説明

医薬活性剤を含む経皮用パッチのためのポリマーフィルム

【課題】本発明は、医薬活性剤を含む経皮用パッチのためのポリマーフィルムに関する。
【解決手段】前記ポリマーフィルムは、医薬活性剤のための少なくとも1つの分解促進剤を有する1又は複数の層を含んで成る。本発明のポリマーフィルムは、ゲスタゲン、エストロゲン又はアンドロゲンの群からの医薬活性剤を含むパッチと組合し、それらのパッチ、例えばホルモン置換療法及び受精能調節のためのパッチの環境に優しい廃棄のために使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野:
本発明は、医薬活性剤を含む経皮用パッチのためのポリマーフィルム、すなわち医薬活性剤のための少なくとも1つの分解促進剤を含んで成る1又は複数の層を含んで成るポリマーフィルムに関する。プロゲストゲン、エストロゲン又はアンドロゲンの群からの医薬活性剤を含んで成る経皮用パッチを有する発明のアセンブリーにおいては、本発明のポリマーフィルムがそれらのパッチの環境に優しい廃棄のために使用され得る。
【背景技術】
【0002】
経皮用パッチは、その形が身体中に摂取されないか又は適用されないが、しかし代わりに、投与時間の最後で使用者に再び除去されることにおいて大部分の他の医薬投与形とは異なる。除去されると、パッチは、現在では、典型的には、家庭用ごみとして廃棄される。
【0003】
一般的に、このパッチは相当の残留量の医薬活性剤を含む。この主な理由は、投与の期間、皮膚を通しての活性剤の均等な流れの維持が、一定レベルでその開放活性を維持するためにパッチにおける活性剤の連続した供給過剰を必要とすることである。
これは一般的に、投与の期間にわたって存在する活性剤の量のわずか10〜40%の供給割合、又は使用の後、パッチにおける60%〜90%の残留物をもたらす。
【0004】
家庭用ごみにより廃棄される場合、それらの残留量は、特にごみにおける活性剤がゆっくり分解される場合、可能性ある環境的負荷を構成し、そして再び環境に放出される。
さらに、高レベルの活性剤を有するパッチゴミは、子供への危険性、又は強い鎮痛剤の場合、薬物常習者による誤った使用の危険性を有する。
【0005】
ホルモン置換療法及び避妊のために使用されるステロイドホルモンの分野においては、広範囲の集団を通してのそれらの使用のために、可能性ある環境危険性に関する論争が存在する。
【0006】
これに関しては、環境において非常にすばやく不活性化される化合物、例えばエストラジオールと、遅延された分解性を有するその合成誘導体、例えばエチニルエストラジオール(後者の化合物は、より高い環境危険性を表す)とを区別することがまた必要である。Ortho-McNeilからの避妊用EVRAパッチがヨーロッパにおけるJansson Cilayを通して許可される場合、消耗された後、パッチは、高い残留レベルの活性剤エチニルエストラジオール及びノルエルゲストロミンのために、環境へのそれらの解放を妨げるか又は遅延するような手段で廃棄されるべきであることが明記されている。
【0007】
この明記は、消耗され、主要パッケイジ(長方形の密封バッグ)において交換され、そして手動的に密封されるか、又は例えば使用される薬剤とは別々にパッチを廃棄する薬剤師に戻された後、パッチにより観察された。
【0008】
最近、ドイツ市場に関して、EVRAパッチが、主要パッケージバッグ上の別々の廃棄ポーチと共に市場に向けられてきた。この場合、それが使用された後、パッチが密封できるバッグの外部表面に留められ、そして次に、バッグに取り付けられているラベルがパッチの縁を完全に覆うようはめ込まれる。
従って、パッチは、主要パッチと廃棄ラベルとの間の種々のポケット内に配置される。
【0009】
しかしながら、この構成の結果として、環境への活性剤の開放は究極的には、妨げられないが、しかし単に遅延される。ポケットの1つの側上のパッケージのアルミニウム層及び他の側上のラベルのポリエステルフィルムを通しての活性剤の移動は、無視できるほど小さいことはたぶん真実である。しかしながら、ラベルの構成接着剤を通して活性剤のその暴露された外部切断された縁への横方向拡散が生じ、そしてさらに、構成接着剤が制限された時間、家庭用ごみにおいて貯蔵条件を耐えることができ、たぶんラベルの分離、廃棄ポケットの開口、及び究極的には再び、活性剤の開放を導く。
【0010】
特に、鎮痛剤−含有経皮システムの誤った使用の危険性は、WO02/085268号に記載され、そして請求されている種類の技術的廃棄解決のためのトリガーである。しかしながら、この明細書において解釈される解決法は、一方では、誤った使用の危険性がある活性剤に独占的に向けられ、そして他方では、パッチが使用された後、できるだけ早く起こる不活性化又は中和に向けられる。この目的は、使用されるパッチの活性又は有用性の実質的に即時の除去である。
【0011】
従って、提案される不活性化方法はより特定には、鎮痛剤の受容体接着部位の不活性化、及び不溶性複合体を生成するために受容体への鎮痛剤の接着を包含する。不活性化剤の特定の例は、受容体、抗体又はアンタゴニストである。WO02/085268号において論じられる不活性化の機能は、鎮痛剤又は誤った使用についての可能性を有する他の活性剤に関して、それらの性質において非常に特異的である。すべての種類の不活性化の可能な機能に対する情報は、化学的、物理的、電気的又は磁気的であろうと、非常に一般的であり、そしてさらに、例は、それらが実際、再生を得るような手段で詳しく説明されていない。
【0012】
さらに、不活性化は人による使用に関し;活性剤がまた、不特異的に及び他の生物又は他の環境的影響に関して、不活性化されるべきである表示は存在しない。
【発明の概要】
【0013】
従って、もはや必要とされない消耗されているか又は末消耗の活性剤含有パッチについての可能性を開示することが、本発明の目的であり、このためには、家庭用ごみを通しての廃棄の後、環境へのパッチにおける残留量の医療活性剤の開放がそれらの化学的転換により妨げられるか又は少なくとも高く低められるべきである。化学的転換は、その生成物がそれら自体のいずれかの適切な薬理学的又は毒物学的活性をもはや有さないようあるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1のA1及びA2は、本発明の1つの態様を示す。図A1は適用の前のその状態における分解促進フイルムを示し、そして図A2は分解促進フィルムへの、使用されるか又は不使用の活性剤パッチの適用の後の状態を示す。 A1 粘着性分解−促進ポリマーフィルム(1)=分解剤フィルム(1)は、外層(2)=外部カバーを提供する分解剤カバー(2)と、平らの下層(3)=支持ライナー(3)との間に位置する。平らな下層(3)は、ポリマーフィルム(1)及び外層(2)を含んで成るアセンブリーの使用の前、剥離を可能にする、剥離性(dehesive)保護コート(4)=剥離性皮膜(4)を供給される。
【0015】
A2
分解促進ポリマーフィルム(1)が経皮用パッチの活性剤含有マトリックス層(5)=パッチ薬剤開放表面(5)と、その十分な面積にわたって接触して存在し、前記ポリマーフィルム(1)の面積は、(1)がすべての側上の縁で(5)よりも突出し、そしてまた、外側の活性剤−開放性切り口を被覆するそれらの結果として、活性剤−供給マトリックス層(5)の面積よりも大きい。この例においては、活性剤含有パッチは、活性剤含有マトリックス層(5)とは別に、裏地層(6)=パッチ裏地(6)を単に有する単一マトリックスシステムである。活性剤含有パッチはまた、いずれか他の従来技術の多層又は溜め構造体を有するが、但し活性剤供給表面は示されるように、分解促進ポリマーフィルム(1)と直接的に接触して存在すると思われる。マトリックス層(5)の周囲を二次元的に突出する、ポリマーフィルム(1)の付着縁により、この構造体は平らな支持層(7)=支持シート(7)に固定される。
【0016】
支持層(7)は、一次又は二次包装の一部を形成する平らな基礎材料である。支持層(7)はまた、ポリマーフィルムの被覆のために再分離可能突出フィルムとして形成され得る。さらに、販売パックにおけるパッチへの挿入物がまた、支持層(7)下に包装され得る。例えば、長方形の密閉バッグ又は熱形成されたパック(一次包装)又はそれらを密閉する折りたたみボックス(二次包装)の内面又は外面、及びまた、パンフレット、含まれるなら、患者情報の折込み又は別の廃棄カードが存在する。しかしながら、支持層(7)はまた、平らな下層(3)の非剥離情報の折込又は別の廃棄カードが存在する。しかしながら、支持層(7)はまた、平らな下層(3)の非−剥離性裏面でもあり得る。
【0017】
【図2】図2のB1及びB2は、さらに本発明の1つの態様を示す。図B1は適用の前のその状態における分解促進フイルムを示し、そして図B2は分解促進フィルムへの、使用されるか又は不使用の活性剤パッチの適用の後の状態を示す。 B1 粘着性分解−促進ポリマーフィルム(1)は、外部被覆のための外層(2)と、平らの下層(3)との間に位置する。平らな下層(3)は、剥離性保護被膜(4)を供給される。ポリマーフィルム(1)に面する平らな下層(3)の表面上の剥離性保護被膜(4)は、分解促進ポリマーフィルム(1)と平らな下層(3)との間での接着剤アセンブリーの形成を妨げる。縁領域においてのみ、ポリマーフィルム(1)と平らな下層(3)との間に永久的に付着する接着が存在する。
【0018】
B2
分解促進ポリマーフィルム(1)が経皮用パッチの活性剤含有マトリックス層(5)の活性剤開放表面と、その十分な面積にわたって接触して存在し、前記ポリマーフィルム(1)の面積は、(1)がすべての側上の縁で(5)よりも突出し、そしてまた、外側の活性剤−開放性切り口を被覆するそれらの結果として、活性剤−供給パッチ表面の面積よりも大きい。この例においては、活性剤含有パッチは、活性剤含有マトリックス層(5)とは別に、さらなる層としての裏地層(6)を単に有する単一マトリックスシステムである。活性剤含有パッチはまた、いずれか他の従来技術の多層又は溜め構造体を有するが、但し活性剤供給表面は示されるように、分解促進ポリマーフィルム(1)と直接的に接触して存在すると思われる。
【0019】
マトリックス層(5)の周囲を二次元的に突出する、ポリマーフィルム(1)の付着縁により、この構造体は平らな支持層(7)=支持シート(7)に固定される。ポリマーフィルム(1)と平らな下層(3)との間に、剥離層の不在のために再分離できない永久接着剤アセンブリーが形成される。その構造体は、図A1における構造体とは対照的に、接着剤アセンブリーが活性剤パッチのすべての周囲で永久的に形成されるので、環境への活性剤の排出に対する追加の保護を提供する。
【0020】
支持層(7)は、一次又は二次包装の一部を形成するか、又は販売パックにおけるパッチへの挿入物である平らな基礎材料である。例えば、長方形の密閉バッグ又は熱形成されたパック(一次包装)又はそれらを密閉する折りたたみボックス(二次包装)の内面又は外面、及びまた、パンフレット、含まれるなら、患者情報の折込み又は別の廃棄カードが存在する。
【0021】
【図3】図3のC1及びC2は、さらに本発明の1つの態様を示す。図C1は適用の前のその状態における分解促進フイルムを示し、そして図C2は分解促進フィルムへの、使用されるか又は不使用の活性剤パッチの適用の後の状態を示す。 C1 粘着性分解−促進ポリマーフィルム(1)は、外部被覆のための外層(2)と、平らの下層(3)との間に位置する。平らな下層(3)は、ポリマーフィルム(1)及び外層(2)を含んで成るアセンブリーの使用の前、剥離を可能にする剥離性保護被膜(4)を供給される。
【0022】
C2
マトリックス層(5)及び裏地層(6)を含んで成る単層マトリックスシステムの例における活性剤含有パッチは再び、図C1からのポリマーフィルム(1)に、十分な面積にわたって接着され、ここで前記保護フィルムは前記ポリマーフィルムから剥離されている。ポリマーフィルム(1)は、活性剤パッチよりも大きな表面積を有し、その結果、ポリマーフィルムの突出縁は、図C2に表されるように、活性剤パッチの縁の周囲で突き刺され得る。この態様においては、切り口に沿っての活性剤の妨げられない排出が、図A及びBに示されるように、支持体としての下層支持層(7)又は平らな下層(3)についての必要性を伴わないで、妨げられる。
【0023】
外層(2)は、ポリマーフィルム及び活性剤パッチを含んで成るアッセンブリーへの大気酸素の侵入を促進し、そして従って、酸化分解工程を促進するために、酸素−透過性のためのものである。ここで、外層(2)の材料は好ましくは、通気性織布、布又は不織布から、及びまた、さらに容易に酸素透過性のフィルム、例えばポリウレタン又はセルロース誘導体から選択される。
【0024】
しかしながら、分解促進剤としてのペルオキシドの場合、使用の前、貯蔵の間、空気及び湿気の侵入を低めるために、従ってポリマーフィルム(1)におけるペルオキシドのより長い安定性を達成するために、バリヤーフィルム、例えばPET又はPVCからポリマーフィルム(1)を製造することがまた好都合である。
【0025】
特にペルオキシド又はヨウ素−含有化合物の場合、分解促進添加剤の種類に依存して、低い化学的安定性は、光、空気及び湿気の侵入に対して、又は酸素又はヨウ素の早期揮発に対して保護する一次包装を伴って、図A1、B1又はC1に示されるように、使用の前の状態において、ポリマーフィルム(1)の供給を必要にする。
【0026】
【図4】図4のD1及びD2は、さらに本発明の1つの態様を示す。図D1は適用の前のその状態における分解促進フイルムを示し、そして図D2は分解促進フィルムへの、使用されるか又は不使用の活性剤パッチの適用の後の状態を示す。 D1 粘着性分解−促進ポリマーフィルム(1)は、外層(2)と、平らの下層(3)との間に位置する。ここで再び、平らな下層(3)は、剥離性保護被膜(4)を供給される。さらに、外部被覆のために適用される第2外層II(10)=分解剤カバーII(10)が存在し、そして外層I(2)及び外層II(10)はバリヤー層(9)により分離される。
【0027】
D2
分解促進ポリマーフィルム(1)が経皮用パッチの活性剤含有マトリックス層(5)と、その十分な面積にわたって接触して存在し、前記ポリマーフィルム(1)の面積は、活性剤−供給マトリックス層(5)の面積よりも大きく;結果として、(1)が(5)の向こうの縁で突出するが、しかし外側の活性剤−開放性切り口を被覆しない。活性剤含有パッチはまた、裏地層(6)を有する。活性剤含有パッチはまた、いずれか他の従来技術の多層又は溜め構造体を有するが、但し活性剤供給表面は示されるように、分解促進ポリマーフィルム(1)と直接的に接触して存在すると思われる。さらに、第2外層II(10)=分解剤カバーII(10)は、外部被覆のために適用され、そして外層I(2)及び外層II(10)は、バリヤー層(9)により分離される。
【0028】
外層II(10)及びバリヤー層(9)は、お互いおよそ同じ面積を有するが、しかし基礎外層I(2)及びポリマーフィルム(1)よりも大きな面積を有し;結果として、(10)及び(9)はポリマーフィルム(1)及び活性剤マトリックス層(5)の向こうのすべての側上に縁で突出し、そしてまた、(5)の外側の活性剤開放切り口を被覆する。外層(1)の周囲で2次元的に突出する、外層(10)の接着剤縁により、この構造体は平らなキャリヤー層(7)に固定される。
【発明を実施するための形態】
【0029】
化学的転換はまた、生成物が、環境的影響により、特に既知微生物活性、例えばエステル分解により、薬理学的活性に再び転換され得ないようあるべきである。
さらに、化学的変換の手段は、それらが汚染物による環境上へのいずれかの許容できない負荷もそれ自体構成しないか、又は非専門使用者についての取り扱い危険性を提供しないようあるべきである。
【0030】
本発明によれば、この目的は、医薬活性剤を有する経皮用パッチのためのポリマーフィルムにより達成され、ここで前記ポリマーフィルムは医薬活性剤のための少なくとも1つの分解促進剤を含んで成る少なくとも1つの層を含んで成る。
【0031】
プロゲストゲン、エストロゲン又はアンドロゲンの群からの医薬活性剤を含んで成る経皮用パッチよる本発明のアセンブリーにおいては、本発明のポリマーフィルムは、それらのパッチの環境的に優しい廃棄のために、ホルモン置換療法のために、及び受精能モニターのために使用され得る。請求項2〜14が、発明のポリマーフィルムの詳細を提供する。
【0032】
前記目的はまた、医薬活性剤のための少なくとも1つの分解促進剤を含んで成る少なくとも1つの層から構成されるポリマーフィルムの経皮用パットとの組合わせへの使用を通して、本発明に従って達成され、ここで前記経皮用パッチが前記ポリマーフィルム上に活性剤−開放表面と共に、使用される形又は未使用の形で接着され、そしてその後、前記医薬活性剤が拡散により前記分解促進剤と接触する。
【0033】
ここで再び、請求項16〜19は、ポリマーフィルムの発明の使用の詳細を提供する。
本発明においては、分解促進剤は、それらが医薬活性剤を薬理学的に及び生物学的に不活性な分解生成物に化学的酸化分解することを促進するような不特異的化学酸化剤を示す。分解性生物は、それらの活性に関して、それらが初期化合物よりも、少なくとも10倍、好ましくは少なくとも100倍、低い場合、不活性として見なされる。
【0034】
それら自体、直接的に酸化する剤の他に、分解促進剤として、それら自体酸化しないで、大気酸素又は直接的に酸化する化合物の存在下で医薬活性剤の酸化分解工程を促進する化合物を使用することもまた可能である。そのような化合物の例は、銅、鉄又はマンガンの有機及び無機金属塩である。酸化分解の速度は時折、pHレベルに依存するので、化学的に塩基性の又は酸性の化合物が分解促進剤として作用することもまた可能である。
【0035】
環境毒物学の観点から、同時に許容できる酸化剤である直接的に酸化する適切な分解促進剤は好ましくは、化学的に結合される過酸化水素又は元素のヨウ素を含む化合物を包含する。
【0036】
より特定には、過酸化尿素(尿素及び過酸化水素のアダクト)、過酸化水素−PVPアダクト、PVP−ヨウ素(ポビドンヨウ素、ポリビドンヨウ素)アルカリ金属ペルスルフェート(例えば、カリウムモノペルスルフェート、すなわちOxone(商標))、アルカリ金属カーボネートペルオキシド、過酸化カルシウム、過酸化亜鉛、アルカリ金属ペルボレート又はナトリウムピロホスフェートペルオキシドが存在する。さらに、弱い酸化化合物、例えばスイミングプールにおいて消毒のために使用されるアルカリ金属次亜塩素酸塩を使用することが可能である。
【0037】
さらに、ヒドロペルオキシド、及び酸性ペルオキシ度、例えばペルオキシ酢酸、及びまた、過酸化ベンゾイルを使用することが可能である。特に安定し、そして従って、同様に適切であるペルオキシドは、枝分かれ鎖の化学基により立体的にブロックされたペルオキシド、例えばジ−tert−ブチルペルオキシドである。
【0038】
弱い酸化作用を有する追加のアジュバントは、ヒドロキノン又はアントラキノンである。
ペルオキシドが使用される場合、安定化添加剤、より特定にはアルカリスルフェート、例えばドデシル硫酸ナトリウムが使用され得る。
【0039】
酸化分解を促進し、そして同時に、環境毒物学の観点から許容できる特に適切な金属イオンは、二価及び三価の鉄(Fe(II+)、Fe(III +))、二価の銅(Cu(II+)、二価、三価又は四価のマンガン(Mn(II+)、Mn(III +)、Mn(IV+))又は二価の亜鉛(Zn(II+))を包含する。
【0040】
無機塩に比較して、それらの高められた溶解性のために溶解性マトリックス中に包埋するのに適切であるそれらの金属の塩は、それらの有機塩、例えばより特定には、酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、琥珀酸塩、グルコン酸塩又はマレイン酸塩である。
【0041】
一方では、親油性ポリマーフィルムに関して、アルカリ性範囲へのpH分解促進シフトのためには、不溶性アジュバントの添加又は可溶性アルカリ化合物の添加が特に適切である。親油性ポリマーシステムに分散でき、そして大部分、不溶性である添加剤は、好ましくはアルカリシリケート、例えば三珪酸ナトリウム(水ガラス)又はメタ珪酸ナトリウム及びまた、さらに、三塩基性リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムの群から選択される。
【0042】
可溶性親油性アジュバントは好ましくは、Eudragit E100(塩基性側鎖を有するポリアクリレート)、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、TRIS、アミノメチルプロパノール及びそのN−アルキル誘導体、エチレンジアミン、アルギニン及びリシンの群から選択される。
【0043】
親油性ポリマーフィルムに関して、酸性範囲へのpHの分解促進シフトのためには、可溶性酸性化合物の添加が特に適切である。親油性ポリマーフィルムに可溶性である酸性アジュバントは好ましくは、4以下のpKaを有する、一塩基性〜三塩基性有機酸、例えば乳酸、クエン酸、酒石酸、琥珀酸、フマル酸及びリンゴ酸の群から選択される。
【0044】
皮膚からのパッチの除去に続いて、粘着残留物は、それらの粘着性質が、それらが平らな支持体と十分な程度、粘着するアセンブリー中に再び侵入するためには、通常、非常に低められ過ぎることを意味する。
この理由のために、本発明のポリマーフィルムは、パッチと十分な面積にわたって粘着する接着中へのポリマーフィルムの侵入を可能にする親油性感圧性接着剤に基づいて、好ましくは配合される。
【0045】
化学的反応性物質の存在の観点から、選択のために特に適切である感圧性接着剤は、ほとんどか又はまったく官能基を有さず、そして従って、それら自体、化学的に攻撃されないか、又は無視できる程度まで攻撃されるそれらのタイプのものである。
炭化水素ポリマー、例えばポリイソブチレン、ポリブテン、ポリイソプレン又はスチレンブロックコポリマー、例えばSIS及びSBSに基づく感圧性接着剤が存在する。それらの化学的に不活性の構造体を考慮して、シリコーンポリマーは同様に特に適切であるが、しかし一般的に、この最終使用のためには高価過ぎる。
【0046】
官能基を通して、化学的架橋システムを伴わないで使用される高分子質量感圧性接着剤、例えばDurotak 87-9301、又は大部分、酸化耐性カルボキシル基のみを有するそれらの接着剤、例えばDurotak 387-2051及びDurotak 387-2353が、ポリアクリレート群から特に適切である。対照的に、側鎖にアルコール基を有するアクリレート接着剤、例えばDurotak 87-2287は前記接着剤よりも適切でない。
【0047】
それにもかかわらず、アルコール官能基を有するアクリレート接着剤、例えばDurotak 387-2287及びDurotak 387-4287は、直接的に酸化しない分解促進剤、例えば金属イオン又はpHシフト添加剤が組込まれる場合、実際、特に適切である。
さらに、分解の促進のためには、経皮用パッチの活性剤含有マトリックスに関して、包含される活性剤について高められた溶解性を有するポリマーフィルムが好ましい。この場合、活性剤は特にすばやく且つ完全に、分解促進フィルム中に侵入する。
【0048】
ステロイドホルモンを含み、そして炭化水素接着剤又はシリコーン接着剤に基づかれる経皮用パッチとの組み合わせにおいては、アクリレート基材の分解促進フィルムの使用が、アクリレート接着剤におけるステロイドホルモン、例えばエチニルエストラジオールの溶解性が感圧性ポリイソブチレン又はシリコーン接着剤におけるよりも一層高いので、特に適切である。
【0049】
内部表面積を拡大し、そして従ってさらに、分解反応を促進するためには、例えばサンクリームにおいて光保護剤として使用される種類の超微粒子の形での高い分散性の充填剤、例えば二酸化珪素(DegussaからのAerosil製品)、タルク、酸化亜鉛又は二酸化チタンを使用することが可能である。活性炭がまた適切であり、この表面積の拡大がまた、活性剤を吸着的に結合する。
【0050】
ポリマーフィルムの例:
下記すべての例は、1又は複数の分解促進剤を含んで成るポリマーフィルムを生成するための被覆溶液についての配合である。ポリマーフィルムは、適切な剥離ライナー、例えばシリコーン処理されたHostaphan、 100μmのポリエステルフィルム、又はポリエチレン被覆された紙上に被覆し、そして続いて乾燥することにより生成される。
【0051】
乾燥は、室温での換気の後、強制空気乾燥オーブンにおいて80℃で10分間、実施される。他方では、それぞれH2O2又はヨウ素の可能性ある排除のために、例6,7及び8(過酸化物又はヨウ素を含む)は、換気の後、50℃でのみ、但し20分間、乾燥を行う。
乾燥されたフィルムの標的基本重量は50g/m2であるが、但し他方では、10〜100g/m2のフィルムの厚さが用いられ得る。
【0052】
乾燥されたフィルムは、薄いポリエステルフィルム、例えばHostaphan RN12により裏打ちされる。他方では、このためには、織布又は不織布の群からの空気及び酸素−透過性材料、又は酸素−透過性ポリマーフィルム、例えばセルロース誘導体から製造されたポリウレタンフィルムを使用することも可能である。
【実施例】
【0053】
例1約0.5%(w/w)のクエン酸鉄(III )を有する親油性アクリレートフィルムにおけるクエン酸鉄(III )
乾燥されたフィルムにおける重量部
初期クエン酸鉄(III )溶液 0.5
Durotak 387-2052 99.5
【0054】
初期溶液:水中、分解促進剤クエン酸鉄(III )の10%強度(w/w)溶液を調製し、そして軽い煮沸への加熱により溶解をもたらす。必要とされる量のこの溶液を、Durotak中に直接的に滴下し、そして撹拌により均質に導入する。これは、曇ったオレンジ色の溶液をもたらす(できるだけ新鮮に加工し、そして太陽光から保護する)。
【0055】
例2約0.5(w/w)のクエン酸鉄(III )を有する水溶性メタクリレートフィルムにおけるクエン酸鉄(III )
乾燥されたフィルムにおける重量部
初期クエン酸鉄(III )溶液(上記参照のこと) 0.5
エタノール 16
Rohm E35H接着剤溶液 99.5
【0056】
初期溶液:上記のようにして、分解促進剤クエン酸鉄(III )を調製する。必要とされる量のこの調製物を採取し、そしてそれを、まず、1+9(w/w)部のエタノール(曇っている)により希釈し、次にこの混合物中にE35Hを計量し、そして均質撹拌を実施する(黄色がかった粒子が完全に再溶解されるまで数時間を要する)。この結果は透明なカナリヤ色の溶液である−できるだけ即座に加工し、そして太陽光から保護する。
【0057】
例3十分に溶解された約1.0%(w/w)のクエン酸鉄(III )を有する親油性アルカリ性アクリレートフィルムにおけるクエン酸鉄(III )
乾燥されたフィルムにおける重量部
クエン酸鉄(III ) 1.0
アミノメチルプロパノール 5.7
Durotak 387-2051 84.3
【0058】
初期溶液:水中、10%強度(w/w)の溶液として、分解促進剤のクエン酸鉄(III )を調製し、そして煮沸まで加熱することにより溶解をもたらす。
Durotak接着剤の初期充填物中にアミノメチルプロパノールを計量し、そして撹拌下で導入する。必要な程度(約5mlのメタノール〜10mlのDurotak)までメタノールにより粘度の上昇を補足する。最終的に、必要とされる量の鉄塩溶液を滴下し、そして撹拌する。これは、ほとんど透明なオレンジ色のエマルジョンをもたらす(できるだけ、新鮮に加工し、そして太陽光から保護する)。
【0059】
例4減圧性接着剤における分解促進剤酢酸マンガン(III )又は酢酸銅(II)溶液
乾燥されたフィルムにおける重量部
分解剤 1
Durotak 387-2353 99
エタノール中、分解促進剤の10%強度溶液を調製し、そしてDurotokにおいて前記必要とされる量を直接的に撹拌する。
【0060】
例5感圧性接着剤における酸化マンガン(IV)(二酸化マンガン)分散液
乾燥されたフィルムにおける重量部
二酸化マンガン 1
Durotak 387-2353 99
少量の酢酸エチルにより二酸化マンガンをスラリーし(約1部のMnO2+2部のEtOAc)、そして接着剤を添加し、均質まで撹拌する。
【0061】
例6感圧性接着剤におけるヨウ素−PVP
乾燥されたフィルムにおける重量部
ヨウ素−PVP 5
Durotak 387-2051 95
エタノール中、PVPヨウ素の30%強度溶液を調製し、そして必要とされる量をDurotakにおいて撹拌する。粘度は臨界的に高まり、この場合、酢酸エチルによる希釈を行う。
【0062】
例7感圧制接着剤における過酸化尿素
液体接着剤における重量部
初期溶液 40
Durotak 80*
酢酸エチル 10
ヘプタン 5
【0063】
液体溶液における重量部
Kollidon 30 30
メタノール 40
過酸化尿素 10
【0064】
初期溶液:メタノールにKollidon 30を溶解する。この溶液において、ゆるく密閉された容器において10部の過酸化尿素を、撹拌下で溶解する。次に、必要とされる量の初期溶液を、Durotak2287の初期充填物中に計量し、希釈のために酢酸エチル及びヘプタンを添加し、そして均質まで撹拌する。
*:約40%のSCのDurotak 2287を用いて調製された。
【0065】
例8オキソン(カリウムモノペルスルフェート)
液体接着剤における重量部
初期溶液 15(固体に基づいて約5%オキソンに相当する)
Durotak 387-2353 85*
酢酸エチル(十分な量) (必要なら、希釈のための)
【0066】
初期溶液 液体溶液における重量部
オキソン 15
ラウリル硫酸ナトリウム 10
グリセロール 30
水 45
【0067】
初期溶液の調製:水にオキソンを溶解し、ラウリル硫酸ナトリウム及びグリセロールにより補充し、そして均質まで撹拌する(重度の気泡が生じるので、適度に撹拌する)。
Durotakの初期充填物中に必要とされる量の初期溶液を計量し、そして撹拌し、均質エマルジョンを得る。
*を37%の固体含有率に基づかれる。
【0068】
例9二酸化マグネシウム+Fe(III )の組合わせシステム
乾燥されたフィルムにおける重量部
クエン酸鉄(III ) 0.5
MnO2 0.5
Durotak 387-2051 99
【0069】
例1におけるようにして調製したが、しかし最後で、二酸化マグネシウム粉末を、前記混合物に計量し、そして次に、その混合物を、均質のオレンジ−灰色の懸濁液が形成されるまで、接着剤と共に撹拌する。
【0070】
例10アルカリ性フィルム1:
乾燥されたフィルムにおける重量物
三珪酸ナトリウム 10
Durotak 387-2287 90
三珪酸ナトリウム(水ガラス)を、クロスアームビーターミルにおいて粉砕し、そして25〜50μmの範囲のメッシュサイズを有する篩を通して篩い分けする。得られる粉末を導入し、そして酢酸エチルと共にスラリーし(約1+1部)、そしてDurotakを添加する。前記混合物を撹拌し、均質懸濁液を得る。
【0071】
例11アルカリ性フィルム2
乾燥されたフィルムにおける重量部
リン酸三ナトリウム(12H2O) 5
グリセロール 10
Durotak 387-2051 85
【0072】
初期溶液: 液体溶液における重量部
リン酸三ナトリウム(12H2O) 5
水 10
グリセロール 10
水にリン酸ナトリウムを溶解し、グリセロールを添加する。必要とする量の初期溶液を、均質エマルジョンが形成されるまで、Durotakの初期充填物と共に撹拌する。
【0073】
例12感圧性炭化水素接着剤における分解促進剤の組合わせ
乾燥されたフィルムにおける重量部
酢酸銅(II) 1
MnO2(二酸化マグネシウム) 1
MA24A 98
【0074】
メタノール中、酢酸銅(II)の5%強度溶液を調製し、そして必要とされる量を、Adhesives Resoarch Inc. からの感圧性接着剤溶液MA24Aと共に直接的に撹拌し、二酸化マグネシウムにおいて分散し、そして均質まで撹拌する。
【0075】
例13超微粒子との分解促進剤の組合わせ
乾燥されたフィルムにおける重量部
酢酸マンガン(III) 1
TiO2 1
Durotak 387-2287 98
【0076】
二酸化チタン及び超微粒子を取り、そしてそれらを、酢酸エチルと共にスラリーし(約1部の超微粒子+2部の酢酸エチル)、そしてDurotak溶液に計量する。
エタノール中、酢酸マンガン(III)の5%強度溶液を調製し、そしてその必要とされる量を、Durotak+超微粒子混合物と共に撹拌する。全混合物を、均質まで撹拌する。
【0077】
例14分解促進剤及び酸性pH−調節剤の組合わせ
乾燥されたフィルムにおける重量部
酢酸マンガン(III) 1
乳酸 5
Durotak387−2353 94
【0078】
エタノール中、酢酸マンガン(III )の5%強度溶液を調製し、そしてその必要とされる量を、Durotak 及び乳酸の混合物と共に撹拌する。
【0079】
例15官能基を有さないアクリレート接着剤における二酸化マグネシウム及び塩基性pH調節剤の組合わせ
乾燥されたフィルムにおける重量部
二酸化マグネシウム(MnO2) 1
トリエタノールアミン 5
Durotak Elite 87-9301 94
【0080】
二酸化マグネシウムを少量の酢酸エチルと共にスラリーし(約1部の二酸化マグネシウム+1部のEtOAc)、そして接着剤溶液を添加し、計量し、そしてトルエタノールアミンを添加し、そして均質まで、その混合物を撹拌する。
経皮用医薬パッチに使用される複数の医薬活性剤(例えば、2種の活性剤)が存在する場合、分解促進剤の機能は、わずか1種の活性剤又は両活性剤に向けられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬活性剤のための少なくとも1つの分解促進剤を含んで成る少なくとも1つの層を含んで成ることを特徴とする、医薬活性剤を有する経皮用パッチのためのポリマーフィルム。
【請求項2】
前記ポリマーフィルムが、粘着性であり、そして水不溶性感圧性接着剤、好ましくは炭化水素、例えばポリイソブチレン、ポリイソプレン及びポリブテン、又はアクリレート感圧性接着剤に基づかれることを特徴とする請求項1記載のポリマーフィルム。
【請求項3】
前記ポリマーフィルムが、非粘着性であり、そして好ましくはポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、セルロース誘導体、例えばHPC, HPMC, CMC又はポリアクリル酸(Carbopols)の群からの水溶性ポリマーに基づかれることを特徴とする請求項1記載のポリマーフィルム。
【請求項4】
前記分解促進剤が、本質的に酸化する分解促進剤であり、そして/又は本質的に酸化しないで、酸化分解工程に影響を及ぼす分解促進剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のポリマーフィルム。
【請求項5】
前記本質的に酸化する分解促進剤が、酸化マンガン(IV)(二酸化マンガン)、酢酸マンガン(III )、過酸化尿素(過酸化カルバミドとして知られている、尿素及び過酸化水素のアダクト)、過硫酸カリウム(オキソン)、過硫酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム過酸化物、過酸化亜鉛、又はペルオキシ酢酸、好ましくは鉄塩及びマンガン塩、及びまた過酸化尿素の群から選択されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のポリマーフィルム。
【請求項6】
前記分解促進剤が、触媒性金属イオン、例えば鉄(III )、銅(II)及びマンガン(III )から成る群から選択され、前記金属イオンが有機又は無機塩として、好ましくは溶解された形で、ポリマーフィルムに存在することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のポリマーフィルム。
【請求項7】
前記分解促進剤が、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−プロパノール、ヒドロタルサイト(hydrotalcite)、アルギニン、リシン、Eudragit E100、三珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム又はポリリン酸ナトリウム(NaPO3)6から成る群からの、より好ましくは2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、三珪酸ナトリウム及びメタ珪酸ナトリウムからの化学的にアルカリ性の物質であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のポリマーフィルム。
【請求項8】
前記分解促進剤が、4.0以下のpKaを有する有機酸、より好ましくは乳酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、酒石酸、琥珀酸又はクエン酸から成る群からの化学的に酸性物質であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のポリマーフィルム。
【請求項9】
前記分解促進剤が、ポリマーフィルムにおいて、完全な溶液で存在することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載のポリマーフィルム。
【請求項10】
内部表面積を拡大するために、前記ポリマーフィルムが、好ましくは二酸化珪素(Aerosil)、二酸化チタン、酸化亜鉛、タルク又は活性炭の群からの高い分散充填剤を、0.1〜5.0重量%の割合で含んで成ることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載のポリマーフィルム。
【請求項11】
前記医薬活性剤が、プロゲストゲン、及び/又はエストロゲン及び/又はアンドロゲンから成る群からの少なくとも1つのステロイドであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載のポリマーフィルム。
【請求項12】
前記プロゲストゲン及び/又はエストロゲン及び/又はアンドロゲンが、ジエノゲスト、ドロスピレノン、レボノルゲストレル、ゲストデン、エストラジオール、エチニルエストラジオール、吉草酸エストラジオール、DHEA又はテストステロンウンデカノエートであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載のポリマーフィルム。
【請求項13】
ポリマーフィルム中への侵入に続いて、及び25℃での1ヶ月の貯蔵に続いて、活性剤は常に、少なくとも50重量%化学的分解を示し、そして6ヶ月の貯蔵の後、少なくも90重量%化学的分解を常に示すことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項記載のポリマーフィルム。
【請求項14】
前記ポリマーフィルム中の活性剤が、経皮用パッチの活性剤含有マトリックスに対して高められた溶解性を有し、前記ポリマーフィルムにおける溶解性が好ましくは、少なくとも2倍、高いことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項記載のポリマーフィルム。
【請求項15】
医薬活性剤のための少なくとも1つの分解促進剤を含んで成る少なくとも1つの層から構成されるポリマーフィルムの経皮用パットとの組合わせへの使用であって、前記経皮用パッチが前記ポリマーフィルム上に活性剤−開放表面と共に、使用される形又は未使用の形で接着され、そしてその後、前記医薬活性剤が拡散により前記分解促進剤と接触することを特徴とする使用。
【請求項16】
−前記ポリマーフィルムが、粘着性であり、そして水不溶性感圧性接着剤、好ましくは炭化水素、例えばポリイソブチレン、ポリイソプレン及びポリブテン、又はアクリレート感圧性接着剤に基づかれ、それは/又は
−前記ポリマーフィルムが、非粘着性であり、そして好ましくはポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、セルロース誘導体、例えばHPC, HPMC, CMC又はポリアクリル酸(Carbopols)の群からの水溶性ポリマーに基づかれ、そして/又は
−前記分解促進剤が、本質的に酸化する分解促進剤であり、そして/又は本質的に酸化しないで、酸化分解工程に影響を及ぼす分解促進剤であり、そして/又は
−前記本質的に酸化する分解促進剤が、酸化マンガン(IV)(二酸化マンガン)、酢酸マンガン(III )、過酸化尿素(過酸化カルバミドとして知られている、尿素及び過酸化水素のアダクト)、過硫酸カリウム(オキソン)、過硫酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム過酸化物、過酸化亜鉛、又はペルオキシ酢酸、好ましくは鉄塩及びマンガン塩、及びまた過酸化尿素の群から選択され、そして/又は
−前記分解促進剤が、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、ヒドロタルサイト(hydrotalcite)、アルギニン、リシン、Eudragit E100、三珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム又はポリリン酸ナトリウム(NaPO3)6から成る群からの、より好ましくは2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、三珪酸ナトリウム及びメタ珪酸ナトリウムからの化学的にアルカリ性の物質であり、そして/又は
−前記分解促進剤が、4.0以下のpKaを有する有機酸、より好ましくは乳酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、酒石酸、琥珀酸又はクエン酸から成る群からの化学的に酸性物質であり、そして/又は
−前記分解促進剤が、ポリマーフィルムにおいて、完全な溶液で存在し、そして/又は
−内部表面積を拡大するために、前記ポリマーフィルムが、好ましくは二酸化珪素(Aerosil)、二酸化チタン、酸化亜鉛、タルク又は活性炭の群からの高い分散充填剤を、0.1〜5.0重量%の割合で含んで成り、そして/又は
−前記医薬活性剤が、プロゲストゲン、及び/又はエストロゲン及び/又はアンドロゲンから成る群からの少なくとも1つのステロイドであり、そして/又は
−前記プロゲストゲン及び/又はエストロゲン及び/又はアンドロゲンが、ジエノゲスト、ドロスピレノン、レボノルゲストレル、ゲストデン、エストラジオール、エチニルエストラジオール、吉草酸エストラジオール、DHEA又はテストステロンウンデカノエートであることを特徴とする請求項15記載のポリマーフィルムの使用。
【請求項17】
ポリマーフィルム中への侵入に続いて、及び25℃での1ヶ月の貯蔵に続いて、活性剤は常に、少なくとも50重量%化学的分解を示し、そして6ヶ月の貯蔵の後、少なくも90重量%化学的分解を常に示すことを特徴とする請求項15又は16記載のポリマーフィルムの使用。
【請求項18】
前記ポリマーフィルム中の活性剤が、経皮用パッチの活性剤含有マトリックスに対して高められた溶解性を有し、前記ポリマーフィルムにおける溶解性が好ましくは、少なくとも2倍、高いことを特徴とする請求項15〜17のいずれか1項記載のポリマーフィルムの使用。
【請求項19】
前記ポリマーフィルムが、好ましくは経皮用活性剤パッチの一次又は二次包装の一部を表すか又は他に、ポリマーフィルムのライニングのための再分離できる保護フィルムとして形成される適切な二次元裏地上に固定されることを特徴とする請求項15〜18のいずれか1項記載のポリマーフィルムの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−64012(P2013−64012A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−279797(P2012−279797)
【出願日】平成24年12月21日(2012.12.21)
【分割の表示】特願2008−521866(P2008−521866)の分割
【原出願日】平成18年7月17日(2006.7.17)
【出願人】(300049958)バイエル ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】