の効果を実現することができる。
【符号の説明】
【0120】
1 医用画像管理装置
50、60 医用画像診断装置
78 画像検索画面
80 操作設定テーブル
90 操作履歴保存テーブル
100、101 医用画像表示装置
110、320 送受信手段
120 操作手段
130、330 主制御手段
140 表示手段
150 記憶手段
160 変更処理制御手段
300、301 医用画像保管装置
340 画像データ記憶手段
350 操作情報記憶手段
C マウスカーソル
L 左クリックボタン
N ネットワーク
R 右クリックボタン
W マウスホイール
T 操作内容表示領域
【技術分野】
【0001】
この発明は、医用画像の閲覧等に用いられる医用画像表示装置を含む医用画像管理装置に関し、特に、医用画像の表示態様の変更処理操作を記憶して、再現表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医用分野において、X線診断装置、X線CT(Computed Tomography:X線コンピュータトモグラフィ)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴イメージング)や、超音波診断装置等さまざまな医用画像診断装置が用いられており、多くの医療機関ではこのような医用画像診断装置を導入している。これらの各医用画像診断装置によって生成された画像を用いた診断が盛んに行われている。
【0003】
このような医用画像診断装置によって生成された医用画像等は、必ずしも生成された時点ですぐに読影や画像診断に用いられるとは限らない。例えば医用画像の生成と時や場所を異にして読影・画像診断に用いられる場合がある。この状況に対応して医用画像の画像データは、病院等医療機関内で共通に管理されている。
【0004】
この画像データのような医療機関内で取扱われるデータは、医療機関内のネットワークを通じて各機器や各装置間で通信可能に、PACS(Picture Archiving and Communication System:医用画像保管通信システム)により運用されている。
【0005】
PACSは、医用画像サーバと医用画像表示装置(ビューワ)を有し、各種の画像診断機器によって得られる医用画像の画像データをデジタルで保管・通信・表示することができるシステムである。
【0006】
医用画像表示装置では、読影しようとする医用画像に対し、読影作業を支援する機能が設けられている。例えば医用画像表示装置の機能として各種の画像処理を実行することが可能である。例えば表示している医用画像の拡大、縮小、回転、または階調処理、さらには医用画像に対するアノテーションの付加、医用画像内へのROI設定、または設定されたROIの解析等を行うことができる。
【0007】
医師等が医用画像の読影を行うにあたって画像処理を行う場合、当該医師等はマウス等の操作手段を操作して、画面に表示された医用画像に対し各種処理を行う。この画像処理が例えば階調処理である場合、操作手段によってウインドウレベル(WL/Window Level)、ウインドウ幅(WW/Window Width)を設定する。
【0008】
このような画像処理にかかる操作の一例として、あらかじめ設定されたマウスモードの条件下において行うマウス操作がある。ある一つのマウスモードにおいて、種々のマウス操作に対してどのような処理が行われるか設定されており、マウスモードを切り替えれば、マウス操作に対応付けられる処理が変更される。またマウス操作とは一般的なマウス操作としての、左クリック、右クリック、ダブルクリック、ドラッグアンドドロップや、ホイールの回転または、クリック・キーボード操作の組み合わせ等がある。このマウスモードにおいてはこれらマウスの単一操作または操作の組み合わせそれぞれに対して、あらかじめ種々の画像処理が割り当てられ設定されている(例えば特許文献1)。
【0009】
また2つの医用画像を医用画像表示画面に表示させた後、一方の医用画像の表示領域側に対し、他方の表示領域に表示された医用画像を、マウス操作、すなわちドラッグアンドドロップ等によって、移行させて様々な画像処理を実行する機能を有する医用画像表示装置が提案されている(例えば特許文献2)。この医用画像表示装置では、設定された条件下でのマウスのドラッグアンドドロップ操作により、ドラッグアンドドロップ元の医用画像と同じ断面方向の新たな断層画像の画像データを生成し、またはドラッグアンドドロップ元にあったアノテーションをドラッグアンドドロップ先の医用画像にも反映させることが可能である。
【0010】
このような医用画像表示装置における読影支援のための画像処理操作は、共通化されていない。例えば医用画像表示装置ごとの設定があり、さらには、医用画像表示装置それぞれにも複数の設定がある場合や、画像処理を行う医師特有の設定も存在する。このような画像処理操作は、熟練の医師等であれば経験によって迅速かつ円滑に行うことが可能である。しかし、特有の画像処理操作に慣れていない者にとっては、当該操作を行うことが不可能であるか、または操作が可能であったとしても操作が困難で画像処理および読影作業が難航してしまう。
【0011】
したがって従来、熟練の医師の画像処理操作を再現するために、医用画像表示装置において行われた画像処理操作を、例えばマクロ等のプログラムとして記憶していた。この記憶されたマクロ等は、後に読み出して処理を再現することが可能である。画像処理に慣れていない者はこの記憶されたマクロ等によって処理することで、あらかじめ行われた特有の画像処理操作を行うことなく、画像処理を行うことが提案されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2005−296156号公報
【特許文献2】特開2007−282656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら画像処理操作の経験が少ない者にとって、医用画像表示装置ごと、医師ごとに設定された特有の画像処理操作について、記憶されたマクロ等を実行するのみでは、実際の操作を理解することができない場合がある。例えばマウスの操作であれば、左右クリックの区別、ダブルクリックとの区別、ドラッグの区別はマクロ等を実行しただけでは理解できず、また医用画像にかかる各種パラメータの変化もマクロ等の再生のみによって把握することは困難である。
【0014】
特に、画像処理操作の経験が少ない者は、医用画像表示装置ごと、医師ごとに設定された特有の画像処理操作について、マクロ等の再現によって必要な情報を得ることができない場合があった。したがって、マクロ等の再現によって特有の画像処理操作を習得することは困難であった。
【0015】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、医用画像に対して行われた変更処理操作を記憶し、当該操作を再現可能とすることにより、操作の習得を支援することが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、医用画像を画面上に表示する表示手段と、複数種類の操作が可能であり、かつ前記画面上の各座標位置を指示可能な操作手段と、前記複数種類の操作の操作種別と、医用画像の表示態様の複数種類の変更処理の種別と、前記操作手段による前記画面上における指示位置の移動方向とを関連付けた操作設定情報をあらかじめ記憶する記憶手段と、前記操作設定情報の選択、前記操作および前記指示位置の移動が実行されることにより、該選択された操作設定情報に基づいて、前記表示手段に表示された前記医用画像の表示態様を変更する表示変更処理手段と、前記表示変更処理手段により前記表示態様が変更されると、前記操作手段による前記操作種別ごとの操作と、前記指示位置とを所定のタイミングで記録する記録手段と、前記記録手段による記録結果と前記操作設定情報とに基づいて、前記医用画像の表示態様の変化と該記録結果とを並行して表示手段に再現表示させる制御手段と、を備えることを特徴とする医用画像管理装置である。
また上記目的を達成するために、請求項8に記載の発明は、医用画像を表示する表示手段と、前記表示された医用画像に対する複数種類の表示変更処理の内容をそれぞれ示す複数の処理情報と、該各表示変更処理を行うための複数種類の操作内容をそれぞれ示す操作情報とを対応付けて記憶する操作設定記憶手段と、前記複数種類の操作に用いられる操作手段と、前記操作手段に対し前記複数種類の操作の少なくともいずれか1つが実行されると、該操作に該当する前記操作情報を特定し、かつ前記操作設定記憶手段から該操作情報に対応する前記処理情報を読み出し、かつ前記医用画像に対し、該読み出された処理情報に応じて前記表示された医用画像に前記表示変更処理を実行する表示変更処理手段と、
前記表示変更処理手段によって前記医用画像に表示変更処理がなされると、前記実行された操作にかかる操作情報と前記実行された表示変更処理にかかる処理情報とを、所定時間ごとに対応付けて記録する操作内容記録手段と、前記記録の後、前記表示変更処理による該医用画像の表示態様の変化を前記表示手段に再現表示するとともに、前記操作内容記録手段による記録結果を該再現表示と並行して表示手段に表示させる制御手段と、を備えることを特徴とする医用画像表示装置である。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、医用画像の読影の際、医用画像の表示態様の変更処理の再現表示と記録した操作内容を並行して表示することができるので、医師等の医用画像表示装置の操作の習得を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の実施形態にかかる医用画像管理装置の全体構成の概要を示す概略ブロック図である。
【図2】この発明の実施形態にかかる医用画像管理装置における医用画像表示装置および医用画像保管装置の機能構成の概要を示す概略ブロック図である。
【図3】医用画像表示装置における操作手段の一例を示す概略図である。
【図4】この発明の第1実施形態にかかる医用画像管理装置の医用画像表示装置に記憶された操作設定テーブルの概要を示す概略図である。
【図5】この発明の第1実施形態にかかる医用画像管理装置の医用画像保管装置に記憶された操作履歴保存テーブルの概要を示す概略図である。
【図6】この発明の実施形態にかかる医用画像管理装置の医用画像表示装置における操作手段、表示手段および処理操作再現画像の一例の概要を示す概略図である。
【図7】この発明の第1実施形態にかかる医用画像表示装置による、画像処理等の画像の表示態様の変更作業において、検査リストが表示されてからマウスモードが選択されるまでの動作の概略を示すフローチャートである。
【図8】この発明の第1実施形態にかかる医用画像表示装置による、画像処理等の画像の表示態様の変更作業において、マウスモード下でマウス操作を受け付けてから、操作履歴を記憶するまでの動作の概略を示すフローチャートである。
【図9】この発明の実施形態の第1変形例にかかる医用画像管理装置の医用画像保管装置に記憶された操作履歴保存テーブルの概要を示す概略図である。
【図10】この発明の実施形態の第2変形例にかかる処理操作再現画像の検索をするための画像検索画面を示す概略図である
【図11】この発明の実施形態の第3変形例にかかる医用画像管理装置の医用画像表示装置に表示された処理操作再現画像および操作内容表示領域の概要を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態の一例について図1〜図11を参照して説明する。
【0020】
[第1実施形態]
(全体構成)
この発明の第1実施形態にかかる医用画像管理装置1の全体構成の概略について、図1を参照して説明する。図1は、この発明の実施形態にかかる医用画像管理装置1の全体構成の概要を示す概略ブロック図である。
【0021】
図1に示すように医用画像管理装置1は、医用画像診断装置50、60と、LAN(Local Area Network)等のネットワークNによって接続されており、医用画像診断装置50等によって撮影された医用画像の画像データについて保存、表示、通信等の管理を行い、また画像処理等を行う。また医用画像管理装置1は、医師等が読影等に用いる医用画像表示装置(ビューア;viewer)100、101と、撮影された医用画像や、画像処理等がなされた医用画像の画像データを保管する医用画像保管装置300、301とを含んで構成される。また医用画像管理装置1においては、医用画像表示装置100、101と、医用画像保管装置300、301とをネットワークNによって相互に接続しており、通信可能となっている。なお、図1においては便宜上医用画像表示装置100、101の2つを示しているが、実際の医用画像管理装置1においては医用画像表示装置の数は医療機関によって異なるものである。
【0022】
医用画像診断装置50、60は、検査オーダに基づいた撮影を行うものであり、当該撮影によって医用画像を生成する。この医用画像診断装置50、60としては、X線診断装置、X線CT装置、MRI、超音波診断装置、核医学診断装置等さまざまなモダリティが用いられる。また医用画像診断装置50、60において撮影された医用画像の画像データには、当該医用画像にかかる検査ID、患者情報、検査日時、撮影条件情報等が付加され、例えばDICOM画像ファイルとして医用画像保管装置300、301に送られ、記憶される。なお、図1においては便宜上、医用画像診断装置50、60の2つを示しているが、実際の医用画像診断装置の数は医療機関によって異なるものである。
【0023】
(医用画像表示装置)
次に、本実施形態の医用画像管理装置1における医用画像表示装置100、101について図2〜図5を参照して説明する。図2は、この発明の実施形態にかかる医用画像管理装置1における医用画像表示装置100および医用画像保管装置300の機能構成の概要を示す概略ブロック図である。図3は、医用画像表示装置100における操作手段120の一例を示す概略図である。図4は、この発明の実施形態にかかる医用画像管理装置1の医用画像表示装置100に記憶された操作設定テーブル80の概要を示す概略図である。図5は、この発明の実施形態にかかる医用画像管理装置1の医用画像保管装置300に記憶された操作履歴保存テーブル90の概要を示す概略図である。なお、図2においては医用画像表示装置100を示しているが、医用画像表示装置101は、図2に示す医用画像表示装置100と同様の構成を有するものである。同じく医用画像保管装置301は、図2に示す医用画像保管装置300と同様の構成を備えるものである。
【0024】
[構成]
図2に示すように、医用画像表示装置100は、送受信手段110と、操作手段120と、主制御手段130と、表示手段140と、記憶手段150と、変更処理制御手段160とを有して構成される。このうち送受信手段110は、医用画像保管装置300等とデータや制御信号の送受信をするためのインターフェース(I/F)である。例えば医用画像表示装置100は送受信手段110を介して、医用画像保管装置300に対し、医用画像の画像データを要求する制御信号を送信し、また当該要求に応じた画像データを受信する。なお、この送受信手段110としては、LANカード等のネットワークアダプタや、インターネットに接続するためのモデム等の通信装置や、これらの組み合わせを用いることが可能である。
【0025】
操作手段120は、医用画像表示装置100において医用画像の表示操作、画像処理操作等(以下、「画像表示態様の変更処理操作」ということがある。)に用いられる。ここで本実施形態における操作手段120としては、少なくとも表示手段140の画面上での入力位置や座標を指定することが可能なポインティングデバイスを含んでいることが必要である。例えば操作手段120は、表示手段140の画面上でのカーソル(ポインタ)を移動させて、画面上のアイコン、タブ、スクロールバーを指示することによって、医用画像表示装置100の各種操作を行うことが可能である。なお、カーソルとは表示手段140の画面上での現在の座標位置を示す絵記号等である。
【0026】
さらに操作手段120としては、表示手段140の画面上のカーソルの移動だけではなく選択操作や決定操作をし、また後述の操作設定テーブル80(図4)に示すような画像表示態様の変更処理操作にかかる操作イベントを実行可能とする構成であることが必要である。例えば押下可能な操作ボタンを複数備えているマウスを用いることが可能である。その他操作手段120としては、キーボード、トラックボール、トラックパッド、ジョイスティック、デジタイザなどの任意の操作装置や入力装置を用いることが可能である。なお、これらのうち1つを採用することも可能であり、またマウスおよびキーボードの組み合わせなど複数種類の操作デバイスの組み合わせであってもよい。
【0027】
主制御手段130は、送受信手段110、表示手段140、記憶手段150や変更処理制御手段160等、医用画像表示装置100における各部を制御する。また主制御手段330としてはCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の演算制御装置を含んで構成される。変更処理制御手段160も、主制御手段130のハードウェア構成に準じた構成となる。また変更処理制御手段160の制御内容については後述する。
【0028】
また主制御手段130によって、記憶手段150や医用画像保管装置300等に記憶されたデータを基に、表示手段140に検査リスト、医用画像、後述の処理操作再現画像等が表示される。表示手段140としてはLCD(Liquid Crystal Display)やCRTディスプレイ(Cathode Ray Tube Display)等が用いられ、また表示手段140をデュアルディスプレイ等のマルチモニタとして構成することが可能である。
【0029】
なお、図2に示す医用画像表示装置100においては、表示手段140と、操作手段120とがそれぞれ個別に設けられているが、これらを一体化したタッチパネル式のLCDやタブレット等を表示操作手段として用いることも可能である。
【0030】
記憶手段150は、医用画像表示装置100における、変更処理操作の再現表示に必要となる操作履歴(図5の操作履歴保存テーブル90)等を一時的に記憶する。さらに記憶手段150は医用画像表示装置100の操作に用いるGUI(Graphical User Interface/不図示)の画面フォーマット、上述の医用画像表示画面の画面フォーマット、後述の再現画像表示画面の画面フォーマットや、変更処理等に必要となるデータ(図4の操作設定テーブル80)等を読み出し可能に記憶している。また記憶手段150はRAM(Random Access Memory)等の主記憶装置と、ROM(Read Only Memory)やHDD(ハードディスク;Hard disk drive)等を含んで構成される。なお、記憶手段150があらかじめ記憶している操作設定テーブル80の内容、および一時的に記憶する操作履歴保存テーブル90については後述する。
【0031】
[操作手段]
次に、この実施形態の医用画像管理装置1において医用画像の読影をするための画像表示態様の変更処理に用いられる操作手段120の一例について説明する。なお、この説明においては操作手段120としてマウスを含む場合について説明する。ここでのマウスは、図3に示すように医用画像表示装置100の操作者が把持する本体部と、一端部側に右クリックボタンR、マウスホイールW、左クリックボタンLが順に並んで設けられている。また図3に示すようなマウスの他、マウス側面等、他の部分にもさらにクリックボタンが設けられていてもよい。
【0032】
また本実施形態における操作手段120としてのマウスは、一般的なマウス操作、すなわち、マウスを止めたまま右クリックボタンRを押下する操作(以下、「右クリック」という)、マウスを止めたまま左クリックボタンLを押下する操作(以下、「左クリック」という)、マウスホイールWを正逆方向に回転する操作、右クリックボタンRを押下した状態を維持してマウスを前後左右方向に移動する操作(以下、「右ドラッグ」という)、左クリックボタンLを押下した状態を維持してマウスを前後左右方向に移動する操作(以下、「左ドラッグ」という)等、マウスの構成に応じた操作を行うことができる。これらのマウス操作がされると、押下されたボタンに対応した信号および操作量に応じた信号が操作信号として主制御手段130に操作信号が送られる。なお、ここで説明したマウスの操作は、本発明の「複数種類の操作」、「複数種類の操作内容」の一例に該当する。
【0033】
[操作設定テーブル]
次に、この実施形態の医用画像管理装置1において医用画像の読影をするための処理に用いられる操作設定テーブル80(図4)について説明する。本実施形態の医用画像管理装置1では、操作者等によってあらかじめ設定された操作設定テーブル80にしたがった操作がなされることにより、主制御手段130および変更処理制御手段160が、医用画像保管装置300等から読み出した医用画像の画像データに対し各種処理を行って、医用画像の表示態様を変更することができる。その結果、医用画像の閲覧者の読影作業を支援し、かつそこで行われた読影や画像診断の結果を、当該処理を行った医用画像に反映させることが可能である。
【0034】
ここでの変更処理制御手段160による処理内容は、画像の表示態様の変更処理であって、例えば表示手段140の画面上における画像の移動、回転、フィルタリング、拡大、縮小、階調処理を含み、さらにボリュームレンダリング、MIP(Maximum Intensity Projection)処理、MPR(Multi Planer Reconstruction)処理の設定等が含まれる。またこの処理内容としてシリーズ間同期、差分画像生成、近似断面画像選択、フュージョン画像生成等の処理も含まれ、さらにはアノテーション・計測結果添付処理も含まれる。また、これらの処理を行うための表示画像切換、画像の並列表示等の処理も、操作設定テーブル80にしたがった処理内容に含まれる。なお、ここで説明した操作設定テーブル80の変更処理の処理内容は、本発明の「複数種類の変更処理」、「複数種類の表示変更処理の内容」の一例に該当する。
【0035】
図4に示すように操作設定テーブル80は、医用画像表示装置100等の端末ごとの識別IDの情報を有しており、かつ当該識別IDにおける複数のマウスモードMM1〜MMnを有している。さらにこれらの複数のマウスモードMM1〜MMnは、それぞれ個別の情報を有している。この個別の情報としては、操作手段120の操作内容と、個々のマウスモードMM1〜MMnそれぞれの作動状態において当該操作内容を行ったときに実行される画像表示態様の変更処理内容(変更処理名)がある。さらに当該情報として、当該操作内容の実行時におけるマウス移動方向それぞれに対応付けられた具体的処理内容および、画面上のマウスカーソルの単位移動量に応じた当該具体的処理内容の変化量がある。これらの操作内容、変更処理内容、具体的処理内容、変化量は、それぞれ操作設定テーブル80のマウスモードMM1〜MMnに対応付けられて記憶されている。
【0036】
なお、ここでいう「マウスカーソルの単位移動量に応じた当該具体的処理内容の変化量」とは、例えばマウスカーソルの指示する座標位置が所定ピクセル分移動したことに対して、画像表示態様をどれだけ変更させるか(回転角度、輝度等)を示す数値の増減等である。図4に示す例であれば3ピクセルの移動に対して、ウインドウレベルやウインドウ幅にかかるCT値が、10HU(Hounsfield Unit)増加または減少する。また、この実施形態におけるマウスモードMM1〜MMnは、本発明における「操作設定情報」の一例に該当する。また、上記における「単位移動量に応じた当該具体的処理内容の変化量」は、本発明の「単位移動量に応じた該表示態様の変化量」の一例に該当する。また、操作設定テーブル80(図4)における変更処理内容は、本発明の「複数の処理情報」の一例に該当する。
【0037】
この操作設定テーブル80に基づいて実行可能な医用画像の画像表示態様の変更処理の内容は、上記例示した処理内容の通りである。なお、図4における操作設定テーブル80における「マウス移動↑」とは、表示された画面上におけるマウスカーソルC(図5参照)の移動方向であり、実際の机上におけるマウスの移動方向は前方である。同様に「マウス移動↓」とは、表示された画面上におけるマウスカーソルCの移動方向であり、実際のマウスの移動方向は後方である。また、ここに示す上下方向、前後方向および左右方向は、医用画像の閲覧者が、垂直に立設した表示手段140(図6参照)の画面に対して正対している状態における方向を示しているものである。またマウスカーソルCの移動方向は、現在のマウスカーソルCの画面上の座標位置と、直前の座標位置とを対比することにより求められる。なお、本実施形態におけるマウスカーソルCが示す座標位置は、本発明の「画面上における指示位置」の一例に該当する。
【0038】
[画像表示態様の変更処理の制御]
次に、上記操作設定テーブル80に基づく、主制御手段130および変更処理制御手段160の医用画像の画像表示態様の変更処理の一例として、図4に示す操作設定テーブル80における、端末の識別ID「PC−A」における「マウスモードMM1」に基づいた処理内容について説明する。
【0039】
表示手段140に表示される医用画像表示画面には、画像表示態様の変更処理に用いるマウスモードMMの選択をするための表示(タブ、ドロップダウンメニュー等)が設けられている。医師等の操作者により、この医用画像表示画面において、マウスモードMM1〜MMnの選択が行われると、表示手段140に表示された医用画像に対し、読影のための画像表示態様の変更処理を行うことが可能となる。ここでは図4に示すマウスモードMM1の選択がされたものとする。
【0040】
マウスモードMM1の選択がされると、主制御手段130は、記憶手段150の操作設定テーブル80(図4)から、選択されたマウスモードMM1の情報を取得し、変更処理制御手段160に送信する。このマウスモードMM1においては、操作手段120としてのマウスに対し操作者が、「右ドラッグ」+「マウスカーソルCの移動」操作を行うと変更処理制御手段160により医用画像の「階調処理」が実行される。例えば図4に示すように、「右ドラッグ」かつ、画面上のマウスカーソルCの移動方向が「↑」であるときは、変更処理制御手段160の変更処理によりウインドウレベル、つまり輝度の中央値に割り当てられるCT値等の数値が増加する。
【0041】
すなわち、マウスモードMM1の選択操作後、マウスから当該操作がされると、主制御手段130は、マウスからマウスの操作量の情報および、クリック・ドラッグ等の操作信号を受ける。主制御手段130は、当該操作量の情報に基づき、表示手段140の画面上のマウスカーソルCの位置を移動させて表示させる。さらに主制御手段130は「マウスモードMM1」、当該操作量の情報からマウスカーソルCの「座標位置の移動量の情報」、移動方向「↑」および「右ドラッグ」という操作信号を、変更処理制御手段160に送信する。変更処理制御手段160はこれらの情報を受けると、取得したマウスモードMM1の情報と、「右ドラッグ」という情報とに基づき当該操作に対応する表示態様の変更処理内容が階調操作であることを認識する。さらに変更処理制御手段160は、移動方向「↑」という情報から輝度の中央値に該等するウインドウレベルを増加させる操作であることを認識する。
【0042】
さらに変更処理制御手段160は、上記認識した画像表示態様の変更処理の内容と、主制御手段130から受けたマウスカーソルCの移動量の情報に基づき、医用画像の画像データに対し当該変更処理を行う。同様に変更処理制御手段160は、移動方向「↓」かつ「右ドラッグ」の操作がされると、操作設定テーブル80に基づき画像データのウインドウレベルを減少させ、移動方向「←」かつ「右ドラッグ」の操作がされると、画像データのウインドウ幅、つまりウインドウレベルを基準とした階調表示するCT値等の範囲を示す値を増加させる。同じく移動方向「→」かつ「右ドラッグ」の操作がされると、変更処理制御手段160は画像データのウインドウ幅を示す値を減少させる。
【0043】
なお、変更処理制御手段160が変更処理する画像データの各数値や絵記号、文字情報等の情報は、医用画像表示装置100が医用画像保管装置300、301等から受信した画像データの付加データに含まれる情報であってもよい。例えば医用画像の画像データがDICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)画像ファイルの場合は、DICOMタグ情報がその付加データである。
【0044】
このように操作者は、マウス等、操作手段120を介した画像データにかかる各数値の調整等によって、読影のための画像表示態様の変更処理を行うことができる。また操作者によって、マウスモードMM1〜MMnの再選択、例えばマウスモードMM2が選択されると、主制御手段130は選択に応じたマウスモードMM2の情報を記憶手段150の操作設定テーブル80(図4)から取得し、変更処理制御手段160の変更処理内容が切り替わる。また、マウスモードMM1〜MMnによっては、画像の合成等、2以上の医用画像に基づいて1の医用画像を生成する処理、1の医用画像における情報を他の医用画像に反映させる処理を実行可能であり、また表示画像の切替や、表示画像の並列表示等もマウスモードMM1〜MMnの操作によることが可能である。なお、本実施形態における変更処理制御手段160は、本発明の「表示変更処理手段」の一例に該当する。
【0045】
このように本実施形態における医用画像表示装置100では、変更処理制御手段160等が操作手段120の操作を受けて、操作設定テーブル80(図4)にしたがった処理を実行する構成である。また医用画像表示装置100における操作設定テーブル80においてはマウスモードMM1〜MMnごとの操作手段120の操作ごとに処理内容が割り当てられている。なお、操作設定テーブル80のマウスモードMM1〜MMnの設定によって、同じ処理内容を、異なる操作に割り当てることも可能である。また、特定のマウスモードMMによっては、すべての操作に同じ種類の処理内容が割り当てられるが、個々の操作による処理の変化量をそれぞれ異ならせるように構成することも可能である。また、1以上のマウスモードMM1〜MMnを複数組み合わせることを可能とするように構成してもよい。
【0046】
なお、マウスモードMMの選択は図示しない医用画像表示画面によって行う構成に限られず、例えば操作手段120としてキーボードが含まれている場合は、当該キーボードのファンクションキーによってマウスモードMMの選択する構成であってもよい。また、マウスモードMMによる画像表示態様の変更処理を行うための操作としては、マウス操作のみでなく、マウス操作とキーボードの操作の組み合わせも含まれる。例えば、図4に示すようにマウスモードMMnでは左クリックとキーボードのコントロールキー「ctrl」との組み合わせ操作によって、変更処理制御手段160は、例えば現在表示している画像とその次の画像とを並列表示する処理を行う。
【0047】
[画像表示態様の変更処理履歴の記録制御]
次に、本実施形態にかかる医用画像表示装置100の画像表示態様の変更処理にかかる操作履歴の記録処理の一例を、図5を参照して説明する。本実施形態の医用画像表示装置100の変更処理制御手段160は、医師等の操作者が行った医用画像の画像データに対する画像表示態様の変更処理操作についての履歴を記録する。
【0048】
医用画像表示装置100では、上述のように医用画像の表示態様の変更処理を行うことができる。さらに医用画像表示装置100はマウスモードMM1〜MMnの選択操作に応じて、マウスモードMMと、変更処理制御手段160が変更した内容と当該処理にかかる操作の内容を示すデータ(以下、「操作内容情報」ということがある)と、マウスカーソルCの画面上の座標位置の履歴とを対応付けて、所定の時間の間隔ごとに記憶手段150に記録させていく(図5参照)。またこれらの記録内容は、当該変更処理を実行する装置の識別情報としての識別IDと、関連付けられて記録される。
【0049】
ここで具体的な当該記録処理の制御の一例を説明する。医師等の操作者が医用画像表示装置100の操作手段120を介して、上述のようにマウスモードMM1の選択操作を行うと、当該操作に基づいて主制御手段130が操作設定テーブル80(図4)からマウスモードMM1にかかる情報を取得し、変更処理制御手段160に送信する。変更処理制御手段160は、主制御手段130からマウスモードMM1にかかる情報を取得すると、画像表示態様の変更処理操作の履歴の記録を開始する。例えば変更処理制御手段160は、図5に示すような操作履歴保存テーブル90として、次の内容を記録していく。なお、図5では縦軸が時間の経過を示しているものである。
【0050】
まず変更処理制御手段160は、操作履歴の医用画像の表示態様の変更処理の記録名として端末や医師ごとの「識別ID」と、当該処理にかかる医用画像の「検査ID」・「画像ID」と、主制御手段130から取得した「マウスモードMM」と、当該マウスモードMM1の条件下における操作手段120の操作内容を示す「操作イベント名」と、現在の表示手段140の画面上におけるマウスカーソルCの現在の座標位置(X,Y)とを、現在年月日および1000分の1秒単位の現在時刻と対応させて記憶する。また変更処理制御手段160は、1000分の1秒ごとの間隔でこの記録を実行する。ここで、記録の実行は必ずしも1000分の1秒ごとの間隔である必要は無く、マウスによるマウスカーソルCの移動を確実に記録できる間隔、つまり当該移動の間隔よりもやや短い間隔で座標等を記録すればよい。
【0051】
変更処理制御手段160は、主制御手段130からマウスモードMM1の情報として、操作イベントごと、マウス移動方向ごとの処理内容等を受信すると、操作履歴保存テーブル90に操作履歴として、図5に示すような上述の画像ID「CT-001」、「マウスモードMM1」やマウスカーソルCの座標位置(X,Y)=(0,0)等の記録を開始する。これに加えて変更処理制御手段160が主制御手段130から変更処理にかかる操作信号を受信すると、これらの情報を基に画像データに画像表示態様の変更処理を実行するとともに、操作履歴保存テーブル90に操作イベント「右ドラッグ」と、移動された座標位置(X,Y)=(0,10)とを記録する。
【0052】
このように変更処理制御手段160は、操作履歴保存テーブル90に記録を開始すると、例えば1000分の1秒間隔で、画像ID等の各種識別情報と現在時刻と現在のマウスモードMMおよびマウスカーソルの座標位置を記録し続け、かつ現在のマウスモードMMにおいて操作イベントおよびマウス移動があるごとに、あらかじめ設定された変更処理を行い、かつその操作の履歴を記録し続ける。
【0053】
変更処理制御手段160は、上述のようなマウスモードMMの選択操作があってから、画像表示態様の変更処理が完了した旨の操作信号を受ける時点までの間、記録をし続ける。ただし、このように操作履歴の記録の停止または終了のトリガを画像表示態様の変更処理が完了した旨の操作信号を受ける時点とする構成に限定されるものではなく、当該履歴の記録の停止または終了の契機となる、操作信号の検知等の条件の到来は、任意に設定することが可能である。例えば、操作履歴の記録を停止するトリガは、「マウスモードMMが解除されたとき」、「記録停止の操作を受けたとき」、「操作手段120が操作されなくなってから所定の時間が経過したとき」等、とすることが可能である。
【0054】
同じく、このように操作履歴の記録の開始のトリガを、マウスモードMMの選択の信号を受けた時点とする構成に限定されるものではない。すなわち当該履歴の記録の開始の契機となる、操作信号の検知等の条件の到来は、任意に設定することが可能である。例えば、操作履歴の記録を開始するトリガは、「マウスモードMMが選択されたとき」、「記録開始の操作を受けたとき」等、とすることが可能である。また、当該記録開始のトリガを、マウスモードMMが選択された後、実際に各種変更処理の操作(マウスホイールWの回転操作等)がなされた時点としてもよい。
【0055】
なお、上述の各操作を可能とするためには、表示手段140に表示される医用画像表示画面のフォーマットにソフトキー等を設けておくか、もしくは医用画像の画像表示態様の変更処理を行うプログラムに、キーボード等のハードキーの操作に対応して、トリガとなる信号を発生する機能が設けられる。
【0056】
また上述のように変更処理制御手段160は、記憶手段150に操作履歴保存テーブル90(図5)を記憶させる。主制御手段130はこの操作履歴保存テーブル90を、送受信手段110を介して医用画像保管装置300に送信する。さらに主制御手段130は、操作履歴保存テーブル90を医用画像保管装置300に送信するとき、画像表示態様の変更処理前の画像データと関連付けて送信する。なお、本実施形態における記憶手段150および変更処理制御手段160は、本発明の「記録手段」の一例に該当する。
【0057】
本実施形態における操作履歴保存テーブル90は、本発明の「記録結果」の一例に該当する。また、操作履歴保存テーブル90における操作イベントは、本発明の「実行された操作にかかる操作情報」の一例に該当する。
【0058】
[画像表示態様の変更処理操作の再現表示の制御]
次に、本実施形態の医用画像表示装置100における、処理操作再現画像の表示制御について図5および図6を参照して説明する。一例として、図5に示す操作履歴保存テーブル90に基づく、医用画像の階調処理操作の再現表示について説明する。図6は、この発明の実施形態にかかる医用画像管理装置1の医用画像表示装置100における操作手段120、表示手段140および処理操作再現画像の一例の概要を示す概略図である。
【0059】
医師等は医用画像を閲覧する場合、上述のように医用画像表示装置100における表示手段140に検査リストを表示させ、所望の医用画像を選択して表示させる。ここで表示された医用画像が表示態様の変更処理済であった場合、本実施形態にかかる医用画像管理装置1では、処理操作再現画像を表示手段140に表示させることができる。医師等は、この処理操作再現画像を閲覧することにより、表示されていた医用画像の表示態様が、いかなる操作によって変更処理されたかについて把握することが可能である。この処理操作再現画像の表示制御については次の通りである。
【0060】
医師等が画像表示態様の変更処理の再現画像を閲覧するために、表示手段140の画面に表示された再現画像リストから、操作手段120を介して所望の処理操作の再現画像を選択する操作を行うと、当該選択操作を受けて主制御手段130は、当該画像データ等の要求を行う。すなわち、主制御手段130が送受信手段110を介して医用画像保管装置300等に、当該選択された処理操作の再現画像を表示するために必要なデータを要求する制御信号を送信する。ここで必要なデータとは、操作履歴の記録と、表示態様の変更処理前の画像データが含まれる。この主制御手段130による制御信号に応じて、医用画像表示装置100等が送受信手段110を介して、操作履歴保存テーブル90(図5)から読み出された操作履歴の記録と、表示態様の変更処理前の画像データを受信する。
【0061】
主制御手段130は、当該操作履歴等を受信すると、記憶手段150から図6に示すような処理操作再現画像の表示画面の画面フォーマットを読み出す。さらに主制御手段130は、画面フォーマットに当該受信した処理前の画像データを割り当てる。ここでさらに主制御手段130は操作設定テーブル80(図4)を読み出す。主制御手段130は、読み出した操作設定テーブル80を参照し、受信した操作履歴の記録に基づいて、処理前の画像データに、画像表示態様の変更処理の制御を実行する。ここでの制御は、上述の医師等の操作に基づいた変更処理制御手段160による画像表示態様の変更処理の制御に準じて実行される。つまり、主制御手段130は、マウスによるマウスモードMM1〜MMnの選択情報およびマウスの移動方向・操作量等の操作信号の情報をリアルタイムで取得する代わりに、図5に示すような受信した操作履歴の記録から、記録した所定の時間の間隔で、「マウスモードMM1」、操作イベント「右ドラッグ」、「カーソル位置」、の情報を読み出す。これによって主制御手段130は、読み出した各種情報に基づき、かつ操作設定テーブル80を参照することにより読み出した変更処理前の画像データに対し画像表示態様の変更処理を行う。
【0062】
主制御手段130が所定の時間の間隔(ここでは1000分の1秒間隔)で操作履歴を読み出し、変更処理前の画像データに変更処理を実行した結果、表示手段140に送信される画像データは、操作履歴の記録時と同じ流れ、同じ間隔で表示態様が変更されていく。さらに、本実施形態にかかる医用画像管理装置1における主制御手段130は、操作履歴の記録に基づいて、医用画像の表示態様の変更操作の操作履歴を、処理操作再現画像(図6/操作内容表示領域T)に並行して表示させる。さらに主制御手段130は、操作履歴の記録に基づき、マウスカーソルCの画面上の座標位置を変更させて表示させる処理を行う。主制御手段130は、上記「画像の表示態様の変更表示」、「操作履歴の表示」、「マウスカーソルCの移動表示」を全て対応付け、同期して表示させる。このため、例えばこれらの主制御手段130の処理は、所定の時間の間隔で並行して同時に行われる。例えば図6に示す処理操作再現画像においては、画面上に操作履歴を文字で表示する操作内容表示領域TとマウスカーソルCが表示されている。
【0063】
主制御手段130は、上述のような画像表示態様の変更操作の再現表示を開始してから、操作履歴の終端の記録までを読み出して各種処理を完了するまでの間、再現表示をし続けるものとする。また、閲覧者による再現表示の停止操作があったときも再現表示を停止する。また、再現画像の閲覧者が改めて再現画像リストを表示させる操作を行ったときも、当該再現表示を停止する。なお、この再現表示については、例えば所定フレーム分、または所定の時間、操作履歴に基づく表示態様の変更処理が行われない場合には、次の変更処理があるフレームや変更処理がある時点までスキップして表示させることも可能である。なお、本実施形態における主制御手段130は、本発明の「制御手段」の一例に該当する。
【0064】
さらに主制御手段130は、操作手段120の操作を介して、画像表示態様の変更操作の再現表示を開始してから、当該表示の「一時停止」、「スロー再生」、「早送り」、「巻戻し」等を行うことが可能である。例えば主制御手段130は、一時停止の操作がされると、まず操作履歴の読み出し、変更処理の実行を停止する。さらに主制御手段130は、一時停止の操作の直前に表示されていた画像および操作履歴の記録を表示し続ける。一時停止の解除(再生)操作がされると、主制御手段130は、操作履歴の読み出し、変更処理の実行を再開する。この一時停止の操作は、例えば主制御手段130による再現表示中に操作者が何らかのマウス操作をすることによって行う構成でもよい。また再現表示画面に一時停止をするソフトキーを設けてもよい。また他の操作手段120(キーボード等)の操作によって一時停止する構成でもよい。
【0065】
スロー再生の操作がされると、主制御手段130は、所定の時間間隔より長い間隔で再現表示を行う。早送りの操作がされると、主制御手段130は、所定の時間間隔より短い間隔で再現表示を行う。スロー再生、早送りについて主制御手段130は、操作履歴の読み出しの間隔の長短を調整してもよく、変更処理の実行の間隔を調整してもよく、また読み出し・変更処理については通常の間隔で、表示の間隔を調整する構成であってもよい。
【0066】
巻き戻しの操作がされると、主制御手段130は、当該操作の時点から遡って操作履歴の読み出しを行う。さらに主制御手段130はそれにしたがって変更処理の実行を行い、再現表示をする。このとき主制御手段130は所定の時間間隔より短い間隔で再現表示を行ってもよい。なお主制御手段130は、操作履歴に基づき、行われた一連の「操作イベント」ごとや、選択された「マウスモードMM」ごとに早送り、巻き戻しを行うように構成してもよい。例えば、主制御手段130は早送り操作に応じて、操作履歴におけるマウスモードMM1での右ドラッグ操作の一連の動作について早送りをする。さらに主制御手段130は、操作履歴における次の操作イベントに切り替わる部分まで読み出しが到達すると、再び所定の速度に戻して再現表示を行う。いわゆる頭出しのようにすることも可能である。
【0067】
また主制御手段130は、画像表示態様の変更処理の再現画像の表示をしつつ、操作履歴における次の操作イベント名を表示する構成であってもよい。すなわち、主制御手段130は、所定の時間の間隔で操作履歴を読み出し、画像データに変更処理を実行し、画像の表示態様を変更していくのと同時に、操作履歴の記録における次の操作イベント名およびマウスモードMMをあらかじめ読み出す。読み出した次の操作イベント名およびマウスモードMMは、処理操作再現画像(図6)の操作内容表示領域Tと並行して、次の操作を表示する。このとき、当該次の操作イベントに応じた変更処理内容も併せて、次の操作イベント名とともに表示してもよい。また、当該次の操作イベントだけでなくマウスカーソルの移動方向も並行して表示してもよい。
【0068】
上述のように本実施形態にかかる医用画像管理装置1では、医用画像表示装置100において画像表示態様の変更処理にかかる操作の履歴を記録し、さらに当該操作履歴の記録から、画像表示態様の変更処理の操作を再現することが可能である。したがって、医用画像の読影を行う医師等は、表示された変更処理の操作再現画像を閲覧し、参照することにより、医用画像表示装置ごとや医師ごと等に設定された特有の操作について習得することができる。結果として本実施形態にかかる医用画像管理装置1は、医師等による読影操作の支援を行うことによって、医師等の読影技術の研鑽を図るとともに、読影効率の向上を図ることが可能である。
【0069】
(医用画像保管装置)
次に、本実施形態の医用画像管理装置1における医用画像保管装置300、301について図2を参照して説明する。ここでは、医用画像保管装置300の構成例について説明する。
【0070】
図2に示すように医用画像保管装置300は、送受信手段320と、主制御手段330と、画像データ記憶手段340と、操作情報記憶手段350とを有して構成される。送受信手段320は、医用画像診断装置50、60や、医用画像管理装置1に含まれる各機器および、HIS、RIS等と情報の送受信を行う。例えば医用画像保管装置300が、医用画像診断装置50、60等から医用画像の画像データおよび付加データを受信し、または画像データの読み出し要求を受けて画像データを送信する場合、インターフェースとしての送受信手段320を介して送受信が行われる。なお、この送受信手段320としては、LANカード等のネットワークアダプタや、インターネットに接続するためのモデム等の通信装置等およびこれらの組み合わせを用いることが可能である。
【0071】
主制御手段330は、送受信手段320が受信した各種データを記憶手段それぞれ(340、350等)に記憶させる。また主制御手段330は、送受信手段320を介して受けた各種データの読み出し要求に基づき、記憶手段それぞれからデータを読み出して要求元の装置に送信する制御を行う。この主制御手段330としてはCPUやMPU等の演算制御装置を含んで構成される。
【0072】
画像データ記憶手段340および操作情報記憶手段350はともに、HDD等の記憶装置を含んで構成される。このうち画像データ記憶手段340は、送受信手段320を介して医用画像診断装置50、60から受信した医用画像の画像データ・付加データや、画像処理等の表示態様の変更処理が施された画像データ、操作履歴の記録と関連付けられた変更処理前の画像データ等を読み出し可能に記憶している。また、画像データ記憶手段340に記憶されたこれらの画像データ等は、「患者ID」、「患者氏名」、「患者の性別」、「検査日付」、「検査種類」等の情報に関連付けられて記憶されている。
【0073】
また、操作情報記憶手段350は、送受信手段320を介して医用画像表示装置100等から受信した操作履歴保存テーブル90(図5)のデータを読み出し可能に記憶している。これら画像データ記憶手段340、操作情報記憶手段350に各種データを記憶させる制御は主制御手段330が実行する。また各種データの読み出しは、医用画像保管装置300等が、医用画像表示装置100等からのデータの送信要求にかかる制御信号を受けることによって、主制御手段330が画像データ記憶手段340や操作情報記憶手段350から当該要求に応じて実行する。さらに主制御手段330は、送受信手段320を介して読み出したデータを、データの要求元の装置等に送信する。
【0074】
なお、医用画像保管装置301は、医用画像保管装置300と同様の構成とすることが可能である。また、医用画像保管装置300と医用画像保管装置301との少なくともいずれか一方を、HDDやNAS(ネットワーク接続ストレージ;Network Attached Storage)として構成とすることも可能である。
【0075】
(動作)
次に、上記説明した第1実施形態における医用画像管理装置1の動作について図7〜図9を参照して説明する。図7は、この発明の第1実施形態にかかる医用画像表示装置100による、画像処理等の画像の表示態様の変更作業において、検査リストが表示されてからマウスモードMM1〜MMnが選択されるまでの動作の概略を示すフローチャートである。図8は、この発明の第1実施形態にかかる医用画像表示装置100による、画像処理等の画像の表示態様の変更作業において、マウスモードMM下でマウス操作を受け付けてから、操作履歴を記憶するまでの動作の概略を示すフローチャートである。
【0076】
まず、本実施形態にかかる医用画像表示装置100による、画像処理等の画像の表示態様の変更作業において、操作履歴を記憶するまでの動作について図7および図8に基づいて説明する。
【0077】
(ステップ01)
医師等が所望の医用画像を閲覧するために、表示手段140の画面に表示された検査リストの一覧から操作手段120を介して所望の検査を選択する操作を行うと、当該選択操作を受けて主制御手段130は、送受信手段110を介して医用画像保管装置300等に、選択された検査にかかる医用画像の画像データを要求する制御信号を送信する。その結果、医用画像表示装置100等が送受信手段110を介して、医用画像保管装置300等から画像データおよび当該画像データに対応する付加データを受信する。
【0078】
(ステップ02)
主制御手段130は、記憶手段150から医用画像の表示画面の画面フォーマットを読み出すとともに、受信した画像データ等を画面フォーマットに割り当て、医用画像または医用画像の一覧(サムネイル表示)等(ともに不図示)を表示手段140に表示させる。
【0079】
(ステップ03)
ここで主制御手段130は、医師等の操作者による操作手段120を介したマウスモードMM1〜MMnの選択操作があったかについて、操作信号の受信の有無によって確認する。選択操作が無い場合(ステップ03;No)、当該選択操作があるまでこの確認を継続する。
【0080】
(ステップ04)
マウスモードMM1〜MMnの選択操作があると(ステップ03;Yes)、選択されたマウスモードMMに切り替わる。すなわち主制御手段130は、記憶手段150の操作設定テーブル80(図4)から、選択されたマウスモードMM1の情報を取得し、変更処理制御手段160に送信する。さらに変更処理制御手段160は取得したマウスモードMMの情報に基づいた画像表示態様の変更処理が可能な状態となる。
【0081】
(ステップ05)
マウス等の操作手段120の操作があると、操作手段120から主制御手段130に操作信号が送信される。主制御手段130は、当該操作信号に基づき、表示手段140の画面上のマウスカーソルCの位置を移動させて表示させる。さらに主制御手段130は「マウスモードMM」、当該操作量の情報からマウスカーソルCの「座標位置の移動量の情報」・「移動方向」およびドラッグ等の「操作内容」を含む操作信号を、変更処理制御手段160に送信する。
【0082】
(ステップ06)
さらに変更処理制御手段160は取得したマウスモードMM1の情報に基づき、操作イベント(例えば「右ドラッグ」)の情報から表示態様の変更処理の種別(操作イベント;例えば「階調処理」)を認識し、かつ操作手段120によるマウスカーソルCの移動方向の情報から当該変更処理の種別における具体的な変更処理内容(例えばウインドウレベルを増加)を実行する操作であることを認識する。さらに変更処理制御手段160は、マウス等の操作量の情報に基づき、医用画像の画像データに対し当該変更処理を行う。
【0083】
(ステップ07)
変更処理制御手段160は、マウスモードMM1にかかる情報を取得した時点から、変更処理操作の履歴の記録を開始する。すなわち変更処理制御手段160は、記憶手段150の操作履歴保存テーブル90(図5)に、主制御手段130から取得した「マウスモードMM」、「操作イベント名」、画面上におけるマウスカーソルCの座標位置(X,Y)等を、現在年月日および1000分の1秒単位の現在時刻と対応させ、記憶させる。
【0084】
(ステップ08)
変更処理制御手段160は、主制御手段130を介して操作手段120から画像表示態様の変更処理が完了した旨の操作信号を受けると記録を完了する。その他、変更処理制御手段160は「マウスモードMMが解除されたとき」、「記録停止の操作を受けたとき」「操作手段120が操作されなくなってから所定の時間が経過したとき」等、においても当該記録を完了する。
【0085】
(ステップ09)
変更処理制御手段160が記録を完了し、変更処理の内容が確定すると、主制御手段130は、送受信手段110を介し、操作履歴保存テーブル90を医用画像保管装置300等に送信する。医用画像保管装置300は、主制御手段330により操作情報記憶手段350等に当該操作履歴保存テーブル90を記憶させる。
【0086】
次に、本実施形態にかかる医用画像表示装置100による、医用画像の読影作業において、医用画像の表示態様の変更処理操作の再現表示がなされるまでの動作について説明する。
【0087】
医師等は、画像表示態様の変更処理の再現画像を閲覧するために、再現画像リストから、再現画像の選択操作を行う。主制御手段130は、当該選択操作を受けて医用画像保管装置300等に、操作履歴の記録と、表示態様の変更処理前の画像データを要求する制御信号を送信する。
【0088】
この主制御手段130による制御信号に応じて、医用画像表示装置100等が送受信手段110を介して、操作履歴保存テーブル90(図5)から読み出された操作履歴の記録と、表示態様の変更処理前の画像データを受信する。主制御手段130は、当該操作履歴等を受信すると、処理操作再現画像(図6)を表示し、かつ操作設定テーブル80(図4)を読み出す。さらに主制御手段130は、読み出した操作設定テーブル80を参照し、受信した操作履歴の記録に基づいて、処理前の画像データに、画像表示態様の変更処理を実行する。主制御手段130は、変更処理が実行された画像データを順次表示手段140に表示させ、処理操作再現画像の変化の状態を表示するとともに、操作内容表示領域TにマウスモードMMや、操作履歴、処理内容を並行して同時に表示する(図6参照)。
【0089】
(作用・効果)
上述した本実施形態にかかる医用画像管理装置1の作用及び効果について説明する。
【0090】
上述した本実施形態の医用画像管理装置1では、医用画像表示装置100において医用画像の読影をする際、読影のために医用画像の表示態様の変更処理をあらかじめ設定された操作によって行うことができる。また変更処理の操作の履歴は、処理内容に応じて所定の間隔で記録される。
【0091】
さらに医用画像管理装置1では、この記録された操作の履歴と、変更処理前の画像データと、操作内容と処理内容を対応付けた操作設定テーブル80(図4)とに基づいて、表示された医用画像の表示態様の変更処理にかかる操作の再現表示および操作内容を示す情報(例えば文字情報)を並行して表示することが可能である。
【0092】
したがって、本実施形態の医用画像管理装置1では、医用画像の読影の際、医師等が医用画像の表示態様の変更処理にかかる操作の再現表示および並行して表示された操作内容を示す情報を参照することにより、医用画像表示装置ごとや医師ごと等に設定された特有の操作について習得することができる。結果として本実施形態にかかる医用画像管理装置1は医師等による読影操作の支援を行うことが可能である。
【0093】
[第2実施形態]
次にこの発明の第2実施形態にかかる医用画像管理装置1の構成について説明する。第2実施形態においては、前述の第1実施形態と比較して、医用画像の表示態様の変更処理時において、変更処理制御手段160が記録する記録内容が異なる。さらに第2実施形態にかかる医用画像管理装置1は、図6に示すような処理操作再現画像を表示するために用いるデータが異なる。第2実施形態にかかる医用画像管理装置1におけるその他の部分については第1実施形態と同様である。以下、第2実施形態の医用画像管理装置1について第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0094】
[画像表示態様の変更処理履歴の記録制御]
まず第2実施形態にかかる医用画像管理装置1における画像表示態様の変更処理の操作等の履歴の記録にかかる制御について説明する。
【0095】
第2実施形態にかかる医用画像管理装置1においても、医用画像表示装置100によって、上述のように医用画像の表示態様の変更処理を行うことができる。また第1実施形態と同様に、マウスモードMMの選択操作がなされたときに、変更処理制御手段160が識別IDなどと、操作内容情報およびマウスカーソルCの画面上の座標位置の履歴とを対応づけ、所定の時間の間隔ごとに操作履歴保存テーブル90(図5)として記憶手段150に記憶させる。ここで第2実施形態にかかる変更処理制御手段160は、これらの操作履歴保存テーブル90に対応付けて、表示手段140に表示された医用画像が当該変更処理によって表示態様を変化される過程を、画像データとして連続的または断続的に記憶手段150に記憶させる。
【0096】
この表示態様の変化の過程を示す画像(以下、「変化表示画像」という)は、変更処理制御手段160により、変更処理にかかる操作履歴と同じ間隔(例えば1000分の1秒)で、かつ操作履歴に対応付けられて記憶手段150に記憶される。
【0097】
また、この変化表示画像は、変更処理にかかる操作履歴と同じタイミングで記憶が開始され、また同じタイミングで記憶が終了される。ただし、この画像の記憶のみ、操作履歴の記録より早いタイミングで開始してもよい。また第1実施形態と同様に、必ずしも操作履歴の記録が終了したときに必ず、当該画像の記憶を終了させる必要はない。
【0098】
このようにして変更処理制御手段160によって記憶手段150に記憶された変化表示画像は、操作履歴保存テーブル90とともに、関連付けられて医用画像保管装置300等に記憶される。すなわち主制御手段130は送受信手段110を介して、変化表示画像と操作履歴保存テーブル90とを関連付けて医用画像保管装置300等に送信する。医用画像保管装置300等は、主制御手段330等により送受信手段320を介して受信した変化表示画像を画像データ記憶手段340に記憶する。このとき主制御手段330は、操作履歴保存テーブル90を、変化表示画像と関連付けて操作情報記憶手段350に記憶させる。
【0099】
[画像表示態様の変更処理操作の再現表示の制御]
次に、第2実施形態にかかる医用画像管理装置1における変更処理操作等の再現表示の制御について説明する。
【0100】
第2実施形態にかかる医用画像管理装置1においても、図6に示すような処理操作再現画像により、画像表示態様の変更処理操作を再現して表示させることができる。ただし、第2実施形態にかかる処理操作再現画像を表示するための制御内容および、取り扱うデータが、第1実施形態と異なる。すなわち医師等が、再現画像リストから、操作手段120を介して所望の処理操作の再現画像を選択する操作を行うと、当該選択操作を受けて主制御手段130が医用画像保管装置300等から、変化表示画像の画像データと、当該画像データに関連付けられた操作履歴保存テーブル90(図5)とを取得する。
【0101】
主制御手段130は、当該画像データ等を受信すると、記憶手段150から図6に示すような処理操作再現画像の表示画面の画面フォーマットを読み出す。さらに主制御手段130は、当該受信した処理前の画像データを割り当てる。主制御手段130によるこれらの制御は、第1実施形態と同様である。ここで第2実施形態の医用画像表示装置100では、主制御手段130が処理操作再現画像(図6)を表示するために、操作設定テーブル80(図4)を用いない。つまり第2実施形態における医用画像表示装置100の主制御手段130は、あらかじめ記憶されていた表示態様の変化の過程を示す変化表示画像を画面フォーマットに割り当てる処理のみによって、処理操作再現画像を表示させる。
【0102】
なお、第2実施形態にかかる医用画像表示装置100においても、主制御手段130が、操作履歴の記録に基づいて、図6に示すような医用画像の表示態様の変更操作の操作履歴を、処理操作再現画像に表示する。さらに主制御手段130は、操作履歴の記録に基づき、マウスカーソルCの画面上の座標位置を変更させて表示させる処理を行う。これらの点については、第1実施形態と同様である。ただし、変化表示画像にマウスカーソルCの移動も記録されている場合、すなわちマウスカーソルCを変化表示画像の一部として記憶している場合、当該処理は行われない。
【0103】
(作用・効果)
上述した第2実施形態の医用画像管理装置1によっても、第1実施形態と同様に、医師等が医用画像の表示態様の変更処理にかかる操作の再現表示および並行して表示された操作内容を示す情報を参照することにより、医用画像表示装置ごとや医師ごと等に設定された特有の操作について習得することができる。結果として本実施形態にかかる医用画像管理装置1は医師等による読影操作の支援を行うことが可能である。
【0104】
また、第2実施形態における医用画像管理装置1は、第1実施形態と比較して変化表示画像の記録および当該画像の画像データの保存、読み出し等の処理が生じる。しかし、処理操作再現画像の表示処理においては、画面フォーマットに画像データを割り当てる処理を行うのみでよい。
【0105】
[第3実施形態]
次にこの発明の第3実施形態にかかる医用画像管理装置1の構成について説明する。第3実施形態においては、前述の第1実施形態または第2実施形態と構成および制御内容が重複する。ただし、第3実施形態においては操作履歴保存テーブル90(図5)に基づいて、画像の表示態様の変更処理の操作それぞれ(以下、単に「各処理操作」という)の所要時間を集計し、統計情報として表示する。
【0106】
医用画像保管装置300等は、医用画像表示装置100から図5に示すような操作履歴保存テーブル90を受信すると、操作情報記憶手段350に当該操作履歴保存テーブル90を記憶させる。第3実施形態にかかる医用画像保管装置300等の主制御手段330は、さらに操作情報記憶手段350に記憶された操作履歴保存テーブル90と医用画像の画像データに付加された付加データを基に、各処理操作にかかる所要時間を集計し、統計情報を生成する。例えば主制御手段330は、記憶された操作履歴保存テーブル90から、各処理操作内用と、処理内容と、所要時間の情報を収集する。さらに主制御手段330は、この各処理操作に関連付けられた画像データに基づき付加データを参照する。主制御手段330は、この参照した付加データから、「医用画像診断装置のモダリティ」、「撮影方法」、「画像種別」、「撮影部位」、「撮影条件」等の情報を収集する。
【0107】
医用画像保管装置300の主制御手段330は、これらの関連する各種情報からどのような条件(撮影条件等)の医用画像に対し、どのような各種変更処理がなされ、その変更処理にかかった所要時間を、上記収集した情報ごとの各観点から統計をとる処理を行う。例えば、主制御手段330は、保管した全ての操作履歴保存テーブル90の操作履歴の情報の中から、X線CT装置による頭部の血管造影の画像に対してのウインドウ変換処理にかかる操作履歴の情報を特定し、当該処理にかかった所要時間を集計することが可能である。さらに主制御手段330はこの集計した情報を、例えば一覧表示しまたはグラフ表示することが可能である。
【0108】
(作用・効果)
上述した第3実施形態の医用画像管理装置1では、どのような条件の医用画像に対し、どのような各種変更処理がなされ、その変更処理にかかった所要時間を、上記収集した情報ごとの各観点から統計をとる処理を行う。したがって、医師等は当該統計をとった情報をグラフ表示等の形式で参照することにより、医用画像表示装置ごとや医師ごと等に設定された特有の操作のうち、どの変更処理操作に時間がかかるか、もしくはどの変更処理操作に重点がおかれているかについて習得することができる。結果として本実施形態にかかる医用画像管理装置1は医師等による読影作業の支援を図ることが可能である。
【0109】
また、第3実施形態における医用画像管理装置1によれば、読影作業の経験が少ない医師等は、自らが画像表示態様の変更処理操作に要している時間と、読影経験が豊富な医師等の当該操作に要している時間とを対比することができる。
【0110】
[第1変形例]
次に、上記実施形態にかかる医用画像管理装置1の第1変形例について図9を参照して説明する。図9は、この発明の実施形態の第1変形例にかかる、医用画像管理装置1の医用画像表示装置100に記憶された操作履歴保存テーブル90の概要を示す概略図である。
【0111】
図9に示すように当該マウスモードMMでの操作イベントに割り当てられた処理内容(例えば「階調処理」)と、記録時点で画像表示態様の変更処理が行われていれば、変更処理結果も加えて対応付けて記録する構成とすることも可能である。
【0112】
ここで変更処理結果とは、階調処理の場合であれば、「現在のウインドウレベルの値」、「ウインドウレベルの増減値」等の少なくとも一方を示す情報である。「マウスモードMM1」、操作イベント「右ドラッグ」の場合は、当該マウスモードMM1での操作「右ドラッグ」に割り当てられた処理内容「階調操作」と、移動された座標位置(X,Y)=(0,10)と、マウスの移動方向に基づいた変更処理結果「WL82(WL増)」とを記録する。また、この変形例における操作履歴保存テーブル90に記録される「処理内容」、「変更処理結果」のうち少なくともいずれか一方は、本発明の「実行された表示変更処理にかかる処理情報」の一例に該当する。
【0113】
この第1変形例においては、処理操作再現画像(図6)を表示するにあたり、医用画像表示装置100の主制御手段130は次のような処理を行う。主制御手段130は操作履歴の情報と処理前の医用画像の画像データを取得すると、操作履歴の情報を参照する。さらに主制御手段130は、参照した操作履歴の情報における変更処理結果の情報に基づき、所定間隔で当該画像データに対し、変更処理を実行する。この変更処理が施された画像データは、表示手段140に表示される。つまりこの第1変形例も第2実施形態と同様に、主制御手段130が、処理操作再現画像(図6)を表示するために、操作設定テーブル80(図4)を用いない構成である。
【0114】
[第2変形例]
次に図10を参照して、上記実施形態の第2変形例について説明する。図10は、この発明の実施形態の第2変形例にかかる処理操作再現画像(図6)の検索をするための画像検索画面78を示す概略図である。
【0115】
第2変形例における医用画像管理装置1では、処理操作再現画像を検索するために図10に示すような画像検索画面78が用いられる。この画像検索画面78は例えば医用画像表示装置100に記憶されている。図10に示すように画像検索画面78は、「操作者ID/端末ID」の選択領域、「画像種別」の選択領域、「撮影部位」の選択領域を少なくとも有している。この変形例では、この画像検索画面78の各項目の少なくとも1項目を選択することにより、選択した項目にかかる操作履歴や画像データを読み出し処理操作再現画像を表示することが可能である。例えば、医師等が医用画像表示装置100の操作手段120等によって、画像検索画面78上で、画像の表示態様の変更処理を行った操作者のID「AAA」を選択すると、主制御手段130が操作者ID「AAA」該当する操作履歴や画像データを特定する。さらに医師等がモダリティ「MRI」を選択すると、情報「AAA」によって特定した操作履歴等からさらにモダリティで特定をする。さらに撮影法「SE」や、画像「T1強調画像」、撮影部位「脳」等を選択するとさらに操作履歴等の検索結果を絞ることができる。この画像検索画面78に用いる検索クエリは、操作履歴保存テーブル90や医用画像の画像データに付加された付加データが基準となる。
【0116】
第2変形例では、読影にかかる画像表示態様の変更処理の経験が少ない者、すなわち特有のマウスモードMM1〜MMnの操作に慣れていない者が、処理操作再現画像により当該変更処理を習得しようとする場合、画像種別や撮影部位を基準に画像検索することができる。したがって、モダリティ、画像種別や撮影部位に基づいて処理操作再現画像を検索しようとするとき、検索が容易である。
【0117】
[第3変形例]
次に、上記実施形態にかかる医用画像管理装置1の第3変形例について図11を参照して説明する。図11は、この発明の実施形態の第3変形例にかかる医用画像管理装置1の医用画像表示装置100に表示された処理操作再現画像および操作内容表示領域の概要を示す概略図である。上記実施形態にかかる医用画像管理装置1は、医用画像表示装置100の主制御手段130が処理操作再現画像の操作内容表示領域Tに操作履歴等を示す文字情報を表示させている(図6参照)。しかし本発明にかかる医用画像管理装置においてはこの構成に限られない。例えば図11に示すように、操作手段120を示す図と、文字情報を組み合わせて表示することも可能である。操作履歴保存テーブル90に記録された操作履歴が、上記実施形態に示したマウスモードMM1における階調処理であった場合であれば、図11に示す処理操作再現画像のように表示する。すなわち処理操作再現画像では、マウスの図を示すとともに、当該処理の際、押下・回転等の操作を実行しているマウスボタン等の部分の色を変更するなどして他の部分と区別し強調して表示される。例えば図11に示すように、この変形例の処理操作再現画像における操作内容表示領域Tでは、上記実施形態において「右ドラッグ」と文字で示していた情報の代わりに、マウスの図を示すとともに右クリックボタンRの部分の色表示を変更させ状態を維持して表示させる。
【0118】
この第3変形例では、処理操作再現画像により読影にかかる画像表示態様の変更処理を習得しようとする場合、当該変更処理にかかる操作をより直感的に把握することが可能となる。
【0119】
また、以上説明した第1変形例乃至第3変形例にかかる医用画像管理装置の構成によっても、上記実施形態と同様の効果を実現することができる。
【符号の説明】
【0120】
1 医用画像管理装置
50、60 医用画像診断装置
78 画像検索画面
80 操作設定テーブル
90 操作履歴保存テーブル
100、101 医用画像表示装置
110、320 送受信手段
120 操作手段
130、330 主制御手段
140 表示手段
150 記憶手段
160 変更処理制御手段
300、301 医用画像保管装置
340 画像データ記憶手段
350 操作情報記憶手段
C マウスカーソル
L 左クリックボタン
N ネットワーク
R 右クリックボタン
W マウスホイール
T 操作内容表示領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像を画面上に表示する表示手段と、
複数種類の操作が可能であり、かつ前記画面上の各座標位置を指示可能な操作手段と、
前記複数種類の操作の操作種別と、医用画像の表示態様の複数種類の変更処理の種別と、前記操作手段による前記画面上における指示位置の移動方向とを関連付けた操作設定情報をあらかじめ記憶する記憶手段と、
前記操作設定情報の選択、前記操作および前記指示位置の移動が実行されることにより、該選択された操作設定情報に基づいて、前記表示手段に表示された前記医用画像の表示態様を変更する表示変更処理手段と、
前記表示変更処理手段により前記表示態様が変更されると、前記操作手段による前記操作種別ごとの操作と、前記指示位置とを所定のタイミングで記録する記録手段と、
前記記録手段による記録結果と前記操作設定情報とに基づいて、前記医用画像の表示態様の変化と該記録結果とを並行して表示手段に再現表示させる制御手段と、
を備えることを特徴とする医用画像管理装置。
【請求項2】
前記記憶手段における前記操作設定情報には、前記操作種別と、前記変更処理の種別と、前記指示位置の移動方向とに加えて、さらに該指示位置の移動量に応じた該表示態様の変化量も関連付けられていること、
を特徴とする請求項1に記載の医用画像管理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記記憶手段から前記操作設定情報を読み出し、かつ該操作設定情報を参照するとともに、前記記録された前記指示位置の移動から求められる前記移動方向および前記操作種別の情報に基づき、前記医用画像の表示態様の変化を表示させること、
を特徴とする請求項1に記載の医用画像管理装置。
【請求項4】
前記記録手段は、前記操作種別ごとの操作とともに、前記表示処理手段による前記医用画像の表示態様の変化をさらに前記タイミングで記録し、
前記制御手段は、前記記録された表示態様の変化に基づいて、前記医用画像の表示態様の変化を表示すること
を特徴とする請求項1に記載の医用画像管理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記記録結果を特徴とする請求項1に記載の医用画像管理装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記記録手段の記録結果と、前記操作設定情報による前記医用画像の表示態様の変化を並行して表示させるとき、該記録結果において前記指示位置が移動していない期間を検索し、かつ該期間がある場合は、該期間についての表示を省略すること、
を特徴とする請求項1に記載の医用画像管理装置。
【請求項7】
前記制御手段が、前記記録結果の統計をとるとともに、表示手段に表示すること、
を特徴とする請求項1に記載の医用画像管理装置。
【請求項8】
医用画像を表示する表示手段と、
前記表示された医用画像に対する複数種類の表示変更処理の内容をそれぞれ示す複数の処理情報と、該各表示変更処理を行うための複数種類の操作内容をそれぞれ示す操作情報とを対応付けて記憶する操作設定記憶手段と、
前記複数種類の操作に用いられる操作手段と、
前記操作手段に対し前記複数種類の操作の少なくともいずれか1つが実行されると、該操作に該当する前記操作情報を特定し、かつ前記操作設定記憶手段から該操作情報に対応する前記処理情報を読み出し、かつ前記医用画像に対し、該読み出された処理情報に応じて前記表示された医用画像に前記表示変更処理を実行する表示変更処理手段と、
前記表示変更処理手段によって前記医用画像に表示変更処理がなされると、前記実行された操作にかかる操作情報と前記実行された表示変更処理にかかる処理情報とを、所定時間ごとに対応付けて記録する操作内容記録手段と、
前記記録の後、前記表示変更処理による該医用画像の表示態様の変化を前記表示手段に再現表示するとともに、前記操作内容記録手段による記録結果を該再現表示と並行して表示手段に表示させる制御手段と、
を備えることを特徴とする医用画像表示装置。
【請求項1】
医用画像を画面上に表示する表示手段と、
複数種類の操作が可能であり、かつ前記画面上の各座標位置を指示可能な操作手段と、
前記複数種類の操作の操作種別と、医用画像の表示態様の複数種類の変更処理の種別と、前記操作手段による前記画面上における指示位置の移動方向とを関連付けた操作設定情報をあらかじめ記憶する記憶手段と、
前記操作設定情報の選択、前記操作および前記指示位置の移動が実行されることにより、該選択された操作設定情報に基づいて、前記表示手段に表示された前記医用画像の表示態様を変更する表示変更処理手段と、
前記表示変更処理手段により前記表示態様が変更されると、前記操作手段による前記操作種別ごとの操作と、前記指示位置とを所定のタイミングで記録する記録手段と、
前記記録手段による記録結果と前記操作設定情報とに基づいて、前記医用画像の表示態様の変化と該記録結果とを並行して表示手段に再現表示させる制御手段と、
を備えることを特徴とする医用画像管理装置。
【請求項2】
前記記憶手段における前記操作設定情報には、前記操作種別と、前記変更処理の種別と、前記指示位置の移動方向とに加えて、さらに該指示位置の移動量に応じた該表示態様の変化量も関連付けられていること、
を特徴とする請求項1に記載の医用画像管理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記記憶手段から前記操作設定情報を読み出し、かつ該操作設定情報を参照するとともに、前記記録された前記指示位置の移動から求められる前記移動方向および前記操作種別の情報に基づき、前記医用画像の表示態様の変化を表示させること、
を特徴とする請求項1に記載の医用画像管理装置。
【請求項4】
前記記録手段は、前記操作種別ごとの操作とともに、前記表示処理手段による前記医用画像の表示態様の変化をさらに前記タイミングで記録し、
前記制御手段は、前記記録された表示態様の変化に基づいて、前記医用画像の表示態様の変化を表示すること
を特徴とする請求項1に記載の医用画像管理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記記録結果を特徴とする請求項1に記載の医用画像管理装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記記録手段の記録結果と、前記操作設定情報による前記医用画像の表示態様の変化を並行して表示させるとき、該記録結果において前記指示位置が移動していない期間を検索し、かつ該期間がある場合は、該期間についての表示を省略すること、
を特徴とする請求項1に記載の医用画像管理装置。
【請求項7】
前記制御手段が、前記記録結果の統計をとるとともに、表示手段に表示すること、
を特徴とする請求項1に記載の医用画像管理装置。
【請求項8】
医用画像を表示する表示手段と、
前記表示された医用画像に対する複数種類の表示変更処理の内容をそれぞれ示す複数の処理情報と、該各表示変更処理を行うための複数種類の操作内容をそれぞれ示す操作情報とを対応付けて記憶する操作設定記憶手段と、
前記複数種類の操作に用いられる操作手段と、
前記操作手段に対し前記複数種類の操作の少なくともいずれか1つが実行されると、該操作に該当する前記操作情報を特定し、かつ前記操作設定記憶手段から該操作情報に対応する前記処理情報を読み出し、かつ前記医用画像に対し、該読み出された処理情報に応じて前記表示された医用画像に前記表示変更処理を実行する表示変更処理手段と、
前記表示変更処理手段によって前記医用画像に表示変更処理がなされると、前記実行された操作にかかる操作情報と前記実行された表示変更処理にかかる処理情報とを、所定時間ごとに対応付けて記録する操作内容記録手段と、
前記記録の後、前記表示変更処理による該医用画像の表示態様の変化を前記表示手段に再現表示するとともに、前記操作内容記録手段による記録結果を該再現表示と並行して表示手段に表示させる制御手段と、
を備えることを特徴とする医用画像表示装置。
【図1】
【図2】
【図10】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図2】
【図10】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【公開番号】特開2011−78527(P2011−78527A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−232496(P2009−232496)
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
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