医用診断装置及び寝台装置
【課題】被検査者の落下の危険性を医療スタッフが確実かつ迅速に認識できるようにして安全性をさらに高める。
【解決手段】実施形態に係る医用診断装置は、ドーム型に形成された検査ユニットと、被検査者を乗せる天板を有する寝台装置とを備え、上記検査ユニット及び天板を相対的に移動させることにより、天板上の被検査者を検査ユニットにより検査する装置において、被検査者の状態を判定する判定手段と、報知手段とを備える。判定手段は、上記検査ユニット又は天板に対する被検査者の位置を検出し、当該検出された位置を表す情報に基づいて上記被検査者が上記天板から落下する危険性がある状態になっているか否かを判定する。報知手段は、上記判定手段による判定結果を表す情報を医療スタッフに対し報知する。
【解決手段】実施形態に係る医用診断装置は、ドーム型に形成された検査ユニットと、被検査者を乗せる天板を有する寝台装置とを備え、上記検査ユニット及び天板を相対的に移動させることにより、天板上の被検査者を検査ユニットにより検査する装置において、被検査者の状態を判定する判定手段と、報知手段とを備える。判定手段は、上記検査ユニット又は天板に対する被検査者の位置を検出し、当該検出された位置を表す情報に基づいて上記被検査者が上記天板から落下する危険性がある状態になっているか否かを判定する。報知手段は、上記判定手段による判定結果を表す情報を医療スタッフに対し報知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、被検査者を寝台装置に乗せて検査を行う医用診断装置と、被検査者を乗せる寝台装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療診断分野においては、X線を用いたシンチレーションカメラやCT(Computed Tomography)画像診断装置、磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging;MRI)装置等の医用診断装置が多く利用されている。これらの装置には、例えば被検査者を乗せる寝台装置を備え、この寝台装置により被検査者を検査ユニット内に移動させることにより、被検査者の体内情報を検出するものがある。
【0003】
ところで、この種の装置では検査中に被検査者が寝台装置から落下しないようにする必要がある。そこで従来では、例えば寝台装置の天板の形状を凹型に形成したり、被検査者を固定バンドにより寝台装置に固定するといった対策を講じている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−210457号公報
【特許文献2】特開平6−217972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、寝台装置の天板形状を凹型に形成した装置では、検査データの収集エラーや検査のやり直し等に対し被検査者が動揺して寝台装置から勝手に降りようとした場合のように、被検査者が想定外の行動をとった場合に、医師や検査技師等の医療スタッフがこれに気づくのが遅れると、被検査者が寝台装置から落下してしまうおそれがある。また、固定バンドを使用する装置では、被検査者の病状や患部の位置によっては固定バンドを使用することができない場合があり、このような場合にも先に述べたような落下の危険性が残る。
【0006】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、被検査者の落下の危険性を医療スタッフが確実かつ迅速に認識できるようにして、安全性をさらに高めた医用診断装置及び寝台装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る医用診断装置は、ドーム型に形成された検査ユニットと、被検査者を乗せる天板を有する寝台装置とを備え、これらの検査ユニット及び天板を相対的に移動させることにより、天板上の被検査者を検査ユニットにより検査する装置において、被検査者の状態を判定する判定手段と、報知手段とを備える。判定手段は、上記検査ユニット又は天板に対する被検査者の位置を検出し、当該検出された位置を表す情報に基づいて上記被検査者が上記天板から落下する危険性がある状態になっているか否かを判定する。報知手段は、上記判定手段による判定結果を表す情報を医療スタッフに対し報知する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係る医用診断装置の構成を示すブロック図。
【図2】図1に示した医用診断装置による安全領域/危険領域の設定結果の一例を示す図。
【図3】図1に示した医用診断装置において落下リスク有りと判定されたときの被検査者と検査ユニットとの位置関係を示す図。
【図4】図1に示した医用診断装置において落下リスク無しと判定されたときの被検査者と検査ユニットとの位置関係を示す図。
【図5】図1に示した医用診断装置において落下リスク有りと判定されたときの被検査者と検査ユニットとの位置関係を示す図。
【図6】第2の実施形態に係る医用診断装置による安全領域/危険領域の設定結果の一例を示す図。
【図7】第2の実施形態に係る医用診断装置の動作を示す図。
【図8】第3の実施形態に係る寝台装置の構成を示す側面図。
【図9】第3の実施形態に係る寝台装置の構成を示すブロック図。
【図10】図9に示した寝台装置の動作説明を示す図。
【図11】第4の実施形態に係る寝台装置の構成を示すブロック図。
【図12】図11に示した寝台装置の動作説明を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、被検査者を乗せる寝台装置と、X線シンチレーションカメラを上記被検査者の検査対象部位に対し移動させる検査ユニットとを備えた医用診断装置において、検査ユニットと被検査者との位置関係に応じて寝台装置の天板上に安全領域と危険領域を予め設定し、被検査者の現在位置が上記各領域のうち危険領域に含まれる場合に、被検査者が落下する危険性のある状態になっていると判断して、その旨を報知するようにしたものである。
【0010】
(構成)
図1は、第1の実施形態に係る医用診断装置の構成を示すブロック図であり、図中1は検査ユニット、2は寝台装置を示している。寝台装置2は、支持台21に天板22を固定設置したもので、この天板22上に被検査者3が寝た状態で乗せられる。検査ユニット1は、スライド架台11にスタンド架台12を立設し、このスタンド架台12に一対のX線シンチレーションカメラ13,14を固定したものとなっている。スライド架台11はモータを動力源とする駆動機構を備え、図示しないレールに案内されて水平方向(矢印A方向)にスライド移動することにより、上記X線シンチレーションカメラ13,14を被検査者3の検査対象部位に位置決めする。
【0011】
ところで、第1の実施形態に係る医用診断装置は、落下リスク監視ユニット4をさらに備えている。この落下リスク監視ユニット4は、架台データ記憶部41と、被検査者データ記憶部42と、領域設定部43と、移動位置検出部44と、落下リスク判定部45と、報知制御部46とを備えている。このうち、領域設定部43、移動位置検出部44、落下リスク判定部45及び報知制御部46は、プログラムをCPUに実行させることにより実現される。
【0012】
架台データ記憶部41には、上記寝台装置2に対する上記検査ユニット1の初期位置と、検査ユニット2のスタンド架台12の移動方向Aのサイズを表す情報が予め記憶されている。被検査者データ記憶部42には、被検査者3の身長を含む身体データが当該被検査者3のID情報に関連付けて記憶される。この身体データは、例えば検査技師が図示しない端末から入力するか、又は電子カルテのデータ等を記憶した図示しない医用情報管理サーバからダウンロードすることにより記憶される。
【0013】
領域設定部43は、被検査者3のID情報をもとに、被検査者データ記憶部42から該当する被検査者3の身体データを読み出す。またそれと共に、架台データ記憶部41から、寝台装置2に対する上記検査ユニット1の初期位置とスタンド架台12の移動方向Aのサイズを表す情報を読み出す。そして、上記読み出された被検査者3の身体データと、上記初期位置及びスタンド架台12の奥行きサイズとに基づいて、寝台装置2の天板22に対し安全領域と危険領域を設定する。
【0014】
移動位置検出部44は、上記検査ユニット1のスライド架台11からその移動量を表すデータを取り込む。そして、この取り込んだ移動量を表すデータをもとに、検査ユニット1のスタンド架台12の現在位置を計算する。より具体的には、スタンド架台12の移動方向の中心線Oの位置を計算する。
【0015】
落下リスク判定部45は、上記計算されたスタンド架台12の現在位置が、上記領域設定部43により寝台装置2の天板22上に設定された安全領域及び危険領域の何れに含まれるかを判定する。そして、スタンド架台12の現在位置が危険領域に含まれている場合に、被検査者3が天板22から落下する危険性のある状態にあると判定し、その判定結果を表す情報を報知制御部46へ出力する。
【0016】
報知制御部46は、上記落下リスク判定部45により被検査者3が天板22から落下する危険性のある状態にあると判定された場合に、発光器47及びスピーカ48を駆動して光及び音によるアラームを発生させる。発光器47は、例えばその発光が被検査者3からは見えずかつ検査技師が常時視認できる場所に設置される。また、スピーカ48は、例えばその音が被検査者3には聞こえずかつ検査技師には確実に聞こえる場所に設置される。
【0017】
(動作)
検査に先立ち、検査技師が端末から被検査者3のID情報を入力すると、領域設定部43において、被検査者データ記憶部42から上記ID情報に関連付けられた被検査者3の身体データが読み出される。またそれと共に、架台データ記憶部41から、寝台装置2に対する上記検査ユニット1の初期位置とスタンド架台12の移動方向のサイズを表す情報が読み出される。そして、領域設定部43では、上記読み出された被検査者3の身体データと、上記初期位置及びスタンド架台12の移動方向のサイズとに基づいて、寝台装置2の天板22に対し以下のように安全領域と危険領域を設定する。
【0018】
すなわち、検査中において、検査ユニット1のスタンド架台12はスライド移動して被検査者3の両サイドをゆっくりと通過するが、スタンド架台12が被検査者3の胴体部分の両サイドに位置しているときには、当該スタンド架台12が落下防止壁として機能するため被検査者3が落下する危険は少ない。これに対し、スタンド架台12が被検査者3の頭部又は脚部の両サイドに位置しているときには、当該スタンド架台12は被検査者3に対し落下防止壁として機能しないため被検査者3が落下する危険は大きくなる。
【0019】
そこで、上記読み出された被検査者3の身体データ、特に身長又は座高のサイズと、スタンド架台12の初期位置及び移動方向のサイズとに基づいて、寝台装置2の天板22に対し、例えば図2に示すように安全領域及び危険領域を設定する。安全領域及び危険領域は、より具体的には検査ユニット1の移動方向Aにおける位置座標として設定される。この設定された安全領域及び危険領域を表す位置座標は、領域設定部43内のメモリに保存される。
【0020】
さて、この状態で天板22上に被検査者が横臥した状態で乗り、検査が開始されると、検査ユニット1がスライド架台11の駆動によりゆっくりと移動し、そのスタンド架台12が被検査者3の両サイドを通過する。この移動過程において、検査ユニット1のスライド架台11からは移動量を表すデータが一定の時間間隔で出力され、移動位置検出部44に入力される。移動位置検出部44では、上記移動量データが入力されるごとに、この移動量データをもとにスタンド架台12の位置座標が計算される。正確には、スタンド架台12の移動方向Aにおける中心線Oの位置座標が計算される。
【0021】
上記スタンド架台12の位置座標が算出されると、落下リスク判定部45ではこの算出されたスタンド架台12の位置座標が、上記領域設定部43において設定された安全領域及び危険領域を表す位置座標と比較され、上記スタンド架台12の位置座標が上記安全領域及び危険領域の何れに含まれるか判定される。そして、この比較の結果、スタンド架台12の位置座標が危険領域に含まれている場合には、被検査者3が天板22から落下する危険性のある状態にあると判定され、その判定結果を表す情報が報知制御部46へ出力される。この判定結果を受けると報知制御部46は、発光器47及びスピーカ48を駆動して光及び音によるアラームを発生させる。
【0022】
例えば、いま検査ユニット1の移動位置(正確にはスタンド架台12の中心線Oの位置)が、図3又は図5に示すように危険領域に含まれるときには、被検査者3が天板22から落下する危険性のある状態、つまり落下リスクがONの状態にあると判定され、報知制御部46により発光器47及びスピーカ48から光及び音によるアラームが発生される。一方、検査ユニット1の移動位置(正確にはスタンド架台12の中心線Oの位置)が、図4に示すように安全領域に含まれるときには、被検査者3は天板22から落下する危険性のない状態、つまり落下リスクがOFFの状態にあると判定され、発光器47及びスピーカ48からは光及び音によるアラームが発生しない。
【0023】
以上詳述したように第1の実施形態では、被検査者3を乗せる寝台装置2と、X線シンチレーションカメラ13,14を上記被検査者3の検査対象部位に対し移動させる検査ユニット1とを備えた医用診断装置において、検査ユニット1と被検査者3との位置関係に応じて寝台装置2の天板22上に安全領域と危険領域を予め設定し、被検査者3の現在位置が上記各領域のうち危険領域に含まれる場合に、被検査者3が落下する危険性のある状態になっていると判断して、その旨を報知するようにしている。
【0024】
したがって、医師や検査技師等の医療スタッフは、被検査者3が落下する危険性のある状態になっている場合に、この状態をアラームにより確実に認識することが可能となり、この状態で被検査者3が天板22から降りようとする等の想定外の行動をとった場合でも、速やかに対応することが可能となる。また、固定バンドを使用することができない被検査者3に対しても、落下する危険性のある状態になった場合にはこの状態を確実に認識し、その後の被検査者の行動に注意を払うことが可能となる。
【0025】
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、被検査者を乗せた天板を検査ユニットとしてのガントリ内に進退自在に移動させることにより被検査者の体内情報を得るCT診断装置において、上記ガントリと被検査者との位置関係に応じて天板上に安全領域と危険領域を予め設定し、被検査者の位置が上記各領域のうち危険領域に含まれる場合に、被検査者が落下する危険性のある状態になっていると判断して、その旨を報知するようにしたものである。
【0026】
(構成)
図6は、第2の実施形態に係る医用診断装置(CT診断装置)の構成を示すブロック図であり、図中5は検査ユニットとしてのガントリ、6は寝台装置を示している。寝台装置6は、支持架台61上に配置した天板52を、支持架台61内に設けられた駆動機構によりガントリ5内にスライド移動させることが可能な構成となっている。
【0027】
第2の実施形態に係る医用診断装置も、第1の実施形態で説明した装置と同様に、架台データ記憶部41と、被検査者データ記憶部42と、領域設定部43と、移動位置検出部44と、落下リスク判定部45と、報知制御部46とを備えた落下リスク監視ユニット4を備えている。なお、この落下リスク監視ユニット4については、図1と同一構成のため図6中の図示を省略している。
【0028】
領域設定部43は、被検査者データ記憶部42から被検査者3の身体データを読み出すと共に、架台データ記憶部41からガントリ5の奥行き方向の中心線Oに対する天板62の初期位置と、ガントリ5の奥行き方向のサイズを表す情報を読み出す。そして、上記読み出された被検査者3の身体データと、上記初期位置及びガントリ5の奥行きサイズとに基づいて、寝台装置6の天板62に対し安全領域と危険領域を設定する。図6にその設定結果の一例を示す。
【0029】
移動位置検出部44は、上記寝台装置6の支持架台61から天板62の移動量を表すデータを取り込む。そして、この取り込んだ天板62の移動量を表すデータをもとに、ガントリ5の奥行き方向の中心線Oに対し天板62のどの位置が対応しているかを計算する。
【0030】
落下リスク判定部45は、上記移動位置検出部44により計算された天板62の位置が、上記領域設定部43により寝台装置2の天板62上に設定された安全領域及び危険領域の何れに含まれるかを判定する。そして、天板62の位置が危険領域に含まれている場合には、被検査者3が天板62から落下する危険性のある状態にあると判定し、その判定結果を表す情報を報知制御部46へ出力する。
【0031】
報知制御部46は、上記落下リスク判定部45により被検査者3が天板62から落下する危険性のある状態にあると判定された場合に、発光器47及びスピーカ48を駆動して光及び音によるアラームを発生させる。
【0032】
(動作)
検査中において、被検査者3は天板62に乗せられた状態でスライド移動してガントリ5内に入るが、被検査者3の胴体部分がガントリ5内に位置しているときには、当該ガントリ5が落下防止壁として機能するため被検査者3が落下する危険は少ない。これに対し、被検査者3がガントリ5内に入っていない状態や、入っていても頭部又は脚部のみがガントリ5内に位置しているときには、当該ガントリ5は被検査者3に対し落下防止壁として機能しないため被検査者3が落下する危険は大きくなる。
【0033】
そこで、上記読み出された被検査者3の身体データ、特に身長又は座高のサイズと、ガントリ5の奥行き方向の中心線Oに対する天板62の初期位置及びガントリ5の奥行きサイズとに基づいて、天板62に対し例えば図6に示すように安全領域及び危険領域を設定する。安全領域及び危険領域は、天板62の移動方向における位置座標として設定される。この設定された安全領域及び危険領域を表す位置座標は、領域設定部43内のメモリに保存される。
【0034】
さて、この状態で天板62上に被検査者が横臥した状態で乗り、検査が開始されると、天板62が支持架台61の駆動によりゆっくりとスライド移動し、ガントリ5内に入る。この移動過程において、寝台装置6の支持架台61からは天板62の移動量を表すデータが一定の時間間隔で出力され、移動位置検出部44に入力される。移動位置検出部44では、上記移動量データが入力されるごとに、この移動量データをもとにガントリ5の奥行き方向の中心線Oに対し天板62のどの位置が対応しているかが計算される。
【0035】
上記天板62の位置座標が算出されると、落下リスク判定部45ではこの算出された天板62の位置座標が、上記領域設定部43において設定された安全領域及び危険領域を表す位置座標と比較され、上記天板62の位置座標が上記安全領域及び危険領域の何れに含まれるか判定される。そして、この比較の結果、天板62の位置座標が危険領域に含まれている場合には、被検査者3が天板62から落下する危険性のある状態にあると判定され、その判定結果を表す情報が報知制御部46へ出力される。この判定結果を受けると報知制御部46は、発光器47及びスピーカ48を駆動して光及び音によるアラームを発生させる。
【0036】
例えば、ガントリ5の奥行き方向の中心線Oに対する天板62の位置が、図6に示すように危険領域に含まれるときには、被検査者3が天板62から落下する危険性のある状態、つまり落下リスクがONの状態にあると判定され、報知制御部46により発光器47及びスピーカ48から光及び音によるアラームが発生される。
【0037】
一方、ガントリ5の奥行き方向の中心線Oに対する天板62の位置が、図7に示すように安全領域に含まれるときには、被検査者3は天板62から落下する危険性のない状態、つまり落下リスクがOFFの状態にあると判定され、発光器47及びスピーカ48からは光及び音によるアラームが発生しない。
【0038】
以上詳述したように第2の実施形態では、被検査者3を乗せた天板62をガントリ5内に移動させることにより被検査者3の体内情報を得るCT診断装置において、上記ガントリ5と被検査者3との位置関係に応じて天板62上に安全領域と危険領域を予め設定し、ガントリ5の奥行き方向の中心線Oに対する天板62の位置が、上記予め設定した危険領域に含まれる場合に、被検査者3が落下する危険性のある状態になっていると判断して、その旨を報知するようにしている。
【0039】
したがって、第1の実施形態と同様に、医師や検査技師等の医療スタッフは、被検査者3が落下する危険性のある状態になっている場合に、この状態をアラームにより確実に認識することが可能となる。したがって、この状態で被検査者3が検査中に天板62から降りようとする等の想定外の行動をとった場合でも、速やかに対応することが可能となる。また、固定バンドを使用することができない被検査者3に対しても、落下する危険性のある状態になった場合にはこの状態を確実に認識し、その後の被検査者の行動に注意を払うことが可能となる。
【0040】
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、医用診断装置の一部として、或いは単独で使用される寝台装置において、天板の上面に複数のマットセンサを配設し、これらのマットセンサによる被検査者の検出信号を落下リスク監視ユニットに入力する。そして、落下リスク監視ユニットにおいて、上記入力された検出信号を落下リスク判定のために予め記憶しておいた判定基準データと比較して、被検査者が落下する危険性のある状態になっているか否かを判定し、落下する危険性のある状態になっていると判定された場合にその旨を報知するようにしたものである。
【0041】
(構成)
図8及び図9は、第3の実施形態に係る寝台装置の構成を示す図であり、図8は側面図、図9は平面図及び機能ブロック図である。
寝台装置7は、支持架台71上に天板72を設置したもので、天板72上の被検査者を乗せるべき領域には9枚のマットセンサ81〜89が配設される。マットセンサ81〜89は例えば柔軟性を有するマット内に感圧スイッチを設けたもので、被検査者3の重量を検知すると検出信号を出力する。これらの検出信号は、信号ケーブルを介して落下リスク監視ユニット9に入力される。
【0042】
落下リスク監視ユニット9は、基準データ記憶部91と、センサ信号受信部92と、落下リスク判定部93と、報知制御部94を備えている。このうちセンサ信号受信部92、落下リスク判定部93及び報知制御部94は、プログラムをCPUに実行させることにより実現される。
【0043】
報知制御部94には、信号ケーブル等を介して発光器95及びスピーカ96が接続される。発光器95は、例えばその発光が被検査者3からは見えずかつ検査技師が常時視認できる場所に設置される。また、スピーカ96は、例えばその音が被検査者3には聞こえずかつ検査技師には確実に聞こえる場所に設置される。
【0044】
基準データ記憶部91には、天板72から被検査者が落下する危険性がある状態のときの各マットセンサ81〜89による被検査者の全ての検出パターンが判定基準データとして記憶される。この判定基準データは、例えば医師や検査技師等の医療スタッフが端末を操作することで入力される。
【0045】
センサ信号受信部92は、上記各マットセンサ81〜89から出力された検出信号を一定の時間間隔で受信する。そして、検出信号が受信されるごとに、この受信された各検出信号をもとにマットセンサ81〜89による被検査者の検出パターンを生成し、この生成した検出パターンを落下リスク判定部93へ出力する。
【0046】
落下リスク判定部93は、上記センサ信号受信部92から出力された検出パターンを、上記基準データ記憶部91に記憶された判定基準データと比較し、一致するか否かを判定する。そして、検出パターンが判定基準データのいずれかと一致すると、アラームの発生を指示する信号を報知制御部94へ出力する。
報知制御部94は、上記落下リスク判定部93からアラームの発生指示が出力された場合に、発光器95及びスピーカ96を駆動して光及び音によるアラームを発生させる。
【0047】
(動作)
天板72上に被検査者が横臥すると、落下リスク監視ユニット9が動作を開始する。落下リスク監視ユニット9は、センサ信号受信部92がマットセンサ81〜89から出力される検出信号を一定の時間間隔で取り込み、この受信された各検出信号をもとにマットセンサ81〜89による被検査者の検出パターンを生成して落下リスク判定部93へ出力する。
【0048】
落下リスク判定部93では、上記センサ信号受信部92から出力された検出パターンが、上記基準データ記憶部91に記憶された判定基準データと比較され、一致するか否かが判定される。そして、検出パターンが判定基準データのいずれかと一致すると、アラームの発生を指示する信号が報知制御部94へ出力される。報知制御部94は、上記指示信号を受信すると、発光器95及びスピーカ96を駆動して光及び音によるアラームを発生させる。
【0049】
例えば、いま被検査者3が図10(a)に示すように天板72のほぼ中央領域に寝ていたとする。この場合には、全てのマットセンサ81〜89から被検査者を検知したことを示す検出信号が出力される。このため、センサ信号受信部92では、上記検出信号をもとに全マットセンサ81〜89で被検査者が検出されたことを表す検出パターンが生成され、この検出パターンが落下リスク判定部93において判定基準データと比較される。このとき、基準データ記憶部91には、全マットセンサ81〜89で被検査者が検出されたことを表す検出パターンは判定基準データとして記憶されていない。このため、上記検出パターンは判定基準データの何れとも一致しない。したがって、落下リスク判定部93からはアラームの発生指示は出力されず、この結果発光器95及びスピーカ96からアラームは発生しない。
【0050】
一方、被検査者3が天板72上で動き、その位置が図10(b)に示すように天板72の片方のサイドに偏った位置に変化したとする。この場合には、全マットセンサ81〜89のうちマットセンサ82,83,85,86,88,89から被検査者を検知したことを示す検出信号が出力され、マットセンサ81,84,87からは検出信号は出力されない。このため、センサ信号受信部92では、上記検出信号をもとに全マットセンサ81〜89のうちマットセンサ82,83,85,86,88,89のみで被検査者が検出されたことを表す検出パターンが生成され、この検出パターンが落下リスク判定部93において判定基準データと比較される。このとき、基準データ記憶部91には、マットセンサ82,83,85,86,88,89のみで被検査者が検出されたことを表す検出パターンが判定基準データとして記憶されている。このため、上記検出パターンは判定基準データの1つと一致し、この結果報知制御部94に対しアラームの発生指示が送られる。この結果、発光器95及びスピーカ96からはアラームを表す光及び音が発生される。
【0051】
以上詳述したように第3の実施形態では、天板72の上面にマットセンサ81〜89を配設し、これらのマットセンサ81〜89による被検査者3の検出信号を落下リスク監視ユニット9に入力する。そして、落下リスク監視ユニット9において、上記入力された検出信号を落下リスク判定のために予め記憶しておいた判定基準データと比較して、被検査者が落下する危険性のある状態になっているか否かを判定し、落下する危険性のある状態になっていると判定された場合に発光器95及びスピーカ96からはアラームを発生するようにしている。
【0052】
したがって、天板72上で被検査者3が例えば天板72から降りようとして体の位置を天板72の片側に移動させると、この天板72上における被検査者の位置の偏位が落下リスク監視ユニット9により検出され、発光器95及びスピーカ96からアラームが発生される。このため、医師や検査技師等の医療スタッフは、被検査者3が落下する危険性のある状態になっている場合に、この状態をアラームにより確実に認識することが可能となる。したがって、被検査者3が検査中に天板62から降りようとする等の想定外の行動をとった場合でも、速やかに対応することが可能となる。また、固定バンドを使用することができない被検査者3に対しても、落下する危険性のある状態になった場合にはこの状態を確実に認識し、その後の被検査者の行動に注意を払うことが可能となる。
【0053】
[第4の実施形態]
第4の実施形態は、医用診断装置の一部として、或いは単独で使用される寝台装置において、天板上の両側部にそれぞれエッジセンサを配設し、これらのエッジセンサによる被検査者の検出信号を落下リスク監視ユニットに入力する。そして、落下リスク監視ユニットにおいて、上記エッジセンサの検出信号が入力されたとき、被検査者が落下する危険性のある状態になっていると判定し、その旨を報知するようにしたものである。
【0054】
(構成)
図11は、第4の実施形態に係る寝台装置の構成を示す平面図及び機能ブロック図である。なお、寝台装置自体の構造は第3の実施形態で述べたものと同一なので説明は省略する。
【0055】
天板72上の両側部にはそれぞれエッジセンサ101〜106が配設されている。これらのエッジセンサ101〜106は、例えば天板72のエッジ部分に設けられる緩衝部材に感圧スイッチを設けたものからなり、被検査者3の身体の接触を検知すると検出信号を出力する。これらの検出信号は、信号ケーブルを介して落下リスク監視ユニット11に入力される。
【0056】
落下リスク監視ユニット11は、基準データ記憶部111と、センサ信号受信部112と、落下リスク判定部113と、報知制御部114を備えている。このうちセンサ信号受信部112、落下リスク判定部113及び報知制御部114は、プログラムをCPUに実行させることにより実現される。また報知制御部114には、第1乃至3の実施形態と同様に、信号ケーブル等を介して発光器115及びスピーカ116が接続される。
【0057】
基準データ記憶部111には、天板72から被検査者が落下する危険性がある状態のときの各エッジセンサ101〜106による被検査者の全ての検出パターンが判定基準データとして記憶される。最も簡単な例では、エッジセンサ101〜106の少なくとも一つで被検査者が検出されたときの検出パターンが判定基準データとして記憶される。なお、この判定基準データは、例えば医師や検査技師等の医療スタッフが端末を操作することで入力される。
【0058】
センサ信号受信部112は、上記各マットセンサ101〜106から出力された検出信号を一定の時間間隔で受信する。そして、検出信号が受信されるごとに、この受信された各検出信号をもとにマットセンサ101〜106による被検査者の検出パターンを生成し、この生成した検出パターンを落下リスク判定部113へ出力する。
【0059】
落下リスク判定部113は、上記センサ信号受信部112から出力された検出パターンを、上記基準データ記憶部111に記憶された判定基準データと比較し、一致するか否かを判定する。そして、検出パターンが判定基準データのいずれかと一致すると、アラームの発生を指示する信号を報知制御部114へ出力する。
【0060】
報知制御部114は、上記落下リスク判定部115からアラームの発生指示が出力された場合に、発光器115及びスピーカ116を駆動して光及び音によるアラームを発生させる。
【0061】
(動作)
天板72上に被検査者が横臥すると、落下リスク監視ユニット11が動作を開始する。落下リスク監視ユニット11は、センサ信号受信部112がエッジセンサ101〜106から出力される検出信号を一定の時間間隔で取り込み、この受信された各検出信号をもとにエッジセンサ101〜106による被検査者の検出パターンを生成して落下リスク判定部113へ出力する。
【0062】
落下リスク判定部113では、上記センサ信号受信部112から出力された検出パターンが、上記基準データ記憶部111に記憶された判定基準データと比較され、一致するか否かが判定される。そして、検出パターンが判定基準データのいずれかと一致すると、アラームの発生を指示する信号が報知制御部114へ出力される。報知制御部114は、上記指示信号を受信すると、発光器115及びスピーカ116を駆動して光及び音によるアラームを発生させる。
【0063】
例えば、いま被検査者3が図12(a)に示すように天板72のほぼ中央領域に寝ていたとする。この状態では、被検査者3の身体はエッジセンサ101〜106に接触しないため、エッジセンサ101〜106からは被検査者を検知したことを示す検出信号は出力されない。一方、基準データ記憶部111には、全てのエッジセンサ101〜106で被検査者が検出されないことを表す検出パターンは判定基準データとして記憶されていない。このため、落下リスク判定部113からはアラームの発生指示は出力されず、この結果発光器115及びスピーカ116からアラームは発生しない。
【0064】
一方、被検査者3が天板72上で動き、これにより被検査者3が図12(b)に示すように天板72の片方のサイドに偏った位置に移動したとする。この場合には、エッジセンサ101〜103から被検査者を検知したことを示す検出信号が出力される。このため、センサ信号受信部112では、上記検出信号をもとにエッジセンサ101〜103において被検査者が検出されたことを表す検出パターンが生成され、この検出パターンが落下リスク判定部113において判定基準データと比較される。このとき、基準データ記憶部111には、エッジセンサ101〜106のいずれか1つでも被検査者が検出された場合の検出パターンが判定基準データとして記憶されている。このため、上記検出パターンは判定基準データの1つと一致し、この結果報知制御部114に対しアラームの発生指示が送られる。この結果、発光器115及びスピーカ116からはアラームを表す光及び音が発生される。このため、医療スタッフはこのアラームにより、被検査者が天板72から落下する危険性がある状態であることを認識することができ、注意を払うことができる。
【0065】
以上詳述したように第4の実施形態では、天板72上の両側部にそれぞれエッジセンサ101〜106を配設し、これらのエッジセンサ101〜106のいずれかにより被検査者3が検出されたとき、被検査者が落下する危険性のある状態になっていると判定し、その旨を報知するようにしている。
【0066】
したがって、天板72上で被検査者3が例えば天板72から降りようとし、身体の一部がエッジセンサ101〜106に接触すると、発光器95及びスピーカ96からアラーム光及び音が発生される。このため、医療スタッフは、被検査者3が落下する危険性のある状態になったことを確実に認識することが可能となる。また、固定バンドを使用することができない被検査者3に対しても、落下する危険性のある状態になった場合にはこの状態を確実に認識し、その後の被検査者の行動に注意を払うことが可能となる。
【0067】
[他の実施形態]
第1又は第2の実施形態において述べた医用診断装置において、天板22上に第3又は第4の実施形態で述べたマットセンサ81〜89又はエッジセンサ101〜106を設け、検査ユニット1又はガントリ5と天板上の被検査者3との位置関係に基づく落下リスクの判定結果と、上記マットセンサ81〜89又はエッジセンサ101〜106による被検査者3の検出結果に基づく落下リスクの判定結果とを総合して、最終的な落下リスクを判定するようにしてもよい。
【0068】
例えば、マットセンサ81〜89又はエッジセンサ101〜106による被検査者3の検出結果をもとに落下リスク判定部93又は113により落下リスクがあると判定された場合でも、被検査者を乗せた天板が検査ユニット1又はガントリ5のドーム内を移動している場合には、最終的に落下リスク無しと判定する。
【0069】
また反対に、被検査者を乗せた天板が検査ユニット1又はガントリ5のドーム内を移動していて、落下リスク判定部45で落下リスクがないと判定されている状態でも、マットセンサ81〜89又はエッジセンサ101〜106による被検査者3の検出結果をもとに落下リスク判定部93又は113により落下リスクがあると判定された場合には、最終的に落下リスク有りと判定する。
【0070】
その他、天板に対する安全領域/危険領域の設定方法や、落下リスクがある旨を報知する手段、マットセンサ及びエッジセンサの種類やその構成、設置位置、医用診断装置の種類とその構成等についても、種々変形して実施できる。
【0071】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0072】
1…検査ユニット、2,6,7…寝台装置、3…被検査者、4,9,11…落下リスク監視ユニット、5…ガントリ部、11…スライド架台、12…スタンド架台、13,14…カメラ、21,61,71…支持架台、22,62,72…天板、41…架台データ記憶部、42…被検査者データ記憶部、43…領域設定部、44…移動位置検出部、45,93,113…落下リスク判定部、46,64,114…報知制御部、46,95,115…スピーカ、47,96,116…発光器、81〜89マットセンサ、92,112…センサ信号受信部、101〜106…エッジセンサ。
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、被検査者を寝台装置に乗せて検査を行う医用診断装置と、被検査者を乗せる寝台装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療診断分野においては、X線を用いたシンチレーションカメラやCT(Computed Tomography)画像診断装置、磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging;MRI)装置等の医用診断装置が多く利用されている。これらの装置には、例えば被検査者を乗せる寝台装置を備え、この寝台装置により被検査者を検査ユニット内に移動させることにより、被検査者の体内情報を検出するものがある。
【0003】
ところで、この種の装置では検査中に被検査者が寝台装置から落下しないようにする必要がある。そこで従来では、例えば寝台装置の天板の形状を凹型に形成したり、被検査者を固定バンドにより寝台装置に固定するといった対策を講じている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−210457号公報
【特許文献2】特開平6−217972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、寝台装置の天板形状を凹型に形成した装置では、検査データの収集エラーや検査のやり直し等に対し被検査者が動揺して寝台装置から勝手に降りようとした場合のように、被検査者が想定外の行動をとった場合に、医師や検査技師等の医療スタッフがこれに気づくのが遅れると、被検査者が寝台装置から落下してしまうおそれがある。また、固定バンドを使用する装置では、被検査者の病状や患部の位置によっては固定バンドを使用することができない場合があり、このような場合にも先に述べたような落下の危険性が残る。
【0006】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、被検査者の落下の危険性を医療スタッフが確実かつ迅速に認識できるようにして、安全性をさらに高めた医用診断装置及び寝台装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る医用診断装置は、ドーム型に形成された検査ユニットと、被検査者を乗せる天板を有する寝台装置とを備え、これらの検査ユニット及び天板を相対的に移動させることにより、天板上の被検査者を検査ユニットにより検査する装置において、被検査者の状態を判定する判定手段と、報知手段とを備える。判定手段は、上記検査ユニット又は天板に対する被検査者の位置を検出し、当該検出された位置を表す情報に基づいて上記被検査者が上記天板から落下する危険性がある状態になっているか否かを判定する。報知手段は、上記判定手段による判定結果を表す情報を医療スタッフに対し報知する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係る医用診断装置の構成を示すブロック図。
【図2】図1に示した医用診断装置による安全領域/危険領域の設定結果の一例を示す図。
【図3】図1に示した医用診断装置において落下リスク有りと判定されたときの被検査者と検査ユニットとの位置関係を示す図。
【図4】図1に示した医用診断装置において落下リスク無しと判定されたときの被検査者と検査ユニットとの位置関係を示す図。
【図5】図1に示した医用診断装置において落下リスク有りと判定されたときの被検査者と検査ユニットとの位置関係を示す図。
【図6】第2の実施形態に係る医用診断装置による安全領域/危険領域の設定結果の一例を示す図。
【図7】第2の実施形態に係る医用診断装置の動作を示す図。
【図8】第3の実施形態に係る寝台装置の構成を示す側面図。
【図9】第3の実施形態に係る寝台装置の構成を示すブロック図。
【図10】図9に示した寝台装置の動作説明を示す図。
【図11】第4の実施形態に係る寝台装置の構成を示すブロック図。
【図12】図11に示した寝台装置の動作説明を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、被検査者を乗せる寝台装置と、X線シンチレーションカメラを上記被検査者の検査対象部位に対し移動させる検査ユニットとを備えた医用診断装置において、検査ユニットと被検査者との位置関係に応じて寝台装置の天板上に安全領域と危険領域を予め設定し、被検査者の現在位置が上記各領域のうち危険領域に含まれる場合に、被検査者が落下する危険性のある状態になっていると判断して、その旨を報知するようにしたものである。
【0010】
(構成)
図1は、第1の実施形態に係る医用診断装置の構成を示すブロック図であり、図中1は検査ユニット、2は寝台装置を示している。寝台装置2は、支持台21に天板22を固定設置したもので、この天板22上に被検査者3が寝た状態で乗せられる。検査ユニット1は、スライド架台11にスタンド架台12を立設し、このスタンド架台12に一対のX線シンチレーションカメラ13,14を固定したものとなっている。スライド架台11はモータを動力源とする駆動機構を備え、図示しないレールに案内されて水平方向(矢印A方向)にスライド移動することにより、上記X線シンチレーションカメラ13,14を被検査者3の検査対象部位に位置決めする。
【0011】
ところで、第1の実施形態に係る医用診断装置は、落下リスク監視ユニット4をさらに備えている。この落下リスク監視ユニット4は、架台データ記憶部41と、被検査者データ記憶部42と、領域設定部43と、移動位置検出部44と、落下リスク判定部45と、報知制御部46とを備えている。このうち、領域設定部43、移動位置検出部44、落下リスク判定部45及び報知制御部46は、プログラムをCPUに実行させることにより実現される。
【0012】
架台データ記憶部41には、上記寝台装置2に対する上記検査ユニット1の初期位置と、検査ユニット2のスタンド架台12の移動方向Aのサイズを表す情報が予め記憶されている。被検査者データ記憶部42には、被検査者3の身長を含む身体データが当該被検査者3のID情報に関連付けて記憶される。この身体データは、例えば検査技師が図示しない端末から入力するか、又は電子カルテのデータ等を記憶した図示しない医用情報管理サーバからダウンロードすることにより記憶される。
【0013】
領域設定部43は、被検査者3のID情報をもとに、被検査者データ記憶部42から該当する被検査者3の身体データを読み出す。またそれと共に、架台データ記憶部41から、寝台装置2に対する上記検査ユニット1の初期位置とスタンド架台12の移動方向Aのサイズを表す情報を読み出す。そして、上記読み出された被検査者3の身体データと、上記初期位置及びスタンド架台12の奥行きサイズとに基づいて、寝台装置2の天板22に対し安全領域と危険領域を設定する。
【0014】
移動位置検出部44は、上記検査ユニット1のスライド架台11からその移動量を表すデータを取り込む。そして、この取り込んだ移動量を表すデータをもとに、検査ユニット1のスタンド架台12の現在位置を計算する。より具体的には、スタンド架台12の移動方向の中心線Oの位置を計算する。
【0015】
落下リスク判定部45は、上記計算されたスタンド架台12の現在位置が、上記領域設定部43により寝台装置2の天板22上に設定された安全領域及び危険領域の何れに含まれるかを判定する。そして、スタンド架台12の現在位置が危険領域に含まれている場合に、被検査者3が天板22から落下する危険性のある状態にあると判定し、その判定結果を表す情報を報知制御部46へ出力する。
【0016】
報知制御部46は、上記落下リスク判定部45により被検査者3が天板22から落下する危険性のある状態にあると判定された場合に、発光器47及びスピーカ48を駆動して光及び音によるアラームを発生させる。発光器47は、例えばその発光が被検査者3からは見えずかつ検査技師が常時視認できる場所に設置される。また、スピーカ48は、例えばその音が被検査者3には聞こえずかつ検査技師には確実に聞こえる場所に設置される。
【0017】
(動作)
検査に先立ち、検査技師が端末から被検査者3のID情報を入力すると、領域設定部43において、被検査者データ記憶部42から上記ID情報に関連付けられた被検査者3の身体データが読み出される。またそれと共に、架台データ記憶部41から、寝台装置2に対する上記検査ユニット1の初期位置とスタンド架台12の移動方向のサイズを表す情報が読み出される。そして、領域設定部43では、上記読み出された被検査者3の身体データと、上記初期位置及びスタンド架台12の移動方向のサイズとに基づいて、寝台装置2の天板22に対し以下のように安全領域と危険領域を設定する。
【0018】
すなわち、検査中において、検査ユニット1のスタンド架台12はスライド移動して被検査者3の両サイドをゆっくりと通過するが、スタンド架台12が被検査者3の胴体部分の両サイドに位置しているときには、当該スタンド架台12が落下防止壁として機能するため被検査者3が落下する危険は少ない。これに対し、スタンド架台12が被検査者3の頭部又は脚部の両サイドに位置しているときには、当該スタンド架台12は被検査者3に対し落下防止壁として機能しないため被検査者3が落下する危険は大きくなる。
【0019】
そこで、上記読み出された被検査者3の身体データ、特に身長又は座高のサイズと、スタンド架台12の初期位置及び移動方向のサイズとに基づいて、寝台装置2の天板22に対し、例えば図2に示すように安全領域及び危険領域を設定する。安全領域及び危険領域は、より具体的には検査ユニット1の移動方向Aにおける位置座標として設定される。この設定された安全領域及び危険領域を表す位置座標は、領域設定部43内のメモリに保存される。
【0020】
さて、この状態で天板22上に被検査者が横臥した状態で乗り、検査が開始されると、検査ユニット1がスライド架台11の駆動によりゆっくりと移動し、そのスタンド架台12が被検査者3の両サイドを通過する。この移動過程において、検査ユニット1のスライド架台11からは移動量を表すデータが一定の時間間隔で出力され、移動位置検出部44に入力される。移動位置検出部44では、上記移動量データが入力されるごとに、この移動量データをもとにスタンド架台12の位置座標が計算される。正確には、スタンド架台12の移動方向Aにおける中心線Oの位置座標が計算される。
【0021】
上記スタンド架台12の位置座標が算出されると、落下リスク判定部45ではこの算出されたスタンド架台12の位置座標が、上記領域設定部43において設定された安全領域及び危険領域を表す位置座標と比較され、上記スタンド架台12の位置座標が上記安全領域及び危険領域の何れに含まれるか判定される。そして、この比較の結果、スタンド架台12の位置座標が危険領域に含まれている場合には、被検査者3が天板22から落下する危険性のある状態にあると判定され、その判定結果を表す情報が報知制御部46へ出力される。この判定結果を受けると報知制御部46は、発光器47及びスピーカ48を駆動して光及び音によるアラームを発生させる。
【0022】
例えば、いま検査ユニット1の移動位置(正確にはスタンド架台12の中心線Oの位置)が、図3又は図5に示すように危険領域に含まれるときには、被検査者3が天板22から落下する危険性のある状態、つまり落下リスクがONの状態にあると判定され、報知制御部46により発光器47及びスピーカ48から光及び音によるアラームが発生される。一方、検査ユニット1の移動位置(正確にはスタンド架台12の中心線Oの位置)が、図4に示すように安全領域に含まれるときには、被検査者3は天板22から落下する危険性のない状態、つまり落下リスクがOFFの状態にあると判定され、発光器47及びスピーカ48からは光及び音によるアラームが発生しない。
【0023】
以上詳述したように第1の実施形態では、被検査者3を乗せる寝台装置2と、X線シンチレーションカメラ13,14を上記被検査者3の検査対象部位に対し移動させる検査ユニット1とを備えた医用診断装置において、検査ユニット1と被検査者3との位置関係に応じて寝台装置2の天板22上に安全領域と危険領域を予め設定し、被検査者3の現在位置が上記各領域のうち危険領域に含まれる場合に、被検査者3が落下する危険性のある状態になっていると判断して、その旨を報知するようにしている。
【0024】
したがって、医師や検査技師等の医療スタッフは、被検査者3が落下する危険性のある状態になっている場合に、この状態をアラームにより確実に認識することが可能となり、この状態で被検査者3が天板22から降りようとする等の想定外の行動をとった場合でも、速やかに対応することが可能となる。また、固定バンドを使用することができない被検査者3に対しても、落下する危険性のある状態になった場合にはこの状態を確実に認識し、その後の被検査者の行動に注意を払うことが可能となる。
【0025】
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、被検査者を乗せた天板を検査ユニットとしてのガントリ内に進退自在に移動させることにより被検査者の体内情報を得るCT診断装置において、上記ガントリと被検査者との位置関係に応じて天板上に安全領域と危険領域を予め設定し、被検査者の位置が上記各領域のうち危険領域に含まれる場合に、被検査者が落下する危険性のある状態になっていると判断して、その旨を報知するようにしたものである。
【0026】
(構成)
図6は、第2の実施形態に係る医用診断装置(CT診断装置)の構成を示すブロック図であり、図中5は検査ユニットとしてのガントリ、6は寝台装置を示している。寝台装置6は、支持架台61上に配置した天板52を、支持架台61内に設けられた駆動機構によりガントリ5内にスライド移動させることが可能な構成となっている。
【0027】
第2の実施形態に係る医用診断装置も、第1の実施形態で説明した装置と同様に、架台データ記憶部41と、被検査者データ記憶部42と、領域設定部43と、移動位置検出部44と、落下リスク判定部45と、報知制御部46とを備えた落下リスク監視ユニット4を備えている。なお、この落下リスク監視ユニット4については、図1と同一構成のため図6中の図示を省略している。
【0028】
領域設定部43は、被検査者データ記憶部42から被検査者3の身体データを読み出すと共に、架台データ記憶部41からガントリ5の奥行き方向の中心線Oに対する天板62の初期位置と、ガントリ5の奥行き方向のサイズを表す情報を読み出す。そして、上記読み出された被検査者3の身体データと、上記初期位置及びガントリ5の奥行きサイズとに基づいて、寝台装置6の天板62に対し安全領域と危険領域を設定する。図6にその設定結果の一例を示す。
【0029】
移動位置検出部44は、上記寝台装置6の支持架台61から天板62の移動量を表すデータを取り込む。そして、この取り込んだ天板62の移動量を表すデータをもとに、ガントリ5の奥行き方向の中心線Oに対し天板62のどの位置が対応しているかを計算する。
【0030】
落下リスク判定部45は、上記移動位置検出部44により計算された天板62の位置が、上記領域設定部43により寝台装置2の天板62上に設定された安全領域及び危険領域の何れに含まれるかを判定する。そして、天板62の位置が危険領域に含まれている場合には、被検査者3が天板62から落下する危険性のある状態にあると判定し、その判定結果を表す情報を報知制御部46へ出力する。
【0031】
報知制御部46は、上記落下リスク判定部45により被検査者3が天板62から落下する危険性のある状態にあると判定された場合に、発光器47及びスピーカ48を駆動して光及び音によるアラームを発生させる。
【0032】
(動作)
検査中において、被検査者3は天板62に乗せられた状態でスライド移動してガントリ5内に入るが、被検査者3の胴体部分がガントリ5内に位置しているときには、当該ガントリ5が落下防止壁として機能するため被検査者3が落下する危険は少ない。これに対し、被検査者3がガントリ5内に入っていない状態や、入っていても頭部又は脚部のみがガントリ5内に位置しているときには、当該ガントリ5は被検査者3に対し落下防止壁として機能しないため被検査者3が落下する危険は大きくなる。
【0033】
そこで、上記読み出された被検査者3の身体データ、特に身長又は座高のサイズと、ガントリ5の奥行き方向の中心線Oに対する天板62の初期位置及びガントリ5の奥行きサイズとに基づいて、天板62に対し例えば図6に示すように安全領域及び危険領域を設定する。安全領域及び危険領域は、天板62の移動方向における位置座標として設定される。この設定された安全領域及び危険領域を表す位置座標は、領域設定部43内のメモリに保存される。
【0034】
さて、この状態で天板62上に被検査者が横臥した状態で乗り、検査が開始されると、天板62が支持架台61の駆動によりゆっくりとスライド移動し、ガントリ5内に入る。この移動過程において、寝台装置6の支持架台61からは天板62の移動量を表すデータが一定の時間間隔で出力され、移動位置検出部44に入力される。移動位置検出部44では、上記移動量データが入力されるごとに、この移動量データをもとにガントリ5の奥行き方向の中心線Oに対し天板62のどの位置が対応しているかが計算される。
【0035】
上記天板62の位置座標が算出されると、落下リスク判定部45ではこの算出された天板62の位置座標が、上記領域設定部43において設定された安全領域及び危険領域を表す位置座標と比較され、上記天板62の位置座標が上記安全領域及び危険領域の何れに含まれるか判定される。そして、この比較の結果、天板62の位置座標が危険領域に含まれている場合には、被検査者3が天板62から落下する危険性のある状態にあると判定され、その判定結果を表す情報が報知制御部46へ出力される。この判定結果を受けると報知制御部46は、発光器47及びスピーカ48を駆動して光及び音によるアラームを発生させる。
【0036】
例えば、ガントリ5の奥行き方向の中心線Oに対する天板62の位置が、図6に示すように危険領域に含まれるときには、被検査者3が天板62から落下する危険性のある状態、つまり落下リスクがONの状態にあると判定され、報知制御部46により発光器47及びスピーカ48から光及び音によるアラームが発生される。
【0037】
一方、ガントリ5の奥行き方向の中心線Oに対する天板62の位置が、図7に示すように安全領域に含まれるときには、被検査者3は天板62から落下する危険性のない状態、つまり落下リスクがOFFの状態にあると判定され、発光器47及びスピーカ48からは光及び音によるアラームが発生しない。
【0038】
以上詳述したように第2の実施形態では、被検査者3を乗せた天板62をガントリ5内に移動させることにより被検査者3の体内情報を得るCT診断装置において、上記ガントリ5と被検査者3との位置関係に応じて天板62上に安全領域と危険領域を予め設定し、ガントリ5の奥行き方向の中心線Oに対する天板62の位置が、上記予め設定した危険領域に含まれる場合に、被検査者3が落下する危険性のある状態になっていると判断して、その旨を報知するようにしている。
【0039】
したがって、第1の実施形態と同様に、医師や検査技師等の医療スタッフは、被検査者3が落下する危険性のある状態になっている場合に、この状態をアラームにより確実に認識することが可能となる。したがって、この状態で被検査者3が検査中に天板62から降りようとする等の想定外の行動をとった場合でも、速やかに対応することが可能となる。また、固定バンドを使用することができない被検査者3に対しても、落下する危険性のある状態になった場合にはこの状態を確実に認識し、その後の被検査者の行動に注意を払うことが可能となる。
【0040】
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、医用診断装置の一部として、或いは単独で使用される寝台装置において、天板の上面に複数のマットセンサを配設し、これらのマットセンサによる被検査者の検出信号を落下リスク監視ユニットに入力する。そして、落下リスク監視ユニットにおいて、上記入力された検出信号を落下リスク判定のために予め記憶しておいた判定基準データと比較して、被検査者が落下する危険性のある状態になっているか否かを判定し、落下する危険性のある状態になっていると判定された場合にその旨を報知するようにしたものである。
【0041】
(構成)
図8及び図9は、第3の実施形態に係る寝台装置の構成を示す図であり、図8は側面図、図9は平面図及び機能ブロック図である。
寝台装置7は、支持架台71上に天板72を設置したもので、天板72上の被検査者を乗せるべき領域には9枚のマットセンサ81〜89が配設される。マットセンサ81〜89は例えば柔軟性を有するマット内に感圧スイッチを設けたもので、被検査者3の重量を検知すると検出信号を出力する。これらの検出信号は、信号ケーブルを介して落下リスク監視ユニット9に入力される。
【0042】
落下リスク監視ユニット9は、基準データ記憶部91と、センサ信号受信部92と、落下リスク判定部93と、報知制御部94を備えている。このうちセンサ信号受信部92、落下リスク判定部93及び報知制御部94は、プログラムをCPUに実行させることにより実現される。
【0043】
報知制御部94には、信号ケーブル等を介して発光器95及びスピーカ96が接続される。発光器95は、例えばその発光が被検査者3からは見えずかつ検査技師が常時視認できる場所に設置される。また、スピーカ96は、例えばその音が被検査者3には聞こえずかつ検査技師には確実に聞こえる場所に設置される。
【0044】
基準データ記憶部91には、天板72から被検査者が落下する危険性がある状態のときの各マットセンサ81〜89による被検査者の全ての検出パターンが判定基準データとして記憶される。この判定基準データは、例えば医師や検査技師等の医療スタッフが端末を操作することで入力される。
【0045】
センサ信号受信部92は、上記各マットセンサ81〜89から出力された検出信号を一定の時間間隔で受信する。そして、検出信号が受信されるごとに、この受信された各検出信号をもとにマットセンサ81〜89による被検査者の検出パターンを生成し、この生成した検出パターンを落下リスク判定部93へ出力する。
【0046】
落下リスク判定部93は、上記センサ信号受信部92から出力された検出パターンを、上記基準データ記憶部91に記憶された判定基準データと比較し、一致するか否かを判定する。そして、検出パターンが判定基準データのいずれかと一致すると、アラームの発生を指示する信号を報知制御部94へ出力する。
報知制御部94は、上記落下リスク判定部93からアラームの発生指示が出力された場合に、発光器95及びスピーカ96を駆動して光及び音によるアラームを発生させる。
【0047】
(動作)
天板72上に被検査者が横臥すると、落下リスク監視ユニット9が動作を開始する。落下リスク監視ユニット9は、センサ信号受信部92がマットセンサ81〜89から出力される検出信号を一定の時間間隔で取り込み、この受信された各検出信号をもとにマットセンサ81〜89による被検査者の検出パターンを生成して落下リスク判定部93へ出力する。
【0048】
落下リスク判定部93では、上記センサ信号受信部92から出力された検出パターンが、上記基準データ記憶部91に記憶された判定基準データと比較され、一致するか否かが判定される。そして、検出パターンが判定基準データのいずれかと一致すると、アラームの発生を指示する信号が報知制御部94へ出力される。報知制御部94は、上記指示信号を受信すると、発光器95及びスピーカ96を駆動して光及び音によるアラームを発生させる。
【0049】
例えば、いま被検査者3が図10(a)に示すように天板72のほぼ中央領域に寝ていたとする。この場合には、全てのマットセンサ81〜89から被検査者を検知したことを示す検出信号が出力される。このため、センサ信号受信部92では、上記検出信号をもとに全マットセンサ81〜89で被検査者が検出されたことを表す検出パターンが生成され、この検出パターンが落下リスク判定部93において判定基準データと比較される。このとき、基準データ記憶部91には、全マットセンサ81〜89で被検査者が検出されたことを表す検出パターンは判定基準データとして記憶されていない。このため、上記検出パターンは判定基準データの何れとも一致しない。したがって、落下リスク判定部93からはアラームの発生指示は出力されず、この結果発光器95及びスピーカ96からアラームは発生しない。
【0050】
一方、被検査者3が天板72上で動き、その位置が図10(b)に示すように天板72の片方のサイドに偏った位置に変化したとする。この場合には、全マットセンサ81〜89のうちマットセンサ82,83,85,86,88,89から被検査者を検知したことを示す検出信号が出力され、マットセンサ81,84,87からは検出信号は出力されない。このため、センサ信号受信部92では、上記検出信号をもとに全マットセンサ81〜89のうちマットセンサ82,83,85,86,88,89のみで被検査者が検出されたことを表す検出パターンが生成され、この検出パターンが落下リスク判定部93において判定基準データと比較される。このとき、基準データ記憶部91には、マットセンサ82,83,85,86,88,89のみで被検査者が検出されたことを表す検出パターンが判定基準データとして記憶されている。このため、上記検出パターンは判定基準データの1つと一致し、この結果報知制御部94に対しアラームの発生指示が送られる。この結果、発光器95及びスピーカ96からはアラームを表す光及び音が発生される。
【0051】
以上詳述したように第3の実施形態では、天板72の上面にマットセンサ81〜89を配設し、これらのマットセンサ81〜89による被検査者3の検出信号を落下リスク監視ユニット9に入力する。そして、落下リスク監視ユニット9において、上記入力された検出信号を落下リスク判定のために予め記憶しておいた判定基準データと比較して、被検査者が落下する危険性のある状態になっているか否かを判定し、落下する危険性のある状態になっていると判定された場合に発光器95及びスピーカ96からはアラームを発生するようにしている。
【0052】
したがって、天板72上で被検査者3が例えば天板72から降りようとして体の位置を天板72の片側に移動させると、この天板72上における被検査者の位置の偏位が落下リスク監視ユニット9により検出され、発光器95及びスピーカ96からアラームが発生される。このため、医師や検査技師等の医療スタッフは、被検査者3が落下する危険性のある状態になっている場合に、この状態をアラームにより確実に認識することが可能となる。したがって、被検査者3が検査中に天板62から降りようとする等の想定外の行動をとった場合でも、速やかに対応することが可能となる。また、固定バンドを使用することができない被検査者3に対しても、落下する危険性のある状態になった場合にはこの状態を確実に認識し、その後の被検査者の行動に注意を払うことが可能となる。
【0053】
[第4の実施形態]
第4の実施形態は、医用診断装置の一部として、或いは単独で使用される寝台装置において、天板上の両側部にそれぞれエッジセンサを配設し、これらのエッジセンサによる被検査者の検出信号を落下リスク監視ユニットに入力する。そして、落下リスク監視ユニットにおいて、上記エッジセンサの検出信号が入力されたとき、被検査者が落下する危険性のある状態になっていると判定し、その旨を報知するようにしたものである。
【0054】
(構成)
図11は、第4の実施形態に係る寝台装置の構成を示す平面図及び機能ブロック図である。なお、寝台装置自体の構造は第3の実施形態で述べたものと同一なので説明は省略する。
【0055】
天板72上の両側部にはそれぞれエッジセンサ101〜106が配設されている。これらのエッジセンサ101〜106は、例えば天板72のエッジ部分に設けられる緩衝部材に感圧スイッチを設けたものからなり、被検査者3の身体の接触を検知すると検出信号を出力する。これらの検出信号は、信号ケーブルを介して落下リスク監視ユニット11に入力される。
【0056】
落下リスク監視ユニット11は、基準データ記憶部111と、センサ信号受信部112と、落下リスク判定部113と、報知制御部114を備えている。このうちセンサ信号受信部112、落下リスク判定部113及び報知制御部114は、プログラムをCPUに実行させることにより実現される。また報知制御部114には、第1乃至3の実施形態と同様に、信号ケーブル等を介して発光器115及びスピーカ116が接続される。
【0057】
基準データ記憶部111には、天板72から被検査者が落下する危険性がある状態のときの各エッジセンサ101〜106による被検査者の全ての検出パターンが判定基準データとして記憶される。最も簡単な例では、エッジセンサ101〜106の少なくとも一つで被検査者が検出されたときの検出パターンが判定基準データとして記憶される。なお、この判定基準データは、例えば医師や検査技師等の医療スタッフが端末を操作することで入力される。
【0058】
センサ信号受信部112は、上記各マットセンサ101〜106から出力された検出信号を一定の時間間隔で受信する。そして、検出信号が受信されるごとに、この受信された各検出信号をもとにマットセンサ101〜106による被検査者の検出パターンを生成し、この生成した検出パターンを落下リスク判定部113へ出力する。
【0059】
落下リスク判定部113は、上記センサ信号受信部112から出力された検出パターンを、上記基準データ記憶部111に記憶された判定基準データと比較し、一致するか否かを判定する。そして、検出パターンが判定基準データのいずれかと一致すると、アラームの発生を指示する信号を報知制御部114へ出力する。
【0060】
報知制御部114は、上記落下リスク判定部115からアラームの発生指示が出力された場合に、発光器115及びスピーカ116を駆動して光及び音によるアラームを発生させる。
【0061】
(動作)
天板72上に被検査者が横臥すると、落下リスク監視ユニット11が動作を開始する。落下リスク監視ユニット11は、センサ信号受信部112がエッジセンサ101〜106から出力される検出信号を一定の時間間隔で取り込み、この受信された各検出信号をもとにエッジセンサ101〜106による被検査者の検出パターンを生成して落下リスク判定部113へ出力する。
【0062】
落下リスク判定部113では、上記センサ信号受信部112から出力された検出パターンが、上記基準データ記憶部111に記憶された判定基準データと比較され、一致するか否かが判定される。そして、検出パターンが判定基準データのいずれかと一致すると、アラームの発生を指示する信号が報知制御部114へ出力される。報知制御部114は、上記指示信号を受信すると、発光器115及びスピーカ116を駆動して光及び音によるアラームを発生させる。
【0063】
例えば、いま被検査者3が図12(a)に示すように天板72のほぼ中央領域に寝ていたとする。この状態では、被検査者3の身体はエッジセンサ101〜106に接触しないため、エッジセンサ101〜106からは被検査者を検知したことを示す検出信号は出力されない。一方、基準データ記憶部111には、全てのエッジセンサ101〜106で被検査者が検出されないことを表す検出パターンは判定基準データとして記憶されていない。このため、落下リスク判定部113からはアラームの発生指示は出力されず、この結果発光器115及びスピーカ116からアラームは発生しない。
【0064】
一方、被検査者3が天板72上で動き、これにより被検査者3が図12(b)に示すように天板72の片方のサイドに偏った位置に移動したとする。この場合には、エッジセンサ101〜103から被検査者を検知したことを示す検出信号が出力される。このため、センサ信号受信部112では、上記検出信号をもとにエッジセンサ101〜103において被検査者が検出されたことを表す検出パターンが生成され、この検出パターンが落下リスク判定部113において判定基準データと比較される。このとき、基準データ記憶部111には、エッジセンサ101〜106のいずれか1つでも被検査者が検出された場合の検出パターンが判定基準データとして記憶されている。このため、上記検出パターンは判定基準データの1つと一致し、この結果報知制御部114に対しアラームの発生指示が送られる。この結果、発光器115及びスピーカ116からはアラームを表す光及び音が発生される。このため、医療スタッフはこのアラームにより、被検査者が天板72から落下する危険性がある状態であることを認識することができ、注意を払うことができる。
【0065】
以上詳述したように第4の実施形態では、天板72上の両側部にそれぞれエッジセンサ101〜106を配設し、これらのエッジセンサ101〜106のいずれかにより被検査者3が検出されたとき、被検査者が落下する危険性のある状態になっていると判定し、その旨を報知するようにしている。
【0066】
したがって、天板72上で被検査者3が例えば天板72から降りようとし、身体の一部がエッジセンサ101〜106に接触すると、発光器95及びスピーカ96からアラーム光及び音が発生される。このため、医療スタッフは、被検査者3が落下する危険性のある状態になったことを確実に認識することが可能となる。また、固定バンドを使用することができない被検査者3に対しても、落下する危険性のある状態になった場合にはこの状態を確実に認識し、その後の被検査者の行動に注意を払うことが可能となる。
【0067】
[他の実施形態]
第1又は第2の実施形態において述べた医用診断装置において、天板22上に第3又は第4の実施形態で述べたマットセンサ81〜89又はエッジセンサ101〜106を設け、検査ユニット1又はガントリ5と天板上の被検査者3との位置関係に基づく落下リスクの判定結果と、上記マットセンサ81〜89又はエッジセンサ101〜106による被検査者3の検出結果に基づく落下リスクの判定結果とを総合して、最終的な落下リスクを判定するようにしてもよい。
【0068】
例えば、マットセンサ81〜89又はエッジセンサ101〜106による被検査者3の検出結果をもとに落下リスク判定部93又は113により落下リスクがあると判定された場合でも、被検査者を乗せた天板が検査ユニット1又はガントリ5のドーム内を移動している場合には、最終的に落下リスク無しと判定する。
【0069】
また反対に、被検査者を乗せた天板が検査ユニット1又はガントリ5のドーム内を移動していて、落下リスク判定部45で落下リスクがないと判定されている状態でも、マットセンサ81〜89又はエッジセンサ101〜106による被検査者3の検出結果をもとに落下リスク判定部93又は113により落下リスクがあると判定された場合には、最終的に落下リスク有りと判定する。
【0070】
その他、天板に対する安全領域/危険領域の設定方法や、落下リスクがある旨を報知する手段、マットセンサ及びエッジセンサの種類やその構成、設置位置、医用診断装置の種類とその構成等についても、種々変形して実施できる。
【0071】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0072】
1…検査ユニット、2,6,7…寝台装置、3…被検査者、4,9,11…落下リスク監視ユニット、5…ガントリ部、11…スライド架台、12…スタンド架台、13,14…カメラ、21,61,71…支持架台、22,62,72…天板、41…架台データ記憶部、42…被検査者データ記憶部、43…領域設定部、44…移動位置検出部、45,93,113…落下リスク判定部、46,64,114…報知制御部、46,95,115…スピーカ、47,96,116…発光器、81〜89マットセンサ、92,112…センサ信号受信部、101〜106…エッジセンサ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドーム型に形成された検査ユニットと、被検査者を乗せる天板を有する寝台装置とを備え、前記検査ユニット及び天板を相対的に移動させることにより、前記天板上の被検査者を検査ユニットにより検査する医用診断装置であって、
前記検査ユニット又は天板に対する被検査者の位置を検出し、当該検出された位置を表す情報に基づいて前記被検査者が前記天板から落下する危険性がある状態になっているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を表す情報を報知する報知手段と
を具備する医用診断装置。
【請求項2】
前記判定手段は、
前記検査ユニットと天板との相対的な位置関係に基づいて当該天板に対し設定された危険領域又は非危険領域を表す情報を記憶する記憶手段と、
前記検査ユニットに対する前記天板又は被検査者の現在位置を検出し、この検出された現在位置を表す情報を、前記記憶手段に記憶された危険領域又は非危険領域を表す情報と比較して、前記現在位置が前記危険領域及び非危険領域の何れに含まれているかを判定する領域判定手段と
を備える請求項1記載の医用診断装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、
前記検査ユニットに対する前記天板の初期位置を表す情報を記憶する第1の記憶部と、
前記被検査者の身体の特徴を表す情報を取得する手段と、
前記第1の記憶部に記憶された初期位置を表す情報と前記取得された被検査者の身体の特徴を表す情報とに基づいて、前記天板に対し危険領域又は非危険領域を設定する手段と、
前記設定された危険領域又は非危険領域を表す情報を第2の記憶部に記憶する手段と
を備える請求項2記載の医用診断装置。
【請求項4】
前記判定手段は、
前記天板上の予め設定された安全領域に配置され、当該安全領域に被検査者が位置しているか否かを検出する第1のセンサと、
前記第1のセンサにより被検査者が前記安全領域に位置していないことが検出されたときに、当該被検査者が天板から落下する危険性がある状態になっていると判定する手段と
を備える請求項1記載の医用診断装置。
【請求項5】
前記判定手段は、
前記天板上の予め定義された危険領域に配置され、当該危険領域に被検査者が位置しているか否かを検出する第2のセンサと、
前記第2のセンサにより被検査者が前記危険領域に位置していることが検出されたときに、当該被検査者が天板から落下する危険性がある状態になっていると判定する手段と
を備える請求項1記載の医用診断装置。
【請求項6】
前記判定手段は、
前記天板に配設され、当該天板上における被検査者の位置を検出するセンサと、
前記センサにより検出された被検査者の位置に基づいて、前記被検査者が天板から落下する危険性がある位置に存在するか否かを判定する位置判定手段と、
前記領域判定手段による判定結果と、前記位置判定手段による判定結果とに基づいて、前記被検査者が前記天板から落下する危険性がある状態になっているか否かを判定する手段と
を、さらに備える請求項2記載の医用診断装置。
【請求項7】
被検査者を乗せる天板と、
前記天板上における被検査者の位置を検出し、当該検出された被検査者の位置を表す情報に基づいて前記被検査者が前記天板から落下する危険性がある状態になっているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を表す情報を報知する報知手段と
を具備する寝台装置。
【請求項8】
前記判定手段は、
前記天板上の予め設定された安全領域に配置され、当該安全領域に被検査者が位置しているか否かを検出する第1のセンサと、
前記第1のセンサにより被検査者が前記安全領域に位置していないことが検出されたときに、当該被検査者が天板から落下する危険性がある状態になっていると判定する手段と
を備える請求項7記載の寝台装置。
【請求項9】
前記判定手段は、
前記天板上の予め定義された危険領域に配置され、当該危険領域に被検査者が位置しているか否かを検出する第2のセンサと、
前記第2のセンサにより被検査者が前記危険領域に位置していることが検出されたときに、当該被検査者が天板から落下する危険性がある状態になっていると判定する手段と
を備える請求項7記載の寝台装置。
【請求項1】
ドーム型に形成された検査ユニットと、被検査者を乗せる天板を有する寝台装置とを備え、前記検査ユニット及び天板を相対的に移動させることにより、前記天板上の被検査者を検査ユニットにより検査する医用診断装置であって、
前記検査ユニット又は天板に対する被検査者の位置を検出し、当該検出された位置を表す情報に基づいて前記被検査者が前記天板から落下する危険性がある状態になっているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を表す情報を報知する報知手段と
を具備する医用診断装置。
【請求項2】
前記判定手段は、
前記検査ユニットと天板との相対的な位置関係に基づいて当該天板に対し設定された危険領域又は非危険領域を表す情報を記憶する記憶手段と、
前記検査ユニットに対する前記天板又は被検査者の現在位置を検出し、この検出された現在位置を表す情報を、前記記憶手段に記憶された危険領域又は非危険領域を表す情報と比較して、前記現在位置が前記危険領域及び非危険領域の何れに含まれているかを判定する領域判定手段と
を備える請求項1記載の医用診断装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、
前記検査ユニットに対する前記天板の初期位置を表す情報を記憶する第1の記憶部と、
前記被検査者の身体の特徴を表す情報を取得する手段と、
前記第1の記憶部に記憶された初期位置を表す情報と前記取得された被検査者の身体の特徴を表す情報とに基づいて、前記天板に対し危険領域又は非危険領域を設定する手段と、
前記設定された危険領域又は非危険領域を表す情報を第2の記憶部に記憶する手段と
を備える請求項2記載の医用診断装置。
【請求項4】
前記判定手段は、
前記天板上の予め設定された安全領域に配置され、当該安全領域に被検査者が位置しているか否かを検出する第1のセンサと、
前記第1のセンサにより被検査者が前記安全領域に位置していないことが検出されたときに、当該被検査者が天板から落下する危険性がある状態になっていると判定する手段と
を備える請求項1記載の医用診断装置。
【請求項5】
前記判定手段は、
前記天板上の予め定義された危険領域に配置され、当該危険領域に被検査者が位置しているか否かを検出する第2のセンサと、
前記第2のセンサにより被検査者が前記危険領域に位置していることが検出されたときに、当該被検査者が天板から落下する危険性がある状態になっていると判定する手段と
を備える請求項1記載の医用診断装置。
【請求項6】
前記判定手段は、
前記天板に配設され、当該天板上における被検査者の位置を検出するセンサと、
前記センサにより検出された被検査者の位置に基づいて、前記被検査者が天板から落下する危険性がある位置に存在するか否かを判定する位置判定手段と、
前記領域判定手段による判定結果と、前記位置判定手段による判定結果とに基づいて、前記被検査者が前記天板から落下する危険性がある状態になっているか否かを判定する手段と
を、さらに備える請求項2記載の医用診断装置。
【請求項7】
被検査者を乗せる天板と、
前記天板上における被検査者の位置を検出し、当該検出された被検査者の位置を表す情報に基づいて前記被検査者が前記天板から落下する危険性がある状態になっているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を表す情報を報知する報知手段と
を具備する寝台装置。
【請求項8】
前記判定手段は、
前記天板上の予め設定された安全領域に配置され、当該安全領域に被検査者が位置しているか否かを検出する第1のセンサと、
前記第1のセンサにより被検査者が前記安全領域に位置していないことが検出されたときに、当該被検査者が天板から落下する危険性がある状態になっていると判定する手段と
を備える請求項7記載の寝台装置。
【請求項9】
前記判定手段は、
前記天板上の予め定義された危険領域に配置され、当該危険領域に被検査者が位置しているか否かを検出する第2のセンサと、
前記第2のセンサにより被検査者が前記危険領域に位置していることが検出されたときに、当該被検査者が天板から落下する危険性がある状態になっていると判定する手段と
を備える請求項7記載の寝台装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−81705(P2013−81705A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225021(P2011−225021)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
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