説明

医薬組成物およびその用途

【課題】治療法がないか、抗生物質に頼る必要があり、しかも、耐性菌等の問題がある疾患を安全に治療や予防できる医薬組成物を提供する。
【解決手段】バチルス・ズブチルスDB9011(FERM BP−3418)を培養して得られる培養物と、
次の工程(a)〜(d)
(a)バチルス・ズブチルスDB9011(FERM BP−3418)を培養する
工程
(b)得られた培養物から上清を回収する工程
(c)上清のpHを3以下に調整して生じた沈殿物を回収する工程
(d)沈殿物をエタノールで抽出する工程
により得られる培養物の処理物とを、
組み合わせて配合したことを特徴とする医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のバチルス属に属する微生物の培養物と、その培養物の処理物とを組み合わせて配合した医薬組成物およびその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
牛、豚等の家畜の商品価値を下げるまたは全くなくしてしまう疾病として、病原性の強いウィルス性・細菌性疾患についてはワクチン等の対応が確立されて来ているが、環境・気象・ストレス等の原因によって引き起こされる日和見感染的な疾患、肺炎、下痢、免疫状況との相関もある皮膚真菌症、パピローマ等の皮膚病等については、対応方法の難しさがある。また、市場から導入した家畜を群飼育する際には、不特定な病原体を持ち込む危険性がある。そのため、一定期間の隔離を行いながら、抗生物質や抗コクシジウム剤の7日間〜10日間投与が行われている。これらの導入時クリーニング対応は、移動と新環境に導入させることのストレスによって免疫低下が起こっていることに加えて、抗菌剤による免疫低下が起こり、生産性の低下が問題となっている。
【0003】
これらの疾患のうち、肺炎は、抗生物質の長期間投与により治療を行うが、抗生物質が対応できる対象は、主に、二次感染を引き起こす細菌性病原体であり、抗生物質の長期間投与によって、逆に生体の免疫状態減退を引き起こし、結果として回復できない症例を創り出してしまうといった諸刃の剣のような問題が多く、その場合には家畜を処分しなければならなかった。
【0004】
また、下痢は、リンゲルや抗生物質の投与により治療を行うが、飼養管理・環境要因、免疫状態の悪化による影響が大きく、また、分娩後の生後間もない子牛が罹ると回復できない症例が多く、死に至ることが多かった。
【0005】
更に、皮膚真菌症は、消毒剤散布、抗生物質入りの塗布剤により治療を行うが、生体の健康状態による自然治癒に期待する部分が大きかったため、一定期間での治癒を期待することは出来なかった。
【0006】
また更に、パピローマは、薬剤による治療効果がないため、手術によりイボを除去していたが、再発の可能性が極めて高く、特に、乳頭に形成されるパピローマについては牛の商品価値を失わせる程の問題となっていた。
【0007】
このように肺炎、下痢、皮膚真菌症、パピローマ等の皮膚病等の疾患については有効な治療法がなく、特に出荷の前にこれらの疾患に罹っていると商品価値が下がるあるいは出荷ができなくなるという問題があった。
【0008】
また、一応上記疾患の治療法に使用されてきた抗生物質は耐性菌の出現等の問題もあり、容易に使用することはできなくなってきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように上記疾患は治療法がないか、抗生物質に頼る必要があり、耐性菌等の問題から、これらの疾患を安全に治療や予防することが畜産家に切望されていた。特に、抗生物質の使用による免疫低下は深刻な問題であり、免疫増強と抗ウィルス活性・抗菌活性の両立は、現場獣医師にとって長年の強い希望であった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、これまで飼料添加剤等として安全に使用されてきたバチルス・ズブチルスDB9011の培養物と、培養物の処理物とを組み合わせて配合した組成物が、経口投与または外用することにより、従来治療の困難であった上記の疾患、更にはその他の疾患も治療や予防できることを見出し、本発明を完成させた。
【0011】
すなわち、本発明はバチルス・ズブチルスDB9011(FERM BP−3418)を培養して得られる培養物と、
次の工程(a)〜(d)
(a)バチルス・ズブチルスDB9011(FERM BP−3418)を培養する
工程
(b)得られた培養物から上清を回収する工程
(c)上清のpHを3以下に調整して生じた沈殿物を回収する工程
(d)沈殿物をエタノールで抽出する工程
により得られる培養物の処理物とを、
組み合わせて配合したことを特徴とする医薬組成物である。
【0012】
また、本発明は上記医薬組成物を含有する外用剤または経口剤である。
【0013】
更に、本発明は上記外用剤を、ヒトを除く哺乳動物に外用することを特徴とする皮膚病の治療方法である。
【0014】
また更に、本発明は上記経口剤を、ヒトを除く哺乳動物に経口投与することを特徴とする肺炎の治療方法、下痢の予防・治療方法または輸送熱の予防・治療方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の医薬組成物は、これを外用剤とすることにより、従来治療・予防等が困難であった、皮膚病(パピローマ等のウイルスによる皮膚病、真菌等の微生物による皮膚病、光線アレルギー等のアレルギー性皮膚病、小胞子感染等による皮膚病)、患畜の褥瘡、子宮内膜炎、乳房炎等の治療ができ、更には、発毛・養毛、シミの除去、美白等に利用できる。
【0016】
また、本発明の医薬組成物は、これを経口剤とすることにより、従来治療・予防等が困難であった、肺炎の治療、下痢の予防・治療、輸送熱の予防・治療や、家畜の導入時クリーニング等に利用できる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の医薬組成物は、バチルス・ズブチルスDB9011(以下、「DB9011」という)を培養して得られる培養物(以下、単に「培養物」という)と、
次の工程(a)〜(d)
(a)DB9011を培養する工程
(b)得られた培養物から上清を回収する工程
(c)上清のpHを3以下に調整して生じた沈殿物を回収する工程
(d)沈殿物をエタノールで抽出する工程
により得られる培養物の処理物(以下、単に「処理物」という)とを組み合わせて配合したものである。
【0018】
上記培養物および処理物の調製に使用されるDB9011は、既に真菌発育抑制剤、発酵促進剤および家畜肥育剤として有用であることが知られている公知の微生物である(例えば、特許第3040234号参照)。このDB9011は1991年5月21日付で通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所(現在の独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(〒305-8566日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6))に微工研条寄第3418号(FERM BP−3418)として寄託されている(寄託当初は、バチルス・リケニホルミスとなっている)。また、このDB9011は株式会社AHC社(群馬県前橋市小相木町343−1)よりフィジカルバランス、PPBT、オラクトという商品名で市販もされているので、これらから入手することもできる。
【0019】
本発明の医薬組成物の有効成分の一つである培養物は、DB9011を常法に従って培養することにより得ることができる。培養方法は特に限定されないが、例えば、次のようにして行うことができる。まず、DB9011を、普通寒天培地等のバチルス属の培養に適した培地に塗抹し、25〜37℃、好ましくは35℃で18〜30時間、好ましくは24時間前培養して種菌を得る。次にこの種菌を、バチルス属の前培養に適した培地、例えば、下記組成の前培養用培地を入れた培養タンク等の容器中で20〜30℃、好ましくは25℃で、18〜30時間、好ましくは24時間、振盪させながら前培養物を得る。この前培養物をバチルス属の本培養に適した培地、例えば、下記組成の本培養用培地を入れた培養タンク等の容器中で20〜30℃、好ましくは25℃で、1〜5日間、好ましくは4日間本培養を行うことにより培養物が得られる。
<前培養用培地組成
(成分) (量)
Bacto-tryptone 1〜10g
Bacto-yeastextract 1〜5g
塩化ナトリウム 1〜5g
グルコース 1〜5g
*蒸留水200mlあたり
<本培養用培地組成
(成分) (量)
大豆ペプトン 90〜270g
酵母エキス 10〜50g
塩化ナトリウム 50〜150g
グルコース 200〜500g
りん酸水素二カリウム 10〜50g
硫酸マグネシウム 1〜20g
塩化カルシウム 1〜10g
塩化第二鉄 1〜5g
塩化マンガン 1〜5g
硫酸鉄 1〜5g
*蒸留水18Lあたり
【0020】
上記のようにして得られる培養物は少なくとも以下の性質を有する。
イツリン量:2〜5mg/l
サーファクチン量:8,000〜12,000ppm/mg
芽胞率:85〜95%
生菌数:1x10cfu/ml以上
MIC*1:10〜20unit/ml
*1:アシネトバクターN12(商品名:グリスパックマン、日化メンテナンス)の最低阻止濃度(MIC)を1unit/mlと定義した。
【0021】
一方、本発明の医薬組成物のもう一つの有効成分である処理物は、例えば、次の工程(a)〜(d)を行うことにより得ることができる。なお、この処理物は、特許第3988953号に記載されている抗菌活性物質(DM0507)と同様のものであるので、この特許の実施例等の記載に基づいて得ることもできる。
(a)DB9011を培養する工程
(b)得られた培養物から上清を回収する工程
(c)上清のpHを3以下に調整して生じた沈殿物を回収する工程
(d)沈殿物をエタノールで抽出する工程
【0022】
工程(a)のDB9011の培養は、常法によって行うことができるので、培養条件は特に限定されないが、例えば、上記処理物と同様にして調製した種菌を、バチルス属の前培養に適した培地、例えば、下記組成の前培養用培地を入れた培養タンク等の容器中で 25〜35℃、好ましくは28℃で、18〜30時間、好ましくは24時間、振盪させながら前培養物を得る。この前培養物をバチルス属の本培養に適した培地、例えば、下記組成の本培養用培地を入れた培養タンク等の容器中で25〜35℃、好ましくは30℃で、20〜35時間、好ましくは30時間本培養を行うことにより培養物が得られる。
<前培養用培地組成
(成分) (量)
大豆ペプトン 1〜50g
酵母エキス 1〜10g
塩化ナトリウム 1〜10g
*蒸留水200mlあたり
<本培養用培地組成
(成分) (量)
大豆ペプトン 1〜50g
酵母エキス 1〜10g
塩化ナトリウム 1〜10g
*蒸留水1lあたり
【0023】
次に、上記工程(a)で得られた培養物から上清を回収する(工程(b))。この工程(b)において上清の回収は遠心分離で行えばよい。具体的な遠心分離の条件は特に限定されないが、例えば、10,000rpm〜40,000rpm、好ましくは10,000rpmで、20分〜60分間、好ましくは60分間遠心分離すれば良い。
【0024】
上記工程(b)で回収した上清は、そのpHを3以下、好ましくは3.0に調整し、生じた沈殿物を回収する(工程(c))。この工程(c)においてpHの調整は硫酸、塩酸等の酸で行うことができる。また、上清はpHを調整後、8〜24時間、好ましくは12〜18時間、4〜10℃、好ましくは4〜5℃で静置しておくことが好ましい。更に、pHを調整することにより生じた沈殿物の回収は、遠心分離、限外ろ過、凍結乾燥、透析等により回収すればよく、好ましくは遠心分離を行えばよい。具体的な遠心分離の条件は特に限定されないが、例えば、10,000rpm〜40,000rpm、好ましくは10,000rpmで、20分〜60分間、好ましくは60分間遠心分離すれば良い。
【0025】
最後に、上記工程(c)で回収した沈殿物をエタノールによる抽出に付す(工程(d))。この工程(d)により処理物が得られる。沈殿物から処理物を抽出する方法は、例えば、沈殿物にエタノールを沈殿物の質量1に対し、0.5〜3倍添加し、沈殿物を浮遊させた状態で15分〜60分間程度静置して、エタノール中に処理物を抽出する方法等が挙げられる。なお、この処理物は、更にそのpHを水酸化ナトリウム等のアルカリ物質で、7付近に調整したり、フィルター等で濾過してもよい。
【0026】
上記のようにして得られる処理物は少なくとも以下の性質を有する。
抗ウィルス活性:ヘルペスウィルス
パピローマウィルス
口唇ヘルペスウィルス
抗菌活性:ストレプトコッカス・スイス(Streptococcus suis)
バチルス・ズブチルス(Bacillus subtilis)ATCC6633
バチルス・セレウス バー ミコイデス(Bacillus cereus var. mycoides
)ATCC11778
アルカノバクテリウム・ピオゲネス(Arcanobacterium pyogenes)
エロモナス・サルモニシダ(Aeromonas salmonicida)
アクチノバチルス・プレウロニューモニエ(Actinobacillus
pleuropneumoniae)2型
ヘモフィルス・パラスイス(Haemophilus parasuis)
パスツレラ・ムルトシーダ(Pasteurella multocida)D型
パスツレラ・ヘモリチカ(Pasteurella haemolytica)
サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella Typhimurium)
サルモネラ・コレラスイス(Salmonella Choleraesuis)
クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)
ATCC10031
アシネトバクター・ジュニー(Acinetobacter junii)N12
マイコプラズマ・ガリセプチカム(Mycoplasma gallisepticum)
マイコプラズマ・シノビエ(Mycoplasma synoviae)
カンピロバクター・コリ(Campylobacter coli)
ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)ATCC43526
クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium
perfringens)
プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)
JCM6425
バクテロイデス・フラジリス (Bacteroides fragilis)
ATCC25285
ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingvalis)
JCM8525
タンネレラ・フォーサイセンシス(Tannerella forsythensis)
JCM10827
フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)
(なお、逆性HPLC法によって得られた画分については、既知100種以上の抗生物質と一致しない、未知の抗菌活性である。)
MIC*1:1280〜10240unit/ml
色:淡黄色から黒褐色を呈する
臭気:味噌臭、米糠臭にアルコール臭を加えた臭い
*1:アシネトバクターN12(商品名:グリスパックマン、日化メンテナンス)の最低阻止濃度(MIC)を1unit/mlと定義した。
【0027】
本発明の医薬組成物は、上記培養物と、処理物とを組み合わせて配合するだけでよいが、培養物および処理物のアシネトバクター属の微生物、具体的には、アシネトバクターN12−111株に対するMIC(最低阻止濃度)を1単位/mlとした時に、培養物の10〜20、好ましくは10〜15unit/mlと、処理物の10〜30、好ましくは10〜20unit/mlとを組み合わせて配合することが好ましい。なお、MICの測定方法は公知の最少発育濃度測定法(液体培地希釈法によるMIC測定法)で行われる。
【0028】
斯くして得られる本発明の医薬組成物は、種々の形態で投与することにより、従来治療・予防等が困難であった、種々の疾患の治療・予防等ができる。具体的に本発明の医薬組成物は、皮膚病(パピローマ等のウイルスによる皮膚病、真菌等の微生物による皮膚病、光線アレルギー等のアレルギー性皮膚病、小胞子感染等による皮膚病)治療用、患畜の褥瘡治療用、子宮内膜炎治療用、乳房炎治療用、更には、発毛・養毛等の頭髪用、シミの除去、美白等の美容用等の外用剤に利用できる。また、本発明の医薬組成物は、肺炎の治療用、下痢の予防・治療用、輸送熱の予防・治療用、家畜の導入時クリーニング用等の経口剤に利用できる。なお、本発明の医薬組成物の投与方法は、治療等する疾患の種類によって異なるので一概には言えないが、経口投与で治療等する場合には0.01〜10ml程度の量を、外用で治療等する場合には病変部に対して0.01〜30ml程度の量を、それぞれ1日、1〜5回程度で1日または2日〜6ヶ月間程度継続して投与する方法が挙げられる。
【0029】
なお、本発明の医薬組成物を使用して上記疾患を効果的に治療するためには培養物と処理物の他に、公知の適当な薬学的に許容される医薬担体、例えば、保存料としてのプロピオン酸等を配合し、種々の形態の経口剤や外用剤とすればよい。具体的な経口剤としては、培養物と処理物を凍結乾燥させ、それを飼料やミルクに添加したもの等が挙げられる。また、具体的な外用剤としては、培養物と処理物をそのまま、あるいは公知の軟膏基剤等に添加したもの等が挙げられる。以下、経口剤や外用剤を用いて各種疾患を治療する方法を具体的に記載する。
【0030】
<皮膚病の治療>
(パピローマの治療)
哺乳動物、特に牛等のパピローマを治療する場合には、パピローマの牛に、病変部に対して1日1〜3回、本発明の医薬組成物として0.01〜10ml(または相当分の凍結乾燥粉末)含む外用剤を1日または2〜7日間程度継続させて外用(塗布)すればよい。
(皮膚真菌症の治療)
哺乳動物、特に牛等の皮膚病、特にがんべおよびトクフクを治療する場合には、がんべおよびトクフクの牛に、病変部に対して1日1〜3回、本発明の医薬組成物として0.01〜10ml(または相当分の凍結乾燥粉末)を含む外用剤を1日または2日〜5日間継続させて外用(塗布)すればよい。
(アレルギー性皮膚炎の治療)
哺乳動物、特に犬、猫等については種々のアレルゲンによるアレルギー性皮膚炎が問題となっている。これらの皮膚炎を治療する場合には、アレルギー性皮膚炎の犬、猫に、病変部に対して1日1〜3回、本発明の医薬組成物として0.01〜10ml(または相当分の凍結乾燥粉末)を含む外用剤を1日または2日〜5日間継続させて外用(塗布)すればよい。
(小胞子感染等による皮膚病の予防)
哺乳動物、特に犬、猫等を繁殖させた場合には、生後25日〜35日程度で販売するため、販売後に犬小胞子菌感染等による皮膚炎が発生することが問題となっている。この皮膚炎の発生を予防する場合には、生後20日程度の時に、本発明の医薬組成物を100〜500倍に希釈した液で、1日1〜3回、1日または2日〜5日間継続させて沐浴させればよい。
(スス病の治療)
哺乳動物、特に子豚等については集団飼育や抗生物質の多用により、スス病が発生することが問題となっている。このスス病を治療する場合には、本発明の医薬組成物を100〜500倍に希釈した液を、1日1〜3回、1日または2日〜5日間継続させて背中や全身に外用(塗布)すればよい。
【0031】
(帯状疱疹の治療)
ヒトでは、幼児期に水疱瘡を経験しても、完治することが大半であるが、時として大人になってから帯状疱疹として再発する場合もある。この帯状疱疹を治療する場合には、帯状疱疹のヒトに、病変部に対して1日1〜3回、本発明の医薬組成物として0.01〜10ml(または相当分の凍結乾燥粉末)含む外用剤を1日または2〜7日間程度継続させて外用(塗布)すればよい。
【0032】
<患畜の褥瘡の治療>
哺乳動物、特に牛、豚の患畜が病気のため横臥してできる褥瘡を治療する場合には、褥瘡の患畜に、病変部に対して1日1〜3回、本発明の医薬組成物として0.01〜10ml(または相当分の凍結乾燥粉末)含む外用剤を1日または2〜7日間程度継続させて外用(塗布)すればよい。
【0033】
<子宮内膜炎の治療>
哺乳動物、特に授精後の受胎成績の悪い牛は、子宮内膜炎を引き起こしていることが考えられる。この子宮内膜炎を治療する場合には、子宮角に対して1日1〜3回、本発明の医薬組成物として10〜30ml(または相当分の凍結乾燥粉末)含む外用剤を1日または2〜7日間程度継続させて外用(塗布)すればよい。
【0034】
<乳房炎の治療>
哺乳動物、特に牛の乳房炎(体細胞数が40万個以上に高い牛を含む)を治療する場合には、乳房炎の牛に、病変部に対して1日1〜3回、本発明の医薬組成物として0.01〜10ml(または相当分の凍結乾燥粉末)含む外用剤を1日または2日〜5日間継続させて外用(塗布)すればよい。
【0035】
<発毛・養毛>
白髪または禿げているヒトの頭に、1日1〜3回、本発明の医薬組成物として0.01〜10ml(または相当分の凍結乾燥粉末)含む外用剤を1日または2日〜6ヶ月間継続させて外用(塗布)させると、白髪は黒髪となり、禿げている部分には毛髪が生えてくる。
【0036】
<シミの除去>
顔、手、腕等にシミがあるヒトのシミ部位に、1日1〜3回、本発明の医薬組成物として0.01〜10ml(または相当分の凍結乾燥粉末)含む外用剤を1日または2日〜1ヶ月間継続させて外用(塗布)させると、シミが消える。
【0037】
<美白>
顔が黒ずんでいるヒトの顔全体に、1日1〜3回、本発明の医薬組成物として0.01〜10ml(または相当分の凍結乾燥粉末)含む外用剤を1日または2日〜1ヶ月間継続させて外用(塗布)させると、顔の黒ずみが取れる。
【0038】
<肺炎の治療>
哺乳動物、特に牛の肺炎を治療する場合には、上記経口剤を肺炎の牛に、1日1〜3回、本発明の医薬組成物として0.01〜5ml(または相当分の凍結乾燥粉末)含む経口剤を、直接または飼料(水、ミルクを含む)に添加して、5日〜20日間継続して経口投与すればよい。
【0039】
<下痢の予防・治療>
生後間もない哺乳動物、特に子牛に上記経口剤を経口投与すれば、下痢の発生を予防または下痢が発生しても直ちに回復することができる。この場合には1日1〜3回、本発明の医薬組成物として0.01〜5ml(または相当分の凍結乾燥粉末)含む経口剤を、直接または飼料(水、ミルクを含む)に添加して、5日〜20日間継続して経口投与すればよい。
【0040】
<輸送熱の予防・治療>
哺乳動物、特に豚、牛、馬のトラック、飛行機等での輸送の際に上記経口剤を経口投与すれば、強い輸送ストレスによる肺炎の発生を予防または肺炎が発生しても直ちに回復することができる。この場合には1日1回、本発明の医薬組成物として0.01〜10ml(または相当分の凍結乾燥粉末)含む経口剤を、直接または飼料(水、ミルクを含む)に添加して輸送の前日から、輸送が終わるまで継続して経口投与すればよい。
【0041】
<導入時クリーニング>
哺乳動物、特に牛、豚を自農場に導入する際には、他の環境中で汚染された病原体(サルモネラ、病原性大腸菌、ブドウ球菌、連鎖球菌、緑膿菌)の混入により、水平感染の元になる危険性がある。そのため、導入時にクリーニングすることは必須事項である。その際には、本発明の医薬組成物として0.01〜5ml(または相当分の凍結乾燥粉末)含む経口剤を、直接または飼料(水、ミルクを含む)に添加して、7日〜10日間継続して経口投与すればよい。
【実施例】
【0042】
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0043】
製 造 例 1
バチルス・ズブチルスDB9011の培養物の調製:
バチルス・ズブチルスDB9011(FERM BP−3418)を普通寒天培地に塗抹し、35℃で24時間前培養して得られる種菌を、500ml容のフラスコに下記の組成の培地を200mlの蒸留水とまぜ、1コロニーを釣菌して植菌し、25℃で24時間、振盪させながら前培養した。
<培地組成*>
(成分) (量)
Bacto-tryptone 2g
Bacto-yeastextract 1g
塩化ナトリウム 1g
グルコース 0.2g
*蒸留水200mlあたり
【0044】
上記前培養して得られた種菌の200mlを20l容のタンクに入れた下記組成の培地695.9gを蒸留水18lに添加し、25℃で4日間本培養して、バチルス・ズブチルスの培養物を得た。
<培地組成*>
(成分) (量)
グルコース 360g
大豆ペプトン 180g
酵母エキス 36g
塩化ナトリウム 90g
りん酸水素二カリウム 18g
硫酸マグネシウム 9g
塩化カルシウム 2.7g
塩化第二鉄 0.147g
塩化マンガン 0.045g
硫酸鉄 0.0054g
*蒸留水18Lあたり
【0045】
上記で得られたバチルス・ズブチルスの培養物は以下の性質を有していた。
イツリン量:3mg/l
サーファクチン量:10,000ppm/mg
芽胞率:90%
生菌数:1×10cfu/ml以上
MIC*1:10unit/ml
*1:アシネトバクターN12(商品名:グリスパックマン、日化メンテナンス)の最低阻止濃度(MIC)を1unit/mlと定義した。
【0046】
製 造 例 2
培養物の処理物の調製:
バチルス・ズブチルスDB9011を普通寒天培地に塗抹し、35℃で18時間前培養して得られる種菌を、下記の組成の培地を100mlの蒸留水入れた500ml容のフラスコに1コロニーを釣菌して植菌し、室温下(20〜28℃)で24時間、前培養した。
<培地組成>
(成分) (量)
大豆ペプトン 10g/l
酵母エキス 3g/l
塩化ナトリウム 5g/l
【0047】
上記前培養して得られた種菌の100mlを20l容のタンクに入れた下記組成の培地324gに蒸留水18lを添加し、30℃で30時間本培養して、バチルス・ズブチルスの培養物を得た。
<培地組成>
(成分) (量)
大豆ペプトン 10g/l
酵母エキス 3g/l
塩化ナトリウム 5g/l
【0048】
培養物を遠心処理(10000rpm、60分)して、上清を回収した。回収した上清は塩酸を用いてpH3.0にした。pHを調整した後の上清は、18時間、4℃で静置した。放置後、遠心処理(10000rpm、60分)し、酸沈殿物を回収した。更に、この酸沈殿物にエタノール75mlを加えてエタノール溶液とした後、静置した。その後、このエタノール溶液を水酸化ナトリウム水溶液でおよそpH7付近にもどし、フィルターで濾過し、使用するまで4℃で冷蔵保存した。
【0049】
上記で得られた処理物は以下の性質を有していた。
(抗ウイルス活性)
処理物の牛ヘルペスウイルスに対するウイルス感染力価の測定を常法に従って行ったところ、以下の通りであった。また、牛パピローマウイルス、口唇ヘルペスウイルスについても同様にウイルス感染力価の測定を行った。その結果、何れのウイルスについても処理物濃度0.1〜10mg/mlでウイルス力価の抑制効果があった。
【表1】

【0050】
(抗菌活性)
処理物の以下の表2に記載の菌に対する抗菌活性の測定を常法に従って行ったところ、以下の通りであった。なお、処理物の逆性HPLC法によって得られた画分については、既知100種以上の抗生物質と一致しなかった。
【表2】

【0051】
(その他の性質)
色:淡黄色から黒褐色を呈する
臭気:味噌臭、米糠臭にアルコール臭を加えた臭い
MIC*1:2560unit/ml
*1:アシネトバクターN12(商品名:グリスパックマン、日化メンテナンス)の最低阻止濃度(MIC)を1unit/mlと定義した。
【0052】
実 施 例 1
医薬組成物の調製:
製造例1で調製した培養物(MICは10unit/ml)の18lに、プロピオン酸27gと、製造例2で調製した培養物の処理物のエタノール溶液を、上記培養物のMICが20unit/mlとなる量添加し、よく混合して液状の医薬組成物を調製した。この医薬組成物は充填機(6DTMA型充填機:株式会社ナオミ製)で500mlずつ容器に分注し、使用するまで4℃で冷蔵保存した。
【0053】
実 施 例 2
軟膏剤の調製:
軟膏基剤(親水軟膏)25gに、実施例1で調製した医薬組成物を常法により凍結乾燥させたもの1gを蒸留水で1:2の割合で混和し、作った混合液2mlを配合し、軟膏剤を調製した。
【0054】
実 施 例 3
皮膚病の治療:
(パピローマの治療)
(1)受胎を確認した3頭のホルスタイン雌牛において、乳頭部にパピローマウィルス性の乳頭腫ができた。手術によって取り除いた直後に実施例1で調製した医薬組成物を病変部1平方cm当たり3〜10ml程度、1回噴霧塗布した。
【0055】
従来であればパピローマウィルスによる乳頭腫では、手術除去しても再発を繰り返して、商品価値がなくなるものと諦めていたが、3頭ともに、再発することもなく、1週間後には手術した痕跡もなくなり、通常の価格で販売することができた。
【0056】
(2)ホルスタイン雌牛を群管理している農場において、秋季に14ヶ月齢以上の受胎牛にパピローマウィルス性のパピローマが散発していた。6頭の妊娠若牛において、頭部・頚部にパピローマが観察された。実施例1で調製した医薬組成物を、1日1回3日間継続して、病変部1平方cm当たり5ml程度噴霧塗布したところ、1ヵ月後にはパピローマが消失していた。
【0057】
(皮膚真菌症の治療)
(1)ホルスタイン雌牛を群管理している農場において、5ヶ月齢以降の若牛で皮膚真菌症(がんべおよびトクフク)が散発していた。皮膚真菌症は通常ならば14ヶ月齢ころまでには自然治癒していくが、1頭の妊娠若牛は14ヶ月齢以降でも皮膚真菌症が全身で観察された。本牛に実施例1で調製した医薬組成物を全身の患部に1回噴霧塗布した(約150ml)。3週間後には患部に毛が生え始めて、1〜2ヵ月後には完治した。
【0058】
(2)ホルスタイン雌牛を群管理している農場において、5ヶ月齢以降の若牛で皮膚真菌症(がんべおよびトクフク)が散発していた。5〜6ヶ月齢の若牛の頭部に発症した皮膚真菌症に実施例1で調製した医薬組成物を、1日1回3日間継続して、病変部1平方cm当たり5〜10ml程度噴霧塗布したところ、1ヵ月後には皮膚真菌症が完治した。
【0059】
(3)黒毛和種牛の子牛を哺乳ロボットに導入する時期になると、皮膚真菌症(がんべおよびトクフク)が多発している農場があった。15頭の皮膚真菌症を引き起こしている子牛に実施例1で調製した医薬組成物を病変部1平方cm当たり5〜10ml程度を1回噴霧塗布したところ、全頭ともに約1ヵ月後には毛が生え始めており、全頭において効果を確認した。
【0060】
(小胞子感染による皮膚病の予防)
生後20日の複数の犬、猫を、実施例1で調製した医薬組成物を300倍に希釈した液で1回沐浴することにより、販売後(生後25日〜35日経過後)の犬小胞子菌感染による皮膚炎が激減した。
【0061】
(スス病の治療)
集団飼育下でスス病の発生した複数の子豚に、実施例1で調製した医薬組成物を300倍に希釈した液で、豚の背中が軽く濡れる程度1回噴霧した。これにより育成中の子豚の8割はスス病から回復した。
【0062】
実 施 例 3
乳房炎の治療:
乳房炎と診断された複数の牛に、実施例2で調製した軟膏剤を乳房注入器で適当量1回注入したところ、市売の軟膏に比較して乳房炎が7割治癒した。
【0063】
実 施 例 4
発毛・養毛:
白髪混じりで禿げているヒトに、頭を洗った後、頭皮に実施例1で調製した医薬組成物を2〜4ml塗りこむことを続けてもらった。3週間後から白髪が黒くなり始め、産毛のような毛髪が生え始め、2ヶ月頃から太い毛髪となり、発毛・養毛効果を確認した。
【0064】
実 施 例 5
シミの除去:
顔および手にシミがあるヒトに、シミの部位に実施例1で調製した医薬組成物を2〜4ml塗りこむことを続けてもらった。3週間後にシミが小さくなることを確認した。
【0065】
実 施 例 6
美白:
顔が黒ずんでいるヒトに、洗顔後、顔全体に実施例1で調整した医薬組成物を2〜4ml塗りことむことを続けてもらった。3週間後に顔の黒ずみが取れて、美白効果を確認した。
【0066】
実 施 例 7
肺炎の治療:
(1)再発型肺炎に罹患した2頭の黒毛和種・雄の若牛は抗生物質治療を長期間行ったが、こじれて再発を繰り返した。これら2頭の雄牛に1日1回、実施例1で調製した医薬組成物1mlを10日から20日間投与した。
【0067】
従来であれば、こうした再発型肺炎の若牛は、肥育素牛としての出荷または一貫肥育に供応することが不可能と判断されていたが、充分に快復して市場出荷が可能となった。
【0068】
(2)授精予備群の雌牛として市場導入した1頭のホルスタイン牛は、導入後肺炎を引き起こし重症であった。この牛に対し、抗生物質の長期連続投与を実施していたが快復の兆しは無かった。この牛に1日1回、実施例1で調製した医薬組成物1mlを18日間投与した。
【0069】
従来であれば、快復の見込みが薄い状況であるが、充分に快復して、本場の放牧システムに対応して放牧・授精が可能となった。
【0070】
(3)授精予備群の雌牛として市場導入した3頭のホルスタイン牛は、気候の変動により肺炎を引き起こした。1頭は抗生物質投与をしないで1日1回、実施例1で調製した医薬組成物1mlを7日間投与したところ、完治した。残りの2頭は抗生物質の長期連続投与を実施していたが快復の兆しは無かった。これら2頭の牛に1日1回、実施例1で調製した医薬組成物1mlを5日間投与したところ、完治した。
【0071】
従来であれば、快復の見込みが薄い状況であるが、充分に快復して、本場の放牧システムに対応して放牧・授精が可能となった。
【0072】
実 施 例 8
下痢の予防・治療:
黒毛和種牛の子牛を生後直ぐにカーフハッチに入れて1頭飼いしていたが、10日齢までの初生下痢が多発していた。生後3日齢〜10日齢までの子牛9頭に、1日1回、実施例1で調製した医薬組成物1mlを7日間投与した。1頭は軽い下痢を示したが、回復し、8頭は下痢することもなく大過なく経過した。9頭全頭において下痢の予防・治療の効果有りと判断された。
【0073】
実 施 例 9
輸送熱の予防:
牛、馬の複数にトラック輸送の前日および輸送期間中に実施例1で調製した医薬組成物3〜5mlを経口投与させる。トラック輸送後の牛、馬に輸送熱の発生は認められない。
【0074】
実 施 例 10
リップスティック剤の調製:
実施例1で調製した医薬組成物を常法により凍結乾燥させたもの1.0gを蒸留水で1:2の割合で混和し、その混合液から720μlを取得した。この混合液を2gのTween80と混和し、エマルジョン基剤とした。この基剤に湯煎で溶かした6gのビースワックスおよび10gのオリーブ油に加えた後、リップスティック型に流し込み、固化させリップスティックを得た。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の医薬組成物は、従来治療の困難であった疾患、特に牛等の家畜の疾患を治療や予防できる。
【0076】
そのため、本発明の医薬組成物は家畜の商品価値を大いに高めることができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
バチルス・ズブチルスDB9011(FERM BP−3418)を培養して得られる培養物と、
次の工程(a)〜(d)
(a)バチルス・ズブチルスDB9011(FERM BP−3418)を培養する
工程
(b)得られた培養物から上清を回収する工程
(c)上清のpHを3以下に調整して生じた沈殿物を回収する工程
(d)沈殿物をエタノールで抽出する工程
により得られる培養物の処理物とを、
組み合わせて配合したことを特徴とする医薬組成物。
【請求項2】
バチルス・ズブチルスDB9011(FERM BP−3418)の培養物と、培養物の処理物とを、アシネトバクター属の微生物のMICを1単位/mlとした時に、それぞれ10〜20unit/mlおよび10〜30unit/mlとなるように配合されたものである請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
請求項1記載の医薬組成物を含有する外用剤。
【請求項4】
皮膚病治療用である請求項3記載の外用剤。
【請求項5】
頭髪用である請求項3記載の外用剤。
【請求項6】
美容用である請求項3記載の外用剤。
【請求項7】
請求項1記載の医薬組成物を含有する経口剤。
【請求項8】
肺炎治療用である請求項7記載の経口剤。
【請求項9】
下痢予防・治療用である請求項7記載の経口剤。
【請求項10】
輸送熱予防・治療用である請求項7記載の経口剤。
【請求項11】
請求項3記載の外用剤を、ヒトを除く哺乳動物に外用することを特徴とする皮膚病の治療方法。
【請求項12】
請求項7記載の経口剤を、ヒトを除く哺乳動物に経口投与することを特徴とする肺炎の治療方法。
【請求項13】
請求項7記載の経口剤を、ヒトを除く哺乳動物に経口投与することを特徴とする下痢の予防・治療方法。
【請求項14】
請求項7記載の経口剤を、ヒトを除く哺乳動物に経口投与することを特徴とする輸送熱の予防・治療方法。

【公開番号】特開2012−25684(P2012−25684A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−164031(P2010−164031)
【出願日】平成22年7月21日(2010.7.21)
【出願人】(594095383)株式会社AHC (4)
【Fターム(参考)】