説明

医用画像表示装置

【課題】医用画像の観察時における表示画面上のソフトキーに起因する不都合を解消できる技術を提供する。
【解決手段】実施形態の医用画像表示装置の表示手段は複数の画像表示領域を持つ医用画像表示画面を表示する。画像データ記憶手段は医用画像の画像データを記憶する。関連情報記憶手段は画像表示領域の組合せと医用画像の画像データに対する処理内容との関連情報を記憶する。制御手段は、異なる画像表示領域に表示された2つの医用画像がそれぞれ指定されたときに、これら医用画像の一方又は双方の画像データに対し、関連情報により当該画像表示領域の組合せに関連付けられた処理内容の処理を実行させ、かつ、2つの医用画像の一方が指定されたときに当該医用画像が表示されている画像表示領域との組合せとして関連情報により処理内容に関連付けられている画像表示領域と、それ以外とを識別可能に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像診断装置により撮影された医用画像の読影を行うための医用画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、X線診断装置、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、核医学診断装置(PET(Positron Emission Computed Tomography)、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)等)、超音波診断装置など、医用画像を撮影するための医用画像診断装置が広く用いられている。
【0003】
撮影された医用画像は、医用画像表示装置に表示されて読影に供される。なお、撮影された医用画像を一旦データベースに保管し、所望の医用画像をデータベースから医用画像表示装置にダウンロードするように構成されたシステムも運用されている。
【0004】
医用画像表示装置としては、2次元の医用画像のみを表示できるもの(2Dビューア)と、3次元の医用画像も表示できるもの(3Dビューア)とが用いられている。ここで、3次元の医用画像とは、断層画像を積み重ねて作成したボリュームデータにレンダリング処理を施して生成される擬似的な3次元画像を意味している。
【0005】
このような医用画像表示装置には、読影や診断の正確性向上や作業の円滑化などを図るための各種の機能が搭載されている。一例として、検査単位、シリーズ単位、画像単位で医用画像を表示する機能や、画像を拡大、縮小、回転、パン(pan)する機能や、医用画像中の距離、面積、角度(骨、病変部等)の計測を行う機能(たとえば特許文献1参照)や、医用画像にアノテーション(矢印、図形、文字等)を入力する機能(たとえば特許文献1参照)などがある。
【0006】
なお、デジタル医用画像に関するDICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)規格に準拠したシステムにおいては、上位階層の「検査(スタディ)」、中位階層の「シリーズ」、下位階層の「画像」というように、医用画像を階層的に管理している。
【0007】
また、3Dビューアにおいては、ボリュームデータに回転等を加える機能、ボリュームデータに基づいてMPR(MultiPlanar Reconstruction;多断面再構成法)画像を表示する機能(たとえば特許文献2参照)、ボリュームデータに基づいてオブリーク画像(スライス面に対して傾斜する任意の断面方向の画像)を表示する機能(たとえば特許文献3参照)、表示画像を2次元画像としてキャプチャする機能などがある。キャプチャされた画像は、当該検査の新たなシリーズとして保管される。
【0008】
医用画像表示装置が具備するこれらの機能は、画面上に表示されるボタン等の各種のソフトキーをユーザがマウス等で操作することにより、選択的に実行されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−8535号公報
【特許文献2】特開2006−127号公報
【特許文献3】特開平8−212391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このような医用画像表示装置で読影作業を行う場合、医用画像と同じ表示画面上にソフトキーが表示されていることから、表示画面を広く使って医用画像を表示させると、ソフトキーが医用画像に重畳表示されて画像の一部を観察できないという不都合が生じていた。
【0011】
なお、ソフトキーの重畳表示を避けるには、たとえば表示画面の端部領域にソフトキーを配置し、それ以外の表示領域に医用画像を表示するなどの工夫を施す必要があるが、いずれにしても、医用画像自体の表示サイズが縮小されて医用画像の詳細部分を観察しづらくなるなどの不都合が生じることになる。
【0012】
ここで、ソフトキー表示領域以外の領域に医用画像表示領域を十分確保するために、ディスプレイの画面サイズを拡大することや、医用画像をスクロール表示する構成を採用するなどの策を講じることも考えられる。しかし、前者はコストの増加等に帰結するものであり、後者は観察作業の煩雑化等の不都合を引き起こすものである。したがって、これらの策は、ユーザ側の視点から見ると、容易に受け入れられる解決策とは言い難い。
【0013】
また、読影作業時にはソフトキーを非表示にし、上記機能の使用時に所定の操作を行ってソフトキーを表示させることも考えられるが、(1)ソフトキーを表示させる、(2)ソフトキーで所望の機能の実行を要求する、(3)ソフトキーを非表示にする、といった手順を踏む必要がある。したがって、(2)の手順のみを行う従来の構成と比較して、操作手順が煩雑になるという問題が生じてしまう。
【0014】
この発明は、このような問題を解決するためになされたもので、医用画像の観察時における表示画面上のソフトキーに起因する不都合を解消することが可能な医用画像表示装置を提供することを目的とする。
【0015】
また、この発明は、医用画像表示装置の操作手順の煩雑化を回避することが可能な技術を提供することを他の目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数の画像表示領域があらかじめ定義された医用画像表示画面を表示する表示手段と、医用画像の画像データを記憶する画像データ記憶手段と、前記画像表示領域の組合せと医用画像の画像データに対する処理内容とを関連付ける関連情報を記憶する関連情報記憶手段と、操作手段と、前記複数の画像表示領域のうちの異なる画像表示領域に表示された2つの医用画像が、前記操作手段を用いてそれぞれ指定されたときに、当該2つの医用画像の少なくとも一方の画像データに対し、前記関連情報により当該2つの医用画像がそれぞれ表示されている画像表示領域の組合せに関連付けられた処理内容に示す処理を実行させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記2つの医用画像の一方の医用画像が前記指定されたときに、前記複数の画像表示領域のうちの、当該一方の医用画像が表示されている画像表示領域との組合せとして前記関連情報により処理内容に関連付けられている画像表示領域と、当該関連付けられていない画像表示領域とを、識別可能に表示させることを特徴とする医用画像表示装置である。
また、請求項2に記載の発明は、複数の画像表示領域があらかじめ定義された医用画像表示画面を表示する表示手段と、医用画像の画像データを記憶する画像データ記憶手段と、前記画像表示領域の組合せと医用画像の画像データに対する処理内容とを関連付ける関連情報を記憶する関連情報記憶手段と、操作手段と、前記複数の画像表示領域のうちの異なる画像表示領域に表示された2つの医用画像が、前記操作手段を用いてそれぞれ指定されたときに、当該2つの医用画像の少なくとも一方の画像データに対し、前記関連情報により当該2つの医用画像がそれぞれ表示されている画像表示領域の組合せに関連付けられた処理内容に示す処理を実行させる制御手段と、を備え、前記関連情報は、前記複数の画像表示領域のうちの所定の画像表示領域の組合せに対して2以上の前記処理内容を関連付け、前記制御手段は、当該所定の画像表示領域の組合せのうちの一方の画像表示領域に表示された医用画像が前記指定されたときに、前記2以上の処理内容を選択可能に呈示する処理選択情報を前記表示手段に表示させるとともに、前記操作手段を用いて前記2以上の処理内容から選択された処理内容に示す処理を実行させることを特徴とする医用画像表示装置である。
また、請求項3に記載の発明は、複数の画像表示領域があらかじめ定義された医用画像表示画面を表示する表示手段と、医用画像の画像データを記憶する画像データ記憶手段と、前記画像表示領域の組合せと医用画像の画像データに対する処理内容とを関連付ける関連情報を記憶する関連情報記憶手段と、操作手段と、前記複数の画像表示領域のうちの異なる画像表示領域に表示された2つの医用画像が、前記操作手段を用いてそれぞれ指定されたときに、当該2つの医用画像の少なくとも一方の画像データに対し、前記関連情報により当該2つの医用画像がそれぞれ表示されている画像表示領域の組合せに関連付けられた処理内容に示す処理を実行させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記操作手段を用いて所定の操作がなされたことに対応し、前記操作手段による2以上の操作内容を選択可能に呈示する操作内容選択情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする医用画像表示装置である。
【0017】
また、請求項26に記載の発明は、複数の画像表示領域があらかじめ定義された医用画像表示画面を表示する表示手段と、医用画像の画像データを記憶する画像データ記憶手段と、前記画像表示領域の組合せと医用画像の画像データに対する処理内容とを関連付ける関連情報を記憶する関連情報記憶手段と、操作手段と、前記複数の画像表示領域のうちの第1の画像表示領域に表示された医用画像と、第2の画像表示領域とが、前記操作手段を用いて指定されたときに、当該指定された医用画像の画像データに対し、前記関連情報により前記第1の画像表示領域及び前記第2の画像表示領域の組合せに関連付けられた処理内容に示す処理を実行させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記第1の画像表示領域に表示された医用画像が前記指定されたときに、前記複数の画像表示領域のうちの、前記第1の画像表示領域との組合せとして前記関連情報により処理内容に関連付けられている画像表示領域と、当該関連付けられていない画像表示領域とを、識別可能に表示させることを特徴とする医用画像表示装置である。
また、請求項27に記載の発明は、複数の画像表示領域があらかじめ定義された医用画像表示画面を表示する表示手段と、医用画像の画像データを記憶する画像データ記憶手段と、前記画像表示領域の組合せと医用画像の画像データに対する処理内容とを関連付ける関連情報を記憶する関連情報記憶手段と、操作手段と、前記複数の画像表示領域のうちの第1の画像表示領域に表示された医用画像と、第2の画像表示領域とが、前記操作手段を用いて指定されたときに、当該指定された医用画像の画像データに対し、前記関連情報により前記第1の画像表示領域及び前記第2の画像表示領域の組合せに関連付けられた処理内容に示す処理を実行させる制御手段と、を備え、前記関連情報は、前記第1の画像表示領域と前記第2の画像表示領域との組合せに対して2以上の前記処理内容を関連付け、前記制御手段は、前記第1の画像表示領域に表示された医用画像が前記指定されたときに、前記2以上の処理内容を選択可能に呈示する処理選択情報を前記表示手段に表示させるとともに、前記操作手段を用いて前記2以上の処理内容から選択された処理内容に示す処理を実行させることを特徴とする医用画像表示装置である。
また、請求項28に記載の発明は、複数の画像表示領域があらかじめ定義された医用画像表示画面を表示する表示手段と、医用画像の画像データを記憶する画像データ記憶手段と、前記画像表示領域の組合せと医用画像の画像データに対する処理内容とを関連付ける関連情報を記憶する関連情報記憶手段と、操作手段と、前記複数の画像表示領域のうちの第1の画像表示領域に表示された医用画像と、第2の画像表示領域とが、前記操作手段を用いて指定されたときに、当該指定された医用画像の画像データに対し、前記関連情報により前記第1の画像表示領域及び前記第2の画像表示領域の組合せに関連付けられた処理内容に示す処理を実行させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記操作手段を用いて所定の操作がなされたことに対応し、前記操作手段による2以上の操作内容を選択可能に呈示する操作内容選択情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする医用画像表示装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る医用画像表示装置は、複数の画像表示領域があらかじめ定義された医用画像表示画面を表示する表示手段と、医用画像の画像データを記憶する画像データ記憶手段と、画像表示領域の組合せと医用画像の画像データに対する処理内容とを関連付ける関連情報を記憶する関連情報記憶手段と、操作手段と、複数の画像表示領域のうちの異なる画像表示領域に表示された2つの医用画像が、操作手段を用いてそれぞれ指定されたときに、この2つの医用画像の少なくとも一方の画像データに対し、関連情報によってこの2つの医用画像がそれぞれ表示されている画像表示領域の組合せに関連付けられた処理内容に示す処理を実行させる制御手段とを備えている。更に、本発明は、次の(1)〜(3)のいずれかの構成を有する。
(1)制御手段は、2つの医用画像の一方の医用画像が指定されたときに、複数の画像表示領域のうちの、当該一方の医用画像が表示されている画像表示領域との組合せとして関連情報により処理内容に関連付けられている画像表示領域と、当該関連付けられていない画像表示領域とを、識別可能に表示させる。
(2)制御手段は、当該所定の画像表示領域の組合せのうちの一方の画像表示領域に表示された医用画像が前記指定されたときに、2以上の処理内容を選択可能に呈示する処理選択情報を表示手段に表示させるとともに、操作手段を用いて2以上の処理内容から選択された処理内容に示す処理を実行させる。
(3)制御手段は、操作手段を用いて所定の操作がなされたことに対応し、操作手段による2以上の操作内容を選択可能に呈示する操作内容選択情報を表示手段に表示させる。
【0019】
したがって、従来はソフトキーを操作することによって行っていた処理を、医用画像を指定することによって実行させることができるので、その処理の実行を要求するためのソフトキーを医用画像表示画面上に表示させる必要がない。
【0020】
それにより、ソフトキーが医用画像表示画面に表示されることによる不都合を解消することができる。特に、ソフトキーによって医用画像の一部が観察できないという事態を回避することができ、また、ソフトキーに重ならないように医用画像の表示サイズを縮小しなければならないということもない。また、医用画像を指定するという簡単な操作を行うだけで、所望の処理を実行させることができるので、操作性が煩雑化することもない。
【0021】
また、本発明に係る医用画像表示装置は、複数の画像表示領域があらかじめ定義された医用画像表示画面を表示する表示手段と、医用画像の画像データを記憶する画像データ記憶手段と、画像表示領域の組合せと医用画像の画像データに対する処理内容とを関連付ける関連情報を記憶する関連情報記憶手段と、操作手段と、複数の画像表示領域のうちの第1の画像表示領域に表示された医用画像と、第2の画像表示領域とが、操作手段を用いて指定されたときに、指定された医用画像の画像データに対し、関連情報により第1及び第2の画像表示領域の組合せに関連付けられた処理内容に示す処理を実行させる制御手段とを備えている。更に、本発明は、次の(4)〜(6)のいずれかの構成を有する。
(4)制御手段は、第1の画像表示領域に表示された医用画像が指定されたときに、複数の画像表示領域のうちの、第1の画像表示領域との組合せとして関連情報により処理内容に関連付けられている画像表示領域と、当該関連付けられていない画像表示領域とを、識別可能に表示させる。
(5)関連情報は、第1の画像表示領域と第2の画像表示領域との組合せに対して2以上の処理内容を関連付け、制御手段は、第1の画像表示領域に表示された医用画像が指定されたときに、2以上の処理内容を選択可能に呈示する処理選択情報を表示手段に表示させるとともに、操作手段を用いて2以上の処理内容から選択された処理内容に示す処理を実行させる。
(6)制御手段は、操作手段を用いて所定の操作がなされたことに対応し、操作手段による2以上の操作内容を選択可能に呈示する操作内容選択情報を表示手段に表示させる。
【0022】
したがって、従来はソフトキーを操作することによって行っていた処理を、医用画像と画像表示領域とを指定するだけで実行させることができるので、その処理の実行を要求するためのソフトキーを医用画像表示画面上に表示させる必要がない。それにより、ソフトキーが医用画像表示画面に表示されることによる不都合を解消することができる。また、医用画像を指定するという簡単な操作を行うだけで、所望の処理を実行させることができるので、操作性が煩雑化することもない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る医用画像表示装置の好適な実施の形態の全体構成の一例を表すブロック図である。
【図2】本発明に係る医用画像表示装置の好適な実施の形態の記憶部に記憶された情報の一例を示す図である。
【図3】本発明に係る医用画像表示装置の好適な実施の形態の処理内容関連情報の一例を示す図である。
【図4】本発明に係る医用画像表示装置の好適な実施の形態による医用画像表示画面の表示態様の一例を示す図である。
【図5】本発明に係る医用画像表示装置の好適な実施の形態が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る医用画像表示装置の好適な実施の形態による医用画像表示画面の表示態様の一例を示す図である。
【図7】本発明に係る医用画像表示装置の好適な実施の形態による医用画像表示画面の表示態様の一例を示す図である。
【図8】本発明に係る医用画像表示装置の好適な実施の形態による医用画像表示画面の表示態様の一例を示す図である。
【図9】本発明に係る医用画像表示装置の好適な実施の形態による医用画像表示画面の表示態様の一例を示す図である。
【図10】本発明に係る医用画像表示装置の好適な実施の形態による医用画像表示画面の表示態様の一例を示す図である。
【図11】本発明に係る医用画像表示装置の好適な実施の形態が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】本発明に係る医用画像表示装置の好適な実施の形態が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】本発明に係る医用画像表示装置の好適な実施の形態による医用画像表示画面の表示態様の一例を示す図である。
【図14】本発明に係る医用画像表示装置の好適な実施の形態が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】本発明に係る医用画像表示装置の好適な実施の形態による医用画像表示画面の表示態様の一例を示す図である。
【図16】本発明に係る医用画像表示装置の好適な実施の形態による医用画像表示画面の表示態様の一例を示す図である。
【図17】本発明に係る医用画像表示装置の好適な実施の形態が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】本発明に係る医用画像表示装置の好適な実施の形態による医用画像表示画面の表示態様の一例を示す図である。
【図19】本発明に係る医用画像表示装置の好適な実施の形態が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図20】本発明に係る医用画像表示装置の好適な実施の形態による医用画像表示画面の表示態様の一例を示す図である。
【図21】本発明に係る医用画像表示装置の好適な実施の形態の変形例の全体構成の一例を表すブロック図である。
【図22】本発明に係る医用画像表示装置の好適な実施の形態の変形例により表示される画面の一例を示す図である。
【図23】本発明に係る医用画像表示装置の好適な実施の形態の変形例が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図24】本発明に係る医用画像表示装置の好適な実施の形態の変形例による医用画像表示画面の表示態様の一例を示す図である。
【図25】本発明に係る医用画像表示装置の好適な実施の形態による医用画像表示画面の表示態様の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
この発明に係る医用画像表示装置の好適な実施の形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
[装置構成]
本実施形態に係る医用画像表示装置の全体構成の一例を図1に示す。同図に示す医用画像表示装置1は、医用画像の読影を行うために使用されるものであり、一般に医用画像ビューアなどと呼ばれる装置である。この医用画像表示装置1は、LAN(Local Area Network)等のネットワークNを介して、医用画像診断装置(モダリティ)1000A、1000Bや医用画像データベース2000に接続されている。医用画像表示装置1、医用画像診断装置1000A、1000B及び医用画像データベース2000は、たとえばDICOM規格に準拠したシステムを形成している。
【0026】
医用画像診断装置1000A、1000Bは、それぞれ、X線診断装置、X線CT装置、MRI装置、核医学診断装置、超音波診断装置など、医用画像の撮影に用いられる任意の医用画像診断装置により構成される。また、PET−CT等の複合型のモダリティを医用画像診断装置1000A、1000Bとして用いることもできる。医用画像診断装置1000A、1000Bにより取得された医用画像の画像データは、医用画像データベース2000に送信されて保管される。
【0027】
医用画像データベース2000は、医用画像の画像データを格納する大容量のハードディスクドライブ等の記憶装置と、この記憶装置に格納される画像データを管理するアプリケーションソフトウェアとを含んで構成される。この医用画像データベース2000としては、PACS(Picture Archiving and Communication System;医用画像保管通信システム)などが一般に用いられている。医用画像表示装置1は、医用画像データベース2000に保管されている画像データを適宜に読み出して、医用画像を表示するようになっている。
【0028】
次に、医用画像表示装置1の内部構成を説明する。この医用画像表示装置1は、制御部2、記憶部3、サムネイル画像生成部4、差分画像生成部5、断層画像生成部6、医用画像対応付部7、画像位置調整部8、表示部9、操作部10及び通信部11を含んで構成されている。
【0029】
〔制御部〕
制御部2は、医用画像表示装置1の各部の制御を司るものであり、たとえばCPU(Central Processing Unit)等のマイクロプロセッサ、RAM等の主記憶装置、ハードディスクドライブ等の外部記憶装置などを含んで構成される。この外部記憶装置には、本実施形態に特徴的な処理を医用画像表示装置1に実行させるためのコンピュータプログラム(図示せず)があらかじめ格納されている。マイクロプロセッサは、このコンピュータプログラムを主記憶装置に展開して実行することにより、装置各部の制御を行う。このような制御部2は、本発明の「制御手段」の一例に相当するものである。
【0030】
〔記憶部〕
記憶部3は、各種データを記憶するハードディスクドライブ等の記憶装置を含んで構成されている。この記憶部3には、医用画像の画像データを記憶する画像データ記憶部31と、医用画像表示装置1による処理に供される情報を記憶する情報記憶部32とが設けられている。ここで、画像データ記憶部31と情報記憶部32は、単一の記憶装置の異なる記憶領域によって形成されていてもよいし、それぞれ個別の記憶装置により構成されていてもよい。画像データ記憶部31は、本発明の「画像データ記憶手段」の一例に相当し、情報記憶部32は、本発明の「関連情報記憶手段」の一例に相当する。
【0031】
記憶部3に記憶されているデータの一例を図2に示す。同図に示す記憶部3の画像データ記憶部31には、シリーズA、B、C、Dの医用画像の画像データが記憶されている。このシリーズAの医用画像の画像データは、たとえば医用画像診断装置1000A(1000B)による1回のスキャンによって得られた一連の医用画像に相当するものであり、この一連の医用画像のそれぞれの画像データA1、A2、A3、・・・、Amを含んでいる。同様に、シリーズBの医用画像の画像データは、一連の医用画像のそれぞれの画像データB1、B2、B3、・・・、Bnを含み、シリーズCの医用画像の画像データは、一連の医用画像のそれぞれの画像データC1、C2、C3、・・・、Cpを含み、シリーズDの医用画像の画像データは、一連の医用画像のそれぞれの画像データD1、D2、D3、・・・、Dqを含んでいる。
【0032】
また、シリーズAの画像データA1、A2、A3、・・・、Amには、それぞれ付帯情報a1、a2、a3、・・・、amが付されている。この付帯情報a1〜amは、たとえばDICOM規格において画像データに付される情報であり、シリーズのID情報、医用画像のID情報、検査オーダ情報、モダリティ種別情報、撮影日時情報、患者情報、画像位置情報、撮影条件情報、撮影時相情報、アノテーション情報、計測情報などを記録している。
【0033】
ここで、シリーズID情報は、その医用画像が属するシリーズを識別する情報である。また、医用画像のID情報は、その医用画像を識別する情報である。また、検査オーダ情報は、その医用画像の撮影をオーダしたときの識別情報である。
【0034】
また、モダリティ種別情報は、X線CT、MRI装置など、その医用画像を撮影したモダリティを識別する情報である。また、撮影日時情報は、その医用画像の撮影を実施した日時を示す情報である。また、患者情報は、その医用画像の被検体である患者を識別する患者ID等の情報である。
【0035】
また、画像位置情報は、その医用画像の撮影位置を示す情報であり、一般に、モダリティによって医用画像に設定される座標系に基づく情報である。この画像位置情報は、たとえば断層画像の場合には、スキャン方向における断面位置(座標)を示す断面位置情報や、その断面方向を示す断面方向情報を含んでいる。なお、断層画像は、X線CT装置などの医用画像診断装置による直線的なスキャンによって得られる直線的に配列された断層画像に限定されるものではなく、超音波診断装置などの医用画像診断装置によるたとえば円形状のスキャンにより得られる円形状などの任意の軌道に沿って配列された断層画像であってもよい。後者の場合、「断面方向」は、断層画像の配列方向(円形状の配列の場合には、その円形状の軌道の接線方向)に相当する。
【0036】
また、撮影条件情報は、その医用画像を撮影したときのスキャン方法、スライス厚、ウィンドウレベル、ウィンドウ幅などの撮影条件を示す情報である。また、撮影時相情報は、たとえば心電同期撮影のように撮影部位の時間変化を表現する医用画像に付されるものであり、その医用画像が撮影されたときの時相を示す情報である。
【0037】
また、アノテーション情報は、その医用画像に付された矢印、図形、文字等のアノテーションに関する情報である。このアノテーション情報は、たとえばアノテーションの画像データやテキストデータ(アノテーションが付される位置やサイズに関する情報を含む)を含んでいる。また、計測情報は、その医用画像に対して実施された距離、面積、角度等の計測結果を示す情報(計測の種類、計測結果の画像の位置やサイズに関する情報を含む)である。
【0038】
また、情報記憶部32には、図4に示す医用画像表示画面Pにおける画像表示領域の組合せと、医用画像の画像データに対する処理内容とを関連付ける処理内容関連情報32aが記憶されている。この処理内容関連情報32aの一例を図3に示す。
【0039】
(医用画像表示画面について)
この処理内容関連情報32aについて説明する前に、医用画像表示画面Pの構成について説明する。この医用画像表示画面Pは、サムネイル画像表示領域P1、観察用画像表示領域P2、サムネイル画像表示領域P3及び観察用画像表示領域P4を有している。ここで、サムネイル画像表示領域P1、P3は、それぞれ、本発明の「縮小画像表示領域」の一例に相当する。また、サムネイル画像表示領域P1、P3は、一方が「第1の縮小画像表示領域」の一例に相当するとともに、他方が「第2の縮小画像表示領域」の一例に相当する。また、観察用画像表示領域P2、P3は、一方が「第1の観察用画像表示領域」の一例に相当するとともに、他方が「第2の観察用画像表示領域」の一例に相当する。医用画像表示画面Pには、あらかじめ2次元座標系が設定されている。各表示領域P1〜P4は、この2次元座標系によって範囲や位置が特定される。
【0040】
サムネイル画像表示領域P1には、たとえば、今回の読影の対象となるシリーズに含まれる医用画像のサムネイル画像g1が表示される。このサムネイル画像g1は、当該シリーズを形成する一連の医用画像を代表する医用画像(「代表画像」と呼ぶことにする。)のサムネイル画像である。この代表画像としては、一連の医用画像のうちの最初に撮影された医用画像や、所定の画像位置(断面位置等)における医用画像などを用いることができる。たとえば図2に示すシリーズAを代表するサムネイル画像を表示する場合、このシリーズAの画像データA1〜Amのうちのいずれか1つの画像データに基づくサムネイル画像がサムネイル画像表示領域P1に表示されることになる。ここで、「代表」とは、何らかの特徴によって一連の医用画像を代表することを意味するものではなく、単に、サムネイル画像の画像データを生成するために一連の医用画像から任意に選択されたことを意味している。
【0041】
観察用画像表示領域P2には、サムネイル画像表示領域P1に表示されたサムネイル画像g1が代表するシリーズに含まれる医用画像の観察用画像G1が表示される。また、操作部10を用いて所定の操作を行うことにより、当該シリーズの複数の医用画像の観察用画像を順次表示させることができる。たとえば図2のシリーズAにおいては、画像データA1〜Amに基づく観察用画像を順次表示させることができる。なお、観察用画像とは、ユーザ(読影医)が医用画像を観察するために表示される画像を意味する。
【0042】
サムネイル画像表示領域P3には、たとえば、今回の読影の対象となるシリーズと比較されるシリーズを代表する医用画像のサムネイル画像g2、g3が表示される。この比較対象となるシリーズは、たとえば、今回の読影対象のシリーズと同じ部位について過去に撮影された医用画像を含んでいる(経過観察や術前・術後観察等の場合)。
【0043】
観察用画像表示領域P4には、観察用画像表示領域P2と同様に、サムネイル画像表示領域P3に表示されたサムネイル画像g2(及び/又はサムネイル画像g3)が代表するシリーズに含まれる医用画像の観察用画像G2(及び/又は観察用画像G3(図示せず))が表示される。
【0044】
このように、図4に示す医用画像表示画面Pは、今回の読影対象のシリーズの医用画像(サムネイル画像、観察用画像)を画面左側に表示するとともに、その比較対象となるシリーズの医用画像(サムネイル画像、観察用画像)を画面右側に表示するようになっている。
【0045】
(処理関連情報について)
図3の処理内容関連情報32aについて説明する。この処理内容関連情報32aは、本発明の「関連情報」の一例に相当し、サムネイル画像表示領域P1、観察用画像表示領域P2、サムネイル画像表示領域P3及び観察用画像表示領域P4の組合せと、医用画像の画像データに対して実行する処理の内容とを関連付ける情報である。ここで、各表示領域P1〜P4は、医用画像表示画面P(表示部9の表示画面)上に設定された2次元座標系における座標によって特定される。
【0046】
なお、図3に示す処理内容関連情報32aは、操作部10として特にマウスが設けられている場合(ドラッグアンドドロップ(drag and drop)操作により医用画像や表示領域の指定を行う場合)に使用されるものである。また、表示領域P1〜P4(に表示された画像)は、マウス等により指定された医用画像表示画面Pの位置の座標によって特定される。
【0047】
この処理内容関連情報32aに定義された内容について具体的に説明する。まず、サムネイル画像表示領域P1と観察用画像P2との組合せ(P1→P2の順のみ)に対して、(1)表示画像切換処理と(2)並列表示処理とが関連付けられている。
【0048】
また、サムネイル画像表示領域P1とサムネイル画像表示領域P3との組合せ(順不同)に対して、(1)シリーズ間同期処理と(2)差分画像生成処理とが関連付けられている。
【0049】
また、サムネイル画像表示領域P1と観察用画像表示領域P4との組合せ(順不同)には、(1)断層画像生成処理、(2)近似断面画像選択処理、及び(3)フュージョン画像生成処理が関連付けられている。
【0050】
また、サムネイル画像表示領域P3と観察用画像表示領域P4との組合せ(P3→P4の順のみ)に対して、(1)表示画像切換処理と(2)並列表示処理とが関連付けられている。
【0051】
また、観察用画像表示領域P4と観察用画像表示領域P2との組合せ(P4→P2の順のみ)に対して、(1)アノテーション添付処理と(2)計測結果添付処理とが関連付けられている。処理内容関連情報32aに定義されたこれらの処理の具体的な内容については後述する。
【0052】
〔サムネイル画像生成部〕
サムネイル画像生成部4は、医用画像の画像データに基づいて、この医用画像のサムネイル画像の画像データを生成する処理を行う。サムネイル画像の生成手法としては、従来の任意の手法を適宜に用いることができる。このサムネイル画像生成部4は、本発明の「縮小画像生成手段」の一例に相当し、所定のコンピュータプログラムを実行するマイクロプロセッサ等を含んで構成される。
【0053】
〔差分画像生成部〕
差分画像生成部5は、2つの医用画像の画像データに基づいて、この2つの医用画像の差分画像の画像データを生成する処理を行う。差分画像の生成手法としては、対応する各画素について、一方の画像データの画素値から他方の画像データの画素値を減算するなどの従来の任意の手法を適宜に用いることができる。この差分画像生成部5は、本発明の「差分画像生成手段」の一例に相当し、所定のコンピュータプログラムを実行するマイクロプロセッサ等を含んで構成される。
【0054】
〔断層画像生成部〕
断層画像生成部6は、被検体の複数の断層画像の画像データに基づいて、この複数の断層画像とは異なる断面方向の断層画像の画像データを生成する処理を行う。断層画像生成部6が実行する処理としては、たとえば、MPR(Multiplanar Reconstruction:断面変換)やオブリーク(oblique)画像生成処理などがある。この断層画像生成部6は、本発明の「断層画像生成手段」の一例に相当し、所定のコンピュータプログラムを実行するマイクロプロセッサ等を含んで構成される。
【0055】
MPRは、或る断面方向の複数の断層画像の画像データに基づいて、他の断面方向の断層画像の画像データを生成する処理である。たとえば、被検体の複数のアキシャル(Axial)像の画像データに基づいて、コロナル(coronal)像の画像データや、サジタル(sagittal)像の画像データを生成する処理である。なお、たとえばCT画像のように、スライス面内の画素の大きさに対してスライス厚が大きい断層画像に対してMPRを実施する場合、まず、複数の断層画像の画像データに対して補間処理を行ってボリュームデータ(ボクセルデータ)を生成し、このボリュームデータに基づいて目的の断層画像の画像データを生成することが望ましい。
【0056】
また、オブリーク画像生成処理は、或る断面方向の複数の断層画像の画像データに基づいて、任意の断面方向の断層画像の画像データを生成する処理である。この場合にも、ボリュームデータを生成してから目的の断面方向の断層画像の画像データを生成することができる。
【0057】
〔医用画像対応付部〕
医用画像対応付部7は、或るシリーズに属する医用画像と、他のシリーズに属する医用画像とを、これらの医用画像の付帯情報に基づいて対応付ける処理を行う。
【0058】
より具体的に説明すると、医用画像対応付部7は、たとえば、各シリーズの医用画像の付帯情報に含まれる画像位置情報を参照することにより、その画像位置情報に示す位置が略同一である一方のシリーズの医用画像と他方のシリーズの医用画像とを対応付けする。特に、医用画像が断層画像である場合、医用画像対応付部7は、各シリーズの付帯情報の断面位置情報を参照して、断面位置が略同一である一方のシリーズの断層画像と他方のシリーズの断層画像とを対応付ける。
【0059】
また、各シリーズの医用画像が心電同期画像などの経時的な画像である場合、医用画像対応付部7は、各シリーズの医用画像の付帯情報に含まれる撮影時相情報を参照することにより、その撮影時相情報に示す撮影時相が略同一である一方のシリーズの医用画像と他方のシリーズの医用画像とを対応付けする。
【0060】
ここで、「略同一(ほぼ同一)」とは、対応付けられた2つの医用画像を比較観察するときの精度に支障が出ない程度のずれを許容する範囲を意味するものとする。この「略同一」の範囲は、医用画像の精度や観察部位などの各種の条件に応じて適宜に設定することができる。また、一方のシリーズの医用画像に対し、この医用画像の画像位置や撮影時相に最も近い医用画像を他方のシリーズに属する医用画像から選択して対応付けるようにしてもよい(この場合も「略同一」の範囲に含まれるものとする。)。
【0061】
このような医用画像対応付部7は、本発明の「医用画像対応付手段」の一例に相当するものであり、所定のコンピュータプログラムを実行するマイクロプロセッサ等を含んで構成されている。また、この医用画像対応付部7は、本発明の「制御手段」に含まれるものである。
【0062】
〔画像位置調整部〕
画像位置調整部8は、種類の異なる医用画像の画像データと、各医用画像の画像位置情報とに基づいて、これらの医用画像の位置合わせを行う。
【0063】
ここで、「種類の異なる医用画像」とは、異なるモダリティによって撮影された医用画像や、異なる撮影方法にて撮影された医用画像を示している。たとえば、X線CT装置で撮影されたCT画像と、PETで撮影されたPET画像は、それぞれ異なるモダリティにより撮影された医用画像の一例である。また、MRI装置による被検体の内部形態の画像と、被検体の機能的画像とは、それぞれ異なる撮影方法にて撮影された医用画像の一例である。
【0064】
「医用画像の位置合わせ」は、各医用画像の画像位置情報に示す座標を一致させるようにして実行される。また、各医用画像に共通の特徴部位がある場合には、この特徴部位の位置を一致させるようにして位置合わせを行ってもよい。
【0065】
制御部2は、画像位置調整部8により位置合わせがなされた医用画像を、重畳させて表示部9に表示させる。このとき、制御部2は、上から重ねる方の画像の透明度の値を調整するなどして、上にくる画像と下にくる画像との双方が視認できるような態様の画像を表示させる。このような画像は、「フュージョン(fusion)画像」などと呼ばれている(たとえば特開2005−334634号公報を参照)。
【0066】
このような画像位置調整部8は、本発明の「画像位置調整手段」の一例に相当するものであり、所定のコンピュータプログラムを実行するマイクロプロセッサ等を含んで構成される。
【0067】
〔表示部〕
表示部9は、LCD(Liquid Crystal Display)や、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の任意の形態の表示デバイスによって構成される。この表示部9は、本発明の「表示手段」の一例に相当する。
【0068】
〔操作部〕
操作部10は、たとえば、マウス、トラックボール、キーボード、コントロールパネル、ジョイスティック等の操作デバイスや入力デバイスによって構成される。この操作部10は、本発明の「操作手段」の一例に相当する。
【0069】
なお、本実施形態では、表示手段と操作手段とを個別に構成しているが、タッチパネル式のLCDなど、表示手段と操作手段とを一体的に形成したデバイスを使用することも可能である。
【0070】
〔通信部〕
通信部11は、ネットワークNを通じて情報通信を行うもので、LANカードやモデム等の通信機器を含んで構成される。この通信部11は、本発明の「通信手段」の一例に相当する。
【0071】
[動作]
以上のような構成を具備する本実施形態の医用画像表示装置1の動作について説明する。図5〜図20は、この医用画像表示装置1の動作の一例を説明するための図面である。
【0072】
まず、医用画像表示装置1(の所定のコンピュータプログラム)を起動させると、制御部2は、所定の患者リスト画面(図示せず)を表示部9に表示させる。ユーザ(読影医)が、操作部10を操作して所望の患者を選択すると、制御部2は、選択された患者に係る医用画像表示画面Pを表示部9に表示させる。
【0073】
このときに表示される医用画像表示画面Pは、サムネイル画像のみを表示したものであってもよいし、図4に示したように、観察用画像も表示したものであってもよい。ここでは、図4に示す医用画像表示画面Pが表示されたものとして説明する。
【0074】
〔表示画像切換処理、並列表示処理〕
最初に、画像切換処理及び並列表示処理について、図5のフローチャート及び図6〜図10の医用画像表示画面Pの表示態様を示す図面を参照しつつ説明する。これらの処理は、図3の処理内容関連情報32aに示すように、サムネイル画像表示領域P1(又はP3)に表示されたサムネイル画像を、観察用画像表示領域P2(又はP4)にドラッグアンドドロップすることにより実行される処理である。
【0075】
ここでは、図4に示す表示状態において、サムネイル画像表示領域P3のサムネイル画像g3を観察用画像表示領域P4にドラッグアンドドロップするときの処理について説明する。
【0076】
まず、図4に示す表示状態の医用画像表示画面Pにおいて、操作部10のマウスを操作して、マウスポインタMPをサムネイル画像g3上に配置させるとともに、このサムネイル画像g3のドラッグを開始すると(S11)、制御部2は、処理内容関連情報32aを参照して、このサムネイル画像g3が表示されているサムネイル画像表示領域P3(このとき、ドラッグを開始したときにマウスポインタMPが位置している医用画像表示画面P上の座標により、サムネイル画像表示領域P3を特定する;以下同様)に関連付けられている表示領域と、関連付けられていない表示領域とを、それぞれ識別可能な表示態様で表示させる(S12)。
【0077】
本実施形態では、サムネイル画像表示領域P3に関連付けられている表示領域は、サムネイル画像表示領域P1と観察用画像表示領域P4であり、関連付けられていない表示領域は、観察用画像表示領域P2とサムネイル画像表示領域P3である。制御部2は、たとえば図6に示すように、サムネイル画像表示領域P3に関連付けられていない表示領域を暗く表示させるようになっている。
【0078】
なお、関連付けの有無を識別可能にする表示態様としては、このような表示の明るさを変更する方法以外にも、表示色を変更するなどの任意の手法を適用することができる。また、ドラッグされる画像が表示されている表示領域(ここではサムネイル画像表示領域P3)を識別できるように表示することも可能である(たとえば所定の表示色で表示するなど)。
【0079】
次に、サムネイル画像g3が観察用画像表示領域P4(の観察用画像G2)までドラッグされると(S13)、制御部2は、図7に示すように、サムネイル画像表示領域P3と観察用画像表示領域P4との組合せに関連付けられた2つの処理内容を選択可能に呈示する処理選択ダイアログD1を、表示部9に表示させる(S14)。なお、制御部2は、たとえばマウスポインタMPの表示画面上の位置に基づいて、ドラッグ先の表示領域を認識するようになっている。
【0080】
処理選択ダイアログD1には、サムネイル画像表示領域P3と観察用画像表示領域P4との組合せに関連付けられた、表示画像切換処理及び並列表示処理とのうちの一方の処理を選択するためのタブ(処理選択ダイアログD1の左上端部に設けられた「1」、「2」)が設けられている。
【0081】
ユーザは、たとえばマウスのマウスホイール(マウスに設けられた回転部)を回転させることにより、この2つのタブに示す処理を交互に切り換えるとともに、サムネイル画像g3をドロップするなどして、表示画像切換処理及び並列表示処理の一方を選択する(S15)。
【0082】
なお、処理選択ダイアログD1における処理の選択操作は、任意の方法で行うように構成できる。たとえば、所望のタブをマウスでクリックすることにより処理の選択を行うようにしてもよいし、キーボードの所定のキー(たとえばコントロールキー等)を押下することにより処理の切り換えを行うようにしてもよい。
【0083】
図7は、タブ「1」が選択された状態を表している。タブ「1」は、表示画像切換処理に相当するものであり、このタブ「1」が選択されているときには、表示画像切換処理の説明「ドラッグ&ドロップ元のシリーズの検査画像をドラッグ&ドロップ先の検査画像に置き換えて表示する」が処理選択ダイアログD1に表示されるようになっている。
【0084】
また、図8は、タブ「2」が選択された状態を示している。タブ「2」は、並列表示処理に相当するものであり、このタブ「2」が選択されているときには、並列表示処理の説明「表示中の検査画像を縮小し、ドラッグ&ドロップ元のシリーズの検査画像を並べて表示する」が処理選択ダイアログD1に表示されるようになっている。
【0085】
タブ「1」の表示画像切換処理が選択された場合(S16;画像切換)、制御部2は、観察用画像表示領域P4に表示された観察用画像G2の表示を終了させるとともに、サムネイル画像g3に対応するシリーズに含まれる医用画像(たとえば当該シリーズのうち最初に撮影された医用画像)の画像データに基づく観察用画像G3を、観察用画像表示領域P4に表示させる(S17)。それにより、図9に示すように、観察用画像表示領域P4に表示される画像が、観察用画像G2から観察用画像G3に切り換えられる。
【0086】
一方、タブ「2」の並列表示処理が選択された場合(S16;並列表示)、制御部2は、観察用画像表示領域P4に表示された観察用画像G2の表示サイズを縮小するとともに、サムネイル画像g3に対応するシリーズに含まれる医用画像(たとえば当該シリーズのうち最初に撮影された医用画像)の画像データに基づく観察用画像G3を、観察用画像g2と並べて観察用画像表示領域P4に表示させる(S18)。それにより、図10に示すように、観察用画像表示領域P4には、観察用画像G2と観察用画像G3とが並列表示される。
【0087】
なお、サムネイル画像表示領域P1に2以上のサムネイル画像が表示されており、その一つのサムネイル画像に対応する観察用画像が観察用画像表示領域P2に表示されている場合に、他のサムネイル画像を観察用画像表示領域P2(に表示された観察用画像)上にドラッグアンドドロップしたときも、図5〜図10にて説明した上記の処理と同様の処理を実行するようになっている。
【0088】
〔シリーズ間同期処理、差分画像生成処理〕
次に、シリーズ間同期処理及び差分画像生成処理について、図11のフローチャートを参照しつつ説明する。これらの処理は、図3に示すように、サムネイル画像表示領域P1に表示されたサムネイル画像をサムネイル画像表示領域P3(に表示されたサムネイル画像)上にドラッグアンドドロップしたとき、若しくは、サムネイル画像表示領域P3に表示されたサムネイル画像をサムネイル画像表示領域P1(に表示されたサムネイル画像)上にドラッグアンドドロップしたときに実行される処理である。
【0089】
ここでは、図4に示す表示状態において、サムネイル画像表示領域P1のサムネイル画像g1をサムネイル画像表示領域P3に表示されたサムネイル画像g2上にドラッグアンドドロップするときの処理について説明する。なお、マウスポインタMPについては、以下、図示を省略することにする。
【0090】
まず、図4に示す表示状態の医用画像表示画面Pにおいて、操作部10のマウスを操作して、マウスポインタMPをサムネイル画像g1上に配置させるとともに、このサムネイル画像g1のドラッグを開始すると(S21)、制御部2は、処理内容関連情報32aを参照して、このサムネイル画像g1が表示されているサムネイル画像表示領域P1に関連付けられている表示領域と、関連付けられていない表示領域とを、それぞれ識別可能な表示態様で表示させる(S22)。
【0091】
本実施形態においては、サムネイル画像表示領域P1に関連付けられている表示領域は、観察用画像表示領域P2、サムネイル画像表示領域P3及び観察用画像表示領域P4であるので、サムネイル画像表示領域P1自身のみが暗く表示されることになる(図示は省略する)。
【0092】
次に、サムネイル画像g1がサムネイル画像表示領域P3(のサムネイル画像g2)までドラッグされると(S23)、制御部2は、サムネイル画像表示領域P1とサムネイル画像表示領域P3との組合せに関連付けられた、シリーズ間同期処理及び差分画像生成処理を選択可能に呈示する処理選択ダイアログD2を表示部9に表示させる(S24)。
【0093】
図示は省略するが、この処理選択ダイアログD2には、図7、図8の処理選択ダイアログD1と同様に、シリーズ間同期処理と差分画像生成処理とのうちの一方の処理を選択するためのタブが設けられている。マウスによってタブを切り換えると、タブ「1」に対応するシリーズ間同期処理の説明「ドラッグ&ドロップ元、ドラッグ&ドロップ先の2シリーズ間で、シリーズ間同期機能を実行する」と、タブ「2」に対応する差分画像生成処理の説明「ドラッグ&ドロップ元の画像と、ドラッグ&ドロップ先の画像での時系列差分画像を作成する」とが、処理選択ダイアログD2に切り換え表示される。ユーザは、この処理選択ダイアログD2によってシリーズ間同期処理及び差分画像生成処理の一方の処理を選択する(S25)。
【0094】
タブ「1」のシリーズ間同期処理が選択された場合(S26;シリーズ間同期)、医用画像対応付部7が、サムネイル画像g1が代表する一連の医用画像に含まれる医用画像と、サムネイル画像g3が代表する一連の医用画像に含まれる医用画像とを、付帯情報に基づいて対応付ける処理を行う(S27)。
【0095】
この対応付処理についてより具体的に説明する。サムネイル画像g1が代表する一連の医用画像の画像データを図2のシリーズAとし、サムネイル画像g2が代表する一連の医用画像の画像データをシリーズBとする。医用画像対応付部7は、シリーズAの画像データA1〜AmとシリーズBの画像データB1〜Bnとの対応付けを、それぞれの付帯情報a1〜am及び付帯情報b1〜bnを参照して行う。
【0096】
各付帯情報a1〜am、b1〜bnには、その医用画像の位置を示す画像位置情報(前述)が記録されている。医用画像対応付部7は、画像位置情報に示す画像位置が略同一である画像データAi(i=1〜m)と画像データBj(j=1〜n)とを対応付ける。特に、サムネイル画像g1、g3が断層画像である場合、医用画像対応付部7は、断面位置情報に示す断面位置と断面方向情報に示す断面方向とが略同一である画像データ同士を関連付けるように動作する。
【0097】
このような対応付処理により、画像データAi1と画像データBj1とが対応付けられ、画像データAi2と画像データBj2とが関連付けられ、・・・・、画像データAikと画像データBjkとが、それぞれ関連付けられたとする。
【0098】
ユーザが、操作部10により所定の操作を行って画像データAir(r=1〜k)に基づく観察用画像Girを観察用画像表示領域P2に表示させると(S28)、制御部2は、上記の対応付処理の結果を参照し、この画像データAirに対応付けられた画像データBirに基づく観察用画像Gir′を観察用画像表示領域P4に表示させる(S29)。逆に、ユーザが、画像データBirに基づく観察用画像Gir′を観察用画像表示領域P4に表示させると、画像データBirに対応付けられた画像データAirに基づく観察用画像Girを観察用画像表示領域P2に表示させる。
【0099】
このように、一方の観察用画像を切り換えたことに同期して、他方の観察用画像が自動的に切り換え表示される。そして、同期して表示される2つの観察用画像は、画像位置が略同一の医用画像である。
【0100】
一方、タブ「2」の差分画像生成処理が選択された場合(S26;差分画像)、医用画像対応付部7が、上記と同様の対応付処理を実行するとともに(S30)、差分画像生成部5が、対応付けられた画像データAirと画像データBirとの差分画像の画像データを生成する(S31)。制御部2は、自動的に若しくはユーザの要求を受けて、この差分画像を表示部9(たとえば観察用画像表示領域P2)に表示させる(S32)。ここで、ステップS31によりk個の差分画像の画像データが生成される。制御部2は、たとえば操作部10による操作に基づいて、これらの差分画像を順次に表示させる。
【0101】
なお、サムネイル画像表示領域P3に表示されたサムネイル画像を、サムネイル画像表示領域P1に表示されたサムネイル画像上にドラッグアンドドロップしたときも、上記と同様の処理を実行するようになっている。
【0102】
また、シリーズ間同期処理と差分画像生成処理は、それぞれ、それらの処理を実行可能なシリーズ間においてのみ実行される。すなわち、シリーズ間同期処理は、各シリーズの画像位置を対応付け可能な場合においてのみ実行される。たとえば、断面方向が同一の2つのシリーズ間においてはシリーズ間同期処理を実行できるが、異なる2つのシリーズ間においては実行できない。同様に、差分画像生成処理は、差分画像を定義可能なシリーズ間においてのみ実行可能とされる。ステップS22において、シリーズ間同期処理や差分画像生成処理を実行可能なサムネイル画像と、実行不可能なサムネイル画像とを識別可能に表示するようにしてもよい。
【0103】
また、上記の例では、付帯情報の画像位置情報が略同一の医用画像を対応付けるように構成したが、前述の撮影時相情報に示す撮影時相が略同一の医用画像を対応付けて、シリーズ間同期処理や差分画像生成処理を実行することも可能である。このような構成は、心電同期撮影のように撮影部位の時間変化を表現する医用画像のシリーズに対して有効である。
【0104】
たとえば、サムネイル画像g1、g3が代表するシリーズA、Bのそれぞれが、心電同期撮影により得られた時相の異なる複数の医用画像からなる場合において、撮影時相が略同一の医用画像同士を対応付けるとともに、対応付けられた医用画像を同期して表示させたり、対応付けられた医用画像の差分画像の画像データを生成したりするように構成することが可能である。
【0105】
〔断層画像生成処理〕
次に、断層画像生成処理について、図12、図13を参照しつつ説明する。この断層画像生成処理は、図3に示すように、サムネイル画像表示領域P1に表示されたサムネイル画像を観察用画像表示領域P4(に表示された観察用画像)上にドラッグアンドドロップしたとき、若しくは、観察用画像表示領域P4に表示された観察用画像をサムネイル画像表示領域P1(に表示されたサムネイル画像)上にドラッグアンドドロップしたときに実行される処理である。
【0106】
ここでは、図10に示す表示状態において、観察用画像表示領域P4に表示された観察用画像G3をサムネイル画像表示領域P1のサムネイル画像g1上にドラッグアンドドロップするときの処理について説明する。なお、観察用画像G3は、サムネイル画像g2が代表する一連のアキシャル像(その1枚が観察用画像G2である。)の画像データに対して断面変換(MPR)を施して生成されたコロナル像の画像データに基づく観察用画像である。また、サムネイル画像g1が代表する一連の医用画像は、サムネイル画像g2と同じ断面方向のアキシャル像である。
【0107】
まず、図10に示す表示状態の医用画像表示画面Pにおいて、操作部10のマウスを操作して、マウスポインタMPを観察用画像G3上に配置させるとともに、この観察用画像G3のドラッグを開始すると(S41)、制御部2は、処理内容関連情報32aを参照して、この観察用画像G3が表示されている観察用画像表示領域P4に関連付けられている表示領域と、関連付けられていない表示領域とを、それぞれ識別可能な表示態様で表示させる(S42)。
【0108】
本実施形態においては、観察用画像表示領域P4に関連付けられている表示領域は、サムネイル画像表示領域P1及び観察用画像表示領域P2であるので、サムネイル画像表示領域P3と観察用画像表示領域P4とが暗く表示されることになる(図示は省略する)。
【0109】
次に、観察用画像G3がサムネイル画像表示領域P1(のサムネイル画像g1)までドラッグされると(S43)、制御部2は、観察用画像表示領域P4とサムネイル画像表示領域P1との組合せに関連付けられた断層画像生成処理の処理内容の説明「ドラッグ&ドロップ先のシリーズから、ドラッグ&ドロップ元のMPR画像と同条件でMPR画像を作成し、新たなシリーズとして登録する」が記載されたダイアログD3を、表示部9に表示させる(S44)。
【0110】
ここで、図3の処理内容関連情報32aによれば、観察用画像表示領域P4とサムネイル画像表示領域P1との組合せに関連付けられた処理は、断層画像生成処理、近似断面画像選択処理及びフュージョン画像生成処理の3つである。そのうち、断層画像生成処理は、ドラッグアンドドロップ元の医用画像とドラッグアンドドロップ先の医用画像とが異なる断面方向を有する場合に実行される処理である一方、後者の2つの処理は、ドラッグアンドドロップ元の医用画像とドラッグアンドドロップ先の医用画像とが同じ断面方向を有する場合に実行される処理である。制御部2は、ステップS44において、ドラッグアンドドロップ元の医用画像(観察用画像G3)の付帯情報と、ドラッグアンドドロップ先の医用画像(サムネイル画像g1)の付帯情報とを参照して、それらの断面方向が異なることを認識することにより、断層画像生成処理に関するダイアログD3を表示する。なお、後者2つの処理に関するダイアログについては後述する。
【0111】
ユーザが、操作部10を操作して、観察用画像G3をサムネイル画像g1上にてドロップして断層画像生成処理の実行を要求すると(S45)、断層画像生成部6は、サムネイル画像g1が代表する一連の医用画像(アキシャル像)の画像データと、この画像データの付帯情報(断面位置情報、断面方向情報)と、観察用画像G3(コロナル像)の付帯情報(断面位置情報、断面方向情報)とに基づいてMPR処理を実行し、この一連のアキシャル像を断面変換したMPR像(コロナル像)の画像データを生成する(S46)。
【0112】
制御部2は、生成されたコロナル像の画像データ(及びその付帯情報)を画像データ記憶部31に記憶させて、新たなシリーズとして登録する(S47)とともに、サムネイル画像生成部4を制御して、このコロナル像のサムネイル画像g3′の画像データを生成させ、このサムネイル画像g3′をサムネイル画像表示領域P1に表示させる(S48)。制御部2は、自動的に若しくはユーザの要求を受けて、図13に示すように、このコロナル像の観察用画像G3′を観察用画像表示領域P2に表示させる(S49)。
【0113】
なお、以上の例では、アキシャル像からコロナル像を取得する場合について説明したが、アキシャル像、コロナル像及びサジタル像のうちの一の画像から他の画像を取得することもできる。また、任意の断面方向の一連の医用画像に基づいて、他の任意の断面方向の画像(オブリーク画像)を取得することも可能である。
【0114】
〔近似断面画像選択処理、フュージョン画像生成処理〕
次に、近似断面画像選択処理及びフュージョン画像生成処理について、図14を参照しつつ説明する。これらの処理は、図3に示すように、サムネイル画像表示領域P1に表示されたサムネイル画像を観察用画像表示領域P4(に表示された観察用画像)上にドラッグアンドドロップしたとき、若しくは、観察用画像表示領域P4に表示された観察用画像をサムネイル画像表示領域P1(に表示されたサムネイル画像)上にドラッグアンドドロップしたときに実行される処理である。
【0115】
ここでは、図10に示す表示状態において、観察用画像表示領域P4に表示された観察用画像G2をサムネイル画像表示領域P1のサムネイル画像g1上にドラッグアンドドロップするときの処理について説明する。観察用画像G2は、サムネイル画像g2が代表する一連のアキシャル像の観察用画像である。また、サムネイル画像g1は、サムネイル画像g2と同じ断面方向のアキシャル像のサムネイル画像である。特に、サムネイル画像g1が代表する断層画像と観察用画像G2は、同じ断面方向の断層画像であれば十分であり(断面方向情報によって判別できる。)、それぞれ異なるモダリティによって得られた断層画像や、異なる検査方法によって得られた断層画像であってもよい(前述の「種類の異なる医用画像」)。
【0116】
まず、図10に示す表示状態の医用画像表示画面Pにおいて、マウスポインタMPを観察用画像G2上に配置させるとともに、この観察用画像G2のドラッグを開始すると(S51)、制御部2は、処理内容関連情報32aを参照して、この観察用画像G2が表示されている観察用画像表示領域P4に関連付けられていないサムネイル画像表示領域P3及び観察用画像表示領域P4を暗く表示させる(S52)。
【0117】
次に、観察用画像G2がサムネイル画像表示領域P1(のサムネイル画像g1)までドラッグされると(S53)、制御部2は、観察用画像表示領域P4とサムネイル画像表示領域P1との組合せに関連付けられた、近似断面画像選択処理及びフュージョン画像生成処理を選択可能に呈示する処理選択ダイアログD4を表示部9に表示させる(S54)。
【0118】
図示は省略するが、この処理選択ダイアログD4には、図7、図8の処理選択ダイアログD1と同様に、近似断面画像選択処理及びフュージョン画像生成処理のうちの一方の処理を選択するためのタブが設けられている。マウスによってタブを切り換えると、タブ「1」に対応する近似断面画像選択処理の説明「ドラッグ&ドロップ元の画像と近い座標を持ったドラッグ&ドロップ先の画像を表示する」と、タブ「2」に対応するフュージョン画像生成処理の説明「ドラッグ&ドロップ元の画像と同座標の画像のフュージョン画像を作成する」とが、処理選択ダイアログD4に切り換え表示される。ユーザは、この処理選択ダイアログD4によって近似断面画像選択処理又はフュージョン画像生成処理を選択する(S55)。
【0119】
タブ「1」の近似断面画像選択処理が選択された場合(S56;近似断面)、制御部2は、観察用画像G2(アキシャル像)の付帯情報(断面位置情報)と、サムネイル画像g1が代表する一連の断層画像(アキシャル像)のそれぞれの付帯情報(断面位置情報)とに基づいて、この一連の断層画像のうちから、観察用画像G2と略同一の断面位置(観察用画像G2に最も近い断面位置)を有する断層画像を選択し、観察用画像表示領域P2に表示させる(S57)。この断層画像の選択は、一連の断層画像の断面位置情報のうち、観察用画像G2の断面位置に最も近いものを探索することにより容易に実行することができる。
【0120】
一方、タブ「2」のフュージョン画像生成処理が選択された場合(S56;フュージョン)、制御部2は、観察用画像G2に対応する断面位置情報と、サムネイル画像g1が代表する一連の断層画像のそれぞれの断面位置情報とに基づいて、この一連の断層画像のうちから、観察用画像G2と略同一の断面位置(観察用画像G2に最も近い断面位置)を有する断層画像を選択する(S58)。更に、制御部2は、画像位置調整部8を制御して、ステップS58で選択された断層画像と観察用画像G2との位置合わせを行う(S59)。この位置合わせ処理は、たとえば、選択された断層画像の画像位置情報に示す座標と、観察用画像G2の画像位置情報に示す座標とを合わせることによって行う。また、各画像の特徴部位の位置を一致させるようにして位置合わせを行うこともできる。
【0121】
制御部2は、位置合わせがなされた断層画像と観察用画像G2を重畳させたフュージョン画像を表示部9に表示させる(S60)。
【0122】
以上の例において、2つの断層画像のフュージョン画像を生成したが、たとえばボリュームデータに基づく擬似的な3次元画像(ボリュームレンダリングやMIP(Maximum Intensity Projection)等のレンダリング処理によって得られる画像)を含むフュージョン画像などを生成することも可能である。また、フュージョン画像生成のために重畳される医用画像の個数についても、2つに限定されるものではなく、3つ以上であってもよい。
【0123】
〔アノテーション添付処理、計測結果添付処理〕
次に、アノテーション添付処理及び計測結果添付処理について、図15〜図20を参照しつつ説明する。図15、図16は、医用画像に付されるアノテーション(アノテーション画像)及び計測結果(計測結果画像)の一例をそれぞれ表している。
【0124】
図15に示すアノテーションANは、観察用画像G2の注目部位に付された楕円形の画像からなる。このアノテーションANは、ユーザが所定の操作を行ったときに、観察用画像G2の付帯情報に記録されたアノテーション情報(前述)に基づいて表示される。
【0125】
また、図16に示す計測結果Mは、観察用画像G3における距離の計測結果を示す画像であり、計測部位を示す直線の画像と、計測された距離を示す数値「30cm」の画像とを有している。なお、図16の観察用画像表示領域P2には、図13に示したコロナル像の観察用画像G3′が表示されている。
【0126】
アノテーション添付処理と計測結果添付処理は、図3に示すように、観察用画像表示領域P4に表示されたアノテーション又は計測結果を、観察用画像表示領域P2(に表示された観察用画像)上にドラッグアンドドロップしたときに実行される処理である。なお、アノテーションや計測結果が付された観察用画像をドラッグアンドドロップすることにより、アノテーション添付処理や計測結果添付処理を実行するようにしてもよい。
【0127】
(アノテーション添付処理)
図17、図18を参照しつつ、アノテーション添付処理について説明する。まず、図15に示す表示状態の医用画像表示画面Pにおいて、マウスポインタMPをアノテーションAN(又は観察用画像G2;以下同様)上に配置させるとともに、このアノテーションANのドラッグを開始すると(S61)、制御部2は、処理内容関連情報32aを参照して、アノテーションANが表示されている観察用画像表示領域P4に関連付けられていないサムネイル画像表示領域P3及び観察用画像表示領域P4を暗く表示させる(S62)。
【0128】
次に、アノテーションANが観察用画像表示領域P2(の観察用画像G1)までドラッグされると(S63)、制御部2は、観察用画像表示領域P4と観察用画像表示領域P2との組合せに関連付けられた、アノテーション添付処理の処理内容の説明「ドラッグ&ドロップ先の画像にドラッグ&ドロップ元と同形状のアノテーションを同座標に記入する」を呈示するダイアログD5を表示部9に表示させる(S64)。このとき、制御部2は、観察用画像G2の付帯情報を参照して、ドラッグされている画像がアノテーションであることを認識している。
【0129】
ユーザが、操作部10を操作して、アノテーションANを観察用画像G1上にてドロップすることによりアノテーション添付処理の実行を要求すると(S65)、制御部2は、このアノテーションANに関するアノテーション情報に基づいて、図18に示すように、このアノテーションANに表示位置及び表示サイズが対応するアノテーションAN′が付された観察用画像G1を観察用画像表示領域P2に表示させる(S66)。
【0130】
このとき、既に表示されている観察用画像G1上にアノテーションAN′を重畳して表示してもよいし、観察用画像G1の画像データにアノテーションAN′の画像データを重畳した新たな画像データを生成し、この新たな画像データに基づいて目的の画像を表示させてもよい。
【0131】
また、制御部2は、観察用画像G1の画像位置情報に示す座標と、アノテーション情報に示すアノテーションANの位置やサイズに関する情報に基づいて、観察用画像G1にアノテーションAN′を重畳する位置及びアノテーションANの表示サイズ(拡大倍率/縮小倍率)を決定している。
【0132】
なお、上記の例では、アノテーションANが観察用画像G1にドラッグアンドドロップされたことに対応して、アノテーションANと同様のアノテーションAN′を観察用画像G1に添付して表示するように構成されているが、当該操作に対応して、観察用画像G1に対してアノテーションを記入するモード(アノテーション記入モード)に自動的に移行するように構成することができる(アノテーション記入用のコンピュータプログラムを起動させる。)。アノテーション記入モードにおけるアノテーションの記入方法は、たとえば従来の任意の方法を用いることができる。
【0133】
上記の例のアノテーションは2次元画像であったが、たとえば3次元画像からなるアノテーションを表示することもできる。このとき、観察用画像は、たとえばボリュームデータに基づく擬似的な3次元画像とされる。また、このボリュームデータに基づく断層画像の観察用画像にアノテーションを添付する場合、この断層画像の断面位置における3次元アノテーションの断面の画像を、この断層画像の観察用画像に添付して表示させることができる。
【0134】
(計測結果添付処理)
図19、図20を参照しつつ、計測結果添付処理について説明する。まず、図16に示す表示状態の医用画像表示画面Pにおいて、マウスポインタMPを計測結果M(又は観察用画像G3;以下同様)上に配置させるとともに、この計測結果Mのドラッグを開始すると(S71)、制御部2は、処理内容関連情報32aを参照して、計測結果Mが表示されている観察用画像表示領域P4に関連付けられていないサムネイル画像表示領域P3及び観察用画像表示領域P4を暗く表示させる(S72)。
【0135】
次に、計測結果Mが観察用画像表示領域P2(の観察用画像G3′)までドラッグされると(S73)、制御部2は、観察用画像表示領域P4と観察用画像表示領域P2との組合せに関連付けられた、計測結果添付処理の処理内容の説明「ドラッグ&ドロップ先の画像にドラッグ&ドロップ元と同形状の計測結果を同座標に記入する」を呈示するダイアログD6を表示部9に表示させる(S74)。このとき、制御部2は、観察用画像G3の付帯情報を参照して、ドラッグされている画像が計測結果であることを認識している。
【0136】
ユーザが、操作部10を操作して、計測結果Mを観察用画像G3′上にてドロップすることにより計測結果添付処理の実行を要求すると(S75)、制御部2は、この計測結果Mに関する計測情報に基づいて、図20に示すように、この計測結果Mに表示位置及び表示サイズが対応する計測結果M′が付された観察用画像G3′を観察用画像表示領域P2に表示させる(S76)。
【0137】
このとき、既に表示されている観察用画像G3′上に計測結果M′を重畳して表示してもよいし、観察用画像G3′の画像データに計測結果M′の画像データを重畳した新たな画像データを生成し、この新たな画像データに基づいて表示処理を行ってもよい。
【0138】
また、制御部2は、観察用画像G3′の画像位置情報に示す座標と、計測情報に示す計測結果Mの位置やサイズに関する情報に基づいて、観察用画像G3′に計測結果M′を重畳する位置及び表示サイズ(拡大倍率/縮小倍率)を決定している。
【0139】
なお、上記の例では、計測結果Mが観察用画像G3′にドラッグアンドドロップされたことに対応して、計測結果M′を観察用画像G3′に添付して表示するように構成されているが、当該操作に対応して、観察用画像G3′に対する計測結果を描画するモード(計測結果描画モード)に自動的に移行するように構成することができる(計測結果描画用のコンピュータプログラムを起動させる。)。計測結果の描画方法は、たとえば従来の任意の方法を用いることができる。
【0140】
また、以上の例では、断面位置が同じ断層画像間における計測結果添付処理について説明したが、断面位置又は断面方向が異なる断層画像間においても計測結果添付処理を実行することができる。
【0141】
たとえば、観察用画像G3、G3′の断面位置が異なる場合、図14の近似断面像選択処理を行って、観察用画像G3′が属するシリーズから観察用画像G3に最も近い断面の断層画像を選択するとともに、この選択された断層画像の観察用画像に対して計測結果M′を添付して表示させる。
【0142】
また、断面方向が異なるケースについては、たとえば、図15の観察用画像G1(アキシャル像)が観察用画像表示領域P2に表示され、図16の観察用画像(コロナル像)及び計測結果Mが観察用画像表示領域P4に表示されている場合において、計測結果Mを観察用画像G1にドラッグアンドドロップしたことに対応し、図12の断面画像生成処理を行って、サムネイル画像g1が代表するシリーズの一連の断層画像(アキシャル像)に基づいて、観察用画像G3と略同一の断面位置におけるコロナル像を生成する。そして、このコロナル像の観察用画像に計測結果M′を添付して表示させる。
【0143】
[作用・効果]
以上のような本実施形態に係る医用画像表示装置1が奏する作用と効果について説明する。
【0144】
この医用画像表示装置1は、4つの画像表示領域P1〜P4があらかじめ定義された医用画像表示画面Pを表示する表示部9、医用画像の画像データを記憶する画像データ記憶部31、画像表示領域P1〜P4の組合せと医用画像の画像データに対する処理内容とを関連付ける処理内容関連情報32aを記憶する情報記憶部32、及び操作部10を備えている。操作部10としては、特にマウスを用いている。
【0145】
更に、この医用画像表示装置1の制御部2は、異なる画像表示領域に表示された2つの医用画像が操作部10を用いて指定されたとき(つまり、一方の医用画像が他方にドラッグアンドドロップされたとき)に、この2つの医用画像の一方又は双方の画像データに対して所定の処理を実行させるように作用する。この所定の処理は、処理内容関連情報32aにより、この2つの医用画像が表示されている画像表示領域の組合せに関連付けられた処理内容に示す処理である。
【0146】
すなわち、この医用画像表示装置1は、画像表示領域の組合せに対して処理内容が定義されており、或る画像表示領域の医用画像を他の画像表示領域の医用画像にドラッグアンドドロップする(つまり2つの医用画像を指定する)ことにより、この2つの画像表示領域に対応する処理を実行するように構成されている。画像表示領域の組合せに対して定義された処理内容としては、たとえば、図3に示したように、次のような処理がある。
【0147】
(1)表示画像切換処理:複数のシリーズが登録された検査の医用画像を観察するときに実行される処理である。この処理は、サムネイル画像表示領域P1(又はP3)に表示されたサムネイル画像が、観察用画像表示領域P2(又はP4)に表示された観察用画像にドラッグアンドドロップされたときに実行され、ドラッグアンドドロップ先の観察用画像の表示を終了させるとともに、ドラッグアンドドロップ元のサムネイル画像の画像データの基になった画像データに基づく観察用画像を観察用画像表示領域P2(又はP4)に表示させるものである。
【0148】
(2)並列表示処理:複数のシリーズが登録された検査の医用画像を観察するときに実行される処理である。この処理は、サムネイル画像表示領域P1(又はP3)に表示されたサムネイル画像が、観察用画像表示領域P2(又はP4)に表示された観察用画像にドラッグアンドドロップされたときに実行され、ドラッグアンドドロップ元のサムネイル画像の画像データの基になった画像データに基づく観察用画像と、ドラッグアンドドロップ先の観察用画像とを、観察用画像表示領域P2(又はP4)に表示させるものである。
【0149】
(3)シリーズ間同期処理:2つのシリーズの医用画像を比較するときに行われる処理である。この処理は、サムネイル画像表示領域P1(又はP3)に表示されたサムネイル画像が、サムネイル画像表示領域P3(又はP1)に表示されたサムネイル画像にドラッグアンドドロップされたときに実行され、ドラッグアンドドロップ元のサムネイル画像が代表するシリーズ(第1のシリーズ)に含まれる医用画像と、ドラッグアンドドロップ先のサムネイル画像が代表するシリーズ(第2のシリーズ)に含まれる医用画像とを、付帯情報に基づいて対応付けるものである。この対応付けは、たとえば画像位置情報(断面位置情報)や撮影時相情報が略同一の医用画像同士を対応付けることによって行う。更に、この処理は、操作部10を用いて第1のシリーズ(又は第2のシリーズ)の医用画像が観察用画像表示領域P2(又はP4)に表示されたときに、この医用画像に対応付けられた医用画像を第2のシリーズ(又は第1のシリーズ)から選択し、その観察用画像を観察用画像表示領域P4(又はP2)に表示させるものである。
【0150】
(4)差分画像生成処理:2つのシリーズの医用画像を比較するときに行われる処理である。この処理は、サムネイル画像表示領域P1(又はP3)に表示されたサムネイル画像が、サムネイル画像表示領域P3(又はP1)に表示されたサムネイル画像にドラッグアンドドロップされたときに実行され、ドラッグアンドドロップ元のサムネイル画像が代表するシリーズ(第1のシリーズ)に含まれる医用画像と、ドラッグアンドドロップ先のサムネイル画像が代表するシリーズ(第2のシリーズ)に含まれる医用画像とを、付帯情報に基づいて対応付けを行うとともに、対応付けられた第1、第2のシリーズの医用画像の差分画像の画像データを生成するものである。ここでの対応付け処理は、たとえば画像位置情報(断面位置情報)や撮影時相情報が略同一の医用画像同士を対応付けることによって行う。
【0151】
(5)断層画像生成処理:2つの検査の医用画像を比較するときに行われる処理であり、特に、一方の検査に含まれていない断面方向の断層画像を取得するために行われる処理である。この処理は、観察用画像表示領域P4に表示された断層画像の観察用画像が、サムネイル画像表示領域P1に表示されたサムネイル画像にドラッグアンドドロップされたときに実行され、ドラッグアンドドロップ先のサムネイル画像が代表するシリーズの断層画像の画像データと、付帯情報とに基づいて、ドラッグアンドドロップ元の観察用画像と同じ断面方向の新たな断層画像の画像データを生成するものである。得られた断層画像は、新たなシリーズとして登録されるとともに、その(シリーズを代表する)サムネイル画像が表示される。また、この断層画像は、自動的に又はユーザの要求に応じて表示部9に表示される。この断層画像生成処理は、上記のドラッグアンドドロップ操作とは逆に、サムネイル画像表示領域P1に表示されたサムネイル画像が、観察用画像表示領域P4に表示された断層画像の観察用画像にドラッグアンドドロップされたときにも実行される。また、観察用画像表示領域P2に表示された断層画像の観察用画像が、サムネイル画像表示領域P3に表示されたサムネイル画像にドラッグアンドドロップされた場合(及び、その逆のドラッグアンドドロップ操作を行った場合)についても、同様の断層画像生成処理を行うように構成することが可能である。
【0152】
(6)近似断面画像選択処理:同じ断面方向を有する2つのシリーズの医用画像を比較するときに行われる処理であり、特に、異なるモダリティや検査方法により得られた2つのシリーズを比較するときに用いられるものである。この処理は、観察用画像表示領域P4に表示された断層画像の観察用画像が、サムネイル画像表示領域P1に表示されたサムネイル画像にドラッグアンドドロップされたときに実行され、付帯情報に基づいて、ドラッグアンドドロップ元の観察用画像と略同一の断面位置における断層画像を、ドラッグアンドドロップ先のサムネイル画像が代表するシリーズから選択し、選択された断層画像の観察用画像を観察用画像表示領域P2に表示させるものである。なお、この処理は、上記のドラッグアンドドロップ操作とは逆に、サムネイル画像表示領域P1に表示されたサムネイル画像が、観察用画像表示領域P4に表示された断層画像の観察用画像にドラッグアンドドロップされたときにも実行される。
【0153】
(7)フュージョン画像生成処理:2つのシリーズの医用画像を比較するときに行われる処理であり、特に、異なるモダリティや検査方法により得られた2つのシリーズを比較するときに用いられるものである。この処理は、観察用画像表示領域P4に表示された断層画像の観察用画像が、サムネイル画像表示領域P1に表示されたサムネイル画像にドラッグアンドドロップされたときに実行され、付帯情報の画像位置情報に基づいて、ドラッグアンドドロップ元の観察用画像と略同一の位置における医用画像を、ドラッグアンドドロップ先のサムネイル画像が代表するシリーズから選択し、この選択された医用画像とドラッグアンドドロップ元の観察用画像との位置合わせを実行するものである。位置合わせがなされた医用画像と観察用画像は、一方の画像に他方の画像が重畳されたフュージョン画像として観察用画像表示領域P2に表示される。なお、この処理は、上記のドラッグアンドドロップ操作とは逆に、サムネイル画像表示領域P1に表示されたサムネイル画像が、観察用画像表示領域P4に表示された断層画像の観察用画像にドラッグアンドドロップされたときにも実行される。
【0154】
(8)アノテーション添付処理:2つのシリーズの医用画像を比較するときに行われる処理であり、特に、一方の医用画像にアノテーション(画像)が付されているときに用いられるものである。この処理は、観察用画像表示領域P4に表示された観察用画像に付されて表示されるアノテーションが、観察用画像表示領域P2に表示された観察用画像にドラッグアンドドロップされたときに実行され、ドラッグアンドドロップ元のアノテーションのアノテーション情報に基づいて、ドラッグアンドドロップ先の観察用画像にアノテーションを添付して観察用画像表示領域P2に表示させるものである。なお、アノテーションをドラッグアンドドロップする代わりに、このアノテーションが付された観察用画像をドラッグアンドドロップするようにしてもよい。
【0155】
(9)計測結果添付処理:2つのシリーズの医用画像を比較するときに行われる処理であり、特に、一方の医用画像に計測結果(画像)が付されているときに用いられるものである。この処理は、観察用画像表示領域P4に表示された観察用画像に付されて表示される計測結果が、観察用画像表示領域P2に表示された観察用画像にドラッグアンドドロップされたときに実行され、ドラッグアンドドロップ元の計測結果の計測情報に基づいて、ドラッグアンドドロップ先の観察用画像に計測結果を添付して観察用画像表示領域P2に表示させるものである。なお、計測結果をドラッグアンドドロップする代わりに、この計測結果が付された観察用画像をドラッグアンドドロップするようにしてもよい。
【0156】
このような処理は、従来、医用画像表示画面上に配設されたソフトキーを操作することによって行っていたので、ソフトキーが医用画像に重畳表示されて画像の一部を隠してしまうことや、医用画像自体の表示サイズが縮小されてしまうなどの不都合が生じていた。本実施形態に係る医用画像表示装置1によれば、医用画像間のドラッグアンドドロップ操作(つまり、医用画像の指定操作)を行うだけで、このような処理を実行できるので、表示画面上にソフトキーを表示させる必要がなく、上記の不都合を解消することができる。また、医用画像を指定(ドラッグアンドドロップ)するという簡単な操作を行うだけで、所望の処理を実行させることができるので、操作性が煩雑化することもない。
【0157】
また、この医用画像表示装置1は、或る画像表示領域の医用画像のドラッグが開始されたことに対応し、処理内容関連情報32aにより当該画像表示領域との組合せとして処理内容に関連付けられている画像表示領域と、関連付けられていない画像表示領域とを、識別可能に表示させるように作用する。それにより、ユーザは、その医用画像のドラッグアンドドロップ先となり得る画像表示領域と、なり得ない画像表示領域とを容易に識別することができる。このように、医用画像表示装置1によれば、上記の各種操作を行うためのドラッグアンドドロップ操作における操作性の向上を図ることができる。
【0158】
また、或る画像表示領域の医用画像を他の画像表示領域にドラッグすると、これらの画像領域の組合せに関連付けられた処理内容を説明するダイアログ(処理内容情報)を表示するようになっている。このような操作性の向上を図ることにより、ユーザは、当該操作に対応する処理内容を容易に把握することができ、所望の処理を間違えずに行うことができる。
【0159】
また、或る画像表示領域の医用画像を他の画像表示領域にドラッグした場合において、これらの画像表示領域に2以上の処理内容が関連付けられているときには、これら2以上の処理内容を選択可能に呈示する処理選択ダイアログ(処理選択情報)を表示するようになっている。それにより、ユーザは、まず、当該操作に対して2以上の処理内容が関連付けられていることを認識することができ、更に、これら2以上の処理内容から所望のものを容易に選択することができる。
【0160】
以上に説明した本実施形態が備える各種の構成は、以下に説明する変形例に対しても任意に適用することが可能である。
【0161】
[変形例]
以上に詳述した構成は、本発明に係る医用画像表示装置を好適に実施するための一具体例に過ぎないもので、本発明の要旨の範囲内における任意の変形を適宜に施すことが可能である。以下、上記の実施形態に係る変形例について説明する。
【0162】
〔第1の変形例〕
第1の変形例は、近似断面画像選択処理の変形例である。この変形例に係る医用画像表示装置は、上記の実施形態と同様の構成を有している(図1参照)。ただし、この変形例における断層画像生成部6は、異なる断面位置を有する2つの断層画像の間に断面位置を有する断層画像の画像データを生成する処理(補間処理)を実行する。この断層画像生成部6は、本発明の「補間断層画像生成手段」の一例に相当するものである。
【0163】
サムネイル画像表示領域P1に表示されたサムネイル画像と、観察用画像表示領域P4に表示された観察用画像とは、同じ断面方向の断層画像であるとする。ここでは、たとえば、図4に示すように、アキシャル像のシリーズを代表するサムネイル画像g1がサムネイル画像表示領域P1に表示され、アキシャル像の観察用画像G2が観察用画像表示領域P4に表示されているとする。
【0164】
なお、サムネイル画像g1が代表するシリーズには、観察用画像G2と同じ断面位置(スライス位置)における断層画像は含まれていないものとする。また、サムネイル画像g1が代表するシリーズの医用画像と、観察用画像G2とは、それぞれ種類の異なる医用画像であってよい。
【0165】
ユーザは、操作部10を操作して、観察用画像表示領域P4に表示された観察用画像G2をドラッグし、サムネイル画像g1にてドロップする(逆のドラッグアンドドロップ操作でもよい。)。
【0166】
断面画像生成部6は、制御部2の制御を受けて、サムネイル画像g1が代表するシリーズの断層画像の画像データ及びその付帯情報と、観察用画像G2の画像データの付帯情報とに基づいて、観察用画像G2と略同一の断面位置における新たな断層画像の画像データを生成する。
【0167】
より具体的に説明すると、断面画像生成部6は、まず、観察用画像G2の付帯情報の断面位置情報に基づいて、観察用画像G2の断面位置を特定する。次に、サムネイル画像g1が代表するシリーズの各断層画像の付帯情報の断面位置情報を参照し、観察用画像G2の断面位置に近い断面位置を有する断層画像を抽出する。このとき、たとえば、観察用画像G2の断面位置を挟むように位置する断面位置を有する2つの断層画像を抽出する。そして、抽出された断層画像の画像データを用いて、既知の補間処理を実行することにより、観察用画像G2と略同一の断面位置を有する新たな断層画像の画像データを生成する。
【0168】
制御部2は、断層画像生成部6により生成された画像データに基づいて、この新たな断層画像の観察用画像を観察用画像表示領域P2に表示させる。
【0169】
このように作用する第1の変形例によれば、特定の断面位置を有する補間画像を生成する処理についても、医用画像間のドラッグアンドドロップ操作により実行できるので、表示画面上のソフトキーに起因する前述の不都合を被ることがない。
【0170】
〔第2の変形例〕
第2の変形例に係る医用画像表示装置は、外部の装置(ビューア等)に所定の処理の実行を要求することにより、上記の実施形態の効果とともに、システム全体としての効率化を図るものである。
【0171】
図21は、この変形例に係る医用画像表示装置の一例を表している。同図に示す医用画像表示装置100には、上記の実施形態の医用画像表示装置1と同様に、制御部2、記憶部3、サムネイル画像生成部4、医用画像対応付部7、表示部9、操作部10及び通信部11が設けられている。通信部11は、本発明の「通信手段」の一例として作用する。なお、差分画像生成部5、断層画像生成部6及び画像位置調整部8については、設ける必要はない。
【0172】
医用画像表示装置100は、ネットワークNを介してコンピュータ3000に接続されている。このコンピュータ3000は、たとえば、ネットワークN上のサーバや読影用のビューアなどである。コンピュータ3000は、医用画像表示装置100よりも処理能力の高いコンピュータであることが望ましい。その場合、医用画像表示装置100と同様の装置を複数台接続してもよい。なお、図21においては、ネットワークNに接続された医用画像診断装置1000A、1000Bや医用画像データベース2000の図示は省略されている。
【0173】
コンピュータ3000は、通常のコンピュータと同様に、制御部3001、表示部3002、操作部3003を備えている。コンピュータ3000のハードディスクドライブ等の記憶装置には、差分画像の画像データを生成するコンピュータプログラムと、MPR等により断層画像の画像データを生成するコンピュータプログラムと、画像の位置合わせを行うコンピュータプログラムとが記憶されている。また、制御部3001は、LANカードやモデム等の通信機器を具備している。
【0174】
コンピュータ3000のマイクロプロセッサは、これらのコンピュータプログラムを実行することにより、差分画像生成部3004、断層画像生成部3005、画像位置調整部3006として作用する。差分画像生成部3004、断層画像生成部3005、画像位置調整部3006は、それぞれ、上記の実施形態の差分画像生成部5、断層画像生成部6、画像位置調整部8と同様に作用する。なお、コンピュータ3000は、単一のコンピュータから構成される必要はなく、これらの機能を2台以上のコンピュータに分散した構成を適用することも可能である。
【0175】
この変形例は、上記の実施形態における差分画像生成処理、断層画像生成処理及びフュージョン画像生成処理のそれぞれの変形例を提供するものである。
【0176】
(差分画像生成処理の変形例)
まず、差分画像生成処理の変形例について、図4を参照しつつ説明する。この処理を行うために、ユーザは、操作部10(マウス)を操作して、サムネイル画像表示領域P1に表示されたサムネイル画像g1をドラッグし、サムネイル画像表示領域P3に表示されたサムネイル画像g2にドロップする。なお、逆のドラッグアンドドロップ操作を行うようにしてもよい。
【0177】
このドラッグアンドドロップ操作がなされると、医用画像対応付部7は、上記の実施形態と同様にして、サムネイル画像g1が代表するシリーズ(第1のシリーズ)に含まれる医用画像と、サムネイル画像g2が代表するシリーズ(第2のシリーズ)に含まれる医用画像とを対応付ける。
【0178】
制御部2は、第1のシリーズの医用画像に含まれる医用画像の画像データと、第2のシリーズの医用画像に含まれる医用画像の画像データととともに、対応付けがなされた医用画像の差分画像の画像データを生成するように要求する信号(要求情報)を、通信部11に送る。通信部11は、これらのデータをネットワークNを通じてコンピュータ3000に送信する。
【0179】
コンピュータ3000の制御部3001は、医用画像表示装置100からのデータを受信し、差分画像生成部3004に送る。差分画像生成部3004は、これらのデータに基づいて、対応付けられた医用画像の差分画像の画像データを生成する。生成された画像データは、制御部3001によって医用画像表示装置100に送信される。
【0180】
医用画像表示装置100は、コンピュータ3000から送信された画像データを受信する。制御部2は、この画像データに基づく差分画像を観察用画像表示領域P2に表示させる。この差分画像は、必要に応じて、コンピュータ3000の表示部3002にも表示させることができる。
【0181】
(断層画像生成処理の変形例)
次に、断層画像生成処理の変形例について、図10を参照しつつ説明する。この処理を行うために、ユーザは、操作部10(マウス)を操作して、観察用画像表示領域P4に表示された断層画像の観察用画像G3をドラッグし、サムネイル画像表示領域P1に表示されたサムネイル画像g1にドロップする。なお、逆のドラッグアンドドロップ操作を行うようにしてもよい。
【0182】
このドラッグアンドドロップ操作がなされると、制御部2は、サムネイル画像g1が代表するシリーズの断層画像の画像データ及びその付帯情報と、観察用画像G3の付帯情報とともに、観察用画像G3と同じ断面方向の断層画像の画像データの生成を要求する信号(要求情報)を、通信部11に送る。通信部11は、これらのデータをネットワークNを通じてコンピュータ3000に送信する。
【0183】
コンピュータ3000の制御部3001は、医用画像表示装置100からのデータを受信し、断層画像生成部3005に送る。断層画像生成部3005は、これらのデータに基づいて、目的の断層画像の画像データを生成する。生成された画像データは、制御部3001によって医用画像表示装置100に送信される。
【0184】
医用画像表示装置100は、コンピュータ3000から送信された画像データを受信する。制御部2は、この画像データに基づく断層画像を観察用画像表示領域P2に表示させる。この断層画像は、必要に応じて、コンピュータ3000の表示部3002にも表示させることができる。
【0185】
(フュージョン画像生成処理の変形例)
次に、フュージョン画像生成処理の変形例について、図10を参照しつつ説明する。この処理を行うために、ユーザは、操作部10(マウス)を操作して、観察用画像表示領域P4に表示された断層画像の観察用画像G2をドラッグし、サムネイル画像表示領域P1に表示されたサムネイル画像g1にドロップする。なお、逆のドラッグアンドドロップ操作を行うようにしてもよい。
【0186】
このドラッグアンドドロップ操作がなされると、制御部2は、サムネイル画像g1が代表するシリーズの断層画像の画像位置情報の断面位置情報と、観察用画像G2の画像位置情報の断面位置情報とに基づいて、観察用画像G2と略同一の断面位置における断層画像を上記シリーズから選択する。
【0187】
次に、制御部2は、選択された断層画像の画像データ及び画像位置情報と、観察用画像G2の画像データ及び画像位置情報と、これら2つの画像の位置合わせを要求する信号(要求情報)とを、通信部11に送る。通信部11は、これらのデータをネットワークNを通じてコンピュータ3000に送信する。
【0188】
コンピュータ3000の制御部3001は、医用画像表示装置100からのデータを受信し、画像位置調整部3006に送る。画像位置調整部3006は、画像位置情報に基づいて、サムネイル画像g1が代表するシリーズから選択された断層画像と、観察用画像G2との位置合わせを行う。位置合わせがなされた画像データは、制御部3001によって医用画像表示装置100に送信される。
【0189】
なお、この画像データは、位置合わせとともに透明度の値の調整等を施したのちに合成して得られる単一の画像データ等であってもよいし、選択された断層画像の画像データと、観察用画像G2の画像データと、これら2つの画像データの位置合わせ結果を示すデータ(座標値の移動量等)とを含んでなるデータ等であってもよい。
【0190】
医用画像表示装置100は、コンピュータ3000から送信された画像データを受信する。制御部2は、この画像データに基づくフュージョン画像を観察用画像表示領域P2に表示させる。このフュージョン画像は、必要に応じて、コンピュータ3000の表示部3002にも表示させることができる。
【0191】
〔第3の変形例〕
上記の実施形態で説明した処理は、2つの医用画像を指定したときに実行されるものであったが、3つ以上の医用画像を指定して所定の処理を実行するように構成することも可能である。この第3の変形例では、3つ以上の医用画像を指定する構成の一例を説明する。
【0192】
この変形例は、上記の実施形態における差分画像生成処理の変形例である。医用画像の読影作業において、これまでに実施した複数回の検査の画像を一度に観察することがある。特に、同一部位(たとえば同一の断面位置)における画像を一度に観察することがある。そのような場合、医用画像表示画面には、これらの画像が並んで表示される。
【0193】
この変形例においては、図示は省略するが、これまでに実施したh回(h≧3)の検査でそれぞれ取得された、同じ断面位置における断層画像が表示されているものとする。なお、表示対応としては、上記の実施形態の医用画像表示画面Pの(左側の)観察用画像表示領域P2に最新の検査の断層画像G1を表示させるとともに、それ以前の検査の断層画像G2〜Ghを(右側の)観察用画像表示領域P4に表示させることができる。また、各検査ごとに表示領域を設けるようにしてもよい。
【0194】
ユーザが、操作部10を操作して、これらh個の断層画像G1〜Ghを指定すると、差分画像生成部5は、これら断層画像G1〜Ghの各組合せについての差分画像の画像データを生成する。つまり、h個の断層画像の各ペア(Gi、Gj)(i、j=1〜h、i≠j)について、差分画像S(i、j)の画像データを生成する。
【0195】
サムネイル画像生成部4は、生成された差分画像S(i、j)の画像データに基づいて、各差分画像S(i、j)のサムネイル画像s(i、j)の画像データを生成する。制御部2は、この画像データに基づいて、図22に示すような差分画像のリストを生成する。この差分画像のリストには、断層画像の各ペア(Gi、Gj)に対応するサムネイル画像s(i、j)がマトリックス状に配置されている。ユーザは、所望のサムネイル画像s(i、j)をたとえばクリックすることにより、そのサムネイル画像s(i、j)に対応する差分画像S(i、j)を表示させることができる。
【0196】
〔第4の変形例〕
第4の変形例では、操作部10としてのマウスの操作性の向上を図る。マウスは、表示画像の階調を変更するための操作、表示画像の拡大、縮小、回転、パンするための操作、表示画像にアノテーションを記入するための操作など、様々な操作に用いられる。以下、一つのマウスを様々な操作に用いるための構成の一例について、図23〜図25を参照しつつ説明する。
【0197】
たとえば医用画像表示画面Pが図10に示す表示状態のときに、ユーザが操作部10で所定の操作を行うと(S81)、制御部2は、図24に示すようなマウスモードメニューMMを表示部9に表示させる(S82)。
【0198】
ステップS81の操作としては、たとえば、キーボードのコントロールキーを押下しながらマウスホイールを回転させる操作や、医用画像表示画面Pの画面上をマウスでダブルクリックする操作などを適用できる。ここでは、前者の操作を採用することにする。
【0199】
ステップS82で表示されるマウスモードメニューMMは、マウスによって行う各種の操作に対応する複数(ここでは8個)のアイコンを含んで構成されている。これらのアイコンは、略円形状に配設されている。これらのアイコンのうち、「時計の12時の方向」にあるアイコンが、選択されたアイコンとなっている。
【0200】
マウスモードメニューMMに呈示されている8個のアイコンを、図24において「時計の12時の方向」にあるアイコンから時計回りに順に説明する:(1)表示される医用画像のウィンドウレベルとウィンドウ幅の変更操作に対応するアイコン、(2)楕円形のアノテーションを記入する操作に対応するアイコン、(3)矩形状のアノテーションを記入する操作に対応するアイコン、(4)矢印形状のアノテーションを記入する操作に対応するアイコン、(5)表示画面上の複数のオブジェクト(医用画像等)を指定する操作に対応するアイコン、(6)ドラッグ操作に対応するアイコン、(7)画像の拡大/縮小の操作に対応するアイコン、(8)画像をパンする操作に対応するアイコン。
【0201】
ユーザが、マウスホイールを回転させると(S83;Y)、制御部2は、その回転角度に応じて、8つのアイコンをたとえば時計回りに回転させた状態で表示させる(S84)。ユーザは、所望のマウス操作に対応するアイコンを「時計の12時の方向」に配置させるようにマウスホイールを回転させる。図25は、図24に示すアイコンの配置状態から、アイコン3つ分だけ時計回りに回転されたときの表示状態を示している。この図25の表示状態では、ドラッグ操作に対応するアイコンが選択されていることになる。
【0202】
所望のマウス操作のアイコンを選択したら、ユーザは、コントロールキーの押下状態を解除するなどの操作を行って、アイコン選択作業の終了を要求する(S85;Y)。
【0203】
制御部2は、選択されたアイコンに対応する操作をマウスで行えるように、マウスの操作モードの設定を変更する(S86)。
【0204】
以上で説明したマウスの操作モードの変更処理では、各操作モードに対応するアイコンを円形状に配置してモード選択を行うようになっているが、アイコンの配置形態は任意である。また、アイコンを用いる代わりに、図7に示した処理選択ダイアログD1のようなマウスモード選択ダイアログを表示させ、各操作モードに対応するタブから所望のものを選択するように構成することもできる。また、プルダウンメニューやソフトキーなど、複数の操作内容の選択肢から所望のものを選択可能に呈示する任意の方法を用いることが可能である。なお、マウスの複数の操作モードを選択可能に呈示する情報は、本発明の「操作内容選択情報」に相当する。
【0205】
また、所望の操作モードを選択するための操作方法についても、上記の構成に限定されるものではなく、操作部10を用いた任意の操作形態を適用することが可能である。
【0206】
〔その他の変形例〕
上記の実施形態では、医用画像を他の医用画像にドラッグアンドドロップすることによって、医用画像の指定操作を行っているが、医用画像の指定方法は、これに限定されるものではない。たとえば、各医用画像をクリックするなどして指定を行うように構成することができる。また、2つの医用画像を指定する順序についても適宜に設定することができる。
【0207】
上記の実施形態は、2つの医用画像を指定することにより、それらが表示されている画像表示領域に関連付けられた処理を行うようになっているが、処理対象の医用画像と、他の医用画像が表示されている画像表示領域とを指定することにより当該処理を行うように構成することも可能である。すなわち、ユーザが、操作部10を操作して、複数の画像表示領域のうちの第1の画像表示領域に表示された医用画像と、第2の画像表示領域とを指定したときに、制御部2が、この医用画像の画像データに対して、処理内容関連情報32aにより第1の画像表示領域と第2の画像表示領域との組合せに関連付けられた処理内容に示す処理を実行させるように構成することができる。
【0208】
たとえば、表示画像切換処理の変形例として、サムネイル画像表示領域P1(又はP3)に表示されたサムネイル画像と、観察用画像表示領域P2(又はP4)とが指定されたことに対応し、この観察用画像表示領域P2(又はP4)に表示されている観察用画像の表示を終了させるとともに、指定されたサムネイル画像が代表するシリーズの医用画像の観察用画像を観察用画像表示領域P2(又はP4)に表示させるように構成することができる。
【0209】
また、並列表示処理の変形例として、サムネイル画像表示領域P1(又はP3)に表示されたサムネイル画像と、観察用画像表示領域P2(又はP4)とが指定されたことに対応し、指定されたサムネイル画像が代表するシリーズの医用画像の観察用画像を、観察用画像表示領域P2(又はP4)に既に表示されている観察用画像とともに、この観察用画像表示領域P2(又はP4)に表示させるように構成することができる。
【0210】
また、上記の実施形態では、本発明の「縮小画像」としてサムネイル画像を用いているが、観察用画像を単に縮小して得られる画像を「縮小画像」として用いることが可能である。
【符号の説明】
【0211】
1、100 医用画像表示装置
2 制御部
3 記憶部
31 画像データ記憶部
32 情報記憶部
32a 処理内容関連情報
4 サムネイル画像生成部
5 差分画像生成部
6 断層画像生成部
7 医用画像対応付部
8 画像位置調整部
9 表示部
10 操作部
1000A、1000B 医用画像診断装置
2000 医用画像データベース
3000 コンピュータ
3004 差分画像生成部
3005 断層画像生成部
3006 画像位置調整部
P 医用画像表示画面
P1、P3 サムネイル画像表示領域
P2、P4 観察用画像表示領域
g1、g2、g3、g3′ サムネイル画像
G1、G2、G3、G3′ 観察用画像
D1、D2 処理選択ダイアログ
AN、AN′ アノテーション(画像)
M、M′ 計測結果(画像)
MM マウスモードメニュー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像表示領域があらかじめ定義された医用画像表示画面を表示する表示手段と、
医用画像の画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
前記画像表示領域の組合せと医用画像の画像データに対する処理内容とを関連付ける関連情報を記憶する関連情報記憶手段と、
操作手段と、
前記複数の画像表示領域のうちの異なる画像表示領域に表示された2つの医用画像が、前記操作手段を用いてそれぞれ指定されたときに、当該2つの医用画像の少なくとも一方の画像データに対し、前記関連情報により当該2つの医用画像がそれぞれ表示されている画像表示領域の組合せに関連付けられた処理内容に示す処理を実行させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記2つの医用画像の一方の医用画像が前記指定されたときに、前記複数の画像表示領域のうちの、当該一方の医用画像が表示されている画像表示領域との組合せとして前記関連情報により処理内容に関連付けられている画像表示領域と、当該関連付けられていない画像表示領域とを、識別可能に表示させる、
ことを特徴とする医用画像表示装置。
【請求項2】
複数の画像表示領域があらかじめ定義された医用画像表示画面を表示する表示手段と、
医用画像の画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
前記画像表示領域の組合せと医用画像の画像データに対する処理内容とを関連付ける関連情報を記憶する関連情報記憶手段と、
操作手段と、
前記複数の画像表示領域のうちの異なる画像表示領域に表示された2つの医用画像が、前記操作手段を用いてそれぞれ指定されたときに、当該2つの医用画像の少なくとも一方の画像データに対し、前記関連情報により当該2つの医用画像がそれぞれ表示されている画像表示領域の組合せに関連付けられた処理内容に示す処理を実行させる制御手段と、
を備え、
前記関連情報は、前記複数の画像表示領域のうちの所定の画像表示領域の組合せに対して2以上の前記処理内容を関連付け、
前記制御手段は、
当該所定の画像表示領域の組合せのうちの一方の画像表示領域に表示された医用画像が前記指定されたときに、前記2以上の処理内容を選択可能に呈示する処理選択情報を前記表示手段に表示させるとともに、
前記操作手段を用いて前記2以上の処理内容から選択された処理内容に示す処理を実行させる、
ことを特徴とする医用画像表示装置。
【請求項3】
複数の画像表示領域があらかじめ定義された医用画像表示画面を表示する表示手段と、
医用画像の画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
前記画像表示領域の組合せと医用画像の画像データに対する処理内容とを関連付ける関連情報を記憶する関連情報記憶手段と、
操作手段と、
前記複数の画像表示領域のうちの異なる画像表示領域に表示された2つの医用画像が、前記操作手段を用いてそれぞれ指定されたときに、当該2つの医用画像の少なくとも一方の画像データに対し、前記関連情報により当該2つの医用画像がそれぞれ表示されている画像表示領域の組合せに関連付けられた処理内容に示す処理を実行させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記操作手段を用いて所定の操作がなされたことに対応し、前記操作手段による2以上の操作内容を選択可能に呈示する操作内容選択情報を前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とする医用画像表示装置。
【請求項4】
前記画像データ記憶手段は、医用画像の付帯情報を更に記憶し、
前記制御手段は、前記指定された前記2つの医用画像のそれぞれの付帯情報に基づいて前記処理を実行させる、
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の医用画像表示装置。
【請求項5】
前記画像データ記憶手段に記憶された医用画像の画像データに基づいて、当該医用画像の縮小画像の画像データを生成する縮小画像生成手段を更に備え、
前記複数の画像表示領域は、前記生成された画像データに基づく縮小画像が表示される縮小画像表示領域と、ユーザによる観察に供される医用画像の観察用画像が表示される観察用画像表示領域とを含み、
前記制御手段は、
前記縮小画像表示領域に表示された縮小画像と、前記観察用画像表示領域に表示された観察用画像とが前記指定されたときに、前記処理として、当該指定された観察用画像の表示を終了させるとともに、
当該指定された縮小画像の画像データの基になった画像データに基づく観察用画像を前記観察用画像表示領域に表示させる、
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の医用画像表示装置。
【請求項6】
前記画像データ記憶手段に記憶された医用画像の画像データに基づいて、当該医用画像の縮小画像の画像データを生成する縮小画像生成手段を更に備え、
前記複数の画像表示領域は、前記生成された画像データに基づく縮小画像が表示される縮小画像表示領域と、ユーザによる観察に供される医用画像の観察用画像が表示される観察用画像表示領域とを含み、
前記制御手段は、
前記縮小画像表示領域に表示された縮小画像と、前記観察用画像表示領域に表示された観察用画像とが前記指定されたときに、前記処理として、当該指定された縮小画像の画像データの基になった画像データに基づく観察用画像と、当該指定された観察用画像とを、前記観察用画像表示領域に表示させる、
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の医用画像表示装置。
【請求項7】
前記画像データ記憶手段に記憶された医用画像の画像データに基づいて、当該医用画像の縮小画像の画像データを生成する縮小画像生成手段を更に備え、
前記複数の画像表示領域は、一連の医用画像の代表画像について前記生成された第1の縮小画像が表示される第1の縮小画像表示領域と、他の一連の医用画像の代表画像について前記生成された第2の縮小画像が表示される第2の縮小画像表示領域と、ユーザによる観察に供される前記一連の医用画像の観察用画像が表示される第1の観察用画像表示領域と、前記他の一連の医用画像の観察用画像が表示される第2の観察用画像表示領域とを含み、
前記制御手段は、
前記第1の縮小画像と前記第2の縮小画像とが前記指定されたときに、前記処理として、前記一連の医用画像に含まれる医用画像と、前記他の一連の医用画像に含まれる医用画像とを、前記記憶された付帯情報に基づいて対応付ける医用画像対応付手段を含むとともに、
前記一連の医用画像のうちの一の医用画像が、前記操作手段を用いて前記第1の観察用画像表示領域に表示されたときに、当該一の医用画像に前記対応付けられた医用画像を前記他の一連の医用画像のうちから選択し、当該選択された医用画像の観察用画像を前記第2の観察用画像表示領域に表示させる、
ことを特徴とする請求項4に記載の医用画像表示装置。
【請求項8】
前記画像データ記憶手段に記憶された医用画像の画像データに基づいて、当該医用画像の縮小画像の画像データを生成する縮小画像生成手段と、
異なる2つの医用画像の画像データに基づいて、当該2つの医用画像の差分画像の画像データを生成する差分画像生成手段と、
を更に備え、
前記複数の画像表示領域は、一連の医用画像の代表画像について前記生成された第1の縮小画像が表示される第1の縮小画像表示領域と、他の一連の医用画像の代表画像について前記生成された第2の縮小画像が表示される第2の縮小画像表示領域とを含み、
前記制御手段は、
前記第1の縮小画像と前記第2の縮小画像とが前記指定されたときに、前記処理として、前記一連の医用画像に含まれる医用画像と、前記他の一連の医用画像に含まれる医用画像とを、前記記憶された付帯情報に基づいて対応付ける医用画像対応付手段を含むとともに、
前記差分画像生成手段を制御して、前記対応付けられた前記一連の医用画像に含まれる医用画像と、前記他の一連の医用画像に含まれる医用画像との差分画像の画像データを生成させる、
ことを特徴とする請求項4に記載の医用画像表示装置。
【請求項9】
異なる2つの医用画像の画像データに基づいて、当該2つの医用画像の差分画像の画像データを生成する差分画像生成手段を有するコンピュータに、ネットワークを介して接続されており、
前記画像データ記憶手段に記憶された医用画像の画像データに基づいて、当該医用画像の縮小画像の画像データを生成する縮小画像生成手段と、
前記ネットワークを通じて前記コンピュータと通信する通信手段と、
を更に備え、
前記複数の画像表示領域は、一連の医用画像の代表画像について前記生成された第1の縮小画像が表示される第1の縮小画像表示領域と、他の一連の医用画像の代表画像について前記生成された第2の縮小画像が表示される第2の縮小画像表示領域とを含み、
前記制御手段は、
前記第1の縮小画像と前記第2の縮小画像とが前記指定されたときに、前記処理として、前記一連の医用画像に含まれる医用画像と、前記他の一連の医用画像に含まれる医用画像とを、前記記憶された付帯情報に基づいて対応付ける医用画像対応付手段を含むとともに、
前記一連の医用画像に含まれる医用画像の画像データと、前記他の一連の医用画像に含まれる医用画像の画像データと、前記対応付けられた医用画像の差分画像の画像データの生成を要求する要求情報とを、前記ネットワークを通じて前記コンピュータに送信させることにより、前記差分画像生成手段に当該差分画像の画像データを生成させる、
ことを特徴とする請求項4に記載の医用画像表示装置。
【請求項10】
前記付帯情報は、医用画像の位置を示す画像位置情報を含み、
前記医用画像対応付手段による前記対応付けは、前記一連の医用画像及び前記他の一連の医用画像について、画像位置情報に示す位置が略同一の医用画像を対応付けることにより行われる、
ことを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれか一項に記載の医用画像表示装置。
【請求項11】
前記一連の医用画像は、被検体の一連の断層画像であり、
前記他の一連の医用画像は、被検体の他の一連の断層画像であり、
前記画像位置情報は、断層画像の断面位置を示す断面位置情報を含み、
前記医用画像対応付手段による前記対応付けは、前記一連の断層画像及び前記他の一連の断層画像について、断面位置情報に示す断面位置が略同一の医用画像を対応付けることにより行われる、
ことを特徴とする請求項10に記載の医用画像表示装置。
【請求項12】
前記付帯情報は、医用画像の撮影時相を示す撮影時相情報を含み、
前記医用画像対応付手段による前記対応付けは、前記一連の医用画像及び前記他の一連の医用画像について、撮影時相情報に示す撮影時相が略同一の医用画像を対応付けることにより行われる、
ことを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれか一項に記載の医用画像表示装置。
【請求項13】
前記画像データ記憶手段に記憶された医用画像の画像データは、被検体の断層画像の画像データを含み、
前記記憶された断層画像の画像データに基づいて、当該断層画像の縮小画像の画像データを生成する縮小画像生成手段と、
前記記憶された断層画像の画像データに基づいて、当該断層画像とは異なる断面方向の断層画像の画像データを生成する断層画像生成手段と、
を更に備え、
前記複数の画像表示領域は、一連の断層画像の代表画像について前記生成された縮小画像が表示される縮小画像表示領域と、ユーザによる観察に供される、前記一連の断層画像とは異なる断面方向の断層画像の観察用画像が表示される観察用画像表示領域とを含み、
前記制御手段は、前記縮小画像表示領域に表示された縮小画像と、前記観察用画像表示領域に表示された断層画像の観察用画像とが前記指定されたときに、前記処理として、前記断層画像生成手段を制御し、前記一連の断層画像に含まれる断層画像の画像データと、前記記憶された付帯情報とに基づいて、当該指定された観察用画像と同じ断面方向の新たな断層画像の画像データを生成させる、
ことを特徴とする請求項4に記載の医用画像表示装置。
【請求項14】
被検体の断層画像の画像データに基づいて、当該断層画像とは異なる断面方向の断層画像の画像データを生成する断層画像生成手段を有するコンピュータに、ネットワークを介して接続されており、
前記画像データ記憶手段に記憶された医用画像の画像データは、被検体の断層画像の画像データを含み、
前記記憶された断層画像の画像データに基づいて、当該断層画像の縮小画像の画像データを生成する縮小画像生成手段と、
前記ネットワークを通じて前記コンピュータと通信する通信手段と、
を更に備え、
前記複数の画像表示領域は、一連の断層画像の代表画像について前記生成された縮小画像が表示される縮小画像表示領域と、ユーザによる観察に供される、前記一連の断層画像とは異なる断面方向の断層画像の観察用画像が表示される観察用画像表示領域とを含み、
前記制御手段は、前記縮小画像表示領域に表示された縮小画像と、前記観察用画像表示領域に表示された断層画像の観察用画像とが前記指定されたときに、前記処理として、前記通信手段を制御し、前記一連の断層画像に含まれる断層画像の画像データと、前記記憶された付帯情報と、当該画像データ及び当該付帯情報に基づいて当該指定された観察用画像と同じ断面方向の新たな断層画像の画像データの生成を要求する要求情報とを、前記ネットワークを通じて前記コンピュータに送信させることにより、前記断層画像生成手段に当該新たな断層画像の画像データを生成させる、
ことを特徴とする請求項4に記載の医用画像表示装置。
【請求項15】
前記複数の画像表示領域は、前記一連の断層画像の観察用画像が表示される他の観察用画像表示領域を更に含み、
前記制御手段は、前記断層画像生成手段により生成された画像データに基づく前記新たな断層画像の観察用画像を前記他の観察用画像表示領域に表示させる、
ことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の医用画像表示装置。
【請求項16】
前記縮小画像生成手段は、前記断層画像生成手段により生成された画像データに基づいて、前記新たな断層画像の縮小画像の画像データを生成し、
前記制御手段は、前記新たな断層画像の画像データを前記画像データ記憶手段に記憶させるとともに、前記生成された前記新たな断層画像の縮小画像を前記縮小画像表示領域に表示させる、
ことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の医用画像表示装置。
【請求項17】
前記画像データ記憶手段に記憶された医用画像の画像データに基づいて、当該医用画像の縮小画像の画像データを生成する縮小画像生成手段を更に備え、
前記医用画像は、被検体の断層画像を含み、
前記複数の画像表示領域は、一連の断層画像の代表画像について前記生成された縮小画像が表示される縮小画像表示領域と、ユーザによる観察に供される前記一連の断層画像の観察用画像が表示される第1の観察用画像表示領域と、前記一連の断層画像と同じ断面方向の断層画像の観察用画像が表示される第2の観察用画像表示領域とを含み、
前記制御手段は、前記縮小画像表示領域に表示された縮小画像と、前記第2の観察用画像表示領域に表示された断層画像の観察用画像とが前記指定されたときに、前記処理として、前記記憶された付帯情報に基づいて、当該指定された観察用画像と略同一の断面位置における断層画像を前記一連の断層画像から選択し、当該選択された断層画像の観察用画像を前記第1の観察用画像表示領域に表示させる、
ことを特徴とする請求項4に記載の医用画像表示装置。
【請求項18】
前記医用画像は、被検体の断層画像を含み、
前記画像データ記憶手段に記憶された医用画像の画像データに基づいて、当該医用画像の縮小画像の画像データを生成する縮小画像生成手段と、
異なる断面位置を有する2つの断層画像の間に断面位置を有する断層画像の画像データを生成する補間断層画像生成手段と、
を更に備え、
前記複数の画像表示領域は、一連の断層画像の代表画像について前記生成された縮小画像が表示される縮小画像表示領域と、ユーザによる観察に供される前記一連の断層画像の観察用画像が表示される第1の観察用画像表示領域と、前記一連の断層画像と同じ断面方向の断層画像の観察用画像が表示される第2の観察用画像表示領域とを含み、
前記制御手段は、前記縮小画像表示領域に表示された縮小画像と、前記第2の観察用画像表示領域に表示された断層画像の観察用画像とが前記指定されたときに、前記処理として、前記補間断層画像生成手段を制御し、前記一連の断層画像に含まれる断層画像の画像データと前記記憶された付帯情報とに基づいて、当該指定された観察用画像と略同一の断面位置における新たな断層画像の画像データを生成させるとともに、当該新たな断層画像の観察用画像を前記第1の観察用画像表示領域に表示させる、
ことを特徴とする請求項4に記載の医用画像表示装置。
【請求項19】
前記一連の断層画像の画像データと、前記同じ断面方向の断層画像の画像データとは、種類の異なる医用画像である、
ことを特徴とする請求項17又は請求項18に記載の医用画像表示装置。
【請求項20】
前記付帯情報は、医用画像の位置を示す画像位置情報を含み、
前記画像データ記憶手段は、異なる2以上の種類の医用画像を記憶し、
前記画像データ記憶手段に記憶された医用画像の画像データに基づいて、当該医用画像の縮小画像の画像データを生成する縮小画像生成手段と、
種類の異なる医用画像のそれぞれの画像データと前記画像位置情報とに基づいて、当該種類の異なる医用画像の位置合わせを行う画像位置調整手段と、
を更に備え、
前記複数の画像表示領域は、一連の医用画像の代表画像について前記生成された縮小画像が表示される縮小画像表示領域と、ユーザによる観察に供される、前記一連の医用画像と同じ断面方向を有しかつ前記一連の医用画像と種類の異なる医用画像の観察用画像が表示される観察用画像表示領域とを含み、
前記制御手段は、
前記縮小画像表示領域に表示された縮小画像と、前記観察用画像表示領域に表示された医用画像の観察用画像とが前記指定されたときに、前記処理として、前記記憶された画像位置情報に基づいて、当該指定された観察用画像と略同一の位置における医用画像を前記一連の医用画像から選択するとともに、
前記画像位置調整手段を制御し、前記指定された観察用画像と前記選択された医用画像との位置合わせを実行させる、
ことを特徴とする請求項4に記載の医用画像表示装置。
【請求項21】
前記付帯情報は、医用画像の位置を示す画像位置情報を含み、
前記画像データ記憶手段は、異なる2以上の種類の医用画像を記憶し、
種類の異なる医用画像のそれぞれの画像データと前記画像位置情報とに基づいて、当該種類の異なる医用画像の位置合わせを行う画像位置調整手段を有するコンピュータに、ネットワークを介して接続されており、
前記画像データ記憶手段に記憶された医用画像の画像データに基づいて、当該医用画像の縮小画像の画像データを生成する縮小画像生成手段と、
前記ネットワークを通じて前記コンピュータと通信する通信手段と、
を更に備え、
前記複数の画像表示領域は、一連の医用画像の代表画像について前記生成された縮小画像が表示される縮小画像表示領域と、ユーザによる観察に供される、前記一連の医用画像と同じ断面方向を有しかつ前記一連の医用画像と種類の異なる医用画像の観察用画像が表示される観察用画像表示領域とを含み、
前記制御手段は、
前記縮小画像表示領域に表示された縮小画像と、前記観察用画像表示領域に表示された医用画像の観察用画像とが前記指定されたときに、前記処理として、前記記憶された画像位置情報に基づいて、当該指定された観察用画像と略同一の位置における医用画像を前記一連の医用画像から選択するとともに、
前記通信手段を制御し、前記指定された観察用画像の画像データと、前記選択された医用画像の画像データと、前記記憶された画像位置情報と、当該観察用画像及び当該医用画像の位置合わせを要求する要求情報とを、前記ネットワークを通じて前記コンピュータに送信させることにより、前記画像位置調整手段に当該観察用画像及び当該医用画像の位置合わせを実行させる、
ことを特徴とする請求項4に記載の医用画像表示装置。
【請求項22】
前記複数の画像表示領域は、前記一連の断層画像の観察用画像が表示される他の観察用画像表示領域を更に含み、
前記制御手段は、前記画像位置調整手段により位置合わせが実行された前記指定された観察用画像と前記選択された医用画像の観察用画像とを重畳して前記他の観察用画像表示領域に表示させる、
ことを特徴とする請求項20又は請求項21に記載の医用画像表示装置。
【請求項23】
前記付帯情報は、医用画像に付されて表示されるアノテーション画像に関するアノテーション情報を含み、
前記複数の画像表示領域は、ユーザによる観察に供される医用画像の観察用画像が表示される第1の観察用画像表示領域と、他の医用画像の観察用画像が表示される第2の観察用画像表示領域とを含み、
前記制御手段は、前記第1の観察用画像表示領域に表示された前記医用画像の観察用画像と、前記第2の観察用画像表示領域に表示された前記他の医用画像の観察用画像に付されて表示されるアノテーション画像とが前記指定されたときに、前記処理として、当該指定されたアノテーション画像に関するアノテーション情報に基づいて、当該指定されたアノテーション画像が付された当該指定された前記観察用画像を前記第1の観察用画像表示領域に表示させる、
ことを特徴とする請求項4に記載の医用画像表示装置。
【請求項24】
前記付帯情報は、医用画像に対して実施された計測の結果を示す計測情報を含み、
前記複数の画像表示領域は、ユーザによる観察に供される医用画像の観察用画像が表示される第1の観察用画像表示領域と、他の医用画像の観察用画像が表示される第2の観察用画像表示領域とを含み、
前記制御手段は、前記第1の観察用画像表示領域に表示された前記医用画像の観察用画像と、前記第2の観察用画像表示領域に表示された前記他の医用画像の観察用画像に付されて表示される前記計測情報に基づく計測結果画像とが前記指定されたときに、前記処理として、当該指定された計測結果画像に対応する計測情報に基づいて、当該計測結果画像が付された当該指定された前記観察用画像を前記第1の観察用画像表示領域に表示させる、
ことを特徴とする請求項4に記載の医用画像表示装置。
【請求項25】
前記操作手段はマウスを含み、
前記指定は、前記マウスを用いて、前記2つの医用画像の一方の医用画像を他方の医用画像にドラッグアンドドロップすることにより行う、
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の医用画像表示装置。
【請求項26】
複数の画像表示領域があらかじめ定義された医用画像表示画面を表示する表示手段と、
医用画像の画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
前記画像表示領域の組合せと医用画像の画像データに対する処理内容とを関連付ける関連情報を記憶する関連情報記憶手段と、
操作手段と、
前記複数の画像表示領域のうちの第1の画像表示領域に表示された医用画像と、第2の画像表示領域とが、前記操作手段を用いて指定されたときに、当該指定された医用画像の画像データに対し、前記関連情報により前記第1の画像表示領域及び前記第2の画像表示領域の組合せに関連付けられた処理内容に示す処理を実行させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第1の画像表示領域に表示された医用画像が前記指定されたときに、前記複数の画像表示領域のうちの、前記第1の画像表示領域との組合せとして前記関連情報により処理内容に関連付けられている画像表示領域と、当該関連付けられていない画像表示領域とを、識別可能に表示させる、
ことを特徴とする医用画像表示装置。
【請求項27】
複数の画像表示領域があらかじめ定義された医用画像表示画面を表示する表示手段と、
医用画像の画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
前記画像表示領域の組合せと医用画像の画像データに対する処理内容とを関連付ける関連情報を記憶する関連情報記憶手段と、
操作手段と、
前記複数の画像表示領域のうちの第1の画像表示領域に表示された医用画像と、第2の画像表示領域とが、前記操作手段を用いて指定されたときに、当該指定された医用画像の画像データに対し、前記関連情報により前記第1の画像表示領域及び前記第2の画像表示領域の組合せに関連付けられた処理内容に示す処理を実行させる制御手段と、
を備え、
前記関連情報は、前記第1の画像表示領域と前記第2の画像表示領域との組合せに対して2以上の前記処理内容を関連付け、
前記制御手段は、
前記第1の画像表示領域に表示された医用画像が前記指定されたときに、前記2以上の処理内容を選択可能に呈示する処理選択情報を前記表示手段に表示させるとともに、
前記操作手段を用いて前記2以上の処理内容から選択された処理内容に示す処理を実行させる、
ことを特徴とする医用画像表示装置。
【請求項28】
複数の画像表示領域があらかじめ定義された医用画像表示画面を表示する表示手段と、
医用画像の画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
前記画像表示領域の組合せと医用画像の画像データに対する処理内容とを関連付ける関連情報を記憶する関連情報記憶手段と、
操作手段と、
前記複数の画像表示領域のうちの第1の画像表示領域に表示された医用画像と、第2の画像表示領域とが、前記操作手段を用いて指定されたときに、当該指定された医用画像の画像データに対し、前記関連情報により前記第1の画像表示領域及び前記第2の画像表示領域の組合せに関連付けられた処理内容に示す処理を実行させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記操作手段を用いて所定の操作がなされたことに対応し、前記操作手段による2以上の操作内容を選択可能に呈示する操作内容選択情報を前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とする医用画像表示装置。
【請求項29】
前記画像データ記憶手段に記憶された医用画像の画像データに基づいて、当該医用画像の縮小画像の画像データを生成する縮小画像生成手段を更に備え、
前記第1の画像表示領域は、前記生成された画像データに基づく縮小画像が表示される縮小画像表示領域であり、
前記第2の画像表示領域は、ユーザによる観察に供される医用画像の観察用画像が表示される観察用画像表示領域であり、
前記制御手段は、
前記縮小画像表示領域に表示された縮小画像と、前記観察用画像表示領域とが前記指定されたときに、前記処理として、前記観察用画像表示領域に表示されている観察用画像の表示を終了させるとともに、
当該指定された縮小画像の画像データの基になった画像データに基づく観察用画像を前記観察用画像表示領域に表示させる、
ことを特徴とする請求項26〜請求項28のいずれか一項に記載の医用画像表示装置。
【請求項30】
前記画像データ記憶手段に記憶された医用画像の画像データに基づいて、当該医用画像の縮小画像の画像データを生成する縮小画像生成手段を更に備え、
前記第1の画像表示領域は、前記生成された画像データに基づく縮小画像が表示される縮小画像表示領域であり、
前記第2の画像表示領域は、ユーザによる観察に供される医用画像の観察用画像が表示される観察用画像表示領域であり、
前記制御手段は、
前記縮小画像表示領域に表示された縮小画像と、前記観察用画像表示領域とが前記指定されたときに、前記処理として、当該指定された縮小画像の画像データの基になった画像データに基づく観察用画像を、当該指定された前記観察用画像表示領域に表示されている観察用画像とともに、前記観察用画像表示領域に表示させる、
ことを特徴とする請求項26〜請求項28のいずれか一項に記載の医用画像表示装置。
【請求項31】
前記操作手段はマウスを含み、
前記指定は、前記マウスを用いて、前記第1の画像表示領域に表示された医用画像を前記第2の画像表示領域にドラッグアンドドロップすることにより行う、
ことを特徴とする請求項26〜請求項28のいずれか一項に記載の医用画像表示装置。
【請求項32】
前記制御手段は、前記複数の画像表示領域のうちの一の画像表示領域に表示された医用画像が、他の画像表示領域にドラッグされたときに、前記関連情報により前記一の画像表示領域及び他の画像表示領域の組合せに関連付けられた処理内容を示す処理内容情報を前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とする請求項25又は請求項31に記載の医用画像表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate


【公開番号】特開2012−472(P2012−472A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158150(P2011−158150)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【分割の表示】特願2006−109860(P2006−109860)の分割
【原出願日】平成18年4月12日(2006.4.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】