説明

医療用機器

【課題】本発明の課題は、肌表面での伸び及び肌へのなじみが改善され、しかもべたつきが無く及びよれの少ないという使用感が改善された化粧料又は皮膚外用薬、並びに医療用機器を提供することである。
【解決手段】
式(1)
【化1】


(式(1)中、R1乃至R3は有機基を表す。)で表される低分子脂質ペプチド又はその薬学的に使用可能な塩からなる少なくとも1種の脂質ペプチド型ゲル化剤を含有することを特徴とする化粧料又は皮膚外用剤、並びに医療用機器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は少なくとも1種の脂質ペプチド型ゲル化剤を含有する医療用機器、並びに化粧料及び皮膚外用剤に関する。より詳細には、分子量1000以下の脂質ペプチド又はその薬学的に使用可能な塩からなる脂質ペプチド型ゲル化剤を含有する医療用機器、並びに化粧料及び皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、肌にハリや弾力を与える化粧料が研究されている。肌にハリや弾力を与える化粧料として、優れた保水性・吸水性を有する種々の水溶性多価アルコール、ムコ多糖及び高分子等の保湿成分を配合した商品、あるいは肌にハリや弾力を与える植物抽出物等の有効成分を配合した商品が市販されている。しかしながら、これらの成分を配合した化粧品は、肌にハリや弾力を与える効果の面で改良するが、肌なじみが悪い又はべたつきが残るといった使用感において好ましくないという問題があった。例えば、多価アルコールのグリセリンなどを配合した化粧料の場合には肌へのべたつきが残りやすいという問題が知られている(特許文献1)。
【0003】
この従来の問題を解消するために、塩基性アミノ酸残基を構造中に有するポリマーと高分子(キサンタンガム)とを組合せて配合する方法(特許文献2)、ラフィノースと寒天を組合せて配合する方法(特許文献3)、及びグリコールとジグリセリンのプロピレンオキサイド付加物を組合せて配合する方法(特許文献4)等、配合する保湿成分の種類及び配合量を検討した各種の化粧料が提案されている。他にも、肌のハリや弾力を低下させる原因の一つであるコラゲナーゼに対して活性阻害効果のある成分を配合する方法(特許文献5)及びダイマージリノール酸ダイマー酸リノレイルビス(フィトステリル/ベヘニル/イソステアリル)とジェランガムとを組合せて一定量配合する方法が提案されている(特許文献6)。しかし、これら方法に従っても、化粧料のよれ、きしみ感等のない使用感触に優れた化粧料又は皮膚外用剤を得るに至っていない。
【0004】
さらに、最近になって、ポリオール化合物と、イソシアネート化合物とを反応させて合成したウレタン樹脂水分散液から作成した皮膚化粧料(アイクリーム)が報告されている。その使用によって、皮膚のしわに対する改善効果感、たるみに対する改善効果感(皮膚の張り感)を与え、さらに、べたつき、皮膚上での化粧料のよれ、及びきしみ感等使用感も改善されるとの報告がなされている(特許文献7)。しかしながら、アイクリーム以外の化粧料について、よれ及びきしみ等の使用感についての検討は、ほとんどなされていない。現在、肌へのなじみや肌での伸びに優れ、かつ、べたつき、皮膚上でのよれ、きしみ感等の不快な使用感のない化粧料又は皮膚外用剤の開発が熱望されている。
【0005】
また、共有結合、イオン結合、又は水素結合などにより高分子化合物間の架橋を行なうことで得られる高分子ゲル(化学ゲル、物理ゲル)が知られており、このゲルは、その含有量が多いほど粘稠となって液だれしにくくなり、手指へのすり込み操作が容易となると共にすり込み時の飛散が防止されることが知られている。しかし、その高分子ゲルについては、その含有量が多いと、べたつき感が生じるという課題点(特許文献8、特許文献9)、及び乾く際によれが生じるという課題点(特許文献10)が指摘されている。ここで、高分子ゲルの含有量を少なくすると、化粧料は、べたつきやよれが生じにくくなる反面、液だれしやすくなり、手指へのすり込みをうまくなしにくい物となる。これまで、皮膚でのべたつき及びよれ等の使用感の検討は十分にはなされておらず、従って液だれ、べたつき、よれを総てうまく解決できる方法が望まれている。
【0006】
一方、アンチエージング、再生医療に対する関心が急速に高まり、生体適合性及び安全性の高い化粧料の開発も望まれている。近年、水を媒質とする生体適合性の高い素材として、幅広い分野でヒドロゲルが使用されており、該ヒドロゲルの多くは高分子化合物からなるヒドロゲルか、疎水化処理粉体となる無機材料の添加によって形成されるヒドロゲルである。しかし、この種のヒドロゲルには、高分子化合物を合成する際の未反応物質、及び無機材料そのもの安全性の点で、化粧料又は皮膚外用剤に用いるには問題があった。
【0007】
そこで、近年、低分子化合物からなる低分子ヒドロゲル化剤の研究が、水中での低分子化合物の自己組織化する機構解明と分子設計の難しさはあるものの、その機能性に大きな興味が持たれ、盛んに行われている。その結果、いくつかの低分子ヒドロゲル化剤が見出されてきた(非特許文献1、2)。その多くは、疎水部である長鎖アルキル基と親水性部を組合せた両親媒性化合物であり、例えば、親水性部がアミノ酸のもの(非特許文献3)、ペプチドのもの(特許文献11、12)、単多糖類(非特許文献4、5、6)又はポリオール(非特許文献7)であるものが挙げられる。また、バリンにより構成されたペプチドがβ−シート構造を容易に取ることを利用した低分子ゲル化剤(非特許文献8)も提案されている。
【0008】
また、他にも、低分子ヒドロゲル化剤を使用することで、水単体、有機溶媒単体でのゲル化はできないが、アルコール水溶液や有機溶媒水溶液をゲル化するものが報告されている。これら低分子ゲルの共通した特徴としては、外部からの応力にすばやく反応してゲルからゾルへの変換をすることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−292750号公報
【特許文献2】特開2005−35947号公報
【特許文献3】特開2007−269747号公報
【特許文献4】特開平9−255524号公報
【特許文献5】特開2000−226311号公報
【特許文献6】特開2007−269746号公報
【特許文献7】特開2009−120510号公報
【特許文献8】特開2008−143878号公報
【特許文献9】特開2009−40716号公報
【特許文献10】特開2004−203825号公報
【特許文献11】国際公開第2009/005151号パンフレット
【特許文献12】国際公開第2009/005152号パンフレット
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】松本真治,濱地格,ドージンニュース No.118,1−16(2006)
【非特許文献2】ララ A.エストロッフ、アンドレ D.ハミルトン、ケミカルレビュー、2004、104、1201−1217.(Lara A.Estroff and Andrew D. Hamilton Chemical Review.2004,104, 1201−1217.)
【非特許文献3】スズキマサヒロ、ユモトマリコ、キムラムツミ、シライヒロフサ、ハナブサケンジ、ケミストリー レターズ、2004、33(11)、1496−1497(Suzuki, Masahiro. Yumoto, Mariko. Kimura,Mutsumi.Shirai, Hirofusa.Hanabusa, Kenji. Chemistry Letters,2004,33(11), 1496−1497.)
【非特許文献4】ヨンファ ユング、ジョージ ジョン、ミツトシ マスダ、カナメ ヨシダ、セイジ シンカイ、トシミ シミズ、ラングミュア、2001、17、7229−7232.(Jong Hwa Jung, Geoerg John, Mitsutoshi Masuda, Kaname Yoshida, Seiji Shinkai, and Toshimi Shimizu Langmuir 2001, 17, 7229−7232)
【非特許文献5】I.ハマチ、S.キヨナカ、S.シンカイ、テトラへドロン レターズ、2001、42、6141.(I. Hamachi, S. Kiyonaka, S. Shinkai, Tetrahedron Lett., 2001, 42, 6141.)
【非特許文献6】I.ハマチ、S.キヨナカ、S.シンカイ、ケミカル コミュニケーションズ、2000、1281( I. Hamachi, S. Kiyonaka, S. Shinaki, Chem. Commun., 2000, 1281.)
【非特許文献7】マサヒロ スズキ、サナエ オワ、ヒロフサ シライ、ケンジ ハナブサ、テトラへドロン、2007、63、7302(Masahiro Suzuki, Sanae Owa, Hirofusa Shirai and Kenji Hanabusa, Tetrahedron 2007 63 7302−7308.)
【非特許文献8】ヨウコ マツザワ、カツユキ ウエキ、マサル ヨシダ、ノフユキ タマオキ、トオル ナカムラ、ヒデキ サカイ、マサヒコ アベ、アドヴァンスド ファンクショナル マテリアルズ、2007、17、1507−1514(Yoko Matsuzawa、Katsuyuki Ueki, Masaru Yoshida, Nobuyuki Tamaoki, Tohru Nakamura, Hideki Sakai, and Masahiko Abe,Adv. Funct. Mater.2007,17, 1507−1514)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述のように、化粧料又は皮膚外用剤は、生体適合性及び安全性の高い素材からなることが要求されている。さらにその上、クリーム状又はゲル等の剤型の化粧料又は皮膚外用剤においては、肌及び髪への塗布の際、化粧料(又は皮膚外用剤)が肌や髪の表面上に滑らかに、ざらつきなく伸びる性質(即ち、肌表面、髪表面での伸び)に優れ、かつ、化粧料(又は皮膚外用剤)が肌内側や髪内部に速やかに浸透し、潤い馴染む性質(即ち、肌、髪へのなじみ)にも優れることが求められる。さらに塗布後、肌や髪の表面にべたつきが無く、しかも特に関節部等の動きの激しい部分において化粧料又は皮膚外用剤が縒れて縞状の模様を生じる現象(即ち、よれ)が生じない等、使用感に優れるものであることも要求される。また、液状又はゾル等の剤型の化粧料又は皮膚外用剤においては、上述した肌、髪の表面での伸び、肌、髪へのなじみに優れ、べたつき、よれが生じないことの他に、手に注いだとき又はスプレー噴霧したとき、肌よりたれ落ちる現象、即ち液だれのないことも求められる。従来の化粧料又は皮膚外用剤は、これら要求全ての点で満足のいくものではなかった。
近年、生体適合性及び安全性の高い素材として低分子化合物からなるゲル化剤によるヒドロゲルが開発されているが、そのゲル化剤を用いた医療用機器、並びに化粧料及び皮膚外用剤への提案はなされていない。
【0012】
本発明は、上記の事情に基づいてなされたものであり、その解決しようとする課題は、生体適合性及び安全性が高い創傷被覆基材又は止血用基材などのような医療用機器を提供することを目的とする。また、生体適合性及び安全性が高く、塗布の際に肌、髪の表面での伸び、及び肌、髪へのなじみ、並びに塗布後にべたつきが無く及びよれが生じない等の使用感が改善され、さらに液状又はゾル等の剤型の場合には、塗布時に液だれのない化粧
料又は皮膚外用剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、本発明を見出すに至った。
すなわち、第1観点として、低分子脂質ペプチド又はその薬学的に使用可能な塩からなる少なくとも1種の脂質ペプチド型ゲル化剤と、少なくとも1種の高分子化合物を含有することを特徴とする、医療用機器に関する。
第2観点として、前記医療用機器が、創傷被覆基材又は止血用基材である、第1観点に記載の医療用機器に関する。
第3観点として、前記低分子脂質ペプチドが式(1)で表される、第1観点に記載の医療用機器に関する。
【化1】

(式中、R1は炭素原子数9乃至23の脂肪族基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立して
水素原子、メチル基、エチル基、又は炭素原子数1乃至3の分枝鎖を有し得る炭素原子数3乃至7のアルキル基、フェニルメチル基、フェニルエチル基、又は−(CH2)n−X
基を表し、且つ、R2又はR3のうち少なくとも1つが−(CH2)n−X基を表し、nは
1乃至4の数であり、Xはアミノ基、グアニジノ基、カルバモイル基、又は窒素原子を1乃至3個有し得る5員環基若しくは6員環基又は5員環と6員環からなる縮合環基を表し、mは1乃至3である。)
第4観点として、前記高分子化合物が、血液凝固作用を有する高分子化合物である、第1観点に記載の医療用機器に関する。
第5観点として、前記血液凝固作用を有する高分子化合物が、セルロース及びその誘導体、アルギン酸及びその塩、又はアラビアゴムである、第1観点に記載の医療用機器に関する。
第6観点として、前記血液凝固作用を有する高分子化合物が、アルギン酸ナトリウム又はアラビアゴムである、第5観点に記載の医療用機器に関する。
また、本発明は化粧料又は皮膚外用剤を提供することを目的とする、すなわち、第1’観点として、低分子脂質ペプチド又はその薬学的に使用可能な塩からなる少なくとも1種の脂質ペプチド型ゲル化剤を含有することを特徴とする、化粧料又は皮膚外用剤に関する。
第2’観点として、前記低分子脂質ペプチドの分子量が1,000以下である、第1’観点に記載の化粧料又は皮膚外用剤に関する。
第3’観点として、前記低分子脂質ペプチドが式(1)
【0014】
【化2】

【0015】
(式中、R1は炭素原子数9乃至23の脂肪族基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立して
水素原子、メチル基、エチル基、又は炭素原子数1乃至3の分枝鎖を有し得る炭素原子数3乃至7のアルキル基、フェニルメチル基、フェニルエチル基、又は−(CH2)n−X
基を表し、且つ、R2又はR3のうち少なくとも1つが−(CH2)n−X基を表し、nは
1乃至4の数であり、Xはアミノ基、グアニジノ基、カルバモイル基、又は窒素原子を1乃至3個有し得る5員環基若しくは6員環基又は5員環と6員環からなる縮合環基を表し、mは1乃至3である。)で表される、第1’観点又は第2’観点に記載の化粧料又は皮膚外用剤。
第4’観点として、前記式(1)中、R2は水素原子、メチル基、i−プロピル基、i
−ブチル基、又はsec−ブチル基を表す、第3’観点に記載の化粧料又は皮膚外用剤に関する。
第5’観点として、前記式(1)中、R3は1−アミノブチル基、4−イミダゾールメ
チル基、カルバモイルメチル基、カルバモイルエチル基、又は3−メチルインドール基を表す、第3’観点に記載の化粧料又は皮膚外用剤に関する。
第6’観点として、前記式(1)中、R1は炭素原子数13乃至17の脂肪族基を表し
、R2は水素原子、メチル基、又はi−プロピル基を表し、R3は4−アミノブチル基、4−イミダゾールメチル基、又は3−メチルインドール基を表す、第3’観点に記載の化粧料又は皮膚外用剤に関する。
第7’観点として、前記式(1)中、R2は水素原子を表し、R3は4−イミダゾールメチル基を表す、第6’観点に記載の化粧料又は皮膚外用剤に関する。
第8’観点として、前記脂質ペプチド型ゲル化剤の濃度が、化粧料又は皮膚外用剤の全体積に対して0.00001%(w/v)乃至50%(w/v)である、第1’観点乃至第7’観点のいずれか1項に記載の化粧料又は皮膚外用剤に関する。
第9’観点として、水、アルコール、多価アルコール、親水性有機溶剤,疎水性有機溶剤、又はこれらの混和し得る混合溶液を含む、第1’観点乃至第8’観点のいずれか1項に記載の化粧料又は皮膚外用剤に関する。
第10’観点として、水、又は水に、さらにアルコール、多価アルコール、油脂、シリコーン油、及びエステル系溶剤からなる群から選択される1種以上を混和した混合溶液を含む、第9’観点に記載の化粧料又は皮膚外用剤。
第11’観点として、水、又は水に、さらにエタノール、2−プロパノール、オレオイルアルコール、フェノキシアルコール、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、アクアホホバオイル、ひまし油、オリーブ油、シリコーン油及びアルギン酸プロピレングリコールエステルからなる群から選択される1種以上を混和した混合溶液を含む、第10’観点に記載の化粧料又は皮膚外用剤に関する。
第12’観点として、多価アルコール、又は多価アルコールに、さらにアルコール、油脂、シリコーン油、及びエステル系溶剤からなる群から選択される1種以上を混和した混合溶液を含む、第9’観点に記載の化粧料又は皮膚外用剤に関する。
第13’観点として、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール及び1,3−ブタンジオールからなる群から選択される1種以上の多価アルコール、又は、
該多価アルコールに、さらにエタノール、2−プロパノール、オレオイルアルコール、フェノキシアルコール、アクアホホバオイル、ひまし油、オリーブ油、シリコーン油、及びアルギン酸プロピレングリコールエステルからなる群から選択される1種以上を混和した混合溶液を含む、第12’観点に記載の化粧料又は皮膚外用剤に関する。
第14’観点として、さらに、界面活性剤、消毒剤、防腐剤又は安定剤を含む、第9’観点乃至第13’観点のいずれか1項に記載の化粧料又は皮膚外用剤に関する。
第15’観点として、前記界面活性剤がベンザルコニウムである、第14’観点に記載の化粧料又は皮膚外用剤に関する。
第16’観点として、さらに、炭化水素、ロウ、粉体、色材又は紫外線防止剤を含む、第9’観点乃至第15’観点のいずれか1項に記載の化粧料又は皮膚外用剤に関する。
第17’観点として、さらに、ビタミン類、美白剤、酸化防止剤、生理活性物質又は機能性物質を含む、第9’観点乃至第16’観点のいずれか1項に記載の化粧料又は皮膚外用剤に関する。
第18’観点として、前記ビタミン類がビタミンCである、第17’観点に記載の化粧料又は皮膚外用剤に関する。
第19’観点として、前記生理活性物質がインドメタシン又はカンフルである、第17’観点又は第18’観点に記載の化粧料又は皮膚外用剤に関する。
第20’観点として、ゲル、クリーム、又はゾル(水分散体)の形態にあり、肌及び髪へのなじみ及び伸びに優れ、べたつき及びよれの少ない優れた使用感を得ることができることを特徴とする、第1’観点乃至第19’観点のいずれか1項に記載の化粧料又は皮膚外用剤に関する。
第21’観点として、さらに、少なくとも1種の高分子化合物を含む、第1’観点に記載の化粧料又は皮膚外用剤に関する。
第22’観点として、前記高分子化合物が、セルロース及びその誘導体、アルギン酸及びその塩、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸及びその塩、又はコラーゲンである、第21’観点に記載の化粧料又は皮膚外用剤に関する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の医療用機器は、低分子量の脂質ペプチド型ゲル化剤を含むことによって、生体適合性及び安全性が高い。また、例えば、医療用機器に含まれる高分子化合物として血液凝固作用を有する化合物を用いた場合は、本発明の医療用機器は止血効果に優れるため、創傷被覆基材又は止血用基材として利用することができる。
本発明の化粧料又は皮膚外用剤は、低分子量の脂質ペプチド型ゲル化剤を含むことによって、生体適合性及び安全性が高く、かつ、肌、髪の表面での伸び及び肌、髪へのなじみに優れ、べたつき、よれ及び液だれが生じないという使用感の改善効果が得られる。
また、本発明の化粧料又は皮膚外用剤は、低分子量の脂質ペプチド型ゲル化剤及び高分子化合物を含むことによって、生体適合性及び安全性が高く、かつ、肌、髪の表面での伸び及び肌、髪へのなじみに優れ、使用感の改善効果が得られる。
さらに、本発明の医療用機器、並びに化粧料及び皮膚外用剤は、低分子量の脂質ペプチド型ゲル化剤及び高分子化合物を含むことによって、該低分子量の脂質ペプチド型ゲル化剤の効果と該高分子化合物の効果との相乗効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は親水性溶液中における脂質ペプチド型ゲル化剤の自己集合化及びゲル化の概念図である。
【図2】図2は疎水性溶液中における脂質ペプチド型ゲル化剤の自己集合化及びゲル化の概念図である。
【図3】図3は参考例1及び2、実施例20乃至23及び比較例6乃至9における血液凝固状態を示す図である。
【図4】図4は参考例1及び参考例2における血液凝固状態の顕微鏡観察画像(×1000倍)を示す図である。
【図5】図5は実施例21及び比較例7における血液凝固状態の顕微鏡観察画像(×1000倍)を示す図である。
【図6】図6は実施例23及び比較例9における血液凝固状態の顕微鏡観察画像(×1000倍)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[脂質ペプチド型ゲル化剤]
本発明の化粧料又は皮膚外用剤は、脂質ペプチド又はその薬学的に使用可能な塩からなる少なくとも1種の脂質ペプチド型ゲル化剤を含有する化粧料又は皮膚外用剤であることを特徴とする。
前記脂質ペプチドは、分子量1,000以下であることが好ましい。
【0019】
上記低分子脂質ペプチドとしては、例えば下記式(1)で表される、脂質部及びペプチド部を有する脂質ペプチドを挙げることができる。
【0020】
【化3】

【0021】
上記式(1)において、R1は炭素原子数9乃至23の脂肪族基を表し、好ましくは炭
素原子数13乃至17の脂肪族基である。
1及び隣接するカルボニル基で構成される脂質部としては、例えば、デコイル基、ド
デコイル基、ウンデコイル基、ラウロイル基、ドデシルカルボニル基、ミリストイル基、テトラデシルカルボニル基、パルミトイル基、マルガロイル基、オレオイル基、エライドイル基、リノレオイル基、ステアロイル基、バクセノイル基、オクタデシルカルボニル基、アラキドノイル基、イコサノイル基、ベヘノイル基、エルコイル基、ドコシルカルボニル基、リグノセロイル基、ネルボノイル基等を挙げることができ、好ましくは、ミリストイル基、テトラデシルカルボニル基、パルミトイル基、マルガロイル基、オレオイル基、エライドイル基、リノレオイル基、ステアロイル基、及びバクセノイル基等が挙げられる。
【0022】
上記式(1)において、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、エチル基又は炭素原子数1乃至3の分枝鎖を有し得る炭素原子数3乃至7のアルキル基、フェニルメチル基、フェニルエチル基、又は−(CH2)n−X基を表し、且つ、R2又はR3のう
ち少なくとも1つが−(CH2)n−X基を表し、nは1乃至4の数であり、Xはアミノ
基、グアニジノ基、カルバモイル基、又は窒素原子を1乃至3個有し得る5員環基若しくは6員環基又は5員環と6員環からなる縮合環基を表す。
【0023】
好ましいR2としては水素原子、メチル基、エチル基、又は炭素原子数1乃至3の分枝
鎖を有し得る炭素原子数3乃至7のアルキル基を表す。したがって、R2としては、好ま
しくは水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基又はtert−ブチル基等であり、さらに好ましくは、水素原子、メチル基、i−プロピル基、i−ブチル基、又はsec−ブチル基であり、より一層好ましくは水素原子である。
【0024】
好ましいR3としては水素原子、メチル基、又は−(CH2)n−X基を表し、nは1乃至4の数を表し、Xはアミノ基、グアニジノ基、−CONH2基、又は窒素原子を1乃至
3個有し得る5員環基若しくは6員環基又は5員環と6員環からなる縮合環基を表す。
【0025】
上記R3を表す−(CH2)n−X基において、Xは好ましくはアミノ基、グアニジノ基、カルバモイル基、イミダゾール基、ピラゾール基又はインドール基である。
したがって、上記R3を表す−(CH2)n−X基としては、好ましくはアミノメチル基、2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基、4−アミノブチル基、カルバモイルメチル基、2−カルバモイルエチル基、3−カルバモイルプロピル基、2−グアニジノエチル基、3−グアニジノプロピル基、ピロールメチル基、4−イミダゾールメチル基、ピラゾールメチル基又は3−インドールメチル基であり、より好ましくは4−アミノブチル基、カルバモイルメチル基、カルバモイルエチル基、3−カルバモイルプロピル基、4−イミダゾールメチル基又は3−インドールメチル基であり、より一層好ましくは4−イミダゾールメチル基である。
前記式(1)における、ぺプチド構造の繰り返しの数mは1乃至3である。
【0026】
上記式(1)で表される化合物において、脂質ペプチド型ゲル化剤として特に好適な脂質ペプチドとしては、以下の脂質部とアミノ酸部又はペプチド部から形成される化合物である。なおアミノ酸の略称としては、アスパラギン(Asn)、アラニン(Ala)、グルタミン(Gln)、グリシン(Gly)、バリン(Val)、ヒスチジン(His)、リジン(Lys)、ロイシン(Leu)を表す。:ミリストイル−His、ミリストイル−Lys、ミリストイル−Asn、ミリストイル−Gln、ミリストイル−Gly−His、ミリストイル−Gly−Lys、ミリストイル−Gly−Asn、ミリストイル−Gly−Gln、ミリストイル−Gly−Gly−His、ミリストイル−Gly−Gly−Lys、ミリストイル−Gly−Gly−Asn、ミリストイル−Gly−Gly−Gln、ミリストイル−Gly−Gly−Gly−His、ミリストイル−Gly−Gly−Gly−Lys、ミリストイル−Gly−Gly−Gly−Asn、ミリストイル−Gly−Gly−Gly−Gln、ミリストイル−Gly−Gly−Gly−Gly−His、ミリストイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Lys、ミリストイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Asn、ミリストイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Gln、ミリストイル−His、ミリストイル−Lys、ミリストイル−Asn、ミリストイル−Gln、ミリストイル−Ala−His、ミリストイル−Ala−Lys、ミリストイル−Ala−Asn、ミリストイル−Ala−Gln、ミリストイル−Ala−Ala−His、ミリストイル−Ala−Ala−Lys、ミリストイル−Ala−Ala−Asn、ミリストイル−Ala−Ala−Gln、ミリストイル−Ala−Ala−Ala−His、ミリストイル−Ala−Ala−Ala−Lys、ミリストイル−Ala−Ala−Ala−Asn、ミリストイル−Ala−Ala−Ala−Gln、ミリストイル−Ala−Ala−Ala−Ala−His、ミリストイル−Ala−Ala−Ala−Ala−Lys、ミリストイル−Ala−Ala−Ala−Ala−Asn、ミリストイル−Ala−Ala−Ala−Ala−Gln、ミリストイル−His、ミリストイル−Lys、ミリストイル−Asn、ミリストイル−Gln、ミリストイル−Val−His、ミリストイル−Val−Lys、ミリストイル−Val−Asn、ミリストイル−Val−Gln、ミリストイル−Val−Val−His、ミリストイル−Val−Val−Lys、ミリストイル−Val−Val−Asn、ミリストイル−Val−Val−Gln、ミリストイル−Val−Val−Val−His、ミリストイル−Val−Val
−Val−Lys、ミリストイル−Val−Val−Val−Asn、ミリストイル−Val−Val−Val−Gln、ミリストイル−Val−Val−Val−Val−His、ミリストイル−Val−Val−Val−Val−Lys、ミリストイル−Val−Val−Val−Val−Asn、ミリストイル−Val−Val−Val−Val−Gln、ミリストイル−His、ミリストイル−Lys、ミリストイル−Asn、ミリストイル−Gln、ミリストイル−Leu−His、ミリストイル−Leu−Lys、ミリストイル−Leu−Asn、ミリストイル−Leu−Gln、ミリストイル−Leu−Leu−His、ミリストイル−Leu−Leu−Lys、ミリストイル−Leu−Leu−Asn、ミリストイル−Leu−Leu−Gln、ミリストイル−Leu−Leu−Leu−His、ミリストイル−Leu−Leu−Leu−Lys、ミリストイル−Leu−Leu−Leu−Asn、ミリストイル−Leu−Leu−Leu−Gln、ミリストイル−Leu−Leu−Leu−Leu−His、ミリストイル−Leu−Leu−Leu−Leu−Lys、ミリストイル−Leu−Leu−Leu−Leu−Asn、ミリストイル−Leu−Leu−Leu−Leu−Gln;パルミトイルHis、パルミトイルLys、パルミトイルAsn、パルミトイルGln、パルミトイルGly−His、パルミトイルGly−Lys、パルミトイルGly−Asn、パルミトイルGly−Gln、パルミトイルGly−Gly−His、パルミトイルGly−Gly−Lys、パルミトイルGly−Gly−Asn、パルミトイルGly−Gly−Gln、パルミトイルGly−Gly−Gly−His、パルミトイルGly−Gly−Gly−Lys、パルミトイルGly−Gly−Gly−Asn、パルミトイルGly−Gly−Gly−Gln、パルミトイルGly−Gly−Gly−Gly−His、パルミトイルGly−Gly−Gly−Gly−Lys、パルミトイルGly−Gly−Gly−Gly−Asn、パルミトイルGly−Gly−Gly−Gly−Gln、パルミトイルHis、パルミトイルLys、パルミトイルAsn、パルミトイルGln、パルミトイルAla−His、パルミトイルAla−Lys、パルミトイルAla−Asn、パルミトイルAla−Gln、パルミトイルAla−Ala−His、パルミトイルAla−Ala−Lys、パルミトイルAla−Ala−Asn、パルミトイルAla−Ala−Gln、パルミトイルAla−Ala−Ala−His、パルミトイルAla−Ala−Ala−Lys、パルミトイルAla−Ala−Ala−Asn、パルミトイルAla−Ala−Ala−Gln、パルミトイルAla−Ala−Ala−Ala−His、パルミトイルAla−Ala−Ala−Ala−Lys、パルミトイルAla−Ala−Ala−Ala−Asn、パルミトイルAla−Ala−Ala−Ala−Gln、パルミトイルHis、パルミトイルLys、パルミトイルAsn、パルミトイルGln、パルミトイルVal−His、パルミトイルVal−Lys、パルミトイルVal−Asn、パルミトイルVal−Gln、パルミトイルVal−Val−His、パルミトイルVal−Val−Lys、パルミトイルVal−Val−Asn、パルミトイルVal−Val−Gln、パルミトイルVal−Val−Val−His、パルミトイルVal−Val−Val−Lys、パルミトイルVal−Val−Val−Asn、パルミトイルVal−Val−Val−Gln、パルミトイルVal−Val−Val−Val−His、パルミトイルVal−Val−Val−Val−Lys、パルミトイルVal−Val−Val−Val−Asn、パルミトイルVal−Val−Val−Val−Gln、パルミトイルHis、パルミトイルLys、パルミトイルAsn、パルミトイルGln、パルミトイルLeu−His、パルミトイルLeu−Lys、パルミトイルLeu−Asn、パルミトイルLeu−Gln、パルミトイルLeu−Leu−His、パルミトイルLeu−Leu−Lys、パルミトイルLeu−Leu−Asn、パルミトイルLeu−Leu−Gln、パルミトイルLeu−Leu−Leu−His、パルミトイルLeu−Leu−Leu−Lys、パルミトイルLeu−Leu−Leu−Asn、パルミトイルLeu−Leu−Leu−Gln、パルミトイルLeu−Leu−Leu−Leu−His、パルミトイルLeu−Leu−Leu−Leu−Lys、パルミトイルLeu−Leu−Leu−Leu−Asn、パルミトイルLeu−Leu−Leu−Leu−Gln;ステアロイルHis、ステアロイルL
ys、ステアロイルAsn、ステアロイルGln、ステアロイルGly−His、ステアロイルGly−Lys、ステアロイルGly−Asn、ステアロイルGly−Gln、ステアロイルGly−Gly−His、ステアロイルGly−Gly−Lys、ステアロイルGly−Gly−Asn、ステアロイルGly−Gly−Gln、ステアロイルGly−Gly−Gly−His、ステアロイルGly−Gly−Gly−Lys、ステアロイルGly−Gly−Gly−Asn、ステアロイルGly−Gly−Gly−Gln、ステアロイルGly−Gly−Gly−Gly−His、ステアロイルGly−Gly−Gly−Gly−Lys、ステアロイルGly−Gly−Gly−Gly−Asn、ステアロイルGly−Gly−Gly−Gly−Gln、ステアロイルHis、ステアロイルLys、ステアロイルAsn、ステアロイルGln、ステアロイルAla−His、ステアロイルAla−Lys、ステアロイルAla−Asn、ステアロイルAla−Gln、ステアロイルAla−Ala−His、ステアロイルAla−Ala−Lys、ステアロイルAla−Ala−Asn、ステアロイルAla−Ala−Gln、ステアロイルAla−Ala−Ala−His、ステアロイルAla−Ala−Ala−Lys、ステアロイルAla−Ala−Ala−Asn、ステアロイルAla−Ala−Ala−Gln、ステアロイルAla−Ala−Ala−Ala−His、ステアロイルAla−Ala−Ala−Ala−Lys、ステアロイルAla−Ala−Ala−Ala−Asn、ステアロイルAla−Ala−Ala−Ala−Gln、ステアロイルHis、ステアロイルLys、ステアロイルAsn、ステアロイルGln、ステアロイルVal−His、ステアロイルVal−Lys、ステアロイルVal−Asn、ステアロイルVal−Gln、ステアロイルVal−Val−His、ステアロイルVal−Val−Lys、ステアロイルVal−Val−Asn、ステアロイルVal−Val−Gln、ステアロイルVal−Val−Val−His、ステアロイルVal−Val−Val−Lys、ステアロイルVal−Val−Val−Asn、ステアロイルVal−Val−Val−Gln、ステアロイルVal−Val−Val−Val−His、ステアロイルVal−Val−Val−Val−Lys、ステアロイルVal−Val−Val−Val−Asn、ステアロイルVal−Val−Val−Val−Gln、ステアロイルHis、ステアロイルLys、ステアロイルAsn、ステアロイルGln、ステアロイルLeu−His、ステアロイルLeu−Lys、ステアロイルLeu−Asn、ステアロイルLeu−Gln、ステアロイルLeu−Leu−His、ステアロイルLeu−Leu−Lys、ステアロイルLeu−Leu−Asn、ステアロイルLeu−Leu−Gln、ステアロイルLeu−Leu−Leu−His、ステアロイルLeu−Leu−Leu−Lys、ステアロイルLeu−Leu−Leu−Asn、ステアロイルLeu−Leu−Leu−Gln、ステアロイルLeu−Leu−Leu−Leu−His、ステアロイルLeu−Leu−Leu−Leu−Lys、ステアロイルLeu−Leu−Leu−Leu−Asn、ステアロイルLeu−Leu−Leu−Leu−Gln、が挙げられる。
【0027】
最も好ましいものとして、ミリストイル−HiS、ミリストイル−Gly−His、ミリストイル−Gly−Gly−His、ミリストイル−Gly−Gly−Gly−His、ミリストイル−Gly−Gly−Gly−Gly−His、パルミトイル−His、パルミトイル−Gly−His、パルミトイル−Gly−Gly−His、パルミトイル−Gly−Gly−Gly−His、パルミトイル−Gly−Gly−Gly−Gly−His、ステアロイル−His、ステアロイル−Gly−His、ステアロイル−Gly−Gly−His、ステアロイル−Gly−Gly−Gly−His、ステアロイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Hisが挙げられる。
【0028】
[ゲル形成メカニズム]
本発明の化粧料又は皮膚外用剤に含まれる脂質ペプチド型ゲル化剤によるゲル形成メカニズムは、従来の高分子ヒドロゲル形成メカニズムとは全く異なり、該脂質ペプチド型ゲル化剤を構成する低分子脂質ペプチドが自己集合化してファイバー状の形態を形成し、さ
らには該ファイバーが網目構造を形成し、この網目構造に水、アルコール、多価アルコール、疎水性有機溶媒、親水性有機溶媒、又はこれらの混和し得る混合溶液を囲い込み、ゲルを形成する。
【0029】
溶液が水、又は親水性混合溶液等の親水性溶液の場合、本発明の式(1)で表される低分子脂質ペプチド又はその薬理学的に使用可能な塩からなる脂質ペプチド型ゲル化剤が投入されると、式(1)におけるペプチド部が水素結合により分子間非共有結合を形成し、一方、式(1)における脂質部が疎水的にパッキングするように自己集合化し、筒状の二次集合体、すなわちファイバーが形成される。
【0030】
参考として図1に親水性溶液における低分子脂質ペプチドの自己集合化及びゲル化の概念図の一例を示す(但し、本発明において、全ての低分子脂質ペプチドが図1に示す自己集合化及びゲル化の形態をとるとは限らない。)。該低分子脂質ペプチド(a)は疎水性部位である脂質部を中心として集合し(b)、自己集合化によりファイバー(c)を形成する。
【0031】
ファイバー形成に用いる脂質ペプチド型ゲル化剤は、本発明の脂質ペプチド型ゲル化剤を1種類用いても良く、又は2種類以上を組合せて用いても良い。好ましくは1種類又は2種類を用い、さらに好ましくは1種類を用いる。ただし2種類以上用いる場合は、1種類の場合と異なる性質を得ることが期待できる。
【0032】
形成されたファイバーは低分子化合物を吸着又は包接することもできる。下記に記載する化粧料又は皮膚外用剤に用いられる添加剤、例えば、ビタミンEのような疎水性化合物を本発明のファイバーに包接させることにより水溶液に溶解させることが容易になる。そのため、水溶液に、ビタミンCのような親水性化合物とビタミンEのような疎水性化合物を同時に溶解させることも可能になる。更にメチルパラベン等の水に溶解しにくい防腐剤の溶解を促進する効果もある。そのため、化粧料又は皮膚外用剤を製造する際に、疎水性化合物を溶解するために使用していた疎水性有機溶剤の一部を、人体により安全な水又は低分子アルコール等に置き換えることが可能となる。
【0033】
また、低分子化合物を含有したファイバーより形成されたゲルは、肌及び髪に塗布した場合、含有する低分子化合物を徐々に放出する所謂徐放化能を有することが可能である。そのため、例えば化粧品の保湿効果等及び、皮膚外用剤の薬効効果等を持続させることが可能である。
【0034】
上記ファイバーが親水性溶液の中で形成されると、このファイバーが三次元網目構造を形成し、(例えば図1における(d)参照)、さらに、ファイバー表面のペプチド部と親水性溶液間で結合を形成して膨潤することにより、親水性溶液全体がゲル化される。
【0035】
また、本発明の脂質ペプチド型ゲル化剤が疎水性溶剤及び疎水性混合溶液等の疎水性溶液に投入されると、式(1)におけるペプチド部を中心部にし、脂質部を表層部にして会合して自己集合化し、筒状の二次集合体、すなわちファイバーが形成される。
【0036】
参考として、図2に疎水性溶液中における低分子脂質ペプチドの自己集合化及びゲル化の概念図の一例を示す(但し、本発明において、全ての低分子脂質ペプチドが図1に示す自己集合化及びゲル化の形態をとるとは限らない)。該脂質ペプチド分子(a)は親水性部位であるペプチド部を中心として集合し(e)、自己集合化によりファイバー(f)を形成する。そして上記ファイバーが混合溶液の中で形成されると、このファイバーが三次元網目構造を形成し(例えば図2における(g)参照)、さらに、ファイバー表面の脂質部と混合溶液間で結合を形成して膨潤することにより、疎水性溶液全体がゲル化される。
【0037】
本発明の化粧料又は皮膚外用剤に用いる脂質ペプチド型ゲル化剤は、ゲル化された混合溶液中では当然ながら、ゾル状態、又はゲル化に満たない添加量であっても、混合溶液中で自己集合体を形成する。そのため、肌及び髪に塗布した後も自己集合体を維持することができるため、肌、髪表面での伸び及び肌、髪へのなじみに優れ、自己集合体が肌及び髪表面に付着することで溶液及び添加成分を保持し、液ダレが生じることがない。さらに、高分子又は無機微粒子のゲル化剤を使用したときとは異なり、せん断性にすぐれるため、べたつき及びよれが生じにくい。
【0038】
[化粧料又は皮膚外用剤]
本発明の化粧料又は皮膚外用剤は、少なくとも1種の前記脂質ペプチド型ゲル化剤を含有する。
本発明の化粧料又は皮膚外用剤において、含有する脂質ペプチド型ゲル化剤の濃度は、有効であれば特に限定はされないが、化粧料又は皮膚外用剤の全体積に対して0.0001乃至50%(w/v)、より好ましくは0.0001乃至20%(w/v)、さらに好ましくは0.1乃至5%(w/v)である。配合量が0.0001%(w/v)より少ないとゲル化剤としての効果が生じない場合があり、50%(w/v)よりも多いと、長期貯蔵時の安定性が得られない場合がある。配合量を0.0001乃至50%(w/v)とすることで、化粧料又は皮膚外用剤に、肌、髪表面での伸び及び肌、髪へのなじみが優れ、しかもべたつき及びよれが生じず、かつ、貯蔵安定性が劣らないという特性を付与できる。
【0039】
本発明の化粧料又は皮膚外用剤は、少なくとも1種の前記脂質ペプチド型ゲル化剤の他に、水、アルコール、多価アルコール、親水性有機溶剤、疎水性有機溶剤、又はそれらの混合溶液を含むことができる。
【0040】
前記水としては、浄水、精製水、硬水、軟水、天然水、海洋深層水、電解アルカリイオン水、電解酸性イオン水、イオン水、及びクラスター水が好ましいものとして挙げられる。
【0041】
前記アルコールとは、1価のアルコールであり、例えば、水に任意の割合で溶解する炭素原子数1乃至6のアルコール、具体的にはメタノール、エタノール、2−プロパノール、i−ブタノール等、並びに高級アルコール、具体的には、オレイルアルコール及びフェノキシアルコール等、が挙げられる。しかし、これらに限定されるものではない。
【0042】
前記多価アルコールとは、2価以上のアルコールであり、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、グリセリン、イソペンチルジオール、エチルヘキサンジオール、エリスルロース、オゾン化グリセリン、カプリリルグリコール、グリコール、(C15−18)グリコール、(C20−30)グリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、ジグリセリン、ジチアオクタンジオール、DPG、チオグリセリン、1,10−デカンジオール、デシレングリコール、トリエチレングリコール、チリメチルギドロキシメチルシクロヘキサノール、フィタントリオール、フェノキシプロパンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、1,2−ヘキサンジオール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、メチルプロパンジオール、メンタンジオール、ラウリルグリコール及びポリプロピレングリコール等、が挙げられる。
【0043】
前記親水性有機溶剤とは、アルコール及び多価アルコールを除く水に対して任意の割合で溶解する有機溶剤を意味する。例えば、アセトン、ジオキサン、酢酸エチル及びアクアホホバオイル等が挙げられる。
【0044】
前記疎水性有機溶剤とは、アルコールを除く水に自由に溶解しない有機溶剤を意味する。例えば、油脂、シリコーン油、エステル系溶剤である。
前記油脂としては、例えば、ひまし油、オリーブ油等が挙げられる。
前記シリコーン油としては、例えば、ジメチルシリコーン油、メチルフェニルシリコーン油等が挙げられる。
前記エステル系溶剤としては、アルギン酸プロピレングリコールエステル、酢酸エチル、アジピン酸ジヘプチルウンデシル、酢酸ラノリン、イソステアリルグリセリル、イソステアリン酸オクチルドデシル等が挙げられる。
【0045】
本発明の化粧料又は皮膚外用剤に使用される溶媒としては、水、アルコール、多価アルコール、疎水性溶媒若しくは親水性溶媒、又は水にさらにアルコール、多価アルコール、油脂、シリコーン油、エステル系溶剤からなる群から選択される1種以上を配合した混合溶液、若しくは多価アルコールに、さらにアルコール、油脂、シリコーン油、及びエステル系溶剤からなる群から選択される1種以上を配合した混合溶液が好ましい。特に好ましくは水又は水にアルコール若しくは多価アルコールを溶解した溶液である。
【0046】
また、本発明の化粧料又は皮膚外用剤には、必要に応じて一般的に化粧料又は皮膚外用剤に配合される生理活性物質及び機能性物質等の添加成分、例えば油性基剤、保湿剤、感触向上剤、界面活性剤、高分子、増粘・ゲル化剤、溶剤、噴射剤、酸化防止剤、還元剤、酸化剤、防腐剤、抗菌剤、殺菌剤、キレート剤、pH調整剤、酸、アルカリ、粉体、無機塩、紫外線吸収剤、美白剤、ビタミン類及びその誘導体類、育毛用薬剤、血行促進剤、刺激剤、ホルモン類、抗しわ剤、抗老化剤、ひきしめ剤、冷感剤、温感剤、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、植物・動物・微生物エキス、鎮痒剤、角質剥離・溶解剤、制汗剤、清涼剤、収れん剤、酵素、核酸、香料、色素、着色剤、染料、顔料、消炎剤、抗炎症剤、抗喘息、抗慢性閉塞性肺疾患、抗アレルギー、免疫調整剤、抗感染症剤及び抗真菌剤等があげられる。
【0047】
これらの添加成分を例示すると、油性基剤としては、セタノール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、ホホバアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ダイマージオール等の高級(多価)アルコール類;ベンジルアルコール等のアラルキルアルコール及びその誘導体;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、イソヘキサデカン酸、アンテイソヘンイコサン酸、長鎖分岐脂肪酸、ダイマー酸、水素添加ダイマー酸等の高級脂肪酸類、及びそのアルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、カリウム塩、ナトリウム塩等の金属石けん類、並びにアミド等の含窒素誘導体類;流動パラフィン(ミネラルオイル)、重質流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、α−オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ポリブテン、スクワラン、オリーブ由来スクワラン、スクワレン、ワセリン、固形パラフィン等の炭化水素類;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、みつろう、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー等のワックス類;ヤシ油、パーム油、パーム核油、サフラワー油、オリーブ油、ヒマシ油、アボカド油、ゴマ油、茶油、月見草油、小麦胚芽油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、ククイナッツ油、ローズヒップ油、メドウフォーム油、パーシック油、ティートリー油、ハッカ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、小麦胚芽
油、アマニ油、綿実油、大豆油、落花生油、コメヌカ油、カカオ脂、シア脂、水素添加ヤシ油、水素添加ヒマシ油、ホホバ油、水素添加ホホバ油等の植物油脂類;牛脂、乳脂、馬脂、卵黄油、ミンク油、タートル油等の動物性油脂類;鯨ロウ、ラノリン、オレンジラッフィー油等の動物性ロウ類;液状ラノリン、還元ラノリン、吸着精製ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸液状ラノリン、ヒドロキシラノリン、ポリオキシエチレンラノリン、ラノリン脂肪酸、硬質ラノリン脂肪酸、ラノリンアルコール、酢酸ラノリンアルコール、酢酸(セチル・ラノリル)エステル等のラノリン類;レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、ホスファチジン酸、リゾレシチン等のリン脂質類;水素添加大豆リン脂質、部分水素添加大豆リン脂質、水素添加卵黄リン脂質、部分水素添加卵黄リン脂質等のリン脂質誘導体類;コレステロール、ジヒドロコレステロール、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、フィトステロール、コール酸等のステロール類;サポゲニン類;サポニン類;酢酸コレステリル、ノナン酸コレステリル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、N−ラウロイルサルコシンイソプロピル等のアシルサルコシンアルキルエステル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル、軟質ラノリン脂肪酸コレステリル、硬質ラノリン脂肪酸コレステリル、長鎖分岐脂肪酸コレステリル、長鎖α−ヒドロキシ脂肪酸コレステリル等のステロールエステル類;リン脂質・コレステロール複合体、リン脂質・フィトステロール複合体等の脂質複合体;ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸オクチルドデシル、パリミチン酸セチル、パルミチン酸オクチルドデシル、オクタン酸セチル、オクタン酸ヘキシルデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸オクチル、イソノナン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオデカン酸オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、リシノレイン酸オクチルドデシル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、エルカ酸オクチルドデシル、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、オレイン酸エチル、アボカド油脂肪酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、セバチン酸ジエチル、セバチン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジブチルオクチル、アジピン酸ジイソブチル、コハク酸ジオクチル、クエン酸トリエチル等のモノアルコールカルボン酸エステル類;乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、モノイソステアリン酸水添ヒマシ油等のオキシ酸エステル類;トリオクタン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、水添ロジントリグリセリド(水素添加エステルガム)、ロジントリグリセリド(エステルガム)、ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ジオレイン酸プロピレングリコール、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、水素添加ロジンペンタエリスリチル、トリエチルヘキサン酸ジトリメチロールプロパン、(イソステアリン酸/セバシン酸)ジトリメチロールプロパン、トリエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル、ノナイソステアリン酸ポリグリセリル−10、デカ(
エルカ酸/イソステアリン酸/リシノレイン酸)ポリグリセリル−8、(ヘキシルデカン酸/セバシン酸)ジグリセリルオリゴエステル、ジステアリン酸グリコール(ジステアリン酸エチレングリコール)、ジネオペンタン酸3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジネオペンタン酸2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等の多価アルコール脂肪酸エステル類;ダイマージリノール酸ジイソプロピル、ダイマージリノール酸ジイソステアリル、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、ダイマージリノール酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシアルキルダイマージリノレイルエーテル等のダイマー酸若しくはダイマージオールの誘導体;ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(コカミドMEA)、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(コカミドDEA)、ラウリン酸モノエタノールアミド(ラウラミドMEA)、ラウリン酸ジエタノールアミド(ラウラミドDEA)、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド(ラウラミドMIPA)、パルミチン酸モノエタノールアミド(パルタミドMEA)、パルミチン酸ジエタノールアミド(パルタミドDEA)、ヤシ油脂肪酸メチルエタノールアミド(コカミドメチルMEA)等の脂肪酸アルカノールアミド類;ジメチコン(ジメチルポリシロキサン)、高重合ジメチコン(高重合ジメチルポリシロキサン)、シクロメチコン(環状ジメチルシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン)、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、ステアロキシプロピルジメチルアミン、(アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー、ジメチコノール、ジメチコノールクロスポリマー、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、アミノプロピルジメチコン及びアモジメチコン等のアミノ変性シリコーン、カチオン変性シリコーン、ジメチコンコポリオール等のポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、糖変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、リン酸変性シリコーン、硫酸変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、アルキルエーテル変性シリコーン、アミノ酸変性シリコーン、ペプチド変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、カチオン変性及びポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性及びポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性及びポリエーテル変性シリコーン、ポリシロキサン・オキシアルキレン共重合体等のシリコーン類;パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類が、好ましいものとして挙げられる。
【0048】
保湿剤・感触向上剤としては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキシレングリコール、ジグリセリン、ポリグリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール・プロピレングリコール共重合体等のポリオール類及びその重合体;ジエチレングリコールモノエチルエーテル(エトキシジグリコール)、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のグリコールアルキルエーテル類;(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル−10、テトラデカン二酸ポリグリセリル−10等の水溶性エステル類;ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、マルチトール等の糖アルコール類;グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、トレオース、キシロース、アラビノース、フコース、リボース、デオキシリボース、マルトース、トレハロース、ラクトース、ラフィノース、グルコン酸、グルクロン酸、シクロデキストリン類(α−、β−、γ−シクロデキストリン、及び、マルトシル化、ヒドロキシアルキル化等の修飾シクロデキストリン)、β−グルカン、キチン、キトサン、ヘパリン及び誘導体、ペクチン、アラビノガラクタン、デキストリン、デキストラン、グリコーゲン、エチルグルコシド、メタクリル酸グルコシルエチル重合物若しくは共重合物等の糖類及びその誘導体類;ヒアル
ロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム;コンドロイチン硫酸ナトリウム;ムコイチン硫酸、カロニン硫酸、ケラト硫酸、デルマタン硫酸;シロキクラゲ抽出物、シロキクラゲ多糖体;フコイダン;チューベロース多糖体又は天然由来多糖体;クエン酸、酒石酸、乳酸等の有機酸及びその塩;尿素及びその誘導体;2−ピロリドン−5−カルボン酸及びそのナトリウム等の塩;ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、β−アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、システイン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、トリプトファン、ヒスチジン、タウリン等のアミノ酸類及びその塩;コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、ゼラチン、エラスチン、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド、アシル化ペプチド等の蛋白ペプチド類及びその誘導体;パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、パルミトイルテトラペプチド等のアシル化ペプチド類;シリル化ペプチド類;乳酸菌培養液、酵母抽出液、卵殻膜タンパク、牛顎下腺ムチン、ヒポタウリン、ゴマリグナン配糖体、グルタチオン、アルブミン、乳清;塩化コリン、ホスホリルコリン;胎盤抽出液、エアラスチン、コラーゲン、アロエ抽出物、ハマメリス水、ヘチマ水、カモミラエキス、カンゾウエキス、コンフリーエキス、シルクエキス、イザヨイバラエキス、セイヨウノコギリソウエキス、ユーカリエキス、メリロートエキス等の動物・植物抽出成分、天然型セラミド(タイプ1、2、3、4、5、6)、ヒドロキシセラミド、疑似セラミド、スフィンゴ糖脂質、セラミド及び糖セラミド含有エキス等のセラミド類が好ましいものとして挙げられる。
【0049】
界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性剤等が好ましいものとして挙げられる。界面活性剤として好ましいものを例示すると、陰イオン性界面活性剤としては、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム等の脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩;ラウレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸トリエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキル硫酸塩;ココイルメチルタウリンナトリウム、ココイルメチルタウリンカリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ミリストイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルアラニンナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシントリエタノールアミン、ラウロイルグルタミン酸メチルアラニンナトリウム等のアシルN−メチルアミノ酸塩;ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸トリエタノールアミン、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン、ココイルアラニントリエタノールアミン等のアシルアミノ酸塩;ラウレス酢酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム等のコハク酸エステル塩;脂肪酸アルカノールアミドエーテルカルボン酸塩;アシル乳酸塩;ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩;脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩;硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等の脂肪酸グリセリド硫酸塩;アルキルベンゼンポリオキシエチレン硫酸塩;α−オレフィンスルホン酸ナトリウム等のオレフィンスルホン酸塩;スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のアルキルスルホコハク酸塩;スルホコハク酸ラウレス2ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルエーテルスルホコハク酸塩;テトラデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、テトラデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン
酸塩;アルカンスルホン酸塩;α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩;アシルイセチオン酸塩;アルキルグリシジルエーテルスルホン酸塩;アルキルスルホ酢酸塩;ラウレスリン酸ナトリウム、ジラウレスリン酸ナトリウム、トリラウレスリン酸ナトリウム、モノオレスリン酸ナトリウム等のアルキルエーテルリン酸エステル塩;ラウリルリン酸カリウム等のアルキルリン酸エステル塩;カゼインナトリウム;アルキルアリールエーテルリン酸塩;脂肪酸アミドエーテルリン酸塩;ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸等のリン脂質類;カルボン酸変性シリコーン、リン酸変性シリコーン、硫酸変性シリコーン等のシリコーン系陰イオン性界面活性剤等;非イオン界面活性剤としては、ラウレス(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)類、セテス(ポリオキシエチレンセチルエーテル)類、ステアレス(ポリオキシエチレンステアリルエーテル)類、ベヘネス類(ポリオキシエチレンベヘニルエーテル)、イソステアレス(ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル)類、オクチルドデセス(ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル)類等の種々のポリオキシエチレン付加数のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノイソステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油トリイソステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油マレイン酸等のヒマシ油及び硬化ヒマシ油誘導体;ポリオキシエチレンフィトステロール;ポリオキシエチレンコレステロール;ポリオキシエチレンコレスタノール;ポリオキシエチレンラノリン;ポリオキシエチレン還元ラノリン;ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン2−デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンモノブチルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン水添ラノリン、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリセリンエーテル等のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコール;PPG−9ジグリセリル等の(ポリ)グリセリンポリオキシプロピレングリコール;ステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、パルミチン酸グリセリル、ミリスチン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、ヤシ油脂肪酸グリセリル、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等のグリセリン脂肪酸部分エステル類;ステアリン酸ポリグリセリル−2、同3、同4、同5、同6、同8、同10、ジステアリン酸ポリグリセリル−6、同10、トリステアリン酸ポリグリセリル−2、デカステアリン酸ポリグリセリル−10、イソステアリン酸ポリグリセリル−2、同3、同4、同5、同6、同8、同10、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2(ジイソステアリン酸ジグリセリル)、同3、同10、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2、テトライソステアリン酸ポリグリセリル−2、デカイソステアリン酸ポリグリセリル−10、オレイン酸ポリグリセリル−2、同3、同4、同5、同6、同8、同10、ジオレイン酸ポリグリセリル−6、トリオレイン酸ポリグリセリル−2、デカオレイン酸ポリグリセリル−10等のポリグリセリン脂肪酸エステル;モノステアリン酸エチレングリコール等のエチレングリコールモノ脂肪酸エステル;モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコールモノ脂肪酸エステル;ペンタエリスリトール部分脂肪酸エステル;ソルビトール部分脂肪酸エステル;マルチトール部分脂肪酸エステル;マルチトールエーテル;ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル;ショ糖脂肪酸エステル、メチルグルコシド脂肪酸エステル、ウンデシレン酸トレハロース等の糖誘導体部分エステル;カプリリルグルコシド等のアルキルグルコシド;アルキルポリグリコシド;ラノリンアルコール;還元ラノリン;ポリオキシエチレンジステアレート、ポリチレングリコールジイソステアレート、ポリオキシエチレン
モノオレエート、ポリオキシエチレンジオレエート等のポリオキシエチレン脂肪酸モノ及びジエステル;ポリオキシエチレン・プロピレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレングリセリンモノステアレート、ポリオキシエチレングリセリンモノイソステアレート、ポリオキシエチレングリセリントリイソステアレート等のポリオキシエチレンモノオレエート等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンテトラオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビトールモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビトールペンタオレエート、ポリオキシエチレンソルビトールモノステアレート等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンメチルグルコシド脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビトールミツロウ等のポリオキシエチレン動植物油脂類;イソステアリルグリセリルエーテル、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等のアルキルグリセリルエーテル類;多価アルコールアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルアミン;テトラポリオキシエチレン・テトラポリオキシプロピレン−エチレンジアミン縮合物類;サポニン、ソホロリピッド等の天然系界面活性剤;ポリオキシエチレン脂肪酸アミド;ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(コカミドMEA)、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(コカミドDEA)、ラウリン酸モノエタノールアミド(ラウラミドMEA)、ラウリン酸ジエタノールアミド(ラウラミドDEA)、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド(ラウラミドMIPA)、パルミチン酸モノエタノールアミド(パルタミドMEA)、パルミチン酸ジエタノールアミド(パルタミドDEA)、ヤシ油脂肪酸メチルエタノールアミド(コカミドメチルMEA)等の脂肪酸アルカノールアミド類;ラウラミンオキシド、コカミンオキシド、ステアラミンオキシド、ベヘナミンオキシド等のアルキルジメチルアミンオキシド;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;ポリオキシエチレンアルキルメルカプタン;ジメチコンコポリオール等のポリエーテル変性シリコーン、ポリシロキサン・オキシアルキレン共重合体、ポリグリセリン変性シリコーン、糖変性シリコーン等のシリコーン系非イオン性界面活性剤等;陽イオン性界面活性剤としては、ベヘントリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、セトリモニウムクロリド、ラウリルトリモニウムクロリド等のアルキルトリメチルアンモニウムクロリド;ステアリルトリモニウムブロミド等のアルキルトリメチルアンモニウムブロミド;ジステアリルジモニウムクロリド、ジココジモニウムクロリド等のジアルキルジメチルアンモニウムクロリド;ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン等の脂肪酸アミドアミン及びその塩;ステアロキシプロピルジメチルアミン等のアルキルエーテルアミン及びその塩又は四級塩;エチル硫酸長鎖分岐脂肪酸(12〜31)アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等の脂肪酸アミド型四級アンモニウム塩;ポリオキシエチレンアルキルアミン及びその塩又は四級塩;アルキルアミン塩;脂肪酸アミドグアニジウム塩;アルキルエーテルアミンモニウム塩;アルキルトリアルキレングリコールアンモニウム塩;ベンザルコニウム塩;ベンゼトニウム塩;塩化セチルピリジニウム等のピリジニウム塩;イミダゾリニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミノプロピルジメチコン及びアモジメチコン等のアミノ変性シリコーン、カチオン変性シリコーン、カチオン変性及びポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性及びポリエーテル変性シリコーン等のシリコーン系陽イオン性界面活性剤等;両性界面活性剤としては、ラウリルベタイン(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)等のN−アルキル−N,N−ジメチルアミノ酸ベタイン;コカミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン等の脂肪酸アミドアルキル−N,N−ジメチルアミノ酸ベタイン;ココアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム等のイミダゾリン型ベタイン;アルキルジメチルタウリン等のアルキルスルホベタイン;アルキルジメチルアミノエタノール硫酸エステル等の硫酸型ベタイン;アルキルジメチルアミノエタノールリン酸エステル等のリン酸型ベタイン;
ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、リゾレシチン、水素添加大豆リン脂質、部分水素添加大豆リン脂質、水素添加卵黄リン脂質、部分水素添加卵黄リン脂質、水酸化レシチン

等のリン脂質類;シリコーン系両性界面活性剤等;高分子界面活性剤としては、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、デンプン誘導体、トラガントガム、アクリル酸・メタアクリル酸アルキル共重合体;シリコーン系各種界面活性剤が好ましいものとして挙げられる。
【0050】
高分子・増粘剤・ゲル化剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、クィーンスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、タラガム、タマリンド、ファーセレラン、カラヤガム、トロロアオイ、キャラガム、トラガントガム、ペクチン、ペクチン酸及びナトリウム塩等の塩、アルギン酸及びナトリウム塩等の塩、マンナン;コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ等のデンプン;キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸及びその塩、ザンサンガム、プルラン、ジェランガム、キチン、キトサン、寒天、カッソウエキス、コンドロイチン硫酸塩、カゼイン、コラーゲン、ゼラチン、アルブミン;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びそのナトリウム等の塩、メチルヒドロキシプロピルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース及びその誘導体;可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン、メチルデンプン等のデンプン系高分子、塩化ヒドロキシプロピルトリモニウムデンプン、オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンアルミニウム等のデンプン誘導体;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等アルギン酸誘導体;ポリビニルピドリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルピドリドン・ビニルアルコール共重合体、ポリビニルメチルエーテル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合体;(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー、(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸エチルアミンオキシド)コポリマー等の両性メタクリル酸エステル共重合体;(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマー、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMP;ポリ酢酸ビニル部分けん化物、マレイン酸共重合体;ビニルピロリドン・メタクリル酸ジアルキルアミノアルキル共重合体;アクリル樹脂アルカノールアミン;ポリエステル、水分散性ポリエステル;ポリアクリルアミド;ポリアクリル酸エチル等のポリアクリル酸エステル共重合体、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸及びそのナトリウム塩等の塩、アクリル酸・メタアクリル酸エステル共重合体;アクリル酸・メタアクリル酸アルキル共重合体;ポリクオタニウム−10等のカチオン化セルロース、ポリクオタニウム−7等のジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体、ポリクオタニウム−22等のアクリル酸・ジアリルジメチルアンモニウムクロリド共重合体、ポリクオタニウム−39等のアクリル酸・ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体、アクリル酸・カチオン化メタアクリル酸エステル共重合体、アクリル酸・カチオン化メタアクリル酸アミド共重合体、ポリクオタニウム−47等のアクリル酸・アクリル酸メチル・塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム共重合体、塩化メタクリル酸コリンエステル重合体;カチオン化オリゴ糖、カチオン化デキストラン、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド等のカチオン化多糖類;ポリエチレンイミン;カチオンポリマー;ポリクオタニウム−51等の2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンの重合体及びメタクリル酸ブチル共重合体等との共重合体;アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、ポリアクリルアルキルエス
テルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス、合成ラテックス等の高分子エマルジョン;ニトロセルロース;ポリウレタン類及び各種共重合体;各種シリコーン類;アクリル−シリコーングラフト共重合体等のシリコーン系各種共重合体;各種フッ素系高分子;12−ヒドロキシステアリン酸及びその塩;パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン等のデキストリン脂肪酸エステル;無水ケイ酸、煙霧状シリカ(超微粒子無水ケイ酸)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸ナトリウムマグネシウム、金属石鹸、ジアルキルリン酸金属塩、ベントナイト、ヘクトライト、有機変性粘土鉱物、ショ糖脂肪酸エステル、フラクトオリゴ糖脂肪酸エステルが好ましいものとして挙げられる。前記例示の中でも、セルロース及びその誘導体、アルギン酸及びその塩、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸及びその塩、又はコラーゲンが好ましい。
【0051】
溶剤・噴射剤類としては、エタノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)、ブタノール、イソブチルアルコール等の低級アルコール類;プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、イソペンチルジオール等のグリコール類;ジエチレングリコールモノエチルエーテル(エトキシジグリコール)、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類;コハク酸ジエトキシエチル、エチレングリコールジサクシネート等のグリコールエステル類;ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、炭酸プロピレン、炭酸ジアルキル、アセトン、酢酸エチル、N−メチルピロリドン;トルエン;フルオロカーボン、次世代フロン;LPG、ジメチルエーテル、炭酸ガス等の噴射剤が好ましいものとして挙げられる。
【0052】
酸化防止剤としては、トコフェロール(ビタミンE)、酢酸トコフェロール等のトコフェロール誘導体;BHT、BHA;没食子酸プロピル等の没食子酸誘導体;ビタミンC(アスコルビン酸)及び/又はその誘導体;エリソルビン酸及びその誘導体;亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩;亜硫酸水素ナトリウム等の亜硫酸水素塩;チオ硫酸ナトリウム等のチオ硫酸塩;メタ亜硫酸水素塩;チオタウリン、ヒポタウリン;チオグリセロール、チオ尿素、チオグリコール酸、システイン塩酸塩が好ましいものとして挙げられる。
【0053】
還元剤としては、チオグリコール酸、システイン、システアミン等が好ましいものとして挙げられる。
【0054】
酸化剤としては、過酸化水素水、過硫酸アンモニウム、臭素酸ナトリウム、過炭酸等が好ましいものとして挙げられる。
【0055】
防腐剤・抗菌剤・殺菌剤としては、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のヒドロキシ安息香酸及びその塩若しくはそのエステル;サリチル酸;安息香酸ナトリウム;フェノキシエタノール;1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール等の1,2−ジオール;メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン等のイソチアゾリンオン誘導体;イミダゾリニウムウレア;デヒドロ酢酸及びその塩;フェノール類;トリクロサン等のハロゲン化ビスフェノール類、酸アミド類、四級アンモニウム塩類;トリクロロカルバニド、ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ソルビン酸、クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、ハロカルバン、ヘキサクロロフェン、ヒノキチオール;フェノール、イソプロピルフェノール、クレゾール、チモール、パラクロロフェノール、フェニルフェノール、フェニルフ
ェノールナトリウム等のその他フェノール類;フェニルエチルアルコール、感光素類、抗菌性ゼオライト、銀イオンが好ましいものとして挙げられる。
【0056】
キレート剤としては、EDTA、EDTA2Na、EDTA3Na、EDTA4Na等のエデト酸塩(エチレンジアミン四酢酸塩);HEDTA3Na等のヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩;ペンテト酸塩(ジエチレントリアミン五酢酸塩);フィチン酸;エチドロン酸等のホスホン酸及びそのナトリウム塩等の塩類;シュウ酸ナトリウム;ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸等のポリアミノ酸類;ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸;クエン酸ナトリウム、クエン酸、アラニン、ジヒドロキシエチルグリシン、グルコン酸、アスコルビン酸、コハク酸、酒石酸が好ましいものとして挙げられる。
【0057】
pH調整剤・酸・アルカリとしては、クエン酸、クエン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、グリコール酸、コハク酸、酢酸、酢酸ナトリウム、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、リン酸、塩酸、硫酸、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、アルギニン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、炭酸グアニジン、炭酸アンモニウムが好ましいものとして挙げられる。
【0058】
粉体としては、マイカ、タルク、カオリン、セリサイト、モンモリロナイト、カオリナイト、雲母、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、ベントナイト、スメクタイト、粘土、泥、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、炭酸カルシウム、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、群青、紺青、カーボンブラック、酸化チタン、微粒子及び超微粒子酸化チタン、酸化亜鉛、微粒子及び超微粒子酸化亜鉛、アルミナ、シリカ、煙霧状シリカ(超微粒子無水ケイ酸)、雲母チタン、魚鱗箔、窒化ホウ素、ホトクロミック顔料、合成フッ素金雲母、微粒子複合粉体、金、アルミニウム等の各種の大きさ・形状の無機粉体、及び、これらをハイドロジェンシリコーン、環状ハイドロジェンシリコーン等のシリコーン若しくはその他のシラン若しくはチタンカップリング剤等の各種表面処理剤で処理を行って疎水化若しくは親水化した粉体等の無機粉体;デンプン、セルロース、ナイロンパウダー、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル末、ポリスチレン末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ポリエステル末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層末、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末等、ウレタン粉末、シリコーン粉末、テフロン(登録商標)粉末等の各種の大きさ・形状の有機系粉体及び表面処理粉体、有機無機複合粉体が好ましいものとして挙げられる。
【0059】
無機塩類としては、食塩、並塩、岩塩、海塩、天然塩等の塩化ナトリウム含有塩類;塩化カリウム、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、にがり、塩化亜鉛、塩化アンモニウム;硫酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウム・カリウム(ミョウバン)、硫酸アルミニウム・アンモニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、硫酸鉄、硫酸銅;リン酸1Na・2Na・3Na等のリン酸ナトリウム類、リン酸カリウム類、リン酸カルシウム類、リン酸マグネシウム類が好ましいものとして挙げられる。
【0060】
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸モノグリセリンエス
テル、N,N−ジプロポキシパラアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジエトキシパラアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルパラアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルパラアミノ安息香酸ブチルエステル、N,N−ジメチルパラアミノ安息香酸エチルエステル等の安息香酸系紫外線吸収剤;ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸及びそのナトリウム塩、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤;オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、2−エチルヘキシルp−メトキシシンナメート(パラメトキシケイヒ酸オクチル)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート(シノキサート)、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシルα−シアノ−β−フェニルシンナメート(オクトクリン)、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート、フェルラ酸及びその誘導体等の桂皮酸系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(オキシベンゾン−3)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンフル、3−ベンジリデン−d,l−カンフル;2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール;2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン;4−t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン誘導体;オクチルトリアゾン;ウロカニン酸及びウロカニン酸エチル等のウロカニン酸誘導体;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチル−1,3−ペンタンジオン、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル等のヒダントイン誘導体、フェニルベンズイミダソゾールスルホン酸、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、ドロメトリゾールトリシロキサン、アントラニル酸メチル、ルチン及びその誘導体、オリザノール及びその誘導体が好ましいものとして挙げられる。
【0061】
美白剤としては、アルブチン、α−アルブチン等のヒドロキノン配糖体及びそのエステル類;アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩及びアスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩等のアスコルビン酸リン酸エステル塩、アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル等のアスコルビン酸脂肪酸エステル、アスコルビン酸エチルエーテル等のアスコルビン酸アルキルエーテル、アスコルビン酸−2−グルコシド等のアスコルビン酸グルコシド及びその脂肪酸エステル類、アスコルビン酸硫酸エステル、リン酸トコフェリルアスコルビル等のアスコルビン酸誘導体;コウジ酸、エラグ酸、トラネキサム酸及びその誘導体、フェルラ酸及びその誘導体、プラセンタエキス、グルタチオン、オリザノール、ブチルレゾルシノール、油溶性カモミラエキス、油溶性カンゾウエキス、西河柳エキス、ユキノシタエキス等植物エキスが好ましいものとして挙げられる。
【0062】
ビタミン類及びその誘導体類としては、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類;チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート、ピリドキシンジパルミテート、フラビンアデニンジヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸アミド・ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、コリン類等のビタミンB群類;アスコルビン酸及びそのナトリウム等の塩等のビタミンC類;ビタミンD;α、β、γ、δ−トコフェロール等のビタミンE類;パントテン酸、ビオチン等のその他ビタミン類;アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩及びアスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩等のアスコルビン酸リン酸エステル塩、アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル・ステアリン酸アスコルビル・パルミチン酸アスコルビル・ジパルミチン酸アスコルビル等のアスコルビン酸脂肪酸エステル、アスコルビン酸エチルエーテル等のアスコルビン酸アルキルエーテル、アスコルビン酸−2−グルコシド等のアスコルビン酸グルコシド及びその脂肪酸エステル、リン酸トコフェリルアスコルビル等のアスコルビン酸誘導体;ニコチン酸トコフェロール、酢酸トコフェロール、リノール酸トコフェロール、フェルラ酸トコフェロール、トコフェロールリン酸エステル等のトコフェロール誘導体等のビタミン誘導体、トコトリエノール、その他各種ビタミン誘導体類が好ましいものとして挙げられる。
【0063】
育毛用薬剤・血行促進剤・刺激剤としては、センブリエキス、トウガラシチンキ、ショウキョウチンキ、ショウキョウエキス、カンタリスチンキ等の植物エキス・チンキ類;カプサイシン、ノニル酸ワレニルアミド、ジンゲロン、イクタモール、タンニン酸、ボルネオール、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール、ビタミンE及びニコチン酸トコフェロール・酢酸トコフェロール等の誘導体、γ−オリザノール、ニコチン酸及びニコチン酸アミド・ニコチン酸ベンジルエステル・イノシトールヘキサニコチネート、ニコチンアルコール等の誘導体、アラントイン、感光素301、感光素401、塩化カプロニウム、ペンタデカン酸モノグリセリド、フラバノノール誘導体、スチグマステロール又はスチグマスタノール及びその配糖体、ミノキシジルが好ましいものとして挙げられる。
【0064】
ホルモン類としては、エストラジオール、エストロン、エチニルエストラジオール、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン等が好ましいものとして挙げられる。
【0065】
抗しわ剤、抗老化剤、ひきしめ剤、冷感剤、温感剤、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤等のその他の薬効剤としては、レチノール類、レチノイン酸類、レチノイン酸トコフェリル;乳酸、グリコール酸、グルコン酸、フルーツ酸、サリチル酸及びその配糖体・エステル化物等の誘導体、ヒドロキシカプリン酸、長鎖α−ヒドロキシ脂肪酸、長鎖α−ヒドロキシ脂肪酸コレステリル等のα−又はβ−ヒドロキシ酸類及びその誘導体類;γ−アミノ酪酸、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸;カルニチン;カルノシン;クレアチン;セラミド類、スフィンゴシン類;カフェイン、キサンチン等及びその誘導体;コエンザイムQ10、カロチン、リコピン、アスタキサンチン、ルテイン、α−リポ酸、白金ナノコロイド、フラーレン類等の抗酸化・活性酸素消去剤;カテキン類;ケルセチン等のフラボン類;イソフラボン類;没食子酸及びエステル糖誘導体;タンニン、セサミン、プロトアントシアニジン、クロロゲン酸、リンゴポリフェノール等のポリフェノール類;ルチン及び配糖体等の誘導体;ヘスペリジン及び配糖体等の誘導体;リグナン配糖体;グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン等のカンゾウエキス関連物質;ラクトフェリン;ショウガオール、ジンゲロール;メントール、セドロール等の香料物質及びその誘導体;カプサイシン、バニリン等及び誘導体;ジエチルトルアミド等の昆虫忌避剤;生理活性物質とシクロデキストリン類との複合体が好ましいものとして挙げられる。
【0066】
植物・動物・微生物エキス類としては、アイリスエキス、アシタバエキス、アスナロエ
キス、アスパラガスエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アーモンドエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、インチコウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、ウワウルシエキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、エンメイソウエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オタネニンジンエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オノニスエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、カキ葉エキス、カキョクエキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カッコンエキス、カモミラエキス、油溶性カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、カラスムギエキス、カルカデエキス、カンゾウエキス、油溶性カンゾウエキス、キウイエキス、キオウエキス、キクラゲエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、キリ葉エキス、グアノシン、グアバエキス、クジンエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、クリエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、黒米エキス、黒砂糖抽出物、黒酢、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、ゲンノショウコエキス、紅茶エキス、酵母エキス、コウボクエキス、コーヒーエキス、ゴボウエキス、コメエキス、コメ発酵エキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サフランエキス、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンシャエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、ジャトバエキス、シャクヤクエキス、ショウキュウエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、白キクラゲエキス、スギナエキス、ステビアエキス、ステビア発酵物、西河柳エキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ソウハクヒエキス、ダイオウエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、タンポポエキス、地衣類エキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、ティートリー油、甜茶エキス、トウガラシエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、バーチエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ヒノキエキス、ビフィズス菌エキス、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、ブドウ種子エキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マイカイカエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モズクエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ユリエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、緑茶エキス、卵殻膜エキス、リンゴエキス、ルイボス茶エキス、レイシエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンギョウエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス、ワレモコウエキス等のエキスが好ましいものとして挙げられる。
【0067】
鎮痒剤としては、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、カンフル、サブスタンス−P阻害剤等が挙げられる。
【0068】
角質剥離・溶解剤としては、サリチル酸、イオウ、レゾルシン、硫化セレン、ピリドキシン等が挙げられる。
【0069】
制汗剤としては、クロルヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、酸化亜鉛、パラフェノールスルホン酸亜鉛等が挙げられる。
【0070】
清涼剤としては、メントール、サリチル酸メチル等が挙げられる。
【0071】
収れん剤としては、クエン酸、酒石酸、乳酸、硫酸アルミニウム・カリウム、タンニン酸等が挙げられる。
【0072】
酵素類としては、スーパーオキサイドディスムターゼ、カタラーゼ、塩化リゾチーム、リパーゼ、パパイン、パンクレアチン、プロテアーゼ等が挙げられる。
【0073】
核酸類としては、リボ核酸及びその塩、デオキシリボ核酸及びその塩、アデノシン三リン酸二ナトリウムが好ましいものとして挙げられる。
【0074】
香料としては、アセチルセドレン、アミルシンナムアルデヒド、アリルアミルグリコレート、β−イオノン、イソイースーパー、イソブチルキノリン、イリス油、イロン、インドール、イランイラン油、ウンデカナール、ウンデセナール、γ−ウンデカラクトン、エストラゴール、オイゲノール、オークモス、オポポナックスレジノイド、オレンジ油、オイゲノール、オーランチオール、ガラクソリッド、カルバクロール、L−カルボン、カンフル、キャノン、キャロットシード油、クローブ油、ケイヒ酸メチル、ゲラニオール、ゲラニルニトリル、酢酸イソボルニル、酢酸ゲラニル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸スチラリル、酢酸セドリル、酢酸テレピネル、酢酸p−t−ブチルシクロヘキシル、酢酸ベチベリル、酢酸ベンジル、酢酸リナリル、サリチル酸イソペンチル、サリチル酸ベンジル、サンダルウッド油、サンタロール、シクラメンアルデヒド、シクロペンタデカノリド、ジヒドロジャスモン酸メチル、ジヒドロミルセノール、ジャスミンアブソリュート、ジャスミンラクトン、cis−ジャスモン、シトラール、シトロネノール、シトロネラール、シナモンバーク油、1,8−シネオール、シンナムアルデヒド、スチラックスレジノイド、セダーウッド油、セドレン、セドロール、セロリシード油、タイム油、ダマスコン、ダマセノン、チモール、チュベローズアブソリュート、デカナール、デカラクトン、テルピネオール、γ−テルピネン、トリプラール、ネロール、ノナナール、2,6−ノナジエノール、ノナラクトン、パチョリアルコール、バニラアブソリュート、バニリン、バジル油、パチョリ油、ヒドロキシシトロネラール、α−ピネン、ピペリトン、フェネチルアルコール、フェニルアセトアルデヒド、プチグレン油、ヘキシルシンナムアルデヒド、cis−3−ヘキセノール、ペルーバルサム、ベチバー油、ベチベロール、ペパーミント油、ペパー油、ヘリオトロピン、ベルガモット油、ベンジルベンゾエート、ボルネオール、ミルレジノイド、ムスクケトン、メチルノニルアセトアルデヒド、γ−メチルヨノン、メントール、L−メントール、L−メントン、ユーカリ油、β−ヨノン、ライム油、ラベンダー油、D−リモネン、リナロール、リラール、リリアール、レモン油、ローズアブソリュート、ローズオキシド、ローズ油、ローズマリー油、各種精油等の合成香料及び天然香料並びに各種調合香料が好ましいものとして挙げられる。
【0075】
色素・着色剤・染料・顔料としては、褐色201号、黒色401号、紫色201号、紫色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色202号、青色203号、青色204号、青色205号、青色403号、青色404号、緑色201号、緑色202号、緑色204号、緑色205号、緑色3号、緑色401号、緑色402号、赤色102号、赤色104−1号、赤色105−1号、赤色106号、赤色2号、赤色201号、赤色202号、赤色203号、赤色204号、赤色205号、赤色206号、赤色207号、赤色208号、赤色213号、赤色214号、赤色215号、赤色218号、赤色219号、赤色220号、赤色221号、赤色223号、赤色225号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230−1号、赤色230−2号、赤色231号、赤色232号、赤色3号、赤色401号、赤色404号、赤色405号、赤色501号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色505号、赤色506号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色205号、橙色206号、橙色207号、橙色401号、橙色
402号、橙色403号、黄色201号、黄色202−1号、黄色202−2号、黄色203号、黄色204号、黄色205号、黄色4号、黄色401号、黄色402号、黄色403−1号、黄色404号、黄色405号、黄色406号、黄色407号、黄色5号等の法定色素;Acid Red 14等のその他酸性染料;Arianor Sienna
Brown、Arianor Madder Red、Arianor Steel Blue、Arianor Straw Yellow等の塩基染料;HC Yellow 2、HC Yellow 5、HC Red 3、4−hydoxypropylamino−3−nitrophenol、N,N’−bis(2−hydroxyethyl)−2−nitro−p−phenylenediamine、HC Blue 2、Basic Blue 26等のニトロ染料;分散染料;二酸化チタン、酸化亜鉛等の無機白色顔料;酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等の無機赤色系顔料;γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料;黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料;黒酸化鉄、低次酸化チタン等の無機黒色系顔料;マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色系顔料;酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料;群青、紺青等の無機青色系顔料;酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等のパール顔料;アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、金等の金属粉末顔料;表面処理無機及び金属粉末顔料;ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料;表面処理有機顔料;アスタキサンチン、アリザリン等のアントラキノン類、アントシアニジン、β−カロチン、カテナール、カプサンチン、カルコン、カルサミン、クエルセチン、クロシン、クロロフィル、クルクミン、コチニール、シコニン等のナフトキノン類、ビキシン、フラボン類、ベタシアニジン、ヘナ、ヘモグロビン、リコピン、リボフラビン、ルチン等の天然色素・染料;p−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、o−,m−,若しくはp−アミノフェノール、m−フェニレンジアミン、5−アミノ−2−メチルフェノール、レゾルシン、1−ナフトール、2,6−ジアミノピリジン等及びその塩等の酸化染料中間体及びカップラー;インドリン等の自動酸化型染料;ジヒドロキシアセトンが好ましいものとして挙げられる。
【0076】
消炎剤・抗炎症剤としては、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、グアイアズレン、アラントイン、インドメタシン、ケトプロフェン、イブプロフェン、ジクロフェナク、ロキソプロフェン、セレコシキブ、インフリキシマブ、エタネルセプト、酸化亜鉛、酢酸ヒドロコーチゾン、プレドニゾン、塩酸ジフェドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン;桃葉エキス、蓬葉エキス等の植物エキスが好ましいものとして挙げられる。
【0077】
抗喘息、抗慢性閉塞性肺疾患、抗アレルギー、免疫調整剤としては、アミノフィリン、テオフィリン類、ステロイド類(フルチカゾン、ベクロメタゾンなど)、ロイコトリエン拮抗薬類、トロンボキサン阻害薬類、インタール、β2刺激薬類(フォルモテロール、サルメテロール、アルブテロール、ツロブテロール、クレンブテロール、エピネフリンなど)、チオトロピウム、イプラトロピウム、デキストロメトルファン、ジメモルファン、ブロムヘキシン、トラニラスト、ケトチフェン、アゼラスチン、セチリジン、クロルフェニラミン、メキタジン、タクロリムス、シクロスポリン、シロリムス、メトトレキサート、サイトカイン調整剤類、インターフェロン、オマリズマブ、タンパク/抗体製剤が好ましいものとして挙げられる。
【0078】
抗感染症剤、抗真菌剤としては、オセルタミビルとザナミビル、イトラコナゾールが好ましいものとして挙げられる。
【0079】
これらの他、化粧品原料基準、化粧品種別配合成分規格、日本化粧品工業連合会成分表示名称リスト、INCI辞書(The International Cosmetic
Ingredient Dictionary and Handbook)、医薬部外品原料規格、日本薬局方、医薬品添加物規格、食品添加物公定書等に記載されている成分、及び、国際特許分類IPCがA61K7及びA61K8の分類に属する日本国及び諸外国特許公報及び特許公開公報(公表公報・再公表を含む)に記載されている成分等、公知の化粧料成分、医薬品成分、食品成分などを、公知の組み合わせ及び配合比・配合量で含有させることが可能である。
【0080】
一般に市販されている化粧料としては、例えば、洗浄成分として界面活性剤及び消毒剤、エモリエント成分として多価アルコール及び脂肪酸エステル等の油性基材、保湿成分として保湿剤、油性基材及び増粘剤、並びに肌荒れ防止成分として消炎剤、さらに、防腐剤及び安定剤等を添加して、洗顔料、ボディーソープ、クレンジング等が製造される。さらに粉体を添加することで粘度を調製することができる。
例えば、ベース成分として水及び無機塩、保湿成分として多価アルコール及び脂肪酸エステル等の油性基材及び植物エキス、増粘剤、肌荒れ防止成分として消炎剤、並びに機能性成分としてビタミン類、美白剤、酸化防止剤、抗しわ剤、抗老化剤、又はひきしめ剤等を添加して、化粧水及び美容液等が製造される。
例えば、ベース成分として水及びゲル化剤、エモリエント成分として多価アルコール及び脂肪酸エステル等の油性基材、保湿成分として保湿剤、油性基材及び増粘剤、乳化剤、並びに機能成分として抗酸化剤等を添加して、クリームが製造される。
例えば、ベース成分として水、エモリエント成分としてシリコーン油、植物油、脂肪酸エステル等の油性基材、保湿成分として多価アルコール等の保湿剤、増粘剤、乳化剤並びに機能性成分として抗酸化剤等を添加して、アイケア等が製造される。
例えば、ベース成分として水及び無機塩、エモリエント成分としてシリコーン油、脂肪酸エステル、多価アルコール及び脂肪酸等の油性基材、保湿成分として多価アルコール等の油性基材及び保湿剤並びに顔料を添加して、ベースメイク、口紅等が製造される。
例えば、ベース成分としてゲル化剤及び無機塩、エモリエント成分として増粘剤、顔料、製油並びに粉体を添加してチークカラー及びパウダーファンデーション等が製造される。
例えば、ベース成分としてエステル等の油性基材、エモリエント成分として油脂等の油性基材、及び増粘剤を添加して、ネイルカラーリムーバー等が製造される。
さらに、前記製品に、抗酸化剤として炭化水素及びロウ、紫外線散乱成分として無機塩及び粉体、並びに紫外線吸収剤等を添加することで、UVケアの性能を持たせることができる。
【0081】
本発明の脂質ペプチド型ゲル化剤は、化粧料においてゲル化剤・増粘剤としての働きを有するため、上記の従来市販されている化粧料のゲル化剤・増粘剤に置き換えて用いることができ、従来の化粧用よりもさらに安全性、使用感を良好にするものである。
【0082】
よって、本発明の低分子脂質ペプチド型ゲル化剤を含む化粧料としては、基礎化粧料、メイクアップ化粧料、ボディケア化粧料、芳香用化粧料、及びヘアケア化粧料が挙げられる。ただし、ここに例示されるものに限定されない。
【0083】
基礎化粧品とは、洗顔料・メイク落とし・化粧水・乳液・美容液・フェイスクリーム・パック・アイケア及びその他の顔のスキンケア用化粧品を指す。
【0084】
例えば、固形せっけん、洗顔フォーム、洗顔パウダー、及び洗顔シート用途等の洗顔料;クレンジングフォーム、クレンジングクリーム、クレンジングミルク、クレンジングローション、クレンジングジェル、クレンジングオイル及びクレンジングマスク等のメイク落とし;リポソース化粧水、柔軟化粧水、収れん化粧水、洗浄用化粧水及び多層式化粧水等の化粧水;エモリエントローション、モイスチャーローション、ミルキィーローション
、ナリシングローション、ナリシングミルク、スキンモイスチャー、モイスチャーエマルション、マッサージローション及び顔用角質スムーザー等の乳液;リポソーム化粧水、保湿美容液、美白美容液、及び紫外線防止美容液等の美容液;エモリエントクリーム、栄養クリーム、ナリシングクリーム、バニシングクリーム、モイスチャークリーム、ナイトクリーム、マッサージクリーム、クレンジングクリーム、メーキャップクリーム、ベースクリーム、シェービングクリーム、及び顔用角質軟化クリーム等のクリーム;ピールオフパック、粉末パック、ウォッシングパック、オイルパック、及びクレンジングマスク等のパック;アイセラム、アイジェル、アイクリーム等のアイケア;顔用のUVプロテクトエマルション、サンプロテクト、サンプロテクター、UVケアミルク、サンスクリーン、サンスクリーンクリーム及びサンタンクリーム等のUVケア、イスチャージェル等のジェル、フェイスピーリング、フェイススリミング剤等のその他基礎化粧料が挙げられる。
【0085】
メイクアップ化粧料としては、ベースメイク化粧料とポイントメイク化粧料が挙げられる。
【0086】
ベースメイク化粧料とはポイントメイクを引き立たせるためにする基礎のメイクのことを指し、化粧下地、コンシーラー、ファンデーション及びフェイスパウダー等を指す。例えば、メイクアップベース、ベースクリーム、カラーコントロールベース、UVカットベース等の化粧下地;パウダーコンシーラー及びクリーム・リキッドコンシーラー等のコンシーラー;パウダーファンデーション、UVカットファンデーション、クリームファンデーション、UVカットクリームファンデーション等のファンデーション;ルースパウダー、プレストパウダー、フェイスカラー、白粉等のフェイスパウダー等が挙げられる。
【0087】
ポイントメイク化粧料とは肌を彩り、美しく見せる化粧品を指し、例えば、アイカラー、アイライナー、マスカラ、アイブロウ、チークカラー、リップカラー、ネイルカラー等が挙げられる。
例えば、パウダーアイカラー、ペンシルアイカラー、及びアイシャドウ等のアイカラー;ペンシルアイライナー、リキッドアイライナー等のアイライナー;ボリュームアップマスカラ、ロングラッシュマスカラ、カールキープマスカラ、及びカラーマスカラ等のマスカラ;アイブロウペンシル、アイブロウパウダー及びアイブロウリキッド等のアイブロウ;パウダーチークカラー及びクリームチークカラー等のチークカラー;リップカラー、リップスティック、口紅、リップグロス及びリップライナー等のリップカラー;ネイルカラー、マニキュア、ネイルトップ、ベースコート、トップコート、オーバーコート、ネイルカラーリムーバー、除光液、ネイルカラーうすめ液及びネイルトリートメント等のネイルカラーが挙げられる。
【0088】
ボディケア化粧料としては、ボディローション・ボディクリーム、リップクリーム、ハンドクリーム、UVケア、むだ毛処理、フットケア、生汗防臭剤等が挙げられる。
例えば、ボディローション、ボディオイル及びボディミスト等のボディローション;ボディクリーム、ボディミルク、ボディジェル及びボディムース等のボディクリーム;保湿用リップクリーム、UVケア用リップクリーム及びカラーリップクリーム等のリップクリーム;ハンドクリーム及びハンドジェル等のハンドクリーム;ボディ用のUVプロテクトエマルション、サンプロテクト、サンプロテクター、UVケアミルク、サンスクリーン、サンスクリーンクリーム及びサンタンクリーム等のUVケア;除毛クリーム、除毛ムース、脱毛ワックス、むだ毛脱色剤及び体毛用シェービングクリーム等のむだ毛処理;フットマッサージ剤、フットスリミング剤、フットピーリング剤、かかと等の顔以外の角質除去剤、及びエモリエント剤等のフットケア;デオドラントローション、デオドラントパウダー、デオドラントスプレー、デオドラントスティック等の制汗防臭剤;虫除けスプレー等のインセクトリペラーが挙げられる。
【0089】
芳香化粧料としては、香水、パルファム、オードパルファム、オードトワレ、オーデコロン、練香水、芳香パウダー、香水石鹸、バスオイルが挙げられる。
【0090】
ヘアケア化粧料としては、シャンプー、ヘアリンス・コンディショナー、トリートメント・パック、ヘアスタイリング、ヘアスプレー・ヘアグロス、育毛・養毛剤、パーマ剤、ヘアカラーが挙げられる。
例えば、オイルシャンプー、クリームシャンプー、コンディショニングシャンプー、ふけ用シャンプー、ヘアカラー用シャンプー、リンス一体型シャンプー等のシャンプー;ヘアリンス・コンディショナー、フケ・スカルブケアリンス・コンディショナー、コントロールリンス・コンディショナー等のリンス・コンディショナー;ダメージケアトリートメント・パック、ダメージケアトリートメント・パック、フケ・スカルブケアトリートメント・パック及びコントロールトリートメント・パック等のトリートメント・パック;ヘアフォーム、ヘアクリーム、ヘアワックス、ヘアジェル、ヘアウォーター、ヘアローション、ヘアオイル及びヘアリキッド等のスタイリング;ヘアセットスプレー、ヘアセットミスト及びヘアグロス等のヘアスプレー・ヘアグロス、育毛剤、養毛剤、ヘアトニック及びヘアエッセンス等の育毛・養毛剤;ストレートパーマ剤、ウェーブパーマ剤、パーマプレトリートメント及びパーマアフタートリートメント等のパーマ剤;酸化染毛剤、ヘアブリーチ、ヘアカラープレトリートメント、ヘアカラーアフタートリートメント及びヘアマニキュア等のヘアカラーが挙げられる。
【0091】
また、一般に市販されている皮膚外用剤は化粧料と同様に、ベース成分、ゲル化剤・増粘剤、乳化剤により剤型を調製し、その他消炎剤等の薬効成分を含んでいる。このゲル化剤・増粘剤に代えて本発明の脂質ペプチド型ゲル化剤を用いることにより、安全性、使用感、及び薬効効果の持続性等が向上する。
【0092】
本発明の脂質ペプチド型ゲル化剤を含む皮膚外用剤としては、軟膏剤、貼付け剤、塗布剤、スプレー剤、点眼・点鼻・点耳剤、座薬、及び吸引剤等が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。
【0093】
本発明の化粧料又は皮膚外用剤の剤型は任意であり、水中油(O/W)型、油中水(W/O)型、W/O/W型、O/W/O型等の乳化型、油性、固形、液状、練状、スティック状、揮発性油型、粉状、ゼリー状、ジェル、ペースト状、乳化高分子型、シート状、ミスト状、スプレー型、が好ましいものとして挙げられるが、これらに限定されるものでない。また、本発明の製品形態も任意であり、分散液、乳液、クリーム、パック、スプレー、ゲル、シート等の化粧料又は皮膚外用剤に用いることができる。
【0094】
また、本発明の化粧料又は皮膚外用剤及び医療用機器は、低分子脂質ペプチド又はその薬学的に使用可能な塩からなる少なくとも1種の脂質ペプチド型ゲル化剤及び少なくとも1種の高分子化合物を含有する。
本発明の化粧料又は皮膚外用剤において、含有する脂質ペプチド型ゲル化剤の濃度は、有効であれば特に限定はされないが、化粧料又は皮膚外用剤の全体積に対して0.0001乃至50%(w/v)、好ましくは0.0001乃至20%(w/v)、より好ましくは0.001乃至10%(w/v)、さらに好ましくは0.1乃至5%(w/v)である。配合量を0.0001乃至50%(w/v)とすることで、化粧料又は皮膚外用剤に、肌、髪表面での伸び及び肌、髪へのなじみが優れ、しかもべたつき及びよれが生じず、かつ、貯蔵安定性が劣らないという特性を付与できる。
【0095】
また、前記脂質ペプチド型ゲル化剤に、上記高分子・増粘剤・ゲル化剤で例示された高分子化合物を含ませた本発明の化粧料又は皮膚外用材及び医療用機器は、該脂質ペプチド型ゲル化剤の効果と該高分子化合物の効果との相乗効果が得られる。例えば、前記高分子
化合物として血液凝固作用を有する高分子化合物を用いた場合は、前記脂質ペプチド型ゲル化剤により形成されたファイバーによる血球の物理的止血と、該高分子化合物による血餅の形成という効果が得られるため、本発明の医療用機器は止血効果に優れる。したがって、本発明の医療用機器は、創傷被覆基材又は止血用基材として利用することが可能となる。
本発明の化粧料又は皮膚外用剤において、含有する高分子化合物の濃度は、有効であれば特に限定はされないが、例えば、セルロース及びその誘導体、アルギン酸及びその塩を例に取ると、化粧料又は皮膚外用剤の全質量に対して0.5乃至3%(w/w)である。配合量を0.5乃至3%(w/w)とすることで、高分子化合物が有する効果を効果的に発揮し、かつ、貯蔵安定性が劣らないという特性を付与できる。
本発明の医療用機器において、含有する高分子化合物の濃度は、有効であれば特に限定はされないが、通常、医療用機器の全体積に対して0.1乃至3%(w/v)である。配合量を0.1乃至3%(w/v)とすることで、高分子化合物が有する効果を効果的に発揮し、かつ、貯蔵安定性が劣らないという特性を付与できる。
【0096】
前記高分子化合物としては、上記高分子・増粘剤・ゲル化剤で例示された高分子化合物を挙げることができる。例えば、血液凝固作用を有する高分子化合物としては、セルロース及びその誘導体、アルギン酸及びその塩及びアラビアゴム等が挙げられ、その中でも、血液の止血効果の観点から、アルギン酸ナトリム及びアラビアゴムが好ましい。
また、前記脂質ペプチド型ゲル化剤に、高分子化合物の替わりにたんぱく質を含ませた本発明の化粧料又は皮膚外用材及び医療用機器についても同様に、該脂質ペプチド型ゲル化剤の効果と該たんぱく質の効果との相乗効果が得られる。
前記たんぱく質としては、上記高分子・増粘剤・ゲル化剤で例示されている。
【実施例】
【0097】
以下、本発明を実施例及び試験例を例に挙げて詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例で用いる略記号の意味は、次のとおりである。
Gly:グリシン
His:ヒスチジン
DMF:ジメチルホルムアミド
TFA:トリフルオロ酢酸(渡辺化学工業(株))
DMSO:ジメチルスルホキシド
WSCD:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
【0098】
[脂質ペプチドの合成]
脂質ペプチドは、以下に示す方法で合成した。
【0099】
[合成例1:N−パルミトイル−Gly−HisTFA塩の無保護合成法]
<N−パルミトイルオキシ−コハク酸イミドの合成>
塩化パルミトイル165mL(0.544mol)のクロロホルム1L溶液に、氷冷攪拌下、N−ヒドロキシコハク酸イミド69.8g(0.598mol)を少量ずつ加え、次にトリエチルアミン83.1mL(0.598mol)を30分間で滴下した。この溶液を30分間氷冷下で攪拌し、徐々に室温に戻して7時間攪拌した。500mLの水で3回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮したところ、無色固体260.3g(quant)を得た。
1H−NMR(300MHz DMSO−d6 δppm):2.80(4H,s),2.65(2H,t,J=7.2Hz),1.61(2H,quintet,J=7.2Hz),1.24(24H,s),0.85(3H,t,J=6.3Hz).
【0100】
<N−パルミトイル−Glyの合成>
上記で合成したN−パルミトイルオキシ−コハク酸イミドの全量260.3gをDMF750mLに懸濁させ、氷冷攪拌下、Gly56.3g(0.750mol)とトリエチルアミン83.2mL(0.598mol)を水250mLに溶解させたものを滴下し、さらに30分間氷冷下攪拌後、徐々に室温に戻して15時間攪拌した。6N塩酸100mLを水1Lに溶解させてpH3に調整した水溶液を氷冷攪拌し、その中へ反応溶液を滴下して固体を析出させ、濾取した。これを、水2L、次いで、ヘキサン1Lで洗浄後、回収し、目的化合物114g(67%)を得た。
1H−NMR(300MHz DMSO−d6 δppm):8.10(1H,t,J=6Hz),3.71(2H,d,J=6Hz),2.10(2H,t,J=7.2Hz),1.48(2H,m),1.23(24H,s),0.85(3H,t,J=6.3Hz).
【0101】
<N−パルミトイルオキシ−グリシルオキシコハク酸イミドの合成>
上記で合成したN−パルトイル−Gly114g(0.364mol)、N−ヒドロキシコハク酸イミド44.0g(0.382mol)をDMF620mLに懸濁させて氷冷下攪拌し、その中へWSCDの塩酸塩73.2g(0.382mol)を加えて、氷冷下で30分間、さらに室温で20時間攪拌した。ここに氷水1.5Lを加え、不溶物を濾取した。得られた不溶物を5Lの水、1.5Lのエーテルで洗浄後、減圧下乾燥し、無色固体198gを定量的に得た。
【0102】
<N−パルミトイル−Gly−HisTFA塩の合成>
上記で合成したN−パルミトイルオキシ−グリシルオキシコハク酸イミドの全量198gをDMFに懸濁させ、氷冷攪拌下、L−ヒスチジン113g(0.728mol)とトリエチルアミン55.6mL(0.400mol)と水350mLとの懸濁液を加えた。その後、氷冷下で30分間攪拌後、室温に昇温させて、さらに17時間攪拌した。このまま析出している固体を濾取し固体を得た。これをトリフルオロ酢酸120mLと氷水1.5Lを混合させた溶液に加え攪拌後、不溶物を濾取して、得られた固体をジョッキにあけて、水2Lでの洗浄を三回行い、その後減圧下乾燥した。得られた乾燥固体をトリフルオロ酢酸400mLに溶かし、メンブランフィルターで少量の不溶物を濾去後、濾液を約半量まで減圧濃縮後、ジエチルエーテルで洗浄し、固体を減圧下乾燥した。この固体を、適当回数水洗浄して、得られた固体を減圧下乾燥して、無色固体を112g(54%)で得た。
【0103】
[合成例2:N−パルミトイル−Gly−His(フリー体)の合成]
500mLの4つ口フラスコに、ヒスチジン14.2g(91.6mmol)、N−パルミトイル−Gly−メチル30.0g(91.6mmol)、トルエン300gを投入し、塩基であるナトリウムメトキサイド 28%メタノール溶液35.3g(183.2mmol)を加え、油浴で60℃に加熱し1時間攪拌を続けた。その後、油浴を外し25℃まで放冷し、この溶液をアセトン600gで再沈殿し、濾取した。ここで得られた固体を、水600gとメタノール750gの混合溶液に溶解し、ここに6規定塩酸30.5mL(183.2mmol)を加えて中和し固体を析出させ、ろ過した。次に、得られた固体をテトラヒドロフラン120gと水30gの混合液に60℃で溶解させ、酢酸エチル150gを加え、60℃から30℃まで冷却した。その後、析出した固体をろ過した。さらに得られた固体を、テトラヒドロフラン120gとアセトニトリル60g溶剤中60℃に加熱し、1時間攪拌した後に冷却し、ろ過した。ここで得られた固体を水120gで洗浄し、ろ過後に減圧乾燥を行いN−パルミトイル−Gly−Hisフリー体の白色の結晶、26.9g(収率65%)を得た。
【0104】
[70%グリセリン水の調整]
グリセリン(純正化学(株)製)3.0gに、70%(w/v)の濃度になるように超純水(栗田工業(株)製)を加え、70%グリセリン水を調製した。室温で2ヶ月以上安定なもの試験に用いた。
【0105】
[使用感の評価]
下記実施例1乃至9及び比較例1乃至3のように化粧料又は皮膚外用剤を作成し、肌表面での伸び、肌へのなじみ、べたつき、及びよれについて、下記の評価基準に基づいて評価した。評価結果は表12に記載した。
【0106】
[べたつき感の評価]
下記実施例10乃至13及び比較例4又は5のように化粧料又は皮膚外用剤を作成し、肌表面での伸び、肌へのなじみ、及びべたつきについて、下記の評価基準に基づいて評価した。評価結果は表13に記載した。
【0107】
<固形物及びスプレーにおける使用感の試験方法>
固形物の試験においては左手背に試料をスパーテルで塗布し、また、スプレーの試験においては左手背に試料を1回スプレー噴霧した。この塗布又は噴霧した試料を10−20cm距離を50−100往復、皮膚上を滑らせて塗り、その際の使用感を評価した。よれは、乾燥時のよれ具合を評価した。
【0108】
<肌表面での伸びの評価基準>
化粧料又は皮膚外用剤を肌へ塗布した際に、肌表面上に滑らかに、ざらつきなく伸びたものを○、滑らかさ又はざらつき感があったものを×とした。
<肌へのなじみの評価基準>
化粧料又は皮膚外用剤を肌へ塗布した際に、肌内側に速やかに浸透し、肌に潤いなじむものを○、肌に潤いなじまないものを×とした。
<べたつきの評価基準>
化粧料又は皮膚外用剤を肌へ塗布した後、肌表面にべたつきの残らなかったものを○、べたつきの残ったものを×とした。
<よれの評価基準>
化粧料又は皮膚外用剤を肌へ塗布し、乾燥したあと、よれが生じなかったものを○、よれがほとんど見られないか、見られてもほんのわずかであるものを△、よれが生じたものを×とした。
【0109】
[実施例1:パルミトイル−Gly−HisTFA塩配合のゲル状化粧料における使用感]
合成例1で合成したパルミトイル−Gly−HisTFA塩、ポリエチレングリコール400(和光純薬(株)製)、フェノキシエタノール(純正化学(株)製)、1,3−ブタンジオール(関東化学(株)製)、グリセリン(純正化学(株)製)、エタノール(関東化学(株)製)、純水(共栄製薬(株)製 日本薬局方滅菌水)を表1に示す配合量でスクリュー管((株)マルエム製、No.7)に加え、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で、加熱(90℃―105℃、10分)し、室温静置してゲル化した。室温で6ヶ月以上安定なものを試験に用いた。使用感の評価を表12に示す。
【0110】
【表1】

【0111】
[実施例2:インドメタシン、l−メントールを配合したパルミトイル−Gly−HisTFA塩配合のゲル状皮膚外用剤における使用感]
合成例1で合成したパルミトイル−Gly−HisTFA塩、インドメタシン(東京化成工業(株)製)、l−メントール(純正化学(株)製)、ポリエチレングリコール400(和光純薬(株)製)、フェノキシエタノール(純正化学(株)製)、1,3−ブタンジオール(関東化学(株)製)、グリセリン(純正化学(株)製)、エタノール(関東化学(株)製)、純水(共栄製薬(株)製 日本薬局方滅菌水)を表2に示す配合における配合量をスクリュー管((株)マルエム製、No.7)に加え、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で、加熱(90℃―105℃、10分)し、室温静置してゲル化した。室温で6ヶ月以上安定なものを試験に用いた。使用感の評価を表12に示す。
【0112】
【表2】

【0113】
[実施例3:インドメタシンを配合したパルミトイル−Gly−HisTFA塩配合のクリーム状皮膚外用剤における使用感]
合成例1で合成したパルミトイル−Gly−HisTFA塩、インドメタシン(東京化成工業(株)製)、エタノール(関東化学(株)製)、純水(共栄製薬(株)製 日本薬局方滅菌水)を表1に示す配合における配合量をスクリュー管((株)マルエム製、No.7)に加え、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で、加熱(90℃―105℃、10分)し、室温静置してクリーム状に固体化した。室温で6ヶ月以上安定なものを試験に用いた。使用感の評価を表12に示す。
【0114】
【表3】

【0115】
[実施例4:パルミトイル−Gly−Hisフリー体のグリセリンゲル状化粧料の使用感]
合成例2で合成したパルミトイル−Gly−Hisフリー体、グリセリン(純正化学(株)製)、2−プロパノール(関東化学)、乳酸(純正化学(株)製)、乳酸カリウム(関東化学(株)製)純水(栗田工業(株)製超純水)を表4に示す配合における配合量をスクリュー管((株)マルエム社、No.7)に加え、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で、加熱(80℃、15分)し、室温静置してゲル化した。室温で1ヶ月以上安定なものを試験に用いた。使用感の評価を表12に示す。
【0116】
【表4】

【0117】
[実施例5:パルミトイル−Gly−Hisフリー体のプロピレングリコールゲル状化粧料の使用感]
合成例2で合成したパルミトイル−Gly−Hisフリー体、プロピレングリコール(純正化学(株)製)、乳酸(純正化学(株)製)、乳酸カリウム(関東化学(株)製)、純水(栗田工業(株)製超純水)を表5に示す配合における配合量をスクリュー管((株)マルエム製、No.7)に加え、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で、加熱(80℃、15分)し、室温静置してゲル化した。室温で1ヶ月以上安定なものを試験に用いた。使用感の評価を表12に示す。
【0118】
【表5】

【0119】
[実施例6:パルミトイル−Gly−Hisフリー体の1,3−ブタンジオールゲル状化粧料の使用感]
合成例2で合成したパルミトイル−Gly−Hisフリー体、1,3−ブタンジオール(関東化学(株)製)、乳酸(純正化学(株)製)、乳酸カリウム(関東化学(株)製)、純水(栗田工業(株)製超純水)を表6に示す配合における配合量をスクリュー管((株)マルエム製、No.7)に加え、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で、加熱(80℃、15分)し、室温静置してゲル化した。室温で1ヶ月以上安定なものを試験に用いた。使用感の評価を表12に示す。
【0120】
【表6】

【0121】
[実施例7:パルミトイル−Gly−Hisフリー体の70%グリセリン水・スプレーゲル状化粧料の使用感]
合成例2で合成したパルミトイル−Gly−Hisフリー体0.010gをスクリュー管((株)マルエム製、No.5)に入れ、70%グリセリン水10mLを加えて、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で、加熱(98℃、30分)し、得られた溶解液のうち6mLをスプレーバイアル((株)マルエム製、No.3L)に移し、室温まで放冷してゲル化した。
放冷後、溶液の流動性が失われて、スプレーバイアルを倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。使用感の評価を表12に示す。
【0122】
[実施例8:0.2%パルミトイル−Gly−Hisフリー体の70%グリセリン水・スプレーゲル状化粧料の使用感]
合成例2で合成したパルミトイル−Gly−Hisフリー体0.025gをスクリュー管((株)マルエム製、No.5)に入れ、70%グリセリン水12.5mLを加えて、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で、加熱(98℃、30分)し、得られた溶解液のうち6mLをスプレーバイアル((株)マルエム製、No.3L)に移し、室温まで放冷してゲル化した。
放冷後、溶液の流動性が失われて、スプレーバイアルを倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。使用感の評価を表12に示す。
【0123】
[実施例9:0.2%パルミトイル−Gly−Hisフリー体の70%グリセリン水・スプレーゾル(水分散体)状化粧料の使用感]
合成例2で合成したパルミトイル−Gly−Hisフリー体0.025gをスクリュー管((株)マルエム製、No.5)に入れ、70%グリセリン水12.5mLを加えて、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で、加熱(98℃、30分)し、得られた溶解液のうち6mLをスプレーバイアル((株)マルエム製、No.3L)に移し、室温まで放冷した。
放冷後、溶液の流動性が失われて、スプレーバイアルを倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。得られたゲルを、10分間、マイクロチューブミキサー((株)日伸理化製)で2,600rpmで振動させ、ゲルを機械的に崩壊させてゾル(水分散体)を得た。使用感の評価を表12に示す。
【0124】
【表7】

【0125】
[実施例10:インドメタシン及びカンフルを配合したパルミトイル−Gly−Hisフリー体の70%グリセリン水ゲル状皮膚外用剤のべたつき感]
合成例2で合成したパルミトイル−Gly−Hisフリー体、インドメタシン(東京化成工業(株)製)、カンフル(純正化学(株)製)、グリセリン(純正化学(株)製)、超純水(栗田工業(株)製)を表8に示す配合における配合量をスクリュー管((株)マルエム製、No.5)に加え、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で、加熱(100℃、30分)し、室温静置してゲル化した。室温で1ヶ月以上安定なものを試験に用いた。べたつき感の評価を表13に示す。
【0126】
【表8】

【0127】
[実施例11:インドメタシン、ベンザルコニウムを配合したパルミトイル−Gly−Hisフリー体の70%グリセリン水ゲル状皮膚外用剤のべたつき感]
合成例2で合成したパルミトイル−Gly−Hisフリー体、インドメタシン(東京化成工業(株)製)、ベンザルコニウム(塩化ベンザルコニウム溶液50%、純正化学(株)製)、グリセリン(純正化学(株)製)、超純水(栗田工業(株)製)を表9に示す配合における配合量をスクリュー管((株)マルエム製、No.5)に加え、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で、加熱(100℃、30分)し、室
温静置してゲル化した。室温で6ヶ月以上安定なものを試験に用いた。べたつき感の評価を表13に示す。
【0128】
【表9】

【0129】
[実施例12:アスコルビン酸2―グルコシドを配合したパルミトイル−Gly−Hisフリー体の70%グリセリン水ゲル状化粧料のべたつき感]
合成例2で合成したパルミトイル−Gly−Hisフリー体、インドメタシン(東京化成工業(株)製)、アスコルビン酸2−グルコシド(和光純薬(株)製)、グリセリン(純正化学(株)製)、超純水(栗田工業(株)製)を表10に示す配合における配合量をスクリュー管((株)マルエム製、No.5)に加え、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で、加熱(80℃、30分)し、室温静置してゲル化した。室温で1ヶ月以上安定なものを試験に用いた。べたつき感の評価を表13に示す。
【0130】
【表10】

【0131】
[実施例13:アスコルビン酸2−グルコシド及びインドメタシンを配合したパルミトイル−Gly−Hisフリー体の70%グリセリン水ゲル状皮膚外用剤のべたつき感]
合成例2で合成したパルミトイル−Gly−Hisフリー体、インドメタシン(東京化成工業(株)製)、アスコルビン酸2−グルコシド(和光純薬(株)製)、グリセリン(純正化学(株)製)、超純水(栗田工業(株)製)を表11に示す配合における配合量をスクリュー管((株)マルエム製、No.5)に加え、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で、加熱(80℃、30分)し、室温静置してゲル化した。室温で1ヶ月以上安定なものを試験に用いた。べたつき感の評価を表13に示す。
【0132】
【表11】

【0133】
以下のカルボキシビニルポリマー、ジェランガム又はカルボキシメチルセルロースを配合したグリセリン水溶液状化粧料を調製し使用感を試験した。使用感の評価を表12に示す。
【0134】
[比較例1:0.15%カルボキシビニルポリマーを配合したグリセリン水溶液状化粧料の使用感]
カルボキシビニルポリマーであるカーボポール940((株)アイ・ティー・オー製)0.252gに、2%(w/v)の濃度になるように日本局方滅菌水(共栄製薬(株)製)を加えた後、溶解するまで水浴中で加温し、6NのNaOH15μLを加え、室温静置して固体化させた。室温で6ヶ月以上安定なものを試験に用いた。使用感の評価を表13に示す。
【0135】
[比較例2:2%ジェランガムを配合したグリセリン水溶液状化粧料の使用感]
ジェランガム((関東化学(株)製))0.504gに、2%(w/v)の濃度になるように日本局方滅菌水(共栄製薬(株)製)を加えた後、溶解するまで水浴中で加温し、室温静置して固体化させた。室温で6ヶ月以上安定なものを試験に用いた。使用感の評価を表12に示す。
【0136】
[比較例3:5%カルボキシメチルセルロースを配合したグリセリン水溶液状化粧料の使用感]
カルボキシメチルセルロース(アズワン(株)製))0.5gに、5%(w/v)の濃度になるように日本局方滅菌水(共栄製薬(株)製)を加えた後、溶解するまで水浴中で加温し、室温静置して固体化させた。室温で6ヶ月以上安定なものを試験に用いた。使用感の評価を表12に示す。
【0137】
[比較例4:70%グリセリン水のべたつき感]
前記調製した70%グリセリン水を試験に用いた。べたつき感の評価を表13に示す。
【0138】
[比較例5:14%グリセリン水のべたつき感]
70%グリセリン水2mLに超純水(栗田工業(株)製)8mLを加えて、14%グリセリンとした。室温で2ヶ月以上安定なものを試験に用いた。べたつき感の評価を表13に示す。
【0139】
【表12】

【0140】
【表13】

【0141】
表12の実施例1乃至実施例9の結果より、本発明の脂質ペプチド型ゲル化剤、及び水又は(多価)アルコール若しくは水と(多価)アルコールの混合液、並びにベンザルコニウム、若しくはアスコルビン酸2−グルコシド等の機能性材料を含む化粧料、又はインドメタシン、l−メントール若しくはカンフル等を含む皮膚外用剤は、肌表面での伸び及び肌へのなじみに優れ、さらにべたつきが残らず及びよれが生じないという使用感が良好であった。それに対し、従来の多糖類増粘剤又は高分子等のゲル化剤を使用した比較例1乃至3においては、肌表面での伸び及び肌へのなじみは優れていたが、べたつき感が残り、さらによれも生じ、使用感に劣るものであった。
表13の実施例10乃至実施例13の結果より、本発明の脂質ペプチド型ゲル化剤を含む化粧料又は皮膚外用剤は、比較例4又は5で示された従来のグリセリン水で生じるべたつき感がなくなり、良好な結果が得られた。
また、本評価試験を実施する際、皮膚刺激、かゆみ等の肌トラブル等は全くなかった。
【0142】
下記実施例14乃至19のように高分子化合物を配合した化粧料を作成し、上記[使用感の評価]に基づき、評価した。評価結果は表20に記載した。
【0143】
[5%パルミトイル―Gly−Hisフリー体のグリセリン分散液の調製]
丸底フラスコ(200mL用)に、グリセリン(和光純薬(株)製)125gと撹拌子を入れ、オイルバス内で105℃まで加熱し、撹拌した。この状態で、ボールミル(IKA社製 ULTRA−TURRAX[登録商標] Tube Drive)で粉砕処理した合成例2で合成したパルミトイル―Gly−Hisフリー体6.25gを加え、30分間加熱を行い、半透明状の溶液を得た。その後、室温冷却を行い、スパーテルで軽く溶液をかき混ぜて、白色粘性の分散液を得た。
【0144】
[1.5%パルミトイル―Gly−Hisフリー体のプロピレングリコール分散液の調製]
蓋付ガラス製バイアル管((株)マルエム製、No.5)に合成例2で合成したパルミトイル―Gly−Hisフリー体0.4g及びプロピレングリコール(純正化学(株)製)を加えて26.7gとし、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社
製)で、加熱(90℃、30分)し、室温冷却して、分散液を得た。
【0145】
[1%パルミトイル―Gly−Hisフリー体のプロピレングリコール分散液の調製]
蓋付ガラス製バイアル管((株)マルエム製、No.5)に合成例2で合成したパルミトイル―Gly−Hisフリー体1g及びプロピレングリコール(純正化学(株)製)を加えて100gとし、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で、加熱(90℃、60分)し、室温冷却して、分散液を得た。
【0146】
[2%セルロース水溶液の調製]
蓋付ガラス製バイアル管((株)マルエム製、No.7)に純水25mLを加えて、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で、加熱(100℃、10分)した。次いで、ヒドロキシメチルプロピルセルロース(SE−06−HPMC、信越化学工業(株)製)0.5gを添加して、適宜軽く振とうを加えながら、さらに、20分間加熱を行い、室温冷却後、水溶液を得た。
【0147】
[1%アルギン酸プロピレングリコール塩水溶液の調製]
蓋付ガラス製バイアル管((株)マルエム製、No.7)にアルギン酸プロピレングリコール塩(純正化学(株)製)0.5g及び純水を加えて50mLとし、軽く振とうして水溶液を得た。
【0148】
[1%アルギン酸ナトリウム塩水溶液の調製]
蓋付ガラス製バイアル管((株)マルエム製、No.7)にアルギン酸ナトリウム塩(純正化学(株)製)0.5g及び純水を加えて50mLとし、軽く振とうして水溶液を得た。
【0149】
[5%ポリビニルアルコール水溶液の調製]
蓋付ガラス製バイアル管((株)マルエム製、No.7)に純水25mLを加えて、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で、加熱(100℃、10分)した。次いで、ポバール117((株)クラレ製)1.25gを添加して、適宜軽く振とうを加えながら、さらに、60分間加熱を行い、溶解を目視で確認後、室温冷却して、水溶液を得た。
【0150】
[0.5%メチルセルロース水溶液の調製]
蓋付ガラス製バイアル管((株)マルエム製、No.7)に純水25mLを加えて、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で、加熱(100℃、10分)した。次いで、メチルセルロース(シグマ・アルドリッチ社製)0.125gを添加して、適宜軽く振とうを加えながら、さらに、90分間加熱を行い、室温冷却後、水溶液を得た。
【0151】
[実施例14:セルロース配合パルミトイル−Gly−Hisフリー体のスプレーゲル状化粧料の使用感]
5%パルミトイル―Gly−Hisフリー体のグリセリン分散液1gをスクリュー管((株)マルエム製、No.5)に入れ、2%セルロース水溶液4.5g、純水4.5gを加えて、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で、加熱(90℃、20分)し、得られた溶解液をスプレーバイアル((株)マルエム製、No.3L)に移し、室温まで放冷した。
放冷後、溶液の流動性が失われて、スプレーバイアルを倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。使用感の評価を表24に示す。
【0152】
【表14】

【0153】
[実施例15:アルギン酸プロピレングリコール配合パルミトイル−Gly−Hisフリー体のスプレーゲル状化粧料の使用感]
5%パルミトイル―Gly−Hisフリー体のグリセリン分散液1gをスクリュー管((株)マルエム製、No.5)に入れ、1%アルギン酸プロピレングリコール水溶液9gを加えて、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で、加熱(80℃、20分)し、得られた溶解液をスプレーバイアル((株)マルエム製、No.3L)に移し、室温まで放冷した。
放冷後、溶液の流動性が失われて、スプレーバイアルを倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。使用感の評価を表24に示す。
【0154】
【表15】

【0155】
[実施例16:アルギン酸ナトリウム配合パルミトイル−Gly−Hisフリー体のスプレーゲル状化粧料の使用感]
5%パルミトイル―Gly−Hisフリー体のグリセリン分散液0.5gをスクリュー管((株)マルエム製、No.5)に入れ、1%アルギン酸ナトリウム4.5gを加えて、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で、加熱(90℃、20分)し、得られた溶解液をスプレーバイアル((株)マルエム製、No.3L)に移し、室温まで放冷した。
放冷後、溶液の流動性が失われて、スプレーバイアルを倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。使用感の評価を表24に示す。
【0156】
【表16】

【0157】
[実施例17:セルロース及びアルギン酸プロピレングリコール配合パルミトイル−Gl
y−Hisフリー体のスプレーゲル状化粧料の使用感]
5%パルミトイル―Gly−Hisフリー体のグリセリン分散液0.25gをスクリュー管((株)マルエム製、No.5)に入れ、2%セルロース水溶液5g及び1%アルギン酸プロピレングリコール4.75gを加えて、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で、加熱(80℃、15分)し、得られた溶解液をスプレーバイアル((株)マルエム製、No.3L)に移し、室温まで放冷した。
放冷後、溶液の流動性が失われて、スプレーバイアルを倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。使用感の評価を表24に示す。
【0158】
【表17】

【0159】
[実施例18:セルロース、アルギン酸プロピレングリコール及びポリビニルアルコール配合パルミトイル−Gly−Hisフリー体のスプレーゲル状化粧料の使用感]
5%パルミトイル―Gly−Hisフリー体のグリセリン分散液0.25g及び1%パルミトイル―Gly−Hisフリー体のプロピレングリコール分散液0.25gをスクリュー管((株)マルエム製、No.5)に入れ、2%セルロース水溶液3g、1%アルギン酸プロピレングリコール3g、5%ポリビニルアルコール水溶液1g及び純水2.5gを加えて、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で、加熱(80℃、20分)し、得られた溶解液をスプレーバイアル((株)マルエム製、No.3L)に移し、室温まで放冷した。
放冷後、溶液の流動性が失われて、スプレーバイアルを倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。使用感の評価を表24に示す。
【0160】
【表18】

【0161】
[実施例19:パルミトイル―Gly−Hisフリー体のアルギン酸プロピレングリコール室温分散ゲル状化粧料の使用感]
合成例2で合成したパルミトイル―Gly−Hisフリー体0.3gをメノウ鉢に入れ十分に粉砕後、1%アルギン酸プロピレングリコール15gを加えて、分散処理し、スク
リュー管((株)マルエム製、No.5)に移した。
16時間後、溶液の流動性が失われて、スクリュー管を倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。使用感の評価を表24に示す。
【0162】
【表19】

【0163】
[実施例20:アルギン酸プロピレングリコール配合パルミトイル―Gly−Hisフリー体のメレンゲ形態のゲル状化粧料の使用感]
合成例2で合成したパルミトイル―Gly−Hisフリー体0.9gをスクリュー管((株)マルエム製、No.7)に入れ、1%アルギン酸プロピレングリコール29.1gを加えて、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で、加熱(80℃、30分)し、得られた分散液をガラスシャーレ(径:6cm、高さ:4.5cm)に移し、23℃環境下で、マグネティックスターラー(ニッシン社製)を用いて、攪拌(500rpm、30分)した。
24時間後、溶液の流動性が失われて、ガラスシャーレを倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。使用感の評価を表24に示す。
【0164】
【表20】

【0165】
[実施例21:コラーゲン配合パルミトイル―Gly−Hisフリー体のゲル状化粧料の使用感]
実施例20で得られたアルギン酸プロピレングリコール配合パルミトイル―Gly−Hisフリー体のメレンゲ形態のゲル状化粧料4.5g及びシージェムコラーゲンAS(片倉チッカリン社製)0.5gをプラスティック製ジャー(径:3cm、高さ:2.5cm)に入れ、23℃環境下で、スパーテルにて十分に混合して、コラーゲン配合パルミトイル―Gly−Hisフリー体のゲル状化粧料を作成した。使用感の評価を表24に示す。
【0166】
【表21】

【0167】
[実施例22:ヒアルロン酸ナトリウム配合パルミトイル―Gly−Hisフリー体のゲル状化粧料の使用感]
実施例20で得られたアルギン酸プロピレングリコール配合パルミトイル―Gly−Hisフリー体のメレンゲ形態のゲル状化粧料4g及び1%ヒアルロン酸FCH水溶液(ヒアルロン酸ナトリウム、紀文フードケミファ社製)1gをプラスティック製ジャー(径:3cm、高さ:2.5cm)に入れ、23℃環境下で、スパーテルにて十分に混合して、ヒアルロン酸配合パルミトイル―Gly−Hisフリー体のゲル状化粧料を作成した。使用感の評価を表24に示す。
【0168】
【表22】

【0169】
[実施例23:メチルセルロース配合パルミトイル―Gly−Hisフリー体のゲル状化粧料の使用感]
実施例20で得られたアルギン酸プロピレングリコール配合パルミトイル―Gly−Hisフリー体のメレンゲ形態のゲル状化粧料4g及び0.5%メチルセルロース液1gをプラスティック製ジャー(径:3cm、高さ:2.5cm)に入れ、23℃環境下で、スパーテルにて十分に混合して、メチルセルロース配合パルミトイル―Gly−Hisフリー体のゲル状化粧料を作成した。使用感の評価を表24に示す。
【0170】
【表23】

【0171】
【表24】

【0172】
表24の実施例14乃至実施例23の結果より、本発明の脂質ペプチド型ゲル化剤、及び水又は高分子類の機能性材料を含むゲルは、肌表面での伸び、肌へのなじみに優れ、さらにべたつきが残らない使用感が得られた。
【0173】
[実施例24:セルロース及びアルギン酸プロピレングリコール配合パルミトイル−Gly−Hisフリー体のスプレーゲル状化粧料の使用感]
5%パルミトイル―Gly−Hisフリー体のグリセリン分散液0.5gをスクリュー管((株)マルエム製、No.5)に入れ、2%セルロース水溶液4.5gを加えて、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で、加熱(90℃、20分)し、得られた溶解液をスプレーバイアル((株)マルエム製、No.3L)に移し、室温まで放冷した。
放冷後、溶液の流動性が失われて、スプレーバイアルを倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。使用感の評価を表27に示す。
【0174】
【表25】

【0175】
[実施例25:アルギン酸プロピレングリコール配合パルミトイル―Gly−Hisフリー体のホイップ形態のゲル状化粧料の使用感]
合成例2で合成したパルミトイル―Gly−Hisフリー体0.9gをスクリュー管((株)マルエム製、No.7)に入れ、1%アルギン酸プロピレングリコール29.1gを加えて、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で、加熱(80℃、30分)し、得られた分散液をガラスシャーレ((株)マルエム製、No.3L)に移し、室温で攪拌(200rpm、10分)した。
24時間後、溶液の流動性が失われて、ガラスシャーレを倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。使用感の評価を表27に示す。
【0176】
【表26】

【0177】
【表27】

【0178】
表27の実施例24及び実施例25の結果より、本発明の脂質ペプチド型ゲル化剤、及び水又は高分子類の機能性材料を含むゲルは、肌表面での伸び、肌へのなじみに優れ、さらにべたつきが残らない使用感が得られた。
【0179】
[止血効果の評価]
下記実施例26乃至29のように血液凝固作用を有する高分子化合物を配合した医療機器を作成し、該医療用機器の止血効果について評価した。評価結果は表29に記載した。
【0180】
[参考例1及び実施例26乃至29:パルミトイル−Gly−Hisフリー体の医療用機器としての評価]
溶媒として50mMリン酸緩衝液(pH7.5)を用い、溶媒1mLに対し合成例2で合成したパルミトイル−Gly−Hisフリー体の最終濃度が0.3%(w/v)に、また表24に示す各血液凝固物質の最終濃度が1%(w/v)となるように50mMリン酸緩衝液(pH7.5)にそれぞれを混合し、加熱溶解させた。次に、この混合物をシャーレに移してゲル化を確認後、ゲルの中央部分に直径7mm、深さ5mmの穴を空けた。そして、モルモット保存血液150μLを穴に滴下し、室温下で一晩静置し、血液の凝固状態(止血効果)を目視にて評価した。
なお、使用したモルモット保存血液は無菌的に採血後、直ちに凝固を抑制する保存液と血液が1:1になるように調製されたサンプルであり、保存液の組成はクエン酸5.5g、クエン酸ナトリウム80.0g、塩化ナトリウム42.0g、ブドウ糖205.0gを10Lの精製水に溶解させたものである。
血液の凝固状態(止血効果)の評価を表29及び図3乃至6に示す。
【0181】
【表28】

【0182】
[参考例2及び比較例6乃至9:カルボキシメチルセルロース(以下、「CMC」ともいう)の医療用機器としての評価]
上記ゲル化剤の代わりにカルボキシメチルセルロースを用いた以外は、上記参考例1及び実施例26乃至29と同様の条件で、血液の凝固状態(止血効果)の評価を行った。血液の凝固状態(止血効果)の評価を表29及び図3乃至6に示す。
【0183】
【表29】

【0184】
表29の参考例1の結果より、ゲル化剤のみの場合は、血液凝固は見られないが、ゲル中に血液が侵出し血液を内包した状態となった。これに対し、実施例26乃至29の結果より、本発明の医療用機器は、良好な止血効果を示した。一方、ゲル化剤として食品用増粘材の一種であり工業分野においても広く応用されているカルボキシメチルセルロースを使用した比較例6乃至9では、血液全体がカルボキシメチルセルロースによりゲル化されたため、止血効果が得られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0185】
本発明の低分子量の脂質ペプチド型ゲル化剤を配合した化粧料又は皮膚外用剤は、肌及び髪へ塗布した際、肌、髪表面での伸び及び肌、髪へのなじみが優れ、さらにべたつきが無くよれも生じないという改善された使用感が得られ、さらに、剤型が液状等の場合でも
液だれのないため、広く化粧料又は皮膚外用剤として使用されることが期待される。
また、本発明の低分子量の脂質ペプチド型ゲル化剤及び高分子化合物を配合した化粧料又は皮膚外用剤は、肌、髪の表面での伸び及び肌、髪へのなじみに優れ、べたつきが残らないという改善された使用感が得られるため、広く化粧料又は皮膚外用剤として使用されることが期待される。
さらに、本発明の低分子量の脂質ペプチド型ゲル化剤及び高分子化合物を配合した化粧料又は皮膚外用剤及び医療用機器は、該脂質ペプチド型ゲル化剤の効果と該高分子化合物の効果との相乗効果が得られる。例えば、前記高分子化合物として血液凝固作用を有する高分子化合物を用いた場合は、前記脂質ペプチド型ゲル化剤により形成されたファイバーによる血球の物理的止血と、該高分子化合物による血餅の形成という2つの効果が得られるため、本発明の医療用機器は止血効果に優れ、創傷被覆基材又は止血用基材として利用されることが期待される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低分子脂質ペプチド又はその薬学的に使用可能な塩からなる少なくとも1種の脂質ペプチド型ゲル化剤と、少なくとも1種の高分子化合物を含有することを特徴とする、医療用機器。
【請求項2】
前記医療用機器が、創傷被覆基材又は止血用基材である、請求項1に記載の医療用機器。
【請求項3】
前記低分子脂質ペプチドが式(1)で表される、請求項1に記載の医療用機器。
【化1】

(式中、R1は炭素原子数9乃至23の脂肪族基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立して
水素原子、メチル基、エチル基、又は炭素原子数1乃至3の分枝鎖を有し得る炭素原子数3乃至7のアルキル基、フェニルメチル基、フェニルエチル基、又は−(CH2)n−X
基を表し、且つ、R2又はR3のうち少なくとも1つが−(CH2)n−X基を表し、nは
1乃至4の数であり、Xはアミノ基、グアニジノ基、カルバモイル基、又は窒素原子を1乃至3個有し得る5員環基若しくは6員環基又は5員環と6員環からなる縮合環基を表し、mは1乃至3である。)
【請求項4】
前記高分子化合物が、血液凝固作用を有する高分子化合物である、請求項1に記載の医療用機器。
【請求項5】
前記血液凝固作用を有する高分子化合物が、セルロース及びその誘導体、アルギン酸及びその塩、又はアラビアゴムである、請求項1に記載の医療用機器。
【請求項6】
前記血液凝固作用を有する高分子化合物が、アルギン酸ナトリウム又はアラビアゴムである、請求項5に記載の医療用機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−213657(P2012−213657A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−174045(P2012−174045)
【出願日】平成24年8月6日(2012.8.6)
【分割の表示】特願2011−538446(P2011−538446)の分割
【原出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(000003986)日産化学工業株式会社 (510)
【Fターム(参考)】