説明

医用画像表示システム及びプログラム

【課題】医用画像の表示後、読影作業に移行する前に必要であった無駄な操作をなくすことで、ユーザである読影医の負担を低減する。
【解決手段】医用画像表示システム100によれば、クライアント端末20のCPU21は、選択された検査の医用画像群を医用画像DB161から取得して表示部23のビューア画面231に表示する際に、表示する医用画像群のうち予め設定された初期選択対象画像の条件に合致する医用画像を操作部22による操作対象として予め選択された状態でビューア画面231を初期表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像表示システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療の分野では、患者を撮影した医用画像のデジタル化が実現されている。デジタル化は、CR(Computed Radiography)装置、CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置等の画像生成装置、カセッテ読み取り装置等の各種モダリティにより行われる。デジタル化された医用画像は、患者の患者情報や検査情報等とともにデータ管理サーバにより一元的に管理される。具体的には、医用画像とDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格に適合するDICOM基本情報(付帯情報)とがデータ管理サーバのデータベースに登録され、管理されている。
【0003】
近年、CT装置やMRI装置のような多数のシリーズを有する検査の増加に伴い、医用画像を表示手段に表示する際の初期表示の重要性が求められている。これは、シリーズ数が多いため、初期表示の段階で意図したシリーズの医用画像群を意図した場所に表示させ、少しでも操作の負担削減を図りたい、およびスムーズな読影操作の開始を行いたいというユーザの要望から生じている。
【0004】
これに対し、例えば、特許文献1には、複数の医用画像を、撮影方向や撮影手技のようなパラメータに基づいて観察に有効な位置関係に並べて表示するシステムが記載されている。また、初期表示の際の医用画像の配置条件をユーザが予め指定しておき、指定された配置条件で医用画像を初期表示する、所謂ハンギングプロトコル機能も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−056953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の記載の技術やハンギングプロトコル機能によれば、医用画像を表示する際の配置については考慮されている。しかしながら、操作対象として初期選択される医用画像についての配慮はなく、一般的に、表示手段において最も左上に配置された医用画像が操作対象として選択された状態で初期表示されるようになっている。これでは、せっかく読影しやすいように医用画像を並べて初期表示を行ったとしても、ユーザは、まず操作対象の医用画像を探して選択する作業を行う必要があり、即座に読影作業(画像切替操作や画像処理操作)に移行することができない。
【0007】
例えば、CT装置では、一般的に、先頭のシリーズに、断層画像が人体のどの位置を表示しているかを示すスカウト画像を割り当てており、読影対象となる医用画像は2シリーズ目以降に割り当てられている。読影に際しては、2シリーズ目以降の医用画像群について画像切替操作を行ったり、画像処理操作を行ったりして読影を行っていくこととなる。しかし、スカウト画像は一般的に最も左上に配置されることが多く、最も左上に配置されて表示された医用画像が操作対象として選択された状態で初期表示を行うと、スカウト画像が選択された状態で初期表示されていることとなってしまう。そのため、ユーザは、医用画像が表示された後、まずは読影対象の医用画像を探して選択するという無駄な処理を行うことが必要となってしまう。
【0008】
本発明の課題は、医用画像の表示後、読影作業に移行する前に必要であった無駄な操作をなくすことで、ユーザである読影医の負担を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の医用画像表示システムは、
表示手段と、
操作手段と、
付帯情報を有する医用画像群を記憶する記憶手段と、
前記表示手段に複数の医用画像を表示する際に前記操作手段による操作対象として予め選択された状態で表示する医用画像の条件を設定するための設定手段と、
前記記憶手段に記憶されている医用画像群の中から前記表示手段の表示対象となる複数の医用画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された複数の医用画像の中から前記付帯情報の内容が前記設定手段により設定された医用画像の条件に合致する医用画像を前記操作手段による操作対象として選定する画像選定手段と、
前記画像選定手段により選定された医用画像を前記操作手段による操作対象として予め選択された状態で前記画像取得手段により取得された複数の医用画像を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備える。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記医用画像のそれぞれが有する付帯情報は、当該医用画像を取得した検査に関する検査情報を含み、
前記表示手段は、検査毎に、その検査において取得された複数の医用画像を並べて表示するものであり、
前記表示手段への表示対象となる検査を選択するための検査選択手段を備え、
前記画像取得手段は、前記検査選択手段により選択された検査の検査情報を含む付帯情報を有する医用画像を前記記憶手段から取得する。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記医用画像のそれぞれが有する付帯情報は、更に、当該医用画像が属するシリーズに関するシリーズ情報を含み、
前記設定手段は、前記操作手段による操作対象として予め選択された状態で表示される医用画像の検査及びシリーズの条件を設定可能であり、
前記画像選定手段は、前記画像取得手段により取得された医用画像の付帯情報の内容が前記設定手段により設定された検査の条件に合致した場合、前記画像取得手段により取得された医用画像の中から前記付帯情報の内容が前記設定手段により設定されたシリーズの条件に合致する医用画像を前記操作手段による操作対象として選定し、
前記表示制御手段は、前記画像取得手段により取得された複数の医用画像をシリーズ別に配置して前記表示手段に表示させるとともに、前記画像選定手段により選定されたシリーズの医用画像を前記操作手段による操作対象として予め選択された状態で前記表示手段に表示させる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、
前記医用画像表示システムにログインするユーザのユーザ情報を入力するためのユーザ情報入力手段を備え、
前記設定手段は、ユーザ毎に前記操作手段による操作対象として予め選択された状態で表示する医用画像の条件を設定し、設定された条件をユーザ情報に対応付けて設定情報記憶手段に記憶し、
前記画像選定手段は、前記ユーザ情報入力手段により入力されたユーザ情報に対応する条件を前記設定情報記憶手段から取得して、前記付帯情報の内容が当該取得された条件に合致する医用画像を前記操作手段による操作対象として選定する。
【0013】
請求項5に記載の発明のプログラムは、
表示手段と、操作手段と、を備え、付帯情報を有する医用画像群を記憶する記憶手段から医用画像を取得して表示する医用画像表示装置に用いられるコンピュータを、
前記表示手段に複数の医用画像を表示する際に前記操作手段による操作対象として予め選択された状態で表示する医用画像の条件を設定するための設定手段、
前記記憶手段に記憶されている医用画像群の中から前記表示手段の表示対象となる複数の医用画像を取得する画像取得手段、
前記画像取得手段により取得された複数の医用画像の中から前記付帯情報の内容が前記設定手段により設定された医用画像の条件に合致する医用画像を前記操作手段による操作対象として選定する画像選定手段、
前記画像選定手段により選定された医用画像を前記操作手段による操作対象として予め選択された状態で前記画像取得手段により取得された複数の医用画像を前記表示手段に表示させる表示制御手段、
として機能させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、医用画像の表示後、読影作業に移行する前に必要であった無駄な操作をなすことができるので、ユーザである読影医の負担を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施の形態における医用画像表示システムの全体構成例を示す図である。
【図2】図1の画像管理サーバの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】画像タイプを説明するための図である。
【図4】対象検査判別設定ファイルのデータ格納例を示す図である。
【図5】初期選択対象画像設定ファイルのデータ格納例を示す図である。
【図6】図1のクライアント端末の機能的構成を示すブロック図である。
【図7】第1の実施の形態において図1のクライアント端末と画像管理サーバにより実行される医用画像表示処理の流れを示す図である。
【図8A】図7のステップS12においてクライアント端末の表示部に表示されるビューア画面の一例を示す図である。
【図8B】図8Aに示すビューア画面をハンギングプロトコル機能で表示した場合のビューア画面の一例を示す図である。
【図9】第2の実施の形態において図1のクライアント端末と画像管理サーバにより実行される医用画像表示処理Bの流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0017】
(第1の実施の形態)
〔医用画像表示システム100の構成〕
図1に、第1の実施の形態における医用画像表示システム100のシステム構成を示す。
医用画像表示システム100は、病院内に設置されるシステムである。図1に示すように、医用画像表示システム100は、画像管理サーバ10と、クライアント端末20と、がLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の通信回線からなる通信ネットワークNを介してデータ送受信可能に接続されて構成されている。医用画像表示システム100を構成する各装置は、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格に準じており、各装置間の通信は、DICOMに則って行われる。なお、各装置の台数は、特に限定されない。
【0018】
〔画像管理サーバ10の構成〕
画像管理サーバ10は、CT装置、MRI装置、CR装置等の各種モダリティにより生成された医用画像のデータ、及び医用画像に関する付帯情報を蓄積記憶・管理するコンピュータ装置である。
【0019】
図2に、画像管理サーバ10の機能的構成を示す。
図2に示すように、画像管理サーバ10は、CPU11、操作部12、表示部13、通信部14、RAM15、記憶部16等を備えて構成され、各部はバス17により接続されている。
【0020】
CPU11は、記憶部16に記憶されている各種プログラム読み出し、RAM15内に形成されたワークエリアに展開し、該プログラムに従って各部を制御する。
【0021】
操作部12は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号をCPU11に出力する。
【0022】
表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニタにより構成され、CPU11から入力される表示信号の指示に従って、各種画面や医用画像等を表示する。
【0023】
例えば、表示部13は、CPU11のからの指示に応じて、クライアント端末20のビューア画面における初期選択対象画像の設定対象となる検査の条件や初期選択対象画像の条件を操作部12により入力するための図示しない設定画面を表示する。初期選択対象画像とは、複数の医用画像をビューア画面に表示する際に操作対象として予め選択された状態で初期表示される医用画像である。この設定画面から操作部12により初期選択対象画像の条件等が入力されると、CPU11は、記憶部16に記憶されているプログラムとの協働により、入力された条件を現在画像管理サーバ10から医用画像表示システム100にログインしているユーザのユーザIDに対応付けて記憶部16の対象検査判別設定ファイル163及び初期選択対象画像設定ファイル164に記憶させる(設定手段)。
【0024】
通信部14は、LANアダプタ、ルータ、TA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークNに接続された各装置とデータの送受信を行う。
【0025】
RAM15は、CPU11により実行制御される各種処理において、記憶部16から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等を一時的に格納するワークエリアを形成する。
【0026】
記憶部16は、HDD(Hard Disc)や半導体の不揮発性メモリ等により構成される。
記憶部16は、CPU11で実行される各種プログラム、これらのプログラムの実行に必要なデータ等が記憶されている。
【0027】
また、記憶部16には、図示しないモダリティにより生成された医用画像のデータを格納する医用画像DB161、医用画像DB(Data Base)161に記憶されている医用画像に関する付帯情報を検索可能に格納する付帯情報DB162等が記憶されている。
【0028】
医用画像DB161において、医用画像は、DICOM規格に則ったDICOMファイル形式で保存されている。DICOMファイルは、画像部とヘッダ部とから構成される。画像部には医用画像の実データ、ヘッダ部には当該医用画像に関する付帯情報が書き込まれている。付帯情報は、モダリティより入力された情報であり、例えば、患者情報、検査情報、シリーズ情報、画像属性情報を含んで構成されている。
ここで、シリーズとは、同一検査内で取得された医用画像のうち、互いに関連する一連の医用画像のまとまりを指す。即ち、検査は、一又は複数のシリーズを含む。例えば、同一のモダリティで同一の検査部位を同一の方向から撮影することにより得られた医用画像群(断層画像群)は同一シリーズとして扱われる。また、CT装置において取得される、撮影した医用画像が人体のどの位置を表示しているものかを示すスカウト画像もシリーズとして取り扱われる。
【0029】
患者情報は、その医用画像の被写体である患者に関する情報であり、例えば、患者を識別するための患者識別情報(例えば、患者ID)、患者の名前、性別、生年月日等の医用画像の患者に関する各種情報が含まれる。
検査情報は、その医用画像が取得された検査に関する情報であり、例えば、検査を識別するための検査識別情報(例えば、検査ID)、検査日付、担当医師、モダリティの種類(CT、MRI、CR等)、部位、ステーション名(個々のモダリティの装置名(機器名))、検査記述等の検査に関する各種情報が含まれる。なお、モダリティの種類(CT、MRI、CR等)、部位、ステーション名(個々のモダリティの装置名(機器名))等は、シリーズ情報に含まれることもある。
【0030】
シリーズ情報は、その医用画像が属するシリーズを識別するためのシリーズ番号、シリーズの画像タイプ、シリーズ記述等のシリーズに関する各種情報が含まれる。
ここで、画像タイプは、例えば、モダリティで生成されたオリジナル画像であるか又はオリジナル画像からの生成画像であるかを示す値、一次画像であるか又は二次画像(セカンダリキャプチャ)であるかを示す値、モダリティにより特有に規定された値等の複数の値から構成されている。モダリティにより特有に規定された値としては、例えば、画像の種別や撮影方向を識別するための値等が挙げられる。例えば、CT装置で生成された画像の場合、スカウト画像であるか又はAXIAL画像であるかを識別するための値が含まれる。ここで、AXIAL画像とは、図3に示すように、人体をz方向(頭−足方向)へスライスする断面のことを指す。CT装置では人体をz方向へスライスする断面を撮影するので、CT装置で得られた画像の画像タイプには、スカウト画像又はAXIAL画像の何れかを示す値が含まれることとなる。なお、人体をx方向へスライスした断層画像はSAGITTAL画像、人体をy方向へスライスした断層画像はCORONAL画像という。
シリーズ記述は、主に施設毎に規定される値である。例えば、シリーズ撮影時のパラメータ等が挙げられる。
【0031】
画像属性情報は、その医用画像を識別するための画像識別情報(例えば、画像ID)、同一シリーズとして生成した医用画像の並び順(撮影された順番)を示す画像番号、画像生成時刻、医用画像の格納場所を示すファイルパス名等の画像に関する各種情報が含まれる。
なお、同じ検査で取得された医用画像の付帯情報には同一の検査情報が含まれ、同じ検査の同じシリーズに属する医用画像の付帯情報には同一のシリーズ情報が含まれる。
【0032】
また、記憶部16には、設定情報記憶手段として、対象検査判別設定ファイル163、初期選択対象画像設定ファイル164が記憶されている。
対象検査判別設定ファイル163は、ユーザ毎に(ユーザIDに対応付けて)、クライアント端末20に表示される読影診断用の画面であるビューア画面(図8A、図8B参照)における初期選択対象画像の設定対象となる検査を判別するための条件が格納されたファイルである。図4に、対象検査判別設定ファイル163のデータ格納例を示す。図4に示すように、対象検査判別設定ファイル163は、ユーザID、モダリティ、検査部位、ステーション名、検査記述、選択条件ID等の項目を有している。
初期選択対象画像設定ファイル164は、ユーザ毎に(ユーザIDに対応付けて)、対象検査判別設定ファイル163に設定された条件に合致する検査で得られた医用画像をビューア画面に表示する際の初期選択対象画像の条件が格納されたファイルである。図5に、初期選択対象画像設定ファイル164のデータ格納例を示す。図5に示すように、初期選択対象画像設定ファイル164は、ユーザID、選択条件ID、シリーズ番号、画像タイプ、シリーズ記述等の項目を有している。
なお、対象検査判別設定ファイル163、初期選択対象画像設定ファイル164に記憶される設定情報は、ユーザが操作部12から入力することもできるし、クライアント端末20の操作部22から入力することも可能である。
【0033】
また、記憶部16は、医用画像表示システム100にログイン可能なユーザのユーザ情報(ユーザID及びパスワード等)が記憶されている。
【0034】
〔クライアント端末20の構成〕
クライアント端末20は、画像管理サーバ10に蓄積記憶されている医用画像を取得して、医師の読影用に表示するためのPC(Personal Computer)等の端末装置である。
【0035】
図6に、クライアント端末20の機能的構成を示す。
図6に示すように、クライアント端末20は、CPU21、操作部22、表示部23、通信部24、RAM25、記憶部26等を備えて構成され、各部はバス27により接続されている。
【0036】
CPU21は、記憶部26に記憶されている各種プログラムを読み出し、RAM25内に形成されたワークエリアに展開し、該プログラムに従って各部を制御する。
【0037】
操作部22は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号をCPU21に出力する。
【0038】
表示部23は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニタにより構成され、CPU21から入力される表示信号の指示に従って、各種画面や医用画像等を表示する。
【0039】
例えば、表示部23は、CPU21のからの指示に応じて、ビューア画面231における初期選択対象画像の設定対象となる検査の条件や初期選択対象画像の条件を操作部22により入力するための図示しない設定画面を表示する。この設定画面から操作部22により初期選択対象画像等の条件が入力されると、CPU21は、記憶部に記憶されているプログラムとの協働により、入力された条件を通信部24により画像管理サーバ10に送信し、画像管理サーバ10に対し、操作部22により入力された設定内容を現在クライアント端末20から医用画像表示システム100にログインしているユーザのユーザIDに対応付けて記憶部16の対象検査判別設定ファイル163及び初期選択対象画像設定ファイル164に記憶させる(設定手段)。
【0040】
通信部24は、LANアダプタ、ルータ、TA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークNに接続された各装置とデータの送受信を行う。
【0041】
RAM25は、CPU21により実行制御される各種処理において、記憶部26から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等を一時的に格納するワークエリアを形成する。
【0042】
記憶部26は、HDD(Hard Disc)や半導体の不揮発性メモリ等により構成される。
記憶部26は、CPU21で実行される各種プログラム、これらのプログラムの実行に必要なデータ、各種設定情報等を記憶する。各種プログラムは、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードの形態で記憶部26に格納され、CPU21は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0043】
〔医用画像表示システム100の動作〕
次に、医用画像表示システム100の動作について説明する。
図7に、クライアント端末20及び画像管理サーバ10により実行される医用画像表示処理のフローを示す。医用画像表示処理のクライアント端末20側の処理は、CPU21と記憶部26に記憶されているプログラムとの協働により実行される。医用画像表示処理の画像管理サーバ10側の処理は、CPU11と記憶部16に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0044】
クライアント端末20において、操作部22の操作によりビューア(医用画像表示システム100で医用画像の表示を行うプログラム)が起動されると(ステップS1)、表示部23に医用画像表示システム100へのログイン画面が表示され、ログイン画面から操作部22により入力されたユーザID及びパスワードが通信部24により画像管理サーバ10に送信される(ステップS2:ユーザ情報入力手段)。
【0045】
画像管理サーバ10においては、通信部14によりユーザID及びパスワードが受信されると、ユーザ認証が行われる(ステップS3)。ユーザ認証後、記憶部16に記憶されている対象検査判別設定ファイル163から、クライアント端末20より入力されたユーザIDに対応するレコード(対象検査判別設定情報と呼ぶ)が読み出されるとともに、初期選択対象画像設定ファイル164から、前記入力されたユーザIDに対応するレコード(初期選択対象画像設定情報と呼ぶ)が読み出され、読み出された対象検査判別設定情報及び初期選択対象画像設定情報が通信部14によりクライアント端末20に送信される(ステップS4)。クライアント端末20においては、通信部24により対象検査判別設定情報及び初期選択対象画像設定情報が受信されると、受信されたこれらの設定情報がRAM25に記憶される(ステップS5)。
【0046】
次いで、操作部22の操作に応じて医用画像の表示対象となる検査の選択が行われ、通信部24により画像管理サーバ10に対し、選択された検査の医用画像の取得要求が送信される(ステップS6)。
ステップS6においては、まず、操作部22による検索画面の表示指示に応じて表示部23に検索画面が表示される。検索画面は、表示対象の検査の検索条件を入力するための画面である。検索画面において操作部22により患者ID、検査日付等の検索条件が入力されると、通信部24により入力された検索条件に合致する検査の検索要求が画像管理サーバ10に送信される。画像管理サーバ10においては、付帯情報DB162から検索条件に合致した検査が検索され、検索条件に合致した検査リストが作成されて通信部14によりクライアント端末20に送信される。クライアント端末20においては、通信部14により検査リストが受信されると、検査リスト画面が表示部23に表示される。検査リスト画面は、例えば、検査ID、患者ID、患者氏名、モダリティ種、検査部位等の項目を有するリストが検査単位で表示され、表示部23への医用画像の表示対象とする検査を操作部22を介して選択可能な構成となっている(検査選択手段)。操作部22の操作により表示対象の検査の医用画像が選択されると、選択された検査の検査IDとともに、当該選択された検査に対応する医用画像の取得要求が通信部24により画像管理サーバ10に送信される。
【0047】
画像管理サーバ10においては、通信部14により医用画像の取得要求が受信されると、取得要求された検査の検査IDを含む付帯情報を有する医用画像が記憶部16の医用画像DB161から検索されて取得され、通信部14によりクライアント端末20に送信される(ステップS7:画像取得手段)。
【0048】
クライアント端末20においては、選択された検査の医用画像が通信部24により受信されると、取得された医用画像の付帯情報及びRAM25に記憶されている対象検査判別設定情報に基づいて、医用画像の表示対象となっている検査(ステップS6で選択された検査)が初期選択対象画像の設定対象の検査であるか否かが判断される(ステップS8)。具体的には、画像管理サーバ10から取得された医用画像の付帯情報が参照され、その付帯情報の内容が対象検査判別設定情報の何れかの条件(対象検査ID及び選択条件IDを除く各項目のAND条件、空白の項目は条件なし)と合致しているか否かが判断される。合致している場合、初期選択対象画像の設定対象の検査であると判断される。
【0049】
ここで、一般的に、ビューア画面においては、複数の画像表示領域が設けられ、初期表示時は左上の画像表示領域に表示された医用画像が一律に操作部の操作対象として選択された状態で表示される。複数の画像表示領域のそれぞれには、シリーズが割り当てられてそのシリーズに属する医用画像が表示される。特にユーザの指定がなければ、左上の画像表示領域にはシリーズ番号が最も小さいシリーズ(1シリーズ目)の医用画像が表示される。しかし、例えばCT装置においては、1シリーズ目にはスカウト画像が割り当てられ、撮影された医用画像、即ち読影対象となる医用画像は2シリーズ目以降に割り当てられる。そのため、ユーザである読影医はビューア画面に医用画像が表示されても即座に読影作業へと移行することはできず、まずは読影対象となるシリーズの医用画像を操作部22により選択し直すという操作を行う必要がある。
そこで、本実施の形態においては、ステップS8において医用画像の表示対象となっている検査が初期選択対象画像の設定対象の検査であるか否かを判断し、初期選択対象画像の設定対象の検査であると判断された場合は、その検査の画像のうち予め設定された条件に合致する画像を初期選択対象画像として選定し(画像選定手段)、選定された初期選択対象画像が操作部22の操作対象として選択された状態でビューア画面231を初期表示する制御を行う(表示制御手段)。
【0050】
医用画像の表示対象となっている検査が初期選択対象画像の設定対象の検査ではないと判断されると(ステップS9;NO)、左上の画像表示領域に表示される医用画像を操作部22の操作対象として選択した状態のビューア画面231が表示部23に表示され(ステップS10)、医用画像表示処理は終了する。
【0051】
一方、医用画像の表示対象となっている検査が初期選択対象画像の設定対象の検査であると判断されると(ステップS9;YES)、画像管理サーバ10から取得された医用画像の付帯情報とRAM25に記憶されている初期選択対象画像設定情報に基づいて、初期選択対象画像が選定される(ステップS11)。具体的には、ステップS8の判断において画像管理サーバ10から取得された医用画像の付帯情報と合致した対象検査判別情報の選択条件IDが取得され、取得された選択条件IDを有する初期選択対象画像設定情報と付帯情報の内容が合致する医用画像(シリーズ)が初期選択対象画像として選定される。そして、選択された医用画像(シリーズ)を操作部22の操作対象として選択した状態のビューア画面231が表示部23に初期表示され(ステップS12)、医用画像表示処理は終了する。
【0052】
図8Aに、ステップS12において表示されるビューア画面231の一例を示す。図8Aに示すように、ビューア画面231には、表示対象として選択された検査に含まれるシリーズ数の画像表示領域(ここでは、画像表示領域231a〜231dの6つ)が配置されている。各画像表示領域231a〜231fには、一つずつシリーズが割り当てられ、初期表示では、そのシリーズの先頭の(画像番号が最も小さい)医用画像が表示されている。
図8Aに示すビューア画面231は、モダリティがCT装置である検査の医用画像を表示した例である。図4に示す対象検査判別設定ファイル163によれば、モダリティがCT装置で部位が頭部以外の検査は、初期選択対象画像の設定対象の検査であり、選択条件IDは2に該当するので、選択条件IDが2の初期選択対象画像設定情報に基づいて、シリーズ番号が最小で画像タイプがAXIALのシリーズの先頭の医用画像、即ち、画像表示領域231bに表示されている医用画像d1が操作部22の操作対象として選択された状態で(太枠で囲まれた状態で)表示されている。操作部22により画像切替操作(例えば、マウスホイールの回転操作等)が行われると、選択状態となっているシリーズの医用画像、即ち、画像表示領域231bに表示されているシリーズの医用画像が画像番号順に順次切替表示される。
【0053】
このように、ビューア画面231においては、ユーザが意図した医用画像が操作部22の操作対象として選択された状態で初期表示を行うことができるので、ユーザは改めて読影対象の医用画像を探して選択する操作を行うことなく、表示直後から即座に画像切替操作や画像処理操作等の読影操作へと移行することが可能となる。従って、ユーザである読影医の操作負担を低減することができる。
また、ユーザによっては、ビューア画面への医用画像の表示後、どの画像が選択されているのかを確認せずに画像切替操作や画像処理操作等を開始する場合がある。この場合、従来の技術においては意図しない画像を切り替えたり意図しない画像に画像処理を実施したりする等の操作ミスが生じる可能性があったが、本実施の形態におけるビューア画面231においてはユーザが意図した画像が操作部22の操作対象として選択された状態となって表示されるので、このような操作ミスを防止することができる。
【0054】
なお、図8Aに示すビューア画面231においては、左上の画像表示領域から順にシリーズ番号の小さい順に医用画像(シリーズ)を割り当てているが、ユーザが予め各画像表示領域に表示する医用画像(シリーズ)の条件を設定しておき、ビューア画面の表示時には設定された条件に合致する医用画像をその画像表示領域に表示する、所謂ハンギングプロトコル機能により医用画像の表示位置を決定することとしてもよい。
本実施の形態によれば、画像表示領域(位置)ではなく初期選択対象画像の条件に合致した医用画像d1に選択状態が追従するので、例えば、ハンギングプロトコル機能により医用画像d1が画像表示領域231dに表示されるような場合であっても、図8Bに示すように、医用画像d1を操作部22の操作対象として選択した状態で初期表示することができる。このように、本実施の形態によれば、ユーザが意図した医用画像がどこに表示されていても正しく操作対象として選択された状態として初期表示を行うことができる。
【0055】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態においては、クライアント端末20において、画像選定手段を備え、初期選択対象画像を選定する例ついて説明したが、第2の実施の形態においては、画像管理サーバ10側で画像選定手段を備えて初期選択対象画像を選定する場合について説明する。
【0056】
第2の実施の形態の構成については第1の実施の形態で説明したものと同様であるので説明を援用する。以下、第2の実施の形態における医用画像表示システム100の動作について説明する。
【0057】
図9に、第2の実施の形態においてクライアント端末20及び画像管理サーバ10により実行される医用画像表示処理Bのフローを示す。医用画像表示処理Bのクライアント端末20側の処理は、CPU21と記憶部26に記憶されているプログラムとの協働により実行される。医用画像表示処理Bの画像管理サーバ10側の処理は、CPU11と記憶部16に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0058】
クライアント端末20において、操作部22の操作によりビューアが起動されると(ステップS21)、表示部23にログイン画面が表示され、ログイン画面から操作部22により入力されたユーザID及びパスワードが通信部24により画像管理サーバ10に送信される(ステップS22)。
【0059】
画像管理サーバ10においては、通信部14によりユーザID及びパスワードが受信されると、ユーザ認証が行われ、認証結果がクライアント端末20に通知される(ステップS23)。
【0060】
クライアント端末20においては、認証結果が通知されると、操作部22の操作に応じて医用画像の表示対象となる検査の選択が行われ、通信部24により画像管理サーバ10に対し、選択された検査の医用画像の取得要求が送信される(ステップS24)。ステップS24の処理は、第1の実施の形態で説明した図7のステップS6と同様であるので説明を援用する。
【0061】
画像管理サーバ10においては、通信部14により医用画像の取得要求が受信されると、取得要求された検査の医用画像が医用画像DB161から検索されて取得される(ステップS25)。また、記憶部16に記憶されている対象検査判別設定ファイル163から、ステップS23でクライアント端末20から入力されたユーザIDに対応するレコード(対象検査判別設定情報と呼ぶ)が読み出される。そして、医用画像DB161から取得された医用画像の付帯情報と、読み出されたレコード、即ち対象検査判別設定情報に基づいて、クライアント端末20で選択された検査(ステップS24で選択された検査)が初期選択対象画像の設定対象の検査であるか否かが判断される(ステップS26)。具体的には、医用画像DB161から取得された医用画像の付帯情報が参照され、その付帯情報の内容が対象検査判別設定情報の何れかの条件(対象検査ID及び選択条件IDを除く各項目のAND条件、空白の項目は条件なし)と合致しているか否かが判断される。合致している場合、初期選択対象画像の設定対象の検査であると判断される。
【0062】
クライアント端末20で選択された検査が初期選択対象画像の設定対象の検査ではないと判断されると(ステップS27;NO)、ステップS25で取得された医用画像及び初期選択対象画像が存在しない旨を示す情報が通信部14によりクライアント端末20に送信される(ステップS28)。
【0063】
一方、クライアント端末20で選択された検査が初期選択対象画像の設定対象の検査であると判断されると(ステップS27;YES)、記憶部16に記憶されている初期選択対象画像設定ファイル164から、ステップS23でクライアント端末20から入力されたユーザIDに対応するレコード(初期選択対象画像設定情報と呼ぶ)が読み出され、医用画像DB161から取得された医用画像の付帯情報と初期選択対象画像設定情報に基づいて、初期選択対象画像が選定される(ステップS29)。具体的には、ステップS26の判断において医用画像DB161から取得された医用画像の付帯情報と合致した対象検査判別情報の選択条件IDが取得され、取得された選択条件IDを有する初期選択対象画像設定情報と付帯情報の内容が合致する医用画像(シリーズ)が初期選択対象画像として選定される。そして、ステップS25で取得された医用画像と、初期選択対象画像を示す情報(例えば、シリーズ番号等)が通信部14によりクライアント端末20に送信される(ステップS30)。
【0064】
クライアント端末20においては、通信部24により医用画像が受信されると、初期選択対象画像を示す情報が受信されたか否かが判断される(ステップS31)。
初期選択対象画像を示す情報が受信されていないと判断されると(ステップS31;NO)、左上の画像(画像表示領域)を選択した状態のビューア画面231が表示部23に表示され(ステップS32)、医用画像表示処理Bは終了する。
一方、初期選択画像を示す情報が受信されたと判断されると(ステップS31;YES)、初期選択画像を示す情報により指定された医用画像(シリーズ)が操作部22の操作対象として選択された状態のビューア画面231が表示部23に表示され(ステップS33)、医用画像表示処理Bは終了する。
【0065】
以上説明したように、医用画像表示システム100によれば、クライアント端末20のCPU21は、選択された検査の医用画像群を医用画像DB161から取得して表示部23のビューア画面231に表示する際に、表示する医用画像群のうち予め設定された初期選択対象画像の条件に合致する医用画像を操作部22による操作対象として予め選択された状態でビューア画面231を初期表示する。
【0066】
従って、ユーザが意図した医用画像が操作部22の操作対象として選択された状態でビューア画面231を初期表示するので、ユーザは改めて読影対象の医用画像を画面上で探して選択する操作を行うことなく、表示直後から即座に画像切替操作や画像処理操作等の読影操作へ移行することが可能となる。従って、ユーザである読影医の操作負担を低減することができる。
【0067】
また、対象検査判別設定ファイル163、及び対象検査判別設定ファイル163に記憶する設定情報は、ユーザ毎に設定することができるので、多数のユーザが医用画像表示システム100を利用して読影を行う場合であっても、個々のユーザが意図した医用画像を操作部22の操作対象として選択された状態でビューア画面231を初期表示することが可能となる。
【0068】
なお、上記実施の形態における記述内容は、本発明の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態においては、医用画像の付帯情報として、DICOM規格に則ったDICOMファイルのヘッダ部の情報を利用することとして説明したが、これに限定されず、例えば、モダリティ等のメーカが特有に扱う付帯情報であってもよい。
【0069】
また、上記実施の形態においては、まず、表示対象として選択された検査が初期選択対象画像の設定対象となる検査であるかを判別し(1段階目)、初期選択対象画像の設定対象の検査である場合に、初期選択対象画像を選定する(2段階目)こととしたが、これに限定されない。例えば、対象検査判別設定ファイル163と初期選択対象画像設定ファイル164を一つのテーブルとし、1段階で初期選択対象画像を選定するように構成してもよい。また、より条件を細かく分割し、3段階以上の複数段階で初期選択対象画像を選定することとしてもよい。
【0070】
また、上記実施の形態で示した対象検査判別設定ファイル163と初期選択対象画像設定ファイル164の内容は、初期選択対象画像の条件の一例であり、これに限定されるものではない。付帯情報に含まれる、これらのファイルに挙げた項目以外の項目を初期選択対象画像の条件として用いることとしてもよい。
また、上記実施の形態においては、上記対象検査判別設定ファイル163及び初期選択対象画像設定ファイル164を画像管理サーバ10に記憶しておくこととしたが、これに限定されない。例えば、対象検査判別設定ファイル163をサーバ側、初期選択対象画像設定ファイル164をクライアント側で管理するというように、保存場所を分けることとしてもかまわない。また、第1の実施の形態のように、クライアント端末20側で初期選択対象画像の設定対象となる検査や初期選択対象画像を判別する場合、クライアント端末20に双方のファイルを持たせることしてもよい。
また、上記実施の形態においては、初期選択対象画像の設定対象の検査や初期選択対象画像の条件をファイル形式で保持することとしたが、どのような形式で保持することとしてもよい。
【0071】
また、上記実施の形態においては、ユーザ毎に初期選択対象画像の条件を設定することとして説明したが、これに限定されず、例えば、施設毎、診療科毎、装置毎としてもよい。
【0072】
また、上記実施の形態においては、初期選択対象画像が1つとなる場合を例にとり説明したが、初期選択対象画像が複数となるように条件を設定してもよい。また、この場合、初期表示から複数画像を選択状態にして同期操作するようにしてもよい。
【0073】
また、上記実施の形態においては、本発明を画像管理サーバ10及びクライアント端末20を備える医用画像表示システムに適用する場合について説明したが、画像管理サーバ10とクライアント端末20の双方の機能を備えた単体のコンピュータ装置からなる医用画像表示システムに本発明を適用することとしてもよい。この場合、コンピュータ装置の記憶部には、設定手段、画像取得手段、画像選定手段、表示制御手段の機能を実現するためのプログラムが記憶され、CPUとこのプログラムとの協働により本発明が実現される。
【0074】
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリ等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0075】
その他、医用画像表示システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0076】
100 医用画像表示システム
10 画像管理サーバ
11 CPU
12 操作部
13 表示部
14 通信部
15 RAM
16 記憶部
17 バス
161 医用画像DB
162 付帯情報DB
163 対象検査判別設定ファイル
164 初期選択対象画像設定ファイル
20 クライアント端末
21 CPU
22 操作部
23 表示部
24 通信部
25 RAM
26 記憶部
27 バス
231 ビューア画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
操作手段と、
付帯情報を有する医用画像群を記憶する記憶手段と、
前記表示手段に複数の医用画像を表示する際に前記操作手段による操作対象として予め選択された状態で表示する医用画像の条件を設定するための設定手段と、
前記記憶手段に記憶されている医用画像群の中から前記表示手段の表示対象となる複数の医用画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された複数の医用画像の中から前記付帯情報の内容が前記設定手段により設定された医用画像の条件に合致する医用画像を前記操作手段による操作対象として選定する画像選定手段と、
前記画像選定手段により選定された医用画像を前記操作手段による操作対象として予め選択された状態で前記画像取得手段により取得された複数の医用画像を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備える医用画像表示システム。
【請求項2】
前記医用画像のそれぞれが有する付帯情報は、当該医用画像を取得した検査に関する検査情報を含み、
前記表示手段は、検査毎に、その検査において取得された複数の医用画像を並べて表示するものであり、
前記表示手段への表示対象となる検査を選択するための検査選択手段を備え、
前記画像取得手段は、前記検査選択手段により選択された検査の検査情報を含む付帯情報を有する医用画像を前記記憶手段から取得する請求項1に記載の医用画像表示システム。
【請求項3】
前記医用画像のそれぞれが有する付帯情報は、更に、当該医用画像が属するシリーズに関するシリーズ情報を含み、
前記設定手段は、前記操作手段による操作対象として予め選択された状態で表示される医用画像の検査及びシリーズの条件を設定可能であり、
前記画像選定手段は、前記画像取得手段により取得された医用画像の付帯情報の内容が前記設定手段により設定された検査の条件に合致した場合、前記画像取得手段により取得された医用画像の中から前記付帯情報の内容が前記設定手段により設定されたシリーズの条件に合致する医用画像を前記操作手段による操作対象として選定し、
前記表示制御手段は、前記画像取得手段により取得された複数の医用画像をシリーズ別に配置して前記表示手段に表示させるとともに、前記画像選定手段により選定されたシリーズの医用画像を前記操作手段による操作対象として予め選択された状態で前記表示手段に表示させる請求項2に記載の医用画像表示システム。
【請求項4】
前記医用画像表示システムにログインするユーザのユーザ情報を入力するためのユーザ情報入力手段を備え、
前記設定手段は、ユーザ毎に前記操作手段による操作対象として予め選択された状態で表示する医用画像の条件を設定し、設定された条件をユーザ情報に対応付けて設定情報記憶手段に記憶し、
前記画像選定手段は、前記ユーザ情報入力手段により入力されたユーザ情報に対応する条件を前記設定情報記憶手段から取得して、前記付帯情報の内容が当該取得された条件に合致する医用画像を前記操作手段による操作対象として選定する請求項1〜3の何れか一項に記載の医用画像表示システム。
【請求項5】
表示手段と、操作手段と、を備え、付帯情報を有する医用画像群を記憶する記憶手段から医用画像を取得して表示する医用画像表示装置に用いられるコンピュータを、
前記表示手段に複数の医用画像を表示する際に前記操作手段による操作対象として予め選択された状態で表示する医用画像の条件を設定するための設定手段、
前記記憶手段に記憶されている医用画像群の中から前記表示手段の表示対象となる複数の医用画像を取得する画像取得手段、
前記画像取得手段により取得された複数の医用画像の中から前記付帯情報の内容が前記設定手段により設定された医用画像の条件に合致する医用画像を前記操作手段による操作対象として選定する画像選定手段、
前記画像選定手段により選定された医用画像を前記操作手段による操作対象として予め選択された状態で前記画像取得手段により取得された複数の医用画像を前記表示手段に表示させる表示制御手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−194824(P2012−194824A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58786(P2011−58786)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】