説明

医療用監視装置、医療用監視方法、アラーム通知システムおよびプログラム

【課題】被験者の容体に応じて通知先ごとに適切な内容の情報を送信する医療用監視装置を提供する。
【解決手段】医療用監視装置100は、被験者400の容体を第1時間間隔Tごとに測定して、容体を表す容体情報を生成する測定部111と、測定部111により生成された容体情報が正常か異常か判定する判定部112と、通知先を指定するアドレスを複数記憶しているアドレス記憶部121と、判定部112による判定結果に応じて、アドレス記憶部121に記憶されているアドレスごとに異なるアラーム情報を生成するアラーム生成部113と、アラーム生成部113により生成されたアラーム情報をそれぞれ、当該アラーム情報に対応するアドレスにネットワーク200を介して送信する送信部114と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用監視装置、医療用監視方法、アラーム通知システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
重篤な状態で病院に入院している患者の家族や近親者は、患者の状態を知るためには病院に詰める必要があり、心身ともに負担が大きい。また、在宅医療で自宅にて治療している患者の場合、医療関係者が傍にいることは稀である。患者が発作を起こす等の緊急時には、患者や患者の家族等が医療関係者に連絡する、または救急車を呼ぶといった対応を取るが、連絡が遅くなり致命的になる場合がある。
【0003】
上述のようなケースに対処するため、患者の容体を監視し、異常時には遠方にアラームを通知する監視装置が種々考案されている。
【0004】
この種の技術として、特許文献1(特開平11−70086号公報)には次のような技術が記載されている。当該技術は、監視装置が測定している脈拍や心電等が異常であるとき、当該監視装置に接続している携帯電話機から監視センターに通報される。監視センターは携帯電話機の端末IDに対応する患者のカルテを関係各所に出力することができる。
【0005】
また、この種の技術として、特許文献2(特開2002−102179号公報)には次のような技術が記載されている。当該技術は、被験者の容体を測定する機能を有する携帯電話機である。また、当該携帯電話機は、容体に異常が検出されたとき、通話や電子メール等で外部に通報することができる。
【0006】
また、この種の技術として、特許文献3(特開平11−70088号公報)には次のような技術が記載されている。当該技術は、被験者の容体を測定して心電図を生成する機能を有する携帯電話機である。また、当該携帯電話機は、生成された心電図の異常度に応じて通話先を選択し、自動的にコールすることができる。
【0007】
また、この種の技術として、特許文献4(特開平10−165377号公報)には次のような技術が記載されている。当該技術は、測定された被験者の容体を表示出力するディスプレイを備える監視装置である。また、上記監視装置は、測定された容体が異常であるとき異常を示す無線信号を送信し、当該無線信号を受信する受信機を医療関係者に携帯させることで、医療関係者に被験者の容体が異常であることを通報することができる。さらに、上記受信機が上記監視装置と遠距離にあることを検知すると上記ディスプレイはオフとなり近距離にあることを検知すると上記ディスプレイはオンとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−70086号公報
【特許文献2】特開2002−102179号公報
【特許文献3】特開平11−70088号公報
【特許文献4】特開平10−165377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら上記技術は、以下の点で改善の余地を有していた。監視装置等が被験者の容体に応じて何らかの情報を遠方に通知するとしても、その通知先が誰であるかによって、必要とされる情報は異なる。例えば、専門的な医療知識を有する医療関係者なら患者の容体を詳細に知る必要があるが、患者の近親者であれば容体が急変したことさえ分かればよい。しかし、上記技術はいずれにおいても、通知される情報(信号)の内容は通知先に関わらず一定であり、被験者の関係者全体に送信する情報として適切ではなかった。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被験者の容体に応じて通知先ごとに適切な内容の情報を送信する医療用監視装置、医療用監視方法、アラーム通知システムおよびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、被験者の容体を第1時間間隔ごとに測定して、前記容体を表す容体情報を生成する測定手段と、前記測定手段により生成された前記容体情報が正常か異常か判定する判定手段と、通知先を指定するアドレスを複数記憶しているアドレス記憶手段と、前記判定手段による判定結果に応じて、前記アドレス記憶手段に記憶されている前記アドレスごとに異なるアラーム情報を生成するアラーム生成手段と、前記アラーム情報をそれぞれ、前記アラーム生成手段により生成された当該アラーム情報に対応する前記アドレスにネットワークを介して送信する送信手段と、を備えることを特徴とする医療用監視装置が提供される。
【0012】
また、本発明によれば、被験者の容体を第1時間間隔ごとに測定して、前記容体を表す容体情報を生成する測定ステップと、前記測定ステップにおいて生成された前記容体情報が正常か異常か判定する判定ステップと、前記判定ステップにおける判定結果に応じて、通知先を指定する複数のアドレスごとに異なるアラーム情報を生成するアラーム生成ステップと、前記アラーム生成ステップにおいて生成された前記アラーム情報をそれぞれ、当該アラーム情報に対応する前記アドレスにネットワークを介して送信する送信ステップと、を備えることを特徴とする医療用監視方法が提供される。
【0013】
さらに、本発明によれば、被験者の容体を監視する医療用監視装置と、前記医療用監視装置とネットワークを介して通信可能な複数の情報端末と、を備え、前記医療用監視装置は、被験者の容体を第1時間間隔ごとに測定して、前記容体を表す容体情報を生成する測定手段と、前記測定手段により生成された前記容体情報が正常か異常か判定する判定手段と、複数の前記情報端末を個別に指定するアドレスを複数記憶しているアドレス記憶手段と、前記判定手段による判定結果に応じて、前記アドレス記憶手段に記憶されている前記アドレスごとに異なるアラーム情報を生成するアラーム生成手段と、前記アラーム生成手段により生成された前記アラーム情報をそれぞれ、当該アラーム情報に対応する前記アドレスにより指定される前記情報端末に送信する送信手段と、を含むことを特徴とするアラーム通知システムが提供される。
【0014】
さらに、本発明によれば、コンピュータにより読み出し可能な記憶媒体に格納されるプログラムであって、被験者の容体を第1時間間隔ごとに測定して、前記容体を表す容体情報を生成する測定処理と、前記測定処理において生成された前記容体情報が正常か異常か判定する判定処理と、前記判定処理による判定結果に応じて、通知先を指定する複数のアドレスごとに異なるアラーム情報を生成するアラーム生成処理と、前記アラーム生成処理において生成された前記アラーム情報をそれぞれ、当該アラーム情報に対応する前記アドレスにネットワークを介して送信する送信処理と、を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0015】
上記発明によれば、被験者の容体を示す容体情報に応じて通知先(アドレス)ごとに異なるアラーム情報を生成して、対応する通知先(アドレス)に当該アラーム情報を送信することができる。これにより、通知先ごとに適切な内容のアラーム情報を送信することができる。
【0016】
本発明によれば、被験者の容体に応じて通知先ごとに適切な内容の情報を送信する医療用監視装置、医療用監視方法、アラーム通知システムおよびプログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るアラーム通知システムの機能ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る医療用監視方法を表すフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るアラーム通知システムの機能ブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る医療用監視方法を表すフローチャートである。
【図5】本発明の第3の実施形態に係るアラーム通知システムの機能ブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る医療用監視方法を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0019】
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係るアラーム通知システム1000の機能ブロック図である。本実施形態のアラーム通知システム1000は、被験者400の容体を監視する医療用監視装置100を備える。また、アラーム通知システム1000は、医療用監視装置100とネットワーク200を介して通信可能な第1情報端末310と第2情報端末320と(複数の情報端末)を備える。
【0020】
第1情報端末310および第2情報端末320は、それぞれパーソナルコンピュータ、モバイル端末、携帯電話機またはPHS等の汎用的なコンピュータ装置であってもよいし、アラーム通知システム1000専用のコンピュータ装置であってもよい。また、医療用監視装置100は、ネットワーク200を解して第1情報端末310または第2情報端末320と同等のコンピュータ装置と更に通信可能であってもよい。
【0021】
ネットワーク200は、インターネット、公衆電話網またはLAN等であってもよいし、これらを複数組み合わせたものであってもよい。また、ネットワーク200は図1には図示していない他の装置を含んでもよく、医療用監視装置100と第1情報端末310(または第2情報端末320)との通信は上記他の装置を介して行われてもよい。
【0022】
医療用監視装置100は、被験者400の容体を第1時間間隔Tごとに測定して、容体を表す容体情報を生成する測定部111を含む。また、医療用監視装置100は、測定部111により生成された容体情報が正常か異常か判定する判定部112を含む。さらに、医療用監視装置100は、通知先を指定するアドレスを複数記憶しているアドレス記憶部121を含む。さらに、医療用監視装置100は、判定部112による判定結果に応じて、アドレス記憶部121に記憶されているアドレスごとに異なるアラーム情報を生成するアラーム生成部113を含む。さらに、医療用監視装置100は、アラーム生成部113により生成されたアラーム情報をそれぞれ、当該アラーム情報に対応するアドレスにネットワーク200を介して送信する送信部114を含む。
【0023】
ここに挙げた測定部111、判定部112、アラーム生成部113および送信部114は、情報処理部110に内包される。また、アドレス記憶部121は、記憶部120が有する記憶領域の一部または全部を用いて実現される。
【0024】
情報処理部110に内包される構成要素の全部または一部は、ハードウェアで実現されてもよいし、あるいは、プロセッサに処理を実行させるプログラム(またはプログラムコード)で実現されてもよい。プロセッサは、不揮発性メモリなどの記録媒体からそのプログラムを読み出し実行する。本実施形態において、プロセッサは情報処理部110であってもよく、記憶媒体は記憶部120であってもよい。
【0025】
情報処理部110に内包される構成がプログラムによって実施される場合、当該プログラムはプロセッサ(コンピュータ)により読み出し可能な記憶媒体に格納される。そして、当該プログラムは、被験者400の容体を第1時間間隔Tごとに測定して、容体を表す容体情報を生成する測定処理をプロセッサに実行させる。また、当該プログラムは、測定処理において生成された容体情報が正常か異常か判定する判定処理をプロセッサに実行させる。さらに、当該プログラムは、判定処理による判定結果に応じて、通知先を指定する複数のアドレスごとに異なるアラーム情報を生成するアラーム生成処理をプロセッサに実行させる。さらに、当該プログラムは、アラーム生成処理において生成されたアラーム情報をそれぞれ、当該アラーム情報に対応するアドレスにネットワーク200を介して送信する送信処理をプロセッサに実行させる。
【0026】
測定部111は、被験者400に装着されるセンサ131およびセンサ132から受け付けた電気信号に基づいて被験者400の容体を計測する。測定部111は、心拍数、血圧値、呼吸数および動脈血の酸素飽和度のうち少なくとも一つを被験者400の容体として測定する。そして、センサ131およびセンサ132は、測定部111が測定する被験者400の容体に応じて、それぞれの仕様、数または装着位置を変えてもよい。
【0027】
なお、センサ131およびセンサ132は、医療用監視装置100の一部であってもよいし、医療用監視装置100が装着可能な外部ツールであってもよい。
【0028】
また、測定部111は第1時間間隔Tごとに被験者400の容体を測定する。ここで、第1時間間隔Tとは、一定間隔であってもよいし、不定間隔であってもよい。また、第1時間間隔Tは、デフォルトで設定されていてもよく、操作入力部(図示せず)が受け付けたユーザの操作入力に応じて設定可能であってもよい。
【0029】
さらに、測定部111は、測定された被験者400の容体を表す容体情報を生成する。ここで、容体情報とは、それぞれの容体を定量的に示す情報であってもよいし、定性的に示す情報であってもよい。例えば、「心拍数80」、「登録されている血圧値より高い」等を示す情報であってもよい。
【0030】
判定部112は、所定のルールに基づいて測定部111により生成された容体情報が正常か異常かを判定する。ここで、所定のルールとは、例えば「心拍数が40以上120以下を示すときは正常」、「登録されている血圧値より高いときは異常」等であってもよい。
【0031】
また、測定部111が同時刻に複数の容体情報を生成するとき、判定部112は、容体情報がそれぞれ正常か異常かを判定してもよい。このとき、判定部112により容体情報のうち少なくとも一つが異常と判定されるとき、アラーム生成部113はアラーム情報を生成してもよい。
【0032】
アラーム生成部113は、測定部111により生成された容体情報をアラーム情報に内包させてもよい。また、アラーム生成部113は、測定部111が測定した時刻、判定部112が異常と判定した時刻またはアラーム生成部113がアラーム情報を生成する時刻等を示す時刻情報をアラーム情報に内包させてもよい。
【0033】
本実施形態のアラーム生成部113は、判定部112の判定結果が異常であるとき、アドレス記憶部121に記憶されているアドレスごとに異なるアラーム情報を生成する。
【0034】
アドレス記憶部121は、少なくとも第1情報端末310と第2情報端末320のアドレスを含む複数のアドレスを記憶している。ここで、第1情報端末310を指定するアドレスを第1アドレスとし、第2情報端末320を指定するアドレスは第2アドレスとする。
【0035】
そして、アラーム生成部113は、第1アドレスに対応して、測定部111により生成された容体情報を含む詳細アラーム情報を生成する。また、アラーム生成部113は、第2アドレスに対応して、詳細アラーム情報より簡易である簡易アラーム情報を生成する。
【0036】
この場合、第1情報端末310は、詳細な情報を要する医療関係者に対して詳細アラーム情報を出力(表示出力、印字出力等)可能であることが望ましい。また、第2情報端末320は、詳細な情報を理解するだけの専門知識を有さない一般人、例えば被験者400の近親者等に対して簡易アラーム情報を出力可能であることが望ましい。
【0037】
なお、アドレス記憶部121は、個別に詳細アラーム情報または簡易アラーム情報のいずれかと対応させたアドレスを記憶していてもよい。このとき、アラーム生成部113は、アドレス記憶部121からアドレスを読み出すとともに、当該アドレスに対応するアラーム情報(詳細アラーム情報または簡易アラーム情報)を生成してもよい。
【0038】
または、アドレス記憶部121は、複数のアドレス群に分類して複数のアドレスを記憶しており、この複数のアドレス群ごとに詳細アラーム情報に対応させるか、または簡易アラーム情報に対応させるか設定されたアドレスを記憶していてもよい。このとき、アラーム生成部113は、アドレス記憶部121から読み出したアドレスが分類されているアドレス群に対応するアラーム情報(詳細アラーム情報または簡易アラーム情報)を生成してもよい。
【0039】
送信部114は、詳細アラーム情報または簡易アラーム情報の少なくとも一方を電子メール形式で送信する。特に、簡易アラーム情報は、電子メール形式で送信されることが望ましい。簡易アラーム情報を受信する第2情報端末320は、被験者400の近親者等の一般人(医療に関する専門知識が乏しい者)が所有している汎用的なコンピュータ装置であることが想定される。利便性を考慮すると簡易アラーム情報は電子メール形式で送信されることが望ましい。
【0040】
また、詳細アラーム情報を受信する第1情報端末310は、アラーム通知システム1000専用のコンピュータ装置であって、詳細アラーム情報に基づいて解析する機能や、解析結果を出力(表示出力、印字出力等)する機能等を備えていることが望ましい。この場合、詳細アラーム情報は必ずしも電子メール形式である必要はなく、送信部114は、詳細アラーム情報をアラーム通知システム1000専用のデータ形式で送信してもよい。
【0041】
図2は、本実施形態に係る医療用監視方法を表すフローチャートである。本実施形態の医療用監視方法は、被験者400の容体を第1時間間隔Tごとに測定して、容体を表す容体情報を生成する測定ステップ(ステップS101)を備える。また、この医療用監視方法は、測定ステップ(ステップS101)において生成された容体情報が正常か異常か判定する判定ステップ(ステップS102)を備える。さらに、この医療用監視方法は、判定ステップにおける判定結果に応じて(ステップS103)、通知先を指定する複数のアドレスごとに異なるアラーム情報を生成するアラーム生成ステップ(ステップS104)を備える。さらに、この医療用監視方法は、アラーム生成ステップ(ステップS104)において生成されたアラーム情報をそれぞれ、当該アラーム情報に対応するアドレスにネットワーク200を介して送信する送信ステップ(ステップS105)を備える。
【0042】
この医療用監視方法は、アラーム生成ステップ(ステップS104)において、複数のアドレスのうち第1アドレスに対応するアラーム情報として、測定ステップにおいて生成された容体情報を含む詳細アラーム情報を生成する。また、この医療用監視方法は、アラーム生成ステップ(ステップS104)において、複数のアドレスのうち第2アドレスに対応するアラーム情報として、詳細アラーム情報より簡易である簡易アラーム情報を生成する。
【0043】
この医療用監視方法は、判定ステップにおいて異常と判定されたとき(ステップS103のNO)、アラーム生成ステップ(ステップS104)に移行して、アラーム情報を生成する。また、この医療用監視方法は、判定ステップにおいて正常と判定された以降は(ステップS103のYES)待機状態となる。また、この医療用監視方法は、送信ステップ(ステップS105)においてアラーム情報を送信した以降も待機状態となる。
【0044】
この医療用監視方法は、測定ステップ(ステップS101)において被験者400の容体を測定してから第1時間間隔Tが経過したとき(ステップS106のYES)、再び測定ステップ(ステップS101)に移行して、ステップS101以降のステップを繰り返す。また、この医療用監視方法は、測定ステップ(ステップS101)において被験者400の容体を測定してから第1時間間隔Tが経過する間(ステップS106のNO)、ステップS101〜ステップS105のいずれかを処理しているか、または待機状態であるかである。
【0045】
また、この医療用監視方法を終了するとき(ステップS107のYES)となったら、この医療用監視方法のフローは終了となる。ここで、図1で説明したアラーム通知システム1000に本実施形態の医療用監視方法を適用する場合、この医療用監視方法を終了するときとは、医療用監視装置100の電源断となるとき、または測定部111の機能をオフとするとき等である。当然、この医療用監視方法を終了しない間(ステップS107のNO)、この医療用監視方法は、ステップS101〜ステップS105のいずれかを処理しているか、または待機状態であるかである。
【0046】
ここで、第1の実施形態の効果について述べる。まず、本実施形態は、被験者の容体を示す容体情報に応じて通知先(アドレス)ごとに異なるアラーム情報を生成して、対応する通知先(アドレス)に当該アラーム情報を送信することができる。これにより、通知先ごとに適切な内容のアラーム情報を送信することができる。
【0047】
また、本実施形態は、アドレスに対応して詳細アラーム情報または簡易アラーム情報を送信することができる。これにより、通知先の相手に応じて詳細アラーム情報または簡易アラーム情報を送信することができる。
【0048】
さらに、本実施形態は、詳細アラーム情報または簡易アラーム情報の少なくとも一方を電子メール形式で送信することができる。これにより、通知先の情報端末としてパーソナルコンピュータ、モバイル端末、携帯電話機またはPHS等の汎用的なコンピュータ装置を採用することができる。
【0049】
〔第2の実施形態〕
図3は、本発明の第2の実施形態に係るアラーム通知システム1000の機能ブロック図である。本実施形態のアラーム通知システム1000は、第1の実施形態と同様に医療用監視装置100、第1情報端末310および第2情報端末320を備える。また、医療用監視装置100は、第1の実施形態と同様に情報処理部110と記憶部120を含んでいる。さらに、情報処理部110は、第1の実施形態と同様に測定部111、判定部112、アラーム生成部113および送信部114を有している。さらに、記憶部120は、第1の実施形態と同様にアドレス記憶部121を有している。
【0050】
記憶部120は、判定結果を記憶する判定結果記憶部123をさらに有している。また、情報処理部110は、判定結果記憶部123に判定結果が記憶されるごとに、新たに記憶された新規判定結果と前回記憶された前回判定結果とを比較する比較部116を有している。そして、アラーム生成部113は、比較部116により新規判定結果と前回判定結果とが異なると判定されたとき、アラーム情報(簡易アラーム情報および詳細アラーム情報)を生成する。すなわち、判定部112の判定結果が正常から異常へと変化したとき、または異常から正常に変化したとき、アラーム生成部113はアラーム情報を生成する。
【0051】
なお、比較部116が新規判定結果と前回判定結果とが等しいと判定する基準は、完全一致ではなくてもよい。少なくとも新規判定結果や前回判定結果に係る時刻情報は比較判定に影響しない。
【0052】
また、記憶部120は、測定部111により生成される容体情報を記憶する容体情報記憶部122をさらに有している。そして、アラーム生成部113は、容体情報記憶部122に記憶された容体情報のうち異なる時刻に生成された複数の容体情報を詳細アラーム情報に内包させる。
【0053】
さらに、アラーム生成部113は、容体情報記憶部122に記憶された容体情報のうち少なくとも一つの容体情報を簡易アラーム情報に内包させてもよい。さらに、アラーム生成部113は、簡易アラーム情報に内包される容体情報と、当該容体情報とは異なる時刻に生成された少なくとも一つの容体情報と、を詳細アラーム情報に内包させてもよい。
【0054】
例えば、アラーム生成部113は、比較部116により新規判定結果と前回判定結果とが異なると判定されたとき、新規判定結果と判定された容体情報を簡易アラーム情報に内包させてもよい。このとき、アラーム生成部113は、当該容体情報と、当該容体情報が生成された時刻以前の所定時間分(例えば1日分等)の容体情報を詳細アラーム情報に内包させてもよい。
【0055】
なお、アラーム生成部113は、第1の実施形態と同様に、測定部111が測定した時刻、判定部112が異常と判定した時刻またはアラーム生成部113がアラーム情報を生成する時刻等を示す時刻情報を当該アラーム情報に内包させてもよい。
【0056】
また、アラーム生成部113は、「被験者400の容体が悪化しました」「被験者400が意識を取り戻したようです」「被験者400の容体を至急確認してください」等のメッセージ情報をアラーム情報に内包させてもよい。
【0057】
ここで、容体情報、時刻情報またはメッセージ情報をアラーム情報に内包させるとは、電子メール形式のデータに容体情報を含むデータファイルを添付することであってもよいし、電子メール形式のデータの本文に含めることであってもよい。
【0058】
さらに、情報処理部110は、第1時間間隔Tよりも長い第2時間間隔Tごとに容体情報記憶部122に記憶された容体情報の少なくとも一部を内包する通常報告情報を生成する通常報告生成部115を有する。そして、送信部114は、通常報告生成部115により生成された通常報告情報を第1アドレス(第1情報端末310)に送信する。
【0059】
なお、第2時間間隔Tは一定間隔であってもよく、不定間隔であってもよい。また、第2時間間隔Tは、デフォルトで設定されていてもよく、操作入力部(図示せず)が受け付けたユーザの操作入力に応じて設定可能であってもよい。
【0060】
例えば、第1時間間隔Tが数秒または数十秒程度の時間間隔とすれば、第2時間間隔Tは数時間または数十時間程度の時間間隔とするのが適切である。当然、測定している被験者400の容体に応じて適切な時間を設定すればよく、第1時間間隔Tまたは第2時間間隔Tそれぞれが上記より長くてもよいし、短くてもよい。
【0061】
情報処理部110は、ネットワーク200により通信可能なデータ容量を計測する通信容量計測部117を含む。そして、アラーム生成部113は、通信容量計測部117により計測されるデータ容量以下でアラーム情報を生成する。
【0062】
ここで、アラーム生成部113が通信容量計測部117により計測されるデータ容量以下でアラーム情報を生成する手段として、アラーム情報を分割してもよいし、圧縮してもよい。また、アラーム生成部113は、アラーム情報に内包させる容体情報の総数や総データ量を制限してもよい。
【0063】
図4は、本実施形態に係る医療用監視方法を表すフローチャートである。本実施形態の医療用監視方法は、測定ステップ(ステップS201)、判定ステップ(ステップS203)、アラーム生成ステップ(ステップS208)および送信ステップ(ステップS209)を備える。ここに挙げたステップは、第1の実施形態の医療用監視方法に備えられる測定ステップ(ステップS101)、判定ステップ(ステップS102)、アラーム生成ステップ(ステップS104)および送信ステップ(ステップS105)と同等である。
【0064】
また、本実施形態の医療用監視方法は、測定ステップ(ステップS201)において生成される容体情報を記憶する容体情報記憶ステップ(ステップS202)を備える。そして、この医療用監視方法は、アラーム生成ステップ(ステップS208)において、容体情報記憶ステップ(ステップS202)において記憶された容体情報のうち異なる時刻に生成された複数の容体情報を詳細アラーム情報に内包させる。
【0065】
さらに、この医療用監視方法は、判定結果を記憶する判定結果記憶ステップ(ステップS204)を備える。さらに、この医療用監視方法は、今回の判定結果記憶ステップ(ステップS204)において新たに記憶された新規判定結果と、前回の判定結果記憶ステップ(ステップS204)において記憶された前回判定結果と、を比較する比較ステップ(ステップS205)を備える。比較ステップにおいて新規判定結果と前回判定結果とが異なると判定されたとき(ステップS206のNO)、アラーム生成ステップ(ステップS208)においてアラーム情報を生成する。
【0066】
なお、この医療用監視方法は、比較ステップにおいて新規判定結果と前回判定結果とが等しいと判定されたとき(ステップS206のYES)、待機状態となる。
【0067】
さらに、この医療用監視方法は、ネットワーク200において通信可能なデータ容量を計測する通信容量計測ステップ(ステップS207)を備える。そして、この医療用監視方法は、アラーム生成ステップ(ステップS208)に移行して、通信容量計測ステップ(ステップS207)において計測されるデータ容量以下でアラーム情報を生成する。
【0068】
さらに、この医療用監視方法は、第1時間間隔Tよりも長い第2時間間隔Tごとに容体情報記憶ステップ(ステップS202)において記憶された容体情報の少なくとも一部を内包する通常報告情報を生成する通常報告生成ステップ(ステップS213)を備える。そして、この医療用監視方法は、送信ステップ(ステップS209)に移行して、通常報告生成ステップ(ステップS213)において生成された通常報告情報を第1アドレスに送信する。
【0069】
この医療用監視方法を終了するとき(ステップS210のYES)となったら、この医療用監視方法のフローは終了となる。当然、この医療用監視方法を終了しない間(ステップS210のNO)、この医療用監視方法は、ステップS201〜ステップS213のいずれかを処理しているか、または待機状態であるかである。
【0070】
この医療用監視方法は、測定ステップ(ステップS201)において被験者400の容体を測定してから第1時間間隔Tが経過したとき(ステップS211のYES)、再び測定ステップ(ステップS201)に移行して、ステップS201以降のステップを繰り返す。また、この医療用監視方法は、測定ステップ(ステップS201)において被験者400の容体を測定してから第1時間間隔Tが経過するまでの間(ステップS211のNO)、ステップS201〜ステップS213のいずれかを処理しているか、または待機状態であるかである。
【0071】
この医療用監視方法は、送信ステップ(ステップS209)において通常報告情報を送信してから第2時間間隔Tが経過したとき(ステップS212のYES)、通常報告ステップ(ステップS213)に移行して通常報告情報を生成する。また、この医療用監視方法は、送信ステップ(ステップS209)において通常報告情報を送信してから第2時間間隔Tが経過するまでの間(ステップS211のNO)、ステップS201〜ステップS213のいずれかを処理しているか、または待機状態であるかである。
【0072】
ここで、第2の実施形態の効果について述べる。まず、本実施形態は容体情報を記憶して、詳細アラーム情報に異なる時刻に生成された容体情報を内包させることができる。これにより、詳細アラーム情報を閲覧した者は、どのような経過で被験者400の容体が変化したのか認識することができる。
【0073】
また、本実施形態は、簡易アラーム情報にも容体情報を少なくとも一つ内包させることができる。これにより、簡易アラーム情報を閲覧した者は、どの容体(心拍数、血圧値、呼吸数、動脈血の酸素飽和度等)が変化したのか認識することができる。
【0074】
さらに、本実施形態は、第1時間間隔Tよりも長い第2時間間隔Tごとに通常報告情報を生成して第1アドレス(第1情報端末310)に送信することができる。これにより、アラーム情報に含まれない容体情報も第1情報端末310にて蓄積することができる。
【0075】
さらに、本実施形態は、時々刻々変化する通信可能なデータ容量を測定し、測定されたデータ容量以下でアラーム情報を生成することができる。これにより、アラーム情報、特に詳細アラーム情報のデータ容量が過大となって通信エラーとなることを防ぐことができる。
【0076】
さらに、本実施形態は、新規判定結果と前回判定結果とが異なるとき、アラーム情報を生成して送信することができる。これにより、容体が正常から異常になったときだけではなく、異常から正常になったとき(容体が回復したとき)にもアラーム情報を送信することができる。
【0077】
〔第3の実施形態〕
図5は、本発明の第3の実施形態に係るアラーム通知システム1000の機能ブロック図である。本実施形態のアラーム通知システム1000は、第2の実施形態と同様に医療用監視装置100、第1情報端末310および第2情報端末320を備える。また、医療用監視装置100は、第2の実施形態と同様に情報処理部110と記憶部120を含んでいる。さらに、情報処理部110は、第2の実施形態と同様に測定部111、判定部112、アラーム生成部113、送信部114、通常報告生成部115、比較部116および通信容量計測部117を有している。さらに、記憶部120は、第2の実施形態と同様にアドレス記憶部121、容体情報記憶部122および判定結果記憶部123を有している。
【0078】
情報処理部110は、被験者400と当該被験者400の周囲を撮像して生成される画像データを容体情報として処理する撮像処理部118をさらに有する。また、情報処理部110は、撮像処理部118により生成された画像データを解析することにより被験者400の位置を検出する位置検出部119をさらに有する。そして、判定部112は、当該被験者400の位置が所定範囲内に収まらないとき異常と判定する。また、判定部112は、当該被験者400の位置が所定範囲内に収まっているとき正常と判定する。
【0079】
撮像処理部118は、カメラ133により生成された画像データを取得して処理する。このカメラは暗室撮影も可能な赤外線カメラ等が望ましい。なお、カメラ133は医療用監視装置100の一部であってもよいし、医療用監視装置100が装着可能な外部ツールであってもよい。
【0080】
本実施形態の医療用監視装置100は、被験者400の位置を容体として扱う。すなわち、自力移動が困難な患者や精神障害等によって夜間徘徊の症状を抱える患者が移動したことを検知して異常と判定するものである。
【0081】
また、判定部112は、被験者400の位置の判定に限らず、測定部111により生成される容体情報の判定も併せて行う。
【0082】
撮像処理部118により処理された画像データは、容体情報として容体情報記憶部122に記憶されてもよい。
【0083】
また、アラーム生成部113は、撮像処理部118により処理された画像データを容体情報としてアラーム情報に内包させてもよい。
【0084】
本実施形態において、医療用監視装置100は画像データを内包させたアラーム情報を送信するので、比較的大きな通信容量を確保する必要がある。よって、医療用監視装置100(送信部114)は、ネットワーク200に有線接続することが望ましい。この場合、医療用監視装置100の移動は有線接続により制限されるが、移動不可である被験者400の監視に用いることを想定しているので、大きな問題とはならない。
【0085】
図6は、本実施形態に係る医療用監視方法を表すフローチャートである。本実施形態の医療用監視方法は、測定ステップ(ステップS301)、容体情報記憶ステップ(ステップS304)、判定ステップ(ステップS305)、判定結果記憶ステップ(ステップS306)、比較ステップ(ステップS307)、通信量計測ステップ(ステップS309)、アラーム生成ステップ(ステップS310)、送信ステップ(ステップS311)および通常報告生成ステップ(ステップS315)を備える。ここに挙げたステップは、第2の実施形態の医療用監視方法に備えられる測定ステップ(ステップS201)、容体情報記憶ステップ(ステップS202)、判定ステップ(ステップS203)、判定結果記憶ステップ(ステップS204)、比較ステップ(ステップS205)、通信量計測ステップ(ステップS207)、アラーム生成ステップ(ステップS208)、送信ステップ(ステップS209)および通常報告生成ステップ(ステップS213)と同等である。
【0086】
また、この医療用監視方法は、被験者400と当該被験者400の周囲を撮像して生成される画像データを容体情報とする撮像処理ステップ(ステップS302)を備える。さらに、この医療用監視方法は、撮像処理ステップ(ステップS302)において処理された画像データを解析することにおいて被験者400の位置を検出する位置検出ステップ(ステップS303)を備える。さらに、この医療用監視方法は、判定ステップ(ステップS305)において、当該被験者400の位置が所定範囲内に収まらないとき異常と判定する。
【0087】
ここで、第3の実施形態の効果について述べる。まず、被験者400の位置が所定範囲内に収まっていないとき異常と判定する。これにより、自力移動が困難な患者がベッドから転落したことや、患者が夜間徘徊していること等を検知することができる。
【0088】
また、本実施形態は、処理された画像データをアラーム情報に内包して送信する。これにより、当該アラーム情報を閲覧した者は、被験者400の容体を画像データから認識することができる。
【0089】
さらに、本実施形態は、ネットワーク200に有線接続しているので、比較的大きなデータ容量のアラーム情報を送信することができる。また、無線通信の圏外エリアにおいても使用することができる。そして、通信可能なデータ容量の推移も安定するので、通信エラーの発生も低減できる。
【0090】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0091】
例えば、アラーム生成部113は、比較部116により繰り返された判定の結果が、新規判定結果と前回判定結果とが異なると判定された後、新規判定結果と前回判定結果とが等しいと所定の回数判定されたとき、アラーム情報を生成してもよい。これにより、一時的な判定結果の変化によるアラーム情報の誤送信を防ぐことができる。
【0092】
また、図2において、判定ステップにおいて正常と判定されたとき(ステップS103のYES)、または送信ステップ(ステップS105)を終えたとき、ステップS106に移行するように図示している。これは、ステップS101〜ステップS105が第1時間間隔Tより短い時間で処理される場合において正しい。ステップS101〜ステップS105が第1時間間隔Tより長い時間で処理される場合、ステップS101の処理は他の処理と並行して処理されてもよい。当然、図4および図6においても同様である。
【0093】
また、図2において、ステップS107において本発明の医療用監視方法のフローを終了するか否か選択しているが、当該ステップは本発明の医療用監視方法のフロー中のどのタイミングで実行されてもよい。このとき、当該ステップが他のステップの処理途中で実行された場合、当該他のステップは処理途中で強制終了としてもよいし、当該他のステップとそれに伴うステップの処理が終了してから終了としてもよい。当然、図4および図6においても同様である。
【0094】
さらに、第3の実施形態において医療用監視装置100はネットワーク200と有線接続するものとして記載した。しかし、本発明の医療用監視装置100はネットワーク200と無線接続して、被験者400が携帯可能なように実現されてもよい。
【0095】
さらに、本発明の通常報告生成部115は、通信容量計測部117により計測されるデータ容量以下で通常報告情報を生成してもよい。これにより、通常報告情報のデータ容量が過大となって通信エラーとなることを防ぐことができる。
【0096】
なお、当然ながら、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。また、上述した実施の形態および変形例では、各構成要素の機能などを具体的に説明したが、その機能などは本願発明を満足する範囲で各種に変更することができる。
【0097】
また、本発明の医療用監視方法には複数のステップを順番に記載してあるが、その記載の順番は複数のステップを実行する順番を限定するものではない。このため、本発明の医療用監視方法を実行するときには、その複数のステップの順番は内容的に支障しない範囲で変更することができる。
【符号の説明】
【0098】
1000 アラーム通知システム
100 医療用監視装置
110 情報処理部
111 測定部
112 判定部
113 アラーム生成部
114 送信部
115 通常報告生成部
116 比較部
117 通信容量計測部
118 撮像処理部
119 位置検出部
120 記憶部
121 アドレス記憶部
122 容体情報記憶部
123 判定結果記憶部
131 センサ
132 センサ
133 カメラ
200 ネットワーク
310 情報端末
320 情報端末
400 被験者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の容体を第1時間間隔ごとに測定して、前記容体を表す容体情報を生成する測定手段と、
前記測定手段により生成された前記容体情報が正常か異常か判定する判定手段と、
通知先を指定するアドレスを複数記憶しているアドレス記憶手段と、
前記判定手段による判定結果に応じて、前記アドレス記憶手段に記憶されている前記アドレスごとに異なるアラーム情報を生成するアラーム生成手段と、
前記アラーム生成手段により生成された前記アラーム情報をそれぞれ、当該アラーム情報に対応する前記アドレスにネットワークを介して送信する送信手段と、
を備える医療用監視装置。
【請求項2】
請求項1に記載の医療用監視装置であって、
前記アラーム生成手段は、
前記アドレス記憶手段に記憶されている前記アドレスのうち第1アドレスに対応して、前記測定手段により生成された前記容体情報を含む詳細アラーム情報を生成し、
前記アドレス記憶手段に記憶されている前記アドレスのうち第2アドレスに対応して、前記詳細アラーム情報より簡易である簡易アラーム情報を生成することを特徴とする医療用監視装置。
【請求項3】
請求項2に記載の医療用監視装置であって、
前記測定手段により生成される前記容体情報を記憶する容体情報記憶手段を備え、
前記アラーム生成手段は、前記容体情報記憶手段に記憶された前記容体情報のうち異なる時刻に生成された複数の前記容体情報を前記詳細アラーム情報に内包させることを特徴とする医療用監視装置。
【請求項4】
請求項3に記載の医療用監視装置であって、
前記アラーム生成手段は、
前記容体情報記憶手段に記憶された前記容体情報のうち少なくとも一つの前記容体情報を前記簡易アラーム情報に内包させて、
前記簡易アラーム情報に内包される前記容体情報と、当該容体情報とは異なる時刻に生成された少なくとも一つの前記容体情報と、を前記詳細アラーム情報に内包させることを特徴とする医療用監視装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の医療用監視装置であって、
前記第1時間間隔よりも長い第2時間間隔ごとに前記容体情報記憶手段に記憶された前記容体情報の少なくとも一部を内包する通常報告情報を生成する通常報告生成手段を備え、
前記送信手段は、前記通常報告生成手段により生成された前記通常報告情報を前記第1アドレスに送信することを特徴とする医療用監視装置。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれかに記載の医療用監視装置であって、
前記送信手段は、前記詳細アラーム情報または前記簡易アラーム情報の少なくとも一方を電子メール形式で送信することを特徴とする医療用監視装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の医療用監視装置であって、
前記判定結果を記憶する判定結果記憶手段と、
前記判定結果記憶手段に前記判定結果が記憶されるごとに、新たに記憶された新規判定結果と前回記憶された前回判定結果とを比較する比較手段と、を備え、
前記アラーム生成手段は、前記比較手段により前記新規判定結果と前記前回判定結果とが異なると判定されたとき、前記アラーム情報を生成することを特徴とする医療用監視装置。
【請求項8】
請求項7に記載の医療用監視装置であって、
前記アラーム生成手段は、
前記比較手段により繰り返された判定の結果が、前記新規判定結果と前記前回判定結果とが異なると判定された後、前記新規判定結果と前記前回判定結果とが等しいと所定の回数判定されたとき、前記アラーム情報を生成することを特徴とする医療用監視装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の医療用監視装置であって、
前記被験者と当該被験者の周囲を撮像して生成される画像データを前記容体情報として処理する撮像処理手段と、
前記撮像処理手段により処理された前記画像データを解析することにより前記被験者の位置を検出する位置検出手段と、を備え、
前記判定手段は、
当該被験者の位置が前記所定範囲内に収まらないとき異常と判定することを特徴とする医療用監視装置。
【請求項10】
請求項9に記載の医療用監視装置であって、
前記アラーム生成手段は、前記撮像手段により生成された前記画像データを前記容体情報として前記アラーム情報に内包させることを特徴とする医療用監視装置。
【請求項11】
請求項9または10に記載の医療用監視装置であって、
前記送信手段は、前記ネットワークに有線接続することを特徴とする医療用監視装置。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかに記載の医療用監視装置であって、
前記ネットワークにより通信可能なデータ容量を計測する通信容量計測手段を備え、
前記アラーム生成手段は、前記通信容量計測手段により計測される前記データ容量以下で前記アラーム情報を生成することを特徴とする医療用監視装置。
【請求項13】
被験者の容体を第1時間間隔ごとに測定して、前記容体を表す容体情報を生成する測定ステップと、
前記測定ステップにおいて生成された前記容体情報が正常か異常か判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおける判定結果に応じて、通知先を指定する複数のアドレスごとに異なるアラーム情報を生成するアラーム生成ステップと、
前記アラーム生成ステップにおいて生成された前記アラーム情報をそれぞれ、当該アラーム情報に対応する前記アドレスにネットワークを介して送信する送信ステップと、
を備える医療用監視方法。
【請求項14】
請求項13に記載の医療用監視方法であって、
前記アラーム生成ステップにおいて、
前記複数のアドレスのうち第1アドレスに対応する前記アラーム情報として、前記測定ステップにおいて生成された前記容体情報を含む詳細アラーム情報を生成し、
前記複数のアドレスのうち第2アドレスに対応する前記アラーム情報として、前記詳細アラーム情報より簡易である簡易アラーム情報を生成することを特徴とする医療用監視方法。
【請求項15】
請求項14に記載の医療用監視方法であって、
前記測定ステップにおいて生成される前記容体情報を記憶する容体情報記憶ステップを備え、
前記アラーム生成ステップにおいて、前記容体情報記憶ステップにおいて記憶された前記容体情報のうち異なる時刻に生成された複数の前記容体情報を前記詳細アラーム情報に内包させることを特徴とする医療用監視方法。
【請求項16】
請求項15に記載の医療用監視方法であって、
前記アラーム生成ステップにおいて、
前記容体情報記憶ステップにおいて記憶された前記容体情報のうち少なくとも一つの前記容体情報を前記簡易アラーム情報に内包させて、
前記簡易アラーム情報に内包される前記容体情報と、当該容体情報とは異なる時刻に生成された少なくとも一つの前記容体情報と、を前記詳細アラーム情報に内包させることを特徴とする医療用監視方法。
【請求項17】
請求項15または16に記載の医療用監視方法であって、
前記第1時間間隔よりも長い第2時間間隔ごとに前記容体情報記憶ステップにおいて記憶された前記容体情報の少なくとも一部を内包する通常報告情報を生成する通常報告生成ステップを備え、
前記送信ステップにおいて、前記通常報告生成ステップにおいて生成された前記通常報告情報を前記第1アドレスに送信することを特徴とする医療用監視方法。
【請求項18】
請求項14乃至17のいずれかに記載の医療用監視方法であって、
前記送信ステップにおいて、前記詳細アラーム情報または前記簡易アラーム情報の少なくとも一方を電子メール形式で送信することを特徴とする医療用監視方法。
【請求項19】
請求項13乃至18のいずれかに記載の医療用監視方法であって、
前記判定結果を記憶する判定結果記憶ステップと、
今回の前記判定結果記憶ステップにおいて新たに記憶された新規判定結果と、前回の前記判定結果記憶ステップにおいて記憶された前回判定結果と、を比較する比較ステップと、を備え、
前記比較ステップにおいて前記新規判定結果と前記前回判定結果とが異なると判定されたとき、前記アラーム生成ステップにおいて前記アラーム情報を生成することを特徴とする医療用監視方法。
【請求項20】
請求項19に記載の医療用監視方法であって、
前記アラーム生成ステップにおいて、
前記比較ステップを繰り返して得られた結果が、前記新規判定結果と前記前回判定結果とが異なると判定された後、前記新規判定結果と前記前回判定結果とが等しいと所定の回数判定されたとき、前記アラーム情報を生成することを特徴とする医療用監視方法。
【請求項21】
請求項13乃至20のいずれかに記載の医療用監視方法であって、
前記被験者と当該被験者の周囲を撮像して生成される画像データを前記容体情報として処理する撮像処理ステップと、
前記撮像処理ステップにおいて処理された前記画像データを解析することにより前記被験者の位置を検出する位置検出ステップと、を備え、
前記判定ステップにおいて、当該被験者の位置が前記所定範囲内に収まらないとき異常と判定することを特徴とする医療用監視方法。
【請求項22】
請求項21に記載の医療用監視方法であって、
前記アラーム生成ステップにおいて、前記撮像処理ステップにより処理された前記画像データを前記容体情報として前記アラーム情報に内包させることを特徴とする医療用監視方法。
【請求項23】
請求項21または22に記載の医療用監視方法であって、
前記送信ステップにおいて、有線接続する前記ネットワークを介して前記アラーム情報を送信することを特徴とする医療用監視方法。
【請求項24】
請求項13乃至23のいずれかに記載の医療用監視方法であって、
前記ネットワークにおいて通信可能なデータ容量を計測する通信容量計測ステップを備え、
前記アラーム生成ステップにおいて、前記通信容量計測ステップにおいて計測される前記データ容量以下で前記アラーム情報を生成することを特徴とする医療用監視方法。
【請求項25】
被験者の容体を監視する医療用監視装置と、
前記医療用監視装置とネットワークを介して通信可能な複数の情報端末と、を備え、
前記医療用監視装置は、
被験者の容体を第1時間間隔ごとに測定して、前記容体を表す容体情報を生成する測定手段と、
前記測定手段により生成された前記容体情報が正常か異常か判定する判定手段と、
複数の前記情報端末を個別に指定するアドレスを複数記憶しているアドレス記憶手段と、
前記判定手段による判定結果に応じて、前記アドレス記憶手段に記憶されている前記アドレスごとに異なるアラーム情報を生成するアラーム生成手段と、
前記アラーム生成手段により生成された前記アラーム情報をそれぞれ、当該アラーム情報に対応する前記アドレスにより指定される前記情報端末に送信する送信手段と、
を含むことを特徴とするアラーム通知システム。
【請求項26】
コンピュータにより読み出し可能な記憶媒体に格納されるプログラムであって、
被験者の容体を第1時間間隔ごとに測定して、前記容体を表す容体情報を生成する測定処理と、
前記測定処理において生成された前記容体情報が正常か異常か判定する判定処理と、
前記判定処理による判定を示す判定結果に応じて、通知先を指定する複数のアドレスごとに異なるアラーム情報を生成するアラーム生成処理と、
前記アラーム生成処理において生成された前記アラーム情報をそれぞれ、当該アラーム情報に対応する前記アドレスにネットワークを介して送信する送信処理と、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−220759(P2010−220759A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−70379(P2009−70379)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】