説明

医療システムに用いられる無線検出器のシステム及び方法

【課題】 有限的な無線範囲、チェーンサーキット品質の低下及び複数の無線検出器管理の複雑なプロセスを解決するために、医療システムに用いられる無線検出のシステムを提供する。
【解決手段】 該システムは、無線検出器から周期的に発射する標識メッセージを受信し、受信された標識メッセージに基づいて無線検出器の情報を獲得する少なくとも3つのホストコンピューターワイヤーアダプタ(501,502,503)と、少なくとも3つのホストコンピューターワイヤーアダプタからの無線検出器に関する情報を受信し、無線検出器の位置を確定するコントローラ(504)と、を備える。該方法は、少なくとも3つのホストコンピューターワイヤーアダプタが無線検出器から周期的に発射する標識メッセージに基づいて無線検出器に関する情報を獲得し、無線検出器の位置を確定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療システムに関し、特に医療システムにおける無線検出器の位置決め及び管理に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、有線通信を無線通信に更新することで、例えばX線結像モードが無線検出器と医療システムとの間の画像伝送方面で大幅の発展を獲得した。しかし、超広帯域(UWB)無線検出器の応用は医療システムに潜在な問題をもたらすことがある。例えば、無線チェーンサーキットの品質の低下、有限的な信号範囲、複数の検出器の管理の困難等である。
【0003】
このような潜在な問題の出現はUWB技術の特徴のためである。まず、より優れる無線通信の共存を得るためにUWB信号の強度がすごく低くなり、最大値が−43.1dBm/MHzである。次に、高周波数の特徴のためUWB伝送速度が1Gdsとなりマルチパス対応が非常に顕著であるので、受信側において信号が衰え妨害を受ける。このため、UWB通信の物理的な制限は10メートルで、障害物のまわりで信号性能が低く非スタジア(stadia)NLOS環境の中で遮蔽されやすくなる。医療分野の応用において、ホストコンピューターワイヤーアダプタンテナがNLOS位置に取り付けられたとき、無線検出器との通信が非常に難しい。もしくは、体型が大きい患者に対しては、クレードル又は車いすによって信号が破壊される可能性がある。このような潜在の問題に従う結果は、無線信号の品質の低下及び画像伝送速度の低下である。現時点、採用している解決方法は検出器を無線モードから有線モードに変換する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−264271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数の無線検出器がある場合において、これらの無線検出器の位置が任意であってよいので、目標検出器の確定が難しい。従来の解決方法においては、目標検出器以外のすべての無線検出器の使用を禁止する。しかしこの方法は非常に煩雑で、使用者及びシステム設計者に不便をもたらす。
【0006】
このため、上述の技術問題を解決するためには医療システムに用いられる無線検出器のシステム及び方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の問題、例えば有限的な無線範囲、チェーンサーキット品質の低下及び複数の無線検出器管理の複雑なプロセスを解決するために、医療システムに用いられる無線検出のシステムを及び方法を提供することを目的とする。
【0008】
医療システムに用いられる無線検出器のシステムは、無線検出器から周期的に発射する標識メッセージを受信し、受信された標識メッセージに基づいて無線検出器の情報を獲得する少なくとも3つのホストコンピューターワイヤーアダプタと、少なくとも3つのホストコンピューターワイヤーアダプタからの無線検出器に関する情報を受信し、受信された無線検出器に関する情報に基づいて無線検出器の位置を確定するコントローラと、を備える。
【0009】
医療システムに用いられる無線検出器の方法は、少なくとも3つのホストコンピューターワイヤーアダプタが無線検出器から周期的に発射する標識メッセージに基づいて無線検出器に関する情報を獲得し、少なくとも3つのホストコンピューターワイヤーアダプタからの無線検出器に関する情報に基づいて無線検出器の位置を確定する。
【発明の効果】
【0010】
本出願が提供した医療システムにおける無線検出器のシステム及び方法により以下のメリットが得られる。
【0011】
さらに強い無線信号及びさらに広い信号範囲が得られ、医療室内の「信号ブラインドゾーン」の範囲を最小にする。
【0012】
例えばワイヤレス・フィディリティー技術、無線自動識別技術、ブルートゥース技術、超音波技術及び室内GPS技術の現在の位置決め方案に比べれば、UWB位置決めがさらに正確である。
【0013】
高い解像度(理論的にはミリメートルであるが、実際はセンチメートルである)及びリアルタイム呼応(理論的にはミクロ秒であるが、実際はミリ秒である)で医療室における移動可能部品を追跡する。
複数の無線検出器の管理が簡単になり、使用者及びシステム設計者の負担を減軽する。
露光及び画像伝送がさらに安全になり、目標検出器の画像が伝送されない問題を避ける。
【図面の簡単な説明】
【0014】
以下、本開示内容をより容易に理解するために、図面を参照しながら説明する。
【図1a】ユニホストコンピューターワイヤーアダプタ(HWA)システムの信号範囲を示した図である。
【図1b】本出願の1つの実施例に基づいた多HWAシステムの信号範囲を示した図である。
【図2】本出願の1つの実施例に基づいてHWAの切り替えを示した図である。
【図3】本出願の1つの実施例に基づいて無線チェーンサーキット品質の改善を示した図である。
【図4】三辺測定方法が二次元位置決めに用いられる原理を示した図である。
【図5】本出願の1つの実施例に基づいて無線検出器の二次元位置の確定を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
従来、放射源(例えばX線管)が取り付けている医療室には固定されたウォールスタンド(wall stand)、固定されたテーブル(table)及び配電盤が取り付けてある。また、医療室はハンディーアプリケーションの広いスペースであり、ハンディーアプリケーションは担架及び車いすを含んでいるがそれに限られない。以下、X線診断システムを一例として本実施形態について詳しく説明する。しかし、本実施形態はX線診断システムに限られなく、無線検出器を用いたほかの医療システムにも適用される。
【0016】
図1aに示されたように、X線露光室において、より優れる信号範囲が得られるように、1つのHWAが無線検出器の挿入方向と反対側の壁に取り付けられる。図1aではグレー色の円が無線検出器の位置を示し、矢印が無線検出器の挿入方向を示し、黒色の円が1つのHWAの位置を示している。距離が3メートル(グレー色の領域に示された)より大きいと、信号範囲が3dB衰える。
【0017】
信号範囲を大きくするために、本実施形態は多HWAシステムを提供する。すなわち、例えばX線露光室の医療室の中に複数のHWAを取り付ける。複数のHWAの位置は任意であるが、2つ毎の距離はある数値、例えば5メートルより小さい。また、複数のHWAの位置と金属の障害物との距離は少なくとも0.5メートルの距離を有している。
【0018】
図1bに示されたように、X線露光室には5つのHWAが配置され、その中に少なくとも1つのHWAが無線検出器の挿入方向と反対側の壁に取り付けられる。図1bではグレー色の円が無線検出器の位置を示し、矢印が無線検出器の挿入方向を示し、黒色の円が5つのHWAの位置を示している。図1bのグレー色の領域に示されたように、信号範囲が大幅に大きくなり、3dBのパワーの衰えもない。
【0019】
より優れた例は、複数のHWAはX線露光室の隅に配置され、地面から2メートルから3メートル離し、天井から少なくとも0.3メートル離させる。X線露光室の中でより優れる信号範囲を有するために、アンテナの角度を適当に調整してもよい。配置方法は多HWAシステムの非常に重要なステップである。また、多HWAシステムの表現はアンテナの取り付け位置及び角度と密接な関係がある。取り付けによりシステムの性能の相違性を避けるために、多HWAシステムに自動キャリブレーションに用いられる固定ラベルを応用する。
【0020】
定義されたUWB通信の応用規範の無線通用シリアル総線(USB)要求に基づいて、任意の無線USBシステムには1つの無線ホストコンピュータコントローラしかない。無線ホストコンピュータコントローラは最大127個の設備が接続できる。本実施形態の多HWAシステムにおいて、HWAが無線ホストコンピュータコントローラとなり、複数の無線検出器が設備となる。このため、X線露光室に複数のHWAを取り付けているが、1つのHWAのみが画像伝送及び標識交換に用いられ、画像伝送及び標識交換に用いられるHWAをアクティブなHWAと称する。
【0021】
アクティブなHWAを選択するステップはベスト信号作成ステップと称する。このステップは放射科の技師が患者の位置決めを完了した後、ペンダントX線管装置システム(OTS)、又はある手持ち装置におけるボタンを押圧することで初期化する。放射科の技師がX線露光室を出てドアを閉めた後、ベスト信号作成ステップが完成され露光準備をしておく。ステップ全体の持続時間は1秒以内である。
【0022】
以下、ベスト信号作成ステップについて具体的に説明する。このステップにおいて、無線検出器が周期的に標識信号を放送し、各HWAが該標識信号を受信し受信信号強度インジケーターキャラクター(RSSI)及びチェーンサーキット品質インジケーターキャラクター(LQI)を獲得する。各HWAが異なる位置に配置されているので、すべてのHWAにおいてRSSI及びLQIの値は異なる。複数のHWAがUSBの延長ケーブルを介してシングルボードコントローラ(SBC)に接続される。SBCは複数のHWAのUSBハブ及び中央処理器の役割をする。各HWAがSBCにRSSI及びLQI値を報告する。そして、SBCがこれらの値に対して仲裁しベスト無線信号状況を示す最大値を選択する。数ミリ秒内のRSSI及びLQI値を平均して安定な性能が得られる。そして、SBCが最大RSSI及びLQI値を有するHWAをアクティブなHWAに設定する。その後、命令及び画像が該アクティブなHWAを介して発射し、その他のHWAは自動的にスリープモードとなる。ベスト信号作成ステップが完成した後、該ステップ自動的に露光準備をしておく。アクティブなHWAがOTS上のボタンが再度に押圧されるときまで保持される。
【0023】
もし、アクティブなHWAが無線検出器の非スタジア(NLOS)の範囲内に位置していると、該アクティブなHWAを無線検出器のスタジア(LOS)の範囲内に位置しているHWAに切り替えることは可能である。これで、NLOSによるチェーンサーキットの品質の悪さが顕著に改善される。各HWAが受信された該無線検出器の信号強度に基づいて、最大受信信号強度に対応するHWAをアクティブなHWAとして選択する。操作において、すべてのHWAが1つのコントローラと接続され、HWAが定期的にコントローラに自分が受信している該無線検出器からの信号強度を報告する。コントローラがすべての信号強度を比較してどちらの信号強度値が最大であるかを確定し、現時点のアクティブなHWAから最大信号強度値を有するHWAに切り替える。
【0024】
図2に示されたように、体型が大きい患者がテーブル前に立っているとき、体が無線検出器の取手を覆い、該取手が無線電気パネルの位置である。例えばGryphon又はEverestの従来のX線システムにおいて、HWA及びアンテナが位置201に位置している。患者がHWA201とテーブルに取り付けた無線検出器との間に位置してHWA201が無線検出器のNLOSの範囲内に位置されるので、チェーンサーキットの品質が悪くなる。この場合において、システムがHWA202に切り替えると、チェーンサーキットの品質が大幅に改善される。
【0025】
さらに、図3に示されたように、HWA301がウォールスタンドの用途に対して最良である可能性があり、HWA304がテーブルの最良に対してベストである可能性があり、HWA302及びHWA303が担架又は車いすなどのハンディーの用途に対して最良である可能性がある。
【0026】
本出願が提供した多HWAシステムを介して、複数の無線検出器の管理を改善することもできる。無線検出器の位置フィードバックに基づいて、無線検出器を管理することができる。
【0027】
以下、どのように無線検出器の位置を確定するかに対して詳しく説明する。
従来、位置決めシステムは距離測定技術に基づいて構築される。以下、まず距離測定理論について紹介してから幾何学的な位置決めについて紹介する。
【0028】
距離測定理論
多HWA USB距離測定の実現は、回転信号副空間(RSS)理論に基づいている。あるチャンネルの特徴に基づいて、RSSが測定して2つのノードの間の距離に関する情報を提供する。RSSに基づいた方法の主な考えは、距離とパワーロスとの関係、発射パワーが既知であれば、1つのノードで行ったRSS測定は該ノードと発射ノードとの距離の推定に用いられる。RSSパワーと距離との関係は数式(1)に示されたとおりである。理想的な場合は十分に長い時間間隔で平均RSSがマルチパス衰弱及び陰効果の影響を除去し、以下のモデルが得られる。
【数1】

… (1)
【0029】
ここで、nはパス衰弱(PL)指数で、

は距離dでの平均受信パワー(dB)で、Pは参考距離dの受信パワー(dB)である。
【0030】
幾何学的な位置決め
幾何学的な位置決め技術は目標ノードの位置がRSS又は到達時間(TOA)に基づいて複数の参考ノードで行った一組の距離測定の中で得られた位置を示す線からの交差点を測定することで求められる。目標ノードは参考ノードを中心とした円形の軌跡の上に位置することができ、半径が距離測定結果である。そして、円形軌跡の交差点が目標位置となる。図4は、三辺測定法を二次元位置決めに用いた原理概略図である。参考ノード(図における黒色の円)はRSS又はTOAの推定を介してこれらと目標ノード(図におけるグレー色の円)との距離を測定することで、目標ノードを通過する3つの円形が得られる。3つの円形の交差点を計算することで目標ノードの位置が得られ、これが三辺測定法である。
【0031】
三次元位置決めにおいて、少なくとも4つの参考ノードが必要で、これら参考ノードの位置情報は既知の(x、y、z)で、i=1、2、3、4である。仮にd、d、d、dが4つのRSSの測定から得られた距離測定である。そして、三辺測定法で目的ノードの位置が推定されるように、以下の4つの数式は総合的に解を求めることが必要である。
【数2】

… (2)
【0032】
ここで、(x、y、z)は第i個の参考ノードの既知位置で、(x、y、z)は目標ノード位置である。
【0033】
数式(2)を変換して、以下の数式(3)が得られる。
【数3】

… (3)
【0034】
数式(3)に対して2つずつ減算を行うと、数式(4)が得られる。
【数4】

… (4)
【0035】
未知パラメータの数をnとし、数式の数をmとする。4つの参考ノードの位置が既知であれば、未知パラメータの数は数式の数と同一(m=n)である。これにより、数式(4)から唯一の解が得られる。
【0036】
数式(4)をアレイ型の数式(5)に変換する。
Aθ=B … (5)
ここで、Aは数式(6)のとおりである。
【数5】

… (6)
【0037】
Bは数式(7)のとおりである。
【数6】

… (7)
【0038】
目標ノードの未知位置を3*1のアレイで表示すると以下のとおりである。
【数7】

【0039】
これにより、目標ノードの位置は数式(8)のとおりに示される。
【数8】

… (8)
【0040】
4つ以上の参考ノードの位置が既知であれば、未知パラメータの数は数式数より少なく(m>n)、推定計算方法を応用して目標ノードの正確位置を出力する。例えば最小平均分散(LSE)計算方法及び重要度最小平均分散(WLSE)計算方法などの異なる反復法を採用することができる。
【0041】
LSE計算方法
数式(5)において、Aθ=Bで、アレイAはm*nのアレイで、m>nである。
θの誤差をrと設定し、数式(9)のとおりである。
r=Aθ−B … (9)
LSE計算方法により、誤差の平方が最小になることを要求する。
【数9】

… (10)
【0042】
数式(10)に対して導関数を求め、有限最小値を求める。
【数10】

… (11)
【0043】
そして、θが数式(12)のとおりに推定される。
【数11】

… (12)
【0044】
m=nであるとき、推定されたθ=A−1Bとなる。
【0045】
WLSE計算方法
数式(5)において、Aθ=Bで、アレイAはm*nのアレイで、m>nである。
θの誤差をrと設定し、数式(9)を再度に書くとのとおりである。
r=Aθ−B … (9)
WLSE理論により、重要度と乗算した後、誤差の平方が最小になることが要求される。
【数12】

… (13)
【0046】
ここで、Wは重要度アレイで、これは数式(14)に示されたように誤差rの関連アレイ(Q)と関係がある。
【数13】

… (14)
【0047】
そして、数式(13)に対して導関数を求め、有限最小値が求められる。
推定したθは、数式(15)に示されたとおりである。
【数14】

… (15)
【0048】
以上まで紹介した距離測定理論及び位置決め技術を利用することで、本出願が提供した多HWAシステムは無線検出器からの信号強度、角度及び/又は時間到達情報に基づいて、無線検出器の位置を計算することができ、その中で複数のHWAが参考ノードとなり、無線検出器が目標ノードとなる。
【0049】
図5は、本出願の1つの実施例に基づいて無線検出器の二次元位置を確定する概略図で、ここで、符号501、502、503で3つのHWAをそれぞれ示し、504で無線検出器を示している。図に示された3つのHWAのすべてがコントローラ(図示しない)と接続されている。この3つのHWAが見線検出器からの標識メッセージを受信して例えば無線検出器の信号強度などの無線検出器に関する情報を獲得する。コントローラが信号強度の低下(すなわち、衰弱レベル)に基づいて、無線検出器と3つのHWAとの距離をそれぞれ推定し、無線検出器と3つのHWAとの距離及び3つのHWAの位置に基づいて、無線検出器の二次元位置を確定する。3つのHWA中HWA毎が無線検出器からの標識メッセージを受信して無線検出器が該HWAに到達する時間を獲得する。無線検出器が各HWAに到達する時間に基づいて、コントローラが無線検出器と3つのHWAとの距離をそれぞれ推定し、無線検出器と3つのHWAとの距離及び3つのHWAの位置に基づいて、無線検出器の二次元位置を確定する。
【0050】
本出願の別の実施例により、例えばX線露光室である医療室内に少なくとも4つのHWAを配置し、少なくとも1つのHWAを無線検出器の挿入方向と反対側の位置に配置し、2つずつの距離が例えば5メートルのある数値より小さく、HWAの配置位置と金属の障害物との距離は少なくとも0.5メートルの距離を有する。すべてのHWAがコントローラに接続されている。無線検出器が周期的に標識メッセージを発射し、例えば250ミリ秒毎にUWB標識を放送する。少なくとも4つのHWAが無線検出器からの標識メッセージを受信し例えば無線検出器の信号強度などの無線検出器に関する情報を獲得する。コントローラが信号強度の低下(すなわち、信号の衰弱レベル)に基づいて無線検出器と少なくとも4つのHWAとの距離をそれぞれ推定し、無線検出器と少なくとも4つのHWAとの距離及び少なくとも4つのHWAの位置に基づいて、無線検出器の三次元位置を確定する。少なくとも4つのHWA中の各HWAが無線検出器からの標識メッセージを受信し無線検出器の信号が該HWAに到着する時間を獲得する。コントローラは無線検出器の信号が各HWAに到着する時間に基づいて、無線検出器と少なくとも4つのHWAとの距離をそれぞれ推定し、無線検出器と少なくとも4つのHWAとの距離及び4つのHWAの位置に基づいて、無線検出器の三次元位置を確定する。
【0051】
X線露光室内に複数の無線検出器があるとき、本出願が提供した多HWAシステムを用いて各無線検出器の三次元位置を確定することができる。X線露光室内に複数の無線検出器があるので、X線診断システムが目標露光検出器から画像データを調べるように目標露光検出器を確定する。目標露光検出器を確定するために、各無線検出器の三次元位置のほかにも、X線管の位置及び角度が必要である。本出願の1つの実施例において、X線の角度及び位置はX線診断システムの機器装置によりフィードバックされる。
【0052】
無線検出器の三次元位置及びX線管の位置、角度が既知になった後、X線管に対向している無線検出器が目標露光検出器である。X線管に対向している検出器が1つだけでなければ、X線に沿った最初の無線検出器が目標露光検出器である。目標露光検出器が確定された後、X線診断システムが自動的に該目標露光検出器から画像データを調べ、使用者がたちいる必要がなく、X線露光及びデータの伝送過程全体がより安全になる。
【0053】
言及したいことは、無線検出器の位置情報が既知であれば、デジタルフィルム機器の自動位置決めは可能で、デジタルフィルム機器の容積の放射結像も可能である。自動追跡及び容積放射結像はX線診断装置で実現されているが、テーブル及びウォールスタンドのみに適用され、移アクティブなデジタルフィルム機器適合されない。困難な理由は、デジタルフィルム機器の位置及び姿が分からないことである。一旦デジタルフィルム機器の位置が分かると、X線診断システムの従来設計を応用すればよい。そのため、上述の位置決めシステム及び方法をデジタルフィルム機器に応用すればデジタルフィルム機器の位置が得られ、これにより自動追跡及び容積放射結像が実現される。
【0054】
以上、特定の実施形態を介して本発明について詳しく説明したが、本発明は後述の実施形態に限られない。本発明の主旨及び範囲を逸脱しない範囲で、本発明に対して様々な修正及び変形することができる。本発明の範囲は特許請求の範囲に限定される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療システムにおける無線検出器のシステムであって、
前記無線検出器から周期的に発射する標識メッセージを受信し、受信された標識メッセージに基づいて前記無線検出器の情報を獲得する少なくとも3つのホストコンピューターワイヤーアダプタと、
前記少なくとも3つのホストコンピューターワイヤーアダプタからの前記無線検出器に関する情報を受信し、受信された前記無線検出器に関する情報に基づいて前記無線検出器の位置を確定するコントローラと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記標識メッセージは、超広帯域標識である請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記無線検出器に関する情報は、信号強度、角度及び/又は時間到達情報である請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラは前記無線検出器の情報が信号強度であるとき以下の操作を行うように配置され、
前記信号強度の低下に基づいて前記無線検出器と前記少なくとも3つのホストコンピューターワイヤーアダプタとの距離を推定し、
前記無線検出器と前記少なくとも3つのホストコンピューターワイヤーアダプタとの距離及び前記3つのホストコンピューターワイヤーアダプタの位置に基づいて前記無線検出器の位置を確定する請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記コントローラは前記無線検出器の情報が時間到達情報であるとき以下の操作を行うように配置され、
前記無線検出器の信号が各前記少なくとも3つのホストコンピューターワイヤーアダプタに到達する時間を計算し、
前記時間を前記無線検出器と前記少なくとも3つのホストコンピューターワイヤーアダプタにおける各ホストコンピューターワイヤーアダプタとの距離に変換し、
前記距離及び前記少なくとも3つのホストコンピューターワイヤーアダプタの位置に基づいて前記無線検出器の位置を確定する請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも3つのホストコンピューターワイヤーアダプタは、周期的に前記コントローラに各々の現時点の信号強度を報告するように配置され、
前記コントローラは、前記少なくとも3つのホストコンピューターワイヤーアダプタが報告した各々の現時点の信号強度を比較して最大信号強度が得られ、前記最大信号強度に対応されるホストコンピューターワイヤーアダプタをアクティブなホストコンピューターワイヤーアダプタに確定するように配置される請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも3つのホストコンピューターワイヤーアダプタにおける2つ毎のホストコンピューターワイヤーアダプタ同士の距離が、所定距離より小さい請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記所定距離は5メートルである請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも3つのホストコンピューターワイヤーアダプタは、前記無線検出が配置されるルームの隅で、地面からの距離が2メートルから3メートルで、且つ天井からの距離は少なくとも0.3メートルに配置される請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記コントローラは、複数の無線検出器があるとき、放射源の位置、角度及び前記複数の無線検出器の位置に基づいて、前記放射源に対向している無線検出器を目標検出器に確定するように配置される請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記コントローラは、2つ以上の無線検出器が前記放射源に対向されるとき、放射ビームに沿った最初の無線検出器を目標検出器に確定するように配置される請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
少なくとも1つのホストコンピューターワイヤーアダプタが前記目標検出器の挿入方向と反対である位置に配置される請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
医療システムにおける無線検出器の方法であって、
少なくとも3つのホストコンピューターワイヤーアダプタが前記無線検出器から周期的に発射する標識メッセージに基づいて前記無線検出器に関する情報を獲得し、
前記少なくとも3つのホストコンピューターワイヤーアダプタからの前記無線検出器に関する情報に基づいて前記無線検出器の位置を確定する方法。
【請求項14】
前記標識メッセージは、超広帯域標識である請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記無線検出器に関する情報は、信号強度、角度及び/又は時間到達情報である請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記無線検出器に関する情報が信号強度であるとき、前記無線検出器の位置を確定するステップは、
前記信号強度の低下に基づいて前記無線検出器と前記少なくとも3つのホストコンピューターワイヤーアダプタとの距離を推定するステップと、
前記無線検出器と前記少なくとも3つのホストコンピューターワイヤーアダプタとの距離及び前記3つのホストコンピューターワイヤーアダプタの位置に基づいて前記無線検出器の位置を確定するステップと、
を備える請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記無線検出器の情報が時間到達情報であるとき、前記無線検出器の位置を確定するステップは、
前記無線検出器の信号が各前記少なくとも3つのホストコンピューターワイヤーアダプタに到達する時間を計算するステップと、
前記時間を前記無線検出器と前記少なくとも3つのホストコンピューターワイヤーアダプタにおける各ホストコンピューターワイヤーアダプタとの距離に変換するステップと、
前記距離及び前記少なくとも3つのホストコンピューターワイヤーアダプタの位置に基づいて前記無線検出器の位置を確定するステップと、
を備える請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも3つのホストコンピューターワイヤーアダプタが周期的に報告した各々の現時点の信号強度を受信し、
前記少なくとも3つのホストコンピューターワイヤーアダプタが報告した各々の現時点の信号強度を比較して最大信号強度が得られ、前記最大信号強度に対応されるホストコンピューターワイヤーアダプタをアクティブなホストコンピューターワイヤーアダプタに確定する請求項13から請求項17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
複数の無線検出器があるとき、放射源の位置、角度及び前記複数の無線検出器の位置に基づいて、前記放射源に対向している無線検出器を目標検出器に確定する請求項13から請求項17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
2つ以上の無線検出器が前記放射源に対向されるとき、放射ビームに沿った最初の無線検出器を目標検出器に確定する請求項19に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−109965(P2012−109965A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244057(P2011−244057)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】