医療情報記録出力装置
【課題】2次利用による利便性と医療画像等の記録データのセキュアな管理とを両立させる。
【解決手段】 医療情報記録出力装置は、医療装置からの医療画像を記録すると共に記録した医療画像を出力する記録出力部と、前記医療画像に関連する情報から選択した管理情報を前記医療画像に関連付ける関連付け手段と、前記関連付け手段が前記医療画像に関連付ける情報を指定するための指定手段と、前記指定手段によって指定された情報が前記記録出力部から出力される医療画像に関連付けられるように前記関連付け手段を制御する制御部とを具備する。
【解決手段】 医療情報記録出力装置は、医療装置からの医療画像を記録すると共に記録した医療画像を出力する記録出力部と、前記医療画像に関連する情報から選択した管理情報を前記医療画像に関連付ける関連付け手段と、前記関連付け手段が前記医療画像に関連付ける情報を指定するための指定手段と、前記指定手段によって指定された情報が前記記録出力部から出力される医療画像に関連付けられるように前記関連付け手段を制御する制御部とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡等の医療装置によって得られる画像を記録して出力する医療情報記録出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、内視鏡は医療用分野等において広く採用されるようになった。内視鏡によって得られる医療画像は、診断や症例の記録のために、種々のメディアに記録される。近年、記録媒体の大容量化に伴って、内視鏡からの動画像の記録も行われるようになってきた。例えば、特許文献1においては、画像処理に応じた録画処理を行う装置が開示されている。このような医療画像の録画処理はデジタル化されており、医療画像はコンピュータによって読み出し可能なファイル形式にて保存されることがある。
【0003】
ところで、内視鏡画像や超音波画像等の医療画像を症例として記録する場合には、医療画像の対象である患者についての情報を併せて記録した方がよい。例えば、記録したファイルがいずれの患者のものであるか分かるように、医療画像のファイル名を、患者情報に含まれる患者名や患者ID等に応じて設定することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−271871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
医療画像等の記録データをコンピュータによって読出し可能なファイル形式にて保存することから、2次利用が容易である。例えば、医療画像の印刷や編集用のコンピュータを用いた編集等も、汎用コンピュータを用いて行うことができる。
【0006】
しかしながら、このような2次利用を促進する結果、医療画像等の記録データの管理が困難となっている。例えば、記録データの複数回のコピーによって、記録データの所有者が分からなくなってしまうことがあり、また、病院内における記録データの真正性を確保することも困難となっている。
【0007】
本発明は、2次利用による利便性と医療画像等の記録データのセキュアな管理とを両立させることができる医療情報記録出力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る医療情報記録出力装置は、医療装置からの医療画像を記録すると共に記録した医療画像を出力する記録出力部と、前記医療画像に関連する情報から選択した管理情報を前記医療画像に関連付ける関連付け手段と、前記関連付け手段が前記医療画像に関連付ける情報を指定するための指定手段と、前記指定手段によって指定された情報が前記記録出力部から出力される医療画像に関連付けられるように前記関連付け手段を制御する制御部とを具備する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、2次利用による利便性と医療画像等の記録データのセキュアな管理とを両立させることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施の形態に係る医療情報記録出力装置が組み込まれた医療情報記録システムを示すブロック図。
【図2】セキュリティ管理画面61の一例を示す説明図。
【図3】画像重畳によって管理情報を医療画像に埋め込んだ場合における医療画像の表示イメージを説明するための説明図。
【図4】出力設定画面75の一例を示す説明図。
【図5】内蔵HDD29に記録されている医療画像のファイル名を説明するための説明図。
【図6】判別部27の制御を示すフローチャート。
【図7】転送指示画面81の一例を示す説明図。
【図8】汎用コンピュータによって、外部メディア51に記録されている医療画像を再生するために起動したブラウザの表示を示す説明図。
【図9】セキュリティモードの設定を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明の一実施の形態に係る医療情報記録出力装置が組み込まれた医療情報記録システムを示すブロック図である。医療情報記録出力装置は、医療情報を記録すると共に、2次利用のために、記録した医療情報を外部メディア等に出力することができる。
【0013】
本実施の形態は医療情報を生成する装置として内視鏡プロセッサ10を用いた例について説明する。内視鏡プロセッサ10は、図示しない内視鏡等からの画像を取り込んで画像信号処理を行い、内視鏡画像等の医療画像を生成することができる。内視鏡プロセッサ10からの医療画像は医療情報記録出力装置20及びモニタ40に供給される。
【0014】
入力装置11は、図示しないキーボードや内視鏡プロセッサ10の本体に設けられたボタン、スイッチ(図示せず)等によって構成され、内視鏡プロセッサ10の画像処理に対する指示操作や、患者情報の入力操作等を行うことができるようになっている。内視鏡プロセッサ10は、この患者情報を医療情報記録出力装置20に出力することができる。
【0015】
また、内視鏡プロセッサ10は、医療情報記録出力装置20を制御するための制御情報を発生する。制御情報としては、動画像である医療画像の録画開始を指示する録画開始情報、その録画終了を指示する録画終了情報、静止画像である医療画像の録画を指示する静止画録画情報、検査の終了を指示する検査終了情報等がある。例えば、内視鏡プロセッサ10は、内視鏡に設けられたレリーズボタンや録画開始ボタン等の各種スコープ操作に応答して、画像処理が制御されると共に、各種スコープ操作に応じた制御情報を発生して医療情報記録出力装置20に出力することができるようになっている。
【0016】
更に、内視鏡プロセッサ10は、内視鏡等の出力に基づいて生成した医療画像に、患者情報をスーパーインポーズして出力することができる。この場合において、内視鏡プロセッサ10は、患者情報に基づく表示領域と内視鏡画像に基づく表示領域とを有する医療画像を生成することもできる。
【0017】
モニタ40は、内視鏡プロセッサ10からの医療画像を画面上に表示することができるようになっている。図1の例では、モニタ40の画面右側の領域41及び左側の領域42〜44に、夫々内視鏡画像、患者名、患者ID及び検査情報が表示されることを示している。
【0018】
医療情報記録出力装置20は、内視鏡プロセッサ10との間で情報の授受を行う図示しないインターフェースを有している。このインターフェースは、例えばRS−232C規格に基づくインターフェースであり、内視鏡プロセッサ10からの患者情報及び制御情報を取り込んで制御部30に与える。制御部30は、患者情報を図示しないメモリに記憶させると共に、制御情報に基づいて医療画像の記録処理を制御する。
【0019】
また、医療情報記録出力装置20は、内視鏡プロセッサ10等からの医療画像を取り込むキャプチャ部21を有している。キャプチャ部21は、制御部30に制御されて内視鏡プロセッサ10からの医療画像を取り込み、画像処理部22に出力する。
【0020】
操作部31は、後述する操作表示部31a及び操作表示部31a上の入力部を操作するための図示しないキーボード等を備えている。また、操作部31は、操作表示部31a上の入力部を操作するためのタッチパネルを採用してもよい。この場合には、操作表示部31a上にタッチパネルを設け、指等でタッチパネルを操作することで、入力部に対する操作が可能である。
【0021】
操作部31は、オペレータ操作に基づく情報を発生して制御部30に出力する。制御部30は、操作部31からの情報に基づいて、医療画像の記録処理や出力処理等を制御するようになっている。
【0022】
本実施の形態においては、制御部30は、記録する医療情報を2次利用のために出力することを考慮して、セキュアな管理を可能にするために、医療画像等に管理情報を関連付けて記録するように、各部を制御するようになっている。例えば、制御部30は、医療画像に関連情報を埋め込んだ後に記録させる。
【0023】
画像処理部22は、入力された医療画像に対してH.264等のエンコード方式を採用したフォーマット変換を行う。ピクセル変換部23は、医療画像に管理情報を埋め込む処理として、医療画像の画素を管理情報に変換する処理を行う。
【0024】
制御部30は、例えば、医療画像に対応して入力される患者情報を管理情報として用いる。医療画像に管理情報を埋め込むことにより、医療画像が外部メディア等に複数出力される場合でも、医療画像がいつどこで誰(所有者)を撮像したものであるかを知ることができる。
【0025】
制御部30は、操作部31に対するオペレータ操作に従って、埋め込む管理情報を設定するようになっている。例えば、患者情報としては、患者ID、患者名、病院等の施設名、医療画像のタイムコード等があり、操作者は、これらのうちの適宜の情報を選択して管理情報に設定することができる。
【0026】
制御部30は、操作部31によって設定された管理情報を画像処理部22に出力する。例えば、ピクセル変換部23は、図示しないキャラクタメモリを有しており、制御部30によって指定された管理情報に応じたキャラクタを、入力された医療画像に重畳することができる。このように、ピクセル変換部23は、制御部30に制御されて、画像重畳の手法によって、医療画像上に管理情報を埋め込むことができる。
【0027】
また、制御部30及びピクセル変換部23は、電子透かしの技術を用いて、医療画像に管理情報を埋め込むことも可能である。ピクセル変換部23は、置換法により、入力された医療画像の画像ピクセル(画素)に対して、付加情報(ビット)を埋め込むこともできる。ピクセル変換部23が管理情報を付加情報に変換して埋め込むことにより、電子透かし情報の再生が可能な再生機器によって、管理情報を抽出表示することができる。なお、再生時において、画像のみを表示し電子透かし情報の再生が不能な汎用ソフトを用いた場合には、元の医療画像のみが表示される。
【0028】
画像処理部22からは、管理情報が埋め込まれた後、フォーマット変換された医療画像が記録出力部25に出力される。また、制御部30は、患者情報を記録出力部25に出力する。記録出力部25は、制御部30に制御されて、入力された医療画像及び患者情報の記録を行う。
【0029】
例えば、記録出力部25は、制御部30に制御されて、患者情報に基づくフォルダ名の検査フォルダを内蔵HDD(ハードディスク装置)29内に作成する。例えば、記録出力部25は、患者IDを含むフォルダ名の検査フォルダを作成する。そして、記録出力部25は、この患者フォルダ内に、医療画像をファイル化して格納する。
【0030】
上述したように、画像処理部22において、医療画像中に管理情報を埋め込むことができる。更に、本実施の形態においては、記録出力部25においても、医療画像中に管理情報を埋め込むことが可能である。即ち、記録出力部25のファイル生成部26は、制御部30に制御されて、記録する医療画像のメタデータとして管理情報を記録することができるようになっている。即ち、制御部30は、例えば患者情報から管理情報として記録する情報を選択して、記録出力部25に指示する。記録出力部25のファイル生成部26は、管理情報のメタデータを生成する。例えば、医療画像がMP4フォーマットの画像データである場合には、1つの動画ファイル中に以下の種々の情報を格納することができる。
ftyp:ファイルタイプを記述する。
moov:全てのメタデータを記述させるコンテナ(箱)であり、各動画、音声など塊(トラック)のヘッダ情報やコンテンツの内容のメタ記述、時刻情報などが格納される。
mdat:データ本体を格納するコンテナである。
【0031】
このようにメタデータとして管理情報を埋め込むことにより、再生機器においてMP4等のフォーマットに対応した場合には、管理情報の読み出し及び表示が可能である。例えば、MP4フォーマットに対応したコンピュータを用いた場合には、医療情報記録出力装置20から外部メディア51に出力されて記録された医療画像のファイルのアイコン上にカーソルを重ねることにより、各種メタ情報を表示させることも可能である。
【0032】
更に、本実施の形態においては、制御部30は、2次利用を考慮したセキュアな管理を可能にするために、コピーガード、パスワードロック及び暗号化の実行を可能にする。例えば、記録出力部25は、制御部30に制御されて、記録した医療画像のコピー可能回数を制限することが可能である。操作部31は、操作者の操作によってコピー制限の有無及びコピー可能回数の設定が可能である。制御部30は、操作部31からの情報に基づいて、記録出力部25にコピー制限の有無及びコピー可能回数の情報であるコピー制御情報を出力する。記録出力部25は、管理情報としてコピー可能回数を医療画像に関連付けて記録する。例えば、記録出力部25は、医療画像の記録に際してコピー可能回数を含むファイル名を設定することで、コピー制御情報を医療画像に関連付けて記録することができる。
【0033】
データ転送部28は、制御部30に制御されて、内蔵HDD29から医療画像を読み出して、外部I/F部32を介して外部メディア51に出力することができるようになっている。なお、外部メディア51としては、ハードディスク、半導体メモリ、DVDやブルーレイディスク等のディスク媒体、磁気テープ等の種々のメディアを採用することができる。また、外部I/F部32としては、LAN等の各種ネットワークに接続するための各種通信デバイスを採用することもできる。
【0034】
データ転送部28は、コピー制限された医療画像については、出力毎に、出力した医療画像の情報を判別部27に出力する。判別部27は、各医療画像毎に出力した回数(コピー回数)の情報を保持する。判別部27は、データ転送部28が出力しようとしている医療画像について、当該医療画像のファイル名から取得したコピー可能回数と保持しているコピー回数とを比較し、コピー回数がコピー可能回数に到達するまでは当該医療画像の出力をデータ転送部28に許可する。既にコピー回数がコピー可能回数に到達している場合には、判別部27は、データ転送部28に当該医療画像の出力の禁止を指示する。
【0035】
なお、判別部27は、制御部30からコピー不可が指示された場合には、データ転送部28に対して医療画像の出力の禁止を指示する。また、判別部27は、制御部30からコピー可が指示された場合には、データ転送部28に対して医療画像の出力を許可する。
【0036】
なお、判別部27は、各医療画像の出力毎にコピー回数を保持するものとして説明したが、医療画像の出力毎に医療画像のファイル名を変更可能である場合には、ファイル名中のコピー可能回数の数値を出力毎に減じ、所定の数値、例えば0に到達することによって、以後のコピーを禁止するようにしてもよい。この場合には、判別部27は、コピー回数を保持することなく、ファイル名中のコピー可能回数の数値のみによって、コピーの可否を判断することができる。
【0037】
制御部30は、コピー可能回数の情報を、上述した画像重畳、電子透かし及びメタデータ等の手段によって医療画像に関連付けて記録するようにしてもよい。
【0038】
また、本実施の形態においては、医療画像毎にパスワードを設定することも可能である。例えば、ファイル生成部26は、制御部30に制御されて、各医療画像にパスワードを設定した後内蔵HDD29に与えて記録する。例えば、ファイル生成部26は、医療画像をXML形式で生成することにより、パスワードの設定が可能である。また、ファイル生成部26は、動画規格であるAVCHDを採用することによって、パスワードを設定することもできる。
【0039】
例えば、制御部30は、パスワードとして、ファイル毎に自動的に変化する値、例えば、患者IDと規定の文字列との組み合わせ等によって得られる文字列をパスワードに設定してもよい。
【0040】
また、本実施の形態においては、医療画像を暗号化することも可能である。例えば、ファイル生成部26は、制御部30に制御されて、各医療画像を暗号化した後内蔵HDD29に与えて記録する。ファイル生成部26は、暗号化の手法として種々の手法を採用することができる。
【0041】
なお、上記説明では、医療画像と管理情報とを関連付けた後に内蔵HDD29に記録する例について説明した。例えば、医療画像に管理情報を埋め込んだ後に記録したり、医療画像の記録に際して、コピー制限の設定、パスワードの設定及び暗号化を施す例について説明した。しかし、医療画像と管理情報との関連付け、即ち、管理情報の埋め込み、コピー制限の設定、パスワードの設定及び暗号化は、医療画像を出力する時点までに行えばよい。例えば、医療画像と管理情報との関連付けを医療画像の出力に際して実行してもよい。例えば、医療画像の出力に際して、管理情報を画像重畳によって医療画像に埋め込む場合には、データ転送部28が、内蔵HDD29から読み出した医療画像を画像処理部22に与え、画像処理部22においてデコード、管理情報の埋込み及びエンコードを行い、データ転送部28が管理情報が埋め込まれた医療画像を外部I/F部32を介して外部メディア51等に出力するようにしてもよい。
【0042】
次に、このように構成された実施の形態の動作について図2乃至図9を参照して説明する。
【0043】
内視鏡プロセッサ10には、図示しない内視鏡等が接続され、内視鏡等からの画像が入力される。検査時には、術者は、内視鏡プロセッサ10に対する入力装置11又は図示しない内視鏡に設けられた各種操作スイッチを操作して検査を行う。内視鏡プロセッサ10は、内視鏡等から得た医療画像をモニタ40に出力すると共に、医療画像、患者情報及び制御情報を医療情報記録出力装置20に出力する。こうして、検査時に、医療情報記録出力装置20において、内視鏡等から得られる医療画像の記録が行われる。
【0044】
例えば、この医療画像の記録に先立って、セキュリティ管理のための設定を行う。図2は操作部31に設けられた操作表示部31a上に表示されるセキュリティ管理画面61の一例を示す説明図である。制御部30は、管理者の操作に従って、操作部31の操作表示部31a上にセキュリティ管理画面61を表示させて、セキュリティ管理のための設定を可能にする。なお、セキュリティ管理画面61は、管理者のみがアクセス可能に構成してもよい。また、セキュリティ管理のための設定は、医療画像の記録時以降、医療画像の出力までに行うようにしてもよく、また、権限を与えられた操作者によって、医療画像の記録前に行った設定を医療画像の出力までに変更可能としてもよい。
【0045】
セキュリティ管理画面61には、内蔵HDD29に記録される医療画像又は記録された医療画像を、外部I/F部32から出力する際に採用するセキュリティ管理の設定を行うための複数のメニュー62aが表示される。各メニュー62aの右側には、現在の設定内容を示す設定表示部62bが表示される。また、設定表示部62bの右側には、設定を変更するためのプルダウンメニューを表示させるボタン表示62cが設けられることもある。
【0046】
操作者が設定ボタン64を操作することで、制御部30は設定表示部62bに表示されている現在の設定を確定し、操作者が戻るボタン63を操作することで、制御部30は設定を確定することなくセキュリティ管理画面61の表示を終了させる。
【0047】
図2の例では、セキュリティ管理画面61には、管理ID付与、タイムコード付与、セキュリティモード、版数管理有無、透かしレベル、施設名付与、患者情報付与、術者情報付与、コピーガード、パスワードロック及び暗号化を設定するためのメニュー62aが設けられている。
【0048】
管理ID付与、タイムコード付与、施設名付与、患者情報付与、術者情報付与及び透かしレベルの各メニュー62aは、医療画像に埋め込む管理情報の設定を行うためのものである。管理ID付与のメニュー62aによって、術者ID及び検査IDを医療画像に埋め込むか否かの設定が可能である。タイムコード付与のメニュー62aによって、タイムコードを医療画像に埋め込むか否かの設定が可能である。同様に、施設名付与、患者情報付与又は術者情報付与の各メニューによって、施設名、患者に関する情報又は術者情報を医療画像に埋め込むか否かの設定が可能である。
【0049】
これらの情報のうち管理ID、施設名、患者に関する情報、術者情報については、制御部30が患者情報から取得することができる。また、制御部30は、タイムコードを、医療情報記録出力装置20内の図示しないタイマーを用いることで取得することができる。透かしレベルは、医療画像に埋め込む管理情報を画像中にスーパーインポーズする場合の透明度を規定するためのものである。透かしレベルを変化させて、画像に表示される文字を薄くすることもできる。これにより、画像が見やすくなり、利用しやすくなる。
【0050】
図3は画像重畳によって管理情報を医療画像に埋め込んだ場合における医療画像の表示イメージを説明するための説明図である。図3(a)は管理情報が埋め込まれていない例を示し、図3(b)は管理情報が埋め込まれている例を示している。
【0051】
図3(a),(b)において、表示領域71には、医療画像が表示されている(図示省略)。図3(b)の例は、表示領域71に表示されている医療画像上に、管理ID(術者ID/検査ID)、記録した日時、記録した場所を示す施設情報、動画を編集した履歴である改訂履歴が管理情報としてスーパーインポーズされていることを示している。
【0052】
図3(b)の例のように、管理情報を医療画像上にスーパーインポーズして内蔵HDD29に記録した場合には、医療画像の出力先において、管理情報がスーパーインポーズされた医療画像が必ず表示されることになる。従って、1つの医療画像について複数の複製が生成された場合でも、複製された医療画像の出所等を管理することが可能である。
【0053】
また、上述したように、管理情報を付加情報として医療画像に埋め込むことも可能である。この場合には、複製された医療画像の再生時において、管理情報を確認するためには専用のソフトウェアが必要であるが、医療画像が管理情報によって見にくくなることを防止しつつ、管理情報の確認が可能である。
【0054】
なお、管理情報としてタイムコードが埋め込まれた場合には、複製された医療画像の再生時にタイムコードを確認することで、編集の有無等を確認することができる。
【0055】
制御部30は、内蔵HDD29に記録された医療画像を出力する場合の出力設定を行うことができる。図4は操作部31に設けられた操作表示部31a上に表示される出力設定画面75の一例を示す説明図である。制御部30は、操作者の操作に従って、操作部31の操作表示部31a上に出力設定画面75を表示させて、出力時の各種設定を行う。
【0056】
出力設定画面75には、複数の表示を行うための「入力切替」タブ、「画質」タブ及び「印刷」タブが設けられている。図4の例は、「画質」タブが開かれた状態を示している。なお、「入力切替」タブは、医療画像の入力元を切換えるための各種設定入力部(図示せず)を有し、「印刷」タブは、印刷処理に必要な各種設定入力部(図示せず)を有する。
【0057】
「画質」タブ内の画質のメニュー62aは、内蔵HDD29に記録されている動画及び静止画の医療画像をどのような画質で出力するかを設定するものであり、図4の例では動画については高画質で出力することを示している。また、録画時間表示及び録画枚数表示は、外部メディア51としてブルーレイディスクを採用した場合において、設定した画質での録画時間及び録画枚数を示している。また、静止画については、出力フォーマットはビットマップであり、フレーム単位でキャプチャされた画像を出力することを示している。
【0058】
図2のコピーガードのメニュー62aによって、コピーガードの有無を設定することができる。コピーガードを「する」に設定した場合には、制御部30は、操作表示部31a上に、図示しないコピー可能回数設定画面を表示させて、コピー可能回数を設定可能に構成してもよい。コピー可能回数は、医療画像の記録時において、例えば、ファイル名の一部の数値として設定される。
【0059】
図5は内蔵HDD29に記録されている医療画像のファイル名を説明するための説明図である。図5に示すように、医療画像のファイルは、記録年月日+開始時間、患者ID、サブフォルダ名、ファイルに与えられる連番及びコピー可能回数を示す数値によって構成される。図5の例では、15個の画像ファイルのファイル名を示しており、これらの15個の画像ファイルは、記録年月日が2010年6月29日で、記録の開始時間が10時18分54秒で、患者IDが「00000000000LADG2」の患者の医療画像であって、サブフォルダ名が1_001で、001〜015の連番が付与されており、MP4形式のファイルであることが分かる。また、ファイル名の最後の数値は、設定されているコピー可能回数を示している。
【0060】
即ち、図5の15個の画像ファイルは、全て1回だけコピー可能であることが分かる。判別部27は、実際にコピーされた回数と設定されたコピー可能回数との比較によってコピーの可否を判別して、データ転送部28を制御する。
【0061】
図6はこのような判別部27の制御を示すフローチャートである。また、図7は操作部31に設けられた操作表示部31a上に表示される転送指示画面81の一例を示す説明図である。制御部30は、操作者の操作に従って、操作表示部31a上に転送指示画面81を表示させて、医療画像の転送制御を行う。図7の例では、転送指示画面81上には、画像一覧表示領域82が設けられており、画像一覧表示領域82中には、複数の医療画像のサムネイル表示83が表示されている。操作者は、操作表示部31aに対する操作によって1つ以上のサムネイル表示83を選択することができる。選択されたサムネイル表示83によって指定される医療画像についての録画情報が録画情報表示領域85に表示される。矢印のボタン84に対する操作によって、前ページ又は次ページの画像一覧表示領域82を表示させることができるようになっている。
【0062】
全選択ボタン86及び全選択解除ボタン87に対する操作によって、画像一覧表示領域82中の全てのサムネイル表示83の選択及び解除が可能である。操作者は、1つ以上のサムネイル表示83を選択したのち、コピーボタン88に対する操作を行うことで、選択したサムネイル表示83に対応する医療画像の転送を指示することができるようになっている。制御部30は、操作表示部31aに対する操作によって指定された医療画像の転送を、データ転送部28に指示する。
【0063】
判別部27には、制御部30からコピー制限に関する設定情報が与えられる。判別部27は、データ転送部28に対して転送要求のあった医療画像について、ステップS1においてコピー制限の有無を判定する。判別部27は、コピー制限が無い場合には、ステップS4に移行してデータ転送部28に転送許可を指示する。これにより、データ転送部28は、転送要求のあった医療画像を内蔵HDD29から読み出して、外部I/F部32を介して外部メディア51等に出力する。
【0064】
次に、転送要求のあった医療画像にコピー制限が設定されているものとする。判別部27は、医療画像毎にデータ転送部28によって外部に転送された回数を記憶しており、転送要求があった医療画像について既に転送が行われている回数、即ち、コピー回数を読み出す(ステップS2)。
【0065】
判別部27は、転送要求のあった医療画像のファイル名からコピー可能回数を調べ、コピー可能回数と当該医療画像について既にコピーされた回数とを比較して、コピーの限度を超えているか否かを判定する(ステップS3)。判別部27は、コピー回数がコピー可能回数に到達していない場合にはステップS4においてデータ転送部28に転送許可を指示し、到達している場合にはコピー不可と判定する。判別部27はコピー不可の判別結果を制御部30に出力する。制御部30は、操作部31の操作表示部31a上に、コピー不可であることを示す警告表示を表示させる(ステップS5)。
【0066】
こうして、本実施の形態においては、内蔵HDD29に記録された医療画像のコピーを制限することができる。こうして、医療画像が所有者等の意志に反して流通することを防止することができる。
【0067】
なお、ファイル名の最後の数値として、設定されたコピー可能回数ではなく、コピーが可能な残りの回数を設定するようにしてもよい。例えば、ファイル名がM_20100629101854_00000000000LADG2_1_001_003-1.MP4の医療画像を1回コピーした場合には、ファイル名をM_20100629101854_00000000000LADG2_1_001_003-0.MP4に変更する。この方法によれば、判別部27は、ファイル名の最後の数値が1以上であるか否かによって、データ転送部28に医療画像の出力を許可するか禁止するかを判断することができる。
【0068】
図2のパスワードロックのメニュー62aによって、制御部30は、パスワードロックの有無を設定することができる。パスワードロックを「する」に設定した場合には、制御部30は、予め定められたルールに従って自動的にパスワードを生成してもよく、また、操作表示部31a上に、図示しないパスワード設定画面を表示させて、パスワードを設定可能にしてもよい。
【0069】
パスワードが設定された医療画像が外部メディア51等に転送された場合には、外部メディア51からの再生に際してパスワードが要求される。図8は汎用コンピュータによって、外部メディア51に記録されている医療画像を再生するために起動したブラウザの表示を示す説明図である。ブラウザ91には、上部に各種メニューが表示され、中央に医療画像のファイル名92が表示されている。
【0070】
記録されている医療画像のうちの1つ、例えば、ファイル名がM_20100629101854_00000000000LADG2_1_001_015-1.XMLの医療画像を再生するものとする。図8の白抜き表示は、当該医療画像が選択されて再生が指示されたことを示している。この医療画像にはパスワードが設定されているので、再生指示を行うとパスワード入力画面94が表示される。ユーザが制御部30によって設定されたパスワードを入力することによって、ブラウザによって、この医療画像の再生が行われることになる。
【0071】
しかし、ユーザがパスワードを入力しない場合又は間違って入力した場合には、例えば、ブラウザは「パスワードが正しくないため、ファイルが開けません」等のエラーメッセージを表示し、医療画像の再生を行わない。
【0072】
こうして、医療画像の複数の複製が作成された場合でも、パスワードを知っているユーザのみが医療画像を再生することができることとなり、セキュリティを向上させることができる。
【0073】
また、図2の暗号化のメニュー62aによって、暗号化の有無を設定することができる。暗号化を「する」に設定した場合には、制御部30は、ファイル生成部26を制御して、内蔵HDD29に記録する医療画像に暗号化を施させる。これにより、内蔵HDD29には、暗号化された医療画像が記録される。暗号化が施された医療画像が外部メディア51に転送されて記録された場合には、この暗号化に対応するソフトウェアや暗号キーを用いなければ、医療画像を再生することはできない。これにより、医療画像の複数の複製が作成される場合でもセキュリティを向上させることができる。
【0074】
ところで、管理者において、管理情報の埋め込み設定やコピーガード、パスワードロック及び暗号化等の設定を簡単化するために、図2に示すセキュリティ管理画面61では、セキュリティモードの設定が可能になっている。セキュリティモードを設定することで、設定されたモードに対応したセキュリティでの設定が自動的に行われるようになっている。
【0075】
図9はこのようなセキュリティモードの設定を示すフローチャートである。
【0076】
図2のセキュリティモードのメニュー62aによって、セキュリティモードを設定することができる。セキュリティモードとしては、例えば、設定無し、高モード、中モード及び低モードが設定可能である。制御部30は、操作部31の操作表示部31a上にセキュリティ管理画面61を表示した後に、ステップS11においてセキュリティレベルの指定があるか否かを判定する。図2の例では、セキュリティモードの設定表示部62bには、「セキュリティモード」とあり、管理者による設定が行われていないことを示している。この場合には、制御部30は、セキュリティ管理画面61の各項目に対するユーザ設定の待機状態となる(ステップS19)。管理者が各項目を設定した後、設定ボタン64を操作すると(ステップS20)、制御部30は、ステップS21において、各項目の設定をセキュリティ設定として確定し、図示しないメモリに記憶させる。
【0077】
セキュリティレベルの指定がある場合には、制御部30は、ステップS12〜S14によってセキュリティレベルを判定する。高モードが指定されている場合には、制御部30は、ステップS15において、持ち出した画像の改版を認めないように、高いセキュリティ設定を行う。例えば、制御部30は、タイムコードや管理IDの情報を医療画像に埋め込むと共に、コピーガード、パスワードロック及び暗号化等を設定する。
【0078】
また、中モードが設定されている場合には、制御部30は、ステップS16において、出力された医療画像の所有者を特定することができるように、中レベルのセキュリティ設定を行う。例えば、制御部30は、管理情報を例えば置換法等によって医療画像に埋め込む。この場合には、制御部30は、出力する医療画像に関連する情報を同時に出力するようにしてもよい。
【0079】
また、低モードが設定されている場合には、制御部30は、ステップS17において、比較的自由なコピーを可能にする低レベルのセキュリティ設定を行う。例えば、制御部30は、管理情報として日時情報のみを医療画像に埋め込む。
【0080】
また、セキュリティレベルが設定無しに設定されている場合には、制御部30は、セキュリティ管理画面61中の管理情報の埋め込みに関する項目、コピーガード、パスワードロック及び暗号化の設定表示部62bを、「しない」に設定する(ステップS18)。
【0081】
このようにセキュリティレベルを設定することで、セキュリティ管理画面61の各設定を自動的に設定することが可能であり、設定作業を簡単化することができる。
【0082】
このように本実施の形態においては、内蔵HDDに記録する医療画像については、管理情報を医療画像に関連付けて記録するようになっている。例えば、管理情報を医療画像に埋め込んだり、医療画像をコピー制御、パスワードロック又は暗号化するための管理情報を医療画像に関連付けて記録する。医療画像に管理情報を埋め込むことにより、医療画像が外部メディア等に複数出力される場合でも、医療画像がいつどこで誰(所有者)を撮像したものであるかを知ることができる。医療画像に関連付けてコピー制御、パスワードロック又は暗号化を施すための管理情報が記録された場合には、医療画像の出力又は出力後の再生を制限することができる。これにより、2次利用による利便性と医療画像等の記録データのセキュアな管理とを両立させることができる。
【0083】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が考えられる。例えば、図2では全ての医療画像に共通の設定を行う例を示しているが、各医療画像毎に図2と同様のセキュリティ管理を行うようにしてもよいことは明らかである。また、医療画像の記録時に管理情報は記録する例を説明したが、管理情報は医療画像を出力するまでに記録すればよいことは明らかである。
【0084】
更に、上記実施の形態においては、内蔵HDDに記録する医療画像に管理情報を関連付けて記録する例について説明したが、内蔵HDDに記録する医療画像を出力する際に、出力する医療画像にのみ管理情報を関連付けて出力するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0085】
10…内視鏡プロセッサ、11…入力装置、20…医療情報記録出力装置、22…画像処理部、25…記録出力部、29…内蔵HDD、30…制御部、31…操作部、32…外部I/F部、51…外部メディア。
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡等の医療装置によって得られる画像を記録して出力する医療情報記録出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、内視鏡は医療用分野等において広く採用されるようになった。内視鏡によって得られる医療画像は、診断や症例の記録のために、種々のメディアに記録される。近年、記録媒体の大容量化に伴って、内視鏡からの動画像の記録も行われるようになってきた。例えば、特許文献1においては、画像処理に応じた録画処理を行う装置が開示されている。このような医療画像の録画処理はデジタル化されており、医療画像はコンピュータによって読み出し可能なファイル形式にて保存されることがある。
【0003】
ところで、内視鏡画像や超音波画像等の医療画像を症例として記録する場合には、医療画像の対象である患者についての情報を併せて記録した方がよい。例えば、記録したファイルがいずれの患者のものであるか分かるように、医療画像のファイル名を、患者情報に含まれる患者名や患者ID等に応じて設定することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−271871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
医療画像等の記録データをコンピュータによって読出し可能なファイル形式にて保存することから、2次利用が容易である。例えば、医療画像の印刷や編集用のコンピュータを用いた編集等も、汎用コンピュータを用いて行うことができる。
【0006】
しかしながら、このような2次利用を促進する結果、医療画像等の記録データの管理が困難となっている。例えば、記録データの複数回のコピーによって、記録データの所有者が分からなくなってしまうことがあり、また、病院内における記録データの真正性を確保することも困難となっている。
【0007】
本発明は、2次利用による利便性と医療画像等の記録データのセキュアな管理とを両立させることができる医療情報記録出力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る医療情報記録出力装置は、医療装置からの医療画像を記録すると共に記録した医療画像を出力する記録出力部と、前記医療画像に関連する情報から選択した管理情報を前記医療画像に関連付ける関連付け手段と、前記関連付け手段が前記医療画像に関連付ける情報を指定するための指定手段と、前記指定手段によって指定された情報が前記記録出力部から出力される医療画像に関連付けられるように前記関連付け手段を制御する制御部とを具備する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、2次利用による利便性と医療画像等の記録データのセキュアな管理とを両立させることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施の形態に係る医療情報記録出力装置が組み込まれた医療情報記録システムを示すブロック図。
【図2】セキュリティ管理画面61の一例を示す説明図。
【図3】画像重畳によって管理情報を医療画像に埋め込んだ場合における医療画像の表示イメージを説明するための説明図。
【図4】出力設定画面75の一例を示す説明図。
【図5】内蔵HDD29に記録されている医療画像のファイル名を説明するための説明図。
【図6】判別部27の制御を示すフローチャート。
【図7】転送指示画面81の一例を示す説明図。
【図8】汎用コンピュータによって、外部メディア51に記録されている医療画像を再生するために起動したブラウザの表示を示す説明図。
【図9】セキュリティモードの設定を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明の一実施の形態に係る医療情報記録出力装置が組み込まれた医療情報記録システムを示すブロック図である。医療情報記録出力装置は、医療情報を記録すると共に、2次利用のために、記録した医療情報を外部メディア等に出力することができる。
【0013】
本実施の形態は医療情報を生成する装置として内視鏡プロセッサ10を用いた例について説明する。内視鏡プロセッサ10は、図示しない内視鏡等からの画像を取り込んで画像信号処理を行い、内視鏡画像等の医療画像を生成することができる。内視鏡プロセッサ10からの医療画像は医療情報記録出力装置20及びモニタ40に供給される。
【0014】
入力装置11は、図示しないキーボードや内視鏡プロセッサ10の本体に設けられたボタン、スイッチ(図示せず)等によって構成され、内視鏡プロセッサ10の画像処理に対する指示操作や、患者情報の入力操作等を行うことができるようになっている。内視鏡プロセッサ10は、この患者情報を医療情報記録出力装置20に出力することができる。
【0015】
また、内視鏡プロセッサ10は、医療情報記録出力装置20を制御するための制御情報を発生する。制御情報としては、動画像である医療画像の録画開始を指示する録画開始情報、その録画終了を指示する録画終了情報、静止画像である医療画像の録画を指示する静止画録画情報、検査の終了を指示する検査終了情報等がある。例えば、内視鏡プロセッサ10は、内視鏡に設けられたレリーズボタンや録画開始ボタン等の各種スコープ操作に応答して、画像処理が制御されると共に、各種スコープ操作に応じた制御情報を発生して医療情報記録出力装置20に出力することができるようになっている。
【0016】
更に、内視鏡プロセッサ10は、内視鏡等の出力に基づいて生成した医療画像に、患者情報をスーパーインポーズして出力することができる。この場合において、内視鏡プロセッサ10は、患者情報に基づく表示領域と内視鏡画像に基づく表示領域とを有する医療画像を生成することもできる。
【0017】
モニタ40は、内視鏡プロセッサ10からの医療画像を画面上に表示することができるようになっている。図1の例では、モニタ40の画面右側の領域41及び左側の領域42〜44に、夫々内視鏡画像、患者名、患者ID及び検査情報が表示されることを示している。
【0018】
医療情報記録出力装置20は、内視鏡プロセッサ10との間で情報の授受を行う図示しないインターフェースを有している。このインターフェースは、例えばRS−232C規格に基づくインターフェースであり、内視鏡プロセッサ10からの患者情報及び制御情報を取り込んで制御部30に与える。制御部30は、患者情報を図示しないメモリに記憶させると共に、制御情報に基づいて医療画像の記録処理を制御する。
【0019】
また、医療情報記録出力装置20は、内視鏡プロセッサ10等からの医療画像を取り込むキャプチャ部21を有している。キャプチャ部21は、制御部30に制御されて内視鏡プロセッサ10からの医療画像を取り込み、画像処理部22に出力する。
【0020】
操作部31は、後述する操作表示部31a及び操作表示部31a上の入力部を操作するための図示しないキーボード等を備えている。また、操作部31は、操作表示部31a上の入力部を操作するためのタッチパネルを採用してもよい。この場合には、操作表示部31a上にタッチパネルを設け、指等でタッチパネルを操作することで、入力部に対する操作が可能である。
【0021】
操作部31は、オペレータ操作に基づく情報を発生して制御部30に出力する。制御部30は、操作部31からの情報に基づいて、医療画像の記録処理や出力処理等を制御するようになっている。
【0022】
本実施の形態においては、制御部30は、記録する医療情報を2次利用のために出力することを考慮して、セキュアな管理を可能にするために、医療画像等に管理情報を関連付けて記録するように、各部を制御するようになっている。例えば、制御部30は、医療画像に関連情報を埋め込んだ後に記録させる。
【0023】
画像処理部22は、入力された医療画像に対してH.264等のエンコード方式を採用したフォーマット変換を行う。ピクセル変換部23は、医療画像に管理情報を埋め込む処理として、医療画像の画素を管理情報に変換する処理を行う。
【0024】
制御部30は、例えば、医療画像に対応して入力される患者情報を管理情報として用いる。医療画像に管理情報を埋め込むことにより、医療画像が外部メディア等に複数出力される場合でも、医療画像がいつどこで誰(所有者)を撮像したものであるかを知ることができる。
【0025】
制御部30は、操作部31に対するオペレータ操作に従って、埋め込む管理情報を設定するようになっている。例えば、患者情報としては、患者ID、患者名、病院等の施設名、医療画像のタイムコード等があり、操作者は、これらのうちの適宜の情報を選択して管理情報に設定することができる。
【0026】
制御部30は、操作部31によって設定された管理情報を画像処理部22に出力する。例えば、ピクセル変換部23は、図示しないキャラクタメモリを有しており、制御部30によって指定された管理情報に応じたキャラクタを、入力された医療画像に重畳することができる。このように、ピクセル変換部23は、制御部30に制御されて、画像重畳の手法によって、医療画像上に管理情報を埋め込むことができる。
【0027】
また、制御部30及びピクセル変換部23は、電子透かしの技術を用いて、医療画像に管理情報を埋め込むことも可能である。ピクセル変換部23は、置換法により、入力された医療画像の画像ピクセル(画素)に対して、付加情報(ビット)を埋め込むこともできる。ピクセル変換部23が管理情報を付加情報に変換して埋め込むことにより、電子透かし情報の再生が可能な再生機器によって、管理情報を抽出表示することができる。なお、再生時において、画像のみを表示し電子透かし情報の再生が不能な汎用ソフトを用いた場合には、元の医療画像のみが表示される。
【0028】
画像処理部22からは、管理情報が埋め込まれた後、フォーマット変換された医療画像が記録出力部25に出力される。また、制御部30は、患者情報を記録出力部25に出力する。記録出力部25は、制御部30に制御されて、入力された医療画像及び患者情報の記録を行う。
【0029】
例えば、記録出力部25は、制御部30に制御されて、患者情報に基づくフォルダ名の検査フォルダを内蔵HDD(ハードディスク装置)29内に作成する。例えば、記録出力部25は、患者IDを含むフォルダ名の検査フォルダを作成する。そして、記録出力部25は、この患者フォルダ内に、医療画像をファイル化して格納する。
【0030】
上述したように、画像処理部22において、医療画像中に管理情報を埋め込むことができる。更に、本実施の形態においては、記録出力部25においても、医療画像中に管理情報を埋め込むことが可能である。即ち、記録出力部25のファイル生成部26は、制御部30に制御されて、記録する医療画像のメタデータとして管理情報を記録することができるようになっている。即ち、制御部30は、例えば患者情報から管理情報として記録する情報を選択して、記録出力部25に指示する。記録出力部25のファイル生成部26は、管理情報のメタデータを生成する。例えば、医療画像がMP4フォーマットの画像データである場合には、1つの動画ファイル中に以下の種々の情報を格納することができる。
ftyp:ファイルタイプを記述する。
moov:全てのメタデータを記述させるコンテナ(箱)であり、各動画、音声など塊(トラック)のヘッダ情報やコンテンツの内容のメタ記述、時刻情報などが格納される。
mdat:データ本体を格納するコンテナである。
【0031】
このようにメタデータとして管理情報を埋め込むことにより、再生機器においてMP4等のフォーマットに対応した場合には、管理情報の読み出し及び表示が可能である。例えば、MP4フォーマットに対応したコンピュータを用いた場合には、医療情報記録出力装置20から外部メディア51に出力されて記録された医療画像のファイルのアイコン上にカーソルを重ねることにより、各種メタ情報を表示させることも可能である。
【0032】
更に、本実施の形態においては、制御部30は、2次利用を考慮したセキュアな管理を可能にするために、コピーガード、パスワードロック及び暗号化の実行を可能にする。例えば、記録出力部25は、制御部30に制御されて、記録した医療画像のコピー可能回数を制限することが可能である。操作部31は、操作者の操作によってコピー制限の有無及びコピー可能回数の設定が可能である。制御部30は、操作部31からの情報に基づいて、記録出力部25にコピー制限の有無及びコピー可能回数の情報であるコピー制御情報を出力する。記録出力部25は、管理情報としてコピー可能回数を医療画像に関連付けて記録する。例えば、記録出力部25は、医療画像の記録に際してコピー可能回数を含むファイル名を設定することで、コピー制御情報を医療画像に関連付けて記録することができる。
【0033】
データ転送部28は、制御部30に制御されて、内蔵HDD29から医療画像を読み出して、外部I/F部32を介して外部メディア51に出力することができるようになっている。なお、外部メディア51としては、ハードディスク、半導体メモリ、DVDやブルーレイディスク等のディスク媒体、磁気テープ等の種々のメディアを採用することができる。また、外部I/F部32としては、LAN等の各種ネットワークに接続するための各種通信デバイスを採用することもできる。
【0034】
データ転送部28は、コピー制限された医療画像については、出力毎に、出力した医療画像の情報を判別部27に出力する。判別部27は、各医療画像毎に出力した回数(コピー回数)の情報を保持する。判別部27は、データ転送部28が出力しようとしている医療画像について、当該医療画像のファイル名から取得したコピー可能回数と保持しているコピー回数とを比較し、コピー回数がコピー可能回数に到達するまでは当該医療画像の出力をデータ転送部28に許可する。既にコピー回数がコピー可能回数に到達している場合には、判別部27は、データ転送部28に当該医療画像の出力の禁止を指示する。
【0035】
なお、判別部27は、制御部30からコピー不可が指示された場合には、データ転送部28に対して医療画像の出力の禁止を指示する。また、判別部27は、制御部30からコピー可が指示された場合には、データ転送部28に対して医療画像の出力を許可する。
【0036】
なお、判別部27は、各医療画像の出力毎にコピー回数を保持するものとして説明したが、医療画像の出力毎に医療画像のファイル名を変更可能である場合には、ファイル名中のコピー可能回数の数値を出力毎に減じ、所定の数値、例えば0に到達することによって、以後のコピーを禁止するようにしてもよい。この場合には、判別部27は、コピー回数を保持することなく、ファイル名中のコピー可能回数の数値のみによって、コピーの可否を判断することができる。
【0037】
制御部30は、コピー可能回数の情報を、上述した画像重畳、電子透かし及びメタデータ等の手段によって医療画像に関連付けて記録するようにしてもよい。
【0038】
また、本実施の形態においては、医療画像毎にパスワードを設定することも可能である。例えば、ファイル生成部26は、制御部30に制御されて、各医療画像にパスワードを設定した後内蔵HDD29に与えて記録する。例えば、ファイル生成部26は、医療画像をXML形式で生成することにより、パスワードの設定が可能である。また、ファイル生成部26は、動画規格であるAVCHDを採用することによって、パスワードを設定することもできる。
【0039】
例えば、制御部30は、パスワードとして、ファイル毎に自動的に変化する値、例えば、患者IDと規定の文字列との組み合わせ等によって得られる文字列をパスワードに設定してもよい。
【0040】
また、本実施の形態においては、医療画像を暗号化することも可能である。例えば、ファイル生成部26は、制御部30に制御されて、各医療画像を暗号化した後内蔵HDD29に与えて記録する。ファイル生成部26は、暗号化の手法として種々の手法を採用することができる。
【0041】
なお、上記説明では、医療画像と管理情報とを関連付けた後に内蔵HDD29に記録する例について説明した。例えば、医療画像に管理情報を埋め込んだ後に記録したり、医療画像の記録に際して、コピー制限の設定、パスワードの設定及び暗号化を施す例について説明した。しかし、医療画像と管理情報との関連付け、即ち、管理情報の埋め込み、コピー制限の設定、パスワードの設定及び暗号化は、医療画像を出力する時点までに行えばよい。例えば、医療画像と管理情報との関連付けを医療画像の出力に際して実行してもよい。例えば、医療画像の出力に際して、管理情報を画像重畳によって医療画像に埋め込む場合には、データ転送部28が、内蔵HDD29から読み出した医療画像を画像処理部22に与え、画像処理部22においてデコード、管理情報の埋込み及びエンコードを行い、データ転送部28が管理情報が埋め込まれた医療画像を外部I/F部32を介して外部メディア51等に出力するようにしてもよい。
【0042】
次に、このように構成された実施の形態の動作について図2乃至図9を参照して説明する。
【0043】
内視鏡プロセッサ10には、図示しない内視鏡等が接続され、内視鏡等からの画像が入力される。検査時には、術者は、内視鏡プロセッサ10に対する入力装置11又は図示しない内視鏡に設けられた各種操作スイッチを操作して検査を行う。内視鏡プロセッサ10は、内視鏡等から得た医療画像をモニタ40に出力すると共に、医療画像、患者情報及び制御情報を医療情報記録出力装置20に出力する。こうして、検査時に、医療情報記録出力装置20において、内視鏡等から得られる医療画像の記録が行われる。
【0044】
例えば、この医療画像の記録に先立って、セキュリティ管理のための設定を行う。図2は操作部31に設けられた操作表示部31a上に表示されるセキュリティ管理画面61の一例を示す説明図である。制御部30は、管理者の操作に従って、操作部31の操作表示部31a上にセキュリティ管理画面61を表示させて、セキュリティ管理のための設定を可能にする。なお、セキュリティ管理画面61は、管理者のみがアクセス可能に構成してもよい。また、セキュリティ管理のための設定は、医療画像の記録時以降、医療画像の出力までに行うようにしてもよく、また、権限を与えられた操作者によって、医療画像の記録前に行った設定を医療画像の出力までに変更可能としてもよい。
【0045】
セキュリティ管理画面61には、内蔵HDD29に記録される医療画像又は記録された医療画像を、外部I/F部32から出力する際に採用するセキュリティ管理の設定を行うための複数のメニュー62aが表示される。各メニュー62aの右側には、現在の設定内容を示す設定表示部62bが表示される。また、設定表示部62bの右側には、設定を変更するためのプルダウンメニューを表示させるボタン表示62cが設けられることもある。
【0046】
操作者が設定ボタン64を操作することで、制御部30は設定表示部62bに表示されている現在の設定を確定し、操作者が戻るボタン63を操作することで、制御部30は設定を確定することなくセキュリティ管理画面61の表示を終了させる。
【0047】
図2の例では、セキュリティ管理画面61には、管理ID付与、タイムコード付与、セキュリティモード、版数管理有無、透かしレベル、施設名付与、患者情報付与、術者情報付与、コピーガード、パスワードロック及び暗号化を設定するためのメニュー62aが設けられている。
【0048】
管理ID付与、タイムコード付与、施設名付与、患者情報付与、術者情報付与及び透かしレベルの各メニュー62aは、医療画像に埋め込む管理情報の設定を行うためのものである。管理ID付与のメニュー62aによって、術者ID及び検査IDを医療画像に埋め込むか否かの設定が可能である。タイムコード付与のメニュー62aによって、タイムコードを医療画像に埋め込むか否かの設定が可能である。同様に、施設名付与、患者情報付与又は術者情報付与の各メニューによって、施設名、患者に関する情報又は術者情報を医療画像に埋め込むか否かの設定が可能である。
【0049】
これらの情報のうち管理ID、施設名、患者に関する情報、術者情報については、制御部30が患者情報から取得することができる。また、制御部30は、タイムコードを、医療情報記録出力装置20内の図示しないタイマーを用いることで取得することができる。透かしレベルは、医療画像に埋め込む管理情報を画像中にスーパーインポーズする場合の透明度を規定するためのものである。透かしレベルを変化させて、画像に表示される文字を薄くすることもできる。これにより、画像が見やすくなり、利用しやすくなる。
【0050】
図3は画像重畳によって管理情報を医療画像に埋め込んだ場合における医療画像の表示イメージを説明するための説明図である。図3(a)は管理情報が埋め込まれていない例を示し、図3(b)は管理情報が埋め込まれている例を示している。
【0051】
図3(a),(b)において、表示領域71には、医療画像が表示されている(図示省略)。図3(b)の例は、表示領域71に表示されている医療画像上に、管理ID(術者ID/検査ID)、記録した日時、記録した場所を示す施設情報、動画を編集した履歴である改訂履歴が管理情報としてスーパーインポーズされていることを示している。
【0052】
図3(b)の例のように、管理情報を医療画像上にスーパーインポーズして内蔵HDD29に記録した場合には、医療画像の出力先において、管理情報がスーパーインポーズされた医療画像が必ず表示されることになる。従って、1つの医療画像について複数の複製が生成された場合でも、複製された医療画像の出所等を管理することが可能である。
【0053】
また、上述したように、管理情報を付加情報として医療画像に埋め込むことも可能である。この場合には、複製された医療画像の再生時において、管理情報を確認するためには専用のソフトウェアが必要であるが、医療画像が管理情報によって見にくくなることを防止しつつ、管理情報の確認が可能である。
【0054】
なお、管理情報としてタイムコードが埋め込まれた場合には、複製された医療画像の再生時にタイムコードを確認することで、編集の有無等を確認することができる。
【0055】
制御部30は、内蔵HDD29に記録された医療画像を出力する場合の出力設定を行うことができる。図4は操作部31に設けられた操作表示部31a上に表示される出力設定画面75の一例を示す説明図である。制御部30は、操作者の操作に従って、操作部31の操作表示部31a上に出力設定画面75を表示させて、出力時の各種設定を行う。
【0056】
出力設定画面75には、複数の表示を行うための「入力切替」タブ、「画質」タブ及び「印刷」タブが設けられている。図4の例は、「画質」タブが開かれた状態を示している。なお、「入力切替」タブは、医療画像の入力元を切換えるための各種設定入力部(図示せず)を有し、「印刷」タブは、印刷処理に必要な各種設定入力部(図示せず)を有する。
【0057】
「画質」タブ内の画質のメニュー62aは、内蔵HDD29に記録されている動画及び静止画の医療画像をどのような画質で出力するかを設定するものであり、図4の例では動画については高画質で出力することを示している。また、録画時間表示及び録画枚数表示は、外部メディア51としてブルーレイディスクを採用した場合において、設定した画質での録画時間及び録画枚数を示している。また、静止画については、出力フォーマットはビットマップであり、フレーム単位でキャプチャされた画像を出力することを示している。
【0058】
図2のコピーガードのメニュー62aによって、コピーガードの有無を設定することができる。コピーガードを「する」に設定した場合には、制御部30は、操作表示部31a上に、図示しないコピー可能回数設定画面を表示させて、コピー可能回数を設定可能に構成してもよい。コピー可能回数は、医療画像の記録時において、例えば、ファイル名の一部の数値として設定される。
【0059】
図5は内蔵HDD29に記録されている医療画像のファイル名を説明するための説明図である。図5に示すように、医療画像のファイルは、記録年月日+開始時間、患者ID、サブフォルダ名、ファイルに与えられる連番及びコピー可能回数を示す数値によって構成される。図5の例では、15個の画像ファイルのファイル名を示しており、これらの15個の画像ファイルは、記録年月日が2010年6月29日で、記録の開始時間が10時18分54秒で、患者IDが「00000000000LADG2」の患者の医療画像であって、サブフォルダ名が1_001で、001〜015の連番が付与されており、MP4形式のファイルであることが分かる。また、ファイル名の最後の数値は、設定されているコピー可能回数を示している。
【0060】
即ち、図5の15個の画像ファイルは、全て1回だけコピー可能であることが分かる。判別部27は、実際にコピーされた回数と設定されたコピー可能回数との比較によってコピーの可否を判別して、データ転送部28を制御する。
【0061】
図6はこのような判別部27の制御を示すフローチャートである。また、図7は操作部31に設けられた操作表示部31a上に表示される転送指示画面81の一例を示す説明図である。制御部30は、操作者の操作に従って、操作表示部31a上に転送指示画面81を表示させて、医療画像の転送制御を行う。図7の例では、転送指示画面81上には、画像一覧表示領域82が設けられており、画像一覧表示領域82中には、複数の医療画像のサムネイル表示83が表示されている。操作者は、操作表示部31aに対する操作によって1つ以上のサムネイル表示83を選択することができる。選択されたサムネイル表示83によって指定される医療画像についての録画情報が録画情報表示領域85に表示される。矢印のボタン84に対する操作によって、前ページ又は次ページの画像一覧表示領域82を表示させることができるようになっている。
【0062】
全選択ボタン86及び全選択解除ボタン87に対する操作によって、画像一覧表示領域82中の全てのサムネイル表示83の選択及び解除が可能である。操作者は、1つ以上のサムネイル表示83を選択したのち、コピーボタン88に対する操作を行うことで、選択したサムネイル表示83に対応する医療画像の転送を指示することができるようになっている。制御部30は、操作表示部31aに対する操作によって指定された医療画像の転送を、データ転送部28に指示する。
【0063】
判別部27には、制御部30からコピー制限に関する設定情報が与えられる。判別部27は、データ転送部28に対して転送要求のあった医療画像について、ステップS1においてコピー制限の有無を判定する。判別部27は、コピー制限が無い場合には、ステップS4に移行してデータ転送部28に転送許可を指示する。これにより、データ転送部28は、転送要求のあった医療画像を内蔵HDD29から読み出して、外部I/F部32を介して外部メディア51等に出力する。
【0064】
次に、転送要求のあった医療画像にコピー制限が設定されているものとする。判別部27は、医療画像毎にデータ転送部28によって外部に転送された回数を記憶しており、転送要求があった医療画像について既に転送が行われている回数、即ち、コピー回数を読み出す(ステップS2)。
【0065】
判別部27は、転送要求のあった医療画像のファイル名からコピー可能回数を調べ、コピー可能回数と当該医療画像について既にコピーされた回数とを比較して、コピーの限度を超えているか否かを判定する(ステップS3)。判別部27は、コピー回数がコピー可能回数に到達していない場合にはステップS4においてデータ転送部28に転送許可を指示し、到達している場合にはコピー不可と判定する。判別部27はコピー不可の判別結果を制御部30に出力する。制御部30は、操作部31の操作表示部31a上に、コピー不可であることを示す警告表示を表示させる(ステップS5)。
【0066】
こうして、本実施の形態においては、内蔵HDD29に記録された医療画像のコピーを制限することができる。こうして、医療画像が所有者等の意志に反して流通することを防止することができる。
【0067】
なお、ファイル名の最後の数値として、設定されたコピー可能回数ではなく、コピーが可能な残りの回数を設定するようにしてもよい。例えば、ファイル名がM_20100629101854_00000000000LADG2_1_001_003-1.MP4の医療画像を1回コピーした場合には、ファイル名をM_20100629101854_00000000000LADG2_1_001_003-0.MP4に変更する。この方法によれば、判別部27は、ファイル名の最後の数値が1以上であるか否かによって、データ転送部28に医療画像の出力を許可するか禁止するかを判断することができる。
【0068】
図2のパスワードロックのメニュー62aによって、制御部30は、パスワードロックの有無を設定することができる。パスワードロックを「する」に設定した場合には、制御部30は、予め定められたルールに従って自動的にパスワードを生成してもよく、また、操作表示部31a上に、図示しないパスワード設定画面を表示させて、パスワードを設定可能にしてもよい。
【0069】
パスワードが設定された医療画像が外部メディア51等に転送された場合には、外部メディア51からの再生に際してパスワードが要求される。図8は汎用コンピュータによって、外部メディア51に記録されている医療画像を再生するために起動したブラウザの表示を示す説明図である。ブラウザ91には、上部に各種メニューが表示され、中央に医療画像のファイル名92が表示されている。
【0070】
記録されている医療画像のうちの1つ、例えば、ファイル名がM_20100629101854_00000000000LADG2_1_001_015-1.XMLの医療画像を再生するものとする。図8の白抜き表示は、当該医療画像が選択されて再生が指示されたことを示している。この医療画像にはパスワードが設定されているので、再生指示を行うとパスワード入力画面94が表示される。ユーザが制御部30によって設定されたパスワードを入力することによって、ブラウザによって、この医療画像の再生が行われることになる。
【0071】
しかし、ユーザがパスワードを入力しない場合又は間違って入力した場合には、例えば、ブラウザは「パスワードが正しくないため、ファイルが開けません」等のエラーメッセージを表示し、医療画像の再生を行わない。
【0072】
こうして、医療画像の複数の複製が作成された場合でも、パスワードを知っているユーザのみが医療画像を再生することができることとなり、セキュリティを向上させることができる。
【0073】
また、図2の暗号化のメニュー62aによって、暗号化の有無を設定することができる。暗号化を「する」に設定した場合には、制御部30は、ファイル生成部26を制御して、内蔵HDD29に記録する医療画像に暗号化を施させる。これにより、内蔵HDD29には、暗号化された医療画像が記録される。暗号化が施された医療画像が外部メディア51に転送されて記録された場合には、この暗号化に対応するソフトウェアや暗号キーを用いなければ、医療画像を再生することはできない。これにより、医療画像の複数の複製が作成される場合でもセキュリティを向上させることができる。
【0074】
ところで、管理者において、管理情報の埋め込み設定やコピーガード、パスワードロック及び暗号化等の設定を簡単化するために、図2に示すセキュリティ管理画面61では、セキュリティモードの設定が可能になっている。セキュリティモードを設定することで、設定されたモードに対応したセキュリティでの設定が自動的に行われるようになっている。
【0075】
図9はこのようなセキュリティモードの設定を示すフローチャートである。
【0076】
図2のセキュリティモードのメニュー62aによって、セキュリティモードを設定することができる。セキュリティモードとしては、例えば、設定無し、高モード、中モード及び低モードが設定可能である。制御部30は、操作部31の操作表示部31a上にセキュリティ管理画面61を表示した後に、ステップS11においてセキュリティレベルの指定があるか否かを判定する。図2の例では、セキュリティモードの設定表示部62bには、「セキュリティモード」とあり、管理者による設定が行われていないことを示している。この場合には、制御部30は、セキュリティ管理画面61の各項目に対するユーザ設定の待機状態となる(ステップS19)。管理者が各項目を設定した後、設定ボタン64を操作すると(ステップS20)、制御部30は、ステップS21において、各項目の設定をセキュリティ設定として確定し、図示しないメモリに記憶させる。
【0077】
セキュリティレベルの指定がある場合には、制御部30は、ステップS12〜S14によってセキュリティレベルを判定する。高モードが指定されている場合には、制御部30は、ステップS15において、持ち出した画像の改版を認めないように、高いセキュリティ設定を行う。例えば、制御部30は、タイムコードや管理IDの情報を医療画像に埋め込むと共に、コピーガード、パスワードロック及び暗号化等を設定する。
【0078】
また、中モードが設定されている場合には、制御部30は、ステップS16において、出力された医療画像の所有者を特定することができるように、中レベルのセキュリティ設定を行う。例えば、制御部30は、管理情報を例えば置換法等によって医療画像に埋め込む。この場合には、制御部30は、出力する医療画像に関連する情報を同時に出力するようにしてもよい。
【0079】
また、低モードが設定されている場合には、制御部30は、ステップS17において、比較的自由なコピーを可能にする低レベルのセキュリティ設定を行う。例えば、制御部30は、管理情報として日時情報のみを医療画像に埋め込む。
【0080】
また、セキュリティレベルが設定無しに設定されている場合には、制御部30は、セキュリティ管理画面61中の管理情報の埋め込みに関する項目、コピーガード、パスワードロック及び暗号化の設定表示部62bを、「しない」に設定する(ステップS18)。
【0081】
このようにセキュリティレベルを設定することで、セキュリティ管理画面61の各設定を自動的に設定することが可能であり、設定作業を簡単化することができる。
【0082】
このように本実施の形態においては、内蔵HDDに記録する医療画像については、管理情報を医療画像に関連付けて記録するようになっている。例えば、管理情報を医療画像に埋め込んだり、医療画像をコピー制御、パスワードロック又は暗号化するための管理情報を医療画像に関連付けて記録する。医療画像に管理情報を埋め込むことにより、医療画像が外部メディア等に複数出力される場合でも、医療画像がいつどこで誰(所有者)を撮像したものであるかを知ることができる。医療画像に関連付けてコピー制御、パスワードロック又は暗号化を施すための管理情報が記録された場合には、医療画像の出力又は出力後の再生を制限することができる。これにより、2次利用による利便性と医療画像等の記録データのセキュアな管理とを両立させることができる。
【0083】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が考えられる。例えば、図2では全ての医療画像に共通の設定を行う例を示しているが、各医療画像毎に図2と同様のセキュリティ管理を行うようにしてもよいことは明らかである。また、医療画像の記録時に管理情報は記録する例を説明したが、管理情報は医療画像を出力するまでに記録すればよいことは明らかである。
【0084】
更に、上記実施の形態においては、内蔵HDDに記録する医療画像に管理情報を関連付けて記録する例について説明したが、内蔵HDDに記録する医療画像を出力する際に、出力する医療画像にのみ管理情報を関連付けて出力するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0085】
10…内視鏡プロセッサ、11…入力装置、20…医療情報記録出力装置、22…画像処理部、25…記録出力部、29…内蔵HDD、30…制御部、31…操作部、32…外部I/F部、51…外部メディア。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置からの医療画像を記録すると共に記録した医療画像を出力する記録出力部と、
前記医療画像に関連する情報から選択した管理情報を前記医療画像に関連付ける関連付け手段と、
前記関連付け手段が前記医療画像に関連付ける情報を指定するための指定手段と、
前記指定手段によって指定された情報が前記記録出力部から出力される医療画像に関連付けられるように前記関連付け手段を制御する制御部と
を具備したことを特徴とする医療情報記録出力装置。
【請求項2】
前記関連付け手段は、前記管理情報、前記医療画像のコピー制御情報、前記医療画像に設定するパスワード情報及び前記医療画像に施す暗号化に関する情報のうちの少なくとも1つの情報を前記医療画像に関連付ける
ことを特徴とする請求項1に記載の医療情報記録出力装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記記録出力部によって前記医療画像を記録する際に、記録する医療画像に前記指定手段によって指定された情報を関連付けるよう前記関連付け手段を制御する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の医療情報記録出力装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記記録出力部によって前記医療画像が記録された後に、記録された医療画像に前記指定手段によって指定された情報を関連付けるよう前記関連付け手段を制御する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の医療情報記録出力装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記記録出力部による前記医療画像の出力に際して、出力する医療画像に前記指定手段によって指定された情報を関連付けるよう前記関連付け手段を制御する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の医療情報記録出力装置。
【請求項6】
前記関連付け手段は、前記管理情報を、前記医療画像のデータ中に埋め込む
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の医療情報記録出力装置。
【請求項7】
前記指定手段は、セキュリティレベルの設定操作に応じて、前記医療画像に関連付ける情報を決定する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の医療情報記録出力装置。
【請求項1】
医療装置からの医療画像を記録すると共に記録した医療画像を出力する記録出力部と、
前記医療画像に関連する情報から選択した管理情報を前記医療画像に関連付ける関連付け手段と、
前記関連付け手段が前記医療画像に関連付ける情報を指定するための指定手段と、
前記指定手段によって指定された情報が前記記録出力部から出力される医療画像に関連付けられるように前記関連付け手段を制御する制御部と
を具備したことを特徴とする医療情報記録出力装置。
【請求項2】
前記関連付け手段は、前記管理情報、前記医療画像のコピー制御情報、前記医療画像に設定するパスワード情報及び前記医療画像に施す暗号化に関する情報のうちの少なくとも1つの情報を前記医療画像に関連付ける
ことを特徴とする請求項1に記載の医療情報記録出力装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記記録出力部によって前記医療画像を記録する際に、記録する医療画像に前記指定手段によって指定された情報を関連付けるよう前記関連付け手段を制御する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の医療情報記録出力装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記記録出力部によって前記医療画像が記録された後に、記録された医療画像に前記指定手段によって指定された情報を関連付けるよう前記関連付け手段を制御する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の医療情報記録出力装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記記録出力部による前記医療画像の出力に際して、出力する医療画像に前記指定手段によって指定された情報を関連付けるよう前記関連付け手段を制御する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の医療情報記録出力装置。
【請求項6】
前記関連付け手段は、前記管理情報を、前記医療画像のデータ中に埋め込む
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の医療情報記録出力装置。
【請求項7】
前記指定手段は、セキュリティレベルの設定操作に応じて、前記医療画像に関連付ける情報を決定する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の医療情報記録出力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2013−3737(P2013−3737A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132587(P2011−132587)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
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