説明

医療管類セットにおける二重逆止弁配列の機能を査定するためのシステムおよび方法

管類(244)の患者専用セクションの一区分に沿って/一区分内に直列に位置する第1および第2の逆止弁(304、308)の少なくとも一方の動作状態を査定するために使用され得る二重一方向逆止弁配列(300)。圧力センサ(332)は、第1および第2の逆止弁(304、308)の間の流路の少なくとも一部と関連付けられ得、かつ第1および第2の逆止弁(304、308)の少なくとも一方の故障状態の表示を提供するように動作可能であり得る。一実施形態において、圧力センサ(332)は、第1および第2の逆止弁(304、308)の間の流路内の流体圧が所定のレベルを下回ると、第1の状態から第2の状態に変化し得る。例えば、所定のレベルは、第1および第2の逆止弁(304、308)の少なくとも一方のクラッキング圧であり得る。状態の変化は、圧力センサ(332)の外観において視覚的に識別可能であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国仮特許出願第61/246,714号(2009年9月29日、名称「SYSTEMS AND METHOD FOR ASSESSING FUNCTIONALITY OF DUAL CHECK VALVE ARRANGEMENTS IN MEDICAL TUBING SETS」)に基づく優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、医療流体送達システムの分野に関し、より具体的には、医療流体送達システムの1つ以上の逆止弁の動作状態を監視するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
種々の医療手技は、1つ以上の医療流体が患者に注入されることを要求する。例えば、医療撮像手技は、しばしば、おそらく生理食塩水および/または他の流体とともに、患者への造影剤の注入を伴う。他の医療手技は、治療目的で患者に1つ以上の流体を注入することを伴う。自動注入器が、これらの種類の用途に使用され得る。
【0004】
自動注入器は、概して、一般的に、パワーヘッドと呼ばれるものを含む。1つ以上のシリンジが、種々の様式で(例えば、取り外し可能に、後方装填式、前方装填式、側面装填式)パワーヘッドに搭載され得る。各シリンジは、典型的には、シリンジプランジャ、ピストン等として特徴付けられ得るものを含む。シリンジプランジャドライバの動作が、シリンジの外筒の内側で、およびそれに対して、関連シリンジプランジャを軸方向に前進させるように、それぞれのそのようなシリンジプランジャは、パワーヘッドに組み込まれる適切なシリンジドライバと界面接触する(例えば、接触および/または一時的に相互接続する)ように設計される。1つの典型的なシリンジプランジャドライバは、ネジ山付き主ネジまたは駆動ネジに搭載される、ラムの形態である。1つの回転方向への駆動ネジの回転が、1つの軸方向に関連ラムを前進させる一方で、反対の回転方向への駆動ネジの回転は、反対の軸方向に関連ラムを前進させる。
【0005】
自動注入器によって使用されるシリンジを分類する方法の1つは、流体によって充填または装填される様式である。自動注入器シリンジは、予充填され得る。すなわち、シリンジは、ある施設において、流体で充填され、次いで、別の施設(例えば、最終用途施設)に出荷される。空のシリンジが、最終用途施設に出荷され、次いで、少なくとも2つの一般的様式において、流体で充填され得る。空のシリンジが、最終用途施設(例えば、充填部)内のある場所において、流体で充填され、次いで、最終用途施設(例えば、撮像室)内の別の場所に輸送され得、そこで、次いで、流体含有シリンジが、自動注入器に設置される。代替として、空のシリンジは、最終用途施設(例えば、撮像室)において、自動注入器に設置され、次いで、流体によって装填または充填され得る。
【0006】
個々の空のシリンジは、上述に従って、単回投与容器として特徴付けられ得るものから充填され得る。この場合、シリンジは、単独患者における単回注入のために使用される。それによって、本単回注入後、シリンジ内に残留する造影剤は、無駄となる。また、自動注入器から患者へと延在する管類セット全体も(1つ以上の弁およびカテーテル等、管類セットに組み込まれ得る、種々の構成要素を含む)、廃棄される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の側面は、医療流体管類の第1のセクションと、第1および第2の逆止弁と、圧力センサとを含む、医療流体管類セットに関する。第1および第2の逆止弁は、医療流体管類の第1のセクションに沿って/セクション内に直列に位置し、圧力センサは、前記第1および第2の逆止弁の間の少なくともいずれかの場所に位置する、医療流体管類の第1のセクション内の空間と関連付けられている。
【0008】
いくつかの特徴の改良および追加特徴が、本発明の第1の側面に適用可能である。これらの特徴の改良および追加特徴は、個別に、または任意の組み合わせで使用され得る。そのようなものとして、論議される以下の特徴のそれぞれは、任意の他の特徴または第1の側面の特徴の組み合わせとともに使用され得るが、そのように要求はされない。以下の論議は、本発明の第2の側面の論議の開始まで、第1の側面に適用可能である。
【0009】
一実施形態において、圧力センサは、医療流体管類セットの故障状態を監視する機能を提供し得る。例えば、故障状態は、第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方が少なくとも故障したと推定される場合であり得る(例えば、逆止弁を通して2方向以上に流体を流動させた;逆止弁が望ましくない逆流を許容した場合等)。一実施形態において、圧力センサは、第1および第2の逆止弁が少なくとも故障したと推定されるという表示を提供するように動作可能であり得る。一例として、表示は、可視、可聴、触知性、またはこれらの任意の組合せの少なくとも1つであり得る。圧力センサは、医療流体管類セットの1つ以上の部分を後続の注入手順の前に交換する必要があり得るかどうかの決定に有用となり得る。一実施形態において、医療流体管類の第1のセクションは、患者専用であり得る。さらに、医療流体管類セットは、医療管類の第1のセクションに流体的に相互接続可能な医療管類の第2のセクションをさらに含み、医療管類の第2のセクションは、再使用可能であり得る(例えば、複数の患者または多患者管類セクションとの使用のため)。この点において、医療流体管類セットの再使用可能な部分は、圧力センサが、故障状態が発生したことを決定するか、または第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方が少なくとも故障したと推定されるという表示を提供した場合、廃棄および/または交換され得る。
【0010】
一実施形態において、圧力センサは、医療流体管類の第1のセクションの第1の領域における流体圧に応答し得る。一変形例において、この第1の領域は、第1および第2の逆止弁の間に位置し得る。例えば、圧力センサは、第1の領域内の流体圧が所定のレベルを下回ると第1の状態から第2の状態に変化することにより、流体圧に応答し得る。一配列において、所定のレベルは、第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方のクラッキング圧(例えば、対応する逆止弁を開放するのに必要な圧力差)であり得る。別の配列において、所定のレベルは、第1および第2の逆止弁のそれぞれのクラッキング圧であり得る。
【0011】
圧力センサは、いくつかの特徴付けを受け得る。一実施形態において、圧力センサは、医療流体管類の第1のセクション上に位置し得る。さらに、圧力センサは、第1および第2の逆止弁と直列に位置し、および/または第1および第2の逆止弁の間に位置し得る。圧力センサはまた、医療流体管類の第1のセクションと流体的に相互接続可能であり得る。
【0012】
一実施形態において、圧力センサは、可動要素を含み得る。例えば、圧力センサの可動要素は、流体圧を測定するステップ、および測定された流体圧に関連した表示を提供するステップの少なくとも1つを実行するように動作可能であり得る。変形例において、可動要素の第1の位置は、第1および第2の逆止弁の適正な機能と関連付けられてもよく、可動要素の第2の位置は、第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方の少なくとも推定される故障と関連付けられ得る。可動要素のこれらの2つの位置は、圧力センサの外部から目視または識別可能であり得る(例えば、圧力センサの外部の形状変化を提供することにより)。
【0013】
一配列において、圧力センサは、可動要素と相互接続され、可動要素を2つの主要な位置のうちの1つに付勢する、付勢部材(例えば、圧縮バネ、波形バネ)をさらに含み得る。複数の付勢部材が同様に使用され得る。少なくとも1つの付勢部材は、可動要素を、第1の位置(第1および第2の逆止弁の推定される適正な機能に関連付けられている)または第2の位置(少なくとも故障したと推定されている第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方に関連付けられている)に付勢し得る。さらに、圧力センサは、任意の適切な材料(例えば、プラスチック、金属)で構築された筐体をさらに含み得る。1つの設定において、可動要素は、第1の位置において筐体から突出し、第2の位置において筐体により実質的に隠される部分を含み得る。別の設定において、可動要素は、第2の位置において筐体から突出し、第1の位置において筐体により実質的に隠される部分を含み得る。
【0014】
上述の可動要素は、2つの異なる位置の間で移動可能であると特徴付けることができるが、1つは、機能していると推定される第1および第2の逆止弁と関連付けられ、他方は故障したと推定される第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方と関連付けられている。この可動要素の位置の変化は、圧力センサの外観で(例えば、圧力センサの外観を見ることにより)視覚的に認識可能であり得る。2つの異なる位置の間の可動要素の移動はまた、圧力センサの外観の視覚的に認識可能な形状変化を提供するものとして特徴付けることができる。
【0015】
別の配列において、可動要素の少なくとも一部は、第1および第2の位置の一方において識別可能であり得、第1および第2の位置の他方において識別可能でなくてもよい。例えば、可動要素の一部が識別可能ではないときに、第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方の故障状態が推定され得、また可動要素の一部が識別可能であるときに、第1および第2の逆止弁のそれぞれの適正な機能状態が推定され得、またこの逆も成り立つ。一変形例において、筐体は、窓(例えば、半透明または透明部分)を含み得る。一実施形態において、可動要素の一部分は、第1および第2の位置の一方において窓を通して識別可能であり得、第1および第2の位置の他方において識別可能でなくてもよい。別の実施形態において、可動要素は、第1および第2の位置のそれぞれにおいて窓を通して識別可能であり得、第1および第2の位置の間の移動により可動要素の形状変化が識別され得る。さらに別の実施形態において、第1および第2の位置の一方において可動要素の少なくとも一部が識別可能であり得、第1および第2の位置の他方において可動要素の全体が窓を通して識別可能でなくてもよい。
【0016】
可動要素は、任意の適切な形態であり得る。例えば、一変形例において、可動要素は、実質的に非変形可能なピストンの形態であり得、このピストンは、2つの上述の位置の間で、変形または形状変化以外で移動し得る。別の変形例において、可動要素は、ダイヤフラムを含み得る。このダイヤフラムの外観は、第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方の少なくとも推定される故障状態に応じて、視覚的に識別可能な形状変化を生じてもよい。
【0017】
一実施形態において、圧力センサは、医療流体管類の第1のセクションと流体的に相互接続可能なポートを含み得る。圧力センサはまた、ポートに相互接続される圧力トランスデューサを含み得る。圧力トランスデューサは、医療管類の第1のセクションにおける流体圧を適切に測定または監視することができ、また、それに流体圧の読取値を送信し、および/または任意の適切な様式での圧力トランスデューサの制御を可能にするために、任意の適切なデバイス(例えば、コンピュータデバイス、制御システム)と通信することができる。
【0018】
一実施形態において、上述の医療流体管類セットのいずれも、医療流体注入システムの一部として使用することができる。例えば、医療流体注入システムは、注入デバイスと、注入デバイスに相互接続される多患者管類セクションと、上述の医療流体管類セットのいずれかとを含み得る。この実施形態において、医療流体管類セットは、患者専用管類セクションを含み、または患者専用管類セクションとして特徴付けることができ、多患者管類セクションが注入デバイスと患者専用管類セクションとの間に位置するように、多患者管類セクションと相互接続される。一変形例において、流体源は、注入デバイスと流体的に相互接続され得る。例えば、流体源は、注入デバイスによる複数の注入に適応する体積の任意の適切な流体(例えば、生理食塩水、造影剤)を含み得る。
【0019】
本発明の第2の側面は、医療流体管類セットを評価する方法により提供される。管類セットは、医療管類の第1のセクションと、医療管類の第1のセクションに沿って/第1のセクション内で離間する第1および第2の逆止弁とを含む。方法は、第1および第2の逆止弁の間で医療管類の第1のセクション内の流体圧を監視するステップと、監視するステップに基づき、第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方の開放状態を査定するステップとを含む。
【0020】
いくつかの特徴の改良および追加特徴が、本発明の第2の側面に適用可能である。これらの特徴の改良および追加特徴は、個別に、または任意の組み合わせで使用され得る。そのようなものとして、論議される以下の特徴のそれぞれは、任意の他の特徴または第2の側面の特徴の組み合わせとともに使用され得るが、そのように要求はされない。以下の論議は、少なくとも第2の側面に適用可能である。
【0021】
一実施形態において、監視ステップは、流体圧を機械的に(例えば、可動要素を使用して)監視するステップ、流体圧を電気的に(例えば、圧力トランスデューサを使用して)監視するステップ、またはこれらの組合せから成る群より選択され得る。一変形例において、方法は、査定するステップが、第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方の少なくとも起こり得る故障を識別すると、表示を提供するステップをさらに含み得る。例えば、表示は、可視、可聴、触知性、またはこれらの任意の組合せから成る群より選択され得る。
【0022】
査定するステップは、いくつかの特徴付けを受け得る。一実施形態において、査定ステップは、監視するステップからの流体圧を、第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方のクラッキング圧と比較するステップを含み得る。一実施形態において、査定するステップは、第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方の故障状態を、流体圧の大きさにおける所定の低下を識別する監視するステップに関連付けるステップを含み得る。一実施形態において、査定するステップは、第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方の故障状態を、流体圧が第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方またはそれぞれのクラッキング圧より小さいことを識別する、監視するステップに関連付けるステップを含み得る。一配列において、医療流体管類セットは、査定するステップが故障状態の発生を識別した場合、廃棄され得る。別の配列において、査定するステップが故障状態の発生を識別しない場合、医療流体管類セットの一部のみを廃棄する必要があり得る。
【0023】
一実施形態において、方法は、医療流体管類セットを通して流体の流動を導くステップと、導くステップに応じて、第1および第2の逆止弁のそれぞれを開放するステップと、導くステップを終了するステップと、終了するステップに応答して、第1および第2の逆止弁を閉鎖するステップとを含み得る。その後、査定するステップは、第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方が、閉鎖するステップの後および導くステップの任意のさらなる開始の前に開いているかどうかを決定するステップを含み得る。例えば、監視するステップにおいて特定された流体圧が第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方のクラッキング圧より小さい場合、第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方が開いていることが決定され得る。
【0024】
一実施形態において、管類配列を使用する方法は、上述の評価方法のいずれかを実行するステップを含み得る。例えば、管類配列を使用する方法は、医療流体管類セットを通して第1の流体を送達するステップを含み、医療流体管類セットは、医療管類の多患者セクションをさらに備えている。医療管類の第1のセクションは、第1の流体を送達するステップの後に交換され得、交換するステップの後に、第2の流体が医療流体管類セットを通して送達され得る。
【0025】
一配列において、方法は、第2の流体送達ステップの前に多患者管類セクションを交換するステップを含み得る。ここで、多患者管類を交換するステップは、第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方の推定される故障状態を識別する査定するステップに応答して実行され得る。
【0026】
いくつかの特徴の改良および追加特徴が、本発明の上述の第1および第2の側面のそれぞれに、別個に適用可能である。これらの特徴の改良および追加特徴は、上述の第1および第2の側面のそれぞれに関連して、個別に、または任意の組み合わせで使用され得る。「単数の」という文脈等に限定されることを目的とする、本発明の任意の他の種々の側面の任意の特徴は、「唯一の」、「単一の」、「限定される」等の用語によって、本明細書で明確に説明される。一般的に受け入れられている根拠の実践に従って特徴を導入するだけでは、対応する特徴を単数に限定されない(例えば、自動注入器が「1つのシリンジ」を含むことを示すだけでは、自動注入器が単一のシリンジしか含まないことを意味しない)。また、「少なくとも1つの」等の語句を使用しないことも、対応する特徴を単数に限定しない(例えば、自動注入器が「1つのシリンジ」を含むことを示すだけでは、自動注入器が単一のシリンジしか含まないことを意味しない)。特定の特徴に関する「少なくとも概して」等といった語句の使用は、対応する特性およびそのごくわずかな変形例を包含する(例えば、シリンジ外筒が少なくとも概して円筒形であると示すことで、実際に円筒形であるシリンジ外筒を包含する)。最後に、「一実施形態では」という語句と併せた特徴の 参照は、特徴の使用を単一の実施形態に限定しない。
【0027】
流体放出を提供するために利用され得る、任意の自動注入器は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であり得る。任意のそのような自動注入器は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の1つ以上のシリンジプランジャドライバを利用し、その場合、それぞれのそのようなシリンジプランジャドライバは、少なくとも双方向運動(例えば、流体を放出するための第1の方向の運動、流体の搭載および/または引出に適応するため、および/または後続の流体放出動作のための位置に戻るための第2の方向の運動)が可能であり、それぞれのそのようなシリンジプランジャドライバは、(例えば、流体を放出するように)少なくとも1つの方向にシリンジプランジャを前進させることができるよう、任意の適切な様式で(例えば、機械的接触によって、(機械的または別様の)適切な連結によって)、その対応するシリンジプランジャと相互作用し得る。各シリンジプランジャドライバは、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の1つ以上の駆動源を利用し得る。複数の駆動源出力が、所与の時に単一のシリンジプランジャを前進させるように任意の適切な様式で組み合わせられ得る。1つ以上の駆動源が、単一のシリンジプランジャドライバ専用であり得、1つ以上の駆動源が、複数のシリンジプランジャドライバと関連し(例えば、1つのシリンジプランジャから別のシリンジプランジャに出力を変更するように、ソートの伝送を組み込む)、またはそれらの組み合わせである。代表的な駆動源の形態は、ブラシ付きまたはブラシレス電気モータ、油圧モータ、空気モータ、圧電モータ、またはステッピングモータを含む。
【0028】
任意のそのような自動注入器は、限定するものではないが、任意の適切な医療撮像用途(例えば、コンピュータ断層撮影法またはCT撮像、磁気共鳴映像法もしくはMRI、単光子放射型コンピュータ断層撮影法もしくはSPECT撮像、陽電子放射型コンピュータ断層撮影法もしくはPET撮像、X線撮像、血管造影法、光学撮像、超音波撮像)を含む、1つ以上の医療流体の送達が所望される任意の適切な用途、ならびに/または任意の適切な医療診断および/もしくは治療用途(例えば、化学療法薬の注入、疼痛処理)に使用され得る。任意のそのような自動注入器は、適切な撮像システム(例えば、CTスキャナ)等の、任意の構成要素または構成要素の組み合わせと併せて使用され得る。例えば、任意のそのような自動注入器と1つ以上の他の構成要素との間で、情報を伝えることができる(例えば、スキャン遅延情報、注入開始信号、注入速度)。
【0029】
任意の適切な数のシリンジが、任意の適切な様式で(例えば、取り外し可能に、前方装填式、後方装填式、側面装填式)、任意のそのような自動注入器とともに利用され得、任意の適切な医療流体が、任意のそのような自動注入器の所与のシリンジから放出され得(例えば、造影剤、治療流体、放射性医薬品、生理食塩水、およびそれらの任意の組み合わせ)、任意の適切な流体が、任意の適切な様式で(例えば、連続的に、同時に)多重シリンジ自動注入器構成から放出され得、またはそれらの任意の組み合わせである。一実施形態では、自動注入器の動作によってシリンジから放出される流体は、導管(例えば、医療管類セット)内へと向けられ、本導管は、任意の適切な様式で、シリンジと流体的に相互接続され、流体を所望の場所(例えば、注入のために患者に挿入されるカテーテル)へと向ける。複数のシリンジが、(例えば、単一の注入部位に提供するために)共通導管の中へ放出し、または1つのシリンジが、(例えば、1つの注入部位に提供するために)1つの導管の中へ放出し得る一方で、別のシリンジは、(例えば、異なる注入部位に提供するために)異なる導管の中へ放出し得る。一実施形態では、各シリンジは、シリンジ外筒と、シリンジ外筒内に配置され、かつシリンジに対して移動可能であるプランジャとを含む。本プランジャは、シリンジプランジャ駆動アセンブリが、少なくとも1つの方向に、およびおそらくは2つの異なる反対方向に、プランジャを前進させることができるように、自動注入器のシリンジプランジャ駆動アセンブリと界面接触し得る。
【0030】
本明細書で使用されるように、「流体的に相互接続される」という用語は、その間の所定の流路を流体が(例えば、一方向に、または双方向に)流動できるような様式で(直接または間接的に)接続されている2つ以上の構成要素または実体を指す。例えば、「患者と流体的に相互接続される注入デバイス」とは、流体が、注入デバイスから任意の相互接続デバイス(例えば、管類、コネクタ)を介して患者の中へ(例えば、患者の血管系の中へ)流動することができる、構成を表す。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、自動注入器の一実施形態の概略図である。
【図2A】図2Aは、携帯型スタンド搭載式の二重ヘッド自動注入器の一実施形態の斜視図である。
【図2B】図2Bは、図2Aの自動注入器によって使用される、パワーヘッドの拡大部分分解斜視図である。
【図2C】図2Cは、図2Aの自動注入器によって使用される、シリンジプランジャ駆動アセンブリの一実施形態の概略図である。
【図3】図3は、多患者管類セクションおよび患者専用管類セクションの両方を使用する、多投与注入システムの一実施形態の概略図である。
【図4】図4は、多患者管類セクションおよび患者専用管類セクションの両方を使用する、多投与注入システムの別の実施形態の概略図である。
【図5】図5は、図3および4の多投与注入システムからの患者専用管類セクションにより使用され得る、二重逆止弁配列の一実施形態の斜視図である。
【図6A】図6Aは、図5の二重逆止弁配列により使用され得る圧力センサの、図5中の線6〜6に沿った断面図であり、逆止弁の両方が動作可能であると推定される状態を示している。
【図6B】図6Bは、図6Aからの圧力センサの断面図であり、逆止弁のうちの少なくとも一方が少なくとも故障したと推定される状態を示している。
【図7A】図7Aは、図5の二重逆止弁配列により使用され得る別の圧力センサの断面図であり、逆止弁の両方が動作可能であると推定される状態を示している。
【図7B】図7Bは、図7Aからの圧力センサの断面図であり、逆止弁のうちの少なくとも一方が少なくとも故障したと推定される状態を示している。
【図8A】図8Aは、図5の二重逆止弁配列により使用され得る別の圧力センサの断面図であり、逆止弁の両方が動作可能であると推定される状態を示している。
【図8B】図8Bは、図8Aからの圧力センサの断面図であり、逆止弁のうちの少なくとも一方が少なくとも故障したと推定される状態を示している。
【図9】図9は、図5の二重逆止弁配列により使用され得る別の圧力センサの斜視図である。
【図10】図10は、管類配列(例えば、医療流体管類セット)を使用および/または評価する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、パワーヘッド12を有する自動注入器10の一実施形態の概略図を提示する。1つ以上のグラフィカルユーザインターフェースまたはGUI11が、パワーヘッド12と関連付けられ得る。各GUI11は、(1)任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であり得る、(2)任意の適切な様式でパワーヘッド12と動作可能に相互接続され得る、(3)任意の適切な場所に配置され得る、(4)自動注入器10の動作の1つ以上の側面を制御する、自動注入器10の動作と関連する1つ以上のパラメータを入力/編集する、(例えば、自動注入器10の動作と関連する)適切な情報を表示するといった、機能のうちのいずれかを提供するように構成され得、または(5)それらの内容の任意の組み合わせであり得る。任意の適切な数のGUI11が利用され得る。一実施形態では、自動注入器10は、パワーヘッド12とは別であるが、パワーヘッド12と通信するコンソールによって組み込まれるGUI11を含む。別の実施形態では、自動注入器10は、パワーヘッド12の一部であるGUI11を含む。さらに別の実施形態では、自動注入器10は、パワーヘッド12と通信する別個のコンソール上で1つのGUI11を利用し、また、パワーヘッド12上にある別のGUI11も利用する。各GUI11は、同じ機能性または一式の機能性を提供することができ、または、GUI11は、それぞれの機能性に関して、少なくともある点で異なり得る。
【0033】
シリンジ28は、本パワーヘッド12上に設置され得、設置されると、自動注入器10の一部と見なされ得る。いくつかの注入手技は、シリンジ28内で生成される比較的高い圧力をもたらし得る。この点において、圧力ジャケット26内にシリンジ28を配置することが望ましいことがある。圧力ジャケット26は、典型的には、パワーヘッド12上にシリンジ28を設置するステップの一部として、またはそのステップの後に、シリンジ28がその中に配置されることを可能にする様式で、パワーヘッド12と関連付けられる。同圧力ジャケット26は、典型的には、種々のシリンジ28が、複数の注入手技のために、圧力ジャケット26内に位置付けられ、そこから除去される際に、パワーヘッド12と関連付けられたままとなる。自動注入器10が低圧注入のために構成/利用される場合、および/または自動注入器10とともに利用されるシリンジ28が、圧力ジャケット26によって提供される追加支持なしで、高圧注入に耐えるのに十分な耐久性である場合、自動注入器10は、圧力ジャケット26を排除し得る。いずれの場合でも、シリンジ28から放出される流体は、任意の適切な様式で、シリンジ28と流体的に相互接続され得、流体を任意の適切な場所に(例えば、患者に)向け得る、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の導管38の中へ向けられ得る。
【0034】
パワーヘッド12は、シリンジ28から流体を放出するようにシリンジ28(例えば、そのプランジャ32)と相互作用する(例えば、インターフェースをとる)、シリンジプランジャ駆動アセンブリまたはシリンジプランジャドライバ14を含む。本シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、駆動出力18(例えば、回転可能な駆動ネジ)にパワー供給する、駆動源16(例えば、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のモータ、オプションの歯車装置等)を含む。ラム20は、駆動出力18によって、適切な経路(例えば、軸方向)に沿って前進させられ得る。ラム20は、以下で論議される様式で、シリンジ28の対応する部分と相互作用またはインターフェースをとるための連結器22を含み得る。
【0035】
シリンジ28は、(例えば、双頭矢印Bと一致する軸に沿った軸方向の往復運動のために)シリンジ外筒30内で移動可能に配置される、プランジャまたはピストン32を含む。プランジャ32は、連結器34を含み得る。本シリンジプランジャ連結器34は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14がシリンジ外筒30内でシリンジプランジャ32を後退させることを可能にするように、ラム連結器22と相互作用またはインターフェースをとり得る。シリンジプランジャ連結器34は、ヘッドまたはボタン36bとともにシリンジプランジャ32の本体から延在する、シャフト36aの形態であり得る。しかしながら、シリンジプランジャ連結器34は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であり得る。
【0036】
概して、自動注入器10のシリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、(例えば、対応するシリンジ28から流体を放出するように)少なくとも1つの方向に(シリンジ外筒30に対して)シリンジプランジャ32を移動または前進させることできるよう、任意の適切な様式で(例えば、機械的接触によって、(機械的または別様の)適切な連結によって)シリンジ28のシリンジプランジャ32と相互作用し得る。すなわち、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、(例えば、同駆動源16の動作を介して)双方向運動が可能であり得るが、自動注入器10は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14の動作が、実際には、自動注入器10によって使用されている各シリンジプランジャ32を1つの方向にしか移動させないように、構成され得る。しかしながら、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、2つの異なる方向のそれぞれに(例えば、共通軸方向経路に沿った異なる方向に)、それぞれのそのようなシリンジプランジャ32を移動させることができるよう、自動注入器10によって使用されている各シリンジプランジャ32と相互作用するように構成され得る。
【0037】
シリンジプランジャ32の後退は、後続の注入または放出のために、シリンジ外筒30の中への流体の搭載に適応するために利用され得、後続の注入または放出のために、または任意の他の適切な目的で、シリンジ外筒30の中へ流体を実際に引き込むために利用され得る。ある構成は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14がシリンジプランジャ32を後退させることができることを要求しないことがあり、ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34が要求されないことがある。この場合、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、(例えば、別の予充填されたシリンジ28が設置された後に)別の流体送達動作を実行する目的で後退させられ得る。ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34が利用される場合でさえも、ラム20がシリンジプランジャ32を前進させて、シリンジ28から流体を放出する場合に、これらの構成要素は連結されてもされなくてもよい(例えば、ラム20が、単純にシリンジプランジャ連結器34、またはシリンジプランジャ32の近位端を直接「押し進め」てもよい)。ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34を連結状態または条件で配置するために、ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34を非連結状態または条件で配置するために、または両方のために、任意の適切な寸法または寸法の組み合わせで、任意の単一の運動または運動の組み合わせが利用され得る。
【0038】
シリンジ28は、任意の適切な様式で、パワーヘッド12上に設置され得る。例えば、シリンジ28は、パワーヘッド12上に直接設置されるように構成することができる。図示された実施形態では、シリンジ28とパワーヘッド12との間にインターフェースを提供するように、筐体24がパワーヘッド12上に適切に搭載される。本筐体24は、シリンジ28の1つ以上の構成が設置され得る、アダプタの形態であり得、シリンジ28の少なくとも1つの構成は、任意のそのようなアダプタを使用することなく、パワーヘッド12上に直接設置することができる。また、筐体24は、シリンジ28の1つ以上の構成が設置され得る、面板の形態であり得る。この場合、面板は、パワーヘッド12上にシリンジ28を設置するために要求されるようなものであり得、面板なしでシリンジ28をパワーヘッド12上に設置することはできない。圧力ジャケット26が使用されている時は、シリンジ28に関して本明細書で論議される種々の様式で、それがパワーヘッド12上に設置され得、次いで、シリンジ28は、その後、圧力ジャケット26の中に設置される。
【0039】
筐体24は、シリンジ28を設置する時に、パワーヘッド12上に搭載され、パワーヘッド12に対して固定具位置に留まり得る。別の選択肢は、シリンジ28の設置に適応するように、筐体24およびパワーヘッド12を移動可能に相互接続することである。例えば、筐体24は、双頭矢印Aを含む平面内で移動して、ラム連結器22とシリンジプランジャ連結器34との間で、連結状態または条件、および、非連結状態または条件のうちの1つ以上を提供し得る。
【0040】
1つの特定の自動注入器構成が、図2Aに図示され、参照数字40によって識別され、少なくとも概して図1の自動注入器10に従う。自動注入器40は、携帯型スタンド48上に搭載されるパワーヘッド50を含む。自動注入器40用の2つのシリンジ86a、86bが、パワーヘッド50上に搭載される。流体が、自動注入器40の動作中にシリンジ86a、86bから放出され得る。
【0041】
携帯型スタンド48は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であり得る。スタンド48を携帯型にするために、車輪、ローラ、キャスタ等が利用され得る。パワーヘッド50は、携帯型スタンド48に対して固定位置で維持することができる。しかしながら、少なくとも何らかの様式で、パワーヘッド50の位置が携帯型スタンド48に対して調整可能となることを可能にすることが望ましいことがある。例えば、シリンジ86a、86bのうちの1つ以上の中へ流体を装填する時に、携帯型スタンド48に対して1つの位置でパワーヘッド50を有すること、および注入手技の実施のために携帯型スタンド48に対して異なる位置でパワーヘッド50を有することが望ましくてもよい。この点において、パワーヘッド50は、任意の適切な様式で(例えば、パワーヘッド50が少なくともある可動域を通して旋回させられ、その後、所望の位置で維持され得るように)携帯型スタンド48と移動可能に相互接続され得る。
【0042】
パワーヘッド50は、流体を提供するために任意の適切な様式で支持することができると理解されたい。例えば、携帯型構造上に搭載される代わりに、パワーヘッド50は、支持アセンブリと相互接続することができ、支持アセンブリは、順に、適切な構造(例えば、天井、壁、床)に搭載される。パワーヘッド50用の任意の支持アセンブリが、(例えば、1つ以上の他の支持セクションに対して位置付け直され得る、1つ以上の支持セクションを有することによって)少なくとも何らかの点で位置調整可能であり得、または固定位置で維持され得る。また、パワーヘッド50は、固定位置で維持されるよう、または支持アセンブリに対して調整可能となるよう、任意のそのような支持アセンブリと統合され得る。
【0043】
パワーヘッド50は、グラフィカルユーザインターフェースまたはGUI52を含む。本GUI52は、自動注入器40の動作の1つ以上の側面を制御する、自動注入器40の動作と関連する1つ以上のパラメータを入力/編集する機能、および(例えば、自動注入器40の動作と関連する)適切な情報を表示する機能のうちの1つ、または任意の組み合わせを提供するように構成され得る。また、自動注入器40は、それぞれ任意の適切な様式で(例えば、1つ以上のケーブルを介して)、パワーヘッド50と通信し得る、検査室の中または任意の他の適切な場所でテーブル上に配置されるか、または電子機器ラック上に搭載される、または両方であり得る、コンソール42および電力パック46を含み得る。電力パック46は、注入器40用の電力供給部、コンソール42とパワーヘッド50との間の通信を提供するためのインターフェース回路、遠隔コンソール、遠隔手動または足踏み制御スイッチ、または他の相手先ブランド製造業者(OEM)の遠隔制御接続(例えば、自動注入器40の動作が撮像システムのX線被曝と同期化されることを可能にする)等の遠隔ユニットへの自動注入器40の接続を可能にするための回路、および任意の他の適切な構成要素のうちの1つ以上を、任意の適切な組み合わせで含み得る。コンソール42は、タッチスクリーンディスプレイ44を含み、それは順に、操作者が自動注入器40の動作の1つ以上の側面を遠隔制御することを可能にする機能、操作者が自動注入器40の動作と関連する1つ以上のパラメータを入力/編集することを可能にする機能、操作者が自動注入器40の自動化動作のためのプログラムを特定し、記憶することを可能にする機能(後に、操作者による開始時に自動注入器40によって自動的に実行することができる)、および自動注入器40の動作と関連し、その動作の任意の側面を含む、任意の適切な情報を表示する機能のうちの1つ以上を、任意の適切な組み合わせで提供し得る。
【0044】
パワーヘッド50とのシリンジ86a、86bの統合に関する種々の詳細を図2Bに提示する。シリンジ86a、86bのそれぞれは、同じ一般的構成要素を含む。シリンジ86aは、シリンジ外筒88a内で可動に配置される、プランジャまたはピストン90aを含む。パワーヘッド50の動作を介した、軸100a(図2A)に沿ったプランジャ90aの運動は、シリンジ86aのノズル89aを通して、シリンジ外筒88a内から流体を放出する。適切な導管(図示せず)が、典型的には、流体を所望の場所(例えば、患者)に向けるように、任意の適切な様式で、ノズル89aと流体的に相互接続される。同様に、シリンジ86bは、シリンジ外筒88b内で移動可能に配置される、プランジャまたはピストン90bを含む。パワーヘッド50の動作を介した、軸100b(図2A)に沿ったプランジャ90bの運動は、シリンジ86bのノズル89bを通してシリンジ外筒88b内から流体を放出する。適切な導管(図示せず)が、典型的には、流体を所望の場所(例えば、患者)に指向するために、任意の適切な様式でノズル89bと流体的に相互接続される。
【0045】
シリンジ86aは、中間面板102aを介して、パワーヘッド50と相互接続される。本面板102aは、シリンジ外筒88aの少なくとも一部を支持し、任意の追加機能性または機能性の組み合わせを提供/適応し得る、架台104を含む。台82aが、面板102aと界面接触するために、パワーヘッド50上に配置され、パワーヘッド50に対して固定される。シリンジ86aに対するシリンジプランジャ駆動アセンブリまたはシリンジプランジャドライバ56(図2C)の各部分である、ラム74(図2C)のラム連結器76は、パワーヘッド50上に搭載されると、面板102aに近接して位置付けられる。シリンジプランジャ駆動アセンブリ56に関する詳細を、図2Cに関して以下でより詳細に論議する。概して、ラム連結器76は、シリンジ86aのシリンジプランジャ90aと連結され得、次いで、ラム連結器76およびラム74(図2C)は、軸100a(図2A)に沿ってシリンジプランジャ90aを移動させるように、パワーヘッド50に対して移動させられ得る。それは、シリンジプランジャ90aを移動させ、シリンジ86aのノズル89aを通して流体を放出する時に、ラム連結器76がシリンジプランジャ90aと係合されるが、実際には連結されないようなものであり得る。
【0046】
面板102aは、パワーヘッド50上に面板102aを搭載するために、および、パワーヘッド50上の台82aから面板102aを除去するために、(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに図示される)軸100a、100bに対して直角である平面の少なくとも概して面内で移動させられ得る。面板102aは、シリンジプランジャ90aを、パワーヘッド50上の対応するラム連結器76と連結するために使用され得る。この点において、面板102aは、一対のハンドル106aを含む。概して、シリンジ86aが最初に面板102a内に位置付けられると、ハンドル106aは、順に、(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに図示される)軸100a、100bに対して直角である平面の少なくとも概して面内でシリンジ86aを移動/平行移動させるように、移動させられ得る。ハンドル106aを1つの位置に移動させることにより、少なくとも概して下向きの方向に(面板102aに対して)シリンジ86aを移動/平行移動させて、シリンジプランジャ90aを、その対応するラム連結器76と連結する。ハンドル106aを別の位置に移動させることにより、少なくとも概して上向きの方向に(面板102aに対して)シリンジ86aを移動/平行移動させて、シリンジプランジャ90aを、その対応するラム連結器76から分断する。
シリンジ86bは、中間面板102bを介して、パワーヘッド50と相互接続される。台82bが、面板102bと界面接触するために、パワーヘッド50上に配置され、パワーヘッド50に対して固定される。シリンジ86bに対するシリンジプランジャ駆動アセンブリ56の各部分である、ラム74(図2C)のラム連結器76は、パワーヘッド50に搭載されると、面板102bに近接して位置付けられる。シリンジプランジャ駆動アセンブリ56に関する詳細を、再度、図2Cに関して以下でより詳細に論議する。概して、ラム連結器76は、シリンジ86bのシリンジプランジャ90bと連結され得、ラム連結器76およびラム74(図2C)は、軸100b(図2A)に沿ってシリンジプランジャ90bを移動させるように、パワーヘッド50に対して移動させられ得る。それは、シリンジプランジャ90bを移動させ、シリンジ86bのノズル89bを通して流体を放出する時に、ラム連結器76がシリンジプランジャ90bと係合されるが、実際には連結されないようなものであり得る。
【0047】
面板102bは、パワーヘッド50上に面板102bを搭載するために、および、パワーヘッド50上の台82bから面板102bを除去するために、(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに図示される)軸100a、100bに対して直角である平面の少なくとも概して面内で動かされ得る。面板102bはまた、シリンジプランジャ90bを、パワーヘッド50上の対応するラム連結器76と連結するために使用され得る。この点において、面板102bは、ハンドル106bを含み得る。概して、シリンジ86bが最初に面板102b内に位置付けられると、シリンジ86bは、その長軸100b(図2A)に沿って、面板102bに対して回転させられ得る。本回転は、ハンドル106bを動かすことによって、シリンジ86bを把持して旋回させることによって、または両方によって実現され得る。いずれの場合でも、本回転は、(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに図示される)軸100a、100bに対して直角である平面の少なくとも概して面内で、シリンジ86bおよび面板102bの両方を移動/平行移動させる。シリンジ86bを1つの方向に回転させることにより、少なくとも概して下向きの方向にシリンジ86bおよび面板102bを移動/平行移動させて、シリンジプランジャ90bを、その対応するラム連結器76と連結する。シリンジ86bを反対方向に回転させることにより、少なくとも概して上向きの方向にシリンジ86bおよび面板102bを移動/平行移動させて、シリンジプランジャ90bを、その対応するラム連結器76から分断する。
【0048】
図2Bに図示されるように、シリンジプランジャ90bは、プランジャ本体92と、シリンジプランジャ連結器94とを含む。本シリンジプランジャ連結器94は、プランジャ本体92から離間したヘッド96とともに、プランジャ本体92から延在するシャフト98を含む。ラム連結器76のそれぞれは、ラム連結器76の面の上のより小型のスロットの後に位置付けられる、より大型のスロットを含む。シリンジプランジャ連結器94のヘッド96は、ラム連結器76のより大型のスロット内に位置付けられ、シリンジプランジャ連結器94のシャフト98は、シリンジプランジャ90bおよびその対応するラム連結器76が連結状態または条件である時に、ラム連結器76の面の上のより小型のスロットを通って延在し得る。シリンジプランジャ90aは、その対応するラム連結器76と界面接触するために、同様のシリンジプランジャ連結器94を含み得る。
【0049】
パワーヘッド50は、自動注入器40の場合では、シリンジ86a、86bから流体を放出するために利用される。すなわち、パワーヘッド50は、シリンジ86a、86bのそれぞれから流体を放出する原動力を提供する。シリンジプランジャ駆動アセンブリまたはシリンジプランジャドライバとして特徴付けられ得るものの一実施形態が、図2Cに図示され、参照数字56によって識別され、シリンジ86a、86bのそれぞれから流体を放出するために、パワーヘッド50によって利用され得る。別個のシリンジプランジャ駆動アセンブリ56が、シリンジ86a、86bのそれぞれに対するパワーヘッド50に組み込まれ得る。この点において、図2A〜Bを再度参照すると、パワーヘッド50は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ56のそれぞれを別個に制御する際に使用するための手動ノブ80aおよび80bを含み得る。
【0050】
最初に、図2Cのシリンジプランジャ駆動アセンブリ56に関して、その個々の構成要素のそれぞれは、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であり得る。シリンジプランジャ駆動アセンブリ56は、出力シャフト60を有するモータ58を含む。駆動歯車62が、モータ58の出力シャフト60上に搭載され、それとともに回転する。駆動歯車62は、被駆動歯車64と係合されるか、または少なくとも係合可能である。本被駆動歯車64は、駆動ネジまたはシャフト66上に搭載され、それとともに回転する。それを中心として駆動ネジ66が回転する軸は、参照数字68によって識別される。1つ以上の軸受72が、駆動ネジ66を適切に支持する。
【0051】
台車またはラム74が、駆動ネジ66上に移動可能に搭載される。概して、1つの方向への駆動ネジ66の回転が、対応するシリンジ86a/bの方向へ駆動ネジ66に沿って(それにより、軸68に沿って)ラム74を軸方向に前進させる一方で、反対方向への駆動ネジ66の回転は、対応するシリンジ86a/bから離れて駆動ネジ66に沿って(それにより、軸68に沿って)ラム74を軸方向に前進させる。この点において、駆動ネジ66の少なくとも一部の周囲は、ラム74の少なくとも一部とインターフェースをとる螺旋ネジ山70を含む。また、ラム74は、駆動ネジ66の回転中にラム74が回転することを可能にしない、適切なブッシング78内で移動可能に搭載される。したがって、駆動ネジ66の回転は、駆動ネジ66の回転方向によって決定される方向で、ラム74の軸方向移動を提供する。
【0052】
ラム74は、対応するシリンジ86a/bのシリンジプランジャ90a/bのシリンジプランジャ連結器94と取り外し可能に連結され得る、連結器76を含む。ラム連結器76およびシリンジプランジャ連結器94が適切に連結されると、シリンジプランジャ90a/bは、ラム74とともに移動する。図2Cは、シリンジ86a/bが、ラム74に連結されることなく、その対応する軸100a/bとともに移動させられ得る、構成を図示する。そのシリンジプランジャ90a/bのヘッド96がラム連結器76と整列させられるが、軸68が依然として図2のオフセット構成にある状態で、それに沿ってラム74が移動する軸68に対して直角である平面内で、シリンジ86a/bが平行移動させられ得るように、シリンジ86a/bは、その対応する軸100a/bとともに移動させられる。このことは、上述の様式でラム連結器76とシリンジプランジャ連結器96との間で連結係合を確立する。
【0053】
図1および2A〜Cの自動注入器10、40はそれぞれ、限定するものではないが、流体が対象(例えば、患者)に注入される医療撮像用途を含む任意の適切な用途、ならびに/または任意の適切な医療診断および/もしくは治療用途(例えば、化学療法薬の注入、疼痛処理)に使用され得る。自動注入器10、40の代表的な医療撮像用途は、コンピュータ断層撮影法またはCT撮像、磁気共鳴映像法またはMRI、単光子放射型コンピュータ断層撮影法またはSPECT撮像、陽電子放射型コンピュータ断層撮影法PET撮像、X線撮像、血管造影法、光学撮像、超音波撮像を無制限に含む。自動注入器10、40はそれぞれ、単独で、または1つ以上の他の構成要素と組み合わせて使用することができる。自動注入器10、40はそれぞれ、例えば、情報が自動注入器10、40と1つ以上の他の構成要素との間で伝えられ得るように(例えば、スキャン遅延情報、注入開始信号、注入速度)、1つ以上の構成要素と動作可能に相互接続され得る。
【0054】
限定するものではないが、単一ヘッド構成(単一のシリンジ用)および二重ヘッド構成(2つのシリンジ用)を含む任意の数のシリンジが、自動注入器10、40のそれぞれによって利用され得る。多重シリンジ構成の場合は、各自動注入器10、40は、任意の好適な様式で、任意のタイミングシーケンスに従って、種々のシリンジから流体を放出し得る(例えば、2つ以上のシリンジからの連続放出、2つ以上のシリンジからの同時放出、またはそれらの任意の組み合わせ)。複数のシリンジが、(例えば、単一の注入部位に提供するために)共通導管の中へ放出し、または1つのシリンジが、(例えば、1つの注入部位に提供するために)1つの導管の中へ放出し得る一方で、別のシリンジは、(例えば、異なる注入部位に提供するために)異なる導管の中へ放出し得る。自動注入器10、40のそれぞれによって利用される、それぞれのそのようなシリンジは、任意の適切な流体(例えば、医療流体)、例えば、造影剤、治療流体、放射性医薬品、生理食塩水、およびそれらの任意の組み合わせを含み得る。自動注入器10、40のそれぞれによって利用される、それぞれのそのようなシリンジは、任意の適切な様式で設置され得る(例えば、後方装填構成が利用され得る、前方装填構成が利用され得る、側面装填構成が利用され得る)。
【0055】
図3は、図2Aの自動注入器40の1つ以上の構成要素を組み込み得る注入システム220(例えば、多投与注入システム;医療流体注入システム;多投与医療流体注入システム)の一実施形態を示す。第1の流体源222は、第1の流体源管類224により第1の注入デバイス226と流体的に相互接続され得る。第2の流体源228は、第2の流体源管類230により第2の注入デバイス232と流体的に相互接続され得る。任意の適切な流体が、第1の流体源222および第2の流体源228のそれぞれによって利用され得る。一実施形態では、第1の流体源222は、造影剤を利用する一方、第2の流体源228は、生理食塩水または任意の他の適切な生態適合性洗浄媒体を利用する。第1の流体源222および第2の流体源228はそれぞれ、複数回の注入または注入手技(例えば、複数の患者のため)に十分な流体体積を有し得る。
【0056】
第1の注入デバイス226および第2の注入デバイス232はそれぞれ、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であり得る(例えば、自動注入器)。第1の流体源管類224および第2の流体源管類230はそれぞれ、任意の適切な導管(例えば、医療管類)の形態であり得る。任意の適切な構成要素または構成要素の組み合わせが、第1の流体源管類224および第2の流体源管類230の一方またはそれぞれに組み込まれ得る(例えば、任意の適切な種類の1つ以上の弁)。
【0057】
再使用可能な管類の多使用または多患者セクション234は、注入デバイス226、232のそれぞれと流動的に相互接続され得る。多患者管類セクション234の3つの異なる部品または区分が存在する。すなわち、第1の注入デバイス226から延在する、第1の注入デバイス管類236、第2の注入デバイス232から延在する、第2の注入デバイス管類238、および共通排出管類240である。第1の注入デバイス226から排出される流体は、第1の注入デバイス管類236中へ、次いで、共通排出管類240へと向けられ得る。第2の注入デバイス232から排出される流体は、第2の注入デバイス管類238中へ、次いで、共通排出管類240へと向けられ得る。
【0058】
第1の注入デバイス管類236、第2の注入デバイス管類238、および共通排出管類240は、一体的に形成され得、または1つ以上の適切なコネクタが利用され、多患者管類セクション234の隣接区分を流動的に相互接続し得る。適切なコネクタを使用して、第1の注入デバイス管類236を第1の注入デバイス226に設置し得る一方、適切なコネクタを使用して、第2の注入デバイス管類238を第2の注入デバイス232に設置し得る。任意の適切な種類のコネクタ242が、共通排出管類240の自由端に提供され得る。
【0059】
使い捨て、単回使用、単独患者、または患者専用管類セットまたは管類セクション244は、多患者管類セクション234が第1および第2の注入デバイス226、232と患者専用管類セクション244との間に位置するように、任意の適切な種類のコネクタ246によって、多患者管類セクション234の共通排出管類240と流動的に相互接続され得る。患者専用管類セクション244は、管類248を含む、適切な血管系アクセスデバイス(例えば、カテーテル)250が、管類248と適切に相互接続され得る(例えば、適切なコネクタを介して)。
【0060】
任意の適切な構成要素または構成要素の組み合わせが、多患者管類セクション234および患者専用管類セクション244の一方またはそれぞれに組み込まれ得る(例えば、任意の適切な種類の1つ以上の弁)。多患者管類セクション234および患者専用管類セクション244のそれぞれによって利用される管類は、任意の適切な種類であり得る(例えば、医療管類)。
【0061】
図4は、注入システム260(例えば、多投与注入システム、薬剤注入システム、多投与薬剤注入システム)の別の実施形態を表す。注入システム260は、第1の流体源262と、第2の流体源266と、自動注入器270と、再使用可能または管類の多患者セクション276と、上述の患者専用管類セクション244とを含む。第1の流体源262は、第1の流体源管類278(多患者管類セクション276の一部であり得る)によって、自動注入器270上に設置される、第1のシリンジ272と流動的に相互接続され得る。第2の流体源266は、第2の流体源管類280(多患者管類セクション276の一部であり得る)によって、自動注入器270上に設置される、第2のシリンジ274と流動的に相互接続され得る。任意の適切な流体が、第1の流体源262および第2の流体源266のそれぞれによって利用され得る。一実施形態では、第1の流体源262は、造影剤を利用する一方、第2の流体源266は、生理食塩水または任意の他の好適な生体適合性洗浄媒体を利用する。第1の流体源262および第2の流体源266はそれぞれ、複数回の注入または注入手技(例えば、複数の患者のため)に十分な流体体積を有し得る。第1の流体源管類278および第2の流体源管類280はそれぞれ、任意の適切な導管(例えば、医療管類)の形態であり得る。任意の適切な構成要素または構成要素の組み合わせが、第1の流体源管類278および第2の流体源管類280の一方またはそれぞれに組み込まれ得る(例えば、任意の適切な種類の1つ以上の弁)。
【0062】
多患者管類セクション276は、自動注入器270上の第1のシリンジ272から延在する、第1のシリンジ管類282と、自動注入器270上の第2のシリンジ274から延在する、第2のシリンジ管類284と、共通排出管類286とを含む。自動注入器270によって、第1のシリンジ272から排出された流体は、第1のシリンジ管類282中へ、次いで、共通排出管類286中へと向けられる。自動注入器270によって、第2のシリンジ274から排出された流体は、第2のシリンジ管類284中へ、次いで共通排出管類286へと向けられる。
【0063】
第1の流体源管類278、第2の流体源管類280、第1のシリンジ管類282、第2のシリンジ管類284、および共通排出管類286は、一体的に形成され得、適切なコネクタが利用され、多患者管類セット276の各対の隣接区分を流動的に相互接続し得、または多患者管類セット276の一部は、1つ以上のコネクタによって組み込まれる、多患者管類セット276の1つ以上の他の部分と一体的に形成され得る。適切なコネクタを使用して、第1のシリンジ管類282を第1のシリンジ272に設置し得る一方、適切なコネクタを使用して、第2のシリンジ管類284を第2のシリンジ274に設置し得る。任意の適切な種類のコネクタ290が、共通排出管類286の自由端に提供され得る。
【0064】
任意の適切な構成要素または構成要素の組み合わせが、上述のように、多患者管類セクション276および患者専用管類セクション244の一方またはそれぞれに組み込まれ得る(例えば、任意の適切な種類の1つ以上の弁)。例えば、第1のシリンジ管類282および第2のシリンジ管類284はそれぞれ、適切な弁288(例えば、栓)を含み、患者専用管類セクション244中に向けられることなく、流体源262、266からの流体をそれぞれのシリンジ272、274中に装填可能にし得る。多患者管類セクション276によって利用される管類は、任意の適切な種類であり得る(例えば、医療管類)。
【0065】
図5は、図3および4の注入システム220、260、または任意の他の適切な流体送達システムにより使用され得る、二重逆止弁配列300を示す。例えば、配列300は、図3および4の患者専用管類セクション244に組み込まれ得るが、配列300は、配列300の一方の側(下流側312)からの流体が、配列300の他方の側(上流側316)に流動する可能性を少なくとも低減しようとすることが望ましい管類(例えば、医療管類)の任意の他の部分に適切に組み込まれ得ることが企図される。以降、図3の注入システム220に関連して逆止弁配列300が説明され、配列300は、患者専用管類セクション244に組み込まれる(ただし、当然ながら、論議は図4の注入システム260にも同等に提供可能である)。したがって、1)配列300の上流側316は、多患者管類セクション234と、配列300の下流側312との間に位置し、2)配列300の下流側312は、血管系アクセスデバイス250と配列300の上流側316との間に位置する。
【0066】
配列300は、それぞれ第1、第2および第3の部分320、324、328を含む管類248に沿って/管類248内に適切に配置された、概して第1および第2の逆止弁304、308(以降、集合的に単に「第1および第2の逆止弁304、308」と呼ばれ得る)をそれぞれ含む。第1および第2の逆止弁304、308は、管類248とともに、それぞれ任意の適切なサイズ、形状、構成および/または種類のものであり得る。配列300はまた、以下でより十分に説明される、圧力センサ332の形態の無菌検出デバイスとして特徴付けられ得るものを含む。配列300は、上流側(例えば、図5中の「注入デバイスへ」の方向)の患者専用管類セクション244から多患者管類セクション234へ(図3に示される;または、図4の注入システム260における多患者管類276へ)流体が流動する可能性を低減しようとする。したがって下流側へ(例えば、図5中に示される「患者へ」の方向へ)の流体の流動のみを少なくとも許容しようとするように機能し得る。この点において、配列300は、少なくとも、多患者管類セクション234の任意の患者からの流体による汚染の可能性を低減しようとし得る。したがって、多患者管類セクション234は、配列300により1人以上の患者に流体を供給するために使用され得る。第1および第2の逆止弁304、308は、それぞれ、一方向逆止弁(すなわち、適正に機能している時には単一方向のみの流動を許容するように構成されている)の形態であり得、また、管類248に沿って/管類248内に適切に直列に配置され得る(例えば、逆止弁304、308は、管類248を通る流路内で離間した関係で配置される)。そのような配列は、一方向逆止弁のうちの一方が故障する場合、他方の一方向逆止弁が、機能性を維持し、患者から多患者管類セット234中への流体の逆流の可能性を低減させ得るという点において、あるレベルの冗長性を提供する。
【0067】
圧力センサ332は、概して、第1および第2の逆止弁304、308の一方または両方(例えば少なくとも一方)が故障した可能性があるという、少なくとも1つのユーザが認識可能な表示(例えば、可視、触知的、可聴、またはこれらの任意の組合せの)を提供するように機能する。換言すると、圧力センサ332は、配列300の下流側および上流側312、316の間の無菌バリアがそれぞれ、適正に機能している(例えば無傷である)可能性がある、および/または故障した可能性があるという、少なくとも1つの信号をユーザに提供し得る。圧力センサ332は、第1および第2の逆止弁304、308の間に延在する流路の一部における管類248の第2の部分324内の第1の領域の流体圧を適切に測定、記録またはその他の様式で監視する(例えば、機械的および/または電気的に)ことによって、第1および第2の逆止弁304、308の少なくとも一方の故障状態を適切に監視すること(例えば、第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方が少なくとも故障したと推定されること、したがって逆止弁304、308の一方のみが故障した可能性がある、または逆止弁304、308の両方が故障した可能性がある状況を含む)により、少なくとも部分的に機能する。
【0068】
第1および第2の逆止弁304、308はそれぞれ、第1および第2の逆止弁304、308のそれぞれの上流および下流側の間の流体圧差(以降、「流体圧差」)が、「クラッキング圧」(すなわち、第1および第2の逆止弁304、308が開き、流体を下流方向に流動させるまで、逆止弁の上流側圧力が逆止弁の下流側圧力よりも大きくなくてはならないための最低量)以上であることを必要とし得る。その後、第1および第2の逆止弁304、308のそれぞれの流体圧差が、それぞれのクラッキング圧を下回ると、第1および第2の逆止弁304、308のそれぞれは、正常動作を仮定すれば閉じるはずであり、したがって流体がその下流側から上流側に流動するのを阻止しようとするはずである。この点で(第1および第2の逆止弁304、308が同じクラッキング圧を有すると仮定すると)、管類248の第2の部分324内の流体圧は、常に逆止弁304、308の少なくとも一方のクラッキング圧以上であるはずである。
【0069】
例えば、第1および第2の逆止弁304、308のそれぞれが0.5psiのクラッキング圧を有すると仮定すると、流体は、管類248ならびに第1および第2の逆止弁304、308を、下流方向(例えば患者の方向)に10psiで流動し、各逆止弁304、308の流体圧差は、クラッキング圧より高い(例えば、第1および第2の逆止弁304、308はそれぞれ開いている)。流体源がオフにされるか、またはその他の様式で流動が停止された後、第1および第2の逆止弁304、308のそれぞれの上流側圧力は、流体の圧力差がクラッキング圧にほぼ等しいレベルまで低下するように減少し、第1および第2の逆止弁304、308が閉じるはずである。第1および第2の逆止弁304、308の両方が閉じると、管類248の第2の位置324内の流体圧は一定となるはずであり(適正に機能している第1および第2の逆止弁304、308を通して下流方向に流体が通過することができないはずであるため)、この例ではちょうど10psi未満にほぼ等しくなり得る。それにもかかわらず、重要なのは、第1および第2の逆止弁304、308の正常な機能を仮定すると、流体圧は常に、少なくともほぼ第1および第2の逆止弁304、308のクラッキング圧以上であるという点である。したがって、管類248の第2の部分324内の流体圧が第1および第2の逆止弁304、308のクラッキング圧以上であることを仮定すると、患者専用管類セクション244(配列300を組み込んでいる)および/または他の下流側構成要素のみが、注入システム220を使用した後続の注入前に交換される必要がある(例えば、異なる患者に関連して)。
【0070】
しかしながら、管類248の第2の部分324内の流体圧が第1および第2の逆止弁304、308のクラッキング圧を下回った場合には、第1および第2の逆止弁304、308の少なくとも一方が、下流側から上流側に流体が流動するのを許容したこと、および配列300の下流側312と上流側316との間の無菌バリアが故障した可能性があることが推定され得る。したがって、この時点で、流体と接触している注入システム220の全ての構成要素(例えば、患者専用管類セクション244および多患者管類セクション234(この場合も配列300に組み込まれている)の両方)を交換することが必要となり得る。
【0071】
図5、6A、および6Bを参照すると、第1および第2の逆止弁304、308の少なくとも一方の故障状態を監視するための圧力センサ332の一実施形態が示されている。圧力センサ332は、管類248の第2の部分324内の流体圧を適切に監視(例えば、測定、記録、観察)し、第1および第2の逆止弁304、308の1つ以上が故障した可能性があるという、ユーザが認識可能な表示を提供するように動作可能である。圧力センサ332は、管類248と流体的に相互接続可能であり得、また、管類248の第2の部分324上の第1および第2の逆止弁304、308の間の流路内に直列に位置し得る。圧力センサ332は、筐体336と、筐体336に対して移動可能な可動要素340と、バネ360の形態の付勢部材とを含み、これらのそれぞれは、任意の適切サイズ、形状、構成および/または種類のものであり得る。一般に、筐体336に対する可動要素340の位置は、少なくとも圧力センサ332内の流体圧、より具体的には、管類248の第2の部分324内の圧力の大きさにより影響される。
【0072】
管類248の第2の部分324は、筐体336に適切に流体的に相互接続され、注入システム200内の流体を筐体336内のチャンバ344(図6Aおよび6B中に示される)の中へ、およびそこから外へ流通させ得る。この点において、管類249の第2の部分324内の流体圧は、少なくともチャンバ344内の流体圧とほぼ等しいことが推定され得る。圧力センサ332の一部(例えば、可動要素340)は、第2の部分324内の流体圧が所定の流体圧レベル(例えば、第1および第2の逆止弁304、308のクラッキング圧)以上になると第1の状態から第2の状態(例えば、図6B中の位置から図6A中の位置)に変化するように動作可能であり得る。さらに、可動要素340は、管類248の第2の部分324内の流体圧(チャンバ344内の圧力に対応する)が、所定の流体圧レベルを下回ると、第2の状態から第1の状態(例えば、図6A中の位置から図6B中の位置)に変化するように動作可能であり得る。例えば、可動要素340は、第1および第2の状態の間で、軸方向348に沿って移動するように動作可能であり得る。
【0073】
ここで、特に図6Aおよび6Bを参照すると、可動要素340は、ピストン352(例えば、実質的に非変形可能なピストン)と、ピストンロッド356とを含み得る。ピストン352およびピストンロッド356は、一体的に接続されているように示されているが、ピストン352およびピストンロッド356は、互いに適切に接合されるか、または他の様式で接続されていてもよい。ピストン352は、チャンバ344内で、管類248の第2の部分324およびチャンバ344内の流体圧に応じて、第1の方向(例えば、管類248の第2の部分324から離れる方向)に、摺動またはその他の様式で動作可能であり得、また、可動要素340および筐体336の1つ以上の部分に適切に相互接続され(例えば、永久的に、取り外し可能に)、および/またはそれらと相互作用し得るバネ360(例えば、コイル、圧縮)の形態であり得る付勢部材からの付勢力に応じて、第2の方向(例えば、管類248の第2の部分324に向かう方向;上記の第1の方向とは逆)に、摺動またはその他の様式で動作可能であり得る。任意の適切な付勢部材または付勢部材の組合せを利用して、可動要素340を上述の第2の位置に向けて付勢し得る。
【0074】
可動要素340のピストン352は、ピストン352の第1の側(例えば、チャンバ344との隣接側;チャンバ344と界面接触する側)と、ピストン352の反対の第2の側との間の流体流動の可能性を低減するように設計され得る。ピストンロッド356は、ピストン352の反対の第2の側から延在し、以下で説明するような様式で、筐体336内の開口364を通して適切かつ選択的に摺動および突出するように動作可能であり得る。可動要素340に関して重要な点は、以下の通りである。1)筐体336に対する可動要素340の位置は、管類248の第2の部分324内の圧力に直接関連するチャンバ344内の圧力により影響され、また、2)逆止弁304、308の一方または両方の故障を示すチャンバ344内の圧力の変化がある場合、筐体336に対する可動要素340の位置が変化するはずであり、この位置の変化が、圧力センサ332の外部から視覚的に識別可能であるはずである(例えば、圧力センサ332の最終的な形状変化により)。
【0075】
バネ360は、可動要素340(例えばピストン352)の一部に対して、ちょうど所定の流体圧レベル(例えば、第1および第2の逆止弁304、308のクラッキング圧)未満の付勢力を提供するように選択され得る(例えば、バネ定数、材料の種類およびグレード、コイル数、支配的な直径に従い)。この点において、患者専用管類セクション244内の流体が、少なくとも第1および第2の逆止弁304、308のクラッキング圧まで加圧されるまで、バネ360により形成される付勢力は、可動要素340を管類248の第2の部分324に向かう方向に押し付けるように機能するはずであり、この時ピストンロッド356は、図6Bに示されるように、筐体336により少なくとも実質的に隠され得る(より一般的には格納位置)。その後、患者専用管類セクション244内の流体が、少なくとも第1および第2の逆止弁304、308のクラッキング圧まで加圧されると、そのような流体圧は、バネ360により形成される付勢力に打ち勝ち、ピストンロッド356が図6Aに示されるように筐体336から突出するまで、可動要素340を管類248の第2の部分324から離れる第1の方向に押し付ける(より一般的には、突出した位置または上述よりも突出した位置)。この時点で、第1および第2の逆止弁304、308の正常な機能性を仮定すると、逆止弁304、308が適正に機能している限り、上述したように、管類248の第2の部分324(ひいてはチャンバ344)内の流体圧は、所定の流体圧(例えば、第1および第2の逆止弁304、308のクラッキング圧)を下回らないはずであるため、ピストンロッド356は、筐体336から突出したままとなるはずである。この点において、図6Aに示されるような可動要素340の突出した、または第1の配向または位置は、第1および第2の逆止弁304、308の適正な機能に関連付けることができる。ピストンロッド356は、ユーザがピストンロッド356の突出した第1の配向を認識するのを補助するために、適切に印または表示が付されて(例えば、明るい色が付けられているかまたはパターン化されて)いてもよい。上述のように、可動要素340が突出した第1の配向または位置のままであった場合、注入手順の後、患者専用管類セクション244(管類配列300を組み込んでいる)のみが交換される必要があり得る。
【0076】
管類249の第2の部分324およびチャンバ344内の流体圧が所定の流体圧を下回る場合、バネ360は、そのような流体圧に打ち勝ち、可動要素340を管類248の第2の部分324に向かう第2の方向に押し付けるはずである。バネ360により形成される付勢力は、ピストンロッド356を格納位置(例えば筐体336内)に動かすはずであり、この時、ピストンロッドは、図6B中に示されるように、筐体336により少なくとも実質的に隠され得る。第2の部分324およびチャンバ344内の流体圧が所定の流体圧レベルを下回ったことは、第1および第2の逆止弁304、308の少なくとも一方が少なくとも故障したと推定されることを示すことができ、可動要素340の実質的に隠されたまたは第2の配向または位置は、第1および第2の逆止弁304、308の少なくとも一方の故障状態と関連付けられることができ、患者専用および多患者管類セクション244、234がそれぞれ、注入手順の前に交換されるべきであることを示し得る。
【0077】
圧力センサ332は、形状または外観を変化させて、逆止弁304、逆止弁308、またはその両方の少なくとも故障の可能性の視覚的表示を提供することによって特徴づけられ得る。圧力センサ332は、逆止弁304、308の両方が少なくとも機能していると推定される時に1つの形状を有する(図6A、およびピストンロッド356が拡張または突出した位置にある)。圧力センサ332は、逆止弁304、308の少なくとも一方が故障した可能性がある時に異なる形状を有する(図6B、およびピストンロッド356が図6Aの位置と比較してより拡張しておらず(一般的には格納位置)、およびピストンロッド356が実際に筐体336により隠され得る)。
【0078】
第1の逆止弁304のクラッキング圧は、第2の逆止弁308のクラッキング圧と同じであるものとして説明してきたが、他の実施形態において、第1および第2の逆止弁304、308は、異なるクラッキング圧を有し得る。この点において、所定の流体圧レベルは、恣意的に第1および第2の逆止弁304、308のクラッキング圧とは異なるように設定され得る。例えば、第1の逆止弁304は、第2の逆止弁308のクラッキング圧より小さいクラッキング圧を有するように選択され得る。すると、第2の逆止弁308は、開くためには第1の逆止弁304よりも大きい圧力差を必要とするため、患者専用管類セクション244における圧力変動に対してより敏感となり得る。したがって、患者専用管類セクション244内の流体圧が低下すると、第2の逆止弁308は第1の逆止弁304の前に閉まり、したがって第2の部分324およびチャンバ344内の流体は、第1および第2の逆止弁304、308の両方が適正に機能している場合であっても、第2の逆止弁308のクラッキング圧より小さい圧力を維持し得る。したがって、この状況において、配列300の所定の流体圧レベルは、第1および第2の逆止弁304、308のクラッキング圧の間の圧力となるように設計され得る。それに伴い、バネ360は、ちょうどそのような所定の流体圧レベル未満の付勢力を可動要素340に提供するように設計され得る。適宜様々な所定の流体圧レベルを形成する様々なクラッキング圧を有する第1および第2の逆止弁304、308の他の配列もまた想定される。
【0079】
図7Aおよび7Bは、図5、6Aおよび6Bの圧力センサ332の代わりに使用され得る圧力センサの別の実施形態を示す。実施形態の間の対応する構成要素は、共通した参照数字で識別されている。図5、6Aおよび6Bの実施形態とは少なくともいくつかの点で異なるそれらの対応する構成要素は、図7Aおよび7Bにおいて、「単一ダッシュ」記号により識別される。圧力センサ332’の1つ以上の構成要素は、任意の適切なサイズ、形状、構成および種類のものであり得る。例えば、圧力センサ332’は、第1および第2の逆止弁304、308の少なくとも一方が少なくとも故障したと推定されることを示すために筐体336’内に搭載された、可動要素340およびバネ360’(または任意の他の適切な付勢部材または付勢部材の組合せ)を有する筐体336’を含み得る。図5、6Aおよび6Bの圧力センサ332と図7Aおよび7Bの圧力センサ332’との間の主な違いは、図5および6の圧縮バネの代わりにバネ360’として波形バネを使用していること(ただし、他の種類のバネ(例えば圧縮)および/または付勢部材もまた使用可能である);ならびに、図5、6Aおよび6Bの場合とは逆の、第1および第2の逆止弁304、308の正常または適正な機能を示す、図7Aに示されるような可動要素340の実質的に隠された、または第1の位置または配向、第1および第2の逆止弁304、308の少なくとも一方の少なくとも推定される故障状態または故障状態を示す、図7Bに示されるような突出した、または第2の位置または配向である。すなわち、圧力センサ332’では、逆止弁304、308が少なくとも機能していると推定される場合、可動要素340は格納位置にあり、逆止弁304、308の少なくとも一方が少なくとも故障したと推定される場合、拡張またはより突出した位置に移動する。
【0080】
図7Aおよび7Bの実施形態において、バネ360’は、管類248の第2の部分324およびチャンバ344内の流体圧が所定の流体圧レベルより下に低下すると、可動要素340に対して(例えば、ピストン352に対して)、可動要素340を第2の位置に押し付ける付勢力を提供するように(図7Bに示されるようにピストンロッド356が筐体336’から突出するように)適切に選択され得る。この場合も、ユーザがピストンロッド356を観察した時には、第1および第2の逆止弁304、308の少なくとも一方の故障状態が推定され得るように、ピストンロッド356は適切にパターン化されているか色付けられ、それにより、(例えば第2の患者に対する)後続の注入手順の前に、患者専用および多患者セクション244、234の両方を交換すべきであることを示し得る。ピストンロッド356は、バネ360’により組み込まれ得る(ピストン352−バネ360’の必要性を低減し、したがってチャンバ344内の流体に暴露されるダイヤフラム等の形態である)。
【0081】
図8Aおよび8Bは、図5、6A、および6Bの圧力センサ332の別の実施形態を示し、実施形態の間の対応する構成要素は、共通の参照数字により識別される。図5、6A、および6Bの実施形態とは少なくともいくつかの点で異なるそれらの対応する構成要素は、図8Aおよび8Bにおいて、「二重ダッシュ」記号により識別される。圧力センサ332’’の1つ以上の構成要素は、任意の適切なサイズ、形状、構成および/または種類のものであり得る。図5、6A、および6Bの圧力センサ332と図8Aおよび8Bの圧力センサ332’’との間の主な違いは、図5、6Aおよび6Bのバネ360、ピストン352およびピストンロッド356の代わりに、可動要素340’’として可撓性ダイヤフラム368を使用していること、ならびに、ダイヤフラム368に関連したある種の変化(例えば、ある種の状態の変化)を外部から見ることができる窓372(例えば、透明;半透明)を使用していることである。ダイヤフラム368の1つの状態は、逆止弁304、308の推定される適正な機能と関連付けられ、ダイヤフラム368の別の状態は、逆止弁304、308の一方または両方の少なくとも推定される故障と関連付けられる。圧力センサ332’’は、逆止弁304、308が適正に機能していると推定される場合はダイヤフラム368が窓372から見え、逆止弁304、308の少なくとも一方が少なくとも故障したと推定される場合は窓372から見えないように、またはその逆となるように構成され得る。
【0082】
図8Aおよび8Bの実施形態において、可撓性ダイヤフラム368は、圧力センサ332’’の外部から窓372を通して(例えば視覚的に)識別できないような位置に可撓性ダイヤフラム368を押し付ける付勢力を提供するように適切に選択され得る。したがって、ユーザが、窓372を通して可撓性ダイヤフラム368の実存または存在を視覚的に観察またはその他の様式で識別し得る場合(例えば、図8Aに示されるような第1の位置または配向)、管類248の第2の部分324およびチャンバ344内の流体圧は、所定の流体圧以上であると推定され、第1および第2の逆止弁304、308は、正常または適正な機能状態であると推定される。ユーザが、窓372を通して可撓性ダイヤフラム368の実存または存在を視覚的に観察またはその他の様式で識別できない場合(例えば、図8Bに示されるような第2の位置または配向)、管類248の第2の部分324およびチャンバ344内の流体圧は、所定の流体圧レベルを下回っており、第1および第2の逆止弁304、308の少なくとも一方の故障状態が推定され得る。
【0083】
筐体336’’は、管類248の第2の部分324内の流体圧が所定の流体圧レベル以上の圧力となった時に、可撓性ダイヤフラム368の実存または存在を視覚的に識別しようとする上で役立つ、任意の適切な部分を含み得る。例えば、筐体336’’は、上述の窓372(例えば、透明または半透明部分)を有し、それを通して、可撓性ダイヤフラム368が第1の位置で識別可能であり得、一実施形態においては第2の位置において識別できない。例えば、可撓性ダイヤフラム368は、可撓性ダイヤフラム368が図示される実施形態において第1の位置(逆止弁304、308が少なくとも適正に機能していると推定される状態と関連付けられている)にある場合、窓372と実際に接触し、可撓性ダイヤフラム368が図示される実施形態において第2の位置(逆止弁304、308の少なくとも一方が故障したと推定される状態と関連付けられる)にある場合、窓372と接触しなくてもよい。
【0084】
また、可撓性ダイヤフラム368の外観は、第1および第2の位置の間で遷移する際に、視覚的に識別可能な形状変化を生じることができ、可撓性ダイヤフラム368は、第1および第2の位置のそれぞれにおいて、窓372を通して見ることができる。いずれの場合においても、可撓性ダイヤフラム368は、ユーザが、少なくとも第1の位置(この場合も第1および第2の逆止弁304、308の推定される正常動作状態と関連付けられている)にある可撓性ダイヤフラム368を視覚的に認識またはその他の様式で識別する上で役立つように、適切にパターン化または色付けされていてもよい。筐体336’’の他の部分もまた、可撓性ダイヤフラム368を視覚的に認識する上で役立つように少なくとも半透明であり得る。付勢要素(例えばバネ)および可動要素、ならびに/または可撓性ダイヤフラムを含む圧力センサが議論されたが、流体圧に応答する任意の他の機械デバイスが、第1および第2の逆止弁304、308の間の患者専用管類セクション244内の流体圧を測定またはその他の様式で監視するために、圧力センサと併せて、またはその一部として適切に利用され得る。
【0085】
図9は、図5、6A、および6Bの圧力センサ332の別の実施形態を示す。実施形態の間の対応する構成要素は、共通した参照数字で識別されている。図5、6Aおよび6Bの実施形態とは少なくともいくつかの点で異なるそれらの対応する構成要素は、図9において、「三重ダッシュ」記号により識別される。圧力センサ332’’’の1つ以上の構成要素は、任意の適切なサイズ、形状、構成および/または種類のものであり得る。図5、6A、および6Bの圧力センサ332と図9の圧力センサ332’’’の間の主な違いは、可動要素340およびバネ360の代わりに流体ポート376を含む筐体336’’’を使用していること、ならびに第2の部分324およびチャンバ344(図9には図示せず)内の流体圧を測定またはその他の様式で監視するために流体ポート376に相互接続される、任意の適切な種類(例えば、ピエゾ抵抗式、容量式)の再使用可能な圧力トランスデューサ380である。より一般的には、上述の実施形態は、逆止弁304、308の少なくとも一方が故障した可能性があるという表示を提供する、視覚的に識別可能である機械的移動に基づいているが、図9の実施形態は、圧力測定値を取得し、逆止弁304、308の一方または両方の少なくとも故障の可能性の表示を提供するために使用され得る結果の信号(例えば、電気的、光学的)を送信するものとして特徴付けることができる。
【0086】
流体ポート376が筐体336’’’のチャンバ344へのアクセスを提供するため、ポート376は、管類248の第2の部分324と流体的に相互接続可能であるものとして特徴付けることができる。さらに、筐体336’’’の流体ポート376および圧力トランスデューサ380の一部は、圧力トランスデューサ380を筐体336’’’のチャンバ344に取り外し可能かつ流動的に相互接続させる、対応する嵌合構造(標示せず)を有し得る。一例として、流体ポート376の内側表面および圧力トランスデューサ380の一部は、対応するようにネジ切りされているか、または任意の他の適切な種類の嵌合構造を有し得る。一配列において、圧力トランスデューサ380は、ユーザが認識可能または識別可能な信号(例えば、可視、可聴、触知的)を提供するか、あるいはチャンバ344および第2の部分324内の流体圧が、所定の流体圧レベルより低い、それと等しい、もしくはそれより高いのうちの少なくとも1つであるというフィードバック、または多患者および患者専用管類セクション234、244が、(例えば、注入手順の初めに)注入システム220から空気を排除するために最初の加圧を受けているというフィードバックを提供するように動作可能である、内蔵式配列であり得る。例えば、圧力トランスデューサ380は、多患者および患者専用管類セクション234、244が最初の加圧を受けており、まだ所定の流体圧レベルに達していないことを示す第1の着色光(例えばLED、図示せず)と、第1および第2の逆止弁304、308の正常な動作状態(例えば、チャンバ344内の流体圧が所定の流体圧レベル以上である)を示す異なる第2の着色光と、第1および第2の逆止弁304、308の少なくとも一方の故障状態(例えば、チャンバ344内の流体圧が、所定の流体圧レベルを下回っている)を示す異なる第3の着色光とを含み得る。別の例として、圧力トランスデューサ380は、初期の加圧、正常状態および故障状態の少なくとも1つを示す一つ以上の可聴信号を含み得る。
【0087】
他の配列において、圧力トランスデューサ380は、ユーザが圧力トランスデューサ384を制御し、および/またはそこから流体圧読取値を得ることができるようにする、任意の種類のコンピュータデバイスと適切に(例えば、信号線384を介して、無線で)通信し得る。一配列において、注入システム220が、とりわけ、第1および第2の逆止弁304、308の作動状態もしくは故障状態をユーザに適切に通知する(例えば、可聴、可視)、多患者および/もしくは患者専用管類セクション234、244を変更するメッセージを表示する、ならびに/または、多患者および/もしくは患者専用管類セクション234、244の再使用の防止を試みることができるように、圧力トランスデューサ384は、注入システム220の別の構成要素(例えば、図2Aのコンソール42および/またはGUI52)と適切に連結され得る。第1の患者に対する手順の後、圧力トランスデューサ380は、筐体336’’’から適切に取り外すかまたは切断し(例えば、回して外し)、次いで後続の手順(例えば、別の患者に対する)のために、別の(例えば、新たな)患者専用管類セクション244の筐体336’’’に再び取り付けまたは接続され得る。圧力トランスデューサ380のそのような再使用を許容するために、圧力トランスデューサ380は、適切なダイヤフラムにより隔離され得る。圧力トランスデューサ380はまた、使用の間で適切に滅菌され得る。
【0088】
図10は、管類配列(例えば、医療流体管類セット)を使用および/または評価する方法400のフローチャートである。1つのステップ404は、新たな多使用管類セクション234を第1および/または第2の注入デバイス226、232に適切に流体的に相互接続するかまたは他の様式で取り付けることであり得る。多使用管類セクション234を第1および/または第2の注入デバイス226、232に設置するために、任意の適切な接続が使用され得る。ステップ408において、患者専用管類セクション244は、任意の適切な種類のコネクタにより、多患者管類セクション234が第1および第2の注入デバイス226、232と患者専用管類セクション244との間に位置するように、多患者管類セクション234と流体的に相互接続されるかまたは他の様式で取り付けられ得る。この時点で、多患者および患者専用管類セクション234、244は、第1の管類配列または管類セットとして機能する。また、このステップの一部として、任意の適切な血管系アクセスデバイス(例えば、カテーテル)が、適切なコネクタを介して、患者専用管類セクション244と適切に相互接続され得るが、血管系アクセスデバイスはまた、患者専用管類セクション244が多患者管類セクション234と相互接続される前に、患者専用管類セクション244に相互接続され得る。
【0089】
次のステップ412は、第1および第2の逆止弁304、308の少なくとも一方が開くまで(例えば、患者専用管類セクション244内の流体圧が、第1および第2の逆止弁304、308のクラッキング圧以上となるまで)、管類配列を通して流体を送達するか、またはその流動を他の様式で向けることであり得る。このステップ412は、注入システムから空気を排除し、注入システムを注入シーケンスに対し準備させる機能を果たし得る。後のある時点で、流体送達は、ステップ416において終了され得、この後、第1および第2の逆止弁304、308の正常な動作状態を仮定すると、第1および第2の逆止弁304、308のそれぞれが最終的に閉じるはずである。ステップ420に従い、第1および第2の逆止弁304、308の間の患者専用管類セクション244内の流体圧は、適切に監視され得る。ステップ420のこの圧力監視機能は、ステップ412の後および/またはステップ416の後に実行され得る。ステップ420の監視は、流体圧の電気的監視、流体圧の機械的監視、または流体圧の電気的および機械的監視の組合せ(例えば、本明細書に記載の実施形態のいずれかを使用して)から成る群より選択され得る。
【0090】
流体圧を監視する1つの形態は、第1および第2の逆止弁304、308の間の患者専用管類セクション244内の流体圧(例えば、絶対圧)の監視であり得る。第1および第2の逆止弁304、308の一方の動作状態は、ステップ420において行われる監視に基づいて査定され得る。例えば、動作状態を査定する1つの様式は、ステップ424において、監視されている流体圧が所定の流体圧レベル以上であるかどうかの決定であり得る。上述のように、所定の流体圧は、第1および第2の逆止弁304、308のクラッキング圧と等しくてもよく、または、第1および第2の逆止弁304、308が異なるクラッキング圧を有するように選択される場合は、第1および第2の逆止弁304、308のうちの少なくとも一方のクラッキング圧を超える、または下回る流体圧と等しくてもよい。それにもかかわらず、監視されている流体圧が所定の流体圧レベル以上である場合、患者専用管類セクション244は、ステップ428において、後続の流体送達の前に廃棄および交換され得る。ここで、元の多患者管類セクションおよび新たな患者専用管類セクション234、244は、別の(例えば、第2の)管類配列を形成し、方法はステップ412に戻り、少なくとも第1および第2の逆止弁304、308のそれぞれが開くまで、再び管類配列を通して流体を送達し得る(例えば、別の患者に対して)。
【0091】
ステップ420の実行により、監視されている流体圧が所定の流体圧以上ではない(例えばそれ未満である)場合、第1および第2の逆止弁304、308の少なくとも一方の故障状態が推定され得る。換言すると、第1および第2の逆止弁304、308の少なくとも一方が開いているかまたは他の様式で適正に閉じておらず、多患者管類セクション234に向けて上流側に流体を流動させたことが推定され得る。このシナリオは、患者専用管類セクション244からの流体による多患者管類セクション234の汚染をもたらした可能性があるため、後続の流体送達動作が開始される前に、多患者および患者専用管類セクション234、244の両方を廃棄および交換することが必要となり得る。他の動作もまた必要となり得る(例えば、関連注入デバイス上の1つ以上のシリンジの交換)。ここで、新たな多患者および患者専用管類セクション234、244は、別の管類配列または管類セットを形成し、方法はステップ412に戻り、少なくとも第1および第2の逆止弁304、308のそれぞれが開くまで、再び管類配列を通して流体を送達し得る(例えば、別の患者に対して)。他の配列において、ステップ420からの監視が、所定の大きさの低下を識別した場合に、第1および第2の逆止弁304、308の少なくとも一方の故障状態が推定され得る。それにもかかわらず、第1および第2の逆止弁304、308の少なくとも一方の推定される故障状態によって、可視、可聴、触知的、または可視、可聴もしくは触知的の任意の組合せから成る群より選択される、ユーザが認識可能な表示が提供されるようにし得る。
【0092】
本発明の上述の説明は、例証および説明のために提示されている。さらに、本説明は、本発明を本明細書で開示される形態に限定することを目的としない。その結果として、変形例および修正は、上述の教示に相応であり、関連技術の技能および知識は、本発明の範囲内である。上述で説明される実施形態はさらに、本発明を実践する公知の最良のモードを説明すること、およびそのような実施形態または他の実施形態で、かつ本発明の特定の用途または使用法によって必要とされる種々の修正とともに、当業者が本発明を利用できるようにすることを目的とする。添付の請求項は、従来技術によって可能となる程度で、代替実施形態を含むと解釈されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療流体管類セットであって、
医療流体管類の第1のセクションと、
該医療流体管類の第1のセクション内に直列に位置する第1および第2の逆止弁と、
該第1および第2の逆止弁の間で該医療流体管類の第1のセクション内の空間と関連付けられた圧力センサと
を備えている、医療流体管類セット。
【請求項2】
前記圧力センサは、故障状態を監視する手段を備え、前記故障状態は、前記第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方が少なくとも故障したと推定される場合である、請求項1に記載の医療流体管類セット。
【請求項3】
前記圧力センサは、前記第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方が少なくとも故障したと推定されるという表示を提供するように動作可能である、請求項1に記載の医療流体管類セット。
【請求項4】
前記表示は、可視、可聴、および触知性の少なくとも1つである、請求項3に記載の医療流体管類セット。
【請求項5】
前記医療流体管類の第1のセクションは、患者専用である、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の医療流体管類セット。
【請求項6】
前記圧力センサは、前記医療流体管類の第1のセクションの第1の領域における流体圧に応答する、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の医療流体管類セット。
【請求項7】
前記第1の領域は、前記第1および第2の逆止弁の間にある、請求項6に記載の医療流体管類セット。
【請求項8】
前記圧力センサは、前記第1の領域内の流体圧が所定のレベルを下回ると、第1の状態から第2の状態に変化する、請求項6〜7のうちのいずれか一項に記載の医療流体管類セット。
【請求項9】
前記所定のレベルは、前記第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方のクラッキング圧である、請求項8に記載の医療流体管類セット。
【請求項10】
前記所定のレベルは、前記第1および第2の逆止弁のそれぞれの前記クラッキング圧である、請求項9に記載の医療流体管類セット。
【請求項11】
前記圧力センサは、前記医療流体管類の第1のセクション上に位置する、請求項1〜10のうちのいずれか一項に記載の医療流体管類セット。
【請求項12】
前記圧力センサは、前記第1および第2の逆止弁と直列に位置する、請求項1〜11のうちのいずれか一項に記載の医療流体管類セット。
【請求項13】
前記圧力センサは、前記第1および第2の逆止弁の間に位置する、請求項1〜12のうちのいずれか一項に記載の医療流体管類セット。
【請求項14】
前記圧力センサは、前記医療流体管類の第1のセクションと流体的に相互接続可能である、請求項1〜13のうちのいずれか一項に記載の医療流体管類セット。
【請求項15】
前記圧力センサは、可動要素を備えている、請求項1〜14のうちのいずれか一項に記載の医療流体管類セット。
【請求項16】
前記可動要素の第1の位置は、前記第1および第2の逆止弁の推定される適正な機能と関連付けられ、前記可動要素の第2の位置は、該第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方の推定される故障と関連付けられる、請求項15に記載の医療流体管類セット。
【請求項17】
前記圧力センサは、前記可動要素と相互接続された付勢部材をさらに備えている、請求項18に記載の医療流体管類セット。
【請求項18】
前記付勢部材は、前記可動要素を前記第2の位置に付勢する、請求項17に記載の医療流体管類セット。
【請求項19】
前記圧力センサは、筐体をさらに備えている、請求項17に記載の医療流体管類セット。
【請求項20】
前記可動要素は、前記第1の位置において前記筐体から突出し、前記第2の位置において前記筐体により実質的に隠される部分を備えている、請求項19に記載の医療流体管類セット。
【請求項21】
前記可動要素は、前記第2の位置において前記筐体から突出し、前記第1の位置において前記筐体により実質的に隠される部分を備えている、請求項19に記載の医療流体管類セット。
【請求項22】
前記圧力センサは、筐体をさらに備え、前記可動要素の少なくとも一部分は、前記第1および第2の位置の少なくとも一方において識別可能であり、該第1および第2の位置の他方において概して識別可能ではない、請求項16に記載の医療流体管類セット。
【請求項23】
前記筐体は、窓を備え、前記可動要素の前記少なくとも一部分は、前記第1および第2の位置の少なくとも一方において、該窓を通して識別可能であり、該第1および第2の位置の他方において、該窓を通して識別可能ではない、請求項22に記載の医療流体管類セット。
【請求項24】
前記付勢部材は、圧縮バネ、波形バネ、またはこれらの任意の組合せから成る群より選択される、請求項17〜21のうちのいずれか一項に記載の医療流体管類セット。
【請求項25】
前記可動要素は、前記第1および第2の逆止弁の間の前記空間内の流体と界面接触するピストンを備え、該ピストンは、少なくとも実質的に非変形可能である、請求項15〜21および24のいずれか一項に記載の医療流体管類セット。
【請求項26】
前記筐体は、窓を備え、前記可動要素は、ダイヤフラムを備え、該ダイヤフラムは、前記第1および第2の位置のそれぞれにおいて、該窓を通して見ることができ、該ダイヤフラムは、該第1の位置から該第2の位置に変化する際に、前記第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方の少なくとも推定される故障状態に応じて、視覚的に識別可能な形状変化を生じる、請求項16、22、および23のいずれか一項に記載の医療流体管類セット。
【請求項27】
前記圧力センサは、前記医療流体管類の第1のセクションと流体的に相互接続可能なポートを備えている、請求項1〜14のいずれか一項に記載の医療流体管類セット。
【請求項28】
前記圧力センサは、前記ポートに相互接続される圧力トランスデューサを備えている、請求項27に記載の医療流体管類セット。
【請求項29】
前記医療管類の第1のセクションと流体的に相互接続可能な医療管類の第2のセクションをさらに備えている、請求項1〜28のうちのいずれか一項に記載の医療流体管類セット。
【請求項30】
前記医療管類の前記第2のセクションは、複数の患者に対して再使用可能である、請求項29に記載の医療流体管類セット。
【請求項31】
医療流体注入システムであって、
注入デバイスと、
該注入デバイスと相互接続される多患者管類セクションと、
患者専用管類セクションと
を備え、
該患者専用管類セクションは、該多患者管類セクションが該注入デバイスと該患者専用管類セクションとの間に位置するように、該多患者管類セクションと相互接続可能であり、該患者専用管類セクションは、請求項1〜28のうちのいずれか一項に記載の医療流体管類セットを備えている、医療流体注入システム。
【請求項32】
前記注入デバイスと流体的に相互接続された流体源をさらに備えている、請求項31に記載の医療流体注入システム。
【請求項33】
前記流体源は、前記注入デバイスによる複数の注入に適応する流体の容量を備えている、請求項32に記載の医療流体注入システム。
【請求項34】
医療流体管類セットを評価する方法であって、該医療流体管類セットは、医療管類の第1のセクションと第1および第2の逆止弁とを備え、該第1および第2の逆止弁は、該医療管類の第1のセクション内で離間されており、
該方法は、
該第1および第2の逆止弁の間で該医療管類の第1のセクション内の流体圧を監視するステップと、
該監視するステップに基づき、該第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方の動作状態を査定するステップと
を含む、方法。
【請求項35】
前記監視するステップは、前記流体圧を機械的に監視するステップを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記監視するステップは、前記流体圧を電気的に監視するステップを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記査定するステップが、前記第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方の少なくとも起こり得る故障を識別すると、表示を提供するステップをさらに含む、請求項34〜36のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記表示は、可視、可聴、触知性、またはこれらの任意の組合せから成る群より選択される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記査定するステップは、前記監視するステップからの前記流体圧を、前記第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方のクラッキング圧と比較するステップを含む、請求項34〜38のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記査定するステップは、
前記第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方の故障状態を、前記監視するステップに関連付けるステップを含み、該監視するステップは、前記流体圧の大きさにおける所定の低下を識別する、請求項34〜39のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記査定するステップは、前記第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方の故障状態を、前記監視ステップに関連付けるステップを含み、該監視ステップは、前記流体圧が前記第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方のクラッキング圧より低いことを識別する、請求項34〜39のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記査定するステップは、前記第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方の故障状態を、前記監視ステップに関連付けるステップを含み、該監視ステップは、前記流体圧が前記第1および第2の逆止弁のそれぞれのクラッキング圧より小さいことを識別する、請求項34〜39および41のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記査定するステップが前記故障状態の発生を識別した場合、前記医療流体管類セットを廃棄するステップをさらに含む、請求項40〜42のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記医療流体管類セットを通して流体の流動を導くステップと、
前記導くステップに応答して、前記第1および第2の逆止弁のそれぞれを開放するステップと、
前記導くステップを終了するステップと、
前記終了するステップに応答して、前記第1および第2の逆止弁を閉鎖するステップと
をさらに含み、
前記査定するステップは、該閉鎖するステップの後、かつ、該導くステップの任意のさらなる開始の前に、該第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方が、開いているかどうかを決定するステップを含む、請求項34〜43のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記医療流体管類セットを通して第1の流体を送達するステップであって、該医療流体管類セットは、医療管類の多患者管類セクションをさらに備えている、ステップと、
該第1の流体を送達するステップの後に、前記医療管類の第1のセクションを交換するステップと、
該交換するステップの後に、該医療流体管類セットを通して第2の流体を送達するステップとをさらに含む、請求項34〜43のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記第2の流体を送達するステップの前に、前記多患者管類セクションを交換するステップをさらに含み、該多患者管類セクションを交換するステップは、前記査定するステップに応答して実行され、該査定するステップは、前記第1および第2の逆止弁のうちの少なくとも一方の推定される故障状態を識別する、請求項45に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−505794(P2013−505794A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531108(P2012−531108)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/050491
【国際公開番号】WO2011/041290
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(511215045)マリンクロッド エルエルシー (12)
【Fターム(参考)】