医用画像診断装置、画像情報表示装置及び制御プログラム
【課題】疾患部位の有無や状態を効率よく観察することが可能な表示データの生成。
【解決手段】被検体に対するPET撮影によってボリュームデータを収集し、このボリュームデータに基づいて画像データを生成する医用画像診断装置100は、前記ボリュームデータに基づいて生成されたSUVデータを用いて関心領域を設定する関心領域設定6と、前記関心領域に囲まれた前記SUVデータのSUV値に基づいてSUVグラフを作成するSUVグラフ作成部91と、前記SUVグラフを用いて生成された表示データを表示する表示部10とを備える。
【解決手段】被検体に対するPET撮影によってボリュームデータを収集し、このボリュームデータに基づいて画像データを生成する医用画像診断装置100は、前記ボリュームデータに基づいて生成されたSUVデータを用いて関心領域を設定する関心領域設定6と、前記関心領域に囲まれた前記SUVデータのSUV値に基づいてSUVグラフを作成するSUVグラフ作成部91と、前記SUVグラフを用いて生成された表示データを表示する表示部10とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、被検体から収集された画像情報の画素値あるいはボクセル値をグラフ表示することにより疾患部位の状態を効率よく観察することが可能な医用画像診断装置、画像情報表示装置及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
X線診断装置、MRI装置、X線CT装置及び核医学診断装置等を用いた医用画像診断は、コンピュータ技術の発展に伴って急速な進歩を遂げ、今日の医療において必要不可欠なものとなっている。
【0003】
上述のX線診断装置やX線CT装置は、臓器や腫瘍等の輪郭を描出することによって診断を行なう、所謂、形態診断を目的としているのに対し、核医学診断装置は、生体組織に選択的に取り込まれた放射性同位元素又はその標識化合物から放射されるγ線を体外から計測し、その線量分布を画像化することにより被検体に対する機能診断を可能としている。
【0004】
核医学診断装置として、ガンマカメラ、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission Computed Tomography)装置等が臨床の場で使用されており、例えば、PET装置は、陽電子(ポジトロン)を放出する核種によって標識した放射性同位元素を被検体内に投与し、この陽電子が電子と結合して消滅する際に被検体の周囲に配置したリング状の検出器によって検出される一対のγ線情報を再構成処理することにより画像データの生成を行なっている。
【0005】
又、近年では、形態画像データの収集を可能とするX線CT装置やMRI装置等の形態画像診断装置と機能画像データの収集を可能とするPET装置やSPECT装置等の機能画像診断装置を一体化した医用画像診断装置が新たに開発され、このような医用画像診断装置を用いることにより被検体の全身領域における形態画像データ及び機能画像データを効率よく収集することが可能となった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−90458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したPET装置等を用いた核医学診断では、被検体から収集されたボリュームデータのボクセル値を変換処理することによって3次元のSUV(standardized uptake value)データを生成し、このSUVデータのボクセル値(SUV値)を所定方向へ最大値投影して得られるMIP(maximum intensity projection)画像データを観察することによって行われる。
【0008】
しかしながら、このようなMIP画像データを用いた核医学診断では、投影方向に重なった複数からなる疾患部の各々を分離して観察するためには、投影方向を連続的に更新させることによりMIP画像データを回転表示させる必要があった。又、上述のSUVデータは、被検体の広範囲な領域から収集されたボリュームデータに基づいて生成されるため、PET装置等の医用画像診断装置を操作する医療従事者(以下では、操作者と呼ぶ。)は、上述のSUVデータを投影処理して得られた広範囲なMIP画像データの中から診断すべき疾患領域を抽出して観察しなくてはならなかった。このため、疾患領域を見逃すリスクが高い頻度で発生し、核医学診断を担当する前記操作者の負担は著しく増大するという問題点を有していた。
【0009】
本開示は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、被検体から収集された画像情報の画素値あるいはボクセル値をグラフ表示することにより疾患部位の有無やその状態を効率よく観察することが可能な医用画像診断装置、画像情報表示装置及び制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本開示の医用画像診断装置は、被検体に対するPET撮影あるいはSPECT撮影によってボリュームデータを収集し、このボリュームデータに基づいて画像データを生成する医用画像診断装置であって、前記ボリュームデータに基づいて生成されたSUV(standardized uptake value)データを用いて関心領域を設定する関心領域設定手段と、前記関心領域に囲まれた前記SUVデータのSUV値に基づいてSUVグラフを作成するSUVグラフ作成手段と、前記SUVグラフを用いて生成された表示データを表示する表示手段とを備えたことを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態における医用画像診断装置の全体構成を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態の医用画像診断装置が備える画像情報収集部の具体的な構成を示すブロック図。
【図3】第1の実施形態の画像情報収集部が備える検出器モジュールを説明するための図。
【図4】第1の実施形態のSUVデータに対して設定された関心領域とこの関心領域において算出された累積SUV比率の具体例を示す図。
【図5】第1の実施形態の医用画像診断装置によって作成されるSUVグラフの具体例を示す図。
【図6】第1の実施形態の医用画像診断装置によって生成される第1の表示データの具体例を示す図。
【図7】第1の実施形態の医用画像診断装置によって生成される第2の表示データの具体例を示す図。
【図8】第1の実施形態の医用画像診断装置が備える移動機構部を説明するための図。
【図9】第1の実施形態における表示データの生成/表示手順を示すフローチャート。
【図10】第2の実施形態における画像情報表示装置の全体構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本開示の実施形態を説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
本実施形態の医用画像診断装置は、先ず、被検体に対するPET撮影によって3次元の画像情報(ボリュームデータ)を収集し、このボリュームデータを処理して得られたSUVデータのボクセル値(SUV値)と所定の閾値αとを比較することにより疾患領域あるいは疾患が疑われる領域を示す1つあるいは複数の関心領域を設定する。次いで、これらの関心領域に囲まれたSUVデータの累積SUV比率に基づいて所定形式のSUVグラフを作成し、上述のSUVデータを所定方向へ最大値投影して得られた当該被検体の広範囲な領域におけるMIP(maximum intensity projection)画像データと共に表示する。更に、表示部に表示された上述のSUVグラフを構成するグラフ領域が選択された場合、このグラフ領域に対応した関心領域を中心とする狭範囲な領域の拡大MIP画像データ及びMPR(multi planar reconstruction)画像データを生成し前記SUVグラフや広範囲なMIP画像データと共に表示部に表示する。
【0014】
尚、以下の実施形態では、PET撮影によってボリュームデータを収集する画像情報収集部を備えた医用画像診断装置について述べるが、これに限定されるものではなく、例えば、SPECT撮影によってボリュームデータの収集を可能とする画像情報収集部を備えた医用画像診断装置であってもよい。又、PET撮影あるいはSPECT撮影が可能な上述の画像情報収集部とMRI撮影あるいはX線CT撮影が可能な画像情報収集部とを備えた医用画像診断装置であっても構わない。
【0015】
(装置の構成)
本実施形態における医用画像診断装置の構成につき図1乃至図8を用いて説明する。尚、図1は、本実施形態における医用画像診断装置の全体構成を示すブロック図であり、図2は、この医用画像診断装置が備える画像情報収集部の具体的な構成を示すブロック図である。
【0016】
図1に示す本実施形態の医用画像診断装置100は、放射性同位元素が投与された被検体150の体内から放射される1対のγ線の検出方向及び検出位置を検出して投影データを生成し、この投影データに基づいてボリュームデータを生成する画像情報収集部(PET撮影部)3と、画像情報収集部3において生成されたボリュームデータを保存するボリュームデータ記憶部4と、ボリュームデータ記憶部4から読み出したボリュームデータのボクセル値に対し所定の演算処理を行なうことによって3次元のSUVデータを生成するSUVデータ生成部5と、所定の閾値αより大きなボクセル値(SUV値)を示すSUVデータのボクセルを連結処理することによって3次元の関心領域を設定する関心領域設定部6と、この関心領域に囲まれたSUVデータのボクセル値を累積加算することにより累積SUV比率を算出する累積加算処理部7と、上述のSUVデータ生成部5から供給された3次元のSUVデータに基づいて広範囲なMIP画像データ及び狭範囲な拡大MIP画像データや各種のMPR画像データを生成する画像データ生成部8を備えている。
【0017】
又、医用画像診断装置100は、上述の累積SUV比率に基づいて作成した所定形式のSUVグラフや画像データ生成部8において生成されたMIP画像データ及びMPR画像データ等に基づいて表示データを生成する表示データ生成部9と、表示データ生成部9において生成された表示データを表示する表示部10を備え、更に、図示しない寝台に据え付けられ被検体150を載置する天板11と、画像情報収集部3が設けられた図示しないPET架台部あるいは被検体150を載置した天板11を体軸方向(図1のz方向)へ移動させることにより被検体150の広範囲な領域をPET架台部の撮影野に順次配置する移動機構部12と、被検体情報の入力、撮影条件やボリュームデータ収集条件の設定、画像データ生成条件及び表示データ生成条件の設定、表示データ表示条件の設定、閾値αの設定、各種指示信号の入力等を行なう入力部13と、上述の各ユニットを統括的に制御するシステム制御部14を備えている。
【0018】
次に、医用画像診断装置100が備える上述の各ユニットの構成と機能につき更に詳しく説明する。
【0019】
医用画像診断装置100の画像情報収集部3は、図2に示すように、被検体150の周囲において同心円状に配列され、放射性同位元素が投与された被検体150の体内から放射される1対のγ線を検出する検出器モジュール31と、検出されたγ線とノイズとの弁別、γ線の検出時刻や検出位置の計測、同時計測された1対のγ線の検出位置等に基づく検出方向の計測を行ない、更に、所定期間におけるγ線のカウント値をγ線検出位置及びγ線検出方向に対応させて累積加算することにより投影データを生成する検出データ処理部32と、得られた投影データを再構成処理することによってボリュームデータを生成するボリュームデータ生成部33を備えている。
【0020】
複数個からなる検出器モジュール31(31−1乃至31−Nm)は、天板11に載置された状態で画像情報収集部3の撮影野に配置された被検体150の周囲において同心円状に配列され、被検体150から放射されたγ線は、これらの検出器モジュール31によって一旦可視光に変換された後電気信号(検出信号)に変換される。
【0021】
図3は、検出器モジュール31の具体的な構成を示したものであり、検出器モジュール31−1乃至31−Nmの各々は、被検体150から放射されるγ線を検出して可視光に変換する短冊状のシンチレータ311と、シンチレータ311によって変換された可視光を電気信号に変換すると共に変換した微弱な電気信号を増幅する光電子増倍管312と、シンチレータ311から出力された可視光を光電子増倍管312へ伝達するライトガイド313を有している。
【0022】
シンチレータ311は、ビスマスジャーマネイド(BGO:(Bi4Ge3O12))、タリウム活性化ヨウ化ナトリウム(NaI(Tl))、フッ化バリウム(BaF2)等の材料が用いられ、特に、画像情報収集部3の検出器モジュール31には、単位体積当たりのγ線光電吸収率が高いビスマスジャーマネイドや応答速度の速いフッ化バリウムが好適である。
【0023】
光電子増倍管312は、例えば、数百個からなる光子を107〜1010個の電子に増幅し、出力段である陽極にその電子を収集して電気信号に変換するものであり図示しない光電陰極と電子増倍器を備えている。光電陰極には、その波長特性がシンチレータ311の発光波長に略均しい多アルカリ物質あるいは酸素やセシウムで活性化したバイアルカリ物質が用いられ、入射光子数に対する発生光電子数は通常20%乃至30%である。一方、電子増倍器は、2次電子放出現象に基づき、電子の伝搬経路に沿って配置された多段の電極と増幅された電子を収集する陽極とから構成されている。そして、管電圧が200V乃至300Vの場合の1段当たりの増幅率は約5倍であるため、上述の107の増幅率を得るためには10段程度の電極が設けられる。
【0024】
ライトガイド313は、シンチレータ311と光電子増倍管312を光学的にカップリングするためのものであり、シンチレータ311から出力された可視光を効率よく光電子増倍管312へ伝達するために光透過性に優れたプラスチック材が用いられる。
【0025】
図2へ戻って、画像情報収集部3の検出データ処理部32は、上述の検出器モジュール31−1乃至31−Nmの各々に接続されているNmチャンネルのデータ処理ユニット321−1乃至321−Nmと、これらのデータ処理ユニット321から出力されたγ線の検出位置情報に基づいてγ線の検出方向を計測する検出方向計測部322と、所定期間における検出信号のカウント値をγ線検出位置及びγ線検出方向に対応させて順次累積加算することによりPET撮影モードの投影データを生成する投影データ生成部323を備えている。
【0026】
尚、ここでは、被検体150に投与された放射性同位元素Sから放射される1対のγ線が検出器モジュール31−a及び31−bによって検出された場合を想定し、検出器モジュール31−a及び31−bに接続されているデータ処理ユニット321−a及び321−bのみを示している。
【0027】
検出データ処理部32のデータ処理ユニット321−a及び321−bは、検出器モジュール31−a及び31−bの光電子増倍管312から供給された複数チャンネルの検出信号を加算合成する信号合成部331と、信号合成部331において合成された検出信号を用いてγ線に起因する検出信号とノイズとの弁別を各々の波高値に基づいて行なう信号弁別部332と、信号合成部331から出力された合成後の検出信号を矩形波に整形する波形整形部333と、信号弁別部332において弁別された検出信号に対応するγ線の検出時刻を波形整形部333から供給された矩形波のフロントエッジ等に基づいて計測する検出時刻計測部334と、信号弁別部332において弁別された検出信号に対応するγ線の検出位置を検出器モジュール31−a及び31−bの光電子増倍管312から供給された複数チャンネルの検出信号に基づいて計測する検出位置計測部335を備えている。尚、データ処理ユニット321を構成する各ユニットの具体的な構成と機能については、特開2007−107995号公報等において記載されているため詳細な説明は省略する。
【0028】
次に、検出データ処理部32の検出方向計測部322は、データ処理ユニット321−1乃至321−Nmの各々に設けられた検出時刻計測部334から供給されるγ線の検出時刻及び検出位置計測部335から供給されるγ線の検出位置の情報に基づき、被検体150の体内から放射されるγ線の検出方向を計測する。
【0029】
一方、投影データ生成部323は、累積演算機能を有する図示しない記憶回路を備え、検出方向計測部322から供給された検出信号のカウント値を上述のγ線の検出位置及び検出方向に対応させて前記記憶回路に保存する。そして、例えば、検出器モジュール31−aと検出器モジュール31−bによるγ線の検出が所定期間において行なわれる度に、検出信号のカウント値は、検出位置及び検出方向に対応した前記記憶回路のアドレスにおいて累積加算される。
【0030】
更に、検出器モジュール31−a及び検出器モジュール31−bと異なる他の検出器モジュール31において1対のγ線が検出された場合においても、γ線の検出位置と検出方向を上述と同様の方法によって計測し、検出信号のカウント値をγ線の検出位置及び検出方向に対応した前記記憶回路のアドレスにおいて累積加算する。即ち、所定期間内において順次検出されるγ線のカウント値は、検出位置及び検出方向に対応した記憶回路のアドレスにおいて累積加算され投影データが生成される。
【0031】
ボリュームデータ生成部33は、図示しない投影データ記憶部、再構成処理部及びデータ処理部を備え、投影データ記憶部には、検出データ処理部32の投影データ生成部323において生成された投影データが検出位置や検出方向等を付帯情報として保存される。一方、再構成処理部は、投影データ記憶部から読み出した上述の投影データを再構成処理してボリュームデータを生成し、データ処理部は、得られたボリュームデータに対し補間処理等のデータ処理を行なう。そして、データ処理されたボリュームデータは、図1のボリュームデータ記憶部4に保存される。
【0032】
次に、図1に示したSUVデータ生成部5は、図示しないデータ記憶部を備え、ボリュームデータ記憶部4から読み出したボリュームデータのボクセル値(放射性同位元素の放射能濃度値)に係数β(β=被検体150の体重/放射性同位元素の投与量)を乗算することにより、上述の体重や投与量に影響されず定量的な評価が可能な指標値SUV(standardized uptake value)をボクセル値とする3次元のSUVデータを生成する。そして、得られたSUVデータを自己のデータ記憶部に保存する。
【0033】
関心領域設定部6は、図示しないフィルタリング処理部、SUV比較部及び連結処理部を備えている。フィルタリング処理部は、SUVデータ生成部5のデータ記憶部から読み出したSUVデータに対しノイズ除去や平滑化を目的としたフィルタリング処理を必要に応じて行ない、SUV比較部は、フィルタリング処理されたSUVデータのボクセル値と所定の閾値α(例えば、α=4.0)とを比較することにより多くの放射性同位元素が集積した疾患領域あるいは疾患が疑われる領域のボクセルを抽出する。そして、連結処理部は、所定の距離範囲内に隣接する上述のボクセルを連結処理し、これらのボクセルを内包する所定形状の3次元関心領域を設定する。
【0034】
一方、累積加算処理部7は、SUVデータ生成部5において生成されたSUVデータに対し関心領域設定部6が設定した1つあるいは複数からなる3次元関心領域の各々に含まれているSUVデータのボクセル値(SUV値)を累積加算することにより累積SUV値を算出し、更に、前記関心領域の各々における累積SUV値を加算処理して得られた総SUV値で上述の累積SUV値を除することにより累積SUV比率を算出する。
【0035】
図4に、SUVデータ生成部5から供給された3次元のSUVデータに対し関心領域設定部6が設定した3次元の関心領域R1乃至R4(図4(a))と、これらの関心領域R1乃至R4によって囲まれたSUVデータのボクセル値に基づいて累積加算処理部7が算出した累積SUV比率(図4(b))の具体例を示す。
【0036】
図1へ戻って、画像データ生成部8は、MIP画像データ生成部81とMPR画像データ生成部82を備えている。
【0037】
MIP画像データ生成部81は、SUVデータ生成部5のデータ記憶部から読み出した3次元のSUVデータを、例えば、被検体150の正面方向(図1のy方向)及び側面方向(図1のx方向)に垂直な投影面に最大値投影(即ち、投影面に垂直な複数からなる投影軸の各々において配列された複数のボクセルの中から最大ボクセル値を有するボクセルを選択し前記投影面に投影)することによって各々の方向における広範囲なMIP画像データを生成する。更に、表示部10に表示された表示データを構成するSUVグラフにおいて後述のグラフ領域が選択された場合、このグラフ領域に対応した所望関心領域を中心とする狭範囲な拡大MIP画像データを上述と同様の方法によって生成する。この場合、拡大MIP画像データの生成における投影方向は、選択された関心領域と他の関心領域とが重ならないように設定することが望ましいが特に限定されない。又、後述の図7に示すように、選択されていない関心領域のSUVデータを削除し、選択された関心領域のSUVデータのみを用いて拡大MIP画像データを生成することにより、他の関心領域の影響を受けない良好な拡大MIP画像データを得ることが可能となる。
【0038】
一方、MPR画像データ生成部82は、上述したグラフ領域の選択により拡大MIP画像データが収集される関心領域の選択が行なわれた場合、例えば、選択された関心領域の中心位置において互いに直交するコロナル断面(x−z平面)、サジタル断面(y−z平面)及びアキシャル断面(x−y平面)をMPR断面として設定する。次いで、SUVデータ生成部5のデータ記憶部から読み出した3次元のSUVデータに対し所定の厚みDを有する上述のMPR断面を設定し、当該MPR断面の内部に存在するSUVデータのボクセルを抽出することにより各々の断面におけるMPR画像データを生成する。
【0039】
次に、表示データ生成部9は、図1に示すようにSUVグラフ作成部91、参照SUVグラフ保管部92及びデータ合成部93を備えている。
【0040】
SUVグラフ作成部91は、累積加算処理部7において算出された累積SUV比率を用いて所定形式のSUVグラフを生成する。図5は、累積加算処理部7から供給された関心領域R1乃至R4(図4参照)における累積SUV比率の算出結果(図5(a))と、この算出結果に基づいてSUVグラフ作成部91が作成したSUVグラフの具体例(図5(b))を示している。但し、図5(b)では、SUVグラフとして円グラフを作成する場合について示しているが、棒グラフ等の他の形式のSUVグラフであっても構わない。
【0041】
一方、参照SUVグラフ保管部92には、正常人から収集されたボリュームデータに基づくSUVグラフや被検体150から収集した過去(例えば、治療前)のボリュームデータに基づくSUVグラフ等が参照SUVグラフとして予め保管されている。
【0042】
そして、データ合成部93は、MIP画像データ生成部81から供給される広範囲なMIP画像データに関心領域設定部6から供給される関心領域の境界情報を重畳し、更に、SUVグラフ作成部91から供給される被検体150のSUVグラフ及び参照SUVグラフ保管部92から読み出した参照SUVグラフ等を付加して第1の表示データを生成する。又、MIP画像データ生成部81から供給される狭範囲な拡大MIP画像データに上述の広範囲なMIP画像データやSUVグラフ、更には、MPR画像データ生成部82から供給される各種のMPR画像データを付加して第2の表示データを生成する。尚、第2の表示データを構成する広範囲なMIP画像データ及び狭範囲な拡大MIP画像データに関心領域設定部6から供給される関心領域の境界情報を付加してもよいが、特に限定されない。
【0043】
図6は、表示データ生成部9のデータ合成部93によって生成された第1の表示データの具体例を示したものであり、例えば、表示データの左領域には、MIP画像データ生成部81において生成された被検体150の正面方向を投影方向とする広範囲なMIP画像データMa及び側面方向を投影方向とする広範囲なMIP画像データMbが配置され、表示データの右上領域には、SUVグラフ作成部91において作成された被検体150のSUVグラフGaが、又、右下領域には、参照SUVグラフ保管部92から読み出された参照SUVグラフGbが夫々配置されている。更に、MIP画像データMa及びMbの下方にはスライドレバーSLが配置され、表示部10に表示された当該表示データのスライドレバーSLを入力部13の入力デバイスを用いて左右方向へ移動させることによりSUVデータに対する閾値αの更新が可能となる。
【0044】
そして、表示部10に表示された前記表示データのSUVグラフGaにおける関心領域R1に対応したグラフ領域(図5参照)が上述の入力デバイスによって選択された場合、表示データ生成部9のデータ合成部93は、この選択情報を受信したMIP画像データ生成部81が新たに生成した関心領域R1を中心とする狭範囲な拡大MIP画像データにMPR画像データ生成部82が生成した関心領域R1の中心位置において互いに直交するコロナル断面、サジタル断面及びアキシャル断面におけるMPR画像データや上述の広範囲なMIP画像データ及びSUVグラフ等を付加して第2の表示データを生成する。
【0045】
図7は、表示データ生成部9のデータ合成部93によって生成された第2の表示データの具体例を示したものであり、例えば、表示データの左上領域には、MIP画像データ生成部81によって生成された被検体150の広範囲なMIP画像データMa及びスライドレバーSLが配置され、表示データの右上領域には、SUVグラフ作成部91によって作成されたSUVグラフGa、表示データの左下領域には、MPR画像データ生成部82によって新たに生成されたコロナル断面のMPR画像データNc、サジタル断面のMPR画像データNs及びアキシャル断面のMPR画像データNa、表示データの右下領域には、MIP画像データ生成部81によって新たに生成された狭範囲な拡大MIP画像データMcが夫々配置される。
【0046】
尚、上述の第1の表示データに示されたSUVグラフGaに基づいて所望の関心領域(例えば、関心領域R1)が選択された場合、MIP画像データ生成部81は、既に述べたように、選択された関心領域のSUVデータのみを用いて拡大MIP画像データMcを生成することが可能である。このような方法を用いることにより他の関心領域の影響を受けない良好な拡大MIP画像データMcを得ることができる。
【0047】
次に、図1の表示部10は、図示しない変換処理部とモニタを備え、変換処理部は、表示データ生成部9のデータ合成部93から供給された上述の第1の表示データ及び第2の表示データに対しD/A変換やTVフォーマット変換等の変換処理を行なってモニタに表示する。
【0048】
尚、第1の表示データに示された広範囲なMIP画像データMa及びMbの関心領域R1乃至R4とこれらの関心領域に対応するSUVグラフGa及びGbのグラフ領域は、共通の色調、輝度、テクスチャ、パターン等によって表示される。又、第2の表示データの広範囲なMIP画像データMaの関心領域とこの関心領域に対応するSUVグラフGaのグラフ領域は、所定の色調や輝度によってハイライト表示される。
【0049】
移動機構部12は、図示しない架台移動部及び移動機構制御部を備え、架台移動部は、移動機構制御部から供給される架台移動制御信号に従い、画像情報収集部3を有するPET架台部を床面に設けられたガイドレールに沿って被検体150の体軸方向へ移動させる。一方、移動機構制御部は、入力部13からシステム制御部14を介して供給される撮影条件やボリュームデータ収集条件等に基づいて生成した架台移動制御信号を上述の架台移動部へ供給する。
【0050】
図8は、移動機構部12の架台移動部によって移動するPET架台部を説明するための図であり、この図8に示すように検査室の床面130には被検体150を載置する天板11を有した寝台131が据え付けられ、天板11の体軸方向(z方向)にガイドレール132が配設されている。そして、被検体150の広範囲な検査対象部位が画像情報収集部3の撮影野に配置されるように画像情報収集部3を有するPET架台部133をガイドレール132に沿って体軸方向へ移動させることにより撮影位置の選択や調整が行なわれる。
【0051】
尚、PET架台部133を移動させる替わりに、被検体150が載置された天板11を移動させてもよい。この場合、移動機構部12は、天板11を体軸方向へ移動させる天板移動部とこの天板移動部に対し天板移動制御信号を供給する移動機構制御部を備える。
【0052】
次に、図1の入力部13は、キーボード、選択スイッチ、マウス等の入力デバイスや表示パネルを備え、表示部10と組み合わせて用いることによりインタラクティブなインターフェースを形成している。そして、被検体情報の入力、投与薬剤情報の入力、撮影条件及びボリュームデータ収集条件の設定、画像データ生成条件及び表示データ生成条件の設定、表示データ表示条件の設定、SUVグラフを用いた関心領域の選択、閾値αの設定、グラフ形式の選択、各種指示信号の入力等が上述の表示パネルや入力デバイスを用いて行なわれる。
【0053】
一方、システム制御部14は、図示しないCPUと記憶回路を備え、入力部13から供給される上述の入力情報、選択情報及び設定情報は、記憶回路に保存される。そして、CPUは、記憶回路から読み出したこれらの情報に基づいて医用画像診断装置100に備えられた各ユニットを統括的に制御し、ボリュームデータの生成、SUVデータ、MIP画像データ及びMPR画像データの生成、SUVデータに基づくSUVグラフの作成、MIP画像データ、MPR画像データ及びSUVグラフに基づく表示データの生成等を実行させる。
【0054】
(表示データの生成/表示手順)
次に、本実施形態の画像情報収集部3によって生成されボリュームデータ記憶部4に保存されたボリュームデータを用いて行なわれる表示データの生成/表示手順につき図9のフローチャートに沿って説明する。
【0055】
表示データの生成に先立ち、医用画像診断装置100の操作者は、入力部13において被検体情報の入力、投与薬剤情報(例えば、放射性同位元素の投与量)の入力、MIP画像データ生成条件、MPR画像データ生成条件及び表示データ生成条件の設定、表示データ表示条件の設定、閾値αの設定。グラフ形式(例えば、円グラフ)の選択等を行なう。(図9のステップS1)。そして、これらの入力情報、選択情報及び設定情報は、システム制御部14の記憶回路に保存される。
【0056】
上述の初期設定が終了したならば、操作者は、入力部13において表示データ生成開始指示信号を入力し、この指示信号が、システム制御部14へ供給されることにより表示データの生成が開始される(図9のステップS2)。
【0057】
即ち、システム制御部14を介して上述の指示信号を受信した医用画像診断装置100のSUVデータ生成部5は、ボリュームデータ記憶部4から読み出したボリュームデータのボクセル値に係数β(β=被検体150の体重/放射性同位元素の投与量)を乗算することにより、指標値SUVをボクセル値とする3次元のSUVデータを生成し、得られたSUVデータを自己のデータ記憶部に保存する(図9のステップS3)。
【0058】
一方、関心領域設定部6は、SUVデータ生成部5のデータ記憶部から読み出したSUVデータに対しノイズ除去や平滑化を目的としたフィルタリング処理を必要に応じて行ない、フィルタリング処理後のSUVデータのボクセル値と閾値αとを比較することにより放射性同位元素が集積することによって大きなSUV値を呈した疾患領域あるいは疾患が疑われる領域のボクセルを抽出する。そして、所定の距離範囲内に存在する上述のボクセルを連結処理し、これらのボクセルを内包する3次元の関心領域を設定する(図9のステップS4)。
【0059】
次いで、累積加算処理部7は、SUVデータ生成部5において生成された3次元のSUVデータに対し関心領域設定部6が設定した1つあるいは複数からなる関心領域の各々に含まれているSUVデータのボクセル値を累積加算することにより累積SUV値を算出し、更に、前記関心領域の各々における累積SUV値を加算処理して得られた総SUV値で上述の累積SUV値を除することにより前記関心領域の各々における累積SUV比率を算出する(図9のステップS5)。
【0060】
そして、表示データ生成部9のSUVグラフ作成部91は、累積加算処理部7によって算出された累積SUV比率を用いて所定形式のSUVグラフを生成する(図9のステップS6)。
【0061】
一方、画像データ生成部8のMIP画像データ生成部81は、SUVデータ生成部5のデータ記憶部から読み出したボリュームデータを被検体150の正面方向及び側面方向に垂直な投影面に最大値投影することによって各々の方向における広範囲なMIP画像データを生成する(図9のステップS7)。
【0062】
次に、表示データ生成部9のデータ合成部93は、MIP画像データ生成部81から供給された広範囲なMIP画像データに関心領域設定部6から供給された関心領域の境界情報を重畳し、更に、SUVグラフ作成部91が作成した被検体150のSUVグラフ及び参照SUVグラフ保管部92から読み出した参照SUVグラフを付加して第1の表示データを生成する。そして、得られた第1の表示データを表示部10のモニタに表示する(図9のステップS8)。
【0063】
一方、表示部10に表示された第1の表示データを観察した医用画像診断装置100の操作者は、この第1の表示データのSUVグラフにおいて、例えば、最も広い面積を有するグラフ領域(即ち、最も大きな累積SUV比率を有するグラフ領域)を入力部13の入力デバイスを用いて選択することにより、当該グラフ領域に対応したMIP画像データ上の関心領域を選択する(図9のステップS9)。
【0064】
この選択情報を受信した画像データ生成部8のMIP画像データ生成部81は、SUVデータ生成部5のデータ記憶部から読み出した前記関心領域におけるSUVデータを、例えば、被検体150の正面方向に垂直な投影面に最大値投影することによって狭範囲な拡大MIP画像データを生成し、MPR画像データ生成部82は、選択された前記関心領域の中心位置において互いに直交するコロナル断面、サジタル断面及びアキシャル断面を前記関心領域のSUVデータに設定することにより各々の断面におけるMPR画像データを生成する。
【0065】
そして、表示データ生成部9のデータ合成部93は、MIP画像データ生成部81から新たに供給された狭範囲な拡大MIP画像データに上述の広範囲なMIP画像データやSUVグラフ、更には、MPR画像データ生成部82から新たに供給された上述のMPR画像データを付加して第2の表示データを生成し、表示部10のモニタに表示する(図9のステップS10)。
【0066】
(第2の実施形態)
次に、本開示の第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態における画像情報表示装置は、別途設置されたPET装置等の医用画像診断装置において予め収集され、ネットワーク等を介して供給されたボリュームデータを処理して3次元のSUVデータを生成し、このSUVデータのボクセル値(SUV値)と所定の閾値αとを比較することによって疾患領域あるいは疾患が疑われる領域を示す1つあるいは複数の関心領域を設定する。次いで、これらの関心領域に囲まれたSUVデータの累積SUV比率に基づいて所定形式のSUVグラフを作成し、上述のSUVデータを所定方向に投影して得られた当該被検体の広範囲なMIP画像データと共に表示する。
【0067】
更に、表示部に表示された上述のSUVグラフを構成するグラフ領域が選択された場合、このグラフ領域に対応した関心領域を中心とする狭範囲な領域の拡大MIP画像データ及びMPR画像データを生成し前記SUVグラフや広範囲なMIP画像データと共に表示部に表示する。
【0068】
尚、本実施形態における画像情報表示装置の全体構成を示す図10のブロック図において、図1に示した医用画像診断装置100のユニットと同一の構成及び機能を有するユニットは同一の符号を付加し詳細な説明は省略する。
【0069】
即ち、図10に示す本実施形態の画像情報表示装置200は、PET装置やSPECT装置等の医用画像診断装置によって予め収集された3次元の画像情報(ボリュームデータ)を保管するボリュームデータ保管部20と、ボリュームデータ保管部20から読み出したボリュームデータのボクセル値に対し所定の演算処理を行なうことによって3次元のSUVデータを生成するSUVデータ生成部5と、所定の閾値αより大きなボクセル値(SUV値)を示すSUVデータのボクセルを連結処理することによって3次元の関心領域を設定する関心領域設定部6と、この関心領域に囲まれたSUVデータのボクセル値を累積加算することにより累積SUV比率を算出する累積加算処理部7と、上述のSUVデータ生成部5から供給された3次元のSUVデータに基づいて広範囲なMIP画像データ及び狭範囲な拡大MIP画像データや各種のMPR画像データを生成する画像データ生成部8と、前記累積SUV比率に基づいて作成した所定形式のSUVグラフや画像データ生成部8において生成されたMIP画像データ及びMPR画像データ等に基づいて表示データを生成する表示データ生成部9と、表示データ生成部9において生成された表示データを表示する表示部10を備え、更に、画像データ生成条件や表示データ生成条件の設定等を行なう入力部13aと、上述の各ユニットを統括的に制御するシステム制御部14aを備えている。
【0070】
特に、図10の入力部13aは、キーボード、選択スイッチ、マウス等の入力デバイスや表示パネルを備え、表示部10と組み合わせて用いることによりインタラクティブなインターフェースを形成している。そして、被検体情報の入力、投与薬剤情報の入力、MIP画像データ生成条件、MPR画像データ生成条件及び表示データ生成条件の設定、表示データ表示条件の設定、SUVグラフを用いた関心領域の選択、閾値αの設定、グラフ形式の選択、各種指示信号の入力等が上述の表示パネルや入力デバイスを用いて行なわれる。
【0071】
一方、システム制御部14aは、図示しないCPUと記憶回路を備え、入力部13aから供給される上述の入力情報、選択情報及び設定情報は、記憶回路に保存される。そして、CPUは、記憶回路から読み出したこれらの情報に基づいて画像情報表示装置200に備えられた各ユニットを統括的に制御し、SUVデータ、MIP画像データ及びMPR画像データの生成、SUVデータに基づくSUVグラフの作成、MIP画像データ、MPR画像データ及びSUVグラフに基づく表示データの生成等を実行させる。
【0072】
尚、本実施形態における表示データの生成/表示手順は、図9に示した第1の実施形態における表示データの生成/表示手順と同様であるため説明は省略する。
【0073】
以上述べた第1の実施形態及び第2の実施形態によれば、被検体から収集された画像情報のSUV値をグラフ表示することにより疾患領域の有無やその状態を効率よく観察することができる。このため、当該被検体に対する診断精度と診断効率は大幅に向上し操作者の負担は軽減される。
【0074】
特に、被検体に対するPET撮影によって得られたSUVデータのSUV値と所定の閾値とを比較することにより疾患領域あるいは疾患が疑われる領域を関心領域として自動的に設定することができる。又、この関心領域に囲まれたSUVデータのボクセル値(SUV値)を累積加算することにより各々の関心領域における累積SUV比率を算出し、この累積SUV比率に基づいてSUVグラフを作成することにより疾患領域等の状態を正確に把握することができる。
【0075】
又、当該被検体のボリュームデータに基づいて作成された上述のSUVグラフと予め収集あるいは作成された参照SUVグラフとを比較することにより、注意すべき疾患領域の判定や治療前及び治療後の状態比較を容易に行なうことができる。
【0076】
更に、疾患領域あるいは疾患が疑われる領域を有する関心領域に対応したSUVグラフのグラフ領域を選択することにより、前記関心領域を中心とした狭範囲な拡大MIP画像データを短時間かつ容易に得ることができる。このため、特に小さな疾患領域や重なり合った疾患領域に対する見落としを防止することができる。特に、選択されていない関心領域のSUVデータを削除し、選択された前記関心領域のSUVデータのみを用いて拡大MIP画像データを生成することにより、他の関心領域の影響を受けない良好な拡大MIP画像データを得ることが可能となる。
【0077】
又、第1の表示データにおいて広範囲なMIP画像データに示された関心領域とSUVグラフに示された前記関心領域に対応するグラフ領域を同一の色調や輝度等を用いて表示することにより、前記関心領域とSUVグラフとの対応付けを容易に行なうことができる。
【0078】
一方、上述の第2の実施形態によれば、別途設置された医用画像診断装置からネットワーク等を介して予め供給された被検体のボリュームデータに基づいてMIP画像データやMPR画像データの生成、SUVグラフの生成、これらのデータに基づく表示データの生成等を行なうことができるため、画像情報表示装置の操作者は、時間や場所の制約をあまり受けることなく当該被検体の診断に有効な画像情報を容易に得ることができる。
【0079】
以上、本開示の第1の実施形態及び第2の実施形態について述べてきたが、本開示は、上述の実施形態に限定されるものではなく、変形して実施することが可能である。例えば、上述の第1の実施形態では、PET撮影によってボリュームデータを収集する画像情報収集部を備えた医用画像診断装置100について述べたが、SPECT撮影によってボリュームデータの収集を可能とする画像情報収集部を備えた医用画像診断装置であってもよく、又、PET撮影あるいはSPECT撮影が可能な上述の画像情報収集部とMRI撮影あるいはX線CT撮影が可能な画像情報収集部とを備えた医用画像診断装置であっても構わない。
【0080】
又、上述の第1の実施形態及び第2の実施形態におけるSUVグラフ作成部91は、累積SUV比率に基づいた円グラフをSUVグラフとして生成する場合について述べたが、棒グラフ等の他の形式によるSUVグラフを生成してもよい。
【0081】
更に、狭範囲な拡大MIP画像データを各種MPR画像データや広範囲なMIP画像データ、更には、SUVグラフ等と共に表示する場合について述べたが、これに限定されるものではなく、例えば、選択された関心領域における拡大MIP画像データとMPR画像データを比較表示してもよく、拡大MIP画像データのみを独立させて表示してもよい。又、拡大MIP画像データあるいはMPR画像データの替わりに3次元のSUVデータをレンダリング処理して得られる3次元画像データを表示しても構わない。
【0082】
又、上述の第1の実施形態及び第2の実施形態では、被検体150の正面方向あるいは側面方向に対して垂直な投影面へSUVデータを投影することにより広範囲なMIP画像データや狭範囲な拡大MIP画像データを生成する場合について述べたが、SUVデータの投影方向は任意に設定してもよい。
【0083】
更に、画像情報収集部3において生成されたボリュームデータを処理して得られる3次元のSUVデータに基づいてSUVグラフの作成やMIP画像データ及びMPR画像データの生成を行なう場合について述べたが、上述のボリュームデータを直接用いてSUVグラフの作成やMIP画像データ及びMPR画像データの生成を行なっても構わない。
【0084】
尚、本実施形態に係る医用画像診断装置100あるいは画像情報表示装置200に含まれる各ユニットは、例えば、CPU、RAM、磁気記憶装置、入力装置、表示装置等で構成されるコンピュータをハードウェアとして用いることでも実現することができる。例えば、医用画像診断装置100を制御するシステム制御部14あるいは画像情報表示装置200を制御するシステム制御部14aは、上記のコンピュータに搭載されたCPU等のプロセッサに所定の制御プログラムを実行させることにより各種機能を実現することができる。この場合、上述の制御プログラムをコンピュータに予めインストールしてもよく、又、コンピュータ読み取りが可能な記憶媒体への保存あるいはネットワークを介して配布された制御プログラムのコンピュータへのインストールであっても構わない。
【0085】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0086】
3…画像情報収集部
31…検出器モジュール
32…検出データ処理部
33…ボリュームデータ生成部
4…ボリュームデータ記憶部
5…SUVデータ生成部
6…関心領域設定部
7…累積加算処理部
8…画像データ生成部
81…MIP画像データ生成部
82…MPR画像データ生成部
9…表示データ生成部
91…SUVグラフ作成部
92…参照SUVグラフ保管部
93…データ合成部
10…表示部
11…天板
12…移動機構部
13、13a…入力部
14、14a…システム制御部
20…ボリュームデータ保管部
100…医用画像診断装置
200…画像情報表示装置
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、被検体から収集された画像情報の画素値あるいはボクセル値をグラフ表示することにより疾患部位の状態を効率よく観察することが可能な医用画像診断装置、画像情報表示装置及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
X線診断装置、MRI装置、X線CT装置及び核医学診断装置等を用いた医用画像診断は、コンピュータ技術の発展に伴って急速な進歩を遂げ、今日の医療において必要不可欠なものとなっている。
【0003】
上述のX線診断装置やX線CT装置は、臓器や腫瘍等の輪郭を描出することによって診断を行なう、所謂、形態診断を目的としているのに対し、核医学診断装置は、生体組織に選択的に取り込まれた放射性同位元素又はその標識化合物から放射されるγ線を体外から計測し、その線量分布を画像化することにより被検体に対する機能診断を可能としている。
【0004】
核医学診断装置として、ガンマカメラ、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission Computed Tomography)装置等が臨床の場で使用されており、例えば、PET装置は、陽電子(ポジトロン)を放出する核種によって標識した放射性同位元素を被検体内に投与し、この陽電子が電子と結合して消滅する際に被検体の周囲に配置したリング状の検出器によって検出される一対のγ線情報を再構成処理することにより画像データの生成を行なっている。
【0005】
又、近年では、形態画像データの収集を可能とするX線CT装置やMRI装置等の形態画像診断装置と機能画像データの収集を可能とするPET装置やSPECT装置等の機能画像診断装置を一体化した医用画像診断装置が新たに開発され、このような医用画像診断装置を用いることにより被検体の全身領域における形態画像データ及び機能画像データを効率よく収集することが可能となった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−90458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したPET装置等を用いた核医学診断では、被検体から収集されたボリュームデータのボクセル値を変換処理することによって3次元のSUV(standardized uptake value)データを生成し、このSUVデータのボクセル値(SUV値)を所定方向へ最大値投影して得られるMIP(maximum intensity projection)画像データを観察することによって行われる。
【0008】
しかしながら、このようなMIP画像データを用いた核医学診断では、投影方向に重なった複数からなる疾患部の各々を分離して観察するためには、投影方向を連続的に更新させることによりMIP画像データを回転表示させる必要があった。又、上述のSUVデータは、被検体の広範囲な領域から収集されたボリュームデータに基づいて生成されるため、PET装置等の医用画像診断装置を操作する医療従事者(以下では、操作者と呼ぶ。)は、上述のSUVデータを投影処理して得られた広範囲なMIP画像データの中から診断すべき疾患領域を抽出して観察しなくてはならなかった。このため、疾患領域を見逃すリスクが高い頻度で発生し、核医学診断を担当する前記操作者の負担は著しく増大するという問題点を有していた。
【0009】
本開示は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、被検体から収集された画像情報の画素値あるいはボクセル値をグラフ表示することにより疾患部位の有無やその状態を効率よく観察することが可能な医用画像診断装置、画像情報表示装置及び制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本開示の医用画像診断装置は、被検体に対するPET撮影あるいはSPECT撮影によってボリュームデータを収集し、このボリュームデータに基づいて画像データを生成する医用画像診断装置であって、前記ボリュームデータに基づいて生成されたSUV(standardized uptake value)データを用いて関心領域を設定する関心領域設定手段と、前記関心領域に囲まれた前記SUVデータのSUV値に基づいてSUVグラフを作成するSUVグラフ作成手段と、前記SUVグラフを用いて生成された表示データを表示する表示手段とを備えたことを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態における医用画像診断装置の全体構成を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態の医用画像診断装置が備える画像情報収集部の具体的な構成を示すブロック図。
【図3】第1の実施形態の画像情報収集部が備える検出器モジュールを説明するための図。
【図4】第1の実施形態のSUVデータに対して設定された関心領域とこの関心領域において算出された累積SUV比率の具体例を示す図。
【図5】第1の実施形態の医用画像診断装置によって作成されるSUVグラフの具体例を示す図。
【図6】第1の実施形態の医用画像診断装置によって生成される第1の表示データの具体例を示す図。
【図7】第1の実施形態の医用画像診断装置によって生成される第2の表示データの具体例を示す図。
【図8】第1の実施形態の医用画像診断装置が備える移動機構部を説明するための図。
【図9】第1の実施形態における表示データの生成/表示手順を示すフローチャート。
【図10】第2の実施形態における画像情報表示装置の全体構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本開示の実施形態を説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
本実施形態の医用画像診断装置は、先ず、被検体に対するPET撮影によって3次元の画像情報(ボリュームデータ)を収集し、このボリュームデータを処理して得られたSUVデータのボクセル値(SUV値)と所定の閾値αとを比較することにより疾患領域あるいは疾患が疑われる領域を示す1つあるいは複数の関心領域を設定する。次いで、これらの関心領域に囲まれたSUVデータの累積SUV比率に基づいて所定形式のSUVグラフを作成し、上述のSUVデータを所定方向へ最大値投影して得られた当該被検体の広範囲な領域におけるMIP(maximum intensity projection)画像データと共に表示する。更に、表示部に表示された上述のSUVグラフを構成するグラフ領域が選択された場合、このグラフ領域に対応した関心領域を中心とする狭範囲な領域の拡大MIP画像データ及びMPR(multi planar reconstruction)画像データを生成し前記SUVグラフや広範囲なMIP画像データと共に表示部に表示する。
【0014】
尚、以下の実施形態では、PET撮影によってボリュームデータを収集する画像情報収集部を備えた医用画像診断装置について述べるが、これに限定されるものではなく、例えば、SPECT撮影によってボリュームデータの収集を可能とする画像情報収集部を備えた医用画像診断装置であってもよい。又、PET撮影あるいはSPECT撮影が可能な上述の画像情報収集部とMRI撮影あるいはX線CT撮影が可能な画像情報収集部とを備えた医用画像診断装置であっても構わない。
【0015】
(装置の構成)
本実施形態における医用画像診断装置の構成につき図1乃至図8を用いて説明する。尚、図1は、本実施形態における医用画像診断装置の全体構成を示すブロック図であり、図2は、この医用画像診断装置が備える画像情報収集部の具体的な構成を示すブロック図である。
【0016】
図1に示す本実施形態の医用画像診断装置100は、放射性同位元素が投与された被検体150の体内から放射される1対のγ線の検出方向及び検出位置を検出して投影データを生成し、この投影データに基づいてボリュームデータを生成する画像情報収集部(PET撮影部)3と、画像情報収集部3において生成されたボリュームデータを保存するボリュームデータ記憶部4と、ボリュームデータ記憶部4から読み出したボリュームデータのボクセル値に対し所定の演算処理を行なうことによって3次元のSUVデータを生成するSUVデータ生成部5と、所定の閾値αより大きなボクセル値(SUV値)を示すSUVデータのボクセルを連結処理することによって3次元の関心領域を設定する関心領域設定部6と、この関心領域に囲まれたSUVデータのボクセル値を累積加算することにより累積SUV比率を算出する累積加算処理部7と、上述のSUVデータ生成部5から供給された3次元のSUVデータに基づいて広範囲なMIP画像データ及び狭範囲な拡大MIP画像データや各種のMPR画像データを生成する画像データ生成部8を備えている。
【0017】
又、医用画像診断装置100は、上述の累積SUV比率に基づいて作成した所定形式のSUVグラフや画像データ生成部8において生成されたMIP画像データ及びMPR画像データ等に基づいて表示データを生成する表示データ生成部9と、表示データ生成部9において生成された表示データを表示する表示部10を備え、更に、図示しない寝台に据え付けられ被検体150を載置する天板11と、画像情報収集部3が設けられた図示しないPET架台部あるいは被検体150を載置した天板11を体軸方向(図1のz方向)へ移動させることにより被検体150の広範囲な領域をPET架台部の撮影野に順次配置する移動機構部12と、被検体情報の入力、撮影条件やボリュームデータ収集条件の設定、画像データ生成条件及び表示データ生成条件の設定、表示データ表示条件の設定、閾値αの設定、各種指示信号の入力等を行なう入力部13と、上述の各ユニットを統括的に制御するシステム制御部14を備えている。
【0018】
次に、医用画像診断装置100が備える上述の各ユニットの構成と機能につき更に詳しく説明する。
【0019】
医用画像診断装置100の画像情報収集部3は、図2に示すように、被検体150の周囲において同心円状に配列され、放射性同位元素が投与された被検体150の体内から放射される1対のγ線を検出する検出器モジュール31と、検出されたγ線とノイズとの弁別、γ線の検出時刻や検出位置の計測、同時計測された1対のγ線の検出位置等に基づく検出方向の計測を行ない、更に、所定期間におけるγ線のカウント値をγ線検出位置及びγ線検出方向に対応させて累積加算することにより投影データを生成する検出データ処理部32と、得られた投影データを再構成処理することによってボリュームデータを生成するボリュームデータ生成部33を備えている。
【0020】
複数個からなる検出器モジュール31(31−1乃至31−Nm)は、天板11に載置された状態で画像情報収集部3の撮影野に配置された被検体150の周囲において同心円状に配列され、被検体150から放射されたγ線は、これらの検出器モジュール31によって一旦可視光に変換された後電気信号(検出信号)に変換される。
【0021】
図3は、検出器モジュール31の具体的な構成を示したものであり、検出器モジュール31−1乃至31−Nmの各々は、被検体150から放射されるγ線を検出して可視光に変換する短冊状のシンチレータ311と、シンチレータ311によって変換された可視光を電気信号に変換すると共に変換した微弱な電気信号を増幅する光電子増倍管312と、シンチレータ311から出力された可視光を光電子増倍管312へ伝達するライトガイド313を有している。
【0022】
シンチレータ311は、ビスマスジャーマネイド(BGO:(Bi4Ge3O12))、タリウム活性化ヨウ化ナトリウム(NaI(Tl))、フッ化バリウム(BaF2)等の材料が用いられ、特に、画像情報収集部3の検出器モジュール31には、単位体積当たりのγ線光電吸収率が高いビスマスジャーマネイドや応答速度の速いフッ化バリウムが好適である。
【0023】
光電子増倍管312は、例えば、数百個からなる光子を107〜1010個の電子に増幅し、出力段である陽極にその電子を収集して電気信号に変換するものであり図示しない光電陰極と電子増倍器を備えている。光電陰極には、その波長特性がシンチレータ311の発光波長に略均しい多アルカリ物質あるいは酸素やセシウムで活性化したバイアルカリ物質が用いられ、入射光子数に対する発生光電子数は通常20%乃至30%である。一方、電子増倍器は、2次電子放出現象に基づき、電子の伝搬経路に沿って配置された多段の電極と増幅された電子を収集する陽極とから構成されている。そして、管電圧が200V乃至300Vの場合の1段当たりの増幅率は約5倍であるため、上述の107の増幅率を得るためには10段程度の電極が設けられる。
【0024】
ライトガイド313は、シンチレータ311と光電子増倍管312を光学的にカップリングするためのものであり、シンチレータ311から出力された可視光を効率よく光電子増倍管312へ伝達するために光透過性に優れたプラスチック材が用いられる。
【0025】
図2へ戻って、画像情報収集部3の検出データ処理部32は、上述の検出器モジュール31−1乃至31−Nmの各々に接続されているNmチャンネルのデータ処理ユニット321−1乃至321−Nmと、これらのデータ処理ユニット321から出力されたγ線の検出位置情報に基づいてγ線の検出方向を計測する検出方向計測部322と、所定期間における検出信号のカウント値をγ線検出位置及びγ線検出方向に対応させて順次累積加算することによりPET撮影モードの投影データを生成する投影データ生成部323を備えている。
【0026】
尚、ここでは、被検体150に投与された放射性同位元素Sから放射される1対のγ線が検出器モジュール31−a及び31−bによって検出された場合を想定し、検出器モジュール31−a及び31−bに接続されているデータ処理ユニット321−a及び321−bのみを示している。
【0027】
検出データ処理部32のデータ処理ユニット321−a及び321−bは、検出器モジュール31−a及び31−bの光電子増倍管312から供給された複数チャンネルの検出信号を加算合成する信号合成部331と、信号合成部331において合成された検出信号を用いてγ線に起因する検出信号とノイズとの弁別を各々の波高値に基づいて行なう信号弁別部332と、信号合成部331から出力された合成後の検出信号を矩形波に整形する波形整形部333と、信号弁別部332において弁別された検出信号に対応するγ線の検出時刻を波形整形部333から供給された矩形波のフロントエッジ等に基づいて計測する検出時刻計測部334と、信号弁別部332において弁別された検出信号に対応するγ線の検出位置を検出器モジュール31−a及び31−bの光電子増倍管312から供給された複数チャンネルの検出信号に基づいて計測する検出位置計測部335を備えている。尚、データ処理ユニット321を構成する各ユニットの具体的な構成と機能については、特開2007−107995号公報等において記載されているため詳細な説明は省略する。
【0028】
次に、検出データ処理部32の検出方向計測部322は、データ処理ユニット321−1乃至321−Nmの各々に設けられた検出時刻計測部334から供給されるγ線の検出時刻及び検出位置計測部335から供給されるγ線の検出位置の情報に基づき、被検体150の体内から放射されるγ線の検出方向を計測する。
【0029】
一方、投影データ生成部323は、累積演算機能を有する図示しない記憶回路を備え、検出方向計測部322から供給された検出信号のカウント値を上述のγ線の検出位置及び検出方向に対応させて前記記憶回路に保存する。そして、例えば、検出器モジュール31−aと検出器モジュール31−bによるγ線の検出が所定期間において行なわれる度に、検出信号のカウント値は、検出位置及び検出方向に対応した前記記憶回路のアドレスにおいて累積加算される。
【0030】
更に、検出器モジュール31−a及び検出器モジュール31−bと異なる他の検出器モジュール31において1対のγ線が検出された場合においても、γ線の検出位置と検出方向を上述と同様の方法によって計測し、検出信号のカウント値をγ線の検出位置及び検出方向に対応した前記記憶回路のアドレスにおいて累積加算する。即ち、所定期間内において順次検出されるγ線のカウント値は、検出位置及び検出方向に対応した記憶回路のアドレスにおいて累積加算され投影データが生成される。
【0031】
ボリュームデータ生成部33は、図示しない投影データ記憶部、再構成処理部及びデータ処理部を備え、投影データ記憶部には、検出データ処理部32の投影データ生成部323において生成された投影データが検出位置や検出方向等を付帯情報として保存される。一方、再構成処理部は、投影データ記憶部から読み出した上述の投影データを再構成処理してボリュームデータを生成し、データ処理部は、得られたボリュームデータに対し補間処理等のデータ処理を行なう。そして、データ処理されたボリュームデータは、図1のボリュームデータ記憶部4に保存される。
【0032】
次に、図1に示したSUVデータ生成部5は、図示しないデータ記憶部を備え、ボリュームデータ記憶部4から読み出したボリュームデータのボクセル値(放射性同位元素の放射能濃度値)に係数β(β=被検体150の体重/放射性同位元素の投与量)を乗算することにより、上述の体重や投与量に影響されず定量的な評価が可能な指標値SUV(standardized uptake value)をボクセル値とする3次元のSUVデータを生成する。そして、得られたSUVデータを自己のデータ記憶部に保存する。
【0033】
関心領域設定部6は、図示しないフィルタリング処理部、SUV比較部及び連結処理部を備えている。フィルタリング処理部は、SUVデータ生成部5のデータ記憶部から読み出したSUVデータに対しノイズ除去や平滑化を目的としたフィルタリング処理を必要に応じて行ない、SUV比較部は、フィルタリング処理されたSUVデータのボクセル値と所定の閾値α(例えば、α=4.0)とを比較することにより多くの放射性同位元素が集積した疾患領域あるいは疾患が疑われる領域のボクセルを抽出する。そして、連結処理部は、所定の距離範囲内に隣接する上述のボクセルを連結処理し、これらのボクセルを内包する所定形状の3次元関心領域を設定する。
【0034】
一方、累積加算処理部7は、SUVデータ生成部5において生成されたSUVデータに対し関心領域設定部6が設定した1つあるいは複数からなる3次元関心領域の各々に含まれているSUVデータのボクセル値(SUV値)を累積加算することにより累積SUV値を算出し、更に、前記関心領域の各々における累積SUV値を加算処理して得られた総SUV値で上述の累積SUV値を除することにより累積SUV比率を算出する。
【0035】
図4に、SUVデータ生成部5から供給された3次元のSUVデータに対し関心領域設定部6が設定した3次元の関心領域R1乃至R4(図4(a))と、これらの関心領域R1乃至R4によって囲まれたSUVデータのボクセル値に基づいて累積加算処理部7が算出した累積SUV比率(図4(b))の具体例を示す。
【0036】
図1へ戻って、画像データ生成部8は、MIP画像データ生成部81とMPR画像データ生成部82を備えている。
【0037】
MIP画像データ生成部81は、SUVデータ生成部5のデータ記憶部から読み出した3次元のSUVデータを、例えば、被検体150の正面方向(図1のy方向)及び側面方向(図1のx方向)に垂直な投影面に最大値投影(即ち、投影面に垂直な複数からなる投影軸の各々において配列された複数のボクセルの中から最大ボクセル値を有するボクセルを選択し前記投影面に投影)することによって各々の方向における広範囲なMIP画像データを生成する。更に、表示部10に表示された表示データを構成するSUVグラフにおいて後述のグラフ領域が選択された場合、このグラフ領域に対応した所望関心領域を中心とする狭範囲な拡大MIP画像データを上述と同様の方法によって生成する。この場合、拡大MIP画像データの生成における投影方向は、選択された関心領域と他の関心領域とが重ならないように設定することが望ましいが特に限定されない。又、後述の図7に示すように、選択されていない関心領域のSUVデータを削除し、選択された関心領域のSUVデータのみを用いて拡大MIP画像データを生成することにより、他の関心領域の影響を受けない良好な拡大MIP画像データを得ることが可能となる。
【0038】
一方、MPR画像データ生成部82は、上述したグラフ領域の選択により拡大MIP画像データが収集される関心領域の選択が行なわれた場合、例えば、選択された関心領域の中心位置において互いに直交するコロナル断面(x−z平面)、サジタル断面(y−z平面)及びアキシャル断面(x−y平面)をMPR断面として設定する。次いで、SUVデータ生成部5のデータ記憶部から読み出した3次元のSUVデータに対し所定の厚みDを有する上述のMPR断面を設定し、当該MPR断面の内部に存在するSUVデータのボクセルを抽出することにより各々の断面におけるMPR画像データを生成する。
【0039】
次に、表示データ生成部9は、図1に示すようにSUVグラフ作成部91、参照SUVグラフ保管部92及びデータ合成部93を備えている。
【0040】
SUVグラフ作成部91は、累積加算処理部7において算出された累積SUV比率を用いて所定形式のSUVグラフを生成する。図5は、累積加算処理部7から供給された関心領域R1乃至R4(図4参照)における累積SUV比率の算出結果(図5(a))と、この算出結果に基づいてSUVグラフ作成部91が作成したSUVグラフの具体例(図5(b))を示している。但し、図5(b)では、SUVグラフとして円グラフを作成する場合について示しているが、棒グラフ等の他の形式のSUVグラフであっても構わない。
【0041】
一方、参照SUVグラフ保管部92には、正常人から収集されたボリュームデータに基づくSUVグラフや被検体150から収集した過去(例えば、治療前)のボリュームデータに基づくSUVグラフ等が参照SUVグラフとして予め保管されている。
【0042】
そして、データ合成部93は、MIP画像データ生成部81から供給される広範囲なMIP画像データに関心領域設定部6から供給される関心領域の境界情報を重畳し、更に、SUVグラフ作成部91から供給される被検体150のSUVグラフ及び参照SUVグラフ保管部92から読み出した参照SUVグラフ等を付加して第1の表示データを生成する。又、MIP画像データ生成部81から供給される狭範囲な拡大MIP画像データに上述の広範囲なMIP画像データやSUVグラフ、更には、MPR画像データ生成部82から供給される各種のMPR画像データを付加して第2の表示データを生成する。尚、第2の表示データを構成する広範囲なMIP画像データ及び狭範囲な拡大MIP画像データに関心領域設定部6から供給される関心領域の境界情報を付加してもよいが、特に限定されない。
【0043】
図6は、表示データ生成部9のデータ合成部93によって生成された第1の表示データの具体例を示したものであり、例えば、表示データの左領域には、MIP画像データ生成部81において生成された被検体150の正面方向を投影方向とする広範囲なMIP画像データMa及び側面方向を投影方向とする広範囲なMIP画像データMbが配置され、表示データの右上領域には、SUVグラフ作成部91において作成された被検体150のSUVグラフGaが、又、右下領域には、参照SUVグラフ保管部92から読み出された参照SUVグラフGbが夫々配置されている。更に、MIP画像データMa及びMbの下方にはスライドレバーSLが配置され、表示部10に表示された当該表示データのスライドレバーSLを入力部13の入力デバイスを用いて左右方向へ移動させることによりSUVデータに対する閾値αの更新が可能となる。
【0044】
そして、表示部10に表示された前記表示データのSUVグラフGaにおける関心領域R1に対応したグラフ領域(図5参照)が上述の入力デバイスによって選択された場合、表示データ生成部9のデータ合成部93は、この選択情報を受信したMIP画像データ生成部81が新たに生成した関心領域R1を中心とする狭範囲な拡大MIP画像データにMPR画像データ生成部82が生成した関心領域R1の中心位置において互いに直交するコロナル断面、サジタル断面及びアキシャル断面におけるMPR画像データや上述の広範囲なMIP画像データ及びSUVグラフ等を付加して第2の表示データを生成する。
【0045】
図7は、表示データ生成部9のデータ合成部93によって生成された第2の表示データの具体例を示したものであり、例えば、表示データの左上領域には、MIP画像データ生成部81によって生成された被検体150の広範囲なMIP画像データMa及びスライドレバーSLが配置され、表示データの右上領域には、SUVグラフ作成部91によって作成されたSUVグラフGa、表示データの左下領域には、MPR画像データ生成部82によって新たに生成されたコロナル断面のMPR画像データNc、サジタル断面のMPR画像データNs及びアキシャル断面のMPR画像データNa、表示データの右下領域には、MIP画像データ生成部81によって新たに生成された狭範囲な拡大MIP画像データMcが夫々配置される。
【0046】
尚、上述の第1の表示データに示されたSUVグラフGaに基づいて所望の関心領域(例えば、関心領域R1)が選択された場合、MIP画像データ生成部81は、既に述べたように、選択された関心領域のSUVデータのみを用いて拡大MIP画像データMcを生成することが可能である。このような方法を用いることにより他の関心領域の影響を受けない良好な拡大MIP画像データMcを得ることができる。
【0047】
次に、図1の表示部10は、図示しない変換処理部とモニタを備え、変換処理部は、表示データ生成部9のデータ合成部93から供給された上述の第1の表示データ及び第2の表示データに対しD/A変換やTVフォーマット変換等の変換処理を行なってモニタに表示する。
【0048】
尚、第1の表示データに示された広範囲なMIP画像データMa及びMbの関心領域R1乃至R4とこれらの関心領域に対応するSUVグラフGa及びGbのグラフ領域は、共通の色調、輝度、テクスチャ、パターン等によって表示される。又、第2の表示データの広範囲なMIP画像データMaの関心領域とこの関心領域に対応するSUVグラフGaのグラフ領域は、所定の色調や輝度によってハイライト表示される。
【0049】
移動機構部12は、図示しない架台移動部及び移動機構制御部を備え、架台移動部は、移動機構制御部から供給される架台移動制御信号に従い、画像情報収集部3を有するPET架台部を床面に設けられたガイドレールに沿って被検体150の体軸方向へ移動させる。一方、移動機構制御部は、入力部13からシステム制御部14を介して供給される撮影条件やボリュームデータ収集条件等に基づいて生成した架台移動制御信号を上述の架台移動部へ供給する。
【0050】
図8は、移動機構部12の架台移動部によって移動するPET架台部を説明するための図であり、この図8に示すように検査室の床面130には被検体150を載置する天板11を有した寝台131が据え付けられ、天板11の体軸方向(z方向)にガイドレール132が配設されている。そして、被検体150の広範囲な検査対象部位が画像情報収集部3の撮影野に配置されるように画像情報収集部3を有するPET架台部133をガイドレール132に沿って体軸方向へ移動させることにより撮影位置の選択や調整が行なわれる。
【0051】
尚、PET架台部133を移動させる替わりに、被検体150が載置された天板11を移動させてもよい。この場合、移動機構部12は、天板11を体軸方向へ移動させる天板移動部とこの天板移動部に対し天板移動制御信号を供給する移動機構制御部を備える。
【0052】
次に、図1の入力部13は、キーボード、選択スイッチ、マウス等の入力デバイスや表示パネルを備え、表示部10と組み合わせて用いることによりインタラクティブなインターフェースを形成している。そして、被検体情報の入力、投与薬剤情報の入力、撮影条件及びボリュームデータ収集条件の設定、画像データ生成条件及び表示データ生成条件の設定、表示データ表示条件の設定、SUVグラフを用いた関心領域の選択、閾値αの設定、グラフ形式の選択、各種指示信号の入力等が上述の表示パネルや入力デバイスを用いて行なわれる。
【0053】
一方、システム制御部14は、図示しないCPUと記憶回路を備え、入力部13から供給される上述の入力情報、選択情報及び設定情報は、記憶回路に保存される。そして、CPUは、記憶回路から読み出したこれらの情報に基づいて医用画像診断装置100に備えられた各ユニットを統括的に制御し、ボリュームデータの生成、SUVデータ、MIP画像データ及びMPR画像データの生成、SUVデータに基づくSUVグラフの作成、MIP画像データ、MPR画像データ及びSUVグラフに基づく表示データの生成等を実行させる。
【0054】
(表示データの生成/表示手順)
次に、本実施形態の画像情報収集部3によって生成されボリュームデータ記憶部4に保存されたボリュームデータを用いて行なわれる表示データの生成/表示手順につき図9のフローチャートに沿って説明する。
【0055】
表示データの生成に先立ち、医用画像診断装置100の操作者は、入力部13において被検体情報の入力、投与薬剤情報(例えば、放射性同位元素の投与量)の入力、MIP画像データ生成条件、MPR画像データ生成条件及び表示データ生成条件の設定、表示データ表示条件の設定、閾値αの設定。グラフ形式(例えば、円グラフ)の選択等を行なう。(図9のステップS1)。そして、これらの入力情報、選択情報及び設定情報は、システム制御部14の記憶回路に保存される。
【0056】
上述の初期設定が終了したならば、操作者は、入力部13において表示データ生成開始指示信号を入力し、この指示信号が、システム制御部14へ供給されることにより表示データの生成が開始される(図9のステップS2)。
【0057】
即ち、システム制御部14を介して上述の指示信号を受信した医用画像診断装置100のSUVデータ生成部5は、ボリュームデータ記憶部4から読み出したボリュームデータのボクセル値に係数β(β=被検体150の体重/放射性同位元素の投与量)を乗算することにより、指標値SUVをボクセル値とする3次元のSUVデータを生成し、得られたSUVデータを自己のデータ記憶部に保存する(図9のステップS3)。
【0058】
一方、関心領域設定部6は、SUVデータ生成部5のデータ記憶部から読み出したSUVデータに対しノイズ除去や平滑化を目的としたフィルタリング処理を必要に応じて行ない、フィルタリング処理後のSUVデータのボクセル値と閾値αとを比較することにより放射性同位元素が集積することによって大きなSUV値を呈した疾患領域あるいは疾患が疑われる領域のボクセルを抽出する。そして、所定の距離範囲内に存在する上述のボクセルを連結処理し、これらのボクセルを内包する3次元の関心領域を設定する(図9のステップS4)。
【0059】
次いで、累積加算処理部7は、SUVデータ生成部5において生成された3次元のSUVデータに対し関心領域設定部6が設定した1つあるいは複数からなる関心領域の各々に含まれているSUVデータのボクセル値を累積加算することにより累積SUV値を算出し、更に、前記関心領域の各々における累積SUV値を加算処理して得られた総SUV値で上述の累積SUV値を除することにより前記関心領域の各々における累積SUV比率を算出する(図9のステップS5)。
【0060】
そして、表示データ生成部9のSUVグラフ作成部91は、累積加算処理部7によって算出された累積SUV比率を用いて所定形式のSUVグラフを生成する(図9のステップS6)。
【0061】
一方、画像データ生成部8のMIP画像データ生成部81は、SUVデータ生成部5のデータ記憶部から読み出したボリュームデータを被検体150の正面方向及び側面方向に垂直な投影面に最大値投影することによって各々の方向における広範囲なMIP画像データを生成する(図9のステップS7)。
【0062】
次に、表示データ生成部9のデータ合成部93は、MIP画像データ生成部81から供給された広範囲なMIP画像データに関心領域設定部6から供給された関心領域の境界情報を重畳し、更に、SUVグラフ作成部91が作成した被検体150のSUVグラフ及び参照SUVグラフ保管部92から読み出した参照SUVグラフを付加して第1の表示データを生成する。そして、得られた第1の表示データを表示部10のモニタに表示する(図9のステップS8)。
【0063】
一方、表示部10に表示された第1の表示データを観察した医用画像診断装置100の操作者は、この第1の表示データのSUVグラフにおいて、例えば、最も広い面積を有するグラフ領域(即ち、最も大きな累積SUV比率を有するグラフ領域)を入力部13の入力デバイスを用いて選択することにより、当該グラフ領域に対応したMIP画像データ上の関心領域を選択する(図9のステップS9)。
【0064】
この選択情報を受信した画像データ生成部8のMIP画像データ生成部81は、SUVデータ生成部5のデータ記憶部から読み出した前記関心領域におけるSUVデータを、例えば、被検体150の正面方向に垂直な投影面に最大値投影することによって狭範囲な拡大MIP画像データを生成し、MPR画像データ生成部82は、選択された前記関心領域の中心位置において互いに直交するコロナル断面、サジタル断面及びアキシャル断面を前記関心領域のSUVデータに設定することにより各々の断面におけるMPR画像データを生成する。
【0065】
そして、表示データ生成部9のデータ合成部93は、MIP画像データ生成部81から新たに供給された狭範囲な拡大MIP画像データに上述の広範囲なMIP画像データやSUVグラフ、更には、MPR画像データ生成部82から新たに供給された上述のMPR画像データを付加して第2の表示データを生成し、表示部10のモニタに表示する(図9のステップS10)。
【0066】
(第2の実施形態)
次に、本開示の第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態における画像情報表示装置は、別途設置されたPET装置等の医用画像診断装置において予め収集され、ネットワーク等を介して供給されたボリュームデータを処理して3次元のSUVデータを生成し、このSUVデータのボクセル値(SUV値)と所定の閾値αとを比較することによって疾患領域あるいは疾患が疑われる領域を示す1つあるいは複数の関心領域を設定する。次いで、これらの関心領域に囲まれたSUVデータの累積SUV比率に基づいて所定形式のSUVグラフを作成し、上述のSUVデータを所定方向に投影して得られた当該被検体の広範囲なMIP画像データと共に表示する。
【0067】
更に、表示部に表示された上述のSUVグラフを構成するグラフ領域が選択された場合、このグラフ領域に対応した関心領域を中心とする狭範囲な領域の拡大MIP画像データ及びMPR画像データを生成し前記SUVグラフや広範囲なMIP画像データと共に表示部に表示する。
【0068】
尚、本実施形態における画像情報表示装置の全体構成を示す図10のブロック図において、図1に示した医用画像診断装置100のユニットと同一の構成及び機能を有するユニットは同一の符号を付加し詳細な説明は省略する。
【0069】
即ち、図10に示す本実施形態の画像情報表示装置200は、PET装置やSPECT装置等の医用画像診断装置によって予め収集された3次元の画像情報(ボリュームデータ)を保管するボリュームデータ保管部20と、ボリュームデータ保管部20から読み出したボリュームデータのボクセル値に対し所定の演算処理を行なうことによって3次元のSUVデータを生成するSUVデータ生成部5と、所定の閾値αより大きなボクセル値(SUV値)を示すSUVデータのボクセルを連結処理することによって3次元の関心領域を設定する関心領域設定部6と、この関心領域に囲まれたSUVデータのボクセル値を累積加算することにより累積SUV比率を算出する累積加算処理部7と、上述のSUVデータ生成部5から供給された3次元のSUVデータに基づいて広範囲なMIP画像データ及び狭範囲な拡大MIP画像データや各種のMPR画像データを生成する画像データ生成部8と、前記累積SUV比率に基づいて作成した所定形式のSUVグラフや画像データ生成部8において生成されたMIP画像データ及びMPR画像データ等に基づいて表示データを生成する表示データ生成部9と、表示データ生成部9において生成された表示データを表示する表示部10を備え、更に、画像データ生成条件や表示データ生成条件の設定等を行なう入力部13aと、上述の各ユニットを統括的に制御するシステム制御部14aを備えている。
【0070】
特に、図10の入力部13aは、キーボード、選択スイッチ、マウス等の入力デバイスや表示パネルを備え、表示部10と組み合わせて用いることによりインタラクティブなインターフェースを形成している。そして、被検体情報の入力、投与薬剤情報の入力、MIP画像データ生成条件、MPR画像データ生成条件及び表示データ生成条件の設定、表示データ表示条件の設定、SUVグラフを用いた関心領域の選択、閾値αの設定、グラフ形式の選択、各種指示信号の入力等が上述の表示パネルや入力デバイスを用いて行なわれる。
【0071】
一方、システム制御部14aは、図示しないCPUと記憶回路を備え、入力部13aから供給される上述の入力情報、選択情報及び設定情報は、記憶回路に保存される。そして、CPUは、記憶回路から読み出したこれらの情報に基づいて画像情報表示装置200に備えられた各ユニットを統括的に制御し、SUVデータ、MIP画像データ及びMPR画像データの生成、SUVデータに基づくSUVグラフの作成、MIP画像データ、MPR画像データ及びSUVグラフに基づく表示データの生成等を実行させる。
【0072】
尚、本実施形態における表示データの生成/表示手順は、図9に示した第1の実施形態における表示データの生成/表示手順と同様であるため説明は省略する。
【0073】
以上述べた第1の実施形態及び第2の実施形態によれば、被検体から収集された画像情報のSUV値をグラフ表示することにより疾患領域の有無やその状態を効率よく観察することができる。このため、当該被検体に対する診断精度と診断効率は大幅に向上し操作者の負担は軽減される。
【0074】
特に、被検体に対するPET撮影によって得られたSUVデータのSUV値と所定の閾値とを比較することにより疾患領域あるいは疾患が疑われる領域を関心領域として自動的に設定することができる。又、この関心領域に囲まれたSUVデータのボクセル値(SUV値)を累積加算することにより各々の関心領域における累積SUV比率を算出し、この累積SUV比率に基づいてSUVグラフを作成することにより疾患領域等の状態を正確に把握することができる。
【0075】
又、当該被検体のボリュームデータに基づいて作成された上述のSUVグラフと予め収集あるいは作成された参照SUVグラフとを比較することにより、注意すべき疾患領域の判定や治療前及び治療後の状態比較を容易に行なうことができる。
【0076】
更に、疾患領域あるいは疾患が疑われる領域を有する関心領域に対応したSUVグラフのグラフ領域を選択することにより、前記関心領域を中心とした狭範囲な拡大MIP画像データを短時間かつ容易に得ることができる。このため、特に小さな疾患領域や重なり合った疾患領域に対する見落としを防止することができる。特に、選択されていない関心領域のSUVデータを削除し、選択された前記関心領域のSUVデータのみを用いて拡大MIP画像データを生成することにより、他の関心領域の影響を受けない良好な拡大MIP画像データを得ることが可能となる。
【0077】
又、第1の表示データにおいて広範囲なMIP画像データに示された関心領域とSUVグラフに示された前記関心領域に対応するグラフ領域を同一の色調や輝度等を用いて表示することにより、前記関心領域とSUVグラフとの対応付けを容易に行なうことができる。
【0078】
一方、上述の第2の実施形態によれば、別途設置された医用画像診断装置からネットワーク等を介して予め供給された被検体のボリュームデータに基づいてMIP画像データやMPR画像データの生成、SUVグラフの生成、これらのデータに基づく表示データの生成等を行なうことができるため、画像情報表示装置の操作者は、時間や場所の制約をあまり受けることなく当該被検体の診断に有効な画像情報を容易に得ることができる。
【0079】
以上、本開示の第1の実施形態及び第2の実施形態について述べてきたが、本開示は、上述の実施形態に限定されるものではなく、変形して実施することが可能である。例えば、上述の第1の実施形態では、PET撮影によってボリュームデータを収集する画像情報収集部を備えた医用画像診断装置100について述べたが、SPECT撮影によってボリュームデータの収集を可能とする画像情報収集部を備えた医用画像診断装置であってもよく、又、PET撮影あるいはSPECT撮影が可能な上述の画像情報収集部とMRI撮影あるいはX線CT撮影が可能な画像情報収集部とを備えた医用画像診断装置であっても構わない。
【0080】
又、上述の第1の実施形態及び第2の実施形態におけるSUVグラフ作成部91は、累積SUV比率に基づいた円グラフをSUVグラフとして生成する場合について述べたが、棒グラフ等の他の形式によるSUVグラフを生成してもよい。
【0081】
更に、狭範囲な拡大MIP画像データを各種MPR画像データや広範囲なMIP画像データ、更には、SUVグラフ等と共に表示する場合について述べたが、これに限定されるものではなく、例えば、選択された関心領域における拡大MIP画像データとMPR画像データを比較表示してもよく、拡大MIP画像データのみを独立させて表示してもよい。又、拡大MIP画像データあるいはMPR画像データの替わりに3次元のSUVデータをレンダリング処理して得られる3次元画像データを表示しても構わない。
【0082】
又、上述の第1の実施形態及び第2の実施形態では、被検体150の正面方向あるいは側面方向に対して垂直な投影面へSUVデータを投影することにより広範囲なMIP画像データや狭範囲な拡大MIP画像データを生成する場合について述べたが、SUVデータの投影方向は任意に設定してもよい。
【0083】
更に、画像情報収集部3において生成されたボリュームデータを処理して得られる3次元のSUVデータに基づいてSUVグラフの作成やMIP画像データ及びMPR画像データの生成を行なう場合について述べたが、上述のボリュームデータを直接用いてSUVグラフの作成やMIP画像データ及びMPR画像データの生成を行なっても構わない。
【0084】
尚、本実施形態に係る医用画像診断装置100あるいは画像情報表示装置200に含まれる各ユニットは、例えば、CPU、RAM、磁気記憶装置、入力装置、表示装置等で構成されるコンピュータをハードウェアとして用いることでも実現することができる。例えば、医用画像診断装置100を制御するシステム制御部14あるいは画像情報表示装置200を制御するシステム制御部14aは、上記のコンピュータに搭載されたCPU等のプロセッサに所定の制御プログラムを実行させることにより各種機能を実現することができる。この場合、上述の制御プログラムをコンピュータに予めインストールしてもよく、又、コンピュータ読み取りが可能な記憶媒体への保存あるいはネットワークを介して配布された制御プログラムのコンピュータへのインストールであっても構わない。
【0085】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0086】
3…画像情報収集部
31…検出器モジュール
32…検出データ処理部
33…ボリュームデータ生成部
4…ボリュームデータ記憶部
5…SUVデータ生成部
6…関心領域設定部
7…累積加算処理部
8…画像データ生成部
81…MIP画像データ生成部
82…MPR画像データ生成部
9…表示データ生成部
91…SUVグラフ作成部
92…参照SUVグラフ保管部
93…データ合成部
10…表示部
11…天板
12…移動機構部
13、13a…入力部
14、14a…システム制御部
20…ボリュームデータ保管部
100…医用画像診断装置
200…画像情報表示装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に対するPET撮影あるいはSPECT撮影によってボリュームデータを収集し、このボリュームデータに基づいて画像データを生成する医用画像診断装置において、
前記ボリュームデータに基づいて生成されたSUV(standardized uptake value)データを用いて関心領域を設定する関心領域設定手段と、
前記関心領域に囲まれた前記SUVデータのSUV値に基づいてSUVグラフを作成するSUVグラフ作成手段と、
前記SUVグラフを用いて生成された表示データを表示する表示手段とを
備えたことを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項2】
前記被検体に投与された放射性同位元素の投与量等に基づいて前記ボリュームデータのボクセル値を前記SUV値へ変換処理することにより前記SUVデータを生成するSUVデータ生成手段を備え、前記関心領域設定手段は、前記SUV値と所定の閾値とを比較することにより前記被検体の疾患領域あるいは疾患が疑われる領域を示す前記関心領域を設定することを特徴とする請求項1記載の医用画像診断装置。
【請求項3】
前記SUVグラフ作成手段は、前記関心領域に囲まれた前記SUVデータのSUV値を累積加算することによって得られた関心領域毎の累積SUV比率に基づいて前記SUVグラフを作成することを特徴とする請求項1記載の医用画像診断装置。
【請求項4】
累積加算処理手段を備え、前記累積加算処理手段は、前記SUVデータに対し前記関心領域設定手段が設定した1つあるいは複数からなる関心領域の各々に含まれているSUVデータのSUV値を累積加算することにより累積SUV値を算出し、前記関心領域の各々における前記累積SUV値を加算処理して得られた総SUV値で前記累積SUV値を除することにより前記累積SUV比率を算出することを特徴とする請求項3記載の医用画像診断装置。
【請求項5】
前記SUVデータに基づいて画像データを生成する画像データ生成手段を備え、前記表示手段は、少なくとも前記画像データ生成手段によって生成され前記関心領域の領域情報が付加された前記被検体の広範囲なMIP画像データと前記SUVグラフとが示された第1の表示データを表示することを特徴とする請求項1記載の医用画像診断装置。
【請求項6】
データ合成手段を備え、前記データ合成手段は、前記広範囲なMIP画像データと前記SUVグラフとを合成することにより前記第1の表示データを生成することを特徴とする請求項5記載の医用画像診断装置。
【請求項7】
各種のSUVグラフを参照SUVグラフとして保管する参照SUVグラフ保管手段を備え、前記データ合成手段は、前記MIP画像データ及び前記SUVグラフに前記参照SUVデータを付加することにより前記第1の表示データを生成することを特徴とする請求項6記載の医用画像診断装置。
【請求項8】
前記表示手段は、前記広範囲なMIP画像データに示された前記関心領域とこの関心領域に対応した前記SUVグラフのグラフ領域を、共通の色調あるいは輝度によって表示することを特徴とする請求項5記載の医用画像診断装置。
【請求項9】
前記表示手段によって表示された前記第1の表示データのSUVグラフに基づいて前記広範囲なMIP画像データに示されている複数の関心領域の中から所望の関心領域を選択する関心領域選択手段を備え、前記表示手段は、少なくとも、選択された前記関心領域を中心として前記画像データ生成手段が生成した狭範囲な拡大MIP画像データを有する第2の表示データを表示することを特徴とする請求項5記載の医用画像診断装置。
【請求項10】
データ合成手段を備え、前記データ合成手段は、前記拡大MIP画像データあるいはこの拡大MIP画像データと前記広範囲なMIP画像データ、前記SUVグラフ及び前記SUVデータに基づいて前記画像データ生成手段が生成した前記関心領域におけるMPR(multi planar reconstruction)画像データの少なくとも何れかを合成することにより前記第2の表示データを生成することを特徴とする請求項9記載の医用画像診断装置。
【請求項11】
前記表示手段は、前記関心領域選択手段によって選択された前記関心領域とこの関心領域に対応するSUVグラフのグラフ領域をハイライト表示することを特徴とする請求項10記載の医用画像診断装置。
【請求項12】
被検体に対するPET撮影あるいはSPECT撮影によって予め収集されたボリュームデータに基づいて画像データの生成と表示を行なう画像情報表示装置において、
前記被検体に投与された放射性同位元素の投与量等に基づいて前記ボリュームデータのボクセル値をSUV値へ変換処理することにより3次元のSUVデータを生成するSUVデータ生成手段と、
前記SUVデータに基づいて前記被検体の疾患領域あるいは疾患が疑われる領域を示す関心領域を設定する関心領域設定手段と、
前記関心領域に囲まれた前記SUVデータのSUV値を累積加算することにより累積SUV比率を算出する累積加算処理手段と、
関心領域単位で得られた前記累積SUV比率に基づいてSUVグラフを作成するSUVグラフ作成手段と、
前記SUVグラフを用いて生成された表示データを表示する表示手段とを
備えたことを特徴とする画像情報表示装置。
【請求項13】
被検体に対するPET撮影あるいはSPECT撮影によって収集されたボリュームデータに基づいて画像データの生成と表示を行なう医用画像診断装置あるいは画像情報表示装置に対し、
前記被検体に投与された放射性同位元素の投与量等に基づいて前記ボリュームデータのボクセル値をSUV値へ変換処理することにより3次元のSUVデータを生成するSUVデータ生成機能と、
前記SUVデータに基づいて前記被検体の疾患領域あるいは疾患が疑われる領域を示す関心領域を設定する関心領域設定機能と、
前記関心領域に囲まれた前記SUVデータのSUV値を累積加算することにより累積SUV比率を算出する累積加算処理機能と、
関心領域単位で得られた前記累積SUV比率に基づいてSUVグラフを作成するSUVグラフ作成機能と、
前記SUVグラフを用いて生成された表示データを表示する表示機能を
実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項1】
被検体に対するPET撮影あるいはSPECT撮影によってボリュームデータを収集し、このボリュームデータに基づいて画像データを生成する医用画像診断装置において、
前記ボリュームデータに基づいて生成されたSUV(standardized uptake value)データを用いて関心領域を設定する関心領域設定手段と、
前記関心領域に囲まれた前記SUVデータのSUV値に基づいてSUVグラフを作成するSUVグラフ作成手段と、
前記SUVグラフを用いて生成された表示データを表示する表示手段とを
備えたことを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項2】
前記被検体に投与された放射性同位元素の投与量等に基づいて前記ボリュームデータのボクセル値を前記SUV値へ変換処理することにより前記SUVデータを生成するSUVデータ生成手段を備え、前記関心領域設定手段は、前記SUV値と所定の閾値とを比較することにより前記被検体の疾患領域あるいは疾患が疑われる領域を示す前記関心領域を設定することを特徴とする請求項1記載の医用画像診断装置。
【請求項3】
前記SUVグラフ作成手段は、前記関心領域に囲まれた前記SUVデータのSUV値を累積加算することによって得られた関心領域毎の累積SUV比率に基づいて前記SUVグラフを作成することを特徴とする請求項1記載の医用画像診断装置。
【請求項4】
累積加算処理手段を備え、前記累積加算処理手段は、前記SUVデータに対し前記関心領域設定手段が設定した1つあるいは複数からなる関心領域の各々に含まれているSUVデータのSUV値を累積加算することにより累積SUV値を算出し、前記関心領域の各々における前記累積SUV値を加算処理して得られた総SUV値で前記累積SUV値を除することにより前記累積SUV比率を算出することを特徴とする請求項3記載の医用画像診断装置。
【請求項5】
前記SUVデータに基づいて画像データを生成する画像データ生成手段を備え、前記表示手段は、少なくとも前記画像データ生成手段によって生成され前記関心領域の領域情報が付加された前記被検体の広範囲なMIP画像データと前記SUVグラフとが示された第1の表示データを表示することを特徴とする請求項1記載の医用画像診断装置。
【請求項6】
データ合成手段を備え、前記データ合成手段は、前記広範囲なMIP画像データと前記SUVグラフとを合成することにより前記第1の表示データを生成することを特徴とする請求項5記載の医用画像診断装置。
【請求項7】
各種のSUVグラフを参照SUVグラフとして保管する参照SUVグラフ保管手段を備え、前記データ合成手段は、前記MIP画像データ及び前記SUVグラフに前記参照SUVデータを付加することにより前記第1の表示データを生成することを特徴とする請求項6記載の医用画像診断装置。
【請求項8】
前記表示手段は、前記広範囲なMIP画像データに示された前記関心領域とこの関心領域に対応した前記SUVグラフのグラフ領域を、共通の色調あるいは輝度によって表示することを特徴とする請求項5記載の医用画像診断装置。
【請求項9】
前記表示手段によって表示された前記第1の表示データのSUVグラフに基づいて前記広範囲なMIP画像データに示されている複数の関心領域の中から所望の関心領域を選択する関心領域選択手段を備え、前記表示手段は、少なくとも、選択された前記関心領域を中心として前記画像データ生成手段が生成した狭範囲な拡大MIP画像データを有する第2の表示データを表示することを特徴とする請求項5記載の医用画像診断装置。
【請求項10】
データ合成手段を備え、前記データ合成手段は、前記拡大MIP画像データあるいはこの拡大MIP画像データと前記広範囲なMIP画像データ、前記SUVグラフ及び前記SUVデータに基づいて前記画像データ生成手段が生成した前記関心領域におけるMPR(multi planar reconstruction)画像データの少なくとも何れかを合成することにより前記第2の表示データを生成することを特徴とする請求項9記載の医用画像診断装置。
【請求項11】
前記表示手段は、前記関心領域選択手段によって選択された前記関心領域とこの関心領域に対応するSUVグラフのグラフ領域をハイライト表示することを特徴とする請求項10記載の医用画像診断装置。
【請求項12】
被検体に対するPET撮影あるいはSPECT撮影によって予め収集されたボリュームデータに基づいて画像データの生成と表示を行なう画像情報表示装置において、
前記被検体に投与された放射性同位元素の投与量等に基づいて前記ボリュームデータのボクセル値をSUV値へ変換処理することにより3次元のSUVデータを生成するSUVデータ生成手段と、
前記SUVデータに基づいて前記被検体の疾患領域あるいは疾患が疑われる領域を示す関心領域を設定する関心領域設定手段と、
前記関心領域に囲まれた前記SUVデータのSUV値を累積加算することにより累積SUV比率を算出する累積加算処理手段と、
関心領域単位で得られた前記累積SUV比率に基づいてSUVグラフを作成するSUVグラフ作成手段と、
前記SUVグラフを用いて生成された表示データを表示する表示手段とを
備えたことを特徴とする画像情報表示装置。
【請求項13】
被検体に対するPET撮影あるいはSPECT撮影によって収集されたボリュームデータに基づいて画像データの生成と表示を行なう医用画像診断装置あるいは画像情報表示装置に対し、
前記被検体に投与された放射性同位元素の投与量等に基づいて前記ボリュームデータのボクセル値をSUV値へ変換処理することにより3次元のSUVデータを生成するSUVデータ生成機能と、
前記SUVデータに基づいて前記被検体の疾患領域あるいは疾患が疑われる領域を示す関心領域を設定する関心領域設定機能と、
前記関心領域に囲まれた前記SUVデータのSUV値を累積加算することにより累積SUV比率を算出する累積加算処理機能と、
関心領域単位で得られた前記累積SUV比率に基づいてSUVグラフを作成するSUVグラフ作成機能と、
前記SUVグラフを用いて生成された表示データを表示する表示機能を
実行させることを特徴とする制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−44615(P2013−44615A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182031(P2011−182031)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】
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