説明

医療用ペースト注入混練器及び医療用ペースト注入混練器材

【課題】攪拌・注入作業が能率的に行える医療用ペースト注入混練器を提供する。
【解決手段】シリンダ2とその中で摺動可能な仕切り具3aと、仕切り具3aをシリンダ2の開口側に係留・解除可能なストッパ4と、仕切り具3aのシャフト部装入用貫通孔300に挿通され軸線方向への往復運動と該軸線を中心とする回転運動とが可能なシャフト部3bと、シャフト部3bに設けた攪拌部3c並びにハンドル部3dと、を備え、ハンドル部3dをシャフト部3bの端部に揺動可能に軸着し、ハンドル部3dをシャフト部3bの軸線と直交する向きにして攪拌部3cを操作し、一方、ハンドル部3dをシャフト部3bの軸線と平行な向きに転換させてその端部が仕切り具3aに当接し得るようになし、その状態でハンドル部3dを押圧して仕切り具3aをシリンダ2内に押し込むようにした医療用ペースト注入混練器1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用のペーストを混練して注入する医療用ペースト注入混練器及び医療用ペースト注入混練器材に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、歯科を含む医療分野において、例えばリン酸カルシウム系骨ペーストを体内に注入して生体骨や歯の欠損部位を補ったり、金属やセラミックス等からなる人工骨を生体骨に接着する治療が行われている。
前記ペーストを混練して注入するためのペースト注入混練器が、例えば特許文献1に記載されている。このペースト注入混練器は、一端が開口し他端にノズル部を有するシリンダと、該シリンダの内部を軸方向に摺動可能な仕切り具と、前記仕切り具の中心を貫くシャフト部装入用貫通孔に挿通され該シャフト部装入用貫通孔を出入りする軸線方向への往復運動と該軸線を中心とする回転運動とが可能なシャフト部と、該シャフト部の前記シリンダ内に位置する部分に設けた攪拌部と、同じくシャフト部のシリンダ外に位置する部分に設けたハンドル部とを有する。そして、前記シリンダ内に粉剤のペースト原料と硬化用の液体を充填し、シャフト部を出し入れする動作と回転させる動作とを組み合わせることで攪拌部によりペースト原料と液体を十分に混練し、出来上がったペーストを仕切り具で押圧してノズル部から必要な部位に送り出す(特許文献1:段落0043〜段落0045参照)。
【特許文献1】特表2003−527197号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1のペースト混練注入器は、出来上がったペーストをシリンダから押し出すに際し、先ず不要になったシャフト部を破断させ、次いで専用の機械式注入ガンを使って仕切り具の上面を押圧するようにしているが、シャフト部を破断させる作業に手間取るおそれがあり、また、専用の注入ガンが必須であるためコスト高になる、等の不都合があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一端が開口し他端にノズル部を有するシリンダと、
該シリンダの内部を軸線方向に摺動可能な仕切り具と、
該仕切り具を前記シリンダの開口側に係留・解除可能なストッパと、
前記仕切り具の中心を貫くシャフト部装入用貫通孔に挿通され、該シャフト部装入用貫通孔を出入りする軸線方向への往復運動と該軸線を中心とする回転運動とが可能なシャフト部と、
該シャフト部の前記シリンダ内に位置する部分に設けた攪拌部と、
同じくシャフト部のシリンダ外に位置する部分に設けたハンドル部と、を備え、
前記ハンドル部をシャフト部の端部に揺動可能に軸着し、該ハンドル部をシャフト部の軸線とほぼ直交する向きにして前記攪拌部を操作し、
一方、ハンドル部をシャフト部の軸線とほぼ平行な向きに転換させてその端部が前記仕切り具に当接し得るようになし、その状態でハンドル部を押圧して仕切り具をシリンダ内に押し込むようにした医療用ペースト注入混練器を提供する。
【0005】
また、請求項2に記載のように、前記ハンドル部に対して、前記シャフト部の軸着部分を、その軸着部分と前記仕切り具に当接する側の端部とを通る軸線方向に移動させ得るようにした請求項1記載の医療用ペースト注入混練器を提供する。
【0006】
また、請求項3に記載のように、前記ハンドル部内に、前記軸着部分と前記仕切り具に当接する側の端部とを通る軸線方向に摺動可能な摺動子を設け、該摺動子をシャフト部に軸着することにより、摺動子を介してハンドル部をシャフト部に軸着した請求項2記載の医療用ペースト注入混練器を提供する。
【0007】
また、請求項4に記載のように、前記攪拌部が、シャフト部から放射状に突出する羽根形である請求項1乃至3の何れか1項に記載の医療用ペースト注入混練器を提供する。
【0008】
また、請求項5に記載のように、混練対象のペーストが骨ペーストである請求項1乃至4の何れか1項に記載の医療用ペースト注入混練器を提供する。
【0009】
また、請求項6に記載のように、前記骨ペーストがリン酸カルシウムを主成分とするものである請求項5に記載の医療用ペースト注入混練器を提供する。
【0010】
また、請求項7に記載のように、前記リン酸カルシウムが、リン酸四カルシウムとリン酸水素カルシウムを主成分とするものである請求項6に記載の医療用ペースト注入混練器を提供する。
【0011】
また、請求項8に記載のように、ペースト原料の一成分が粉剤であり、その粉剤と液体とを混練してペーストにするものである請求項1乃至7の何れか1項に記載の医療用ペースト注入混練器を提供する。
【0012】
また、請求項9に記載のように、前記シリンダ内に予めペースト原料の粉剤を充填してなる請求項8に記載の医療用ペースト注入混練器を提供する。
【0013】
また、請求項10に記載のように、粉剤のペースト原料を硬化させるための液体を、シリンダ内にある粉剤のペースト原料に対してシリンダのノズル部から注入するようにした請求項8又は9に記載の医療用ペースト注入混練器を提供する。
【0014】
また、請求項11に記載のように、粉剤のペースト原料を硬化させるための液体が、多糖類の水溶液である請求項8乃至10の何れか1項に記載の医療用ペースト注入混練器を提供する。
【0015】
また、請求項12に記載のように、請求項9乃至11の何れか1項に記載の医療用ペースト注入混練器と、粉剤のペースト原料を硬化させる液体を充填した液体注入容器とを備えてなる医療用ペースト注入混練器材を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の医療用ペースト注入混練器は、仕切り具のシャフト装入用貫通孔におけるシャフト部の軸線方向への動きと軸線回りの動きが自由であり、シリンダ内での攪拌部の動きの自由度が高いため、能率的な攪拌作業が可能である。また、ペーストの混練完了後にハンドル部をシャフト部の軸線とほぼ平行な向きに転換させてその端部を前記仕切り具に当接させ、その状態でハンドル部を押圧して仕切り具をシリンダ内に押し込むようにしたため、特許文献1のようなシャフト部を破断させる手間が掛からず、また、専用の注入ガンを必ずしも必要としないため、低コストであり、操作が容易になる。しかも、ハンドル部は、シャフト部に軸着されていて誤廃棄や紛失のおそれが無いため、混練完了後のペーストがシリンダ内にありながら注入することができない、というトラブルが生じない。
【0017】
また、請求項2に記載の医療用ペースト注入混練器は、前記ハンドル部に対して、前記シャフト部の軸着部分をハンドル部の軸線方向に移動させ得るようにしたため、シャフト部の軸着部分が移動可能な長さの分だけハンドル部のサイズをコンパクトにすることができる。
【0018】
また、請求項3に記載の医療用ペースト注入混練器は、前記ハンドル部内に、前記軸着部分と前記仕切り具に当接する側の端部とを通る軸線方向に摺動可能な摺動子を設け、該摺動子をシャフト部に軸着してハンドル部をシャフト部に連結したため、摺動子が移動可能な長さの分だけハンドル部のサイズをコンパクトにすることができる。なお、その詳細は後述する。
【0019】
また、請求項4に記載の医療用ペースト注入混練器は、攪拌部を、シャフト部から放射状に突出する羽根形にしたため、攪拌部をほぼ平らに形成することが可能になり、仕切り具の端面に当接させた状態で攪拌部の出っ張りを小さくすることができる。攪拌部は仕切り具とノズル部の間に挟まるため、攪拌部の出っ張りにより生ずる空間にペーストが残るが、攪拌部の出っ張りを小さくすることでそのようなペーストの残りをごく僅かにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。なお、図1は医療用ペースト注入混練器の混練時の状態を示す縦断面図、図2は図1のX−X線断面図、図3はストッパの底面図、図4は図3のY−Y線断面図、図5は仕切り具の縦断面図、図6はシャフト部、ハンドル部、攪拌部の斜視図、図7は図6の分解斜視図、図8は図1のZ−Z線断面図、図9は図1のS−S線断面図、図10はハンドル部の向きを転換させる状態を示す要部の縦断面図、図11は注入直前の状態を示す医療用ペースト注入混練器の縦断面図、図12は注入完了時の状態を示す医療用ペースト注入混練器の縦断面図、図13(a),(b)は液体注入容器を示す縦断面図、図14はハンドル部の他の形態を示す医療用ペースト注入混練器の要部の縦断面図、図15は他の形態を示す医療用ペースト注入混練器の縦断面図、図16は図15のT−T線断面図、図17は外カバーとストッパを示す斜視図である。
【0021】
本発明の医療用ペースト注入混練器1は、シリンダ2と、ピストン3と、ストッパ4とからなる。
【0022】
[シリンダ]
シリンダ2は、所定長さの円筒体2aと、該円筒体2aの一端側に形成したノズル部2bと、円筒体2aの他端開口側に形成したフランジ2cとを備えている。
【0023】
シリンダ2のフランジ2cは、図1,図2に示したように、円筒体2aの開口側端面から外部に延設されており、シリンダ2の軸線を中心とする円の2カ所を平行に切除した形態、すなわち一対の湾曲辺2d,2dと一対の直行辺2e,2eで輪郭を構成する長円形であって、長円形の湾曲辺2d,2dが円筒体2aの外部に大きく張り出してる。
【0024】
一方、シリンダ2のノズル部2bは、外周にネジ2f(例えばルアーロックネジ)が形成されており、該ネジ2fにキャップ2gを螺合してノズル部2bの孔を塞ぎ、また、該キャップ2gを外してノズル部2bの孔を開放することができる。また、ノズル部2bのネジ2fにはキャップ2gを外してチューブ6(図12参照)等に付け替えることができる。
【0025】
[ピストン]
ピストン3は、仕切り具3aと、シャフト部3bと、攪拌部3cと、ハンドル部3dで構成される。
【0026】
[ピストン−仕切り具]
仕切り具3aは、前記シリンダ2の内外を仕切ると共に軸方向に摺動可能な合成樹脂製の部品であって、図5に示したように、中心にシャフト部装入用貫通孔300を有する管体301と、管体301の胴部上端外周に突設した環状第1鍔体302と、それより下に突設した環状第2鍔体303と、管体301の胴部下端外周に突設した環状第3鍔体304と、環状第2鍔体303と環状第3鍔体304をつなぐリブ形状であって4枚が等間隔に設けられている補強部材305と、環状第1鍔体302と環状第2鍔体303をつなぐリブ形状の位置決め補強部材306と、環状第3鍔体304に設けた外シール部307と、前記シャフト部装入用貫通孔300の内周に設けた内シール部308と、からなる。
【0027】
前記位置決め補強部材306は、前記環状第1鍔体302と環状第2鍔体303との間に位置し、この環状第1鍔体302と環状第2鍔体303とを連結するように形成され、かつ互いに平行な位置関係を有しつつ、前記管体301の周面に立設され、前記管体301の周面から管体301の軸線方向に直交する方向における端縁部までの長さが前記環状第1鍔体302及び前記環状第2鍔体303における半径方向長さよりも大きくならないように適宜の長さに設定されてなり、前記管体301におけるシャフト部装入用貫通孔300の開口部を形作る円の接線方向に延在する一対の平行なガイド板体309(図2参照)と、前記環状第1鍔体302と環状第2鍔体303との間に位置し、この環状第1鍔体302と環状第2鍔体303とを連結するように形成され、前記ガイド板体309とは平行かつ反対方向に延在し、前記管体301の周面から管体301の軸線方向に直交する方向における端縁部までの長さが前記環状第1鍔体302及び前記環状第2鍔体303における半径方向長さよりも大きくならないように適宜の長さに設定されてなり、前記ストッパ4を前記フランジ2cに装着すると前記仕切り具3aを円筒体2a内で軸線を中心にして回動不能に仕切り具3aの動きを規制する規制板体310とを有する。
【0028】
前記外シール部307は、環状第3鍔体304の外周にシール溝311を刻設し、該シール溝311にゴム又は合成樹脂製のOリング312を装着したものであり、シリンダ2と仕切り具3aの間からの内容物の漏れ出しを防止し、或は外部からの異物の混入を防止する。
【0029】
一方、内シール部308は、環状第3鍔体304のシャフト部装入用貫通孔300の内周にシール溝313を刻設し、該シール溝313にゴム又は合成樹脂製のOリング314を装着したものであり、仕切り具3aとシャフト部3bの間からの内容物の漏れ出しを防止し、或は外部からの異物の混入を防止する。
【0030】
外シール部307と内シール部308に使用するOリング312,314は、滅菌処理を施す場合を考慮し、滅菌処理により過度の強度劣化を起こさない材料であることが好ましく、従って例えば、シリコーンゴムがよい。
【0031】
[ピストン−シャフト部,攪拌部]
シャフト部3bは、図1,図6,図7に示したように中実丸棒であって、シリンダ2の円筒体2aの深さより若干長くなっている。このシャフト部3bのシリンダ2内に位置する端部には放射状に突出する羽根形(4枚羽根)の攪拌部3cが固着されている。
一方、シャフト部3bのシリンダ2外に位置する端部には、図7,図9に示したように弾性変形可能な2枚の軸板350,350が間隔をおいて背中合わせの向きに突設されており、この軸板350の上部外面に、端部を丸く面取りした短円柱形の凸部351が突設されている。
【0032】
[ピストン−ハンドル部]
ハンドル部3dは、図1,図6,図7に示したように、前記シャフト部3bと同程度の長さを有し且つシリンダ2の内径より小さい外径である丸い棒材352と、該棒材352の一端に固着した手のひらサイズの円板353と、棒材352の下面であってその中央より若干円板353側に寄った位置に突設した首部354と、棒材352の内部に形成され前記首部354から円板353に至る角穴状の摺動案内部355と、該摺動案内部355の中に摺動可能且つ回転不能な状態に装填した摺動子356と、棒材352の下面に前記シャフト部3bの外径とほぼ同幅か又はそれより若干大きい幅で開口し前記首部354から反円板353側の端部にまで達する割口357と、からなる。
【0033】
棒材352の摺動案内部355に収めた前記摺動子356は、図7中拡大図に示したように、直方体の下面側に割溝358を開設した正面視逆さ凹字状の形態であり、その割溝358を横切る向きに軸受孔359,359を貫設してなる。
なお、摺動子356は、棒材352の摺動案内部355に対し円板353を固着する前の段階で装填したものであり、棒材352に円板353を取り付けた後は、摺動案内部355の円板353側から外れることはない。一方、摺動案内部355には前記割口357が連通しているが、この割口357は摺動案内部355より狭く作られているため、摺動子356が割口357側に入り込むおそれもない。よって摺動子356は、前記首部354の真上から円板353に当たるまでの範囲でのみ自由に往復移動し得る。
【0034】
[ピストン−シャフト部+ハンドル部]
ハンドル部3dに内装した摺動子356の割溝358に、前記シャフト部3bの軸板350,350が入り、その軸板350の凸部351が前記軸受孔359に嵌っている。従って、ハンドル部3dは、摺動子356を介してシャフト部3bの端部に揺動可能に軸着されており、図10に示したようにシャフト部3bの軸線とほぼ直交する向きから、シャフト部3bの軸線とほぼ平行な向きへと転換可能である。もちろんハンドル部3dは、その逆にも動き得る。
【0035】
また、軸板350,350は、前記のように間隔をおいて背中合わせになっていて弾性変形可能であるため、ハンドル部3dをシャフト部3bから強く引き上げると、軸板350の凸部351が摺動子356の軸受孔359から外れる。従って、シャフト部3bからハンドル部3dを外すことができる。その逆に、軸板350の先端を摺動子356の割溝358に押し当ててハンドル部3dを強く押し下げると、軸板350が摺動子356の割溝358内に押し入って軸受孔359に凸部351が嵌まり込む。従ってハンドル部3dは、シャフト部3bに対して着脱自在である。このようにハンドル部3dを着脱自在にすることにより、ハンドル部3dを使った手動での注入操作と、ハンドル部3dを外し、専用の注入ガンに装着して行う機械での注入操作と、のいずれにも対応できる。
【0036】
なお、ハンドル部3dの首部354には図7中拡大図に示したようにCリング状の止め環360が回転可能な状態に嵌められている。この止め環360は、棒材352の割溝358に連通する首部354の縦開口361を開閉するためのものであり、図1,図6のようにハンドル部3dの棒材352がシャフト部3bとほぼ直交する姿勢にあるとき、前記縦開口361を塞いでハンドル部3dの揺動を阻止する。
【0037】
[ストッパ]
ストッパ4は、合成樹脂例えばポリカーボネート、並びにポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂で形成される。このストッパ4は、前記仕切り具3aを、前記円筒体2aの他端開口部で、回転不能及び前後進不能に固定する機能を有する。
【0038】
このストッパ4は、図3及び図4に示されるように、ハンドル部3dに向かう第1基板4a、円筒体2aに向かう第2基板4b、及びこの第1基板4a及び第2基板4bを連結する縁壁体4cとを有する。
【0039】
第1基板4aは、基本的には、前記フランジ2cの外形に倣う形状を有する板状体である。この第1基板4aは、フランジ2cにおける一対の直行辺2e,2e同士の間隔よりも大きな間隔を有するように互いに平行に形成された一対の平行辺4d,4dと、この一対の平行辺4d,4dにおける一方の端部に形成された滑り止め凸部4eから他方の平行辺4dの端部に形成された滑り止め凸部4eへとフランジ2cにおける湾曲辺2dと同じ湾曲形状をもって連なる湾曲縁辺4fと、この湾曲縁辺4fに対向する側に形成された切り欠き装入部4gとを備えて、板状に形成されて成る。なお、前記滑り止め凸部4eは、ストッパ4を指でつまんで外すときの滑り止めの作用を発揮する。
【0040】
前記切り欠き装入部4gは、図2及び図3に示されるように、前記第1基板4aにおける一対の平行辺4d,4dと平行に、かつ前記一対のガイド板体309を挟み込むように形成されて成る一対の平行直線辺4hと、この一対の平行直線辺4hに連なって前記管体301の外周面に倣う湾曲内周辺4iと、この湾曲内周辺4iに、前記規制板体310を嵌め込むことができるように形成された規制溝4jとを備えて成る。
【0041】
前記第2基板4bは、フランジ2cにおける直行辺2eと直行辺2eとの間隔よりも僅かに大きな間隔を有するように互いに平行に形成された一対の平行辺4d,4dと、この一対の平行辺4d,4dにおける一方の平行辺4dの端部から他方の平行辺4dの端部へとフランジ2cにおける湾曲辺2dと同じ湾曲形状をもって連なる湾曲縁辺4fと、この湾曲縁辺4fに対向する側に形成され、前記円筒体2aの胴を装入することのできる円筒体装入部4kとを備えたところの板状部を備えて形成されて成る。前記円筒体装入部4kの縁には、この円筒体2aの胴部を半周程回り込むように湾曲板状に形成された円筒体固定部4mが、前記板状部から直角に立ち上がるように、形成されて成る。
【0042】
前記縁壁体4cは、前記第1基板4aの平行辺4dと前記第2基板4bの平行辺4dとを結合する直線状縁壁部4nと、前記第1基板4aの湾曲縁辺4fと前記第2基板4bの湾曲縁辺4fとを結合する湾曲状縁壁部4pとを備える。この縁壁体4cの高さ、つまり第1基板4aと第2基板4bとの間隔は、前記フランジ2cより僅かに厚く設計される。第1基板4aとこの縁壁体4cと第2基板4bとで、フランジ2cに装着されるフランジ装着部4qが形成される。また、前記第1基板4aにおける平行辺4dと切り欠き装入部4gにおける平行直線辺4hとで挟まれた板状部分は、このストッパ4をフランジ2cに装着すると、仕切り具3aを円筒体2a内で前後進不能に規制する仕切り具係止部4rである。
【0043】
[使用方法]
次に本発明の医療用ペースト注入混練器1の使用方法について説明する。
先ず、ノズル部2bをキャップ2gで塞いだシリンダ2内にフランジ2c側の開口から、ペースト原料の粉剤を所定量充填する。そして、シリンダ2のフランジ2c側の開口に、ピストン3のシャフト部3bに装着されている状態の仕切り具3aを嵌める。
【0044】
次に、ストッパ4をフランジ2cに装着する。すなわち、第1基板4aをハンドル部3dに向けてフランジ装着部4qにフランジ2cの湾曲辺2dが装入するように、ストッパ4を押し込む。ストッパ4を押し込むと、切り欠き装入部4gにおける平行直線辺4hが仕切り具本体におけるガイド板体309に当接する。このとき、一対のガイド板体309の延在方向が前記平行直線辺4hの延在方向と完全に一致していなくても、さらにストッパ4を押し進めると、ストッパ4の進行により前記一対のガイド板体309が強制的に前記平行直線辺4hの延在方向に沿わせられ、つまり仕切り具3aがその軸線を中心にして僅かに回転し、前記ガイド板体309の延在方向と前記平行直線辺4hの延在方向とが一致する。
【0045】
第2基板4bにあっては、ストッパ4をフランジ2cに向けて押し進めると、円筒体2aの胴に円筒体装入部4kが嵌り込む。これによって、ストッパ4の装着が確固としたものになる。
【0046】
さらにストッパ4を押し進めると、ガイド板体309に前記平行直線辺4hが案内されてフランジ2cの湾曲辺2dがストッパ4におけるフランジ装着部4qに向かっていく。さらにストッパ4を押し進めると、フランジ2cの湾曲辺2dが、フランジ装着部4qにおける、第1基板4aと第2基板4bとに挟まれて成る溝の中に入り込む。フランジ2cの湾曲辺2dが前記フランジ装着部4qに装着された状態にあっては、規制溝4jの中に規制板体310が嵌り込んでおり、また、第1基板4aにおける平行直線辺4hと平行辺4dとの間に位置する仕切り具係止部4rが、環状第1鍔体302と環状第2鍔体303との間隙に挿入されるとともに、仕切り具係止部4rが、環状第1鍔体302の平面と環状第2鍔体303の平面とフランジ2cの平面とに当接している。
【0047】
これによって、仕切り具3aは、シリンダ2における円筒体2a内で円筒体2aの軸線を中心にして回転することができなくなり、かつ、円筒体2aの軸線方向に沿って仕切り具3aは前後進ができなくなる。
つまり、仕切り具3aが円筒体2aの開口部でその位置を固定した状態となる。
【0048】
ここまでの工程は、医療現場で行ってもよいが、好ましくは製造工場で行うのがよい。
【0049】
次に、ノズル部2bを上向きにしてキャップ2gを外し、そこから図13(a),(b)に示したような液体注入容器7を使って、前記ペースト原料を硬化させるための液体Lを注入する。
なお、液体注入容器7は、指掛7a付きの円筒容器7bと、押出具7cと、可動栓7dとで構成されている。可動栓7dは、円筒容器7bの内周壁に密着して液体Lの漏出を阻止するようになっている。一方、円筒容器7bの先端には、内周壁に軸線方向の迂回溝7eを設けた可動栓一個分強の長さの開栓部7fが形成されている。
この液体注入容器7の円筒容器7bに液体Lを充填した図13(a)の状態では可動栓7dと押出具7cの間に液体Lが封入されている。そして、この状態で押出具7cを注射器の要領で押し込むと、その圧力で図13(b)のように可動栓7dが円筒容器7bの先の開栓部7fに移動する。そうして可動栓7dが開栓部7fに入ると液体Lが迂回溝7eを通って円筒容器7bの注出部7gから流れ出す。
従って液体注入容器7の注出部7gを医療用ペースト注入混練器1のノズル部2bに差し込んで押出具7cを押し込めば、円筒容器7b内に封入した液体Lを医療用ペースト注入混練器1のシリンダ2内に注ぎ込むことができる。
【0050】
次に、キャップ2gを元に戻してハンドル部3dを上に向け、シャフト部3bの軸線に対し直交する向きになっているハンドル部3dの棒材352を握って図1矢示I,IIのように軸線を中心とする回転運動と軸線方向への往復運動とを複合的に行う。これにより攪拌部3cが動いて粉剤のペースト原料と液体Lが混練される。なお、シャフト部3bの軸板350には、図7,図9に示したように凸部351より下の位置に半球状の小突起362が突設されており、該小突起362が摺動子356の割溝358に食い込んでハンドル部3dのがたつきを防止する。
【0051】
次に、混練が終了したところで図1のようにシャフト部3bを引き戻し、ハンドル部3dをシャフト部3bとほぼ平行な姿勢に転換させるべく、先ず、図10のように、ハンドル部3dの首部354の止め環360を半回転させて縦開口361を開く。
次に、ハンドル部3dを、凸部351を中心に揺動させ、図10のように、シャフト部3bの上部を棒材352の割口357内に収めつつ、シャフト部3bの軸線とほぼ平行な向きにする。この状態でハンドル部3dの棒材352の端部は、仕切り具3aの上面から浮いた位置にあるため、ハンドル部3dをシャフト部3bに沿って降下させる。このときハンドル部3dの摺動案内部355が摺動子356の周りを滑りながら降下し、ハンドル部3dの棒材352の端部が仕切り具3aの上面に当たって止まる。
【0052】
次に、図11のようにストッパ4をフランジ2cから取り外し、図12のようにノズル部2bのキャップ2gをチューブ6に付け替え、円板353を使ってハンドル部3dをシリンダ2側に押し込む。そうするとその力が棒材352から仕切り具3aに伝わり、仕切り具3aとシャフト部3bが一体になってシリンダ2の中に押し込まれる。従って、シリンダ2内のペーストが仕切り具3aで押し出され、チューブ6を通って患部に送られる。
【0053】
以上のように、シリンダ2内に予めペースト原料の粉剤を充填した医療用ペースト注入混練器1と、粉剤のペースト原料を硬化させる液体Lを充填した液体注入容器7とを一緒にして医療用ペースト注入混練器材とすれば、粉剤と液体Lの量り間違いのおそれがなく、また、混練工程で雑菌や異物の混入のおそれもなく、しかも均一に混練されたペーストが手早く提供できる。
【実施例1】
【0054】
本発明の医療用ペースト注入混練器の評価を目的として以下のような試験を行った。
ペースト原料たる粉剤としてリン酸四カルシウム65重量%とリン酸水素カルシウム35重量%の混合物約20gをシリンダ2に充填し、これに表1の粉液比となるように多糖類たるデキストラン硫酸ナトリウム50重量%の水溶液(硬化液)を注入し、粉剤と液体を混練して得られた骨ペーストをノズル部2bから排出した。そして得られた骨ペーストを3等分し、そのそれぞれを歯科用セメントのJIS規格(JIS T 6602)に準じて硬化時間、稠度及びその硬化体の圧縮強度を測定した。
なお、評価の基準とするため、上記と同じ粉剤と液体を乳鉢に入れ、乳棒で十分に混練して骨ペーストを作成し、同じ測定を行った。
その結果を表1に示す。
【0055】
【表1】

【0056】
実施例a,比較例aで得られた骨ペーストは粘土状であり、実施例b,比較例bで得られた骨ペーストはペースト状であった。
本発明の実施例a,bは、粘性の高い粘土状の骨ペーストから粘性の低い骨ペーストまで比較例a,bに比べ非常に簡単な操作で均一に混練することができ、また、それらの骨ペースト特性(硬化時間・稠度・強度)も比較例a,bと同等であることが確認できた。
【0057】
以上、本発明を実施の形態及び実施例について説明したが、もちろん本発明は上記実施形態等に限定されるものではない。例えば実施形態では、ハンドル部3d内に摺動子356を設け、該摺動子356を介してシャフト部3bにハンドル部3dを軸着したが、図14に示したように、ハンドル部3dの定点にシャフト部3bを軸着するようにしてもよい。この実施形態は、先の実施形態に比べて、構造が簡単で低コストに製造できる点で優位であるが、ハンドル部3dのサイズが大きくなって使い勝手に劣る。すなわち、ハンドル部3dで仕切り具3aを押圧するためには、シャフト部3bと平行な姿勢に転換した状態で棒材352の端部と仕切り具3aの間の距離が少ないほどよい。何故なら、その距離が「0」になるまでシャフト部3bのみが動いて仕切り具3aは動かず、その動きの差によって、仕切り具3aと攪拌部3cの間に注出ロスに直結する有害な隙間が生じるからである。従って、図14の実施形態の棒材352の長さは、ハンドル部3dの向きを転換させたときに仕切り具3aに直に当接するように設定されており、その長さは先の実施形態の棒材352の長さより、摺動子356の移動距離に相当する長さL分だけ長い。換言すれば、先の実施形態は、ハンドル部3dに対してシャフト部3bの軸着部分を移動可能にしたことにより、使い勝手を損なうことなくハンドル部3dのサイズをコンパクトにすることができる。
【0058】
また、実施形態のシリンダ2の外周に、図15〜図17に示したように、シリンダ2と同じ材質で形成した外カバー5を装着するようにしてもよい。すなわち、図15〜図17に示した外カバー5は、シリンダ2の外周より一回り大きい内径でシリンダ2とほぼ同じ長さの筒形態であり、その内面に軸線方向のリブ5a,5a…を等間隔に突設し、該リブ5a,5a…をシリンダ2の外周面に圧接させてシリンダ2との間に空気層5bが形成されるようにしたものである。なお、リブ5a,5a…をシリンダ2の外周に圧接させるため、実施形態の外カバー5は、下に向かって縮径するテーパ状に形成し、シリンダ2の下から外カバー5を嵌めた場合に、下半部が押し広げられて強く締まるようにしてある。
【0059】
また、外カバー5は、先の実施形態の前記仕切り具3a用のストッパ4を改造して、回転及び抜け落ちしない対策が施されている。すなわち外カバー5対応のストッパ40は、前記ストッパ4の第2基板4bと円筒体固定部4mの間に係止胴部4sを増設し、該係止胴部4sに設けた内向きの突部4t,4t…を外カバー5の上部に穿設した受孔5b,5b…に係合させ、これにより外カバー5のシリンダ2に対する周方向の回転とシリンダ2からの抜け落ちを防止する。このように外カバー5がストッパ40を介してシリンダ2と一体に連結されることにより、外カバー5を握りながら支障なく攪拌することができる。
なお、ストッパ40は、ハンドル部3dをシリンダ2側に押し込む図11の注入直前段階でフランジ2cから取り外されるが、ハンドル部3dを押し込む際に外カバー5に加わる力、すなわちシリンダ2の上方に抜けようとする力に対しては、フランジ2cがストッパとして機能する。又、外カバー5は、シリンダ2に固定されていても良い。
【0060】
しかして、上記のようにシリンダ2の外周を外カバー5で覆うようにすれば、外カバー5を握る作業者の体温がシリンダ2内のペーストまで伝わり難くなるため、熱によるペーストの硬化特性の変化を防止することができる効果がある。特に、外カバー5の内面にリブ5a,5a…を設けてシリンダ2との間に空気層5bを設けるようにすれば、断熱性の向上に効果がある。
なお、シリンダ2の外周を外カバー5で覆う上記手段は、少なくとも、
(a)フランジを有する側の一端が開口し他端にノズル部を有するシリンダと、
(b)該シリンダの内部を軸線方向に摺動可能な仕切り具と、
(c)該仕切り具を前記シリンダの開口側に係留・解除可能なストッパと、
(d)前記仕切り具の中心を貫くシャフト部装入用貫通孔に挿通され、該シャフト部装入用貫通孔を出入りする軸線方向への往復運動と該軸線を中心とする回転運動とが可能なシャフト部と、
(e)該シャフト部の前記シリンダ内に位置する部分に設けた攪拌部と、
(f)同じくシャフト部のシリンダ外に位置する部分に設けたハンドル部と、
を備えた医療用ペースト注入混練器に対して有効である。
【0061】
また、実施形態では仕切り具3aのストッパ4をシリンダ2のフランジ2cに取り付けるようにしたが、ストッパ4をピン型にしてシリンダ2の胴部から内部に向けて差し込むようになし、該ストッパ4の先を仕切り具3aの脇に係合させるようにしてもよい。
【0062】
また、実施形態では、ハンドル部3dの棒材352を断面円形状にしたが、言うまでもなくハンドル部3dの棒材352の断面形状は、四角形その他の多角形にしてもよく、シリンダ2に入り得る条件を満たす限り円形に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】医療用ペースト注入混練器の混練時の状態を示す縦断面図である。
【図2】図1のX−X線断面図である。
【図3】ストッパの底面図である。
【図4】図3のY−Y線断面図である。
【図5】仕切り具の縦断面図である。
【図6】シャフト部、ハンドル部、攪拌部の斜視図である。
【図7】図6の分解斜視図である。
【図8】図1のZ−Z線断面図である。
【図9】図1のS−S線断面図である。
【図10】ハンドル部の向きを転換させる状態を示す要部の縦断面図である。
【図11】注入直前の状態を示す医療用ペースト注入混練器の縦断面図である。
【図12】注入完了時の状態を示す医療用ペースト注入混練器の縦断面図である。
【図13】(a),(b)は液体注入容器を示す縦断面図である。
【図14】ハンドル部の他の形態を示す医療用ペースト注入混練器の要部の縦断面図である。
【図15】他の形態を示す医療用ペースト注入混練器の縦断面図である。
【図16】図15のT−T線断面図である。
【図17】外カバーとストッパを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0064】
1 …医療用ペースト注入混練器
2 …シリンダ
2b…ノズル部
3a…仕切り具
3b…シャフト部
3c…攪拌部
3d…ハンドル部
300…シャフト部装入用貫通孔
356…摺動子
4 …ストッパ
L …液体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が開口し他端にノズル部を有するシリンダと、
該シリンダの内部を軸線方向に摺動可能な仕切り具と、
該仕切り具を前記シリンダの開口側に係留・解除可能なストッパと、
前記仕切り具の中心を貫くシャフト部装入用貫通孔に挿通され、該シャフト部装入用貫通孔を出入りする軸線方向への往復運動と該軸線を中心とする回転運動とが可能なシャフト部と、
該シャフト部の前記シリンダ内に位置する部分に設けた攪拌部と、
同じくシャフト部のシリンダ外に位置する部分に設けたハンドル部と、を備え、
前記ハンドル部をシャフト部の端部に揺動可能に軸着し、該ハンドル部をシャフト部の軸線とほぼ直交する向きにして前記攪拌部を操作し、
一方、ハンドル部をシャフト部の軸線とほぼ平行な向きに転換させてその端部が前記仕切り具に当接し得るようになし、その状態でハンドル部を押圧して仕切り具をシリンダ内に押し込むようにしたことを特徴とする医療用ペースト注入混練器。
【請求項2】
前記ハンドル部に対して、前記シャフト部の軸着部分を、その軸着部分と前記仕切り具に当接する側の端部とを通る軸線方向に移動させ得るようにしたことを特徴とする請求項1記載の医療用ペースト注入混練器。
【請求項3】
前記ハンドル部内に、前記軸着部分と前記仕切り具に当接する側の端部とを通る軸線方向に摺動可能な摺動子を設け、該摺動子をシャフト部に軸着することにより、摺動子を介してハンドル部をシャフト部に軸着したことを特徴とする請求項2記載の医療用ペースト注入混練器。
【請求項4】
前記攪拌部が、シャフト部から放射状に突出する羽根形であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の医療用ペースト注入混練器。
【請求項5】
混練対象のペーストが骨ペーストであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の医療用ペースト注入混練器。
【請求項6】
前記骨ペーストがリン酸カルシウムを主成分とするものであることを特徴とする請求項5に記載の医療用ペースト注入混練器。
【請求項7】
前記リン酸カルシウムが、リン酸四カルシウムとリン酸水素カルシウムを主成分とするものであることを特徴とする請求項6に記載の医療用ペースト注入混練器。
【請求項8】
ペースト原料の一成分が粉剤であり、その粉剤と液体とを混練してペーストにするものであることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の医療用ペースト注入混練器。
【請求項9】
前記シリンダ内に予めペースト原料の粉剤を充填してなることを特徴とする請求項8に記載の医療用ペースト注入混練器。
【請求項10】
粉剤のペースト原料を硬化させるための液体を、シリンダ内にある粉剤のペースト原料に対してシリンダのノズル部から注入するようにしたことを特徴とする請求項8又は9に記載の医療用ペースト注入混練器。
【請求項11】
粉剤のペースト原料を硬化させるための液体が、多糖類の水溶液であることを特徴とする請求項8乃至10の何れか1項に記載の医療用ペースト注入混練器。
【請求項12】
請求項9乃至11の何れか1項に記載の医療用ペースト注入混練器と、粉剤のペースト原料を硬化させる液体を充填した液体注入容器とを備えてなることを特徴とする医療用ペースト注入混練器材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−95608(P2009−95608A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−272505(P2007−272505)
【出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【Fターム(参考)】