説明

医療装置

【課題】 照射線出射部などを長期間に亘り高位置精度で回転させることができる医療装置を提供する。
【解決手段】 中心軸線を略水平方向に位置させた状態で立設された支持フレーム12と、支持フレーム12の両側面のそれぞれに設けられた円形軌道体72と、円形軌道体72上を摺動するスライド部70を介して支持フレーム12に対して相対的に回動する走行ガントリと、走行ガントリを回動させる回動駆動装置とを備えるとともに、走行ガントリは、支持フレーム12の両側面から挟み込むように配置される第1側部59aおよび第2側部59bと、第1側部59aと第2側部59bとを連結する連結部66とからなるラーメン構造によって構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば放射線治療装置、CT(computed tomography)等の医療装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
腫瘍等の患部に対して放射線(治療線)を照射して治療する医療装置として、定位放射線治療装置が知られている。このような定位放射線治療装置は、同一の患部に対して多方向から放射線を多数回照射するものである。多方向から放射線を照射するためには、患者の周囲の複数位置に移動させて位置決め可能とされるとともに、患部に照射する放射線を出射する箇所に相当する位置に配置される照射線出射部を備える必要がある。このような照射線出射部を移動させる形式として、カンチレバ型、ロボットアーム型およびガントリ型が知られている。
カンチレバ型は、照射線出射部を片持ち梁の形式で支持し、患者の体軸回りに照射線出射部を回転させるものである。ロボットアーム型は、照射線出射部を多軸アームの先端に取り付け、任意の方向から放射線(治療線)を照射するものである。しかし、カンチレバ型またはロボットアーム型は、梁またはアームの先端に照射線出射部を取り付ける構造となるため、照射線出射部の自重によって梁またはアームが変形してしまい、高精度な位置決め(照射方向設定)が困難となる。
これに対して、ガントリ型は、カウチ上に横臥された患者を包囲するようにガントリを位置させ、このガントリに沿って又はガントリと共に照射線出射部を走行させるようにしたものである。ガントリ型は、剛性が高い門型形状のガントリによって照射線出射部が支持されるため、高精度な位置決めを実現する構造として好ましい。このようなガントリ型の医療装置は、例えば、下記特許文献1及び特許文献2に開示されている。
なお、カンチレバ型やガントリ型では照射方向の自由度を上げるために、照射線出射部の単一方向の移動に加えて、患者が横臥したカウチの位置制御(移動および回転)が行われる。
【0003】
特許文献1には、ハウジングを兼ねた放射線バリヤ内に円環形状のガントリが収納されており、このガントリに照射線出射部が設けられた放射線治療装置が開示されている。この放射線治療装置では、ガントリが放射線バリヤ内で回転することにより、照射線出射部が回転するようになっている。
【0004】
特許文献2には、円環形状のガイドと、ガイドの内側に組み付けられた円環形状の可動部材と、可動部材に設けられた照射線出射部とを備えた放射線治療装置が開示されている。この放射線治療装置では、ガイドに沿って可動部材が回転することにより、照射線出射部が回転するようになっている。
【0005】
【特許文献1】特表平8−511452号公報(図2)
【特許文献2】国際公開WO2003/018132号パンフレット(14頁17行〜15頁45行,FIG.13〜FIG.16)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1記載の放射線治療装置は、ガントリの外周に軸受が設けられている。ガントリ自身及び当該ガントリに設置されている照射線出射部、検出器等の構成要素は、重力により下方に下がるため、このような軸受構造では下側に位置する軸受部で主に支持を行うことになる。このためガントリの設置位置の安定性が確保しにくい。このことは、ガントリの回転角度に応じてガントリに対する荷重バランスの不均一性を生じた際により顕著に現れる。また、軸受の下側を中心とした部分的磨耗が進行してしまうため、軸受の寿命が短くなると共に、経時的に照射線出射部の位置決め精度に変化を招来することとなる。
【0007】
また、特許文献2記載の放射線治療装置は、ガイドに沿って円環形状の可動部材が回転することが開示されているものの、精度良く可動部材を回転させる具体的な構造については開示されていない。
【0008】
上述のように、従来の医療装置では、ガントリ及び照射線出射部を任意回転角度において精度良く位置決めすることが困難となっている。
【0009】
なお、上記の各特許文献は放射線治療装置を対象としたものであるが、CTのように照射線出射部に変えてX線管を利用するもの、PET(Positron Emission Tomography)のようにガントリには検出器のみが搭載され照射線出射部は具備しないものなど、患者を包囲するように位置させたガントリを患者の周りに回転させる医療装置でも、ガントリが重量物であることから同様な課題を有していた。即ち、従来提案されてきた当該医療装置では、ガントリ自身及び当該ガントリへの搭載物と患者との相対位置を経時的に安定した精度で確保することが困難であった。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、照射線出射部などを長期間に亘り高位置精度で回転させることができる医療装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の医療装置は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる医療装置は、中心軸線を略水平方向に位置させた状態で立設された支持フレームと、該支持フレームの両側面のそれぞれに設けられた円形軌道体と、該円形軌道体上を摺動するスライド部を介して前記支持フレームに対して相対的に回動する走行ガントリと、該走行ガントリを回動させる回動手段とを備えるとともに、該走行ガントリが、前記支持フレームの両側面から挟み込むように配置される第1側部および第2側部と、該第1側部と該第2側部とを連結する連結部とからなるラーメン構造によって構成されることを特徴とする。
【0012】
走行ガントリは、支持フレーム両側部に設けた円形軌道体に対して係合するように構成したスライド部を介して、支持フレームに対して支持される。走行ガントリは円形軌道体上を摺動することから、走行ガントリの支持は円形軌道体の全周で行うこととなる。このため、一部箇所のみで支持を行うこととなる軸受を用いた支持を行う場合よりも経時的に安定した走行ガントリの位置決め精度を保持することができる。
また、走行ガントリは、固定された支持フレームに対して保持される第1側部及び第2側部と、これら第1側部及び第2側部を連結する連結部とを備え、支持フレームを挟み込む構造を採用したことにより、支持フレームに対して走行ガントリを高い剛性にて回動可能に取り付けることができる。これにより、走行ガントリが回動した際における、走行ガントリに対する検出器等の設置物の荷重の支持フレーム周方向に対する非対称性を生じた場合にも、前述の理由から経時的に安定した走行ガントリの位置決め精度を保持することができる。
更に、連結部が取り外し可能とされている場合には、第1側部及び第2側部を支持フレームに対して容易に取り外すことが可能となるため、円形軌道体及びスライド部の保守・交換も容易に行い得ることとなる。
なお、ここで走行ガントリの回動とは、水平方向に延在する軸を中心とした任意方向に対する回転動作を意味し、連続的に回転を行うこと及び任意角度だけの回転を行うことのいずれも含む。
また、走行ガントリにはラーメン構造が採用されているので、強度を確保しつつ軽量化を図ることができる。
【0013】
また、本発明の医療装置では、前記スライド部は、前記ラーメン構造の外周部に形成される節部に設けられることを特徴とする。
前記スライド部は前記ラーメン構造の外周部に形成される節部に設けられていることから、走行ガントリ及びその上への検出器等の設置物の荷重を適切に分散して支持することができる。このため、部分的または局所的に支持を行う場合よりも安定して走行ガントリの位置精度を確保することができる。
【0014】
また、本発明の医療装置では、走行ガントリの回動手段は、前記第1側部または第2側部の少なくともいずれか一方に設けたギアと歯合するピニオンを回動させる回動駆動装置を、固定された支持フレームに設置することを特徴とする。
支持フレームと走行ガントリは、位置関係が相対的に固定されているため、支持フレームに回動駆動装置を固定することで、より安定にギアとピニオンが歯合する。
【0015】
また、本発明の医療装置では、前記支持フレームの下部には、該支持フレームを略鉛直軸線回りに旋回させる旋回駆動装置が設けられたことを特徴とする。
この旋回駆動装置により、走行フレームに設置した検出器等を患者に対してより自由度の大きな条件で配置可能となる。すなわち、水平方向に延在する軸、例えば患者の体軸、の周りに走行ガントリを回動させるだけでなく、支持フレームを旋回させることによって、例えば患者の体軸に直交する面に交差する面内でも走行ガントリを回転させることができる。このように、支持フレームを旋回させることとしたので、患者が横臥したカウチを旋回させる必要がない。したがって、従来のように照射方向の自由度を上げるために患者が横臥した状態でカウチ自身を旋回する場合と比較して、揺動による患者の不安感や照射対象部の位置・性状の変化が発生することを回避できることとなる。
なお、ここで支持フレームの旋回とは、垂直方向に延在する軸を中心とした任意方向に対する回転動作を意味し、連続的に回転を行うこと及び任意角度だけの回転を行うことのいずれも含む。
【0016】
また、本発明の医療装置では、前記支持フレームは、前記旋回駆動装置によって一カ所で支持されていることを特徴とする。
複数箇所で支持する方法には、例えば天井部と床部にベアリングを介して設置する方法や、床部に対して滑動可能な多点の支持部で支持する方法が挙げられる。この場合、各支持部の設置精度及び各支持部を固定する建屋施工精度(例えば床面の平面度)の影響により、任意旋回状態で安定した位置精度を確保することが困難である。これに対して、本発明のように支持を一カ所で行うことで、旋回時における走行ガントリ上の設置物とアイソセンタの位置関係を旋回角度に依存することなく高精度で保持することができる。
【0017】
また、本発明の医療装置では、走行ガントリには、患者に照射するビームを出射する照射線出射部が設けられることを特徴とする。
照射線出射部とこの照射線出射部から出射されるビームの組合せとしては、治療用放射線照射装置とX線や電子線の組合せ、X線管とX線の組合せ、レーザ装置とレーザ光の組合せなどが例示される。
走行ガントリは支持フレームに対して回動及び旋回を行うので、患者に対して任意の位置からビームを照射することが可能となる。これにより、例えば定位放射線治療などを実現可能となる。
【0018】
また、本発明の医療装置では、患者に照射するビームを出射する照射線出射部が、首振り機構を介して走行ガントリに設けられたことを特徴とする。
照射線出射部を走行ガントリとともに回動するように構成した上で、照射線出射部自体を首振り機構による首振り動作(パン及び/又はチルト)を可能としたため、患者の照射対象部位に対する照射領域の微調整がさらに可能となる。また、本調整のためにカウチの微動を行う必要がないため、カウチに横臥した患者の不安感が排除できると共に、技師による位置あわせに要する時間を短縮することができる。また、肺等のように経時的に変位する照射対象部位に照射する場合には、走行ガントリ及び支持フレームを回動・旋回させずに照射線出射部のみ首振り動作を行うのみで良いので、照射部位の変位に対して応答良く照射位置を追随させることで対象箇所を限定した高精度での照射を行うことができる。
【0019】
また、本発明の医療装置では、旋回駆動装置は第一床部に設置され、前記支持フレームの下部を一部含む高さ位置、具体的にはアイソセンタよりも下方に設けられた第二床部が、前記第一床部上方に所定間隔をおいて該支持フレームに設けられていることを特徴とする。
このように第二床部を設けることで、患者、技師等が歩行する床を、旋回駆動装置が設置される床と分離することができるため、患者、技師等の旋回駆動装置に対する接触・転倒を回避できる。なお、前記回動駆動装置が前記第一床部と前記第二床部の間に配置されることで、ギアとピニオンに対する患者、技師等の巻き込まれ事故を回避できることから更に好適である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の医療装置によれば、任意の回動・旋回角度に対して、アイソセンタに対する走行ガントリ及び当該走行ガントリへの設置物の相対位置を精度良く設定することができる。
また、本発明の医療装置では、任意の回動・旋回角度から、高精度で患者の照射対象部位に対してビームを照射することが可能となる。
また、本発明の医療装置では、走行ガントリ及び支持フレームの回動・旋回動作に対して、患者、技師などの安全性を確保することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
先ず、本実施形態にかかる放射線治療装置の概要を述べた後に、本発明に関連する事項の詳細説明を行うこととする。
【0022】
図1には、本実施形態にかかる放射線治療装置の概略斜視図が示されている。放射線治療装置(医療装置)3は、旋回駆動装置11と、支持フレーム12と、走行ガントリ14と、首振り機構15と、治療用放射線照射装置(照射線出射部)16とを備えている。走行ガントリ14の詳細については後述することとし、図1ではその概念構成を示す。
【0023】
旋回駆動装置11は、略鉛直方向に延在する旋回軸線17回りに旋回可能に支持フレーム12を上台に支持している。つまり、支持フレーム12は、その下方に位置する旋回駆動装置11のみによって一カ所で支持されている。旋回駆動装置11の回転制御は、放射線治療装置制御装置(図示せず)によって行われる。
支持フレーム12は、中央に開口を有する略円環形状である。なお、本発明において支持フレーム形状は円環形状に限定されるものではない。長方形形状で中央に開口が設けられているものなどでもよい。このような形状は、支持フレーム12の安定性(重心が低いほど安定性が高い)、健全性(変形性)、旋回に伴う所要スペース等の観点から決めることが望ましい。
支持フレーム12は、その中心軸線18を略水平方向に位置させた状態で立設されている。支持フレーム12には、回動可能に走行ガントリ14が支持されている。走行ガントリ14は支持フレーム12の中心軸線18回りに回動するようになっている。走行ガントリ14の回動中心である中心軸線18と、支持フレーム12の旋回軸線17との交点がアイソセンタ19に相当する。走行ガントリ14の回動制御は、放射線治療装置制御装置(図示せず)によって行われる。
なお、走行ガントリ14の詳細については後述する。
【0024】
首振り機構15は、走行ガントリ14の内周側に固定され、治療用放射線照射装置16を回動可能に支持している。首振り機構15は、パン軸21およびチルト軸22を有している。パン軸21は、走行ガントリ14に対して固定されており、支持フレーム12の回転軸線18に対して直交している。チルト軸22は、走行ガントリ14に対して固定されており、パン軸21に対して直交している。首振り機構15は、放射線治療装置制御装置(図示せず)により制御されて、パン軸21を中心に治療用放射線照射装置16を回動させ、チルト軸22を中心に治療用放射線照射装置16を回動させる。このように、治療用放射線照射装置16は、照射角度を制御された状態で治療用放射線23を放射する。
【0025】
治療用放射線照射装置16は、支持フレーム12に対して回動する走行ガントリ14に支持されているので、首振り機構15で治療用放射線照射装置16がアイソセンタ19に向かうように一日.調整されると、支持フレーム12が旋回し、または、走行ガントリ14が回動しても、治療用放射線23は常に概ねアイソセンタ19を通ることになる。これは、走行ガントリ14の回動時の精度が補償されて初めて実現できるので、走行ガントリ14の回動時の精度が重要となる。この点については後述する。
【0026】
放射線治療装置3は、さらに、複数のイメージャシステムを備えている。すなわち、放射線治療装置3は、線源駆動装置37,38と、診断用X線源24,25と、センサアレイ駆動装置27,28と、センサアレイ32,33とを備えている。
線源駆動装置37は、走行ガントリ14の内周側に固定され、診断用X線源24を走行ガントリ14に対して支持している。線源駆動装置37は、放射線治療装置制御装置(図示せず)により制御されて診断用X線源24を走行ガントリ14に対して移動させる。診断用X線源24は、走行ガントリ14の内周側に配置され、アイソセンタ19から診断用X線源24を結ぶ線分とアイソセンタ19から治療用放射線照射装置16を結ぶ線分とがなす角が鋭角になるような位置に配置されている。診断用X線源24は、放射線治療装置制御装置(図示せず)により制御されてアイソセンタ19に向けて診断用X線35を放射する。診断用X線35は、診断用X線源24の1点から放射され、その1点を頂点とする円錐状のコーンビームである。
線源駆動装置38は、走行ガントリ14の内周側に固定され、診断用X線源25を走行ガントリ14に対して支持している。線源駆動装置38は、放射線治療装置制御装置(図示せず)により制御されて診断用X線源25を走行ガントリ14に対して移動させる。診断用X線源25は、走行ガントリ14の内周側に配置され、アイソセンタ19から診断用X線源25を結ぶ線分とアイソセンタ19から治療用放射線照射装置16を結ぶ線分とがなす角が鋭角になるような位置に配置されている。診断用X線源25は、放射線治療装置制御装置(図示せず)により制御されてアイソセンタ19に向けて診断用X線36を放射する。診断用X線36は、診断用X線源25の1点から放射され、その1点を頂点とする円錐状のコーンビームである。
【0027】
センサアレイ駆動装置27は、走行ガントリ14の内周側に固定され、センサアレイ32を走行ガントリ14に対して支持している。センサアレイ駆動装置27は、放射線治療装置制御装置(図示せず)により制御されてセンサアレイ32を走行ガントリ14に対して移動させる。
センサアレイ駆動装置28は、走行ガントリ14の内側に固定され、センサアレイ33を走行ガントリ14に対して支持している。センサアレイ駆動装置28は、放射線治療装置制御装置(図示せず)により制御されてセンサアレイ33を走行ガントリ14に対して移動させる。
センサアレイ32は、診断用X線源24により放射されてアイソセンタ19の周辺の被写体を透過した診断用X線35を受光して、その被写体の透過画像を生成する。
センサアレイ33は、診断用X線源25により放射されてアイソセンタ19の周辺の被写体を透過した診断用X線36を受光して、その被写体の透過画像を生成する。
センサアレイ32,33としては、例えば、FPD(Flat Panel Detector)やX線II(Image intensifier)が挙げられる。
【0028】
このようなイメージャシステムによれば、センサアレイ32,33は、各々、線源駆動装置37,38により診断用X線源24,25が移動されても、センサアレイ駆動装置27,28により適宜移動されてアイソセンタ19を中心とする透過画像を生成することができる。
【0029】
放射線治療装置3は、さらに、センサアレイ駆動装置26とセンサアレイ31とを備えている。センサアレイ駆動装置26は、走行ガントリ14の内周側に固定され、センサアレイ31を走行ガントリ14に対して支持している。センサアレイ駆動装置26は、放射線治療装置制御装置(図示せず)により制御されてセンサアレイ31を走行ガントリ14に対して移動させる。センサアレイ31は、治療用放射線照射装置16により放射されてアイソセンタ19の周辺の被写体を透過した治療用放射線23を受光して、その被写体の透過画像を生成する。センサアレイ31としては、例えば、FPD(Flat Panel Detector)やX線II(Image intensifier)が挙げられる。センサアレイ31は、首振り機構15によって治療用放射線照射装置16が移動されても、センサアレイ駆動装置26により適宜移動されてアイソセンタ19を中心とする透過画像を生成することができる。
【0030】
なお、診断用X線源24は、アイソセンタ19から診断用X線源24を結ぶ線分とアイソセンタ19から治療用放射線照射装置16を結ぶ線分とがなす角が鈍角になるような位置に配置されることもできる。すなわち、センサアレイ32は、アイソセンタ19からセンサアレイ32を結ぶ線分とアイソセンタ19から治療用放射線照射装置16を結ぶ線分とがなす角が鋭角になるような位置に配置される。
同様に、診断用X線源25は、アイソセンタ19から診断用X線源25を結ぶ線分とアイソセンタ19から治療用放射線照射装置16を結ぶ線分とがなす角が鈍角になるような位置に配置されることもできる。すなわち、センサアレイ33は、アイソセンタ19からセンサアレイ33を結ぶ線分とアイソセンタ19から治療用放射線照射装置16を結ぶ線分とがなす角が鋭角になるような位置に配置される。
このように配置すれば、センサアレイ32,33は、治療用放射線照射装置16から放射される治療用放射線23に照射されにくくなるので、機器の保護の観点から好ましい。
【0031】
なお、線源駆動装置37,38は、それぞれ、診断用X線源24,25を治療用放射線照射装置16に対して支持することもできる。このとき、放射線治療装置3は、首振り機構15により治療用放射線照射装置16が移動されたときでも、治療用放射線照射装置16との相対位置が一定になり、診断用X線源24,25の位置を制御することがより容易になるという利点がある。
【0032】
カウチ41は、治療される患者43が横臥するために用いられる。カウチ41は、図示されていない固定具を備えている。その固定具は、その患者が動かないように、その患者をカウチ41上に固定する。カウチ駆動装置42は、カウチ41を土台に支持し、放射線治療装置制御装置(図示せず)により制御されてカウチ41を支持フレーム12の開口内に導くように移動させる。
【0033】
図2には、本実施形態にかかる放射線治療装置の詳細斜視図が示されている。同図に示すように、支持フレーム12に沿って走行ガントリ14が配置されている。
【0034】
図3には、本実施形態にかかる放射線治療装置の要部縦断面図を示されている。
前述のように、支持フレーム12は、中央に開口を有する略円環形状であり、その中心軸線18を略水平方向に位置させた状態で立設されている。支持フレーム12は強度保持及び軽量化の観点から、図3に示すように断面が中空状であると共に、図5に示すように当該中空部においてアイソセンタ19に面する面12aとその反対面(外周側の面)12bとの間に補強材12cで支持を行う構造としたリング状で構成することが望ましい。なお、支持フレーム12は完全一体構造でも複数分割構造のいずれでも構わない。
【0035】
走行ガントリ14は、支持フレーム12の両側部それぞれに対向して配置された第1側部59a及び第2側部59bと、これら第1側部59a及び第2側部59bを接続する連結部66とを備えている。第1側部59a及び第2側部59bは、各々側部ラーメン構造体60とリング状円板55とから構成される。
【0036】
図3に示すように、第1側部59a及び第2側部59bは、支持フレーム12の内周側に位置する複数の連結梁66によって剛に接続されている。本接続は、第1側部59a及び第2側部59b並びに支持フレーム12の構成要素に対する定期的な保守・交換が容易に行いえるように、ボルト締め等の取付及び取外が可能とされている。各連結梁66は、支持フレーム12の中心軸線18方向に延在するとともに、支持フレーム12の周方向に所定間隔をおいて配置されている。このように、走行ガントリ14は、両側部に位置する第1側部59a及び第2側部59bと連結梁66によって、支持フレーム12を内周側から挟み込むようになっている。
【0037】
支持フレーム12の両側面には円環のレール状とされた円形軌道体72が、中心軸線18と同軸に固定されている。走行ガントリ14の第1側部59a及び第2側部59bは、円形軌道体72を介して支持フレーム12に係合している。また、第1側部59a及び第2側部59bは略同一形状をしている。即ち、走行ガントリ14の第1側部59a及び第2側部59bは、支持フレーム12に対して略対称に設けられている。第1側部59a及び第2側部59bは、それぞれ、支持フレーム12の側面に対向して設けられたリング状円板55を備えている。つまり、リング状円板55は、支持フレーム12の両側にそれぞれ配置されている。このリング状円板55の外周端には、図3に示すように、走行ガントリ14を回動させるためのギヤ57が設けられている。リング状円板55のギヤ57には、回動駆動装置49によって回転駆動されるピニオン48が歯合されており、これにより、走行ガントリ14が回動される。本実施形態で示すように第1側部59a及び第2側部59bの両方ともギア57とピニオン48が歯合するように構成することは、両側部に同様に駆動力を付与できることから、より円滑に摺動可能となる点で望ましい。但し、片側のリング状円板側部のみに歯合させた構成とした場合であっても、走行ガントリ14の回動動作は可能である。
【0038】
側部ラーメン構造体60は、走行ガントリ14自身及び走行ガントリ14に支持される治療用放射線照射装置16等の荷重に対して健全性を担保できるように強度を負担するとともに、リング状円板55を保持している。側部ラーメン構造体60は、リング状円板55の周方向に沿うように、即ち支持フレーム12の周方向に沿うように、複数の梁62が接合されて形成された多角形枠体61を備えている。多角形枠体61を10角形とした例を図4に示す。
【0039】
側部ラーメン構造体60の各梁62の接続部は、ラーメン構造を形成するように、溶接またはボルト接合によって剛に接合されている。また、多角形枠体61を内部から補強するように、多角形枠体61と節部68を共有するように内部枠体63が固定されている。この際、内部枠体63は、節部68に対する荷重が不均一にならないように、走行ガントリ14に支持させる構成要素の支持位置及び重量に基づき、配置がなされている。例えば、図4において治療用放射線照射装置16を位置Aに相当する部位の第1側部59a及び第2側部59bの間に設置することとした場合、内部枠体63−1の位置は本治療用放射線照射装置16とアイソセンタ19との相対関係が適切になるように設定すること及び当該治療用放射線照射装置16の重量を分散支持可能なように内部枠体63−2,63−3を配することが必要である。このように、各内部枠体63の配置は、走行ガントリ14へ支持させる構成要素の重量、配置、寸法を考慮して設定される。
【0040】
また、側部ラーメン構造体60の多角形枠体61の角部に相当する各節部68(図2参照)に対応した位置には、図4に示すように、スライド部70が固定されている。図4では、すべての節部68にスライド部70を略等間隔に設けた例を示すが、荷重分布によっては間欠的に配置してもよい。また梁62の強度が確保できれば当該梁部にスライド部70を設けて荷重を分散させてもよい。スライド部70は、支持フレーム12の両側部に設けられた円形軌道体72に沿って走行する。
【0041】
スライド部70としては、図3に示すように、レール72の頭部を収容するように包囲した状態で摺動する構成とするものが好ましい。例えば、スライド部70にはLMブロック(登録商標)が挙げられる。本構成とすることで、全ての節部68におけるスライド部70は、レール72のいずれかの面で接触することとなる。即ち、重力により走行ガントリ14全体は鉛直方向で下方に下がろうとするが、その際、最上部ではスライド部溝面70−1と円形軌道体側面72−1が、最下部ではスライド部溝面70−2と円形軌道体側面72−2が必ず係合する。またその他の任意の位置では、スライド部70が垂直方向となる箇所を除き、スライド部70の位置に応じていずれかの面が必ず係合する。このため走行ガントリ14は常に多点で支持され、経時的に安定した位置決め精度を保持することができる。
【0042】
図3には、支持フレーム12を旋回軸線17回りに旋回させる旋回駆動装置11が示されている。旋回駆動装置11は、第一床部FL1に固定された台座80上に設置された旋回軸部82と、旋回軸部82の上方に軸受88を介して回動可能に設けられた旋回ブロック84と、旋回駆動力を与える旋回モータ86とを備えている。
旋回ブロック84と支持フレーム12とは固定されており、旋回ブロック84とともに支持フレーム12が旋回するようになっている。旋回ブロック84の側方にはギヤ84aが設けられており、このギヤ84aには、旋回モータ86によって駆動されるピニオン86aが噛合されている。旋回モータ86によってピニオン86aを回転させることにより、ギヤ84aを介して旋回ブロック84及び支持フレーム12が旋回させられる。なお、ギア84aとピニオン86aの相対位置を確保する観点から、図3に示すように旋回モータは台座80に固定されていることが望ましい。
【0043】
上記構成の放射線治療装置3は、以下のように使用される。
先ず、患者43をカウチ41上に横臥させ、支持フレーム12の開口へと導くようにカウチ41を移動させる。
そして、患者の患部がアイソセンタ19に位置するように、診断用X線35,36を用いてカウチ41の位置を制御する。必要に応じて、治療用放射線23が患部を通過するように首振り機構15を制御する。
走行ガントリ14は、治療計画によって決定される照射角度に治療用放射線照射装置16が位置するように中心軸線18回りに回動された後に位置決めされる。この状態で、治療用放射線照射装置16から治療用放射線23が患部に向けて照射される。肺等のように患部が照射時に変位する場合には、治療用放射線23がその変位に追随するように首振り機構15によって治療用放射線照射装置16が動的に駆動される。
所定の線量が照射されると、治療用放射線23の照射を停止した後、走行ガントリ14を回動させ、治療計画によって決定される次の照射角度に治療用放射線照射装置16が位置するように位置決めされる。そして、上記と同様に治療用放射線23が患部に向けて照射される。
また、必要に応じて、旋回駆動装置11を動作させて支持フレーム12を旋回軸線17回りに旋回させることにより、所望の角度から治療用放射線23を照射する。本旋回機能を具備したことにより、走行ガントリ14の回動機能のみの場合よりも照射方向の自由度が増加する。同様な自由度を増加させる手段として、カウチ41を垂直軸周りに回動させることが提案されている。しかし、本発明の装置本体に旋回機能を具備することは、身体に揺動を与えることに伴う患者43の心的負担及びカウチ41回動に伴う患部性状・位置の変化を、排除することが可能である点で、より望ましい。
【0044】
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
支持フレーム12の両側部に設けた円形軌道体72に対して係合するように構成したスライド部70を介して、走行ガントリ14を支持フレーム12に対して支持することとした。走行ガントリ12は、円形軌道体72上を摺動することから、走行ガントリ14の支持は円形軌道体72の全周で行われることとなる。このため、一部箇所のみで支持を行うこととなる軸受を用いる場合よりも経時的に安定した走行ガントリの位置決め精度を保持することができる。
【0045】
また、固定された支持フレーム12に対して、第1側部59a、第2側部59bおよび連結部66によって支持フレーム12を挟み込む構造を採用したことにより、支持フレーム12に対して走行ガントリ14を高い剛性にて回動可能に取り付けることができる。これにより、走行ガントリ14が回動した際に生じる、走行ガントリ14に対する検出器等の設置物の荷重の支持フレーム12周方向に対する非対称性が生じた場合にも、前述の理由から経時的に安定した走行ガントリ14の位置決め精度を保持することができる。
【0046】
更に、連結部66を取り外すことで、第1側部59a及び第2側部59bを支持フレーム12に対して容易に取り外すことが可能であるため、円形軌道体72及びスライド部70の保守・交換も容易に行い得ることとなる。
【0047】
また、走行ガントリ14に対してラーメン構造を採用したので、強度を確保しつつ軽量化を図ることができる。
【0048】
更に、ラーメン構造の節部68に対応する位置に設けたスライド部70によって走行ガントリ14を支持することとしたので、走行ガントリ14の荷重を適切に分散して支持することができる。このため、安定して走行ガントリ14の位置精度を確保することができる。
【0049】
また、周方向に所定間隔をおいて複数のスライド部70を配置することとし、走行ガントリ14の姿勢にかかわらず常に複数のスライド部70によって荷重を受けることとしたので、走行ガントリ14を精度良く回動させることができる。
【0050】
また、走行ガントリ14の回動手段は、第1側部59a及び第2側部59bの少なくともいずれか一方に設けたギア57と歯合するピニオン48を回動させる回動駆動装置49を、固定された支持フレーム12に設置することとした。支持フレーム12と走行ガントリ14は、位置関係が相対的に固定とされているため、支持フレーム12に回動駆動装置49を固定することで、より安定にギアに対してピニオン48を歯合させることができる。
なお、第1側部59a及び第2側部59bの両方にギアとピニオンが歯合するように構成することは、両側部に同様に駆動力を付与できることから、円滑に摺動可能となる点で望ましい。
また、本実施形態で示したように、リング状円板55の最外周部に設けたギアを用いて回動をさせることで、本動作のために要する作用力を低くすることができ且つ対応するピニオン48の位置の微調整が容易になるため、より低コストで且つ安定した回動動作を行うことができる。
【0051】
また、前記支持フレーム12の下部に、支持フレーム12を略鉛直軸線回りに旋回させる旋回駆動装置11を設けたことにより、走行フレーム14に設置した検出器等を患者43に対してより自由度の大きな条件で配置可能となる。すなわち、患者43の体軸に直交する面内で走行ガントリ14を回動させるだけでなく、支持フレーム12を旋回させることによって、患者43の体軸に直交する面に交差する面内で走行ガントリ14を回動させることができる。このように、支持フレーム12を旋回させることとしたので、患者43が横臥したカウチ41を旋回させる必要がない。したがって、従来のように照射方向の自由度を上げるために患者が横臥した状態でカウチ自身を旋回する場合と比較して、揺動による患者の不安感や照射対象部の位置・性状の変化が発生することを回避できる。
【0052】
また、支持フレーム12は、旋回駆動装置11によって一カ所で支持されているため、複数箇所で支持した場合のように、各支持部の設置精度及び各支持部を固定する建屋施工精度(例えば床面の平面度)の影響を受けることなく、旋回時における走行ガントリ14上の設置物とアイソセンタ19の位置関係を旋回角度に依存することなく高精度で保持可能となる。
【0053】
また、走行ガントリ14には、患者43に照射するビームを出射する照射線出射部が設けられることから、患者43に対して任意の位置からビームを照射することが可能となる。これで、例えば定位放射線治療などを実現可能となる。
【0054】
また、治療用放射線照射装置16を、首振り機構を介して走行ガントリ14に設けたため、患者の照射対象部位に対する照射領域の微調整がさらに可能となる。また、本調整のためにカウチ41の微動を行う必要がないため、カウチに横臥した患者の不安感が排除できると共に、技師による位置あわせに要する時間を短縮可能となる。また、肺等のように照射対象部位が照射中に変位する場合には、走行ガントリ14及び支持フレーム12を回動・旋回させずに治療用放射線照射装置16のみ首振り動作を行うのみで良いので、照射部位の変位に対して応答良く照射位置を追随させることで高精度での照射を行うことができる。
【0055】
更に、本実施形態では、図3に示すように、旋回駆動装置11を第一床部FL1に設置し、この第一床部FL1の上方に所定間隔をおいて第二床部FL2が設けられている。なお、ここで第二床部FL2はアイソセンタ19よりも下方に位置するものとする。また、第二床部FL2は旋回動作に対応できるように分割されており、その一部である第二床部FL2−1は支持フレーム12に対して接続されており、他の第二床部FL2に対して回動可能となっている。図2には、この回動可能な第二床部FL2−1が示されている。
また、旋回駆動装置11及び回動駆動装置49は、この第一床部FL1と第二床部FL2の間に配設される。
【0056】
このように第二床部FL2を設けることで、患者43、技師等が歩行する床を、旋回駆動装置11が設置される床FL1と分離することができるため、患者43、技師等の旋回駆動装置11に対する接触・転倒を回避できる。また、放射線治療装置3に対する患者、技師等のアクセスが容易になると共に、アイソセンタ位置から患者、技師等の歩行床(第二床部FL2)の距離が狭くなるため、カウチ上の患者に安心感をもたらすと共にカウチ41の位置調整時における技師の作業性が向上する。
また、旋回軸線17の回りに放射線治療装置3の旋回を行うためには第二床部FL2に開口を設けることを要するが、第二床部FL2の一部FL2−1を旋回動作と共に放射線治療装置と旋回を行う構造としたことで当該開口からの第一床部FL1に向けた落下を防止することが可能となる。
更に、回動駆動装置49が第一床部FL1と第二床部FL2の間に配置されることで、回動駆動装置49のギア57とピニオン48の間に患者、技師等が巻き込まれてしまうなどの事故を回避できると共に、これら床部間という空間を有効に使用することで装置全体をコンパクト化できる。
【0057】
なお、上述の各実施形態では、医療装置の一例として定位放射線治療装置を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、CT(computed tomography)や粒子線治療装置、PET(Positron
Emission Tomography)、レーザ診断・治療装置など、他の医療装置にも同様に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施形態にかかる放射線治療装置の概念を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる放射線治療装置の詳細斜視図である。
【図3】図2の放射線治療装置の要部を示した縦断面図である。
【図4】側部ラーメン構造体とスライド部との位置関係を示した模式図である。
【図5】本発明における支持フレーム部構造を示した概略図である。
【符号の説明】
【0059】
11 旋回駆動装置
12 支持フレーム
14 走行ガントリ
48 ピニオン
49 回動駆動装置
57 ギア
59a 第1側部
59b 第2側部
66 連結部
70 スライド部
72 円形軌道体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸線を略水平方向に位置させた状態で立設された支持フレームと、
該支持フレームの両側面のそれぞれに設けられた円形軌道体と、
当該円形軌道体上を摺動するスライド部を介して前記支持フレームに対して相対的に回動する走行ガントリと、
該走行ガントリを回動させる回動手段とを備えるとともに、
前記走行ガントリは、前記支持フレームの両側面から挟み込むように配置される第1側部および第2側部と、該第1側部と該第2側部とを連結する連結部とからなるラーメン構造によって構成されることを特徴とする医療装置。
【請求項2】
前記スライド部は、前記ラーメン構造の外周部に形成される節部に設けられることを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記回動手段は、
前記第1側部または前記第2側部の少なくともいずれか一方に設けたギアと、
該ギアと歯合するピニオンと、
前記支持フレーム上に設けられるとともに前記ピニオンを回動させる回動駆動装置とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の医療装置。
【請求項4】
前記支持フレームの下部には、該支持フレームを略鉛直軸線回りに旋回させる旋回駆動装置が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の医療装置。
【請求項5】
前記支持フレームは、前記旋回駆動装置によって一カ所で支持されていることを特徴とする請求項4に記載の医療装置。
【請求項6】
患者に照射するビームを出射する照射線出射部が、前記走行ガントリに設けられたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の医療装置。
【請求項7】
前記照射線出射部は、首振り機構を介して前記走行ガントリに設けられていることを特徴とする請求項6に記載の医療装置。
【請求項8】
前記旋回駆動装置は、第一床部に設置され、
前記支持フレームの下部を一部含む高さ位置に設けられた第二床部が、前記第一床部上方に所定間隔をおいて該支持フレームに設けられていることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の医療装置。
【請求項9】
前記回動駆動装置は、前記第一床部と前記第二床部の間に配置されることを特徴とする請求項8に記載の医療装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−200092(P2008−200092A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−36354(P2007−36354)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】