説明

医療データ管理システム

【課題】医療データを複数の医療施設で共有するシステムにおいて、医療データを管理するサーバに新たに医療データが記憶された場合の、ユーザの利便性を向上させる。
【解決手段】医療データ管理サーバ10は、患者情報が削除された医療データとこの患者情報を特定する患者特定IDとを関連付けて記憶する。医療データ管理サーバ10は、医療データがアップロードされると、この医療データに関連付けられている患者特定IDを含むアクセス要求を所定の期間内に送信したクライアント端末10に更新通知を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療データ管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療技術の発達に伴い、特定機能を持つ病院や診療所等の各医療施設が連携して患者を治療する、地域医療連携の枠組みが普及しつつある。
【0003】
例えば、各医療施設において管理されている医療データを、医療施設のグループ全体(地域全体)で共有するため、医療データを管理する医療データ管理サーバを設置し、各医療施設から当該サーバに医療データをアップロードし、各医療施設から当該サーバにアクセスすることにより、互いの医療データの供給、取得を可能としている。
【0004】
また、医療データ管理サーバの代わりに、医療データの所在、データ種類、対象患者等を管理するサーバ(地域医療連携サーバ)を設置し、当該サーバにアクセスすることにより、互いの医療データの供給、取得を可能とする技術も開示されている。具体的には、患者の紹介元の医療施設が地域医療連携サーバに患者情報を登録し、患者の紹介先の医療施設が地域医療連携サーバから患者情報を取得する技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−122380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、各医療施設では、医療データ管理サーバに医療データがアップロードされた契機を知ることができず、ユーザにとって不便であった。
【0007】
また、特許文献1の技術でも同様に、地域医療連携サーバに、医療データの所在、データ種類、対象患者等の情報が登録(アップロード)された契機を知ることができず、ユーザにとって不便であった。
【0008】
本発明は、上述したような課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、医療データを複数の医療施設で共有するシステムにおいて、医療データを管理するサーバに新たに医療データが記憶された場合の、ユーザの利便性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
複数の医療施設において其々生成された医療データを管理する医療データ管理サーバと、前記医療施設内に設置されたクライアント端末とが通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続された医療データ管理システムであって、
前記医療データ管理サーバは、
患者情報が削除された前記医療データと当該患者情報を特定する患者特定IDとを関連付けて記憶する第1記憶手段と、
前記患者特定IDを含むアクセス要求をクライアント端末から受信すると、当該患者特定IDに関連付けられている医療データ又は当該医療データに関する情報を前記クライアント端末に送信し、前記第1記憶手段に新たに医療データが記憶されると、当該医療データに関連付けられている患者特定IDを含むアクセス要求を送信したクライアント端末に更新通知を送信する第1制御手段と、
を備える。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記クライアント端末は、
患者情報と患者特定IDとを関連付けて記憶する第2記憶手段と、
自医療施設内において生成された医療データから患者情報を削除し、
当該患者情報が前記第2記憶手段に記憶されている場合、当該医療データと当該患者情報に関連付けられている患者特定IDとを前記医療データ管理サーバに送信し、
当該患者情報が前記第2記憶手段に記憶されていない場合、当該患者情報を特定する患者特定IDを発行し、当該医療データと当該発行した患者特定IDとを前記医療データ管理サーバに送信し、当該削除した患者情報と当該発行した患者特定IDとを関連付けて前記第2記憶手段に記憶させる第2制御手段と、
を備え、
前記医療データ管理サーバの第1制御手段は、
前記クライアント端末から受信した、前記患者情報が削除された前記医療データと当該患者情報を特定する患者特定IDとを関連付けて前記第1記憶手段に記憶させる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記更新通知は、前記第1記憶手段に新たに記憶された医療データに関連付けられている患者特定IDを含む。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
前記クライアント端末の第2制御手段は、
前記更新通知に含まれる患者特定IDに関連付けられている患者情報を第2記憶手段から読み出し、当該患者情報に対応する患者の医療データが前記医療データ管理サーバにアップロードされた旨を画面に表示する。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明において、
前記医療データ管理サーバの第1制御手段は、
前記第1記憶手段に新たに医療データが記憶されると、当該医療データに関連付けられている患者特定IDを含むアクセス要求を所定の期間内に送信したクライアント端末に更新通知を送信する。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、医療データ管理サーバは、患者情報が削除された医療データと当該患者情報を特定する患者特定IDとを関連付けて記憶する第1記憶手段を備え、医療データ管理サーバの第1制御手段は、患者特定IDを含むアクセス要求をクライアント端末から受信すると、当該患者特定IDに関連付けられている医療データ又は当該医療データに関する情報を前記クライアント端末に送信し、前記第1記憶手段に新たに医療データが記憶されると、当該医療データに関連付けられている患者特定IDを含むアクセス要求を送信したクライアント端末に更新通知を送信する。
【0015】
そのため、医療データを複数の医療施設で共有するシステムにおいて、医療データを管理するサーバに新たに医療データが記憶された場合の、ユーザの利便性を向上させることができる。また、患者情報の漏洩を防ぐことができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、クライアント端末は、患者情報と患者特定IDとを関連付けて記憶する第2記憶手段を備え、クライアント端末の第2制御手段は、自医療施設内において生成された医療データから患者情報を削除し、当該患者情報が前記第2記憶手段に記憶されている場合、当該医療データと当該患者情報に関連付けられている患者特定IDとを前記医療データ管理サーバに送信し、当該患者情報が前記第2記憶手段に記憶されていない場合、当該患者情報を特定する患者特定IDを発行し、当該医療データと当該発行した患者特定IDとを前記医療データ管理サーバに送信し、当該削除した患者情報と当該発行した患者特定IDとを関連付けて前記第2記憶手段に記憶させる。また、前記医療データ管理サーバの第1制御手段は、前記クライアント端末から受信した、前記患者情報が削除された前記医療データと当該患者情報を特定する患者特定IDとを関連付けて前記第1記憶手段に記憶させる。
【0017】
そのため、連携する医療施設のグループ内において共通の患者特定IDが持たれる。即ち、患者特定IDと患者情報とは一対一に対応する。よって、患者情報の漏洩を防ぐことができ、且つ、共有される医療データを閲覧する際のユーザの利便性が向上する。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、前記更新通知は、前記第1記憶手段に新たに記憶された医療データに関連付けられている患者特定IDを含む。そのため、医療データを複数の医療施設で共有するシステムにおいて、医療データを管理するサーバに新たに医療データが記憶された場合の、ユーザの利便性を更に向上させることができる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、ユーザは、画面を参照することで、過去に閲覧した医療データの対象患者に関する医療データがアップロードされた契機を知ることができる。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、ユーザは、画面を参照することで、所定の期間内に閲覧した医療データの対象患者に関する医療データがアップロードされた契機を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】医療データ管理システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
【図2】DICOM準拠画像データのデータ構成図である。
【図3】HL7準拠読影レポートデータのデータ構成図である。
【図4】HL7準拠検体検査結果データのデータ構成図である。
【図5】医療データ管理サーバのブロック図である。
【図6】医療データ管理サーバに記憶されている医療データのデータ構成図である。
【図7】患者医療関連テーブルのデータ構成図である。
【図8】アクセス履歴テーブルのデータ構成図である。
【図9】クライアント端末のブロック図である。
【図10】患者情報特定テーブルのデータ構成図である。
【図11】患者特定ID発行処理のフローチャート図である。
【図12】医療データ管理システムにおいて実行される処理のイメージ図である。
【図13】医療データ管理システムにおいて実行される処理のフローチャート図である。
【図14】更新通知処理のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の医療データ管理システムを図1の医療データ管理システム100に適用した場合の実施形態について図1〜図14を参照して説明する。
【0023】
[医療データ管理システムのシステム構成]
図1に、医療データ管理システム100のシステム構成を示す。図1に示すように、医療施設Aの医療システム200aと、医療施設Bの医療システム200bと、医療施設Cの医療システム200cと、データセンタの医療システム300とから構成されている。上記の各医療システムは、インターネット等の通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続されている。
【0024】
医療システム200aは、クライアント端末10と、モダリティ20と、PACS30と、読影レポートシステム40と、検査データ管理サーバ50とから構成されており、各装置は医療施設A内の通信ネットワークであるLAN(Local Area Network)を介して、データ通信可能に接続されている。また、LANは、図示しないルータ等の通信機器を介して通信ネットワークNと通信可能となっている。
【0025】
モダリティ20は、図示しないRISから受信した撮影オーダ情報に従って、患者を撮影し、医用画像の画像データ(医用画像データ)を生成する撮影装置である。ここで、RISとは、医療施設A内における診療予約、診断結果のレポート、実績管理、材料在庫管理等の情報管理を行うシステムである。モダリティ20は、前記撮影オーダ情報に基づいて、前記医用画像データに関する付帯情報を生成する。そして、モダリティ20は、前記医用画像データに付帯情報を付帯させて、DICOM規格に則ったDICOM準拠画像データを生成し、PACS30に送信する。モダリティ20としては、CR装置、CT装置、MRI装置等、様々な種類の医用画像を撮影する撮影装置(医用画像撮影装置)が適用可能である。
【0026】
図2に、モダリティ20が生成するDICOM準拠画像データのデータ構成図を示す。前述したように、DICOM準拠画像データは、付帯情報と医用画像データとから構成される。また、付帯情報は、患者情報、検査情報、シリーズ情報及び画像識別情報を含む。
【0027】
患者情報は、患者ID、患者氏名、性別、生年月日、身長、体重、電話番号、住所、職業等の項目を含んだ患者に関する情報である。検査情報は、検査を識別する検査ID、検査名、検査日時、受付番号、検査目的、検査内容等の検査に関する情報である。シリーズ情報は、シリーズ番号、モダリティ名、手技、撮影部位、撮影方向、撮影技師名等の、一つの検査の中で生成されるモダリティ毎の一連の医用画像の単位(シリーズ)に関する情報である。画像識別情報は、画像を識別するSOPインスタンスUID、画像番号、画像サイズ等の医用画像に関する情報である。
【0028】
図1に戻り、PACS30は、モダリティ20において生成されたDICOM準拠画像データを保存管理し、検索やデータ解析を行うデータベースシステムである。PACS30は、モダリティ20から受信したDICOM準拠画像データに含まれる付帯情報に基づいて当該DICOM準拠画像データを、例えば、リレーショナルデータベースに蓄積記憶していく。そして、PACS30は、読影医等の操作指示に応じて指定された患者IDや検査ID等を検索キーとしてDICOM準拠画像データを検索し、画像ビューワやイメージャに出力する。
【0029】
読影レポートシステム40は、医用画像の読影レポートを作成し管理するためのシステムである。読影レポートシステム40は、PACS30からDICOM準拠画像データを取得(受信)する。読影レポートシステム40は、取得したDICOM準拠画像データに基づいて、画像ビューワに医用画像を表示する。読影レポートシステム40は、ユーザ操作による操作信号や、取得したDICOM準拠画像データの付帯情報に基づいて、HL7規格に則ったHL7準拠読影レポートデータを生成する。読影レポートシステム40は、生成したHL7準拠読影レポートデータを保存する。
【0030】
図3に、読影レポートシステム40が生成するHL7準拠読影レポートデータのデータ構成図を示す。HL7準拠読影レポートデータは、患者情報と検査情報と読影レポート情報とから構成される。
【0031】
患者情報、検査情報は、DICOM準拠画像データの付帯情報に含まれる患者情報、検査情報と同様のデータである。読影レポート情報は、医用画像に対する読影レポートの情報である。
【0032】
図1に戻り、検査データ管理サーバ50は、図示しない分析器において生成された検査データを、HL7規格に則ったHL7準拠検体検査データとして保存管理する装置である。ここで、分析器とは、患者から採取した血液や尿等の検体を分析(検査)し、分析結果としての検査データを生成する装置である。
【0033】
図4に、検査データ管理サーバ50において管理されるHL7準拠検体検査結果データのデータ構成図を示す。HL7準拠検体検査結果データは、患者識別情報(患者情報)と検査識別情報と検体識別情報と容器識別情報と結果識別情報とから構成される。
【0034】
患者識別情報(患者情報)、検査識別情報は、DICOM準拠画像データの付帯情報に含まれる患者情報、検査情報と同様のデータである。検体識別情報は、検体ID、採取方法、採取量、採取日時、受領日時等の検体に関する情報である。容器識別情報は、容器ID、容器容積、添加物、希釈率、温度等の容器に関する情報である。結果識別情報は、検査項目、検査値、単位、基準値、実施者、分析日時、装置ID等の検査結果に関する情報である。
【0035】
図1に戻り、クライアント端末10は、データセンタの医療システム300に設置された医療データ管理サーバ60のクライアント機能を有する。クライアント端末10は、自システム(医療システム200a)内において生成された医療データから患者情報を削除して、この患者情報が削除された医療データを医療データ管理サーバ60に送信する。ここで、医療データとは、DICOM準拠画像データ、HL7準拠読影レポートデータ、HL7準拠検体検査結果データ等の医療に関するデータである。
【0036】
具体的に、クライアント端末10は、PACS30にDICOM準拠画像データの取得要求を送信する。そして、クライアント端末10は、PACS30からDICOM準拠画像データを取得(受信)する。クライアント端末10は、このDICOM準拠画像データの付帯情報から患者情報を削除する。クライアント端末10は、患者情報が削除されたDICOM準拠画像データを医療データ管理サーバ60に送信する。
【0037】
同様に、クライアント端末10は、読影レポートシステム40にHL7準拠読影レポートデータの取得要求を送信する。そして、クライアント端末10は、読影レポートシステム40からHL7準拠読影レポートデータを取得(受信)する。クライアント端末10は、このHL7準拠読影レポートデータから患者情報を削除する。クライアント端末10は、患者情報が削除されたHL7準拠読影レポートデータを医療データ管理サーバ60に送信する。
【0038】
同様に、クライアント端末10は、検査データ管理サーバ50にHL7準拠検体検査結果データの取得要求を送信する。そして、クライアント端末10は、検査データ管理サーバ50からHL7準拠検体検査結果データを取得(受信)する。クライアント端末10は、このHL7準拠検体検査結果データから患者情報を削除する。クライアント端末10は、患者情報が削除されたHL7準拠検体検査結果データを医療データ管理サーバ60に送信する。
【0039】
また、クライアント端末10は、医療データから削除した患者情報を特定する患者特定IDを、患者情報が削除された医療データと共に医療データ管理サーバ60に送信する。
【0040】
また、クライアント端末10は、患者特定IDに基づいて、医療データ管理サーバ60において管理されている医療データを検索し、医療データを取得する。
【0041】
医療システム200b及び医療システム200cの構成は、医療システム200aの構成と略同一であるため、その説明を省略する。
【0042】
医療システム300は、医療データ管理サーバ60等から構成されている。医療データ管理サーバ60は、各医療施設(医療施設A、B、C)において生成された医療データを管理する。
【0043】
医療データ管理サーバ60は、各医療施設に設置されたクライアント端末10から、医療データと患者特定IDとを受信すると、これらの情報を記憶管理する。
【0044】
[医療データ管理サーバの機能的構成]
図5に、医療データ管理サーバ60の機能的構成を示す。
【0045】
図5に示すように、医療データ管理サーバ60は、制御部61、操作部62、表示部63、通信部64、記憶部65を備えて構成され、各部はバス66により接続されている。
【0046】
制御部61は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、医療データ管理サーバ60の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、操作部62から入力される操作信号又は通信部64により受信される指示信号に応じて、記憶部65に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0047】
操作部62は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部61に出力する。
【0048】
表示部63は、LCD(Liquid Crystal Display)により構成され、制御部61から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。
【0049】
通信部64は、LAN(Local Area Network)アダプタ、ルータ、TA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークNを介して接続された医療システム200a、医療システム200b、医療システム200c等の外部システムや外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0050】
記憶部65は、ハードディスク等から構成され、制御プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメータやファイル等を記憶している。また、記憶部65は、各医療施設において生成された医療データを記憶する。
【0051】
図6に、記憶部65に記憶されている医療データのデータ構成図を示す。図6に示すように、DICOM準拠画像データは、付帯情報に含まれる患者情報が削除されて記憶部65に記憶される。同様に、HL7準拠読影レポートデータは、患者情報が削除されて記憶部65に記憶される。同様に、HL7準拠検体検査結果データは、患者識別情報(患者情報)が削除されて記憶部65に記憶される。
【0052】
図5に戻り、記憶部65は、医療データを管理するためのプログラムである医療データ管理サーバプログラム651を記憶する。医療データ管理サーバプログラム651と制御部61とは協働して、記憶部65に記憶されている医療データの管理等を行う。
【0053】
また、記憶部65は、患者医療関連テーブル652を記憶する。患者医療関連テーブル652は、医療データ管理サーバプログラム651と制御部61との協働による医療データの管理において参照される。
【0054】
図7に、患者医療関連テーブル652のデータ構成を示す。図7に示すように、患者医療関連テーブル652における1レコードは、「医療データ(患者情報無し)の格納アドレス」と「患者特定ID」とから成る。ここで、1レコードは、1つの医療データのオブジェクト(例えば、一検査分のHL7準拠読影レポートデータ)に対応する。
【0055】
「医療データ(患者情報無し)の格納アドレス」は、医療データのオブジェクトが格納されている記憶部65の格納アドレスを示す項目である。
【0056】
「患者特定ID」は、同レコードの「医療データ(患者情報無し)の格納アドレス」に格納されている医療データのオブジェクトから削除した患者情報を特定する情報である。
【0057】
図5に戻り、記憶部65は、アクセス履歴テーブル653を記憶する。アクセス履歴テーブル653とは、クライアント端末10が、患者特定IDを検索キーとして記憶部65に記憶されている医療データにアクセスした履歴を示すテーブルである。
【0058】
図8に、アクセス履歴テーブル653のデータ構成を示す。図8に示すように、アクセス履歴テーブル653における1レコードは、「患者特定ID」「IPアドレス」「ホスト名」「施設名」「最終アクセス日時」とから成る。ここで、1レコードは、1つの患者特定IDを検索キーとした1台のクライアント端末のアクセスに対応する。例えば、医療施設Aのクライアント端末10が患者Aと患者Bに関する医療データにアクセスし、医療施設Bのクライアント端末10が患者Bに関する医療データにアクセスした場合、アクセス履歴テーブル653は、3レコードから構成されることになる。具体的に、アクセス履歴テーブル653は、「医療施設Aのクライアント端末10からの患者Aに関する医療データへのアクセス」「医療施設Aのクライアント端末10からの患者Bに関する医療データへのアクセス」「医療施設Bのクライアント端末10からの患者Bに関する医療データへのアクセス」に対応する3つのレコードから構成されることになる。
【0059】
「患者特定ID」は、クライアント端末10が医療データの検索キーとして設定した値を示す項目である。
【0060】
「IPアドレス」は、医療データにアクセスしたクライアント端末10のIPアドレスである。
【0061】
「ホスト名」は、医療データにアクセスしたクライアント端末10のホスト名である。
【0062】
「施設名」は、医療データにアクセスしたクライアント端末10が設置されている施設名である。
【0063】
「最終アクセス日時」は、クライアント端末10が同レコードの「患者特定ID」の値を検索キーとして医療データにアクセスした最終アクセス日時である。「最終アクセス日時」の値は、クライアント端末10がアクセスする毎に更新される。
【0064】
また、「IPアドレス」「ホスト名」「施設名」「最終アクセス日時」の項目の情報を合わせて、ノード情報と称す。
【0065】
図5に戻り、制御部61は、患者情報が削除された医療データと、削除した患者情報に対応する患者特定IDとを通信部14を介してクライアント端末10から受信(取得)する。制御部61は、取得した医療データ(患者情報無し)を記憶部65に記憶させる。そして、制御部61は、医療データを記憶させた記憶部65の格納アドレスと、取得した患者特定IDとを含むレコードを患者医療関連テーブル652に追加する。
【0066】
また、制御部61は、患者特定IDを含む医療データ取得要求を通信部14を介してクライアント端末10から受信すると、この患者特定IDに関連付けられている医療データを記憶部65から読み出し、クライアント端末10に送信する。具体的に、制御部61は、患者医療関連テーブル652を参照し、取得した患者特定IDと同じ値を持つ1又は複数のレコードを抽出する。そして、制御部61は、抽出したレコードの項目「医療データの格納アドレス」に基づいて1又は複数の医療データ(患者情報無し)のオブジェクトを読み出す。制御部61は、読み出した医療データ(患者情報無し)を通信部64を介して、クライアント端末10に送信する。
【0067】
また、制御部61は、患者特定IDを含む医療データリスト取得要求を通信部14を介してクライアント端末10から受信すると、この患者特定IDに関連付けられている医療データのリストをクライアント端末10に送信する。具体的に、制御部61は、患者医療関連テーブル652を参照し、取得した患者特定IDと同じ値を持つ1又は複数のレコードを抽出する。そして、制御部61は、抽出したレコードの項目「医療データの格納アドレス」に基づいて1又は複数の医療データのオブジェクトを読み出す。制御部61は、読み出した医療データのデータ種別(DICOM準拠画像データ、HL7準拠読影レポートデータ、HL7準拠検体検査結果データ)や生成日時等の情報に基づき、医療データのリストを生成する。制御部61は、通信部64を介して、生成した医療データのリストをクライアント端末10に送信する。
【0068】
医療データ取得要求と医療データリスト取得要求を総称して医療データアクセス要求と称す。
【0069】
制御部61は、医療データアクセス要求をクライアント端末10から通信部64を介して受信すると、アクセス履歴テーブル653を更新する。
【0070】
具体的に、制御部61は、医療データアクセス要求に含まれる患者特定IDを読み出す。制御部61は、通信部64に問い合わせて通信状況の情報を解析し、又は医療データアクセス要求を解析し、医療データアクセス要求の送信元の装置のIPアドレス、ホスト名、装置が設置されている施設名を検出する。
【0071】
そして、制御部61は、読み出した患者特定IDと検出したIPアドレスと、同じ値の項目「患者特定ID」「IPアドレス」を持つレコードを、アクセス履歴テーブル653から検索する。
【0072】
検索の結果、該当するレコードが無い場合、制御部61は、読み出した患者特定IDと検出したIPアドレスと検出したホスト名と検出した施設名と現在時刻とを、「患者特定ID」「ホスト名」「施設名」「最終アクセス日時」の各値とするレコードをアクセス履歴テーブル653に追加する。
【0073】
一方、検索の結果、該当するレコードが有る場合、制御部61は、この該当するレコードの「最終アクセス日時」の値を、現在時刻に更新する。
【0074】
これらの制御部61の処理は、医療データ管理サーバプログラム651と協働して行われる。
【0075】
[クライアント端末の機能的構成]
図9に、クライアント端末10の機能的構成を示す。
【0076】
図9に示すように、クライアント端末10は、制御部11、操作部12、表示部13、通信部14、記憶部15を備えて構成され、各部はバス16により接続されている。
【0077】
制御部11は、CPU、RAM等から構成され、クライアント端末10の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、操作部12から入力される操作信号又は通信部14により受信される指示信号に応じて、記憶部15に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0078】
操作部12は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部11に出力する。
【0079】
表示部13は、LCDにより構成され、制御部11から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。
【0080】
通信部14は、LANアダプタ、ルータ、TA等を備え、医療システム200aのLANや通信ネットワークNを介して接続されたPACS30、読影レポートシステム40、検査データ管理サーバ50、医療データ管理サーバ60等の外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0081】
記憶部15は、ハードディスク等から構成され、制御プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメータやファイル等を記憶している。
【0082】
また、記憶部15は、医療データ管理サーバ60のクライアント機能を実現するプログラムである医療データ管理クライアントプログラム151を記憶する。
【0083】
また、記憶部15は、患者情報特定テーブル152を記憶する。患者情報特定テーブル152は、医療データ管理クライアントプログラム151と制御部11との協働による処理の際に参照される。
【0084】
図10に、患者情報特定テーブル152のデータ構成を示す。図10に示すように、患者情報特定テーブル152における1レコードは、「患者情報」と「患者特定ID」とから成る。ここで、1レコードは、患者一人分の患者情報に対応する。
【0085】
「患者情報」は、医療データのオブジェクトに付帯する付帯情報に含まれる患者情報である。
【0086】
「患者特定ID」は、同レコードの「患者情報」を特定する情報である。
【0087】
図9に戻り、制御部11は、ユーザ操作による操作部12からの操作信号に基づいて、データセンタにアップロードする医療データを選択する。具体的に、制御部11は、操作部12からの操作信号に基づいて、自施設内のPACS30、読影レポートシステム40又は検査データ管理サーバ50から、データセンタにアップロードする医療データを通信部14を介して受信(取得)する。
【0088】
次に、制御部11は、取得した医療データから患者情報を削除する。そして、制御部11は、削除した患者情報に対応する患者特定IDを発行する処理である患者特定ID発行処理を行う。次に、制御部11は、患者情報が削除された医療データと、削除した患者情報に対応する患者特定IDとを、通信部14を介して医療データ管理サーバ60に送信する。即ち、患者情報が削除された医療データは、データセンタの医療データ管理サーバ60にアップロードされる。
【0089】
制御部11は、ユーザ操作による操作部12からの操作信号に基づいて、患者情報特定テーブル152の項目「患者情報」の一覧を表示部13に表示させる。制御部11は、ユーザ操作による操作部12からの操作信号に基づいて、表示部13に表示された患者情報の何れかを選択する。
【0090】
制御部11は、ユーザ操作による操作部12からの操作信号に基づいて、選択した患者情報に対応する患者特定IDを含む医療データ取得要求を生成する。制御部11は、生成した医療データ取得要求を通信部14を介して医療データ管理サーバ60に送信する。制御部11は、取得要求に応じた医療データを通信部14を介して医療データ管理サーバ60から受信する。制御部11は、受信した医療データを表示部13に表示させる。
【0091】
また、制御部11は、ユーザ操作による操作部12からの操作信号に基づいて、選択した患者情報に対応する患者特定IDを含む医療データリスト取得要求を生成する。制御部11は、生成した医療データリスト取得要求を通信部14を介して医療データ管理サーバ60に送信する。制御部11は、取得要求に応じた医療データのリストを通信部14を介して医療データ管理サーバ60から受信する。制御部11は、受信した医療データのリストを表示部13に表示させる。ユーザは、このリストを閲覧し、医療データ取得要求を生成する旨のユーザ操作を操作部12に対して行う。
【0092】
これらの制御部11の処理は、医療データ管理クライアントプログラム151と協働して行われる。
【0093】
[患者特定ID発行処理]
次に、クライアント端末10の制御部11が実行する患者特定ID発行処理の具体的な動作について、図11を用いて説明する。
【0094】
図11に示すように、クライアント端末10の制御部11は、医療データから削除した患者情報に対応するレコードを患者情報特定テーブル152から検索する(ステップS1)。
【0095】
検索の結果、対応するレコードが有る場合(ステップS2;YES)、制御部11は、この対応するレコードの項目「患者特定ID」を送信対象の患者特定IDとする(ステップS6)。以上で、患者特定ID発行処理が終了する。
【0096】
一方、検索の結果、対応するレコードが無い場合(ステップS2;NO)、制御部11は、患者特定IDを発行する(ステップS3)。そして、制御部11は、医療データから削除した患者情報と、発行された患者特定IDとを各項目の値とするレコードを患者情報特定テーブル152に追加する。即ち、制御部11は、患者情報特定テーブル152を更新する(ステップS4)。
【0097】
そして、制御部11は、発行された患者特定IDを送信対象の患者特定IDとする(ステップS5)。以上で、患者特定ID発行処理が終了する。制御部11は、送信対象の患者特定IDを、医療データ(患者情報無し)と共に、通信部14を介して医療データ管理サーバ60に送信する。
【0098】
[医療データ管理システムにおいて実行される処理概要]
次に、医療データ管理システム100において実行される処理の概要について、図12を用いて説明する。ここでは、説明の便宜上、医療データ管理システム100は、医療施設A、B、Cの他に医療施設Dも備えることとする。医療施設Dの医療システムは、医療システム200aの構成と略同一であるため、その説明を省略する。
【0099】
A患者の医療データが医療施設Bのクライアント端末10から医療データ管理サーバ60にアップロードされると、医療データ管理サーバ60は、アクセス履歴を参照し、所定の条件を満たす一又は複数のクライアント端末10に更新通知を送信する。
【0100】
例えば、医療データ管理サーバ60は、「A患者の医療データに3ヶ月以内にアクセスが有る」クライアント端末10に、更新通知を送信する。図12によると、医療施設Aのクライアント端末10は、4ヶ月前にA患者の医療データにアクセスしている。また、医療施設Dのクライアント端末10は、A患者の医療データにアクセスしていない。また、医療施設Cのクライアント端末10は、2ヶ月前にA患者の医療データにアクセスしている。そのため、医療データ管理サーバ60は、「A患者の医療データに3ヶ月以内にアクセスが有る」医療施設Cのクライアント端末10にのみ更新通知(A患者に関する医療データがアップロードされた旨の更新通知)を送信する。
【0101】
[医療データ管理システムにおいて実行される処理の具体的な動作]
次に、医療データ管理システム100において実行される処理の具体的な動作について、図13を用いて説明する。
【0102】
図13に示すように、医療施設Bのクライアント端末10の制御部11は、データセンタにアップロードする医療データから患者情報を削除し、この医療データを患者特定IDと共に医療データ管理サーバ60に通信部14を介して送信する(ステップS101)。
【0103】
医療データ管理サーバ60の制御部61は、通信部64を介してクライアント端末10から医療データ(患者情報無し)と患者特定IDとを受信(取得)すると、取得した医療データ(患者情報無し)を記憶部65に記憶させる。そして、制御部61は、医療データを記憶させた記憶部65の格納アドレスと、取得した患者特定IDとを含むレコードを患者医療関連テーブル652に追加する。即ち、制御部61は、患者医療関連テーブル652を更新する(ステップS102)。
【0104】
次に、制御部61は、更新通知処理を行う(ステップS103)。更新通知処理とは、
制御部61が、更新通知を生成し、アクセス履歴テーブル653と患者特定IDとに基づいてクライアント端末10を選択し、選択したクライアント端末10に生成した更新通知を通信部14を介して送信する処理である。更新通知には、患者特定IDが含まれる。
【0105】
制御部61は、この更新通知処理により医療施設Cのクライアント端末10に通信部14を介して更新通知を送信する。
【0106】
医療施設Cのクライアント端末10の制御部11は、医療データ管理サーバ60から更新通知を通信部14を介して受信すると、この更新通知に含まれる患者特定IDに基づいて、患者特定IDに対応する患者の医療データが新たにデータセンタにアップロードされた旨を表示部13に表示させる(ステップS104)。
【0107】
具体的に、医療施設Cのクライアント端末10の制御部11は、患者情報特定テーブル152を参照して、医療データ管理サーバからの更新通知に含まれる患者特定IDに対応する患者情報を読み出す。制御部11は、この患者情報に基づいて、患者特定IDに対応する患者の医療データが新たにデータセンタにアップロードされた旨を表示部13に表示させる。ユーザは、この表示された情報(更新通知)を参照し、医療データ取得要求を生成する旨のユーザ操作、又は医療データリスト取得要求を生成する旨のユーザ操作を操作部12に対して行う。
【0108】
尚、更新通知に患者特定IDの他に、アップロードされた医療データのデータ種別(DICOM準拠画像データ、HL7準拠読影レポートデータ、HL7準拠検体検査結果データ)の情報が含まれている場合、制御部11は、更に、アップロードされた医療データのデータ種別を表示部13に表示させる構成としてもよい。
【0109】
[更新通知処理]
次に、更新通知(図13のステップS103)の具体的な動作について、図14を用いて説明する。
【0110】
図14に示すように、医療データ管理サーバ60の制御部61は、クライアント端末10からアップロードされた医療データ(患者情報無し)と共に取得した患者特定IDを含む更新通知を生成する(ステップS201)。尚、制御部61は、この更新通知に更に、アップロードされた医療データのデータ種別(DICOM準拠画像データ、HL7準拠読影レポートデータ、HL7準拠検体検査結果データ)を含ませる構成としてもよい。
【0111】
次に、制御部61は、アクセス履歴テーブル653から、項目「患者特定ID」の値が、取得した患者特定IDと同じである一又は複数のレコードを抽出する(ステップS202)。
【0112】
次に、制御部61は、記憶部65から通知実行アクセス期間情報を読み出す(ステップS203)。通知実行アクセス期間情報は、予め設定された情報である。具体的に、制御部61は、ユーザ操作による操作部62からの操作信号に基づいて、通知実行アクセス期間情報を設定し、記憶部65に記憶させる。
【0113】
次に、制御部61は、抽出した各レコードの項目「最終アクセス日時」の値と現在時刻とに基づいて、無アクセス期間情報をレコード毎に算出する。具体的に、制御部61は、現在時刻と「最終アクセス日時」の値との差分を無アクセス期間情報とする。
【0114】
次に、制御部61は、ステップS202において抽出した各レコードのうち、通知実行アクセス期間より短い無アクセス期間のレコードを更に抽出する(ステップS205)。
【0115】
制御部61は、ステップS205において更に抽出されたレコードのノード情報に基づいて、抽出されたレコードに該当する各クライアント端末10に更新通知を通信部64を介して送信する(ステップS206)。具体的に、制御部61は、ノード情報に含まれる「IPアドレス」「ホスト名」「施設名」等に基づいて、各クライアント端末10に更新通知を送信する。以上で、更新通知処理が終了する。
【0116】
以上、本実施の形態によれば、医療データ管理サーバ60の記憶部65は、患者情報が削除された前記医療データと当該患者情報を特定する患者特定IDとを関連付ける患者医療関連テーブル652を記憶している。また記憶部65は、アクセス履歴テーブル653を記憶している。
【0117】
医療データ管理サーバ60の制御部61は、患者特定IDを含むアクセス要求をクライアント端末10から受信すると、アクセス履歴テーブル653を更新し、当該患者特定IDに関連付けられている医療データ又は当該医療データに関する情報を前記クライアント端末10に送信する。
【0118】
また、制御部61は、記憶部65に新たに医療データが記憶されると、アクセス履歴テーブル653を参照して、当該医療データに関連付けられている患者特定IDを含むアクセス要求を送信したクライアント端末10に更新通知を送信する。
【0119】
そのため、医療データを複数の医療施設で共有するシステムにおいて、医療データを管理するサーバに新たに医療データが記憶された場合の、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0120】
また、記憶部65には、患者情報が削除された前記医療データが記憶されるため、患者情報の漏洩を防ぐことができる。
【0121】
また、クライアント端末10の記憶部15は、患者情報特定テーブル152を記憶している。クライアント端末10の制御部11は、医療データ管理クライアントプログラム151と協働して、医療データ管理サーバ60にアップロードする医療データから患者情報を削除する。そして、制御部11は、削除した患者情報に対応するレコードが患者情報特定テーブル152に有る場合、このレコードの患者特定IDと患者情報が削除された医療データとを医療データ管理サーバ60に通信部14を介して送信する。一方、制御部11は、削除した患者情報に対応するレコードが患者情報特定テーブル152に無い場合、削除した患者情報を特定する患者特定IDを発行し、発行した患者特定IDと患者情報が削除された医療データとを医療データ管理サーバ60に通信部14を介して送信する。そして、制御部11は、患者情報特定テーブル152に、削除した患者情報と発行した患者特定IDとを持つレコードを加える。
【0122】
そして、医療データ管理サーバ60の制御部61は、医療データ管理サーバプログラム651と協働して、患者情報が削除された医療データを記憶部65に記憶させ、記憶された格納アドレスと患者特定IDとを持つレコードを患者医療関連テーブル652に加える。
【0123】
そのため、連携する医療施設のグループ(医療データ管理システム100)内において共通の患者特定IDが持たれる。即ち、患者特定IDと患者情報とは一対一に対応する。よって、共有される医療データを閲覧する際のユーザの利便性が向上する。
【0124】
また、クライアント端末10の制御部11は、医療データ管理サーバ60から更新通知を通信部14を介して受信すると、この更新通知に含まれる患者特定IDに基づいて、患者特定IDに対応する患者の医療データが新たにデータセンタにアップロードされた旨を表示部13に表示させる。
【0125】
そのため、ユーザは、画面を参照することで、過去に閲覧した医療データの対象患者に関する医療データがアップロードされた契機を知ることができる。
【0126】
また、医療データ管理サーバ60の制御部61は、所定の期間内(例えば、1年以内)にアクセス要求を送信したクライアント端末10にのみ更新通知を送信する。即ち、長期間診察していない患者についての医療データの更新通知は送信されないため、ユーザの利便性が向上する。
【0127】
尚、本実施の形態における記述は、本発明に係る医療データ管理システムの一例であり、これに限定されるものではない。システム及び各装置の細部構成及び細部動作に関しても適宜変更可能である。
【0128】
また、本実施形態では、プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記憶媒体、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ等を適用することが可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も適用可能である。
【符号の説明】
【0129】
10 クライアント端末
11 制御部
12 操作部
13 表示部
14 通信部
15 記憶部
16 バス
20 モダリティ
30 PACS
40 読影レポートシステム
50 検査データ管理サーバ
60 医療データ管理サーバ
61 制御部
62 操作部
63 表示部
64 通信部
65 記憶部
66 バス
100 医療データ管理システム
151 医療データ管理クライアントプログラム
152 患者情報特定テーブル
200a 医療システム
200b 医療システム
200c 医療システム
300 医療システム
651 医療データ管理サーバプログラム
652 患者医療関連テーブル
653 アクセス履歴テーブル
N 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の医療施設において其々生成された医療データを管理する医療データ管理サーバと、前記医療施設内に設置されたクライアント端末とが通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続された医療データ管理システムであって、
前記医療データ管理サーバは、
患者情報が削除された前記医療データと当該患者情報を特定する患者特定IDとを関連付けて記憶する第1記憶手段と、
前記患者特定IDを含むアクセス要求をクライアント端末から受信すると、当該患者特定IDに関連付けられている医療データ又は当該医療データに関する情報を前記クライアント端末に送信し、前記第1記憶手段に新たに医療データが記憶されると、当該医療データに関連付けられている患者特定IDを含むアクセス要求を送信したクライアント端末に更新通知を送信する第1制御手段と、
を備える医療データ管理システム。
【請求項2】
前記クライアント端末は、
患者情報と患者特定IDとを関連付けて記憶する第2記憶手段と、
自医療施設内において生成された医療データから患者情報を削除し、
当該患者情報が前記第2記憶手段に記憶されている場合、当該医療データと当該患者情報に関連付けられている患者特定IDとを前記医療データ管理サーバに送信し、
当該患者情報が前記第2記憶手段に記憶されていない場合、当該患者情報を特定する患者特定IDを発行し、当該医療データと当該発行した患者特定IDとを前記医療データ管理サーバに送信し、当該削除した患者情報と当該発行した患者特定IDとを関連付けて前記第2記憶手段に記憶させる第2制御手段と、
を備え、
前記医療データ管理サーバの第1制御手段は、
前記クライアント端末から受信した、前記患者情報が削除された前記医療データと当該患者情報を特定する患者特定IDとを関連付けて前記第1記憶手段に記憶させる、
請求項1に記載の医療データ管理システム。
【請求項3】
前記更新通知は、前記第1記憶手段に新たに記憶された医療データに関連付けられている患者特定IDを含む、
請求項1又は2に記載の医療データ管理システム。
【請求項4】
前記クライアント端末の第2制御手段は、
前記更新通知に含まれる患者特定IDに関連付けられている患者情報を第2記憶手段から読み出し、当該患者情報に対応する患者の医療データが前記医療データ管理サーバにアップロードされた旨を画面に表示する、
請求項3に記載の医療データ管理システム。
【請求項5】
前記医療データ管理サーバの第1制御手段は、
前記第1記憶手段に新たに医療データが記憶されると、当該医療データに関連付けられている患者特定IDを含むアクセス要求を所定の期間内に送信したクライアント端末に更新通知を送信する、
請求項1〜4の何れか一項に記載の医療データ管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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