説明

医用診断システム、医用画像診断装置及び制御プログラム

【課題】如何なるレポートビューワーに対しても対応可能なSR形式電子データの作成。
【解決手段】医用画像診断装置100は、被検体の医療情報に基づいて第1のSR形式電子データを作成する電子データ作成部13と、前記第1のSR形式電子データがネットワーク40を介して接続されたレポートビューワー30における検査レポートの作成に対応していない場合、レポートビューワー30から供給される標準SR形式電子データに基づいて前記第1のSR形式電子データを編集することにより前記検査レポートの作成に対応した第2のSR形式電子データを作成する電子データ編集部14と、レポートビューワー30に対する前記第1のSR形式電子データ及び前記第2のSR形式電子データの送信とレポートビューワー30から供給される前記標準SR形式電子データの受信を行なう送受信部16を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、被検体から得られた各種の医療情報をDICOM規格SR形式の電子データとしてネットワークを介して接続されたPACSサーバやレポートビューワーへ供給することが可能な医用診断システム、医用画像診断装置及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置、MRI装置、X線CT装置等を用いた医用画像診断は、コンピュータ技術の発展に伴って急速な進歩を遂げ、今日の医療において必要不可欠なものとなっている。
【0003】
一方、上述の医用画像診断装置を構成要素とする医用診断システムは、医用画像診断装置において収集された画像データやこの画像データを用いて得られた各種診断パラメータの計測/計算結果等の医療情報、更には、これらの医療情報に基づいて作成された検査レポートをネットワーク内で共有するシステムであり、通常、上述の医用画像診断装置と、この医用画像診断装置から供給される各種医療情報に基づいて検査レポートの作成と表示を行なう端末装置(以下では、レポートビューワーと呼ぶ。)と、得られた医療情報や検査レポートを保存するPACS(Picture Archiving Communication Systems)サーバをネットワークで接続することにより構成されている。そして、レポートビューワーやPACSサーバへ上述の医療情報を供給する場合、これらの医療情報に基づいて作成されたDICOM規格SR形式の電子データ(以下では、SR形式電子データと呼ぶ。)を上述の各ユニットへ供給し、レポートビューワーは、供給されたSR形式電子データに基づいて検査レポートの作成を行なう。
【0004】
このような医用診断システムを構築することにより、被検体の医療診断を担当する医師らは、医用画像診断装置が設置された検査室からネットワークを介して供給される上述のSR形式電子データに基づいてレポートビューワーが自動作成した検査レポートを観察することにより当該医療診断を効率よく行なうことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−237723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のような医用画像診断装置から供給されるSR形式電子データを用いることにより検査レポートを容易に作成することができる。しかしながら、従来の医用診断システムでは、例えば、当該検査における検査領域や検査モダリティが同一であっても医用画像診断装置のベンダー(製造メーカ)とレポートビューワーのベンダーが異なる場合、レポートビューワーでは、予め設定された自己の固有フォーマット情報に基づいて医用画像診断装置が作成したSR形式電子データを用いて所望の検査レポートを作成することは困難であるという問題点を有していた。
【0007】
本開示は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、被検体から収集した画像データ等の医療情報に基づいて作成したレポートビューワーに対応するDICOM−SR形式の電子データ(SR形式電子データ)を前記レポートビューワーへ供給することにより、如何なるレポートビューワーに対しても当該医療情報に基づいた検査レポートの作成と表示を可能とする医用診断システム、医用画像診断装置及び制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本開示の実施形態における医用画像診断装置は、被検体の画像データとこの画像データに基づいた診断パラメータの計測結果を医療情報として収集する医用画像診断装置であって、前記医療情報に基づいて第1のSR形式電子データを作成する電子データ作成手段と、前記第1のSR形式電子データがネットワークを介して接続されたレポートビューワーにおける検査レポートの作成に対応していない場合、前記レポートビューワーから供給される標準SR形式電子データに基づいて前記第1のSR形式電子データを編集することにより前記検査レポートの作成に対応した第2のSR形式電子データを作成する電子データ編集手段と、前記レポートビューワーに対する前記第1のSR形式電子データ及び前記第2のSR形式電子データの送信と前記レポートビューワーから供給される前記標準SR形式電子データの受信を行なう送受信手段とを備えたことを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態における医用診断システムの全体構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態の医用診断システムが備える画像データ収集部の具体的な構成を示すブロック図。
【図3】本実施形態の画像データ収集部において得られる画像データとこの画像データに対して設定される計測基準点の具体例を示す図。
【図4】本実施形態の電子データ作成部によって作成される医用画像診断装置に対応した第1のSR形式電子データと電子データ編集部によって作成されるレポートビューワーに対応した第2のSR形式電子データの具体例を示す図。
【図5】本実施形態の第2のSR形式電子データに基づいて検査レポート作成部が作成した検査レポートの具体例を示す図。
【図6】本実施形態における検査レポートの作成/表示手順を示すフローチャート。
【図7】本実施形態の変形例における医用診断システムの全体構成を示すブロック図。
【図8】本実施形態の変形例における検査レポートの作成/表示手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0011】
(実施形態)
以下に述べる本実施形態の医用診断システムが備える医用画像診断装置は、被検体から得られた画像データや各種診断パラメータの計測/計算結果等を医用画像診断装置に対応した固有フォーマット情報に基づいてレイアウトすることにより第1のSR形式電子データを生成し、ネットワークを介して接続されたレポートビューワーへ供給する。そして、この第1のSR形式電子データがレポートビューワーに対応していない場合(即ち、レポートビューワーにおける検査レポートの作成に対応していない場合)、レポートビューワーから供給される標準SR形式電子データ(標準フォーマット情報)に基づいて前記第1のSR形式電子データを編集することによりレポートビューワーに対応した第2のSR形式電子データを作成し、レポートビューワーへ再度供給する。一方、レポートビューワーは、医用画像診断装置から供給された第2のSR形式電子データに基づいて所望の検査レポートを作成し自己の表示部に表示する。
【0012】
尚、以下の実施形態では、被検体に対する超音波送受信によって得られた受信信号に基づいてBモード画像データを生成する医用画像診断装置について述べるが、カラードプラ画像データ等の他の超音波画像データの生成が可能な医用画像診断装置であってもよく、又、X線画像データ、X線CT画像データ、MRI画像データ等の生成が可能な医用画像診断装置であっても構わない。
【0013】
又、当該被検体の心臓領域から収集した上述の画像データに基づいて左心室後壁厚、左心室内径、心室中隔厚及び右心室内径を計測する場合について述べるが、計測する診断パラメータはこれらに限定されない。
【0014】
(装置の構成)
本実施形態における医用診断システムの構成につき図1乃至図5を用いて説明する。但し、図1は、医用診断システムの全体構成を示すブロック図であり、図2は、前記医用診断システムの医用画像診断装置に備えられた画像データ収集部の具体的な構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示す医用診断システム100は、例えば、被検体に対する超音波送受信によって得られる受信信号に基づいて生成した画像データ及びこの画像データを用いて得られた各種診断パラメータの計測/計算結果に基づいてDICOM規格SR形式の電子データ(SR形式電子データ)を作成し、ネットワーク40を介して接続されたPACSサーバ20あるいはレポートビューワー30へ供給する医用画像診断装置10と、医用画像診断装置10から供給されるSR形式電子データやレポートビューワー30から供給される検査レポートを保存するPACSサーバ20と、医用画像診断装置10から直接供給されるSR形式電子データあるいはPACSサーバ20を介して供給されるSR形式電子データに基づいて検査レポートの作成と表示を行なうレポートビューワー30を有している。
【0016】
そして、上述の医用診断システム100を構成する医用画像診断装置10は、当該被検体の画像データ(Bモード画像データ)を収集する画像データ収集部11と、得られた画像データを用いて各種診断パラメータの計測や計算を行なう画像データ計測部12と、医用画像診断装置10に対して予め設定された固有フォーマット情報と上述の画像データ及び診断パラメータの計測/計算結果等とに基づいて医用画像診断装置10に対応したSR形式電子データ(第1のSR形式電子データ)を作成する電子データ作成部13と、レポートビューワー30から供給される標準SR形式電子データに基づいて第1のSR形式電子データを編集することによりレポートビューワー30に対応した第2のSR形式電子データを生成する電子データ編集部14と、画像データ収集部11において生成された画像データや画像データ計測部12において得られた各種診断パラメータの計測/計算結果を所定のフォーマットで表示する表示部15と、PACSサーバ20及びレポートビューワー30に対する第1のSR形式電子データ及び第2のSR形式電子データの送信とレポートビューワー30から供給される標準SR形式電子データの受信を行なう送受信部16と、被検体情報及び検査情報の入力、画像データ生成条件の設定、画像データ計測条件の設定等を行なう入力部17と、医用画像診断装置10が備える上述の各ユニットを統括的に制御するシステム制御部18を備えている。
【0017】
以下に、本実施形態の医用画像診断装置10が備える各ユニットの具体的な構成と機能につき更に詳しく説明する。
【0018】
医用画像診断装置10の画像データ収集部11は、図2に示すように被検体の診断対象部位を含む撮影領域に対して超音波パルス(送信超音波)を放射し前記診断対象部位から得られた超音波反射波(受信超音波)を電気信号(受信信号)に変換する複数個の振動素子を有した超音波プローブ2と、前記撮像領域に対し送信超音波を放射するための駆動パルスを超音波プローブ2の振動素子へ供給しこれらの振動素子から得られた複数チャンネルの受信信号を整相加算する超音波送受信部3と、整相加算後の受信信号を処理してBモードデータを生成する受信信号処理部4と、当該撮影領域に対する超音波送受信によって得られたBモードデータに基づいて画像データ(Bモード画像データ)を生成する画像データ生成部5と、被検体に対する超音波送受信方向を制御する走査制御部6を備えている。
【0019】
超音波プローブ2は、図示しないN個の振動素子をその先端部に有し、これら振動素子の各々は、Nチャンネルの多芯ケーブルを介して超音波送受信部3の入出力端子に接続されている。振動素子は電気音響変換素子であり、送信時には電気パルス(駆動パルス)を超音波パルス(送信超音波)に変換し、受信時には超音波反射波(受信超音波)を電気的な受信信号に変換する機能を有している。
【0020】
尚、以下では、説明を簡単にするために、超音波プローブ2に設けられたN個の振動素子を送信用振動素子及び受信用振動素子として用いる場合について述べる。即ち、N個からなる送信用振動素子の各々が、超音波送受信部3から供給されるNチャンネルの駆動パルスにより駆動されて被検体内に送信超音波を放射し、この送信超音波によって被検体内から得られる受信超音波は、N個からなる受信用振動素子によってNチャンネルの受信信号に変換される。
【0021】
次に、超音波送受信部3は、当該被検体の撮影領域に対して送信超音波を放射するためのNチャンネルからなる駆動パルスを超音波プローブ2の送信用振動素子に供給する送信部31と、超音波プローブ2の受信用振動素子から得られたNチャンネルの受信信号を整相加算(所定方向からの受信超音波に基づく受信信号の位相を合わせて加算合成)する受信部32を備えている。
【0022】
送信部31は、送信遅延設定部311、駆動制御信号生成部312及び駆動パルス発生部313を備え、送信遅延設定部311は、走査制御部6から供給される走査制御信号に従い、送信超音波を所定の方向へ偏向するための偏向用遅延時間と所定の距離に集束させるための集束用遅延時間とに基づいた送信遅延時間を設定する。この場合の送信遅延時間は、送信振動素子数N、振動素子の配列間隔、送信方向及び送信焦点距離等によって一義的に決定され、例えば、図示しない演算回路を用いて算出してもよいが、ルックアップテーブルとして予め保管された各種遅延時間データの中から選択して用いてもよい。
【0023】
次に、駆動制御信号生成部312は、送信遅延設定部311から供給される送信遅延時間の情報に基づいてNチャンネルからなる駆動制御信号を生成し駆動パルス発生部313へ供給する。一方、駆動パルス発生部313は、超音波プローブ2に内蔵されたN個の送信用振動素子を駆動する機能を有し、例えば、上述の集束用遅延時間と偏向用遅延時間を有する駆動制御信号に基づいてBモードに対応した駆動パルスを生成する。
【0024】
次に、超音波送受信部3の受信部32は、超音波プローブ2に設けられた受信用振動素子の各々に対応するNチャンネルのプリアンプ321及びA/D変換器322と、整相加算部323を備えている。プリアンプ321は、超音波プローブ2の受信用振動素子から供給される受信信号を増幅して十分なS/Nを確保するためのものであり、その初段部には、送信部31の駆動パルス発生部313が発生する大振幅の駆動パルスからプリアンプ321を保護するためのリミッタ回路が設けられている。そして、受信用振動素子によって得られたNチャンネルの受信信号は、プリアンプ321において所定の大きさに増幅され、A/D変換器322にてデジタル信号に変換された後整相加算部323へ供給される。
【0025】
整相加算部323は、図示しない受信遅延設定部と加算部を有している。そして、受信遅延設定部は、走査制御部6から供給される走査制御信号に従い、A/D変換器322においてデジタル信号に変換されたNチャンネルの受信信号に対し所定方向に強い受信指向性を設定するための偏向用遅延時間と所定の深さからの受信超音波を集束するための集束用遅延時間に基づいた受信遅延時間を設定する。そして、加算部は、上述の受信遅延時間が与えられたNチャンネルの受信信号を加算合成(整相加算)する。
【0026】
次に、受信信号処理部4は、受信部32の整相加算部323から出力される整相加算後の受信信号を信号処理してBモードデータを生成する機能を有し、整相加算部323から出力される受信信号に対して包絡線検波を行なう包絡線検波器41と、包絡線検波後の受信信号に対する対数変換処理により小さな受信信号が相対的に強調されたBモードデータを生成する対数変換器42を備えている。
【0027】
画像データ生成部5は、受信信号処理部4から出力される時系列的なBモードデータを超音波送受信方向に対応させて順次保存することにより画像データ(Bモード画像データ)を生成する。そして、得られた画像データは画像データ計測部12、電子データ作成部13及び表示部15へ供給される。一方、走査制御部6は、当該被検体の撮影領域に対して超音波送受信を行なうための遅延時間制御を送信部31の送信遅延設定部311及び受信部32の整相加算部323に対して行なう。
【0028】
図1へ戻って、医用画像診断装置10の画像データ計測部12は、画像データ収集部11において得られた画像データを用いて各種診断パラメータの計測あるいは計算を行なう。図3は、被検体の心臓領域に対する超音波送受信によって得られた画像データとこの画像データに対して設定された複数の計測基準点を示したものであり、例えば、表示部15に表示された画像データImに対して計測基準点P1乃至P5が入力部17の入力デバイスを用いて設定された場合、画像データ計測部12は、計測基準点P1と計測基準点P2との距離から左心室後壁厚(LVPWTd:Left Ventricle Posterior Wall Diastolic Thickness)を計測し、計測基準点P2と計測基準点P3との距離から左心室内径(LVIDd:Left Ventricle Internal End Diastolic Dimension)を計測する。同様にして、計測基準点P3と計測基準点P4との距離から心室中隔厚(IVSTd:Inter Ventricular Septum Diastolic Thickness)を計測し、計測基準点P4と計測基準点P5との距離から右心室内径(RVD:Right Ventricular Internal Diastolic Dimension)を計測する。そして、得られた診断パラメータの計測結果は、電子データ作成部13及び表示部15へ供給される。
【0029】
再び、図1へ戻って、医用画像診断装置10の電子データ作成部13は、図示しないフォーマット情報記憶部を備え、このフォーマット情報記憶部には、医用画像診断装置10に対して予め設定されたSR形式電子データの固有フォーマット情報が検査領域及び検査モダリティを付帯情報として保管されている。
【0030】
そして、電子データ作成部13は、先ず、画像データ収集部11から供給される当該被検体の画像データ、画像データ計測部12から供給される前記画像データに基づいた各種診断パラメータの計測/計算結果及び入力部17において初期設定されシステム制御部18を介して供給される被検体情報、検査情報、検査領域情報、検査モダリティ情報、画像データ生成条件及び画像データ計測条件等を受信する。次いで、上述の画像データ、診断パラメータの計測/計算結果、被検体情報、検査情報及び各種の設定情報を自己のフォーマット情報記憶部から読み出した当該超音波検査の検査領域(心臓領域)及び検査モダリティ(超音波診断)に対応する固有フォーマット情報に基づいてレイアウトすることにより医用画像診断装置10に対応した第1のSR形式電子データを作成する。そして、得られた第1のSR形式電子データを送受信部16へ供給する。
【0031】
一方、電子データ編集部14は、図示しない標準電子データ記憶部を備え、この標準電子データ記憶部には、レポートビューワー30から供給された標準SR形式電子データが保存される。例えば、電子データ作成部13によって作成された第1のSR形式電子データがレポートビューワー30における検査レポートの作成に対応していない場合(即ち、第1のSR形式電子データを用いた検査レポートの自動作成が不可能な場合)、レポートビューワー30からネットワーク40を介して供給されるレポートビューワー30に対応した標準SR形式電子データが上述の標準電子データ記憶部に保存される。
【0032】
このとき、電子データ編集部14は、自己の標準電子データ記憶部から読み出した標準SR形式電子データに基づき、電子データ作成部13から供給される第1のSR形式電子データに対し追加や削除等の編集を行なうことによりレポートビューワー30における検査レポートの自動作成に対応した第2のSR形式電子データを作成する。
【0033】
上述の電子データ作成部13によって作成された医用画像診断装置10に対応する第1のSR形式電子データと電子データ編集部14によって作成されたレポートビューワー30に対応する第2のSR形式電子データの具体例を図4に示す。図4(a)に示す第1のSR形式電子データでは、左心室後壁厚(Left Ventricle Posterior Wall Diastolic Thickness)や左心室内径(Left Ventricle Internal End Diastolic Dimension)等の計測結果に対し、フォーマット情報記憶部の固有フォーマット情報に基づいて各種設定情報の中から抽出した画像データ生成条件や画像データ計測条件等の一部(即ち、Image Mode、Cardiac Cycle Point、Measurement Method・・・)が付帯情報として付加されている。
【0034】
一方、図4(b)に示す第2のSR形式電子データでは、左心室後壁厚や左心室内径等の計測結果に対し、レポートビューワー30から供給された標準SR形式電子データに基づいて上述の各種設定情報の中から抽出した画像データ生成条件や画像データ計測条件等の一部(例えば、Derivation、Selection Status、Image Mode・・・)が付帯情報として付加されている。この場合、第1のSR形式電子データにおいて破線アンダーラインで示された付帯情報の削除や新たな付帯情報の追加、あるいは、付帯情報の並べ替え等を標準SR形式電子データに基づいて行なうことにより第2のSR形式電子データが作成される。
【0035】
次に、図1の表示部15は、図示しない表示データ生成部、変換処理部及びモニタを備え、表示データ生成部は、画像データ収集部11において生成された画像データ及び画像データ計測部12において得られた各種診断パラメータの計測結果等を所定の表示フォーマットに基づいて合成あるいは配置することにより表示データを生成する。一方、変換処理部は、表示データ生成部が生成した表示データに対しD/A変換やテレビフォーマット変換等の変換処理を行ない上述のモニタに表示する。又、電子データ生成部13が生成した第1のSR形式電子データや電子データ編集部14が生成した第2のSR形式電子データに対して同様の処理を行ない前記モニタに表示することも可能である。
【0036】
一方、送受信部16は、ネットワーク40を介してPACSサーバ20あるいはレポートビューワー30との接続を行なうネットワークインターフェースであり、PACSサーバ20及びレポートビューワー30に対する第1のSR形式電子データ及び第2のSR形式電子データの送信とレポートビューワー30から供給される標準SR形式電子データの受信を行なう。
【0037】
次に、入力部17は、操作パネル上にキーボード、トラックボール、マウス、選択ボタン、入力ボタン等の入力デバイスや表示パネルを備え、検査領域及び検査モダリティの選択、被検体情報及び検査情報の入力、画像データ生成条件及び画像データ計測条件の設定、データ表示条件の設定、各種指示信号の入力等を行なう。尚、上述の被検体情報として、被検体ID、被検体名、生年月日、年齢、性別等があり、検査情報として、検査依頼科、依頼医師名、検査日、予約時間等がある。又、検査領域及び検査モダリティの選択により、例えば、「心臓領域」に対する「超音波診断」が選択される。
【0038】
システム制御部18は、図示しないCPUと記憶部を備え、記憶部には、入力部17において入力/選択/設定された上述の各種情報が保存される。そして、CPUは、記憶部に保存された各種情報に基づいて医用画像診断装置10の各ユニットを統括的に制御し、画像データの生成及びこの画像データに基づく各種診断パラメータの計測、画像データ及び診断パラメータの計測結果と医用画像診断装置10に対応した固有フォーマット情報に基づく第1のSR形式電子データの作成、レポートビューワー30に対応した標準SR形式電子データに基づく第2のSR形式電子データの作成、更には、PACSサーバ20やレポートビューワー30に対する第1のSR形式電子データ及び第2のSR形式電子データの送信を実行させる。
【0039】
次に、ネットワーク40を介して上述の医用画像診断装置10と接続されるレポートビューワー30は、図1に示すように、検査レポート作成部301、表示部302、標準電子データ保管部303、入力部304及び送受信部305とこれらのユニットを制御する図示しない制御部を備えている。
【0040】
検査レポート作成部301は、医用画像診断装置10の電子データ作成部13及び電子データ編集部14からネットワーク40を介して直接供給される第1のSR形式電子データ及び第2のSR形式電子データあるいはPACSサイバー20を介して供給される第1のSR形式電子データ及び第2のSR形式電子データを用いて所定フォーマットの検査レポートを自動作成する機能を有している。
【0041】
但し、電子データ作成部13あるいはPACSサーバ20から供給される第1のSR形式電子データが医用画像診断装置10に対応した固有フォーマット情報に基づいて作成されているが故に検査レポート作成部301による検査レポートの自動作成が不可能な場合、検査レポート作成部301は、標準電子データ保管部303に予め保管されている各種標準SR形式電子データの中から当該超音波検査の検査領域「心臓領域」及び検査モダリティ「超音波診断」に対応した標準SR形式電子データを抽出し、送受信部305を介して医用画像診断装置10へ供給する。
【0042】
そして、上述の標準SR形式電子データに基づいて作成されたレポートビューワー30に対応する第2のSR形式電子データが医用画像診断装置10の電子データ編集部14からネットワーク40を介して供給された場合、検査レポート作成部301は、この第2のSR形式電子データを用いて所定フォーマットの検査レポートを作成し表示部302に表示すると共にPACSサーバ20に保存する。
【0043】
医用画像診断装置10から供給される第2のSR形式電子データに基づいて検査レポート作成部301が作成した検査レポートの具体例を図5に示す。例えば、図4(b)に示した第2のSR形式電子データが医用画像診断装置10から供給された場合に検査レポート作成部301が作成する検査レポート(経胸壁心エコー検査レポート)の上段には、例えば、「被検体ID」、「被検体名」、「生年月日」、「年齢、性別」等の被検体情報や「検査依頼科」、「依頼医師名」、「検査日」、「予約時間」等の検査情報が示され、中段には、第2のSR形式電子データにおける各種診断パラメータ(LVPWT,LVIDd、IVSTd、RVD等)の計測結果が示される。更に、この検査レポートの下段には、第2のSR形式電子データにおける各種の付帯情報(即ち、Derivation、Selection Status、Image Mode・・・)が示される。
【0044】
即ち、検査レポートの作成に必要な診断パラメータ及び付帯情報とそのレイアウト情報は標準SR形式電子データとしてレポートビューワー30から医用画像診断装置10へ供給され、医用画像診断装置10の電子データ編集部14は、電子データ作成部13が医用画像診断装置10に対応する固有フォーマット情報に基づいて生成した第1のSR形式電子データを上述の標準SR形式電子データに基づいて編集することによりレポートビューワー30に対応した(即ち、検査レポート作成部301による検査レポートの自動作成が可能な)第2のSR形式電子データを作成する。
【0045】
次に、図1の表示部302は、図示しない変換処理部とモニタを備え、変換処理部は、検査レポート作成部301から直接供給される検査レポートあるいはPACSサーバ20を介して供給される検査レポートに対しD/A変換やテレビフォーマット変換等の変換処理を行ない上述のモニタに表示する。一方、標準電子データ保管部303には、レポートビューワー30に対応した各種の標準SR形式電子データが検査領域や検査モダリティ等を付帯情報として予め保管されている。
【0046】
入力部304は、操作パネル上に表示パネルや各種の入力デバイスを備え、検査レポート作成部301において作成された検査レポートをPACSサーバ20に保存するための指示信号(保存指示信号)あるいはPACSサーバ20に保存された第1のSR形式電子データ、第2のSR形式電子データ及び上述の検査レポートを読み出すための指示信号(読み出し指示信号)の入力を行なう。
【0047】
送受信部305は、ネットワーク40を介して医用画像診断装置10あるいはPACSサーバ20との接続を行なうネットワークインターフェースであり、医用画像診断装置10あるいはPACSサーバ20から供給される第1のSR形式電子データ及び第2のSR形式電子データの受信や医用画像診断装置10に対する標準SR形式電子データの送信、更には、PACSサーバ20に対する検査レポートの送受信を行なう。
【0048】
(検査レポートの作成/表示手順)
次に、本実施形態における検査レポートの作成/表示手順につき図6のフローチャートに沿って説明する。
【0049】
被検体に対する超音波検査に先立ち、超音波診断装置100を操作する医療従事者(以下では、操作者と呼ぶ。)は、当該超音波検査に用いる超音波プローブ(セクタ走査用の超音波プローブ2)を選択し、更に、入力部17の入力デバイスを用いて検査領域及び検査モダリティの選択、被検体情報及び検査情報の入力、画像データ生成条件及び画像データ計測条件の設定、データ表示条件の設定等を必要に応じて行なった後、超音波検査開始指示信号の入力を行なう(図6のステップS1及びステップS2)。このとき、上述の入力情報、設定情報及び選択情報は、システム制御部18の記憶部に保存される。
【0050】
システム制御部18を介して上述の指示信号と画像データ生成条件を受信した画像データ収集部11の走査制御部6は、この画像データ生成条件に基づいて超音波送受信部3を制御することにより複数方向に対する超音波送受信を順次行ない、受信信号処理部4は、超音波送受信部3の受信部32から出力された整相加算後の受信信号に基づいてBモードデータを生成する。次いで、画像データ生成部5は、受信信号処理部4によって生成されたBモードデータを超音波送受信方向に対応させて配列することにより画像データ(Bモード画像データ)を生成し、得られた画像データを表示部15のモニタに表示すると共に画像データ計測部12及び電子データ作成部13へ供給する(図6のステップS3)。
【0051】
一方、表示部15に表示された画像データを観察した操作者は入力部17の入力デバイスを用い、前記画像データに示された心臓領域の診断対象部位に対して複数の計測基準点を設定する。そして、この計測基準点の位置情報を入力部17から受信した画像データ計測部12は、画像データ収集部11から供給された画像データに設定されている前記計測基準点の間隔を上述の位置情報に基づいて計測することにより左心室後壁厚(LVPWTd)、左心室内径(LVIDd)、心室中隔厚(IVSTd)、右心室内径(RVD)等の診断パラメータを計測し、得られたこれらの計測結果を電子データ生成部13へ供給する(図6のステップS4)。
【0052】
次に、電子データ作成部13は、画像データ収集部11から供給された画像データと画像データ計測部12から供給された各種診断パラメータの計測結果とシステム制御部18から供給された被検体情報、検査情報、画像データ生成条件及び画像データ計測条件を受信する。次いで、自己のフォーマット情報記憶部から読み出した医用画像診断装置10に対応する固有フォーマット情報に基づいて上述の画像データ及び診断パラメータの計測結果をレイアウトし、更に、画像データ生成条件や画像データ計測条件等を付加することにより第1のSR形式電子データを生成する。そして、得られた第1のSR形式電子データを、ネットワーク40を介して接続されたPACSサーバ20あるいはレポートビューワー30の検査レポート作成部301へ供給する(図6のステップS5)。
【0053】
一方、検査レポート作成部301は、医用画像診断装置10の電子データ作成部13からネットワーク40を介して直接供給された第1のSR形式電子データあるいはPACSサーバ20を介して供給された第1のSR形式電子データがレポートビューワー30に対応しているか否かを判定する(図6のステップS6)。
【0054】
そして、第1のSR形式電子データがレポートビューワー30に対応していないと判定した場合、検査レポート作成部301は、標準電子データ保管部303に予め保管されている各種標準SR形式電子データの中から当該超音波検査の検査領域「心臓領域」及び検査モダリティ「超音波診断」に対応した標準SR形式電子データを抽出し、医用画像診断装置10の電子データ編集部14へ供給する(図6のステップS7)。
【0055】
電子データ編集部14は、電子データ作成部13から供給された第1のSR形式電子データを自己の標準電子データ記憶部から読み出した上述の標準SR形式電子データに基づいて編集することによりレポートビューワー30に対応した第2のSR形式電子データを作成し、得られた第2のSR形式電子データをレポートビューワー30の検査レポート作成部301へ供給する(図6のステップS8)。そして、検査レポート作成部301は、供給された第2のSR形式電子データを用いて所定フォーマットの検査レポートを作成し、表示部302に表示すると共にPACSサーバ20に保存する(図6のステップS9)。
【0056】
一方、上述のステップS6において第1のSR形式電子データがレポートビューワー30に対応していると判定した場合、検査レポート作成部301は、この第1のSR形式電子データを用いて所定フォーマットの検査レポートを作成し、表示部302における表示とPACSサーバ20に対する保存を行なう(図6のステップS9)。
【0057】
(変形例)
(装置の構成)
次に、本実施形態の変形例につき図7及び図8を用いて説明する。上述の実施形態における電子データ作成部13は、画像データ及び診断パラメータ計測結果や画像データ生成条件及び画像データ計測条件等に基づいた各種の付帯情報を医用画像診断装置10に対応した固有フォーマット情報に基づいてレイアウトすることにより第1のSR形式電子データを生成し、この第1のSR形式電子データがレポートビューワー30に対応していない場合、電子データ編集部14は、レポートビューワー30から供給された標準SR形式電子データに基づいて第1のSR形式電子データを編集することによりレポートビューワー30に対応した第2のSR形式電子データを生成する場合について述べたが、本変形例では、上述の画像データ、診断パラメータ計測結果及び各種の付帯情報をレポートビューワー30から直接供給される標準SR形式電子データに基づいてレイアウトすることによりレポートビューワー30に対応したSR形式電子データを生成する。
【0058】
尚、本変形例における医用診断システムの構成を示す図7のブロック図において、図1に示した上述の実施形態における医用診断システム100と同一の構成及び機能を有するユニットは同一の符号を付加し詳細な説明は省略する。
【0059】
即ち、図7に示した本変形例の医用診断システム200は、例えば、被検体に対する超音波送受信によって得られる受信信号に基づいて生成した画像データ及びこの画像データを用いて得られた各種診断パラメータの計測/計算結果に基づいてDICOM規格SR形式の電子データ(SR形式電子データ)を作成し、ネットワーク40を介して接続されたPACSサーバ20あるいはレポートビューワー30aへ供給する医用画像診断装置10aと、医用画像診断装置10aから供給されるSR形式電子データやレポートビューワー30aから供給される検査レポートを保存するPACSサーバ20と、医用画像診断装置10aから直接供給されるSR形式電子データあるいはPACSサーバ20を介して供給されるSR形式電子データに基づいて検査レポートの作成と表示を行なうレポートビューワー30aを有している。
【0060】
そして、医用画像診断装置10aは、当該被検体の画像データを収集する画像データ収集部11と、得られた画像データを用いて各種診断パラメータの計測/計算を行なう画像データ計測部12と、レポートビューワー30aから供給される標準SR形式電子データに基づいてレポートビューワー30aに対応したSR形式電子データを生成する電子データ作成部13aと、画像データ収集部11によって生成された画像データや画像データ計測部12において得られた各種診断パラメータの計測/計算結果、更には、電子データ作成部13aにおいて作成されたSR形式電子データを所定のフォーマットで表示する表示部15と、PACSサーバ20及びレポートビューワー30aに対するSR形式電子データの送信とレポートビューワー30aから供給される標準SR形式電子データの受信を行なう送受信部16aと、検査領域及び検査モダリティの選択、被検体情報及び検査情報の入力、画像データ生成条件及び画像データ計測条件の設定、標準電子データ要求信号の入力等を行なう入力部17aと、医用画像診断装置10aが備える上述の各ユニットを統括的に制御するシステム制御部18aを備えている。
【0061】
電子データ作成部13aは、図示しない標準電子データ記憶部を備え、この標準電子データ記憶部には、レポートビューワー30aから供給された標準SR形式電子データが保存される。そして、電子データ作成部13aは、画像データ収集部11から供給される当該被検体の画像データ、画像データ計測部12から供給される前記画像データに基づいた各種診断パラメータの計測/計算結果及び入力部17aからシステム制御部18aを介して供給される被検体情報、検査情報、画像データ生成条件及び画像データ計測条件等を受信する。次いで、上述の画像データや診断パラメータ計測/計算結果等を自己の標準電子データ記憶部から読み出した当該超音波検査の検査領域(心臓領域)及び検査モダリティ(超音波診断)に対応する標準SR形式電子データに基づいてレイアウトすることによりレポートビューワー30aに対応したSR形式電子データを作成し、得られたSR形式電子データを送受信部16aへ供給する。
【0062】
送受信部16aは、ネットワーク40を介してPACSサーバ20あるいはレポートビューワー30aとの接続を行なうネットワークインターフェースであり、PACSサーバ20及びレポートビューワー30aに対するSR形式電子データの送信、レポートビューワー30aに対する標準電子データ要求信号の送信及びレポートビューワー30aから供給される標準SR形式電子データの受信を行なう。
【0063】
そして、入力部17aは、操作パネル上に表示パネルやキーボード、トラックボール、マウス、選択ボタン、入力ボタン等の入力デバイスを備え、検査領域及び検査モダリティの選択、被検体情報及び検査情報の入力、画像データ生成条件及び画像データ計測条件の設定、標準電子データ要求信号の入力、各種指示信号の入力等を行なう。
【0064】
次に、ネットワーク40を介して上述の医用画像診断装置10aと接続されるレポートビューワー30aは、図7に示すように、検査レポート作成部301a、表示部302、標準電子データ保管部303、入力部304及び送受信部305aとこれらのユニットを制御する図示しない制御部を備えている。
【0065】
検査レポート作成部301aは、医用画像診断装置10aの電子データ作成部13aからネットワーク40を介して直接供給されるSR形式電子データあるいはPACSサイバー20を介して供給されるSR形式電子データを用いて所定フォーマットの検査レポートを自動作成する機能を有している。
【0066】
又、標準電子データ要求信号が医用画像診断装置10aから供給された場合、検査レポート作成部301aは、標準電子データ保管部303に予め保管されている各種標準SR形式電子データの中から当該超音波検査の検査領域及び検査モダリティに対応した標準SR形式電子データを抽出し、送受信部305aを介して医用画像診断装置10aへ供給する。
【0067】
そして、上述の標準SR形式電子データに基づいて生成されたレポートビューワー30aに対応するSR形式電子データが医用画像診断装置10aの電子データ作成部13aからネットワーク40を介して供給された場合、検査レポート作成部301aは、このSR形式電子データを用いて所定フォーマットの検査レポートを作成し、表示部302に表示すると共にPACSサーバ20に保存する。
【0068】
一方、送受信部305aは、ネットワーク40を介して医用画像診断装置10aあるいはPACSサーバ20との接続を行なうネットワークインターフェースであり、医用画像診断装置10aから供給される標準電子データ要求信号の受信、医用画像診断装置10aあるいはPACSサーバ20から供給されるSR形式電子データの受信、医用画像診断装置10aに対する標準SR形式電子データの送信、更には、PACSサーバ20に対する検査レポートの送受信を行なう。
【0069】
(検査レポートの作成/表示手順)
次に、本変形例における検査レポートの作成/表示手順につき図8のフローチャートに沿って説明する。尚、図8に示した検査レポートの作成/表示手順において、図6に示した上述の実施形態における作成/表示手順と同一の手順には同一の符号を付加し詳細な説明は省略する。
【0070】
即ち、図6のステップS1乃至ステップS4と同一の手順により医用画像診断装置10aに対する初期設定及び医用画像診断装置10aによる画像データの生成及び計測が終了したならば(図8のステップS1乃至ステップS4)、操作者は、当該超音波検査の検査領域及び検査モダリティに対応した標準SR形式電子データを要求するための信号(標準電子データ要求信号)を入力部17aにおいて入力し、入力された標準電子データ要求信号は、システム制御部18a、送受信部16a及びネットワーク40を介してレポートビューワー30aへ供給される(図8のステップS15)。
【0071】
一方、上述の標準電子データ要求信号をレポートビューワー30aの送受信部305aを介して受信した検査レポート作成部301aは、標準電子データ保管部303に予め保管されている各種標準SR形式電子データの中から上述の標準電子データ要求信号に対応した標準SR形式電子データを抽出し、医用画像診断装置10aの電子データ作成部13aが備える標準電子データ記憶部に保存する(図8のステップS16)。
【0072】
次に、医用画像診断装置10の電子データ作成部13aは、画像データ収集部11から供給された画像データと画像データ計測部12から供給された各種診断パラメータの計測/計算結果とシステム制御部18aから供給された被検体情報、検査情報、画像データ生成条件及び画像データ計測条件を受信する。次いで、自己の標準電子データ記憶部から読み出した標準SR形式電子データに基づいて上述の画像データと診断パラメータの計測/計算結果をレイアウトし、更に、被検体情報、検査情報、画像データ生成条件、画像データ計測条件等を付加することによりSR形式電子データを生成する。そして、得られたSR形式電子データを、ネットワーク40を介して接続されたレポートビューワー30aの検査レポート作成部301aあるいはPACSサーバ20へ供給する(図8のステップS17)。
【0073】
一方、検査レポート作成部301aは、医用画像診断装置10aの電子データ作成部13aから直接あるいはPACSサーバ20を介して供給されたレポートビューワー30aに対応するSR形式電子データを用いて所定フォーマットの検査レポートを作成し、表示部302に表示すると共にPACSサーバ20に保存する(図8のステップS18)。
【0074】
以上述べた本実施形態及びその変形例によれば、医用画像診断装置において作成されたDICOM−SR形式の電子データ(SR形式電子データ)を、ネットワークを介して接続されたレポートビューワーへ供給することにより所望の検査レポートを作成する際、被検体から収集された画像データやこの画像データを用いて得られた各種診断パラメータの計測結果等をレポートビューワーに対応した標準SR形式電子データに基づいてレイアウトすることにより、如何なるレポートビューワーに対しても検査レポートの作成を可能とするSR形式電子データを作成することができる。
【0075】
従って、異なるベンダーによって提供された医用画像診断装置とレポートビューワーによって構成される医用診断システムにおいても、レポートビューワーは、医用画像診断装置から供給されるSR形式電子データに基づいて所定フォーマットの検査レポートを確実に作成することが可能となる。
【0076】
又、上述のSR形式電子データは、レポートビューワーに予め保管されている各種標準SR形式電子データの中から抽出された当該超音波検査の検査領域や検査モダリティ等に対応する標準SR形式電子データに基づいて作成されるため、レポートビューワーに対応した標準SR形式電子データを容易に作成することが可能となる。
【0077】
更に、レポートビューワーにおける検査レポートの作成は、医用画像診断装置から供給される第1のSR形式電子データあるいはSR形式電子データに基づいて自動的に行なわれるため、レポートビューワーを操作する医療従事者の負担を大幅に軽減することができる。
【0078】
一方、上述の変形例によれば、医用画像診断装置から送信された標準電子データ要求信号に呼応してレポートビューワーから供給される標準SR形式電子データに基づいてレポートビューワーに対応したSR形式電子データを作成するため、SR形式電子データの作成に要する時間を短縮することができる。
【0079】
以上、本開示の実施形態及びその変形例について述べてきたが、本開示は、上述の実施形態及びその変形例に限定されるものではなく、更に変形して実施することが可能である。例えば、上述の実施形態及びその変形例では、被検体に対する超音波送受信によって得られた受信信号に基づいてBモード画像データを生成する画像データ収集部11について述べたが、カラードプラ画像データ等の他の超音波画像データの生成が可能な画像データ収集部であってもよく、又、X線画像データ、X線CT画像データ、MRI画像データ等の他の医用画像データの生成が可能な画像データ収集部であっても構わない。
【0080】
又、当該被検体の心臓領域から収集した上述の画像データに基づいて左心室後壁厚、左心室内径、心室中隔厚及び右心室内径を計測する場合について述べたが、計測する診断パラメータはこれらに限定されない。
【0081】
更に、標準SR形式電子データを保管する標準電子データ保管部303を有したレポートビューワー30(30a)について述べたが、標準電子データ保管部は、医用画像診断装置10(10a)あるいはPACSサーバ20に備えられていてもよく、ネットワーク40に接続された独立のユニットであってもよい。
【0082】
又、上述の実施形態では、第1のSR形式電子データを作成する電子データ作成部13と第2のSR形式電子データを作成する電子データ編集部14を独立したユニットとして備える医用画像診断装置10について述べたが、夫々の機能を兼ね備えた単一のユニットとして備えていても構わない。
【0083】
一方、上述の変形例では、入力部17aから入力される標準電子データ要求信号に呼応して当該超音波検査の検査領域や検査モダリティ等に対応した標準SR形式電子データがレポートビューワー30aから医用画像診断装置10aへ供給される場合について述べたが、これに限定されるものではなく、例えば、他の指示信号に呼応して医用画像診断装置10aに対する標準SR形式電子データの供給を行なってもよい。
【0084】
尚、本実施形態の医用診断システム100及びその変形例の医用診断システム200に含まれる各ユニットは、CPU、RAM、磁気記憶装置、入力装置、表示装置等で構成されるコンピュータをハードウェアとして用いることでも実現することができる。例えば、医用画像診断装置10(10a)を制御するシステム制御部18(18a)は、上記のコンピュータに搭載されたCPU等のプロセッサに所定の制御プログラムを実行させることにより各種機能を実現することができる。この場合、上述の制御プログラムをコンピュータに予めインストールしてもよく、又、コンピュータ読み取りが可能な記憶媒体への保存あるいはネットワークを介して配布された制御プログラムのコンピュータへのインストールであっても構わない。
【0085】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0086】
10、10a…医用画像診断装置
11…画像データ収集部
12…画像データ計測部
13、13a…電子データ作成部
14…電子データ編集部
15…表示部
16…送受信部
17、17a…入力部
18、18a…システム制御部
20…PACSサーバ
30、30a…レポートビューワー
301、301a…検査レポート作成部
302…表示部
303…標準電子データ保管部
304…入力部
305、305a…送受信部
40…ネットワーク
100、200…医用診断システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の画像データとこの画像データに基づいた診断パラメータの計測結果を医療情報として収集する医用画像診断装置において、
前記医療情報に基づいて第1のSR形式電子データを作成する電子データ作成手段と、
前記第1のSR形式電子データがネットワークを介して接続されたレポートビューワーにおける検査レポートの作成に対応していない場合、前記レポートビューワーから供給される標準SR形式電子データに基づいて前記第1のSR形式電子データを編集することにより前記検査レポートの作成に対応した第2のSR形式電子データを作成する電子データ編集手段と、
前記レポートビューワーに対する前記第1のSR形式電子データ及び前記第2のSR形式電子データの送信と前記レポートビューワーから供給される前記標準SR形式電子データの受信を行なう送受信手段とを
備えたことを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項2】
前記電子データ作成手段は、前記医療情報と被検体情報、検査情報、画像データ生成条件及び画像データ計測条件の少なくとも何れかを示す付帯情報を予め設定された前記医用画像診断装置に対応する固有のフォーマット情報に基づいてレイアウトすることにより前記第1のSR形式電子データを作成することを特徴とする請求項1記載の医用画像診断装置。
【請求項3】
前記電子データ編集手段は、前記第1のSR形式電子データに示された前記医療情報及び前記付帯情報を前記レポートビューワーから供給される前記標準SR形式電子データに基づいて削除、追加あるいは並べ替えすることにより前記第2のSR形式電子データを作成することを特徴とする請求項2記載の医用画像診断装置。
【請求項4】
被検体の画像データとこの画像データに基づいた診断パラメータの計測結果を医療情報として収集する医用画像診断装置において、
ネットワークを介して接続されたレポートビューワーから供給される標準SR形式電子データに基づいて前記医療情報をレイアウトすることにより前記レポートビューワーにおける検査レポートの作成に対応したSR形式電子データを作成する電子データ作成手段と、
前記レポートビューワーから供給される前記標準SR形式電子データの受信と前記レポートビューワーに対する前記SR形式電子データの送信を行なう送受信手段とを
備えたことを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項5】
前記電子データ作成手段は、前記医療情報と被検体情報、検査情報、画像データ生成条件及び画像データ計測条件の少なくとも何れかを示す付帯情報を前記標準SR形式電子データに基づいてレイアウトすることにより前記SR形式電子データを作成することを特徴とする請求項4記載の医用画像診断装置。
【請求項6】
入力手段を備え、前記電子データ作成手段は、前記入力手段において入力された標準電子データ要求信号に呼応して前記レポートビューワーから供給される前記標準SR形式電子データに基づいて前記SR形式電子データを作成することを特徴とする請求項4記載の医用画像診断装置。
【請求項7】
被検体から各種の医療情報を収集する医用画像診断装置と前記医療情報に基づいて検査レポートを作成するレポートビューワーとがネットワークを介して接続された医用診断システムであって、
前記医用画像診断装置は、
前記医療情報に基づいて第1のSR形式電子データを作成する電子データ作成手段と、
前記第1のSR形式電子データがネットワークを介して接続されたレポートビューワーにおける検査レポートの作成に対応していない場合、前記レポートビューワーから供給される標準SR形式電子データに基づいて前記第1のSR形式電子データを編集することにより前記検査レポートの作成に対応した第2のSR形式電子データを作成する電子データ編集手段と、
前記レポートビューワーに対する前記第1のSR形式電子データ及び前記第2のSR形式電子データの送信と前記レポートビューワーから供給される前記標準SR形式電子データの受信を行なう第1の送受信手段と有し、
前記レポートビューワーは、
前記医用画像診断装置から供給される前記第1のSR形式電子データを受信する共にこの第1のSR形式電子データが検査レポートの作成に対応していない場合、前記医用画像診断装置に対して標準SR形式電子データを送信し、更に、この標準SR形式電子データに基づいて前記医用画像診断装置が作成した第2のSR形式電子データを受信する第2の送受信手段と、前記第2のSR形式電子データに基づいて前記被検体の検査レポートを作成する検査レポート作成手段と、
前記検査レポートを表示する表示手段を
有することを特徴とする医用診断システム。
【請求項8】
前記ネットワークを介して前記医用画像診断装置及び前記レポートビューワーと接続され、前記医用画像診断装置が作成した前記第1のSR形式電子データ及び前記第2のSR形式電子データや前記レポートビューワーが作成した前記検査レポートの少なくとも何れかを保存するPACSサーバを備えたことを特徴とする請求項7記載の医用診断システム。
【請求項9】
被検体の画像データとこの画像データに基づいた診断パラメータの計測結果を医療情報として収集する医用画像診断装置に対し、
前記被検体から得られた生体信号に基づいて前記画像データを収集する画像データ収集機能と、
前記画像データに基づいて前記診断パラメータを計測する画像データ計測機能と、
前記医療情報に基づいて第1のSR形式電子データを作成する電子データ作成機能と、
前記第1のSR形式電子データがネットワークを介して接続されたレポートビューワーにおける検査レポートの作成に対応していない場合、前記レポートビューワーから供給される標準SR形式電子データに基づいて前記第1のSR形式電子データを編集することにより前記検査レポートの作成に対応した第2のSR形式電子データを作成する電子データ編集機能と、
前記レポートビューワーに対する前記第1のSR形式電子データ及び前記第2のSR形式電子データの送信と前記レポートビューワーから供給される前記標準SR形式電子データの受信を行なう送受信機能を
実行させることを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−109422(P2013−109422A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252014(P2011−252014)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】