説明

医療情報管理システム及び医療情報管理方法

【課題】 患者同意の取得や医療情報のデータ処理の迅速化と、医療情報のセキュリティの管理及び検証を可能とした医療情報管理システム及び医療情報管理方法を提供する。
【解決手段】 患者から得られた医療情報を診断・治療等の医療行為以外の目的に利用(目的外利用)するためのデータ処理を行なう際に、先ず、医療情報サーバ30から供給される所望の医療情報に対して医療情報処理端末10のデータ変調部12が情報開示を制約するための変調処理した医療情報に対してデータ処理部13は所定のデータ処理を行なう。次いで、データ処理された医療情報に対してデータ復調部14は、管理サーバ20から供給される前記目的外利用に対する患者同意情報に基づいて前記制約を解除するための復調処理を行ない、更に、制御部17は、前記患者同意情報に基づいて復調処理後の医療情報の表示あるいは出力を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の医療情報を診断・治療以外の目的に使用する際に、患者の同意の取得と医療情報の編集及び加工の迅速化を可能とした医療情報管理システム及び医療情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、診断対象患者から得られた医療情報を保管する医療情報サーバと、ネットワークを介して医療情報サーバと接続された医療情報ビューアとから構成される医療情報管理システムが広く用いられている。
【0003】
この医療情報には、X線CT装置、MRI装置、X線診断装置、更には超音波診断装置などの画像診断装置によって得られた画像データ、心電計あるいは脳波計などの生体情報計測装置によって得られた生体情報計測データ、検体検査装置などによって得られた血液や尿などの検体検査データ、これらのデータに関する所見レポートなどが纏められた電子カルテなどがある。又、前記患者に関する既往歴などが含まれた患者情報や各種同意書等も電子化されて前記医療情報サーバに保管されている。
【0004】
この医療情報管理システムは、当初、医師専用の医療情報サーバに当該患者の医療情報が保管されていたため、医師は、この専用医療情報サーバに直接接続された医療情報ビューアを用いて所望の医療情報を参照しなくてはならないという制約があった。
【0005】
このような問題点を解決する手法として、ネットワークを介して複数の医療情報ビューアと複数の医療情報サーバを接続し、この医療情報サーバに保管されている医療情報を高速演算処理して各々の医療情報ビューアの表示方式に変換することにより、いずれの医療情報ビューアを用いても所望の医療情報の参照が可能となる方法が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
この医療情報管理システムによれば、医師は、画像データや生体情報計測データなどを任意に選択した医療情報ビューアを用いて参照することが可能となり、参照する場所の制約が大幅に低減する。
【0007】
一方、上述の医療情報管理システムにログインが可能となった医師は、医療情報サーバに保管されている医療情報の何れをも制約無しで参照することが可能となる。即ち、参照対象者を厳しく限定すべき医療情報を、如何なる医師も容易に参照することができ、患者プライバシーの侵害に繋がる可能性を有していた。
【0008】
このような問題点に対応するために、例えば、当該患者あるいはその担当医師が設定した情報開示手続を予め医療情報管理システム内に保管しておき、前記患者の医療情報を参照する際には、この情報開示手続に従って医療情報の参照を行なうことにより患者あるいは担当医師の意に反した医療情報の開示を防止する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開平8−161463号公報(第3−5頁、第1−4図)
【特許文献2】特開2002−197186号公報(第4頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の特許文献1あるいは特許文献2に記載された方法によって当該患者の医療情報の参照が可能となった担当医師は、得られた医療情報を使用目的に関係なく自由に編集あるいは加工することが可能であり、又、前記医療情報の利用が可能な期間についても制約がなかった。
【0010】
ところで、今後実施が予定されている「個人情報保護法」においては、個人情報取り扱い業者に対する義務及び罰則の規定が定められており、個人データの安全管理のために、利用目的の達成に必要な範囲を超えた個人情報の取り扱いが原則禁止される。そして、医療機関も個人情報の1つである医療情報に対して管理責任が課せられる。
【0011】
具体的には、医師は、診断・治療目的で収集された医療情報を治験、研究、あるいは教育等のために利用(以下、目的外利用と呼ぶ。)する場合には、患者に対してその利用目的を説明し患者の同意を得る必要がある。尚、教育のための利用とは学会、研究会、あるいは講演会等におけるプレゼンテーション用データとして医療情報を使用する場合を含んでいる。
【0012】
このような「個人情報保護法」に対して従来の医療情報システムは十分な対応がなされていなかった。例えば、学会等のプレゼンテーションにおいて使用される医療情報は、通常、これらの医療情報に基づいて行なわれる診断あるいはカンファレンスの後に選定されるため、担当医師は、利用目的の説明と同意の依頼を、後日実施される当該患者との面談まで待たなくてはならなかった。このため、プレゼンテーション用データとして所望の医療情報を編集あるいは加工(以下、データ処理と呼ぶ。)する作業を即座に開始することが不可能となり、学会あるいは研究会に対して十分な準備期間を確保することが困難であった。
【0013】
一方、患者にとっては、機密性の高い医療情報が、厳しいセキュリティのもとに保管され適切な方法で利用されているか否かを検証する手段が無かった。
【0014】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、患者の医療情報を診断や治療等本来の医療行為以外の目的に利用する際に、患者同意の取得及び医療情報のデータ処理の迅速化と、医療情報のセキュリティの管理及び検証を可能とした医療情報管理システム及び医療情報管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するために、請求項1に係る本発明の医療情報管理システムは、複数の医療情報が予め保管された医療情報記憶手段と、前記複数の医療情報の目的外利用に対する患者同意情報が保管された患者同意情報記憶手段と、前記医療情報記憶手段において保管された複数の医療情報の中から所望の医療情報を選択する医療情報選択手段と、選択した前記医療情報に対して所定のデータ処理を行なうデータ処理手段と、前記患者同意情報記憶手段によって保管された前記医療情報の患者同意情報に基づいてデータ処理後の医療情報の出力を制御する出力制御手段を備えたことを特徴としている。
【0016】
又、請求項2に係る本発明の医療情報管理システムは、複数の医療情報が予め保管された医療情報記憶手段と、前記複数の医療情報の目的外利用に対する患者同意情報が保管された患者同意情報記憶手段と、前記医療情報記憶手段において保管された複数の医療情報の中から所望の医療情報を選択する医療情報選択手段と、選択した前記医療情報に対して変調処理を行なう変調処理手段と、変調された医療情報に対して所定のデータ処理を行なうデータ処理手段と、前記患者同意情報記憶手段によって保管された前記所望の医療情報の患者同意情報に基づいてデータ処理後の医療情報を復調処理する復調処理手段を備えたことを特徴としている。
【0017】
一方、請求項13に係る本発明の医療情報管理方法は、医療情報記憶手段において保管された複数の医療情報の中から所望の医療情報を選択するステップと、選択した前記医療情報に対して所定のデータ処理を行なうステップと、前記医療情報の目的外利用に対する患者同意情報に基づいてデータ処理後の医療情報の出力を制御するステップを有したことを特徴としている。
【0018】
更に、請求項14に係る本発明の医療情報管理方法は、医療情報記憶手段において保管された複数の医療情報の中から所望の医療情報を選択するステップと、選択した前記医療情報に対して変調処理を行うステップと、変調処理した医療情報に対して所定のデータ処理を行なうステップと、前記医療情報の目的外利用に対する患者同意情報に基づいてデータ処理後の医療情報を復調処理するステップと、復調処理後の医療情報を表示するステップを有したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、患者の医療情報を診断や治療等本来の医療行為以外の目的に利用する際に、患者同意の取得や医療情報のデータ処理が迅速に行なうことができるため、作業効率が向上するとともに、利用された医療情報のセキュリティに対する管理及び検証を容易に行なうことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【実施例】
【0021】
以下に述べる本発明の実施例における第1の特徴は、所望の医療情報に対してデータ処理を行なう際に、先ず、前記医療情報を変調処理して情報開示を制約した後所定のデータ処理を行ない、次いで、データ処理後の医療情報に対して前記制約を解除するための復調処理と復調処理後の医療情報の表示あるいは出力を前記医療情報の目的外利用に対する患者許諾の有無と利用有効期限(以下では、患者同意情報と呼ぶ。)に基づいて行なうことにある。
【0022】
又、本実施例における第2の特徴は、医療情報の目的外利用に対する患者同意が行なわれる際に利用有効期限が設定され、この利用有効期限に基づいて前記医療情報の目的外利用が可能な期間を制約することにある。尚、以下に示す実施例では、医療情報の提供者を総称して患者と呼び、正常の医療情報を提供する被検者も含まれる。
【0023】
(医療情報管理システムの構成)
本発明の実施例における医療情報管理システムの構成につき図1乃至図4を用いて説明する。図1は、医療情報管理システムの全体構成を示すブロック図であり、この医療情報管理システム100は、複数の患者に対して収集あるいは作成された医療情報が保管されている医療情報サーバ30と、医療情報サーバ30に保管された医療情報の参照を行なうと共に、この医療情報の中から所望の医療情報を複写し、複写した医療情報に対して所定のデータ処理を行なって研究用データあるいは教育用データ等の生成を行なう医療情報処理端末10と、医療情報処理端末10に複写される医療情報のセキュリティ管理を行なう管理サーバ20と、前記医療情報の目的外利用に対して患者同意と利用有効期限の設定を行なう医療情報ビューア40を備え、医療情報処理端末10、管理サーバ20、医療情報サーバ30及び医療情報ビューア40はネットワーク50を介して接続されている。
【0024】
尚、前記医療情報処理端末10及び医療情報ビューア40は、通常、複数の診察室や医局などに複数台配置されるが、本実施例では、説明を簡単にするために1台の医療情報処理端末10と1台の医療情報ビューア40を備えた医療情報管理システム100について述べる。
【0025】
医療情報サーバ30は、当該患者の患者情報が保管されている患者情報記憶部31と、この患者から得られた各種検査データとその所見が記録された電子カルテが保管されている電子カルテ記憶部32と、前記患者の画像データや手術同意書が保管されている画像データ記憶部33及び同意書記憶部34と、これらの各記憶部に対して医療情報の書き込み及び読み出しを行なう入出力制御部35と、前記各ユニットとネットワーク50とを接続するネットワークインターフェース(NW−IF)36を備えている。
【0026】
尚、前記患者情報として、患者ID、身長、体重、既往暦(過去に罹患した病名と罹患時期)などがあり、画像データとして、X線画像データ、X線CT画像データ、超音波画像データ、MRI画像データ、内視鏡画像データなどがある。又、電子カルテは、心電波形や脳波などの生体情報計測データ、血液検査や尿検査などの検体検査データ、更には、上述の各データに対する所見などによって構成されている。
【0027】
そして、医療情報サーバ30の入出力制御部35は、管理サーバ20から供給される医療情報供給指示信号に基づいて、上述の各記憶部に保管されている医療情報の中から指示された医療情報を読み出し、要求元の医療情報処理端末10あるいは医療情報ビューア40に供給する。
【0028】
一方、医療情報処理端末10は、医療情報を一旦保存するデータ記憶部11と、医療情報サーバ30から供給された医療情報に対して変調を行なうデータ変調部12と、変調後の医療情報に対してデータ処理を行なうデータ処理部13を備え、更に、医療情報処理端末10は、データ処理後の医療情報を復調するデータ復調部14と、復調された医療情報を表示する表示部15及び各種の入力を行なう入力部16と、前記各ユニットにおける医療情報の入出力等を制御する制御部17と、これらの各ユニットとネットワーク40とを接続するためのネットワークインターフェース18を備えている。
【0029】
医療情報処理端末10の入力部16は、図示しない操作パネル上にキーボード、トラックボール、マウス、カードリーダ等の入力デバイスと表示パネルを備えたインタラクティブなインターフェースである。そして、前記入力デバイスを用い、担当医師のIDやパスワード(以下、これらを纏めてパスワード情報と呼ぶ。)の入力、医療情報サーバ30から所望医療情報の供給を受けるための要求信号の入力、データ変調部12において変調された医療情報に対してデータ処理を実行するためのデータ処理コマンド信号の入力等が行なわれる。
【0030】
次に、データ変調部12は、図示しない演算回路と記憶回路を備え、この記憶回路には医療情報を所定の方式によって変調するための変調情報が予め保管されている。そして、前記演算回路は、この変調情報を用いて医療情報サーバ30から供給される医療情報に対してその開示を制約するための変調処理を行なう。例えば、前記医療情報に対して他の情報を埋めこむ、「電子透かし」等を適用して、参照が不可能あるいは極めて困難な医療情報に変調する。
【0031】
又、データ処理部13は、データ変調部12によって変調された医療情報に対して研究用データや教育用データの作成を目的としたデータ処理(編集あるいは加工)を行なう。例えば、医療画像データに対する編集法として、複数画像データの並列表示や重畳表示、又、加工法として輪郭強調、平滑化、階調変更などの画像処理やサブトラクション画像データ、ボリュームレンダリング画像データ(3次元画像データ)、フライスルー画像データ等の生成を目的とした画像間演算や画像再構成演算等がある。
【0032】
一方、データ復調部14は、図示しない演算回路と記憶回路を備え、この記憶回路には変調された医療情報を所定の方式によって復調するための復調情報が予め保管されている。そして、演算回路は、データ処理部13においてデータ処理が行なわれて生成された変調後の医療情報を、管理サーバ20から供給される当該患者の同意情報に基づいて復調処理する。即ち、前記演算回路は、管理サーバ20から供給される同意情報において患者同意が既に得られていることを確認したならば、データ変調部12による「電子透かし」において埋めこまれた異種類の情報を除去して参照可能なデータ処理後の医療情報を生成する。尚、前記データ処理部13において行なわれる医療情報のデータ処理は、通常、線型な処理であるため、任意の方法によってデータ処理された変調後の医療情報に対し、予め決められた復調処理を適用することによって参照可能な医療情報が生成される。
【0033】
次に、表示部15は、データ復調部14によって参照が可能となった医療情報を所定のフォーマットに従がって表示する。一方、制御部17は、医療情報処理端末10の前記各ユニットにおける医療情報の入出力を制御する。例えば、入力部16から入力された担当医師のパスワード情報と医療情報処理端末10の識別情報の管理サーバ20への供給、医療情報の要求信号の入力に基づく医療情報及び医療情報処理端末10の識別情報の管理サーバ20への供給等を行なう。更に、制御部17は、管理サーバ20から供給される患者同意情報に基づいて、データ復調部14によって参照が可能となったデータ処理後の医療情報の表示部15における表示、ネットワーク50への出力、あるいは、図示しない記憶媒体への保存等に関する制御を行なう。
【0034】
次に、管理サーバ20は、要求された医療情報を要求元の医療情報処理端末10に供給する際のセキュリティ管理と供給された医療情報に対してデータ処理及び出力を行なう際のセキュリティ管理を行なう。この管理サーバ20は、医療情報リスト記憶部21、要求元情報リスト記憶部22、入出力制御部23を備え、これらの各ユニットは、ネットワークインターフェース24を介してネットワーク50に接続されている。
【0035】
医療情報リスト記憶部21は、医療情報サーバ30に保管されている各種の医療情報に対応した患者IDや医療情報の識別情報、更には患者同意情報の保管を行なう。図2は、医療情報リスト記憶部21に保管されている医療情報リスト60の具体例を模式的に示したものであり、この医療情報リスト60は、例えば、患者ID61、医療情報の識別情報62、医療情報名63、データ取得日64、患者同意の要否65、患者同意の有無66、利用有効期限67によって構成されている。そして、この医療情報リスト60では、患者ID「00001」の当該患者に対して得られたMRI画像データの識別情報「0000A」とデータ取得日(検査日)、このMRI画像データの目的外利用に対する患者同意の要否及び有無、更には、目的外利用の有効期限が示されている。
【0036】
同様にして、同一患者「00001」に対するECG(心電波形)や血液検査データに関する患者ID、医療情報の識別情報、医療情報名、データ取得日、患者同意の要否及び有無、利用有効期限が示されている。
【0037】
尚、患者同意が得られていない場合の利用有効期限は、当該医療情報に対する要求信号が医療情報処理端末10から管理サーバ20に供給(一時利用登録)された日を基準として所定期間(例えば、7日)が暫定的に初期設定され、患者同意が行なわれる際に更新(延長)される。即ち、図2の医療情報リスト60によれば、一時利用登録されたMRI画像データ「0000A」、ECG「0000B」、血液検査データ「0000C」の中でECG「0000B」のみに対して患者同意が得られており、利用有効期限は3年後に延長されている。
【0038】
次に、要求元リスト記憶部22は、医療情報サーバ30が要求元の医療情報処理端末10に対して医療情報を供給する際のセキュリティ管理に用いる要求元情報が記憶されており、例えば、ネットワーク50を介して管理サーバ20及び医療情報サーバ30と接続された複数の医療情報処理端末10の識別情報や、これらの医療情報処理端末10の使用が許可されている担当医師のパスワード情報が予め保存されている。例えば、図3に模式的に示した要求元情報リスト70では、担当医師パスワード情報71及び担当医師名72と、この担当医師が使用可能な医療情報処理端末10の識別情報73が各々対応して記憶されている。
【0039】
一方、入出力制御部23は、図示しないCPUと記憶回路を備え、医療情報処理端末10から供給される医療情報の識別情報、担当医師のパスワード情報、医療情報処理端末10の識別情報等は前記記憶回路に一旦保存される。次いで、入出力制御部23のCPUは、医療情報処理端末10から供給された担当医師のパスワード情報と医療情報処理端末の識別情報が図3に示したパスワード情報71及び識別情報73に適合しているか否かを判断し、適合している場合には前記医療情報を要求元の医療情報処理端末10に供給するための医療情報供給指示信号を医療情報サーバ30の入出力制御部35に供給する。一方、適合していない場合には、供給不可のメッセージを医療情報処理端末10に供給する。
【0040】
更に、入出力制御部23は、医療情報処理端末10から供給された医療情報の識別情報に基づいて、この医療情報に関する患者同意情報を医療情報リスト記憶部21に保管されている医療情報リストにおいて検索する。そして、得られた患者同意情報を医療情報処理端末10の制御部17及びデータ復調部14に供給する。
【0041】
次に、医療情報ビューア40は、診察室等において当該患者とその担当医師が同席する際に、既に収集されている前記患者の医療情報の目的外利用に対する患者同意を入力するために使用される。この医療情報ビューア40は、図示しない入力部及び表示部とこれらをネットワーク40に接続するためのネットワークインターフェースを備えている。そして、前記入力部において入力された当該患者の患者IDと電子カルテの要求信号を管理サーバ20に供給することによって、この患者の未同意医療情報によって構成される未同意医療情報リストが管理サーバ20から医療情報ビューア40に供給される。そして、医療情報ビューア40の表示部は供給された未同意医療情報リストの表示を行なう。
【0042】
図4は、このとき医療情報ビューア40の表示部に表示される未同意医療情報リスト80の一例を示したものであり、患者ID「00001」の当該患者に対する医療情報の識別情報83、患者同意入力欄84、利用有効期限入力欄85が表示されている、そして、既に図2において示した医療情報リストの中から、既に一時利用登録されているにもかかわらず未だ患者同意が得られていないMRI画像データ「0000A」と血液検査データ「0000C」が抽出されてこの医療情報リスト80に表示される(図4(a))。
【0043】
次いで当該患者が、未同意医療情報リスト80に表示された医療情報の目的外利用に対して同意した場合には、前記患者あるいは担当医師は、図4(b)に示すように患者同意入力欄84において同意信号「同意」を入力すると共に、必要に応じて利用有効期限入力欄85の更新を行なう。又、前記患者同意入力欄84の同意入力に伴って管理サーバ20の医療情報リスト記憶部21に保管された患者同意の有無及び利用有効期限(図2の患者同意の有無66及び利用有効期限67)も更新され、更に、このとき別途作成される患者同意書は医療情報サーバ30の同意書記憶部34に保管される。尚、医療情報処理端末10を使用する担当医師と医療情報ビューア40において当該患者と同席する担当医師は必ずしも同一医師である必要は無い。
【0044】
(医療情報のデータ処理手順)
次に、本実施例における医療情報のデータ処理の手順について、図1乃至図6を用いて述べる。尚、以下では、当該患者から得られたMRI画像データの目的外利用におけるデータ処理の手順を図5及び図6のフローチャートに沿って説明するが、MRI画像データ以外の医療情報であっても構わない。
【0045】
MRI画像データの目的外利用におけるデータ処理に先立って、当該患者に対して収集されたMRI画像データとその付帯情報(患者ID「00001」,医療情報の識別情報「0000A」及びデータ取得日)は医療情報サーバ30の画像データ記憶部33に予め保管され、更に、前記付帯情報は管理サーバ20の医療情報リスト記憶部21において、既に図2に示した医療情報リストの構成要素として保管される(図5のステップS0)。
【0046】
上述のように、医療情報サーバ30の画像データ記憶部33に予め保管されたMRI画像データに対して目的外利用のためのデータ処理を希望する担当医師は、医療情報処理端末10の入力部16において担当医師パスワード情報「10001001」の入力を行ない、更に、所望の医療情報(MRI画像データ)の一時利用登録を行なうために、このMRI画像データが得られた当該患者の患者ID「0001」と前記MRI画像データの識別情報「0000A」を入力する(図5のステップS1)。
【0047】
入力部16より入力された担当医師パスワード情報、患者ID及びMRI画像データの識別情報は医療情報処理端末10の識別情報「0000101」と共にネットワーク50を介して管理サーバ20の入出力制御部23に供給される。そして、入出力制御部23は、供給された担当医師パスワード情報及び医療情報処理端末識別情報が要求元情報リスト記憶部22に予め保存されている要求元情報(図3)に適合していることを確認したならば、要求されたMRI画像データを要求元の医療情報処理端末10に供給するための医療情報供給指示信号を医療情報サーバ30の入出力制御部35に供給する。
【0048】
次いで、医療情報サーバ30の入出力制御部35は、管理サーバ20から供給された医療情報供給指示信号に基づいて、医療情報サーバ30の画像データ記憶部33に保管されている患者ID「00001」のMRI画像データ「0000A」を読み出し、ネットワーク50を介して要求元の医療情報処理端末10のデータ変調部12に供給する(図5のステップS2)。
【0049】
一方、医療情報処理端末10のデータ変調部12に設けられた演算回路は、医療情報サーバ30より供給されたMRI画像データに対し、自己の記憶回路に予め保管された変調情報を用いて「電子透かし」等の変調処理を行ない、変調したMRI画像データをデータ記憶回路11に一旦保存する(図5のステップS3)。
【0050】
次に、医療情報処理端末10のデータ処理部13は、データ記憶部11に保管されたMRI画像データを読み出して研究用データや発表用データの作成を目的としたデータ処理を行ない、処理したMRI画像データをデータ記憶部11に再度保存する(図5のステップS4)。
【0051】
上述の手順によって変調後のMRI画像データに対するデータ処理が終了したならば、医療情報処理端末10の制御部17は、管理サーバ20に対して、このMRI画像データの目的外利用に対する患者同意情報(即ち、患者同意の有無と利用有効期限に関する情報)を要求する(図5のステップS5)。
【0052】
そして、医療情報処理端末10からの要求信号を受信した管理サーバ20の入出力制御部23は、医療情報リスト記憶部21に保管されている医療情報リストからMRI画像データ「0000A」に対する患者同意情報を読み出し、医療情報処理端末10に供給する(図5のステップS7)。
【0053】
次に、管理サーバ20から患者同意情報を受信した医療情報処理端末10の制御部17は、得られた患者同意情報から上述のMRI画像データに対する患者同意が既に得られており、更に利用有効期限前であることを確認したならば(図5のステップS8)、データ記憶部11に保存されているMRI画像データを読み出して復調処理を行なう(図5のステップS9)。
【0054】
即ち、データ復調部14は、データ変調部12における「電子透かし」によって埋めこまれた異種類の情報の削除を行ない、参照が可能なデータ処理後のMRI画像データを生成する。そして、制御部17は、データ復調部14にて生成されたMRI画像データを表示部15に表示すると共に、このMRI画像データのネットワーク50への出力や図示しない記憶媒体への保存を行なう(図5のステップS10)。
【0055】
一方、MRI画像データに対する患者同意が未だ得られていない場合や利用有効期限を過ぎている場合には(図5のステップS8)、医療情報処理端末10の制御部17は、データ記憶部11に保存されている復調処理前のMRI画像データをそのまま表示部15に表示するか、あるいは患者同意が得られていないため表示できない旨のメッセージのみの表示を行ない、更に、このMRI画像データのネットワーク50への出力あるいは図示しない記憶媒体への保存を拒否する(図5のステップS11)。
【0056】
即ち、当該患者による患者同意が得られていない場合には、所定のデータ処理がなされたMRI画像データの表示部15における参照やネットワーク50あるいは記憶媒体への出力は不可能となる。
【0057】
(患者同意情報の作成手順)
次に、図5のステップS7において供給される患者同意情報が生成される手順(図5のステップS6)の詳細につき図6のフローチャートを用いて説明する。
【0058】
患者同意情報の作成は、ネットワーク50に接続された医療情報ビューア40において同席した当該患者とその担当医師によって行なわれる。即ち、当該患者に対する診察等においてこの患者と同席した担当医師は、医療情報ビューア40の入力部より当該患者の患者IDとこの患者の電子カルテに対する要求信号を管理サーバ20の入出力制御部23に供給する(図6のステップS21)。
【0059】
この患者IDと電子カルテ要求信号を受信した管理サーバ20の入出力制御部23は、医療情報リスト記憶部21に保管されている医療情報リスト(図2)の中から一時利用登録が行なわれている医療情報を検索し(図6のステップS22)、未同意の医療情報があった場合には(図6のステップS23)、未同意医療情報リスト(図4(a))を生成する。そして、この未同意医療情報リストを医療情報ビューア40に供給する。一方、医療情報ビューア40の表示部は、供給された未同意医療情報リスト80の表示を行なう(図6のステップS24)。
【0060】
次いで、患者が前記未同意医療情報リストに掲載された医療情報の目的外利用に対して同意する場合には、この未同意医療情報リスト80の患者同意入力欄(図4の84)において「同意」の入力を行なうと共に、必要に応じて前記未同意医療情報リスト80の利用有効期限入力欄(図4の85)において利用有効期限の更新を行なう(図6のステップS25)。そして未同意医療情報リストに示された医療情報に対する上記入力が終了したならば患者同意情報の作成を終了し(図6のステップS26)、患者カルテの表示を行なう(図6のステップS27)。
【0061】
一方、ステップS23において未同意の医療情報が無い場合には、患者同意情報の作成を終了し(図6のステップS26)、患者カルテの表示を行なう(図6のステップS27)。
【0062】
(変形例)
次に、上述の実施例の変形例につき図7及び図8を用いて説明する。この変形例の特徴は、所望の医療情報に対して所定のデータ処理を行ない、次いで、データ処理後の医療情報の表示あるいは出力を前記医療情報の目的外利用に対する患者同意情報に基づいて行なうことにある。
【0063】
図7は、本変形例における医療情報管理システムの全体構成を示すブロック図であり、図1に示した医療情報管理システム100との差異は、医療情報処理端末10におけるデータ変調部12とデータ復調部14が除かれていることである。但し、医療情報管理システム100を構成する各ユニットの符合と同一の符合を有した図7の医療情報管理システム200の各ユニットは略同一の機能を有しているため、その説明を省略する。
【0064】
次に、本変形例における医療情報のデータ処理手順につき図7及び図8を用いて説明する。但し、図8は、上記データ処理手順を示すフローチャートであり、この場合も、図5に示した上述の実施例のフローチャートと同一のステップは同一符合で示し、詳細な説明を省略する。
【0065】
医療情報の目的外利用におけるデータ処理に先立って、当該患者に対して収集された医療情報とその付帯情報は図7の医療情報サーバ30に予め保管され、更に、前記付帯情報は管理サーバ20の医療情報リスト記憶部21に保管される(図5のステップS0)。
【0066】
そして、医療情報サーバ30に予め保管された医療情報に対して目的外利用のためのデータ処理を希望する担当医師は、医療情報処理端末10の入力部16において担当医師パスワード情報の入力を行ない、更に、所望の医療情報の一時利用登録を行なうために、患者IDと前記医療情報の識別情報を入力する(図8のステップS1)。
【0067】
入力部16より入力された担当医師パスワード情報、患者ID及び医療情報の識別情報を受信した管理サーバ20は、要求された医療情報を要求元の医療情報処理端末10に供給するための医療情報供給指示信号を医療情報サーバ30に供給し、医療情報サーバ30は、指示された医療情報を医療情報処理端末10のデータ記憶部11に供給する(図8のステップS2)。
【0068】
次に、データ処理部13は、データ記憶部11に保管された医療情報を読み出してデータ処理を行ない、処理がなされた医療情報をデータ記憶部11に保存する(図8のステップS14)。
【0069】
上述の手順によって医療情報に対するデータ処理が終了したならば、医療情報処理端末10の制御部17は、管理サーバ20に対してこの医療情報の目的外利用に対する患者同意情報を要求する(図8のステップS15)。
【0070】
そして、医療情報処理端末10からの要求信号を受信した管理サーバ20の入出力制御部23は、医療情報リスト記憶部21に保管されている医療情報リストから前記医療情報に対する患者同意情報を読み出し、医療情報処理端末10に供給する(図8のステップS7)。
【0071】
次に、管理サーバ20から患者同意情報を受信した医療情報処理端末10の制御部17は、得られた患者同意情報から前記医療情報に対する患者同意が既に得られており、更に、利用有効期限前であることを確認したならば(図8のステップS16)、データ記憶部11に保存されているデータ処理後の医療情報を読み出して表示部15に表示すると共に、この医療情報のネットワーク50への出力や図示しない記憶媒体への保存を行なう(図8のステップS17)。
【0072】
一方、前記医療情報に対する患者同意が未だ得られていない場合や利用有効期限を過ぎている場合には(図8のステップS16)、医療情報処理端末10の制御部17は、データ記憶部11に保存されている医療情報の表示部15における表示やネットワーク50への出力、あるいは記憶媒体への保存を拒否する(図8のステップS18)。
【0073】
尚、本変形例においても、医療情報の目的外利用に対する患者同意が行なわれる際に利用有効期限が患者によって設定され、この利用有効期限に基づいて前記医療情報の目的外利用が可能な期間が設定される。
【0074】
以上述べた本発明の実施例及びその変形例によれば、診断・治療目的で収集された医療情報を目的外利用する場合において、この目的外利用のためにデータ処理された当該患者の医療情報の表示、ネットワークへの出力、あるいは記憶媒体への保存等は前記目的外利用に対する患者同意や利用有効期限に基づいて行なわれるため、医療情報に対するセキュリティの管理を確実に行なうことができる。特に、患者同意が得られた医療情報に対して利用有効期限を設定することによりセキュリティの質が向上する。
【0075】
又、患者同意と利用有効期限に基づく医療情報の目的外利用の実施によって、当該患者からセキュリティについての検証要求があった場合には、担当医師は即座に実施記録を提示することが可能となる。
【0076】
更に、上述の医療情報に対するデータ処理は、目的外利用に対する患者同意が得られる前に開始することが出来るため、目的外利用のための資料の作成を効率よく行なうことができる。特に、上述の実施例では、変調処理及び復調処理を行なうことによって、情報開示が制約された医療情報に対してデータ処理が行なわれるため、このデータ処理を行なう担当医師に対しても厳密なセキュリティ管理が可能となる。
【0077】
又、上述の実施例及びその変形例において、一時利用登録された医療情報に対して患者同意が得られていない場合には、当該患者と同席した状態で電子カルテ等を参照する際に患者同意入力画面が優先的に表示される。このとき、同席した医師が一時利用登録をした担当医師と異なる場合であっても患者同意の入力と利用有効期限の更新を行なうことができるため、患者同意が得られるまでの期間を大幅に短縮することが可能となる。
【0078】
以上、本発明の実施例とその変形例について述べてきたが、本発明は上述の実施例及び変形例に限定されるものでは無く、変形して実施することが可能である。例えば、上述の実施例では、患者同意情報に基づいて変調処理と医療情報の表示、出力、保存を行なったが、データ処理の前後における変調処理及び復調処理によって医療情報の開示が制約される場合には、上記の医療情報の表示、出力、保存の制御は行なわなくてもよい。又、この実施例では、「電子透かし」を実現するための変調処理及び復調処理について述べたが、「暗号化」など他の方法を適用して医療情報の開示を制約してもよい。
【0079】
又、上述の実施例及びその変形例では、患者同意と利用有効期限に基づいて医療情報のセキュリティ管理を行なう場合について述べたが、患者同意のみによって行なってもよい。
【0080】
更に、上述の変形例の説明では、前記医療情報に対する患者同意が未だ得られていない場合や利用有効期限を過ぎている場合におけるデータ処理後の医療情報の開示範囲は医療情報処理端末内としたが、この範囲に限定されるものではなく、医療情報のセキュリティ度に応じて任意に設定してもよい。例えば、担当医師が属する医局内や院内の端末、あるいは特定の端末を上記開示範囲に設定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施例における医療情報管理システムの全体構成を示すブロック図。
【図2】同実施例における医療情報リストの具体例を示す図。
【図3】同実施例における要求元情報リストを示す図。
【図4】同実施例における未同意医療情報リストの一例を示す図。
【図5】同実施例における医療情報のデータ処理手順を示すフローチャート。
【図6】同実施例における患者同意情報の生成手順を示すフローチャート。
【図7】同実施例の変形例における医療情報管理システムの全体構成を示すブロック図。
【図8】同変形例における医療情報のデータ処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0082】
10…医療情報処理端末
11…データ記憶部
12…データ変調部
13…データ処理部
14…データ復調部
15…表示部
16…入力部
17…制御部
18、24、36…ネットワークインターフェース
20…管理サーバ
21…医療情報リスト記憶部
22…要求元情報リスト記憶部
23…入出力制御部
30…医療情報サーバ
31…患者情報記憶部
32…電子カルテ記憶部
33…画像データ記憶部
34…同意書記憶部
35…入出力制御部
40…医療情報ビューア
50…ネットワーク
100、200…医療情報管理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の医療情報が予め保管された医療情報記憶手段と、
前記複数の医療情報の目的外利用に対する患者同意情報が保管された患者同意情報記憶手段と、
前記医療情報記憶手段において保管された複数の医療情報の中から所望の医療情報を選択する医療情報選択手段と、
選択した前記医療情報に対して所定のデータ処理を行なうデータ処理手段と、
前記患者同意情報記憶手段によって保管された前記医療情報の患者同意情報に基づいてデータ処理後の医療情報の出力を制御する出力制御手段を
備えたことを特徴とする医療情報管理システム。
【請求項2】
複数の医療情報が予め保管された医療情報記憶手段と、
前記複数の医療情報の目的外利用に対する患者同意情報が保管された患者同意情報記憶手段と、
前記医療情報記憶手段において保管された複数の医療情報の中から所望の医療情報を選択する医療情報選択手段と、
選択した前記医療情報に対して変調処理を行なう変調処理手段と、
変調された医療情報に対して所定のデータ処理を行なうデータ処理手段と、
前記患者同意情報記憶手段によって保管された前記所望の医療情報の患者同意情報に基づいてデータ処理後の医療情報を復調処理する復調処理手段を
備えたことを特徴とする医療情報管理システム。
【請求項3】
前記データ処理手段は、前記所望の医療情報を目的外利用するための編集あるいは加工を行なうことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した医療情報管理システム。
【請求項4】
前記データ処理手段は、治験、研究、教育の少なくとも何れかを目的として前記所望の医療情報の編集あるいは加工を行なうことを特徴とする請求項3記載の医療情報管理システム。
【請求項5】
前記患者同意情報記憶手段によって保管されている患者同意情報は、前記所望の医療情報の目的外利用に対する患者同意の有無と利用有効期限の少なくとも何れかであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した医療情報管理システム。
【請求項6】
前記変調処理手段及び前記復調処理手段によって医療情報の「電子透かし」を行なうことを特徴とする請求項2記載の医療情報管理システム。
【請求項7】
前記変調処理手段及び前記復調処理手段によって医療情報の暗号化を行なうことを特徴とする請求項2記載の医療情報管理システム
【請求項8】
出力制御手段を備え、前記復調処理手段によって復調処理された医療情報の出力は、前記患者同意情報記憶手段に保管された前記所望の医療情報の患者同意情報に基づいて前記出力制御手段が制御することを特徴とする請求項2記載の医療情報管理システム。
【請求項9】
前記出力制御手段は、データ処理後あるいは復調処理後の医療情報の表示、ネットワークへの出力、記憶媒体への保存の少なくとも何れかを前記患者同意情報に基づいて制御することを特徴とする請求項1又は請求項8に記載した医療情報管理システム。
【請求項10】
前記出力制御手段は、医療情報の開示範囲を前記患者同意情報あるいは医療情報のセキュリティ度に基づいて制御することを特徴とする請求項1又は請求項8又は請求項9の何れか1項に記載した医療情報管理システム。
【請求項11】
当該患者から得られた医療情報の保管と供給を行なう医療情報サーバと、この医療情報サーバから供給された医療情報に対して編集あるいは加工等のデータ処理を行なう医療情報処理端末と、この医療情報処理端末においてデータ処理される医療情報のセキュリティ管理を行なう管理サーバを備え、
前記医療情報処理端末は、
前記管理サーバに対して所望の医療情報の要求信号を供給する要求信号供給手段と、
前記医療情報サーバから供給された前記医療情報に対してデータ処理を行なうデータ処理手段と、
このデータ処理手段によってデータ処理した医療情報の出力を、前記管理サーバから供給される患者同意情報に基づいて制御する出力制御手段を有し、
前記医療情報サーバは、
複数の医療情報を保管する医療情報記憶手段と、
この医療情報記憶手段によって保管された複数の医療情報の中から前記管理サーバから供給された医療情報供給指示信号に基づいて選択した前記所望の医療情報を前記医療情報処理端末に供給する医療情報供給手段を有し、
前記管理サーバは、
前記医療情報処理端末から供給された前記要求信号に基づいて前記医療情報供給指示信号を前記医療情報サーバに供給する指示信号供給手段と、
医療情報の目的外利用に対する患者同意情報が保管された患者同意情報記憶手段と、
前記医療情報端末から供給された前記要求信号に基づいて前記所望の医療情報に関する患者同意情報を前記医療情報端末に供給する手段を
備えたことを特徴とする医療情報管理システム。
【請求項12】
当該患者から得られた医療情報の保管と供給を行なう医療情報サーバと、この医療情報サーバから供給された医療情報に対して編集あるいは加工等のデータ処理を行なう医療情報処理端末と、この医療情報処理端末においてデータ処理される医療情報のセキュリティ管理を行なう管理サーバを備え、
前記医療情報処理端末は、
前記管理サーバに対して所望の医療情報の要求信号を供給する要求信号供給手段と、
前記医療情報サーバから供給された前記医療情報に対してデータ変調を行なうデータ変調手段と、
データ変調後の医療情報に対してデータ処理手段を行なうデータ処理手段と、
データ処理後の医療情報を、前記管理サーバから供給される患者同意情報に基づいて復調処理を行うデータ復調手段を有し、
前記医療情報サーバは、
複数の医療情報を保管する医療情報記憶手段と、
この医療情報記憶手段によって保管された複数の医療情報の中から前記管理サーバから供給された医療情報供給指示信号に基づいて選択した前記所望の医療情報を前記医療情報処理端末に供給する医療情報供給手段を有し、
前記管理サーバは、
前記医療情報処理端末から供給された前記要求信号に基づいて前記医療情報供給指示信号を前記医療情報サーバに供給する指示信号供給手段と、
医療情報の目的外利用に対する患者同意情報が保管された患者同意情報記憶手段と、
前記医療情報端末から供給された前記要求信号に基づいて前記所望の医療情報に関する患者同意情報を前記医療情報端末に供給する手段を
備えたことを特徴とする医療情報管理システム。
【請求項13】
医療情報記憶手段において保管された複数の医療情報の中から所望の医療情報を選択するステップと、
選択した前記医療情報に対して所定のデータ処理を行なうステップと、
前記医療情報の目的外利用に対する患者同意情報に基づいてデータ処理後の医療情報の出力を制御するステップを
有したことを特徴とする医療情報管理方法。
【請求項14】
医療情報記憶手段において保管された複数の医療情報の中から所望の医療情報を選択するステップと、
選択した前記医療情報に対して変調処理を行うステップと、
変調処理した医療情報に対して所定のデータ処理を行なうステップと、
前記医療情報の目的外利用に対する患者同意情報に基づいてデータ処理後の医療情報を復調処理するステップと、
復調処理後の医療情報を表示するステップを
有したことを特徴とする医療情報管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−201830(P2006−201830A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−9896(P2005−9896)
【出願日】平成17年1月18日(2005.1.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】