説明

医療用実習システム

【課題】複数の医療用実習装置が使用される場合にも、実習状況を的確に把握できる技術を提供する。
【解決手段】医療用実習システム100は、複数の医療用実習装置10において実行される歯科実習の実習状況を監督するためのシステムである。医療用実習システム100は、医療実習が行われる複数の医療用実習装置10と、複数の医療用実習装置10を集中的に制御する中央制御部90と、1台毎の医療用実習装置10における実習状況を撮影する第一撮像部101と、2台以上の医療用実習装置10を含むようにして撮影する第二撮影部102と、第一撮影部101により撮影された第一撮影画像と、前記第二撮影部により撮影された第二撮影画像とを表示する表示部92とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、医療用実習システムに関し、特に、複数の診療実習装置における実習状況を監視する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、歯科実習などでは、実習目的に応じた顎模型を実習者用診療台の一部として取り付け、実習者が指導者の指導に基づき実習を行うことが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1では、複数の実習者用実習台と指導者用実習台とを通信手段で情報伝達可能に接続することで、各実習者の実習状況を撮影した画像や音声、または、指導者の画像や音声を双方向に伝達することが提案されている。また、各実習者の実習状況を把握するため、指導者用のモニターに、各実習者の実習状況のそれぞれを撮影した画像を同時に表示したり、またはタイムシェアリング方式で個々に表示したりすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−46102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1の場合、各実習者用実習台における実習状況しか撮影されないため、例えば1人の実習者が複数の実習者用実習台を用いて歯科実習を行う場合に、実習台間を移動したりする様子を把握することが困難であった。加えて、各実習者用実習台で行われる実習中の画像について、監督者が所望の画像を任意のタイミングで簡単に切り換えられる構成でなかったため、例えば1人の実習者が複数の実習者用実習台を用いて歯科実習を行う場合に、実習台間の実習者の移動に合わせた表示画像の切り換えが簡単にできずに、実習者の移動先の実習者用実習台の画像表示をスムーズに切り換えることが困難であった。
【0006】
また、個々の実習者用実習台での実習状況しか撮影されないため、実習者同士が会話等で意志疎通を図ったり、または、実習者が他の実習者の実習状況を覗き見たりするなどの行為を監視することが困難となっている。したがって、実習者が本来の技量を試すことが困難になったり、または、医療実習を評価する場面において不正行為(カンニング)が行われたりする虞があった。
【0007】
以上のように、複数の診療台が用いられる場面において、特許文献1のように各実習者用実習台における実習状況を撮影するだけでは、実習状況を適切に監視することが困難となっている。
【0008】
そこで、本発明は、複数の医療用実習装置が使用される場合にも、実習状況を的確に把握できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、第1の態様は、医療実習が行われる複数の医療用実習装置と、複数の前記医療用実習装置を集中的に制御する中央制御部と、1台毎の前記医療用実習装置における実習状況を撮影する第一撮像部と、2台以上の前記医療用実習装置を含むようにして撮影する第二撮影部と、前記第一撮影部により撮影された第一撮影画像と、前記第二撮影部により撮影された第二撮影画像とを表示する表示部とを備える。
【0010】
また、第2の態様は、第1の態様に係る医療用実習システムにおいて、表示部は、前記第一撮影画像と前記第二撮影画像とを切り換え可能に表示する。
【0011】
また、第3の態様は、第2の態様に係る医療用実習システムにおいて、複数の前記医療用実習装置のそれぞれにおける実習状況を前記第一撮影部が撮影した複数の前記第一撮影画像のうちから、前記表示部に表示する画像を選択するための選択画面を前記表示部に表示する画像選択部、をさらに備える。
【0012】
また、第4の態様は、第3の態様に係る医療用実習システムにおいて、前記画像選択部は、前記第一撮影画像および前記第二撮影画像のうちから、前記表示部に表示する画像を選択するための選択画面を前記表示部に表示する。
【0013】
また、第5の態様は、第1から第4までのいずれか1態様に係る医療用実習システムにおいて、前記第二撮影部は、2以上の前記医療用実習装置における実習状況を上方から撮影する。
【0014】
また、第6の態様は、第1から第5までのいずれか1態様に係る医療用実習システムにおいて、前記医療用実習装置は、診療台と、前記診療台上に載置される擬似患者体とを含む。
【0015】
また、第7の態様は、第6の態様に係る医療用実習システムにおいて、前記医療用実習装置は、前記擬似患者体の少なくとも目、口、瞼を駆動する駆動部、をさらに含む。
【0016】
また、第8の態様は、第1から7までのいずれか1態様に係る医療用実習システムにおいて、前記診療台および前記擬似患者体が、電気または流体による駆動媒体流路を形成する接続部を介して着脱自在に接続される。
【0017】
また、第9の態様は、第6から第8までのいずれか1態様に係る医療用実習システムにおいて、前記第一撮影部は、前記擬似患者体の口腔近傍を撮影する口腔撮影部と、前記擬似患者体の上半身および該擬似患者体を用いた医療実習を行う実習者の上半身を撮影する上半身撮影部とを含む。
【0018】
また、第10の態様は、第9の態様に係る医療用実習システムにおいて、前記表示部は、前記口腔撮影部によって撮影された撮影画像と、前記上半身撮影部によって撮影された撮影画像とを切り換えて表示する。
【0019】
また、第11の態様は、第9または第10の態様に係る医療用実習システムにおいて、前記表示部は、前記口腔撮影部によって撮影された撮影画像と、前記上半身撮影部によって撮影された撮影画像と、前記第二撮影部によって撮影された画像とを同時に表示する。
【0020】
また、第12の態様は、第11の態様に係る医療用実習システムにおいて、前記表示部は、入力に基づいて、前記口腔撮影部によって撮影された撮影画像と、前記上半身撮影部によって撮影された撮影画像のうちいずれか一方を、入力に基づいて拡大表示する。
【0021】
また、第13の態様は、第6から第12までのいずれか1態様に係る医療用実習システムにおいて、前記第一撮影部により撮影された前記擬似患者体の顔画像と、予め登録された複数の前記擬似患者体の顔画像とを照合することによって、前記擬似患者体を認識する擬似患者体認識部、をさらに備える。
【0022】
また、第14の態様は、第6から第13までのいずれか1態様に係る医療用実習システムにおいて、前記擬似患者体の眼球内に設けられ、前記擬似患者体から見た画像を撮影する眼球内撮影部、をさらに備え、前記表示部は、前記眼球内撮影部によって撮影された撮影画像を表示する。
【0023】
また、第15の態様は、第1から第14までのいずれか1態様に係る医療用実習システムにおいて、前記第一撮影部により撮影された前記実習者の顔画像と、予め登録された複数の前記実習者の顔画像とを照合することによって、前記実習者を認識する実習者認識部、をさらに備える。
【0024】
また、第16の態様は、第1から第15までのいずれか1態様に係る医療用実習システムにおいて、前記医療用実習装置は、前記第一撮影部によって撮影された患者または擬似患者体の表情の撮影画像と、予め登録された複数の表情に関する画像とを照合することによって、前記患者または前記擬似患者体の表情を認識する表情認識部、をさらに備える。
【0025】
また、第17の態様は、第1から第16までのいずれか1態様に係る医療用実習システムにおいて、前記医療用実習装置に、前記実習者が接近したことを検出する近接センサ、をさらに備えており、前記表示部は、前記近接センサによって前記実習者が検出された前記医療用実習装置における実習状況を撮影した撮影画像を表示する。
【発明の効果】
【0026】
第1の態様に係る医療用実習システムによると、2台以上の医療用実習装置を含むように撮影が行われるため、実習者の医療用実習装置間の移動、実習者同士のやり取りを視認することができる。したがって、監督者が、複数の医療用実習装置が使用される場合の実習状況を的確に把握できる。
【0027】
また、第2の態様に係る医療用実習システムによると、第一撮影画像と第二撮影画像とが切り替えて表示することができるため、表示部の表示領域を有効に且つ適宜に利用することができる。
【0028】
また、第3の態様に係る医療用実習システムによると、複数の第一撮影画像のうちから、監督者が実習状況を確認したい画像を選択して表示することができる。
【0029】
また、第4の態様に係る医療用実習システムによると、第一撮影画像および第二撮影画像のうちから、監督者が確認したい画像を選択できるため、様々な視野やアングルから実習状況を監視することができる。
【0030】
また、第5の態様に係る医療用実習システムによると、複数の医療用実習装置を俯瞰することができるため、広域的に実習環境を把握することが可能となり、実習者の移動などが確認しやすくなる。
【0031】
また、第6の態様に係る医療用実習システムによると、診療台に擬似患者体を載置することによって、臨場感のある医療実習を行うことができる。
【0032】
また、第7の態様に係る医療用実習システムによると、擬似患者体の顔で各種表情を表現することができる。したがって、各種処置に対してリアルな反応を示す擬似患者体を用いた医療実習を行うことができる。
【0033】
また、第8の態様に係る医療用実習システムによると、擬似患者体と診療台とを自由に着脱することができるので患者体の交換やメンテナンスが容易となる。
【0034】
また、第9の態様に係る医療用実習システムによると、実習状況を様々なアングルから捉えることができる。
【0035】
また、第10の態様に係る医療用実習システムによると、口腔撮影部の撮影画像と上半身撮影部の撮影画像とを切り替えて表示するため、表示部の限られた表示領域を有効に且つ適宜に利用することができる。
【0036】
また、第11の態様に係る医療用実習システムによると、同時に複数のアングルから実習状況を確認することができる。
【0037】
また、第12の態様に係る医療用実習システムによると、画像を拡大表示することによって、実習状況の詳細部分を容易に確認することができる。
【0038】
また、第13の態様に係る医療用実習システムによると、擬似患者体の種別を容易に特定することができる。したがって、擬似患者体を使用する際の医療実習の情報に関する登録作業を簡略化することができる。
【0039】
また、第14の態様に係る医療用実習システムによると、患者側から実習者および実習風景がどのように見えているのかを把握することができる。この画像を学習に利用することにより、実習者はより患者重視の医療行為を心掛けることができる。
【0040】
また、第15の態様に係る医療用実習システムによると、容易に実習者の特定を行うことができるので、医療用実習装置を使用する実習者の情報を毎回登録する作業を簡略化することができる。あるいは、初めて実習を行う新しい実習者の情報の登録作業を簡略化することも可能となる。
【0041】
また、第16の態様に係る医療用実習システムによると、医療実習対象の患者または擬似患者体の表情の変化(例えば、苦痛、恐怖、不快などネガティブな表情)を実習状況に関する情報として取得することができる。
【0042】
また、第17の態様に係る医療用実習システムによると、実習者の近接を感知した医療用実習装置の画像を表示することによって、実習者に追随した表示画像に自動的に切り換えることができる。したがって、実習者の移動にあわせて操作者が画面をマニュアルで切り換える必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】実施形態に係る医療用実習システムの概略上面図である。
【図2】医療用実習装置の全体を示す外観図である。
【図3】医療用実習システムの機能ブロック図である。
【図4】要部を破断して内部構造を示した擬似患者体の頭部模型の正面図である。
【図5】表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【図6】表示部に表示される俯瞰画像を示す図である。
【図7】変形例に係る表示部において表示される画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0045】
<1. 実施形態>
図1は、実施形態に係る医療用実習システム100の概略上面図である。また、図2は、医療用実習装置10の全体を示す外観図である。また、図3は、医療用実習システム100の機能ブロック図である。
【0046】
図1に示したように、医療用実習システム100は、複数の医療用実習装置10と、中央制御部90と、表示部92とを備えている。医療用実習システム100は、1人または複数の実習者が歯科実習を行う様子を、監督者(指導者、教官など)が監督するように構成されている。なお、図1においては、医療用実習装置10が8台設けられている例を図示しているが、少なくとも2台以上備えておればよい。
【0047】
医療用実習装置10のそれぞれには、診療台3が設けられている。この診療台3には、後述するように、医療実習の模擬患者となる人が着座したり、または、人を模した擬似患者体2が載置されたりする。この診療台3の上方には、医療用実習装置10のそれぞれにおける診療状況を撮影する第一撮影部101が設けられている。本実施形態においては、第一撮影部101は、診療台3上の患者もしくは擬似患者体2の口腔部を撮影する口腔撮影部101aと、患者もしくは擬似患者体2の上半身と実習者の上半身とを含むように撮影する上半身撮影部101bとを備えている。口腔撮影部101aおよび上半身撮影部101bは、それぞれCCDカメラなどで構成されている。口腔撮影部101aによって撮影された撮影画像(以下、口腔画像とも称する。)、および、上半身撮影部101bによって撮影された撮影画像(以下、上半身画像とも称する。)は、第一撮影画像として、中央制御部90に送信される。
【0048】
図1に示したように、口腔撮影部101aおよび上半身撮影部101bは、診療台3に載せられた擬似患者体2の正中線上に配置される。このため、口腔撮影部101aまたは上半身撮影部101bによって撮影される撮影画像では、擬似患者体2の正中線が中心部に配置されることとなる。したがって、口腔部撮影部101aまたは上半身撮影部101bによって、擬似患者体2を左右均一に撮影を行うことができるため、実習者による口腔部に対する処置内容、または、実習者の処置時の姿勢および擬似患者体2に対する位置関係を正確に評価することが可能となる。ただし、口腔撮影部101aおよび上半身撮影部101bの配置位置は、上記のようなものに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0049】
医療用実習システム100は、複数の医療用実習装置10を上方から見た俯瞰画像を撮影する第二撮影部102を備えている。第二撮影部102は、例えば、1台のCCDカメラで構成されており、複数の医療用実習装置10(ここでは、全ての医療用実習装置10)が含まれるように撮影される。第二撮影部102により、複数の医療用実習装置10における実習状況が包括的に撮影される。
【0050】
第二撮影部102のCCDカメラに魚眼レンズを適用することによって、第二撮影部102を設置する高さ位置を比較的低くすることができる。したがって、医療用実習システム100が設置される部屋の天井が低い場合であっても、第二撮影部102により良好に撮影を行うことができる。
【0051】
なお、第二撮影部102を複数のCCDカメラで構成するとともに、全ての医療用実習装置10をいくつかのブロックに分けて、各ブロックに含まれる2台以上の医療用実習装置10を各CCDカメラで撮影するようにしてもよい。
【0052】
また、本実施形態では、第二撮影部102を上方から撮影するようにしているが、鏡などを医療用実習装置10の上方に配置して、鏡に映る鏡像を任意の位置に配置されたCCDカメラで撮影するようにしてもよい。また第二撮影部102を医療用実習装置10の側方の位置に配置して、側方から見た実習状況が撮影されるようにしてもよい。つまり、複数の医療用実習装置10を含むように撮影できるのであれば、第二撮影部102はどのように設けられていてもよい。
【0053】
中央制御部90は、CPUやRAMなどの一般的なコンピュータとしての構成を備えており、複数の医療用実習装置10を集中的に制御する。具体的には、中央制御部90は、医療用実習装置10から送られてくる各種情報を処理するとともに、各医療用実習装置10に制御信号を出力する。この詳細については、後述する。また中央制御部90は、医療用実習装置10の第一撮影部101、または、第二撮影部102によって取得された撮影画像のデータを処理して、適宜表示部92に表示させる。
【0054】
表示部92は、液晶モニターなどの各種表示デバイスで構成されている。表示部92は、タッチパネルで構成されており、監督者によるタッチペンまたは指などを介した画面タッチ操作を所定のセンサで認識する。表示部92が認識した入力信号は、中央制御部90に送信され処理される。なお、マウスやキーボード、または各種ボタンなどの入力デバイスを設けて、該入力デバイスを介して中央制御部90に各種入力を行えるようにしてもよい。この場合、表示部92から入力機能を除くこともできる。
【0055】
次に医療用実習装置10について説明する。図2に示した医療用実習装置10は、診療器具11a〜11eを備えたトレーテーブル1と、擬似患者体2を載せて治療を行うための診療台3とを備えている。なお、本実施形態では、診療台3に擬似患者体2を載せて歯科実習が行われる場合について主に説明する。しかしながら、この診療台3に、患者(模擬患者)が着座して歯科実習が行われるようにしてもよい。また、擬似患者体2または患者が診療台3に存在しなくても、例えば診療開始前の準備または診療後の片付けなどの歯科実習を行うことが可能である。
【0056】
トレーテーブル1は、診療台3にアーム(図示せず)を介して回動可能に取り付けたテーブル1aの手前側に器具ホルダ1bを備えている。器具ホルダ1bには、エアータービンハンドピース、マイクロモータハンドピースなどの切削工具やスケーラ、スリーウエイシリンジ、バキュームシリンジなどからなる診療器具11a〜11eが着脱可能に取り付けられる。さらに、トレーテーブル1には、テーブル1aの上方に表示部5を設けて、患者のカルテを呼び出して表示したり、実習中の診療器具類の操作内容などの実習に関連する情報をモニタリングしたりできるようになっている。診療器具類には、図1に示した診療器具11a〜11e以外に、口腔カメラや光重合照射器などが含まれていてもよい。そして医療用実習装置10には、これら診療器具類を制御するためにフートコントローラ12aが設けられている。さらに、これら診療器具の動作を検出するための診療器具回路110(図3参照)が設けられている。
【0057】
各診療器具11a〜11eは、器具ホルダ1bから取り上げられたことが検出されることより駆動するようにしてもよいし、フートコントローラ12aの操作が検出されることにより駆動するようにしてもよい。また、診療器具類自体に設けた操作部の操作が検出されることにより駆動するようにしてもよい。器具ホルダ1bとしては、図1のようにトレーテーブル1に設けられるものの他、診療台3に設けられるものなど、その他の診療器具11a〜11eを着脱可能に取り付け得るものも対象とされる。また、診療器具回路110は、診療器具11a〜11eの回転数又は回転数に相当する電圧値、電流値、又は診療器具類が作動するエア圧、エア流量、周波数、振動数、又は診療器具11a〜11eが擬似患者体2に接触する際の抑圧力や診療台3に接続されたフートコントローラ12aの操作信号を検出する。診療器具11a〜11eは、水供給源、エア供給源やエア吸引手段に接続されているが、これらは、公知であるので、詳細な説明は省略する。
【0058】
擬似患者体2は、頭部模型2aと、胴体模型2bと、左右の腕模型2cと、左右の脚部模型2dとで構成され、その内部には、擬似患者体2の姿勢、表情を変化させたり、擬似患者体2に対する診療状態を検出したりする擬似患者体駆動回路(図示せず。)が設けられている。また、擬似患者体2は、人体に酷似した外観にするため、頭髪となるカツラが被せられるかもしくは植毛が施されるかあるいはカツラと植毛とが組合わされ、人工皮膚を被せている。このような擬似患者体2は、機械系の部品で骨格を形成した従来型のものではなく、人工皮膚や人工頭髪を被せて、人体に極めて酷似させた、いわゆるアンドロイド型のロボットとして構成されている。
【0059】
擬似患者体2の構成や駆動などについては、本願出願人に係る公開第2008/023464号パンフレットに詳しく記載されており、本願においても適宜採用することができる。具体的には、擬似患者体2および診療台3には、相互に嵌合する結合部材などによって着脱自在に結合される。この結合手段による結合の際、診療台3に設けられた電気的または流体(水、油などの液体または空気などの気体)的駆動系を構成するコネクタ部に接続される。このコネクタ部を、例えば急速継手で構成することによって、ワンタッチで簡易に相互接続することが可能となる。このようにして擬似患者体2は、作動媒体(エネルギー)が診療台3から供給され、姿勢、顔の表情を変化させる駆動機構を駆動させる。なお、擬似患者体2は、診療台3と一体的あるいは連動するようにしてもよいが、診療台3から独立して動作するように構成されていてもよい。このように擬似患者体2と診療台3とを自由に着脱できるように構成することで、擬似患者体2の交換やメンテナンスを容易にすることができる。
【0060】
頭部模型2aには、顔面の表情を変化させる擬似患者体駆動部2Aが内蔵されている。擬似患者体駆動部2Aは、頭部模型2aの顔面の各部位(眼球、瞼、眉、頬、口、唇および首)を駆動する駆動機構で構成されている。擬似患者体駆動部2Aは、瞼の開閉駆動、眼球の上下左右駆動、口の開閉駆動、また、眉の上下駆動、首の前後左右駆動などによって、人間と同様の顔面表情を再現する。なお、上述の顔面の各部位のうち一部のみを駆動できるように構成されていてもよい。この構成について、図4を参照しつつ説明する。
【0061】
図4は、要部を破断して内部構造を示した擬似患者体2の頭部模型2aの正面図である。頭部模型2aは、硬質樹脂で形成された頭骨部材24を、皮膚に似た柔らかさのシリコンゴムで形成した皮膚部材24aで覆っており、皮膚部材24aの表面は、適宜着色加工されている。頭骨部材24の内部には頑丈な部材でできたフレーム25が組み込まれている。
【0062】
フレーム25は、上顎骨部材25aと、下顎骨部材25bとを備えている。フレーム25は、シリンダなどで構成される口駆動部25cを駆動することによって、顎関節部25dを軸にして、下顎骨部材25bを回動させる。これより、下顎骨部材25bを上顎骨部材25aに対して上下に開閉させることができる。またフレーム25には、擬似眼球26を有した目駆動部21a、瞼駆動部21b、眉毛駆動部21cが設けられている。これらは、いずれも擬似患者体駆動部2Aを構成している。
【0063】
擬似眼球26の裏側部分には、後方向に延在する棒状部材が設けられている。目駆動部21aは、擬似眼球26自体の位置を固定させた状態で、棒状部材を例えば上下に15度ずつ、左右に30度ずつの範囲で傾動させる。これにより、患者の眼球運動が再現される。目駆動部21aの構成については、具体的には、国際公開第2008/023464号パンフレットの図9〜図13に開示されている駆動機構を適宜採用することができる。
【0064】
また本実施形態に係る擬似眼球26には、眼球撮影部103が内蔵されている。眼球撮影部103は、擬似眼球26に描かれた瞳の位置から見た周囲の環境を撮影するように構成されており、患者から見たアングルでの撮影を行う。眼球撮影部103は、中央制御部90と無線通信または有線通信が可能となっており、撮影した撮影画像に関するデータを中央制御部90に送信する(図3参照)。そして眼球撮影部103が撮影した撮影画像(以下、患者アングル画像とも称する。)は、中央制御部90の制御に基づいて、表示部92に適宜表示される。眼球撮影部103により実習状況を撮影することによって、患者側から実習者および実習風景がどのように見えているのかを把握することができる。この画像を学習に利用することにより、実習者はより患者重視の医療行為を心掛けることができ、更に効果的な医療実習の訓練を行うことができる。
【0065】
瞼駆動部21bは、フレームに固定されたエアシリンダで構成されている。瞼駆動部21bは、瞼24b接続されているロッド21bbを所定軸周りに回動させることで、瞼24bを擬似眼球26の前方で上下に移動させて開閉させる。
【0066】
眉毛駆動部21cは、フレームに固定されたエアシリンダで構成されている。眉毛駆動部21cは、皮膚部材24aの眉毛に相当する眉部24cに接続されているロッド21ccを進退させることで、眉部24cを上下に移動させる。
【0067】
頭部模型2aの口腔部には、上顎模型23aと下顎模型23cとがそれぞれ取り付けられる。上顎模型23aおよび下顎模型23cは、例えば、それぞれに鉄片を設けて、頭部模型2a側の上顎骨部材及び下顎骨部材25bに設けたマグネットに磁力で着脱可能とすることができる。上顎模型23aや下顎模型23cには、歯牙23dが1本毎に交換可能に植立されている。これによって、切削実習をした際に消耗した歯牙を交換したり、虫歯や歯石を付けた特別な歯牙に交換したりすることができる。また、顎模型も子供用の小さい模型や、歯牙23dが植立されていない無歯顎の模型にも交換可能である。また、上顎模型23aと下顎模型23cの間の位置には、舌部材23fが着脱自在に取り付けられる。舌部材について、種々の形状(大きい、小さい、厚い、薄い、長い、短い、幅広い、幅狭い、舌苔付着、舌癌あり等々)のものに交換することが可能である。
【0068】
また、上顎模型23a、下顎模型23cまたは歯牙23dには、実習時の処置、治療を検出するため、処置検出センサが設けられる。より具体的には、診療器具11a〜11eが歯牙23dに接触したときの衝撃を検出する衝撃センサ、切削治療時に歯牙や上下顎に加えられる圧力を検出する圧力センサ、振動を検出する振動センサ、温度上昇(例えば、印象採得時、レーザ切削時など)を検出する温度センサ、歯牙の切削度合いを検出する導通あるいは抵抗値の変化を検出するセンサが設けられる。これらのセンサにより受診状態検出信号が中央制御部90に送出されることで、実習時における擬似患者体2の受診状態が客観的に把握でき、受診データとして利用される。
【0069】
また、センサの検出信号に応じて、擬似患者体2の表情を変化させることも可能である。例えば、診療器具11a〜11eが、接触センサが内蔵された舌部材23fの奥部や喉部材に接触した場合には、擬似患者体2は、擬似患者体駆動部2Aを駆動することによって、後述するように、実際の患者と同様に、嘔吐の表情を表現させることができる。また例えば、擬似患者体2の顎関節に開閉を検知するセンサを内蔵して、ある一定時間を超過する開口がなされた場合に、自動的に徐々に口を閉じていく行為をさせ、患者の開口疲労を再現してもよい。
【0070】
また、頭部模型2aのうち上述した駆動部位以外の場所を駆動可能にすることで、顔の表情が変化するように構成されてもよい。また、胴体模型2b、腕模型2c、脚模型2dの駆動機構を設けて動作させることで、擬似患者体2に苦痛、恐怖、不快などの各種感情を表現させてもよい。
【0071】
図2に戻って、診療台3は、基台30に昇降可能に載置された座板部3aと、その座板部3aの後方に連接された傾動可能な背板部3bと、その背板部3bの上端に連接された傾動可能なヘッドレスト3cとを備えている。そして、診療台3には、診療状況に応じた最適位置に擬似患者体2(または患者)を配置するために、座板部3aを昇降する座板駆動部301(図3参照)、背板部3bを傾動させる背板駆動部302(図3参照)、ヘッドレストを傾倒させるヘッドレスト駆動部が設けられている。これらの駆動部は、フートコントローラ12aによって操作制御される。このような座板駆動部301および背板駆動部302は、従来技術の油圧シリンダや電動モータなどが使用でき、ヘッドレスト駆動部には、電動モータなどを使用することができる。
【0072】
また、診療台3には、治療用スタンドポール6が付設され、当該スタンドポールの途中を分岐させて、回動可能に突出させたアーム61,62を設けている。アーム61には、無影灯63を設け、アーム62には、擬似患者体2の口腔部を撮影する口腔撮影部101aと、擬似患者体2の上半身および実習者の上半身を撮影する上半身撮影部101bが取り付けられている。なお、口腔撮影部101aによって、実習者の診療器具11a〜11eの扱いや動き、擬似患者体2の姿勢、動き、表情の変化なども同時に撮影してもよい。また、アーム62には、実習中に実習者に向けて発せされる音声を出力するためのスピーカー64、および、治療時の音声などを集音して取得するためマイク65が設置されている。ただし、マイク65は、実際の診療状況に近い再現性を追求する上で擬似患者体2の口または耳や肩近傍、診療台3、または、実習者が装着するヘッドセット(不図示)などに設けてもよい。また、スピーカー64は、擬似患者体2が患者として発する音声を出力する。このため、スピーカー64は、擬似患者体2の口付近などに設けられていてもよい。
【0073】
また、診療台3の近傍には、口腔内を濯ぐ際などに給水する給水栓と、排唾鉢とを備えるスピットン3dが設けられている。
【0074】
背板部3bの肩部には、システム停止操作スイッチ7が設けられている。このシステム停止操作スイッチ7は、擬似患者体2又は診療台3の少なくとも一方が誤動作した時に、システム全体(擬似患者体2、診療台3及び診療器具11a〜11eなど)を停止させる緊急停止スイッチである。このシステム停止操作スイッチ7の設置位置は、実習者自らが操作し易い点で、背板部3bの肩部が望ましいが、トレーテーブル1やヘッドレスト3cの近傍など、実習者によるアクセス性を勘案して適宜選択設定される。また、停止対象は、システム全体が望ましいが、少なくとも擬似患者体2及び診療台3の作動が停止すれば、安全性を保つことができる。
【0075】
診療台3には、実習者が近接したことを検出する近接センサ310(図3参照)が設けられている。近接センサ310は、例えば赤外線センサなどで構成することができる。なお、実習者が着席する椅子などに近接センサ310を設けてもよい。例えば、実習者が特定の医療用実習装置10に近接したことを近接センサ310が検出した場合に、該医療用実習装置10が備える第一撮影部101または眼球撮影部103による撮影を開始するようにしてもよい。また、撮影された撮影画像を中央制御部90が表示部92に優先的に表示するようにするようにしてもよい。
【0076】
図3に示したように、中央制御部90は、画像認識部901、表情認識部902、音声認識部903、駆動制御部904および画像選択部905を備えている。これらの機能ブロックは、中央制御部90が備えるCPUが図示しないプログラムにしたがって動作することにより実現される。なお、これらの機能ブロックのうちの一部または全部が専用回路で構成されていてもよい。
【0077】
画像認識部901は、実習者を識別するための実習者認識部901aと、擬似患者体2を識別する患者体認識部901bとで構成されている。実習者認識部901aは、第一撮影部101(具体的には、上半身撮影部101b)により撮影された実習者の顔画像と、予め登録された複数の実習者の顔画像とを照合することによって、第一撮影部101により撮影された実習者を特定する。また、患者体認識部901bは、第一撮影部101(口腔撮影部101aまたは上半身撮影部101b)により撮影された擬似患者体2の顔画像と、予め登録された複数の擬似患者体2の顔画像とを照合することによって、第一撮影部101により撮影された擬似患者体2を特定する。
【0078】
実習者の顔画像や、擬似患者体2の顔画像は、中央制御部90に通信可能に接続されている記憶部94に保存される。これらの顔画像は、第一撮影部101によって撮影されたものであることが望ましいが、その他の撮影手段によって撮影した顔画像を登録するようにしてもよい。複数の実習者の顔画像は、画像毎に実習者の氏名などの個人情報と関連付けられて、実習者登録データ941として記憶部94に保存される。また、擬似患者体2の顔画像は、各擬似患者体2固有の識別情報(例えば、識別ID、性別設定、年齢設定、実施可能な実習内容など)と関連付けられて、患者体登録データ942として記憶部94に保存される。なお、擬似患者体2ではなく人が診療台3に着座する場合は、患者体認識部901bによって着座した人を識別できるようしてもよい。
【0079】
表情認識部902は、第一撮影部101(口腔撮影部101aまたは上半身撮影部101b)によって撮影された擬似患者体2または患者の顔画像から、擬似患者体2または患者の表情を画像認識により識別する。より具体的には、擬似患者体2または患者の多様な表情を撮影した顔画像が表情登録データ943として予め記憶部94に保存される。表情認識部902は、表情登録データ943と、第一撮影部101により撮影された擬似患者体2または患者の顔画像とを照合することによって、擬似患者体2または患者の表情を特定する。例えば、表情認識部902によって苦痛、恐怖、不快などのネガティブな表情が検出されたことを、表示部92などを介して監督者に通知することによって、実習者が不適切な処置を行ったことなどを簡易に把握することができる。また、ネガティブな表情が検出された際に、直後に患者(擬似患者体2,模擬患者)に対して、施術を一旦止める、「痛いですか」「大丈夫ですか」などの声掛けをする等の適切な処置がされたかどうかを、実習の評価対象とすることができる。実習の評価の詳細については後述する。
【0080】
音声認識部903は、マイク65によって取得された実習者の音声データから、発話中のフレーズを抽出する。具体的には、実習者が声掛けとして「大丈夫ですか」と言葉を発した場合、音声認識部903は音声である「大丈夫ですか」を言語である「大丈夫ですか」というデータに変換する。本実施形態では、患者が発する音声がスピーカー64から出力される。このように、医療用実習システム100によると、音声認識部903、マイク65、スピーカー64を備えていることによって、発声により患者と意志疎通を図る訓練を行うことができる。
【0081】
駆動制御部904は、擬似患者体駆動部2Aの駆動を制御する。駆動制御部904は、中央制御部90に対する入力操作に基づいて、擬似患者体駆動部2A(目駆動部21a、瞼駆動部21b、口駆動部25cなど)に制御信号を送信することにより、擬似眼球26や瞼24b、口(ここでは下顎骨部材25b)を駆動する。この入力操作は、上述したようにタッチパネルを構成する表示部92に対して行われてもよいし、中央制御部90に別途接続された、マウス、キーボードなどに対して行われてもよい。
【0082】
画像選択部905は、表示部92において表示する画像を選択するための選択画面を表示部92に表示させる。より具体的には、画像選択部905は、複数の医療用実習装置10のそれぞれに設けられている第一撮影部101によって撮影される複数の撮影画像のうち、表示部92に表示する画像を選択するための選択画面を表示部92に表示させる。ここで、第一撮影部101によって撮影される画像には、擬似患者体2(または患者)の口腔画像と擬似患者体2(または患者)の上半身および実習者の上半身を撮影した上半身画像とが含まれる。なお、この口腔画像と上半身画像とを1セットとして扱われてもよいし、それぞれが個別に扱われてもよい。1セットとして扱われる場合は、複数の医療用実習装置10の中から1台の医療用実習装置10が選択されることにより、該医療用実習装置10の第一撮影部101によって撮影される口腔画像と上半身画像とが表示部92に表示されることとなる。また個別に扱われる場合は、さらに口腔画像および上半身画像のうちから表示部92に表示する画像が選択されることとなる。なお、眼球撮影部103が撮影した患者アングル画像についても選択できるようにしてもよい。
【0083】
また、画像選択部905は、第一撮影部101によって撮影される撮影画像と、第二撮影部102によって撮影される撮影画像のうちから、表示部92に表示する画像を選択させるための選択画面を表示部92に表示させる。なお、画像選択部905は表示部92に表示する例を示したが、個別のスイッチを設けてもよい。
【0084】
記憶部94には、シナリオデータ944が保存されている。シナリオデータ944は、医療用実習装置10において実施される複数の医療用実習シナリオをまとめたものである。医療用実習シナリオとは、医療実習で基本的に実習者、または、実習者および患者(ここでは、擬似患者体2)が行う行為および発声を時系列に整理した情報である。より具体的には、医療用実習シナリオは、切削、抜歯、根管治療、歯石取り(スケーリング)、印象採得、形成、口腔検査、麻酔、ラバーダム防湿などの種々の歯科実習を行う際に、実習者または患者が行うべき行為または発声が登録されている。医療用実習シナリオを用いた歯科実習は、本願出願人に係る特開2010−55068号公報に詳細に開示されており、本実施形態に係る医療用実習システム100においても適用することができる。
【0085】
本実施形態では、中央制御部90の制御に基づいて実行される医療用実習シナリオに沿って、歯科実習が各医療用実習装置10において行われる。この歯科実習中に行われる実習行為の履歴情報(実習履歴情報)は、実習履歴データ945として記憶部94に保存される。具体的には、第一撮影部101、第二撮影部102または眼球撮影部103によって撮影された撮影画像、画像認識部901によって識別した実習者および擬似患者体2(または患者)に関する情報、実習中の擬似患者体2(または患者)の表情、実習中に実習者が発した音声、実習中の擬似患者体2の動作、診療器具類の駆動内容、上顎模型23aまたは下顎模型23cに取り付けられた処置検出センサが検出した受診状態検出信号などが実習内容に関する実習履歴情報となる。ただし、実習履歴情報はこれらの一部であってもよいし、その他の情報を含んでいてもよい。また、これらの実習内容に関する実習履歴に、実習者に関する情報が関連付けられて保存されてもよい。さらに、監督者(指導者など)に関する情報なども関連付けられて保存されてもよい。
【0086】
評価基準データ946は、歯科実習に実習者が行った行為を評価するために定められた評価基準をまとめたものである。具体的には、特定の医療用実習シナリオに定められている行為が実習中に実行されたかどうか、あるいは、ある行為が行われてから所定の時間内に、次の規定の行為が行われたかどうか、などといったように評価基準が定められている。
【0087】
より具体的に、医療用実習シナリオが印象採得であって、評価対象を印象採得手技とする場合、評価基準は擬似患者体2に設けた軟口蓋へのあふれ検知センサの反応の有無とされる。例えば、微量のあふれ検知センサが反応した場合は減点1とされ、大量のあふれ検知センサが反応した場合は減点3とされ、あふれ検知センサの反応がない場合は加点1とされる。
【0088】
また、声掛けを評価対象とする場合には、必要な声掛けが行われなかった場合に減点3とされ、声掛けの音量が不十分な場合は減点1とされ、声掛けの音量が十分である場合は加点1とされる。
【0089】
以上のような評価基準を予め定めておくことによって、中央制御部90において、実習内容を客観的に評価することができる。このような評価結果は、各実習履歴に関連付けて保存してもよい。
【0090】
また、監督者(指導者など)の評価者の評価結果を、実習履歴として保存できるようにしてもよい。例えば、図3に示したように、中央制御部90に対して、評価者が評価結果を入力する評価入力部93を設けてもよい。もちろん、この評価入力は、タッチパネルである表示部92の画面上で行うことができるようにしてもよい。また、中央制御部90に接続されたマウスやキーボードなどの入力デバイスが設けられている場合には、該入力デバイスを評価入力部93として利用してもよい。
【0091】
図5は、表示部92に表示される画面の一例を示す図である。また図6は、表示部92に表示される俯瞰画像を示す図である。図5に示した例では、表示部92に表示領域h1〜h6が定義されている。具体的には、表示領域h1には、医療用実習シナリオが表示される。また、表示領域h2,h3には、第一撮影部101または第二撮影部102によって撮影した画像を表示される。表示領域h4には、表示領域h2,h3に表示する画像を選択するための画像選択ボタン群B1が表示される。表示領域h5には、擬似患者体2を動作させるための動作ボタン群B2が表示される。また、表示領域h6には、複数の医療用実習装置10の第一撮影部101(より具体的には、上半身撮影部101b)によって撮影された撮影画像(ここでは上半身画像)が表示される。また、表示領域h6には実習中の複数の実習者の各々の画像と共に、各実習者が実習中の医療用実習シナリオの名称を実習者名と共に表示してもよい。
【0092】
なお、以下に説明する監督者による操作内容の処理や、表示部92における画像の表示制御は、特に断らない限り、中央制御部90によって行われるものとする。
【0093】
表示領域h4に表示されている画像選択ボタン群B1は、上述した画像選択部905の制御に基づいて表示される画面である。画像選択ボタン群B1のうち、「実習台1」〜「実習台8」ボタンは、8台ある医療用実習装置10のそれぞれに対応している。例えば「実習台1」ボタンがタッチ操作されると、実習台1に対応する医療用実習装置10の第一撮影部101によって撮影される口腔画像、および、上半身画像が表示領域h2,h3に同時に表示される。これにより、同時に複数のアングルから実習状況を確認することができる。この状態で「患者アングル」ボタンがタッチ操作されると、例えば表示領域h2(または表示領域h3)に表示される画像が、対応する擬似患者体2に設けられた眼球撮影部103によって撮影された撮影画像に切り替えられる。
【0094】
なお、表示領域h2および表示領域h3に同時に口腔画像、上半身画像の双方を表示するのではなく、表示領域h2,h3のどちらか一方において、これらの画像を切り替えて表示するようにしてもよい。これにより、表示部92の限られた表示領域を有効に利用することができる。
【0095】
また、図5に示した「俯瞰」ボタンがタッチ操作されると、図6に示したように、表示領域h2に表示される画像が、第二撮影部102によって撮影される俯瞰画像に切り替わる。このとき、表示領域h3において俯瞰画像が表示されるようにしてもよい。図6に示したように、俯瞰画像の場合、表示領域92の内部において定義される1つの画面の中に、複数の医療用実習装置10が包括的に表示される。このような画像を表示部92に表示することによって、監督者は実習状況を包括的に把握することができる。俯瞰画像は一部の複数実習者によるグループ毎の画像でも、全実習者の画像でもよい。
【0096】
なお、俯瞰画像を表示する場合に、表示領域h2,h3において表示される画像が切り替わるのではなく、表示領域h6などの別の表示領域に俯瞰画像を表示するようにしてもよい。この場合、表示領域h2,h3において特定の医療用実習装置10における実習状況を確認できる同時に、その他の医療用実習装置10の実習状況についても的確に把握することが可能となる。
【0097】
このように、本実施形態に係る医療用実習システム100によると、様々な視野やアングルで撮影した画像をタッチ操作などの操作入力によって切り換えて表示することができるため、監督者が確認したい任意の画像を自由に表示させることができる。
【0098】
なお、表示領域h2,h3または表示領域h6において、所定の操作入力を行うことで、第一撮影部101、第二撮影部102、眼球撮影部103の撮影画像を拡大表示できるようにしてもよい。例えば、画面を二回タッチする、複数の指またはタッチペンなどで広げるようになぞる、または、図示しない拡大ボタンを用意して該ボタンをタッチ操作する、といったような操作入力に基づいて、各画像を拡大表示するようにしてもよい。これにより、実習状況の詳細部分を容易に確認することが可能となる。なお、所定の操作入力に基づいて、画像を縮小表示できるようにしてもよい。この場合、表示部92の表示領域を有効に利用することができる。
【0099】
表示領域h1には、表示領域h2,h3に表示されている医療用実習装置10において実行されている医療用実習シナリオが表示される。表示領域h1の上部には、その医療用実習シナリオの名称(図5の例では「根管治療」)が表示される。この名称表示部分をタッチすることにより、他の医療用実習シナリオの一覧を表示させて、別の医療用実習シナリオを選択できるようにしてもよい。
【0100】
なお、本実施形態では医療用実習装置10に備えられた擬似患者体2の種別によって、実施できる歯科実習が限定される場合がある。このような場合、表示部92の画面上で選択できる医療用実習シナリオは、各医療用実習装置10に載置されている擬似患者体2の種別に応じて限定されていることが望ましい。そこで、例えば患者体データ942において、擬似患者体2毎に実行可能な医療用実習シナリオを予め登録しておけば、患者体認識部901bによって擬似患者体2を識別したときに、実行可能な医療用実習シナリオを自動的に特定することができる。
【0101】
図5に示したように、実習者の名称、指導者の名称、操作者の名称なども表示部92に表示されてもよい。このとき、実習者の名称に関しては、上述した実習者認識部901aによって認識された実習者の名称を表示するようにしてもよいし、操作者(監督者など)が適宜入力するようにしてもよい。また、実習者の名称表示部分をタッチすることにより、予め登録されている実習者の名称の一覧を表示させて、実習者を選択できるようにしてもよい。また指導者の名称、操作者の名称についても、同様の操作で選択できるようにしてもよい。
【0102】
表示領域h1に表示されている医療用実習シナリオに基づいて実習が行われている最中、監督者は、表示領域h1内に表示されているセリフ(例えば「こんにちは。」「宜しくお願いします。」)や行為(例えば「うなずく」など)をタッチ操作することによって、あるいは医療用実習シナリオに予め設定したプログラムを実行することによって、擬似患者体2に特定の動作を実行させることができる。この場合、予め医療用実習シナリオに定められた発声または行為を擬似患者体2に実行させることで、医療用実習装置10における歯科実習が順次進行される。
【0103】
また、監督者は、表示領域h5に表示されている動作ボタン群B2の特定のボタンをタッチ操作することによって、各ボタンに割り当てられている発声(例えば「こんにちは。」「それは痛いですか。」)または行為(例えば「顔をしかめる」「ビクッとする」)を擬似患者体2に実行させることができる。動作ボタン群B2を設けることによって、例えば指導者などが、医療用実習シナリオに規定されていないイレギュラーな動作を擬似患者体2に行わせることで、実習者の対応力を養うことができる。また、実習者が適切に対応できるかを評価したりすることもできる。
【0104】
以上のような流れに沿って、医療用実習システム100において各種の歯科実習が行われる。
【0105】
<歯科実習の態様について>
本実施形態に係る医療用実習システム100は、
(1)1人の実習者が医療用実習装置10を1台のみ使って医療実習を行う、または、
(2)1人の実習者が複数台の医療用実習装置10を使って医療実習を行う、
という使用が可能である。
【0106】
(1)の場合、複数の実習者が同時に医療実習を行うことができる。このとき、複数の実習者が同一の医療用実習シナリオに基づく医療実習を行うようにしてもよいし、それぞれが異なる医療用実習シナリオに基づく医療実習を行うようにしてもよい。いずれの場合であっても、監督者は、第二撮影部102によって全体を監視できるし、各医療用実習装置10における実習状況を第一撮影部101によって個別的に監視できる。また、複数の医療用実習装置10のそれぞれで、異なる医療実習を行うようにすることで、各実習者は、他の実習者が行う実習内容とは基本的には異なる処置をすることが要求される。したがって、歯科実習を試験する際に、カンニングの防止を図ることができる。また、通常の歯科実習においても、他の実習者の実習内容を参考できないため、実習者が本来の能力を試すことができる。
【0107】
また、(2)の場合、一人の実習者が同時に内容の異なる複数の医療実習を行うことができる。例えば通常の歯科医院では、複数台の診療台に患者を着座した状態で、一人の歯科医師(または衛生士などの助手)が、処置時に生じる待機時間(例えば、印象採取時、麻酔時などの放置時間)を利用して、別の患者を処置したり、診療台の準備または片付けなどを行ったりすることがある。医療用実習システム100においては、このような状況を再現した歯科実習を行うことが可能である。
【0108】
上記のような歯科実習が行われる際には、実習者の医療用実習装置10間の移動も重要な評価項目となり得る。医療用実習システム100においては、第二撮影部102によって、複数の医療用実習装置10が含まれるように撮影を行うことができる。したがって、このような実習者の医療用実習装置10間の移動も良好に監視することができる。
【0109】
また、一人の実習者が複数の医療用実習装置10を使って医療実習を行う場合、近接センサ310によって実習者の接近を感知した医療用実習装置10の画像を表示部92の表示領域h2,h3などに自動で表示させてもよい。このとき、実習者に追随した表示画像に自動的に切り換えることができる。したがって、実習者の移動にあわせて監督者が画面をマニュアルで切り換える必要がなくなることにより、医療用実習システム100の利便性が向上する。
【0110】
<2.変形例>
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0111】
なお、図5に示した例では、表示領域h2などに表示する画像の選択を、画像選択ボタン群B1の各ボタンを操作することによって行っている。しかしながら、その他の方法で画像選択を行うようにしてもよい。
【0112】
図7は、変形例に係る表示部92において表示される画像を示す図である。図7に示した例では、撮影画像(ここでは、口腔撮影部101aによって撮影された口腔画像)を表示する表示領域h2aの上部に、複数の医療用実習装置10のそれぞれに対応する複数のタブT1〜T3が表示されている。タブT1〜T3には、各医療用実習装置10を使用している実習者の氏名と実行されている医療用実習シナリオとが表示されている。監督者は、確認したい画像に対応するタブをタッチ操作することで、その画像を表示することができる。このようにして、複数の画像を選択的に表示できるようにしてもよい。なお、口腔画像以外の画像(上半身画像または患者アングル画像)についても同様に、タブを用いて選択できるようにしてもよい。また、表示領域h2aに表示される実習者を個人別に切り換えるタブT1〜3以外に、例えば一覧タブVAを設けて、この一覧タブVAを選択すると、監督中の全実習装置の一覧が表示されるような構成にすることもできる。このとき、一覧から詳細を観察したい特定の実習者を選択することで、特定の実習者の画像を表示させることができればよい。また、複数のタブを選択することで、選択した複数の実習者の画像を並列的に表示させ、特定の実習者同士を比較観察できる構成にしてもよい。
【0113】
また、複数の画像のそれぞれを一部ずらしながら前後に重ねて表示して、そのうちの1つの画像をタッチ操作することで前面に移動させて表示するようにしてもよい。この場合、ずらす量を調整することによって、全ての画像の一部分を見ることができるため、確認したい画像を選択することが容易となる。もちろん、各画像の一部に実習者の氏名やシナリオ名が表示されるようにしてもよい。
【0114】
また、上記実施形態に係る医療用実習システム100は、歯科実習に適した構成を備えている。しかしながら、本発明は、眼科、耳鼻咽喉科などのあらゆる医科分野や、獣医科分野の診療装置についても有効である。医療用実習システム100はその他の分野の医療実習を行うことができるように構成されていてもよい。
【0115】
また、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
【符号の説明】
【0116】
100 医療用実習システム
10 医療用実習装置
101 第一撮影部
101a 口腔撮影部
101b 上半身撮影部
102 第二撮影部
103 眼球撮影部
2 擬似患者体
2A 擬似患者体駆動部
2a 頭部模型
21a 目駆動部
21b 瞼駆動部
21c 眉毛駆動部
23a 上顎模型
23c 下顎模型
23d 歯牙
24a 皮膚部材
24b 瞼
24c 眉部
25c 口駆動部
26 擬似眼球
3 診療台
3a 座板部
3b 背板部
301 座板駆動部
302 背板駆動部
310 近接センサ
5 表示部
90 中央制御部
901 画像認識部
901a 実習者認識部
901b 患者体認識部
902 表情認識部
903 音声認識部
904 駆動制御部
905 画像選択部
92 表示部
94 記憶部
941 実習者登録データ
942 患者体登録データ
943 表情登録データ
944 シナリオデータ
945 実習履歴データ
946 評価基準データ
B1 画像選択ボタン群
B2 動作ボタン群
T1〜T3,VA タブ
h1〜h6 表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療実習が行われる複数の医療用実習装置と、
複数の前記医療用実習装置を集中的に制御する中央制御部と、
1台毎の前記医療用実習装置における実習状況を撮影する第一撮像部と、
2台以上の前記医療用実習装置を含むようにして撮影する第二撮影部と、
前記第一撮影部により撮影された第一撮影画像と、前記第二撮影部により撮影された第二撮影画像とを表示する表示部と、
を備える医療用実習システム。
【請求項2】
請求項1に記載の医療用実習システムにおいて、
表示部は、前記第一撮影画像と前記第二撮影画像とを切り換え可能に表示する医療用実習システム。
【請求項3】
請求項2に記載の医療用実習システムにおいて、
複数の前記医療用実習装置のそれぞれにおける実習状況を前記第一撮影部が撮影した複数の前記第一撮影画像のうちから、前記表示部に表示する画像を選択するための選択画面を前記表示部に表示する画像選択部、をさらに備える医療用実習システム。
【請求項4】
請求項3に記載の医療用実習システムにおいて、
前記画像選択部は、前記第一撮影画像および前記第二撮影画像のうちから、前記表示部に表示する画像を選択するための選択画面を前記表示部に表示する医療用実習システム。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の医療用実習システムにおいて、
前記第二撮影部は、2以上の前記医療用実習装置における実習状況を上方から撮影する医療用実習システム。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の医療用実習システムにおいて、
前記医療用実習装置は、診療台と、前記診療台上に載置される擬似患者体とを含む医療用実習システム。
【請求項7】
請求項6に記載の医療用実習システムにおいて、
前記医療用実習装置は、
前記擬似患者体の少なくとも目、口、瞼を駆動する駆動部、をさらに含む医療用実習システム。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の医療用実習システムにおいて、
前記診療台および前記擬似患者体が、電気または流体による駆動媒体流路を形成する接続部を介して着脱自在に接続される医療用実習システム。
【請求項9】
請求項6から8までのいずれか1項に記載の医療用実習システムにおいて、
前記第一撮影部は、
前記擬似患者体の口腔近傍を撮影する口腔撮影部と、
前記擬似患者体の上半身および該擬似患者体を用いた医療実習を行う実習者の上半身を撮影する上半身撮影部と、
を含む医療用実習システム。
【請求項10】
請求項9に記載の医療用実習システムにおいて、
前記表示部は、前記口腔撮影部によって撮影された撮影画像と、前記上半身撮影部によって撮影された撮影画像とを切り換えて表示する医療用実習システム。
【請求項11】
請求項9または10に記載の医療用実習システムにおいて、
前記表示部は、前記口腔撮影部によって撮影された撮影画像と、前記上半身撮影部によって撮影された撮影画像と、前記第二撮影部によって撮影された画像とを同時に表示する医療用実習システム。
【請求項12】
請求項11に記載の医療用実習システムにおいて、
前記表示部は、入力に基づいて、前記口腔撮影部によって撮影された撮影画像と、前記上半身撮影部によって撮影された撮影画像のうちいずれか一方を、入力に基づいて拡大表示する医療用実習システム。
【請求項13】
請求項6から12までのいずれか1項に記載の医療用実習システムにおいて、
前記第一撮影部により撮影された前記擬似患者体の顔画像と、予め登録された複数の前記擬似患者体の顔画像とを照合することによって、前記擬似患者体を認識する擬似患者体認識部、をさらに備える医療用実習システム。
【請求項14】
請求項6から13までのいずれか1項に記載の医療用実習システムにおいて、
前記擬似患者体の眼球内に設けられ、前記擬似患者体から見た画像を撮影する眼球内撮影部、をさらに備え、
前記表示部は、前記眼球内撮影部によって撮影された撮影画像を表示する医療用実習システム。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか1項に記載の医療用実習システムにおいて、
前記第一撮影部により撮影された前記実習者の顔画像と、予め登録された複数の前記実習者の顔画像とを照合することによって、前記実習者を認識する実習者認識部、をさらに備える医療用実習システム。
【請求項16】
請求項1から15までのいずれか1項に記載の医療用実習システムにおいて、
前記医療用実習装置は、
前記第一撮影部によって撮影された患者または擬似患者体の表情の撮影画像と、予め登録された複数の表情に関する画像とを照合することによって、前記患者または前記擬似患者体の表情を認識する表情認識部、をさらに備える医療用実習システム。
【請求項17】
請求項1から16までのいずれか1項に記載の医療用実習システムにおいて、
前記医療用実習装置に、前記実習者が接近したことを検出する近接センサ、をさらに備えており、
前記表示部は、前記近接センサによって前記実習者が検出された前記医療用実習装置における実習状況を撮影した撮影画像を表示する医療用実習システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−20201(P2013−20201A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155504(P2011−155504)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度、独立行政法人科学技術振興機構、「歯科臨床実習用ヒト型患者ロボットシミュレータ」に関する委託開発事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(502397369)学校法人 日本歯科大学 (20)
【出願人】(000138185)株式会社モリタ製作所 (173)
【Fターム(参考)】