説明

医療機能機器、処理装置、及び、方法

本発明は、少なくとも1つの医用流体を受けるための少なくとも1つの第1の流体システム(1)と、医用流体を搬送するための少なくとも1つの第1の搬送機器(51、51a、53、55、55a、57)と、少なくとも1つの作動流体を受けるための少なくとも1つの第2の流体システム(3)と、少なくとも第1の搬送機器を作動させるための少なくとも1つの第2の搬送機器(7)とを備え、第1の搬送機器(51、51a、53、55、55a、57)が作動流体の手段によって駆動されるように配置される、医療機能機器に関する。また、本発明は処理装置及び方法に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1に係る医療機能機器に関する。また、本発明は、請求項13に係る処理装置、及び、請求項17に係る方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療機能機器は、通常、医療処置中に幾つかの機能を果たすために設けられる。これらの医療機能機器は、血液などの医用流体を受けるとともに、受けられた流体の内部での流通を可能にするようにそれぞれ構成されて設計され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の1つの目的は、更なる医療機能機器を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、請求項1の特徴を有する医療機能機器によって解決される。
【0005】
本発明に係る医療機能機器は、少なくとも1つの医用流体を受けるように適合される及び/又は意図される少なくとも1つの第1の流体システムと、前記医用流体を搬送するための少なくとも1つの第1の搬送機器と、少なくとも1つの作動流体又は作用流体をそれぞれ受けるように適合される及び/又は意図される少なくとも1つの第2の流体システムと、少なくとも第1の搬送機器を作動させるように適合される及び/又は意図される少なくとも1つの第2の搬送機器とを備える。
【0006】
第1の搬送機器は、好ましくは、それが作動流体によって作動されあるいは起動されあるいはエネルギを供給されあるいは給電され得るように配置される。
【0007】
本発明に係る医療機能機器の有利な進展又は実施形態が、後述する従属請求項及び/又は実施形態の主題である。
【0008】
以下の実施形態の全てにおいて、「であってもよい」(又は、「できる」)、又は、「有してもよい」(又は、「有することができる」)等の表現の使用は、「であることが好ましい」、又は、「有することが好ましい」等のそれぞれと同意語として理解されるべきであり、また、互いに独立する本発明に係る特定の実施形態を例示するように意図されている。
【0009】
本発明に係る医療機能機器は、外部医療機能機器又は内部医療機能機器となることができる。本発明の文脈において、用語「外部」は、処理装置に存在しない要素を表わす。そのような外部医療機能機器における一例が使い捨て可能な血液カセットである。本発明の文脈において、用語「内部」は、処理装置に存在する要素、すなわち、随意的には交換可能又は置き換え可能な方法でそれぞれ内部にあるあるいは処理装置内に配置される要素を表わす。
【0010】
本発明に係る医療機能機器は、血液処理(例えば、血液透析、血液濾過、血液透析濾過)に適することができるとともに、該処理のために設けることができ、また、多輸液技術に適することができるとともに、該技術のために設けることができる。しかしながら、本発明に係る医療機能機器は、腹膜透析(例えば、自動腹膜透析(=APD;APD機器))に適することもできるとともに、該腹膜透析のために設けることもできる。
【0011】
本明細書中で使用される用語「流体システム」は、流体を受けるのに適するとともに流体を受けるために設けられるシステム又は構成を示す。
【0012】
流体システムはそれぞれ、特に実質的にあるいは完全に本発明に係る医療機能機器の一部であることが好ましい。例えば、流体システムは、医療機能機器と一体に形成するあるいは医療機能機器と共に設計することがそれぞれでき、又は、医療機能機器に組み込むこともそれぞれできる。
【0013】
流体システムはそれぞれ、導管又はラインのそれぞれ、チューブ、チューブシステム、チャネル、弁、リストリクタ、フィルタ、センサ、チャンバ、ポケット、流体を蓄積し又は格納し又は保持するそれぞれのためのあるいは流体を維持するための機器又は空間又は領域、並びに、流体の流路等を制御するための制御機器を備えることができ、あるいは、これらから成ることができる。
【0014】
流体システムは、(高レベル)流体導管に接続することができあるいは接続可能である。これらの流体システムは、流体回路の部分又は領域を形成することができる。流体システムを流体回路に組み込むことができる。
【0015】
本発明によれば、「第1の流体システム」は、少なくとも1つの医用流体を受けるとともに、受けた流体の流通を可能にするように構成されて設けられる。
【0016】
「医用流体」は、液体、気体、液体製剤、異なる液体及び/又は気体の組み合わせあるいは混合物等であってもよい。医用流体は、バッグ(APD溶液バッグ)からの腹膜溶液(PD溶液)となることができる。この流体は、通常、1つの同じカテーテルによって患者の腹部内に導入されて腹部から除去される。
【0017】
本発明に係る幾つかの実施形態において、医用流体は、本発明又は本発明に係る主題の使用中に、体外又は体内で、人体の血液又は他の成分又は構成要素と接触するようにあるいはそれと混合するように供給される。
【0018】
本発明によれば、「第2の流体システム」は、少なくとも1つの作動流体又は作用流体のそれぞれを受けるとともに受けた流体の流通を可能にするように構成されて設けられる。
【0019】
「作動流体」又は「作用流体」は、液体、気体、液体製剤、異なる液体及び/又は気体の組み合わせあるいは混合物等となることができる。
【0020】
本発明に係る幾つかの実施形態において、作動流体又は作用流体及び医用流体はいずれもそれぞれ、−同一又は異なる−液体又は液体混合物である。本発明に係るこれらの実施形態において、本発明は、空気圧システムに関連せず、空気圧システムを備えず、あるいは、そのように設計されない。
【0021】
本明細書中で使用される用語「搬送機器」は、少なくとも1つの流体を流体システム内で搬送するように設けられて構成される機器を示す。
【0022】
第1及び/又は第2の搬送機器は、医療機能機器と接続されるのが好ましく、あるいは、医療機能機器に接続できるようにあるいは医療機能機器の一体部分を形成するように設計される。
【0023】
第1及び/又は第2の搬送機器をそれぞれ、形状閉塞及び/又は摩擦及び/又は材料接続で、医療機能機器と接続することができる。
【0024】
第1の搬送機器及び/又は第2の搬送機器は、医療機能機器に組み込まれあるいは医療機能機器と一体に形成されるのが好ましい。
【0025】
第1の搬送機器は、医用流体を医療機能機器の外部から流体システムの内部へとあるいはその逆へと搬送する搬送するために使用できる。
【0026】
本明細書中で使用される用語「医療機能機器の外部」は、医療機能機器の一部を形成しない体外血液回路などの流体回路の領域又は部分を示す。
【0027】
第2の搬送機器は、作動流体を第2の流体システム内で搬送するため、及び/又は、作動流体を医療機能機器の外部から第2の流体システムの内部へと及び/又はその逆へと搬送するために設けることができ及び/又は使用することができる。この場合、第2の搬送機器を第2の流体システム内にあるいは第2の流体システムに配置することができる。
【0028】
第2の流体システム内での作動流体の搬送は、第1の搬送機器の駆動又は作動をもたらすことができる。
【0029】
本明細書中で使用される第1の搬送機器の用語「駆動」は、第1の搬送機器の起動又は作動のそれぞれあるいは制御を示す。これは、例えば、第1の搬送機器にエネルギ、例えば流れエネルギ(機械的な動力)を供給すること、及び/又は、第1の搬送機器に圧力を印加すること等を含むことができる。例えば、第1の搬送機器に作動流体を充填することができるとともに、第1の搬送機器から作動流体を取り除いて再び空にすることができる。第1の搬送機器を液圧的に駆動させることができる。
【0030】
作動流体は、信号、動力、及び/又は、エネルギの伝達のために使用できる。第1の流体回路の医用流体も同様に信号、動力、及び/又は、エネルギの伝達のために使用できる。
【0031】
第1の搬送機器は、第2の搬送機器を駆動することによって駆動させることができる。第1の搬送機器の駆動を第2の搬送機器の作用によって行ないあるいは起動させあるいは誘導することがそれぞれできる。
【0032】
第1の搬送機器の駆動又は制御は、第2の搬送機器を駆動させることによって単に補助的にあるいは排他的に行なうことができる。
【0033】
(1つ以上の)第1の搬送機器及び(1つ以上の)第2の搬送機器と共に、第1の流体システム及び第2の流体システムは液圧システム又は液圧回路を形成することができる。
【0034】
幾つかの医用液体又は医用液体の一部のために、幾つかの流体ラインを幾つかの異なる第1の搬送機器と共にそれぞれ設けることができる。
【0035】
好ましい実施形態において、少なくとも1つの第1の搬送機器は、それが第2の搬送機器の吐出側及び/又は吸込側と機能的に接続されあるいは接続できるように配置される。
【0036】
第1の搬送機器は、それが第2の流体システムの吐出ライン及び/又は吸込ラインと接続されあるいは接続できるように配置することができる。第2の搬送機器の吐出側から及び/又は吸込側から第1の搬送機器へと分岐するラインを配置することができる。分岐ラインを第2の流体システムの吐出ライン及び/又は吸込ラインと接続しあるいは該ラインから分岐させることがそれぞれできる。
【0037】
第2の搬送機器の作動中、第2の搬送機器の吐出側と吸込側との間の作動流体の圧力差を(1つ以上の)第1の搬送機器を作動させるために使用できる。
【0038】
本明細書中で使用される用語「少なくとも1つの第1の搬送機器」又は「少なくとも1つの第2の搬送機器」は、少なくとも1つであるが、好ましくは複数のあるいは多数の第1又は第2のそれぞれの搬送機器が設けられることを意味する。
【0039】
本発明によれば、第1の搬送機器に関する以下の仕様が第2の搬送機器に関しても当てはまる。
【0040】
第1の搬送機器は、同様のあるいは同じあるいは同一のタイプをそれぞれ有することができる。これらの第1の搬送機器は構造が同一となることができる。
【0041】
第1の搬送機器は互いに異なることができる。
【0042】
第1の搬送機器を異なる機能形態又は作動形態あるいは作用形態にしたがって作動させることができる。
【0043】
複数のあるいは多数の第1の搬送機器は、適合するあるいは類似することがそれぞれでき、あるいは、第1のタイプを有することがそれぞれできる。他の複数のあるいは多数の第1の搬送機器を1つ以上の他のタイプの搬送機器として設計することができる。
【0044】
第1の搬送機器を適した制御機器によって制御することができる。複数のあるいは多数のそのような制御機器を設けることができる。
【0045】
第1の搬送機器を一緒にあるいは1つの制御機器だけによってそれぞれ制御しあるいは調整することがそれぞれできる。
【0046】
第1の搬送機器のそれぞれを他の(別個の)制御機器によって制御することができる。
【0047】
第1の搬送機器を例えば異なる作用形態にしたがって幾つかの及び/又は異なる制御機器によって制御することができる。
【0048】
第1の搬送機器の一部分を協調して制御することができ、他の部分を別々に制御することができる。
【0049】
第1の搬送機器は、それらが同時に及び/又は同じ程度まであるいは同時ではなく及び/又は異なる程度まであるいは更には全く異なって搬送できるように制御することができる。
【0050】
適した制御機器としては、弁又は弁機器のそれぞれ、流通制御機器、ノズル、ベンチュリノズル、グロメット、ポート、ラグなどの流体の流入又は流出を行なうあるいは補助するための機器、クランプ、停止弁、バッフルなどの流通ロック機器、高速送流器などの流れあるいは流量をそれぞれ調整するあるいは変えるための機器等が挙げられる。
【0051】
第1の搬送機器を全て同じ流体システム内に配置することができる。
【0052】
第1の搬送機器を医療機能機器の(高レベル)第1の流体システムの部分又は領域に設けることができる。これらの第1の搬送機器を協調的流体システム内に及び/又は第1の流体システムの分岐部又は二股部にそれぞれ配置することができる。
【0053】
第1の搬送機器をそれぞれ、別個の流体システム内に、すなわち、各搬送機器のための特定の流体システム内に配置することができる。
【0054】
単一の流体システムが空間的に及び/又は機能的に分離されてもよい。
【0055】
第1の搬送機器は同じあるいは同一の流体を搬送できる。これらの第1の搬送機器は異なる流体を搬送できる。第1の搬送機器によって搬送される各流体がそれぞれ医用流体であってもよい。しかしながら、第1の搬送機器の一部が非医用流体を搬送することもできる。
【0056】
好ましい実施形態において、第1の搬送機器は、それらが第2の搬送機器の吐出側及び/又は吸込側と機能的に接続されあるいは接続できるように、又は、それらが吐出側と吸込側との間に並列接続で及び/又は直列接続で接続されあるいは接続できるように配置される。
【0057】
図1はそのような構成を典型的に示している。
【0058】
他の好ましい実施形態では、第1の搬送機器が容量形ポンプである。
【0059】
適した容量形ポンプとしては、例えば、膜ポンプ、ピストンポンプ、フレキシブルチューブポンプ、及び、蠕動ポンプが挙げられる。
【0060】
膜ポンプは、ポンプ膜の作動流体から分離される医用流体を搬送するためのチャンバを備えることができる。作動流体は、ポンプ作用を行なうために膜を移動させる役目を果たす。
【0061】
他の好ましい実施形態では、第2の搬送機器が遠心ポンプ又は回転ポンプである。
【0062】
遠心ポンプ又は回転ポンプは、それが低圧の高い体積流量及び/又は高圧の低い体積流量及び/又は体積流量を何ら伴わない高圧を供給するように設計できるのが有益である。この場合、圧力差は、1分間当たりの回転数によって決まる。
【0063】
遠心ポンプの最大圧力は、液圧システム全体に作用する最大圧力荷重を有利に(非常に)適切にあるいは正確に規定できるように1分間当たりの回転数によって設定することができる。
【0064】
他の好ましい実施形態において、第2の搬送機器は、作動流体を搬送するために少なくとも1つの回転する部分又は回転部をそれぞれ備える。
【0065】
回転部は、排他的にあるいは完全にそれぞれ、あるいは付加的に、磁気によって支持しあるいは取り付けることができる。支持又は支承を完全にあるいは付加的に軸によって行なうことができる。支持又は支承の種類は、入力動力の伝達の種類に依存しないようにすることができる。
【0066】
回転部を第2の搬送機器の内側又は内部のそれぞれに配置することができる。
【0067】
回転部がインペラであってもよい。
【0068】
第2の搬送機器がインペラポンプであってもよい。
【0069】
他の好ましい実施形態において、回転部は、外部駆動によって磁気的に作動されるように構成される。あるいは、駆動を例えば駆動シャフトによって機械的に行なうこともできる。
【0070】
本明細書中で使用される用語「外部駆動」は、医療機能機器の一部を形成しない回転部の駆動を示す。
【0071】
外部駆動部を装置に配置することができる。外部駆動部がそのような装置の一部を形成することができる。
【0072】
装置は、本発明に係る医療機能機器に機能的に結合されるように設けて構成することができる。
【0073】
駆動の磁気的な出力又は作用をマグネットによってもたらすことができる。駆動の磁気的な出力又は作用を通電導体によってもたらすことができる。例えば、通電コイルを使用できる。
【0074】
第2の搬送機器は、市販の磁気的に支持される遠心ポンプとなることができる。
【0075】
そのような磁気的に支持される遠心ポンプは、機械又は処理装置のそれぞれへの機械的な及び/又は電気的なインタフェースが必要とされず及び/又は流体を機械からポンプへと移送する必要がないという利点を有することができる。これは、本発明に係る機能機器の特定の費用効率が高い製造を可能にし得る。また、これは、そのようなインタフェースに伴う潜在的な汚染の危険を減らすことができる。
【0076】
他の好ましい実施形態では、第1の流体システム及び第2の流体システムが流体密な方法で互いから分離される。
【0077】
第1の流体システム及び第2の流体システムは、流体密な方法で互いから実質的にあるいは完全に分離することができる。
【0078】
本明細書中で使用される用語「流体密」は、第1の流体システムと第2の流体システムとの間での流体の移行又は移送が実質的にあるいは完全に排除される状態を表わす。
【0079】
このことは、作動流体が第2の流体システムから第1の流体システムへと入り込むことができないことを意味し得る。また、それは、医用流体が第1の流体システムから第2の流体システムへと入り込むことができないことも意味し得る。
【0080】
第1の流体システム及び/又は第2の流体システムが自立型流体システムとなることができる。
【0081】
これは、作動流体と医用流体との混合を実質的にあるいは完全に回避できるという利点を与えることができる。したがって、処理されるべき医用流体における潜在的な汚染の危険を有利に減らすあるいは排除することができる。
【0082】
医用流体は、例えば、血液、透析液、置換液、薬物、薬物製剤、及び、これらの混合物あるいは組み合わせとなることができる。
【0083】
本明細書中で使用される「薬物製剤」は、適切な溶媒や賦形剤等と組み合わせた薬物の溶液、懸濁液、乳濁液、抽出物等として理解することができる。
【0084】
薬物としては、例えば、ヘパリンやクエン酸塩などの抗凝血剤、及び、カルシウムなどの凝血剤、例えばCi−Ca抗凝血剤及び同様のものが挙げられる。薬物を体外血液回路へ注入することを想起できる。
【0085】
作動流体は、透析液、置換液、無菌圧縮空気、オイル、油圧オイル、水、逆浸透システム又は逆浸透源(ROシステム)からの純水(透過液)、又は、他の液体、並びに、これらの混合物及び組み合わせから選択することができる。
【0086】
置換液は無菌となることができる。置換液は、例えば0.9%NaCl溶液などの等張食塩溶液となることができる。
【0087】
念のため、透析液及び/又は置換液は医用流体及び作動流体のいずれとしても使用され、これらの液を同じ供給源から利用することができる。この目的のため、透析液及び/又は置換液を同じ供給源から連続的に循環させることができる。しかしながら、透析液及び/又は置換液の一部を供給源から分岐させてそれを第1の搬送機器を駆動させるため(すなわち、「エネルギを発生させる」ため)だけに使用することも同様にできる。
【0088】
作動流体としての透析液及び/又は置換液の使用は、本発明に係る医療機能機器の液圧駆動システムの安全性を高めるのに寄与することができ有益である。
【0089】
したがって、例えば、本質的に排除され得る欠陥の場合であっても、処理されるべき医用流体の汚染を防止することができ有益である。
【0090】
他の好ましい実施形態では、医療機能機器が使い捨て可能なカセットとして及び/又はチューブセットとして設計される。
【0091】
本明細書中で使用される用語「使い捨て可能なカセット」は、−例えば医学又は医学技術の分野で−使い切り物品又は使い捨てできる物品として設計されあるいは使用される機器を示す。
【0092】
医療機能機器は、体外血液処理のための使い捨て可能なカセットとして、特に体外血液回路の一部を形成する血液カセットとして、及び/又は、透析液回路の一部を形成するあるいはその通常の使用中に透析液回路の一部を形成するために設けられる透析液カセットとして設計することができる。
【0093】
使い捨て可能なカセットは全体的にあるいは部分的に硬質部分から成ることができる。使い捨て可能なカセットをプラスチック又は合成材料から製造することができる。使い捨てカセットを射出成形プロセスを使用することにより形成することができる。
【0094】
流体システムなどのカセットの構成要素、例えば導管又はラインのそれぞれ、チャネル、チャンバ、弁、スロットル等は、使い捨て可能なカセットの製造中に形成することができる。例えば第1及び/又は第2の搬送機器などのカセットの他の構成要素は、使い捨て可能なカセットの製造中に使い捨て可能なカセットと一体に形成することができ、及び/又は、使い捨て可能なカセットの製造中又は製造後に形状閉塞及び/又は摩擦及び/又は材料接続で使い捨て可能なカセットと接続することができる。
【0095】
本発明の目的は、請求項13に係る処理装置によって更に解決される。本発明に係る医療機能機器によって達成され得る全ての利点は、本発明に係る処理装置によっても同様に低下することなくあるいは機能を損なうことなく得ることができる。
【0096】
本発明に係る処理装置は医用流体を処理するのに適している。処理装置は、医療機能機器の少なくとも1つの第2の搬送機器を作動させるように設けられる及び/又は構成される少なくとも1つの制御機器を備える。本発明に係る幾つかの実施形態において、制御機器は、第1及び/又は第2の流体システムの弁を適切なアクチュエータによって制御するように設けられ及び/又は構成される。
【0097】
制御機器はコンピュータに基づくものとなることができる。制御機器は、マイクロプロセッサとなることができ、又は、マイクロプロセッサを備えることができる。
【0098】
好ましい実施形態において、処理装置は、磁気駆動インタフェースによって第2の搬送機器を作動させるように設けられて構成される機器を備える。
【0099】
そのような機器は、第2の搬送機器又はその一部あるいは一区分をそれぞれ作動させるために使用され得る磁気作用又は磁力を生み出すあるいはもたらすことができる。機器は、特に、インペラなどの搬送機器の回転部に作用するように設けることができる。
【0100】
機器は、例えば、マグネット又は磁気的に作用するシステムとして、及び/又は、例えば1つ以上の通電コイルなどの(1つ以上の)通電導体として設計することができる。
【0101】
また、処理装置は更なるインタフェースを備えることができる。そのような更なるインタフェースは、第2の搬送機器又はその一部あるいは一区分をそれぞれ作動させるために設けることもできる。また、更なるインタフェースは、第1の搬送機器を制御するための制御機器を制御するあるいは駆動させるように設けて構成することもできる。
【0102】
処理装置は、医療機能機器、特に本発明に係る医療機能機器と機能的に結合可能又は接続可能にすることができ、医療機能機器と結合又は接続するように適合させることができ、あるいは、医療機能機器を備えることができる。
【0103】
医療処置を行なうべく、処理装置は、医療処置の性能等を誘発しあるいはもたらすそれぞれのために、例えば、体外血液回路、医療処置の性能を制御するための制御機器、状態又は条件のそれぞれ及び/又は医療処置のパラメータを表示するあるいは示すための機器、例えばディスプレイ等、処理装置の1つ以上の構成要素を作動させあるいは駆動させあるいは制御するための機器、例えばキーボード等といった更なる機器と更に結合可能又は接続可能にすることができ、更なる機器と結合又は接続するように適合させることができ、あるいは、更なる機器を備えることができる。
【0104】
幾つかの実施形態において、処理装置は、医療機能機器と処理装置との間のインタフェースである均一なあるいは不均一な結合面を備える。結合面は、アクチュエータ(例えば、弁を駆動させるためのアクチュエータ)、センサ(例えば、圧力センサ)、及び、結合要素(例えば、押し込み要素)を備えることができる。
【0105】
処理装置は、例えば、血液処理装置、多輸液装置、腹膜透析装置、又は、輸液装置となることができる。
【0106】
本発明の目的は、請求項17に係る方法によって更に解決される。医療機能機器によって達成され得る全ての利点は、本発明に係る方法によっても同様に低下することなくあるいは機能を損なうことなく得ることができる。
【0107】
本発明に係る方法は、本発明に係る少なくとも1つの医療機能機器又は本発明に係る少なくとも1つの処理装置を使用することによって少なくとも1つの医用流体を搬送することを含む。
【0108】
幾つかの実施形態において、本発明に係る方法は、先の説明から読み取ることもできる前述したプロセスステップ又は動作のうちの1つ以上を含む。
【0109】
好ましい実施形態において、本発明に係る方法は、医用流体を搬送するための第1の搬送機器を作動させるべく少なくとも1つの作動流体を第2の流体システム内で搬送するために少なくとも1つの第2の搬送機器を作動させることを含む。
【0110】
本発明に係る方法は、直列接続又は並列接続を成す多数の第1の搬送機器を個別に制御するために多数の制御機器を制御することを含むことができる。
【0111】
幾つかの実施形態において、本発明に係る方法は、少なくとも1つの血液ポンプと少なくとも1つの透析液ポンプとを制御形態で同時に作動させることを含む(この場合、以下でも同様に、ポンプは第1の搬送機器として理解されるべきである)。
【0112】
本発明に係る幾つかの実施形態において、方法は、ヘパリン又はヘパリン含有溶液のための少なくとも1つのポンプを制御形態で同時に作動させることを含む。
【0113】
本発明に係る幾つかの実施形態において、方法は、クエン酸塩含有溶液のための少なくとも1つのポンプ及び/又はカルシウム含有溶液のための少なくとも1つの更なるポンプを制御形態で同時に作動させることを含む。
【0114】
本発明に係る幾つかの実施形態において、方法は、少なくとも1つの置換ポンプを制御形態で同時に作動させることを含む。
【0115】
本発明に係る幾つかの実施形態において、方法は、少なくとも1つの事前希釈ポンプ及び/又は少なくとも1つの事後希釈ポンプを制御形態で同時に作動させることを含む。
【0116】
本発明に係る幾つかの実施形態において、方法は、薬物を体外血液回路へ注入するための少なくとも1つのポンプを制御形態で同時に作動させることを含む。
【0117】
本発明に係る幾つかの実施形態において、方法は、ポンプの入口側及び/又は出口側で作動流体ライン中の少なくとも1つの弁を制御することを含む。
【0118】
本発明は、例えば使い捨てカセットの形状を成す医療機能機器を提供する。カセットは、本発明に係るその構造に起因して、特定の高い一体化レベルを有することができ有益である。
【0119】
本発明に係る医療機能機器は、自立ユニット又は自立システムのそれぞれとなることができ有益である。第2の搬送機器により搬送される作動流体によって第1の搬送機器を作動させることにより、医療機能機器は、第1の搬送機器、及び、随意的に、例えば血液ポンプ及び/又は平衡チャンバの搬送機器などの医療処置のために使用される更なる搬送機器の全てを作動させるために必要とされるエネルギをそれ自体で発生させることができ有益である。
【0120】
処理されるべきあるいは加えられるべき医用流体が処理装置と直接に流体的なあるいは作用的な接続又は連通をなさないため、処理されるべきあるいは加えられるべき医用流体の汚染の危険を減らすことができ有益である。本発明の医療機能機器は、密閉シールされた使い捨て可能なカセットとなることができる。このように、本発明の医療機能機器は、処理されるべきあるいは加えられるべき医用流体のための高い保護を与えることができ有益である。
【0121】
第1の搬送機器及び第2の搬送機器の両方が医療機能機器に組み込まれるため、医療機能機器の使用に対して簡略化された衛生的概念を与えることができ有益である。本発明に係る医療機能機器をその全ての構成要素と共に使い切り物品又は使い捨て可能な物品のそれぞれとして設計できるため、本発明に係る医療機能機器の単一の実装部品又は実装要素の洗浄及び/又は殺菌を省くことができる。このため、本発明に係る医療機能機器は、全体として、医療処置方法のための費用効率の高い機器をもたらすことができ有益である。
【0122】
そのような医療機能機器では、流体接触する全ての要素又は構成部品が本発明に係る医療機能機器の1回の使用後に処分されるため、医療処置方法の安全性及び衛生を更に高めることができ有益である。
【0123】
第2の搬送機器又はその回転部のそれぞれを作動させるための磁気駆動インタフェースは、第2の搬送機器の非接触な及び/又はシールの無い作動をもたらすことができ有益である。このようにすると、医療機能機器と処理装置との間の開放インタフェースを省くことができ有益である。
【0124】
このようにして、医療機能機器の特定の安全な作動を確保することができ有益である。したがって、作動流体の汚染の危険を減らすことができるとともに更には完全に排除することができ有益である。
【0125】
本発明に係る医療機能機器では、複数の第1の搬送機器のために必要とされる作動エネルギをたった1つの単一の(非接触)インタフェースを介して使い捨て可能なカセットへ伝えることができるとともに、そのエネルギをそこで複数の第1の搬送機器へと圧力増大又は圧力変化によって分配することができ有益である。このようにすると、複数の第1の搬送機器のための多数の個々の駆動機器を機械側で省くことができ有益である。したがって、本発明に係る医療機能機器は、非常に簡単な費用効率の高い及び/又は安全な駆動概念をもたらすことができ有益である。
【0126】
医療機能機器と処理装置との間には1つの駆動インタフェースしか必要とされないため、本発明に係る処理装置は、それに対応して簡単な技術的に複雑でない機械表面を備えることができ有益である。
【0127】
機械表面を自由な方法で設計することができ有益である。機械表面を容易に洗浄することができ有益である。蠕動ポンプのためのエア接続及び/又はロータ軸を省くことができ有益である。
【0128】
本発明に係る医療機能機器における第1の機能機器を例えば処理装置などの外部装置への接続を介して単独で作動させる必要がないため、例えば空気圧作動される膜ポンプを第1の搬送機器として使用するのと比べて技術的な複雑さを減らすことができ有益である。
【0129】
また、血液又は透析液を押し進めるあるいは搬送するそれぞれのための空気圧式膜ポンプを作動させる強力なコンプレッサを省くことができ有益である。これは、高ノイズ源となり得るものの発現を最小限に抑えるのに寄与することができ有益である。
【0130】
また、透析流体及び/又は置換流体を作動流体として使用することにより、例えば無菌空気などの無菌作動流体として使用するための任意の更なる流体の生成を省くことができ有益である。先行技術によると、透析流体及び/又は置換流体を処理装置の中でオンラインで製造及び/又は生成することができる。
【0131】
したがって、例えば空気を吸い込むための環境への「開放」インタフェースを省くことができ更に有益である。このようにすると、安全性及び衛生を確保するための労力を減らすことができ有益である。
【0132】
圧縮不可能な流体が好ましくは流れ媒体として使用されるため、流動ノイズを減らすことができ更に有益である。
【0133】
以下、本発明を添付図面に関して典型的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明に係る医療機能機器の液圧システムの構成を概略的に簡略化された態様で示している。
【図2】作動流体のための供給ライン又は排出ラインをそれぞれ備える図1の構成の一部を示している。
【図3】第2の作用空間を有するダブルピストンポンプを示している。
【図4】改良された弁器具のあるフロー図を示している。
【図5】改良された弁器具のある他のフロー図を示している。
【図6】単一のラインを備える図1の表示の一部を示している。
【発明を実施するための形態】
【0135】
図1は、医療機能機器のための一例としての外部医療機能機器における液圧システム100を示している。前記外部医療機能機器は、以下で想定される血液カセットとなることができる。しかしながら、外部医療機能機器は血液カセット以外のものとなることもできる。
【0136】
液圧システム100は第1の流体システム1と第2の流体システム3とを備える。
【0137】
第1の流体システム1は多数の第1の搬送機器51(又は51a)、53、55(又は55a)及び57を備える。これらの搬送機器は、膜ポンプ51、53、55として及びピストンポンプ57としてそれぞれ単に典型的に図案化されあるいは例示されているにすぎない。
【0138】
第2の流体システム3は第2の搬送機器7を備える。第2の搬送機器7は遠心ポンプとなることができる。閉じられたカセット内に磁気的に支持されてカセットの外側から磁気的に駆動されるインペラを、好ましくは外部医療機能機器に組み込むことができ、すなわち、カセット内蔵型にできる。インペラを処理装置の結合表面又は結合平面から機械側で駆動させることができる。駆動を非接触で行なえることが好ましい。
【0139】
第2の搬送機器7は作動流体を第1の搬送方向で搬送する。図1において、時計回り方向に向けられる作動流体の第1の搬送方向は、第2の流体システム3中に描かれる3/4円形状の矢印及び矢尻により示されている。
【0140】
図1に示されるように、フィルタ9又はスロットルが第2の流体システム3に配置される。
【0141】
第2の流体システム3は、第2の搬送機器7の吐出側P+に配置される吐出ライン11を備える。
【0142】
第2の流体システム3は、第2の搬送機器7の吸込側P−に配置される吸込ライン13を備える。
【0143】
図1には、4つの第1の搬送機器が典型的に示されている。第1の搬送機器は、第2の搬送機器7の吐出側P+と吸込側P−との間に接続することができる。図1に示されるように、第1の搬送機器は、分岐ライン15を介して吐出ライン11及び吸込ライン13に接続される。第1の搬送機器51(又は51a)、53、55(又は55a)及び57は、ここでは、第2の搬送機器7の吐出側P+及び吸込側P−と並列に接続される。
【0144】
第1の搬送機器51(又は51a)、53、55(又は55a)及び57は、図1に示される矢尻により表わされるように、作動流体の第1の搬送方向とは反対の方向、すなわち、図1の反時計回り方向で(1つ以上の)医用流体を搬送する
【0145】
図1に示される液圧システム100では、原理上、作動のために圧力差ΔPを必要とする全てのポンプを第1の搬送機器として使用できる。例えば、膜ポンプが第1の搬送機器51、51a、53、55及び55aとして使用される場合には、膜ポンプ51、51a、53、55及び55aのそれぞれの作動流体チャンバを作動中に第2の搬送機器7の吐出ライン11を介して充填することができる。入力側の弁17a及び出力側の弁17bのそれぞれを切り換えることにより、膜ポンプ51、51a、53、55及び55aの作動流体チャンバを再び空にすることができる。
【0146】
クエン酸塩抗凝血(Ci−Ca抗凝血)を用いた体外血液処理では、クエン酸塩含有溶液を搬送するための少なくとも1つの膜ポンプ51が、カルシウム含有溶液を搬送するための少なくとも1つの更なる独立した膜ポンプ51aと共に作動される。膜ポンプ53は、例えば、ヘパリンを搬送する役目を果たすことができる。膜ポンプ55は、例えば、血液を搬送する役目を果たすことができる。膜ポンプ55aは、例えば、透析液を搬送する役目を果たすことができる。前述した全てのポンプ51、51a、53、55及び55aを同時に作動させることができる。これらのポンプは並列に接続される。しかしながら、これらのポンプの一部を直列に接続することもできる。また、同じことが、ここで図示されないあるいは言及されない更なるポンプ又は膜ポンプに関しても当てはまる。
【0147】
また、ピストンポンプを使用することもでき、これは図1にピストンポンプ57として示される。この場合、過度の圧力をそれぞれの弁によってピストンポンプ57の駆動ピストン19へ方向付けることができる。膜ポンプの作動中以外は、専ら吐出ライン11からの過圧によってピストンポンプ57のポンプリフトを駆動させることができるにすぎない。
【0148】
膜ポンプ53と膜ポンプ55との間のそれぞれのライン15が省略を用いて示されるように、任意の更なる数の第1の搬送機器を第1の流体システム1に配置することができる。第2の搬送機器7が閉じられた第2の流体システム3で搬送するときには、圧力は、回転速度に依存するように上昇して、ポンプハウジング内の流体を流出させることができる。第2の搬送機器7が回路に送出する場合には、吐出側P+で高圧(最大で約2bar)及び吸込側P−側で低圧(最大で約−800mbar)をそれぞれ生じることができる。最大で22 l/分の体積流量がそこから生じることができる。
【0149】
第1の搬送機器を十分に空にするために低圧を保持するべく、幾つかのベンチュリノズル(図1に示されない)を液圧システム100に接続しあるいは組み込むことができる。
【0150】
図2は、図1に示される構成の一部及びその本発明に係る改良を示す。
【0151】
図2に示される第2の流体システム3は、フィルタ9(図1の場合と同様に、これもスロットル、リストリクタ等になり得る)。の前又は後のそれぞれに作動流体用の供給ライン21及び排出ライン23を備える。
【0152】
図3は、特に第1の流体システム1でポンプ19として使用されるための、第1の作用空間27と第2の作用空間29とを備えるダブルピストンポンプ25を示している。
【0153】
図4は、本発明に係る医療機能機器の改良された弁構造のあるフロー図を示している。
【0154】
図5は、改良された弁器具のある他のフロー図を示しており、図4の構成と比較して、図5には更なる弁31、33が示されている。
【0155】
図6は、単一のライン35を備える図1の表示の一部を示しており、本発明に含まれる特別な実施形態でも想起されるように、ライン35により、医用流体を吸い込んで分岐ラインを介して元の所へ圧送することができる。この分岐ライン又は単一のラインはそれぞれ、サンプリング、バッチ搬送、単針血液透析、腹膜透析サイクラー等のために使用できる。
【0156】
また、図6には、受動逆止弁37a、37bが示されている。無論、当業者により容易に認識されるように、任意の文脈で前述したそれぞれの弁をそのような戻し弁37a又は37bとして設計することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの医用流体を受けるための少なくとも1つの第1の流体システム(1)と、
前記医用流体を搬送するための少なくとも1つの第1の搬送機器(51、51a、53、55、55a、57)と、
少なくとも1つの作動流体を受けるための少なくとも1つの第2の流体システム(3)と、
少なくとも前記第1の搬送機器を作動させるための少なくとも1つの第2の搬送機器(7)と、
を備え、
前記第1の搬送機器(51、51a、53、55、55a、57)が前記作動流体の手段によって駆動されるように配置される、
医療機能機器。
【請求項2】
少なくとも1つの第1の搬送機器(51、51a、53、55、55a、57)は、それが前記第2の搬送機器(7)の吐出側(P+)及び/又は吸込側(P−)と接続されあるいは接続できるように配置される請求項1に記載の医療機能機器。
【請求項3】
第1の搬送機器(51、51a、53、55、55a、57)は、それらが前記第2の搬送機器(7)の吐出側(P+)及び/又は吸込側(P−)と並列に機能的に接続されあるいは接続できるように配置される請求項2に記載の医療機能機器。
【請求項4】
第1の搬送機器(51、51a、53、55、55a、57)は、それらが前記第2の搬送機器(7)の吐出側(P+)及び/又は吸込側(P−)と直列接続で機能的に接続されあるいは接続できるように配置される請求項2に記載の医療機能機器。
【請求項5】
前記第1の搬送機器(51、51a、53、55、55a、57)は、膜ポンプ、ピストンポンプ、フレキシブルチューブポンプ、及び、蠕動ポンプから選択される容量形ポンプである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の医療機能機器。
【請求項6】
前記第2の搬送機器(7)が遠心ポンプである請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の医療機能機器。
【請求項7】
前記第2の搬送機器(7)は、磁気的に支持される少なくとも1つの回転部分を備える請求項6に記載の医療機能機器。
【請求項8】
前記回転部分は、外部駆動の手段によって磁気的に作動されるように構成される請求項7に記載の医療機能機器。
【請求項9】
前記第1の流体システム(1)及び前記第2の流体システム(3)が流体密な方法で互いから分離される請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の医療機能機器。
【請求項10】
前記医用流体は、血液、透析液、置換液、薬物、薬物製剤、及び、これらの混合物あるいは組み合わせから選択される請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の医療機能機器。
【請求項11】
前記作動流体は、透析液、置換液、無菌圧縮空気、油圧オイル、水、及び、これらの混合物あるいは組み合わせから選択される請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の医療機能機器。
【請求項12】
使い捨て可能なカセットとして、特に体外血液処理のための血液カセットとして及び/又は透析液カセットとして、あるいは、腹膜透析のためのカセットとして設計される請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の医療機能機器。
【請求項13】
請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の医療機能機器の少なくとも1つの第2の搬送機器(7)を作動させるように設けられて構成される少なくとも1つの制御機器を備える医用流体を処理するための処理装置。
【請求項14】
磁気駆動インタフェースの手段によって前記第2の搬送機器(7)を作動させるように設けられて構成される少なくとも1つの機器を備える請求項13に記載の処理装置。
【請求項15】
請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の医療機能機器と機能的に結合されあるいは前記医療機能機器を備える請求項13又は請求項14のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項16】
血液の処理装置又は注入装置である請求項13〜請求項15のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項17】
少なくとも1つの医用流体を搬送するための方法であって、
請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の少なくとも1つの医療機能機器又は請求項13〜請求項16のいずれか1項に記載の少なくとも1つの処理装置を使用するステップを備える方法。
【請求項18】
医用流体を搬送するための第1の搬送機器(51、51a、53、55、55a、57)を作動させるべく少なくとも1つの作動流体を第2の流体システム(3)内で搬送するために少なくとも1つの第2の搬送機器(7)を作動させるステップを更に備える請求項17に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つの血液ポンプと少なくとも1つの透析液ポンプとを制御形態で同時に作動させるステップを更に備える請求項17又は請求項18に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1つのヘパリンポンプ又はヘパリン含有溶液ポンプを制御形態で同時に作動させるステップを更に備える請求項17〜請求項19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
少なくとも1つのクエン酸塩含有溶液ポンプ及び少なくとも1つの更なるカルシウム含有溶液ポンプを制御形態で同時に作動させるステップを更に備える請求項17〜請求項20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1つの置換ポンプを制御形態で同時に作動させるステップを更に備える請求項17〜請求項21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも1つの事前希釈ポンプ及び/又は少なくとも1つの事後希釈ポンプを制御形態で同時に作動させるステップを更に備える請求項17〜請求項22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
薬物を体外血液回路へ注入するための少なくとも1つのポンプを制御形態で同時に作動させるステップを更に備える請求項17〜請求項23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
ポンプ(51、51a、53、55、55a、57)の入口側及び/又は出口側の作動流体ライン中の少なくとも1つの弁(17a、17b)を制御するステップを更に備える請求項17〜請求項24のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−518689(P2013−518689A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552306(P2012−552306)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【国際出願番号】PCT/EP2011/000599
【国際公開番号】WO2011/098265
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(512131933)フレゼニウス ムディカル カーレ ドイチェランド ゲーエムベーハー (4)
【氏名又は名称原語表記】Fresenius Medical Care Deutschland GmbH
【住所又は居所原語表記】Else−Kroener−Strasse 1, 61352 Bad Homburg v.d.H., GERMANY
【Fターム(参考)】