説明

医用診断支援装置及び医用診断支援方法

【課題】視覚障害や聴力障害を負った受診者に診断結果を説明する際に、受診者の疾患の程度に合わせて画像又は音量を調整して通知するようにした医用診断支援装置を提供する。
【解決手段】検査データを含む医用情報を保存したデータベースから特定の受診者の医用情報を取得し、取得した医用情報をもとに受診者の疾患の程度を判別する症状判別部と、受診者に診断結果を通知する際に判別した疾患の程度に合わせて通知方法を決定する通知方法決定部と、決定した通知方法で受診者に診断結果を通知する情報出力部と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康診断システム等において、受診者に診断結果を通知する際の医用診断支援装置に関し、特に視覚障害や聴覚障害がある受診者に対して医用画像を表示、又は音声を出力して診断結果等を解説するようにした医用診断支援装置及び医用診断支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に健康診断システム等においては、健診結果を被検診者(受診者)に対して解説する際に、表示装置に診断結果(検査結果)を表示し、モニタに表示された画像を見ながら解説することが多い。受診者はモニタに表示された画像を見ながら医師の説明を聴くことで、自身の検査結果を目と耳で確認することができる。
【0003】
ところで、このような医用診断支援装置では、視覚障害や聴覚障害がある受診者に対して検査結果を解説する場合、例えば受診者が視力低下や視野狭窄といった障害、或いは輝度や色に対する視覚障害を負っている場合は、モニタに表示された画像が見えにくく、画像の内容を十分に認識できないことがある。また聴覚障害がある場合は医師の説明が聞き取れずに受診者に検査結果が十分に伝わらないことがある。このため、各種の表示方法が提案されている。
【0004】
例えば特許文献1には、映像信号を表示して瞳に導く接眼表示手段を備えた表示装置について記載されている。この例では外界光の強さを自動的に検出し、この検出結果に基づいて接眼表示手段の表示を停止したり、自動的に調節するようにしている。しかしながらこの例では、外界光に応じて表示手段の輝度やコントラストを調節するに過ぎない。
【0005】
また、特許文献2には、視野狭窄障害を持つ視覚障害者のための操作誘導方法について記載されている。この例では操作パネルによる機器設定において、操作ボタンを押したときに操作パネルに矢印を表示し、押下したボタンから矢印を辿って視野を動かすことで次に操作すべき候補ボタンが何であるかを誘導するようにしている。しかしながら、この例では視覚障害を負った利用者が視野を移動させる必要がある。
【0006】
また、特許文献3には、操作者の色覚特性に合わせて操作画面の色調を選択できるようにした画面表示方法について記載されている。この例では、色調が異なる複数のパターンを選択可能にしておき、操作者がパターンを選択することで好みの色調で操作画面を表示することができる。しかしながら、この例では操作者自身が色調を選択する必要があるし、必ずしも最適な色調を選択するとは限らない。
【0007】
さらに特許文献4には、利用者の色弱に応じて色調を設定可能にした映像出力装置について記載されている。この例では、テスト映像を表示して利用者に各種の質問を行い、その回答をもとに色弱の種別を判定し、その判定結果に基づいて色調を設定するようにしている。しかしながら、この例では利用者は表示画面を見ながら各種のボタンを操作する必要がある。
【特許文献1】特開2007−101618号公報
【特許文献2】特開2006−155164号公報
【特許文献3】特開2004−77828号公報
【特許文献4】特開2007−190113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の表示方法においては、受診者が視覚障害を負っている場合、モニタに表示された画像が見えにくく、画像の内容を十分に認識できないことがある。また聴覚障害がある場合は受診者に検査結果が十分に伝わらないことがある。また特許文献1〜4に記載の例では、受診者の障害の程度に合わせた表示ができず、受診者自身に何らかの負担を強いるものであり、さらなる改善の余地がある。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みて成されたもので、視覚障害や聴力障害を負った受診者に診断結果を説明する際に、受診者の疾患の程度に合わせて画像又は音量を調整することで適切に通知することができるようにした医用診断支援装置及び医用診断支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の本発明の医用診断支援装置は、検査データを含む医用情報を保存したデータベースから選択した受診者の医用情報を取得し、取得した医用情報をもとに前記受診者の疾患の程度を判別する症状判別部と、前記受診者に診断結果を通知する際に、前記判別した疾患の程度に合わせて通知方法を決定する通知方法決定部と、前記決定した通知方法で前記受診者に診断結果を通知する情報出力部と、を具備したことを特徴とする。
【0011】
また、請求項9記載の本発明の医用診断支援方法は、検査データを含む医用情報を保存したデータベースから選択した受診者の医用情報を取得し、取得した医用情報をもとに前記受診者の疾患の程度を判別し、前記受診者に診断結果を通知する際に、前記判別した疾患の程度に合わせて前記受診者への通知方法を決定し、情報出力部から前記決定した通知方法で前記受診者に診断結果を通知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、視覚障害をもった受診者に対して、障害の程度に合わせて見やすい画像を表示することができる。また聴覚障害のある受診者に対して、聴力の度合いに応じて伝達方法を変えることで医師の説明を十分に伝えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の医用診断支援装置を説明する健診システムの構成図である。図1の健診システムは、各種のデータを集中管理するシステムサーバ100(データベース11、コンピュータ端末12を含む)と、生理検査システム13、検体検査システム14、及び複数のクライアント端末15,16…等がネットワーク17に接続されて構成されている。
【0015】
またネットワーク17には、健診結果等を印刷するプリンタ(図示せず)が接続されている。システムサーバ100は、生理検査システム13、検体検査システム14等の検査部門から送られてくる受診者の検査結果(例えば脳波や心電図検査等の結果や、血液検査、尿検査の結果等)を受け、検査データ、画像データ等の医用情報をデータベース11に保管する。
【0016】
コンピュータ端末12、或いはクライアント端末15,16…は、データベース11にアクセスすることにより、検査データ、画像データ等の医用情報を取得することができ、モニタに各種の医用情報を表示して受診者に診断結果(検査結果)を説明することができる。尚、医用情報とは、健診システムによって得た検査データ、画像データ、医師のコメント等の各種の情報を総称したものであり、これらの情報はシステムサーバ100にて管理されている。
【0017】
図2は、本発明の一実施形態に係る医用診断支援装置を構成するコンピュータ端末200を示すブロック図である。コンピュータ端末200は、図1のコンピュータ端末12、或いはクライアント端末15,16に相当する。
【0018】
図2において、コンピュータ端末200は、CPU21とバスライン22を有し、バスライン22にはデータベース11が接続可能になっており、CPU21は、コンピュータ端末200の全体の動作を制御する制御部を構成する。またバスライン22には、受診者識別部23と、症状判別部24、通知方法決定部25、通知方法決定部26、通知方法変更部27が接続されている。また、バスライン22には、情報出力部28と操作部32が接続されている。情報出力部28は、表示処理部29と、表示部30及び音声出力部31を含む。
【0019】
次に図2の各部の機能について詳細に説明する。データベース11は、検査結果情報(検査データ)、問診情報のほかに利用環境に関する情報、利用者属性等が登録されており、例えば図3で示すようなテーブル構成により構築されたファイルが実装されている。図3(a)は受診者の個人情報であり、受診者のユーザID、氏名、年齢、性別、視力、聴力等のデータが登録されている。
【0020】
視力、聴力等のデータは検査結果のデータであり、検査の結果、視覚疾患や聴覚疾患がある場合、図3(b)のように受診者のユーザIDとともに疾患の内容が登録される。また疾患の程度に応じて、受診者に対する通知方法を決定するが(後述)、図3(c)で示すように、決定した通知方法の情報が受診者のユーザIDとともに登録される。
【0021】
受診者識別部23は、受診者にIDカード(磁気カード)やICカード等の個人を識別するためのデバイスを所持させ、カードリーダで読み取らせることで、受診者(説明対象者)を識別する。
【0022】
症状判別部24は、受診者識別部23により識別した説明対象者(受診者)を選択し、識別情報の入力を受けて、データベース11に登録された説明対象者の検査結果情報(視覚・聴覚に関する情報、問診情報等の医用情報)を取得する。このとき取得した値に異常値がある場合、即ち図3(b)で示す疾患データが異常値を呈する場合は、医師等の操作者及び通知方法決定部25,26に対して症状を通知する。操作者は操作部32を操作しながら受診者に対して診断結果を説明する解説者であり、以下の説明では解説者と呼ぶ場合もある。
【0023】
解説者に通知する場合は、ダイアログウインドウ等を利用してその結果を表示部30に表示することで通知する。また、疾患のタイプに応じてマウスポインターの形状を変化させたり、表示用画面の背景を変化させたりすることで通知する。異常値の有無に関する異常判定条件には例えば以下の(1)〜(6)のようなものが考えられる。
【0024】
(1)視覚に関する情報において、裸眼・矯正視力が共に0.3以下。
(2)視覚に関する情報において、色弱の診断結果が存在する。
(3)視覚に関する情報において、白内障の診断結果が存在する。
(4)視覚に関する情報において、緑内障の診断結果が存在する。
(5)聴覚に関する情報において、難聴の診断結果が存在する。
(6)聴覚に関する情報において、聴力が30dBHL以上である。
【0025】
また異常値の範囲は、医療の基準等の改定に応じて変更できるように、外部ファイルやデータベース等で管理するものとする。異常判定は、例えば、異常識別番号、異常種別、異常判定条件のカラムから構成されるテーブルとして管理できる。異常識別番号は、一意に識別できるように1から順番に発番された整数であり、異常種別は、裸眼・矯正視力、色弱、白内障、緑内障、聴力、年齢等である。
【0026】
図4は、症状判別部24から通知方法決定部25,26に対して症状を通知する際の動作を示すフローチャートである。図4においてステップS1は通知処理のスタートステップであり、ステップS2ではデータベース11から選択した受診者のユーザIDをもとにデータ検索を行い、その検索結果(視覚、聴覚に関する情報)を取得する。
【0027】
ステップS3では、取得した視覚、聴覚情報に異常値がないか否かの判定を行い、異常値がある場合はステップS4において症状(視覚障害、聴覚障害の有無)を表示部30に表示して解説者に通知する。またステップS5では異常値を通知方法設定部25,26に入力し、ステップS6で症状通知の処理を終了する。またステップS3において異常値がないと判断した場合は、ステップS6に移行して処理を終了する。
【0028】
通知方法決定部25は、症状判別部24から受診者の視覚・聴覚に関する異常判定結果を受け取った場合に、受診者に対してどのような通知方法で診断結果(検査結果)を通知するかを決定するものである。受診者への通知方法としては、表示部30に画像を表示して診断結果を説明する方法と、表示した画像を参照しながらさらに音声出力部31から音声を発して伝える方法がある。
【0029】
通知方法決定部25では、症状判別部24から受診者の異常判定を受け取った場合に、どのようなアクション(表示や音声発生)をとるのかを示した設定テーブルを備え、テーブルのデータに従って予め指定されたアクションを実行する。
【0030】
即ち、通知決定部25は症状判別部24との間で通信を行い、通知決定部25は、症状判別部24に対して症状を通知するようにリクエストメッセージを送る。症状判別部24は、リクエストメッセージを受け取り、メソッド名からそのパラメータとしてユーザIDの値を受け取り、受け取ったユーザIDを検索条件としてデータ検索を行い、その検索結果(症状に関する情報)を、レスポンスメッセージとして通知決定部25に送信する。
【0031】
そして通知決定部25は、視覚に関する情報において視覚障害の症状が登録されている場合には、受診者に診断結果を伝える受診者用の画像を表示部30に表示させ、疾患の程度に応じてその画像の表示方法を変えるようにしている。
【0032】
例えば、視覚に関する情報において、緑内障の症状が登録されている場合には、画像の或る領域をキャプチャして、表示部30の特定の表示領域に受診者用の画像を表示するように設定する。キャプチャする領域は画面に表示されたマウスポインターを中心として所定の範囲に設定する。また、データベースに視野形状が登録されている場合は、その視野形状に合わせた領域の画像をキャプチャして表示するように設定する。
【0033】
また視覚に関する情報において、白内障の症状が登録されている場合には、受診者用の画像の輝度、色彩、或いは輪郭を調整する。例えば表示画面での背景色、文字色間等の明度差が125以上、色差が500以上になるように画面表示レイアウトを設定する。また、表示部30の輝度を標準時よりも30%増加させる。明度差、色差は、例えば下記の計算式により算出できるものとする。
【0034】
明度差=((R値×299)+ (G値×587)+ (B値×114))/1000
色差=(maxR - minR) + (maxG - minG) + (maxB - minB)
さらに視覚に関する情報において、第一色盲(赤色盲)、第二色盲(緑色盲)、第三色盲(青色盲)の少なくとも1つの症状が登録されている場合には、受診者用画像の配色設定を予め用意されたモノトーン調に設定する。
【0035】
また、視覚に関する情報において、裸眼・矯正視力がともに所定の値(例えば0.3)以下である場合は、表示する文字フォントのサイズを拡大した値(例えば+2)に設定する。或いは他の方法として表示画面上のマウスポインターの指し示す座標を中心として所定の範囲(例えば100 Pixel×300Pixel)を2倍の倍率で拡大表示するように設定する。高齢者は平均的に視力が低下している為、有効であると思われる。
【0036】
また各判定に利用される値は、医療の基準の改定・実際の利用環境により調整等に応じて基準を変更できるように、外部ファイルやデータベース等で管理するものとする。また通知方法が決定した場合は、データベースまたは外部ファイル等に通知方法のデータを保存する。異常判定が存在しない場合は標準の設定値を利用し、通知設定の変更は行わない。
【0037】
一方、聴覚に関する情報において、伝音性難聴の症状が登録されている場合は、登録されている聴力によりシステムのボリューム(音量)の設定を、以下の(1)〜(3)のように変更する。
【0038】
(1)軽度の難聴(小声が聞きにくい:30dBHL〜50dBHL程度)は、音量を標準量よりも20%増やす。
(2)中度の難聴(普通の声が聞きにくい:50dBHL〜70dBHL)は、音量を標準量よりも40%増やす。
(3)高度の難聴(大きな声でも聞きにくい:70dBHL〜90dBHL、耳もとでの大きな声でも聞こえない:90dBHL〜100dBHL、通常の音は聞こえない:100dBHL〜)は、音量を標準量よりも60%増やす。
【0039】
尚、伝音性難聴とは、外耳(耳介、外耳)と鼓膜及び中耳、つまり音を伝える器官の障害による難聴であり、音を聞くための神経には異常がないので治療できる可能性が有るし、補聴器で音を大きくすることによりかなり聞こえるようになるもので中耳炎等による難聴が、これに相当する。
【0040】
この結果、受診者は上記で設定した音量で診断結果を聴くことができるようになる。尚、音声の伝達手段(図2の音声出力部31)としては、各種の市販のソフトウェアやハードウェアを利用することができ、受診者はスピーカ、ヘッドフォン、補聴器等により診断結果を音声で聞くことができる。また解説者が説明する音声をマイクロフォンを介して入力し、その音声を増幅処理してスピーカ等から聞くことができる。また音量の設定以外に、例えばリバーブやエコー等を付加したり、再生速度を変化させたり、3次元空間内で音の鳴っている位置を変化させるといった設定を行ってもよい。
【0041】
また、聴覚に関する情報において、感音性難聴や、混合性難聴の症状が登録されている場合は、メッセージ入力・出力用アプリケーションを起動するよう設定する。感音性難聴とは、内耳もしくはそれ以降の神経系の障害に起因するタイプの難聴であり、症状が比較的軽い場合は、聞こえる音量に関してはさほど問題ないが、雑音との聴き分けができない、言葉が聞き取れない、間違って聞こえてしまう、多人数での会話が難しい等の症状が見られる。また混合性難聴とは、伝音性難聴と感音性難聴の両方の特徴を併せ持った難聴であり、老人性難聴は多くの場合、混合性難聴である。
【0042】
メッセージ入力・出力用アプリケーションは、画面にメッセージ画像を表示して受診者に症状を伝達するもので、例えばGUI(Graphical User Interface)形式でメッセージ画像を表示する。必要なGUIコンポーネントとしては、メッセージ入力用途のテキストボックス、メッセージ選択用途のリストボックス、イメージ選択用途のファイル選択ダイアログ、メッセージ及びイメージ選択用のダイアログ等が上げら挙げられる。
【0043】
図3(c)は、通知方法決定部25で決定した設定項目の一例を示すものである。図3(c)の設定データは、データベース11に保存され、ユーザIDに対応して、例えばフォントサイズ、表示画像の倍率、モニタの輝度レベル、緑内障者用のウィンドウ(枠)サイズ、音量レベル等のデータが保存される。
【0044】
一方、通知方法決定部26は、解説者(医師等)に向けてどのような表示形式、或いは音声形式で検査結果を通知するかを決定するものである。通知方法決定部26は、症状判別部24から異常判定を受け取った場合、データベース11から利用環境に関する情報を取得し、解説者に向けての通知方法を決定し、その設定を保存する。設定に関しては前述の通知方法決定部25と同様に行う。また各判定に利用される値は、医療の基準の改定、実際の利用環境等に応じて基準を変更できるように、外部ファイルやデータベース等で管理するものとする。
【0045】
通知方法変更部27は、解説者からの起動要求により起動するもので、設定値変更画面の操作もしくは任意のキー入力をキャッチして設定値を変更するサービスユーティリティとして実装される。変更する設定値としてあげられるのは、情報出力部28が利用するGUIレイアウト種別、画面輝度、スピーカ音量、フォントサイズ、表示倍率、狭窄ウィンドウ表示フラグ、メッセージダイアログ表示フラグ等である。また設定値の変更以外に、通知方法設定部25,26の初期化(再起動)も行う。
【0046】
図5は、通知方法決定部25,26の動作と通知方法変更部27の動作を概略的に説明するフローチャートである。図5(a)は、通知方法決定部25,26の動作を示すものでステップS11はスタートステップであり、ステップS12では症状判別部24から異常値を取得する。次のステップS13では通知方法を決定し、ステップS14でデータベース11に設定内容のデータを保存し、ステップS15で処理を終了する。
【0047】
図5(b)は、通知方法変更部27の動作を示すもので、ステップS21はスタートステップであり、ステップS22ではデータベース11から設定内容のデータを取得する。次のステップS23では、通知方法の設定を変更したい場合に新たな設定情報を変更入力し、ステップS24では設定情報を更新する。また通知方法設定部25,26の初期化を行う場合は、ステップS25で初期化し、ステップS26で処理を終了する。
【0048】
情報出力部28は、表示処理部29、表示部30、音声出力部31を備えており、表示処理部29は、データベース11に保存された医用画像を処理して、通知方法決定部25,26で決定した表示方法で受診者用及び解説者用の画像を生成して表示部30に表示する。
【0049】
図6(a),(b)は、表示処理部29の一例を示すブロック図である。図6(a)は、解説者用の画像を表示するための画像処理部291と、受診者用の画像を表示するための画像処理部292と、枠画像生成部293、補正処理部294、合成処理部295を含む。画像処理部291は、データベース11から該当する受診者の医用情報を端子aから取り込み、解説者が診断結果を説明するのに必要な解説者用の画像を生成する。また画像処理部291は、操作者(解説者)が操作部32のマウス321を操作したときに表示画面上にマウスポインターを表示する。
【0050】
画像処理部292は、視覚障害のある受診者用の画像を生成するもので、画像処理部291で生成された画像のうち、マウスポインターの示す位置を中心にして所定の範囲の画像を取り込み、受診者用の画像を生成する。この受診者用の画像は枠画像生成部293で生成された枠画像の中に表示され、受診者は枠画像で示す領域を注視することにより、自身の検査結果を観察することができる。枠画像は画面の固定した位置(例えば右下の隅)に表示され、特に緑内障等により視覚狭窄障害がある場合は、視野を移動することなく固定された領域のみを見ればよいため、有効である。
【0051】
また受診者用の画像として、解説者用の画像をそのまま取り込んで利用する場合もある。補正処理部294は、図3(c)で示す設定データを端子bから取り込み、画像処理部292で生成した受診者用の画像を補正する。例えばフォントサイズや、表示画像の倍率を変えたり、枠画像(緑内障者用のウィンドウ)の形状やサイズの変更を行う。また受診者用の画像の輝度レベルや色相の補正、輪郭強調、コントラストの調整を行う。画像処理部291及び画像処理部292で生成された画像は合成処理部295で合成され、表示部30に表示される。
【0052】
図6(b)は、解説者用の画像を表示するための画像処理部291と、受診者用の画像を表示するための画像処理部292と、合成処理部295と、メッセージ画像生成部296を含む。画像処理部291は、データベース11から該当する受診者の医用情報を端子aから取り込み、解説者が検査結果を説明するのに必要な画像を生成する。また画像処理部291は、操作者(解説者)が操作部32のマウス321を操作したときに表示画面上にマウスポインターを表示する。
【0053】
画像処理部292は、聴覚障害がある受診者用の画像を生成するもので、画像処理部291で生成された画像に関連付けて、メッセージ画像生成部296で生成したメッセージ画像を所定の位置に表示する。メッセージ画像生成部296は、設定データを端子bから取り込み、聴覚障害がある受診者に対してメッセージ情報を生成するもので、GUI(Graphical User Interface)形式の情報を生成する。画像処理部291及び画像処理部292で生成された画像は合成処理部295で合成され、表示部30に表示される。
【0054】
表示部30は、液晶モニタ等の表示デバイスで構成され、音声出力部31は、スピーカ、ヘッドフォン、補聴器等の音声伝達デバイスで構成され、通知方法決定部25,26で決定した通知方法で受診者及び解説者に向けて表示情報及び音声情報を出力する。尚、表示部30としてはプロジェクタ、携帯情報端末(PDA)等を使用することも可能である。また表示部30は、解説者用と受診者用にそれぞれ独立して設け、それぞれの表示部に解説者用の画像と受診者用の画像を表示するようにしてもよい。
【0055】
また操作部32は、マウス321やキーボード等の入力手段を含み、解説者が受診者に対して診断結果を説明するときに、マウス321を操作してマウスポインターの位置を変えたり、画面走査の指示等を入力する場合に使用する。
【0056】
次に、本発明の第1の実施形態における表示画像の具体例を説明する。第1の実施形態は主に視力障害のある受診者に対する通知方法に関するものであり、図6(a)に示す表示処理部29によって実現可能である。
【0057】
まず緑内障や視野欠損等の視野が狭まる障害をもった者に対する表示方法について説明する。図7は表示部30に表示された解説者用の画像40の一例を示している。この画像40は、検査結果を示す各種のデータが表示された基画像41と、受診者に提示したい異常値のデータを含む注目画像42からなっている。基画像41は受診者の氏名や性別、年齢のほかに、身長、体重、BMI指数等の実測値が表示されたものであり、注目画像42は、異常値を含むデータやグラフ等を表示したものである。
【0058】
図7の解説者用の画像40は、データベース11にアクセスして受診者のIDを入力し、受診者の年齢や障害情報、画面までの距離等全般の表示属性情報を取得し、取得した情報をもとに通知方法決定部26が決定した表示方法で作成され、表示される。
【0059】
図8は、解説者用の画像40と、受診者用の画像50を合成して表示した例を示している。受診者用の画像50は、解説者用の画像40の一部を抽出して画面の固定位置(図では右下)に表示され、枠画像51の中に表示されている。
【0060】
受診者用の画像50は、通知方法決定部25が決定した表示方法で表示される。図8の例では、解説者用の画像40にマウスポインター43を表示し、このマウスポインター43の位置を中心にした所定の範囲の画像44を抽出して、枠画像51の中に表示したものである。受診者は、画面の特定位置(右下)に表示された画像50を注視すればよいため、視野が狭まる障害をもった受診者は視野を移動する必要がないため、頭を動かしたり視界を変えることなく解説者の説明を音声で聞き、画像50を見ながら検査結果を確認することができる。また解説者の意図する領域の画像を健在者と同様の感覚で確認することができる。尚、受診者用の画像50は、右下に限らず他の固定位置に表示するようにしてもよい。
【0061】
尚、受診者用の画像50は、症状判別部24から解説者に患者の障害情報を通知し、解説者の設定により図8の画面を表示するように移行しても良い。症状判別部24からの通知方法としては、マウスポインターを変化させたり背景色を変化させて、受診者に知られることなく通知する手法や、ダイアログ等で通知する方法、或いは遠隔の無線インターフェースを利用して端末200に通知する方法等がある。
【0062】
図9は、受診者用の画像50の表示領域を拡大又は縮小した例を示している。即ち、障害を持った受診者の視界は人によって様々であるため、受診者用の画像50の領域も拡大又は縮小して表示できることが望ましい。したがってデータベース11に登録された情報をもとに、画像50の表示領域を受診者の視界に合わせて設定するようにしている。或いは画面構成を通知方法変更部27によって再設定することで、画像50の表示領域を図9のように縮小することができる。その際、解説者は操作部32を操作して表示領域44を45で示すように縮小することで画像50の表示領域を縮小することになる。
【0063】
また重度狭窄者の場合は、図10に示すように、解説者用の画像40からマウスポインター43を中心にして狭い範囲46の画像を抽出し、受診者の画像50を生成するようにしてもよい。この場合は、枠画像51も小さくなる。
【0064】
さらに視野が円形状の受診者に対しては、受診者の画像50もそれに合わせて円形状にするようにしてもよい。図11は、解説者用の画像40からマウスポインター43を中心にして円形の範囲47の画像を抽出し、受診者の画像50を生成するようにしたものである。この場合は、枠画像52も円形となる。
【0065】
図12は、視野狭窄者に対して受診者の画像50を表示する場合の他の例を示すものであり、画面走査方式である。即ち、受診者に対して画面全体の情報を確認させたい場合に利用される方法であって、マウスポインター43の位置が画面の左上から右方向に移動し、さらに画面の上部から下方向に順次に移動して画面を走査するようにしたものである。
【0066】
この場合、解説者用の画像40からマウスポインター43の位置を中心にして所定の範囲44の画像が抽出され枠画像51の中に表示されるため、マウスポインター43の移動に合わせて受診者の画像50は順次に変化し、画面の右下部を見ているだけで画面全体の情報を確認することができる。これは解説者や受診者の要求に応じて実行されても良いし、自動的に実行されても構わない。
【0067】
図13は、視野狭窄者に対する受診者の画像の他の表示例を示すものであり、ナビゲーション方式と呼ぶ表示方法である。この表示方法では、解説者がマウスポインター43を操作することで、マウスポインター43で示す所定の領域の画像44を受診者に注視させる方法であり、受診者用の画像52の中に矢印53を表示し、この矢印53の方向がマウスポインター43の位置を示すようにしたものである。
【0068】
マウスポインター43の位置を移動すれば、それに応じて矢印53の向きも変化し、受診者は矢印53の方向を辿って視野を移動することで、解説者が注視させたい領域の画像44を見ることができる。この場合、矢印53はナビゲート画像を構成する。
【0069】
図13において、マウスポインター43の位置が変わり、マウスポインターが示す所定の領域の画像44が例えば44’の位置に移動すれば、それに応じて矢印53の向きも53’で示すように変化する。矢印画像53は、マウスポインター43の座標データをもとにマウスポインター43の位置を判別し、その座標の方向を向くように自動的に調整される。
【0070】
図14は、視力低下等の障害をもった受診者に対する表示方法を示したものである。図14では、解説者用の画像40のうち基画像41の一部を抽出して拡大し、受診者用の画像50を表示したものである。基画像41には受診者の身長、体重、BMI指数等の実測値が表示されているため、実測値のフォントサイズを拡大して表示することにより視力の低下した受診者でも分かりやすくなる。この場合も受診者用の画像50は枠画像51によって解説者用の画像40と区分して表示される。
【0071】
また、解説者はマウスポインター43を移動させることで基画像41のどの領域の画像を表示させるかを指示することができる。この場合データベース11に登録された情報をもとに、受診者に視力低下の障害があると判断すると、通知方法決定部25の決定によりマウスポインター43が示す位置を中心に所定の領域の画像を自動的に拡大して表示する。或いは解説者に対して受診者の視力低下の障害を通知し、その通知結果を受けて解説者が操作部32の拡大ボタンを操作することで受診者用の画像50を拡大表示するようにしてもよい。尚、拡大する画像は基画像41に限らず、注目画像42の一部を拡大して表示することもできる。
【0072】
次に白内障等の輝度障害をもった受診者に対する画像の表示方法について説明する。白内障等の受診者は輝度変化の認知が乏しいため、受診者に対して診断結果を説明する場合は輝度を調節する。
【0073】
図15は、表示部30に表示された解説者用の画像40のうち、受診者に提示したい注目画像42をそのまま利用し、注目画像42の輝度レベルを自動的に“高”に設定して受診者用の画像50として表示したものである。この場合もデータベース11に登録された情報をもとに、症状判別部24で受診者に輝度障害があると判断すると、通知方法決定部25の決定により自動的に輝度レベルが強調される。
【0074】
表示部30の受診者用の画像50は高輝度レベルで表示され、解説者は受診者の症状を意識する必要がなく、又受診者は円滑に表示情報を確認する事ができる。この実施例においても、自動的に輝度レベルを補正する以外に、症状判別部24から解説者に患者の障害情報を通知し、通知方法変更部27により解説者の設定に基づいて輝度を調整するようにしても良い。
【0075】
また、解説者用の表示部と受診者用の表示部を別個に備えている場合は、通知方法決定部26の決定によって解説者用の表示部は通常輝度で表示し、通知方法決定部25の決定によって受診者用の表示部は高輝度モードで表示するようにしてもよい。
【0076】
また図15の表示方法において、受診者用の画像50については、輪郭強調を行い、輪郭部53を強調して表示するようにしてもよい。これは輝度増強方式と同様にデータベース11に登録された情報から通知方法決定部25の決定により自動的に輪郭強調の補正がかけられる。これにより、受診者用の画像50は、輪郭・色調が強調され、白内障の障害を持つ者であっても理解が容易になり有効である。尚、解説者が手動により輪郭強調を行うようにしてもよい。
【0077】
図16は、色覚異常等の障害をもった受診者に対する表示方法を示すものである。図16は、表示部30に表示された解説者用の画像40のうち、受診者に提示したい注目画像42をそのまま利用し、注目画像42の色度レベルを低減してモノトーン調の受診者用の画像50を表示したものである。この場合もデータベース11に登録された情報をもとに、症状判別部24で受診者に色覚障害があると判断すると、通知方法決定部25の決定により自動的に色度レベルが低減される。尚、解説者が手動によりモノトーン表示に切り替えるようにしてもよい。
【実施例2】
【0078】
次に本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は聴力障害のある受診者に対する通知方法に関するものであり、音声出力部31を制御してスピーカ、ヘッドフォン或いは補聴器の音量調整を行うものである。
【0079】
聴力に障害をもった受診者の場合、表示部30に解説者用の画像40を表示して解説するが、受診者が難聴であると判断するとスピーカやヘッドフォンを利用して受診者に解説を行う。この場合、データベース11から受診者の年齢、聴力障害情報、解説者の平均音声量、設置環境等の属性情報を取得する。また通知方法決定部25により取得した情報をもとに、音量調整方式が適していると判断すると、情報出力部28の音声出力部31を制御し、スピーカやヘッドフォンの音量を受診者が聞きやすいレベルに自動制御する。
【0080】
受診者への解説は解説者(医師等)がマイクロフォンを介して話すことによって行ってもよいが、コンピュータ端末200から解説用の音声を発するようにし、これを受診者がスピーカやヘッドフォンを用いて聞くようにしてもよい。受診者はスピーカやヘッドフォンからデータベース11に登録された音量で円滑に解説を聴くことができる。尚、音量は自動的に設定せず、症状判別部24からの聴覚障害の情報を解説者に通知し、解説者が音量を設定するようにしても良い。
【0081】
症状判別部24から解説者への通知方法としては、表示部30に表示されたマウスポインター43を点滅させたり背景色を変化させる方法や、ダイアログ等で通知する方法を用いることで受診者に知られることなく通知する。また音量設定においては、コンピュータ端末200の設置環境も重要であり、周囲の騒音レベルに応じて音量を増減すると良い。
【実施例3】
【0082】
次に本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は聴力障害のある受診者に対する通知方法に関するものであり、図6(b)に示す表示処理部29によって実現可能である。
【0083】
第3の実施形態は、通知ガイド方法と呼ぶものである。即ち、表示部30の画面に受診者用のメッセージ画像を表示して難聴者に検査結果を通知するものであり、データベース11から受診者の年齢、聴力障害情報、解説者の平均音声量、設置環境等の属性情報を取得する。また通知方法決定部25により取得した情報をもとに、通知ガイド方法が適していると判断すると、表示部30にメッセージ画像を表示する。
【0084】
図17は、表示部30に基画像41を含む解説者用の画像40を表示するとともに、受診者用のメッセージ画像60を合成して表示した例を示している。この例では、メッセージ画像60として検査結果で注意したい点をリスト化して表示し、リストの項目を解説者がマウス321で選択することにより、選択した項目の画像61が拡大表示されるようにしている。
【0085】
メッセージ画像60に表示される内容は、データベース11の検査結果が異常値を示す場合にその項目を選択し、注意点等を表示すると良い。またメッセージは、過去の検査結果に対して或る傾向を示す場合があるため、過去に入力したメッセージも併せてデータベース11内で管理すると一層効果的である。
【0086】
また、図18に示すように、解説者が伝えたい情報を操作部32のキーボードやマウス321を使って入力し、表示部30に解説者のコメント画像48を表示するようにしても良い。
【0087】
尚、上記したメッセージ画像60の表示は、通知方法決定部25により取得した情報をもとに自動的に表示するようにしているが、健康診断の面談時に、受診者に対して解説しているときに受診者が聞き取りにくい反応を見せた場合に、解説者が操作部32を操作することでメッセージ画像60を表示するようにしてもよい。
【0088】
図19は、図17の表示方法の変形例を示すものである。つまりメッセージ画像を文字で表示する代わりに、手話画像62やイラスト画像63で表示したものである。手話画像62やイラスト画像63は、データベース11に解説用の画像として予め複数用意しておき、受診者の聴力障害の程度に応じて通知方法決定部25がいずれかの解説用の画像を選択して、表示部30に表示する。これにより、受診者は検査結果を手話やアニメで確認することができる。
【0089】
以上、述べたように本発明の実施形態に係る医用診断支援装置によれば、視覚障害をもった受診者に対して、疾患の程度に合わせて見やすい画像を表示することができ、また聴覚障害のある受診者に対して、聴力の度合いに応じて伝達方法を変えることによって医師の説明を十分に伝えることができる。
【0090】
また本発明の実施形態は、以上の説明に限定されることなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の一実施形態に係る医用診断支援装置を適用した健診システムの構成図。
【図2】本発明の一実施形態に係る医用診断支援装置の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の一実施形態におけるデータベースのテーブル構成を説明する図。
【図4】本発明の一実施形態における症状の通知手順を示すフローチャート。
【図5】本発明の一実施形態における通知方法の決定手順及び通知方法の変更手順を示すフローチャート。
【図6】本発明の一実施形態における表示処理部の一例を示すブロック図。
【図7】本発明の一実施形態における解説者用の画像の一例を示す説明図。
【図8】本発明の一実施形態における視野狭窄者用の画像の一例を示す説明図。
【図9】本発明の一実施形態における視野狭窄者用の画像の他の例を示す説明図。
【図10】本発明の一実施形態における視野狭窄者用の画像のさらに他の例を示す説明図。
【図11】本発明の一実施形態における円形視野用の画像の一例を示す説明図。
【図12】本発明の一実施形態における走査方式の画像の一例を示す説明図。
【図13】本発明の一実施形態におけるナビゲート画像の一例を示す説明図。
【図14】本発明の一実施形態における拡大表示方式の画像の一例を示す説明図。
【図15】本発明の一実施形態における白内障者用の画像の一例を示す説明図。
【図16】本発明の一実施形態における色覚異常者用の画像の一例を示す説明図。
【図17】本発明の一実施形態におけるメッセージ画像の一例を示す説明図。
【図18】本発明の一実施形態におけるメッセージ画像の他の例を示す説明図。
【図19】本発明の一実施形態におけるメッセージ画像のさらに他の例を示す説明図。
【符号の説明】
【0092】
100…システムサーバ
11…データベース
12,15,16,200…コンピュータ端末
13,14…検査システム
17…ネットワーク
21…CPU
22…バスライン
23…受診者識別部
24…症状判別部
25…通知方法決定部(受診者用)
26…通知方法決定部(解説者用)
27…通知方法変更部
28…情報出力部
29…表示処理部
30…表示部
31…音声出力部
32…操作部
40…解説者用の画像
50…受診者用の画像
60…メッセージ画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査データを含む医用情報を保存したデータベースから選択した受診者の医用情報を取得し、取得した医用情報をもとに前記受診者の疾患の程度を判別する症状判別部と、
前記受診者に診断結果を通知する際に、前記判別した疾患の程度に合わせて通知方法を決定する通知方法決定部と、
前記決定した通知方法で前記受診者に診断結果を通知する情報出力部と、を具備したことを特徴とする医用診断支援装置。
【請求項2】
前記情報出力部は、前記受診者に診断結果を伝える受診者用の画像を生成する表示処理部と、前記受診者用の画像を表示可能な表示部とを備え、
前記表示処理部は、前記症状判別部において前記受診者が視野狭窄の障害を負っていることを判別した場合、前記受診者用の画像を前記受診者の視野形状に合わせた形状で前記表示部の固定した位置に表示することを特徴とする請求項1記載の医用診断支援装置。
【請求項3】
前記表示処理部は、前記データベースに保存した前記受診者の医用情報をもとに解説者用の画像を生成し、前記解説者用の画像から前記解説者が指定した部分の画像を抽出して、前記視野形状に合わせた形状の受診者用の画像を任意のサイズで生成することを特徴とする請求項2記載の医用診断支援装置。
【請求項4】
前記表示処理部は、前記データベースに保存した前記受診者の医用情報をもとに解説者用の画像を生成し、前記受診者用の画像として前記視野形状に合わせた枠画像を生成するとともに、前記解説者が前記解説者用の画像上で指定した位置をナビゲートするナビゲート画像を前記枠画像の中に生成することを特徴とする請求項2記載の医用診断支援装置。
【請求項5】
前記情報出力部は、前記受診者に診断結果を伝える受診者用の画像を生成する表示処理部と、前記受診者用の画像を表示可能な表示部とを備え、
前記表示処理部は、前記症状判別部において前記受診者が視覚障害を負っていることを判別した場合、前記受診者用の画像の輝度、色彩、輪郭のいずれかを前記判別した疾患の程度に合わせて調整することを特徴とする請求項1記載の医用診断支援装置。
【請求項6】
前記情報出力部は、前記受診者に診断結果を伝える音声信号を出力する音声出力部を備え、
前記音声出力部は、前記症状判別部において前記受診者が聴覚障害を負っていることを判別した場合、前記通知方法決定部で決定した音量レベルで前記音声信号を出力することを特徴とする請求項1記載の医用診断支援装置。
【請求項7】
前記情報出力部は、前記受診者に診断結果を伝える受診者用の画像を生成する表示処理部と、前記受診者用の画像を表示可能な表示部とを備え、
前記表示処理部は、前記症状判別部において前記受診者が聴覚障害を負っていることを判別した場合、前記診断結果を表示するメッセージ画像を生成することを特徴とする請求項1記載の医用診断支援装置。
【請求項8】
前記通知方法決定部で決定した通知方法を変更可能な通知方法変更部を備え、前記通知方法を変更したときに前記データベースに変更したデータを保存することを特徴とする請求項1記載の医用診断支援装置。
【請求項9】
検査データを含む医用情報を保存したデータベースから選択した受診者の医用情報を取得し、
取得した医用情報をもとに前記受診者の疾患の程度を判別し、
前記受診者に診断結果を通知する際に、前記判別した疾患の程度に合わせて前記受診者への通知方法を決定し、
情報出力部から前記決定した通知方法で前記受診者に診断結果を通知することを特徴とする医用診断支援方法。
【請求項10】
前記情報出力部は、前記受診者に診断結果を伝える受診者用の画像を生成して表示部に表示し、
前記受診者が視野狭窄の障害を負っていると判別した場合、前記受診者用の画像を前記受診者の視野形状に合わせた形状で前記表示部の固定した位置に表示することを特徴とする請求項9記載の医用診断支援方法。
【請求項11】
前記情報出力部は、前記データベースに保存した前記受診者の医用情報をもとに解説者用の画像を生成し、
前記解説者用の画像から前記解説者が指定した部分の画像を抽出し、前記視野形状に合わせた形状の受診者用の画像を生成し任意のサイズで表示することを特徴とする請求項10記載の医用診断支援方法。
【請求項12】
前記情報出力部は、前記データベースに保存した前記受診者の医用情報をもとに解説者用の画像を生成して表示部に表示し、
前記受診者用の画像として前記視野形状に合わせた枠画像を表示するとともに、前記解説者が前記解説者用の画像上で指定した位置をナビゲートするナビゲート画像を前記枠画像の中に表示することを特徴とする請求項10記載の医用診断支援方法。
【請求項13】
前記情報出力部は、前記受診者に診断結果を伝える受診者用の画像を生成して表示部に表示し、
前記受診者が視覚障害を負っていると判別した場合、前記受診者用の画像の輝度、色彩、輪郭のいずれかを前記判別した疾患の程度に合わせて調整することを特徴とする請求項9記載の医用診断支援方法。
【請求項14】
前記情報出力部は、前記受診者に診断結果を伝える音声信号を生成し、
前記受診者が聴覚障害を負っていると判別した場合、前記決定した通知方法で指示された音量レベルで前記音声信号を出力することを特徴とする請求項9記載の医用診断支援方法。
【請求項15】
前記情報出力部は、前記受診者に診断結果を伝える受診者用の画像を生成して表示部に表示し、前記受診者が聴覚障害を負っていると判別した場合、前記診断結果をメッセージ画像にて表示することを特徴とする請求項9記載の医用診断支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−285290(P2009−285290A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−142548(P2008−142548)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】