説明

医療装置の金属表面に抗感染剤をコーティングする方法

医療装置の金属表面を抗感染剤でコーティングする方法を開示する。具体的には、医療装置の金属表面にトリクロサンの不連続コーティングを提供する方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗感染剤コーティングで医療装置の金属表面をコーティングする方法、及びコーティング被覆金属表面を有する医療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、移植された医療装置、特に整形外科用装置は、しばしば、外傷の間又は外科手術中のいずれかに入り込む感染性細菌で汚染される。感染性細菌が医療装置上又はその周辺に入り込むと、医療装置上又は中にバイオフィルムが形成される場合がある。当該技術分野で既知のそのようなバイオフィルムは、細菌と、その細菌が分泌する細胞外マトリックスとによって構成されている。一般に、そのようなバイオフィルムは、抗生物質及び様々な処置プロトコルに対して極めて抵抗性があると認識されている。そのため、一般に受け入れられている処置は、移植された装置を取り除き、それを洗浄若しくは滅菌してから再び移植するか、又はそれを別の滅菌された装置と交換することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
抗菌剤で装置をコーティングして抗感染表面を提供することは、この問題の対処を助けるために可能な解決策である。典型的には、従来の抗菌剤を、吸収性ポリマー、非吸収性ポリマー、及び他の担体のような従来の担体と組み合わせ、医療装置の表面上にコーティングする。担体は、抗感染剤を表面にコーティングすることを可能にするが、そのような担体は、装置の厚さの実質的な増加、装置を不安定にする滑らかなコーティングの提供、及び装置からのコーティングの層剥離のようないくつかの問題を呈する場合がある。担体の代わりに、医療装置の表面に官能基を加えることができる。そのような官能基を使用して、抗菌剤を装置の表面に係留することができる。装置表面上の官能基は、そのような基の生体適合性に関連する他の問題も呈する場合があり、これには、抗菌剤が装置から離れた後にそのような基が有し得る活性の生物学的影響の可能性が含まれる。したがって、当該技術分野には、抗感染剤コーティングを医療装置の金属表面上に適用するための代替的方法の必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、トリクロサンの抗感染剤コーティングを有する金属医療装置及びその製造方法を記述及び開示する。本発明の一態様は、被覆医療装置である。この医療装置は、金属表面を有する医療装置を含む。この表面は、装置の一部又は一セクション上に存在してもよく、装置の実質的に全てに存在してもよい。この装置は、トリクロサン又は別の抗感染剤の非連続コーティングをその金属表面上に有する。
【0005】
本発明の更に別の態様は、特定するとトリクロサンである抗感染剤コーティングのコーティング剤で医療装置の金属表面をコーティングするための方法である。この方法では、コーティング溶液が提供される。このコーティング溶液はトリクロサン又は別の抗感染剤と、好ましくは有機溶媒である溶媒とを含む。金属表面を有する医療装置が提供される。この医療装置の金属表面にコーティング溶液を静電噴霧することによって、医療装置の金属表面上にトリクロサンの不連続コーティングを提供する。
【0006】
本発明のこれらの及び他の態様及び利点は、以下の説明及び添付図面により更に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1a】チタン脊柱ロッド:対照ロッド(未被覆のもの)及びトリクロサン被覆ロッドのSEM顕微鏡写真。図1aは、対照ロッド(未被覆のもの)の例を示す。図1bは、エタノールを溶媒として使用したトリクロサン被覆ロッドを示す。図1cは、アセトンを溶媒として使用したトリクロサン被覆ロッドを示す。図1dは、塩化メチレンを溶媒として使用したトリクロサン被覆ロッドを示す。
【図1b】チタン脊柱ロッド:対照ロッド(未被覆のもの)及びトリクロサン被覆ロッドのSEM顕微鏡写真。図1aは、対照ロッド(未被覆のもの)の例を示す。図1bは、エタノールを溶媒として使用したトリクロサン被覆ロッドを示す。図1cは、アセトンを溶媒として使用したトリクロサン被覆ロッドを示す。図1dは、塩化メチレンを溶媒として使用したトリクロサン被覆ロッドを示す。
【図1c】チタン脊柱ロッド:対照ロッド(未被覆のもの)及びトリクロサン被覆ロッドのSEM顕微鏡写真。図1aは、対照ロッド(未被覆のもの)の例を示す。図1bは、エタノールを溶媒として使用したトリクロサン被覆ロッドを示す。図1cは、アセトンを溶媒として使用したトリクロサン被覆ロッドを示す。図1dは、塩化メチレンを溶媒として使用したトリクロサン被覆ロッドを示す。
【図1d】チタン脊柱ロッド:対照ロッド(未被覆のもの)及びトリクロサン被覆ロッドのSEM顕微鏡写真。図1aは、対照ロッド(未被覆のもの)の例を示す。図1bは、エタノールを溶媒として使用したトリクロサン被覆ロッドを示す。図1cは、アセトンを溶媒として使用したトリクロサン被覆ロッドを示す。図1dは、塩化メチレンを溶媒として使用したトリクロサン被覆ロッドを示す。
【図2a】外科手術中の洗浄条件でのコーティングの安定性を調べるために、温かい乳酸加リンゲル液(LRS)で洗浄した後の、被覆ステンレススチールロッド及び未被覆ステンレススチールロッドのSEM顕微鏡写真。図2aは、LRSで洗浄前の、未被覆ステンレススチールロッドを示す。図2bは、LRSで洗浄前の、トリクロサン被覆ステンレススチールロッドを示す。図2cは、LRSで洗浄後の、トリクロサン被覆ステンレススチールロッドを示す。図2dは、LRSで洗浄後の、未被覆ステンレススチールロッドを示す。
【図2b】外科手術中の洗浄条件でのコーティングの安定性を調べるために、温かい乳酸加リンゲル液(LRS)で洗浄した後の、被覆ステンレススチールロッド及び未被覆ステンレススチールロッドのSEM顕微鏡写真。図2aは、LRSで洗浄前の、未被覆ステンレススチールロッドを示す。図2bは、LRSで洗浄前の、トリクロサン被覆ステンレススチールロッドを示す。図2cは、LRSで洗浄後の、トリクロサン被覆ステンレススチールロッドを示す。図2dは、LRSで洗浄後の、未被覆ステンレススチールロッドを示す。
【図2c】外科手術中の洗浄条件でのコーティングの安定性を調べるために、温かい乳酸加リンゲル液(LRS)で洗浄した後の、被覆ステンレススチールロッド及び未被覆ステンレススチールロッドのSEM顕微鏡写真。図2aは、LRSで洗浄前の、未被覆ステンレススチールロッドを示す。図2bは、LRSで洗浄前の、トリクロサン被覆ステンレススチールロッドを示す。図2cは、LRSで洗浄後の、トリクロサン被覆ステンレススチールロッドを示す。図2dは、LRSで洗浄後の、未被覆ステンレススチールロッドを示す。
【図2d】外科手術中の洗浄条件でのコーティングの安定性を調べるために、温かい乳酸加リンゲル液(LRS)で洗浄した後の、被覆ステンレススチールロッド及び未被覆ステンレススチールロッドのSEM顕微鏡写真。図2aは、LRSで洗浄前の、未被覆ステンレススチールロッドを示す。図2bは、LRSで洗浄前の、トリクロサン被覆ステンレススチールロッドを示す。図2cは、LRSで洗浄後の、トリクロサン被覆ステンレススチールロッドを示す。図2dは、LRSで洗浄後の、未被覆ステンレススチールロッドを示す。
【図3】リン酸緩衝生理食塩水中に置かれたときの、被覆脊柱ロッドからのトリクロサンの溶出を図示するグラフ。
【図4】本発明の不連続トリクロサンコーティングを有する脊柱ロッド、茎ねじ、及び止めねじの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書に開示されるのは、抗感染剤でコーティングされた金属表面を有する医療装置と、そのコーティングを適用する方法である。好ましくは、この医療装置は、本明細書で更に説明するような生体適合性金属から作製され、金属表面を有する。また、この医療装置は金属と非金属との構成要素の組み合わせ又は複合体であってもよく、1つ以上の金属表面を有する。加えて、この医療装置は、装置の1つ以上の表面上に金属コーティングが蒸着されたセラミック又はポリマーのような非金属であってもよい。いずれの場合においても、本発明は、医療装置の金属表面上に抗感染剤コーティングを塗布する方法を提供する。この抗感染剤はトリクロサンである。この金属医療装置は、ステンレススチール、チタン、生体吸収性金属、金属合金、及び同様のものを含む(ただし限定せず)、医療用に適した導電性金属で構成されている。一実施形態では、導電性金属はステンレススチール又はチタンである。既に述べたように、この金属医療装置は、完全に導電性金属で作製されてもよく、あるいは装置が金属表面を有するように非金属のコア材料に金属をコーティングした非金属の医療装置でもよく、あるいは非金属材料と金属材料との複合体であってもよい。代表的な非金属材料としては、吸収性ポリマー、非吸収性ポリマー、セラミック、ポリマー/ポリマー複合体、ポリマー/セラミック複合体、ポリマー吸収性金属複合体、及び同様のものが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で用いられる用語「金属表面」は、外側の金属表面及びインテリア又は内部の金属表面の両方を意味するものと定義される。
【0009】
用語「抗感染剤」は、感染因子の蔓延を阻害することによって、又は感染因子を直接殺すことによって、感染に抵抗することができる物質を意味するものと定義される。抗感染剤とは、従来の抗菌物質、抗生物質、抗真菌物質、抗原生動物物質、抗寄生虫物質、及び抗ウィルス物質を含む一般用語であり、したがって、感染因子は、細菌、真菌、ウィルス、及び寄生虫などのような既知の感染因子を含む。
【0010】
トリクロサンは既知の従来の抗感染剤であり、殺菌剤として作用することによって感染を防ぐために有用であり、かつ他の抗感染性も有する可能性がある。トリクロサンは、商標名IRGASAN(登録商標)(CIBA Specialty Chemicals Corporation、ニューヨーク州Tarrytown所在)として市販されている。本発明のプロセスを用いて医療装置の金属表面上にコーティングされた十分に有効な量のトリクロサンは、抗感染剤として作用することによって、移植の前及び後の医療装置の周囲及び周辺のエリアに感染が発生するのを防ぐ。医療装置の金属表面上に、約0.01mg/cm〜約10mg/cmの量のトリクロサンをコーティングすることができる。一実施形態では、トリクロサンは医療装置上に、約0.01mg/cm〜約0.1mg/cmの量で存在する。別の実施形態では、トリクロサンは医療装置上に、約0.03mg/cmの量で存在する。
【0011】
医療装置の金属表面は、好適な従来の有機溶媒中のトリクロサン溶液を静電噴霧することによってコーティングされる。この溶液は、十分に有効な量のトリクロサンを室温で溶媒中に溶解することによって調製される。好適な有機溶媒としては、アセトン、塩化メチレン、並びにエタノール、プロパノール、及びイソプロパノールのようなアルコール類が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、溶媒は、アセトン、エタノール、及び塩化メチレンを含むが、これらに限定されない。別の実施形態では、溶媒はアセトンである。例えば、本発明の実践に有用なトリクロサン溶液は、トリクロサンを、溶媒100mL中にトリクロサン約0.5g〜溶媒100mL中にトリクロサン約10gの量で溶解することによって調製される。一実施形態では、トリクロサン溶液は、トリクロサンを、溶媒100mL中にトリクロサン約0.5g〜溶媒100mL中にトリクロサン約5gの量で溶解することによって調製される。別の実施形態では、トリクロサン溶液は、トリクロサンを、溶媒100mL中にトリクロサン約1gの量で溶解することによって調製される。好ましくはないが、付随し得るいかなる不利益をも受容する意思が当業者にあるならば、水を用いて溶液を調製することもできる。
【0012】
本発明の方法を利用し、従来の静電噴霧法を用いて医療装置の(1つ若しくはそれ以上の)金属表面をコーティングする。医療装置をチャックに固定し、(1つ若しくはそれ以上の)金属表面を設置し、十分に有効な回転速度で装置をチャックの周囲で回転させる。回転速度は、典型的には約1rpm〜約500rpmの範囲である。一実施形態では、回転速度は約10rpm〜約100rpmの範囲である。次いで、典型的には約5kV〜約20kVの範囲である、十分に有効な電荷をトリクロサン溶液に適用する。次いで、十分に有効な速度で溶液を射出し、電荷された溶液のミストを接地された装置に引き付けて、トリクロサン溶液のコーティングを生成する。溶液は、典型的には約0.5mL/時〜約18mL/時の範囲の十分に有効な流量で射出する。溶液射出時間は十分に有効であり、典型的には約1分間〜約4分間である。射出は、噴霧の間に、装置から約2cm〜約20cmの距離で行われる。静電噴霧は、例えば、室温又は最高約60℃までの昇温環境である好適な温度で行うことができる。換気されたフッド内で空気乾燥することにより、被覆ロッドから残留溶媒を除去した。あるいは、真空乾燥、不活性雰囲気での乾燥などのような従来の手段によって溶媒を除去してもよい。
【0013】
本発明のこのプロセスは、医療装置の(1つ若しくはそれ以上の)金属表面上にトリクロサンの不連続コーティングを提供する。トリクロサンは、結晶の形状で装置上に存在する。このコーティングは、装置の寸法を実質的に変えない。このコーティングは、脊柱ロッドの場合の軸回転又は滑りを防ぐなどして装置の固定を容易にするため及び安定性を確保するために、地金のエリアもまた提供する。適用されるコーティングの量は、装置の近くの組織を感染から保護するため、局所的感染が蔓延すること若しくは全身に広がることを防ぐため、又は十分な量の生物学的に活性な成分を提供して望ましい生物学的成果を達成するために、十分に有効である。そのような作用因子は、抗感染剤、組織の融合を補助する作用因子、及び外科手術の結果を改善する作用因子である場合がある。コーティングの量は、例えば、約0.01mg/CMの被覆面積から約10mg/CMの被覆面積の範囲となる。
【0014】
医療装置の金属表面上にトリクロサンの連続コーティングでなくむしろ不連続コーティングを有することは有利である。それは、脊柱ロッドの場合、装置の機械的な完全性を維持するために茎ねじと脊柱ロッドの金属同士の接触が重要であるからである。コーティングされることになるのが骨プレート又は他の医療装置の場合は、装置と骨との融合又は装置と組織との結合を維持することが重要となり、それ故、「地金」のエリアを維持することが重要となる。
【0015】
トリクロサンの存在は、細菌が装置にコロニーを形成すること及び装置の金属表面にバイオフィルムを形成することを不可能にするので、本明細書に記述されている、トリクロサンのような抗感染剤で医療装置の金属表面をコーティングするための本発明の方法は、外科手術中に感染され得るいかなる金属医療装置にも有用である。本発明のプロセスを用いてコーティングされる(1つ若しくはそれ以上の)金属表面を有し得る特に好ましい金属医療装置の一例は、血腫の近くで使用される装置、軟組織が広範に操作された外科手術(例えば、外傷後の骨の固定)に使用される装置、及び機械的な安定性を維持するために金属同士の接触が重要である脊柱固定装置に使用される装置である。本発明のプロセスは、任意の金属又は複合材料の医療装置の金属表面のコーティングとして有用であるが、整形外科用装置に特に有用である。トリクロサンのような抗感染剤コーティングで被覆される金属表面を有し得る代表的な金属医療装置としては、脊柱ロッド、胸骨ワイヤ、骨ピン、骨プレート、骨ねじ、骨置換装置(膝、腰、関節など)、及び脊柱ケージが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、金属医療装置は胸骨ワイヤである。別の実施形態では、金属医療装置は脊柱ロッドである。
【0016】
本発明のプロセスを用いてコーティングされ得る金属脊柱ロッド装置を図4に図示する。脊柱ロッド10は、対向する端30及び40と、隣接する端部分35及び45とを有する細長い円筒形の体20を有するように描かれる。体20は、外面50を有するように描かれる。端部分35の表面50の部分52は、不連続の抗感染剤コーティング60を有するように描かれる。端部分45の表面50の部分54は、連続した滑りのよいコーティング70を有するように描かれる。滑りのよいコーティング70は従来の生体適合性のコーティングであり、生体適合性ポリマーと抗感染剤とからなる場合がある。茎ねじ100は、遠位端114と近位端117とを有する細長い体110を有するように描かれる。骨と係合する従来のねじ山120は、細長い体110の表面119から延出するように描かれる。近位端114からは、装着用頭部130が延出している。装着用頭部130の内部132は、止めねじ150が内部132内に受け入れられるときに、止めねじ150のねじ山152と噛み合う内部ねじ山134を有する。頭部130はまた、脊柱ロッド10の一部分を受け入れるためのU形状の開口部136も有するように描かれる。脊柱ロッド10は、以下のように茎ねじ100に装着される。脊柱ロッド10を装着用頭部130のU形状の開口部内に配置し、次いで、内部ねじ山134を止めねじのねじ山152と係合させて止めねじ150を装着用頭部130に取り付け、十分に締め付けて、脊柱ロッド10を装着用頭部130に保持する。
【0017】
本発明のコーティング方法及びコーティング被覆表面を有する装置は、地金又はロッドのみと匹敵し得る滑り抵抗及び機械的安定性、抗感染剤を封入した連続ポリマーコーティングに勝る、より優れた滑り抵抗及び機械的安定性、並びに制御された薬物の放出のためのポリマーを必要とせずに薬物コーティングだけで移植物の周辺のエリアにおける細菌の成長と感染とを阻害すること、を含む多くの利点を有する。
【0018】
下記の実施例は本発明の原理及び実践の説明のためであり、これらに限定されるものではない。本発明の範囲及び趣旨内の多くの追加の実施形態は、ひとたびこの開示の利益を得ると、当業者に明らかになるであろう。
【実施例】
【0019】
実施例1:脊柱ロッドのコーティング方法
長さ5.08cm(2インチ)、直径5.5mmのチタンの脊柱ロッドは、DePuy Spine,Inc.(マサチューセッツ州Raynham)から入手した。室温で攪拌しながら100mLの溶媒に1gのトリクロサンを添加することにより、トリクロサン1%(w/v)溶液を、それぞれエタノール、アセトン、及び塩化メチレンを溶媒として、3つ用意した。従来の静電噴霧コーターを用いて、これらのトリクロサン溶液で脊柱ロッドをコーティングした。噴霧コーターは、Terronics Development Corporation(インディアナ州Elwood)製であった。小セットバック型ダートノズル。脊柱ロッドをチャックに固定し、接地した。コーティング条件は、以下の通りであった。射出ノズルからロッドまでの距離=7cm、コーティング溶液に印加した電圧=12Kv、回転速度=34rpm、及び射出速度=4mL/時。それぞれのコーティング溶液を、2分又は4分のいずれかにかけて適用した。コーティングをロッドに適用後、実験室ドラフト内で周囲条件下にて空気乾燥により溶液を除去した。地金のロッドの重量を、被覆ロッドの重量から差し引き、これらの条件下でロッドに適用されたコーティングの総重量を決定した。3つのロッドのコーティングの重量の平均を下表1に示す。
【表1】

【0020】
(JSM−5900LV)SEM(JEOL USA,Inc.、マサチューセッツ州Peabody)を使用し、被覆ロッド及び未被覆ロッドの走査型電子顕微鏡写真(SEM)を撮影した。図1a〜dに示す顕微鏡写真は、未被覆ロッド(図1a)を、エタノール溶媒使用(図1b)、アセトン溶媒使用(図1c)、及び塩化メチレン溶媒使用(図1d)のトリクロサン被覆ロッドとの比較において示す。コーティングの溶媒としては塩化メチレンが最も有効であったが、塩化メチレンは環境にやさしくない溶媒であるので、引き続き行われた全ての作業はアセトンを溶媒として実行した。
【0021】
実施例2:乳酸加リンゲル液で洗浄後のコーティングの安定性
外科処置の間に外科医は通常、手術区域を溶液で洗浄し、外れた組織及び血液塊をその区域から取り除き、感染の可能性を減らす。一般的な洗浄液は、乳酸加リンゲル液(LRS)である。したがって、そのような洗浄条件に曝されたときに、本発明の方法でコーティングされた被覆ロッドがそのコーティングを失わないことは重要である。溶媒としてアセトンを用い、2分間の噴霧時間で実施例1に記述した方法によってそれぞれコーティングされた、被覆チタンロッドを1つ及び被覆ステンレススチールロッドを1つ、また未被覆ロッド(チタン及びステンレススチール)のトリクロサンコーティングの安定性を試験した。ロッドをLRSで洗浄及び培養した。以下の手順を使用した。ロッドの重量を記録後、各ロッドを個別に15mL容量のポリプロピレン遠心管に入れた。次いで、LRS溶液を遠心管に注ぎ入れ、15秒後に静かにデカンティングすることにより、ロッドを(予め37℃に温めた)LRSで濯いだ。その後、(予め37℃に温めた)新鮮なLRSを遠心管に付加し、直後にその遠心管を振盪水浴(37℃、55回転/分)に配置し、2分間振った。ロッドを取り出し、室温で30分間、実験室ドラフト内で空気乾燥し、重量を記録した。正味重量差を計算した。結果を表2a及び2bにまとめた。
【表2】

【表3】

【0022】
表を見てわかるように、いずれの群においてもロッドからの物質の損失はなかった。追加的な重量は、LRS中の溶質の一部がロッド表面に付加された可能性があるという事実によって説明され得る。重量増加は小さく、また、天秤の実験誤差の範囲内という説明も可能である。(JSM−5900LV)SEM(JEOL USA,Inc.、マサチューセッツ州Peabody)を使用し、被覆ロッド及び未被覆ロッドの走査型電子顕微鏡写真(SEM)を撮影した。図2a〜dに示す顕微鏡写真は、被覆ロッドの形態がLRS溶液での洗浄後に変化しなかったことを示している。
【0023】
実施例3:機械的安定性試験
ほぼ全ての整形外科装置において、固定された構成体の機械的安定性は重要である。これは、脊柱ロッドでは特に重要である。移植された脊柱ロッドの目的は、機械的荷重を脊柱からロッドに移動することである。ロッドは茎ねじを介して脊柱の荷重を受容し、ロッドとねじとの機械的接触面は脊柱ロッドの機能にとって極めて重要である。茎ねじとロッドとの組み立て品の多くにおいて、ねじはねじ頭部でロッドと結合する。典型的には、ねじ頭部はロッドを受容するためのサドル機構を有する。ロッドが位置づけられた後、止めねじをロッドに対して締め付けることによってねじ頭部内にロッドを捉える。ロッドは、茎ねじ頭部と止めねじとの間で圧縮される。この構成では、ロッドは茎ねじに対して回転することも、平行移動することも、ねじれることもできない。ねじ・ロッド組み立て品は、ロッド・茎ねじ構成体の機械的安定性に与え得るコーティングの影響の試験として、(ASTM F1717が定める)軸方向滑り試験を受ける。軸方向滑り試験は、茎ねじをロッドの一端に取り付け、ロッドのもう一方の端を張線器に固定し、次いで荷重ベクトルがロッドの長軸と平行であるねじ頭部に荷重を与えることによって行われた。
【0024】
茎ねじは、製造業者の指示及び仕様明細を用いてロッドに取り付けられた。止めねじは、9Nm又は80インチポンドに(製造業者の指示の通りに)設定されたトルクドライバを用いて装着した。茎ねじをロッドの一端の近くに取り付けた後(いわゆる「終端効果」をなくすために、ロッドの少なくとも4mmはねじ頭部から突出しなくてはならない)、ロッドのもう一方の端を剛性の張線器/クランプ/チャックに固定して、機械的片持ち梁条件(片持ち張線器内でロッドが回転も平行移動も滑りもできない)を創出した。次いで、片持ちロッドを剛性の機械的台(金敷)上に配置して、機械的クロスヘッド(ハンマー)で整列させた。茎ねじ頭部にクロスヘッドで荷重を付加した。荷重の方向は、片持ち脊柱ロッドの長軸と平行にした。クロスヘッドは、25mm/分で変位制御した。クロスヘッドの変位は、クロスヘッドが0.5mm移動した後か、機械的荷重が突然変化した後か、あるいは茎ねじ頭部がロッド上で滑っていることが明らかになった後に終了した。ピーク荷重は、荷重変位曲線の分析によって、又は2%変位オフセットでの降伏−荷重の測定によって、荷重−変位曲線の直線領域によって決定される軸方向滑り剛性を用いて決定した。
【0025】
この試験を、未被覆及び乾燥、被覆及び乾燥、被覆及び濡れの5本のロッドそれぞれに対して繰り返した。全てのロッドは実施例1に記述したように、溶媒としてアセトンを用い、コーティング時間を2分としてコーティングされた。濡れロッドは温かい(38℃)生理食塩水(0.9%NaCl)に一晩浸した。表3は、各試験条件での平均変位力を示す。
【表4】

【0026】
被覆ロッドは、未被覆ロッドと同じ安定性をもたらした。未被覆ロッドと被覆ロッド(濡れたときでさえも)との間に滑り抵抗の統計的差はなかった。
【0027】
上記のように、更なる滑り試験を行い、未被覆ロッドと、トリクロサンを送達するために使用されたポリマー被覆ロッドとを比較した。チタンロッドは、ポリ(ε−カプロラクトン−ラクチド共重合体)(PCL/PLA)含有トリクロサンでコーティングした。ポリマーコーティング溶液は、塩化メチレン100mLに5gのPCL/PLAポリマー(PURAC Biochem BV Gorinchen、オランダ)及びトリクロサン2gを溶解して調製した。長さ5.08cm(2インチ)、直径5.5mmのチタンの脊柱ロッドは、DePuy Spine(マサチューセッツ州Raynham)から入手した。コーティングは、静電噴霧コーターを用いて行った。脊柱ロッドをチャックに固定し、コーティング条件は以下の通りであった。射出ノズルからロッドまでの距離=7.5cm、コーティング溶液に印加した電圧=12.5Kv、回転速度=32rpm、及び射出速度=6mL/時。コーティング溶液を30秒間適用した。ロッドの滑り試験及び濡らしは、上述のように行った。表4は、各試験条件(N=5)での平均変位力を示す。
【表5】

【0028】
未被覆ロッドと比較してポリマー被覆ロッドでは、濡れ又は乾燥のいずれでも滑り抵抗は統計的に有意な量で減少した。しかし、トリクロサン被覆ロッドと未被覆ロッドとの比較では、有意な差はなかった。
【0029】
実施例4:阻害ゾーン試験(ZOI)
抗菌剤の効能を評価する一般的な試験は、阻害ゾーン試験である。この試験は、細菌を含有する寒天を載せた10cmペトリ皿を使う。皿の真ん中に試料を配置し、装置から抗菌剤が溶出するにつれて殺される細菌の面積を評価する。黄色ブドウ菌(Staph.aureus)に対するトリクロサン被覆ロッドの効能を試験した。ロッドは、実施例1に記述したように溶媒としてアセトンを用い、コーティング時間を2分としてトリクロサンでコーティングした。少なくとも1.6×10CFU/mLの寒天液で黄色ブドウ菌を接種したペトリ皿にロッドを配置し、37℃で24時間、培養した。次いで、同じく細菌を接種した新しい10mmペトリ皿にロッドを移した。
【0030】
被覆ロッドは、認識されている細菌増殖検定(阻害ゾーン:ZOI)で細菌を低減するのに有効であっただけでなく、試験皿から完全に細菌を除去した。このことは、被覆ロッドを24時間目に新しい接種皿に移したときに、未被覆ロッドと比べ被覆ロッドでは寒天ペトリ皿に接種された細菌が完全に除去されていたことによって確認された。また、未被覆ロッドとの比較で、細菌は48時間目及び72時間目にも完全に除去された。
【0031】
実施例5:ロッドからのトリクロサンの制御放出
この実施例は、被覆ロッドからのトリクロサン溶出の動力学に関するデータを提供するために行った。被覆ロッドからのトリクロサンの放出は、リン酸緩衝生理食塩水中にて行われた。ロッドは実施例1に記述したように、溶媒としてアセトンを用い、コーティング時間を2分としてコーティングした。リン酸緩衝生理食塩水(PBS)は、pH=7.4を得るようにSigma PBS粉末(P−3813)を適切な体積の精製水に溶解して調製した。4本の50mL容量のガラス管を設置し、25mLのPBSを各管に加えた。これらの管のそれぞれに被覆ロッド試料を1つずつ配置した。次いで、37℃で30回転/分に設定した振盪水浴に管を配置した。1時間目、1日目、4日目、7日目、16日目、21日目、及び24日目に、PBS(25mL)含有量を全て各管から取り除いた。PBSを取り除く度に、25mLの新鮮な緩衝液で補充した。収集した全資料を4℃でガラスバイアル瓶に保管し、トリクロサン含有量をHPLC分析した。
【0032】
図3に図示するように、被覆ロッドからトリクロサンは実際に溶出された。約20%のトリクロサンの爆発的放出の後、4日間にかけて制御放出が観察された。更に、96時間目までに完全な溶出が達成された。計上されなかったその他の10%は、溶液が複数回移し入れられたためにガラス管の壁にトラップされた可能性が最も高いと考えられる。4日目(96時間目)以降の時点にかけて追加的溶出は観察されなかった。
【0033】
実施例6:骨プレートのコーティング方法
脊柱ロッドに加えて、他の金属医療装置も、本明細書に記述されている本発明の方法を用いてコーティングした。例えば、骨プレートをトリクロサンでコーティングすることが有用であり得る。本明細書に記述されている方法を用いて、骨プレートのような医療装置をトリクロサンでコーティングすることができる。プレートは両方とも骨に近接していなくてはならず、感染しやすい。そのようなプレートは、ポリマー担体でコーティングすると、ポリマーが溶出するときに骨との近接を失う可能性がある。実際、骨と接しない骨プレートの側をコーティングすることは可能だが、感染のない骨の定着を維持するためにはプレートの全側面を抗菌剤でコーティングすることが好ましい。実施例1に記述された方法を使用して、骨プレートをチャックに固定し、接地電極に取り付け、帯電している電極にトリクロサン溶液のノズルを取り付ける。トリクロサン溶液は0.1〜10%の範囲であり、好ましくは1〜2%の範囲である。次いで、1000〜0.1mL/時、好ましくは10〜1mL/時の特定の速度で溶液を射出する。骨プレートは、射出されたトリクロサンが生成するミストの前で回転されるか、又は前後に移動する。骨プレートに過剰なトリクロサンが蒸着することを避けると同時に骨プレートの十分なコーティングを可能にする十分な時間の後に、骨プレートをコーティング手順から取り去る。トリクロサンでコーティングされていない地金のエリアをプレートが維持するように、骨プレートを十分に早く取り去ることは重要である。
【0034】
実施例7:脊柱ロッド配置のための外科手術処置
実施例1の上述の方法で生成された被覆ロッドは、患者の脊柱を安定化する外科手術に使用することができる。従来の脊柱安定化処置は、脊椎、又は椎間板のような脊柱の他の任意の部分の変性、外傷、脊柱側弯、及び他の背中の不安定症を患う患者に背中の安定をもたらす。そのような外科手術では、患者は従来の手法による麻酔を受ける。その区域を準備し、切開の後に組織収縮及び更なる組織分離を行い、脊柱にアクセスする。外科医は脊柱を操作し、所望の位置にする。安定化は、脊柱ロッドを茎ねじに取り付ける一方で、脊柱の骨の部分に茎ねじを配置することによってもたらされる。茎ねじと脊柱ロッド間の緊密な接続は、止めねじを締め付けることによって達成され、脊柱が手術前の位置に「撓んで戻る」ことを防ぐ。次いで、処置が完了したら、切開を閉じる。
【0035】
本発明はその詳細な実施形態に関して図示及び説明が行われたが、当業者には、当該形態及び詳細におけるさまざまな変更は、本請求発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行われ得ることが理解されるであろう。
【0036】
〔実施の態様〕
(1) 被覆医療装置であって、
金属表面を有する医療装置と、
前記金属表面上の抗感染剤コーティングと、を含み、前記コーティングが不連続である、医療装置。
(2) 前記コーティングが、約0.01mg/cm〜約10mg/cmの量で存在する、実施態様1に記載の医療装置。
(3) 前記コーティングが、約0.01mg/cm〜約0.1mg/cmの量で存在する、実施態様1に記載の医療装置。
(4) 前記コーティングが、約0.03mg/cm〜約0.1mg/cmの量で存在する、実施態様1に記載の医療装置。
(5) 前記表面が外面である、実施態様1に記載の装置。
(6) 前記表面が内面である、実施態様1に記載の装置。
(7) 前記装置が複数の金属表面を有する、実施態様1に記載の装置。
(8) 前記装置が金属脊柱ロッドを備える、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記抗感染剤がトリクロサンを含む、実施態様1に記載の装置。
(10) 医療装置の金属表面をトリクロサンでコーティングするための方法であって、
抗感染剤と溶媒とを含むコーティング溶液を提供する工程と、
金属表面を有する医療装置を提供する工程と、
前記医療装置の前記金属表面を前記コーティング溶液で静電コーティングすることによって、前記医療装置の前記金属表面上に前記抗感染剤の不連続コーティングを提供する工程と、を含む、方法。
【0037】
(11) 前記抗感染剤コーティングが、約0.01mg/cm〜約10mg/cmの量で存在する、実施態様10に記載の方法。
(12) 前記抗感染剤コーティングが、約0.01mg/cm〜約0.1mg/cmの量で存在する、実施態様10に記載の方法。
(13) 前記抗感染剤コーティングが、約0.03mg/cm〜約0.1mg/cmの量で存在する、実施態様10に記載の方法。
(14) 前記表面が外面である、実施態様10に記載の方法。
(15) 前記表面が内面である、実施態様10に記載の方法。
(16) 前記装置が複数の金属表面を有する、実施態様10に記載の方法。
(17) 前記装置が金属脊柱ロッドを備える、実施態様10に記載の方法。
(18) 前記抗感染剤がトリクロサンを含む、実施態様10に記載の方法。
(19) 前記溶媒が有機溶媒を含む、実施態様10に記載の方法。
(20) 前記装置が前記静電コーティング工程の間に回転される、実施態様10に記載の方法。
【0038】
(21) 前記抗感染剤が、抗菌剤、抗ウィルス剤、抗真菌剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、実施態様1に記載の装置。
(22) 前記抗感染剤が、抗菌剤、抗ウィルス剤、抗真菌剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、実施態様10に記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆医療装置であって、
金属表面を有する医療装置と、
前記金属表面上の抗感染剤コーティングと、を含み、前記コーティングが不連続である、医療装置。
【請求項2】
前記コーティングが、約0.01mg/cm〜約10mg/cmの量で存在する、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記コーティングが、約0.01mg/cm〜約0.1mg/cmの量で存在する、請求項1に記載の医療装置。
【請求項4】
前記コーティングが、約0.03mg/cm〜約0.1mg/cmの量で存在する、請求項1に記載の医療装置。
【請求項5】
前記表面が外面である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記表面が内面である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記装置が複数の金属表面を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記装置が金属脊柱ロッドを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記抗感染剤がトリクロサンを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
医療装置の金属表面をトリクロサンでコーティングするための方法であって、
抗感染剤と溶媒とを含むコーティング溶液を提供する工程と、
金属表面を有する医療装置を提供する工程と、
前記医療装置の前記金属表面を前記コーティング溶液で静電コーティングすることによって、前記医療装置の前記金属表面上に前記抗感染剤の不連続コーティングを提供する工程と、を含む、方法。
【請求項11】
前記抗感染剤コーティングが、約0.01mg/cm〜約10mg/cmの量で存在する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記抗感染剤コーティングが、約0.01mg/cm〜約0.1mg/cmの量で存在する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記抗感染剤コーティングが、約0.03mg/cm〜約0.1mg/cmの量で存在する、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記表面が外面である、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記表面が内面である、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記装置が複数の金属表面を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記装置が金属脊柱ロッドを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記抗感染剤がトリクロサンを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
前記溶媒が有機溶媒を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項20】
前記装置が前記静電コーティング工程の間に回転される、請求項10に記載の方法。
【請求項21】
前記抗感染剤が、抗菌剤、抗ウィルス剤、抗真菌剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記抗感染剤が、抗菌剤、抗ウィルス剤、抗真菌剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−504020(P2012−504020A)
【公表日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−529156(P2011−529156)
【出願日】平成21年9月22日(2009.9.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/057783
【国際公開番号】WO2010/039483
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(591286579)エシコン・インコーポレイテッド (170)
【氏名又は名称原語表記】ETHICON, INCORPORATED
【Fターム(参考)】