説明

医療用拭き取り用具

【課題】使用済みの拭き取り材を、容易に密閉して廃棄できる医療用拭き取り用具を提供する。
【解決手段】ビニールやポリエチレンなどの樹脂製の収納袋12と、収納袋12の表面に接合した不織布,織布,紙などからなる拭き取り材13と、収納袋12の開口部12bに備えられ、収納袋12を裏返した状態で開口部12aを封止する、糊面14aと剥離紙14bとからなる封止部材14と、を備え、拭き取り材13の使用後に収納袋12を裏返して、収納袋12内に使用済みの拭き取り材13を収納した後、封止部材14で収納袋12の開口部12aを封止するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用拭き取り用具に関し、例えば薬液の拭き取りに好適な医療用拭き取り用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、病院等で発生する医療汚物の廃棄方法として、特許文献1に開示されるように、廃棄箱に医療汚物を収納して焼却処理する方法があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−58801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、廃棄箱を用いて医療汚物を廃棄する場合、廃棄箱に汚物を投入する作業毎に、廃棄箱の蓋を開閉することになるが、揮発性の薬液を拭った不織布などの拭き取り材を廃棄する場合、廃棄箱の蓋の開閉によって、拭き取り材から揮発した薬液が外部に漏れ出てしまうという問題がある。例えば、薬液が揮発性の抗がん剤である場合、薬液が廃棄箱から漏れ出ると、医療従事者が抗がん剤に被曝するという問題が生じる。
【0005】
従って、揮発性の薬液を拭った使用済みの拭き取り材を廃棄する場合、使用後直ちに、ビニール袋などに密閉して廃棄することが望まれるが、拭き取り材をビニール袋に入れるときに、薬液がビニール袋の表面に付着し、そこから薬液が揮発して周囲に拡散する可能性があり、また、使用済みの拭き取り材を保持したままで、ビニール袋を用意して、拭き取り材をビニール袋に入れるのは、作業性が悪いという問題があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、使用済みの拭き取り材を、容易に密閉して廃棄できる医療用拭き取り用具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのため、本発明に係る医療用拭き取り用具は、樹脂製の収納袋と、前記収納袋の表面に少なくとも一部を接合した拭き取り材と、前記収納袋の開口部に備えられ、前記収納袋を裏返した状態で前記開口部を封止する封止部材と、を備え、前記拭き取り材の使用後に前記収納袋を裏返して、前記収納袋内に使用済みの拭き取り材を収納した後、前記封止部材で前記収納袋の開口部を封止するようにした。
【0008】
ここで、前記封止部材として、収納袋の開口縁に沿って設けた糊面と、前記糊面を保護する剥離紙とを備えるようにできる。また、前記封止部材を、レールファスナーとすることができる。更に、前記拭き取り材が、不織布,織布,紙のいずれかを含む構成とすることができる。また、前記拭き取り材を、前記収納袋の表面に両面粘着テープで接合することができる。また、前記収納袋を、片手の複数指が挿入可能な大きさにするとよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る医療用拭き取り用具は、拭き取り材と収納袋とを予め一体的に備えており、収納袋を裏返すことで使用済みの拭き取り材を収納袋内に収納できるので、収納袋への拭き取り材の収納作業を容易に行え、また、拭き取り時に外側となる収納袋の表面が、拭き取り材の収納時には内側となるので、拭き取り時などに収納袋の表面に付着した薬液などを収納袋内に閉じ込めることができる。
【0010】
また、収納袋を裏返して拭き取り材を収納した状態で、収納袋の開口部を封止部材で封止することで密閉を容易に行え、拭き取り材で拭き取った薬液の漏れ出しを防止することができる。ここで、封止部材として、剥離紙で覆われた糊面やレールファスナーを用いることで、簡便に収納袋の開口部を封止して、拭き取り材を密閉することができる。
【0011】
また、拭き取り材として、不織布,織布,紙などの種々の材料を適宜選択することができ、これによって、種々の汚物の拭き取りを良好に行える。また、収納袋を、片手の複数指が挿入可能な大きさにすれば、収納袋に手を差し入れた状態での拭き取り作業が可能となり、これによって、拭き取り作業を行う手元を収納袋で覆って、手(又は手袋)に薬液等が直接付着することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態を示す図であり、(A)は医療用拭き取り用具の上面図、(B)は医療用拭き取り用具の側面図である。
【図2】本発明の第2実施形態を示す図であり、(A)は医療用拭き取り用具の上面図、(B)は医療用拭き取り用具の側面図である。
【図3】本発明の第3実施形態を示す図であり、(A)は医療用拭き取り用具の上面図、(B)は医療用拭き取り用具の側面図である。
【図4】本発明の第4実施形態を示す図であり、(A)は医療用拭き取り用具の上面図、(B)は医療用拭き取り用具の側面図である。
【図5】第2実施形態の医療用拭き取り用具の使用状態を示す図であり、(A)は使用状態の上面図、(B)は使用状態の側面図である。
【図6】第2実施形態の医療用拭き取り用具を構成する収納袋を裏返す動作を示す状態図である。
【図7】第2実施形態の医療用拭き取り用具を構成する収納袋を裏返し、かつ、収納袋の開口部を封止した状態での断面図であり、(A)は開口部を糊付けした場合を示す図、(B)は開口部に設けたレールファスナーを噛み合わせた場合を示す図である。
【図8】本発明の第5実施形態を示す図であり、(A)は医療用拭き取り用具の上面図、(B)は医療用拭き取り用具の側面図である。
【図9】本発明の第6実施形態を示す図であり、(A)は医療用拭き取り用具の上面図、(B),(C)は医療用拭き取り用具の側面図である。
【図10】第6実施形態の医療用拭き取り用具の使用状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る医療用拭き取り用具の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は、医療用拭き取り用具の第1実施形態を示す。図1に示す医療用拭き取り用具11は、樹脂製の収納袋12と、該収納袋12の表面に一部を接合した拭き取り材13と、前記収納袋12の表面の開口縁近傍に設けた糊面14a及び糊面14aを保護する剥離紙14bとからなる封止部材14とを備える。
【0014】
収納袋12は、ビニールやポリエチレンなどの樹脂製であり、片手の複数指を挿入可能で、かつ、裏返しが容易に行える幅・高さ(例えば、親指を除く3指を第2関節程度まで挿入できる幅・高さ)に形成した四角形の袋である。尚、収納袋12の外形を、四角形に限定するものではなく、例えば底部が円弧状に尖ったものや、底部12bが開口部12aに比べて狭い台形などであってもよい。また、両サイド又は底がV字型に畳まれる袋であっても良い。
【0015】
拭き取り材13は、ガーゼなどの織布、不織布、吸水性を有する紙などで形成され、更には、脱脂綿をガーゼで包んだ材料などで形成してもよく、また、例えばアルコールに浸した不織布などであってもよい。また、拭き取り材13は、幅W1が収納袋12の幅W2よりも狭く、かつ、高さH1が、収納袋12を裏返したときに収納袋12の開口から飛び出ることがなく、収納袋12内に収納される大きさの長方形に形成してあり、厚さD1は、薬液などの拭き取りに必要充分な吸水性を確保しつつ、収納袋12内に収納できる厚さに形成してある。
【0016】
そして、拭き取り材13の長辺側の端部13aを、収納袋12の底縁に沿って両面粘着テープ15(又は接着剤)で接合し、拭き取り材13が、収納袋12の幅方向の中央に、収納袋12の底縁よりも外方に向けて延設されるようにしてある。即ち、医療用拭き取り用具は、拭き取り材13と収納袋12とを一体化した状態で提供され、拭き取り作業は、収納袋12を一体的に備えた拭き取り材13を用いて行う。
【0017】
封止部材14は、収納袋12を裏がして、収納袋12内に拭き取り材13を収納したときに、収納袋12の開口部12aを封止し、拭き取り材13を収納した内部空間を密閉するものである。糊面14a及び糊面14aを保護する剥離紙14bからなる封止部材14は、拭き取り作業状態では、収納袋12の外側に位置することになるが、収納袋12を裏返すと、収納袋12の内側に位置するようになり、剥離紙14bを剥がして糊面14aを露出させ、収納袋12の開口部12aを密着させるようにすると、糊面14aによる接着によって収納袋12の開口部12aを封止する。従って、糊面14aを形成する接着剤としては、収納袋12の材質同士を接着できる、乾きの早い軟質のものを用いる。
【0018】
剥離紙14bの一端には、剥離紙14bの剥がし作業を容易とするために、把持部14cを一体的に設けてある。前記把持部14cは、糊面14aの端部から収納袋12の開口部12aに向けて延設され、収納袋12の開口部12aより飛び出るように形成してあり、把持部14cの先端部分は掴み易く、把持部14cの先端部分を持って剥離紙14bの剥がし作業を行うことで、剥がし作業が容易に行える。
【0019】
図1に示した第1実施形態では、拭き取り材13の長辺側の端部13aを、収納袋12の底縁に接合させたが、図2に示す第2実施形態のように、拭き取り材13の裏面全体が、収納袋12の表面に密着するように、両面粘着テープ15(又は接着剤)で接合することができる。図2に示す第2実施形態では、収納袋12の片面の底側寄りに、拭き取り材13を一対の両面粘着テープ15で貼り付けてある。また、図2に示した第2実施形態では、収納袋12の片面側にのみ拭き取り材13を接合させたが、収納袋12の表裏それぞれに個別に拭き取り材13を接合することができる。
【0020】
更に、図3に示す第3実施形態のように、1枚の拭き取り材13を、収納袋12の底縁を回り込むようにして収納袋12の表裏に接合させることができる。図3に示す第3実施形態では、収納袋12の片面に両面粘着テープ15で貼り付けた拭き取り材13の先端を、収納袋12の底縁の部分で折って反対面側に回り込ませ、反対面にも両面粘着テープ15で貼り付けてある。
【0021】
また、上記第1〜第3実施形態では、封止部材14を、糊面14a及び糊面14aを保護する剥離紙14bで構成したが、樹脂製のレールファスナー16を封止部材として用いることができる。図4は、図1に示した第1実施形態の拭き取り材13の接合構造において、封止部材として、収納袋12の材質と同じもので一体的に形成したレールファスナー16を用いる第4実施形態、換言すれば、ファスナー袋(チャック付ビニール袋)を用いる実施形態を示す。
【0022】
図4に示す第4実施形態では、収納袋12を裏返したときに、収納袋12の開口部12aの内周面に対向するように設けた凸側の第1開閉部16aと凹側の第2開閉部16bとからなるレールファスナー16を設けてあり、収納袋12を裏返したときに、収納袋12の開口部12aを密着させ、第1開閉部16aと第2開閉部16bとを噛み合わせることで、収納袋12の開口部12aを封止し、収納袋12内を密閉する。尚、図2に示した第2実施形態、及び、図3に示した第3実施形態において、糊面14a及び糊面14aを保護する剥離紙14bからなる封止部材14に代えて、前記レールファスナー16を用いることができる。
【0023】
上記構成のように、収納袋12と拭き取り材13とを一体化させた医療用拭き取り用具11は、例えば、薬剤の調製時に飛散した薬液(例えば、抗がん剤)の拭き取りや、輸液バックの注入口の拭き取りなどに用いることができる。前記医療用拭き取り用具11は、拭き取り材13が収納袋12の表面側に配置される状態で医療従事者に提供される。そして、医療従事者は、例えば、手袋を嵌めた手で拭き取り材13を直接持って拭き取り作業を行うか、又は、収納袋12に片手の複数指を差し入れることで収納袋12を保持し、収納袋12を操作することで、一体化した拭き取り材13を操作して拭き取り作業を行う。
【0024】
図5は、第2実施形態の医療用拭き取り用具11を用いて、薬液21の拭き取り作業を行う場合の状態を示す。図5に示した例では、医療従事者は、収納袋12の拭き取り材13を設けた面が、掌側に向くように、片手の親指を除く4指を収納袋12の開口部12aから差し入れて保持し、外側の親指と収納袋12に差し入れた人差し指との間に収納袋12を挟み込むようにして、収納袋12を把持する。そして、薬液21の拭き取る場合には、収納袋12に差し入れた複数指で、拭き取り材13を薬液21側に押し付けるようにして、拭き取りを行う。
【0025】
ここで、医療従事者は、収納袋12を介して拭き取り材13を把持することになり、また、収納袋12に差し入れた複数指は収納袋12で囲まれるため、薬液が手(又は手に嵌めた手袋)に付着することを抑制できる。尚、収納袋12に指を差し入れての把持は、作業者が把持し易いやり方を適宜選択でき、例えば、親指及び小指を除く3指を収納袋12の開口部12aに差し入れ、親指及び小指で両側から挟み込むようにして収納袋12を把持することもできる。
【0026】
上記のようにして、薬液などの拭き取り作業を終えると、図6に示すように、収納袋12の外側に接合されている拭き取り材13を収納袋12内に収納するように、収納袋12を裏返す。上記裏返しを行う場合に、収納袋12の底部を内側から把持して、開口部12aから引き出すようにし、また、同時に、開口部12aを把持して底側に向けて引き下げるようにすれば、収納袋12を容易に裏返すことができる。
【0027】
収納袋12を裏返すと、拭き取り作業に用い薬液が浸み込んだ使用済みの拭き取り材13は、図7の断面図に示すように、収納袋12内に位置するようになり、ここで、前記封止部材14によって、収納袋12の開口部12aを封止すれば、使用済みの拭き取り材13は、収納袋12内に密閉される。図7(A)は、糊面14a及び糊面14aを保護する剥離紙14bで構成される封止部材14を用いて、裏返し後の収納袋12の開口部12aを接着させた場合を示し、図7(B)は、封止部材としてレールファスナー16を備えた場合に、裏返し後の収納袋12の開口部12aをレールファスナー16の噛み合わせで閉じた場合を示す。収納袋12の開口部12aを封止し、内部を密閉した後は、廃棄箱などに入れてまとめて廃棄する。
【0028】
ここで、拭き取り材13に一体的に収納袋12を設けてあるから、拭き取り作業後に直ちに拭き取り材13を密閉して廃棄できる。また、収納袋12を裏返すことで、拭き取り材13を収納袋12内に収容できるので、収納袋12に拭き取り材13を入れる作業を、拭き取り作業から連続して容易に行え、更に、廃棄時に外側となる収納袋12の面に、拭き取り材13が拭き取った薬液が付着することを抑制できる。
【0029】
そして、収納袋12を裏返した後で、収納袋12の開口部12aを封止して、収納袋12内に拭き取り材13を密閉すれば、拭き取り材13が拭き取った薬液が、周囲に飛散・拡散することを防止できる。従って、感染性を有する薬液、毒性を有する薬液、揮発性を有する抗がん剤など、直接手に触れることが危険であって速やかな処理が要求される薬液の拭き取りに、前記医療用拭き取り用具11を用いれば、薬液による汚染・被曝を抑制できる。
【0030】
上記各実施形態では、作業台上などに零れたり飛散したりした薬液の拭き取りに好適な医療用拭き取り用具を示したが、医療用コネクタの接続口などの拭き取り作業においては、拭き取り対象の器具を挟んで拭き取り作業を行うことで、高い作業性が得られる場合がある。
そこで、図8に示す第5実施形態及び図9に示す第6実施形態は、拭き取り対象器具を拭き取り材13で挟みながら拭き取り動作を行うことが容易である医療用拭き取り用具を示す。
【0031】
図8に示す第5実施形態では、収納袋12の底部がV字状に内部に折り込まれ、このV字状に折り込まれて対向する表面12c,12d及び両端面12e,12fに亘り、M状に折り畳むようにして1枚の拭き取り材13を両面粘着テープ15(又は接着剤)で接合させてある。
【0032】
また、図9に示した第6実施形態は、収納袋12の底部が、第5実施形態と同様に、V字状に内部に折り込まれるが、拭き取り材13を、V字状に折り込まれて対向する表面12c,12dにのみ接合させた例を示し、図9(B)は、1枚の拭き取り材13を中央付近で折ってV字状として表面12c,12dに連続して接合させた例を示し、図9(C)は、表面12c,12dそれぞれに1枚の平板な拭き取り材13を分離して接合させた例を示す。
【0033】
図10は、図9(B)に示した医療用拭き取り用具11を用いた拭き取り作業の様子を示す断面図であり、収納袋12の開口部12aから差し入れた、例えば親指31aと人差し指31bとを、収納袋12の底部がV字状に内部に折り込まれることで2つに分離する底部側の内部空間12g,12hにそれぞれ入れることで、収納袋12及び拭き取り材13を介して、親指31aと人差し指31bとが対向するようにする。
そして、医療用コネクタの接続口などの器具25を、収納袋12に差し入れた親指31aと人差し指31bとで挟むようにすると、器具25を拭き取り材13で両側から挟むことになり、この状態で収納袋12に差し入れた手を捻るようにすれば、器具25の円筒状先端の周囲を拭き取ることができる。更に、V状の谷間の奥まで器具25を差し入れるようにすれば、器具25の先端面を拭き取りことも可能である。
【0034】
図10に示す例では、親指31aと人差し指31bとで器具25で挟むようにしたが、収納袋12及び拭き取り材13は柔軟性を有するので、例えば、内部空間12gに差し入れた親指と内部空間12hに差し入れた人差し指及び中指との3指で、器具25の周囲を囲むようにして拭き取りを行うことも可能であり、拭き取りを行う器具25の大きさなどに応じて、器具25を医療用拭き取り用具11で拭き取るのに用いる指や器具25の挟み方を適宜選択できる。
【0035】
尚、拭き取り材13を袋状に形成して、収納袋12の底側に重ねるようにして装着することができ、また、1つの収納袋12に対して複数種の拭き取り材13を備えることができる。また、例えば、収納袋12の溶着によって拭き取り材13の係止部分を形成して、拭き取り材13を収納袋12に対して接合することができ、また、面ファスナーなどを用いて拭き取り材13を収納袋12に対して接合させることもできる。
【0036】
また、上記実施形態では、医療用拭き取り用具11として比較的小型のものを示したが、例えば、手首まで挿入可能な大きさの収納袋12を備えた医療用拭き取り用具11とすることができる。更に、拭き取り材13の表面を凹凸に形成してもよいし、拭き取り材13が、高吸水性高分子を内部に含む構成であっても良い。また、収納袋12の裏返し作業を容易にするために、例えば、収納袋12の底側に、収納袋12内に挿入した指で掴める部材や、指を引っ掛けることができる部材を一体的に備えるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0037】
11…医療用拭き取り用具、12…収納袋、13…拭き取り材、14…封止部材、14a…糊面、14b…剥離紙、15…両面粘着テープ、16…レールファスナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製の収納袋と、
前記収納袋の表面に少なくとも一部を接合した拭き取り材と、
前記収納袋の開口部に備えられ、前記収納袋を裏返した状態で前記開口部を封止する封止部材と、
を備え、
前記拭き取り材の使用後に前記収納袋を裏返して、前記収納袋内に使用済みの拭き取り材を収納した後、前記封止部材で前記収納袋の開口部を封止する医療用拭き取り用具。
【請求項2】
前記拭き取り材の端縁を、前記収納袋の底縁に接合した請求項1記載の医療用拭き取り用具。
【請求項3】
前記拭き取り材の裏面全体を、前記収納袋の表面に接合した請求項1記載の医療用拭き取り用具。
【請求項4】
前記拭き取り材を、前記収納袋の底縁を回り込ませて両側の面に接合した請求項1記載の医療用拭き取り用具。
【請求項5】
前記収納袋の底部がV字状に内部に折り込まれ、少なくとも前記V字状に折り込まれて対向する表面それぞれに前記拭き取り材を接合した請求項1記載の医療用拭き取り用具。
【請求項6】
前記封止部材が、前記収納袋の開口縁に沿って設けた糊面と、前記糊面を保護する剥離紙とからなる請求項1〜5のいずれか1つに記載の医療用拭き取り用具。
【請求項7】
前記封止部材が、レールファスナーである請求項1〜5のいずれか1つに記載の医療用拭き取り用具。
【請求項8】
前記拭き取り材が、不織布,織布,紙のいずれかを含んでなる請求項1〜7のいずれか1つに記載の医療用拭き取り用具。
【請求項9】
前記拭き取り材を、前記収納袋の表面に両面粘着テープで接合した請求項1〜8のいずれか1つに記載の医療用拭き取り用具。
【請求項10】
前記収納袋を、片手の複数指が挿入可能な大きさに形成した請求項1〜9のいずれか1つに記載の医療用拭き取り用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−147510(P2011−147510A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−9387(P2010−9387)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【出願人】(392035721)株式会社パルメディカル (6)
【Fターム(参考)】