説明

医療事象管理および応答のための規則セットを構成するためのシステムおよび方法

モニタされる生体計測情報および装置情報に関連する様々な条件およびパラメータに基づき患者および患者看護装置、特に投薬送達ポンプをモニタするため、およびそれらの条件およびパラメータに対するユーザにより定義される応答を提供するための、医療モニタリングシステムと一緒に使用される規則セットを構成するためのシステムおよび方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モニタされる生体計測情報または生理学的情報、ならびに装置情報に関連する様々なパラメータおよび条件に基づき病院の患者および患者看護装置をモニタするため、およびそれらのパラメータおよび条件に対するユーザにより規定される応答を提供するための医療モニタリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現代医療は、投薬送達およびモニタリング機器たとえば投薬送達ポンプおよび/または患者パラメータモニタを含む投薬管理システムの使用をしばしば伴う。投薬送達機器を構成し、制御し、モニタするための投薬管理システムが開示されている。たとえば、本願の権利者が所有する、2005年6月30日に米国特許出願公開第20050144043号明細書として公開された米国特許出願第10/930,358号明細書、および2005年12月15日に米国特許出願公開第20050278194号明細書として公開された米国特許出願第10/783,573号明細書が、カスタマイズできる薬物ライブラリまたは医療機器構成情報が薬物ライブラリエディタ(drug library editor、DLE)プログラム、および投薬管理ユニット(medication management unit、MMU)のモジュールを使用して準備される投薬管理システムを開示している。MMUは、カスタマイズできる薬物ライブラリを投薬送達ポンプにダウンロードし、ポンプから状態または活動の情報を受け取る。本願の権利者が所有する、2005年6月2日に国際公開第2005050526号として公開された米国特許出願第10/783,877号明細書が、薬物ライブラリまたは医療機器構成情報がどのようにして生成され、編集され、記憶され、物質を、たとえば流体および/または患者への流体投薬を送達するために投薬管理システムに関連する投薬送達機器に伝達されるかを開示している。
【0003】
上述の本願の権利者が所有する公開された特許出願によれば、典型的投薬管理システムは、看護コンピュータの地点、たとえば看護コンピュータおよび/または薬局コンピュータのバーコード地点、ならびに/あるいは1つまたは複数の投薬送達機器と通信可能状態にあるMMUを含む。1つまたは複数の看護コンピュータの地点、ならびに/あるいは関連するメモリを有するMMUは、患者への投薬送達を管理するために、たとえば5つの適正(five−rights)チェックを行い、投薬送達機器を構成し、投薬送達機器から受信される動作情報を受け取り記憶するために、様々な情報を、たとえば患者情報、処方箋情報、カスタマイズされた薬物ライブラリ、または別の情報を記憶する。
【0004】
介護者は患者モニタリング機器および装置モニタリング機器からの出力を使用して、様々な患者看護決定を行う。患者モニタリング機器および患者看護装置モニタリング機器が、患者モニタリング機器および患者看護装置モニタリング機器からの出力信号を受け取る受信機に接続されることができる。一部の事例では、受信機は患者および患者看護装置モニタリング機器からの情報を表示および/または記録することができる。別の事例では、機器はモニタおよび/または記録媒体を含むことができる。受信機または機器はまた、患者または患者看護装置モニタリング機器からの出力の1つが、事前設定された限界から外れたときにトリガされる事前設定されたまたは調節できる警報を有することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0144043号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0278194号明細書
【特許文献3】国際公開第2005/050526号
【特許文献4】米国特許第4,551,133号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そのような従来のモニタリングシステムの1つの欠点が、偽陽性警報の発生である。そのような偽陽性警報は、事前設定された限界を外れるが正常状態に迅速に戻るモニタされる状態の一瞬のずれにより起こり得る。たとえば、そのような従来の警報モニタリングシステムの1つの応用例が、無痛法の制御された投与に対する患者の応答をモニタすることに使用するためのものである。そのようなシステムでは、現在実施されている技術が以下の問題、すなわち(1)動きのアーチファクト、または好ましくないセンサ配置およびカップリングに関連する誤った呼吸または血液ガスの読取値による間違い警報、および(2)モニタされる条件が有害事象を正確に示さない患者の状況に起因する間違い警報にさらされている。そのような警報は、たとえば患者モニタがモニタリング機器からしばらくの間切断される場合にトリガされることがある。偽陽性警報は、そのような警報に応答する必要のある病院職員の時間を浪費する。頻繁な偽陽性警報はまた、警報に対する医療応答者を鈍感にすることがある。さらに、偽陽性警報は、医療応答者に警報が真の警報であることを信じながら不適切な行動をとらせることがある。
【0007】
そのような従来のシステムの別の欠点が、多数のモニタされるパラメータに変化が、たとえば呼吸の変化に結合する血液酸素濃度に変化があったときだけ応答を必要とする能力の相対的欠如である。具体的には、ポンプを介して無痛法適用をモニタするためには、警報が典型的には、呼吸機能低下と矛盾しないこれらのパラメータの変化を検出するために一変量パラメータ、たとえばSpOだけまたは呼気終期のCO(ETCO)だけに関連付けられる。これらのシステムは、無痛法に対する体の応答の複雑さ、ならびに投与に起因することがある臨床状況および患者パラメータの範囲を表す単一変数の不十分さによる様々な問題にさらされている。たとえば、鎮痛剤、鎮静剤、および麻酔剤の投与に関連する望ましくない有害事象が、患者の呼吸および/または中枢神経系の機能低下であり得る。患者の危険性を悪化させることとは、患者間のおよび時間を経た薬物効力におけるきわめて大きなばらつきである。結局、薬物過剰投与を避けることが健康管理専門家にとって特に懸案事項であり、麻酔剤の不十分な投与をもたらし得る。後者の問題は不必要かつかなりの不快につながり、より長い院内滞留および回復時間と関連性がある。
【0008】
そのようなシステムのさらに別の欠点が、モニタし、警報を出し、警報に対する応答を必要とするための容易にカスタマイズされる規則セットを生成することが困難なことである。さらに、これらのシステムは、典型的には複数のモニタされる条件の変化に自動的に応答する能力がなかった。さらに、そのような従来のシステムは、モニタされるパラメータの変化に基づき第1の規則セットから第2の規則セットに自動的に変更する能力がしばしばなかった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書で開示されるシステムは、広範なモニタされる患者または装置のパラメータ、およびそれらのパラメータに関連する広範な条件を、ユーザインタフェースを介して入力することにより、医療装置および患者モニタリング機器からの入力により満たされたときにユーザにより規定されるまたはユーザにより選択される応答をトリガする規則セットを病院職員が構成することができるようにするように設計される。規則セットは、応答がトリガされる前に行われなければならない1組の多変数入力を確立するために、これらのパラメータおよび個々の条件のブールの(Boolean)組合せを含むことができる。権限を与えられた病院職員はまた、パラメータのタイプ、そのパラメータが満たされる条件、および各規則セットに対する応答のタイプをカスタマイズすることができる。本発明を実現するために利用されるソフトウェアは、文脈自由文法、具体的にはバッカスナウア記法(Backus−Naur form)メタシンタックスを使用して、パラメータ、条件、および応答からなる規則セットを構築することができる。
【0010】
本明細書の発明の背景セクション内で参照される特許および特許出願のすべてが、参照により本明細書に組み入れられ、本明細書の一部になる。さらに、本発明は、上記で説明される問題を解決するために、および医療システムにより提供されない有利な点および様態を提供するだけでなく、上記で明示的に言及されない他の目的を達成するために提供される。本発明の特徴、有利な点、および目的の完全な説明が、添付の図面を参照して続行される以下の詳細な説明に言及される。
【0011】
本発明の他の特徴および有利な点が以下の図面と併せて取り上げられる以下の明細書から明らかであろう。
【0012】
ここで、本発明を理解するために、本発明が添付の図面を参照して例により説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の投薬送達機器および患者モニタリングシステムの一実施形態の図である。
【図2】本発明の投薬送達機器および患者モニタリングシステムで使用するための規則セットを構成するためのシステムおよび方法の一実施形態の流れ図である。
【図3】本発明の投薬送達機器および患者モニタリングシステムで使用するための規則セットを構成するためのシステムおよび方法の第2の実施形態の流れ図である。
【図4】本発明の投薬送達機器および患者モニタリングシステムで使用するための規則セットを構成するための例示的なインタフェーススクリーン表示の一実施形態である。
【図5】本発明の投薬送達機器および患者モニタリングシステムで使用するための規則セットを選択するためのシステムおよび方法の一実施形態の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は多くの異なる形態の実施形態が可能であるが、本開示は本発明の原理の例示として考えられるべきであり、例示される実施形態に本発明の広範な様態を限定することが意図されるものではないという理解で、本発明の好ましい実施形態が図で示され、本明細書で詳細に説明される。
【0015】
図1は、病院の患者および患者看護装置をモニタするための例示的医療モニタリングシステムを示す。図1に示されるように、医療管理システム100は、様々なタイプの患者の生体計測または生理学的な情報をモニタするための患者モニタ120を含む。たとえば、モニタされる情報は、ETCO、SpO、呼吸数、心拍数、血圧、体温、および患者の別の生体計測の、心理学的な、または医学的なパラメータ情報を含むことができるがそれに限定されない。患者モニタは、当技術分野で知られているような所望の患者情報を検知するための適切な生体計測センサを含むことができる。そのような生体計測センサはEKGシステム、呼吸モニタ、血液ガスモニタ、グルコースモニタ、血液分析物モニタ、および/または患者に関連する生理学的変数または分析物をモニタする別の測定システムを含むことができる。たとえば、患者管理無痛法(patient controlled analgesia、PCA)のためのシステムの場合、ORIDION社のカプノグラフィ呼吸モニタボードを備えるNELLCOR社またはMASSIMO社のモニタが、心拍数、SpOレベル、呼吸数、およびETCOレベルに関連するデータ、波形、および警報を生成するために使用されることができる。
【0016】
患者モニタ120は、プロセッサ、および様々な生体計測センサにより受信される情報をモニタするための患者モニタリングアプリケーションを任意選択で含むことができる。患者モニタ120は、それに関連するユーザインタフェースを、患者または介護者からの入力を受け取るために含むことができる。患者モニタプロセッサはセンサから受信される情報を比較し、比較に基づき警報信号を生成する。警報信号は、警報限界が満たされた場合に、または代わりに警報限界が超えられたときに生成されることができる。警報限界は上限、下限、または1つまたは複数の受け入れられる範囲を一緒に規定する上限と下限の両方を含むことができる。患者モニタ120は、モニタされる情報および/または警報を患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125に送信するために、患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125と通信ネットワーク接続される。
【0017】
図1に示されるように、投薬送達ポンプ130として示される患者看護機器は、患者と動作可能に接続される、または通信可能状態となることができる。投薬送達ポンプ130は患者への投薬の制御された送達のために構成されることができる。医療ポンプは、患者が投薬、たとえば無痛法または鎮痛剤を「自分で送達する」ことができるPCA(患者管理無痛法)要求機器と一緒に使用されることができる。たとえば、1985年11月5日に発行され参照により本明細書に全体が組み入れられる、Zeggers de Beyl らに対する米国特許第4,551,133号明細書が、患者の末梢静脈に投薬を導入するための患者管理無痛法システムを開示している。鎮痛剤の送達は、患者の要求に応答するマイクロプロセッサベースのシステムにより制御される。具体的には、マイクロプロセッサは、患者が投薬の送達を要求するとき、マイクロプロセッサに始動信号を提供するために遠隔患者制御またはPCA要求機器に関連付けられる。
【0018】
システム100は、複数の投薬の投与のための複数の投薬送達ポンプ130をさらに有することができる。投薬送達ポンプは、介護者が投薬送達ポンプ130に入力を提供することができるようにするユーザインタフェースをさらに含むことができる。そのような入力は許可される患者管理無痛法(PCA)の量および頻度を決定するために使用されることができる、患者に関連する疼痛スコアを含むことができる。一実施形態では、投薬送達ポンプは、以下にさらに詳細に説明されるように、患者および患者看護装置をモニタして、患者および患者看護装置からの入力に応答するために、本明細書でときどきアルゴリズムと呼ばれる規則セットを介護者が選択することができるようにするように構成されるユーザインタフェースを有する。さらに、投薬送達ポンプ130上のユーザインタフェースは、介護者が警報または注入事象(たとえば注入休止)に応答するための手段、たとえば押しボタンまたはタッチスクリーンインタフェースを提供する。
【0019】
投薬送達ポンプ130は、以下に説明されるように、投薬送達ポンプ130と、患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125と、患者モニタ120と、システム100の別の構成要素との間で情報を伝達するために患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125と通信可能状態にある。その結果、医療ポンプ情報が投薬送達ポンプ130からシステム100の別の構成要素に伝達されることができる。そのような医療ポンプ情報は、医療ポンプ状態情報も医療事象情報も含むことができる。医療ポンプ状態情報は、進行中の投薬の送達が行われているかどうか、送達のレート、(送達されたまたはまだ送達されないで残っている)容積、および送達が始まってから経過した時間の長さを含むことができるがそれに限定されない。医療ポンプ事象情報は、他の医療ポンプ事象情報の中でも、最後の通信以来、任意の警報または警告が出されたかどうか、閉塞が発生したかどうか、および医療ポンプへの電力が失われたかどうかを含むことができるがそれに限定されない。状態情報および/または投薬送達状態情報は、本明細書では少なくとも医療ポンプ状態情報、医療ポンプ事象情報、ならびに/あるいは別の状態および/または事象情報を指すために使用される。投薬送達状態情報は、情報の過去のログ、あるいはリアルタイムの通信または情報として送信されることができる。
【0020】
投薬送達ポンプ130はまた、投薬送達ポンプ130の所で介護者により選択される規則セットを患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125に伝達することができる。患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125は、中央メモリ135内に記憶される規則セットのライブラリまたはライブラリの一部を有する中央メモリに通信可能に接続される。規則セットのライブラリは、カスタマイズできる薬物ライブラリ、または医療機器にダウンロードされることができる別のライブラリの一部とすることができる。一実施形態では、患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125は、患者モニタ120から受信される情報に、たとえばETCO、SpO、呼吸数、心拍数、血圧、体温、および別の患者パラメータ情報に、選択される規則セットを適用する、ならびに/または投薬送達ポンプ130から受信される情報、たとえば投薬送達状態情報を規則セットに適用する。規則セットの条件およびパラメータが満たされるかどうかに応じて、患者インタフェースおよび規則セットプロセッサ125は、何らかのやり方で投薬送達ポンプ130に投薬送達を調節するよう指示する、投薬送達ポンプへの出力信号を生成することができる。
【0021】
別の実施形態では、患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125は、規則セットにより患者モニタ120からの情報を処理することなく、患者モニタ120からの情報を投薬送達ポンプ130に送信することができる。投薬送達ポンプ130または患者モニタ120は、介護者により入力される警報限界を受け取るように構成されることができる。警報限界は、投薬送達ポンプ130で受信される患者情報に対応することがある。あるいは、またはさらに、警報限界は投薬送達ポンプ130自体に関する情報に関係があることがある。ポンププロセッサが、選択される警報限界を適切な情報と比較し、情報が警報限界を満たす(一致する、超える、小さいまたは間に入る)場合、ポンプ130から警報信号を生成する。ポンプからの警報信号は、患者モニタおよび規則セットプロセッサ125に、ならびに以下に説明されるようなシステム100の別の構成要素に伝達されることができる。
【0022】
投薬送達ポンプ130は、投薬送達ポンプの表示スクリーン上に患者情報を表示することができる。表示スクリーンはまた、患者識別、部屋番号、送達モード、送達レート、進行中の投薬の送達が行われているかどうか、送達が始まって以来どれだけの時間か、基礎率(basal rate)、PCAボーラス量、PCAボーラスのロックアウト期間、およびPCAボーラスのロックアウト容積を含むがそれに限定されない様々な医療ポンプ状態情報を表示することができる。
【0023】
本明細書の図面および説明を考慮して当業者により容易に理解される代替実施形態では、患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125は、投薬送達ポンプ130、または患者モニタ120、または別個のユニットではなくシステムの別の構成要素のいずれかの一部とすることができる。処理能力および機能は、示され説明されるようなシステム100の構成要素の中に分散されることができる、あるいはシステム内その他のプロセッサの任意の内部に配置されるおよび/または組み合わせられることができる。
【0024】
中央メモリ135は規則セット構成プロセッサ140と通信可能状態にある。規則セット構成プロセッサ140は、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(PDA)など、以下でより詳細に説明されるように、本明細書でときどきアルゴリズムと呼ばれる規則セットを管理者が生成し構成することができるようにするユーザ入力を有する。このとき、規則セットは中央メモリ135に送信され記憶される。
【0025】
中央メモリ135はまた、患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125からある種の情報を受け取ることができる。具体的には、中央メモリ135は、患者モニタ120により生成される患者情報および投薬送達ポンプ130により生成される投薬送達ポンプ情報のログを受け取ることができる。この情報はまた、患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125から中央メモリ135にリアルタイムで送信されることができる。
【0026】
中央メモリ135はまた、患者の医療履歴および最近の医療処置、ならびに詳細には注入された投薬の患者の最近の履歴に関係のある情報を記憶することができる。この情報は、そのような情報が規則セットを処理するための入力として必要とされるとき、患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125、またはシステム100の任意の別の構成要素によりアクセスされることができる。たとえば、規則セットは、患者が受け取った薬物の量、および中央メモリ135内に記憶される、薬物が患者に最近どれだけ送達されたかに基づき決定されることができる、患者において依然として進行中の薬物の量に関する入力を必要とすることがある。そのような規則セットの詳細な例が以下で説明される。
【0027】
中央メモリ135はまた、規則セットを介して入力を処理することに対する応答として生成される、患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125からの出力を受け取ることができる。具体的には、ある種の規則セットのパラメータおよび関連する条件が満たされる場合、患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125は、中央メモリ135に警報指示を送信することができ、次に、警報指示は以下で説明されるように介護者に送信されることができる。別の例では、規則セットのパラメータおよび条件が満たされる場合、患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125は、中央メモリ135に信号を送信して、中央メモリ135内に記憶される異なる規則セットにアクセスすることができる。
【0028】
中央メモリ135は、患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125から受信する情報を報告サーバ145、中央モニタ150、および遠隔通知サーバ155にさらに分配することができる。詳細には、報告サーバ145は、管理者に送信されるまたは管理者に利用できるようにされることができる報告を生成するために、投薬送達ポンプ情報および患者モニタ情報の要約、概観、およびログを受け取ることができる。中央モニタ150は、投薬送達ポンプ130および患者モニタ120からの情報を表示するために類似の情報を受け取り、この情報を患者から遠く離れた位置にいる介護者に提供することができる。遠隔通知サーバ155は、典型的には患者または装置の状態の一定の変化を介護者に通知する指示を受け取る。たとえば、規則セットのパラメータおよび条件が満たされ、かつ介護者がそのような事象で通知されるべきであることを規則セットが指令する場合、遠隔通知サーバ155は、介護者への通知を生成する。そのような通知は、遠隔通知サーバ155と通信可能状態にあるページャ、携帯電話、またはPDAを含むがそれに限定されない1つまたは複数の小型携帯情報端末コンピュータに伝達されることができる。小型携帯情報端末コンピュータは介護者により運ばれ、介護者がある種の介護機能、たとえば介護者が介護施設内部の患者の部屋で患者に投薬を送達する予定された決まった仕事を行うときに、組み込まれたバーコードスキャナの使用によりまたは別の方法で介護者により自分を識別するために使用されることができる。
【0029】
代替実施形態では、報告サーバ145、中央モニタ150、および遠隔通知サーバ155、またはこれらの機器の任意の組合せが、患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125、ポンプ130、ならびに/または患者モニタ120に直接ネットワーク接続されることができる。
【0030】
システムの様々な構成要素間の情報の伝達が様々な方法で行われることができる。情報は様々な機器間でリアルタイムの一定のストリームで伝達されることができる、情報は機器への送信から受信機器に周期的にまたは連続ループでプッシュされることができる、情報は受信機器により送信機器から周期的にまたは連続ループで取り出されることができる、および/または様々な機器が様々なトリガ事象に基づき、たとえば、時間の経過、または一定量の情報が蓄積されると、情報をプッシュまたは取り出すように構成されることができる。図1で示されるシステムの構成要素が以下でより詳細に説明される。
【0031】
投薬送達ポンプまたは医療ポンプ130は、腸内ポンプ、注入ポンプ、カセットポンプ、シリンジポンプ、蠕動ポンプ、または患者の静脈内に、動脈内に、または別の方法で流体を送達するための任意の流体ポンピング機器を含むがそれに限定されない。ポンプ処理ユニットまたはポンププロセッサがポンプ130内に含まれることがあり、本明細書でより詳細に説明されるように様々な動作を実行する。入力/出力機器またはユーザインタフェースがポンプ処理ユニットと通信し、ユーザが、ポンプ処理ユニットからの出力、および/あるいはポンプ処理ユニットの中への入力情報または指令を受け取ることができるようにする。入力/出力機器は別個の表示装置および/または別個の入力機器として提供されることができることを当業者は理解されよう。たとえば、本発明の一実施形態では、医療ポンプ130は、人から入力を受け取って患者制御無痛法(PCA)要求機器から投薬要求信号を生成するために、プロセッサと電気的通信可能状態にあるPCA要求機器を含む。
【0032】
ポンプメモリがポンププロセッサと通信して、ポンププロセッサがポンプ130の動作パラメータを計算し出力するのに必要なコードおよびデータを記憶する。ポンプメモリは、プログラミングコード、たとえば投薬送達プログラミングコード、またはデータを処理して医療ポンプ130の動作パラメータを決定し制御するためのアプリケーションを記憶する。
【0033】
図1を続けて参照すると、医療ポンプ130はまた、本明細書で詳細に説明されるように、ポンププロセッサと、患者パラメータモニタ120と、患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125との間の伝達を送信/受信するために、ポンププロセッサと電気的通信可能状態にある通信エンジンまたはインタフェースを含むことができる。実際には、規則セット処理機能がポンプ130の中に統合される一実施形態では、通信エンジンは患者モニタインタフェースの役割も果たす。
【0034】
中央メモリ135は、本明細書でより詳細に説明されるように、中央プログラミングコード、たとえば中央投薬管理アプリケーションおよび/または中央患者モニタリングアプリケーション、ならびに様々な投薬管理、患者モニタリング、および別の機能を実行することができる、中央プロセッサにより実行するための別のアプリケーションを含むことができる。さらに、医療ポンプ130は、LifeCare PCA(R)注入システムの多くの様態を含むことができ、中央メモリ135内部の投薬管理アプリケーションはHospira MedNet(R)ソフトウェアの多くの様態を含むことができ、両方とも本発明に関連する、本発明の譲受人であるHospira、Inc.社により製造され販売される。
【0035】
一般に、図1で示されるようなハードウェアアーキテクチャに関しては、投薬管理および/または患者パラメータモニタリングシステム100の医療ポンプ130、患者パラメータモニタ120、患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125、規則セット構成プロセッサ140、中央モニタ135、報告サーバ145、ならびに遠隔通知サーバ155は、プロセッサ、メモリ、およびローカルインタフェースを介して通信で結合される1つまたは複数の入力および/または出力(I/O)機器(または周辺装置)をそれぞれ含むことができる。ローカルインタフェースは、たとえば、当技術分野で知られているような1つまたは複数のバス、あるいは別の有線または無線の接続とすることができるがそれに限定されない。ローカルインタフェースは、追加の要素、たとえば通信を可能にするためのケーブル、コントローラ、バッファ(キャッシュ)、ドライバ、リピータ、および受信機を有することができる。さらに、ローカルインタフェースは、その他のコンピュータ構成要素間の適切な通信を可能にするためのアドレス、制御、および/またはデータの接続を含むことができる。
【0036】
プロセッサは、ソフトウェア、詳細にはメモリ内に記憶されるソフトウェアを実行するためのハードウェア機器である。プロセッサは、任意の特別注文のまたは市販されているプロセッサ、中央処理装置(CPU)、投薬管理および/または患者パラメータモニタリングシステム100の医療ポンプ130、患者パラメータモニタ120、患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125、規則セット構成プロセッサ140、中央モニタ150、報告サーバ145、ならびに遠隔通知サーバ155に関連するいくつかのプロセッサの中の補助プロセッサ、半導体ベースのマイクロプロセッサ(マイクロチップまたはチップセットの形態)、マクロプロセッサ、または一般にソフトウェア命令を実行するための任意の機器とすることができる。適切な市販されているマイクロプロセッサの例が以下の通り、すなわちHewlett−Packard Company社のPA−RISCシリーズマイクロプロセッサ、Intel Corporation社の80x86またはPentium(登録商標)シリーズマイクロプロセッサ、IBM社のPowerPCマイクロプロセッサ、Sun Microsystems、Inc.社のSparcマイクロプロセッサ、およびMotorola Corporation社の68xxxシリーズマイクロプロセッサである。プロセッサはまた、分散処理アーキテクチャ、たとえばEJB、CORBA、およびDCOMを表すことができるがそれに限定されない。一実施形態では、中央メモリ135および報告サーバ145は、WINDOWS(登録商標)ベースのサーバまたは一連のサーバ上にある。
【0037】
投薬管理および/または患者パラメータモニタリングシステム100の医療ポンプ130、患者パラメータモニタ120、患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125、規則セット構成プロセッサ140、中央モニタ150、報告サーバ145、ならびに遠隔通知サーバ155のそれぞれの各メモリは、揮発性メモリ要素(たとえばランダムアクセスメモリ(RAM、たとえばDRAM、SRAM、SDRAMなど))および不揮発性メモリ要素(たとえばROM、ハードドライブ、テープ、CDROMなど)の任意の1つまたはそれらの組合せを含むことができる。さらに、これらのメモリは電子的、磁気的、光学的、および/または他のタイプの記憶媒体を組み込むことができる。メモリは、様々な構成要素が互いから遠く離れて置かれるが、投薬管理および/または患者パラメータモニタリングシステム100の医療ポンプ130、患者パラメータモニタ120、患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125、規則セット構成プロセッサ140、中央モニタ150、報告サーバ145、ならびに遠隔通知サーバ155のプロセッサにより依然としてアクセスされる分散アーキテクチャを有する。
【0038】
上記で参照されるメモリの1つまたは複数の内部のソフトウェアは、1つまたは複数の別個のプログラムを含むことができる。別個のプログラムは、論理機能を実現するための実行可能命令の順序付きリストを含む。図1の例では、メモリ内のソフトウェアは適切なオペレーティングシステム(O/S)を含むことができる。これらの機器の少なくとも一部のための適切な市販されているオペレーティングシステムの例の限定的リストが、以下の通り、すなわち(a)Microsoft Corporation社から入手できるWINDOWSオペレーティングシステム、(b)Novell Inc.社から入手できるNETWAREオペレーティングシステム、(c)Apple Computer,Inc.社から入手できるMACINTOSHオペレーティングシステム、(d)多くのベンダ、たとえばHewlett−Packard Company社、Sun Microsystems,Inc.社、およびAT&T Corporation社から購入可能なUNIX(登録商標)オペレーティングシステム、(e)インターネット上で容易に入手できるフリーウェアであるLINUX(登録商標)オペレーティングシステム、または(f)WindRiver Systems,Inc.社によるランタイムVXWORKSオペレーティングシステムである。オペレーティングシステムは、別のコンピュータプログラム、たとえば本発明による投薬送達アプリケーション、ネットワークインタフェースアプリケーション、患者モニタリングアプリケーション、中央投薬管理アプリケーション、中央患者モニタリングアプリケーション、および/または生体計測アプリケーションの実行を本質的に制御し、スケジューリング、入出力制御、ファイルおよびデータの管理、メモリ管理、ならびに通信制御および関連サービスを提供する。
【0039】
上記で参照されるI/O機器は入力機器、たとえばPLC用入力モジュール、キーボード、マウス、スキャナ、マイクロホン、タッチスクリーン、様々な医療機器用インタフェース、バーコードリーダ、生体計測受信機、PCA要求機器、スタイラス、レーザリーダ、無線周波機器リーダなどを含むことができる。さらに、I/O機器はまた、出力機器、たとえばPLC用出力モジュール、プリンタ、バーコードプリンタ、表示装置などを含むことができるがそれに限定されない。最後に、I/O機器は入力と出力の両方を伝達する機器、たとえば変調器/復調器(モデム;別の機器、システム、またはネットワークにアクセスするため)、無線周波数(RF)または別のトランシーバ、電話インタフェース、ブリッジ、およびルータをさらに含むことができるがそれに限定されない。
【0040】
医療管理および/または患者パラメータモニタリングシステム100の医療ポンプ130、患者パラメータモニタ120、患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125、規則セット構成プロセッサ140、中央モニタ150、報告サーバ145、ならびに遠隔通知サーバ155がPC、ワークステーション、PDAなど、個々のメモリ内のソフトウェアは基本入出力システム(BIOS)(図1、図2、および図3に示されていない)をさらに含むことができる。BIOSは始動したときにハードウェアを初期化し試験し、O/Sを始動させ、ハードウェア機器間のデータの転送をサポートする1組の不可欠なソフトウェアルーチンである。BIOSは、医療管理および/または患者パラメータモニタリングシステム100の医療ポンプ130、患者パラメータモニタ120、患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125、規則セット構成プロセッサ140、中央モニタ150、報告サーバ145、ならびに遠隔通知サーバ155が活動化されたときにBIOSが実行されることができるようにROM内に記憶される。
【0041】
医療管理および/または患者パラメータモニタリングシステム100の医療ポンプ120、患者パラメータモニタ130、患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125、規則セット構成プロセッサ140、中央モニタ150、報告サーバ145、ならびに遠隔通知サーバ155が動作中のとき、その中のプロセッサは個々のメモリ内部に記憶されるソフトウェアを実行し、メモリとの間でデータを伝達し、一般に医療管理および/または患者パラメータモニタリングシステム100の構成要素の動作をソフトウェアに従って制御するように構成される。投薬送達アプリケーション、ネットワークインタフェースアプリケーション、患者モニタリングアプリケーション、中央投薬管理アプリケーション、中央患者モニタリングアプリケーション、および/または生体計測アプリケーション、ならびにO/Sは、全体でまたは部分的にではあるが、典型的には部分的に、個々のプロセッサにより読み出され、おそらくプロセッサ内部にバッファに入れられ、次に、実行される。
【0042】
投薬管理および/または患者パラメータモニタリングシステム100が、図1に示されるようにソフトウェアで実現されるとき、投薬管理および/または患者パラメータモニタリングシステム100内のアプリケーションプログラムは、任意のコンピュータ関連システムまたは方法により、あるいはそれと関連して使用するために任意のコンピュータ読出可能媒体上に記憶されることができることが留意されるべきである。この文書に関連して、コンピュータ読出可能媒体は、コンピュータ関連システムまたは方法により、あるいはそれと関連して使用するためのコンピュータプログラムを含むまたは記憶することができる電子的、磁気的、光学的、または別の物理的な機器または手段である。この文書に関連して、「コンピュータ読出可能媒体」が、命令実行システム、器具、または機器により、あるいはそれと関連して使用するためのプログラムを記憶する、伝達する、広げる、または伝送することができる任意の手段とすることができる。コンピュータ読出可能媒体は、たとえば電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線の、または半導体のシステム、器具、機器、または伝搬媒体とすることができるがそれに限定されない。コンピュータ読出可能媒体のより具体的例(限定的リスト)が以下を、すなわち1つまたは複数のワイヤを有する電気接続(電子的)、持ち運び可能のコンピュータディスケット(磁気的)、ランダムアクセスメモリ(RAM)(電子的)、読出専用メモリ(ROM)(電子的)、消去可能プログラム可能読出専用メモリ(EPROM、EEPROM、またはフラッシュメモリ)(電子的)、光ファイバ(光学的)、および持ち運び可能のコンパクトディスク読出専用メモリ(CDROM)(光学的)を含む。プログラムがたとえば紙または別の媒体の光学的スキャンニングを介して電子的に捕獲されることができるので、コンピュータ読出可能媒体は、プログラムが印刷され、次にコンパイルされ、解釈実行される、または別の方法で必要であれば適切なやり方で処理され、次に、コンピュータメモリ内に記憶される紙または別の適切な媒体とさえすることができることに留意されたい。
【0043】
上記で参照されるように、本明細書では権限を与えられたユーザとも呼ばれる管理者が、規則セット構成プロセッサ140においてシステム100で使用するための規則セットを構成することができる。規則セットが、1つまたは複数のパラメータ、たとえば個々のパラメータに関連する条件を有することがある、患者の生理学的または生体計測のパラメータ、ならびに1つまたは複数の応答を含む。
【0044】
規則セット構成を生成する、確立する、または受け取る方法200および300が、それぞれ図2および図3に示され、図1を考慮して理解される。規則セット構成プロセッサ140は、ステップ205、305で、新しい規則セットを設定する指示を管理者から受け取る。次に、規則セット構成プロセッサ140は、ステップ210、310で、ユーザにより入力されるまたは選択される規則セット名、たとえば「Pediatric(小児科)」または「Sleep Apnea(睡眠時無呼吸)」を受け取る。次に、規則セット構成プロセッサ140は、ステップ215、315で、ユーザにより入力される第1の医療システムパラメータを受け取る。パラメータは生体計測センサから患者モニタにより受信される情報タイプの1つ、たとえばETCO、SpO、呼吸数、または心拍数に関連付けられることができる。パラメータはまた、患者モニタ120から受信される警報、たとえば「低血圧」警報と関係付けられることができる。パラメータはまた、投薬送達ポンプ130から受信される情報、または投薬送達ポンプからの警報と関係付けられることができる。医療パラメータの受信後、その医療パラメータに関連があり権限を与えられたユーザにより入力される条件が受信される。パラメータが2値の事象ではなく数値と関係があるステップ220および225で示されるように、条件は、第1の医療条件演算子からなり、たとえば「>」、「<」、「=」、または「≠」であり、その後第1の医療条件値である。図3においてステップ320で示されるように、医療パラメータが、医療パラメータの受信後に2値の事象、たとえば警報と関係があるとき、条件は、パラメータに関係のある簡単な2値の事象、たとえば「発生する」(「発生した」)、または「発生しない」(「発生しなかった」)であることがある。しかし、そのような条件は、場合によっては、追加の限定、たとえば「発生し30秒間持続する」を有することができる。本明細書に関連してこれらの例を考慮すると、様々な可能性が想起される。
【0045】
ステップ230、325で示されるように、規則セット構成プロセッサ140は、任意選択で追加のパラメータ、条件演算子、および/または条件値を受け取るように構成される。管理者が追加のパラメータ、条件、および/または条件値を入力する方を選ぶ場合、ステップ235、330で示される多数のパラメータ、条件、および/または条件値、ならびにステップ240、245、315、320で示されるような追加のパラメータ、条件、および/または条件値を連結するために、たとえばAND、OR、NOTなどを含むがそれに限定されないブール演算子を管理者が入力し、規則セット構成プロセッサ140が受け取る。図3および図4を考慮して理解されることができるように、第2のパラメータ/条件/値の一例が、SpO警報が発生し、5分間持続することとすることができる。この後者の複雑なタイプのパラメータ/条件/値の状態は、それ自体ブール演算子により連結される2つの別個のより簡単な状態で表現される、またはそれからなることができることを当業者は認識されよう。たとえば、第1の状態は、SpO警報が発生するとして簡単に表現されることができ、第2の状態は、SpO警報が5分を超えて持続したと表現されることができる。2つの状態はブール演算子ANDにより連結されることができる。あるいは、そのような複雑な状態が、任意選択の判断ブロック、および条件によるループ、ならびに/または対象のパラメータ内部の値の使用により表現されることができる。状態は、条件がY秒間にX回、または最後のY秒間のうちX秒の間発生することを含むがそれに限定されない様々な方法で表現されることができる。規則セットを構成するために、時間の別の単位たとえば分または時間などがユーザにより選択されることができる。
【0046】
パラメータのすべてが受信されると、規則セット構成プロセッサ140は、ステップ250、335で示されるように、管理者により入力される第1の医療システム応答を受け取るように構成される。医療システム応答は、中央モニタリングシステムに対する更新の生成、介護者からの入力を必要とする介護者へのプロンプトの生成、または患者看護機器の自動調節を含むことができる。たとえば、1つのそのような応答が、処置の別の形態を提案するメッセージを介護者に送信することでもよい。別のそのような応答が、注入を休止する、またはたとえば注入のレートを減少させることにより注入のレートを修正するよう投薬送達ポンプに指示する信号を投薬送達ポンプに送信することである。さらに別の応答が、前に入力された異なる規則セットを取り出し、その異なる規則セットを実現するための中央メモリへの呼出しを含むことができる。呼出しは、前に生成され記憶された異なる規則セットの名前に基づくことができ、したがって、呼出しプロセス内部でその異なる規則セットを指すために使用するための名前を有する。ステップ255、260、および335、340で示されるように、ユーザが複数の応答を入力することができる。すべての条件および応答が規則セット構成プロセッサ140により受信されると、構成工程は完了し、次に、規則セットがステップ265、345で保存される。
【0047】
権限を与えられたユーザが様々なパラメータ、条件、および応答を組み込む規則セットを構成することができるようにする柔軟性が、文脈自由文法、たとえばバッカスナウア記法(BNF)コードを使用することにより達成されることができる。この点に関して、規則セットを構築するための例示的BNFコードの部分的リストが付表Aに列挙されている。
【0048】
付表Aの例示的文法では、本明細書で非終端記号と呼ばれる変数が山括弧<および>で示される(付表Aの例示的文法で<condition(条件)>記号を使用することは、本明細書の別の部分の中で使用されるような用語「条件」と同じ意味を有することを意図されないことが留意されるべきである)。各非終端記号は、いくつかの選択肢からなることができる。非終端記号の選択肢は::=記号の後に列挙され、各選択肢は|記号により分離される。選択肢はそれ自体非終端記号となることができる、または引用符内に示される終端記号となることができる。選択肢はまた、非終端部分も終端部分も含むことができる。便利な参照として、山括弧内の非終端記号および引用符内の終端記号を示す規約が、本明細書の説明で使用される。規則を構成するための例示的文法が以下でさらに説明される。
【0049】
示される例では、文法は、少なくとも1つのアルゴリズム名、1つまたは複数の条件、および1つまたは複数の応答を含む1つまたは複数のdo文を含む警報統合アルゴリズムを用意する。アルゴリズム名、条件記号、および応答記号は、すべてこれらの非終端記号のそれぞれに対して提供される複数の選択肢により条件を満たされることができる(これらの項目は山括弧<および>で提供されるということにより上記の文法で示されるような)非終端記号である。<algorithm name(アルゴリズム名)>記号については、選択肢は、角括弧[]により囲まれる文字のストリングである括弧付き文字列を含む。<condition>記号は、単一の条件選択肢、または2つ以上の条件選択肢により満たされることができる。<condition>記号については、条件記号選択肢は警報、ならびに装置パラメータおよび関連条件を含む。これらの条件記号選択肢は、1つまたは複数の非終端記号を有することができる。たとえば、上記で説明される文法で、条件記号選択肢は、非終端記号<alarm(警報)>、<count(カウント)>、<duration(継続期間)>、および<device(機器)>を有する。あるいは、条件選択肢の一部が終端でもよい。たとえば、<condition>記号を満たす1つのそのような終端パラメータが、“power is lost(電源が失われた)”でもよい。<alarm>記号は、非終端記号である<alarm−type(タイプ)>に続けてテキスト“alarm”を入力することにより、または<alarm−type>に続けてテキスト“alarm from(からの警報)”、続けて<device>を入力することにより満たされることができる。<alarm−type>選択肢は、すべて上記の文法で示されるようなテキスト入力である終端選択肢である。<alarm−type>選択肢は、警報のタイプを示すことができ、たとえば“LOW_RESP_RATE”が低呼吸数警報を示す。
【0050】
<count>記号は、選択肢“1 time(1回)”または<between−2−and−100(2から100までの間)>“times(回)”により満たされる。<between−2−and−100>回記号は整数“2”から“100”までにより満たされる。<duration>記号は<seconds(秒)>、<minutes(分)>、<hours(時間)>、<minutes><seconds>、<hours><minutes>、または<hours><minutes><seconds>を含むいくつかの非終端記号により満たされる。<hours>記号は“1 hour(1時間)”、または<between−2−and−24(2から24までの間)>に続く“hours”により満たされ、ここで<between−2−and−24>は整数“2”から“24”までにより満たされる。<minutes>記号は選択肢“1 minute(1分)”または<between−2−and−59(2から59までの間)>に続く“minutes”により満たされ、ここで<between−2−and−59>は整数“2”から“59”により満たされる。<seconds>記号は“1 second(1秒)”または<between−2−and−59>に続く“seconds”により満たされる。
【0051】
<device>記号は記号<device−manufacturer(機器−製造業者)>に続く<device−model(機器−モデル)>により満たされ、ここで<device−manufacturer>も<device−model>も括弧付きストリングにより満たされる。
【0052】
<responses(応答)>記号は、<response>記号、または<response>に続くコンマおよび<responses>記号により満たされ、それにより、<response>記号が単一応答または2つ以上の応答を含むことができるようにする。<response>記号は、終端記号も非終端記号も含むことができる複数の応答選択肢により満たされる。例示的文法で示されるように、応答選択肢は終端記号指示たとえば中央モニタを更新する指示、遠隔通知の発行、設定パーセンテージによるポンプの注入レートの低減、または注入の休止を含むことができる。非終端記号は、別のアルゴリズムへの切り換えの応答選択肢を可能にする<algorithm−name(アルゴリズム−名前)>への切り換えの応答選択肢を含むことができる。上記で説明されるように、<algorithm−name>は括弧付き文字列からなる。あるいは、上記で説明される終端応答の一部が非終端応答として構築されることができる。たとえば、注入レートを低減することに関係のある応答は、“DECREASE_INFUSION_RATE_BY(低減_注入_レート_まで)”<percentage−change(パーセンテージ−変更)>“percent(パーセント)”として構築されることができ、ここで<percentage−change>は整数“1”から“99”までにより満たされる。
【0053】
規則セットを生成するためのインタフェースが図4に500として示されている。「名前」フィールドとして示される第1のフィールド502が、投薬送達システム規則セット名の入力を受け取るために提供される。「パラメータ」フィールドとして示される第2のフィールド504が、パラメータおよび関連条件の選択、たとえば「高ETCO警報発生」を受け取るために提供される。機能ボタン506、508、510、512が、パラメータおよび条件を追加する、削除する、修正する、またはグループ化するための入力をユーザから受け取るために提供される。「応答」フィールドとして示される第3のフィールド514が、権限を与えられたユーザによる所望の応答の選択を受け取るために提供される。図4に示されるように、応答は中央モニタを更新すること、介護者に遠隔通知を発行すること、投薬送達ポンプの注入レートを調節すること、および/または代替のまたは異なる規則セットに切り換えることを含むことができる。
【0054】
本発明の別の様態では、権限を耐えられたユーザが規則セットを構築し、その規則セットを規則セット構成プロセッサ140および/または中央メモリ135上に記憶すると、規則セットは介護者により選択され、患者および患者看護装置システム100をモニタするために使用されることができる。規則セットは、患者のタイプ(たとえば成人対小児科患者)、薬物名(たとえばモルヒネ)、または薬物タイプ(たとえばアヘン剤、麻酔剤、抗生物質、または強心剤)、あるいはときどき臨床看護エリア(clinical care area、CCA)(たとえば集中治療室すなわちICU対救急病棟)と呼ばれる看護施設内部の位置または病棟を含むがそれに限定されない様々な方法で、中央記憶装置内でカタログに入れられる、グループ化される、または相互参照をつけられることができる。たとえば、規則セットは、患者のパラメータたとえば「睡眠時無呼吸」により、患者の特徴たとえば「小児科」により、モニタされる変数により、注入される薬物により、注入履歴および患者の年齢、体重などに基づく見積もられる患者の薬物感受性により、ならびに/あるいは無効な注入ポンプ警報および/または動作の履歴により系統化される、名前をつけられる、または表題をつけられることができる。
【0055】
図5に示されるように、システム100内のプロセッサの任意を介して、投薬送達ポンプ130または患者モニタ120または両方が、ステップ605で、介護者による警報限界選択入力を受け取ることができる。ステップ610で示されるように、投薬送達ポンプ入力は、介護者による選択入力に基づき特定のグループの規則セット、たとえば特定の臨床介護エリアまたはすべてのCCAを受け取る。次に、ステップ615で、プロセッサ125は介護者の選択に相関させられる、中央メモリ135上に記憶される規則セットのデータベースにアクセスする。ステップ620で、介護者は該当する規則セットを選択する、または1つの規則セットしか戻されない場合、その規則セットが実現される。ステップ625で、患者モニタ120、および任意選択でポンプ130が、生体計測センサから患者の生理学的情報を受け取る。患者モニタならびに/あるいは1つまたは複数のポンププロセッサは、受信された生理学的情報を比較し、警報限界が超えられた場合、警報信号を生成し、警報信号は、ステップ630に示されるように患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125に送信される。警報および/または生理学的データおよび/またはモニタされる装置データが、ステップ635に示されるように、規則セットに従って処理される。規則セットパラメータおよび条件が満たされる場合、患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125は、ステップ640で、指定された1つまたは複数の応答を出力する(または代替のまたは異なる規則セットの場合、実行する)。
【0056】
一連の新しいまたは異なる規則セットを実現するように構成される規則セットの一例が続く。PCAモニタリングの場合、患者の呼吸数およびETCOレベルに関連する警報に応答する3つの規則セットが提供されることができる。第1の規則は、2つの警報の1つが、動作(たとえば薬物注入を休止する)前の最低30秒間、動作状態になければならないというパラメータを含む。第2の規則は、両方の警報が、動作前の最低30秒間、動作状態になければならないという、より制限的なパラメータを有する。第3の規則は注入休止に対するパラメータを、30秒を超える間動作中のETCO警報と規定する。
【0057】
臨床医が第1の規則セットを使用してPCAプログラムを始めるが、2つの連続する無効な休止事象の発生が、第2の事象が無効であると識別された時点で第2の規則への変更に導く。この変更は、規則セットが切り換えられることを応答が明記する場合、自動的とすることができる、またはこの変更は、彼または彼女が規則セットを切り換えることを介護者に提案するように規則セットが構成される場合、単に提案されることができる。同様に、2つ以上の連続する警報が呼吸数だけに関連付けられる場合、規則セットはポンプインタフェースにより臨床医が第3の規則セットを有効にすることを提案することができる。このやり方では、一連の規則セットが連結され、外部で生成される警報に対してより高いまたはより低い感度を提供する。規則セット間の移行の提案、または既存の規則セットへの変更はまた、システムの動作中に得られる情報に基づきシステム管理者に対して生成されることができる。
【0058】
注入事象についての患者の記録された履歴が条件として使用される規則セットの適用の一例が続く。呼吸窮迫の可能性を検出するために、患者の呼吸数およびETCOが呼吸モニタを使用して評価され、介護者が限界をそれぞれ3から60呼吸/分またはbpm、および8mmHgから60mmHgに設定し、その限界を超えると、警報が生成される。呼吸モニタが構成されると、警報が最低30秒間かつ(AND)呼吸窮迫に関連する投薬のボーラス注入のN時定数以内存在することを要求することにより擬陽性の回数を低減するように、規則セットが本明細書で説明されるプロセッサの1つの内部で実行される。これに関連して、Nは一般に1に設定されるが、患者の年齢、病状、共存症、および/または別の制約に応じて修正されることができる。たとえば、肝疾患を有する患者へのモルヒネ送達の場合、薬物作用に関係のある標準的時定数は、肝臓のより低い代謝により増加される。時定数は各薬物に関連するデフォルト値に設定される。
【0059】
あるいは、患者の薬物負荷を表す状態変数が規定されることができる。状態変数は、薬物によって引き起こされる有害事象、およびより具体的には呼吸機能低下の検出を改善するために、個々の警報および確率関数と共に使用されることができる。薬物負荷は以下の関係により見積もられる。
【0060】
薬物負荷=バックグラウンド注入+総和(ボーラス量*(投与からの時間)/(薬物の半減期))
あるいは、薬物動態学的薬物排出に対する1次近似が
薬物負荷=バックグラウンド注入+総和(ボーラス量*exp(−(一服からの時間)*(排出レート定数)))である。
【0061】
ここで排出レート定数は、ln(2)/(半減期)により見積もられる。
【0062】
最も簡単な事例では、関数は特定の薬物に共通の事前設定された限界である。しかし、時間をかけたパーセンテージ増加、事前設定された限界を超えるパーセンテージ増加、薬物負荷のレートの突然の変化、または別の制約を含む代替関数が同様に使用されることができる。別の代替形態として、ファジー論理が、薬物負荷を「高」または「低」にマッピングするために使用され、それにより第2の警報システムの出力を「起こりそう」または「起こりそうにない」とみなすことができる。前者の状況では、規則セットが介護者への警報を生成し、送達ポンプを休止するように構成されることができる。後者の状況では、規則セットは介護者に警報だけを送信するように構成されることができる。
【0063】
別の代替形態では、薬物負荷はある期間にわたる平均薬物消費量(mean drug consumption、MDC)として見積もられ、上記で提供される確率測度と共に使用されることができる。
【0064】
さらに別の例では、上記で開示される文法は、現在の患者の薬物負荷を見積もるための薬物注入履歴と薬物注入要求の履歴の両方と組み合わせられることができる。詳細には、要求対送達比(demand to delivery ratio、D/D)および平均薬物消費量(MDC)が規則セットにおけるパラメータとして使用されることができる。低MDCが、呼吸窮迫を示す警報が無効である可能性が高いことを示唆する。しかし、MDCが高いとき、薬物注入をさらに適格とするためにD/D比が使用される。MDCが最大の80%内であり、かつD/D比が低い(<1)とき、有効な警報事象である確率が高い。しかしD/D比が高い(>2)とき、現在の痛みの投薬が効果的ではなく、したがって、高い注入レートおよび呼吸窮迫につながることを示唆する標識が提供される。したがって、計算されたMDCもD/D比も、さらなる区別および決定支援を提供するために、規則セット内の条件として呼吸数と一緒に使用されることができる。
【0065】
本明細書で述べられるように、規則セットの範囲内の応答が、規則セット、ならびにパラメータおよびパラメータの条件に関係のあるある種の動作をとるよう介護者に提案するまたは「推奨する」ことができる。たとえば、患者が12時間の期間の間にPCAボーラスを要求しなかった場合、本システムおよび方法は、管理者または介護者が「治療を変更する」よう推奨する規則セットを構成することができるようにするように構成されることができる。したがって、管理者または介護者が選択することができるパラメータは、「PCAボーラス要求」となる。管理者または介護者が選択することができる条件は、「12時間以内になし」となる。代替構成が、「PCAボーラス要求なし」であるパラメータ、および「12時間以内」である条件を含むことができる。同様に、管理者または介護者が選択することができる応答は、「提案−治療変更[12時間以内にPCAボーラス要求がないことを考慮]」となる。本例および説明を考慮すると、別の例が想起される。介護者は、自発的に、またはシステムにより生成される提案に基づき、注入の基本レートを低減するまたは患者にPCA治療をやめさせることにより応答することができる。
【0066】
別の例では、患者の疼痛スコアが高く(たとえば10段階の尺度で8よりも大きい)、かつ患者のPCA要求が頻繁である(たとえば4時間の期間内に11回以上のPCA拒否事象)場合、本システムおよび方法は、管理者または介護者が「投薬を変更する」ように推奨する規則セットを構成することができるようにするように構成されることができる。したがって、管理者または介護者が選択することができるパラメータは、「疼痛スコアの平均」および「拒否されたPCAボーラス要求」となる。管理者または介護者が選択することができるブール演算子は2つのパラメータ間のANDとなる。介護者が選択する条件は、「平均疼痛スコア」パラメータに対して「8よりも大きい」、および「拒否されたPCAボーラス要求」パラメータに対して「4時間以内に11回以上のPCA拒否事象」である。代替構成が可能である。管理者または介護者が選択することができる応答は「提案−治療変更」となる。本例および説明を考慮すると別の例が想起される。このとき、介護者は自発的に、またはシステムにより生成される提案に基づき治療を変更することにより応答することができる。「治療変更」は以下の、すなわちポンプ130のプログラムを変更すること、異なる薬物に変更すること、または異なる薬物濃度に変更することの任意の1つ、またはそれらの組合せを含むことができる。
【0067】
図で表される図内の任意の処理の説明またはブロックは、処理内の特定の論理機能またはステップを実現するための1つまたは複数の実行可能命令を含むコードのモジュール、セグメント、または一部を表すと理解されるべきであり、当業者により理解されるように、関与する機能に応じて、実質的に同時にまたは逆順を含む、示されるまたは説明される順序を逸脱して機能が実行されることができる代替実装形態が本発明の実施形態の範囲内で含まれる。
【0068】
システム100内部の様々な処理が相互接続されるので、規則セットは、システム内部の様々な場所で生成されるまたは選択されることができる。限定ではなく例として、規則セットは、十分な処理能力を有し記憶のためにメモリにアクセスできる、システム内の任意のプロセッサで生成され、修正され、保存されることができる。限定ではなく例として、規則セットは、患者モニタ120上で、ポンプまたは投薬送達機器130上で、患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125上で、またはそれらの任意の組合せで選択されることができる。患者モニタインタフェースおよび規則セットプロセッサ125は、ポンプ130上に、患者モニタ120上に、別個のモジュール上に配置される、またはそのような構成要素間で共有される通信エンジンとすることができる。
【0069】
具体的実施形態が例示され説明されたが、本発明を大きく逸脱することなく数多くの修正形態が想起される。保護の範囲は添付の特許請求の範囲だけにより限定される。
【0070】
付表A
【数1】



【0071】
文法による1つの例示的な簡単な規則が以下に列挙される。
【数2】

【0072】
いくつかのパラメータだけでなく文法に従ういくつかの応答を有する別のそのようなより複雑な例示的規則セットが以下に列挙される。
【数3】



【特許請求の範囲】
【請求項1】
権限を与えられた医療介護者により医療システムアルゴリズムを実現する方法であって、方法のステップが、
医療システムアルゴリズムを規定するための文脈自由文法を提供するステップであって、文法が、それぞれ複数の非終端医療システムパラメータおよび終端医療システムパラメータにより満たされるように構成される非終端パラメータ記号および終端パラメータ記号を含み、文法が、それぞれ複数の非終端医療システム条件および終端医療システム条件により満たされるように構成される非終端条件記号および終端条件記号をさらに含み、文法が、複数の医療システム応答により満たされるように構成される応答記号をさらに含むステップと、
文法により規定される非終端パラメータの少なくとも1つまたは終端パラメータの少なくとも1つを含む第1のパラメータ選択を受け取るステップと、
文法により規定される選択される第1のパラメータ選択に対して、非終端パラメータ記号または終端パラメータ記号の少なくとも1つに対応する個々の第1の医療システム条件選択を受け取るステップと、
医療システム応答選択を受け取るステップと、
第1のパラメータ選択、第1の医療システム条件選択、および医療システム応答選択から医療システムアルゴリズムを生成するステップと、
自動医療機器により後で使用するために、生成される医療システムアルゴリズムを記憶するステップとを含む方法。
【請求項2】
第1のパラメータ選択が、文法により規定される非終端パラメータ記号の少なくとも1つおよび終端パラメータ記号の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
応答記号が、非終端応答記号および終端応答記号の1つを含み、応答記号がそれぞれ非終端医療システム応答および終端医療システム応答により満たされるように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
医療システム応答を受け取るステップが、非終端医療システム応答を受け取るステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
文法により規定される非終端パラメータ記号の少なくとも1つまたは終端パラメータ記号の少なくとも1つを含む第2のパラメータ選択を受け取るステップと、
文法により規定される選択される第2のパラメータ選択に対して、非終端パラメータ記号または終端パラメータ記号の少なくとも1つに対応する個々の第2の医療システム条件選択を受け取るステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第2のパラメータ選択が、文法により規定される非終端パラメータ記号の少なくとも1つおよび終端パラメータ記号の少なくとも1つを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
第1の医療システムパラメータ選択が第1の警報選択であり、第2の医療システムパラメータ選択が、第1の警報選択と異なる第2の警報選択である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
第1の警報選択が医療ポンプ機能に関係のある警報のためであり、第2の警報選択が患者モニタ機能に関係のある警報のためである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
医療ポンプ機能に関係のある警報が、医療ポンプ警報、および医療ポンプパラメータ警報の状態との通信の喪失の1つである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
患者モニタ機能に関係のある警報が、患者モニタ警報、および患者モニタパラメータ警報の状態との通信の喪失の1つである、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
第1の医療システムパラメータ選択が第1の警報選択である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
第1の警報選択が医療ポンプ機能に関係のある警報の1つであり、第2の警報選択が患者モニタ機能に関係のある警報のためである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
第1の医療システムパラメータが、医療システム条件の構成要素である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
方法が第1のブールコネクタ(Boolean connector)選択を受け取るステップをさらに含み、医療システムアルゴリズムを生成するステップが第1のブールコネクタからさらに生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
方法が第2のブールコネクタ選択を受け取るステップをさらに含み、医療システムアルゴリズムを生成するステップが第2のブールコネクタからさらに生成される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
医療システムパラメータが文法の範囲内で代替医療システムパラメータであり、代替医療パラメータが患者の医療状態または条件を表さない、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
文法により規定される医療システムパラメータの少なくとも1つが終端構成要素も非終端構成要素も含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
応答選択を受け取るステップが、複数の応答選択を受け取るステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
第1の医療システムパラメータ選択がユーザインタフェース表示装置の第1の領域から受け取られ、医療システム応答選択がユーザインタフェース表示装置の第2の領域から受け取られる、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
文法により規定される代替医療システムパラメータの少なくとも1つが、医療機器との通信可能状態の変化を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
第1の条件選択が、時間記号、患者の薬物負荷記号、送達対要求負荷記号、平均薬物消費量記号、および患者の薬物因子記号のうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
医療システム応答が、別の医療システムアルゴリズムの実行、薬物送達レートの調節、薬物送達の休止、および医療診断のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
臨床看護エリア(clinical care area、CCA)により医療システムアルゴリズムを分類するために医療システムアルゴリズムに対するCCA選択を受け取るステップと、
CCA選択を医療システムアルゴリズムと関連付けて、関連を記憶するステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
患者看護システムであって、
複数の異なる生理学的パラメータに対する値を含むリアルタイム生理学的条件データストリームを生成するためのセンサと、
患者に薬を送達するための医療ポンプと、
センサおよび医療ポンプと通信可能状態にあり、メモリ、および
複数の異なる生理学的パラメータに対する値を含むリアルタイム条件データストリームを受け取り、
それぞれ医療ポンプの異なるプロトコルまたは性質に変更することなく独立して選択でき、かつブール演算子が満たされることにより接続される少なくとも2つのパラメータ/条件対に基づきユーザがカスタマイズできる所定の応答を含む、選択のために利用できる複数の医療システムアルゴリズムをメモリ内に受け取り、
メモリ内に記憶される複数の医療システムアルゴリズムからの医療システムアルゴリズムの選択を受け取り、
選択される医療システムアルゴリズムを実現して、リアルタイム条件データストリームを処理し、医療システムアルゴリズムが満たされる場合、所定の応答を実行するように適合される論理を含むプロセッサとを含む患者看護システム。
【請求項25】
プロセッサ、メモリ、および論理が、複数の生理学的変数を含むリアルタイムデータストリームのためのモニタリングセッションを開始するためにリアルタイムデータストリームモニタリングセッション選択を受け取るようにさらに適合される、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
選択される医療システムアルゴリズムが、生理学的な可変の警報時間継続、患者の薬物負荷、要求対送達比、平均薬物消費量、および患者の薬物因子のうちの少なくとも1つを含む第1の条件を含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
選択される医療システムアルゴリズムが、別の医療システムアルゴリズムの実行、薬物送達レートの調節、薬物送達の休止、医療職員の呼出し、および医療診断のうちの少なくとも1つを含む医療システム応答を含む、請求項24に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−523895(P2012−523895A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505951(P2012−505951)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/031351
【国際公開番号】WO2010/121103
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(504308442)ホスピラ・インコーポレイテツド (50)
【Fターム(参考)】