説明

医療用システム、及び医療用端末装置

【課題】術者、患者及び使用する診療装置を特定することで、術者及び患者に応じた診療を、所望の診療機器を用いて正確に診療することができる医療用端末装置、当該医療用端末を備えた医療用システムを提供することを目的とする。
【解決手段】医療用システム1は、複数の診療機器100と、術者情報、患者情報、及び機器情報を記憶する記憶部403と、術者情報、患者情報、及び機器情報に基づいて、診療に用いる診療機器100についての操作画面20を、診療する術者の設定及び受診する患者の設定を反映して操作表示部11に表示する制御部12を有するマルチコントローラ10とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用診療機器等の操作入力を行うインターフェース部を備えた医療用端末装置、あるいは医療用端末装置を有する医療用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、急速な診療方法の高度化に伴い、高度化した診療方法に応じて様々な診療機器が開発されている。そのため、診療現場においては、診療機器を操作する操作端末が複数存在することとなり、スムーズな診療を行う妨げとなるおそれがあったが、複数の診療機器をひとつの操作端末で操作できる医療用制御装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
この医療用制御装置では、上述したように、ひとつの操作端末(リモコン装置)で複数の医療用機器を操作できるため、医療用機器ごとに必要であった操作端末の台数を少なくできる。
【0004】
しかしながら、このような医療用制御装置の場合、複数の術者がそれぞれ患者を、それぞれの診療に応じた診療機器を用いて同じタイミングで診療すると、どの術者が、どの診療のために、どの診療機器を用いているのか、つまりどの操作端末でどの診療機器を操作するのか制御することが困難となり、意図しない診療機器の操作制御を行うこととなるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2004−532664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、術者、患者及び使用する診療装置を特定することで、術者及び患者に応じた診療を、所望の診療機器を用いて正確に診療することができる医療用端末装置、当該医療用端末を備えた医療用システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、診療機器の操作を行う操作画面を表示する操作表示部、診療する術者を識別する術者識別手段、受診する患者を識別する患者識別手段、及び診療に用いる診療機器を識別する機器識別手段を備えた医療用端末装置と、複数の診療機器と、複数の診療機器についての機器情報、複数の術者についての術者情報、及び複数の患者についての患者情報を記憶する情報記憶手段と、前記術者識別手段で識別された前記術者に対応する前記術者情報、前記患者識別手段で識別された前記患者に対応する前記患者情報、及び前記機器識別手段で識別された前記診療機器に対応する前記機器情報に基づいて、診療に用いる前記診療機器についての操作画面を、診療する術者の設定及び受診する患者の設定を反映した操作画面として前記操作表示部に表示する制御手段とを備えた医療用システム、及び当該システムで用いる医療用端末装置であることを特徴とする。
【0008】
上記診療機器は、例えば、X線撮影装置、診療台、レーザ治療装置、あるいは根管長測定器等の周辺機器とすることができる。
この発明により、複数の術者、患者及び診療装置のうち術者、患者及び使用する診療装置を識別し、術者及び患者に応じた診療を、所望の診療機器を用いて正確に診療することができる。
【0009】
詳しくは、医療用端末装置に、診療機器の操作を行う操作画面を表示する操作表示部、診療する術者を識別する術者識別手段、受診する患者を識別する患者識別手段、及び診療に用いる診療機器を識別する機器識別手段を備えているため、複数の術者、患者及び診療装置のうち術者、患者及び使用する診療装置を正確に識別して特定することができる。
【0010】
さらに、複数の診療機器と、複数の診療機器についての機器情報、複数の術者についての術者情報、及び複数の患者についての患者情報を記憶する情報記憶手段と、前記術者識別手段で識別された前記術者に対応する前記術者情報、前記患者識別手段で識別された前記患者に対応する前記患者情報、及び前記機器識別手段で識別された前記診療機器に対応する前記機器情報に基づいて、診療に用いる前記診療機器についての操作画面を、診療する術者の設定及び受診する患者の設定を反映した操作画面として前記操作表示部に表示する制御手段とを備えたことにより、識別された術者及び患者に応じた診療を、所望の診療機器を用いて正確に診療することができる。
【0011】
この発明の態様として、前記術者固有の識別情報を格納する術者識別情報格納手段と、前記患者固有の識別情報を格納する患者識別情報格納手段と、前記診療機器固有の識別情報を格納する機器識別情報格納手段とを備え、前記術者識別手段、前記患者識別手段、及び前記機器識別手段を、前記術者識別情報格納手段、前記患者識別情報格納手段、及び前記機器識別情報格納手段と通信して識別する構成とすることができる。
【0012】
この発明により、術者、患者及び診療機器を、より正確に識別し、適切な診療を実施することができる。
詳しくは、前記術者固有の識別情報を格納する術者識別情報格納手段と、前記患者固有の識別情報を格納する患者識別情報格納手段と、前記診療機器固有の識別情報を格納する機器識別情報格納手段とを備えているため、術者識別情報格納手段、患者識別情報格納手段、及び機器識別情報格納手段に格納された固有の識別情報に基づいて、術者、患者及び診療機器を識別するため、より正確に識別することができる。
【0013】
またこの発明の態様として、前記複数の診療機器に、前記医療用端末装置を装着する端末装置装着手段を備えることができる。
この発明により、種類の異なる診療機器の操作ができる医療用端末装置を各診療機器の端末装置装着手段に装着できるため、使用している診療機器を間違えることなく、正確な診療を実施することができる。
【0014】
またこの発明の態様として、前記術者情報に、当該術者が使用を許可された機器に関する使用許可情報を含むとともに、前記診療機器に、当該機器の使用を許可する使用許可情報に基づいて、当該機器の使用の許可と規制を切替える使用規制手段を備え、該使用規制手段を、前記術者識別手段で識別された前記術者の使用許可情報に基づいて、前記機器識別手段で識別された前記診療機器の使用の許可と規制とを切替える構成とすることができる。
この発明により、使用の許可を必要とする診療機器について、使用許可情報に基づいて、使用権限を有していない術者による診療を防止することができる。
【0015】
またこの発明の態様として、前記診療機器、及び前記医療用端末装置に無線通信手段を備え、前記医療用端末装置で入力された操作情報を、前記無線通信手段で送受信し、前記診療機器を前記医療用端末装置で操作することができる。
この発明により、医療用端末装置を、使用する診療装置と物理的に接続することなく、無線接続して操作できるため、利便性が向上する。
【0016】
またこの発明の態様として、前記患者情報に、当該患者の診療情報を含み、
前記操作表示部に、前記患者識別手段で識別された前記患者の前記診療情報を表示することができる。
この発明により、医療用端末装置を、使用する診療機器の操作のみならず、診療結果を説明するインフォームド・コンセントにおいて、医療用端末装置に表示された診療情報に基づいて説明することができるため、利便性が向上する。
【0017】
また医療用システムの態様として、前記診療機器に、当該機器を操作するための機器側操作手段と、当該機器を制御する機器側制御手段とを備え、該機器側制御手段を、前記端末装置装着手段に前記医療用端末装置を装着することによって、前記機器側操作手段の機能を停止制御する構成とすることができる。
【0018】
この発明により、医療用端末装置において入力された操作情報と、機器側操作手段から入力された操作情報が混乱することなく、正確に、医療用端末装置において入力された操作情報に基づいて診療機器を操作することができる。したがって、より安全な診療を実施することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、術者、患者及び使用する診療装置を特定することで、術者及び患者に応じた診療を、所望の診療機器を用いて正確に診療することができる医療用端末装置、当該医療用端末を備えた医療用システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】医療用システムの全体概要図。
【図2】医療用システムにおける各構成要素のブロック図。
【図3】データベースに格納された患者情報についての説明図。
【図4】データベースに格納された術者情報についての説明図。
【図5】データベースに格納された診療機器情報についての説明図。
【図6】医療用システムでの診療フローチャート。
【図7】ユニット診療台の第1操作画面。
【図8】ユニット診療台の第2操作画面。
【図9】パノラマX線撮影装置の操作画面。
【図10】根管長測定器の操作画面。
【図11】X線CT撮影装置の操作画面。
【図12】レーザ治療装置の操作画面。
【図13】操作部切換え処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明による医療用システム1について、図面とともに説明する。
図1は医療用システム1の全体概要図を示し、図2は医療用システム1における各構成要素のブロック図を示している。
【0022】
また、図3はデータベースに格納された患者情報についての説明図を示し、図4はデータベースに格納された術者情報についての説明図を示し、図5はデータベースに格納された診療機器情報についての説明図を示し、図6は医療用システム1での診療フローチャートを示している。
【0023】
図7はユニット診療台100bの第1操作画面を示し、図8はユニット診療台100bの第2操作画面を示し、図9はパノラマX線撮影装置100cの操作画面を示し、図10は根管長測定器100aの操作画面を示し、図11はX線CT撮影装置の操作画面を示し、図12はレーザ治療装置の操作画面を示している。
また、図13は操作部切換え処理のフローチャートを示している。
【0024】
医療用システム1は、図1に示すように、マルチコントローラ10と、複数種類の診療機器100と、患者ごとの携帯端末200と、術者ごとの識別カード300と、管理サーバ400と、無線LAN環境を構築するアクセスポイント410とで構成している。
【0025】
診療機器100としては、例えば、根管長測定器100a等の周辺診療機器、診療台ユニット100b、パノラマX線撮影装置100c、X線CT撮影装置、レーザ治療装置などがあるが、これに限定されず、診療内容に応じたさまざまな診療機器とすることができる。
【0026】
マルチコントローラ10は、いわゆるタブレット型の携帯端末であり、図2に示すように、液晶で構成するタッチパネル式の操作表示部11、制御部12、記憶部13、通信部14、及びカード読取部15等で構成している。
【0027】
操作表示部11は、マルチコントローラ10の本体前面に配置され、図7乃至図12に示すような、診療機器100ごとの操作画面20を表示する表示装置であるとともに、タッチやスライドにより操作を入力する操作装置でもある。
制御部12は、CPUで構成し、記憶部13に格納したプログラムに従って各種制御処理を実行する装置である。
【0028】
記憶部13は、ROM、RAMあるいはハードディスク等で構成し、各種装置を制御する制御プログラムを含む各種プログラムや自己を識別する識別情報、あるいはログデータ等を格納している。
通信部14は、アクセスポイント410による無線ネットワーク環境に接続可能なLANボード等の無線通信装置である。
【0029】
カード読取部15は、後述する識別カード300の記憶部302に記憶された識別子を読み取る装置であり、識別カード300がRFID等の非接触認証式カードである場合は、リーダ装置となる。なお、識別カード300が接触型認証式カードや磁気カードである場合はそれぞれに応じた様式の読取装置となる。
【0030】
このような構成のマルチコントローラ10では、上述の操作表示部11、記憶部13、通信部14及びカード読取部15は制御部12に接続され、制御部12により制御されている。
【0031】
根管長測定器100a等の診療機器100は、それぞれの診療を行うための機器駆動部101以外に、機器駆動部101を制御する制御部110、術者による操作入力を許容する操作部111、記憶部113、通信部114、及びコントローラセンサ115等で構成している。
【0032】
制御部110は、CPUで構成し、記憶部113に格納したプログラムに従って各種制御処理を実行する装置である。
記憶部113は、ROM、RAMあるいはハードディスク等で構成し、各種装置を制御する制御プログラムを含む各種プログラムや自己を識別する識別情報、あるいはログデータ等を格納している。
【0033】
通信部114は、アクセスポイント410による無線ネットワーク環境に接続可能なLANボード等の無線通信装置である。
コントローラセンサ115は、診療機器100に形成された装着部(図示省略)へのマルチコントローラ10の装着を検出するセンサである。
【0034】
このような構成の診療機器100では、上述の操作部111、記憶部113、通信部114及びコントローラセンサ115は制御部110に接続され、制御部110により制御されている。
【0035】
携帯端末200は、患者が所持する携帯端末であり、制御部201、記憶部202、通信部203を備えている。なお、携帯端末200をスマートフォンやPDA等で構成する場合は、操作表示部等の適宜の装置を備えている。
【0036】
制御部201は、CPUで構成し、記憶部202に格納したプログラムに従って各種制御処理を実行する装置である。
記憶部202は、ROM、RAM等で構成し、各種装置を制御する制御プログラムを含む各種プログラムや自己を識別する識別情報、あるいはログデータ等を格納している。
【0037】
通信部203は、アクセスポイント410による無線ネットワーク環境に接続可能なLANボード等の無線通信装置である。
このような構成の携帯端末200では、上述の記憶部202、及び通信部203は制御部201に接続され、制御部201により制御されている。
【0038】
識別カード300は、制御部301、記憶部302、通信部303及び、電磁誘導方式におけるリーダからの電波を受信するコイルを備え、術者が所持するRFID等の非接触認証式カードであるが、識別カード300を接触型認証式カードや磁気カードで構成してもよい。
【0039】
なお、制御部301は、ワンチップのIC(集積回路)で構成し、記憶部302に格納したプログラムに従って各種制御処理を実行する装置である。
記憶部302は、ワンチップのIC(集積回路)に組み込まれ、各種装置を制御する制御プログラムを含む各種プログラムや自己を識別する識別情報、あるいはログデータ等を格納している。
【0040】
通信部303は、アクセスポイント410による無線ネットワーク環境に接続可能なLANボード等の無線通信装置である。
このような構成の識別カード300では、上述の記憶部302、及び通信部303は制御部301に接続され、制御部301により制御されている。
【0041】
管理サーバ400はコンピュータであり、制御部401、表示部402、記憶部403、マウスやキーボード等の入力部404である操作装置、アクセスポイント410と通信可能な通信部405、DVD−RAM等の各種記憶媒体を読取る記憶媒体読取装置、または記憶媒体読書き装置を備えている。
【0042】
制御部401は、CPU、ROM、及びRAMで構成し、記憶部403に格納したプログラムに従って各種制御処理を実行する装置である。
表示部402は、液晶モニタ又はCRTディスプレイ等で構成して各種情報を表示する装置である。
【0043】
記憶部403は、ハードディスク等で構成し、各種データや、各種装置を制御する制御プログラムを含む各種プログラムを格納するとともに、後述する管理データベース(DB)を記憶している。
【0044】
さらに、管理サーバ10はWEBサーバ機能、データベースサーバ機能及びメールサーバ機能を備えている。
詳しくは、管理サーバ400の記憶部403には、管理データベース(DB)によって、患者情報、患者の診療履歴情報、術者情報、術者の診療履歴情報、診療機器情報、患者や術者による診療機器の設定情報、及び医療用システム1を運営するために必要な情報を記憶及び管理している。
【0045】
患者情報は、図3(a)の患者管理テーブル51に示すように、登録された患者ごとに設定されたユニークな患者ID、生年月日、性別、保険証番号、例えば、妊娠等によりX線撮影不可や、アレルギー等により服用できない薬剤等の忌避情報、及び患者に関するその他の情報を格納している。
【0046】
患者の診療履歴情報は、図3(b)の患者診療履歴管理テーブル52に示すように、登録された患者ごとに管理テーブルが構成されて管理され、診療ごとに設定されたユニークな診療ID、当該診療を担当した術者の術者ID、診療日、診療内容ごとにユニークに設定された診療内容IDのうち該当する診療内容ID、診療機器ごとにユニークに設定された診療機器IDのうち使用した診療機器のIDを示す使用機器ID、その診療機器に対する設定ごとにユニークに設定された機器設定IDのうち該当する機器設定ID、及び当該患者のその他の診療履歴情報を格納している。なお、診療IDのうちRの後ろの4桁、つまり前から2乃至5桁目が患者IDに対応し、どの患者の診療IDか判別できるように構成している。
【0047】
術者情報は、図4(a)の術者管理テーブル53に示すように、登録された術者ごとに設定されたユニークな術者ID、専門の診療科目、診療機器ごとに設定された使用規制条件を満足しないために使用できない診療機器のIDを示す使用不可機器ID、及び当該術者に関するその他の情報を格納している。なお、ここで術者とは、ドクター以外にも、薬剤師、療法士、鍼灸師、あるいは整体師などの診療、診断、施術、処方等を行える者を含む概念とする。
【0048】
術者の診療履歴情報は、図4(b)の術者診療履歴管理テーブル54に示すように、登録された術者ごとに管理テーブルが構成されて管理され、診療ごとに設定されたユニークな診療ID、診療した患者の患者ID、診療日、上記診療内容ID、上記使用機器ID、上記機器設定ID、及び当該術者のその他の診療履歴情報を格納している。なお、診療IDのうちRの後ろの4桁、つまり前から2乃至5桁目が術者IDに対応し、どの術者の診療IDか判別できるように構成している。また、一回の診療で、患者を特定できる診療IDと術者を特定できる診療IDが付され、患者ごと、及び術者ごとにそれぞれ管理テーブルが構成され、管理されているが、ひとつの管理テーブルで管理してもよい。
【0049】
診療機器情報は、図5(a)の診療機器管理テーブル55に示すように、登録された診療機器ごとに設定されたユニークな診療機器ID、機器名称、当該機器の使用規制条件を有するか否かの使用規制、及び診療機器に関するその他の情報を格納している。
【0050】
患者や術者による診療機器の設定情報は、図5(b)の機器設定管理テーブル56に示すように、登録された診療機器ごとに管理テーブルが構成されて管理され、設定ごとに設定されたユニークな機器設定ID、当該設定を行う患者の患者IDや術者の術者IDを格納する患者/術者ID、設定項目ごとの設定内容を数字で格納する設定1〜6、及び当該診療機器の設定に関するその他の診療履歴情報を格納している。
【0051】
なお、図5(b)においては、当該診療機器の設定項目数に合わせて、仮に設定1〜6を図示しているが、これに限定されず、該当する診療機器の設定項目数に合わせて設定すればよい。
【0052】
例えば、診療機器100が診療台ユニット100bである場合、例えば、設定1としてヘッドレスト角度、設定2としてライトの照度、設定3として座部シートの高さ、設定4として背板シートの起伏角度、設定5として背板シートの起伏駆動速度、設定6としてフートコントローラの使用の有無等を設定項目とすることができる。
【0053】
このように構成されたマルチコントローラ10、診療機器100、携帯端末200、識別カード300及び管理サーバ400で構成する医療用システム1について、図6に示すフローチャートともに説明する。なお、下記説明では、診療台ユニット100bを用いた診療処理について説明するがこれに限定されず、診療機器特有の処理がない限り、同様のフローとなる。
【0054】
診療処理を開始するにあたり、マルチコントローラ10は、携帯端末200の記憶部202に格納され、通信部203及びアクセスポイント410を介して送受信された患者識別子である患者IDを識別する(ステップs1)。なお、同時に複数の患者の患者IDが認識された場合、診療処理する患者の患者IDを選択承認することによって患者IDを識別することができる。
【0055】
患者IDを識別したマルチコントローラ10は、通信部14及びアクセスポイント410を介して管理サーバ400にアクセスし、管理サーバ400の記憶部403において、患者管理テーブル51や患者診療履歴管理テーブル52に格納した当該患者に関する患者関連情報を呼び出し、記憶部13に一時格納する(ステップs2)。
【0056】
続いて、マルチコントローラ10は、識別カード300の記憶部302に格納され、カード読取部15及び通信部303を介して送受信された術者識別子である術者IDを識別する(ステップs3)する。
【0057】
術者IDを識別したマルチコントローラ10は、通信部14及びアクセスポイント410を介して管理サーバ400にアクセスし、管理サーバ400の記憶部403において、術者管理テーブル53や術者診療履歴管理テーブル54に格納した当該術者に関する術者関連情報を呼び出し、記憶部13に一時格納する(ステップs4)。なお、患者IDの識別と術者IDの識別とは、どちらが先になってもよい。
【0058】
このように、患者ID及び術者IDを識別し、記憶部13に関連情報を格納したマルチコントローラ10を、使用する診療機器100の装着部(図示省略)へ装着すると、マルチコントローラ10は装着された診療機器100を識別する(ステップs5)。
【0059】
なお、装着部へのマルチコントローラ10の装着は、無線通信によって操作制御するために装着部へ載置してもよいが、有線による電気的接続によって装着してもよい。
【0060】
また、使用する診療機器の識別方法については、マルチコントローラ10からもっとも近い診療機器100、あるいは同時に複数の診療機器の診療機器IDが認識された場合、使用する診療機器の診療機器IDを選択承認することによって診療機器IDを識別してもよい。
【0061】
さらにまた、診療機器100には操作部111を備えているため、マルチコントローラ10を装着部へ装着したことをコントローラセンサ115で検出し、コントローラセンサ115によるマルチコントローラ10の装着により、操作部111による機器駆動部101への入力操作を無効とし、マルチコントローラ10による入力操作に切り替えてもよい。
【0062】
詳しくは、図13に示すように、コントローラセンサ115によって装着部へのマルチコントローラ10の装着を検出すると(ステップt1)、制御部110は操作部111による機器駆動部101への入力操作を無効とし、マルチコントローラ10による入力操作に切り替える(ステップt2)。逆に、コントローラセンサ115によって装着部からのマルチコントローラ10の取り外しを検出すると(ステップt3)、制御部110はマルチコントローラ10による機器駆動部101への入力操作を無効とし、操作部111による入力操作に切り替える(ステップt4)。
【0063】
診療機器IDを識別したマルチコントローラ10は、図6に示すように、通信部14及びアクセスポイント410を介して管理サーバ400にアクセスし、管理サーバ400の記憶部403において、診療機器管理テーブル55や機器設定管理テーブル56に格納した当該診療機器に関する診療機器関連情報を呼び出し、記憶部13に一時格納する(ステップs6)。
【0064】
記憶部13に診療機器関連情報を一時格納したマルチコントローラ10は、診療機器管理テーブル55の使用規制情報を照合し、使用する診療機器100が使用規制条件の有無を照合する。その結果、使用する診療機器100が使用規制条件を有する場合(ステップs7:Yes)、ステップs3で識別した術者に関連し、記憶部13に一時格納した術者関連情報のうち、術者管理テーブル53に格納した使用不可機器IDに該当しないか照合する。
【0065】
その結果、使用する診療機器100が、当該術者の使用不可機器に該当しない、つまり当該術者が当該診療機器100の使用権限を有する場合(ステップs8:Yes)、マルチコントローラ10は、ステップs1で識別した患者に関連し、記憶部13に一時格納した患者関連情報のうち、患者管理テーブル51に格納した忌避情報に該当しないか照合する。
【0066】
照合結果として、使用する診療機器100が、当該患者の忌避情報に該当しない、つまり使用する診療機器100が当該患者の忌避情報を回避すると(ステップs9:Yes)、マルチコントローラ10は、ステップs3で識別した術者による、ステップs1で識別した患者に対する診療において、診療機器100の使用を許可する(ステップs10)。
【0067】
なお、ステップs7で、使用する診療機器100が使用規制条件を有さない場合(ステップs7:No)、マルチコントローラ10は、ステップs3で識別した術者による、ステップs1で識別した患者に対する診療において、診療機器100の使用を許可する(ステップs10)。
【0068】
また、使用する診療機器100が、当該術者の使用不可機器に該当する、つまり当該術者が当該診療機器100の使用権限を有しない場合(ステップs8:No)あるいは、使用する診療機器100が当該患者の忌避情報に該当する場合(ステップs9:No)、診療機器100の使用を不可として(ステップs11)、本処理を終了する。
【0069】
使用許可された診療機器100に対して、マルチコントローラ10は機器設定管理テーブル56に格納された設定のうち、ステップs3で識別した術者による設定を照合し、当該術者による設定がある場合(ステップs12:Yes)、術者による設定を診療機器100に反映する(ステップs13)。
【0070】
続いて、マルチコントローラ10は、使用許可された診療機器100に対して、機器設定管理テーブル56に格納された設定のうち、ステップs1で識別した患者による設定を照合し、当該患者による設定がある場合(ステップs14:Yes)、患者による設定を診療機器100に反映する(ステップs15)。
【0071】
なお、術者による設定と同じ設定項目について、患者による設定があった場合は患者の設定を優先し、患者による設定に変更する。しかし、術者による設定を患者による設定より優先してもよいし、患者による設定と術者による設定のそれぞれに重みを設定し、重みの重い方の設定を優先する構成であってもよい。
【0072】
また、マルチコントローラ10は、当該術者による設定がない場合(ステップs12:No)、ステップs15において直接患者による設定を診療機器100に反映する。
【0073】
そして、マルチコントローラ10の操作表示部11には、術者による設定及び患者による設定、あるいは術者や患者による設定が反映された操作画面20を表示する(ステップs16,図7参照)。
【0074】
操作表示部11に表示された診療台ユニット100bの操作画面20bは、図7に示すように、左上の操作画面表示部21と、設定条件表示部22とを表示している。
操作画面表示部21は、例えば、インスツルメントを選択するインスツルメント選択アイコン21a、診療台の背板シートに対するヘッドレストの角度を設定するヘッドレスト設定アイコン21b、術部を照らすライトの照度を設定する照度設定アイコン21c、及びHome画面にジャンプするHomeアイコン21d等を表示している。
【0075】
設定条件表示部22は、術者氏名を表示する術者氏名表示22a、患者氏名を表示する患者氏名表示22b、術者設定内容を表示する術者設定表示22c、患者設定内容を表示する患者設定表示22dを表示している。
【0076】
この設定条件表示部22において、ヘッドレスト設定は術者設定表示22cと患者設定表示22dの両方に表示されており、優先される患者設定が反映された状態でなる。
【0077】
このように、マルチコントローラ10の操作表示部11に表示された操作画面20において、術者が操作画面表示部21のインスツルメント選択アイコン21aを選択操作すると、マルチコントローラ10は上述のフローチャートにおけるステップs5から処理を行う。
【0078】
例えば、操作画面表示部21aのうち左から2番目のタービンが選択されると、マルチコントローラ10は、タービンの診療機器IDに基づき、タービンの使用規制の有無(ステップs7)、術者の使用権限の有無(ステップs8)、患者の忌避条件(ステップs9)を照合し、使用許可と判定された場合、術者及び患者の設定を診療機器100に反映(ステップs13,15)するとともに、タービンを操作する操作画面20を操作表示部11に表示する(ステップs16,図8参照)。
【0079】
この図8に示すタービン用の操作画面20には、診療台ユニット100b用の操作画面20bと同様に操作画面表示部21と設定条件表示部22とを表示している。
【0080】
このタービン用の操作画面表示部21には、タービンを操作する操作アイコン21eと、診療台の背板シートに対するヘッドレストの角度を設定するヘッドレスト設定アイコン21b、術部を照らすライトの照度を設定する照度設定アイコン21c、及びHome画面にジャンプするHomeアイコン21d等を表示している。
【0081】
また、タービン用の設定条件表示部22は、術者氏名を表示する術者氏名表示22a、患者氏名を表示する患者氏名表示22b、タービンに関する術者設定内容を表示する術者設定表示22c、タービンに関する患者設定内容を表示する患者設定表示22dを表示している。
【0082】
術者は、このタービン用の操作画面20における操作アイコン21eを操作して施術するとともに、診断する(ステップs17)。そして、その結果を操作表示部11に表示させて患者に説明するともに(ステップs18)、結果情報として、患者診療履歴管理テーブル52及び術者診療履歴管理テーブル54に格納して(ステップs19)、診療処理を完了する。
【0083】
なお、診療台ユニット100bの代わりにパノラマX線撮影装置100cが使用される場合、操作表示部11にはパノラマX線撮影装置100c用の操作画面20cが表示される(図9参照)。
このパノラマX線撮影装置100c用の操作画面20cは、診療台ユニット100b用の操作画面20bと同様に、操作画面表示部21と設定条件表示部22が表示される。この操作画面20cで操作され、パノラマX線撮影装置100cにおけるパノラマ撮影が完了するとともに、診断すると(ステップs17)、マルチコントローラ10の操作表示部11には、ステップs17で撮影したパノラマ撮影画像を表示し(ステップs18,図示省略)、術者は、操作表示部11に表示されたパノラマ撮影画像を見せながら診療結果を患者に説明することができる。
【0084】
このように医療用システム1は、診療機器の操作を行う操作画面20を表示する操作表示部11、診療する術者の術者ID、受診する患者の患者ID、及び診療に用いる診療機器100の診療機器IDを識別する制御部12を備えたマルチコントローラ10と、複数の診療機器100と、複数の診療機器100についての診療機器管理テーブル55及び機器設定管理テーブル56に格納した診療機器情報、複数の術者についての術者管理テーブル53及び術者診療履歴管理テーブル54に格納した術者情報、及び複数の患者についての患者管理テーブル51及び患者診療履歴管理テーブル52に格納した患者情報を記憶する記憶部403と、ステップs3で識別された術者に対応する術者情報、ステップs1で識別された患者に対応する患者情報、及びステップs5で識別された診療機器100に対応する診療機器情報に基づいて、制御部12は、診療に用いる診療機器100についての操作画面20を、診療する術者の設定及び受診する患者の設定を反映した操作画面20として操作表示部11に表示するため、複数の術者、患者及び診療機器100のうち診療する術者、受診する患者及び使用する診療機器100を識別し、術者及び患者に応じた診療を、所望の診療機器100を用いて正確に診療することができる。
【0085】
詳しくは、マルチコントローラ10に、診療機器100の操作を行う操作画面20を表示する操作表示部11、診療する術者の術者ID、受診する患者の患者ID、及び診療に用いる診療機器100の診療機器IDを識別する制御部12を備えているため、複数の術者、患者及び診療機器100のうち術者、患者及び使用する診療機器100を正確に識別することができる。
【0086】
さらに、複数の診療機器100と、複数の診療機器100についての診療機器管理テーブル55及び機器設定管理テーブル56に格納した診療機器情報、複数の術者についての術者管理テーブル53及び術者診療履歴管理テーブル54に格納した術者情報、及び複数の患者についての患者管理テーブル51及び患者診療履歴管理テーブル52に格納した患者情報を記憶する記憶部403と、ステップs3で識別された術者に対応する術者情報、ステップs1で識別された患者に対応する患者情報、及びステップs5で識別された診療機器100に対応する診療機器情報に基づいて、制御部12は診療に用いる診療機器100についての操作画面20を、診療する術者の設定及び受診する患者の設定を反映した操作画面として操作表示部11に表示するため、識別された術者及び患者に応じた診療を、所望の診療機器100を用いて正確に診療することができる。
【0087】
また、識別カード300の記憶部302に術者IDを格納し、携帯端末200の記憶部202に患者IDを格納し、診療機器100の記憶部113に診療機器IDを格納するとともに、記憶部113,202,302と通信して、術者、患者、及び診療機器100を識別するため、術者、患者及び診療機器100を、より正確に識別し、適切な診療を実施することができる。
【0088】
詳しくは、術者IDを格納する記憶部302と、患者IDを格納する記憶部202と、診療機器IDを格納する記憶部113とを備えているため、記憶部113,202,302に格納された固有の識別情報に基づいて、術者、患者及び診療機器100を識別するため、より正確に識別することができる。
【0089】
また、術者情報に、当該術者が使用を許可された機器に関する使用許可情報として考慮する使用不可機器IDを含むとともに、制御部110が、識別された術者の使用不可機器IDに基づいて、ステップs5で識別された診療機器100の使用の許可と規制とを切替える。
【0090】
したがって、使用の許可を必要とする診療機器100について、使用不可機器IDに基づいて、使用権限を有していない術者による診療を防止することができる。
【0091】
また、診療機器100に通信部114を備えるとともに、及びマルチコントローラ10に通信部14を備え、マルチコントローラ10で入力された操作情報を、通信部14で送受信し、診療機器100をマルチコントローラ10で操作するため、わざわざ使用する診療機器100とマルチコントローラ10とを物理的に接続することなく、無線で接続して操作できるため、利便性が向上する。
【0092】
また、マルチコントローラ10の操作表示部11に、患者情報としてパノラマ撮影画像を表示するため、マルチコントローラ10を、使用する診療機器100の操作のみならず、診療結果を説明するインフォームド・コンセントにおいて、マルチコントローラ10に表示された診療情報に基づいて説明することができるため、利便性が向上する。また、患者情報として表示する画像としては、パノラマ撮影画像の他に、CT撮影画像、歯の撮影画像、蛍光画像、カメラで撮影した患者画像、その他口腔内画像等を用いることができる。
【0093】
また、複数の診療機器100に、マルチコントローラ10を装着する装着部を備えているため、種類の異なる診療機器100を操作するマルチコントローラ10を各診療機器の装着部に装着でき、使用している診療機器を間違えることなく、正確な診療を実施することができる。
【0094】
また、装着部にマルチコントローラ10を装着することによって、操作部111の機能を停止制御するため、マルチコントローラ10において入力された操作情報と、操作部111から入力された操作情報が混乱することなく、正確に、マルチコントローラ10において入力された操作情報に基づいて診療機器100を操作することができる。したがって、より安全な診療を実施することができる。
【0095】
なお、上述の説明では、診療台ユニット100bやパノラマX線撮影装置100cについての操作画面20について説明したが、根管長測定器100a、X線CT撮影装置、レーザ治療装置の場合には、図10乃至12に示すような操作画面20となる。
【0096】
図10に示す根管長測定器100a用の操作画面20には、操作画面表示部21と設定条件表示部22とを表示している。この根管長測定器100a用の操作画面表示部21には、根管長測定器100aによる測定結果を表示する測定結果表示21aを表示している。
【0097】
また、根管長測定器100a用の設定条件表示部22は、術者氏名を表示する術者氏名表示22a、患者氏名を表示する患者氏名表示22b、根管長測定器100aに関する術者設定内容を表示する術者設定表示22c、根管長測定器100aに関する患者の忌避条件について表示する患者忌避条件表示22dを表示している。
術者は、この根管長測定器100a用の操作画面20における測定結果表示21aを確認しながら測定・診断することとなる。
【0098】
図11に示すX線CT撮影装置用の操作画面20には、操作画面表示部21と設定条件表示部22とを表示し、操作画面表示部21には、X線CT撮影装置を操作する撮影条件設定部21a等を表示している。
【0099】
また、X線CT撮影装置用の設定条件表示部22は、術者氏名を表示する術者氏名表示22a、患者氏名を表示する患者氏名表示22b、X線CT撮影装置に関する術者設定内容を表示する術者設定表示22c、X線CT撮影装置に関する患者設定内容及び忌避条件を表示する患者設定表示22dを表示している。
【0100】
術者は、このX線CT撮影装置用の操作画面20における撮影条件設定部21aで撮影条件を設定し、撮影することができる。そして、その撮影結果を操作表示部11に表示させて患者に説明することができる。また、パノラマX線撮影装置100cで撮影したパノラマ撮影画像をスカウト画像としてCT撮影のための位置付けを行なうように操作画面20の表示を変更しても構わない。
【0101】
図12に示すレーザ治療装置用の操作画面20には、操作画面表示部21と設定条件表示部22とを表示し、操作画面表示部21には、レーザ治療装置を操作する操作アイコン21eと、MENUアイコン21b、LOGアイコン21c、及びINFOMATIONアイコン21d等を表示している。
【0102】
また、レーザ治療装置用の設定条件表示部22は、術者氏名を表示する術者氏名表示22a、患者氏名を表示する患者氏名表示22b、レーザ治療装置に関する術者設定内容を表示する術者設定表示22c、レーザ治療装置に関する忌避条件を表示する患者設定表示22dを表示している。
【0103】
術者は、このレーザ治療装置用の操作画面20における操作アイコン21eを操作して施術するとともに、診断することとなる。
なお、上述した診療装置以外の診療装置であっても、操作画面20は、操作画面表示部21と設定条件表示部22とを表示することとなる。
【0104】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の診療機器は、診療機器100、根管長測定器100a、ユニット診療台100b、パノラマX線撮影装置100cに対応し、
以下同様に、
術者を識別する術者識別手段は、術者IDを識別する制御部12に対応し、
患者を識別する患者識別手段は、患者IDを識別する制御部12に対応し、
診療機器を識別する機器識別手段は、診療機器IDを識別する制御部12に対応し、
医療用端末装置は、マルチコントローラ10に対応し、
術者についての術者情報は、術者管理テーブル53及び術者診療履歴管理テーブル54に格納した情報に対応し、
患者についての患者情報は、患者管理テーブル51及び患者診療履歴管理テーブル52に格納した情報に対応し、
情報記憶手段は、記憶部403に対応し、
制御手段は、制御部401に対応し、
術者固有の識別情報は、術者IDに対応し、
術者識別情報格納手段は、記憶部302に対応し、
患者固有の識別情報は、患者IDに対応し、
患者識別情報格納手段は、記憶部202に対応し、
診療機器固有の識別情報は、診療機器IDに対応し、
機器識別情報格納手段は、記憶部113に対応し、
端末装置装着手段は、装着部に対応し、
機器側操作手段は、操作部111に対応し、
機器側制御手段は、制御部110に対応し、
使用許可情報は、使用不可機器IDに対応し、
使用規制手段は、ステップs10で機器使用許可する制御部12に対応し、
無線通信手段は、通信部14に対応し、
患者の診療情報は、X線撮影画像に対応するが、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0105】
例えば、術者を識別するために識別カード300を用いたが、患者を識別するために携帯端末200でなく、診察券を識別カード300で構成し、患者を識別してもよい。逆に、術者が識別カード300の代わりに、PHS方式の電話装置を備えた携帯端末200を用いてもよい。
【0106】
また、上述の説明では、術者情報により、診療機器100の使用権限を設定し、機器使用不可の状態にしているが、術者情報と診療機器情報の組み合わせを診療機器100の安全スイッチの代わりとして2つの情報が記憶、設定された状態で初めて診療機器100の電源をONにして診療機器100を使用できるように構成してもよい。
【0107】
また、上述の説明では、診療に用いる診療機器100についての操作画面20を、診療する術者の設定及び受診する患者の設定を反映した操作画面として操作表示部11に表示するとともに、診療機器100の設定も診療する術者の設定及び受診する患者の設定を反映したが、操作画面のみ診療する術者の設定及び受診する患者の設定を反映した操作画面とし、その操作画面で承認してから診療機器100の設定に反映する構成であってもよい。
【0108】
さらにまた、患者情報や術者情報等を管理サーバ400の記憶部403ではなく、マルチコントローラ10の記憶部13に格納し、管理サーバ400を省略してもよい。
【0109】
また、上述の説明では、患者情報、術者情報、及び診療機器情報に基づいて、マルチコントローラ10の制御部12が、診療に用いる診療機器100についての操作画面20を、診療する術者の設定及び受診する患者の設定を反映した操作画面として操作表示部11に表示したが、管理サーバ400の制御部401で、診療に用いる診療機器100についての操作画面20に、診療する術者の設定及び受診する患者の設定を反映し、設定を反映した操作画面の情報をマルチコントローラ10に送信して操作表示部11で表示する構成であってもよい。
【0110】
さらには、マルチコントローラ10の操作表示部11に表示する操作画面20にメンテナンスを行う際に用いるサービスマンアイコンを備えてもよい。その結果、術者IDとしてサービスマンの情報が記録されている場合には、操作表示部11に、サービスマン用の操作表示画面を表示すると、利便性が向上し、より好ましい。
【符号の説明】
【0111】
1…医療用システム
10…マルチコントローラ
11…操作表示部
12,110,401…制御部
14…通信部
20…操作画面
51…患者管理テーブル
52…患者診療履歴管理テーブル
53…術者管理テーブル
54…術者診療履歴管理テーブル
55…診療機器管理テーブル
56…機器設定管理テーブル
100…診療機器
100a…根管長測定器
100b…ユニット診療台
100cパノラマX線撮影装置
111…操作部
113,202,302,403…記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
診療機器の操作を行う操作画面を表示する操作表示部、診療する術者を識別する術者識別手段、受診する患者を識別する患者識別手段、及び診療に用いる診療機器を識別する機器識別手段を備えた医療用端末装置と、
複数の診療機器と、
複数の診療機器についての機器情報、複数の術者についての術者情報、及び複数の患者についての患者情報を記憶する情報記憶手段と、
前記術者識別手段で識別された前記術者に対応する前記術者情報、前記患者識別手段で識別された前記患者に対応する前記患者情報、及び前記機器識別手段で識別された前記診療機器に対応する前記機器情報に基づいて、診療に用いる前記診療機器についての操作画面を、診療する術者の設定及び受診する患者の設定を反映した操作画面として前記操作表示部に表示する制御手段とを備えた
医療用システム。
【請求項2】
前記術者固有の識別情報を格納する術者識別情報格納手段と、
前記患者固有の識別情報を格納する患者識別情報格納手段と、
前記診療機器固有の識別情報を格納する機器識別情報格納手段とを備え、
前記術者識別手段、前記患者識別手段、及び前記機器識別手段を、
前記術者識別情報格納手段、前記患者識別情報格納手段、及び前記機器識別情報格納手段と通信して識別する構成とした
請求項1に記載の医療用システム。
【請求項3】
前記複数の診療機器に、
前記医療用端末装置を装着する端末装置装着手段を備えた
請求項1又は2に記載の医療用システム。
【請求項4】
前記診療機器に、
当該機器を操作するための機器側操作手段と、当該機器を制御する機器側制御手段とを備え、
該機器側制御手段を、
前記端末装置装着手段に前記医療用端末装置を装着することによって、前記機器側操作手段の機能を停止制御する
請求項3に記載の医療用システム。
【請求項5】
前記術者情報に、
当該術者が使用を許可された機器に関する使用許可情報を含むとともに、
前記診療機器に、
当該機器の使用を許可する使用許可情報に基づいて、当該機器の使用の許可と規制を切替える使用規制手段を備え、
該使用規制手段を、
前記術者識別手段で識別された前記術者の使用許可情報に基づいて、前記機器識別手段で識別された前記診療機器の使用の許可と規制とを切替える構成とした
請求項1乃至4のうちいずれかひとつに記載の医療用システム。
【請求項6】
前記診療機器、及び前記医療用端末装置に無線通信手段を備え、
前記医療用端末装置で入力された操作情報を、前記無線通信手段で送受信し、前記診療機器を前記医療用端末装置で操作する
請求項1乃至5のうちいずれかひとつに記載の医療用システム。
【請求項7】
前記患者情報に、当該患者の診療情報を含み、
前記操作表示部に、
前記患者識別手段で識別された前記患者の前記診療情報を表示する
請求項1乃至6のうちいずれかひとつに記載の医療用システム。
【請求項8】
診療機器の操作を行う操作画面を表示する操作表示部と、
診療する術者を識別する術者識別手段と、
受診する患者を識別する患者識別手段と、
診療に用いる診療機器を識別する機器識別手段と、
複数の診療機器についての機器情報、複数の術者についての術者情報、及び複数の患者についての患者情報を記憶する情報記憶手段と通信し、前記術者識別手段で識別された前記術者に対応する前記術者情報、前記患者識別手段で識別された前記患者に対応する前記患者情報、及び前記機器識別手段で識別された前記診療機器に対応する前記機器情報に基づいて、診療に用いる前記診療機器についての操作画面を、診療する術者の設定及び受診する患者の設定を反映した操作画面として前記操作表示部に表示する通信手段とを備えた
医療用端末装置。
【請求項9】
前記術者識別手段、前記患者識別手段、及び前記機器識別手段を、
前記術者固有の識別情報を格納する術者識別情報格納手段、前記患患者固有の識別情報を格納する者識別情報格納手段、及び前記診療機器固有の識別情報を格納する機器識別情報格納手段と通信して識別する構成とした
請求項8に記載の医療用端末装置。
【請求項10】
前記診療機器に備えた機器側無線通信手段と無線通信する無線通信手段を備え、
入力された操作情報を、前記無線通信手段から前記機器側無線通信手段に送信し、前記診療機器を操作する
請求項8又は9に記載の医療用端末装置。
【請求項11】
前記患者情報に、当該患者の診療情報を含み、
前記操作表示部に、
前記患者識別手段で識別された前記患者の前記診療情報を表示する
請求項8乃至10のうちいずれかひとつに記載の医療用端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−90722(P2013−90722A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233833(P2011−233833)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000138185)株式会社モリタ製作所 (173)