説明

医療機器管理システム及び医療機器管理方法

【課題】一の医療機関が所有する医療機器に関する情報(例えば安全性情報)だけを収集、管理し、当該医療機関における医療機器の安全管理を効率よく行えるようにする。
【解決手段】医療機関が所有する医療機器の安全性情報を取得する際、安全性情報の送信要求に当該医療機関が所有する医療機器の情報を加えて送信する。送信先では、医療機関共通で通知される医療機器の安全性情報から、送信要求元の医療機関が所有している該当医療機器のみの安全性情報を抽出し、抽出した安全性情報を送信要求元に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機関が所有する医療機器に対する安全管理を支援する医療機器管理システム及び医療機器管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療法の一部改正により、医療機器の安全確保のため医療機関に医療機器安全管理責任者の配置が義務づけられた。医療機器安全管理責任者の業務は、(1)医療機器の情報収集、安全使用のための改善方策、(2)医療機器保守点検計画の作成及び保守点検、(3)従業者に対する医療機器の安全使用のための研修を行うことである。医療機器安全管理責任者は、行政または医療機器製造業者が発信する医療機器に関する情報(以下、「安全性情報」という)の収集を通じてこれらの業務を遂行し、安全管理に努める。以下、このような医療機器の安全管理に必要な情報を提供する機関を「情報提供機関」と称する。
【0003】
医療機関における医療機器の安全管理は、日々のメンテナンス管理、従業者の研修管理、医療機器の安全性情報収集など、多くの手間や時間を要するため、これらの情報収集、管理を効率的に行うことが課題となっている。そのような背景のもと、医療機関では独自に作成したソフトウェアを用いて医療機器のメンテナンス情報を管理したり、医療機器販売業者から購入したソフトウェアを利用したり、インターネットを利用して医療機器製造業者からメンテナンス情報の提供を受けたり、IT技術を積極的に取り入れて管理している。
【0004】
例えば特許文献1には、ME機器の情報をセクションにわたって一元的に管理し、その情報を共有することによって、ME機器をセクション間で有効に活用できるようにするためのME機器管理システムが記載されている。また、特許文献2には、ME機器のメンテナンス、修理履歴データが共有でき、全体管理が容易なME機器の管理・修理システムについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−154195号公報
【特許文献2】特開2002−83076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のME機器管理システムは、一つの医療機関内での情報の共有や、一医療機関と医療機器製造業者間でメンテナンス情報の共有が図られていたが、医療法改正で義務づけられた医療機器の安全管理は、安全性情報の収集や管理に多くの手間や時間を要する。そのため、一つの医療機関だけの努力だけでは安全管理の遂行を支えきれない状況となっている。
【0007】
本発明は、上記の状況に鑑み、一の医療機関が所有する医療機器に関する情報(例えば安全性情報)だけを収集、管理し、当該医療機関における医療機器の安全管理を効率よく行えるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、医療機関共通データ管理装置と、医療機関ごとに対応づけられている医療機関個別データ管理装置から構成される医療機器管理システムにおいて、
前記医療機関共通データ管理装置は、
各医療機関が所有する医療機器の情報を蓄積する医療機器共通データベースと、前記医療機器共通データベースに蓄積される医療機器の情報を管理する医療機器共通データ管理部と、外部から通知される医療機器の安全性情報を蓄積する安全性情報データベースと、前記安全性情報データベースに蓄積される安全性情報を管理する安全性情報データ管理部と、を備え、
前記医療機関個別データ管理装置は、
前記医療機関が所有する医療機器の情報を蓄積する医療機器個別データベースと、前記医療機器個別データベースに蓄積される医療機器の情報を管理する医療機器個別データ管理部と、を備え、
前記医療機関個別データ管理装置は、前記医療機器個別データベースに蓄積されている医療機器の情報とともに当該医療機器の安全性情報の取得要求を前記医療機関共通データ管理装置へ送信し、前記医療機関共通データ管理装置は、前記医療機関個別データ管理装置から前記医療機器の安全性情報の送信要求を受信したとき、送信要求に付加された医療機器の情報が示す医療機器を対象とする安全性情報が安全性情報データベースに存在するかどうか判定し、前記安全性情報データベースに該当する安全性情報が存在する場合、該当安全性情報を前記医療機関個別データ管理装置へ送信し、前記医療機関個別データ管理装置は、前記医療機関共通データ管理装置から受信した前記安全性情報を出力装置へ出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、医療機関が所有する医療機器に関する情報(例えば安全性情報)など、当該医療機関における医療機器の安全管理に関わる情報を迅速に収集し、効率的に管理できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る医療機器管理システムの概要を示すブロック図である。
【図2】安全性情報に必須な情報を説明する図である。
【図3】管理対象となる安全性情報の種類を説明する図である。
【図4】安全性情報配信用データベースの構築を説明する図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る医療機器管理システムの照合処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る医療機器管理システムを説明するためのブロック図である。
【図7】コンピュータの構成例を示すブロック図である。
【図8】安全管理支援アラートの設定例を示す図である。
【図9】安全管理支援アラートを出力する処理を示すフローチャートである。
【図10】安全管理支援アラートを表示する画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態の例について、添付図面を参照しながら説明する。説明は下記の順序で行う。なお、各図において共通の部分には、同一の符号を付して重複する説明を割愛もしくは簡略化する。
1.第1の実施の形態(概要:安全性情報を収集、管理する例)
2.第2の実施の形態(具体例:安全性、保守及び研修に関する情報を管理する例)
【0012】
<1.第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態(以下、「本例」ということもある)に係る医療機器管理システムの概要を示すブロック図である。図1の例では、安全性情報の収集、管理について示しているが、保守及び研修に関する情報の収集、管理についても情報の流れは同様である。
【0013】
図1において、医療機器管理システムは、配信用安全性情報を生成する要素と、安全性情報を維持管理するための基盤の要素と、医療機器に関する情報を維持管理する要素から構成され、要素間はデータ通信可能に接続されている。
【0014】
医療機器に関する情報を維持管理する要素では、医療機器の製造業者及び販売業者(製販業者1)が、医療機器のバーコード(BC)表示とデータベース(DB)への登録を行う。具体的には、医療機器に関する情報は、安全性情報を維持管理するための基盤に設けられた医療機器データベース11に登録され、特定保守管理医療機器ほかの登録が推進される。医療機器データベース11は医療機関で共通の病院共通サーバ12と接続しており、同期がとられている。
【0015】
安全性情報を維持管理するための基盤には、医療機関ごとに病院個別サーバ15が用意されている。病院個別サーバ15は、配信用安全性情報を生成する要素から該当する医療機関が所有する医療機器に対する安全性情報を閲覧及び受信し、受信した安全性情報を当該病院個別サーバ15に対応して設けられた個別機器データベース16に登録する。個別機器データベース16に登録された各医療機関の安全性情報は、安全性情報配信用データベース13に送られ、医療機関別に安全性情報配信用データベース13で共通管理される。契約病院4から新規の安全性情報の配信要求があった場合、病院個別サーバ15は、安全性情報配信用データベース13に登録されている安全性情報をもとに、契約病院4が所有する医療機器の安全性情報を抽出し、電気通信回線を通じて契約病院4へ送信する。
【0016】
配信用安全性情報を生成する要素では、まず行政(又は医療機器製造業者)から医療機器の安全性情報21を取得する。安全性情報21は、情報提供機関を利用した自動受信情報21aと自発検索情報21bに大別される。自動受信情報は、例えば電子メールやその添付ファイルを自動受信する形で取得する。医療機関から安全性情報の配信要求を確認すると、安全性情報の手掛かりとして使用する検索用安全性情報22と安全性情報配信用データベース13に登録されている安全性情報の照合を行い、照合できた安全性情報を安全性情報データベース23に保管する。安全性情報データベース23に保管された安全性情報は、病院個別サーバ15を介して閲覧することができる。また、照合された安全性情報の対象となっている医療機器を抽出して、情報配信先(該当医療機関の病院個別サーバ15)と情報内容を確定し、情報を配信する。
【0017】
安全性情報配信用データベース13に登録される項目は、例えば「病院施設名」、「JMDN」、「製品を特定する情報」の他、一般的名称、製造販売業者名、販売名、病院独自の固有番号などが挙げられ、これらの項目が相互に対応づけられている。これらの項目のうち特に、病院を特定するための「病院施設名」、医療機器の機種を特定するための「JMDN」が重要である。また、特定保守管理医療機器に該当する製品を特定する上では「製品を特定する情報」が重要になる。「製品を特定する情報」には、例えば製造番号(シリアルナンバー)、製造記号、型式、品番、システム番号、製品番号、カタログ番号、ロット番号、バーコード番号(JANコード、GS1)などがある。
【0018】
なお、医療機器データベース11に登録されていない未登録機器2、及び添付文書データベース(図示略)に添付文書が登録されていない未登録機器3については、製販業者1が契約病院4と契約して必要な情報を提供することが望ましい。例えば、契約病院4に対して製販業者1が、該当医療機器の銘板情報の提供、又は製販業者1が所有する添付文書の提供などの他に、添付文書のメンテナンス(入手更新版の提供)の支援協力を行うようにしてもよい。
【0019】
医療機器管理システムで安全管理の対象とする医療機器は、薬事法適用の全医療機器であり、「特定保守管理医療機器(以下、「特管機器」と称す)」、「高度管理医療機器」、「管理医療機器」、「一般医療機器」の4つに分類される。特管機器は、他の医療機器と異なり、製品を特定して保守、管理を行うよう定められている。
【0020】
図2は、安全性情報に必須な情報を説明する図である。
図2の例では、製造業者及び販売業者が医療機器につける製造販売業者付番は、例えば「法的機器表示」、「添付文書記載」、「企業独自付番」に分けられる。法的機器表示は、例えば「製販業者の氏名、名称(略名)、住所」、「販売名」、「製造番号(シリアル番号)又は製造記号(ロット番号)」、「承認番号」、「一般的名称(登録名称)」、「消費電力 防御方式」、「(製造年月日)、(重量、数量、個数)」などの項目がある。法的機器表示は、医療機器の銘板に表示される項目である。
【0021】
添付文書記載には、例えば「一般的名称・JMDN(Japanese Medical Device Nomenclature)」、「クラス分類、特管、設置」、「販売名(略称)(型式)、住所」、「(製造卸者名)、(販売業者名)」などの項目がある。
【0022】
企業独自付番には、例えば「バーコード表示[GS1・JAN]項目」、「カタログ番号、品番、ロット番号、製品番号、システム番号」などの項目がある。
【0023】
一般に医療機器を特定するときの重要な項目(コード)は、例えば法的機器表示の「製販業者の名称」、「販売名」、「製造番号(シリアル番号)又は製造記号(ロット番号)」、「一般的名称(登録名称)」、また添付文書記載の「JMDN」、「販売名(略称)(型式)」、さらに企業独自付番の「バーコード表示」、「カタログ番号、品番、ロット番号、製品番号、システム番号」とされる。これらの各項目は機器の識別に用いられる識別情報として使用される。ただし、これらは一例であって、例えば一般的名称とJMDNから医療機器の機種を特定し、さらに製品番号(シリアルナンバー)等と組み合わせることによって特管機器に該当する医療機器を特定できる。なお、製造販売業者付番の他に、病院が資産管理等の目的で独自につける病院独自付番があるが、それについては説明を割愛する。
【0024】
図3は、安全管理の対象となる安全性情報の種類を説明する図である。
図3には、安全性情報として「緊急安全性情報(ドクターレター)」、「安全性対策事項:自己点検の行政指示」、「安全性対策事項:添付文書の改訂指示」、「回収/改修情報」、「安全情報:周知事項(事務連絡)」、「安全情報:依頼事項(事務連絡)」、「安全情報:活用・利用連絡事項(事務連絡)」、「不具合情報」、「感染症情報」が例示されている。「緊急安全性情報(ドクターレター)」や「安全性対策事項:自己点検の行政指示」は、「不具合情報」や「感染症情報」によってその内容が変化することがある。
【0025】
これらは安全性情報の内容に応じてデータファイルや紙の情報種があり、重要度等に応じて公開時期や手続きもそれぞれ異なる。情報の入手方法も、その内容に応じて情報提供機関から自動受信する、情報提供機関にアクセスして自発検索するなどがある。また、厚生労働省のホームページにアクセスして取得するなどもある。
【0026】
図4は、安全性情報配信用データベースの構築を説明する図である。
図1の説明において安全性情報配信用データベースの構築について簡単に触れたが、さらに詳しく説明する。安全性情報配信用データベース13は、医療機関(例えば病院A〜C)ごとに安全性情報を蓄積している。安全性情報配信用データベース13に蓄積された安全性情報のうち配信先の医療機関の安全性情報と検索用安全性情報31が照合され、照合が確認された安全性情報が配信用安全性情報32として抽出される。抽出された配信用安全性情報は、医療機関(病院A〜C)別に個別機器データベース33A〜33Cのそれぞれに登録された後、安全性情報配信用データベース13に提供され(吸い上げられ)、安全性情報配信用データベース13に登録される。こうして、各医療機関の安全性情報が蓄積された安全性情報配信用データベース13が構築される。
【0027】
ところで、図1に示した医療機器管理システムにおいて、医療機器の情報を整備してより詳細な情報を登録したサブデータベースを、医療機器データベース11とは別に構築してもよい。例えばJMDN、一般的名称及び添付文書を登録したデータベースを作成する。すなわち、このデータベースには、例えば「新規設定JMDN」、「一般的名称と類似名称(旧名称)」、「特管の通知」、「添付文書の有無」、「添付文書番号」などの項目を相互に対応づけて登録しておく。
【0028】
また、例えば製造販売業者名の更新経過を登録したデータベースが考えられる。すなわち、このデータベースには、「直接機器に記載の名称」、「名称の変更(統合、消滅、業種変更)」などの項目を相互に対応づけて登録しておく。「直接機器に記載の名称」の項目は、添付文書の製造販売業者名と一致することが原則である。また、「名称の変更(統合、消滅、業種変更)」の項目は、医療機器データベース11あるいは個別機器データベース16に未登録となる問題を解消するものである。
【0029】
また、例えば機器名称、略称、薬事法の申請名、販売名を登録したデータベースが考えられる。すなわち、このデータベースには、「薬事法の申請時の名称」、「添付文書の機器名称」、「販売名」、「医療機関の独自の呼称(略称)」などの項目を相互に対応づけて登録しておく。機器表示の記載の名称は略称の場合があるのでそれにも対応できるように略称を登録する。材料や小物に見られることがある。また、「販売名」は流通上の略称の可能性があるので注意が必要である。「医療機関の独自の呼称(略称)」は、例えば病院の電子カルテに採用されている名称などが当てはまる。
【0030】
また、医療機器を特定するコードから構成したデータベースが考えられる。すなわち、このデータベースには、「機種(型式)・システム番号」、「品番・製品番号」、「製造番号(シリアルナンバー)又は製造記号」、「カタログ番号」、「JANコード」、「ロット番号」などの項目を相互に対応づけて登録しておく。
【0031】
以上のような様々なサブデータベースを構築して医療機器の特定などに利用することによって、詳細な情報に基づいて医療機器を管理できるようになり、医療機器の安全管理をよりきめ細かく行える。
【0032】
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る医療機器管理システムによる照合処理の一例を示すフローチャートである。
まず安全性情報配信用データベース13の配信候補の安全性情報に含まれる医療機器の識別情報と同じ情報を、医療機器データベース11を検索して確認する(ステップS1)。この例では、識別情報は医療機器の一般的名称及びJMDNの情報とする。この処理により、登録された情報が古いか否か、登録があるか否か、入力ミスなどを事前にチェックできる。ここで、医療機器データベース11に目的の情報と一致した情報が検索されなかった場合は、その原因を究明し(ステップS6)、検索結果や究明結果を印刷し(ステップS7)、対応策を検討し(ステップS8)、登録されていなかった原因及び対応策を確認できたらステップS2に移行する。
【0033】
ステップS1の判定処理にて医療機器データベース11に目的の情報と一致した情報が検索された場合又はステップS8の処理が終了後、上記一般的名称及びJMDNの情報から対象医療機器が特定保守管理医療機器に該当するかどうかを確認する(ステップS2)。対象医療機器が特定保守管理医療機器に該当しない場合は対象医療機器の安全性情報を配信する(ステップS9)。特定保守管理医療機器に該当しない場合、その対象医療機器についての情報は単なるお知らせであるから、特定保守管理医療機器以外の安全性情報はこの段階で配信する。
【0034】
ステップS2の判定処理にて対象医療機器が特定保守管理医療機器に該当する場合、製造販売業者名の確認を行う。すなわち、医療機器データベース11に対象医療機器の製造販売業者名が登録されているか否かを確認する(ステップS3)。ここで、医療機器データベース11に目的の情報と一致した情報が検索されなかった場合は、その原因を究明し(ステップS10)、検索結果や究明結果を印刷し(ステップS11)、対応策の有無を検討し(ステップS12)、登録されていなかった原因及び対応策を確認できたらステップS4に移行する。
【0035】
ステップS3の判定処理にて医療機器データベース11に目的の製造販売業者名と一致した情報が検索された場合又はステップS12の処理が終了後、医療機器データベース11に対象医療機器の販売名が存在するか否かを確認する(ステップS4)。医療機器データベース11に目的の販売名が存在しない場合は、照合処理を終了する。
【0036】
ステップS4の判定処理にて医療機器データベース11に目的の販売名が存在する場合は、該当する医療機器の検索を行う。すなわち、医療機器データベース11に対象医療機器の情報が存在する否かを確認する(ステップS5)。医療機器データベース11に対象医療機器の情報が存在する場合は、対象医療機器の安全性情報を配信する(ステップS13)。一方、医療機器データベース11に対象医療機器の情報が存在しない場合は、照合処理を終了する。
【0037】
なお、図5に示した照合処理のうち特に重要な処理は、ステップS1,S5の判定処理である。これらの判定処理を行うことにより、該当医療機器の有無を確認して情報配信を決定することができる。また、ステップS2による該当医療機器が特管機器に該当するか否かを判定する処理は、情報配信の内容(重要度)及びタイミングを決定する点で重要な処理といえる。
【0038】
ここで、医療機器データベース11から該当する医療機器を検索する方法を説明する。医療機器(製品)の特定は、1つの情報からでも可能であるが正確を期すため原則2つの情報から行うことが好ましい。例えば、機種及び製品番号(シリアルナンバー)の項目が判明している場合、2つの項目の組み合わせから該当する医療機器を検索することができる。あるいは、製品番号とロット番号の組み合わせ、モデル番号とロット番号など、様々な項目を組み合わせて該当する医療機器を特定することができる。その他の組み合わせとして、例えばコード番号とロット番号、カタログ番号と製造番号(シリアルナンバー)、型式と製造番号(シリアル番号)、モデル番号とシステム番号の組み合わせが考えられる。
【0039】
上述した実施の形態によれば、医療機関が所有する医療機器に関する安全性情報など、安全管理に関わる情報を迅速に収集し、効率的に管理できるようになる。
【0040】
<2.第2の実施の形態>
第2の実施の形態は、第1の実施の形態の医療機器管理システム(図1参照)をより具体的にしたものであり、医療機器の安全性、保守及び研修に関する情報を管理する例である。
【0041】
図6は、第2の実施の形態に係る医療機器管理システムを説明するためのブロック図である。図6に示した医療機器管理システム100は、医療機関共通データ管理装置110と医療機関ごとに設けられる複数の医療機関個別データ管理装置120から構成される。
【0042】
医療機関共通データ管理装置110は、各医療機関が扱う医療機器の情報を共通管理する目的で、医療機器の基本仕様であって識別に用いられる情報を管理する医療機器共通データ管理部111と管理情報を蓄積する医療機器共通データベース112を備える。医療機器共通データ管理部111は図1の病院共通サーバ12、医療機器共通データベース112は図1の医療機器データベース11に対応している。
【0043】
また、医療機器に関するメンテナンス(保守)及びトラブル(不具合)等に関する情報(保全情報)を各医療機関で共有させる保全公開データ管理部113と管理情報を蓄積する保全公開データベース114を備える。
【0044】
さらに、行政や医療機器製造業者から医療機関共通で発信される医療機器に関わる安全性情報を管理する安全性情報データ管理部115と管理情報を蓄積する安全性情報データベース116を備える。安全性情報データ管理部115は図1の配信用の安全性情報を生成する要素、安全性情報データベース116は図1,図4の安全性情報配信用データベース13及び安全性情報データベース23に対応している。
【0045】
医療機関個別データ管理装置120は、医療機関が所有している医療機器の個別情報を管理する医療機器個別データ管理部121と管理情報を蓄積する医療機器個別データベース122を備える。医療機器個別データ管理部121は図1の病院個別サーバ15、医療機器個別データベース122は個別機器データベース16に対応している。
【0046】
また、医療機関で実施しているメンテナンス(保守点検や修理)やその履歴に関する情報を管理する医療機器保全データ管理部123と管理情報を蓄積する医療機器保全データベース124を備える。
【0047】
さらに、医療機器の安全使用のための研修実施管理を行う目的で、医療機器研修データ管理部125と管理情報を蓄積する医療機器研修データベース126を備える。
【0048】
また、病院や診療所などの医療機関では、当該医療機関が所有する医療機器の安全管理に資する情報を取得し、閲覧するための医療機関コンピュータ140(閲覧装置)を有する。同様に、医療機器販売業者は医療機器販売業者コンピュータ150を、医療機器製造業者は医療機器製造コンピュータ160を備えている。各コンピュータは電気通信回線、例えばインターネット130を介して医療機器管理システム100と接続している。
【0049】
ここで、医療機関コンピュータ140、医療機器販売業者コンピュータ150及び医療機器製造コンピュータ160に適用されるコンピュータの一例を図7に示す。
【0050】
図7は、コンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
コンピュータにおいて、制御部として機能するCPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203は、バス204により相互に接続されている。
【0051】
バス204には、さらに、入出力インタフェース205が接続されている。入出力インタフェース205には、入力部206、出力部207、記憶部208、通信部209、およびドライブ210が接続されている。
【0052】
入力部206は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどの入力手段と接続し、入力信号を受け付ける。出力部207は、ディスプレイ、スピーカなどの出力手段と接続し、出力信号を出力する。記憶部208は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなり、安全管理支援アラートの設定情報などが保存されている。通信部209は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ210は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア211を駆動する。
【0053】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU201が、例えば、記憶部208に記憶されているプログラムを入出力インタフェース205及びバス204を介してRAM203にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0054】
コンピュータ(CPU201)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア211に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0055】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア211をドライブ210に装着することにより、入出力インタフェース205を介して、記憶部208にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部209で受信し、記憶部208にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM202や記憶部208に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0056】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0057】
なお、本明細書において、記録媒体に格納されるプログラムを記述する処理ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0058】
医療機器管理システム100を構成する医療機関共通データ管理装置110及び医療機関個別データ管理装置120における、各ブロックの機能はハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェアにより実現することもできる。ソフトウェアにより実現する場合は、医療機関コンピュータ140と同様に、図7に例示したコンピュータを適用することができ、CPU201が各管理部に対応し、記憶部208が各データベース部に対応する。なお、各ブロックの機能はハードウェアとソフトウェアの組み合わせによっても実現できることは言うまでもない。
【0059】
上述のように構成される医療機関管理システム100において、病院や診療所などの医療機関では、医療機関コンピュータ140と接続された入力装置142から医療機関が所有する該当医療機器に関する情報を入力すると、インターネット130を介して医療機器管理システム100のサービスが提供され、表示装置141にその内容が表示される。
【0060】
例えば、医療機関が所有する医療機器についての安全性情報を取得する場合、まず医療機関コンピュータ140からインターネット130を介して該当する医療機関個別データ管理装置120に接続する。そして、医療機関コンピュータ140(CPU201)から医療機関個別データ管理装置120へ、当該医療機関が所有する医療機器についての安全性情報の送信要求を行う。医療機関個別データ管理装置120(例えば医療機器個別データ管理部121)は、医療機器個別データベース122に登録されている当該医療機関が所有する医療機器に関する情報(識別情報)と当該医療機関の識別情報(名称やIPアドレス等)を、安全性情報の送信要求と一緒に医療機関共通データ管理装置110へ出力する。
【0061】
医療機関共通データ管理装置110の安全性情報データ管理部115は、医療機関個別データ管理装置120からの安全性情報の送信要求を受けて、送信要求に付加された識別情報が示す医療機器を対象とする安全性情報が安全性情報データベース116に存在するかどうか確認する。安全性情報データベース116に医療機関が所有する医療機器に関する安全性情報が存在すると判定された場合、当該医療機器を医療機器共通データ管理部111に照会する。医療機器共通データ管理部111は、図5の照合処理を実行し、医療機器共通データベース112に該当する医療機器があるかどうかを確認する。
【0062】
確認した結果、該当する医療機器がある場合、安全性情報データ管理部115は、図5に示す照合処理の段階に応じた安全性情報の配信を決定する。続いて、安全性情報データ管理部115は、安全性情報データベース116から該当医療機器に関する安全性情報を抽出し、要求元の医療機関に割り当てられた医療機関個別データ管理装置120へ送信する。このとき要求元の医療機関へ送信される安全性情報は未送信の新しい情報とする。医療機関個別データ管理装置120(例えば医療機器個別データ管理部121)が、医療機関共通データ管理装置110から対象医療機器に関する安全性情報を受信し、医療機関コンピュータ140へ転送することにより、医療機関コンピュータ140の制御のもとで表示装置141にその内容が表示される。
【0063】
次に、医療機関が所有する医療機器の保全情報(医療機関で発生した医療機器の不具合や保守等に関する情報)について説明する。医療機関が所有する医療機器の保全情報は、医療機関共通の情報として公開される。この保全情報を取得する場合も、安全性情報を取得する場合とほぼ同様である。すなわち、医療機関個別データ管理装置120は、医療機器個別データベース122に登録されている当該医療機関が所有する医療機器に関する情報と当該医療機関の識別情報を、保全情報の送信要求と一緒に医療機関共通データ管理装置110へ出力する。そして、医療機関共通データ管理装置110の医療機器共通データベース112に対象医療機器に該当する医療機器の情報が存在する場合、当該医療機器の保全情報を保全公開データベース114から抽出して医療機関個別データ管理装置120へ送信する。医療機関個別データ管理装置120が、医療機関共通データ管理装置110から対象医療機器に関する保全情報を受信し、医療機関コンピュータ140へ転送することにより、医療機関コンピュータ140の制御のもとで表示装置141にその内容が表示される。
【0064】
医療機関が所有する医療機器についての保全情報の登録は次のようにして行われる。医療機関の従業者の操作により医療機関コンピュータ140から医療機関個別データ管理装置120の医療機器保全データ管理部123にアクセスし、医療機器保全データ管理部123の制御のもと医療機器保全データベース124に新たな保全情報を登録する。各医療機関個別データ管理装置120の医療機器保全データベース124に登録された保全情報は、医療機関共通データ管理装置110に収集され、保全公開データベース114に登録され、医療機関共通の情として公開される。
【0065】
医療機器の保全情報を医療機関共通の情報として公開することで、例えば同機種の医療機器を所有している医療機関に対し、安全管理情報を表示することができる。
【0066】
また、研修情報(従業者に対する医療機器の安全使用のための研修に関する情報)の登録は次のようにして行われる。医療機関の従業者の操作により医療機関コンピュータ140から医療機関個別データ管理装置120の医療機器研修データ管理部125にアクセスし、医療機器研修データ管理部125の制御のもと医療機器研修データベース126に新たな研修情報を登録する。医療機関における研修情報は、基本的には当該医療機関でのみ有効である。したがって、医療機関個別データ管理装置120の医療機器研修データ管理部125及び医療機器研修データベース126は、基本的には各医療機関(医療機関個別データ管理装置120)で閉じており、医療機関共通データ管理装置110と接続しないことを想定している。
【0067】
医療機器の研修情報を取得することで、例えば従業者の医療機器に関する研修履歴から、未受講期間に応じた安全管理情報の重要度を段階的に色分けして表示することができる。
【0068】
また、医療機器販売業者や医療機器製造業者は、医療機器販売業者コンピュータ150もしくは医療機器製造コンピュータ160を操作して医療機器管理システム100を利用することができる。そして、医療機器販売業者や医療機器製造業者が公開されている保全情報を確認することにより、医療機関で発生している医療機器に関するトラブル情報を把握できる。医療機器販売業者や医療機器製造業者は、トラブル情報を把握することにより、医療機器の取り扱い方法を記載した添付文書に当該トラブル情報もしくはその対策を反映するなどして、医療機器に関する安全性、保守、研修の安全管理を迅速に対応できるようになる。
【0069】
図8は、安全管理支援アラートの設定例を示す図である。
厚生労働省や医療機器製造業者から提示される安全性情報、医療機関内で実施するメンテナンス情報、他医療機関から入手したトラブル情報、医療機器を扱う医療従業者の研修情報から、緊急度を加味しアラート(警報)の重要度を例えば高、中、低の3段階で表示する。このアラート支援情報の項目及び各重要度に対応する設定内容は、医療機関側で適宜変更できるものとする。
【0070】
図9は、安全管理支援アラートを出力する処理を示すフローチャートである。
医療機関コンピュータ140を利用して、表示装置141に安全性情報、メンテナンス情報、トラブル情報及び研修履歴情報のアラートを表示する場合について説明する。
【0071】
まず医療従業者が入力装置142を操作してユーザIDを入力し、医療機関コンピュータ140から例えばユーザが所属する医療機関と対応づけられた医療機関個別データ管理装置120にログインする(ステップS21)。医療機関個別データ管理装置120は、少なくとも医療機関の識別情報、ユーザ名及びユーザIDからなるデータベース(図示略)を備えている。医療機関個別データ管理装置120は、ユーザIDをもとに認証処理を行い、データベースを参照して医療機関とユーザを特定する(ステップS22)。ここで医療機関とユーザを特定できたか確認し(ステップS23)、医療機関とユーザを特定できず認証に失敗した場合は、ステップS21のログイン処理に戻る。
【0072】
ステップS23の判定処理において認証に成功して医療機関とユーザを特定できた場合は、医療機関個別データ管理装置120は、医療機関共通データ管理装置110から当該医療機関が所有する医療機器の安全性情報を収集する(ステップS24)。
【0073】
次に、医療機関個別データ管理装置120は、医療機器保全データベース124及び/又は医療機関共通データ管理装置110の保全公開データベース114から、当該医療機関が所有する医療機器に該当するメンテナンス情報を収集する(ステップS25)。
【0074】
次に、医療機関個別データ管理装置120は、医療機器保全データベース124及び/又は医療機関共通データ管理装置110の保全公開データベース114から、当該医療機関が所有する医療機器に該当するトラブル情報を収集する(ステップS26)。
【0075】
次に、医療機関個別データ管理装置120は、ユーザIDをもとに医療機器研修データベース126を検索し、ユーザの医療機器に対する研修受講履歴を調査し、未受講の医療機器研修情報を収集する(ステップS27)。医療機関個別データ管理装置120は、これら収集した情報を医療機関コンピュータ140に出力する。
【0076】
医療機関コンピュータ140は、医療機関個別データ管理装置120から受信した収集情報を、図2に例示した安全管理支援アラートの設定に基づき重要度順に並び替える(ステップS28)。そして、表示装置141に重要度毎に色分けして表示する(ステップS29)。
【0077】
図10は、安全管理支援アラートを表示する画面の例を示す図である。
このように医療機関コンピュータ140から医療機関個別データ管理装置120にログインした直後に、医療機器の安全管理に関する情報を表示装置141の画面101にアラート表示することで、安全管理の支援を行うことができる。図10の例では、安全性情報、メンテナンス情報及び研修情報における各情報が色分けしてアラート表示されている。例えば安全性情報に関して、1つのドクターレターが重要度(高)、4つのドクターレターが重要度(低)で表示されている。
【0078】
上述した実施の形態によれば、医療機関が所有する医療機器に関する安全性、保守、研修など、安全管理に関わる情報を迅速に収集し、効率的に管理できるようになる。また、各情報に対するアラートを重要度順に表示することにより、ユーザの医療機器の安全管理を支援できる。
【0079】
既述したとおり、医療分野では医療法等の一部改正に伴い、医療機器安全管理責任者の設置が義務づけされ、医療機器に係る安全管理が急務の課題となっている。しかし、日々多忙な業務のため、本発明のような医療機器の安全管理に関わる情報を、迅速に収集し管理できるシステムは重要である。
【0080】
以上、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の変形例、応用例を取り得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0081】
1…製販業者、2…未登録機器、3…未登録機器、4…契約病院、11…医療機器データベース、12…病院共通サーバ、13…安全性情報配信用データベース、15…病院個別サーバ、16…個別機器データベース、21…安全性情報、21a…自動受信情報、21b…自発検索情報、22,31…検索用安全性情報、23…安全性情報データベース、32…配信用安全性情報、33A,33B,33C…個別機器データベース、100…医療機器管理システム、110…医療機関共通データ管理装置、111…医療機器共通データ管理部、112…医療機器共通データベース、113…保全公開データ管理部、114…保全公開データベース、115…安全性情報データ管理部、116…安全性情報データベース、120…医療機関個別データ管理装置、121…医療機器個別データ管理部、122…医療機器個別データベース、123…医療機器保全データ管理部、124…医療機器保全データベース、125…医療機器研修データ管理部、126…医療機器研修データベース、140…医療機関コンピュータ、150…医療機器販売業者コンピュータ、160…医療機器製造業者コンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機関共通データ管理装置と、医療機関ごとに対応づけられている医療機関個別データ管理装置から構成される医療機器管理システムであって、
前記医療機関共通データ管理装置は、
各医療機関が所有する医療機器の情報を蓄積する医療機器共通データベースと、
前記医療機器共通データベースに蓄積される医療機器の情報を管理する医療機器共通データ管理部と、
外部から通知される医療機器の安全性情報を蓄積する安全性情報データベースと、
前記安全性情報データベースに蓄積される安全性情報を管理する安全性情報データ管理部と、を備え、
前記医療機関個別データ管理装置は、
前記医療機関が所有する医療機器の情報を蓄積する医療機器個別データベースと、
前記医療機器個別データベースに蓄積される医療機器の情報を管理する医療機器個別データ管理部と、を備え、
前記医療機関個別データ管理装置は、前記医療機器個別データベースに蓄積されている医療機器の情報とともに当該医療機器の安全性情報の取得要求を前記医療機関共通データ管理装置へ送信し、
前記医療機関共通データ管理装置は、前記医療機関個別データ管理装置から前記医療機器の安全性情報の送信要求を受信したとき、送信要求に付加された医療機器の情報が示す医療機器を対象とする安全性情報が安全性情報データベースに存在するかどうか判定し、前記安全性情報データベースに該当する安全性情報が存在する場合、該当安全性情報を前記医療機関個別データ管理装置へ送信し、
前記医療機関個別データ管理装置は、前記医療機関共通データ管理装置から受信した前記安全性情報を出力装置へ出力する
医療機器管理システム。
【請求項2】
前記医療機関共通データ管理装置は、
各医療機関が所有する医療機器の保全情報を蓄積する保全公開データベースと、
前記保全公開データベースに蓄積される医療機器の保全情報を管理する保全公開データ管理部と、を更に備え、
前記医療機関個別データ管理装置は、
前記医療機関が所有する医療機器の保全情報を蓄積する医療機器保全データベースと、
前記医療機器保全データベースに蓄積される医療機器の保全情報を管理する医療機器保全データ管理部と、を更に備え、
前記医療機関個別データ管理装置は、前記医療機器保全データベースに蓄積されている医療機器の情報とともに当該医療機器の保全情報の取得要求を前記医療機関共通データ管理装置へ送信し、
前記医療機関共通データ管理装置は、前記医療機関個別データ管理装置から前記医療機器の保全情報の送信要求を受信したとき、送信要求に付加された医療機器の情報が示す医療機器を対象とする保全情報が保全公開データベースに存在するかどうか判定し、前記保全公開データベースに該当する保全情報が存在する場合、該当保全情報を前記医療機関個別データ管理装置へ送信し、
前記医療機関個別データ管理装置は、前記医療機関共通データ管理装置から受信した前記保全情報を該当医療機関の閲覧装置へ出力する
請求項1に記載の医療機器管理システム。
【請求項3】
前記医療機関個別データ管理装置は、
前記医療機関が所有する医療機器に関する研修情報を蓄積する医療機器研修データベースと、
前記医療機器研修データベースに蓄積される医療機器に関する研修情報を管理する医療機器研修データ管理部と、を更に備え、
前記医療機関個別データ管理装置は、前記医療機器研修データベースに蓄積された医療機器に関する研修情報から、当該医療機器の研修を未受講である従業者の情報を抽出して該当医療機関の閲覧装置へ出力する
請求項2に記載の医療機器管理システム。
【請求項4】
前記閲覧装置は、前記医療機関個別データ管理装置から受信した医療機器の安全性情報、保全情報、及び研修未受講者の情報について緊急度を加味した重要度を設定した情報を有し、当該重要度を設定した情報に基づいて前記受信した情報に含まれる項目を重要度順に出力する
請求項1乃至3のいずれかに記載の医療機器管理システム。
【請求項5】
医療機関共通データ管理装置と、医療機関ごとに対応づけられている医療機関個別データ管理装置から構成される医療機器管理システムにおける医療機器管理方法であって、
前記医療機関共通データ管理装置は、
各医療機関が所有する医療機器の情報を蓄積する医療機器共通データベースと、
前記医療機器共通データベースに蓄積される医療機器の情報を管理する医療機器共通データ管理部と、
外部から通知される医療機器の安全性情報を蓄積する安全性情報データベースと、
前記安全性情報データベースに蓄積される安全性情報を管理する安全性情報データ管理部と、を備え、
前記医療機関個別データ管理装置は、
前記医療機関が所有する医療機器の情報を蓄積する医療機器個別データベースと、
前記医療機器個別データベースに蓄積される医療機器の情報を管理する医療機器個別データ管理部と、を備え、
前記医療機関個別データ管理装置は、前記医療機器個別データベースに蓄積されている医療機器の情報とともに当該医療機器の安全性情報の取得要求を前記医療機関共通データ管理装置へ送信し、
前記医療機関共通データ管理装置は、前記医療機関個別データ管理装置から前記医療機器の安全性情報の送信要求を受信したとき、送信要求に付加された医療機器の情報が示す医療機器を対象とする安全性情報が安全性情報データベースに存在するかどうか判定し、前記安全性情報データベースに該当する安全性情報が存在する場合、該当安全性情報を前記医療機関個別データ管理装置へ送信し、
前記医療機関個別データ管理装置は、前記医療機関共通データ管理装置から受信した前記安全性情報を出力装置へ出力する
医療機器管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−63924(P2012−63924A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206885(P2010−206885)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(000153443)株式会社日立情報制御ソリューションズ (359)