医療機器、医療機器システムおよび医療機器のメンテナンス方法
【課題】内蔵バッテリの残量を正確に把握することができる医療機器を提供する。
【解決手段】診断に使用した超音波プローブ1の種類、実行した撮像モード、放電深度等のバッテリ15の経時変化に関係する情報が本体制御部14から履歴メモリ18に入力されると共に温度センサ16により検出されたバッテリ15の環境温度が履歴メモリ18に入力され、これらの使用履歴および温度履歴が履歴メモリ18に格納される。履歴メモリ18に格納された使用履歴および温度履歴に基づき、テーブル更新部20により、所定の期間毎にテーブルメモリ19内に格納されている補正テーブルが更新され、バッテリ残量の確認時に、残量検出部17で検出されたバッテリ15の残量が、残量補正部21により、テーブルメモリ19に格納されている補正テーブルを用いて補正される。
【解決手段】診断に使用した超音波プローブ1の種類、実行した撮像モード、放電深度等のバッテリ15の経時変化に関係する情報が本体制御部14から履歴メモリ18に入力されると共に温度センサ16により検出されたバッテリ15の環境温度が履歴メモリ18に入力され、これらの使用履歴および温度履歴が履歴メモリ18に格納される。履歴メモリ18に格納された使用履歴および温度履歴に基づき、テーブル更新部20により、所定の期間毎にテーブルメモリ19内に格納されている補正テーブルが更新され、バッテリ残量の確認時に、残量検出部17で検出されたバッテリ15の残量が、残量補正部21により、テーブルメモリ19に格納されている補正テーブルを用いて補正される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、医療機器、医療機器システムおよび医療機器のメンテナンス方法に係り、特に、内蔵バッテリを有する医療機器におけるバッテリ残量の把握に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、医療分野において、超音波画像を利用した超音波診断装置が実用化されている。一般に、この種の超音波診断装置は、超音波プローブのアレイトランスデューサから被検体内に向けて超音波ビームを送信し、被検体からの超音波エコーをアレイトランスデューサで受信して、その受信信号を電気的に処理することにより超音波画像が生成される。
【0003】
また、近年、例えば、特許文献1に開示されているように、ベッドサイドや救急医療現場等に搬送して使用することができる携帯型の超音波診断装置が開発されている。
このような携帯型の超音波診断装置は、電源としてバッテリを内蔵しており、特許文献1の装置では、バッテリ残量の低下に伴うシステムの急激な停止を防止するために、バッテリ残量がしきい値以下になると、動作停止のガイダンスを表示部に表示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−273517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表示部に動作停止のガイダンスを表示することで、操作者は、バッテリ残量の低下を認知し、安全にシステムを停止させることができる。
しかしながら、一般に、バッテリは使用を繰り返すことで、満充電時の飽和容量、放電時の残量低下の傾き等、バッテリ残量の減衰特性が変化することが知られている。このため、バッテリ残量を正確に検出することができずに、まだ十分な残量があると思われる状態から、急激にバッテリ残量がシステムの動作状態を維持し得ないレベルにまで低下する場合がある。従って、特許文献1のように、動作停止のガイダンスを表示しても、システム停止の準備が完了する前に停止してしまうおそれがある。
また、超音波診断装置以外にも、内視鏡スコープを被検体の体内に挿入して観察画像を生成するバッテリ駆動型の内視鏡システムがあり、このような内視鏡システムにおいても、同様に、バッテリ残量を正確に検出することができないと、不具合を生じることとなる。
【0006】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、内蔵バッテリの残量を正確に把握することができる医療機器、医療機器システムおよび医療機器のメンテナンス方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る医療機器は、生体情報センシング部によりセンシングされた被検体の生体情報を機器本体で演算処理するバッテリ駆動型の医療機器であって、内蔵バッテリと、内蔵バッテリのバッテリ残量を検出する残量検出部と、残量検出部により検出されたバッテリ残量を補正するための補正テーブルを格納するテーブルメモリと、所定の期間毎にテーブルメモリ内の補正テーブルを更新するテーブル更新部と、残量検出部により検出されたバッテリ残量をテーブル更新部により更新された補正テーブルを用いて補正する残量補正部とを備えたものである。
【0008】
医療機器の使用履歴および温度履歴を格納する履歴メモリをさらに備え、テーブル更新部は、履歴メモリに格納された使用履歴、温度履歴に基づいてテーブルメモリ内の補正テーブルを更新することが好ましい。この場合、それぞれID情報および状態の経時変化情報が記録された記憶部を有する複数の生体情報センシング部を選択的に機器本体に接続して使用し、使用した生体情報センシング部の記憶部から使用した生体情報センシング部の種類および実行した撮像モードが読み取られて使用履歴として履歴メモリに格納されるように構成してもよい。
あるいは、テーブル更新部は、予め消費電力が判明している動作モードを実行させて、残量検出部によりバッテリ残量の推移をモニタリングすることにより補正テーブルを更新することもできる。この場合、テーブル更新部は、医療機器のアイドリング中に予め消費電力が判明している動作モードを実行させてもよい。
さらに、残量補正部により補正されたバッテリ残量が所定のしきい値以下にまで低下した場合に警告を発する警告部を備えることが好ましい。
【0009】
生体情報センシング部として、被検体の体内に向けて超音波の送受信を行うための超音波プローブを用い、機器本体として、超音波プローブで得られた受信信号を演算処理して超音波画像を生成する超音波装置本体を用いることができる。あるいは、生体情報センシング部として、被検体の体内を撮像するための内視鏡スコープを用い、機器本体として、内視鏡スコープで得られた撮像信号を演算処理して観察画像を生成する内視鏡プロセッサを用いることもできる。
【0010】
この発明に係る医療機器システムは、生体情報センシング部によりセンシングされた被検体の生体情報を機器本体で演算処理するバッテリ駆動型の医療機器と、医療機器が接続されたネットワークと、ネットワークに接続されたメンテナンスサーバとを備え、医療機器は、内蔵バッテリと、内蔵バッテリのバッテリ残量を検出する残量検出部と、所定の期間毎に残量検出部により検出されたバッテリ残量を補正するための補正テーブルを更新するテーブル更新部と、残量検出部により検出されたバッテリ残量をテーブル更新部により更新された補正テーブルを用いて補正する残量補正部とを含み、メンテナンスサーバは、補正テーブルを格納するテーブルメモリを有するものである。
【0011】
さらに、この発明に係る医療機器のメンテナンス方法は、生体情報センシング部によりセンシングされた被検体の生体情報を機器本体で演算処理するバッテリ駆動型の医療機器のメンテナンス方法であって、検出された内蔵バッテリのバッテリ残量を補正するための補正テーブルを所定の期間毎に更新し、内蔵バッテリのバッテリ残量を検出し、更新された補正テーブルを用いて検出されたバッテリ残量を補正する方法である。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、検出されたバッテリ残量を補正するための補正テーブルを所定の期間毎に更新し、内蔵バッテリのバッテリ残量を検出し、更新された補正テーブルを用いて検出されたバッテリ残量を補正するので、内蔵バッテリの残量を正確に把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。
【図2】温度とバッテリの劣化率比との関係を示すグラフである。
【図3】(A)は大電流放電の場合の放電可能なエネルギー量と出力との関係を示すグラフ、(B)はバッテリセルに最適化された放電電流の場合の放電可能なエネルギー量と出力との関係を示すグラフである。
【図4】(A)は放電深度とバッテリの劣化率との関係を示すグラフ、(B)は放電深度の違いに応じた放電可能なエネルギー量と出力との関係を示すグラフである。
【図5】実施の形態2に係る超音波診断装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【図6】実施の形態2に係る超音波診断装置で用いられた超音波プローブの構成を示すブロック図である。
【図7】実施の形態3に係る超音波診断装置で用いられた超音波装置本体の構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態4に係る超音波診断装置で用いられた超音波装置本体の構成を示すブロック図である。
【図9】実施の形態5に係る超音波診断システムの構成を示すブロック図である。
【図10】実施の形態6に係る超音波診断装置で用いられた超音波プローブの構成を示すブロック図である。
【図11】実施の形態7に係る内視鏡システムの構成を示すブロック図である。
【図12】実施の形態8に係る内視鏡システムの構成を示すブロック図である。
【図13】実施の形態9に係る内視鏡システムの構成を示すブロック図である。
【図14】実施の形態10に係る内視鏡システムで用いられた内視鏡スコープの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に、実施の形態1に係る超音波診断装置の構成を示す。超音波診断装置は、超音波プローブ1と、この超音波プローブ1に接続された超音波装置本体2とを備えている。
超音波プローブ1は、アレイトランスデューサ3を有しており、このアレイトランスデューサ3に送信回路4および受信回路5がそれぞれ接続され、送信回路4および受信回路5にプローブ制御部6が接続されている。
【0015】
超音波装置本体2は、超音波プローブ1の受信回路5に接続された画像生成部11を有し、この画像生成部11に表示制御部12および表示部13が順次接続されている。画像生成部11および表示制御部12に本体制御部14が接続されている。
また、超音波装置本体2にバッテリ15が内蔵されており、バッテリ15の近傍に温度センサ16が配置されると共にバッテリ15に残量検出部17が接続されている。さらに、超音波装置本体2は、履歴メモリ18とテーブルメモリ19を有し、これら履歴メモリ18およびテーブルメモリ19にテーブル更新部20が接続され、残量検出部17とテーブルメモリ19に残量補正部21が接続されている。そして、温度センサ16、残量検出部17、履歴メモリ18、テーブル更新部20および残量補正部21に本体制御部14が接続されている。
さらに、本体制御部14に、操作部22および格納部23がそれぞれ接続されている。
また、超音波プローブ1のプローブ制御部6と超音波装置本体2の本体制御部14が互いに接続されている。
【0016】
超音波プローブ1のアレイトランスデューサ3は、1次元又は2次元のアレイ状に配列された複数の超音波トランスデューサを有している。これら複数の超音波トランスデューサは、それぞれ送信回路4から供給される駆動信号に従って超音波を送信すると共に被検体からの超音波エコーを受信して受信信号を出力する。各超音波トランスデューサは、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミックや、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電素子、PMN−PT(マグネシウムニオブ酸・チタン酸鉛固溶体)に代表される圧電単結晶等からなる圧電体の両端に電極を形成した振動子によって構成される。
【0017】
そのような振動子の電極に、パルス状又は連続波の電圧を印加すると、圧電体が伸縮し、それぞれの振動子からパルス状又は連続波の超音波が発生して、それらの超音波の合成により超音波ビームが形成される。また、それぞれの振動子は、伝搬する超音波を受信することにより伸縮して電気信号を発生し、それらの電気信号は、超音波の受信信号として出力される。
【0018】
送信回路4は、例えば、複数のトランスミッタを含んでおり、プローブ制御部6からの制御信号に応じて選択された送信遅延パターンに基づいて、アレイトランスデューサ3の複数の超音波トランスデューサから送信される超音波が超音波ビームを形成するようにそれぞれの駆動信号の遅延量を調節して複数の超音波トランスデューサに供給する。
受信回路5は、アレイトランスデューサ3の各超音波トランスデューサから送信される受信信号を増幅してA/D変換した後、プローブ制御部6からの制御信号に応じて選択された受信遅延パターンに基づいて設定される音速または音速の分布に従い、各受信信号にそれぞれの遅延を与えて加算することにより、受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理により、超音波エコーの焦点が絞り込まれた受信データ(音線信号)が生成される。
プローブ制御部6は、超音波装置本体2の本体制御部14から伝送される各種の制御信号に基づいて、超音波プローブ1の各部の制御を行う。
【0019】
超音波装置本体2の画像生成部11は、超音波プローブ1の受信回路5で生成された受信データに対し、超音波の反射位置の深度に応じて距離による減衰の補正を施した後、包絡線検波処理を施すことにより、被検体内の組織に関する断層画像情報であるBモード画像信号を生成した後、ラスター変換すると共に、階調処理等の各種の必要な画像処理を施して表示制御部12に出力する。
表示制御部12は、画像生成部11から入力されたBモード画像信号に基づいて、表示部13に超音波診断画像を表示させる。
表示部13は、例えば、LCD等のディスプレイ装置を含んでおり、表示制御部12の制御の下で、超音波診断画像を表示する。
【0020】
バッテリ15は、この超音波診断装置の駆動電源として機能し、超音波装置本体2内の電力を必要とする各部および超音波プローブ1内の電力を必要とする各部に電力を供給する。
温度センサ16は、バッテリ15周辺の温度を検出する。
残量検出部17は、A/Dコンバータを用いてバッテリ15の残量を検出する。
履歴メモリ18は、この超音波診断装置における使用履歴および温度履歴を格納する。使用履歴には、診断に使用した超音波プローブ1の種類、実行した撮像モード、放電深度等のバッテリ15の経時変化に関係する情報が含まれる。温度履歴は、バッテリ15の環境温度の経時変化情報を含んでいる。
テーブルメモリ19は、残量検出部17により検出されたバッテリ15の残量を補正するための補正テーブルを格納している。
テーブル更新部20は、履歴メモリ18に格納された使用履歴および温度履歴に基づいて、所定の期間毎にテーブルメモリ19内の補正テーブルを更新する。
残量補正部21は、テーブルメモリ19内の補正テーブルを用いて、残量検出部17で検出されたバッテリ15の残量に対して補正を施す。
【0021】
また、操作部22は、操作者が入力操作を行うための各種の操作ボタンを有している。
格納部23は、動作プログラム等を格納するもので、ハードディスク、フレキシブルディスク、MO、MT、RAM、CD−ROM、DVD−ROM、SDカード、CFカード、USBメモリ等の記録メディア、またはサーバ等を用いることができる。
本体制御部14は、操作者により操作部22から入力された各種の指令信号等に基づいて、超音波装置本体2内の各部の制御を行う。
なお、画像生成部11、表示制御部14、テーブル更新部20および残量補正部21は、CPUと、CPUに各種の処理を行わせるための動作プログラムから構成されるが、それらをデジタル回路で構成してもよい。
【0022】
ここで、超音波プローブの種類/動作モードと消費電流の関係について説明する。
例えば、腹部の観察に多く用いられるコンベックス型超音波プローブは、トランスデューサを動的に変化させながら広範囲を深く観察するため、消費電流が大きくなる傾向がある。一方、表在臓器の測定に用いられるリニア型超音波プローブは、観察範囲の狭さから消費電流は比較的小さい。
また、血流等の動的な体組織をモニタリングする場合、Mモード表示を用いて超音波ビーム位置を固定し、リフレッシュレートを上げるのが一般的であるが、より速い変化に追随するため、リフレッシュレートを上昇させると、消費電流は増大する。
さらに、断層像の取得中は定常的に電流を流し続ける必要があり、どの種類の超音波プローブをどの撮像モードを主として使用したかにより、消費電流が大きく変化する。
【0023】
このように、超音波診断に要求される、
(1)超音波ビームの照射角(角度が広いと電流増大)
(2)観察対象の表皮からの深さ(広範囲をトランスデューサの動的スイッチングにより走査すると電流増大)
(3)要求リフレッシュレート
等により消費電流は変化する。
また、超音波プローブのアレイトランスデューサに接続される送信回路内のトランスミッタの数の増減と消費電力の増減は正の相関がある。
【0024】
次に、バッテリ残量の減衰特性について説明する。
図2に、温度に対するリチウムイオン電池の劣化の関係を示す。図2において、横軸は、電池の環境温度を示し、縦軸は、温度25℃で且つ放電深度100%での容量劣化率を1としたときの各温度での劣化率の比を示している。温度により劣化率比が変化することがわかる。
バッテリの劣化が進むと、放電可能なエネルギー量および出力が低下するが、放電電流の大きさに応じて劣化の進み方が変化する。リチウムイオン電池において、大電流放電を行った場合の放電可能なエネルギー量と出力との関係を図3(A)に、バッテリセルに最適化された放電電流の場合の放電可能なエネルギー量と出力との関係を図3(B)にそれぞれ示す。放電を繰り返すと、大電流放電の場合は、劣化が早く、バッテリセルに最適化された放電電流の場合は、劣化の速度が小さくなることがわかる。
【0025】
また、リチウムイオン電池における、放電深度とバッテリの劣化率との関係を図4(A)に示す。深度が浅い地点と深い地点で劣化率が大きく、中程度の深度では、劣化率が小さく抑えられていることがわかる。このため、図4(B)に示されるように、深度が浅い地点または深度が深い地点でのサイクルを100回繰り返したときの放電可能なエネルギー量と出力は、深度が中程度の地点でのサイクルを100回繰り返したときの放電可能なエネルギー量と出力に比べて低下している。
なお、上述した図2〜4は、いずれもリチウムイオン電池の劣化特性を示すものであるが、バッテリの種類によって劣化特性は異なる。例えば、ニッカド電池は大電流放電しても劣化しにくいが、リチウムイオン電池は電池容量や出力レベルが劣化する、という違いがある。
【0026】
このように、バッテリの劣化特性は、バッテリの環境温度、放電電流の大きさ、放電深度等に応じて変化する。そこで、この実施の形態1においては、超音波プローブ1の種類、撮像モード、放電深度等のバッテリ15の経時変化に関係する情報を含む使用履歴とバッテリ15の環境温度の経時変化情報を含む温度履歴を履歴メモリ19に格納し、これら使用履歴および温度履歴に基づいてバッテリ15の残量を補正するための補正テーブルを更新し、更新された補正テーブルを用いてバッテリ15の残量を補正することにより、バッテリ残量の正確な把握を可能としている。
【0027】
次に、実施の形態1の動作を説明する。
まず、バッテリ15からの電力供給を受けて超音波装置本体2および超音波プローブ1の各部が駆動し、超音波プローブ1の送信回路4からの駆動信号に従って、アレイトランスデューサ3の複数の超音波トランスデューサから順次超音波ビームが送信され、各超音波トランスデューサで受信された受信信号が順次受信回路5に出力されて受信データが生成される。これらの受信データに基づいて超音波装置本体2の画像生成部11で画像信号が生成され、さらに、画像信号に基づいて表示制御部12により超音波画像が表示部13に表示される。
【0028】
このようにして超音波画像が表示され、診断が行われるが、バッテリ15の環境温度が温度センサ16により検出され、検出値が本体制御部14を介して履歴メモリ18に入力されることで、履歴メモリ18にバッテリ15の環境温度の経時変化情報が温度履歴として格納され蓄積される。
また、診断が行われる毎に、診断に使用した超音波プローブ1の種類、実行した撮像モード、放電深度等のバッテリ15の経時変化に関係する情報が使用履歴として本体制御部14から履歴メモリ18に入力され、履歴メモリ18に使用履歴が格納され蓄積される。
【0029】
履歴メモリ18に格納されたこれらの使用履歴および温度履歴に基づき、テーブル更新部20は、現在のバッテリ15の劣化特性を推測し、推測された劣化特性に合わせて、所定の期間毎にテーブルメモリ19内に格納されている補正テーブルの更新を行う。このテーブル更新部20による補正テーブルの更新は、予め設定された一定時間が経過する毎に行ってもよく、あるいは、この超音波診断装置による診断が所定回数だけ実行される毎に行ってもよい。
【0030】
そして、操作者により操作部22からバッテリ残量の確認指示が入力される、あるいは、本体制御部14により自動的にバッテリ残量の表示を行うためにバッテリ残量の確認指示がなされると、残量検出部17はA/Dコンバータを用いてバッテリ15の残量を検出し、さらに、残量補正部21は、テーブルメモリ19内の補正テーブルを用いて、残量検出部17によるバッテリ残量の検出値に補正を施す。このようにして補正されたバッテリ残量が、本体制御部14および表示制御部12を介して表示部13に表示される。
【0031】
以上のように、この実施の形態1によれば、履歴メモリ18に格納された使用履歴および温度履歴に基づいて所定の期間毎に補正テーブルを更新し、更新された補正テーブルを用いてバッテリ残量の検出値を補正するので、バッテリ15の残量を正確に把握することができる。
【0032】
実施の形態2
上述した実施の形態1において、図5に示されるように、互いに用途の異なる複数の超音波プローブ1a〜1cを用意し、これらの超音波プローブ1a〜1cを選択的に使用して診断を行うこともできる。診断の目的、診断部位等に応じて複数の超音波プローブ1a〜1cから最適な超音波プローブを選択し、選択された超音波プローブが超音波装置本体2に接続される。
このようにして複数の超音波プローブ1a〜1cを交換しながら診断を行う場合も、診断毎に、使用した超音波プローブの種類、実行した撮像モード、放電深度等のバッテリ15の経時変化に関係する情報が使用履歴として履歴メモリ18に格納される。
【0033】
この場合、図6に示されるように、超音波プローブ1a〜1cは、それぞれプローブ制御部6に接続されたメモリ7を有し、このメモリ7に、超音波プローブのID情報を格納すると共に、超音波プローブの状態の経時変化情報を記録し蓄積することが好ましい。
使用した超音波プローブのメモリ7からID情報および状態の経時変化情報を超音波装置本体2が読み取り、これらの情報が、本体制御部14が把握している撮像モード、放電深度等の情報と共に使用履歴として履歴メモリ18に格納される。
このようにして、複数の超音波プローブ1a〜1cを選択的に使用して診断を行っても、バッテリ15の残量を正確に把握することが可能となる。
【0034】
実施の形態3
実施の形態1および2では、テーブル更新部20が、履歴メモリ18に格納されている使用履歴および温度履歴に基づいて補正テーブルを更新したが、これに限るものではない。例えば、予め消費電力が判明している動作モードを実行させて、このときのバッテリ残量の推移をモニタリングすることにより補正テーブルを更新することもできる。
図7に、実施の形態3に係る超音波診断装置で用いられた超音波装置本体2aの構成を示す。この超音波装置本体2aは、図1に示した実施の形態1における超音波装置本体2において、履歴メモリ18を省略すると共にテーブル更新部20の代わりにテーブル更新部20aを本体制御部14とテーブルメモリ19に接続したものである。
【0035】
テーブル更新部20aは、バッテリ15の劣化特性を推測するために、被検体に対する診断とは別に、本体制御部14を介して、予め消費電力が判明している所定の動作モードを実行させ、このとき残量検出部17で検出されたバッテリ15の残量の推移をモニタリングする。さらに、テーブル更新部20aは、モニタリングの結果からバッテリ15の劣化特性を推測し、推測された劣化特性に合わせて、テーブルメモリ19内に格納されている補正テーブルの更新を行う。
このような構成としても、実施の形態1および2と同様に、バッテリ15の残量を正確に把握することが可能となる。
なお、操作者が設定した一定の期間毎にメンテナンスモードが起動するように構成し、このメンテナンスモードにおいて、予め消費電力が判明している所定の動作モードを実行することができる。ただし、被検体に対する実際の診断に影響を与えないように、深夜等における超音波診断装置のアイドリング時に、予め消費電力が判明している所定の動作モードを実行することが好ましい。
【0036】
実施の形態4
図8に、実施の形態4に係る超音波診断装置で用いられた超音波装置本体2bの構成を示す。この超音波装置本体2bは、図1に示した実施の形態1における超音波装置本体2において、本体制御部14に警告部24を接続したものであり、他の構成は超音波装置本体2と同様である。
警告部24は、残量補正部21により補正されたバッテリ残量が所定のしきい値以下にまで低下した場合に操作者等に対して警告を発する。警告は、表示制御部12を介して表示部13に視覚的に表示するものでもよく、あるいは、警告音等の音により通知するものでもよい。
【0037】
このようにすれば、診断中における電源供給停止の事態を未然に防止することができる。例えば、1回の診断に必要なバッテリ残量をしきい値として、それ以下にバッテリ残量が低下したときに警告を発することもできる。
さらに、バッテリ残量が所定のしきい値以下にまで低下した場合に、警告を発するだけでなく、自動的にバッテリ15への充電を開始するように構成してもよい。
なお、同様にして、実施の形態2および3の超音波診断装置に警告部24を具備することもできる。
【0038】
実施の形態5
図9に、実施の形態5に係る超音波診断システムの構成を示す。超音波診断システムは、ネットワークNを有し、ネットワークNに超音波診断装置Uが接続されると共にメンテナンスサーバSが接続されている。
超音波診断装置Uは、超音波プローブ1と、この超音波プローブ1に接続された超音波装置本体2cとを備えている。超音波装置本体2cは、図1に示した実施の形態1における超音波装置本体2において、履歴メモリ18およびテーブルメモリ19を省略したものであり、本体制御部14を介してネットワークNに接続されている。
メンテナンスサーバSは、超音波診断装置Uのメンテナンスを行うもので、履歴メモリ18とテーブルメモリ19を有している。
【0039】
すなわち、この超音波診断システムにおいては、履歴メモリ18およびテーブルメモリ19をメンテナンスサーバSに内蔵し、超音波診断装置Uの使用履歴および温度履歴とバッテリ残量補正のための補正テーブルがメンテナンスサーバSで管理される。
超音波装置本体2c内のバッテリ15の環境温度が温度センサ16により検出され、検出値が本体制御部14からネットワークNを介してメンテナンスサーバS内の履歴メモリ18に入力される。同様に、超音波診断装置Uにより診断が行われる毎に、診断に使用した超音波プローブ1の種類、実行した撮像モード、放電深度等のバッテリ15の経時変化に関係する情報が本体制御部14からネットワークNを介してメンテナンスサーバS内の履歴メモリ18に入力される。これにより、履歴メモリ18に、温度履歴と使用履歴が格納され蓄積される。
【0040】
超音波装置本体2c内のテーブル更新部20は、メンテナンスサーバS内の履歴メモリ18に格納された使用履歴および温度履歴をネットワークNおよび本体制御部14を介して読み出し、バッテリ15の劣化特性を推測して、所定の期間毎に、メンテナンスサーバS内のテーブルメモリ19に格納されている補正テーブルの更新を行う。
そして、バッテリ残量の確認時には、残量補正部21は、メンテナンスサーバS内のテーブルメモリ19に格納されている補正テーブルをネットワークNおよび本体制御部14を介して読み出し、この補正テーブルを用いて、残量検出部17によるバッテリ残量の検出値に補正を施す。
このようにして、実施の形態1〜4と同様に、バッテリ15の残量を正確に把握することが可能となる。
【0041】
なお、上述した実施の形態2のように、複数の超音波プローブを選択的に超音波装置本体2cに接続して診断を行うこともできる。また、実施の形態3のように、予め消費電力が判明している動作モードを実行させて、このときのバッテリ残量の推移をモニタリングすることにより、テーブル更新部20が補正テーブルを更新することもできる。この場合、メンテナンスサーバS内の履歴メモリ18は不要となる。さらに、実施の形態4のように、超音波装置本体2cに警告部24を具備させて、残量補正部21により補正されたバッテリ残量が所定のしきい値以下にまで低下した場合に警告を発してもよい。
また、ネットワークNに複数の超音波診断装置を接続し、これら複数の超音波診断装置に対する使用履歴および温度履歴と補正テーブルをメンテナンスサーバSで一括して管理することもできる。
【0042】
超音波診断の分野では、診断目的、診断部位等に応じて多様な種類の超音波プローブの開発が進められているが、この実施の形態5のように、ネットワークNを介して超音波診断装置Uに接続されたメンテナンスサーバSに補正テーブルを管理させれば、新規に開発された超音波プローブに対しても、メンテナンスサーバS内の補正テーブルを更新するだけで、対応することが可能となる。
また、バッテリロットが換わった場合でも、ネットワークNを通じて新たな補正テーブルに更新することができる。
超音波診断装置は、流通期間が10年を超えるほど長期に及ぶことが多く、部品更新の頻度が高いことから、本発明の有用性は高いものである。
【0043】
実施の形態6
上記の実施の形態1〜5では、バッテリ15が超音波装置本体2、2a、2bまたは2cに内蔵されていたが、図10に示されるように、超音波プローブ1d内にバッテリ8を内蔵させることもできる。このバッテリ8により、超音波プローブ1d内の電力を必要とする各部に電力が供給される。
【0044】
バッテリ8に対する補正テーブルがテーブルメモリ19に格納され、バッテリ8に関する使用履歴および温度履歴に基づき、あるいは、予め消費電力が判明している動作モードを実行させたときのバッテリ8の残量の推移をモニタリングした結果に基づき、プローブ制御部6がテーブルメモリ19内の補正テーブルを更新する。バッテリ8の残量の確認時に、プローブ制御部6がバッテリ8の残量を検出すると共にテーブルメモリ19に格納されている補正テーブルを用いてバッテリ残量の補正を行う。
このようにして、超音波プローブ1dに内蔵されたバッテリ8の残量を正確に把握することが可能となる。
【0045】
なお、この実施の形態6において、補正テーブルを格納するテーブルメモリ19は、超音波装置本体またはネットワークNを介して接続されたメンテナンスサーバSに内蔵されていてもよく、あるいは超音波プローブ1d内に配置してもよい。
【0046】
上記の実施の形態1〜6において、超音波プローブと超音波装置本体との接続は、有線による接続および無線通信による接続のいずれの形態をとることもできる。無線通信により接続する場合には、実施の形態6のように、超音波プローブ1dに電源供給用のバッテリ8を内蔵することが好ましい。
また、図9に示した実施の形態5において、超音波装置本体2cとメンテナンスサーバSとを有線のネットワークNにより接続したが、無線接続であってもよい。
【0047】
実施の形態7
図11に、実施の形態7に係る内視鏡システムの構成を示す。内視鏡システムは、内視鏡スコープ31と、この内視鏡スコープ31に接続された内視鏡プロセッサ32と、内視鏡プロセッサ32に接続されたモニタ33を備えている。
内視鏡スコープ31は、光学レンズ34を有すると共に、光学レンズ34に光軸を合わせて配置されたCCDセンサ35を有している。CCDセンサ35にCDS回路36およびAGC37を順次介してA/Dコンバータ38が接続されている。また、CCDセンサ35にCCD駆動部39が接続され、CDS回路36およびCCD駆動部39にタイミング制御部40が接続され、タイミング制御部40にスコープ制御部41が接続されている。さらに、スコープ制御部41にメモリ42が接続されている。
【0048】
一方、内視鏡プロセッサ32は、図1に示した実施の形態1における超音波装置本体2と同様の構成を有している。すなわち、内視鏡スコープ31のA/Dコンバータ38に接続された画像生成部51を有し、この画像生成部51に表示制御部52を介してモニタ33が接続されている。画像生成部51および表示制御部52に本体制御部54が接続されている。
また、内視鏡プロセッサ32にバッテリ55が内蔵されており、バッテリ55の近傍に温度センサ56が配置されると共にバッテリ55に残量検出部57が接続されている。さらに、内視鏡プロセッサ32は、履歴メモリ58とテーブルメモリ59を有し、これら履歴メモリ58およびテーブルメモリ59にテーブル更新部60が接続され、残量検出部57とテーブルメモリ59に残量補正部61が接続されている。そして、温度センサ56、残量検出部57、履歴メモリ58、テーブル更新部60および残量補正部61に本体制御部54が接続されている。
さらに、本体制御部54に、操作部62および格納部63がそれぞれ接続されている。
また、内視鏡スコープ31のスコープ制御部41と内視鏡プロセッサ32の本体制御部54が互いに接続されている。
【0049】
内視鏡スコープ31の光学レンズ34は、内視鏡スコープ31が被検体の体内に挿入されたときに、観察部位からの光をCCDセンサ35の受光面上に結像させる。
CCDセンサ35は、受光面上に平面状に配列された複数の受光素子を有し、CCD駆動部39により駆動されて、光学レンズ34により結像された観察部位の撮像信号を出力する。
CDS回路36は、CCDセンサ35から出力されたアナログの撮像信号に対して相関二重サンプリング処理を施すことにより、撮像信号に含まれるノイズ成分を低減する。
AGC37は、撮像信号の振幅が変動した場合に自動的に利得を制御して一定レベルの信号とする。
【0050】
A/Dコンバータ38は、AGC37で一定レベルとされたアナログの撮像信号をデジタル信号に変換して、内視鏡プロセッサ32の画像生成部51に出力する。
タイミング制御部40は、スコープ制御部41からの指令に基づき、CCD駆動部39によるCCDセンサ35の駆動のタイミングを制御すると共に、最適な相関二重サンプリング処理が行われるようにCDS回路36における撮像信号のサンプリングのタイミングを制御する。
スコープ制御部41は、内視鏡プロセッサ32の本体制御部54からの指令を受けて、タイミング制御部40を制御し、また、スコープ情報をメモリ42に格納する。
【0051】
内視鏡プロセッサ32の画像生成部51は、内視鏡スコープ31のA/Dコンバータ38から出力された撮像信号を用いて画像信号を生成し、表示制御部52は、画像生成部51により生成された画像信号に基づいて、モニタ33に観察部位の画像を表示させる。
バッテリ55は、この内視鏡システムの駆動電源として機能し、内視鏡プロセッサ32内の電力を必要とする各部および内視鏡スコープ31内の電力を必要とする各部に電力を供給する。
温度センサ56は、バッテリ55周辺の温度を検出する。
残量検出部57は、A/Dコンバータを用いてバッテリ55の残量を検出する。
【0052】
履歴メモリ58は、この内視鏡システムにおける使用履歴および温度履歴を格納する。使用履歴には、診断に使用した内視鏡スコープ31の種類、撮像条件等のバッテリ55の経時変化に関係する情報が含まれる。温度履歴は、バッテリ55の環境温度の経時変化情報を含んでいる。
テーブルメモリ59は、残量検出部57により検出されたバッテリ55の残量を補正するための補正テーブルを格納している。
テーブル更新部60は、履歴メモリ58に格納された使用履歴および温度履歴に基づいて、所定の期間毎にテーブルメモリ59内の補正テーブルを更新する。
残量補正部61は、テーブルメモリ59内の補正テーブルを用いて、残量検出部57で検出されたバッテリ55の残量に対して補正を施す。
【0053】
また、操作部62は、操作者が入力操作を行うための各種の操作ボタンを有している。
格納部63は、動作プログラム等を格納する。
本体制御部54は、操作者により操作部62から入力された各種の指令信号等に基づいて、内視鏡プロセッサ32内の各部の制御を行う。
【0054】
このような構成の内視鏡システムにおいては、使用する内視鏡スコープ31のCCDセンサ35の受光面積、画素数、内視鏡スコープ31内の各部の回路構成、並びにフレームレート等の撮像条件、等により消費電力が左右される。また、CCDセンサ35の代わりにベイヤー型CMOSセンサ、3層式センサ、その他の撮像素子を使用した内視鏡スコープでは、撮像素子の種類によっても消費電力が変化する。
【0055】
次に、実施の形態7の動作を説明する。
まず、バッテリ55からの電力供給を受けて内視鏡プロセッサ32および内視鏡スコープ31の各部が駆動し、CCDセンサ35から出力された撮像信号がCDS回路36およびAGC37を介してA/Dコンバータに入力されてデジタル信号に変換された後、内視鏡プロセッサ32の画像生成部51に伝送される。この画像生成部51で画像信号が生成され、さらに、画像信号に基づいて表示制御部52により観察画像がモニタ33に表示される。
【0056】
このようにして観察画像が表示され診断が行われるが、バッテリ55の環境温度が温度センサ56により検出され、検出値が本体制御部54を介して履歴メモリ58に入力されることで、履歴メモリ58にバッテリ55の環境温度の経時変化情報が温度履歴として格納され蓄積される。
また、診断が行われる毎に、診断に使用した内視鏡スコープ31の種類、撮像条件等のバッテリ55の経時変化に関係する情報が使用履歴として本体制御部54から履歴メモリ58に入力され、履歴メモリ58に使用履歴が格納され蓄積される。
【0057】
履歴メモリ58に格納されたこれらの使用履歴および温度履歴に基づき、テーブル更新部60は、現在のバッテリ55の劣化特性を推測し、推測された劣化特性に合わせて、所定の期間毎にテーブルメモリ59内に格納されている補正テーブルの更新を行う。このテーブル更新部60による補正テーブルの更新は、予め設定された一定時間が経過する毎に行ってもよく、あるいは、この内視鏡システムによる診断が所定回数だけ実行される毎に行ってもよい。
【0058】
そして、操作者により操作部62からバッテリ残量の確認指示が入力される、あるいは、本体制御部54により自動的にバッテリ残量の表示を行うためにバッテリ残量の確認指示がなされると、残量検出部57はA/Dコンバータを用いてバッテリ55の残量を検出し、さらに、残量補正部61は、テーブルメモリ59内の補正テーブルを用いて、残量検出部57によるバッテリ残量の検出値に補正を施す。このようにして補正されたバッテリ残量が、本体制御部54および表示制御部52を介してモニタ33に表示される。
【0059】
以上のように、この実施の形態7によれば、履歴メモリ58に格納された使用履歴および温度履歴に基づいて所定の期間毎に補正テーブルを更新し、更新された補正テーブルを用いてバッテリ残量の検出値を補正するので、バッテリ55の残量を正確に把握することができる。
【0060】
実施の形態8
上述した実施の形態7において、図12に示されるように、互いに用途の異なる複数の内視鏡スコープ31a〜31cを用意し、これらの内視鏡スコープ31a〜31cを選択的に使用して診断を行うこともできる。診断の目的、診断部位等に応じて複数の内視鏡スコープ31a〜31cから最適な内視鏡スコープを選択し、選択された内視鏡スコープが内視鏡プロセッサ32に接続される。
このようにして複数の内視鏡スコープ31a〜31cを交換しながら診断を行う場合も、診断毎に、使用した内視鏡スコープの種類、撮像条件等のバッテリ55の経時変化に関係する情報が使用履歴として履歴メモリ58に格納される。
【0061】
この場合、内視鏡スコープ31a〜31cは、それぞれスコープ制御部41に接続されたメモリを有し、このメモリに、内視鏡スコープのID情報を格納すると共に、内視鏡スコープの状態の経時変化情報を記録し蓄積することが好ましい。
使用した内視鏡スコープのメモリからID情報および状態の経時変化情報を内視鏡プロセッサ32が読み取り、これらの情報が、本体制御部54が把握している撮像条件等の情報と共に使用履歴として履歴メモリ58に格納される。
このようにして、複数の内視鏡スコープ31a〜31cを選択的に使用して診断を行っても、バッテリ55の残量を正確に把握することが可能となる。
【0062】
また、上述した実施の形態30超音波診断装置と同様に、予め消費電力が判明している動作モードを実行させて、このときのバッテリ残量の推移をモニタリングすることにより補正テーブルを更新することもできる。この場合、被検体に対する実際の診断に影響を与えないように、深夜等における内視鏡システムのアイドリング時に、予め消費電力が判明している所定の動作モードを実行することが好ましい。
さらに、上述した実施の形態40超音波診断装置と同様に、残量補正部61により補正されたバッテリ残量が所定のしきい値以下にまで低下した場合に、操作者等に対して警告を発したり、自動的にバッテリ55への充電を開始するように構成してもよい。
【0063】
実施の形態9
図13に、実施の形態9に係る内視鏡システムの構成を示す。内視鏡システムは、図9に示した実施の形態5の超音波診断システムと同様に、ネットワークNを有し、ネットワークNに内視鏡システムEが接続されると共にメンテナンスサーバSが接続されている。
内視鏡システムE、内視鏡スコープ31と、この内視鏡スコープ31に接続された内視鏡プロセッサ32aとを備えている。内視鏡プロセッサ32aは、図11に示した実施の形態7における内視鏡プロセッサ32において、履歴メモリ58およびテーブルメモリ59を省略したものであり、本体制御部54を介してネットワークNに接続されている。
メンテナンスサーバSは、内視鏡システムEのメンテナンスを行うもので、履歴メモリ58とテーブルメモリ59を有している。
【0064】
すなわち、この内視鏡システムにおいては、履歴メモリ58およびテーブルメモリ59をメンテナンスサーバSに内蔵し、内視鏡システムEの使用履歴および温度履歴とバッテリ残量補正のための補正テーブルがメンテナンスサーバSで管理される。
内視鏡プロセッサ32a内のバッテリ55の環境温度が温度センサ56により検出され、検出値が本体制御部54からネットワークNを介してメンテナンスサーバS内の履歴メモリ58に入力される。同様に、内視鏡システムEにより診断が行われる毎に、診断に使用した内視鏡スコープ31の種類、撮像条件等のバッテリ55の経時変化に関係する情報が本体制御部54からネットワークNを介してメンテナンスサーバS内の履歴メモリ58に入力される。これにより、履歴メモリ58に、温度履歴と使用履歴が格納され蓄積される。
【0065】
内視鏡プロセッサ32a内のテーブル更新部60は、メンテナンスサーバS内の履歴メモリ58に格納された使用履歴および温度履歴をネットワークNおよび本体制御部54を介して読み出し、バッテリ55の劣化特性を推測して、所定の期間毎に、メンテナンスサーバS内のテーブルメモリ59に格納されている補正テーブルの更新を行う。
そして、バッテリ残量の確認時には、残量補正部61は、メンテナンスサーバS内のテーブルメモリ59に格納されている補正テーブルをネットワークNおよび本体制御部54を介して読み出し、この補正テーブルを用いて、残量検出部57によるバッテリ残量の検出値に補正を施す。
このようにして、バッテリ55の残量を正確に把握することが可能となる。
【0066】
実施の形態10
上記の実施の形態7〜9では、バッテリ55が内視鏡プロセッサ32または32aに内蔵されていたが、図14に示されるように、内視鏡スコープ31d内にバッテリ43を内蔵させることもできる。このバッテリ43により、内視鏡スコープ31d内の電力を必要とする各部に電力が供給される。
【0067】
バッテリ43に対する補正テーブルがテーブルメモリ59に格納され、バッテリ43に関する使用履歴および温度履歴に基づき、あるいは、予め消費電力が判明している動作モードを実行させたときのバッテリ43の残量の推移をモニタリングした結果に基づき、スコープ制御部41がテーブルメモリ59内の補正テーブルを更新する。バッテリ43の残量の確認時に、スコープ制御部41がバッテリ43の残量を検出すると共にテーブルメモリ59に格納されている補正テーブルを用いてバッテリ残量の補正を行う。
このようにして、内視鏡スコープ31dに内蔵されたバッテリ43の残量を正確に把握することが可能となる。
【0068】
なお、この実施の形態10において、補正テーブルを格納するテーブルメモリ59は、内視鏡プロセッサまたはネットワークNを介して接続されたメンテナンスサーバSに内蔵されていてもよく、あるいは内視鏡スコープ31d内に配置してもよい。
【0069】
上記の実施の形態7〜10において、内視鏡スコープと内視鏡プロセッサとの接続は、有線による接続および無線通信による接続のいずれの形態をとることもできる。無線通信により接続する場合には、実施の形態10のように、内視鏡スコープ31dに電源供給用のバッテリ43を内蔵することが好ましい。
また、図13に示した実施の形態9において、内視鏡プロセッサ32aとメンテナンスサーバSとを有線のネットワークNにより接続したが、無線接続であってもよい。
【符号の説明】
【0070】
1,1a,1b,1c,1d 超音波プローブ、2,2a,2b,2c 超音波装置本体、3 アレイトランスデューサ、4 送信回路、5 受信回路、6 プローブ制御部、7 メモリ、8,15,43,55 バッテリ、11,51 画像生成部、12,52 表示制御部、13 表示部、14,54 本体制御部、16,56 温度センサ、17,57 残量検出部、18,58 履歴メモリ、19,59 テーブルメモリ、20,20a,60 テーブル更新部、21,61 残量補正部、22,62 操作部、23,63 格納部、24 警告部、31,31a,31b,31c,31d 内視鏡スコープ、32,32a 内視鏡プロセッサ、33 モニタ、34 光学レンズ、35 CCDセンサ、36 CDS回路、37 AGC、38 A/Dコンバータ、39 CCD駆動部、40 タイミング制御部、41 スコープ制御部、42 メモリ、U 超音波診断装置、E 内視鏡システム、S メンテナンスサーバ、N ネットワーク。
【技術分野】
【0001】
この発明は、医療機器、医療機器システムおよび医療機器のメンテナンス方法に係り、特に、内蔵バッテリを有する医療機器におけるバッテリ残量の把握に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、医療分野において、超音波画像を利用した超音波診断装置が実用化されている。一般に、この種の超音波診断装置は、超音波プローブのアレイトランスデューサから被検体内に向けて超音波ビームを送信し、被検体からの超音波エコーをアレイトランスデューサで受信して、その受信信号を電気的に処理することにより超音波画像が生成される。
【0003】
また、近年、例えば、特許文献1に開示されているように、ベッドサイドや救急医療現場等に搬送して使用することができる携帯型の超音波診断装置が開発されている。
このような携帯型の超音波診断装置は、電源としてバッテリを内蔵しており、特許文献1の装置では、バッテリ残量の低下に伴うシステムの急激な停止を防止するために、バッテリ残量がしきい値以下になると、動作停止のガイダンスを表示部に表示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−273517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表示部に動作停止のガイダンスを表示することで、操作者は、バッテリ残量の低下を認知し、安全にシステムを停止させることができる。
しかしながら、一般に、バッテリは使用を繰り返すことで、満充電時の飽和容量、放電時の残量低下の傾き等、バッテリ残量の減衰特性が変化することが知られている。このため、バッテリ残量を正確に検出することができずに、まだ十分な残量があると思われる状態から、急激にバッテリ残量がシステムの動作状態を維持し得ないレベルにまで低下する場合がある。従って、特許文献1のように、動作停止のガイダンスを表示しても、システム停止の準備が完了する前に停止してしまうおそれがある。
また、超音波診断装置以外にも、内視鏡スコープを被検体の体内に挿入して観察画像を生成するバッテリ駆動型の内視鏡システムがあり、このような内視鏡システムにおいても、同様に、バッテリ残量を正確に検出することができないと、不具合を生じることとなる。
【0006】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、内蔵バッテリの残量を正確に把握することができる医療機器、医療機器システムおよび医療機器のメンテナンス方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る医療機器は、生体情報センシング部によりセンシングされた被検体の生体情報を機器本体で演算処理するバッテリ駆動型の医療機器であって、内蔵バッテリと、内蔵バッテリのバッテリ残量を検出する残量検出部と、残量検出部により検出されたバッテリ残量を補正するための補正テーブルを格納するテーブルメモリと、所定の期間毎にテーブルメモリ内の補正テーブルを更新するテーブル更新部と、残量検出部により検出されたバッテリ残量をテーブル更新部により更新された補正テーブルを用いて補正する残量補正部とを備えたものである。
【0008】
医療機器の使用履歴および温度履歴を格納する履歴メモリをさらに備え、テーブル更新部は、履歴メモリに格納された使用履歴、温度履歴に基づいてテーブルメモリ内の補正テーブルを更新することが好ましい。この場合、それぞれID情報および状態の経時変化情報が記録された記憶部を有する複数の生体情報センシング部を選択的に機器本体に接続して使用し、使用した生体情報センシング部の記憶部から使用した生体情報センシング部の種類および実行した撮像モードが読み取られて使用履歴として履歴メモリに格納されるように構成してもよい。
あるいは、テーブル更新部は、予め消費電力が判明している動作モードを実行させて、残量検出部によりバッテリ残量の推移をモニタリングすることにより補正テーブルを更新することもできる。この場合、テーブル更新部は、医療機器のアイドリング中に予め消費電力が判明している動作モードを実行させてもよい。
さらに、残量補正部により補正されたバッテリ残量が所定のしきい値以下にまで低下した場合に警告を発する警告部を備えることが好ましい。
【0009】
生体情報センシング部として、被検体の体内に向けて超音波の送受信を行うための超音波プローブを用い、機器本体として、超音波プローブで得られた受信信号を演算処理して超音波画像を生成する超音波装置本体を用いることができる。あるいは、生体情報センシング部として、被検体の体内を撮像するための内視鏡スコープを用い、機器本体として、内視鏡スコープで得られた撮像信号を演算処理して観察画像を生成する内視鏡プロセッサを用いることもできる。
【0010】
この発明に係る医療機器システムは、生体情報センシング部によりセンシングされた被検体の生体情報を機器本体で演算処理するバッテリ駆動型の医療機器と、医療機器が接続されたネットワークと、ネットワークに接続されたメンテナンスサーバとを備え、医療機器は、内蔵バッテリと、内蔵バッテリのバッテリ残量を検出する残量検出部と、所定の期間毎に残量検出部により検出されたバッテリ残量を補正するための補正テーブルを更新するテーブル更新部と、残量検出部により検出されたバッテリ残量をテーブル更新部により更新された補正テーブルを用いて補正する残量補正部とを含み、メンテナンスサーバは、補正テーブルを格納するテーブルメモリを有するものである。
【0011】
さらに、この発明に係る医療機器のメンテナンス方法は、生体情報センシング部によりセンシングされた被検体の生体情報を機器本体で演算処理するバッテリ駆動型の医療機器のメンテナンス方法であって、検出された内蔵バッテリのバッテリ残量を補正するための補正テーブルを所定の期間毎に更新し、内蔵バッテリのバッテリ残量を検出し、更新された補正テーブルを用いて検出されたバッテリ残量を補正する方法である。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、検出されたバッテリ残量を補正するための補正テーブルを所定の期間毎に更新し、内蔵バッテリのバッテリ残量を検出し、更新された補正テーブルを用いて検出されたバッテリ残量を補正するので、内蔵バッテリの残量を正確に把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。
【図2】温度とバッテリの劣化率比との関係を示すグラフである。
【図3】(A)は大電流放電の場合の放電可能なエネルギー量と出力との関係を示すグラフ、(B)はバッテリセルに最適化された放電電流の場合の放電可能なエネルギー量と出力との関係を示すグラフである。
【図4】(A)は放電深度とバッテリの劣化率との関係を示すグラフ、(B)は放電深度の違いに応じた放電可能なエネルギー量と出力との関係を示すグラフである。
【図5】実施の形態2に係る超音波診断装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【図6】実施の形態2に係る超音波診断装置で用いられた超音波プローブの構成を示すブロック図である。
【図7】実施の形態3に係る超音波診断装置で用いられた超音波装置本体の構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態4に係る超音波診断装置で用いられた超音波装置本体の構成を示すブロック図である。
【図9】実施の形態5に係る超音波診断システムの構成を示すブロック図である。
【図10】実施の形態6に係る超音波診断装置で用いられた超音波プローブの構成を示すブロック図である。
【図11】実施の形態7に係る内視鏡システムの構成を示すブロック図である。
【図12】実施の形態8に係る内視鏡システムの構成を示すブロック図である。
【図13】実施の形態9に係る内視鏡システムの構成を示すブロック図である。
【図14】実施の形態10に係る内視鏡システムで用いられた内視鏡スコープの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に、実施の形態1に係る超音波診断装置の構成を示す。超音波診断装置は、超音波プローブ1と、この超音波プローブ1に接続された超音波装置本体2とを備えている。
超音波プローブ1は、アレイトランスデューサ3を有しており、このアレイトランスデューサ3に送信回路4および受信回路5がそれぞれ接続され、送信回路4および受信回路5にプローブ制御部6が接続されている。
【0015】
超音波装置本体2は、超音波プローブ1の受信回路5に接続された画像生成部11を有し、この画像生成部11に表示制御部12および表示部13が順次接続されている。画像生成部11および表示制御部12に本体制御部14が接続されている。
また、超音波装置本体2にバッテリ15が内蔵されており、バッテリ15の近傍に温度センサ16が配置されると共にバッテリ15に残量検出部17が接続されている。さらに、超音波装置本体2は、履歴メモリ18とテーブルメモリ19を有し、これら履歴メモリ18およびテーブルメモリ19にテーブル更新部20が接続され、残量検出部17とテーブルメモリ19に残量補正部21が接続されている。そして、温度センサ16、残量検出部17、履歴メモリ18、テーブル更新部20および残量補正部21に本体制御部14が接続されている。
さらに、本体制御部14に、操作部22および格納部23がそれぞれ接続されている。
また、超音波プローブ1のプローブ制御部6と超音波装置本体2の本体制御部14が互いに接続されている。
【0016】
超音波プローブ1のアレイトランスデューサ3は、1次元又は2次元のアレイ状に配列された複数の超音波トランスデューサを有している。これら複数の超音波トランスデューサは、それぞれ送信回路4から供給される駆動信号に従って超音波を送信すると共に被検体からの超音波エコーを受信して受信信号を出力する。各超音波トランスデューサは、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミックや、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電素子、PMN−PT(マグネシウムニオブ酸・チタン酸鉛固溶体)に代表される圧電単結晶等からなる圧電体の両端に電極を形成した振動子によって構成される。
【0017】
そのような振動子の電極に、パルス状又は連続波の電圧を印加すると、圧電体が伸縮し、それぞれの振動子からパルス状又は連続波の超音波が発生して、それらの超音波の合成により超音波ビームが形成される。また、それぞれの振動子は、伝搬する超音波を受信することにより伸縮して電気信号を発生し、それらの電気信号は、超音波の受信信号として出力される。
【0018】
送信回路4は、例えば、複数のトランスミッタを含んでおり、プローブ制御部6からの制御信号に応じて選択された送信遅延パターンに基づいて、アレイトランスデューサ3の複数の超音波トランスデューサから送信される超音波が超音波ビームを形成するようにそれぞれの駆動信号の遅延量を調節して複数の超音波トランスデューサに供給する。
受信回路5は、アレイトランスデューサ3の各超音波トランスデューサから送信される受信信号を増幅してA/D変換した後、プローブ制御部6からの制御信号に応じて選択された受信遅延パターンに基づいて設定される音速または音速の分布に従い、各受信信号にそれぞれの遅延を与えて加算することにより、受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理により、超音波エコーの焦点が絞り込まれた受信データ(音線信号)が生成される。
プローブ制御部6は、超音波装置本体2の本体制御部14から伝送される各種の制御信号に基づいて、超音波プローブ1の各部の制御を行う。
【0019】
超音波装置本体2の画像生成部11は、超音波プローブ1の受信回路5で生成された受信データに対し、超音波の反射位置の深度に応じて距離による減衰の補正を施した後、包絡線検波処理を施すことにより、被検体内の組織に関する断層画像情報であるBモード画像信号を生成した後、ラスター変換すると共に、階調処理等の各種の必要な画像処理を施して表示制御部12に出力する。
表示制御部12は、画像生成部11から入力されたBモード画像信号に基づいて、表示部13に超音波診断画像を表示させる。
表示部13は、例えば、LCD等のディスプレイ装置を含んでおり、表示制御部12の制御の下で、超音波診断画像を表示する。
【0020】
バッテリ15は、この超音波診断装置の駆動電源として機能し、超音波装置本体2内の電力を必要とする各部および超音波プローブ1内の電力を必要とする各部に電力を供給する。
温度センサ16は、バッテリ15周辺の温度を検出する。
残量検出部17は、A/Dコンバータを用いてバッテリ15の残量を検出する。
履歴メモリ18は、この超音波診断装置における使用履歴および温度履歴を格納する。使用履歴には、診断に使用した超音波プローブ1の種類、実行した撮像モード、放電深度等のバッテリ15の経時変化に関係する情報が含まれる。温度履歴は、バッテリ15の環境温度の経時変化情報を含んでいる。
テーブルメモリ19は、残量検出部17により検出されたバッテリ15の残量を補正するための補正テーブルを格納している。
テーブル更新部20は、履歴メモリ18に格納された使用履歴および温度履歴に基づいて、所定の期間毎にテーブルメモリ19内の補正テーブルを更新する。
残量補正部21は、テーブルメモリ19内の補正テーブルを用いて、残量検出部17で検出されたバッテリ15の残量に対して補正を施す。
【0021】
また、操作部22は、操作者が入力操作を行うための各種の操作ボタンを有している。
格納部23は、動作プログラム等を格納するもので、ハードディスク、フレキシブルディスク、MO、MT、RAM、CD−ROM、DVD−ROM、SDカード、CFカード、USBメモリ等の記録メディア、またはサーバ等を用いることができる。
本体制御部14は、操作者により操作部22から入力された各種の指令信号等に基づいて、超音波装置本体2内の各部の制御を行う。
なお、画像生成部11、表示制御部14、テーブル更新部20および残量補正部21は、CPUと、CPUに各種の処理を行わせるための動作プログラムから構成されるが、それらをデジタル回路で構成してもよい。
【0022】
ここで、超音波プローブの種類/動作モードと消費電流の関係について説明する。
例えば、腹部の観察に多く用いられるコンベックス型超音波プローブは、トランスデューサを動的に変化させながら広範囲を深く観察するため、消費電流が大きくなる傾向がある。一方、表在臓器の測定に用いられるリニア型超音波プローブは、観察範囲の狭さから消費電流は比較的小さい。
また、血流等の動的な体組織をモニタリングする場合、Mモード表示を用いて超音波ビーム位置を固定し、リフレッシュレートを上げるのが一般的であるが、より速い変化に追随するため、リフレッシュレートを上昇させると、消費電流は増大する。
さらに、断層像の取得中は定常的に電流を流し続ける必要があり、どの種類の超音波プローブをどの撮像モードを主として使用したかにより、消費電流が大きく変化する。
【0023】
このように、超音波診断に要求される、
(1)超音波ビームの照射角(角度が広いと電流増大)
(2)観察対象の表皮からの深さ(広範囲をトランスデューサの動的スイッチングにより走査すると電流増大)
(3)要求リフレッシュレート
等により消費電流は変化する。
また、超音波プローブのアレイトランスデューサに接続される送信回路内のトランスミッタの数の増減と消費電力の増減は正の相関がある。
【0024】
次に、バッテリ残量の減衰特性について説明する。
図2に、温度に対するリチウムイオン電池の劣化の関係を示す。図2において、横軸は、電池の環境温度を示し、縦軸は、温度25℃で且つ放電深度100%での容量劣化率を1としたときの各温度での劣化率の比を示している。温度により劣化率比が変化することがわかる。
バッテリの劣化が進むと、放電可能なエネルギー量および出力が低下するが、放電電流の大きさに応じて劣化の進み方が変化する。リチウムイオン電池において、大電流放電を行った場合の放電可能なエネルギー量と出力との関係を図3(A)に、バッテリセルに最適化された放電電流の場合の放電可能なエネルギー量と出力との関係を図3(B)にそれぞれ示す。放電を繰り返すと、大電流放電の場合は、劣化が早く、バッテリセルに最適化された放電電流の場合は、劣化の速度が小さくなることがわかる。
【0025】
また、リチウムイオン電池における、放電深度とバッテリの劣化率との関係を図4(A)に示す。深度が浅い地点と深い地点で劣化率が大きく、中程度の深度では、劣化率が小さく抑えられていることがわかる。このため、図4(B)に示されるように、深度が浅い地点または深度が深い地点でのサイクルを100回繰り返したときの放電可能なエネルギー量と出力は、深度が中程度の地点でのサイクルを100回繰り返したときの放電可能なエネルギー量と出力に比べて低下している。
なお、上述した図2〜4は、いずれもリチウムイオン電池の劣化特性を示すものであるが、バッテリの種類によって劣化特性は異なる。例えば、ニッカド電池は大電流放電しても劣化しにくいが、リチウムイオン電池は電池容量や出力レベルが劣化する、という違いがある。
【0026】
このように、バッテリの劣化特性は、バッテリの環境温度、放電電流の大きさ、放電深度等に応じて変化する。そこで、この実施の形態1においては、超音波プローブ1の種類、撮像モード、放電深度等のバッテリ15の経時変化に関係する情報を含む使用履歴とバッテリ15の環境温度の経時変化情報を含む温度履歴を履歴メモリ19に格納し、これら使用履歴および温度履歴に基づいてバッテリ15の残量を補正するための補正テーブルを更新し、更新された補正テーブルを用いてバッテリ15の残量を補正することにより、バッテリ残量の正確な把握を可能としている。
【0027】
次に、実施の形態1の動作を説明する。
まず、バッテリ15からの電力供給を受けて超音波装置本体2および超音波プローブ1の各部が駆動し、超音波プローブ1の送信回路4からの駆動信号に従って、アレイトランスデューサ3の複数の超音波トランスデューサから順次超音波ビームが送信され、各超音波トランスデューサで受信された受信信号が順次受信回路5に出力されて受信データが生成される。これらの受信データに基づいて超音波装置本体2の画像生成部11で画像信号が生成され、さらに、画像信号に基づいて表示制御部12により超音波画像が表示部13に表示される。
【0028】
このようにして超音波画像が表示され、診断が行われるが、バッテリ15の環境温度が温度センサ16により検出され、検出値が本体制御部14を介して履歴メモリ18に入力されることで、履歴メモリ18にバッテリ15の環境温度の経時変化情報が温度履歴として格納され蓄積される。
また、診断が行われる毎に、診断に使用した超音波プローブ1の種類、実行した撮像モード、放電深度等のバッテリ15の経時変化に関係する情報が使用履歴として本体制御部14から履歴メモリ18に入力され、履歴メモリ18に使用履歴が格納され蓄積される。
【0029】
履歴メモリ18に格納されたこれらの使用履歴および温度履歴に基づき、テーブル更新部20は、現在のバッテリ15の劣化特性を推測し、推測された劣化特性に合わせて、所定の期間毎にテーブルメモリ19内に格納されている補正テーブルの更新を行う。このテーブル更新部20による補正テーブルの更新は、予め設定された一定時間が経過する毎に行ってもよく、あるいは、この超音波診断装置による診断が所定回数だけ実行される毎に行ってもよい。
【0030】
そして、操作者により操作部22からバッテリ残量の確認指示が入力される、あるいは、本体制御部14により自動的にバッテリ残量の表示を行うためにバッテリ残量の確認指示がなされると、残量検出部17はA/Dコンバータを用いてバッテリ15の残量を検出し、さらに、残量補正部21は、テーブルメモリ19内の補正テーブルを用いて、残量検出部17によるバッテリ残量の検出値に補正を施す。このようにして補正されたバッテリ残量が、本体制御部14および表示制御部12を介して表示部13に表示される。
【0031】
以上のように、この実施の形態1によれば、履歴メモリ18に格納された使用履歴および温度履歴に基づいて所定の期間毎に補正テーブルを更新し、更新された補正テーブルを用いてバッテリ残量の検出値を補正するので、バッテリ15の残量を正確に把握することができる。
【0032】
実施の形態2
上述した実施の形態1において、図5に示されるように、互いに用途の異なる複数の超音波プローブ1a〜1cを用意し、これらの超音波プローブ1a〜1cを選択的に使用して診断を行うこともできる。診断の目的、診断部位等に応じて複数の超音波プローブ1a〜1cから最適な超音波プローブを選択し、選択された超音波プローブが超音波装置本体2に接続される。
このようにして複数の超音波プローブ1a〜1cを交換しながら診断を行う場合も、診断毎に、使用した超音波プローブの種類、実行した撮像モード、放電深度等のバッテリ15の経時変化に関係する情報が使用履歴として履歴メモリ18に格納される。
【0033】
この場合、図6に示されるように、超音波プローブ1a〜1cは、それぞれプローブ制御部6に接続されたメモリ7を有し、このメモリ7に、超音波プローブのID情報を格納すると共に、超音波プローブの状態の経時変化情報を記録し蓄積することが好ましい。
使用した超音波プローブのメモリ7からID情報および状態の経時変化情報を超音波装置本体2が読み取り、これらの情報が、本体制御部14が把握している撮像モード、放電深度等の情報と共に使用履歴として履歴メモリ18に格納される。
このようにして、複数の超音波プローブ1a〜1cを選択的に使用して診断を行っても、バッテリ15の残量を正確に把握することが可能となる。
【0034】
実施の形態3
実施の形態1および2では、テーブル更新部20が、履歴メモリ18に格納されている使用履歴および温度履歴に基づいて補正テーブルを更新したが、これに限るものではない。例えば、予め消費電力が判明している動作モードを実行させて、このときのバッテリ残量の推移をモニタリングすることにより補正テーブルを更新することもできる。
図7に、実施の形態3に係る超音波診断装置で用いられた超音波装置本体2aの構成を示す。この超音波装置本体2aは、図1に示した実施の形態1における超音波装置本体2において、履歴メモリ18を省略すると共にテーブル更新部20の代わりにテーブル更新部20aを本体制御部14とテーブルメモリ19に接続したものである。
【0035】
テーブル更新部20aは、バッテリ15の劣化特性を推測するために、被検体に対する診断とは別に、本体制御部14を介して、予め消費電力が判明している所定の動作モードを実行させ、このとき残量検出部17で検出されたバッテリ15の残量の推移をモニタリングする。さらに、テーブル更新部20aは、モニタリングの結果からバッテリ15の劣化特性を推測し、推測された劣化特性に合わせて、テーブルメモリ19内に格納されている補正テーブルの更新を行う。
このような構成としても、実施の形態1および2と同様に、バッテリ15の残量を正確に把握することが可能となる。
なお、操作者が設定した一定の期間毎にメンテナンスモードが起動するように構成し、このメンテナンスモードにおいて、予め消費電力が判明している所定の動作モードを実行することができる。ただし、被検体に対する実際の診断に影響を与えないように、深夜等における超音波診断装置のアイドリング時に、予め消費電力が判明している所定の動作モードを実行することが好ましい。
【0036】
実施の形態4
図8に、実施の形態4に係る超音波診断装置で用いられた超音波装置本体2bの構成を示す。この超音波装置本体2bは、図1に示した実施の形態1における超音波装置本体2において、本体制御部14に警告部24を接続したものであり、他の構成は超音波装置本体2と同様である。
警告部24は、残量補正部21により補正されたバッテリ残量が所定のしきい値以下にまで低下した場合に操作者等に対して警告を発する。警告は、表示制御部12を介して表示部13に視覚的に表示するものでもよく、あるいは、警告音等の音により通知するものでもよい。
【0037】
このようにすれば、診断中における電源供給停止の事態を未然に防止することができる。例えば、1回の診断に必要なバッテリ残量をしきい値として、それ以下にバッテリ残量が低下したときに警告を発することもできる。
さらに、バッテリ残量が所定のしきい値以下にまで低下した場合に、警告を発するだけでなく、自動的にバッテリ15への充電を開始するように構成してもよい。
なお、同様にして、実施の形態2および3の超音波診断装置に警告部24を具備することもできる。
【0038】
実施の形態5
図9に、実施の形態5に係る超音波診断システムの構成を示す。超音波診断システムは、ネットワークNを有し、ネットワークNに超音波診断装置Uが接続されると共にメンテナンスサーバSが接続されている。
超音波診断装置Uは、超音波プローブ1と、この超音波プローブ1に接続された超音波装置本体2cとを備えている。超音波装置本体2cは、図1に示した実施の形態1における超音波装置本体2において、履歴メモリ18およびテーブルメモリ19を省略したものであり、本体制御部14を介してネットワークNに接続されている。
メンテナンスサーバSは、超音波診断装置Uのメンテナンスを行うもので、履歴メモリ18とテーブルメモリ19を有している。
【0039】
すなわち、この超音波診断システムにおいては、履歴メモリ18およびテーブルメモリ19をメンテナンスサーバSに内蔵し、超音波診断装置Uの使用履歴および温度履歴とバッテリ残量補正のための補正テーブルがメンテナンスサーバSで管理される。
超音波装置本体2c内のバッテリ15の環境温度が温度センサ16により検出され、検出値が本体制御部14からネットワークNを介してメンテナンスサーバS内の履歴メモリ18に入力される。同様に、超音波診断装置Uにより診断が行われる毎に、診断に使用した超音波プローブ1の種類、実行した撮像モード、放電深度等のバッテリ15の経時変化に関係する情報が本体制御部14からネットワークNを介してメンテナンスサーバS内の履歴メモリ18に入力される。これにより、履歴メモリ18に、温度履歴と使用履歴が格納され蓄積される。
【0040】
超音波装置本体2c内のテーブル更新部20は、メンテナンスサーバS内の履歴メモリ18に格納された使用履歴および温度履歴をネットワークNおよび本体制御部14を介して読み出し、バッテリ15の劣化特性を推測して、所定の期間毎に、メンテナンスサーバS内のテーブルメモリ19に格納されている補正テーブルの更新を行う。
そして、バッテリ残量の確認時には、残量補正部21は、メンテナンスサーバS内のテーブルメモリ19に格納されている補正テーブルをネットワークNおよび本体制御部14を介して読み出し、この補正テーブルを用いて、残量検出部17によるバッテリ残量の検出値に補正を施す。
このようにして、実施の形態1〜4と同様に、バッテリ15の残量を正確に把握することが可能となる。
【0041】
なお、上述した実施の形態2のように、複数の超音波プローブを選択的に超音波装置本体2cに接続して診断を行うこともできる。また、実施の形態3のように、予め消費電力が判明している動作モードを実行させて、このときのバッテリ残量の推移をモニタリングすることにより、テーブル更新部20が補正テーブルを更新することもできる。この場合、メンテナンスサーバS内の履歴メモリ18は不要となる。さらに、実施の形態4のように、超音波装置本体2cに警告部24を具備させて、残量補正部21により補正されたバッテリ残量が所定のしきい値以下にまで低下した場合に警告を発してもよい。
また、ネットワークNに複数の超音波診断装置を接続し、これら複数の超音波診断装置に対する使用履歴および温度履歴と補正テーブルをメンテナンスサーバSで一括して管理することもできる。
【0042】
超音波診断の分野では、診断目的、診断部位等に応じて多様な種類の超音波プローブの開発が進められているが、この実施の形態5のように、ネットワークNを介して超音波診断装置Uに接続されたメンテナンスサーバSに補正テーブルを管理させれば、新規に開発された超音波プローブに対しても、メンテナンスサーバS内の補正テーブルを更新するだけで、対応することが可能となる。
また、バッテリロットが換わった場合でも、ネットワークNを通じて新たな補正テーブルに更新することができる。
超音波診断装置は、流通期間が10年を超えるほど長期に及ぶことが多く、部品更新の頻度が高いことから、本発明の有用性は高いものである。
【0043】
実施の形態6
上記の実施の形態1〜5では、バッテリ15が超音波装置本体2、2a、2bまたは2cに内蔵されていたが、図10に示されるように、超音波プローブ1d内にバッテリ8を内蔵させることもできる。このバッテリ8により、超音波プローブ1d内の電力を必要とする各部に電力が供給される。
【0044】
バッテリ8に対する補正テーブルがテーブルメモリ19に格納され、バッテリ8に関する使用履歴および温度履歴に基づき、あるいは、予め消費電力が判明している動作モードを実行させたときのバッテリ8の残量の推移をモニタリングした結果に基づき、プローブ制御部6がテーブルメモリ19内の補正テーブルを更新する。バッテリ8の残量の確認時に、プローブ制御部6がバッテリ8の残量を検出すると共にテーブルメモリ19に格納されている補正テーブルを用いてバッテリ残量の補正を行う。
このようにして、超音波プローブ1dに内蔵されたバッテリ8の残量を正確に把握することが可能となる。
【0045】
なお、この実施の形態6において、補正テーブルを格納するテーブルメモリ19は、超音波装置本体またはネットワークNを介して接続されたメンテナンスサーバSに内蔵されていてもよく、あるいは超音波プローブ1d内に配置してもよい。
【0046】
上記の実施の形態1〜6において、超音波プローブと超音波装置本体との接続は、有線による接続および無線通信による接続のいずれの形態をとることもできる。無線通信により接続する場合には、実施の形態6のように、超音波プローブ1dに電源供給用のバッテリ8を内蔵することが好ましい。
また、図9に示した実施の形態5において、超音波装置本体2cとメンテナンスサーバSとを有線のネットワークNにより接続したが、無線接続であってもよい。
【0047】
実施の形態7
図11に、実施の形態7に係る内視鏡システムの構成を示す。内視鏡システムは、内視鏡スコープ31と、この内視鏡スコープ31に接続された内視鏡プロセッサ32と、内視鏡プロセッサ32に接続されたモニタ33を備えている。
内視鏡スコープ31は、光学レンズ34を有すると共に、光学レンズ34に光軸を合わせて配置されたCCDセンサ35を有している。CCDセンサ35にCDS回路36およびAGC37を順次介してA/Dコンバータ38が接続されている。また、CCDセンサ35にCCD駆動部39が接続され、CDS回路36およびCCD駆動部39にタイミング制御部40が接続され、タイミング制御部40にスコープ制御部41が接続されている。さらに、スコープ制御部41にメモリ42が接続されている。
【0048】
一方、内視鏡プロセッサ32は、図1に示した実施の形態1における超音波装置本体2と同様の構成を有している。すなわち、内視鏡スコープ31のA/Dコンバータ38に接続された画像生成部51を有し、この画像生成部51に表示制御部52を介してモニタ33が接続されている。画像生成部51および表示制御部52に本体制御部54が接続されている。
また、内視鏡プロセッサ32にバッテリ55が内蔵されており、バッテリ55の近傍に温度センサ56が配置されると共にバッテリ55に残量検出部57が接続されている。さらに、内視鏡プロセッサ32は、履歴メモリ58とテーブルメモリ59を有し、これら履歴メモリ58およびテーブルメモリ59にテーブル更新部60が接続され、残量検出部57とテーブルメモリ59に残量補正部61が接続されている。そして、温度センサ56、残量検出部57、履歴メモリ58、テーブル更新部60および残量補正部61に本体制御部54が接続されている。
さらに、本体制御部54に、操作部62および格納部63がそれぞれ接続されている。
また、内視鏡スコープ31のスコープ制御部41と内視鏡プロセッサ32の本体制御部54が互いに接続されている。
【0049】
内視鏡スコープ31の光学レンズ34は、内視鏡スコープ31が被検体の体内に挿入されたときに、観察部位からの光をCCDセンサ35の受光面上に結像させる。
CCDセンサ35は、受光面上に平面状に配列された複数の受光素子を有し、CCD駆動部39により駆動されて、光学レンズ34により結像された観察部位の撮像信号を出力する。
CDS回路36は、CCDセンサ35から出力されたアナログの撮像信号に対して相関二重サンプリング処理を施すことにより、撮像信号に含まれるノイズ成分を低減する。
AGC37は、撮像信号の振幅が変動した場合に自動的に利得を制御して一定レベルの信号とする。
【0050】
A/Dコンバータ38は、AGC37で一定レベルとされたアナログの撮像信号をデジタル信号に変換して、内視鏡プロセッサ32の画像生成部51に出力する。
タイミング制御部40は、スコープ制御部41からの指令に基づき、CCD駆動部39によるCCDセンサ35の駆動のタイミングを制御すると共に、最適な相関二重サンプリング処理が行われるようにCDS回路36における撮像信号のサンプリングのタイミングを制御する。
スコープ制御部41は、内視鏡プロセッサ32の本体制御部54からの指令を受けて、タイミング制御部40を制御し、また、スコープ情報をメモリ42に格納する。
【0051】
内視鏡プロセッサ32の画像生成部51は、内視鏡スコープ31のA/Dコンバータ38から出力された撮像信号を用いて画像信号を生成し、表示制御部52は、画像生成部51により生成された画像信号に基づいて、モニタ33に観察部位の画像を表示させる。
バッテリ55は、この内視鏡システムの駆動電源として機能し、内視鏡プロセッサ32内の電力を必要とする各部および内視鏡スコープ31内の電力を必要とする各部に電力を供給する。
温度センサ56は、バッテリ55周辺の温度を検出する。
残量検出部57は、A/Dコンバータを用いてバッテリ55の残量を検出する。
【0052】
履歴メモリ58は、この内視鏡システムにおける使用履歴および温度履歴を格納する。使用履歴には、診断に使用した内視鏡スコープ31の種類、撮像条件等のバッテリ55の経時変化に関係する情報が含まれる。温度履歴は、バッテリ55の環境温度の経時変化情報を含んでいる。
テーブルメモリ59は、残量検出部57により検出されたバッテリ55の残量を補正するための補正テーブルを格納している。
テーブル更新部60は、履歴メモリ58に格納された使用履歴および温度履歴に基づいて、所定の期間毎にテーブルメモリ59内の補正テーブルを更新する。
残量補正部61は、テーブルメモリ59内の補正テーブルを用いて、残量検出部57で検出されたバッテリ55の残量に対して補正を施す。
【0053】
また、操作部62は、操作者が入力操作を行うための各種の操作ボタンを有している。
格納部63は、動作プログラム等を格納する。
本体制御部54は、操作者により操作部62から入力された各種の指令信号等に基づいて、内視鏡プロセッサ32内の各部の制御を行う。
【0054】
このような構成の内視鏡システムにおいては、使用する内視鏡スコープ31のCCDセンサ35の受光面積、画素数、内視鏡スコープ31内の各部の回路構成、並びにフレームレート等の撮像条件、等により消費電力が左右される。また、CCDセンサ35の代わりにベイヤー型CMOSセンサ、3層式センサ、その他の撮像素子を使用した内視鏡スコープでは、撮像素子の種類によっても消費電力が変化する。
【0055】
次に、実施の形態7の動作を説明する。
まず、バッテリ55からの電力供給を受けて内視鏡プロセッサ32および内視鏡スコープ31の各部が駆動し、CCDセンサ35から出力された撮像信号がCDS回路36およびAGC37を介してA/Dコンバータに入力されてデジタル信号に変換された後、内視鏡プロセッサ32の画像生成部51に伝送される。この画像生成部51で画像信号が生成され、さらに、画像信号に基づいて表示制御部52により観察画像がモニタ33に表示される。
【0056】
このようにして観察画像が表示され診断が行われるが、バッテリ55の環境温度が温度センサ56により検出され、検出値が本体制御部54を介して履歴メモリ58に入力されることで、履歴メモリ58にバッテリ55の環境温度の経時変化情報が温度履歴として格納され蓄積される。
また、診断が行われる毎に、診断に使用した内視鏡スコープ31の種類、撮像条件等のバッテリ55の経時変化に関係する情報が使用履歴として本体制御部54から履歴メモリ58に入力され、履歴メモリ58に使用履歴が格納され蓄積される。
【0057】
履歴メモリ58に格納されたこれらの使用履歴および温度履歴に基づき、テーブル更新部60は、現在のバッテリ55の劣化特性を推測し、推測された劣化特性に合わせて、所定の期間毎にテーブルメモリ59内に格納されている補正テーブルの更新を行う。このテーブル更新部60による補正テーブルの更新は、予め設定された一定時間が経過する毎に行ってもよく、あるいは、この内視鏡システムによる診断が所定回数だけ実行される毎に行ってもよい。
【0058】
そして、操作者により操作部62からバッテリ残量の確認指示が入力される、あるいは、本体制御部54により自動的にバッテリ残量の表示を行うためにバッテリ残量の確認指示がなされると、残量検出部57はA/Dコンバータを用いてバッテリ55の残量を検出し、さらに、残量補正部61は、テーブルメモリ59内の補正テーブルを用いて、残量検出部57によるバッテリ残量の検出値に補正を施す。このようにして補正されたバッテリ残量が、本体制御部54および表示制御部52を介してモニタ33に表示される。
【0059】
以上のように、この実施の形態7によれば、履歴メモリ58に格納された使用履歴および温度履歴に基づいて所定の期間毎に補正テーブルを更新し、更新された補正テーブルを用いてバッテリ残量の検出値を補正するので、バッテリ55の残量を正確に把握することができる。
【0060】
実施の形態8
上述した実施の形態7において、図12に示されるように、互いに用途の異なる複数の内視鏡スコープ31a〜31cを用意し、これらの内視鏡スコープ31a〜31cを選択的に使用して診断を行うこともできる。診断の目的、診断部位等に応じて複数の内視鏡スコープ31a〜31cから最適な内視鏡スコープを選択し、選択された内視鏡スコープが内視鏡プロセッサ32に接続される。
このようにして複数の内視鏡スコープ31a〜31cを交換しながら診断を行う場合も、診断毎に、使用した内視鏡スコープの種類、撮像条件等のバッテリ55の経時変化に関係する情報が使用履歴として履歴メモリ58に格納される。
【0061】
この場合、内視鏡スコープ31a〜31cは、それぞれスコープ制御部41に接続されたメモリを有し、このメモリに、内視鏡スコープのID情報を格納すると共に、内視鏡スコープの状態の経時変化情報を記録し蓄積することが好ましい。
使用した内視鏡スコープのメモリからID情報および状態の経時変化情報を内視鏡プロセッサ32が読み取り、これらの情報が、本体制御部54が把握している撮像条件等の情報と共に使用履歴として履歴メモリ58に格納される。
このようにして、複数の内視鏡スコープ31a〜31cを選択的に使用して診断を行っても、バッテリ55の残量を正確に把握することが可能となる。
【0062】
また、上述した実施の形態30超音波診断装置と同様に、予め消費電力が判明している動作モードを実行させて、このときのバッテリ残量の推移をモニタリングすることにより補正テーブルを更新することもできる。この場合、被検体に対する実際の診断に影響を与えないように、深夜等における内視鏡システムのアイドリング時に、予め消費電力が判明している所定の動作モードを実行することが好ましい。
さらに、上述した実施の形態40超音波診断装置と同様に、残量補正部61により補正されたバッテリ残量が所定のしきい値以下にまで低下した場合に、操作者等に対して警告を発したり、自動的にバッテリ55への充電を開始するように構成してもよい。
【0063】
実施の形態9
図13に、実施の形態9に係る内視鏡システムの構成を示す。内視鏡システムは、図9に示した実施の形態5の超音波診断システムと同様に、ネットワークNを有し、ネットワークNに内視鏡システムEが接続されると共にメンテナンスサーバSが接続されている。
内視鏡システムE、内視鏡スコープ31と、この内視鏡スコープ31に接続された内視鏡プロセッサ32aとを備えている。内視鏡プロセッサ32aは、図11に示した実施の形態7における内視鏡プロセッサ32において、履歴メモリ58およびテーブルメモリ59を省略したものであり、本体制御部54を介してネットワークNに接続されている。
メンテナンスサーバSは、内視鏡システムEのメンテナンスを行うもので、履歴メモリ58とテーブルメモリ59を有している。
【0064】
すなわち、この内視鏡システムにおいては、履歴メモリ58およびテーブルメモリ59をメンテナンスサーバSに内蔵し、内視鏡システムEの使用履歴および温度履歴とバッテリ残量補正のための補正テーブルがメンテナンスサーバSで管理される。
内視鏡プロセッサ32a内のバッテリ55の環境温度が温度センサ56により検出され、検出値が本体制御部54からネットワークNを介してメンテナンスサーバS内の履歴メモリ58に入力される。同様に、内視鏡システムEにより診断が行われる毎に、診断に使用した内視鏡スコープ31の種類、撮像条件等のバッテリ55の経時変化に関係する情報が本体制御部54からネットワークNを介してメンテナンスサーバS内の履歴メモリ58に入力される。これにより、履歴メモリ58に、温度履歴と使用履歴が格納され蓄積される。
【0065】
内視鏡プロセッサ32a内のテーブル更新部60は、メンテナンスサーバS内の履歴メモリ58に格納された使用履歴および温度履歴をネットワークNおよび本体制御部54を介して読み出し、バッテリ55の劣化特性を推測して、所定の期間毎に、メンテナンスサーバS内のテーブルメモリ59に格納されている補正テーブルの更新を行う。
そして、バッテリ残量の確認時には、残量補正部61は、メンテナンスサーバS内のテーブルメモリ59に格納されている補正テーブルをネットワークNおよび本体制御部54を介して読み出し、この補正テーブルを用いて、残量検出部57によるバッテリ残量の検出値に補正を施す。
このようにして、バッテリ55の残量を正確に把握することが可能となる。
【0066】
実施の形態10
上記の実施の形態7〜9では、バッテリ55が内視鏡プロセッサ32または32aに内蔵されていたが、図14に示されるように、内視鏡スコープ31d内にバッテリ43を内蔵させることもできる。このバッテリ43により、内視鏡スコープ31d内の電力を必要とする各部に電力が供給される。
【0067】
バッテリ43に対する補正テーブルがテーブルメモリ59に格納され、バッテリ43に関する使用履歴および温度履歴に基づき、あるいは、予め消費電力が判明している動作モードを実行させたときのバッテリ43の残量の推移をモニタリングした結果に基づき、スコープ制御部41がテーブルメモリ59内の補正テーブルを更新する。バッテリ43の残量の確認時に、スコープ制御部41がバッテリ43の残量を検出すると共にテーブルメモリ59に格納されている補正テーブルを用いてバッテリ残量の補正を行う。
このようにして、内視鏡スコープ31dに内蔵されたバッテリ43の残量を正確に把握することが可能となる。
【0068】
なお、この実施の形態10において、補正テーブルを格納するテーブルメモリ59は、内視鏡プロセッサまたはネットワークNを介して接続されたメンテナンスサーバSに内蔵されていてもよく、あるいは内視鏡スコープ31d内に配置してもよい。
【0069】
上記の実施の形態7〜10において、内視鏡スコープと内視鏡プロセッサとの接続は、有線による接続および無線通信による接続のいずれの形態をとることもできる。無線通信により接続する場合には、実施の形態10のように、内視鏡スコープ31dに電源供給用のバッテリ43を内蔵することが好ましい。
また、図13に示した実施の形態9において、内視鏡プロセッサ32aとメンテナンスサーバSとを有線のネットワークNにより接続したが、無線接続であってもよい。
【符号の説明】
【0070】
1,1a,1b,1c,1d 超音波プローブ、2,2a,2b,2c 超音波装置本体、3 アレイトランスデューサ、4 送信回路、5 受信回路、6 プローブ制御部、7 メモリ、8,15,43,55 バッテリ、11,51 画像生成部、12,52 表示制御部、13 表示部、14,54 本体制御部、16,56 温度センサ、17,57 残量検出部、18,58 履歴メモリ、19,59 テーブルメモリ、20,20a,60 テーブル更新部、21,61 残量補正部、22,62 操作部、23,63 格納部、24 警告部、31,31a,31b,31c,31d 内視鏡スコープ、32,32a 内視鏡プロセッサ、33 モニタ、34 光学レンズ、35 CCDセンサ、36 CDS回路、37 AGC、38 A/Dコンバータ、39 CCD駆動部、40 タイミング制御部、41 スコープ制御部、42 メモリ、U 超音波診断装置、E 内視鏡システム、S メンテナンスサーバ、N ネットワーク。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報センシング部によりセンシングされた被検体の生体情報を機器本体で演算処理するバッテリ駆動型の医療機器であって、
内蔵バッテリと、
前記内蔵バッテリのバッテリ残量を検出する残量検出部と、
前記残量検出部により検出されたバッテリ残量を補正するための補正テーブルを格納するテーブルメモリと、
所定の期間毎に前記テーブルメモリ内の補正テーブルを更新するテーブル更新部と、
前記残量検出部により検出されたバッテリ残量を前記テーブル更新部により更新された補正テーブルを用いて補正する残量補正部と
を備えたことを特徴とする医療機器。
【請求項2】
前記医療機器の使用履歴および温度履歴を格納する履歴メモリを備え、
前記テーブル更新部は、前記履歴メモリに格納された使用履歴、温度履歴に基づいて前記テーブルメモリ内の補正テーブルを更新する請求項1に記載の医療機器。
【請求項3】
それぞれID情報および状態の経時変化情報が記録された記憶部を有する複数の前記生体情報センシング部を選択的に前記機器本体に接続して使用し、
使用した前記生体情報センシング部の前記記憶部から使用した前記生体情報センシング部の種類および実行した撮像モードが読み取られて前記使用履歴として前記履歴メモリに格納される請求項2に記載の医療機器。
【請求項4】
前記テーブル更新部は、予め消費電力が判明している動作モードを実行させて、前記残量検出部によりバッテリ残量の推移をモニタリングすることにより前記補正テーブルを更新する請求項1に記載の医療機器。
【請求項5】
前記テーブル更新部は、前記医療機器のアイドリング中に予め消費電力が判明している動作モードを実行させる請求項4に記載の医療機器。
【請求項6】
前記残量補正部により補正されたバッテリ残量が所定のしきい値以下にまで低下した場合に警告を発する警告部を備えた請求項1〜5のいずれか一項に記載の医療機器。
【請求項7】
前記生体情報センシング部は、被検体の体内に向けて超音波の送受信を行うための超音波プローブであり、前記機器本体は、前記超音波プローブで得られた受信信号を演算処理して超音波画像を生成する超音波装置本体である請求項1〜6のいずれか一項に記載の医療機器。
【請求項8】
前記生体情報センシング部は、被検体の体内を撮像するための内視鏡スコープであり、前記機器本体は、前記内視鏡スコープで得られた撮像信号を演算処理して観察画像を生成する内視鏡プロセッサである請求項1〜6のいずれか一項に記載の医療機器。
【請求項9】
生体情報センシング部によりセンシングされた被検体の生体情報を機器本体で演算処理するバッテリ駆動型の医療機器と、
前記医療機器が接続されたネットワークと、
前記ネットワークに接続されたメンテナンスサーバと
を備え、
前記医療機器は、
内蔵バッテリと、
前記内蔵バッテリのバッテリ残量を検出する残量検出部と、
所定の期間毎に前記残量検出部により検出されたバッテリ残量を補正するための補正テーブルを更新するテーブル更新部と、
前記残量検出部により検出されたバッテリ残量を前記テーブル更新部により更新された補正テーブルを用いて補正する残量補正部と
を含み、
前記メンテナンスサーバは、前記補正テーブルを格納するテーブルメモリを有することを特徴とする医療機器システム。
【請求項10】
生体情報センシング部によりセンシングされた被検体の生体情報を機器本体で演算処理するバッテリ駆動型の医療機器のメンテナンス方法であって、
検出された内蔵バッテリのバッテリ残量を補正するための補正テーブルを所定の期間毎に更新し、
前記内蔵バッテリのバッテリ残量を検出し、
更新された補正テーブルを用いて検出されたバッテリ残量を補正する
ことを特徴とする医療機器のメンテナンス方法。
【請求項1】
生体情報センシング部によりセンシングされた被検体の生体情報を機器本体で演算処理するバッテリ駆動型の医療機器であって、
内蔵バッテリと、
前記内蔵バッテリのバッテリ残量を検出する残量検出部と、
前記残量検出部により検出されたバッテリ残量を補正するための補正テーブルを格納するテーブルメモリと、
所定の期間毎に前記テーブルメモリ内の補正テーブルを更新するテーブル更新部と、
前記残量検出部により検出されたバッテリ残量を前記テーブル更新部により更新された補正テーブルを用いて補正する残量補正部と
を備えたことを特徴とする医療機器。
【請求項2】
前記医療機器の使用履歴および温度履歴を格納する履歴メモリを備え、
前記テーブル更新部は、前記履歴メモリに格納された使用履歴、温度履歴に基づいて前記テーブルメモリ内の補正テーブルを更新する請求項1に記載の医療機器。
【請求項3】
それぞれID情報および状態の経時変化情報が記録された記憶部を有する複数の前記生体情報センシング部を選択的に前記機器本体に接続して使用し、
使用した前記生体情報センシング部の前記記憶部から使用した前記生体情報センシング部の種類および実行した撮像モードが読み取られて前記使用履歴として前記履歴メモリに格納される請求項2に記載の医療機器。
【請求項4】
前記テーブル更新部は、予め消費電力が判明している動作モードを実行させて、前記残量検出部によりバッテリ残量の推移をモニタリングすることにより前記補正テーブルを更新する請求項1に記載の医療機器。
【請求項5】
前記テーブル更新部は、前記医療機器のアイドリング中に予め消費電力が判明している動作モードを実行させる請求項4に記載の医療機器。
【請求項6】
前記残量補正部により補正されたバッテリ残量が所定のしきい値以下にまで低下した場合に警告を発する警告部を備えた請求項1〜5のいずれか一項に記載の医療機器。
【請求項7】
前記生体情報センシング部は、被検体の体内に向けて超音波の送受信を行うための超音波プローブであり、前記機器本体は、前記超音波プローブで得られた受信信号を演算処理して超音波画像を生成する超音波装置本体である請求項1〜6のいずれか一項に記載の医療機器。
【請求項8】
前記生体情報センシング部は、被検体の体内を撮像するための内視鏡スコープであり、前記機器本体は、前記内視鏡スコープで得られた撮像信号を演算処理して観察画像を生成する内視鏡プロセッサである請求項1〜6のいずれか一項に記載の医療機器。
【請求項9】
生体情報センシング部によりセンシングされた被検体の生体情報を機器本体で演算処理するバッテリ駆動型の医療機器と、
前記医療機器が接続されたネットワークと、
前記ネットワークに接続されたメンテナンスサーバと
を備え、
前記医療機器は、
内蔵バッテリと、
前記内蔵バッテリのバッテリ残量を検出する残量検出部と、
所定の期間毎に前記残量検出部により検出されたバッテリ残量を補正するための補正テーブルを更新するテーブル更新部と、
前記残量検出部により検出されたバッテリ残量を前記テーブル更新部により更新された補正テーブルを用いて補正する残量補正部と
を含み、
前記メンテナンスサーバは、前記補正テーブルを格納するテーブルメモリを有することを特徴とする医療機器システム。
【請求項10】
生体情報センシング部によりセンシングされた被検体の生体情報を機器本体で演算処理するバッテリ駆動型の医療機器のメンテナンス方法であって、
検出された内蔵バッテリのバッテリ残量を補正するための補正テーブルを所定の期間毎に更新し、
前記内蔵バッテリのバッテリ残量を検出し、
更新された補正テーブルを用いて検出されたバッテリ残量を補正する
ことを特徴とする医療機器のメンテナンス方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−94318(P2013−94318A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238270(P2011−238270)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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