医療用ガイドワイヤ
【課題】X線不透過性であり、変形した際に優れた形状復元性を発揮し、しかも製造時にクラックが発生しにくいコイル体を備えた医療用ガイドワイヤを提供する。
【解決手段】医療用ガイドワイヤ1のコイル体3を、ニッケルの含有率が10質量%〜17質量%の金ニッケル合金によって構成した。
【解決手段】医療用ガイドワイヤ1のコイル体3を、ニッケルの含有率が10質量%〜17質量%の金ニッケル合金によって構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用分野で好適に用いられる医療用ガイドワイヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療現場において血管、尿管、又は器官等へのカテーテルの挿入や、血管の動脈瘤形成部への体内留置具の挿入の際にガイドとして用いられる医療用ガイドワイヤ(医療用誘導ワイヤ)は、既によく知られている。通常、該医療用ガイドワイヤは、コアシャフトと、該コアシャフトの先端部外周に巻回されたコイル体とを備え、該コイル体の先端部と該コアシャフトの先端部とが接合されている。
また、前記医療用ガイドワイヤは、体内での位置確認のために例えばコイル体にX線不透過性材料が採用されていることもよく知られている。そして、このようなX線不透過性材料としては例えばプラチナがある。しかし、高価なプラチナを採用すると製品価格が高騰するため、これを回避すべく従来から他の材料も種々提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
前記特許文献1には、医療用誘導ワイヤのコイルが、金ニッケル合金からなる発明が開示されている。また、前記特許文献2には、例えばプラチナを含むニッケル−チタンもしくはニチノールのような超弾性合金で、ガイドワイヤを作る発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2000−504983号
【特許文献2】特表2006−501926号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えばコイル体に金ニッケル合金を採用した構成においては、X線不透過性の機能は備えるものの該コイル体(コイル)の引張破断強度が不足して該コイル体の製造時(いわゆるコイリング時)にクラックが発生する場合がある。このため、従来までの金ニッケル合金を採用したコイル体は、プラチナを採用したコイル体の代替品とはなりにくいという問題があった。
一方、該コイル体は、例えば血管内挿入時に先導部として機能を果たすべく変形した際の形状復元性が要求されるが、従来のプラチナ製のものは、該形状復元性が悪いという問題があり、安価で形状復元性の優れた実用性に富むコイル体が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明は、前記問題を解決すべく、コアシャフトと、前記コアシャフトの先端部外周に巻回されたコイル体とを備え、前記コイル体の先端部と前記コアシャフトの先端部とが接合されている医療用ガイドワイヤにおいて、前記コイル体が、ニッケルの含有率が10質量%〜17質量%の金ニッケル合金によって構成されていることを特徴とする医療用ガイドワイヤを提供するものである。
【0007】
前記構成にあって、金ニッケル合金は安価かつ容易に入手でき、しかもX線不透過性材料であるから、前記コイル体の材料として好適である。ここで、該コイル体を金ニッケル合金で構成すると、プラチナで構成されたコイル体(従来品)に比べて引張破断強度が低下し、コイル体の製造時(いわゆるコイリング時)にクラックが発生してしまう場合があるが、本発明にあっては該コイル体を構成する金ニッケル合金のニッケルの含有率を10質量%以上としたため、適正な引張破断強度が確保され、前記クラックの発生を抑制することができる。
一方、該コイル体を構成する金ニッケル合金のニッケルの含有率が高すぎると、該コイル体の形状復元性が低下してしまい、医療用ガイドワイヤとして操作性が悪化してしまうが、該コイル体を構成する金ニッケル合金のニッケルの含有率を17質量%以下としたため、例えばプラチナで構成されたコイル体(従来品)に比べても遜色のない適正な形状復元性が確保され、前記操作性が一層向上する。
したがって、本発明は、X線不透過性、及び形状復元性に優れ、しかも製造時にクラックが発生しにくいコイル体を備えた医療用ガイドワイヤとなる。
【0008】
また、前記コイル体を構成する金ニッケル合金の結晶組織は、繊維状組織であることが望ましい。
【0009】
前記構成とすると、形状復元性、操作性、及び耐久性に優れた医療用ガイドワイヤが提供可能となる。
【0010】
さらに、前記コイル体は、多条コイル体であることが望ましい。
【0011】
前記構成とすると、引張破断強度をさらに増大させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の医療用ガイドワイヤは、X線不透過性であって、優れた形状復元性を有し、しかも製造時にクラックが発生しにくいコイル体を備えているという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】医療用ガイドワイヤの全体を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明にかかる医療用ガイドワイヤの実施形態を添付図面に従って以下に説明する。
図1に示すように、医療用ガイドワイヤ1は、先端部2A側が細径で後端部2B側が太径のコアシャフト2と、該コアシャフト2の先端部2Aの外周に巻回されているコイル体3とを備えている。
【0015】
また、該コアシャフト2の先端部2Aには、略半球体形状の先導頭4が固定されており、該先導頭4に前記コイル体3の先端部3Aが接続され、該コアシャフト2の先端部2Aと該コイル体3の先端部3Aとが接合されている。
【0016】
また、前記コイル体3の後端部3Bは、前記コアシャフト2の外周に設けられている凸段部5に当接されており、これにより該コイル体3が該コアシャフト2に対して所要位置に固定されている。
【0017】
さらに、前記医療用ガイドワイヤ1のコイル体3は、ニッケルの含有率が10質量%〜17質量%の金ニッケル合金によって構成されている。このようにコイル体3の材料に安価で入手容易な金ニッケル合金を採用すると、製品価格が低廉となり、しかも該コイル体3のX線不透過性が確保される。また、該コイル体3のコイリング時に、クラックが発生しにくい。また、該コイル体3が変形した際に、優れた形状復元性が発揮される。
【0018】
仮に、コイル体3を構成する金ニッケル合金のニッケルの含有率が10質量%に満たない場合、該コイル体3の形状復元性が劣る。また、該コイル体3を構成する金ニッケル合金のニッケルの含有率が17質量%を超えた場合には、同様に該コイル体3のコイリングの際にクラックが発生する。
【0019】
以下、本発明の実施例及び比較例について表1に従って説明する。
【0020】
〔形状復元性〕
コイル体3の形状復元性を評価するために、コイル体3に対して往復引張試験を行い、荷重(kgf)を0(kgf)とした際の変位(mm)を残留歪みとして測定した。具体的には、線径φ0.09×外径φ0.34のコイル体について往復引張試験を実施した。
【0021】
〔クラック〕
コイル体3においてコイリング時にクラックが発生するか否かを評価するために、コイル体3に対して引張破断強度試験を実施した。
【0022】
上記引張試験は、素線のみで実施し、JIS Z 2241に準じて行った。
【0023】
〔実施例1〕
実施例1は、コイル体3の材料を金ニッケル合金とし、さらに該金ニッケル合金のニッケルの含有率を10質量%とした構成である。かかる構成は、従来品(比較例3)に比べて残留歪みが少なく、従来品に比べて形状復元性が優っている。また、コイリング時にクラックが発生していない。
【0024】
〔実施例2〕
実施例2は、コイル体3の材料を金ニッケル合金とし、さらに該金ニッケル合金のニッケルの含有率を14質量%とした構成である。かかる構成は、従来品(比較例3)に比べて残留歪みが少なく、従来品に比べて形状復元性が優っている。また、コイリング時にクラックが発生していない。
【0025】
〔実施例3〕
実施例3は、コイル体3の材料を金ニッケル合金とし、さらに該金ニッケル合金のニッケルの含有率を17質量%とした構成である。かかる構成は、従来品(比較例3)に比べて残留歪みが極めて少なく、従来品に比べて形状復元性が優っている。また、コイリング時にクラックが発生していない。
【0026】
〔比較例1〕
比較例1は、コイル体3の材料を金ニッケル合金とし、さらに該金ニッケル合金のニッケルの含有率を9質量%とした構成である。かかる構成は、コイリング時にクラックが発生している。
【0027】
〔比較例2〕
比較例2は、コイル体3の材料を金ニッケル合金とし、さらに該金ニッケル合金のニッケルの含有率を18質量%とした構成である。かかる構成は、コイリング時にクラックが発生している。
【0028】
〔比較例3〕
比較例3は、コイル体3の材料をプラチナとした構成である。かかる構成は、実施例1〜3に比べて形状復元性が劣っている。
【0029】
〔表1〕
【0030】
また、前記コイル体3を構成する金ニッケル合金の硬さは、HV290〜390であることが望ましい。該金ニッケル合金の硬さは、ビッカース硬度計で測定している。
【0031】
また、前記コイル体3を構成する該金ニッケル合金の結晶組織は、繊維状組織であることが望ましい。その場合には、コイル体3の形状復元性が高められる。なお、該繊維状組織の繊維方向は、コイル体3の巻回方向に一致しており、該繊維方向と、該コイル体3の先端部3Aの形状復元性とは関連が認められる。
【0032】
本発明は、上述した実施例に限定されることはなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更することは勿論可能である。
例えば、前記した医療用ガイドワイヤ1のコイル体3は単一であるが、材料や寸法形状を互いに異ならせた複数のコイル体3をコアシャフト2の軸方向に並べて配置してもよい。
また、本実施形態においては、コイル体3を単条コイルとして説明したが、多条コイルとして構成してもよい。その場合には、引張破断強度をさらに増大させることができる。
【符号の説明】
【0033】
1 医療用ガイドワイヤ
2 コアシャフト
2A コアシャフトの先端部
3 コイル体
3A コイル体の先端部
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用分野で好適に用いられる医療用ガイドワイヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療現場において血管、尿管、又は器官等へのカテーテルの挿入や、血管の動脈瘤形成部への体内留置具の挿入の際にガイドとして用いられる医療用ガイドワイヤ(医療用誘導ワイヤ)は、既によく知られている。通常、該医療用ガイドワイヤは、コアシャフトと、該コアシャフトの先端部外周に巻回されたコイル体とを備え、該コイル体の先端部と該コアシャフトの先端部とが接合されている。
また、前記医療用ガイドワイヤは、体内での位置確認のために例えばコイル体にX線不透過性材料が採用されていることもよく知られている。そして、このようなX線不透過性材料としては例えばプラチナがある。しかし、高価なプラチナを採用すると製品価格が高騰するため、これを回避すべく従来から他の材料も種々提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
前記特許文献1には、医療用誘導ワイヤのコイルが、金ニッケル合金からなる発明が開示されている。また、前記特許文献2には、例えばプラチナを含むニッケル−チタンもしくはニチノールのような超弾性合金で、ガイドワイヤを作る発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2000−504983号
【特許文献2】特表2006−501926号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えばコイル体に金ニッケル合金を採用した構成においては、X線不透過性の機能は備えるものの該コイル体(コイル)の引張破断強度が不足して該コイル体の製造時(いわゆるコイリング時)にクラックが発生する場合がある。このため、従来までの金ニッケル合金を採用したコイル体は、プラチナを採用したコイル体の代替品とはなりにくいという問題があった。
一方、該コイル体は、例えば血管内挿入時に先導部として機能を果たすべく変形した際の形状復元性が要求されるが、従来のプラチナ製のものは、該形状復元性が悪いという問題があり、安価で形状復元性の優れた実用性に富むコイル体が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明は、前記問題を解決すべく、コアシャフトと、前記コアシャフトの先端部外周に巻回されたコイル体とを備え、前記コイル体の先端部と前記コアシャフトの先端部とが接合されている医療用ガイドワイヤにおいて、前記コイル体が、ニッケルの含有率が10質量%〜17質量%の金ニッケル合金によって構成されていることを特徴とする医療用ガイドワイヤを提供するものである。
【0007】
前記構成にあって、金ニッケル合金は安価かつ容易に入手でき、しかもX線不透過性材料であるから、前記コイル体の材料として好適である。ここで、該コイル体を金ニッケル合金で構成すると、プラチナで構成されたコイル体(従来品)に比べて引張破断強度が低下し、コイル体の製造時(いわゆるコイリング時)にクラックが発生してしまう場合があるが、本発明にあっては該コイル体を構成する金ニッケル合金のニッケルの含有率を10質量%以上としたため、適正な引張破断強度が確保され、前記クラックの発生を抑制することができる。
一方、該コイル体を構成する金ニッケル合金のニッケルの含有率が高すぎると、該コイル体の形状復元性が低下してしまい、医療用ガイドワイヤとして操作性が悪化してしまうが、該コイル体を構成する金ニッケル合金のニッケルの含有率を17質量%以下としたため、例えばプラチナで構成されたコイル体(従来品)に比べても遜色のない適正な形状復元性が確保され、前記操作性が一層向上する。
したがって、本発明は、X線不透過性、及び形状復元性に優れ、しかも製造時にクラックが発生しにくいコイル体を備えた医療用ガイドワイヤとなる。
【0008】
また、前記コイル体を構成する金ニッケル合金の結晶組織は、繊維状組織であることが望ましい。
【0009】
前記構成とすると、形状復元性、操作性、及び耐久性に優れた医療用ガイドワイヤが提供可能となる。
【0010】
さらに、前記コイル体は、多条コイル体であることが望ましい。
【0011】
前記構成とすると、引張破断強度をさらに増大させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の医療用ガイドワイヤは、X線不透過性であって、優れた形状復元性を有し、しかも製造時にクラックが発生しにくいコイル体を備えているという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】医療用ガイドワイヤの全体を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明にかかる医療用ガイドワイヤの実施形態を添付図面に従って以下に説明する。
図1に示すように、医療用ガイドワイヤ1は、先端部2A側が細径で後端部2B側が太径のコアシャフト2と、該コアシャフト2の先端部2Aの外周に巻回されているコイル体3とを備えている。
【0015】
また、該コアシャフト2の先端部2Aには、略半球体形状の先導頭4が固定されており、該先導頭4に前記コイル体3の先端部3Aが接続され、該コアシャフト2の先端部2Aと該コイル体3の先端部3Aとが接合されている。
【0016】
また、前記コイル体3の後端部3Bは、前記コアシャフト2の外周に設けられている凸段部5に当接されており、これにより該コイル体3が該コアシャフト2に対して所要位置に固定されている。
【0017】
さらに、前記医療用ガイドワイヤ1のコイル体3は、ニッケルの含有率が10質量%〜17質量%の金ニッケル合金によって構成されている。このようにコイル体3の材料に安価で入手容易な金ニッケル合金を採用すると、製品価格が低廉となり、しかも該コイル体3のX線不透過性が確保される。また、該コイル体3のコイリング時に、クラックが発生しにくい。また、該コイル体3が変形した際に、優れた形状復元性が発揮される。
【0018】
仮に、コイル体3を構成する金ニッケル合金のニッケルの含有率が10質量%に満たない場合、該コイル体3の形状復元性が劣る。また、該コイル体3を構成する金ニッケル合金のニッケルの含有率が17質量%を超えた場合には、同様に該コイル体3のコイリングの際にクラックが発生する。
【0019】
以下、本発明の実施例及び比較例について表1に従って説明する。
【0020】
〔形状復元性〕
コイル体3の形状復元性を評価するために、コイル体3に対して往復引張試験を行い、荷重(kgf)を0(kgf)とした際の変位(mm)を残留歪みとして測定した。具体的には、線径φ0.09×外径φ0.34のコイル体について往復引張試験を実施した。
【0021】
〔クラック〕
コイル体3においてコイリング時にクラックが発生するか否かを評価するために、コイル体3に対して引張破断強度試験を実施した。
【0022】
上記引張試験は、素線のみで実施し、JIS Z 2241に準じて行った。
【0023】
〔実施例1〕
実施例1は、コイル体3の材料を金ニッケル合金とし、さらに該金ニッケル合金のニッケルの含有率を10質量%とした構成である。かかる構成は、従来品(比較例3)に比べて残留歪みが少なく、従来品に比べて形状復元性が優っている。また、コイリング時にクラックが発生していない。
【0024】
〔実施例2〕
実施例2は、コイル体3の材料を金ニッケル合金とし、さらに該金ニッケル合金のニッケルの含有率を14質量%とした構成である。かかる構成は、従来品(比較例3)に比べて残留歪みが少なく、従来品に比べて形状復元性が優っている。また、コイリング時にクラックが発生していない。
【0025】
〔実施例3〕
実施例3は、コイル体3の材料を金ニッケル合金とし、さらに該金ニッケル合金のニッケルの含有率を17質量%とした構成である。かかる構成は、従来品(比較例3)に比べて残留歪みが極めて少なく、従来品に比べて形状復元性が優っている。また、コイリング時にクラックが発生していない。
【0026】
〔比較例1〕
比較例1は、コイル体3の材料を金ニッケル合金とし、さらに該金ニッケル合金のニッケルの含有率を9質量%とした構成である。かかる構成は、コイリング時にクラックが発生している。
【0027】
〔比較例2〕
比較例2は、コイル体3の材料を金ニッケル合金とし、さらに該金ニッケル合金のニッケルの含有率を18質量%とした構成である。かかる構成は、コイリング時にクラックが発生している。
【0028】
〔比較例3〕
比較例3は、コイル体3の材料をプラチナとした構成である。かかる構成は、実施例1〜3に比べて形状復元性が劣っている。
【0029】
〔表1〕
【0030】
また、前記コイル体3を構成する金ニッケル合金の硬さは、HV290〜390であることが望ましい。該金ニッケル合金の硬さは、ビッカース硬度計で測定している。
【0031】
また、前記コイル体3を構成する該金ニッケル合金の結晶組織は、繊維状組織であることが望ましい。その場合には、コイル体3の形状復元性が高められる。なお、該繊維状組織の繊維方向は、コイル体3の巻回方向に一致しており、該繊維方向と、該コイル体3の先端部3Aの形状復元性とは関連が認められる。
【0032】
本発明は、上述した実施例に限定されることはなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更することは勿論可能である。
例えば、前記した医療用ガイドワイヤ1のコイル体3は単一であるが、材料や寸法形状を互いに異ならせた複数のコイル体3をコアシャフト2の軸方向に並べて配置してもよい。
また、本実施形態においては、コイル体3を単条コイルとして説明したが、多条コイルとして構成してもよい。その場合には、引張破断強度をさらに増大させることができる。
【符号の説明】
【0033】
1 医療用ガイドワイヤ
2 コアシャフト
2A コアシャフトの先端部
3 コイル体
3A コイル体の先端部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアシャフトと、
前記コアシャフトの先端部外周に巻回されたコイル体と
を備え、
前記コイル体の先端部と前記コアシャフトの先端部とが接合されている医療用ガイドワイヤにおいて、
前記コイル体は、ニッケルの含有率が10質量%〜17質量%の金ニッケル合金によって構成されていることを特徴とする医療用ガイドワイヤ。
【請求項2】
前記コイル体を構成する金ニッケル合金の結晶組織は、繊維状組織である請求項1記載の医療用ガイドワイヤ。
【請求項3】
前記コイル体は、多条コイル体である請求項1又は請求項2記載の医療用ガイドワイヤ。
【請求項1】
コアシャフトと、
前記コアシャフトの先端部外周に巻回されたコイル体と
を備え、
前記コイル体の先端部と前記コアシャフトの先端部とが接合されている医療用ガイドワイヤにおいて、
前記コイル体は、ニッケルの含有率が10質量%〜17質量%の金ニッケル合金によって構成されていることを特徴とする医療用ガイドワイヤ。
【請求項2】
前記コイル体を構成する金ニッケル合金の結晶組織は、繊維状組織である請求項1記載の医療用ガイドワイヤ。
【請求項3】
前記コイル体は、多条コイル体である請求項1又は請求項2記載の医療用ガイドワイヤ。
【図1】
【公開番号】特開2011−224265(P2011−224265A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−99206(P2010−99206)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(390030731)朝日インテック株式会社 (140)
【出願人】(000198709)石福金属興業株式会社 (55)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(390030731)朝日インテック株式会社 (140)
【出願人】(000198709)石福金属興業株式会社 (55)
【Fターム(参考)】
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