医療画像レジストレーションに対する装置及び方法
本発明は、医療画像(10,11)のレジストレーションに対する装置(1)及び方法に係る。更には、本発明は、コンピュータプログラム(5)がコンピュータ(2)において実行される際の医療画像(10,11)のレジストレーションに対するコンピュータプログラム(5)に係る。医療画像のより正確なレジストレーション変換を与えるよう、十分に類似しない範囲(14,14’25,26)を検出すること、及びレジストレーション工程中に有されるべきではないピクセル/ボクセルを示す除外マスク(22,24,27)を用いてレジストレーションから該範囲を除外することは、提案される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療画像レジストレーションに対する装置及び方法に係る。更には、本発明は、コンピュータプログラムがコンピュータにおいて実行される際の医療画像レジストレーションに対するコンピュータプログラムに係る。
【背景技術】
【0002】
多種の医療用撮像技術は既知である。生理学的情報を与える機能的身体画像は、例えば単一光子放出コンピュータトモグラフィ(SPECT)及びポジトロン放出トモグラフィ(PET)によって得られ得る。身体の解剖学的マップを与える構造的画像は、例えば磁気共鳴映像法(MRI)及びX線コンピュータトモグラフィ(CT)によって得られ得る。かかる技術は、補足的であり且つ矛盾している場合もある情報を医療画像に与える。
【0003】
画像レジストレーション、即ち2つ又はそれ以上の医療画像において解剖学的に対応する場所の整合は、別個の画像において明らかではない追加的な情報を得るための一般的な技術であり、したがって研究、診断、及び治療にとって大きな重要性を有する。レジストレーションに対して使用される医療画像は、異なる画像技術を有する医療用撮像の結果である必要はない。同一の撮像技術を使用する異なる画像取得プロトコルを有する撮像がもたらす、あるいは、同一の画像取得プロトコル及び同一の撮像技術を有する(異なる時間で)反復された撮像がもたらす画像レジストレーションは、同程度の重要性を有する。
【0004】
各撮像技術及び/又は画像取得プロトコルは、その特定糊点及び制限を有する。例えば、骨は、CT撮像を有しては詳細にわたって非常によく視覚化され得るが、MR撮像では殆ど可視ではない。両方のモダリティを活用するよう、CT及びMR画像は、互いに対して位置合わせされ得る。即ち、形状変換は、画像における解剖学的に対応する場所の間で定められ得る。この変換を有して、画像は合併され得、例えばCTからの骨がMR画像において視覚化され得る。
【0005】
複数の画像レジストレーション技術は、剛体且つアフィン(affine)であるものから完全に軟体のレジストレーションに至るまで、開発されている。Hajnal,Hill及びHawks著、「Medical Image Registration」、CRC Press社、ISBN0−8493−0064−9(非特許文献1)である本において、概要が見られ得る。レジストレーション変形の決定に関しては、様々な解決策が存在する。該解決策は通常、類似測定を使用するレジストレーション変換の反復最適化に基づく。周知である類似測定は、結合エントロピー、(正規化)相互情報及び相互相関である。例えば、剛体レジストレーションに対しては、移動(translation)及び回転は定められ、画像間の類似を最適化する。しかしながら、現在のアプローチは、レジスタされるべき画像間に実際に十分な類似がない場合にのみ、効果がある。しかしながら、例えば取得プロトコルの特定の特性又は撮像アーチファクトにより、画像の重要な部分が全く類似しない、ことは起き得る。この場合、かかる範囲は、レジストレーションの結果に悪影響を与える。
【非特許文献1】Hajnal,Hill及びHawks著、「Medical Image Registration」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、医療画像のより正確なレジストレーション変換を与える、ことを目的とする。即ち、画像における解剖学的に対応する場所の間でのより優れた整合は、得られるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、医療画像のレジストレーションに対する装置によって本発明に従って達成される。当該装置は、第1の画像において第2の画像の対応する画像範囲と十分に類似しない1つ又はそれ以上の画像範囲を検出するよう適合される検出モジュール、かかる十分に類似しない画像範囲に属する画像ピクセル/ボクセルを特定するよう少なくとも1つの除外マスクを作るよう適合されるマスキングモジュール、及び、除外マスクにおいて有されない第1の画像の画像範囲と第2の画像の対応する画像範囲との間のレジストレーションを行うよう適合されるレジストレーションモジュール、を有する。
【0008】
本発明の目的はまた、医療画像のレジストレーションに対する方法によって達成される。当該方法は、第1の画像において第2の対応する画像範囲に十分に類似しない1つ又はそれ以上の画像範囲を検出する段階、かかる十分に類似しない画像範囲に属する画像ピクセル又はボクセルを特定するよう、少なくとも1つの除外マスクを作る段階、及び、除外マスクにおいて有されない第1の画像の画像範囲と第2の画像の対応する画像範囲との間のレジストレーションを行う段階、を有する。
【0009】
本発明の目的はまた、医療画像のレジストレーションに対するコンピュータプログラムによって達成される。当該プログラムは、第1の画像において第2の対応する画像範囲に十分に類似しない1つ又はそれ以上の画像範囲を検出するためのコンピュータ命令、かかる十分に類似しない画像範囲に属する画像ピクセル又はボクセルを特定するよう、少なくとも1つの除外マスクを作るためのコンピュータ命令、及び、コンピュータプログラムがコンピュータにおいて実行される際、除外マスクにおいて有されない第1の画像の画像範囲と第2の画像の対応する画像範囲との間のレジストレーションを行うためのコンピュータ命令、を有する。故に本発明に従って必要である技術的効果は、本発明に従ったコンピュータプログラムの命令に基づいて実現され得る。かかるコンピュータプログラムは、CD−ROM等である担体上に格納され得るか、インターネット又は他のコンピュータネットワークにわたって使用可能であり得る。実行に先立ち、コンピュータプログラムは、例えばCD−ROMプレーヤを用いて担体からあるいはインターネットからコンピュータプログラムを読み込むことによって、コンピュータへと搭載される。コンピュータは、とりわけセントラルプロセッサユニット、バスシステム、RAM又はROMディスク等のメモリ手段、フレキシブルディスク又はハードディスクユニット等の格納手段、及び、入力/出力ユニットを有する。あるいは、本発明の方法は、例えば1つ又はそれ以上の集積回路を使用して、ハードウェアにおいて実施され得る。
【0010】
本発明の核となる考えは、レジストレーション工程から医療画像の部分を除外することである。より正確には、本発明は、十分に類似しない範囲を自動的に検出するよう、また、レジストレーション工程中に有されるべきではないピクセル/ボクセルを示す除外マスクを用いてレジストレーションから該範囲を除外するよう、提案する。本発明は、医療画像のより正確なレジストレーション変換に繋がる。不十分な類似を有する画像は、それにもかかわらず、誤った結果を観測することなく本発明のレジストレーション技術を有してレジストレーションされ得る。本発明は、異なる撮像技術及び画像取得プロトコルに対して適用され得る。
【0011】
本発明のこれらの及び他の態様は、従属請求項において定義付けられる以下の実施例に基づいて更に詳しく述べられる。
【0012】
本発明の望ましい一実施例によれば、十分に類似しない範囲は、対応する画像範囲のピクセル/ボクセル強度を比較することによって自動的に検出される。例えば、第1の画像の血管の特定の一部分のピクセル/ボクセル強度は、他の画像の該ベッセルの同一の部分に対して比較される。したがって検出モジュール及び/又はコンピュータプログラムは、この目的に対して適合される。十分に類似しない範囲の検出に対する特定の方法は、個別に、並びに、例えば画像中に示される解剖学的場所(対象の形状等)である画像特性、使用される撮像技術、プロトコル等に依存して選択されなければならない。
【0013】
本発明の他の実施例によれば、除外マスクの少なくとも一部分は、所定のマスキングスキームを使用して作られる。該マスキングスキームは、画像属性の種類に依存する。所定のマスキングスキームの使用を有して、除外マスクの作成は単純化される。結果又は特定の器官等の解剖学的に標準的対象に対して、標準的な除外マスクは与えられ得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明のこれらの及び他の態様はこれより、例証として以下の実施例及び添付の図面を参照して詳細に説明される。
【0015】
本発明は、腹部大動脈瘤(AAA)の画像に対して図示される。レジストレーションは、レジストレーション装置1を用いて行われる。当該装置は、汎用パーソナルコンピュータ又は専門的な医療用コンピュータ等であるコンピュータ2、及びコンピュータ2に対して接続されるモニタ3を有する。コンピュータ2は、コンピュータプログラム5を実行するよう適合されるプロセッサ4を有する。コンピュータプログラム5は、コンピュータプログラム5がコンピュータ2において実行される際に、本発明に従ったコンピュータ命令を有する。コンピュータプログラム5は、ネットワークインタフェースカード等である入力/出力インタフェース6を介してコンピュータ2に対して転送可能であり、コンピュータ2のRAM又はROM等であるメモリ7において格納される。コンピュータ2において処理されるべき撮像データ8は、インタフェース6を介してコンピュータ2へと転送される。更には、コンピュータ2は、外部記憶機器9、プロッタ、プリンタ等、あるいは他のコンピュータに対してインタフェース6を介してデータを転送するよう、適合される。
【0016】
AAA画像は、2つの異なるMR画像取得プロトコルを有して取得される。図2は、3DバランスTFE(BTFE)プロトコルを使用して取得された画像10を示し、図3は、M2D TSEプロトコルを使用して取得された、ブラックブラッド撮像とも称される画像11を示す。図2及び図3は、大動脈12を介するスライスの一例を示す。撮像データ8がコンピュータ2へと転送された後、分割は実行される。本実施例においては、分割は、以下の通り行われる:3D BTFE及びM2D TSE画像は、同一のスキャンセッションにおいて取得される。患者は、スキャン手順中に僅かに動いたかもしれないが、この動作は、一般的には多くて数ミリメートルである。この目的に対して、大動脈12の中心線は、所謂血管トラッキングアルゴリズムを使用して3D BTFE画像10において検出される。該アルゴリズムは、O.Wink, W.J.Niessen, B.Verdonck, M.A.Viergever著、「Vessel Axis Determination using Wave Front Propagation Analysis」、Proceedings MICCAI 2001、ユトレヒト、2001年10月15−17日、あるいは、O.Wink, W.J.Niessen, A.J.Frangi, B.Verdonck,及びM.A.Viergever著、「3D MR Coronary Axis Determination using a Minimum Cost Path Approach」、Magnetic Resonance in Medicine 2002、第47巻、p.1169−1175、から既知である。検出された中心血管軸19は、続いて、実際の中心軸を略表わすM2D TSE画像11にコピーされる。このコピー機構は、図4中に示される。方法のこの部分の最後において、2セットのデータ間の最適な変換は、全てのピクセル/ボクセルに基づいて見いだされている。
【0017】
次の段階において、1つ又はそれ以上の十分に類似しない範囲の自動的な検出が行われる。この目的に対して、コンピュータプログラム5を稼動させるプロセッサ4は、検出モジュール13としての役割を果たす。この場合、M2D TSE画像11は、十分に類似しない範囲の検出を実行するよう選択される。これは、この画像が明らかに3D BTFE画像10より多くの画像アーチファクトを有し、妨害アーチファクトを有さないため、である。それゆえに、3D BTFE画像10に対してマスキングは実行されない。M2D TSE画像11において、例えば範囲14は、大動脈の下方右側に存在し、この範囲は、上方の暗い範囲15と比較してより明るい。他方では、3D BTFE画像10における下方右側範囲16は、同一の画像において上方範囲17と略同一の強度において現れる。言い換えると、M2D TSE画像11における画像範囲14,15のピクセル強度は、3D BTFE画像10におけるものと同一の相関関係を示さない。M2D TSE画像11における明るい範囲14は、それ故に十分に類似しない範囲として特徴付けられる。両画像10,11のピクセル強度を算出する画像処理アルゴリズムを使用して、全ての十分に類似しない範囲は定められ、続く処理に対してラベルを付けられる。
【0018】
十分に類似しない画像範囲に属する画像を特定するための除外マスクは、かかる範囲に属する画像ピクセルを特定するよう、構成される。この目的に対してコンピュータプログラム5を稼動するプロセッサ4は、マスキングモジュール18としての役割を果たす。図3中のM2D TSE画像11は、内腔(lumen)(血液)は「黒色」ではない大きな範囲14を有する。これは、該範囲における血流速度が大変低く、M2D TSE撮像は著しく大きな血流速度に対してのみ十分に作動する、という事実によるものである。この範囲14が図2中に示される3D BTFE画像10における明るい内腔範囲17に十分に類似しないことは、検出モジュール13によって断定され得る。それ故にこの範囲14は、レジストレーション工程へと有されてはならない。したがってマスキングモジュール18は、以下に記載される除外マスクに従って作られる。
【0019】
流れ(flow)のアーチファクトを有するM2D TSE画像11における範囲14は、マスキングモジュール18を用いて除外マスクにおいて有される。この目的に対して、大動脈12の半径20の概算は、図5中に示される通り、3D BTFE画像10に基づいて各スライスに対して作られる。画像10中の暗く黒い輪は、大動脈壁21のおおよその位置を検出する特徴として使用される。検出された半径20に基づき、第1の除外マスク22は、より明るい中心範囲14’を覆うようM2D TSE画像11における中心線19の周囲に定義付けられる。マスクのこの部分の半径23は、図6中に示される大動脈の直径の約50%である。他の実施例では、他のパーセンテージが使用され得る。この手順は、血管等の管状の対象を有する画像に対する所定のスキームとしてコンピュータプログラム5において実行されている。本発明の望ましい一実施例では、画像において表わされる各対象の種類及び/又は形状は、検出工程が開始する前にプロセッサ5によって定められる。この場合、最も適切な所定のスキームは、除外マスクを作るよう選択され得る。
【0020】
次の段階において、M2D TSE画像11は、図7に示される通り、ガイダンスとして大動脈壁21を使用して、「半径方向に調べ」られる。言い換えれば、画像処理は、大動脈壁21内の全てのピクセルに対して行われる。この処理の結果に依存して、除外マスクの第1の部分22は、以下の基準: (a)大動脈の下方右側上の範囲14を参照し、半径20上で受けられる(encounterd)強度が「黒色ではない」、即ちピクセル強度の一定の閾値を上回ること; (b)大動脈の中央右側上の範囲25を参照し、大動脈壁21の近くで受けられる強度が、血栓の存在等により高すぎること; (c)大動脈の中央左側上の範囲26を参照し、大動脈壁21が厚すぎる、即ち閾値を上回ること、のうち1つ又はそれ以上が満たされる場合に、延長部分27を加えることによって最終除外マスク24まで延ばされる。この目的に対して、マスキングモジュール18は、画像10,11から得られるデータを所定の閾データ、パターン及び/又はスキームと比較するよう適合されたコンピュータ命令を使用する。最後にもたらされる除外マスク24は、図8中に示される。画像11の上方部分のみは、除外マスクによって覆われない。全ての他のピクセルは、最終除外マスク24へと有され、それ故にレジストレーション工程においては使用されない。
【0021】
次の段階においては、除外マスク24において有されない画像範囲間でのレジストレーションは、行われる。即ちレジストレーション中、除外マスク24の外側の画像ピクセルのみは、画像10,11間の類似の算定に対して使用される。この目的に対して、コンピュータプログラム5を稼動するプロセッサ4は、レジストレーションモジュール28として働く。図8中には大動脈12の周囲の特定の一部分のみが示されるが、マスクされない全ての画像ピクセル/ボクセルは、レジストレーション工程内に有される。
【0022】
このレジストレーション中に、回転、移動、スケーリング又は局所的非剛体変形等を用いる画像のうち一方の反復変形、並びに類似の算定は、行われる。この反復工程の目的は、最適な変形を見つけることであり、最も大きな類似をもたらす。かかる段階は、既知の技術を使用して一致する(according)コンピュータプログラムを用いてプロセッサ4内で行われる。かかる技術は、例えば前出の非特許文献1において記載される。
【0023】
図9においては、構成された画像29が示される。該画像は、上方左側コーナー部において3D BTFE画像10の一部分及びM2D TSE画像11の一部分を有して構成される。図10及び11は、構成された画像29の拡大部分を示す。拡大画像において、大動脈壁21の一部分は示され、大動脈壁21は、2つの画像10,11の間の境界線30にわたって続く。図10は、自動的に検出された除外マスク24を使用する剛体画像レジストレーションの結果を示す。白い点線である基準線31は、M2D TSE画像11において大動脈壁21の内側側部を示し、レジストレーション品質の目視評価を支援するよう使用され得る。図10においては、大動脈壁21の内側側部は、3D BTFE画像10並びにM2D TSE画像11における基準線31に対応する。比較のため、図11は、除外マスク24を使用しないレジストレーション、即ちレジストレーション中に完全な画像11を使用するレジストレーションを示す。基準線31を使用して分かり得る通り、3D BTFE画像10に関してM2D TSE画像11は、僅かに右に動かされる。基準線31は、大動脈壁21の内側側部を定義付けないが、壁内部に位置付けられる。
【0024】
図10中に示される通り、類似しない範囲の除外は、レジスタされた3D BTFE画像及びM2D TSE画像10,11の間により優れた整合をもたらす。
【0025】
必須ではないが望ましくは、上述された手順の全ての段階は、コンピュータプログラム5の形式において適切なアルゴリズムを自動的に使用して実行される。上述された実施例は、望ましくは、血管等の管状の対象に対して適用される。整合されるべき画像が他の対象を示す場合、本発明の実行に対して使用されるアルゴリズムは、適合されなければならない。
【0026】
本発明は三次元の例を使用して上述されてきたが、2次元撮像(即ち、2つの異なる画像のみのレジストレーション)に対しても適用可能である。
【0027】
望ましくは、レジストレーション装置1は、本発明を実施するよう、前の検出、マスキング及びレジストレーション工程の例の大量のデータベースを使用する。このデータベースアルゴリズムに対して、スキーム等は、入力データの各種に対して適切なレジストレーションを与えるよう取られる。例えば、データベースは、どの種類のアーチファクトが特別な種類の画像に対して最も一般的であるかを記載するリストを有し得る。言い換えれば、所謂コンピュータ支援の検出/レジストレーション装置は、使用される。場合によっては、ユーザ相互作用は、工程を案内するよう必要であり得る。例えばユーザは、血管の中心線の開始点及び終了点等を定義付け得る。
【0028】
当業者にとって、本発明は前述の例証的実施例の詳細に制限されないこと、本発明はその趣旨又は本質的特性から逸脱することなく他の特別な形態において実現され得ることは、明らかである。それ故に本発明の実施例は、全ての面において制限的ではなく例証的でアルものと考えられるべきであり、本発明の範囲は、前述の記載より添付の請求項によって示される。請求項と同等の意味及び範囲内の全ての変更は、したがって、本願中に含有されるよう意図される。更には、「有する」という語は他の要素又は段階を除外するものではなく、単数形を示す語は複数の存在を除外するものではなく、また、コンピュータ装置又は他のユニット等の単一の要素は請求項中に記載される複数の手段の機能を満たし得る、ことは、明らかである。請求項中の全ての参照符号は、関連する請求項を制限するものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】レジストレーション装置の概略的ブロック図である。
【図2】腹部大動脈瘤の3D BTFEスキャンの1つのスライスを示す。
【図3】図2中の同一の腹部大動脈瘤のM2D TSEスキャンの1つのスライスを示す。
【図4】3D BTFE画像からM2D TSE画像への中心血管軸のコピーの概略図である。
【図5】大動脈の半径の概算の概略図である。
【図6】除外マスクの第1の部分の定義の概略図である。
【図7】除外マスクを延ばすための半径検査の概略図である。
【図8】最終除外マスクの概略図である。
【図9】3D BTFE画像の一部分、及びレジスタされたM2D TSE画像を示す。
【図10】除外マスクを使用する図9中の画像の拡大された一部分を示す。
【図11】除外マスクを使用しない図9中の画像の拡大された一部分を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療画像レジストレーションに対する装置及び方法に係る。更には、本発明は、コンピュータプログラムがコンピュータにおいて実行される際の医療画像レジストレーションに対するコンピュータプログラムに係る。
【背景技術】
【0002】
多種の医療用撮像技術は既知である。生理学的情報を与える機能的身体画像は、例えば単一光子放出コンピュータトモグラフィ(SPECT)及びポジトロン放出トモグラフィ(PET)によって得られ得る。身体の解剖学的マップを与える構造的画像は、例えば磁気共鳴映像法(MRI)及びX線コンピュータトモグラフィ(CT)によって得られ得る。かかる技術は、補足的であり且つ矛盾している場合もある情報を医療画像に与える。
【0003】
画像レジストレーション、即ち2つ又はそれ以上の医療画像において解剖学的に対応する場所の整合は、別個の画像において明らかではない追加的な情報を得るための一般的な技術であり、したがって研究、診断、及び治療にとって大きな重要性を有する。レジストレーションに対して使用される医療画像は、異なる画像技術を有する医療用撮像の結果である必要はない。同一の撮像技術を使用する異なる画像取得プロトコルを有する撮像がもたらす、あるいは、同一の画像取得プロトコル及び同一の撮像技術を有する(異なる時間で)反復された撮像がもたらす画像レジストレーションは、同程度の重要性を有する。
【0004】
各撮像技術及び/又は画像取得プロトコルは、その特定糊点及び制限を有する。例えば、骨は、CT撮像を有しては詳細にわたって非常によく視覚化され得るが、MR撮像では殆ど可視ではない。両方のモダリティを活用するよう、CT及びMR画像は、互いに対して位置合わせされ得る。即ち、形状変換は、画像における解剖学的に対応する場所の間で定められ得る。この変換を有して、画像は合併され得、例えばCTからの骨がMR画像において視覚化され得る。
【0005】
複数の画像レジストレーション技術は、剛体且つアフィン(affine)であるものから完全に軟体のレジストレーションに至るまで、開発されている。Hajnal,Hill及びHawks著、「Medical Image Registration」、CRC Press社、ISBN0−8493−0064−9(非特許文献1)である本において、概要が見られ得る。レジストレーション変形の決定に関しては、様々な解決策が存在する。該解決策は通常、類似測定を使用するレジストレーション変換の反復最適化に基づく。周知である類似測定は、結合エントロピー、(正規化)相互情報及び相互相関である。例えば、剛体レジストレーションに対しては、移動(translation)及び回転は定められ、画像間の類似を最適化する。しかしながら、現在のアプローチは、レジスタされるべき画像間に実際に十分な類似がない場合にのみ、効果がある。しかしながら、例えば取得プロトコルの特定の特性又は撮像アーチファクトにより、画像の重要な部分が全く類似しない、ことは起き得る。この場合、かかる範囲は、レジストレーションの結果に悪影響を与える。
【非特許文献1】Hajnal,Hill及びHawks著、「Medical Image Registration」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、医療画像のより正確なレジストレーション変換を与える、ことを目的とする。即ち、画像における解剖学的に対応する場所の間でのより優れた整合は、得られるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、医療画像のレジストレーションに対する装置によって本発明に従って達成される。当該装置は、第1の画像において第2の画像の対応する画像範囲と十分に類似しない1つ又はそれ以上の画像範囲を検出するよう適合される検出モジュール、かかる十分に類似しない画像範囲に属する画像ピクセル/ボクセルを特定するよう少なくとも1つの除外マスクを作るよう適合されるマスキングモジュール、及び、除外マスクにおいて有されない第1の画像の画像範囲と第2の画像の対応する画像範囲との間のレジストレーションを行うよう適合されるレジストレーションモジュール、を有する。
【0008】
本発明の目的はまた、医療画像のレジストレーションに対する方法によって達成される。当該方法は、第1の画像において第2の対応する画像範囲に十分に類似しない1つ又はそれ以上の画像範囲を検出する段階、かかる十分に類似しない画像範囲に属する画像ピクセル又はボクセルを特定するよう、少なくとも1つの除外マスクを作る段階、及び、除外マスクにおいて有されない第1の画像の画像範囲と第2の画像の対応する画像範囲との間のレジストレーションを行う段階、を有する。
【0009】
本発明の目的はまた、医療画像のレジストレーションに対するコンピュータプログラムによって達成される。当該プログラムは、第1の画像において第2の対応する画像範囲に十分に類似しない1つ又はそれ以上の画像範囲を検出するためのコンピュータ命令、かかる十分に類似しない画像範囲に属する画像ピクセル又はボクセルを特定するよう、少なくとも1つの除外マスクを作るためのコンピュータ命令、及び、コンピュータプログラムがコンピュータにおいて実行される際、除外マスクにおいて有されない第1の画像の画像範囲と第2の画像の対応する画像範囲との間のレジストレーションを行うためのコンピュータ命令、を有する。故に本発明に従って必要である技術的効果は、本発明に従ったコンピュータプログラムの命令に基づいて実現され得る。かかるコンピュータプログラムは、CD−ROM等である担体上に格納され得るか、インターネット又は他のコンピュータネットワークにわたって使用可能であり得る。実行に先立ち、コンピュータプログラムは、例えばCD−ROMプレーヤを用いて担体からあるいはインターネットからコンピュータプログラムを読み込むことによって、コンピュータへと搭載される。コンピュータは、とりわけセントラルプロセッサユニット、バスシステム、RAM又はROMディスク等のメモリ手段、フレキシブルディスク又はハードディスクユニット等の格納手段、及び、入力/出力ユニットを有する。あるいは、本発明の方法は、例えば1つ又はそれ以上の集積回路を使用して、ハードウェアにおいて実施され得る。
【0010】
本発明の核となる考えは、レジストレーション工程から医療画像の部分を除外することである。より正確には、本発明は、十分に類似しない範囲を自動的に検出するよう、また、レジストレーション工程中に有されるべきではないピクセル/ボクセルを示す除外マスクを用いてレジストレーションから該範囲を除外するよう、提案する。本発明は、医療画像のより正確なレジストレーション変換に繋がる。不十分な類似を有する画像は、それにもかかわらず、誤った結果を観測することなく本発明のレジストレーション技術を有してレジストレーションされ得る。本発明は、異なる撮像技術及び画像取得プロトコルに対して適用され得る。
【0011】
本発明のこれらの及び他の態様は、従属請求項において定義付けられる以下の実施例に基づいて更に詳しく述べられる。
【0012】
本発明の望ましい一実施例によれば、十分に類似しない範囲は、対応する画像範囲のピクセル/ボクセル強度を比較することによって自動的に検出される。例えば、第1の画像の血管の特定の一部分のピクセル/ボクセル強度は、他の画像の該ベッセルの同一の部分に対して比較される。したがって検出モジュール及び/又はコンピュータプログラムは、この目的に対して適合される。十分に類似しない範囲の検出に対する特定の方法は、個別に、並びに、例えば画像中に示される解剖学的場所(対象の形状等)である画像特性、使用される撮像技術、プロトコル等に依存して選択されなければならない。
【0013】
本発明の他の実施例によれば、除外マスクの少なくとも一部分は、所定のマスキングスキームを使用して作られる。該マスキングスキームは、画像属性の種類に依存する。所定のマスキングスキームの使用を有して、除外マスクの作成は単純化される。結果又は特定の器官等の解剖学的に標準的対象に対して、標準的な除外マスクは与えられ得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明のこれらの及び他の態様はこれより、例証として以下の実施例及び添付の図面を参照して詳細に説明される。
【0015】
本発明は、腹部大動脈瘤(AAA)の画像に対して図示される。レジストレーションは、レジストレーション装置1を用いて行われる。当該装置は、汎用パーソナルコンピュータ又は専門的な医療用コンピュータ等であるコンピュータ2、及びコンピュータ2に対して接続されるモニタ3を有する。コンピュータ2は、コンピュータプログラム5を実行するよう適合されるプロセッサ4を有する。コンピュータプログラム5は、コンピュータプログラム5がコンピュータ2において実行される際に、本発明に従ったコンピュータ命令を有する。コンピュータプログラム5は、ネットワークインタフェースカード等である入力/出力インタフェース6を介してコンピュータ2に対して転送可能であり、コンピュータ2のRAM又はROM等であるメモリ7において格納される。コンピュータ2において処理されるべき撮像データ8は、インタフェース6を介してコンピュータ2へと転送される。更には、コンピュータ2は、外部記憶機器9、プロッタ、プリンタ等、あるいは他のコンピュータに対してインタフェース6を介してデータを転送するよう、適合される。
【0016】
AAA画像は、2つの異なるMR画像取得プロトコルを有して取得される。図2は、3DバランスTFE(BTFE)プロトコルを使用して取得された画像10を示し、図3は、M2D TSEプロトコルを使用して取得された、ブラックブラッド撮像とも称される画像11を示す。図2及び図3は、大動脈12を介するスライスの一例を示す。撮像データ8がコンピュータ2へと転送された後、分割は実行される。本実施例においては、分割は、以下の通り行われる:3D BTFE及びM2D TSE画像は、同一のスキャンセッションにおいて取得される。患者は、スキャン手順中に僅かに動いたかもしれないが、この動作は、一般的には多くて数ミリメートルである。この目的に対して、大動脈12の中心線は、所謂血管トラッキングアルゴリズムを使用して3D BTFE画像10において検出される。該アルゴリズムは、O.Wink, W.J.Niessen, B.Verdonck, M.A.Viergever著、「Vessel Axis Determination using Wave Front Propagation Analysis」、Proceedings MICCAI 2001、ユトレヒト、2001年10月15−17日、あるいは、O.Wink, W.J.Niessen, A.J.Frangi, B.Verdonck,及びM.A.Viergever著、「3D MR Coronary Axis Determination using a Minimum Cost Path Approach」、Magnetic Resonance in Medicine 2002、第47巻、p.1169−1175、から既知である。検出された中心血管軸19は、続いて、実際の中心軸を略表わすM2D TSE画像11にコピーされる。このコピー機構は、図4中に示される。方法のこの部分の最後において、2セットのデータ間の最適な変換は、全てのピクセル/ボクセルに基づいて見いだされている。
【0017】
次の段階において、1つ又はそれ以上の十分に類似しない範囲の自動的な検出が行われる。この目的に対して、コンピュータプログラム5を稼動させるプロセッサ4は、検出モジュール13としての役割を果たす。この場合、M2D TSE画像11は、十分に類似しない範囲の検出を実行するよう選択される。これは、この画像が明らかに3D BTFE画像10より多くの画像アーチファクトを有し、妨害アーチファクトを有さないため、である。それゆえに、3D BTFE画像10に対してマスキングは実行されない。M2D TSE画像11において、例えば範囲14は、大動脈の下方右側に存在し、この範囲は、上方の暗い範囲15と比較してより明るい。他方では、3D BTFE画像10における下方右側範囲16は、同一の画像において上方範囲17と略同一の強度において現れる。言い換えると、M2D TSE画像11における画像範囲14,15のピクセル強度は、3D BTFE画像10におけるものと同一の相関関係を示さない。M2D TSE画像11における明るい範囲14は、それ故に十分に類似しない範囲として特徴付けられる。両画像10,11のピクセル強度を算出する画像処理アルゴリズムを使用して、全ての十分に類似しない範囲は定められ、続く処理に対してラベルを付けられる。
【0018】
十分に類似しない画像範囲に属する画像を特定するための除外マスクは、かかる範囲に属する画像ピクセルを特定するよう、構成される。この目的に対してコンピュータプログラム5を稼動するプロセッサ4は、マスキングモジュール18としての役割を果たす。図3中のM2D TSE画像11は、内腔(lumen)(血液)は「黒色」ではない大きな範囲14を有する。これは、該範囲における血流速度が大変低く、M2D TSE撮像は著しく大きな血流速度に対してのみ十分に作動する、という事実によるものである。この範囲14が図2中に示される3D BTFE画像10における明るい内腔範囲17に十分に類似しないことは、検出モジュール13によって断定され得る。それ故にこの範囲14は、レジストレーション工程へと有されてはならない。したがってマスキングモジュール18は、以下に記載される除外マスクに従って作られる。
【0019】
流れ(flow)のアーチファクトを有するM2D TSE画像11における範囲14は、マスキングモジュール18を用いて除外マスクにおいて有される。この目的に対して、大動脈12の半径20の概算は、図5中に示される通り、3D BTFE画像10に基づいて各スライスに対して作られる。画像10中の暗く黒い輪は、大動脈壁21のおおよその位置を検出する特徴として使用される。検出された半径20に基づき、第1の除外マスク22は、より明るい中心範囲14’を覆うようM2D TSE画像11における中心線19の周囲に定義付けられる。マスクのこの部分の半径23は、図6中に示される大動脈の直径の約50%である。他の実施例では、他のパーセンテージが使用され得る。この手順は、血管等の管状の対象を有する画像に対する所定のスキームとしてコンピュータプログラム5において実行されている。本発明の望ましい一実施例では、画像において表わされる各対象の種類及び/又は形状は、検出工程が開始する前にプロセッサ5によって定められる。この場合、最も適切な所定のスキームは、除外マスクを作るよう選択され得る。
【0020】
次の段階において、M2D TSE画像11は、図7に示される通り、ガイダンスとして大動脈壁21を使用して、「半径方向に調べ」られる。言い換えれば、画像処理は、大動脈壁21内の全てのピクセルに対して行われる。この処理の結果に依存して、除外マスクの第1の部分22は、以下の基準: (a)大動脈の下方右側上の範囲14を参照し、半径20上で受けられる(encounterd)強度が「黒色ではない」、即ちピクセル強度の一定の閾値を上回ること; (b)大動脈の中央右側上の範囲25を参照し、大動脈壁21の近くで受けられる強度が、血栓の存在等により高すぎること; (c)大動脈の中央左側上の範囲26を参照し、大動脈壁21が厚すぎる、即ち閾値を上回ること、のうち1つ又はそれ以上が満たされる場合に、延長部分27を加えることによって最終除外マスク24まで延ばされる。この目的に対して、マスキングモジュール18は、画像10,11から得られるデータを所定の閾データ、パターン及び/又はスキームと比較するよう適合されたコンピュータ命令を使用する。最後にもたらされる除外マスク24は、図8中に示される。画像11の上方部分のみは、除外マスクによって覆われない。全ての他のピクセルは、最終除外マスク24へと有され、それ故にレジストレーション工程においては使用されない。
【0021】
次の段階においては、除外マスク24において有されない画像範囲間でのレジストレーションは、行われる。即ちレジストレーション中、除外マスク24の外側の画像ピクセルのみは、画像10,11間の類似の算定に対して使用される。この目的に対して、コンピュータプログラム5を稼動するプロセッサ4は、レジストレーションモジュール28として働く。図8中には大動脈12の周囲の特定の一部分のみが示されるが、マスクされない全ての画像ピクセル/ボクセルは、レジストレーション工程内に有される。
【0022】
このレジストレーション中に、回転、移動、スケーリング又は局所的非剛体変形等を用いる画像のうち一方の反復変形、並びに類似の算定は、行われる。この反復工程の目的は、最適な変形を見つけることであり、最も大きな類似をもたらす。かかる段階は、既知の技術を使用して一致する(according)コンピュータプログラムを用いてプロセッサ4内で行われる。かかる技術は、例えば前出の非特許文献1において記載される。
【0023】
図9においては、構成された画像29が示される。該画像は、上方左側コーナー部において3D BTFE画像10の一部分及びM2D TSE画像11の一部分を有して構成される。図10及び11は、構成された画像29の拡大部分を示す。拡大画像において、大動脈壁21の一部分は示され、大動脈壁21は、2つの画像10,11の間の境界線30にわたって続く。図10は、自動的に検出された除外マスク24を使用する剛体画像レジストレーションの結果を示す。白い点線である基準線31は、M2D TSE画像11において大動脈壁21の内側側部を示し、レジストレーション品質の目視評価を支援するよう使用され得る。図10においては、大動脈壁21の内側側部は、3D BTFE画像10並びにM2D TSE画像11における基準線31に対応する。比較のため、図11は、除外マスク24を使用しないレジストレーション、即ちレジストレーション中に完全な画像11を使用するレジストレーションを示す。基準線31を使用して分かり得る通り、3D BTFE画像10に関してM2D TSE画像11は、僅かに右に動かされる。基準線31は、大動脈壁21の内側側部を定義付けないが、壁内部に位置付けられる。
【0024】
図10中に示される通り、類似しない範囲の除外は、レジスタされた3D BTFE画像及びM2D TSE画像10,11の間により優れた整合をもたらす。
【0025】
必須ではないが望ましくは、上述された手順の全ての段階は、コンピュータプログラム5の形式において適切なアルゴリズムを自動的に使用して実行される。上述された実施例は、望ましくは、血管等の管状の対象に対して適用される。整合されるべき画像が他の対象を示す場合、本発明の実行に対して使用されるアルゴリズムは、適合されなければならない。
【0026】
本発明は三次元の例を使用して上述されてきたが、2次元撮像(即ち、2つの異なる画像のみのレジストレーション)に対しても適用可能である。
【0027】
望ましくは、レジストレーション装置1は、本発明を実施するよう、前の検出、マスキング及びレジストレーション工程の例の大量のデータベースを使用する。このデータベースアルゴリズムに対して、スキーム等は、入力データの各種に対して適切なレジストレーションを与えるよう取られる。例えば、データベースは、どの種類のアーチファクトが特別な種類の画像に対して最も一般的であるかを記載するリストを有し得る。言い換えれば、所謂コンピュータ支援の検出/レジストレーション装置は、使用される。場合によっては、ユーザ相互作用は、工程を案内するよう必要であり得る。例えばユーザは、血管の中心線の開始点及び終了点等を定義付け得る。
【0028】
当業者にとって、本発明は前述の例証的実施例の詳細に制限されないこと、本発明はその趣旨又は本質的特性から逸脱することなく他の特別な形態において実現され得ることは、明らかである。それ故に本発明の実施例は、全ての面において制限的ではなく例証的でアルものと考えられるべきであり、本発明の範囲は、前述の記載より添付の請求項によって示される。請求項と同等の意味及び範囲内の全ての変更は、したがって、本願中に含有されるよう意図される。更には、「有する」という語は他の要素又は段階を除外するものではなく、単数形を示す語は複数の存在を除外するものではなく、また、コンピュータ装置又は他のユニット等の単一の要素は請求項中に記載される複数の手段の機能を満たし得る、ことは、明らかである。請求項中の全ての参照符号は、関連する請求項を制限するものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】レジストレーション装置の概略的ブロック図である。
【図2】腹部大動脈瘤の3D BTFEスキャンの1つのスライスを示す。
【図3】図2中の同一の腹部大動脈瘤のM2D TSEスキャンの1つのスライスを示す。
【図4】3D BTFE画像からM2D TSE画像への中心血管軸のコピーの概略図である。
【図5】大動脈の半径の概算の概略図である。
【図6】除外マスクの第1の部分の定義の概略図である。
【図7】除外マスクを延ばすための半径検査の概略図である。
【図8】最終除外マスクの概略図である。
【図9】3D BTFE画像の一部分、及びレジスタされたM2D TSE画像を示す。
【図10】除外マスクを使用する図9中の画像の拡大された一部分を示す。
【図11】除外マスクを使用しない図9中の画像の拡大された一部分を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療画像レジストレーションに対する装置であって:
・ 検出モジュールと、
・ マスキングモジュールと、
・ レジストレーションモジュールと、
を有し、
前記検出モジュールは、第1の画像において1つ又はそれ以上の画像範囲を検出するよう適合され、前記画像範囲は、第2の画像の対応する画像範囲と十分に類似せず、
前記マスキングモジュールは、前記十分に類似しない画像範囲に属する画像ピクセル又はボクセルを特定するよう、少なくとも1つの除外マスクを作るよう適合され、
前記レジストレーションモジュールは、前記除外マスクにおいて有されない前記第1の画像の画像範囲と前記第2の画像の対応する画像範囲との間のレジストレーションを行うよう適合される、
装置。
【請求項2】
前記検出モジュールは、前記画像における対応する画像範囲のピクセル又はボクセル強度を比較することによって、十分に類似しない範囲を自動的に検出するよう適合される、
請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記マスキングモジュールは、所定のマスキングスキームを使用して前記除外マスクの少なくとも一部分を作るよう適合され、前記マスキングスキームは、画像属性に依存する、
請求項1記載の装置。
【請求項4】
医療画像レジストレーションに対する方法であって:
・ 第1の画像において第2の対応する画像範囲に十分に類似しない1つ又はそれ以上の画像範囲を検出する段階と、
・ 前記十分に類似しない画像範囲に属する画像ピクセル又はボクセルを特定するよう、少なくとも1つの除外マスクを作る段階と、
・ 前記除外マスクにおいて有されない前記第1の画像の画像範囲と前記第2の画像の対応する画像範囲との間のレジストレーションを行う段階と、
を有する、
方法。
【請求項5】
医療画像レジストレーションに対するコンピュータプログラムであって:
・ 第1の画像において第2の対応する画像範囲に十分に類似しない1つ又はそれ以上の画像範囲を検出するためのコンピュータ命令と、
・ 前記十分に類似しない画像範囲に属する画像ピクセル又はボクセルを特定するよう、少なくとも1つの除外マスクを作るためのコンピュータ命令と、
・ 前記コンピュータプログラムがコンピュータにおいて実行される際、前記除外マスクにおいて有されない前記第1の画像の画像範囲と前記第2の画像の対応する画像範囲との間のレジストレーションを行うためのコンピュータ命令と、
を有する、
プログラム。
【請求項1】
医療画像レジストレーションに対する装置であって:
・ 検出モジュールと、
・ マスキングモジュールと、
・ レジストレーションモジュールと、
を有し、
前記検出モジュールは、第1の画像において1つ又はそれ以上の画像範囲を検出するよう適合され、前記画像範囲は、第2の画像の対応する画像範囲と十分に類似せず、
前記マスキングモジュールは、前記十分に類似しない画像範囲に属する画像ピクセル又はボクセルを特定するよう、少なくとも1つの除外マスクを作るよう適合され、
前記レジストレーションモジュールは、前記除外マスクにおいて有されない前記第1の画像の画像範囲と前記第2の画像の対応する画像範囲との間のレジストレーションを行うよう適合される、
装置。
【請求項2】
前記検出モジュールは、前記画像における対応する画像範囲のピクセル又はボクセル強度を比較することによって、十分に類似しない範囲を自動的に検出するよう適合される、
請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記マスキングモジュールは、所定のマスキングスキームを使用して前記除外マスクの少なくとも一部分を作るよう適合され、前記マスキングスキームは、画像属性に依存する、
請求項1記載の装置。
【請求項4】
医療画像レジストレーションに対する方法であって:
・ 第1の画像において第2の対応する画像範囲に十分に類似しない1つ又はそれ以上の画像範囲を検出する段階と、
・ 前記十分に類似しない画像範囲に属する画像ピクセル又はボクセルを特定するよう、少なくとも1つの除外マスクを作る段階と、
・ 前記除外マスクにおいて有されない前記第1の画像の画像範囲と前記第2の画像の対応する画像範囲との間のレジストレーションを行う段階と、
を有する、
方法。
【請求項5】
医療画像レジストレーションに対するコンピュータプログラムであって:
・ 第1の画像において第2の対応する画像範囲に十分に類似しない1つ又はそれ以上の画像範囲を検出するためのコンピュータ命令と、
・ 前記十分に類似しない画像範囲に属する画像ピクセル又はボクセルを特定するよう、少なくとも1つの除外マスクを作るためのコンピュータ命令と、
・ 前記コンピュータプログラムがコンピュータにおいて実行される際、前記除外マスクにおいて有されない前記第1の画像の画像範囲と前記第2の画像の対応する画像範囲との間のレジストレーションを行うためのコンピュータ命令と、
を有する、
プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2008−519639(P2008−519639A)
【公表日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−540793(P2007−540793)
【出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【国際出願番号】PCT/IB2005/053675
【国際公開番号】WO2006/051488
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【国際出願番号】PCT/IB2005/053675
【国際公開番号】WO2006/051488
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
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