説明

医用画像表示装置、医用画像表示方法、及びプログラム

【課題】医用画像を見やすく表示させるとともに、各種機能の指示入力のための操作性を向上させる。
【解決手段】医用画像表示装置40は、医用画像と当該医用画像に対応する付帯情報とをPACS30から受信し、ビューア画面441に表示する。マウス43aによって医用画像が選択されると、この医用画像の付帯情報に基づいて表示すべきメニューボックスを判断して表示する。マウス43aによって表示切替が指示されると、メニューボックスの表示形態を変更させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像表示装置、医用画像表示方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、医療の分野においては、患者を撮影することにより得られた医用画像のデジタル化が実現されている。医用画像は、CR(Computed Radiography)装置、CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置等の各種モダリティによってデジタル化される。
【0003】
デジタル化された医用画像とともに、DICOM(Digital Imaging and COmmunication In Medicine)規格に適合するDICOM基本情報が管理サーバに記憶され、医用画像は、医用画像管理システム(以下、PACS:Picture Archiving and Communication System for medical application)の管理下におかれる。
【0004】
読影すべき医用画像の多様化に伴い、読影医は、高精細のモニタに表示された医用画像に対して各種画像処理を行って読影を行う。画像処理のための指示入力は、医用画像に重畳して表示されたメニューボックスに対して行われたり、画面上部に表示されたメニューバーに対する指示入力によって行われることが多い。
【0005】
一般的な画像処理のソフトウェアにおいては、画像処理や表示に関する各機能毎に分類されたメニューが表示される。テキストで表示される階層メニューでは、文字数の制限や階層の複雑化のためにメニューが見づらくなったり、目的とするメニューを探しづらくなる。非特許文献1の技術では、機能に対応する各種アイコンを含むメニューボックスを画像に重畳させて表示させる。一つのメニューボックスのタブを切り替えることによって複数のメニューボックスを表示させることができ、表示スペースを少なくすることができる。
【0006】
読影の際には複数の医用画像を同時にモニタに表示させることが多く、メニューボックスの表示位置によっては医用画像が見えづらくなってしまう。
例えば、医用画像に重畳して各種機能に対応するメニューボックスが常時表示されているために医用画像が見えづらくなってしまう。メニューボックスの表示位置は予め定められているので、各種操作を行うためには、いちいちマウス操作をしてメニューボックスにマウスポインタを合わせなければならない。また、メニューボックスの移動や表示切替等を実行するには、その都度メニューボックス上部のタブを選択する必要がある。
【0007】
特許文献1には、断層画像に含まれる複数の臓器領域を抽出し、最大画素値投射画像又は最小画素値投射画像を重ね合わせた重畳画像を作成してモニタに表示し、医用画像に並列するように表示されたメニューに対して入力操作を行い画像処理を実行する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−261531号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】”Adobe Photoshop CS4−新機能紹介”、[online]、アドビシステムズ株式会社、[2009年1月23日検索]、インターネット、(URL:http://www.adobe.com/jp/joc/pscs4/whatsnew/whatsnew_07.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1の技術では、医用画像に並列して各種操作を行うメニューを表示させているため、医用画像の表示領域が狭くなってしまう。非特許文献1の技術では、多機能に対応するボタンを含むメニューボックスを表示させることはできるが、メニューボックスは常に画像に重畳して表示されるため、画像が見えづらくなってしまう。
【0011】
本発明は上記課題に鑑みてされたものであり、その目的とするところは、医用画像を見やすく表示させるとともに、各種機能の指示入力のための操作性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
医用画像と当該医用画像に対応する付帯情報とを受信する医用画像表示装置であって、
前記医用画像を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された医用画像を選択するための操作手段と、
前記操作手段によって選択された医用画像に対応する付帯情報に基づいて表示すべきメニューボックスを決定し、当該決定されたメニューボックスを前記表示手段に表示させる制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記操作手段は、前記表示手段に表示されたメニューボックスの表示切替を指示するためのものであって、
前記制御手段は、前記操作手段によって表示切替が指示されると、前記表示手段に表示されたメニューボックスの表示形態を変更させることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記表示手段に表示されたメニューボックスを記憶する記憶手段を更に備え、
前記制御手段は、前記選択手段によって選択された医用画像に対応する付帯情報と前記記憶手段に記憶されたメニューボックスとに基づいて表示すべきメニューボックスを決定し、当該決定されたメニューボックスを前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、
前記付帯情報は、医用画像が撮影されたモダリティを識別するための情報であることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明において、
前記操作手段は、ポインティングデバイスであって、
前記制御手段は、前記表示手段に表示されたカーソルに対応する位置に前記メニューボックスを表示させることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明は、
医用画像と当該医用画像に対応する付帯情報とを受信する医用画像表示装置の医用画像を表示する方法であって、
前記医用画像表示装置によって、操作手段によって選択された医用画像に対応する付帯情報に基づいて表示すべきメニューボックスを決定し、当該決定されたメニューボックスを表示手段に表示させる制御工程を有することを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の発明は、
医用画像と当該医用画像に対応する付帯情報とを受信するコンピュータを、
前記医用画像を表示する表示手段、
前記表示手段に表示された医用画像を選択するための操作手段、
前記操作手段によって選択された医用画像に対応する付帯情報に基づいて表示すべきメニューボックスを決定し、当該決定されたメニューボックスを前記表示手段に表示させる制御手段、
として機能させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、医用画像を見やすく表示するとともに、各種機能の指示入力のための操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施の形態における画像表示システムの全体構成例を示す図である。
【図2】図1の医用画像表示装置の機能的構成を示す要部ブロック図である。
【図3】図2の表示部に表示されるビューア画面の一例を示す図である。
【図4】メニューボックスの一例を示し、(a)は図2の記憶部に記憶されるメニューテーブルの一例であり、(b)は使用メニュー群Aに含まれるメニューボックスの一例であり、(c)は使用メニュー群Bに含まれるメニューボックスの一例である。
【図5】図2の制御部によって実行されるメニュー表示処理のフローチャートである。
【図6】図2の制御部によって実行されるメニュー表示処理のフローチャートである。
【図7】図2の表示部に表示されるビューア画面にメニューボックスが重畳して表示された場合の一例を示す図である。
【図8】図2の表示部に表示されるビューア画面のメニューボックスが切り替えられて表示された場合の一例を示す図である。
【図9】図2の表示部に表示されるビューア画面のアクティブな医用画像が切り替えられた場合の一例を示す図である。
【図10】図2の表示部に表示されるビューア画面にメニューボックスが重畳して表示された場合の一例を示す図である。
【図11】図2の表示部に表示されるビューア画面のメニューボックスが切り替えられて表示された場合の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1に、本実施形態における画像表示システム100を示す。
画像表示システム100は、RIS(Radiology Information System)10、モダリティ20、PACS30、一又は複数の医用画像表示装置40等を備えて構成される。各装置はネットワークケーブル50で接続されており、DICOM(Digital Imaging and COmmunication in Medicine)により医用画像等のデータの送受信を行う。
【0022】
RIS10は、放射線科内の情報を管理する放射線科情報システムである。RIS10は、オペレータによるオーダ情報の入力を受け付けてオーダ情報を登録して、モダリティ20に対して送信する。オーダ情報には、患者情報、検査情報及び画像情報等が含まれる。
【0023】
モダリティ20は、患者を撮影して医用画像に関するデータを生成する撮影装置であり、具体的にはCT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、CR(Computed Radiography)装置等である。
【0024】
モダリティ20は、生成した医用画像にオーダ情報の一部(以下、付帯情報という。)を付帯させて、医用画像と付帯情報をPACS30に対して送信する。付帯情報には、例えば、撮影モダリティ名、患者名、検査日、画像番号が含まれ、タグ情報によって具体的な内容が特定される。例えば、付帯情報に含まれるタグ情報が「<0008、0060>=CR」であれば、CR装置によって撮影された医用画像であることを示し、「<0018、0015>=CHEST」であれば検査部位が胸部であることを示す等である。
【0025】
PACS(Picture Archiving and Communication System for medical application)30は、医用画像と付帯情報を記憶し、医用画像表示装置40からの要求に従って医用画像と付帯情報を送信する。また、モダリティ20から医用画像を受信した際には、この医用画像に対応するサムネイル画像を作成して記憶する。
【0026】
医用画像表示装置40は、PACS30から受信した医用画像とサムネイル画像を表示するためのものである。
図2に、医用画像表示装置40の内部構成を示す。
医用画像表示装置40は、制御部41、RAM42、操作部43、表示部44、通信部45、記憶部46等を備えて構成されており、各部はバス47により接続されている。
【0027】
制御部41は、CPU(Central Processing Unit)等を備えて構成される。制御部41は、記憶部46に記憶されている各種プログラムとの協働により、後述するメニュー表示処理を実行する。
【0028】
RAM(Random Access Memory)42は、制御部41により実行制御される各種処理において、記憶部46から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等を一時的に記憶するワークエリアとして機能する。
【0029】
操作部43は、マウス43aと、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボード等を備えて構成される。操作部43は、キーボードで押下操作されたキーの押下信号や、マウス43aによる操作信号とを入力信号として制御部41に対して出力する。
【0030】
表示部44は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニタを備えて構成され、制御部41から入力される表示信号の指示に従って、ビューア画面441等を表示する。
【0031】
図3に、表示部44に表示されるビューア画面441の一例を示す。図3に示すように、ビューア画面441aは、階調処理等の医用画像に関する各種機能指示を行うためのメニュー領域442、医用画像を表示させるための画像表示欄443aと443b(以降、この2つをまとめて単に画像表示欄という。)、画像表示欄に表示すべき医用画像を指定するためのサムネイル画像表示欄444等から構成される。
【0032】
ビューア画面441は、患者毎に医用画像が表示される。表示部44に表示された患者一覧画面(図示せず)から患者が指定されると、この患者の患者IDがPACS30に対して送信される。PACS30においては、受信した患者IDと付帯情報に含まれる患者IDとが一致する医用画像が検索され、付帯情報、医用画像、及びサムネイル画像が医用画像表示装置40に対して送信される。医用画像表示装置40においては、ビューア画面441が表示され、サムネイル画像表示欄444にサムネイル画像が表示される。
【0033】
サムネイル画像表示欄444に表示されたサムネイル画像が操作部43によって選択されると、このサムネイル画像に対応する医用画像が画像表示欄に表示される。例えば、サムネイル画像表示欄444に表示されたサムネイル画像をマウス43aでダブルクリックすると、このサムネイル画像に対応する医用画像が画像表示欄に表示される。
【0034】
画像表示欄に表示された医用画像を、操作部43からの入力によりアクティブにし、メニュー領域442の各ボタンを選択すると、アクティブにした医用画像に対して画像処理等を行うことができる。例えば、画像表示欄443aにマウスポインタ(カーソル)を合わせて、マウス43aをクリックすると、画像表示欄443aに表示された医用画像がアクティブになる。メニュー領域442の「階調処理」のボタンが選択された状態でマウス操作を行うと、画像表示欄443aに表示された医用画像に対して階調処理を実行することができる。メニュー領域442に表示された他のボタンにおける操作も同様である。以降、メニュー領域442に表示されたボタンに対応する、医用画像への操作指示のことを単に機能という。なお、図441に示す枠Dは、医用画像がアクティブにされている旨を示すためのものである。
【0035】
通信部45は、ネットワークインターフェース等により構成され、ネットワークケーブル50に接続された各装置との間でデータの送受信を行う。
【0036】
記憶部46は、HDD(Hard Disc Drive)や半導体の不揮発性メモリ等により構成される。記憶部46は、制御部41により実行されるシステムプログラムを始めとする各種プログラムを記憶し、各種プログラムにより処理されたデータ等を記憶する。また、記憶部46は、後述するメニュー表示処理によって表示すべきメニューボックスを識別するためのメニューテーブルT1を記憶する。
【0037】
図4(a)に、記憶部46に記憶されるメニューテーブルT1の一例を示す。図4(a)に示すように、メニューテーブルT1は、医用画像に対して行う機能の目的、医用画像に付帯する付帯情報、ビューア画面441に表示すべきメニューボックスの集まりを示す使用メニュー群、リセットの有無(詳細後述)、及び前回ビューア画面441に表示されたメニューボックスを識別するための識別情報が対応付けられて格納される。
なお、図4(a)に示す例では、目的とモダリティの種類とを対応付けて記載しているが、付帯情報に基づいて目的毎に使用メニュー群が特定できるようにすればよく、これに限られない。例えば、撮影部位と目的とが対応付けられるようにしてもよい。
【0038】
図4(b)に、使用メニュー群Aの一例を示す。図4(b)に示すように、使用メニュー群Aは、メニューボックスA1とメニューボックスA2から構成される。
図4(c)に、使用メニュー群Bの一例を示す。図4(c)に示すように、使用メニュー群Bは、メニューボックスB1とメニューボックスB2から構成される。
図4(b)に示すメニューボックスA1とA2、図4(c)に示すメニューボックスB1とB2は、後述するメニュー表示処理によって表示が切り替えられる。
【0039】
次に動作について説明する。
図5に、ビューア画面441の表示指示が操作部43から制御部41に対して入力された際に、制御部41によって実行されるメニュー表示処理のフローチャートを示す。メニュー表示処理は、制御部41と記憶部46に記憶されたプログラムとの協働により実行される。
【0040】
図5に示すように、まず、表示部44にビューア画面441が表示される(ステップS1)。画像表示欄に表示された医用画像のうち、アクティブにされている医用画像に対応する付帯情報が取得される(ステップS2)。この付帯情報に基づいて、使用メニュー群が決定される(ステップS3)。具体的には、記憶部46に記憶されたメニューテーブルT1が参照され、ステップS2において取得された付帯情報が一致するレコードの使用メニュー群が参照されることにより決定される。
【0041】
次いで、操作部43からメニュー表示要求が入力されたか否かが判断される(ステップS4)。メニュー表示要求とは、アクティブにされている医用画像に対応するメニューボックスを表示させるための予め定められた指示をいい、例えば、アクティブにされている医用画像にマウスポインタを合わせてマウス43aをクリックする等である。
【0042】
メニュー表示要求が入力されたと判断された場合(ステップS4;YES)、アクティブにされている医用画像の付帯情報に対応するメニューテーブルT1のリセット有無がリセットを示しているか否かが判断される(ステップS5)。
【0043】
リセットを示していると判断された場合(ステップS5;YES)、表示部44においてマウスポインタが示す位置に初期メニューが表示される(ステップS6)。初期メニューとは、使用メニュー群に対応するメニューボックスのうち、予め定められた一つのメニューボックスである。使用メニュー群Aの初期メニューは、図4(b)の例ではメニューボックスA1、使用メニュー群Bの図4(c)の例ではメニューボックスB1とする。
【0044】
図7に、ステップS6において表示部に表示されるビューア画面441の一例を示す。図7に示すように、マウスポインタが示す位置にメニューボックス445が表示される。アクティブになっている医用画像(図7の例では、画像表示欄443aに表示されている医用画像)がCRで撮影されている場合、ステップS3において、図4(a)に示すメニューテーブルT1が参照されて使用メニュー群が「A」であると判断され、この使用メニュー群に対応するメニューボックス(図4(b)に示すメニューボックスA1)が、メニューボックス445として表示される。
【0045】
リセットを示していると判断された場合(ステップS5;NO)、前回閉じられた(表示部44から消去された)メニューボックスが表示される(ステップS7)。具体的には、記憶部45に記憶されたメニューテーブルT1の前回表示に対応するメニューボックスが表示される。
【0046】
次いで、操作部43からメニュー切替の要求が入力されたか否かが判断される(ステップS8)。メニュー切替の要求とは、ビューア画面441に表示されたメニューボックスの表示形態を切り替えるための予め定められた指示であり、例えば、メニューボックスにマウスポインタを合わせて右クリックする等である。
メニュー切替の要求が入力されたと判断された場合(ステップS8;YES)、メニューボックスの表示形態が切り替えられる(ステップS9)。具体的には、表示部44に表示されたメニューボックスと使用メニュー群が同じである他のメニューボックスに表示が切り替えられる。
【0047】
図8に、ステップS9において表示部に表示されるビューア画面441の一例を示す。図8に示すように、図7に示したメニューボックス445が切り替えられてメニューボックス446が表示される。図8の例では、メニューボックス446は図4(b)のメニューボックスA2である。
【0048】
メニュー切替の要求が入力されたと判断されない場合(ステップS8;NO)、メニューボックスに表示された機能の実行の要求が操作部43から入力されたか否かが判断される(ステップS10)。つまり、メニューボックスに表示された各ボタンに対応する機能が実行されたか否かが判断され、例えば、図8に示す例では、メニューボックス446のボタンから「拡大縮小」が選択され、画像表示欄443aの医用画像の拡大表示処理が実行されたか否かが判断される等である。
【0049】
機能の実行の要求が操作部43から入力されたと判断されない場合(ステップS10;NO)、メニューボックスを閉じる旨の指示が操作部43から入力されたか否かが判断される(ステップS11)。メニューボックスを閉じる旨の指示とは、予め定められた制御部41に対する操作部43からの指示であり、例えば、メニューボックス以外の領域がマウス43aによってクリックされる等である。
【0050】
メニューボックスを閉じる旨の指示が操作部43から入力されたと判断されない場合(ステップS11;NO)、処理はステップS8に戻り、操作部43からメニュー切替の要求が入力されたか否かが判断される。この状態で、ステップS8においてメニュー切替の要求が入力されたと判断された場合、ステップS9においてメニューボックスの表示形態がさらに切り替えられる。
【0051】
機能の実行の要求が操作部43から入力されたと判断された場合(ステップS10;YES)、入力にしたがって機能が実行(つまり画像処理等が実行)される(ステップS12)。
【0052】
メニューボックスを閉じる旨の指示が操作部43から入力されたと判断された場合(ステップS11;YES)、図6に移行し、メニューボックスが閉じられる(ステップS13)。この閉じられたメニューボックスに対応する識別情報を記憶部45のメニューテーブルT1の前回表示として記憶させる(ステップS14)。ステップS14で記憶された切替状態に基づいて、ステップS7で表示すべきメニューが判断される。
【0053】
メニュー表示要求が入力されたと判断されない場合(ステップS4;NO)、操作部43からアクティブにすべき医用画像の変更指示が入力されたか否かが判断される(ステップS15)。変更指示が入力されたと判断された場合(ステップS15;YES)、処理はステップS2に戻り、この変更されたアクティブな医用画像に対応する付帯情報が取得される。
【0054】
変更指示が入力されたと判断されない場合(ステップS15;NO)、操作部43からビューア画面441の終了要求が入力されたか否かが判断される(ステップS16)。
終了要求が入力されたと判断されない場合(ステップS16;NO)、処理はステップS4に戻り、操作部43からメニュー表示要求が入力されたか否かが判断される。
終了要求が入力されたと判断された場合(ステップS16;YES)、処理は終了する。
【0055】
図9に、ステップS15においてアクティブにすべき医用画像の変更指示がされたと判断された場合に表示されるビューア画面441の一例を示す。図9に示す例では、図7に示すビューア画面441の状態から画像表示欄443bに表示された医用画像をアクティブにするように指示がなされた場合である。図9に示すように、画像表示欄443aに重畳して表示されていた枠Dが消去され、枠Dが画像表示欄443bに重畳して表示される。
【0056】
図10に、ステップS6において表示部44に表示されるビューア画面441の一例を示す。図10に示す例では、アクティブにされた画像表示欄443bに表示された医用画像がMRI装置によって撮影された場合を示している。図7に示したメニューボックス445とは異なるメニューボックス447が画像表示欄443bに重畳して表示される。このメニューボックスは、図4(c)に示すメニューボックスB1である。
【0057】
図11に、ステップS9において表示部44に表示されるビューア画面441の一例を示す。図11に示す例は、図10に示すビューア画面441の状態から、メニュー切替の指示が入力された際に表示されるビューア画面441の例である。このメニューボックス448は図4(c)のメニューボックスB2である。
【0058】
以上のように、本実施の形態における医用画像表示装置40によれば、メニュー表示処理によってビューア画面441に表示された医用画像の付帯情報に基づいて表示すべきメニューを決定して表示させることができ、用途及び状況に応じたメニューボックスを表示させることができ、操作負担を軽減できる。
【0059】
また、リセットの有無の設定によって、最初に表示すべきメニューを決定することができるので、前回使用した(つまり閉じる直前の)メニューボックスを最初に表示することができる。例えば、図8のように表示させたメニューボックス446を閉じた後に、画像表示欄443aに表示された医用画像に対してメニュー表示指示が入力された場合、リセットの設定が「有」であれば、図7に示すメニューボックス445が表示され、リセットの設定が「無」であれば、図8に示すメニューボックス446が表示される。例えば、メニューボックス446よりメニューボックス445の方が使用頻度が圧倒的に高い場合、リセット「有」に設定しておくことにより、メニューボックス446は必要な場合のみに表示させることができる。
【0060】
同様に、図11のように表示させたメニューボックス448を閉じた後に、画像表示欄443bに表示された医用画像に対してメニュー表示指示が入力された場合、リセットの設定が「有」であれば、図10に示すメニューボックス447が表示され、リセットの設定が「無」であれば、図11に示すメニューボックス448が表示される。例えば、メニューボックス448よりメニューボックス447の方が使用頻度が高いが、メニューボックス448に切り替わった後はビューア画面441の終了まで継続して同じ画像処理を行う場合等はリセット「無」にすると効率的な読影を行うことができる。
【0061】
また、メニューボックスの表示形態を切り替えることによって、詳細なメニューボックスと簡易なメニューボックスとの表示切替を容易に行うことができる。更に、目的に応じて、例えば、画像処理系のメニューボックスとアノテーション描画系のメニューボックスを切り替えたり、検診系と精査系のメニューボックスを切り替えたりすることもできる。マウスを使用することによって、簡易な操作でメニューボックスの表示切り替えを行うことができる。
【0062】
また、医用画像が撮影されたモダリティに応じたメニューを表示させることにより、より読影医の目的にあったメニューを表示させることができる。
【0063】
なお、上述した本実施の形態における記述は、本発明に係る好適な医用画像表示装置の一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、本実施の形態においては、ビューア画面441に表示すべきメニューボックスをメニューテーブルT1に格納するようにしたが、医用画像の付帯情報と表示すべきメニューボックスを対応付けて記憶していればよく、これに限られない。例えば、他の構成のテーブルに格納されていてもよい。
【0064】
また、本実施の形態において、使用メニュー群AにはメニューボックスA1とA2が含まれ、使用メニュー群BにはメニューボックスB1とB2が含まれるようにしたが、使用メニュー群に含まれるメニューボックスの数は2つに限られず、3つ以上であってもよい。この場合、ステップS11において、メニューを閉じる要求が入力されたと判断されなければ、メニューボックス上でメニュ切り替えの指示を入力するたびに、メニューボックスの表示が切り替わる。つまり、ステップS10において機能実行の要求があると判断される、又はステップS11においてメニューを閉じる要求が入力されたと判断されるまで、常にメニューボックスの切替要求が待ち受けられる。
【0065】
また、ポインティングデバイスとしてマウス43aを適用した例を説明したが、医用画像表示装置40に接続されたポインティングデバイスに対応するカーソルの位置にメニューボックスが表示されればよい。ここでいうポインティングデバイスとは、画面上での入力位置や座標を指定する入力機器全般を指し、例えば、マウス以外には、トラックボール、タッチパッド、ペンタブレットなどが挙げられる。
【0066】
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリ等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0067】
その他、医用画像表示装置を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0068】
100 画像表示システム
10 RIS
20 モダリティ
30 PACS
40 医用画像表示装置
41 制御部
42 RAM
43 操作部
44 表示部
441 ビューア画面
45 通信部
46 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像と当該医用画像に対応する付帯情報とを受信する医用画像表示装置であって、
前記医用画像を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された医用画像を選択するための操作手段と、
前記操作手段によって選択された医用画像に対応する付帯情報に基づいて表示すべきメニューボックスを決定し、当該決定されたメニューボックスを前記表示手段に表示させる制御手段と、
を備えることを特徴とする医用画像表示装置。
【請求項2】
前記操作手段は、前記表示手段に表示されたメニューボックスの表示切替を指示するためのものであって、
前記制御手段は、前記操作手段によって表示切替が指示されると、前記表示手段に表示されたメニューボックスの表示形態を変更させることを特徴とする請求項1に記載の医用画像表示装置。
【請求項3】
前記表示手段に表示されたメニューボックスを記憶する記憶手段を更に備え、
前記制御手段は、前記選択手段によって選択された医用画像に対応する付帯情報と前記記憶手段に記憶されたメニューボックスとに基づいて表示すべきメニューボックスを決定し、当該決定されたメニューボックスを前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の医用画像表示装置。
【請求項4】
前記付帯情報は、医用画像が撮影されたモダリティを識別するための情報であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の医用画像表示装置。
【請求項5】
前記操作手段は、ポインティングデバイスであって、
前記制御手段は、前記表示手段に表示されたカーソルに対応する位置に前記メニューボックスを表示させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の医用画像表示装置。
【請求項6】
医用画像と当該医用画像に対応する付帯情報とを受信する医用画像表示装置の医用画像を表示する方法であって、
前記医用画像表示装置によって、操作手段によって選択された医用画像に対応する付帯情報に基づいて表示すべきメニューボックスを決定し、当該決定されたメニューボックスを表示手段に表示させる制御工程を有することを特徴とする医用画像表示方法。
【請求項7】
医用画像と当該医用画像に対応する付帯情報とを受信するコンピュータを、
前記医用画像を表示する表示手段、
前記表示手段に表示された医用画像を選択するための操作手段、
前記操作手段によって選択された医用画像に対応する付帯情報に基づいて表示すべきメニューボックスを決定し、当該決定されたメニューボックスを前記表示手段に表示させる制御手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図3】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−187758(P2010−187758A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−32921(P2009−32921)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】