説明

医療支援システム及び解説提供方法

【課題】患者に対する医師の説明に解説を付与する医療支援システム及びその解説提供方法を提供する。
【解決手段】患者に対する音声データ形式の説明情報を取得し、その説明情報を解析して文字データ形式に置き換える。予め、用語とその解説文とを対応づけた解説用辞書を予め記憶しておき、文字データ形式の説明情報に含まれる各用語と解説用辞書とを比較して、説明情報とこの説明情報に含まれている用語に対応する解説文とから解説付説明情報を生成する。そして、この解説付説明情報を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、患者に対する医師の説明に解説を付与する医療支援システム及びその解説提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療において、患者と医師との意志疎通は、的確な病状把握や治療方針の決定やインフォームドコンセントに重要である。医師は、患者に問診や病状説明等のコミュニケーションを図り、患者に理解を求める。
【0003】
医師による説明は、いくつかの原因により理解困難となることがある。その一つの原因としては、医師と患者の理解可能な言語が異なる場合である。そのため、従来より、医師の使用する言語を話しまた理解することができない外国人が病院にかかる際にも簡単な問診を受けることができ、患者と医師の双方で問診の会話を簡略化することのできる翻訳システムが提案されている(例えば、「特許文献1」参照。)。この技術は、問診票を予め記憶している翻訳用の辞書で翻訳するものである。これにより、言語の相違から生じる意志疎通の障害を解消することができる。
【0004】
しかし、そのほか、意志疎通の障害として考えられる原因としては、そもそも医師の使用する医用用語が難解であり、その用語の意味が理解できないことがある。この場合、単なる翻訳によっては、意志疎通の障害を解消することができない。そこで、医師は患者に対して理解可能な用語を用いてわかりやすく説明する必要があるが、その分医師の負担も大きくなる。
【0005】
【特許文献1】特開2004−310693号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、上述のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、患者に対する医師の説明に解説を付与する医療支援システム及びその解説提供方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1記載の本発明に係る医療支援システムは、患者に対する音声データ形式の説明情報を取得する取得手段と、前記説明情報を解析して文字データ形式に置き換える音声認識手段と、用語とその解説文とを対応づけた解説用辞書を予め記憶する辞書記憶手段と、前記文字データ形式の前記説明情報に含まれる各用語と前記解説用辞書とを比較して、前記説明情報とこの説明情報に含まれている用語に対応する前記解説文とから解説付説明情報を生成する生成手段と、前記解説付説明情報を出力する出力手段と、を備えること、を特徴とする。
【0008】
前記生成手段は、前記説明情報に含まれる各用語を抽出し、抽出した用語に対応する解説文を前記解説用辞書から読み出し、前記読み出した解説文を前記用語に関連づけて前記説明情報に付加することで、前記解説付説明情報を生成するようにしてもよい(請求項2記載の発明に相当)。
【0009】
前記取得手段と前記音声認識手段と前記出力手段とを有する送受信端末と、前記辞書記憶手段と前記生成手段とを有し、前記送受信端末と送受信可能にネットワークに接続されたサーバと、を備えるようにしてもよい(請求項3記載の発明に相当)。
【0010】
前記解説用辞書は、医師及び疾病毎に記憶されるとともに、医師識別情報及び疾病識別情報に関連づけられて前記記憶手段に記憶され、前記生成手段は、前記医師識別情報及び前記疾病識別情報に基づき前記解説用辞書を選択する辞書選択手段を含むようにしてもよい(請求項4記載の発明に相当)。
【0011】
前記辞書選択手段は、医師と疾病を表わす用語を前記文字データ形式の前記説明情報から検索し、該当する前記医師識別情報及び前記疾病識別情報に関連づけられた前記解説用辞書を選択するようにしてもよい(請求項5記載の発明に相当)。
【0012】
前記医師識別情報と前記疾病識別情報の入力操作を受け付ける操作手段を更に備え、前記辞書選択手段は、前記操作手段で入力された前記医師識別情報と前記疾病識別情報とに関連づけられた前記解説用辞書を選択するようにしてもよい(請求項6記載の発明に相当)。
【0013】
音声認識手段は、開始と終了を示すキーワードを予め記憶し、前記説明情報を解析してそのキーワードで挟まれる範囲を文字データ形式に置き換えるようにしてもよい(請求項7記載の発明に相当)。
【0014】
音声認識手段は、キーワードを予め記憶し、前記説明情報を解析してそのキーワードが含まれる一文を文字データ形式に置き換えるようにしてもよい(請求項8記載の発明に相当)。
【0015】
前記取得手段は、前記説明情報を集音するマイクを含むようにしてもよい(請求項9記載の発明に相当)。
【0016】
前記取得手段は、前記音声データ形式の説明情報を記憶する説明情報記憶手段を含むようにしてもよい(請求項10記載の発明に相当)。
【0017】
前記出力手段は、前記生成手段が生成した文字データ形式の前記解説付説明情報を音声データ形式に変換する変換手段と、前記変換手段で変換された前記解説付説明情報を音声出力するスピーカと、を含むようにしてもよい(請求項11記載の発明に相当)。
【0018】
前記生成手段が生成した前記解説付説明情報を記憶する解説付説明情報記憶手段を更に備え、前記出力手段は、前記解説付説明情報記憶手段が記憶した前記解説付説明情報を読み出して出力するようにしてもよい(請求項12記載の発明に相当)。
【0019】
また、上記課題を解決するために、請求項13記載の本発明に係る解説提供方法は、患者に対する音声データ形式の説明情報を取得する第1のステップと、前記説明情報を解析して文字データ形式に置き換える第2のステップと、用語とその解説文とを対応づけた解説用辞書に基づき、前記文字データ形式の前記説明情報に含まれる各用語と前記解説用辞書とを比較して、前記説明情報とこの説明情報に含まれている用語に対応する前記解説文とから解説付説明情報を生成する第3のステップと、前記解説付説明情報を出力する第4のステップと、を有すること、を特徴とする。
【0020】
前記第3のステップは、前記説明情報に含まれる各用語を抽出するステップと、抽出した用語に対応する解説文を前記解説用辞書から読み出すステップと、前記読み出した解説文を前記用語に関連づけて前記説明情報に付加することで、前記解説付説明情報を生成するステップと、を含むようにしてもよい(請求項14記載の発明に相当)。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、患者にとっては、各種の医用用語が含まれることにより難解であった医師等の説明を、その医用用語の解説が加えられた説明として受け取ることができるので、説明を容易に理解することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係る医療支援システムとその解説提供方法の好適な実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0023】
図1は、医療支援システムの構成を示す図である。医療支援システム1は、医師等が発話した患者への説明を説明情報として音声認識し、その説明情報に対する解説を加えた解説付説明情報を生成するものである。解説付説明情報は、説明情報にその説明に対する解説を加えたものである。
【0024】
この医療支援システム1は、送受信端末2とサーバ3とから構成される。送受信端末2とサーバ3とは、無線や有線によるネットワークによって通信可能に接続される。サーバ3は、文字データ形式の説明情報を解析して、解説付説明情報を生成する。送受信端末2は、説明情報を音声データ形式で取得し、音声データを文字データに変換する。また、送受信端末2は、解説付説明情報を表示する。
【0025】
この送受信端末2は、例えば、患者が所有する携帯電話やPDAやノートパソコン等の携帯端末である。この送受信端末2には、説明情報を音声データ形式で取得するマイク21aと、音声データを解析して文字データに変換する音声認識処理部22と、サーバ3と通信を行う送受信部23と、解説付説明情報を表示するモニタ24aとが備えられている。
【0026】
サーバ3は、例えば、地域ごとに設置され、その地域の患者の電子カルテを蓄積しているEHR(Electronic Health Record)である。このサーバ3には、送受信端末2と説明情報及び解説付説明情報の通信を行う送受信部31と、解説付説明情報を生成する生成部32と、後述する解説用辞書5を記憶する辞書記憶部33とが備えられている。
【0027】
医療支援システム1では、医者等が発話した患者に対する説明情報をマイク21aで集音することで、音声データ形式で説明情報を取得する。即ち、マイク21aは、音声データ形式で説明情報を取得する取得手段である。取得された説明情報は、音声認識処理部22で解析され、文字データ形式に置き換えられる。この文字データ形式への置き換えの際に、説明情報の文章を箇条書きに置き換えるようにしてもよい。音声認識処理部22は、各種の語句に対応した音響モデルを記憶しており、音響モデルを説明情報とマッチングさせ、マッチした箇所を対応する語句の文字データに置き換える。
【0028】
文字データ形式の説明情報は、送受信部23によるサーバ3に送信される。サーバ3では、送受信部31により説明情報を受信する。この送受信端末2とサーバ3との通信は、TCP/IP上のソケット通信によりプロトコルで行う。また、RPC(Remote Procedure Call)やSOAP(Simple Object Access Protocol)、IIOP(Internet Inter-ORB Protocol)、RMI(Remote Method Invocation)などの標準化された通信プロトコルを用いてもよい。また、SSL(Secure Socket Layer)/TLS(Transport Layer Security)等の暗号化通信としてもよい。
【0029】
サーバ3では、受信された説明情報が生成部32に入力される。生成部32は、辞書記憶部33に記憶された解説用辞書5を参照して説明情報を解析し、解説付説明情報を生成する。生成された解説付説明情報は送受信部31により送受信端末2に送信される。
【0030】
送受信端末2では、送受信部23により解説付説明情報を受信する。モニタ24aは、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイであり、受信した解説付説明情報を表示する。
【0031】
図2乃至図6は、生成部32による解説付説明情報の生成を詳細に示している。図2は、生成部32の詳細構成を示す図である。図2に示すように、生成部32は、辞書選択部321と抽出部322と検索部323と編集処理部324とを備える。
【0032】
抽出部322は、文字データ形式の説明情報から用語を抽出する。抽出部322は、説明情報を1文毎に区切り、文単位で用語を抽出する。文の区切りについては、抽出部322は、読点を目印とする。用語の抽出については、抽出部322は、予め各種の用語データを記憶しており、1文中に用語データとマッチする用語が存在するか検索する。用語には、単語、語句、文節を含む。例えば、「病名」、「病名は」、「咽頭」、「咽頭結膜熱」、「咽頭結膜熱である」、「病名は咽頭結膜熱」、「病名は咽頭結膜熱である」等の用語データが予め記憶され、説明情報に「病名は咽頭結膜熱である」との文があれば、「病名」、「病名は」、「咽頭」、「咽頭結膜熱」、「咽頭結膜熱である」、「病名は咽頭結膜熱」、「病名は咽頭結膜熱である」等のように各種パターンで用語を抽出していく。
【0033】
辞書選択部321は、辞書記憶部33から解析に用いる解説用辞書5を選択する。解説用辞書5は、医師、疾病、及びその医師が属する病院毎に辞書記憶部33に記憶されている。辞書選択部321は、図3に示す辞書選択テーブル4を予め記憶しており、この辞書選択テーブル4を参照して、説明情報が示す病院、医師、及び疾病に対応する解説用辞書5を選択する。
【0034】
図3に示すように、辞書選択テーブル4には、選択情報41と解説用辞書特定情報42とが関連づけられている。解説用辞書特定情報42は、解説用辞書5を特定する情報である。選択情報41は、解説用辞書5を選択するための情報である。選択情報41は、病院識別情報411と、医師識別情報412と、疾病識別情報413とからなる。辞書選択部321は、説明情報から選択情報41を取得し、その選択情報41に関連づけられている解説用辞書特定情報42が特定する解説用辞書5を選択する。
【0035】
説明情報からの選択情報41の取得において、辞書選択部321は、抽出部322が抽出した各用語から、病院識別情報411となる病院名、医師識別情報412となる医師名、及び疾病識別情報413となる疾病名を探索し、これらを選択情報41とする。具体的には、辞書選択テーブル4に記憶されている選択情報41と抽出された用語とがマッチするか確認していく。
【0036】
そして、辞書選択部321は、マッチした選択情報41に関連づけられている解説用辞書特定情報42を読み出す。さらに、辞書選択部321は、解説用辞書特定情報42で特定される解説用辞書5を辞書記憶部33から読み出す。
【0037】
検索部323は、読み出された解説用辞書5を用いて、抽出された各用語に対応する解説文52を検索する。図4は、解説用辞書5のデータ構造を示す図である。解説用辞書5には、各種の登録用語51とその登録用語51を解説した解説文52とが対応づけられている。検索部323を抽出された用語と合致する登録用語51を解説用辞書5から検索し、該当する登録用語51が存在すれば、それに対応する解説文52を取得する。
【0038】
編集処理部324は、説明情報を編集して解説付説明情報を生成する。この編集処理部324は、検索部323で取得された解説文52とその解説文52が解説する用語が含まれる1文とを組み合わせた1文を作成する。
【0039】
このような生成部32の解説付説明情報の生成を図4乃至図6に基づき具体的に説明する。
【0040】
図5に示すように、説明情報から選択情報41としてAA病院(図中(1))とH.T医師(図中(2))と咽頭結膜熱(図中(3))とが抽出されると、図4に示す辞書選択テーブル4からこれら選択情報41と対応づけられている解説用辞書特定情報42としてAA_HT_咽頭結膜熱が読み出される。そして、その解説用辞書特定情報42で特定される図6に示すような解説用辞書5が選択される。
【0041】
例えば、アデノウィルス(図中(7))という用語が説明情報から抽出されると、アデノウィルスという登録用語51に対応する「扁桃腺やリンパ節に潜んで増えるウィルス」という解説文52が解説用辞書5から読み出される。そして、図6に示すように、アデノウィルスという用語を含む1文にこの解説文52(図中(17))を組み合わせた一文が生成される。この一文は、例えば、説明情報の文末を「ので、」等の接続詞に置き換え、その後に解説文52を挿入する。この他、解説付説明情報としては、解説文52を括弧で閉じた一連の文字列データを対応する用語の後に挿入するようにしてもよい。
【0042】
このような医療支援システム1の動作を図7に示す。
【0043】
まず、送受信端末2側では、マイク21aにより説明情報が音声データ形式で集音される(S01)。説明情報が取得されると、音声認識処理部22は、音声データ形式の説明情報を文字データ形式に置き換える(S02)。説明情報が文字データ形式に変換されると、送受信部23は、文字データ形式の説明情報をサーバ3に送信する(S03)。
【0044】
サーバ3側では、説明情報を受信すると(S04)、抽出部322は、選択情報41を取得していなければ(S05,No)、説明情報から選択情報41を取得する(S06)。説明情報を取得すると、辞書選択部321は、辞書選択テーブル4を参照して、選択情報41に対応する解説用辞書特定情報42を検索し(S07)、該当する解説用辞書特定情報42で特定される解説用辞書5を辞書記憶部33から取得する(S08)。
【0045】
選択情報41を取得していれば(S05,Yes)、抽出部322は、説明情報から読点までの1文を取り出し(S09)、その1文から用語を抽出する(S10)。検索部323は、抽出された用語に対応する解説文52を解説用辞書5から検索する(S11)。解説文52が検索されると、編集処理部324は、該当する解説文52と抽出された登録用語51を含む1文とを組み合わせた文を生成する(S12)。
【0046】
全ての行についてS09〜S12が終了していなければ(S13,No)、次の行を説明情報から取り出し、S09〜S12を繰り返す。
【0047】
全ての行についてS09〜S12が終了していれば(S13,Yes)、編集処理部324は、組み合わせた各文を纏めた解説付説明情報を生成する(S14)。
【0048】
送受信部31は、生成された解説付説明情報を送受信端末2に送信する(S15)。送受信端末2側では、送受信部23が解説付説明情報を受信すると(S16)、受信した解説付説明情報をモニタ24aに表示する(S17)。
【0049】
これにより、患者にとっては、各種の医用用語が含まれることにより難解であった医師等の説明を、その医用用語の解説が加えられた説明として受け取ることができるので、説明を容易に理解することが可能となる。
【0050】
また、送受信端末2側で予め文字データ形式に変換してからサーバ3に送信しているので、送信量の削減を図ることができる。さらに、送信量の削減を図るために、医師が発話した音声の全てではなく、一部の音声のみを説明情報として文字データ形式に置き換えるようにしてもよい。図8は、更なる送信量の削減を図るための医療支援システム1の変形例を示す図である。
【0051】
図8に示すように、送受信端末2は、キーワード記憶部221を有している。キーワード記憶部221には、開始を示すキーワードと、終了を示すキーワードとが記憶されている。音声認識処理部22は、説明情報を一端文字データ形式に変換した後、開始を示すキーワードと終了を示すキーワードとを説明情報から検索する。該当するキーワードが見つかると、そのキーワードで挟まれる範囲のみを抽出し、その抽出された範囲を説明情報として送受信部23に出力する。
【0052】
また、キーワード記憶部221には、各種の医用用語がキーワードとして記憶されていてもよい。音声認識処理部22は、説明情報を一端文字データ形式に変換した後、キーワード記憶部221に記憶されているキーワードを含む文のみを抽出し、その抽出された文の集合を説明情報として送受信部23に出力する。
【0053】
以上によれば、解説が必要とする範囲のみを説明情報としてサーバ3に送信することができるので、更なる送信量の削減を図ることができる。
【0054】
また、解説付説明情報の出力態様としては、モニタ24aへの表示の他、音声出力するようにしてもよい。即ち、図9に示すように、送受信端末2は、モニタ24aに代えてスピーカ24bと変換部24cとからなる出力手段を有するようにしてもよい。
【0055】
変換部24cは、文字データ形式の解説付説明情報を音声データ形式に変換する。この変換部24cも音声認識処理部22と同様に音響モデルと用語の対応付けを予め記憶しており、解説付説明情報に含まれる用語を対応づけられている音響モデルに置き換える。スピーカ24bは、音声データ形式の解説付説明情報を音声出力する。
【0056】
そのほか、出力手段としては、他の機器と通信可能な送受信装置や、CD−R等の可搬記憶媒体に書き込み可能なメディアドライブであってもよい。
【0057】
また、図10に示すように、マイク21aで説明情報を集音するほか、予め説明情報を記憶しているメモリ21bを取得手段として有し、そのメモリ21bから説明情報が音声認識処理部22に出力されるようにしてもよい。
【0058】
さらに、図11に示すように、送受信端末2には、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶媒体である解説付説明情報記憶部26を備えるようにし、送受信部23で受信した解説付説明情報を一端記憶させておき、操作に応じて読み出してモニタ24a等の出力手段に出力するようにしてもよい。
【0059】
また、生成部32では解説用辞書5を選択する際に、説明情報に含まれる選択情報41を参照したが、その他、ボタンやタッチパネル等の文字入力が可能な操作部25を送受信端末2に備えるようにし、操作部25によって入力された選択情報41を参照するようにしてもよい。送受信端末2では、説明情報に加え、操作部25を用いて入力された選択情報41をともにサーバ3に送信する。辞書選択部321は、受信した選択情報41に関連づけられている解説用辞書特定情報42を辞書選択テーブル4から取得し、その解説用辞書特定情報42で特定される解説用辞書5を選択する。
【0060】
このような医療支援システム1では、送受信端末2として携帯端末を例に説明したが、医師が電子カルテを閲覧する際に使用するデスクトップPCであってもよい。また、このデスクトップPCにサーバ3の本実施形態の機能を適用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】医療支援システムの構成を示す図である。
【図2】生成部の詳細構成を示す図である。
【図3】辞書選択テーブルの一例を示す図である。
【図4】解説用辞書の一例を示す図である。
【図5】説明情報の一例を示す図である。
【図6】解説付説明情報の一例を示す図である。
【図7】医療支援システムの動作を示すフローチャートである。
【図8】医療支援システムの第1の変形例を示す図である。
【図9】医療支援システムの第2の変形例を示す図である。
【図10】医療支援システムの第3の変形例を示す図である。
【図11】医療支援システムの第4の変形例を示す図である。
【図12】医療支援システムの第5の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1 医療支援システム
2 送受信端末
21a マイク
21b メモリ
22 音声認識処理部
221 キーワード記憶部
23 送受信部
24a モニタ
24b スピーカ
24c 変換部
25 操作部
26 解説付説明情報記憶部
3 サーバ
31 送受信部
32 生成部
321 辞書選択部
322 抽出部
323 検索部
324 編集処理部
33 辞書記憶部
4 辞書選択テーブル
41 選択情報
411 病院識別情報
412 医師識別情報
413 疾病識別情報
42 解説用辞書特定情報
5 解説用辞書
51 用語
52 解説文

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に対する音声データ形式の説明情報を取得する取得手段と、
前記説明情報を解析して文字データ形式に置き換える音声認識手段と、
用語とその解説文とを対応づけた解説用辞書を予め記憶する辞書記憶手段と、
前記文字データ形式の前記説明情報に含まれる各用語と前記解説用辞書とを比較して、前記説明情報とこの説明情報に含まれている用語に対応する前記解説文とから解説付説明情報を生成する生成手段と、
前記解説付説明情報を出力する出力手段と、
を備えること、
を特徴とする医療支援システム。
【請求項2】
前記生成手段は、
前記説明情報に含まれる各用語を抽出し、抽出した用語に対応する解説文を前記解説用辞書から読み出し、前記読み出した解説文を前記用語に関連づけて前記説明情報に付加することで、前記解説付説明情報を生成すること、
を特徴とする請求項1記載の医療支援システム。
【請求項3】
前記取得手段と前記音声認識手段と前記出力手段とを有する送受信端末と、
前記辞書記憶手段と前記生成手段とを有し、前記送受信端末と送受信可能にネットワークに接続されたサーバと、
を備えること、
を特徴とする請求項1記載の医療支援システム。
【請求項4】
前記解説用辞書は、
医師及び疾病毎に記憶されるとともに、医師識別情報及び疾病識別情報に関連づけられて前記記憶手段に記憶され、
前記生成手段は、
前記医師識別情報及び前記疾病識別情報に基づき前記解説用辞書を選択する辞書選択手段を含むこと、
を特徴とする請求項1記載の医療支援システム。
【請求項5】
前記辞書選択手段は、
医師と疾病を表わす用語を前記文字データ形式の前記説明情報から検索し、該当する前記医師識別情報及び前記疾病識別情報に関連づけられた前記解説用辞書を選択すること、
を特徴とする請求項4記載の医療支援システム。
【請求項6】
前記医師識別情報と前記疾病識別情報の入力操作を受け付ける操作手段を更に備え、
前記辞書選択手段は、
前記操作手段で入力された前記医師識別情報と前記疾病識別情報とに関連づけられた前記解説用辞書を選択すること、
を特徴とする請求項4記載の医療支援システム。
【請求項7】
前記音声認識手段は、
開始と終了を示すキーワードを予め記憶し、前記説明情報を解析してそのキーワードで挟まれる範囲を文字データ形式に置き換えること、
を特徴とする請求項1記載の医療支援システム。
【請求項8】
前記音声認識手段は、
キーワードを予め記憶し、前記説明情報を解析してそのキーワードが含まれる一文を文字データ形式に置き換えること、
を特徴とする請求項1記載の医療支援システム。
【請求項9】
前記取得手段は、
前記説明情報を集音するマイクを含むこと、
を特徴とする請求項1記載の医療支援システム。
【請求項10】
前記取得手段は、
前記音声データ形式の説明情報を記憶する説明情報記憶手段を含むこと、
を特徴とする請求項1記載の医療支援システム。
【請求項11】
前記出力手段は、
前記生成手段が生成した文字データ形式の前記解説付説明情報を音声データ形式に変換する変換手段と、
前記変換手段で変換された前記解説付説明情報を音声出力するスピーカと、
を含むこと、
を特徴とする請求項1記載の医療支援システム。
【請求項12】
前記生成手段が生成した前記解説付説明情報を記憶する解説付説明情報記憶手段を更に備え、
前記出力手段は、
前記解説付説明情報記憶手段が記憶した前記解説付説明情報を読み出して出力すること、
を特徴とする請求項1記載の医療支援システム。
【請求項13】
患者に対する音声データ形式の説明情報を取得する第1のステップと、
前記説明情報を解析して文字データ形式に置き換える第2のステップと、
用語とその解説文とを対応づけた解説用辞書に基づき、前記文字データ形式の前記説明情報に含まれる各用語と前記解説用辞書とを比較して、前記説明情報とこの説明情報に含まれている用語に対応する前記解説文とから解説付説明情報を生成する第3のステップと、
前記解説付説明情報を出力する第4のステップと、
を有すること、
を特徴とする解説提供方法。
【請求項14】
前記第3のステップは、
前記説明情報に含まれる各用語を抽出するステップと、
抽出した用語に対応する解説文を前記解説用辞書から読み出すステップと、
前記読み出した解説文を前記用語に関連づけて前記説明情報に付加することで、前記解説付説明情報を生成するステップと、
を含むこと、
を特徴とする請求項13記載の解説提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−72786(P2010−72786A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−237447(P2008−237447)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】