説明

医薬活性剤を含有する速溶解性口腔消耗性フィルム

本発明は、一般に、速溶解性口腔消耗性フィルム、より特に、医薬活性剤を含有するフィルムに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権情報
本願は、米国仮出願第60/101,798号に基づく優先権を主張する米国出願第09/395,104号の一部継続出願である、米国出願第10/423,735号に基づく優先権を主張する。
【0002】
本発明の分野
本発明は、速溶解性口腔消耗性フィルム、より特に、油医薬活性剤を含有するフィルムに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の背景
パーソナル・ケア製品は、錠剤、カプセル、ロゼンジ又は食用薄フィルム組成物のストリップを含む様々な投与形態において配合されうる。口腔に適用される食用薄フィルム組成物は、口腔粘膜に治療薬をデリバリーするように設計されうる。New YorkのPfizer Inc.により製造されるLISTERINE POCKETPAKSTMブランドの口腔ケア・ストリップ製品は、エッセンシャル・オイルの組み合わせの形態の治療薬、特に抗微生物薬のデリバリーに有効な食用フィルム組成物の成功した例である。
【0004】
従来の速溶解性口腔消耗性フィルムは、水を吸収し、そして口腔の粘膜の濡れた表面に適用されるとき、時間の経過とともに粘性、かつ、ねばねばになりうる。このフィルムの保持は、所望の効果を得るためには不十分でありうる。なぜなら、当該フィルムは、比較的短い時間内で速く崩壊するからである。しばしば、粘膜表面の改良されたカバーリング及び粘膜表面への改良された付着を有することがのぞまれる。したがって、咳止め薬及び粘膜コーチング剤の有効なデリバリー及びそのための保持システムを提供するために、口腔の粘膜への良好な付着及び保持を有する消耗性薄フィルムを開発することが本分野において必要とされる。
【発明の開示】
【0005】
要約
本発明は、一般に、消費者の口の中で速く溶解するのに特に適した消耗性フィルムに、関する。本発明の1の特定の側面においては、消費者の口腔に付着し、かつ、口腔内で溶解するように改作された消耗性フィルムであって、少なくとも1の水溶解性ポリマー、少なくとも1の咳止め薬、及び粘膜被覆有効量の粘膜被覆剤を含む前記消耗性フィルムが提供される。1の態様においては、当該粘膜コーティング剤は、ペクチンである。本発明の他の側面においては、消費者の口腔に付着し、かつ、口腔内で溶解するように改作された消耗性フィルムであって、少なくとも1の水溶解性ポリマー、少なくとも1の咳止め薬、及び医薬活性剤を含み、ここで、当該医薬活性剤が、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ジフルニザール、フェノプロフェン・カルシウム、ナプロキセン、トルメチン・ナトリウム、インドメタシン、フルルビプロフェン・ナトリウム、セレコキシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブ、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、前記消耗性フィルムが提供される。
【0006】
本発明の他の側面は、少なくとも1の咳止め薬の口腔デリバリーに特に好適な、柔軟な、非自己付着性のフィルムの製造方法に関する。当該方法は、粘膜コーティング有効量の粘膜コーティング剤を含む水相を調製し;少なくとも1の水溶解性ポリマーを含むフィルム形成性混合物を調製し;当該水相と当該フィルム形成性混合物とを混合して、水和ポリマー・ゲルを形成し;当該水和ポリマー・ゲルを支持体上に成型し;そして当該成型ゲルを乾燥させて、前記消耗性フィルムを形成することを含み、ここで、前記少なくとも1の咳止め薬が前記水相、前記水和ポリマー・ゲル又は両者に添加される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
詳細な説明
本発明は、消費者の口内で溶解し、かつ、口腔粘膜に付着するように改作された生理学的に許容される消耗性フィルムに関する。粘膜コーティング剤を含む消耗性フィルムは、消費者に咳止め薬をデリバリーするために特に好適なものであり、そして痛んだ喉、及び/又は咳きに関連する兆候、及び/又は刺激状態を治療又は緩和するために有用である。
【0008】
本発明の1の側面においては、消費者の口腔に付着し、かつ、口腔内で溶解するように改作された消耗性フィルムであって、少なくとも1の水溶解性ポリマー、少なくとも1の咳止め薬、及び粘膜被覆有効量の粘膜被覆剤を含む前記消耗性フィルムが提供される。この粘膜コーティング(被覆)剤は、口及び喉の粘膜に付着するコーティングを形成することができ、それにより、咳止め薬は、当該消耗性フィルムが溶解した後の一定時間期間にわたり口及び喉の罹患領域に接触して有効に保持される。
【0009】
本発明の他の側面においては、消費者の口腔に付着し、かつ、口腔内で溶解するように改作された消耗性フィルムであって、少なくとも1の水溶解性ポリマー、少なくとも1の咳止め薬、及び医薬活性剤を含み、ここで、当該医薬活性剤が、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ジフルニザール、フェノプロフェン・カルシウム、ナプロキセン、トルメチン・ナトリウム、インドメタシン、フルルビプロフェン・ナトリウム、セレコキシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブ、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、前記消耗性フィルムが提供される。1の特別な態様においては、当該消耗性フィルムは、約5〜約20ミリグラムの量のバルデコキシブである医薬活性剤を含む。
【0010】
前記消耗性フィルムは、本明細書に援用する、1999年9月14日に出願されたLeung他による同時係属中米国特許出願第09/395,104号中に記載されるような、以下の成分:抗微生物剤、追加のフィルム形成性剤又は水溶解性ポリマー、可塑剤、香味料、硫黄沈殿剤、唾液刺激性剤、冷却剤、界面活性剤、安定剤、乳化剤、増粘剤、結合剤、着色料、トリグリセリド、酸化ポリエチレン、プロピレン・グリコール、甘味料、芳香剤、保存料、その他の内の1以上を、非制限的に、含むことができる。
【0011】
本発明の他の態様においては、前記消耗性フィルムは、少なくとも1の水溶解性ポリマー、少なくとも1の咳止め薬、及び粘膜被覆量のペクチンを含む単一層を含む。
【0012】
本明細書中に使用するとき、用語「消耗性(consumable)」は、消費者への投与に際して、消費者に過度の悪影響又は不快感を引き起こすことなく、適当に耐えられる食用化合物を含む物質を包含することを意図される。
【0013】
特記しない限り、用語「重量%」は、使用されるとき、製品を製造するために使用される配合品に対してではなく、最終製品(すなわち、消耗性フィルム)の総重量に基づき、そしてそれゆえ、対象成分が寄与する総乾燥重量のパーセントを意味する。この理論値は、実験値と相違することができる。なぜなら、実際には、消耗性フィルムは、典型的には、最終製品の製造において使用されうる水、及び/又は他の物質、例えば、アルコール(例えば、エタノール)のいくぶんかを保持する。
【0014】
1の態様においては、本発明の消耗性フィルムは、口腔への投与のために形状化され、かる、サイジングされる。粘膜被覆剤は、フィルムが消費者の口内で溶解するとき、喉の鎮静及び喉のコーティング特性を当該消耗性フィルムに付与することができる。溶解したフィルムは、口の表面、典型的には、口蓋又は舌に付着し、そして喉の粘膜を被覆し、かつ、それに付着し、その結果、延長された時間期間にわたり、それらの上での最大保持を提供する。結果として、本発明の消耗性フィルムは、治療剤による処置が望まれるところの口腔内の局所領域への、治療剤の有効なデリバリー及び保持システムが与えられる。好適な粘膜コーティング剤は、ペクチン、ゼラチンその他、並びにそれらの組み合わせを含む。1の態様においては、前記粘膜被覆剤は、前記消耗性フィルムの約0.01重量%〜約5重量%の範囲の量で存在し、他の態様においては、約0.1重量%〜約2重量%の範囲の量で存在し、そしてさらに他の態様においては、約0.1重量%〜約1.0重量%の範囲の量で存在する。
【0015】
好適な咳止め薬は、アロクラミド、アミシボン、ベンプロペリン、バンゾナテート、ビベンゾニウム・ブロミド、ブロモホルム、ブタミレート、ブテタメート、カラミフェン・エタンジスルホネート、カラミフェン・エジシレート、カルベタペンタン、クロフェジアノール、クロブチノール、クロペラスチン、コデイン、コデイン・メチル・ブロミド、コデインN−オキシド、コデイン・ホスフェート、コデイン・スルフェート、シクレキサノン、デクストロメトルファン、ジブネート・ナトリウム、ジヒドロコデイン、ジヒドロコデイノン・エノール・アセテート、ジメモルファン、ジメトキサネート、ドロプロピジン、ドロテバノール、エプラジノン、エチル・ジブネート、エチルモルフィン、フォミノベン、グアイアペート、ヒドロコドン、イソアミニル、レボプロポキシフェン、モルクロフォン、ナルセイン、ノルメタドン、ノスカピン、オキセラジン、オクソラミン、フォルコジン、ピコペリン、ピパゼテート、ピペリジオン、プレノックスジアジン・ヒドロクロリド、ラセメトルファン、タジプリノン・ヒドロクロリド、チペピジン、ジペプロール、及び医薬として許容されるそれらの塩、並びにそれらの組み合わせを含む。本発明において使用される咳止め薬は、遊離形態又は非毒性の医薬として許容される形態であってそれらの治療活性が保持されている形態にあることができる。1の態様においては、咳止め薬は、デクストロメトルファン・ヒドロブロミドである。
【0016】
咳止め薬は、単一の咳止め薬であるかそれらの組み合わせであるかを問わず、有効量で使用される。「有効量」とは、咳きの発生、及び/又は喉の痛みの悪影響を少なくとも低下させるために十分であるが、有害な副作用を回避するために十分に低い、咳止め薬の量である。選択される特定の咳止め薬(単数又は複数)に加えて、咳止め薬の有効量は、咳き症状のタイプ及び/又は重度、処置される患者の年齢及び身体症状、処置の継続時間、同時に行われる治療のタイプ、使用される咳止め薬の特定の形態(例えば、塩)、並びに咳止め薬を含む消耗性フィルムの特定の配合に伴って、変化しうる。これらの変化は、当業者により容易に決定されうる。
【0017】
咳止め薬の量は、典型的には、4〜24時間で変動する、より典型的には、約12時間毎である、所定の時間期間にわたり、咳止め薬の所定量をデリバリーするように調整される。咳止め薬の典型的な成人投与量は、約1〜約130mg、好ましくは、約2.5mg〜約65mg、より好ましくは、約2.5〜約20mg、そして最も好ましくは、約15mgの咳止め薬(例えば、デクストロメトルファン・ヒドロブロミド)を含むであろう。咳止め薬の典型的な小児投与量は、約2.5〜約10mg、そしてより好ましくは、約7.5mgのデクストロメトルファン・ヒドロブロミドを含むであろう。
【0018】
特記する場合を除き、本発明に係る消耗性フィルム中の咳止め薬の量は、「湿った」フィルム配合品が乾燥され、そして消耗性フィルムに形成された後の、重量%として、表わされる。一般には、消耗性フィルム中に使用される咳止め薬の量は、消耗性フィルムの総重量に基づき、約0.01重量%〜約80重量%、好ましくは、約2.5重量%〜約40重量%、そしてより好ましくは、約5重量%〜約30重量%である。
【0019】
フィルムは、約1”×約1.25”(2.54cm×3.18cm)の寸法をとり、そして約60mg〜約190mgの重量を呈する。
咳き以外の症状を治療するために有効な他の治療剤、例えば、本明細書に援用する、1999年9月14日に出願されたLeung他による同時係属中米国特許出願第09/395,104号中に記載されるような、抗ヒスタミン薬、交感神経興奮性の医薬活性剤(鼻うっ血除去剤、気管支拡張薬)、鎮痛薬、抗炎症薬、咳き去痰薬その他が、本発明の様々な態様に、添加されうる。
【0020】
有用な抗ヒスタミン薬は、セチリジン、ジフェンヒドラミン、ロラタジン、デスロラタジン、フェクソフェナジン、モンテルカスト・ナトリウムその他を含む。
速溶解性口腔フィルムの1ストリップ当りにデリバリーされることができる特定の医薬活性剤の投与量の例を、以下の表Aに示す。
【0021】
【表1】

【0022】
本発明のフィルム組成物は、栄養学的に許容される成分、例えば、ビタミン、ミネラル、微量元素、及び繊維(好ましくは、可溶性繊維)を供給するためにも使用されうる。
【0023】
本発明の組成物中に取り込まれるために好適なビタミンの例は、医薬そして又は栄養学的に許容される形態の、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンC、葉酸、チアミン、リボフラミン、ビタミンB(6)、ビタミンB(12)、ナイアシン、ビオチン、及びパントテン酸を含む。本発明の組成物中に取り込まれるために好適な鉱物元素及び微量元素の例は、医薬そして又は栄養学的に許容される形態の、カルシウム、ナトリウム、カリウム、リン、マグネシウム、マンガン、銅、亜鉛、鉄、セレン、クロム、及びモリブデンを含む。
【0024】
本明細書中に使用するとき、用語「可溶性繊維」とは、結腸内での発酵を実質的に経験して短鎖脂肪酸を生成することができる繊維をいう。好適な可溶性繊維の例は、カルビン、ペクチン、トラガカント、穀物ベータ・グルカンその他を含む。それらは、加水分解されてもされなくてもよい。
【0025】
フィルム形成特性を示す有用な水溶解性ポリマーは、プルラン、ヒドロキシプロピルメチル・セルロース、ヒドロキシエチル・セルロース、ヒドロキシプロピル・セルロース、ポリビニル・ピロリドン、カルボキシメチル・セルロース、ポリビニル・アルコール、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレン・グリコール、トラガカント・ガム、グアー・ガム、アカシア・ガム、アラビア・ガム、ポリアクリル酸、メチルメタクリレート・コポリマー、カルボキシビニル・ポリマー、アミロース、高アミロース・デンプン、ヒドロキシプロピル化高アミロース・デンプン、デキストリン、キチン、キトサン、レバン、エルシナン(elsinan)、コラーゲン、ゼイン、グルテン、大豆タンパク質単離物、ホエー・タンパク質単離物、カゼイン、及びそれらの組み合わせを含む。本発明の1の態様においては、フィルムは、水溶解性ポリマーとしてプルランを含む。水溶解性ポリマーの量は、典型的には、消耗性フィルムの総重量に基づき、約0.01重量%〜約99重量%、好ましくは、約30重量%〜約80重量%、より好ましくは、約45重量%〜約70重量%であり、そして最も好ましくは、消耗性フィルムの総重量に基づき、約60重量%〜約65重量%であるであろう。
【0026】
本発明の他の態様においては、消耗性フィルムは、本明細書に援用する、1999年9月14日に出願されたLeung他による同時係属中米国特許出願第09/395,104号中に記載されるような、エッセンシャル・オイルを、非制限的に、含む、抗微生物剤をさらに含むことができる。有用なエッセンシャル・オイルは、カルバクロール、チモール、ユーカリプロール、メントール、サリチル酸メチル、オイゲノール、ジェリアノール、ベルベノンその他、並びにそれらの組み合わせを含む。本発明に使用されるエッセンシャル・オイルの好ましい組み合わせの例は、歯垢、歯肉炎、及び口臭の形成に対する口腔寄与における微生物の死滅に有効であることが証明されている、殺菌口腔組成物の周知例である、LISTERINE(登録商標)ブランドのマウスウォッシュ及び口腔ケア・ストリップ中に使用される。エッセンシャル・オイルは、抗微生物活性を有する正確にバランスされた量のチモール、サリチル酸メチル、メントール、及びユーカリプロール(以下、「好ましいエッセンシャル・オイル」という。)を含む。
【0027】
本発明に係る消耗性フィルム中に使用されるエッセンシャル・オイルの量は、抗微生物作用を提供するために十分な量である限り、変化しうる。一般には、エッセンシャル・オイルの量は、消耗性フィルムの約30重量%まで、そして好ましくは、約0.05重量%〜約18重量%である。1の好ましい態様においては、チモール、サリチル酸メチル、及びユーカリプロールの量は、各々、消耗性フィルムの約0.01重量%〜約4重量%、好ましくは、約0.05重量%〜約3.0重量%、そしてより好ましくは、約0.07重量%〜約2.0重量%である。メントールは、当該組成物の約0.01重量%〜約15重量%、好ましくは、消耗性フィルムの約2.0重量%〜約9.0重量%、そしてより好ましくは、約3重量%〜約9重量%で存在しうる。ある態様においては、エッセンシャル・オイルは、歯垢、歯肉炎、及び口臭を引き起こす歯垢形成細菌を死滅させるために、シナルジスティックに高められた滅菌特性を提供する量で、組み合わされる。
【0028】
エッセンシャル・オイルを取り込む態様に関しては、過剰に湿った、自己接着性のフィルムの生成を回避するために、消耗性フィルム中のオイルの比較的高い含有量に因り、湿潤剤は回避される。ある態様においては、消耗性フィルムは、湿潤剤でもあるグリセリン以外の可塑剤、及び穏やかな湿潤剤であるソルビトール以外の甘味料を、含む。
【0029】
唾液刺激性剤も、本発明に係る消耗性フィルムに添加されうる。有用な唾液刺激性剤は、本明細書にその全体を援用する、米国特許第4,820,506号中に開示される。
【0030】
好適な甘味料は、天然甘味料及び人工甘味料の両者、例えば、A)水溶解性甘味料、例えば、単糖類、2糖類、多糖類、等、B)水溶解性人工甘味料、例えば、可溶性サッカリン塩、等、C)ジペプチド−ベースの甘味料、例えば、L−アスパラギン酸誘導体甘味料、例えば、アスパルテーム、ネオテーム、等、D)天然水溶解性甘味料の誘導体、例えば、スクロース、サッカロースの塩素化誘導体、等、E)タンパク質ベースの甘味料、例えば、タウマトコス・ダニエリ(thaumatoccous danielli)(Thaumatin I及びII)、等、並びにそれらの組み合わせを含む。
【0031】
一般に、特定の組成物のために望ましい甘味料レベルを提供するために有効な量の補助的甘味料が使用され、そしてこの量は、選択される特定の甘味料に伴って変化するであろう。当該有効量は、容易に抽出しうる甘味料を使用するとき、通常、消耗性フィルムの約0.01重量%〜約10重量%であろう。水溶解性甘味料は、通常、消耗性フィルムの約0.01重量%〜約10重量%、そして好ましくは、約2.0重量%〜約5.0重量%の量で使用される。水溶解性甘味料以外の、先に記載した他の甘味料は、一般に、消耗性フィルムの約0.01重量%〜約10重量%、好ましくは、約2重量%〜約8重量%、そしてより好ましくは、約3重量%〜約6重量%の量で、使用される。
【0032】
保存料も、消耗性フィルムに添加されうる。保存料は、消耗性フィルムの約0.001重量%〜約5重量%、好ましくは、約0.01重量%〜約1重量%の量で使用される。好ましい保存料は、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウムその他、並びにそれらの組み合わせを含む。他の好適な保存料は、非制限的に、(エチレンジアミン四酢酸、又はEDTAの塩、例えば、EDTA2ナトリウムとしても知られる)エデト酸の塩を含む。
【0033】
本発明の他の態様は、本発明の消耗性フィルムの製造方法に関する。一般に、少なくとも1の咳止め薬と粘膜被覆有効量の粘膜被覆剤が、水に溶解されて、水相が形成される。この水相は、さらに、甘味料、染料その他を含みうる。少なくとも1の水溶解性ポリマー(例えば、プルラン)を含むフィルム形成性混合物が調製される。上記水相と上記フィルム形成性混合物は、併合され、そして完全混合されて、水和ポリマー・ゲルが形成される。場合により、有機成分、例えば、エッセンシャル・オイルその他の油(例えば、グリセリン、オリーブ油)、香料、界面活性剤(例えば、ポリソルベート80(Polysorbate 80)、アトモス300(Atmos 300)、アトサーフ586K(Atsurf 596K))、等を含む有機相が、上記水相、上記フィルム形成性混合物又は上記水和ポリマー・ゲルと混合されうる。得られた水和ポリマー・ゲルは、好適な支持体上に成型(cast)されて、成型ゲルが形成される、この成型ゲルは、その後、乾燥されて、消耗性フィルムが形成される。
【0034】
他の態様においては、消耗性フィルムの製造方法が提供され、上記水溶解性ポリマーを水でまず水和させることにより上記フィルム形成性混合物をまず形成することが望ましくあることができる。次いで、上記水相は、水に、他の水溶解性成分、例えば、咳止め薬、粘膜被覆剤(例えば、ペクチン)、甘味料、染料その他を溶解させることにより、調製される。それとは別に、有機成分、例えば、エッセンシャル・オイルその他の油(例えば、グリセリン、オリーブ油)、香料、界面活性剤(例えば、ポリソルベート80(Polysorbate 80)、アトモス300(Atmos 300)、アトサーフ586K(Atsurf 596K))、等は、互いに混合される。次いで、最終配合品は、上記フィルム形成性ポリマー相を上記水相と混合し、その後、上記有機相を添加することにより、調製される。併合された混合物は、エマルジョン又は水和ゲルに形成される。
【0035】
次いで、得られた水和ポリマー・ゲルを好適な支持体上に成型(cast)し、そして乾燥させてフィルムを形成する。消耗性フィルムは、好ましくは、風乾され、そして温風下で乾燥させ、そして所望の寸法に切断され、包装され、そして保存される。包装されたフィルムは、約0.1重量%〜約10重量%、そしてより好ましくは、約4重量%〜約7重量%の量の水分を含有しうる。
【0036】
フィルム形成性混合物は、安定剤、例えば、キサンタン・ガム、ローカスト・ビーン・ガム、カラギーナンその他、並びにそれらの組み合わせをさらに含みうる。これらの成分は、混合され、そして次いで、温水、好ましくは脱イオン水中で水和され、その後ゲルが形成され、これは、約30〜約48時間を要することができる。水は、好ましくは、約20℃〜約40℃の温度に加熱されて、水和を促進される。水の量は、典型的には、当該ゲルの約40重量%〜約80重量%である。得られた水和ゲルは、その後、約1時間〜約48時間にわたり、約20℃〜約30℃の温度に冷却される。
【0037】
上記咳止め薬及び粘膜被覆有効量の上記粘膜被覆剤、例えば、ペクチンに加えて、上記水相は、着色料、グルコン酸銅、甘味料の如き添加物を含む。典型的には、上記水相は、最終ゲル混合物の総重量に基づき約5重量%〜約80重量%の上記添加物を含有する。
【0038】
選択される甘味料としてのサッカリン・ナトリウム、及び選択される硫黄沈殿剤としてのグルコン酸銅が、上記配合品中に使用される場合、沈殿を回避するために溶液中で別々にそれらを溶解させることが望ましい。
【0039】
本発明の他の態様においては、水溶解性ポリマーは、粉末の形態にあり、これが、上記水相に添加されて、水和ポリマー・ゲルが形成される。得られた水和ポリマー・ゲルは、約30分間〜約48時間にわたり凡そ室温において完全に攪拌され、そして次いで、脱気されて、少なくとも実質的に全ての気泡が除去される。この均質混合物を好適な支持体上に成型し、そしてその後、乾燥させて、所望のフィルムが形成される。
【0040】
エッセンシャル・オイルを含有する消耗性フィルムに関しては、当該エッセンシャル・オイルは、上記有機相に添加され、そして当該有機相は上記水和ポリマー・ゲルと混合される。特に、メントールやチモールの如きエッセンシャル・オイルは、場合により、油とともに混合されて、油混合物が形成されうる。サリチル酸メチルやユーカリプロールの如き他のエッセンシャル・オイル、及び界面活性剤は、その後、上記油混合物に添加されうる。当該油混合物は、その後、上記水和ポリマー・ゲルに添加され、そして均質なゲルが形成されるまで、混合される。この均質なゲルは、その後、好適な支持体上に成型され、そしてその後、乾燥されて、消耗性フィルムが形成される。
【0041】
消耗性フィルムの製造のための1の態様においては、上記水溶解性ポリマーは、製造プロセスにおけるエネルギー・コストを低減するために、水を加熱せずに、水和されることができる。そのうえ、加熱は、揮発成分が不所望の蒸発損失をもたらすことができるので、上記水和工程の間は加熱を回避することが好ましい。エッセンシャル・オイル含有フィルムに関しては、エッセンシャル・オイルの損失に因り、加熱は、当該組成物の細菌死滅活性にも影響を及ぼしうる。
【0042】
いずれかの理論に拘束されることを欲しないけれども、上記フィルム形成性成分、例えば、水溶解性ポリマーは、Donnan平衡として知られるイオンの効果に因り、加熱しなくとも水和され、かつ、混合されうる。溶液中の電解質の存在下で上記水溶解性ポリマーを水和させることは、形成されるポリマー・ゲルの粘度を効率的に低下させ、その結果、水和工程の効率が高められる。上記配合品の水溶解性成分は、電解質を提供し、当該電解質は、上記水溶解性ポリマーに添加される前に、上記水和溶液中に溶解される。高せん断混合も、水和を加速し、これは、粉末の塊を崩し、水との接触のためのより大きな表面積を提供する。さらに、上記せん断領域内で発生する局所熱は、当該塊の温度を実質的に上昇させることなく、水和のためのエネルギーを提供する。
【実施例】
【0043】
実施例1
以下の手順にしたがって、表1に列記した成分を混合して、本発明に係る消耗性フィルムを提供した:
A)デクストロメトルファンHBrを、混合し、そして75℃で90%水中に溶解させて、水相を得た。アンバーライトIRP69を上記水相に添加し、そして約70℃〜約80℃で約4〜5時間、攪拌した。ペクチンを、ひじょうにゆっくりと上記水相に添加し、そして高速で混合した。上記水相を約50℃まで放置して冷却し、そして蒸発に因る損失を補うために水で適量にした。ソルビン酸カリウム、甘味料、及び染料を、その後、上記水相に添加し、そして完全混合した。
【0044】
B)フィルム形成性成分、キサンタン・ガム、ローカスト・ビーン・ガム、カラギーナン、及びプルランを、別個の容器内で、共に混合して、フィルム形成性混合物を形成した。
【0045】
C)上記フィルム形成性混合物を、A)の水相にゆっくりと添加し、その後、低速で一夜混合して、水和ポリマー・ゲルを提供した。
【0046】
D)香(味)料、グリセリン、メントール、及び界面活性剤を、併合し、そして、溶解されるまで、別個の容器内で混合して、有機相を得た。
【0047】
E)マンニトールを、別個の容器内で残りの10%水中で共に混合した。スクレンスを次いで、得られた混合物に添加し、そして溶解させた。
【0048】
F)ステップD)とE)の混合物を、上記水和ポリマー・ゲルに添加し、そして均質に混合して、最終ポリマー・ゲル混合物を得た。この最終ポリマー・ゲル混合物を、型に注ぎ、そして形成して、室温で所望の厚さを有するフィルムを形成させた。上記消耗性フィルムを温風下で乾燥させ、そして(例えば、投与量と口あたりにより決定される)所望の寸法に切断した。当該消耗性フィルムを、1”×1.25”(2.54cm×3.18cm)の投与形態にセグメント化した。当該投与形態は、各々、0.009±0.002インチ(0.23±0.05mm)の厚さ、及び70±3mgの重量を有していた。
【0049】
【表2】

【0050】
実施例2
以下の手順にしたがって、表2に列記した成分を混合して、本発明に係る消耗性フィルムを提供した:
A)デクストロメトルファンHBrを、混合し、そして75℃で90%水中に溶解させて、水相を得た。アンバーライトIRP69を上記水相に添加し、そして約70℃〜約80℃で約4〜5時間、攪拌した。ペクチンを、ひじょうにゆっくりと上記水相に添加し、そして次いで高速で完全混合した。上記水相を約50℃まで放置して冷却し、そして蒸発に因る損失を補うために水で適量にした。ソルビン酸カリウム、及び染料を、その後、上記水相に添加し、そして完全混合した。
【0051】
B)フィルム形成性成分、キサンタン・ガム、ローカスト・ビーン・ガム、カラギーナン、及びプルランを、別個の容器内で、共に混合して、フィルム形成性混合物を形成した。
【0052】
C)上記フィルム形成性混合物を、A)の水相にゆっくりと添加し、その後、低速で一夜混合して、水和ポリマー・ゲルを提供した。
【0053】
D)香(味)料とメントールを、併合し、そして、溶解されるまで、別個の容器内で混合して、有機相を得た。
【0054】
E)マンニトールとスクラロースを、別個の容器内で残りの10%水中で共に混合した。スクレンスを次いで、得られた混合物に添加し、そして溶解させた。
【0055】
F)ステップD)とE)の混合物を、上記水和ポリマー・ゲルに添加し、そして均質に混合して、最終ポリマー・ゲル混合物を得た。この最終ポリマー・ゲル混合物を、型に注ぎ、そして形成して、室温で所望の厚さを有するフィルムを形成させた。上記消耗性フィルムを温風下で乾燥させ、そして(例えば、投与量と口あたりにより決定される)所望の寸法に切断した。当該消耗性フィルムを、1”×1.25”(2.54cm×3.18cm)の投与形態にセグメント化した。当該投与形態は、各々、0.009±0.002インチ(0.23±0.05mm)の厚さ、及び70±3mgの重量を有していた。
【0056】
【表3】

【0057】
実施例3
実施例1の手順にしたがって、表3に列記した成分を混合して、本発明に係る消耗性フィルムを提供した:
【0058】
【表4】

【0059】
実施例4
実施例2の手順にしたがって、表4に列記した成分を混合して、本発明に係る消耗性フィルムを提供した。但し、グリセリンと界面活性剤を、上記香味料とマンニトールに添加した。
【0060】
【表5】

【0061】
実施例5
以下の手順にしたがって、表5に列記した成分を混合して、本発明に係る消耗性フィルムを提供した:
A)デクストロメトルファンHBrを、混合し、そして75℃で90%水中に溶解させて、水相を得た。アンバーライトIRP69を上記水相に添加し、そして約70℃〜約80℃で約4〜5時間、攪拌した。ペクチンを、ひじょうにゆっくりと上記水相に添加し、そして高速で混合した。上記水相を約50℃まで放置して冷却し、そして蒸発に因る損失を補うために水で適量にした。ソルビン酸カリウム、及び染料を、その後、上記水相に添加し、そして完全混合した。
【0062】
B)フィルム形成性成分、キサンタン・ガム、ローカスト・ビーン・ガム、カラギーナン、及び(Muscatine,IowaのGrain Processing Corporationから入手可能な)PURE−COTETM B793を、別個の容器内で、共に混合して、フィルム形成性混合物を形成した。
【0063】
C)上記フィルム形成性混合物を、A)の水相にゆっくりと添加し、その後、低速で一夜混合して、水和ポリマー・ゲルを提供した。
【0064】
D)香(味)料、グリセリン、オリーブ油、メントール、及び界面活性剤を、併合し、そして、溶解されるまで、別個の容器内で混合して、有機相を得た。
【0065】
E)マンニトールとスクラロースを、別個の容器内で残りの10%水中で共に混合した。スクレンスを次いで、得られた混合物に添加し、そして溶解させた。
【0066】
F)ステップD)とE)の混合物を、上記水和ポリマー・ゲルに添加し、そして均質に混合して、最終ポリマー・ゲル混合物を得た。この最終ポリマー・ゲル混合物を、型に注ぎ、そして形成して、室温で所望の厚さを有するフィルムを形成させた。上記消耗性フィルムを温風下で乾燥させ、そして(例えば、投与量と口あたりにより決定される)所望の寸法に切断した。当該消耗性フィルムを、1”×1.25”(2.54cm×3.18cm)の投与形態にセグメント化した。当該投与形態は、各々、0.009±0.002インチ(0.23±0.05mm)の厚さ、及び70±3mgの重量を有していた。
【0067】
【表6】

【0068】
実施例6
実施例5の手順にしたがって、表6に列記した成分を混合して、本発明に係る消耗性フィルムを提供した。但し、ステップA)における水相に添加する前に、ペクチンを15%グリセリン中に分散させた。
【0069】
【表7】

【0070】
実施例7
以下の手順にしたがって、表7に列記した成分を混合して、本発明に係る消耗性フィルムを提供した:
A)デクストロメトルファンHBrを、混合し、そして75℃で90%水中に溶解させて、水相を得た。アンバーライトIRP69を上記水相に添加し、そして約70℃〜約80℃で約4〜5時間、攪拌した。ペクチンを、ひじょうにゆっくりと上記水相に添加し、そして高速で混合した。上記水相を約50℃まで放置して冷却し、そして蒸発に因る損失を補うために水で適量にした。染料を、その後、上記水相に添加し、そして完全混合した。
【0071】
B)フィルム形成性成分、キサンタン・ガム、ローカスト・ビーン・ガム、カラギーナン、及びプルランを、別個の容器内で、共に混合して、フィルム形成性混合物を形成した。
【0072】
C)上記フィルム形成性混合物を、A)の水相にゆっくりと添加し、その後、低速で一夜混合して、水和ポリマー・ゲルを提供した。
【0073】
D)香(味)料、メントール、及び界面活性剤を、併合し、そして、溶解されるまで、別個の容器内で混合して、有機相を得た。
【0074】
E)マンニトールとスクラロースを、別個の容器内で残りの10%水中で共に混合した。スクレンスを次いで、得られた混合物に添加し、そして溶解させた。
【0075】
F)ステップD)とE)の混合物を、上記水和ポリマー・ゲルに添加し、そして均質に混合して、最終ポリマー・ゲル混合物を得た。この最終ポリマー・ゲル混合物を、型に注ぎ、そして形成して、室温で所望の厚さを有するフィルムを形成させた。上記消耗性フィルムを温風下で乾燥させ、そして(例えば、投与量と口あたりにより決定される)所望の寸法に切断した。
【0076】
【表8】

【0077】
実施例8
実施例7の手順にしたがって、表8に列記した成分を混合して、本発明に係る消耗性フィルムを提供した。
【0078】
【表9】

【0079】
実施例9
以下の手順にしたがって、表9に列記した成分を混合して、本発明に係る消耗性フィルムを提供した:
A)デクストロメトルファンHBrを混合し、そして90%水中に溶解させて、水相を得た。グリセリン中に分散されたペクチンを、ひじょうにゆっくりと上記水相に添加し、そして高速で混合した。上記水相を約50℃まで放置して冷却し、そして蒸発に因る損失を補うために水で適量にした。染料を、その後、上記水相に添加し、そして完全混合した。
【0080】
B)フィルム形成性成分、キサンタン・ガム、ローカスト・ビーン・ガム、カラギーナン、及びプルランを、別個の容器内で、共に混合して、フィルム形成性混合物を形成した。
【0081】
C)上記フィルム形成性混合物を、A)の水相にゆっくりと添加し、その後、低速で一夜混合して、水和ポリマー・ゲルを提供した。
【0082】
D)香(味)料、メントール、及び界面活性剤を、併合し、そして、溶解されるまで、別個の容器内で混合して、有機相を得た。
【0083】
E)マンニトールとスクラロースを、別個の容器内で残りの10%水中で共に混合した。スクレンスを次いで、得られた混合物に添加し、そして溶解させた。
【0084】
F)ステップD)とE)の混合物を、上記水和ポリマー・ゲルに添加し、そして均質に混合して、最終ポリマー・ゲル混合物を得た。この最終ポリマー・ゲル混合物を、型に注ぎ、そして形成して、室温で所望の厚さを有するフィルムを形成させた。上記消耗性フィルムを温風下で乾燥させ、そして(例えば、投与量と口あたりにより決定される)所望の寸法に切断した。
【0085】
【表10】

【0086】
実施例10
実施例7の手順にしたがって、表10に列記した成分を混合して、本発明に係る消耗性フィルムを提供した。
【0087】
【表11】

【0088】
実施例11
以下の手順にしたがって、表11に列記した成分を混合して、本発明に係る消耗性フィルムを提供した:
A)デクストロメトルファンHBrを混合し、そして90%水中に溶解させて、75℃で水相を得た。アンバーライト樹脂を、上記水相に添加し、そして70℃〜80℃で約4時間混合した。上記水相を約50℃まで放置して冷却し、そして蒸発に因る損失を補うために水で適量にした。
【0089】
B)ペクチンをグリセリン中に分散させ、そして得られた混合物を、上記水相にゆっくりと添加し、そして高速混合において混合した。
【0090】
C)フィルム形成性成分、キサンタン・ガム、ローカスト・ビーン・ガム、カラギーナン、及びプルランを、別個の容器内で、共に混合して、フィルム形成性混合物を形成した。このフィルム形成性混合物を、速く混合しながら、上記水相にゆっくりと添加した。得られた混合物を、低速で一夜混合した。
【0091】
D)別個の容器内で、塩化ナトリウム、マンニトール、及びスクラロースを残りの10%水に添加した。スクレンスを次いで、上記混合物に添加して、スラリーを得た。このスラリーを、ステップC)において得られた混合物に添加した。
【0092】
E)香味料、メントール、及び界面活性剤を併合し、そして溶解するまで、別個の容器内で混合した。
F)ステップD)とE)の混合物を、均質に混合して最終ポリマー・ゲル混合物を得た。この最終ポリマー・ゲル混合物を、型に注ぎ、そして形成して、室温で所望の厚さを有するフィルムを形成させた。上記消耗性フィルムを温風下で乾燥させ、そして(例えば、投与量と口あたりにより決定される)所望の寸法に切断した。
【0093】
【表12】

【0094】
実施例12
以下の手順にしたがって、表12に列記した成分を混合して、本発明に係る消耗性フィルムを提供した:
A)デクストロメトルファンHBrを混合し、そして75℃で90%水中に溶解させて、水相を得た。重炭酸ナトリウムを添加し、そして約1時間混合した。アンバーライトIRP69を上記水相に添加し、そして約70℃〜80℃で約2時間攪拌した。得られた混合物を、約50℃まで放置して冷却し、そして蒸発に因る損失を補うために水で適量にした。染料を、その後、上記水相に添加し、そして完全混合した。
【0095】
B)フィルム形成性成分、キサンタン・ガム、ローカスト・ビーン・ガム、カラギーナン、及びプルランを、ゆっくりと添加し、そして別個の容器内で、速く混合して、フィルム形成性混合物を形成した。混合物を低速で一夜混合した。グリセリン中に分散されたペクチンを、ひじょうにゆっくりと上記フィルム形成性混合物に添加し、そして高速混合において混合した。
【0096】
C)上記フィルム形成性混合物を、A)の水相にゆっくりと添加し、その後、低混合速で一夜混合して、水和ポリマー・ゲルを提供した。
【0097】
D)別個の容器内で、残りの10%水を添加して、マンニトールとスクラロースを溶解させた。スクレンスを次いで添加し、そして混合して、溶解させた。得られた混合物を、上記水和ポリマー・ゲルに添加した。
E)香(味)料、メントール、及び界面活性剤を、併合し、そして、溶解されるまで、別個の容器内で混合して、有機相を得た。
【0098】
F)ステップD)とE)の混合物を、共に添加し、そして均質に混合して、最終ポリマー・ゲル混合物を得た。この最終ポリマー・ゲル混合物を、型に注ぎ、そして形成して、室温で所望の厚さを有するフィルムを形成させた。上記消耗性フィルムを温風下で乾燥させ、そして(例えば、投与量と口あたりにより決定される)所望の寸法に切断した。
【0099】
【表13】

【0100】
実施例13
実施例11の手順にしたがって、表13に列記した成分を混合して、本発明に係る消耗性フィルムを提供した。但し、サリチル酸メチル、ユーカリプロール、及びチモールを、ステップE)における香味料、メントール、及び界面活性剤に添加した。
【0101】
【表14】

【0102】
実施例14
以下の手順にしたがって、表14に列記した成分を混合して、本発明に係る消耗性フィルムを提供した:
A)デクストロメトルファンHBrを混合し、そして90%水中に溶解させて、75℃で水相を得た。水酸化ナトリウムを、上記水相に添加し、そして完全混合した。次いで、アンバーライト樹脂を、上記水相に添加し、そして70℃〜80℃で約4時間混合した。上記水相を約50℃まで放置して冷却し、そして蒸発に因る損失を補うために水で適量にした。
【0103】
B)ペクチンを、高速混合において混合しながら、上記水相にゆっくりと添加した。
【0104】
C)フィルム形成性成分、キサンタン・ガム、ローカスト・ビーン・ガム、カラギーナン、及びプルランを、別個の容器内で、共に混合して、フィルム形成性混合物を形成した。このフィルム形成性混合物を、速く混合しながら、上記水相にゆっくりと添加した。得られた混合物を、低速で一夜混合した。
【0105】
D)別個の容器内で、マンニトールとスクラロースを残りの10%水に添加した。スクレンスを次いで、上記混合物に添加して、スラリーを得た。このスラリーを、ステップC)において得られた混合物に添加した。
【0106】
E)香味料、メントール、及び界面活性剤を併合し、そして溶解するまで、別個の容器内で混合した。
F)ステップD)とE)の混合物を、均質に混合して最終ポリマー・ゲル混合物を得た。この最終ポリマー・ゲル混合物を、型に注ぎ、そして形成して、室温で所望の厚さを有するフィルムを形成させた。上記消耗性フィルムを温風下で乾燥させ、そして(例えば、投与量と口あたりにより決定される)所望の寸法に切断した。
【0107】
【表15】

【0108】
実施例15
実施例14の手順にしたがって、表15に列記した成分を混合して、本発明に係る消耗性フィルムを提供した。但し、サリチル酸メチル、ユーカリプロール、及びチモールを、ステップE)における香味料、メントール、及び界面活性剤に添加した。
【0109】
【表16】

【0110】
以上の討議は、本願発明の例示的態様を単に開示・説明するものである。当業者は、上記討議から、そして添付の請求の範囲から、添付の請求の範囲に規定する本願発明の本質及び範囲を逸脱せずに、様々な変更、修正、及び改変が本願発明内でなされうることを、容易に理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費者の口腔に付着し、かつ、口腔内で溶解するように改作された消耗性フィルムであって、少なくとも1の水溶解性ポリマー、少なくとも1の咳止め薬、及び粘膜被覆有効量の粘膜被覆剤を含む前記消耗性フィルム。
【請求項2】
前記粘膜被覆有効量の粘膜被覆剤が、前記消耗性フィルムの総重量に基づき約0.01重量%〜約5重量%である、請求項1に記載の消耗性フィルム。
【請求項3】
前記粘膜被覆剤がペクチン、ゼラチン、及びそれらの組み合わせから成る群から選ばれる、請求項1に記載の消耗性フィルム。
【請求項4】
前記粘膜被覆剤がペクチンである、請求項1に記載の消耗性フィルム。
【請求項5】
前記咳止め薬が、アロクラミド、アミシボン、ベンプロペリン、バンゾナテート、ビベンゾニウム・ブロミド、ブロモホルム、ブタミレート、ブテタメート、カラミフェン・エタンジスルホネート、カラミフェン・エジシレート、カルベタペンタン、クロフェジアノール、クロブチノール、クロペラスチン、コデイン、コデイン・メチル・ブロミド、コデインN−オキシド、コデイン・ホスフェート、コデイン・スルフェート、シクレキサノン、デクストロメトルファン、ジブネート・ナトリウム、ジヒドロコデイン、ジヒドロコデイノン・エノール・アセテート、ジメモルファン、ジメトキサネート、ドロプロピジン、ドロテバノール、エプラジノン、エチル・ジブネート、エチルモルフィン、フォミノベン、グアイアペート、ヒドロコドン、イソアミニル、レボプロポキシフェン、モルクロフォン、ナルセイン、ノルメタドン、ノスカピン、オキセラジン、オクソラミン、フォルコジン、ピコペリン、ピパゼテート、ピペリジオン、プレノックスジアジン・ヒドロクロリド、ラセメトルファン、タジプリノン・ヒドロクロリド、チペピジン、ジペプロール、及び医薬として許容されるそれらの塩、並びにそれらの組み合わせから成る群から選ばれる、請求項1に記載の消耗性フィルム。
【請求項6】
前記少なくとも1の咳止め薬は、デクストロメトルファン・ヒドロブロミドである、請求項1に記載の消耗性フィルム。
【請求項7】
前記咳止め薬は、約2.5mg〜約20mgの量で存在する、請求項1に記載の消耗性フィルム。
【請求項8】
消費者の口腔に付着し、かつ、口腔内で溶解するように改作された消耗性フィルムであって、少なくとも1の水溶解性ポリマー、少なくとも1の咳止め薬、及び医薬活性剤を含み、ここで、当該医薬活性剤が、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ジフルニザール、フェノプロフェン・カルシウム、ナプロキセン、トルメチン・ナトリウム、インドメタシン、フルルビプロフェン・ナトリウム、セレコキシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブ、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、前記消耗性フィルム。
【請求項9】
前記医薬活性剤は、バルデコキシブである、請求項8に記載の消耗性フィルム。
【請求項10】
前記バルデコキシブは、約5〜約20ミリグラムの量で存在する、請求項9に記載の消耗性フィルム。
【請求項11】
前記少なくとも1の水溶解性ポリマーが、プルラン、ヒドロキシプロピルメチル・セルロース、ヒドロキシエチル・セルロース、ヒドロキシプロピル・セルロース、ポリビニル・ピロリドン、カルボキシメチル・セルロース、ポリビニル・アルコール、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレン・グリコール、トラガカント・ガム、グアー・ガム、アカシア・ガム、アラビア・ガム、ポリアクリル酸、メチルメタクリレート・コポリマー、カルボキシビニル・ポリマー、アミロース、高アミロース・デンプン、ヒドロキシプロピル化高アミロース・デンプン、デキストリン、キチン、キトサン、レバン、エルシナン(elsinan)、コラーゲン、ゼイン、グルテン、大豆タンパク質単離物、ホエー・タンパク質単離物、カゼイン、及びそれらの組み合わせから成る群から選ばれる、請求項1又は8に記載の消耗性フィルム。
【請求項12】
前記少なくとも1の水溶解性ポリマーがプルランである、請求項11に記載の消耗性フィルム。
【請求項13】
前記フィルムが単一層の形態にある、請求項1又は8に記載の消耗性フィルム。

【公表番号】特表2006−524674(P2006−524674A)
【公表日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506521(P2006−506521)
【出願日】平成16年4月13日(2004.4.13)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001253
【国際公開番号】WO2004/096174
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(503181266)ワーナー−ランバート カンパニー リミティド ライアビリティー カンパニー (167)
【Fターム(参考)】