説明

医療用装置

【課題】容易に埋め込みを行うことができる医療装置を提供することを目的とする。
【解決手段】生体内に埋め込まれる長尺状のリード2と、リード2の先端に設けられ、生体または外部機器との間で信号が伝達されるインターフェース部4と、リード2に接続され、生体内に埋め込まれる本体部1と、リード2の一部を巻き回し形状で保持するリード保持部材3と、を有する構成とする。また、リード2は、リード保持部材3に固定された状態で生体内に留置されるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体内に埋め込まれて使用される医療用装置、特に、生体や外部機器に対して電気的に接続されるインターフェース部がリードの先端に設けられている医療用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のところ、痛み治療において、従来の薬物療法、神経ブロック療法あるいは外科的療法に効果を示さない場合や、副作用などによりその治療が継続できない場合に、神経を電気刺激することにより痛みを緩和する電気刺激療法が効果を挙げている。電気刺激療法の1つである脊髄電気刺激療法は、脊髄を介して脳へ伝播する痛みを緩和するために、脊髄を電気刺激する刺激療法である。
【0003】
脊髄電気刺激療法では、通常、電気刺激による疼痛緩和の有効性を確かめるために、24時間から数週間のトライアル期間が設けられる。トライアル期間では、一般的に、背中側から穿刺して脊髄を覆う脊髄硬膜の外側にある硬膜外腔に刺激電極を留置した後、この刺激電極が含まれる電極リードを体外の刺激装置と接続して様々な刺激パターンの下で疼痛緩和の程度が調べられる。この期間においては電気刺激装置の埋め込みは行われていない。このトライアル期間において所定の効果が認められた場合にのみ、電気刺激装置の埋め込み(以下、「本埋め込み」という)が実施される。
【0004】
電気刺激装置の本埋め込みを行う場合には、トライアル期間に留置された電極リードが抜去された後、再び硬膜外腔に新たな刺激電極が留置され、この刺激電極が含まれる電極リードが皮下トンネルを通って腰部や腹部、あるいは胸部に導かれる。そして、電極リードが電気刺激装置と接続されて皮下に植え込まれる。
【0005】
例えば、下記特許文献1では、パルスジェネレータに接続されたリードの先端に電極を設けたシステムが開示されている。このシステムでは、長さの余ったリード部分をスプールに巻きつけ、スプールも一緒に患者の体内に植え込んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特開第2008−0058876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
リードの先端部に電極を設けた上述のような装置においては、患者の体内に装置を植え込むにあたり、リードの長さを調節する必要がある。これは、体の大きさには個人差があり、また、患部の位置も人によって異なるためである。
それぞれの場合に合わせて、リードの長さが異なる装置を用意するのはコストが高くなる。このため、ある所定の長さ以上のリードを用い、体の大きい患者や、患部の位置が遠い場合でもリードの長さが足りるようにしておくことが行われている。
【0008】
ただし、この場合には、例えば体の小さな患者に対してはリードの長さが余ることになる。上記特許文献1では、余った分のリードをスプールに巻きつけた後、スプールも体内に植え込んでいる。
ところが、この方法では余ったリードの処理を行うことができるが、スプールにリードを巻きつけるという作業が必要になる。
また、装置の埋め込み時には、装置を植え込むための孔が患者に切開されており、患者の負担を軽減するためにも作業を容易にし、短時間で埋め込みを終えることが必要である。
【0009】
そこで、本発明は上述の点を鑑み、容易に埋め込みを行うことができる医療装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の医療用装置は、生体内に埋め込み可能な医療用装置であって、生体内に埋め込まれる長尺状のリードと、リードの先端に設けられ、生体または外部機器との間で信号が伝達されるインターフェース部を備える。
また、上述のリードに接続され、生体内に埋め込まれる本体と、リードの一部を巻き回し形状で保持するリード保持部材を備える。
また、本発明の医療用装置において、リードは、リード保持部材に固定された状態で生体内に留置される。
【0011】
本発明の医療用装置によれば、リードがリード保持部材に予め巻き回された状態で保持されている。このため、本実施の形態による医療用装置を植え込む際には、リード保持部材に巻き回されたリードを引き出しながら、随時リードの長さ調整を行うことができる。
また、必要な長さのリードを引き出すと、残りのリード部分はリード保持部材に巻き回されたままの状態となる。したがって、リードの全長を生体内に植え込む際に、余ったリード部分を纏める必要がない。
【発明の効果】
【0012】
本発明の医療用装置によれば、リードの全長を生体内に植え込む際に、リードを纏める作業を省くことができる。このため、埋め込み手術を簡易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る医療用装置の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る医療用装置の回路構成を示すブロック図である。
【図3】A Touhy針を脊髄硬膜外腔に穿刺した状態を示す説明図である。B リードにスタイレットを挿入した状態を示す説明図である。
【図4】A 生体に切開口を設けた状態を示す説明図である。B 切開口からトンネラーを挿入する状態を示す説明図である。
【図5】A シースに本体部及びリード保持部材を押し込む状態を示す説明図である。B 医療用装置を生体内に収納し終えた状態を示す説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る医療用装置の構成を示す斜視図である。
【図7】A,B 第3の実施の形態に係る医療用装置の斜視図と側面図である。
【図8】第4の実施の形態に係る医療用装置の斜視図である。
【図9】第5の実施の形態に係る医療用装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下本発明を実施するための形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
説明は以下の順で行う。
1.第1の実施の形態(本体とリード保持部材が一体とされている例)
1−1.医療用装置の構成
1−2.医療用装置の回路構成
1−3.医療用装置の埋め込み方法
2.第2の実施の形態(本体部とリード保持部材を別体とする例)
3.第3の実施の形態(筒状のリード保持部材を用いる例)
4.第4の実施の形態(扁平形状をした芯部材によりリード保持部材を構成する例)
5.第5の実施の形態(インターフェース部として外部機器からの信号を受信するコイルを設ける例)
【0015】
1.第1の実施形態(本体とリード保持部材が一体とされている例)
1−1.医療用装置の構成
図1は、第1の実施の形態による医療用装置100の構成を示す概略斜視図である。
本実施の形態による医療用装置100は、例えば電源等が内蔵される本体部1と、本体部1に接続された長尺状のリード2と、本体部1に連続して設けられ、リード2が巻き回されるリード保持部材3と、リード2の先端に設けられたインターフェース部4を備える。
【0016】
まず、リード2について説明する。リード2は、柔軟性があって、かつ生体適合性がある素材、例えばシリコーンやポリウレタン等の樹脂素材によって、長尺状の円筒形に形成されている。このリード2には、インターフェース部4と本体部1とを接続する配線が配設されている。
【0017】
リード2の先端部には、例えば生体や外部の周辺機器との間で、信号の伝達が行われるインターフェース部4が設けられている。このインターフェース部4には、例えば脊髄への電気刺激を与えるための刺激電極が配設される。また、後述するように、外部のコントローラ等から送信される電磁波を受信し、電源を充電するためのコイルが設けられていてもよい。また他にも、光ファイバや蛍光ゲルを用いた光学センサや、グルコースオキシダーゼ酵素電極法等を用いた電極センサ等のセンサ等を配設してもよい。
【0018】
したがって、本実施の形態におけるインターフェース部4は、外部に対して信号を発信または受信するものであれば特に限定するものではない。例えば、刺激電極のように、生体に信号を発する発信部であってもよいし、生体からの信号を受信するセンサであってもよい。また外部機器からの信号を受信する受信部であってもよいし、外部機器との双方向通信を行うアンテナ部であってもよい。
【0019】
例えば、インターフェース部4として刺激電極を配設する場合には、導電性があって生体適合性がある素材、例えばプラチナやプラチナ合金(例えば、プラチナ90%/イリジウム10%合金)等の素材を用い、中空の略円筒状に刺激電極を形成する。また、刺激電極の外径は、リード2の外径とほぼ等しく形成される。
【0020】
また、リード2の内部には、スタイレットが挿入されるスタイレット用ルーメン6が設けられている。このスタイレット用ルーメン6は、リード2の軸方向に形成された筒孔形状をしている。このスタイレット用ルーメン6に、図示しないスタイレットが挿入される。したがって、スタイレット用ルーメン6の直径は、スタイレットの直径とほぼ等しいか、もしくはそれより大きく設定される。
【0021】
また、リード2の外径は、例えば、脊髄の神経を刺激する際には、脊髄硬膜と脊柱背側との距離が約5mmの硬膜外腔に植え込まれることになるので、約1〜3mmであることが好ましい。
スタイレットをスタイレット用ルーメン6に挿入することにより、リード2を支持することができる。これによって、インターフェース部4を生体内の目標の位置にまで容易に導入できる。
【0022】
リード2において、インターフェース部4が設けられた側とは反対側の基端は、本体部1に接続されている。本体部1は、例えば円柱形状をしており、内部に電源や、インターフェース部の制御回路等が内蔵される。
また、本体部1には、リード保持部材3が接続されている。リード保持部材3は、例えば円柱状の芯部材3aと、芯部材3aに連続して設けられた先端部3bとを有する。リード保持部材3は、その軸を本体部1の軸と一致させて本体部1に接続されている。このように、本実施の形態では、本体部1とリード保持部材3が一体とされる。
【0023】
このリード保持部材3の側面には、リード2の基端側の一部が巻き回される。リード保持部材3の側面には接着層が設けられており、この接着層の粘着力により、巻き回されたリード2がリード保持部材3の側面に固定されている。リード2を損傷なくリード保持部材3に巻き回すために、リード保持部材3の側面は曲面とされることが好ましい。
なお、リード2はその全長をリード保持部材3に巻き回さず、インターフェース部4側の先端から連続する非巻回部2aにおいて、リード保持部材3から離間している。
【0024】
また、リード保持部材3の外径は、本体部1の外径よりも小さく設定されることが好ましい。特に、リード2が巻き回された状態において、リード2も含めたリード保持部材3の外径が、本体部1の外径と等しい、もしくはそれよりも小さくなることが好ましい。これにより、本体部1及びリード保持部材3を、引っ掛かり無く円滑に生体内に挿入することができる。
【0025】
このように、本実施の形態による医療用装置100は、リード2がリード保持部材3に巻き回されることにより保持されている。
このため、例えば医療用装置100を生体内に植え込む際には、必要とされる長さ分だけリード2をリード保持部材3から剥がすことにより、適宜状況に応じてリード2の長さを調整することができる。
また、リード保持部材3から剥がされずに残ったリード2は、リード保持部材3及び本体部1と一緒にそのまま生体内に植え込むことが可能である。
したがって、従来のように長さの余ったリードをわざわざ巻き回し、纏めるといった作業を必要とせず、作業の簡易化を図れる。
【0026】
特に、リード2は接着層によってリード保持部材3に固定されている。このため、埋め込み手術中や、リード2の長さを伸ばす際にリード2が必要以上にリード保持部材3から解けるのを防止でき、安定した作業を行える。
また、少しずつ必要な長さだけリード2をリード保持部材3から剥がしながら、リード2の導入を行えるので、生体内への導入が行われていないリード部分が邪魔にならない。
【0027】
リード保持部材3の側面に設けられる接着層は、解けない程度にリード2をリード保持部材3の側面に保持できればよく、手でリード2を容易に剥がせる粘着力とされる。例えば、リード2とリード保持部材3の接着強さ(剥離接着強さ)が0.5N以上2.0N以下とすることが好ましい。なお、ここでの剥離接着強さは、リード保持部材3の側面におけるリード2の接線方向に対して、90度の角度で引き剥がす際の強さとする。なお、接着強さとして、剥離接着強さを示したが、本発明においてはリード2をリード保持部材3の側面に保持することが目的であり、リード保持部材3を生体内へ挿入する際の挿入抵抗(せん断力)に耐えられる程度のせん断接着強さ等も接着強さとして含まれることは言うまでもない。すなわち、本発明において接着強さとは、リード2をリード保持部材3に保持する上での保持力を指す。
【0028】
接着層としては、樹脂等の接着剤を用いてもよいし、他に両面テープを用いることも可能である。特に、チオール基を有する化合物を主成分とする接着剤を用いることが好適である。チオール基を有する化合物を主成分とした接着剤では、チオール基を有する化合物であれば良く、例えば、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,8−オクタンジチオール、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、1,2−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、トルエン−3,4−ジチオール、1,5−ジメルカプトナフタレン、4,4’−ビフェニルジチオール、4,4’−チオビスベンゼンチオール、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,3,5−ベンゼントリチオール、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート(TEMPIC)、トリアジントリチオール、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)(TMMP)、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、ならびにそれらの誘導体および重合体からなる群より選択される少なくとも一種からなる接着剤を用いることができる。
また、チオール化合物を接着層としてリード保持部材3の側面に固定する方法としては、チオール化合物を含む溶液を表面に塗布・乾燥する方法、チオール化合物をイオン化ガスプラズマ照射、紫外線照射、電子線照射、真空蒸着あるいは加熱処理等により担持する方法などが挙げられる。
また、リード2の材料としてポリウレタンを用いる場合、ポリウレタンは接着強度が大きくなりやすいため、シリコーン等の接着されにくい材料によってリード2の表面を被覆することが好ましい。
また、リード2の表面に親水性ポリマー層などの潤滑層を設けることも可能である。
【0029】
なお、リード保持部材3の先端部3bは円錐形に形成されている。生体内に植え込まれた医療用装置100は、生体内において所定の圧力を受ける。本実施形態では、芯部材3aと先端部3bとのエッジ3cの内角を鈍角に近づけることで、リード2がエッジ3cに押し付けられ、リード2が損傷するのを防止できる。また、先端部3bを半球面形状にしてもよいし、その他の曲面形状にしてもよい。
【0030】
また、本実施形態では、リード2においてインターフェース部4からリード保持部材3までの間、すなわち、非巻回部2aにおいて、その側面にスタイレット挿入部5が設けられる。スタイレット挿入部5には、スタイレット用ルーメン6に連通するスタイレット挿入孔5aが設けられ、このスタイレット挿入孔5aからリード2の先端方向(インターフェース部4側)へと延びるようにスタイレットが挿入される。
【0031】
従来において、スタイレット用ルーメンは、本体側の基端までリードを貫通し、リードの基端側からスタイレットが挿入される。しかし、本実施の形態では、リード2の基端は本体部1に接続されており、スタイレットを挿入するための孔を設けることができない。
また、リード2の基端側にスタイレットを挿入するための孔を設けたとしても、リード2はリード保持部材3に巻き回されているため、スタイレットを挿入するのが困難である。
これに対し、本実施形態では、リード2の非巻回部2aにスタイレット挿入部5を設けているため、リード2の巻き回しに関係なく、容易にスタイレットを挿入することが可能である。
【0032】
1−2.医療用装置の回路構成
次に、本実施の形態による医療用装置100の回路構成について説明する。なお、ここでは、インターフェース部4として、脊髄への電気刺激を与える刺激電極を用いた場合を例示する。
【0033】
図2は、本実施形態による医療用装置100に設けられる回路として、神経刺激回路10の構成を示すブロック図である。
神経刺激回路10は、充電池11と、コイル部12と、充電部13と、通信部14とを含む。さらに、制御部15と、刺激パラメータ設定部16と、発振部17と、電極構成設定部18と、スイッチ部19とを備える。
【0034】
充電池11は、例えばリチウムイオン電池等の充電可能な電池である。図2に図示はしていないが、この充電池11は、蓄積している電力を、神経刺激回路10を構成する各ブロックに供給する。
【0035】
コイル部12は、例えばコイルとコンデンサで構成される共振回路である。コイル部12は、充電池11の充電を行う場合、図示しない体外のコントローラから送信される充電用の電磁波を受信する。そして、この受信に伴ってコイル部12から発生する交流電流が充電部13に出力される。また、コイル部12は、図示しない体外のコントローラから送信される、所定の情報が載せられた電磁波を受信し、受信した電磁波がコイル部12から通信部14に出力される。
【0036】
充電部13は、整流回路を内蔵し、コイル部12から出力された交流電流を直流電流に変換して電力を取得する。そして、取得した電力で充電池11の充電を行う。
【0037】
通信部14は、コイル部12が受信した電磁波を復調し、電磁波に載せられている情報を取り出す。そして、取り出した情報を、制御部15を介して刺激パラメータ設定部16および電極構成設定部18に出力する。刺激パラメータ設定部16に出力される情報は、電気的刺激信号の刺激強度に関する情報(以下、「刺激パラメータ」という)であり、電極構成設定部18に出力される情報は、電極構成に関する情報(以下、「電極構成情報」という)である。
【0038】
電気的刺激信号の刺激強度は、電気的刺激信号のパルス電圧、パルス電流、パルス幅あるいは周波数により決定される。刺激パラメータはこれらパルス電圧等の値を示す信号である。また、電極構成情報は、電気的刺激信号の極性を変更するための情報と、電気的刺激信号を出力する刺激電極20(インターフェース部4)をスイッチ部19に選択させる情報とを含む信号である。
【0039】
刺激パラメータ設定部16は、通信部14から入力される刺激パラメータに基づいて、発振部17で発生する電気的刺激信号の刺激強度を変更するための刺激強度変更信号を生成する。
【0040】
また、電極構成設定部18は、通信部14から入力される電極構成情報に基づいて、発振部17で発生した電気的刺激信号を出力する刺激電極20を選択するための電極構成選択信号を生成する。なお、刺激パラメータ設定部16から出力される刺激強度変更信号は発振部17に出力され、電極構成設定部18から出力される電極構成選択信号はスイッチ部19に出力される。
【0041】
発振部17は、刺激パラメータ設定部16から入力される刺激強度変更信号に基づいて、電気的刺激信号を生成してスイッチ部19に出力する。
【0042】
スイッチ部19は、電極構成設定部18から入力される電極構成選択信号に基づいて、発振部17から入力される電気的刺激信号を出力する刺激電極20を決定する。なお、制御部15は、例えばマイクロコンピュータ等であり、神経刺激回路10の各ブロックを制御する。
【0043】
なお、神経刺激回路10を構成するこれらの各部位は、本体部1に限らず、リード保持部材3内に内蔵させるようにしてもよい。これにより、本体部1を小型化することが可能となり、医療用装置100を生体内に容易に植え込むことができる。
【0044】
また、ここではインターフェース部4として、脊髄を刺激する刺激電極20を用いる例を挙げた。他にもインターフェース部4として例えば生体内のアナライトを検出する検出部を配設してもよい。この場合には、検出部によって受信されたアナライト信号を処理する処理回路が、例えば本体部1またはリード保持部材3の内部に内蔵される。
【0045】
また、他にも、血糖値を測定するための電極をインターフェース部4として配設してもよい。この場合には、電極は少なくとも3個以上もうけられ、そのうちの2個を作用極、対極として選択し、用いる。
この時、医療用装置100に設けられる回路構成としては、例えば、電源と、電源からの電圧を変更し、変更後の電圧を電極に印加する電圧変更回路と、血液中のブドウ糖量に応じて生じた電流を計測する電流測定部と、計測された電流値を基に、血糖値を算出する制御部等が挙げられる。
【0046】
1−3.医療用装置の埋め込み方法
次に、この医療用装置100を生体内に植え込む手順について、図3〜図5を参照して以下に説明する。なお、ここではインターフェース部4として、脊髄を刺激する刺激電極を用いた場合について例示する。
【0047】
まず、医師は、患者の痛みの分布状況に基づき、予め目標とする脊髄の刺激部位を決定する。そして、抵抗消失法(Touhy針の末端に接続したシリンジ空気圧の消失で脊髄硬膜外腔への到達を確認する方法)用い、図3Aに示すように、患者の背中側から、ピールアウェイ・シース付きTouhy針22(以下、「Touhy針22」と呼ぶ)を患者の皮膚21に穿刺し、X線透視でTouhy針先端が脊髄硬膜外腔正中にあることを確認する。
このTouhy針22が脊髄硬膜外腔23に挿入される位置は、一般的に、目標とする刺激部位から脊椎における3椎体以上低位が選ばれる。そしてTouhy針22を穿刺した後、ピールアウェイ・シース25(以下「シース25」と呼ぶ)を残して、シース25内の内針を抜去する。
【0048】
次に、図3Bに示すように、医療用装置100のリード2に設けられたスタイレット挿入孔5aからスタイレット24を挿入し、スタイレット用ルーメン6内にスタイレット24を挿入する。これによりリード2が支持され、目標とする部位へのリード2の導入を補助できる。
【0049】
そして、スタイレット24が挿入されたリード2の先端部をシース25に通し、リード2を脊髄硬膜外腔23に挿入する。続いて医師は、X線透視下で、スタイレット24の基端を回転及び軸方向に押すことにより、リード2の向きを変え、リード2の先端に設けられたインターフェース部4を目標とする刺激部位の近くに誘導する。
【0050】
インターフェース部4が目標とする部位の近辺に到達すると、インターフェース部4の位置を少しずつ移動させながら、不図示の体外のコントローラを操作して神経刺激を行う。このとき、医療用装置100では、医師の操作に基づいて、所定の強度の電気的刺激信号が生成され、生成された電気的刺激信号がインターフェース部4に出力されることにより、神経刺激が行われる。医師は、患者の神経刺激に対する反応を聞きながら、最適なインターフェース部4の位置を決定する。
【0051】
インターフェース部4の位置が決定すると、図4Aに示すように、スタイレット24を抜去する。そして、シース25と皮膚21との接点を中心に、メス27を用いて皮膚21を約3cm切開する。これにより切開口27aが形成される。その後、シース25を裂いて撤去する。
【0052】
次に、図4Bに示すように、ピールアウェイ・シース付トンネラー28(以下「トンネラー28」と呼ぶ)を、側腹部(ここでは図中奥側)に向けて切開口27aから挿入する。トンネラー28を目的の位置に挿入すると、ピールアウェイ・シース29(以下「シース29」と呼ぶ)を残して、シース29内の内針(図示を省略)を抜去する。
これにより、リード保持部材3や本体部1を生体内に収納するためのスペースがシース29内に確保される。
【0053】
そして、図5Aに示すように、シース29の皮膚表面側の開口から、リード保持部材3及び本体部1をシース29内に挿入していく。このとき、インサータ30を用いて本体部1及びリード保持部材3を側腹部に向かって押し込む。なお、リード2の親水性高分子層が設けられている場合、押し込む際の抵抗を低減することができる。
背中は、例えば椅子に座る時等、外部と接触する機会が多いため、背中側に本体部1やリード保持部材3を収納すると患者が違和感を覚えやすい。また、筋肉量も多いので、背筋の硬直によっても患者に違和感を与えてしまう。このため、本体部1やリード保持部材3は、外部との接触機会が少なく、また筋肉量の少ない側腹部に収納することが好ましい。
【0054】
本体部1及びリード保持部材3を側腹部に押し込むと、インサータ30をシース29から抜去する。そして、シース29を引き裂いて撤去する。
【0055】
続いて図5Bに示すように、リード2を全て皮下内に収める。そして、切開口27aに露出しているリード2を皮下の組織に縫いつけた(不図示)後、切開部を縫合する。これにより、医療用装置100は、生体内に固定された状態で留置される。
この時、本実施形態による医療用装置100では、リード2の余った部分は初めからリード保持部材3に巻き回された状態となっているので、リード2の余分な部分を束ねたりする等の作業を行うことなく、容易に生体内に収納することが可能である。
【0056】
2.第2の実施の形態(本体部とリード保持部材を別体とする例)
本発明では、本体部とリード保持部材を別体に設けてもよい。図6は、第2の実施の形態による医療用装置200の構成を示す概略斜視図である。なお、第1の実施の形態(図1参照)と対応する部位については同一符号を付し、重複した説明を避ける。
【0057】
本実施の形態による医療用装置200は、本体部1と、本体部1に接続されたリード2と、リード2が巻きつけられるリード保持部材3と、リード2の先端に設けられたインターフェース部4を備える。
これらの構成は、第1の実施の形態において示したものと同様であってよい。ただし、本体部1とリード保持部材3とが別体に構成されているところが、第1の実施の形態と異なっている。
【0058】
医療用装置200の回路構成も、第1の実施の形態(図2参照)において示したものと同様であってよい。また、回路を構成する各部位は、本体部1及びリード保持部材3のどちらに配置するか適宜選択することが可能である。ただし、リード保持部材3の内部に回路構成の一部を内蔵させる場合には、リード2の基端はリード保持部材3に接続されることになる。また、本体部1とリード保持部材3は、第2のリードを介して接続され、それぞれに内蔵された回路同士が接続される。
【0059】
また、リード保持部材3に回路の一部を内蔵させない場合には、リード2の基端はそのまま本体部1に接続される。
【0060】
このように、本体部1とリード保持部材3とを別体に設けることで、本体部1とリード保持部材3とをサイズの小さい2つの個体に分割し、それぞれを生体内の別の位置に収納させることができる。このため、患者に違和感が生じるのを抑制することが可能である。
【0061】
3.第3の実施の形態(筒状のリード保持部材を用いる例)
図7Aは、第3の実施の形態に係る医療用装置300の構成を示す概略斜視図である。また、図7Bは、医療用装置300の側面図である。なお、第1の実施の形態(図1参照)と対応する箇所に対して同一符号を付し、重複した説明を避ける。
【0062】
本実施形態による医療用装置300は、本体部1と、本体部1に接続された長尺状のリード2と、リード2が巻きつけられるリード保持部材3Aと、リード2の先端に設けられたインターフェース部4を備える。
本体部1、リード2、インターフェース部4の構成は、第1の実施の形態と同様であってよい。ただし、本実施の形態では、リード保持部材3Aが筒状に形成されているところが異なる。
【0063】
リード保持部材3は、軸方向に筒孔が設けられた筒状部材によって構成されている。リード保持部材3Aの端部は本体部1に接続され、本体部1とリード保持部材3Aが一体とされている。なお、第2の実施の形態(図6参照)のように、本体部1とリード保持部材3Aを別体に構成してもよい。
【0064】
また、リード2は、リード保持部材3Aの内壁面に沿って巻き回される。リード保持部材3Aの内壁面には接着層が配設されており、この接着層によってリード2がリード保持部材3Aの内壁面に固定される。この接着層の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0065】
リード保持部材3のインターフェース部4側の端部には、内壁面から突出するフランジ部31が設けられている。このフランジ部31には、切欠き部32が設けられており、リード2は、この切欠き部32を通してリード保持部材3Aの内部から引き出される。
これにより、リード保持部材3Aに対するリード2の引き出し位置が固定され、リード2の長さを伸ばす際の扱いを容易にできる。
【0066】
このように、本実施の形態による医療用装置300においても、リード2はリード保持部材3Aに巻き回された状態で予め固定されている。また、リード2は接着層によってリード保持部材3Aに固定されている。このため、リード2を引くことにより、リード2をリード保持部材3Aから剥がし、随時リード2の長さを調整しながら医療用装置の埋め込みを行うことが可能である。
また、リード2の長さの余った部分は、リード保持部材3Aに巻き回されたままの状態となるので、リード2の全長を生体内に収納する作業を簡易化できる。
【0067】
4.第4の実施の形態(扁平形状をした芯部材によりリード保持部材を構成する例)
図8は、第4の実施の形態による医療用装置400の構成を示す概略斜視図である。第1の実施の形態(図1参照)と対応する部位に対しては同一符号を付し、重複した説明を避ける。
本実施の形態による医療用装置400は、本体部1と、本体部1に接続された長尺状のリード2と、リード2が巻きつけられるリード保持部材3Bと、リード2の先端に設けられたインターフェース部4を備える。
本体部1、リード2、インターフェース部4の構成は、第1の実施の形態と同様であってよい。ただし、本実施の形態では、リード保持部材3Bが扁平形状をした芯部材33により構成されているところが異なる。
【0068】
本実施の形態に係るリード保持部材3Bは、例えば軸方向に扁平な円柱形状をした芯部材33と、芯部材33の軸方向両端にそれぞれ設けられた第1の鍔部34及び第2の鍔部35と、芯部材33の内部に配設された軸部36を備える。
【0069】
芯部材33は、第1の鍔部34及び第2の鍔部35側に向かって径が大きくなり、軸方向中心部において径が最も小さくなる円柱形状をしている。芯部材33の側面は曲面に形成されており、この側面にリード2が巻き回されている。
また、芯部材33の側面には接着層が設けられ、この接着層によりリード2が芯部材33の側面に固定される。
接着層の構成は、第1の実施の形態において示したものと同様である。
【0070】
芯部材33の軸方向両端には、第1の鍔部34と第2の鍔部35がそれぞれ配設されている。第1及び第2の鍔部34,35により、芯部材33の側面上においてリード2が巻き回される領域が規定される。
【0071】
また、芯部材33には軸方向に延びる空隙が設けられており、この空隙内に本体部1が収容されている。本実施の形態では、例えば本体部1と芯部材33が固定されている。また、本体部1には、軸方向に貫通する貫通孔が設けられており、この貫通孔内に軸部36が収容されている。軸部36は、その両端が第1及び第2の鍔部34,35に固定される。
すなわち、本実施の形態において芯部材33及び本体部1は、第1及び第2の鍔部34,35及び軸部36に対して、軸部36を中心に回動自在に固定されている。
【0072】
したがって、本実施の形態による医療用装置400では、例えば第1及び第2の鍔部34,35を片方の手で掴み、もう片方の手でリードを引っ張ることにより芯部材33及び本体部1が回転する。そしてこの回転に伴ってリード2が芯部材33の側面から剥がされることにより、リード2の長さを調整することができる。
【0073】
このように、本実施の形態の医療用装置400においても、リード2はリード保持部材3Bに巻き回された状態で予め固定されている。また、リード2は接着層によってリード保持部材3Bに固定されている。このため、随時リード2の長さを調整しながら医療用装置400の埋め込みを行うことが可能である。
また、リード2の長さの余った部分は、リード保持部材3Bに巻き回されたままの状態となっているので、リード2の全長を生体内に収納する作業を簡易化できる。その他の効果についても、第1の実施の形態と同様である。
【0074】
また、本実施の形態では、芯部材33を扁平な薄型の形状に形成している。このため、例えば皮膚表面が平面に近く、大きな表面積を有する生体の部位に植え込むことにより、患者が感じる違和感を低減することができる。
なお、他にも、芯部材33と軸部36を固定し、芯部材33と軸部36が第1及び第2の鍔部34,35に対して回動する構成としてもよいし、軸部36を設けずに、芯部材33が回転しない構成であってもよい。また、軸部36と本体部1を一体化してもよい。
【0075】
5.第5の実施の形態(インターフェース部として外部機器からの信号を受信するコイルを設ける例)
本発明においては、既述のように、リードに設けるインターフェース部は、例えば生体に信号を送信するものや、生体からの信号を受信するもの、また外部機器に対して信号を受信または送信するもの、またはこれらのいずれか複数を行うもの等を用いることができる。ここでは、外部機器からの信号を受信するインターフェース部を設ける場合について例示する。
なお、第1の実施の形態(図1参照)と対応する部位には同一符号を付し、重複した説明を避ける。
【0076】
図9は、第5の実施の形態に係る医療用装置500の構成を示す概略斜視図である。
本実施の形態による医療用装置500は、本体部1と、本体部1に接続された第1のリード2と、第1のリード2が巻き回される第1のリード保持部材3と、第1のリード2の先端に設けられた第1のインターフェース部4を備える。
また、本体部1に接続された第2のリード42と、第2のリード42が巻き回される第2のリード保持部材43と、第2のリード42の先端に設けられた第2のインターフェース部44を備える。
【0077】
本体部1、第1のリード2、第1のリード保持部材3、第1のインターフェース部4における構成は、第1の実施の形態において示したものと同様である。
また、本体部1において、第1のリード保持部材3が設けられた面とは反対側の面には、第2のリード保持部材43が設けられている。本実施の形態では、第1のリード保持部材3及び第2のリード保持部材43が本体部1と一体とされているが、それぞれを本体部1とは別体に設けてもよい。
【0078】
また、この第2のリード保持部材43には、先端部に第2のインターフェース部44が設けられた第2のリード42が巻き回される。第2のリード42及び第2のリード保持部材43の構成は、第1のリード2及び第1のリード保持部材3と同様である。したがって、第2のリード42の側面にはスタイレット挿入部45が設けられており、スタイレット挿入孔45aよりスタイレットが挿入される。
また、本実施の形態の医療用装置500の回路構成もまた第1の実施の形態(図2参照)において示したものと同様である。
【0079】
ただし、本実施の形態では、第2のインターフェース部44には、対外のコントローラ等から発信される充電用の電磁波を受信するコイル部12(図2参照)が配設される。
このように、コイル部12を第2のリード42に配設することによって、コイル部12を本体部1から離れた別の位置に植え込むことができる。
【0080】
コントローラ等の外部機器からの電磁波によって充電池11(図2参照)の充電を行う場合には、十分な電磁波パワーが得られる距離までコントローラをコイル部12に近接させる必要がある。
しかし、コイル部12が本体部1の内部に内蔵されていると、例えば本体部1が背中付近に植え込まれた場合には、患者が自分でコントローラをコイル部12に近接させるのが困難な場合がある。
また、患者が無理なく手を動かすことのできる範囲は、患者の容態や年齢等によって異なる。
【0081】
これに対して本実施の形態では、第2のリード42に設ける第2のインターフェース部44として、コイル部12を配設している。このため、コイル部12を本体部1から離して配置することができる。したがって、患者が無理な姿勢をすることなく、コントローラを近接させることが可能な箇所を選択し、その位置に第2のインターフェース部44を植え込むことで、患者本人が容易に充電作業を行うことができる。
【0082】
また、本実施の形態において、第1のリード2及び第2のリード42は、第1のリード保持部材3及び第2のリード保持部材43にそれぞれ巻き回されている。このため、第1のリード2及び第2のリード42の長さを随時調整しながら医療用装置500の埋め込みを行うことが可能である。
また、第1のリード2及び第2のリード42の長さの余った部分は、第1のリード保持部材3及び第2のリード保持部材43に巻き回されたままの状態となるので、第1のリード2及び第2のリード42の全長を生体内に収納する作業を簡易化できる。その他の効果についても、第1の実施の形態と同様である。
【0083】
なお、医療用装置500の回路(例えば図2参照)を構成するコイル部12以外の各部位は、本体部1及び第1のリード保持部材3及び第2のリード保持部材43のいずれに内蔵させてもよく、適宜選択してよい。
【0084】
以上、医療用装置の実施の形態について説明した。本発明は上記実施の形態にとらわれることなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、考えられる種々の形態を含むものである。
【符号の説明】
【0085】
1・・・本体部、2,42・・・リード、2a・・・非巻回部、3,43・・・リード保持部材、3a,33・・・芯部材、3b・・・先端部、3c・・・エッジ、4,44・・・インターフェース部、5,45・・・スタイレット挿入部、5a,45a・・・スタイレット挿入孔、6・・・スタイレット用ルーメン、10・・・神経刺激回路、11・・・充電池、12・・・コイル部、13・・・充電池、14・・・通信部、15・・・制御部、16・・・刺激パラメータ設定部、17・・・発振部、18・・・電極構成設定部、19・・・スイッチ部、20・・・刺激電極、21・・・皮膚、22・・・Touhy針、23・・・脊髄硬膜外腔、24・・・スタイレット、25,29・・・シース、27・・・メス、27a・・・切開口、28・・・トンネラー、30・・・インサータ、31・・・フランジ部、32・・・切欠き部、34,35・・・第1の鍔部、36・・・軸部、100,200,300,400,500・・・医療用装置、



【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体内に埋め込み可能な医療用装置であって、
生体内に埋め込まれる長尺状のリードと、
前記リードの先端に設けられ、生体または外部機器との間で信号が伝達されるインターフェース部と、
前記リードに接続され、生体内に埋め込まれる本体と、
前記リードの一部を巻き回し形状で保持するリード保持部材と、
を有し、
前記リードは、前記リード保持部材に固定された状態で生体内に留置される医療用装置。
【請求項2】
前記リードは、側面に開口するスタイレット挿入孔と、前記スタイレット挿入孔に連通するルーメンと、を有する請求項1に記載の医療用装置。
【請求項3】
前記スタイレット挿入孔は、リード保持部と前記インターフェース部の間に設けられる請求項2に記載の医療用装置。
【請求項4】
前記リードは、接着層により前記リード保持部材に固定される請求項2又は3に記載の医療用装置。
【請求項5】
前記接着層は、チオール基を有する化合物を主成分とする請求項4に記載の医療用装置。
【請求項6】
前記リード保持部材は、側面が曲面とされた柱状の芯部材を有し、
前記側面に前記接着層が設けられている請求項4に記載の医療用装置。
【請求項7】
前記リード保持部材は、筒状部材をなし、
前記筒状部材の内壁面に前記リードが保持される請求項4に記載の医療用装置。
【請求項8】
前記筒状部材は、その内壁面に前記接着層を有している請求項7に記載の医療用装置。
【請求項9】
前記インターフェース部は、生体内のアナライトを検出する検出部を有し、
前記本体は、前記検出部と接続され、前記検出部からのアナライト信号を処理する処理回路を有する請求項2に記載の医療用装置。
【請求項10】
前記インターフェース部は、生体外の外部装置からの電磁波を利用して電磁誘導により発電を行うコイル部を有してなる請求項2に記載の医療用装置。
【請求項11】
前記リード保持部材は、前記本体と一体に形成されている請求項2に記載の医療用装置。
【請求項12】
前記インターフェース部は、生体内の神経及び/又は筋肉を刺激する刺激電極を有し、
前記本体は、前記刺激電極と接続され、前記刺激電極に刺激信号を印加する電極制御回路を有する請求項2に記載の医療用装置。


【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−228348(P2012−228348A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98036(P2011−98036)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】