説明

医薬組成物

本発明は、免疫細胞の機能の少なくとも一つの刺激剤および、細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する少なくとも一つの物質を含む医薬組成物に関する。
好ましい一実施形態では、免疫系および/または細胞の機能の少なくとも一つの刺激剤は、TGF−ベータをコードするメッセンジャーRNAおよび、またはDNAのある範囲とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドの群から選択され、および細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する少なくとも一つの物質は、テモゾロマイド、ニトロソ尿素、ビンカ(Vinca)アルカロイド、プリンおよびピリミジン塩基の拮抗剤、細胞分裂抑制活性抗生物質、カンプトテシン誘導体、抗エストロゲン、抗アンドロゲン、およびゴナドトロピン放出ホルモンのアナログの群から選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腫瘍を治療するための医薬組成物および方法に関し、好ましい一実施形態では神経膠腫、神経膠芽腫または星細胞腫といった脳の腫瘍に関する。
【0002】
抗悪性腫瘍化学療法剤および放射線は、腫瘍の治療のための、外科手術以外の最も一般的な薬剤および方法である。抗悪性腫瘍化学療法剤は、たとえばアルキル化剤、代謝拮抗剤および植物由来アルカロイドを含む。これらの抗悪性腫瘍化学療法剤および放射線の一般的な作用は、それぞれ、これまで完全には解明されていない幅広い異なる機構による、細胞増殖の非特異的阻害および細胞死の非特異的誘導である。
【0003】
細胞増殖の誘導および細胞死の誘導は、それぞれ、腫瘍細胞のような速やかに増殖している細胞に主に影響する。しかし同時に、毛包、結腸粘膜細胞といった他の速やかに増殖している細胞、およびまた免疫細胞の増殖も阻害される。阻害される免疫細胞は、たとえばTリンパ球、Bリンパ球、ナチュラルキラー細胞、顆粒球、マクロファージ、小膠細胞、およびそれぞれの骨髄の前駆細胞である。非特異的に細胞増殖を阻害する抗悪性腫瘍化学療法剤の投与は、したがって、重度の副作用および免疫系の機能の全般的抑制を伴い、これは多数の「in vitro」および「in vivo」結果によって証明されている。たとえば、これまでの標準的分類にしたがって明らかに分類することができないダカルバジンは、マウス細胞において体液性および細胞媒介性免疫反応を阻害すると報告されている(ジャンピエトリ(Giampietri)1978,ナーデリ(Nardelli)1984)。同じ結果は、ダカルバジンの活性代謝産物であるテモゾロマイドについても見られる。さらにテモゾロマイドの「in vitro」試験は、リンパ球活性化キラー細胞の細胞傷害性の阻害を示す(アルヴィノ(Alvino)ら、1999)。アルキル化抗悪性腫瘍剤の代表としてのCCNU(ロムスチン)は、T細胞およびB細胞の両方を(ベルネゴ(Bernego)ら、1984)たとえばT細胞媒介細胞傷害性を抑制することによって抑制し、およびさらにT細胞媒介細胞傷害性を抑制する(アインシュタイン(Einstein)ら、1975)。さらに、アルキル化剤シクロホスファミド、代謝拮抗剤5−フルオロウラシル、アルカロイドのビンクリスチンおよび抗生物質ドキソルビシンの「in vitro」比較試験は、細胞傷害性T細胞機能の抑制を共通して示している(ゲレイス(Gereis)ら、1987)。
【0004】
一部の腫瘍の化学療法は非常にうまくいく一方、多くの腫瘍は不良な平均余命を伴う。
【0005】
腫瘍の治療における別の手法は、免疫系の刺激である。たとえば、免疫細胞誘引物質,ウイルスおよび抗原処理,提示または輸送に関与する分子,樹状細胞および腫瘍細胞の融合細胞といった、免疫系の機能および/または免疫細胞の幅広い刺激剤が存在する。免疫系の機能をダウンレギュレートする物質の拮抗剤もまた、免疫系の刺激剤と見なされる。
【0006】
共通原理として、これらの免疫刺激剤は、「外来」腫瘍細胞を選択的に殺す一方で他の速やかに成長する「自己」細胞を除外する、免疫系の能力を利用する。これはもちろん、それぞれ上記の抗悪性腫瘍化学療法剤および放射線の原理である、すべての増殖する細胞の非特異的阻害または生物の細胞の非特異的破壊と比較して、腫瘍を治療するためのよりよい手法である。
【0007】
免疫系の強力な阻害剤の一例は、腫瘍が免疫監視から逃れるのを媒介する、TGF−ベータ(形質転換増殖因子−ベータ)である(ヴォトヴィッツ・プラガ(Wojtowicz−Praga),S.1997)。細胞免疫は、高レベルのTGF−ベータを産生する腫瘍の患者では高度に抑制される(デ・ヴィッサー(de Visser),K.E.ら、1999)。
【0008】
TGF−ベータ産生を特異的に阻害しおよびそれによって免疫系を刺激する物質を用いることは、腫瘍の治療のための有望な手法である(シュタウダー(Stauder),G.ら、2003)。
【0009】
これらの有望な結果にもかかわらず、免疫刺激剤を用いた腫瘍治療法は、少なくとも、非常に速やかに増殖する腫瘍において限界を有するように見える。
【0010】
したがって、速やかに増殖する腫瘍の治療のための、より信頼でき、副作用がより少なく、および腫瘍に罹患した患者の余命を伸ばす新しい治療剤の開発が緊急に必要である。
【0011】
第I/II相臨床試験において、免疫刺激剤(免疫抑制剤TGF−ベータの拮抗剤)の投与に際して、我々は驚くべきことに、抗悪性腫瘍化学療法剤を用いて治療した患者の、この免疫刺激剤を用いた治療前の全体の生存率の中央値は、抗悪性腫瘍化学療法剤で前処置されなかった患者と比較して明らかに長かったことを認めた。
【0012】
抗悪性腫瘍剤は、上記の通り、免疫担当細胞の増殖を阻害することによって免疫系を抑制するため、現在までヒトにおいてこれらの抗悪性腫瘍剤を免疫系の刺激剤と組み合わせる手法は腫瘍治療法または腫瘍薬のための適当な手法でないと考えられていた。免疫系の刺激による腫瘍治療法について報告する文献では、化学療法剤および免疫反応を刺激する物質の投与の間には十分な時間遅延がなければならないことが強調されている(たとえばツィマーマン(Timmermann),J.M.2002)。
【0013】
免疫系の細胞に対する化学療法剤のこの阻害作用はまた、実験で証明された。これらの実験では、免疫系の細胞を、抗悪性腫瘍治療剤および免疫系の刺激剤、すなわちTGF−ベータを阻害するアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理した。これらの検定法を実施例4に記載し、および結果を図9および10に示す。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
驚くべきことに、本発明に記載の抗悪性腫瘍化学療法剤および免疫系の刺激剤の併用を用いて処置した患者は、これらの治療剤のどちらかを用いて治療した患者と比較して有意に長い寿命を示した。
【0015】
本発明は、免疫系および/または免疫細胞の機能の刺激剤、および細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する物質を含む医薬組成物を含む。
【0016】
好ましい一実施形態では本発明は、TGF−ベータの少なくとも一つの拮抗剤、および少なくとも一つの抗悪性腫瘍化学療法剤を含む医薬組成物である。少なくとも2つの物質は混合されているかまたは分離している。TGF−ベータの拮抗剤は、TGF−ベータ特異的ヌクレオチド、抗体でないTGF−ベータ結合タンパク質、TGF−ベータ結合受容体、TGF−ベータ結合受容体の一部、TGF−ベータ特異的ペプチドおよびTGF−ベータを結合する低分子物質、または、TGF−ベータの機能を阻害するそのタンパク質、受容体、受容体タンパク質の一部または低分子物質のいずれかから成る群から選択される。
【0017】
さらに別の一実施形態では、TGF−ベータ拮抗剤は、TGF−ベータをコードするメッセンジャーRNA(m−RNA)および/またはDNAのある範囲とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、TGF−ベータを結合するTGF−ベータ受容体および/またはその一部、TGF−ベータを阻害する抗体以外のタンパク質、TGF−ベータを阻害する100kDa未満のペプチド、TGF−ベータの一部であるペプチドから成る群から選択される。
【0018】
さらにより好ましい一実施形態では、TGF−ベータ特異的ヌクレオチドはTGF−ベータに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0019】
本発明の別の一部は、TGF−ベータの一部であるペプチド、医薬組成物の調製のためのその使用、およびこの調製物を用いて腫瘍を治療する方法である。
【0020】
腫瘍を治療するための方法もまた、本発明の一部である。免疫系の機能および/または免疫細胞を刺激する物質または方法が、細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する物質と共に投与される。物質は薬物を投与するための任意の公知の経路によって投与される。
【0021】
本発明に記載の医薬組成物の少なくとも2つの物質は、随意的に同一のキャリヤー処方中でまたは別々の医薬キャリヤー中で、混合されているかまたは別々である。
【0022】
望まれない腫瘍に罹患する患者の、好ましい一実施形態では追加的に放射線を伴う、上記の通りの医薬組成物を用いた治療もまた、本発明の一部である。
【0023】
本発明に記載の医薬組成物の少なくとも2つの物質は、同時に、順番に、同一の経路または異なる経路を通じて、放射線と共に、放射線の前または後に投与される。
【0024】
驚くべきことに、免疫系および/または免疫細胞を刺激する少なくとも一つの物質で、細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する物質、および/または放射線を共に用いて治療した、腫瘍に罹患している患者は、これらの薬物および/または治療法のそれぞれを単独で用いて治療した患者と比較して明らかにより長い寿命を示す。
【0025】
このことは、投与されているこれらの薬物および/または治療法の用量の低減、およびしたがって潜在的な望ましくない副作用の低減に繋がりうる。
【0026】
本発明の別の一実施形態は、TGF−ベータの一部であるペプチドである。これらのペプチド、医薬組成物の調製のためのその使用、腫瘍の治療のためのこの組成物の使用、およびそれらのペプチドを用いて腫瘍患者を治療する方法もまた本発明の一部である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本明細書に記載の文献、特許または出願特許公報は、参照により本開示に含まれる。
【0028】
本発明の方法は任意の哺乳類に適用可能である。本方法を有用に適用しうる哺乳類の例は、マウス,ラットおよびモルモットといったげっ歯類を含む実験動物;ウシ、ヒツジ、ブタ、およびヤギといった家畜;イヌおよびネコといったペット;およびサル、類人猿およびヒトといった霊長類を含む。本発明は非常に好ましくはヒト臨床例に、特に患者が臓器または組織移植、または患者の免疫系の抑制が適応される任意の他の形の手術後に免疫抑制療法を受けている場合に適用される。しかし、他の哺乳類もまた本発明の実施から利益を受けうる。これらのその他の高価値の動物、たとえばウマ、およびミンクのような毛皮動物。
【0029】
本発明の一実施形態では、免疫細胞および/または免疫系の機能の少なくとも一つの刺激剤および細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する少なくとも一つの物質は、純粋なまたはここでは併用ともいう医薬品として許容されるキャリヤーに含まれる、これらの少なくとも2つの成分の、混合物である。
【0030】
本発明の別の一実施形態では、免疫細胞および/または免疫系の機能の少なくとも一つの刺激剤および細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する少なくとも一つの物質は、一つの医薬組成物中で別々である。これらの各部分は純粋であるかまたは医薬品として許容されるキャリヤーに含まれる。医薬組成物のその少なくとも2つの部分は、同一のまたは異なる、医薬品として許容されるキャリヤーを有する。医薬組成物のこれらの別々の部分もまたここでは併用という。
【0031】
免疫細胞は、リンパ系細胞、たとえばT細胞、B細胞、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)、NKT細胞(ナチュラルキラーT細胞)、顆粒球、たとえば好中球、好酸球、抗塩基球、および単核細胞、たとえば単球、マクロファージ、樹状細胞および肥満細胞である。
【0032】
本発明に記載の免疫刺激剤は、医薬品として許容されるキャリヤーに含まれる、直接的にまたは間接的に、腫瘍細胞増殖を低減または阻害しおよび/または望まれない腫瘍の細胞死を誘導する高い能力のための、免疫細胞および/または免疫系の機能を誘導する任意の物質である。
【0033】
上記の通り免疫細胞および/または免疫系の機能を誘導する装置および/または方法もまた本発明の範囲内にある。
【0034】
一実施形態では、免疫刺激剤は、リンフォタクチン、インターロイキン1、インターロイキン2、インターロイキン6、インターロイキン12、インターフェロン、および/または免疫細胞誘引物質を含むがそれらに限定されないケモカインの群から選択される。
【0035】
さらに別の一実施形態では、免疫刺激剤は、レトロウイルス、アデノウイルス、パピローマウイルス、エプスタイン・バー・ウイルス、およびニューカッスル病ウイルス、牛痘ウイルスを含む非病原性であるウイルスを含む、ウイルスおよび/またはウイルスの一部の群から選択される。
【0036】
別の一実施形態では、免疫刺激剤は、自家、異種MHC分子、抗原処理に関与する分子、抗原提示に関与する分子、免疫細胞作用の媒介に関与する分子、免疫細胞傷害作用の媒介に関与する分子、抗原輸送に関与する分子、共刺激性分子、免疫細胞による認識および/または免疫細胞の細胞傷害作用を促進するペプチドの群から選択される。
【0037】
さらに別の一実施形態では、免疫刺激剤は、免疫細胞による望まれない腫瘍の認識および/または免疫細胞の細胞傷害作用を促進するペプチドであり、rasタンパク質、p53タンパク質、EGF−受容体タンパク質、融合ペプチドおよび/または融合タンパク質、網膜芽細胞腫タンパク質、がん遺伝子および/またはがん原遺伝子によってコードされるタンパク質、および/またはがん抑制遺伝子および/または腫瘍抑制遺伝子によってコードされるタンパク質の一つ以上の突然変異および/またはアミノ酸置換を含む。
【0038】
さらに別の実施形態では、免疫刺激剤は、遺伝子再配列および/または遺伝子翻訳に起因する一つ以上の変異体またはアミノ酸置換を含有する免疫細胞および/または免疫細胞の細胞障害性効果による望ましくない腫瘍の認識を促進するペプチドである。
【0039】
さらに別の実施形態では、免疫刺激剤は、同じ有機体中に発現されるタンパク質とは一つ以上のアミノ酸が異なる標的細胞中のタンパク質から由来する、免疫細胞および/または免疫細胞の細胞障害性効果による望ましくない腫瘍の認識を促進するペプチドである。
【0040】
さらに別の好ましい実施形態では、ウィルス抗原由来であり、および/または、ウィルス核酸によってコードされる、免疫細胞および/または免疫細胞の細胞障害性効果による望ましくない腫瘍の認識を促進するペプチドである。
【0041】
さらに別の実施形態では、免疫刺激剤は、疾患組織中には発現されるが、神経系、筋肉、造血系または他の生存に不可欠な臓器には発現されないタンパク質に由来する。罹患臓器は、たとえば、前立腺、卵巣、乳房、メラニン産生細胞等である。
【0042】
さらに別の実施形態では、免疫抑制剤は、標的細胞中のタンパク質が有機体中の他の細胞とは異なる一つ以上のアミノ酸、腫瘍細胞抽出物、腫瘍細胞溶出物および/またはアジュバントを含有するペプチドである。
【0043】
さらに別の一実施形態では、免疫刺激剤は、樹状細胞および腫瘍細胞の融合細胞であるかまたは樹状細胞である。これらの融合細胞は、樹状細胞および腫瘍細胞の混合物に由来するハイブリドーマ細胞である。樹状細胞は、たとえば、GM−CSFおよびIL−4、またはGM−CSF、IL−4およびIFN−γまたはFLT−3リガンドの混合物を用いたPBMCの処理によって作製される。樹状細胞の腫瘍細胞との融合は、たとえば、PEG(ポリエチレングリコール)または電気融合(ハヤシ(Hayashi),T.ら、2002,パークハスト(Parkhust),M.R.2003,Phan,V.2003)を用いて達成されうる。
【0044】
さらに別の好ましい一実施形態では、免疫刺激剤は、免疫系の機能に負の影響を与える因子の拮抗剤である。これらの因子は、たとえばTGF−ベータ(形質転換増殖因子ベータ)、VEGF(血管内皮増殖因子)、PGE2(プロスタグランジンE2)、IL10(インターロイキン10)である。
【0045】
さらに別の一実施形態では、免疫刺激剤はワクチンである。
【0046】
本発明に記載のワクチンは、全(照射)腫瘍細胞、たとえばニューカッスル病ウイルス(NDV)改変腫瘍細胞ワクチン(シュナイダー(Schneider),T.ら、2001)、腫瘍細胞溶解物の群から選択される医薬品として許容されるキャリヤー中の物質を含むがそれらに限定されない。
【0047】
好ましい一実施形態では、ワクチンは、ペプチド、サイトカイン(たとえばIL−2、IL−12、GM−CSF)と組み合わせたペプチド、またはアジュバント(たとえばフロイント不完全アジュバント、QS21)と組み合わせたペプチドである。
【0048】
ワクチン接種のさらに別の一実施形態では、がん抗原をコードする組み換えウイルス構造は、たとえばアデノウイルス、ワクシニア、鶏痘および/またはアビポックスの一部である。
【0049】
さらに別の一実施形態では、ワクチンはがん抗原をコードする裸のDNAである。
【0050】
さらに別の一実施形態ではワクチンは、樹状細胞、がん抗原に由来するペプチドを負荷した樹状細胞、異なる腫瘍抗原をコードする組み換えウイルスまたはRNA、DNAおよび/またはcDNAでトランスフェクションした樹状細胞、腫瘍溶解物とパルスした樹状細胞、および/または全腫瘍細胞と融合した樹状細胞である。他のワクチンについては、イェーガー(Jager),E.ら、2003も参照。
【0051】
本発明の好ましい一実施形態では、免疫刺激剤は、免疫系の機能に負に影響する因子の拮抗剤である。
【0052】
「拮抗剤」とはここでは、たとえばサイトカインの産生および/またはサイトカインの作用を阻害する任意の物質である。免疫系に負に影響するサイトカインの例は、たとえばTGF−ベータ、VEGF、IL−10、PGE−E2である。阻害は、一実施形態では、サイトカインが結合タンパク質へ、受容体へ、またはこの受容体の一部へ結合することによって、サイトカインが抗体、サイトカインまたはその産生を阻害する低分子物質と結合することによって、または前記サイトカインのシグナル経路を阻害することによって、たとえばこれらのサイトカインの受容体またはサイトカインの活性化カスケードの下流にある任意の他の連結を阻害することによって、作用する。
【0053】
TGF−ベータ拮抗剤の好ましい実施形態についてさらに詳細が与えられ、これは上記のサイトカインにもまた移行することができる。
【0054】
免疫系の拮抗剤とはここでは、免疫系の活性を阻害する任意の物質または方法である。
【0055】
「低分子物質」または「低分子」はここでは、約10kDa未満および約1Daより大の分子量を有する、有機または無機機嫌の物質を含む。
【0056】
好ましい一実施形態では、本発明の医薬組成物の少なくとも一つの免疫刺激剤はTGF−ベータ拮抗剤である。
【0057】
本発明との関連において、TGF−ベータ(形質転換増殖因子ベータ)はTGF−ベータのすべてのサブクラスを含み、好ましいサブクラスはTGF−ベータ1、TGF−ベータ2およびTGF−ベータ3である。
【0058】
本発明との関連において、TGF−ベータ拮抗剤とは、TGF−ベータによって誘導される任意の作用が阻害されるという意味で、TGF−ベータの機能を阻害する任意の物質である。
【0059】
好ましい実施形態では、TGF−ベータ拮抗剤は、TGF−ベータの産生を阻害する物質であり、TGF−ベータに結合する物質であり、および/またはTGF−ベータの機能を阻害し活性化カスケードの下流に位置する物質である。TGF−ベータ拮抗剤についてのさらなる詳細はまた、参照により本開示に含まれるヴォトヴィッツ・プラガ(Wojtowicz−Praga)(2003)を参照。TGF−ベータ拮抗剤の例は実施例7に示す。
【0060】
一実施形態ではTGF−ベータの産生を阻害するTGF−ベータ拮抗剤は、TGF−ベータのメッセンジャーRNA(mRNA)および/またはTGF−ベータをコードするDNAのある範囲とハイブリダイズし、およびこれによってTGF−ベータの産生を阻害する、オリゴヌクレオチドおよび/またはその活性な誘導体である。
【0061】
さらに別の一実施形態では、TGF−ベータの産生を阻害する物質は、ペプチド、100kDa未満のペプチド、TGF−ベータの一部であるペプチド、タンパク質、抗体ではないタンパク質、および/または低分子、たとえばトラニラスト(N−[3,4−ジメトキシシンナモイル]−アントラニル酸)(ウィルケンソン(Wilkenson),K.A.2000)である。
【0062】
一実施形態では、TGF−ベータの一部であるペプチドは、実施例8で与えられる配列である。実施例8は、参照により本開示に含まれるミットル(Mittl)(1996)でも公開されているTGF−ベータ1、TGF−ベータ2、およびTGF−ベータ3のアミノ酸配列を提示する。
【0063】
好ましい一実施形態では、ペプチドは実施例8に本発明に記載の通り、TGF−ベータ1、TGF−ベータ2またはTGF−ベータ3ペプチドの最後から数え始めて112アミノ酸を含む。それらのペプチドの開始は、TGF−ベータ1、TGF−ベータ2またはTGF−ベータ3ペプチドの最後の前113アミノ酸で終わるRXXRモチーフの後であり、ここでRはアミノ酸のアルギニンであり、およびXXは任意のアミノ酸を表しまたはアミノ酸無しですらある。
【0064】
一実施形態では、TGF−ベータの一部であるペプチドは、実施例8に示す配列の一部であり、このペプチドのアミノ酸の1個ないし全部を含み、別の実施形態では好ましいペプチドはそれらのペプチドの約1〜100アミノ酸、約2〜50アミノ酸、約3〜30アミノ酸または約5〜20アミノ酸を含む。
【0065】
さらに別の実施形態では、好ましいアミノ酸は、それぞれ番号1〜21でTGF−ベータ1、TGF−ベータ2およびTGF−ベータ3について実施例8で提示されるものである。
【0066】
さらに好ましい実施形態は、約1〜50アミノ酸、約1〜40、約2〜30、約3〜25、約4〜18、約5〜15または約6〜12アミノ酸を有する、上記の通りのアミノ酸の一部である。
【0067】
上記のペプチドのさらに別の実施形態では、ヒスチジン(H)、リジン(K)および/またはアルギニン(R)の群から選択される塩基性アミノ酸の少なくとも一つが、TGF−ベータ拮抗作用を失うことなく、この群から選択される別の塩基性アミノ酸で置換されている。
【0068】
上記のペプチドのさらに別の実施形態では、グルタミン酸(E)および/またはアスパラギン酸(D)の群から選択される酸性アミノ酸の少なくとも一つが、TGF−ベータ拮抗作用を失うことなく、この群の対応物で置換されている。
【0069】
実施例8に示される配列と比較して一部のアミノ酸が保存的に置換されているTGF−ベータの一部であるペプチドもまた、TGF−ベータ1、TGf−ベータ2および/またはTGF−ベータ3のアナログと呼ばれる。
【0070】
一部の実施形態では、TGFベータ1、TGF−ベータ2およびTGF−ベータ3のアナログ中のアミノ酸の1から約30%、約2%から約20%、約3%から約15%、4%から約12%または約5%から約10%のアミノ酸が保存的に置換されている。
【0071】
保存的に置換されたアミノ酸とは、本発明との関連においてペプチドの保存的アナログまたは活性な誘導体ともいうが、ペプチドまたはタンパク質の少なくとも一つのアミノ酸を置換することを意味する。好ましくは少なくとも一つの酸性アミノ酸(グルタミン酸(E)、アスパラギン酸(D))がそれぞれもう一つの酸性アミノ酸で置換され、同様に少なくとも一つの塩基性アミノ酸が別の塩基性アミノ酸で置換され、極性基(−OH、−SH、−CONH2)を有する少なくとも一つのアミノ酸が極性基を有する別のアミノ酸で置換され、および/または純粋な炭素側鎖を有するアミノ酸が純粋な炭素側鎖を有する別のアミノ酸で置換される。アミノ酸が保存的に置換されたペプチドおよび/またはタンパク質はなお本発明の範囲内にある。
【0072】
別の一実施形態では、上記のペプチドは単独でありおよび化学療法剤と組み合わされていない。さらに別の一実施形態では、これらのペプチドは、医薬品として許容されるキャリヤーと共に、医薬組成物を調製するのに用いられる。さらに別の一実施形態では、これらのペプチドは、腫瘍の治療のための医薬組成物によって構成され、およびさらに別の一実施形態では、これらのペプチドは、本発明に本発明に記載の腫瘍、より好ましい神経膠腫、星細胞腫および/または神経膠芽腫を治療する方法に用いられる。
【0073】
さらに別の一実施形態では、TGF−ベータ拮抗剤は、TGF−ベータを結合する受容体および/またはその一部であり、およびそのようにしてTGF−ベータの機能を阻害する。
【0074】
さらに別の一実施形態では、TGF−ベータ拮抗剤は、TGF−ベータを結合する抗体および/またはその一部であり、およびこれによってTGF−ベータの機能を阻害する。それらの抗体は市販されており、たとえばR&Dシステムズ社(R&D Systems,Inc.)を参照。それらの抗体の産生は本分野でよく知られている。たとえばニワトリ、マウス、ウサギ、ヤギといった動物が、ヒトTGF−ベータで免疫される。IgYが次いでたとえばアフィニティクロマトグラフィーによって、たとえばクーパー(Cooper),H.M.(1995)によって記載された通り精製される。さらに別の実施形態では、TGF−ベータ抗体はさらに修飾され、たとえばビオチン化される。
【0075】
より好ましい一実施形態では、TGF−ベータ抗体はヒト化抗体である。ヒト化抗体についてさらに詳しくは、カーリントン(Carrington)(1998)も参照。
【0076】
さらに別の一実施形態では、TGF−ベータ拮抗剤は、TGF−ベータに結合するタンパク質および/またはペプチドであり、およびこれによってTGF−ベータの機能を阻害する。これらのペプチドの好ましい実施形態は、たとえば潜時関連ペプチドであり、およびTGF−ベータのアイソフォーム3つすべて(TGF−ベータ1、TGF−ベータ2およびTGF−ベータ3)を阻害しうる。
【0077】
別の一実施形態では、TGF−ベータ阻害剤は、細胞外でまたは細胞内で作用する、TGF−ベータ受容体の機能を阻害する、タンパク質、ペプチドまたは低分子である。
【0078】
さらに別の実施形態では、TGF−ベータ拮抗剤は、TGF−ベータ活性化カスケードの下流の任意の連結を阻害することによって阻害する、TGF−ベータ活性を阻害するタンパク質、ペプチド、抗体および/または低分子を含む。
【0079】
本発明の好ましい一実施形態では、ペプチド、サイトカインおよび/または受容体の拮抗剤は核酸である。
【0080】
「核酸」および「オリゴヌクレオチド」の語は、リン酸基および可変の有機塩基と結合した複数のヌクレオチド(すなわち、糖、たとえばリボースまたはデオキシリボースを含む分子)をいい、有機塩基は置換ピリミジン、たとえばシトシン(C)、チミン(T)またはウラシル(U)、または置換プリン、たとえばアデニン(A)またはグアニン(G)のどちらか、またはその修飾である。ここでは、それらの語はオリゴリボヌクレオチドおよびオリゴデオキシリボヌクレオチドをいう。それらの語はまた、オリゴヌクレオシド(すなわちリン酸を除くオリゴヌクレオチド)および任意の他の有機塩基を含むポリマーもまた含む。核酸は二本鎖または一本鎖でありうる。二本鎖分子はin vivoでより安定となることができ、一方、一本鎖分子はより高い活性を有しうる。一実施形態では、ヌクレオチドは約6ないし約100ヌクレオチドの長さを有し、さらに別の一実施形態では、ヌクレオチドはそれぞれ約8ないし約40ヌクレオチド、約12ないし約32ヌクレオチドの長さを有する。
【0081】
核酸の結合単位に関してここでは、「結合した」または「結合」の語は、二つのものが任意の物理化学的方法によって互いに結びついていることを意味する。当業者に公知である任意の、共有または非共有結合が包含される。核酸の個々の単位を結びつける通常天然に見られる天然結合が非常に一般的である。核酸の個々の単位は、しかし、合成または改変された結合によって結合されうる。
【0082】
一実施形態では、この直鎖ポリマー構造の各末端はさらに結合させて円構造を形成しうる。しかし、開直線構造が一般的に好ましい。オリゴヌクレオチド構造の中で、リン酸基はオリゴヌクレオチドのヌクレオシド間骨格を形成すると一般に言われる。RNAおよびDNAの通常の結合または骨格は、3´から5´方向のホスホジエステル結合である。
【0083】
一実施形態では、「核酸」、「ヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、それぞれ「アンチセンスオリゴヌクレオチド」の語は、免疫系および/または免疫細胞の機能を刺激する物質であり、および/または本明細書に記載の通りのTGF−ベータの拮抗剤である。好ましい実施形態では、それらは、TGF−ベータおよび/またはその受容体、VEGFおよび/またはその受容体、インターロイキン10(IL−10)および/またはその受容体、PGE2および/またはその受容体をコードするDNA断片またはRNA断片を含み、またはそれぞれのアンチセンスヌクレオチドであり、および/またはリボザイムである。
【0084】
さらに別の実施形態では、核酸はアンチセンス核酸でなく、つまり核酸は細胞内の相補的ゲノムDNAまたはRNA種と結合しおよびそれによって前記ゲノムDNAまたはRNA種の機能を阻害することによって機能するのではない。
【0085】
一実施形態では、配列は、参照により本開示に含まれる欧州特許第0695354号明細書および欧州特許第1008649号明細書に記載された配列および国際公開第01/68146号、第98/33904号および第99/63975号パンフレットとして公開された国際出願特許の配列を含む。TGF−ベータアンチセンスオリゴヌクレオチドは好ましい一実施形態では、配列番号1〜127として示された少なくとも一つの配列を含む。
【0086】
オリゴヌクレオチドまたは核酸は、同様の機能を持つ天然に存在しない部分を有するオリゴヌクレオチドを含む。そのような修飾または置換されたオリゴヌクレオチドは、たとえば、細胞取り込みの増大、核酸標的(たとえばタンパク質)への親和性の増大、細胞内局在の変化およびヌクレアーゼ存在下での安定性の増大といった望ましい性質のために、しばしば天然型よりも好ましい。ここで用いられるようなオリゴヌクレオチドの修飾は、糖、塩基部分および/またはヌクレオシド間結合の任意の化学修飾を含む。
【0087】
一実施形態では、共有結合により修飾された塩基および/または糖を有する核酸またはオリゴヌクレオチドは、水酸基以外の低分子量有機基と3´位および/または2´位でおよびリン酸基以外と5´位で共有結合している骨格糖を有する核酸を含む。したがって、修飾された核酸は、2´−O−アルキル化リボース基を含みうる。さらに別の一実施形態では、修飾された核酸は、リボースの代わりにアラビノースといった糖を含む。したがって、核酸は骨格組成が不均一となることができ、それによってペプチド−核酸(核酸塩基を含むアミノ酸骨格を有する)のように任意の可能な組み合わせの結合したポリマー単位を含みうる。一部の実施形態では、核酸は骨格組成において均一である。
【0088】
核酸の置換プリンおよびピリミジンは、シトシンといった標準的なプリンおよびピリミジン、および、置換塩基といった塩基アナログを含む(ワグナー(Wagner)ら、1996)。プリンおよびピリミジンは、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、5−メチルシトシン、2−アミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、2,6−ジアミノプリン、ヒポキサンチン、および他の天然に存在するおよび天然に存在しない核酸塩基、置換および非置換芳香族基を含むがそれらに限定されない。
【0089】
各オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドポリマー中の一つのヌクレオチドは、同一の修飾を含むことができ、これらの修飾の組み合わせを含むことができ、またはホスホジエステル結合とこれらの修飾を組み合わせることができる。オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドポリマーをヌクレアーゼ耐性にする方法は、プリンまたはピリミジン塩基を共有結合によって修飾することを含むがそれらに限定されない。たとえば、塩基は、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドが実質的に酸およびヌクレアーゼに耐性となるように、メチル化、ヒドロキシメチル化、またはその他置換(たとえばグリコシル化)することができる。
【0090】
好ましい一実施形態では、オリゴヌクレオチド上の少なくとも一つの末端ブロックは、ビオチン、ビオチンアナログ、アビジン、またはアビジンアナログである。これらの分子は、保護されたオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの分解をブロックし、および修飾された核酸の固相担体への高親和性結合のための手段を提供する両方の能力を有する。本発明の試薬を調製するために用いることができるアビジンおよびビオチン誘導体は、ストレプトアビジン、スクシニル化アビジン、アビジンモノマー、ビオシチン(ビオチン−イプシロン−N−リジン)、ビオシチンヒドラジド、2−イミノビオチンのアミンまたはスルフヒドリル誘導体、およびビオチニル−イプシロン−アミノカプロン酸ヒドラジドを含む。他のビオチン誘導体、たとえばビオチン−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、ビオチニル−イプシロン−アミノカプロン酸−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、スルホスクシンイミジル6−(ビオチンアミド)ヘキサノアート、N−ヒドロキシスクシンイミドイミノビオチン、ビオチンブロモアセチルヒドラジド、p−ジアゾベンゾイルビオシチンおよび3−(N−マレイミドプロピオニル)ビオシチン、もまた、本発明のポリヌクレオチド上で末端ブロック基として用いることができる。
【0091】
別の一実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド中のヌクレオチドのリボース基の環構造は、N−H、N−R(Rアルキルまたはアリール置換基である)、Sおよび/またはメチレンで置換された環構造中に酸素を有する。
【0092】
さらに別の一実施形態では、塩基単位は適当な核酸標的化合物とのハイブリダイゼーションのために維持される。一つのそのようなオリゴマー化合物である、秀れたハイブリダイゼーション特性を有することが示されているオリゴヌクレオチドミメティックは、ペプチド核酸(PNA)と呼ばれる。PNA化合物,オリゴヌクレオチドの糖骨格は、アミドを含む骨格、特にアミノエチルグリシン骨格で置換される。核酸塩基は、骨格のアミド部分のアザ窒素原子に直接にまたは関節に結合する。PNA化合物の調製を教示する代表的な米国特許は、それぞれ参照により本開示に含まれる米国特許第5,539,082号明細書;第5,714,331号明細書;および第5,719,262号明細書を含むがそれらに限定されない。PNA化合物のさらなる教示はニールセン(Nielsen)ら(1991)に見出される。
【0093】
他の修飾オリゴヌクレオチド骨格は、たとえば、標準の3´−5´結合を有するホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロトリエステル、アミノアルキルホスホロトリエステル、3´−アルキレンホスホナートおよびキラルホスホナートを含むメチルおよびその他のアルキルホスホナート、ホスフィナート、3´−アミノホスホロアミダートおよびアミノアルキルホルホロアミダートを含むホスホロアミダート、チオノホスホロアミダート、チオノアルキルホスホナート、チオノアルキルホスホトリエステル、およびボラノホスフェート、これらの2´−5´結合アナログ、およびヌクレオシド単位の隣接する対が3´−5´から5´−3´または2´−5´から5´−2´に結合した逆極性を有するものを含む。さまざまな塩、混合塩、および遊離酸型もまた含まれる。
【0094】
実施形態では、オリゴヌクレオチドの少なくとも一つのヌクレオチドは、上記の修飾のうちの一つに記載の通り修飾される。修飾はオリゴヌクレオチドを連続的にまたは非規則に占めることができる。
【0095】
さらに別の一実施形態では、上記の少なくとも二つの修飾が一つのオリゴヌクレオチド内に組み合わされている。
【0096】
別の一実施形態では、オリゴヌクレオチドの3´および/または5´末端の1から約12または1から約8または1から約4または1から約2オリゴヌクレオチドおよび/またはヌクレオチド結合は上記の通り修飾されている。
【0097】
一実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、標的、たとえばTGF−ベータまたはそのサブタイプ、VEGF、IL−10、PGE2とハイブリダイズされる。含むとは本発明との関連において、配列表のオリゴヌクレオチドのうちの一つが、各m−RNAのアンチセンスオリゴヌクレオチドの一部であることを意味する。一実施形態では、標的のm−RNAの完全なアンチセンスオリゴヌクレオチドさえ、本発明の意味で免疫刺激剤である。さらに別の一実施形態では、免疫系の機能に負に影響する、標的アンチセンスm−RNAの任意の部分は、本発明の範囲内にある。このことは、3´および/または5´末端のうち少なくとも一つと、好ましい一実施形態では、2´および/または5´末端のうち少なくとも一つと結合した、追加で約1ないし約1000ヌクレオチド、約1ないし約500、約1ないし約100、約1ないし約50、約1ないし約20、約1ないし約10、約1ないし約5または約1ないし約2ヌクレオチドを含む各アンチセンスm−RNAの配列のオリゴヌクレオチドを有する配列のオリゴヌクレオチドはなお本発明の範囲内にあることを意味する。
【0098】
免疫細胞および/または免疫系の機能に負に影響する因子の標的のヌクレオチド配列、および各アンチセンス配列は当業者に公知である。好ましい一実施形態では、標的はTGF−ベータ1、TGF−ベータ2および/またはTGF−ベータ3のm−RNAの群から選択される。TGF−ベータ−1、TGFベータ−2、TGF−ベータ−3、インターロイキン10、VEGFおよびPGE2シンターゼのアンチセンスm−RNAの配列は実施例6に示す。
【0099】
本発明における使用のために、核酸は本分野で公知であるいくつかの手順のうち任意のものを用いてde novo合成できる。そのような化合物を「合成核酸」という。たとえば、b−シアノエチルホルホロアミダイト法(ビューケージ(Beaucage)ら、1981);ヌクレオシドH−ホスホナート法(ギャレグ(Garegg)ら、1986,フローラー(Froehler)ら、1986,ギャレグら、1986,ガフニー(Gaffney)ら、1988)。これらの化学は市販のさまざまな自動化オリゴヌクレオチド合成装置によって実施できる。
【0100】
代替的に、核酸はプラスミド中で大スケールで作製(たとえば、サムブルック(Sambrook)ら、1989を参照)およびより小さい部分に分離または全体を投与することができる。核酸は、既存の核酸配列(たとえば、ゲノムまたはcDNA)から、公知の方法、たとえば制限酵素、エキソヌクレアーゼまたはエンドヌクレアーゼを用いる方法によって調製できる。この方法で調製された核酸を単離核酸という。「抗悪性腫瘍核酸」の語は合成および単離抗悪性腫瘍核酸の両方を包含する。
【0101】
ホスホロチオエート結合をもつもののような修飾骨格核酸は、たとえば、ホスホロアミダートまたはH−ホスホナート化学を利用する自動化法を用いて合成しうる。アリール−およびアルキル−ホスホナートは、たとえば、米国特許第4,469,863号明細書に記載の通りに作製できる。アルキルホスホトリエステルは、その中の荷電した酸素部分は米国特許第5,023,243号明細書および欧州特許第092,574号明細書に記載の通りアルキル化されているが、市販の試薬を用いて自動化固相合成によって調製できる。他の核酸骨格修飾および置換を作製するための方法は記載されている(ウールマン(Uhlmann)ら、1990,グッドチャイルド(Goodchild)1990)。
【0102】
ホスホロチオエートは、ホスホロアミダートまたはH−ホスホナート化学のどちらかを利用する自動化法を用いて合成しうる。アリール−およびアルキル−ホスホナートは、たとえば、米国特許第4,469,863号明細書に記載の通り作製できる;およびアルキルホスホトリエステル(その中の荷電した酸素部分は米国特許第5,023,243号明細書および欧州特許第092,574号明細書に記載の通りアルキル化されている)は、市販の試薬を用いて自動化固相合成によって調製できる。他の核酸骨格修飾および置換を作製するための方法は記載されている(ウールマン(Uhlmann),E.ら、1990,グッドチャイルド(Goodchild),J.1990)。
【0103】
本発明のペプチドの合成
本発明のタンパク質およびまたはペプチドを合成するための一つの方法はメリフィールド合成である。この方法は、tert−ブチルを基礎とする一時的なα−アミノ保護および永続的な側鎖保護のためのベンジル、または置換ベンジル基の使用によって特徴づけられる。最新技術である、ポリスチレンおよびポリエチレングリコールを基礎とする、ペプチド合成に適した100種類を超える異なる置換樹脂が存在する。これらの樹脂は、置換,縮合または付加反応のどれかによるアミノ酸の導入を可能にする。メリフィールド合成に用いられる従来の樹脂は、クロロメチルフェニル置換樹脂である。最初のアミノ酸はBOC−アミノ酸のセシウム塩による塩化物の置換によって樹脂に結合され、ベンジルエステルとの等量を生じる。
【0104】
一時BOC基の脱保護はジクロロメタン中トリフルオロ酢酸(TFA)20〜50%溶液を用い、および結果として生じるアンモニウム塩を、障害三級塩基を用いて、次いで中和しなければならない。樹脂からの最後の切断およびベンジル基を有する側鎖保護基の脱保護は、強酸、通常は液体フッ化水素酸またはトリフルオロメタンスルホン酸を用いて達成される。そのような手順は特化した器具を必要とし、および高度に酸性名条件はいくつかの可能な転位を触媒する。
【0105】
本発明に記載のタンパク質および/またはペプチドを合成するさらに別の方法は、エリック・アサートン(Eric Atherton)およボブ・シェパード(Bob Sheppard)によってケンブリッジの分子生物学研究所(Laboratory of Molecular Biology)で1970年代後半に開発されたFmocポリアミド合成である。メリフィールド法と比較した場合のFmocポリアミド戦略の基本的な差は、反応が連続流下で実施されること、およびα−アミノ脱保護および樹脂からの切断のための条件がはるかに穏和であることである。このことは、α−アミノ保護のための基本不安定なFmoc保護基の使用から生じる。側鎖は一般的にtert−ブチルを基礎とする基で保護され、これは、樹脂への結合と共通して、スカベンジャーの存在下でTFAによって切断されうる。
【0106】
上述の通り、多数の樹脂が利用可能である。従来は、4−ヒドロキシメチルフェノキシ置換を有する樹脂が用いられる。これらは、最初のアミノ酸の無水物とエステル化される。パラ酸素原子に供与されるメソメリックな電子の結果として生じたカルボカチオンの安定化の結果、樹脂からのペプチドの切断はより穏和な酸性条件下で、典型的にはトリフルオロ酢酸をスカベンジャーと共に用いて生じる。
【0107】
連続流の使用とは、樹脂に支持されるペプチドを入れた反応容器に試薬を通過させることを意味する。この容器を通過したら、試薬は容器内へ再循環、または廃液回収瓶へ取ることができる。このことは、樹脂から過剰の試薬および不要の反応産物を洗い流すことを可能にし、これは今度はルシャトリエの原理にしたがって脱保護段階を完了へ進めるのを助ける。加えて、溶液をUV検出器に通しおよびFmoc発色団に適した波長で監視することができる。
【0108】
典型的なサイクルは下記から成る:
1.前の残基のピペリジンを用いた脱保護。
2.洗浄して1から残存試薬を除去。
3.再循環モードでアシル化。
4.洗浄して過剰の試薬を除去。
自動化アプライド・バイオシステムズ社(applied Biosystems)432Aペプチド合成装置を使用できる。
【0109】
ここで使用される「腫瘍」という用語は有機体本体の組織および/または血球の新しくおよび異常な成長または形成を意味する。好ましくない腫瘍は、充実性腫瘍;白血病、急性または慢性の骨髄性またはリンパ芽球性白血病といった血液感染性腫瘍;腫瘍転移;良性腫瘍、たとえば血管腫、聴神経腫、神経繊維腫、トラコーマ、および化膿性肉芽腫;前がん腫瘍;毛様細胞を含む星細胞腫、星細胞腫WHOグレードI、星細胞腫WHOグレードII、星細胞腫WHOグレードIII、芽細胞腫、脊索腫、頭蓋咽頭腫、上衣細胞腫、ユーイング腫瘍、胚細胞腫、神経膠腫、膠芽細胞腫、血管芽細胞腫、ヘマンジオペリカチオマ(hemangioperycatioma)、ホジキンズリンパ腫、髄芽細胞腫、白血病、中皮腫、神経芽腫、非ホジキンズリンパ腫、松果体腫、網膜細胞芽腫、肉腫(脈管腫、軟骨肉腫、内皮肉腫、線維肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンファメジオ・オテリオサルコマ(lymphangiootheliosarcoma)、リンパ管肉腫、髄芽細胞腫、黒色腫、髄腹腫、筋肉腫、神経鞘腫、乏突起膠腫、骨原性肉腫、骨肉腫を含む)、セミノーマ、上衣下腫、ウィルムス腫瘍を含むが、これらに限定されないか、または、胆汁腺管がん、膀胱がん、脳腫瘍、乳がん、気管支がん、腎がん、頚がん、絨毛がん、嚢胞腺がん、胎生期がん、上皮がん、食道がん、頚がん、結腸がん、大腸がん、子宮内膜がん、胆嚢がん、胃がん、頭部および頸部がん、肝がん、肺がん、髄様がん、非小細胞気管支/肺がん、卵巣がん、すい臓がん、乳頭状がん、乳頭腺がん、前立腺がん、小腸がん、直腸がん、腎細胞がん、皮膚がん、小細胞気管支/肺がん、扁平上皮がん、脂腺がん、精巣がん、子宮がんの群から選択される。
【0110】
本発明の医薬組成物は免疫刺激剤に加えて、細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する少なくとも一つの物質を含む。
【0111】
ここでは「抗悪性腫瘍化学療法剤」とは、細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する物質であり、および好ましい一実施形態では、さらにここに記載のように免疫細胞および/または免疫系の機能を刺激することによってではなく転位の形成を阻害する。抗悪性腫瘍化学療法剤の語は、抗悪性腫瘍剤、抗悪性腫瘍補助増強剤および放射性剤を含むがそれらに限定されない。この群の例を本明細書に示す。
【0112】
一実施形態では、抗悪性腫瘍物質は、テモゾロマイド、ニトロソ尿素、ビンカ(Vinca)アルカロイド、プリンおよびピリミジン塩基の拮抗剤、細胞分裂抑制性抗生物質、カンプトテシン誘導体、抗エストロゲン、抗アンドロゲンおよびゴナドトロピン放出ホルモンのアナログの群から選択される。
【0113】
好ましい一実施形態では、ニトロソ尿素の群はACNU、BCNU、CCNUを含む。
【0114】
別の一実施形態では、抗悪性腫瘍化学療法剤は、ニトロソ尿素、たとえばACNU、BCNUおよび/またはCCNU、細胞傷害活性抗生物質、たとえばドキソルビシン、PEG化リポソームドキソルビシン(シーリクス(Caelyx)(登録商標))、5−フルオロデオキシウリジン、5−フルオロウラシル、5−フルオロウリジン、ゲムシタビン、プロカルバジン、タキソール、タキソテール、テモゾロマイド、ビンブラスチン、ビンクリスチンの群から選択される。
【0115】
ACNUの同義語は、3−[(−4−アミノ−2−メチル−5−ピリミジニル)メチル]−1−(2−クロロエチル)−1−ニトロソ尿素塩酸塩、CS−439HCl、塩酸ニドラン、塩酸ニムスチン、NSC−245382である。
【0116】
BCNUはビスクロロエチルニトロソ尿素であり、化学名はN,N´−ビス(2−クロロエチル)−N−ニトロソ尿素であり、別名はBiCNU、カルムスチンである。
【0117】
CCNUは1−(2−クロロエチル)−3−シクロヘキシル−1−ニトロソ尿素である。同義語はN−(2−クロロエチル)−N´−シクロヘキシル−N−ニトロソ尿素、ベルスチン、CeeNU、クロロエチルシクロヘキシルニトロソ尿素、ICIG1109、ロムスチン、NSC79037である。
【0118】
テモゾロマイドの一つの化学名は3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ−>5,1d´1,2,3,4−テトラジン−8−カルボキシイミドである。テモゾロマイドの別名はテモダール、テモダール、メタゾラストン、CCRG81045、SCH52365、NSC362856、M&B39836である。
【0119】
テニポシドの同義語は、4´−デメチルエピポドフィロトキシン、9−(4,6−O−2−テニリデン−b−D−グルコピラノシド)、エピポドフィロトキシン、EPT、テニポシドVM−26、VM26、5,8,8a,9−テトラヒドロ−5−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−9−{[4,6−O−(2−チエニルメチレン)−b−D−グルコピラノシル]オキシ}フロ[3´,4´:6,7]ナフト[2,3−d]−1,3−ジオキソール−6(5aH)−オンである。
【0120】
一実施形態では、ビンカアルカロイドはビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンおよびそれらの活性な誘導体を含む。
【0121】
一実施形態では、プリンおよびピリミジン塩基の拮抗剤は、5−フルオロウラシル、5−フルオロデオキシウリジン、シタラビンおよびゲムシタビンの群から選択される。
【0122】
他の実施形態では、細胞分裂抑制性抗生物質はドキソルビシンおよびリポソームPEG化ドキソルビシンの群から選択され、カンプトテシン誘導体はイリノテカンおよびトポテカンの群から選択され、抗エストロゲンはタモキシフェン、エキセメスタン、アナストロゾールおよびフルベストラントの群から選択され、抗アンドロゲンはフルタミドおよびビカルタミドの群から選択され、抗プロゲステロンはミフェプリストンの群から選択され、ゴナドトロピン放出ホルモンのアナログはロイプロリドおよびゴセレリンの群から選択される。
【0123】
他の実施例では、本発明の少なくとも1つの免疫刺激剤は、下記の群から選択される少なくとも1つの抵腫瘍薬と併用される:
アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール;アクロニン;アドゼレシン;アドリアマイシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン;酢酸アメタントロン;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アンスラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン(Asperlin);アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン(アゾトマイシン(Azotomycin);バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;塩酸ベンゾデパ;二メシル酸ビスナフィド;ビゼレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナルナトリウム;ブロピミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー;カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルブシン(Carubicin);カルゼレシン;セデフィンゴール;セツキシマブ;クロラムブシル;シロレマイシン(Cirolemycin);シスプラチン;クラドリビン(Cirolemycin);メシル酸クリスナトール;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;DACA(N2(ジメチルアミノ)エチルアクリジン−4−カルボキサミド);ダクチノマイシン;塩酸ダウノルビシン;ダウノマイシン;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;メシル酸デザグアニン;ジアジクオン;ドセタキセル;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェル;クエン酸ドロロキシフェル;プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン(Duazomycin);エダトレキサート;塩酸エフロルニチン;エルサミトルシン(Elsamitrucin);エンロプラチン;エンプロマート;エピプロピジン;塩酸エピルビシン;エルズロゾール(Erbulozole);エルロチニブ;塩酸エソルビシン(Esorubicin);エストラムスチン;エストラムスチンリン酸ナトリウム;エタニタゾール;エチオダイズド油I131;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;5−FdUMP;フルロシタビン;ホスキドン;ホストリエシンナトリウム;ゲフィチニブ;塩酸ゲムシタビンゲムシタビン;金Au198;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルブシン;イフォスファミド;イルモホシン;メシル酸イマチニブ;インターフェロンアルファ−2a;インターフェロンアルファ−2b;インターフェロンアルファ−n1;インターフェロンアルファ−n1;インターフェロンベータ−Ia;インターフェロンガンマ−Ib;イプロプラチン;イレッサ;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール;ロメトキシソールナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン;マソプロコール;マイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;マイトカルシン(Mitocarcin);ミトクロミン;マイトギリン(Mitogillin);マイトマルシン(Mitomalcin);マイトマイシン;マイトスパー(Mitosper);ミトタン;塩酸ミトザントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;ペガスパルガーゼ;ペリオマイシン(Peliomycin);ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;プロマイシン;塩酸プロマイシン;ピラゾフリン;リボプリン;リツキシマブ;ログレチミド;サフィノール;塩酸サフィンゴール;セムスチン;シムトラゼン;スパルフォセートナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スプロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;ストロンチウム塩化物Sr89;スロフェヌル;タリソマイシン;タキサン;タキソイド;テコガランナトリウム;テガフル;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン;テニポイド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チミタック;チアゾフリン;チラパザミン;トムデックス;TOP−53;塩酸トポテカン;クエン酸トレミフェン;トラスツズマブ;酢酸トレストロン(Trestolone);リン酸トリシリビン;トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシル・マスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;ビンブラスチン;硫酸ビンブラスチン;ヴィンクリスチン;硫酸ヴィンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸バインピジン(Vinエピdine);硫酸ヴィングリシネート(Vinglycinate);硫酸ビンレウロシン(Vinleurosine);酒石酸ビノレビリン;硫酸ヴィンロシジン(vinrosidine);硫酸ヴィンゾリディン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;塩酸ゾルビシン;2−クロロデオキシアデノシン;2’−デオキシホルマイシン;9−アミノカンプトセシン;ラルチドレキセド;N−プロパルギル−5,8−アザ葉酸;2−クロロ−2’−アラビノ−フルオロー2’−デオキシアデノシン;2−クロロ−2’−デオキシアデノシン;アニソマイシン;トリコスタチンA;hPRL−G129R;CEP−751;リノマイド。
【0124】
他の抗腫瘍剤は下記を含む:
20−エピ−1,25二水酸化ビタミンD3;5−エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール(adecypenol);アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL−TK阻害剤;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドクス;アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラフォロイド;新脈管形成阻害剤;拮抗薬D;拮抗薬G;アンタレリクス;抗背側化形態形成タンパク質−1;抗アンドロゲン、前立腺がん;抗エストロゲン;抗腫瘍薬;アンチセンスオリゴヌクレオチド;グリシン酸アフィジコリン;アポトーシス遺伝子モジュレータ;アポトーシス調節剤;アプリン酸;アラ−CDP−DL−PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン(asulacrine);アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン(axinastatin)1;アキシナスタチン(axinastatin)2;アキシナスタチン(axinastatin)3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノル(balanol);バチマスタット;BCR/ABL拮抗薬;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタイロスポリン;ベータラクタム誘導体;ベータアレシン(beta−alethine);ベータクラマイシン(beta−alethine)B;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビサジリヂニルスペルミン(bisaziridinylspermine);ビスナフィド;ビストラテン(bistratene)A;ビゼレシン;ブレフレート(breflate);ブロピミン;ブドチタン;ブチオニンスルフォキシミン;カルシポトリオール;カルフォスチンC;カンプトテシン誘導体(たとえば、10水酸基カンプトテシン);カナリポックスIL−2;カペシタビン;カルボキサミド−アミノ−トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRestM3;CARN700;軟骨由来阻害剤;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロリクス;クロリン;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス−ポリフィリン;クラドリビン(Cirolemycin);クロミフェンアナログ;クロトリマゾール;コリスマイシン(collismycin)A;コリスマイシン(collismycin)B;コンブレスタチンA4;コンブレスタチンアナログ;コナゲニン;クラムベスシジン(crambescidin)816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシン(curacin)A;シクロペンタンスラキノロン(cyclopentanthraquinones);シクロプラタム(cycloplatam);サイパーマイシン(cycloplatam);シタラビンオクフォスファート;細胞溶解因子;サイトスタチン;ダクリキシマブ(dacliximab);デシタビン;デヒドロダイデムニンB;デスロレイン(deslorelin);デキソフォスファミド(dexifosamide);デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジクオン;ダイデムニンB;ディドクス(didox);ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ−5−アザシチジン;ジヒドロタキソール,9−;ディオキサマイシン(dioxamycin);ジフェニルスプロムスチン;ディスコダーモライド;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェル;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフル;エピルビシン;デソキシエポチロン(A,R.dbd.H;B,R.dbd.Me)を含むエポチロン類;エピシロン;エプリステリド;エストラムスチンアナログ;エストロゲン作動薬;エストロゲン拮抗薬;エタニタゾール;エトポシド;エトポシド4’−リン酸(エトポフォス(etopofos));エクセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスティム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロダウロルニシン(fluorodaunorunicin);フォルフェニメクス;ホルメスタン;ホストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリックス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム(ヘレグリン);ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ピペリシン;イバンドロン酸;イダルブシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イミダゾアクリドン類;イミキモド;免疫刺激剤ペプチド;インスリン様増殖因子−1受容体 阻害剤;インターフェロン作動薬;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール,4−;イリノテカン;イロプラクト(iroplact);イルソグラジン;イソベンガゾール(isobengazole);イソホモハリコンドリン(isohomohalicondrin)B;イタセトロン;ジャスプラキノライド;カハラライドF;ラメラリン−Nトリアセテート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトルスタチン(leptolstatin);レトロゾール;白血病抑制因子;白血球アルファ・インターフェロン;リュープロライド+エストロゲン+プロゲステロン;リュープロレリン;レバミゾール;リアロゾール;直線ポリアミンアナログ;親油性二糖類ペプチド;親油性プラチナ化合物;リソクリナミド(lissoclinamide)7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトキシソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ルルトテカン(lurtotecan);ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶解ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリンシン 阻害剤;マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン(merbarone);メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF 阻害剤;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;対応が合致しない二重RNA;ミトラマイシン;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシンアナログ;メトナフィド;マイトトキシン線維芽細胞増殖因子−サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;モノクローナル抗体,ヒト絨毛性ゴナドトロピン;一リン酸化脂質A+マイコバクテリウム細胞壁sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子阻害剤;多腫瘍抑制剤1に基づく治療;マスタード抗がん剤;マイカペロキシド(mycaperoxide)B;マイコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン;N−アセチルジナリン;N−置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスティップ(nagrestip);ナロキソン+ペンタゾシン;ナパヴィンnapavin;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモロビシン(nemorubicin);ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン(nisamycin);酸化窒素モジュレータ;窒素酸化物抗酸化物質;nitrullyn(ニトルリン);O6−ベンジルグアニン;オクトレノイド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘導物質;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキザウノマイシン;パクリタキセル アナログ;パクリタキセル誘導体;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン(parabactin);パゼリプチン;ペガスパルガーゼ;ペルデシン;ポリ硫酸ペントサンナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール(pentrozole);ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニル酢酸;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニル;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノゲン・アクチベータ阻害剤;プラチナ錯;プラチナ化合物;プラチナ−トリアミン錯体;ポドフィロトキシン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プロピルビス−アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;タンパク質Aに基づく免疫調節剤;プロテインキナーゼC阻害剤;プロテインキナーゼC阻害剤類、微細藻類;タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤;プリン・ヌクレオシド・ホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシレート化ヘモグロビンポリオキシエチレン複合体;raf拮抗薬;ラルチドレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras−GAP阻害剤;脱メチル化レテリプチン;エチドロン酸レニウムRe 186;リゾキシン;リボザイム;RIIレチナミド(retinamide);ログレチミド;ロヒツキン(rohitukine);ロムルチド;ロキニメクス;rubiginone(ルビギノン)B1;ルボキシル;サフィンゴール;saintopin(サイントピン);SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi1ミメテクス;セムスチン;セネセンス由来阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル変換阻害剤;シグナル変換 調節剤;一本鎖抗原結合部分;シゾフィラン;ソブゾキサン;ボロカプタートナトリウム;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール(solverol);ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルホス酸;スピカマイシンD;スプロムスチン;スプレノペンチン(splenopentin);スポンジスタチン1;スクアラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞分割阻害剤;スティピアミド(stipiamide);ストロメライシン阻害剤;スルフィノシン(sulfinosine);超活性血管活性腸管ペプチド拮抗薬;suradista(スラディスタ);スラミン;スワンソニン;合成グルコサミノグリカン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフル;テルラピリニウム(tellurapyrylium);テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テモゾロマイド;テニポイド;テラクロロデキサオキシド(terachlorodecaoxide);テラゾミン(terazomine);サリブラスチン(thaliblastine);サリドマイド;チオコラリン;トロンボポエチン;トロンボポエチン模倣薬;チマルファシン;サイモポエチン受容体作動薬;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;チンエチルエチオプルプリン;チラパザミン;二塩化チタノセン;トポテカン;トプセンチン(topsentin);トレミフェン;全能性幹細胞因子r;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルリジン;トリシリビン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシン・キナーゼ阻害剤;チルフォスチン;UBC阻害剤;ウベニメクス;尿生殖洞由来成長阻害因子;ウロキナーゼ受容体拮抗薬;バプレオチド;バリオリン B;ベクトルシステム、赤血球遺伝子療法;ベラレソール;ベラミン;ベルジン;ベルテポルフィン;ビノレビリン;ビンキサルチン;バイタクシン;ボロゾール;ザノテロン(zanoterone);ゼニプラチン;ジラスコルブ;ジノスタチンスチマラマー。
抗腫瘍補助促進剤:
三環系抗うつ剤(たとえば、イミプラミン、デシプラミン、アミトリプチリン、クロミプラミン、トリミプラミン、ドクサピン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、アモキサピンおよびマプロチリン);非三環系抗うつ剤(たとえば、セトラリン、トラゾドンおよびシタロプラム);Ca.sup.++拮抗薬(たとえば、ベラパミル、ニフェジピン、ニトレンジピンおよびカロベリン);カルモジュリン阻害剤(たとえば、プレニラミン,トリフルオロペラジンおよびクロミプラミン);アンホテリシンB;トリパラノールアナログ(たとえば、タモキシフェン);抗不整脈薬(たとえば、キニジン);抗高血圧薬(たとえば、レゼルピン);チオールディプリーター(たとえば、ブチオニンおよびスルフォキシミン)およびクレモホールELといった多剤耐性還元剤。本発明の化合物は、顆粒球コロニー刺激因子といったサイトカインとも併用投与できる。
抗増殖剤:イセチオン酸ピリトレキシム
放射性物質:
フィブリノゲンI125;フルデオキシグルコースF18;フルオロドパF18;インスリンI125;インスリンI131;イオベングアンI123;ヨージパミド・ナトリウムI131;ヨードアンチピリンI131;ヨードコレステロールI131;ヨウ化ヒプル酸ナトリウムI123;ヨウ化ヒプル酸ナトリウムI125;ヨウ化ヒプル酸ナトリウムI131;ヨードピラセトI125;ヨードピラセトI131;塩酸イオフェタミンI123;イオメチンI125;イオメチンI131;ヨータラム酸ナトリウムI125ヨータラム酸ナトリウムI131;イオチロシンI131;リオチロニンI125;リオチロニンI131;酢酸メリソプロールHg197;酢酸メリソプロールHg203;メリソプロールHg197;セレノメチオニンSe75;アンチモン三硫化物コロイドテクネチウムTc99m;Bicisate(ビシセート)テクネチウムTc99m;ジソフェニンテクネチウムTc99m;エチドロン酸テクネチウムTc99m;エクサメタジムテクネチウムTc99m;フリホスミンテクネチウムTc99m;グルセプテートテクネチウムTc99m;リドフェニンテクネチウムTc99m;メブロフェニンテクネチウムTc99m;メドロネートテクネチウムTc99m;メドロネート二ナトリウムテクネチウムTc99m;メルチアチドテクネチウムTc99m;オキシドロネート(Oxidronate)テクネチウムTc99m;ペンテタートテクネチウムTc99m;ペンテタートカルシウム三ナトリウムテクネチウムTc99m;セスタミビテクネチウムTc99m;シボロキシムテクネチウムTc99m;サクシマーテクネチウムTc99m;硫黄コロイドテクネチウムTc99m;トルポロキシムテクネチウムTc99m;テトロホスミンテクネチウムTc99m;チアチドテクネチウムTc99m;チロキシンI125;チロキシンI131;トルポピドンI131;トリオレイン125;トリオレイン131。
【0125】
抗悪性腫瘍化学療法剤また薬剤の語は血管新生の阻害のための核酸分子およびチューブリンの凝集の誘導因子を含む。
【0126】
抗悪性腫瘍化学療法剤の活性な誘導体、およびプロドラッグもまた本発明の一部である。
【0127】
抗悪性腫瘍剤の一般的であるが耐容される副作用は吐き気および嘔吐であるため、吐き気および/または嘔吐を誘導する抗悪性腫瘍剤と共に制吐剤を投与することによってこれらの作用を緩和できることは当業者に明らかである。たとえば、オンダンセトロンを、約8mgの用量で、吐き気/嘔吐を誘導する抗悪性腫瘍剤が投与される約30分前に経口投与しうる。もちろん、ハサルドール、ベナドリル、およびアティバンといった他の制吐剤もまた必要に応じて使用しうる。
【0128】
本発明の抗悪性腫瘍化学療法剤は市販されている。たとえばテモゾロマイドの合成についてはたとえばスティーブンス(Stevens)ら(1984)またはワング(Wang)ら(1994)を参照。
【0129】
放射線は、約1Gyから約100Gy、より好ましい約20ないし約80Gyおよび非常に好ましい、たとえば星細胞腫、神経膠芽腫および神経膠腫のために約40ないし約60Gyの用量で用いられる。
【0130】
好ましい実施形態では用量は分割され、つまり、約0.1ないし約10Gyまたは約1Gyないし約5Gyまたは約1Gyないし約2Gyが、約1から約20週、約2から約10週または4から約8週の間に数回反復する1セッションに用いられる。拮抗剤および/または本発明の細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する物質は、放射線の前、後、または同時に投与しうる。腫瘍サイズの減少に応じて、放射線治療法の一サイクルおよび放射線の数サイクルが可能である。
【0131】
放射線は通常は60Coを用いて実施される。中性子、陽子、負パイ中間子を用いた放射線、または中性子捕捉もまた同様に適用可能である。
【0132】
用量はさらに腫瘍の大きさ、患者の体格および適用される照射の種類にも依存することが当業者には明らかである。特定の実施形態では、用量は、該用量が適用される画分の数にも依存し、上記の約2倍ないし約100倍と高くなるか、または低くなる。
【0133】
一実施形態では、少なくとも一つの免疫刺激剤および少なくとも一つの抗腫瘍剤の組み合わせは、充実性腫瘍;白血病、急性または慢性の骨髄性またはリンパ芽球性白血病といった血液感染性腫瘍;腫瘍転移;良性腫瘍、たとえば血管腫、聴神経腫、神経繊維腫、トラコーマ、および化膿性肉芽腫;前がん腫瘍;星細胞腫、芽細胞腫、脊索腫、頭蓋咽頭腫、上衣細胞腫、ユーイング腫瘍、胚細胞腫、神経膠腫、膠芽細胞腫、血管芽細胞腫、ヘマンジオペリカチオマ(hemangioperycatioma)、ホジキンズリンパ腫、髄芽細胞腫、白血病、中皮腫、神経芽腫、非ホジキンズリンパ腫、松果体腫、網膜細胞芽腫、肉腫(脈管腫、軟骨肉腫、内皮肉腫、線維肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンファメジオ・オテリオサルコマ(lymphangiootheliosarcoma)、リンパ管肉腫、髄芽細胞腫、黒色腫、髄腹腫、筋肉腫、神経鞘腫、乏突起膠腫、骨原性肉腫、骨肉腫を含む)、セミノーマ、上衣下腫、ウィルムス腫瘍を含むが、これらに限定されないか、または、胆汁腺管がん、膀胱がん、脳腫瘍、乳がん、気管支がん、腎がん、頚がん、絨毛がん、嚢胞腺がん、胎生期がん、上皮がん、食道がん、頚がん、結腸がん、大腸がん、子宮内膜がん、胆嚢がん、胃がん、頭部および頸部がん、肝がん、肺がん、髄様がん、非小細胞気管支/肺がん、卵巣がん、すい臓がん、乳頭状がん、乳頭腺がん、前立腺がん、小腸がん、直腸がん、腎細胞がん、皮膚がん、小細胞気管支/肺がん、扁平上皮がん、脂腺がん、精巣がん、子宮がんの群から選択される腫瘍の治療に有効である。
【0134】
別の一実施形態では、少なくとも一つの作用剤および少なくとも一つの抗悪性腫瘍剤の組成物は、疾患の治療のための他の手順と併用して用いることができる。たとえば、腫瘍は従来は手術および/または放射線を用いて治療でき、およびその後、本発明に記載の免疫刺激剤および抗悪性腫瘍化学療法剤の組成物を続いて患者に投与して、微小転移の休止を延長しおよび残存する望ましくない腫瘍を安定化しそれぞれ減少させる。
【0135】
好ましい一実施形態では、少なくとも一つの抗悪性腫瘍剤および少なくとも一つの拮抗剤の併用は、転移性病変(その時点で臨床的に識別可能であってもなくてもよい)を有する可能性が高い部位に投与される。具体的に転移性病変が存在する可能性が高いその部位(または組織)に埋め込まれた徐放処方はこれらの後者の場合に適する。
【0136】
免疫細胞および/または免疫系の少なくとも一つの刺激剤および細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する少なくとも一つの物質の併用の実施形態は、有効量で送られる。一般的に、拮抗剤および/または抗悪性腫瘍剤の「有効量」の語は、目的の生物学的作用を実現するのに必要または十分である量をいう。具体的に、有効量とは腫瘍の速度を低下させまたは形成を完全に阻害する量をいう。たとえば、対象が腫瘍を有する場合、有効量はその望まれない腫瘍を減少または消失させる量である。加えて、有効量は、新しい望まれない腫瘍の増大を防ぐかまたは減少を生じさせる量でありうる。
【0137】
有効量は併用が単回または反復用量として用いられるかどうかに応じて変化する。本文書で示される用量は成人についてである。これらの用量は、ヒトが小児、追加の疾患または他の環境によってストレスを受けた人である場合には変更しなければならないことが当業者に明らかである。
【0138】
有効用量は、デリバリーの方法および手段にも依存し、これは局所的または全身的でありうる。たとえば、皮膚がんまたは眼がんの治療のような一部の用途では、組み合わせは好ましくは局所または眼キャリヤー中で送られる。
【0139】
一実施形態では、本明細書に記載の化合物の対象用量は、典型的には投与当たり約0.1μgないし約10mgの範囲であり、毎時間、毎日、毎週、または毎月、およびその中間の任意の他の時間で与えることができるのに応じる。さらに別の一実施形態では、用量は投与当たり約10μgないし約5mgまたは約100μgないし約1mgの範囲であって、1〜10回投与が数時間、日、または週間隔である。一部の実施形態では、しかし、用量は上記の典型的な用量よりも2ないし100倍も高くまたは低い範囲で使用しうる。
【0140】
本発明の一実施形態では、本発明による医薬組成物の免疫刺激剤は、拮抗剤であり、より好ましいTGF−ベータの拮抗剤であり、および最も好ましい約1μg/kg/日ないし約100mg/kg/日または約10μg/kg/日ないし約10mg/kg/日または約100μg/kg/日ないし約1mg/kg/日の範囲の用量で投与されるTGF−ベータアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0141】
本明細書に記載の医薬組成物の好ましい実施形態では、少なくとも一つの免疫刺激剤、より好ましいTGF−ベータ拮抗剤、非常に好ましいTGF−ベータアンチセンスオリゴヌクレオチドはカテーテルを用いて望まれない腫瘍へ直接に投与される。これらのアンチセンスオリゴヌクレオチドの濃度は、約0.1μM/Lないし約1M/L、より好ましい約1μM/Lないし約500μM/L、およびさらにより好ましい約10ないし約200μM/Lまたは約50μM/Lないし約150μM/Lを含む滅菌水溶液である。さらに別の好ましい一実施形態では、この溶液は約0.1μL/分から約50μL/分、または約2μL/分から約12μL/分、または約3μL/分から約10μL/分の流速で腫瘍へ投与される。
【0142】
さらに別の実施形態では、一つ以上の抗腫瘍化学療法剤は、一つ以上の免疫刺激剤および/または放射線と併用される、約1mg/mないし約1000mg/mの範囲の用量で、より好ましい約50mg/mないし約500mg/mの用量で、および最も好ましい約150mg/mないし200mg/mの単回投与で、6週間ごとに静脈投与されるニトロソ尿素、より好ましいBCNU、CCNUおよび/またはACNUの群から選択される。単回投与でもよく、または、連続する2日間において約75mg/mないし約100mg/mといった一日注射量に分割してもよい。
【0143】
さらに別の実施形態では、腫瘍の治療において、抗腫瘍化学療法剤はゲムシタビンであり、および一つ以上の免疫刺激剤および/または放射線と併用して、約10mg/mないし約10g/m、より好ましい約100mgないし約5g/m、および最も好ましい約500mg/mないし約2000mg/mの用量で、投与される。
【0144】
別の実施形態では、ゲムシタビンの用量は、約10分ないし約120分、より好ましい約15分ないし約60分、および最も好ましい約20分ないし約40分以内に投与される。さらに別の実施形態では、この単回投与は、約4ないし約10日、それぞれ約5ないし約8日以内に、および最も好ましい約7日以内に反復して投与される。約1ないし約8、より好ましい約2ないし約6、最も好ましい約3ないし約4回の単回投与が投与される。この後、約2ないし約60日、より好ましい約5ないし約30日、および最も好ましい約10ないし約20日の治療間欠期が適用される。これらサイクルは数回反復できる。
【0145】
さらに別の実施形態では、一つ以上の抗腫瘍化学療法剤はテモゾロマイドであり、および、約500ないし約1200mg/mの全用量で、約2ないし約28連続日の期間、より好ましい約4ないし約7連続日の期間、および最も好ましくは約5連続日の期間、投与される。このように、約5日の期間に投与されるべき全用量が約1000mg/mである場合、この期間の日用量は約200mg/m/日である。テモゾロマイドは、1日あたり1回以上投与しなければならない。好ましくは、投与計画は1日2回、1日3回、または1日4回であろう。テモゾロマイド投与の初日から数えて、約28ないし約42日、または約28ないし約35日、またはより好ましくは、28日の期間の後、別の投与サイクルを開始してもよい。
【0146】
さらに別の実施形態では、テモゾロマイドは用量を低減してはるかに長い期間投与してもよい。たとえば、テモゾロマイドは、約50mg/m/日ないし約150mg/m、好ましくは、約75mg/m/日の日用量で、一日2回以上、6週間まで投与しうる。より好ましいこの日用量は、1日に2回以上投与されるべく、2回以上に均等に分けられる。
【0147】
さらに別の実施形態では、ビンブラスチンは、約0.1mg/mないし約50mg/m、より好ましい約1mg/mないし約10mg/m、および、さらにより好ましい約4mg/mないし約8mg/mの用量で投与される。
【0148】
別の実施形態では、ビンクリスチンは、約0.1mg/mないし10mg/mの用量で、より好ましい約0.5mg/mないし約5mg/mの用量で、および、より好ましい約0.8mg/mないし約2mg/mの用量で週に一度投与され、一方神経毒が用量規制因子である。最も一般的には、硫酸ビンクリスチンの溶液約0.1mg/mLないし約10mg/mLが、約0.1mg/mないし約50mg/m、より好ましい約0.5mg/mないし約10mg/m、およびさらにより好ましい約1mg/mないし約5.0mg/mの単回投与で投与される。
【0149】
一実施形態では、神経膠腫、神経膠芽腫および/または未分化星細胞腫の治療のための医薬組成物は、少なくとも一つの免疫刺激剤、より好ましいTGF−ベータの拮抗剤、さらにより好ましいTGF−ベータのアンチセンスオリゴヌクレオチド、および非常に好ましい、配列番号1〜127として配列表中で特定されるアンチセンスオリゴヌクレオチド、およびさらにより好ましい配列番号22〜48の配列、および、好ましくはテモゾロマイド、ACNU、BCNU、CCNU、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシンおよびそれらの活性な誘導体、5−フルオロウラシル、5−フルオロデオキシウリジン、シタラビン、ゲムシタビン、リポソームPEG化ドキソルビシン、プロカルバジンおよびビンクリスチンの群から選択される細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する少なくとも一つの物質の組み合わせを含む。
【0150】
別の実施形態では、抗腫瘍化学療法剤、プロカルバジン、CCNUおよびビンクリスチンは、ともに免疫刺激剤、より好ましい拮抗剤、さらにより好ましいTGF−ベータのアンチセンスオリゴヌクレオチド、および最も好ましい配列表において配列番号1〜127として配列表中で特定されるアンチセンスオリゴヌクレオチドと併用され、およびさらに配列番号22〜48で特定される配列は、医薬組成物の成分である。本実施形態での用量は、経口による約40mg/mないし約80mg/mのプロカルバジン(約8ないし約21日目)、経口による約80ないし約120mg/mのCCNU(約1日目)、経口による約1.2mg/mないし約1.8mg/mのビンクリスチン(約1日目)であり、最大用量は約8日、および約29日目の静注約2mg/mである。免疫刺激剤は、これら3つの物質の前、とともに、または後に与えられる。
【0151】
別の実施形態では、サイクルは約6ないし約8週間後に1回または数回繰り返される。
【0152】
さらに好ましい実施形態では、一つ以上の免疫刺激剤、より好ましい拮抗剤、さらにより好ましいTGF−ベータのアンチセンスオリゴヌクレオチド、および最も好ましい配列番号1〜127として配列表中で特定されるアンチセンスオリゴヌクレオチド、および、さらにより好ましい配列番号22〜48で特定される配列およびテロゾロミド(telozolomide)は医薬組成物の一部である。この場合、望ましくない腫瘍、より好ましい神経膠腫、膠芽細胞腫および/または未分化星細胞腫の治療のためのテモゾロマイドの用量は、サイクルの1ないし5日目の経口による約120ないし約180mg/mである。より好ましい実施形態では、免疫刺激剤は、約1μg/kg/日ないし約50mg/kg/日投与される。サイクルは約3ないし5週間後に繰り返される。
【0153】
神経膠腫、膠芽細胞腫および/または未分化星状細胞腫といった腫瘍の治療のために上述の実施形態のうちより好ましい実施形態では、免疫刺激剤は、TGF−ベータの拮抗剤、さらにより好ましい配列番号1〜127として配列表中で特定されるアンチセンスオリゴヌクレオチド、およびさらにより好ましい配列番号22〜48で特定されるオリゴヌクレオチドである。
【0154】
神経膠腫の治療のためのさらに好ましい実施形態では、上述の標準日程にしたがって放射線がさらに投与される。一実施形態では、放射線は、上述の組み合わせ投与とともに適用される。他の実施形態では、放射線は本発明による医薬組成物の投与の前または後に適用される。
【0155】
腫瘍の治療のための医薬組成物の一実施形態では、より好ましい膵臓腫瘍である一つ以上の細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する物質は、シスプラチン、カルボプラチン、シクロフォスファミド、ドセタキセル、PEG−リポソームドキソルビシン、エトポシド、フォリン酸、5−フルオロウラシル、ミトキサントロン、パクリタキセル、トポテカンおよび/またはトレオサルファンの群から選択される。
【0156】
腫瘍の治療のためのより好ましい実施形態では、抗腫瘍化学療法剤であるパクリタキセルまたはカルボプラチンは、本発明による一つ以上の医薬組成物の一部である。約100mg/mないし約200mg/m、より好ましい約175mg/mのパクリタキセルまたはカルボプラチンが、静注でサイクルの第1日に投与される。サイクルは、約20ないし約30日後に繰り返される。
【0157】
膵臓腫瘍といった腫瘍の治療のためのさらに別の実施形態では、本発明による医薬組成物の一つ以上の抗腫瘍化学療法剤は、ゲムシタビンである。ゲムシタビンは、約800mg/mないし約1200mg/m、より好ましい約1000mg/mの用量で、静注により、約10分ないし約60分以内に、より好ましい約12分ないし約20分以内に投与される。この適用は約5ないし約10日間繰り返される。
【0158】
さらに別の実施形態では、カルボプラチンと併用されるパクリタキセル、カルボプラチンと併用されるドセタキセル、シクロフォスファミドと併用されるカルボプラチン、トレオサルファンと併用されるシスプラチン、エトポシド、ミトキサントロンと併用されるフォリン酸、および5−フルオロウラシル、トポテクト(topotect)、またはPEG−リポソームドキソルビシンが、一つ以上の膵臓腫瘍の治療のための本発明による医薬組成物の抗腫瘍化学療法剤である。
【0159】
膵臓腫瘍の治療のための上述の実施形態のうちより好ましい実施形態では、拮抗剤は、TGF−ベータの拮抗剤、さらにより好ましい配列番号1〜127として配列表中で特定されるアンチセンスオリゴヌクレオチド、およびさらにより好ましい配列番号22〜48の配列である。
【0160】
別の実施形態では、医薬組成物の投与に関して、放射線療法が上述の標準日程にしたがって適用される。
【0161】
非小細胞肺がん(NSCLC)
非小細胞肺がん(NSCLC)の治療のための医薬組成物の一実施形態では、一つ以上の抗腫瘍化学療法剤は、シスプラチン、エトポシド、カルボプラチン、マイトマイシン、パクリタキセル、ゲムシタビン、およびビノレビリンの群から選択される。
【0162】
NSCLCの治療のためのさらに別の実施形態では、放射線が上述の日程にしたがってさらに適用される。
【0163】
さらに好ましい実施形態では、エトポシドと併用されるシスプラチンは、NSCLCといった腫瘍の治療のために投与される一つ以上の抗腫瘍化学療法剤である。より好ましい実施形態では、シスプラチンは、第1日目に、約40mg/m2ないし約80mg/m2の用量で投与され、より好ましい約60mg/m2が注入され、および、エトポシドは約80mg/m2ないし約150mg/m2の用量で、サイクルの第1ないし第3日に、約30分ないし約200分以内に注入される。さらに好ましい実施形態では、さらに肺の放射線は、約1Gyないし約2Gyで、1日に約1ないし約2回、1サイクル内の全用量を約30Gyないし約60Gyとして行われる。放射線療法は、本発明による医薬組成物の投与の前に、と平行して、または後となる。別の好ましい実施形態では、この療法の1サイクルは、約15ないし約30日、より好ましい約22日を含む。約1ないし約10サイクルが適用される。
【0164】
NSCLCの治療のためのさらに別の実施形態では、細胞増殖を阻害する一つ以上の物質、シスプラチンが(約20mg/m2ないし約40mg/m2の用量で)1サイクルの約1、8、29、36日目に、約1時間注入され、またはシスプラチンは(約4mg/m2ないし約8mg/m2の用量で)サイクルにおいて毎日、注入される。さらに好ましい実施形態では、放射線が、約2Gyの用量および約0.5Gyを毎日同時追加し、一日あたり約0.3ないし約0.8Gyを同時追加し、および1サイクル内の最大全用量が約40Gyないし約80Gy、より好ましい約50Gyないし約70Gyで、適用される。サイクルは、約25ないし約50日、より好ましい約30ないし約40日、最も好ましい約32ないし約38日の長さを有する。
【0165】
NSCLCの治療のための上述の実施形態のうちより好ましい実施形態では、疫刺激剤は、TGF−ベータの拮抗剤であり、さらにより好ましい配列番号1〜127として配列表中で特定されるアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、および、さらにより好ましい配列番号1〜21の配列が上述の日程のとおりに投与される。
【0166】
腫瘍、より好ましい結腸、直腸、胃、小腸、肝臓および/または食道の腫瘍といった消化管腫瘍の治療のための本発明の別の実施形態では、一つ以上の抗腫瘍化学療法剤は、カペシタビン、シスプラチン、エピルビシン、5−フルオロウラシル、メトトレキサート、フォリン酸、イリノテカン、マイトマイシンC、オキサリプラチンおよびビノレビリンの群から選択される。
【0167】
食道腫瘍といった腫瘍の治療のためのさらに別の実施形態では、5−フルオロウラシルおよびシスプラチンが、本発明の医薬組成物の細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する2つの物質である。5−フルオロウラシルが約800mg/mないし約1200mg/mの用量で連続して、より好ましい1サイクルの第1日目ないし第5日目に注入される。さらに、約60mg/mないし約90mg/mの用量のシスプラチンが、静注で、好ましくはサイクルの約第1日目に投与される。
【0168】
消化管腫瘍の治療のための上述の実施形態のうちさらにより好ましい実施形態では、拮抗剤は、TGF−ベータの拮抗剤、さらにより好ましい配列番号1〜127として配列表中で特定されるアンチセンスオリゴヌクレオチド、およびより好ましい配列番号1〜21の配列である。
【0169】
消化管腫瘍といった腫瘍の治療のためのさらに好ましい実施形態では、放射線がさらに、1サイクル内で約40Gyないし約60Gyの全用量で、適用される。さらにより好ましくは、用量は約5回、1週あたり約1Gyないし約2Gyへと分割される。サイクルは、約20ないし約40日後、約25ないし約35日後、または約30日後、繰り返される。
【0170】
さらに好ましい実施形態では、黒色腫といった腫瘍の治療のための本発明の医薬組成物では、細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する一つ以上の物質は、ACNU、BCNU、CCNU、シスプラチン、ダカルバジン、DTIC、ホテムスチン、インターフェロンアルファ、インターロイキン−2、インターフェロンアルファ−2−a、テモゾロマイド、ビンブラスチンの群から選択される。
【0171】
黒色腫の治療のための上述のさらにより好ましい実施形態では、免疫刺激剤は、TGF−ベータの拮抗剤、さらにより好ましい配列番号1〜127として配列表中で特定されるTGF−ベータアンチセンスオリゴヌクレオチド、および、さらにより好ましい1〜78の配列番号の配列である。
【0172】
さらに好ましい実施形態は、前立腺がんといった腫瘍の治療のための本発明による医薬組成物である。好ましい 実施形態では、細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する一つ以上の物質は、ドセタキセル、エストラムスチンリン酸およびミトキサントロンの群から選択される。
【0173】
前立腺がんといった腫瘍の治療のための上述の実施形態のうち、さらにより好ましい実施形態では、拮抗剤は、TGF−ベータの拮抗剤、さらにより好ましい配列番号1〜127として配列表中で特定されるアンチセンスオリゴヌクレオチド、および、さらにより好ましい配列番号1〜21の配列である。
【0174】
さらに別の実施形態では、細胞増殖を抑制し、および/または特定の適応において細胞を誘導する一つ以上の物質を投与するための日程は、最新技術の文献、たとえば、参照により本開示に含まれるプライス(Preiss)2002から取り出しうる。
【0175】
本発明の拮抗剤の医薬組成物は、単独で、または細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する一つ以上の物質と混合されて送られる。混合物は、免疫抑制剤のほかに抗腫瘍剤、より好ましい免疫系の機能に負の影響を与える拮抗剤、より好ましいTGF−ベータ拮抗剤、さらにより好ましいTGFベータアンチセンスオリゴヌクレオチドから構成されうる。本明細書中のこれら二つ以上の物質は化合物とも呼ばれる。
【0176】
一実施形態では、二つ以上の化合物は混合され、および、純粋なまたは医薬品として許容されるキャリヤー内にある。さらに別の実施形態では、医薬組成物の二つ以上の化合物は、分離されおよび純粋であるか、または分離されおよび医薬品として許容されるキャリヤー内にある。一実施形態では、二つ以上の成分は同一の医薬品として許容されるキャリヤーにあり、さらに別の実施形態では、二つ以上の化合物は異なる医薬品として許容されるキャリヤーにある。
【0177】
本発明の医薬組成物を「投与」することは、当業者に公知である任意の手段によって達成されうる。投与経路は、経口、鼻内、気管内、眼、肺、膣、直腸、非経口(たとえば筋肉内、皮内、静脈内、腫瘍内または皮下または直接注射)、局所、経皮を含むがそれらに限定されない。
【0178】
望まれない腫瘍の治療のための医薬組成物の一実施形態では、細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する少なくとも一つの物質および少なくとも一つの免疫刺激剤の組み合わせは、生分解性ポリマーインプラントまたは埋め込みカテーテルによって送られる。
【0179】
「医薬組成物」の語は、この組成物の液体または物質が純粋であるおよび/または医薬品として許容されるキャリヤーと組み合わされていることを含意する。
【0180】
「医薬品として許容されるキャリヤー」は、ヒトまたは他の動物への投与に適した一つ以上の適合する固体または液体増量剤、希釈剤または封入物質を意味する。「キャリヤー」の語は、有効成分が投与を円滑にするために組み合わされている、天然または合成の、有機または無機成分を示す。医薬組成物の成分はまた、本発明の化合物と、および互いに、目的の医薬効力を実質的に損なう相互作用が無いような方法で、混合されうる。
【0181】
そのようなキャリヤーは、治療すべき対象による経口摂取のために本発明の化合物が錠剤、コーティング錠、発泡錠、顆粒剤、トローチ剤、粉剤、丸剤、糖衣錠、(マイクロ)カプセル剤、液剤、ジェル、シロップ剤、スラリー、懸濁剤、乳剤などとして処方されるのを可能にする。
【0182】
医薬組成物はまた、顆粒剤、粉剤、錠剤、コーティング錠、(マイクロ)カプセル剤、坐剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤、クリーム、ドロップ、顕微鏡的金粒子上に被覆、または活性化合物の持続的放出もまた含むことができ、それらの調製物中では、賦形剤および添加剤および/または助剤、たとえば崩壊剤、結合剤、コーティング剤、膨張剤、滑沢剤、香料、甘味料、または可溶化剤が上記のように通例用いられる。
【0183】
ドラッグデリバリーのための現在の方法の短い総説については、参照により本開示に含まれるランガー(Langer)(1990)を参照。
【0184】
経口投与のためには、化合物(すなわち、少なくとも一つの免疫刺激剤および細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する少なくとも一つの物質)は、医薬キャリヤー無しで単独で送られ、または化合物を医薬品として許容されるキャリヤーと組み合わせることによって容易に処方される。
【0185】
一実施形態では、経口使用のための医薬調製物は固体の賦形剤として得られ、結果として生じる混合物を随意的にすりつぶし、および顆粒の混合物を処理し、必要に応じて適当な助剤を加えた後、錠剤または糖衣錠の核を得る。適当な賦形剤は、特に、乳糖、ショ糖、マンニトール、またはソルビトールを含む糖;セルロース調製物、たとえば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、バレイショデンプン、ゼラチン、トラガントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/またはポリビニルピロリドン(PVP)のような増量剤である。
【0186】
さらに別の一実施形態では、架橋ポリビニルピロリドン、アガー、またはアルギン酸またはアルギン酸ナトリウムのようなその塩といった崩壊剤が加えられる。随意的に、経口処方はまた、生理食塩水、または内部酸性条件を中和するための緩衝液中に処方されうる。
【0187】
さらに別の一実施形態では、糖衣錠核が適当なコーティングと共に提供される。この目的のために、濃縮糖溶液を用いることができ、これは随意的に、アラビアガム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、および適当な有機溶媒または溶媒混合物を含みうる。
【0188】
さらに別の一実施形態では、同定のためまたは有効化合物用量の異なる組み合わせを特徴づけるため、染料または色素が錠剤または糖衣錠コーティングに添加される。
【0189】
別の一実施形態では、経口的に用いることができる医薬調製物「ベジキャップ」は、ゼラチン製の硬カプセル、および、ゼラチンおよびグリセロールまたはソルビトールといった可塑剤でできた柔らかい密封カプセルを含む。一実施形態では、硬カプセルは、乳糖といった増量剤、デンプンといった結合剤、および/またはタルクまたはステアリン酸マグネシウムといった滑沢剤、および、随意的に、安定剤との混合物に含まれる有効成分を含む。軟カプセルの別の一実施形態では、有効化合物は、脂肪油、液体パラフィン、または液体ポリエチレングリコールっといった適当な液体中に溶解または懸濁されている。加えて、安定剤を添加できる。
【0190】
さらに別の一実施形態では、経口投与のために処方されるミクロスフィアが用いられ、当業者によく知られている。
【0191】
経口投与のための処方は、そのような投与に適した用量である。
【0192】
口内投与のためのさらに別の一実施形態では、組成物は従来の方法で処方された錠剤またはトローチ剤の形を取りうる。
【0193】
吸入による投与のためのさらに別の一実施形態では、本発明に記載の使用のための化合物は、エアロゾルスプレーの形で、加圧容器またはネブライザーから、適当な推進剤、たとえば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適当な気体を用いて、便利に送ることができる。加圧エアロゾルの場合、用量単位は計量した量を送るためのバルブを提供することによって測定しうる。吸入器または通気器での使用のためのたとえばゼラチンのカプセルおよびカートリッジは、化合物および乳糖またはデンプンといった適当な粉末基剤の混合物を入れて処方しうる。
【0194】
適当な医薬キャリヤーは、たとえば、吸入用の水溶液または生理食塩溶液、マイクロカプセル化、結合、リポソームに封入、噴霧された、エアロゾルである。
【0195】
さらに別の一実施形態では、非経口、くも膜下、脳室内または腫瘍内投与のための化合物の医薬品として許容されるキャリヤーは、緩衝剤、希釈剤、および透過促進剤、キャリヤー化合物および他の医薬品として許容されるキャリヤーまたは賦形剤といった、しかしそれらに限られない他の適当な添加剤もまた含みうる滅菌水溶液を含む。
【0196】
化合物の全身デリバリーのためのさらに別の一実施形態では、化合物は、注射(たとえば、ボーラス注射または連続輸液による)による非経口投与のための医薬キャリヤーに含まれる。注射用処方は、単位用量剤形で、たとえば、アンプルでまたは複数回投与容器で、添加された保存料と共に与えることができる。医薬組成物は、懸濁剤、液剤、または油性または水性媒体中の乳剤といった形を取り、および懸濁剤、安定剤および/または分散剤といった処方用物質を含む。
【0197】
一実施形態では、非経口投与用の医薬キャリヤーは、水溶型の活性化合物の水溶液を含む。
【0198】
さらに別の一実施形態では、化合物の懸濁液が適当な油性注射懸濁剤として調製される。適当な親油性溶媒または媒体は、ゴマ油といった脂肪油、またはオレイン酸エチルまたはトリグリセリドといった合成脂肪酸エステル、またはリポソームを含む。水性注射懸濁剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランといった、懸濁液の粘度を高める物質を含む。随意的に、懸濁剤はまた、適当な安定剤、または高度に濃縮された溶液の調製を可能にするための化合物の溶解度を高める物質も含みうる。
【0199】
さらに別の一実施形態では、活性化合物は、たとえば、パイロジェンフリー滅菌水といった適当な媒体を用いた使用前の再構成のための粉末形であることができ、または鋭利な物体上で乾燥させて皮膚に掻き入れることができる。
【0200】
さらに別の一実施形態では、化合物は、カカオバターまたは他のグリセリドといった従来の坐剤基剤を含む、たとえば坐剤または保留浣腸または錠剤といった直腸または膣組成物に処方される。
【0201】
さらに別の一実施形態では、化合物はデポ調製物として処方される。一実施形態では、そのような長期に作用する処方は、適当なポリマー材料または疎水性材料(たとえば許容される油中の乳液として)またはイオン交換樹脂と共に、またはやや溶けにくい誘導体として、たとえばやや溶けにくい塩として、処方される。
【0202】
別の実施形態では、デリバリーシステムは、徐放、遅延放出、または持続放出デリバリーシステムを含む。そのような系は、化合物の反復投与を回避でき、対象および医師にとっての利便性を高める。多数の種類の放出デリバリーシステムが利用可能でありおよび当業者に公知である。
【0203】
一実施形態では、デリバリーシステムはポリ(ラクチド−グリコリド)、オキサラート共重合体、ポリカプロラクトン、ポリエステルアミド、ポリオルトエステル、ポリヒドロキシ酪酸、およびポリ無水物といったポリマー基礎系を含む。前記ポリマーの薬物入りのマイクロカプセルは、たとえば、米国特許第5,075,109号明細書に記載されている。
【0204】
別の一実施形態では、デリバリーシステムは、たとえばコレステロールといったステロール,コレステロールエステルおよび脂肪酸またはモノ、ジ、およびトリグリセリドといった中性脂肪を含む脂質;ハイドロゲル放出系;シラスチック系;ペプチドを基礎とする系;ワックスコーティング;従来の結合剤および賦形剤を用いる圧縮錠;部分的に融合したインプラント;などである非ポリマー系を含む。
【0205】
具体例は、(a)本発明の薬剤が米国特許第4,452,775号、第4,675,189号および第5,736,152号明細書に記載のもののようなマトリクス内部の形で含まれる腐食系、および(b)有効成分が米国特許第3,854,480号、第5,133,974号および第5,407,686号明細書に記載のもののようなポリマーから調節された速度で浸透する拡散系を含むがそれらに限定されない。加えて、ポンプを基礎とするハードウェアデリバリーシステムを用いることができ、その一部は埋め込みに適応される。
【0206】
さらに別の実施形態では、拮抗剤および抗悪性腫瘍剤は、緩やかに分解する修飾コラーゲン線維から成る市販製品であるゲルフォーム(GELFOAM)(登録商標)と共に処方される。
【0207】
一実施形態では、医薬組成物はまた適当な固相またはゲル相キャリヤーまたは賦形剤を含む。そのようなキャリヤーまたは賦形剤の例は、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、さまざまな糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、およびポリエチレングリコールのようなポリマーを含むがそれらに限定されない。
【0208】
一実施形態では、免疫刺激剤および細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する物質は、希釈せずにまたは医薬として許容可能な塩の形で投与される。塩は医薬として許容可能でなければならないが、しかし医薬として許容されない塩は、その医薬として許容可能な塩を調製するために便利に使用されうる。そのような塩は、下記の酸から調製されるものを含むがそれらに限定されない:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、p−トルエンスルホン酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸、ナフタレン−2−スルホン酸、およびベンゼンスルホン酸。また、そのような塩は、カルボン酸基のナトリウム、カリウムまたはカルシウム塩といった、アルカリ金属塩またはアルカリ土類塩として調製しうる。
【0209】
一実施形態では、適当な緩衝剤は:酢酸および塩(1〜2%w/v);クエン酸および塩(1〜3%w/v);ホウ酸および塩(0.5〜2.5%w/v);およびリン酸および塩(0.8〜2%w/v)を含むがそれらに限定されない。
【0210】
適当な保存料は、塩化ベンザルコニウム(0.003〜0.03%w/v);クロロブタノール(0.3〜0.9%w/v);パラベン(0.01〜0.25%w/v)およびチメロサール(0.004〜0.02%w/v)を含む。
【0211】
一実施形態では、本発明に記載の医薬組成物の少なくとも2つの化合物の局所投与のための医薬品として許容されるキャリヤーは、経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ジェル、ドロップ、坐剤、スプレー、液剤および粉剤を含む。従来の医薬キャリヤー、水性、粉末または油性基剤、増粘剤などが必要または望ましい可能性がある。さらに別の一実施形態では、コーティングしたコンドーム、手袋などが有用である。
【0212】
さらに別の一実施形態では、医薬組成物はまた、食事性配送を促進するために透過促進剤を含む。透過促進剤は五つの広いカテゴリ、すなわち、脂肪酸、胆汁酸塩、キレート剤、界面活性剤および非界面活性剤(リー(Lee)ら、1991,ムラニシ(Muranishi)1990)のうちの一つに属すると分類しうる。これらの広いカテゴリのうち一つ以上からの一つ以上の透過促進剤を含めることができる。
【0213】
透過促進剤として作用する、さまざまな脂肪酸およびその誘導体は、たとえば、オレイン酸、ラウリン酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、ジカプリン酸、トリカプリン酸、レシンリエート(recinleate)、モノオレイン(別名1−モノオレオイル−rac−グリセロール)、ジラウリン、カプリル酸、アラキドン酸、1−モノカプリン酸グリセリル、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン、アシルカルニチン、アシルコリン、モノおよびジグリセリドおよびそれらの生理的に許容可能な塩(すなわち、オレイン酸塩、ラウリン酸塩、カプリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、リノール酸塩など)を含む(リー(Lee)ら、1991,ムラニシ(Muranishi)1990,エル・ハリリ(El−Hariri)ら、1992)。一部の現在好ましい脂肪酸の例はカプリン酸ナトリウムラウリン酸ナトリウムであり、単独でまたは組み合わせて0.5から5%の濃度にて用いられる。
【0214】
胆汁の生理的役割は、脂質および脂溶性ビタミンの分散および吸収の促進を含む(ブルントン(Brunton)1996)。さまざまな天然胆汁酸塩、およびその合成誘導体が透過促進剤として作用する。したがって、「胆汁酸塩」の語は、胆汁の天然に存在する成分のすべておよびそれらの任意の合成誘導体を含む。現在好ましい胆汁酸塩はケノデオキシコール酸(CDCA)(シグマ・ケミカル社(Sigma Chemical Company)、ミズーリ州セントルイス)であり、一般的に0.5から2%の濃度にて用いられる。
【0215】
一つ以上の透過促進剤を含む複合処方を用いることができる。たとえば、胆汁酸塩は脂肪酸と組み合わせて用いて複合処方を作ることができる。好ましい組み合わせは、カプリン酸ナトリウムまたはラウリン酸ナトリウム(一般的に0.5から5%)と組み合わせたCDCAを含む。
【0216】
一実施形態では、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)、クエン酸、サリチル酸塩(たとえば、サリチル酸ナトリウム、5−メトキシサリチル酸塩およびホモバニラート)、コラーゲンのN−アシル誘導体、ラウレス−9、およびベータ−ジケトンのN−アミノアシル誘導体(エナミン)(Leeら、1991;Muranishi 1990;Buurら、1990)を含むがそれらに限定されないキレート剤が追加として用いられる。キレート剤は、DNアーゼ阻害剤としても作用する追加の長所を有する。
【0217】
さらに別の一実施形態では、加えて界面活性剤が用いられる。界面活性剤は、たとえば、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテルおよびポリオキシエチレン−20−セチルエーテル(リー(Lee)ら、1991);およびペルフルオロケミカルエマルション、たとえばFC−43(タカハシ(Takahashi)ら、1988)を含む。
【0218】
非界面活性剤は、たとえば、不飽和環状尿素、1−アルキル−および1−アルケニルアザシクロ−アルカノン誘導体(リー(Lee)ら、1991);および非ステロイド抗炎症剤、たとえばジクロフェナクナトリウム、インドメタシンおよびフェニルブタゾン(ヤマシタ(Yamashita)ら、1987)を含む。
【0219】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は加えて、本分野で確立された使用レベルで、医薬組成物に従来見られる他の添加成分を含む。したがって、たとえば組成物は、たとえば鎮痒薬、収斂薬、局所麻酔薬または抗炎症剤といった医薬として活性である適合する追加の材料を含むことができ、または、色素、香料、保存料、抗酸化剤、乳白剤、増粘剤および安定剤といった、本発明の組成物のさまざまな剤形を物理的に処方するのに有用である追加の成分を含みうるが、しかし、そのような材料は、添加される場合、本発明の組成物の成分の生物活性に過度に干渉すべきでない。
【実施例】
【0220】
本明細書に示される臨床試験は主として安全性試験として設計され、および部門倫理委員会によって承認され、および現行のヒトを対象とする医学的研究のヘルシンキ宣言およびGCPに準拠して実施され、および募集前に書面のインフォームドコンセントに署名しなければならなかった。
【0221】
特記されない場合は、抗悪性腫瘍剤を用いた治療は通常のスケジュールに従った。TGF−ベータ拮抗剤である配列番号30のTGF−ベータのアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた処置の前に、患者は下記の判定基準に従って選択された。
【0222】
患者は、標準の治療法(手術、放射線療法、および抗悪性腫瘍物質を用いた異なる治療法)に不応性またはその後再発した、未分化星細胞腫WHOグレードIII、または神経膠芽腫WHOグレードIVのどちらかの重度神経膠腫を有した。患者は拮抗剤の投与の10日前以内に抗悪性腫瘍剤を投与されていなかった。患者は18歳ないし75歳であった。カルノフスキー一般状態尺度(KPS)は少なくとも70%であった。臨床的に重大な急性感染、心臓疾患異常または管理が不十分な発作のある患者および妊婦および授乳婦は除外した。
【0223】
手術計画はコンピューター断層撮影または磁気共鳴像を基礎とした。カテーテルの穿孔部を腫瘍の固形の造影部分に配置した。室、嚢胞、以前の外科的介入に由来する切除腔、血管および脳の機能野は、カテーテル経路によって避けられなければならない。カテーテルは標準的な頭蓋の穿孔を通して最大の腫瘍病変の中心へ導入された。カテーテルの遠位端は皮膚を通して頭蓋下に数センチメートル通し、および生理食塩水で満たした。配列番号30のTGF−ベータ2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドを、連続的高流量微小灌流として、体外ポンプ系のグラズビー(Graseby)3200(スミス・メディカル社(Smith Medical)、ロンドン、GBM)を用いて腫瘍内に投与した。ポート系およびポンプは図1にしたがって配置した。投与系は輸液の終了後に除去した。安全性評価のために、患者を28日間追跡した。試験後MRIおよび死亡までの生存データが試験者によって回収された。
【0224】
実施例1
組織学的にグレードIII未分化星細胞腫と診断された47歳男性が、いくつかの抗悪性腫瘍剤および配列番号30のTGF−ベータ2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドの併用療法を受けた。投与した抗悪性腫瘍剤は、ACNUと共にテノポシド、テモゾロマイド、およびPEG化リポソームドキソルビシン(シーリクス(Caelyx)(登録商標))であった。ACNUは一部テノポシドと並行して投与され、各サイクルの初日にACNU90mg/m2および各サイクルの1〜3日にテノポシド60mg/m2であった。各サイクルは42日で構成され、これらのサイクルの4回が実現した。約2年後、患者は3サイクルのテモゾロマイドで治療された。28日の各サイクルは、1〜5日目のテモゾロマイド75mg/m2の投与で開始した。この治療の約8ヶ月後、PEG化リポソームドキソルビシン(シーリクス(登録商標))を42日の5サイクルで投与し、サイクルの4日目と14日目に20mg/m2、次いで一週間朝および夜に160mgタモキシフェン投与を行った。
【0225】
標準のスケジュールに準拠したこれらの抗悪性腫瘍剤を用いた治療法は最終的に不成功であり、およびしたがって患者は配列番号30のTGF−ベータ2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた試験に入れられ、驚くべき成功を示した。この試験の開始時に磁気共鳴像は、3個の腫瘍を左前頭葉に、および別の1個の腫瘍を右半球に、および全体の浮腫を示した。上記の抗悪性腫瘍剤を用いた化学療法の後に、1サイクルの配列番号30のTGF−ベータ2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチド(10μMを含む滅菌パイロジェンフリー等張0.9%NaCl溶液、4μL/分、計1.42mgを4日間で)が腫瘍内に、最大の腫瘤内への埋め込みカテーテルによって適用された。配列番号30のTGF−ベータ2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドの開始から6ヶ月後、最大の腫瘍病変の明らかな縮小が診断可能であった。カテーテルによって個別に標的にされなかったが、3個のより小さい腫瘍もまた完全に消失した。加えて、浮腫が低減した。配列番号30のTGF−ベータ2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドの最初の投与から17ヶ月後、最大の腫瘍はもうほとんど計測できなかった。4ヶ月後、完全な反応が3名の別の専門家によって評価された。これらの知見は、臨床的改善を伴った。患者は腫瘍再発の徴候無しに心筋梗塞のため死亡し、および、最初の再発後195週、および未分化星細胞腫の診断後208週の全生存期間を経験した。
【0226】
実施例2
45歳の男性患者が未分化星細胞腫(WHOグレードIII)と診断された。診断に続いて手術および放射線療法を実施した。3回200mg/m2のテモゾロマイドを標準スケジュールに従って2ヶ月の間に投与した。ここでもこの治療法は不成功であった。したがって患者は配列番号30のTGF−ベータ2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた試験に入れられた。このオリゴヌクレオチドを2サイクル、濃度80μMおよび流速8μl/分で各4日間、腫瘍組織内部に配置されたカテーテルを通じて投与した。その後、患者は追加の10サイクルを4ヶ月の間に投与された。オリゴヌクレオチドの最後のサイクル後、最初のオリゴヌクレオチド処置から約10ヶ月後に、患者は7サイクルのリポソームドキソルビシン(シーリクス(Caelyx)(登録商標))を投与された。
【0227】
化学療法を心毒性(心室性頻拍)のために中断しなければならなかったため、予定の8回目のサイクルは開始できなかった。その時から患者は抗腫瘍治療法または副腎皮質ステロイドを全く投与されなかった。最後の磁気共鳴像は、オリゴヌクレオチド処置の開始の19.4ヶ月後に撮影された。これらの画像は評価され、および中央の読みに顕著な部分反応(83%腫瘍縮小)およびこれまで文献に報告されていない全生存期間を示した。
【0228】
これは、驚くべきことに放射線療法、抗悪性腫瘍剤および拮抗剤の併用は明らかに、たとえば神経膠腫、神経膠芽腫および/または星細胞腫といった腫瘍の治療において相乗作用を示すことのさらなる証明である。
【0229】
実施例3
抗悪性腫瘍剤を免疫系に負に影響する因子の拮抗剤(ここでは配列番号30のTGF−ベータのアンチセンスオリゴヌクレオチド)と併用して治療した患者の生存データの、抗悪性腫瘍単独を用いた治療についての文献データとの比較。生存期間は腫瘍再発後の最初の化学療法の開始から与えられる。抗悪性腫瘍剤および配列番号30のTGF−ベータ2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドで治療した全患者の全生存期間中央値(未分化星細胞腫:8名、神経膠芽腫、23名)が、最新の文献データ(テオドソポウロス(Theodosopoulos),P.V.ら、2001)と比較される。
【0230】
【表1】

AA,未分化星細胞腫;GBM,多型性神経膠芽腫
F,女性;M,男性
KPS,カルノフスキー一般状態尺度
ベースラインの腫瘍サイズ;n/e=評価不能
複数病変,全病変の総量が表示されている
TMZ,テモゾロマイド;CaeTam,シーリクス(Caelyx)(登録商標)+タモキシフェン;Surg,手術
詳細は表1を参照
DEX,デキサメタゾン;MP,メチルプレドニゾロン
【0231】
試験からの患者の特徴の要約。患者01、13および16は各2サイクルのPEG化リポソームドキソルビシン(シーリクス(Caelyx)(登録商標))を投与され、患者14は2サイクルのPCV(プロカルバジン、ロムスチン(CCNU)、ビンクリスチン)を配列番号30のTGF−ベータ2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチド処置後に投与され,他のすべての患者はオリゴヌクレオチド処置後に抗腫瘍治療を受けなかった。患者17は追加の10回のオリゴヌクレオチドサイクルを投与された。オリゴヌクレオチドの最後のサイクル後、その患者は7サイクルのPEG化リポソームドキソルビシンを投与された。
【0232】
患者04および17の腫瘍量の縮小は80%を超えた。腫瘍量は最初の層における造影病変の最大の断面径、および最初のものと直角な、同一の平面および層における最大の断面径の測定によって評価された。第3の次元については、最初のものと直角なすべての他の面の最大の断面径を測定した。
【0233】
抗悪性腫瘍剤単独を用いた治療についての文献データと比較して、生存データは、一つ以上の抗悪性腫瘍剤(たとえばテモゾロマイドおよび/またはプロカルバジン)を用いて配列番号30のTGF−ベータ2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドの投与前に処置した患者の、明らかに長い生存を示す。
【0234】
データは化学治療の開始後に計算される。この手法によると、我々の試験における全生存期間中央値はAAについて147週およびGBMについて42.4週であった。データは、オリゴヌクレオチドを化学治療(主にテモゾロマイド)後に用いた場合、最も新しくおよび正確な生存データが利用可能なテモゾロマイド単独についての比較可能な文献データよりも長い全生存期間中央値を示す:それぞれ未分化星細胞腫について約147週対42週(テオドソポウロス(Theodosopoulos),P.V.ら、2001)、およびGBMについて45週対約32週(テオドソポウロス,P.V.ら、2001;ユン(Yung),W.K.ら、2000;ユン,W.K.2000;ブランデス(Brandes),A.A.ら、2001)。
【0235】
これらの結果は、驚くべきことに、腫瘍、たとえばAAに罹患した患者において、拮抗剤、配列番号30のTGF−ベータ2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドおよび少なくとも一つの他の抗悪性腫瘍剤(たとえばテモゾロマイド)の併用で治療した患者の明らかな生存の利益があることを示す(平均全生存期間146.6週対すべての未分化星細胞腫患者の90週)。
【0236】
実施例4
テモゾロマイドは、従来の医薬キャリヤーと混合されるカプセル形で経口投与されうる。テモゾロマイドカプセル処方の一例は下記:
【表2】

【0237】
配列番号30で特定されるTGF−ベータ2アンチセンスオリゴヌクレオチドは無菌条件下で滅菌パイロジェンフリー0.9%NaCl溶液に溶解され、および、外科的に埋め込まれて開口端が腫瘍内に配置されたカテーテルへの投与のために用意される。カテーテルは市販のポート系と接続され、その中へAP12009溶液が投与される。
【0238】
実施例5
ヒト形質転換成長因子TGF−ベータ1に対するアンチセンスm−RNA:
CTGCAGCCTTGACCTCCCAGGATCAAGTGATCCTCCCACCTTAGCCTCCAGAGTAGCTGGGACCACAGGTGTACATTTTTTAAAAGTGTTTTGTAGAGATAGGGTCTCACTATGTTACCCAGGCTGGTCTCAAATGCCTGGATTCAAGTATCCTCCCATCTCTGCCTCCCAAAAGTGCTAGGATTACAGGCGTGAGCACCCCGCCTGGCCTGAACTACTATCTTTTATTGTCTTCTTCACTATCCCCCACTAAAGCAGGTTCCTGGTGGGCAGGAACTCCTCCCTTAACCTCTCTGGGCTTGTTTCCTCAACCTTTAAAATGGGTGTTATCAGAGTCCCTGCCATCTCAGAGTGTTGCTATGGTGACTGAATGAGTTCATTAATGTAAGGCACTTCAACAGTGCCCAAGGTGCTCAATAAATAGATCTAACTACAGTAGTGTTCCCCACTGGTCCCCTGTGCCTTGATGCCGGGCAAAGGAATAGTGCAGACAGGCAGGAGGAGGCAGAGAGGGAGAGAGAGGGAGTGGGAGTGGGGGAACGTCAGGGATGGAGACCCCAGGCAGGCGCCCAATGACACAGAGATCCGCAGTCCTCTCTCCATCTTTAATGGGGCCCCAGGTGGGCTTGGGGCACGGTGTCCTTAAATACAGCCCCCATGGGCAAGGCAGCGGGGGCGGGGCGGGGTGGGGCCGGGCCTGCCGGGGCGGGGCGGGGCGGGGCGGGACCTCAGCTGCACTTGCAGGAGCGCACGATCATGTTGGACAGCTGCTCCACCTTGGGCTTGCGGCCCACGTAGTACACGATGGGCAGCGGCTCCAGCGCCTGCGGCACGCAGCACGGCGCCGCCGAGGCGCCCGGGTTATGCTGGTTGTACAGGGCCAGGACCTTGCTGTACTGCGTGTCCAGGCTCCAAATGTAGGGGCAGGGCCCGAGGCAGAAGTTGGCATGGTAGCCCTTGGGCTCGTGGATCCACTTCCAGCCGAGGTCCTTGCGGAAGTCAATGTACAGCTGCCGCACGCAGCAGTTCTTCTCCGTGGAGCTGAAGCAATAGTTGGTGTCCAGGGCTCGGCGGTGCCGGGAGCTTTGCAGATGCTGGGCCCTCTCCAGCGGGGTGGCCATGAGAAGCAGGAAAGGCCGGTTCATGCCATGAATGGTGGCCAGGTCACCTCGGCGGCCGGTAGTGAACCCGTTGATGTCCACTTGCAGTGTGTTATCCCTGCTGTCACAGGAGCAGTGGGCGCTAAGGCGAAAGCCCTCAATTTCCCCTCCACGGCTCAACCACTGCCGCACAACTCCGGTGACATCAAAAGATAACCACTCTGGCGAGTCGCTGGGTGCCAGCAGCCGGTTGCTGAGGTATCGCCAGGAATTGTTGCTGTATTTCTGGTACAGCTCCACGTGCTGCTCCACTTTTAACTTGAGCCTCCTCAGCAGACGCAGCTCTGCCCGGGAGAGCAACACGGGTTCAGGTACCGCTTCTCGGAGCTCTGATGTGTTGAAGAACATATATATGCTGTGTGTACTCTGCTTGAACTTGTCATAGATTTCGTTGTGGGTTTCCACCATTAGCACGCGGGTGACCTCCTTGGCGTAGTAGTCGGCCTCAGGCTCGGGCTCCGGTTCTGCACTCTCCCCGGCCACCCGGTCGCGGGTGCTGTTGTACAGGGCGAGCACGGCCTCGGGCAGCGGGCCGGGCGGCACCTCCCCCTGGCTCGGGGGGCTGGCGAGCCGCAGCTTGGACAGGATCTGGCCGCGGATGGCCTCGATGCGCTTCCGCTTCACCAGCTCCATGTCGATAGTCTTGCAGGTGGATAGTCCCGCGGCCGGCGGGCCAGGCGTCAGCACCAGTAGCCACAGCAGCGGTAGCAGCAGCGGCAGCAGCCGCAGCCCGGAGGGCGGCATGGGGGAGGCGGCGCCCCCCGGCACTGCCGAGAGCGCGAACAGGGCTGGTGTGGTGGGGAGGCCCCGCCCCTGCAGGGGCTGGGGGTCTCCCGGCAAAAGGTAGGAGGGCCTCGAGGGAAAGCTGAGGCTCCTCAGGGAGAAGGGCGCAGTGGTGGAGGGGAGGCTTGGACCGGGGGTGTCTCAGTATCCCACGGAAATAACCTAGATGGGCGCGATCTGGTACCAGAAGGTGGGTGGTCTTGAATAGGGGATCTGTGGCAGGTCGGAGAGAGATCCGTCTCCTGGAGGAGAAAGGGTCTAGGATGCGCGGGGGCTCAGGAGACAGGCCGGGGATGAAGGCGGCGTGCAGGGGGTGCGCCCGAGGTCTGGGGAAAAGTCTTTGCGGGAGGCCGGGTCGGCGACTCCCGAGGGCTGGTCCGGAATGGGGGCGCCTGAGGGACGCCGTGTAGGGGGCAGGGAGGGAGCAAGCGTCCCCGGCGGCAAAGGGAGGCGGTCTGGGGTCCCCAAGTCCTGCCTCCTCGCGGGGCAGCGTCGCGCCAAGAGGTCCCCGCGCCTCCGGCTCCCAGCGGCAACGGAAAAGTCTCAAAAGTTTTTTTCCTCTTCTCCCGACCAGCTCGTCCCTCCTCCCGCTCCTCCTCCCCCTCCTCCCCGCAGTGGCGGGGGCGGCGGCGGCTCGTCTCAGACTCTGGGGCCTCAGGCTGCTCCTCGGCGACTCCTTCCTCCGCTCCGGGCCGAGGCCGGCCCCGCGGGCGGCTCAGAGCCGGGGGGGGTGCCCCGGACGGGGCGTCCCCCCTGCCCCCGGCCGGGGCCCTCGCTGTCTGGCTGCTCCGCGGAGGGAGGT
【0239】
ヒト形質転換成長因子TGF−ベータ2のアンチセンスm−RNA:
TTTAAAAAAATTTGCTTCTTGTCTCTCTCACTTACAAAGTAGGTGAAATGTAGAATAAGGCCTTCAACTTTTTTTGTGTCAGATGCCAGTTTTAACAAACAGAACACAAACTTCCAAAGTGTCTGAACTAGTACCGCCTTTTCAAAAATTTTTTAACACTGATGAACCAAGGCTCTCTTATGTTTTCTTGTTACAAGCATCATCGTTGTCGTCGTCATCATCATTATCATCATCATTGTCATTTTGGTCTTGCCACTTTTCCAAGAATTTTAGCTGCATTTGCAAGACTTTACAATCATATTAGAAAGCTGTTCAATCTTGGGTGTTTTGCCAATGTAGTAGAGAATGGTTAGAGGTTCTAAATCTTGGGACACGCAGCAAGGAGAAGCAGATGCTTCTGGATTTATGGTATTATATAAGCTCAGGACCCTGCTGTGCTGAGTGTCTGAACTCCATAAATACGGGCATGCTCCAGCACAGAAGTTGGCATTGTACCCTTTGGGTTCGTGTATCCATTTCCACCCTAGATCCCTCTTGAAATCAATGTAAAGTGGACGTAGGCAGCAATTATCCTGCACATTTCTAAAGCAATAGGCCGCATCCAAAGCACGCTTCTTCCGCCGGTTGGTCTGTTGTGACTCAAGTCTGTAGGAGGGCAATAACATTAGCAGGAGATGTGGGGTCTTCCCACTGTTTTTTTTCCTAGTGGACTTTATAGTTTTCTGATCACCACTGGTATATGTGGAGGTGCCATCAATACCTGCAAATCTTGCTTCTAGTTCTTCACTTTTATTTGGGATGATGTAATTATTAGATGGTACAAAAGTGCAGCAGGGACAGTGTAAGCTTATTTTAAATCCCAGGTTCCTGTCTTTATGGTGAAGCCATTCATGAACAGCATCAGTTACATCGAAGGAGAGCCATTCGCCTTCTGCTCTTGTTTTCACAACTTTGCTGTCGATGTAGCGCTGGGTTGGAGATGTTAAATCTTTGGACTTGAGAATCTGATATAGCTCAATCCGTTGTTCAGGCACTCTGGCTTTTGGGTTCTGCAAACGAAAGACTCTGAACTCTGCTTTCACCAAATTGGAAGCATTCTTCTCCATTGCTGAGACGTCAAATCGAACAATTCTGAAGTAGGGTCTGTAGAAAGTGGGCGGGATGGCATTTTCGGAGGGGAAGAAGGGCGGCATGTCTATTTTGTAAACCTCCTTGGCGTAGTACTCTTCGTCGCTCCTCTCGCGCTCGCAGGCGGCCGCCCTCCGGCTCGCCTTCTCCTGGAGCAAGTCCCTGGTGCTGTTGTAGATGGAAATCACCTCCGGGGGGACTTCCTCGGGCTCAGGATAGTCTTCTGGGGGACTGGTGAGCTTCAGCTTGCTCAGGATCTGCCCGCGGATCGCCTCGATCCTCTTGCGCATGAACTGGTCCATATCGAGTGTGCTGCAGGTAGACAGGCTGAGCGCGACCGTGACCAGATGCAGGATCAGAAAAGCGCTCAGCACACAGTAGTGCATTTTTTAAAAAAGTGGAAAAAAAAGTTGTTTTTAAAAGTCAGAATAAAAAAAAAGAAATCAACAATTCTCAAAGTATAGATCAAGGAGAGTTGTTTGGTTTTTTGTTGTTGTTGTTTGTTTTTGATGCGAAACTTTTGCAAACAATCTAGTCAATGCCCAACAGAAAAACGTATCCTGCTTG
【0240】
ヒトTGF−ベータ3のm−RNAのアンチセンス
CAGGATGCCCCAAAAATATTTATTTATACAAAGATTTTGAGAGTAATATTCATACTTGTCTTTATACCTCAGTCTATGCGTCTGGGGCCAAGTCACTGTGTGGCACATGTCGAGCTTCCCCGAATGCCTCACATGTTGTCGCACCTGCTTCCAGGAACACCAAATGAACACAGGGTCTTGGAGGGGAAGTGGGGGAAGAACCCATAATGCCCCAACCCTGCATGGAACCACAATCCAGAAATGTGCATCCTGACCTGGAAGGCGTCTAACCAAGTGTCCAAGGGGAAATATGATCGAGGGAGAGGTGAGAGGAGGGACCCAGAGGCAGACAGGAGAGGGTTGATTTCCACCCTTTCTTCTGCGTTCAGCATATCCAAAAGGCCCAATACAGTTGATGGGCCAGGAACTGCATGACCTGGATTTTCTCCCTGTAGTGACCCACGATGTTAATTGATGTAGAGGACAGTTTGCAAAAGTAATAGATTTGCCCTTAATCCCAGACAGTATGAGATACAATTCTGGGACTTTGTCTTCGTAACCTGTCTTTAAAAAAAAAAAAAAATGCTTGCCTTGTATAACATAATCCAGATTCCCTAGAGCAGATGTGGTACAGCAATGAGCAAATCCAACCTCAGATCTGAAGTGTCTTCCAGTCTGGCCCTGACCCAGCCATTCTCTGCCCTTCCTTCTCCCTTTAGGGTAGCCCAAATCCCATTGCCACACAACATCTCAACTTACCATCCCTTTCCTCTATCCCCATCCCCTCTGTCTGCGTCACAGAAAGTCTGTGTGTTCTGAAGAGTTCAGCCTTCCTCTAACCAAACCCACACTTTCTTTACCACCGTGATTCTCAGAGCCAGCAAGAAAGAAATGTTCCAAAAGGAAACCTCCATCTCAGCCATTTGCCCGGAGCCGAAGGTTGTGGGCTCCAGGCCTCTCAGTGAGGTTTGTTGCTTGTGTGTTTCCCGAGGAGCGGGCAGTCAGGCAGTGGTGGTTCTCTCTCCCCTCTCTCTGTCGCACGTGGGGTCTCAGCTACATTTACAAGACTTCACCACCATGTTGGAGAGCTGCTCCACTTTGGGGGTCCTCCCAACATAGTACAGGATGGTCAGGGGCTCCAGGTCCTGGGGCACGCAGCAAGGCGAGGCAGATGCTTCAGGGTTCAGAGTGTTGTACAGTCCCAGCACCGTGCTGTGGGTTGTGTCTGCACTGCGGAGGTATGGGCAAGGGCCTGAGCAGAAGTTGGCATAGTAGCCCTTAGGTTCATGGACCCACTTCCAGCCCAGATCCTGTCGGAAGTCAATGTAGAGGGGGCGCACACAGCAGTTCTCCTCCAAGTTGCGGAAGCAGTAATTGGTGTCCAAAGCCCGCTTCTTCCTCTGACCCCCCTGGCCCGGGTTGTCGAGCCGGTGTGGGGGAATCATCATGAGGATTAGATGAGGGTTGTGGTGATCCTTCTGCTTCTTGAGGCGCCCCAGATCTCCACGGCCATGGTCATCCTCATTGTCCACGCCTTTGAATTTGATTTCCATCACCTCGTGAATGTTTTCCAGGATATCTCCATTGGGCTGAAAGGTGTGACATGGACAGTGAATGCTGATTTCTAGACCTAAGTTGGACTCTCTTCTCAACAGCCACTCACGCACAGTGTCAGTGACATCAAAGGACAGCCACTCGGCAGTGCCCCGTGTGGGCAGATTCTTGCCACCGATATAGCGCTGTTTGGCAATGTGCTCATCTGGCCGAAGGATCTGGAAGAGCTCGATCCTCTGCTCATTCCGCTTAGAGCTGGGGTTGGGCACCCGCAAGACCCGGAATTCTGCTCGGAATAGGTTGGTTCTATTTTTCTCCACTGAGGACACATTGAAGCGGAAAACCTTGGAGGTAATTCCTTTAGGGCAGACAGCCAGTTCGTTGTGCTCCGCCAGCCCCTGGATCATGTCGAATTTATGGATTTCTTTGGCATAGTATTCCGACTCGGTGTTTTCCTGGGTGCAGCCTTCCTCCCTCTCCCCATGCATCTCCTCCAGCAGCTCCCGGGTGCTGTTGTAAAGGGCCAGGACCTGATAGGGGACGTGGGTCATCACCGTTGGCTCAGGGGGGCTGGTGAGCCTGAGCTTGCTCAAGATCTGTCCCCTAATGGCTTCCACCCTCTTCTTCTTGATGTGGCCGAAGTCCAAGGTGGTGCAAGTGGACAGAGAGAGGCTGACCGTGGCAAAGTTCAGCAGGGCCAGGACCACCAGAGCCCTTTGCAAGTGCATCTTCATGTGTGAGCTGGGAAGAGAGGCCAGGGGGACGGCAAGGCCTGGAGAGGAAGAGACCCCAGCAGACGTGCAGAAGGAGGGAGGAAAACCAGGCGGCCTCCCCAGATCCCAAAGACTGAGGCTTGGCAAGAAGGTGCATGAACTCACTGCACTGCGAGAGCTTCAGGACTTCCAGGAAGCGCTGGCAACCCTGAGGACGAAGAAGCGGACTGTGTGCCTTGTAGCGCTGGGATTCTTGTCCATGTGTCTAAACAGGTTTTGCTGG
【0241】
ヒトインターロイキン10アンチセンスのm−RNAのアンチセンス
TCACCCTATGGAAACAGCTTAAAAACAGGTGAAAATAATAAATATTGAAAAAAATTATAATATTGGGCTTCTTTCTAAATCGTTCACAGAGAAGCTCAGTAAATAAATAGAAATGGGGGTTGAGGTATCAGAGGTAATAAATATTCTATAAGAGAGGTACAATAAGGTTTCTCAAGGGGCTGGGTCAGCTATCCCAGAGCCCCAGATCCGATTTTGGAGACCTCTAATTTATGTCCTAGAGTCTATAGAGTCGCCACCCTGATGTCTCAGTTTCGTATCTTCATTGTCATGTAGGCTTCTATGTAGTTGATGAAGATGTCAAACTCACTCATGGCTTTGTAGATGCCTTTCTCTTGGAGCTTATTAAAGGCATTCTTCACCTGCTCCACGGCCTTGCTCTTGTTTTCACAGGGAAGAAATCGATGACAGCGCCGTAGCCTCAGCCTGAGGGTCTTCAGGTTCTCCCCCAGGGAGTTCACATGCGCCTTGATGTCTGGGTCTTGGTTCTCAGCTTGGGGCATCACCTCCTCCAGGTAAAACTGGATCATCTCAGACAAGGCTTGGCAACCCAGGTAACCCTTAAAGTCCTCCAGCAAGGACTCCTTTAACAACAAGTTGTCCAGCTGATCCTTCATTTGAAAGAAAGTCTTCACTCTGCTGAAGGCATCTCGGAGATCTCGAAGCATGTTAGGCAGGTTGCCTGGGAAGTGGGTGCAGCTGTTCTCAGACTGGGTGCCCTGGCCTGGGCTGGCCCTCACCCCAGTCAGGAGGACCAGGCAACAGAGCAGTGCTGAGCTGTGCATGCCTTCTTTTGCAAGTCTGTCTTGTGGTTTGGTTTTGCAAGAGCAACCCCCTGATGTGTAGACCTTCACCTCTCTGTCCCCCTTTTATATTGTAAGCTCAGGGAGGCCTCTTCATTCATTAAAAAGCCACAATCAAGGTTTCCCGGCACAGGATTTTTTCTGCTTAGAGCTCCTCCTTCTCTAACCTCTCTAATAAACTTAGTTTTCAATTTTTGCATCGTAAGCAAAAATGATTGGTTGAACATGAACTTCTGCATTACAGCTATTTTTAGGATGGGCTACCTCTCTTAGAATAATTTTTTAGCTTCTCAATTAAAAAAAGTTGATTTCCTGGGGAGAACAGCTGTTCTGTCCGCAGAGGCCCTCAGCTGTGGGTTCTCATTCGCGTGTTCCTAGGTCACAGTGACGTGGACAAATTGCCCATTCCAGAATACAATGGGATTGAGAAATAATTGG
【0242】
ヒトプロスタグランジンE2シンターゼのアンチセンスm−RNA
tttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttCCATGAGATGCCTGCCATGACAGGCGCCACAAACCTTTCCTTTATTGCAAACATGTCCCAGTCCCGGGAGGCTTGGGAAGAGTGGGAACCAGGGGAACCCAGGGATGGGATTCCACTGAAAACAAACCGTCCTGCTGTCCTGTCGAGGGCCCCCACCCACAGGATGTAGCCATGGGACAGCCACTGAGGGTCCAGGAAGAGGGGCGGCAGAGCAGGGAGGCAGGGACAGGGAGGGGTCGCCCCAGGGCAGTGGCAGGGCTGGAACTCGTCCCTAACATCCCTGAGCCCCAGCAGGTGCCCTGTGTTAGAAGCGAGAGGGCTGGTGGGGGTGCGTGGACAAGGGGCAGAATGATCCTGCCCCCAACCAGTATCGCCAGGCGCTGGCCCAGTGGCCCCAGGCCCTGGCAGCTGGCGTCTTCCGCTGCCTTCCCTCTGCTCTGCGCGGGGACATTCAGTGCGCTGGGGAGGCCTCGGTGATGGCCCTCTCCACCCGCAGGTACCAGGGCTGGATGTGCGTGTGCTGCATCAGGTCATCGAATGCATCCAGCCCCTCCATCACACGCAGCACGCCATACACCGCCAAATCAGCGAGATTCGGCTTCTGGCCCCCCATGAAGGGCCGGTCCTTGCCCACAGCAGCCACCCACTTGTCAGCAGCCTCATAGAGGTCCTCGCGCACGTTGTCCTGGAGGCGGTGCCTGCTCTTGAGTCGCTTGCTGATGAGGTACATGGCCGCTGCACCCATGTACTTGGCCACGGCACCCTCCACGGCTCCGAACTTGCCCTCGCGGACAATGTAGTCAAAGGACGCCAGAGCCTCGGTGGGCGTGCGGTACACATTGGGGGAGATCAGGTGCACCAGCCAGTCGTCCGCCCACTGCCGCCACTTCATCTCCTCCGTCCTGGCCTCCTTCCCACCATACACTTGCTGGGCCTCCTTCTCGTTGAGCATGAGCCAGTACTTATTGCCGAACTCGGTCACCTCCTTGCCCTGCTCGTTCACAGCCTTCATGGCTGGGTAGTAGGTGATGATCTCTTCCAGGGGCTGCCCCGACACCAGGTAGGTCTTGAGGGCGCTGATGATGACAGAGGAGTCATTTAGTTGTTGCGAGCTTTCTCCTTCCTGGGCCACCAGGATGGGCACCTTTCTGTAGGAGGAGAACTTGATCTCAGCCCTGCGCACAGGGTTCACCTCCACCACCTGGTAGGGCAGGGCATGGAAGTCGAGGAAGGCTCGGACCTTGCTGCAGAAGGGACACGTCTTGTACTGGTACAGGGTCAGCTGCAGGCGGCTGGACAGGGAGAGCTGCGCGGCTGAGCGCTCTGCGTGGAGGTCCTGGGCGCGCAGGTGCCACCGCGCCGTGTGGTACAGCCCCAGGGCTCCCCCCAGGGCCAGCGCCGCAGCTCCCAGCAGCCGCGGGCTCCCCTTACGAGCTGCAGCCACGGGGCTCGGGCCGCCCGCCGCCCCCGCGAAGCCAGCCCGGCTCTGCGTGGGTAGCAGCGGCTGGGGGCGGCCTCCCAGCCTCCAGGCCAAGGCGCACCCACCAGGCCACAGCGCCCGCACCACCCGCGCAGCCGGGTCCATGTTCGCTCCGCCGGCGCCGCGGGCGGGCGCGCGAAACGAAGACGCCGAGGCACGCGCGGCGTTTAAAGGGCCAGGACTCTGGCGCCCCGCGGGTTGGCCGGGGTGAGGGCGACGCTAAGGGAACCCTCAGCGCTCTCGGGACTGGGCGTGTGCCCGGCGCCCAAGTTCGAAACGCCCGCC
【0243】
ヒトVEGFのアンチセンスm−RNA
CAGTGTGCTGGCGGCCGCGGTGTGTCTACAGGAATCCCAGAAATAAAACTCTCTAATCTTCCGGGCTCGGTGATTTAGCAGCAAGAAAAATAAAATGGCGAATCCAATTCCAAGAGGGACCGTGCTGGGTCACCCGCCCGGGAATGCTTCCGCCGGAGTCTCGCCCTCCGGACCCAAAGTGCTCTGCGCAGAGTCTCCTCTTCCTTCATTTCAGGTTTCTGGATTAAGGACTGTTCTGTCGATGGTGATGGTGTGGTGGCGGCAGCGTGGTTTCTGTATCGATCGTTCTGTATCAGTCTTTCCTGGTGAGAGATCTGGTTCCCGAAACCCTGAGGGAGGCTCCTTCCTCCTGCCCGGCTCACCGCCTCGGCTTGTCACATCTGCAAGTACGTTCGTTTAACTCAAGCTGCCTCGCCTTGCAACGCGAGTCTGTGTTTTTGCAGGAACATTTACACGTCTGCGGATCTTGTACAAACAAATGCTTTCTCCGCTCTGAGCAAGGCCCACAGGGATTTTCTTGTCTTGCTCTATCTTTCTTTGGTCTGCATTCACATTTGTTGTGCTGTAGGAAGCTCATCTCTCCTATGTGCTGGCCTTGGTGAGGTTTGATCCGCATAATCTGCATGGTGATGTTGGACTCCTCAGTGGGCACACACTCCAGGCCCTCGTCATTGCAGCAGCCCCCGCATCGCATCAGGGGCACACAGGATGGCTTGAAGATGTACTCGATCTCATCAGGGTACTCCTGGAAGATGTCCACCAGGGTCTCGATTGGATGGCAGTAGCTGCGCTGATAGACATCCATGAACTTCACCACTTCGTGATGATTCTGCCCTCCTCCTTCTGCCATGGGTGCAGCCTGGGACCACTTGGCATGGTGGAGGTAGAGCAGCAAGGCGAGGCTCCAATGCACCCAAGACAGCAGAAAGTTCATGGTTTCGGAGGCCCGACCGGGGCCGGGCCGGCTCGCGCCGGGCCGCCAGCACACTG
【0244】
実施例6
TGF−ベータを阻害する小分子
グラクソスミスクライン社(カラハン(Callahan)ら,2002、ラピング(Laping)ら、2002、インマン(Inman)ら、2002)からのSB−431542TβRIキナーゼ阻害剤
サイオス社(デュモン(Dumont)およびアルテアガ(Arteaga)、2003)からのNPC30345TβRIキナーゼ阻害剤
SD−093TβR−Iキナーゼ阻害剤(スブラマニアン(Subramanian),Gら、2003)
LY364947TβRIキナーゼ阻害剤(リリー社(ソーヤ(Sawyer)ら、2003)から)
デコリン、さまざまな形態の活性なTGF−βと結合する小さなコンドロイチン−デルマタン硫酸プロテオグリカン(ボーダー(Border)ら、1992)
TGF−ベータを阻害するタンパク質
エンドグリン、TGF−βと結合する95kDaの糖タンパク質(グーゴ(Gougos)ら、1992)
【0245】
TGF−ベータと結合する抗体
ジエンザイム社/CATからのCAT−192ヒト化TGF−ベータ1mAB(ベニグニ(Benigni)ら、2003)
ジエンザイム社/CATからのCAT−192ヒト化TGF−ベータ2mAB(シリワルデナ(Siriwardena)ら、2002)
ジエンザイム社/CATからの1D11TGF−ベータ1、2、3mAB(アナンス(Ananth)ら、1999)
ジェネンテック社からの2G7TGF−ベータ1、2、3モノクローナルIgG2(アルテアガ(Arteaga)ら、1993)
【0246】
R&Dからの抗TGF−ベータ1/2/3抗体
たとえば、米国55413、ミネソタ州、ミネアポリス、マッキンリープレースNEのR&Dシステムズ社のカタログ614を参照。
ウサギ抗TGF−ベータ2LAP:(シュロツワー−シュルハード(Schlotzer−Schrehardt),Uら、2001)
【0247】
可溶性受容体
バイオゲン社(ムラオカ(Muraoka)ら、2002、ローランド−ゴールドスミス(Rowland−Goldsmith)ら、2001)からのsTβRII:Fc(RII/FchuIgG1融合タンパク質)
sTβRII:Fc(ヤン(Yang),Y.A.ら、2002)
ベータグリカン(組み換え型可溶性TβRIII)(バンディオアディエイ(Bandyopadhyay)ら、2002)
【0248】
実施例7
細胞媒介細胞傷害性検出法:
NSCLC(非小細胞肺がん細胞)株NCI−H661、神経膠腫細胞株A−172、および膵臓がん細胞株Hup−T3を標的細胞として使用して、細胞媒介細胞傷害性をCARE−LASS検出法(リヒテンフェル(Lichtenfels)ら、1994)で定量した。NCI−H661細胞を、5μMのTGF(形質転換成長因子)−ベータ1特異的アンチセンスホスホロチオネートオリゴデオキシヌクレオチド(PTO)、配列番号14で前処理した。A−172およびHup−T3細胞を、細胞株供給業者の指示どおりに、5μMのTGF−ベータ2特異的アンチセンスホスホロチオネートオリゴデオキシヌクレオチド、配列番号30で、5%CO2の培地中で、および37℃で3日間前処理した。さらに、Hup−T3細胞に対して、3μg/mlのリポフェクチン(登録商標)を使用して、PTOの細胞取り込みを促進した。未処理の細胞および3μg/mlのリポフェクチン(登録商標)細胞を対照として使用した。
【0249】
リンフォカイン活性化キラー細胞(LAK細胞)をエフェクター細胞として使用した。LAK細胞は、健常志願者由来の5x106個のPBMCを、10%ウシ胎仔血清を添加したRPMI1640培地4μL中で、rhIL−2(組み換えヒトインターロイキン2)10ng/mlの存在下で、5%CO2雰囲気中で37℃にて培養した。さらに腫瘍細胞の存在を模倣するために、エフェクター細胞の一部を、rhTGF−β(NCI−H661に対する2000pg/mlのrhTGF−β1、A−172およびHup−T3に対する500pg/mlのrhTGF−β2)とともにインキュベートした。細胞の他の部分は、追加処理なしにインキュベートした。
【0250】
エフェクター細胞を、細胞増殖抑制剤の存在下および非存在下で、標的細胞とともに4時間インキュベートした。阻害の超相加効果は、それぞれ、化学療法剤の特異性細胞溶解から、対照の特異性細胞溶解を減算することによって算出した。徴候を考慮に入れて、この差に、図に示すとおり、TGF−ベータの阻害剤の特異的溶解を加える。化学療法剤およびTGF−ベータ阻害剤との組み合わせの特異的溶解が合計値よりも高い場合、これは超相加効果と解釈される。併用の特異的溶解が合計値よりも低い場合、これは阻害と解釈される。
【0251】
実施例8
TGF−ベータ1、TGF−ベータ2およびTGF−ベータのアミノ酸配列を、アミノ酸の国際1文字略字で示す。
RXXR:成熟した(活性化)部分の節だ部位(XXは何でもよい)
ASPC:このモチーフのCは、2個の単量体を機能性二量体へと結合する分子間シスチン架橋のCである
CCC:分子間システイン架橋(システインノットモチーフ)
TGF−ベータ1、2および3の成熟したタンパク質は、一覧の最後から始めて112のアミノを含有する
【0252】
TGF−ベータ1
MPPSGLRLLLLLLPLLWLLVLTPGRPAAGLSTCKTIDMELVKRKRIEAIRGQILSKLRLASPPSQGEVPPGPLPEAVLALYNSTRDRVAGESAEPEPEPEADYYAKEVTRVLMVETHNEIYDKFKQSTHSIYMFFNTSELREAVPEPVLLSRAELRLLRLKLKVEQHVELYQKYSNNSWRYLSNRLLAPSDSPEWLSFDVTGVVRQWLSRGGEIEGFRLSAHCSCDSRDNTLQVDINGFTTGRRGDLATIHGMNRPFLLLMATPLERAQHLQSSRHRR
ALDTNYCFSSTEKNCCVRQLYIDFRKDLGWKWIHEPKGYHANFCLGPCPYIWSLDTQYSKVLALYNQHNPGASAAPCCVPQALEPLPIVYYVGRKPKVEQLSNMIVRSCKCS
【0253】
TGF−ベータ1の好ましいアミノ酸配列:
1) ALDTNYCFSSTEKNCCVRQL
2) YIDFRKDLGWKWIHEPKGYH
3) ANFCLGPCPYIWSLDTQYSK
4) VLALYNQHNPGASAAPCCVP
5) QALEPLPIVYYVGRKPKVEQ
6) LSNMIVRSCKCS
7) TEKNCCVRQLYIDFRKDLGW
8) KWIHEPKGYHANFCLGPCPY
9) WSLDTQYSKVLALYNQHNP
10) GASAAPCCVPQALEPLPIVY
11) YVGRKPKVEQLSNMIVRSCKCS
12) QYSKVLALYNQHNPGASAAPCCVPQALEPLPIVYYVGRKP
13) QYSKVLALYNQHNPGASAAPCCVPQALEPLPIVYYVGRKP
I
QYSKVLALYNQHNPGASAAPCCVPQALEPLPIVYYVGRKP
(AAPCモチーフのシトシンとs−s架橋で結合した、TGF−ベータ1アミノ酸配列番号12の二量体)
14)ALDTNYCFSSTEKNCCVRQLYIDFRKDLGWKWIHEPKGYHANFCLGPCPYIWSLDTQYSKVLALYNQHNPGASAAPCCVPQALEPLPIVYYVGRKPKVEQLSNMIVRSCKCS
15) ALDTNYCFSSTEKNCCVRQLYIDFRKDLGW
16) KWIHEPKGYHANFCLGPCPYIWSLDTQYSK
17) VLALYNQHNPGASAAPCCVPQALEPLPIVY
18) YVGRKPKVEQLSNMIVRSCKCS
19) CVRQLYIDFRKDLGWKWIHEPKGYHANFCL
20) GPCPYIWSLDTQYSKVLALYNQHNPGASAA
21) PCCVPQALEPLPIVYYVGRKPKVEQLSNMI
【0254】
TGF−ベータ2
MHYCVLSAFLILHLVTVALSLSTCSTLDMDQFMRKRIEAIRGQILSKLKLTSPPEDYPEPEEVPPEVISIYNSTRDLLQEKASRRAAACERERSDEEYYAKEVYKIDMPPFFPSENAIPPTFYRPYFRIVRFDVSAMEKNASNLVKAEFRVFRLQNPKARVPEQRIELYQILKSKDLTSPTQRYIDSKVVKTRAEGEWLSFDVTDAVHEWLHHKDRNLGFKISLHCPCCTFVPSNNYIIPNKSEELEARFAGIDGTSTYTSGDQKTIKSTRKKNSGKTPHLLLMLLPSYRLESQQTNRRKR
ALDAAYCFRNVQDNCCLRPLYIDFKRDLGWKWIHEPKGYNANFCAGACPYLWSSDTQHSRVLSLYNTINPEASASPCCVSQDLEPLTILYYIGKTPKIEQLSNMIVKSCKCS
【0255】
TGF−ベータ2の好ましいアミノ酸配列
1) ALDAAYCFRNVQDNCCLRPL
2) YIDFKRDLGWKWIHEPKGYN
3) ANFCAGACPYLWSSDTQHSR
4) VLSLYNTINPEASASPCCVS
5) QDLEPLTILYYIGKTPKIEQ
6) LSNMIVKSCKCS
7) VQDNCCLRPLYIDFKRDLGW
8) KWIHEPKGYNANFCAGACPY
9) LWSSDTQHSRVLSLYNTINP
10) EASASPCCVSQDLEPLTILY
11) YIGKTPKIEQLSNMIVKSCKCS
12) QHSRVLSLYNTINPEASASPCCVSQDLEPLTILYYIGKTPK
13) QHSRVLSLYNTINPEASASPCCVSQDLEPLTILYYIGKTPK
I
QHSRVLSLYNTINPEASASPCCVSQDLEPLTILYYIGKTPK
(ASPCモチーフのシトシンとs−s架橋で結合した、TGF−ベータ2アミノ酸配列番号12の二量体)
14)ALDAAYCFRNVQDNCCLRPLYIDFKRDLGWKWIHEPKGYNANFCAGACPYLWSSDTQHSRVLSLYNTINPEASASPCCVSQDLEPLTILYYIGKTPKIEQLSNMIVKSCKCS
15) ALDAAYCFRNVQDNCCLRPLYIDFKRDLGW
16) KWIHEPKGYNANFCAGACPYLWSSDTQHSR
17) VLSLYNTINPEASASPCCVSQDLEPLTILY
18) YIGKTPKIEQLSNMIVKSCKCS
19) CLRPLYIDFKRDLGWKWIHEPKGYNANFCA
20) GACPYLWSSDTQHSRVLSLYNTINPEASAS
21) PCCVSQDLEPLTILYYIGKTPKIEQLSNMI
【0256】
TGF−ベータ3
MKMHLQRALVVLALLNFATVSLSLSTCTTLDFGHIKKKRVEAIRGQILSKLRLTSPPEPTVMTHVPYQVLALYNSTRELLEEMHGEREEGCTQENTESEYYAKEIHKFDMIQGLAEHNELAVCPKGITSKVFRFNVSSVEKNRTNLFRAEFRVLRVPNPSSKRNEQRIELFQILRPDEHIAKQRYIGGKNLPTRGTAEWLSFDVTDTVREWLLRRESNLGLEISIHCPCHTFQPNGDILENIHEVMEIKFKGVDNEDDHGRGDLGRLKKQKDHHNPHLILMMIPPHRLDNPGQGGQRKKR
ALDAAYCFRNVQDNCCLRPLYIDFKRDLGWKWIHEPKGYNANFCAGACPYLWSSDTQHSRVLSLYNTINPEASASPCCVSQDLEPLTILYYIGKTPKIEQLSNMIVKSCKCS
【0257】
TGF−ベータ3の好ましいアミノ酸配列
1) ALDTNYCFRNLEENCCVRPL
2) YIDFRQDLGWKWVHEPKGYY
3) ANFCSGPCPYLRSADTTHST
4) VLGLYNTLNPEASASPCCVP
5) QDLEPLTILYYVGRTPKVEQ
6) LSNMVVKSCKCS
7 NLEENCCVRPLYIDFRQDLG
8 WKWVHEPKGYYANFCSGPCP
9) YLRSADTTHSTVLGLYNTLN
10) PEASASPCCVPQDLEPLTIL
11) YYVGRTPKVEQLSNMVVKSCKCS
12) THSTVLGLYNTLNPEASASPCCVPQDLEPLTILYYVGRTPK
13) THSTVLGLYNTLNPEASASPCCVPQDLEPLTILYYVGRTPK
I
THSTVLGLYNTLNPEASASPCCVPQDLEPLTILYYVGRTPK
(ASPCモチーフのシトシンとs−s架橋で結合した、TGF−ベータ3アミノ酸配列番号12の二量体)
14)ALDAAYCFRNVQDNCCLRPLYIDFKRDLGWKWIHEPKGYNANFCAGACPYLWSSDTQHSRVLSLYNTINPEASASPCCVSQDLEPLTILYYIGKTPKIEQLSNMIVKSCKCS
15) ALDAAYCFRNVQDNCCLRPLYIDFKRDLGW
16) KWIHEPKGYNANFCAGACPYLWSSDTQHSR
17) VLSLYNTINPEASASPCCVSQDLEPLTILY
18) YIGKTPKIEQLSNMIVKSCKCS
19) CLRPLYIDFKRDLGWKWIHEPKGYNANFCA
20) GACPYLWSSDTQHSRVLSLYNTINPEASAS
21) PCCVSQDLEPLTILYYIGKTPKIEQLSNMI
【0258】
参考文献
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米国特許第5,075,109号明細書,タイス(Tice)ら,1991年12月24日
米国特許第4,452,775号明細書,ケント(Kent),1984年6月5日
米国特許第4,675,189号明細書,ケント(Kent)ら,1987年6月23日
米国特許第5,736,152号明細書,ダン(Dunn),1998年4月7日
米国特許第3,854,480号明細書,ザファロニ(Zaffaroni),1974年12月17日
米国特許第5,133,974号明細書,パラディシス(Paradissis)ら,1992年7月28日
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国際公開第99/63 975号,シュリンゲンシーペン(Schlingensiepen)ら,1999年12月16日,公開
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【0259】
【表3】




【図面の簡単な説明】
【0260】
【図1】図1は神経膠腫細胞に対するリンフォカイン活性化キラー細胞(LAK細胞)媒介細胞傷害性の比較試験を示す。細胞の一部は配列番号30のTGF−ベータ2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドと共にインキュベートし、残りの一部は追加としてCCNUを用いて処理した。図は明らかに、配列番号30のTGF−ベータ2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドと組み合わせてCCNUで処理したLAK細胞の細胞傷害性活性は配列番号30のTGF−ベータ2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドだけで処理したLAK細胞と比較して優位であることを示す。 5x106個のPBMC(末梢血単核球)を、10%ウシ胎仔血清を添加したRPMI1640培地4μL中で、rhIL−2(組み換えヒトインターロイキン2)10ng/mlの存在下で、5%CO2雰囲気中で37℃にて培養した。最初の3日間、配列番号30のTGF−ベータ2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチド5μMを加えた。その後、細胞の一部をCCNU10μMと共にさらに6時間インキュベートした。CARE−LASS検定法(リヒテンフェルス(Lichtenfels)ら、1994)によって定量される、配列番号30のTGF−ベータ2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドLAK細胞の細胞媒介細胞傷害性(横線)を、CCNUと組み合わせて配列番号30のTGF−ベータ2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドで処理したLAK細胞(斜線)と比較した。表示は4連の平均値±SDである。
【図2】図2は神経膠腫細胞に対するリンフォカイン活性化キラー細胞(LAK細胞)媒介細胞傷害性の比較試験を示す。細胞の一部は配列番号30のTGF−ベータ2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドと共にインキュベートし、残りの一部は続いてテモゾロマイド(TMZ)で処理した。図は明らかに、配列番号30のTGF−ベータ2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた処理後にテモゾロマイド処理LAK細胞の細胞傷害性活性は配列番号30のTGF−ベータ2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドだけで処理したLAK細胞と比較して優位であることを示す。 5x106個のLAKを、10%ウシ胎仔血清を添加したRPMI培地中で、rhIL−2(組み換えヒトインターロイキン2)10ng/mlの存在下で、5%CO2雰囲気中で37℃にて培養した。最初の3日間、配列番号30のTGF−ベータ2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチド5μMを加えた。細胞媒介細胞傷害性を次いで、CARE−LASS検定法(リヒテンフェルス(Lichtenfels)ら、1994)によって、追加処理無しの細胞の一部で(配列番号30のTGF−ベータ2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドのみ、横線)、30μMテモゾロマイド存在下の残りの一部で(TMZ、斜線)定量した。表示は4連の平均値±SDである。
【図3】図3は、標準スケジュールにしたがってテモゾロマイドのみで治療した患者の全生存期間中央値と比較した、標準スケジュールにしたがってテモゾロマイドでの治療後に配列番号30のTGF−ベータアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて治療した患者の生存データである。生存期間は腫瘍再発後の最初の化学療法の開始から与えられる。臨床試験での全生存期間中央値を、未分化星細胞腫患者3名および神経膠芽腫患者10名から評価した。生存データを文献の生存データと比較した。我々のデータは、配列番号30のTGF−ベータ2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドをテモゾロマイドに続いて用いた場合に、テモゾロマイド単独についての比較可能な文献データよりも長い全生存期間中央値を示す:未分化星細胞腫に罹患した患者について146.6週対42.0週、および神経膠芽腫に罹患した患者について45.1週対32.0週。
【図4】図4は、実施例7の記載にしたがってエフェクター細胞対標的細胞が20:1の比で実施した、A−172細胞株を用いたin vitro検定法における腫瘍細胞の特異的溶解を示す。配列番号30のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、5μMの濃度で試験し、細胞溶解を促進した。対照的に、4μMの濃度でBCNUはLAK細胞誘導性細胞溶解を阻害し、これはBCNUの免疫抑制作用を示す。驚くべきことに、配列番号30(5μM)の細胞溶解作用は、BCNU(4μM)との併用で超相加的に増大した(特異的細胞溶解、対照:25.2%、BCNU15.6%、配列番号30:29.4%、配列番号30とBCNUの併用:40.7%)。
【図5】図5は、実施例7の記載にしたがってエフェクター細胞対標的細胞が1.25:1の比で実施した、A−172細胞株を用いたin vitro検定法における腫瘍細胞の特異的溶解を示す。配列番号30のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、5μMの濃度で試験し、細胞溶解を促進した。対照的に、10μMの濃度でCCNUはLAK細胞誘導性細胞溶解を阻害し、これはCCNUの免疫抑制作用を示す。驚くべきことに、配列番号30(5μM)の細胞溶解作用は、CCNU(10μM)との併用で超相加的に増大した(特異的細胞溶解、対照:2.6%、CCNU0.5%、配列番号30:4.4%、配列番号30とCCNUの併用:13.3%)。
【図6】図6は、実施例7の記載にしたがってエフェクター細胞対標的細胞が10:1の比で実施した、Hup−T3細胞株を用いたin vitro検定法における腫瘍細胞の特異的溶解を示す。配列番号30のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、5μMの濃度で試験し、細胞溶解を促進した。対照的に、20μg/mlの濃度でジェムザールはLAK細胞誘導性細胞溶解を阻害し、これはジェムザールの免疫抑制作用を示す。驚くべきことに、配列番号30(5μM)の細胞溶解作用は、ジェムザール(20μg/ml)との併用で超相加的に増大した(特異的細胞溶解、対照:32.9%、ジェムザール34.5%、配列番号30:59.5%、配列番号30とジェムザールの併用:75.4%)。
【図7】図7は、実施例7の記載にしたがってエフェクター細胞対標的細胞が10:1の比で実施した、A−172細胞株を用いたin vitro検定法における腫瘍細胞の特異的溶解を示す。配列番号30のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、5μMの濃度で試験し、細胞溶解を促進した。濃度30μMでのテモゾロマイド存在下のLAK細胞誘導細胞溶解に、非常に少量の増加がみとめられうる。しかし、驚くべきことに、配列番号30(5μM)の細胞溶解作用は、テモゾロマイド(50μM)との併用で超相加的に増大した(特異的細胞溶解、対照:25.2%、テモゾロマイド31.3%、配列番号30:39.2%、配列番号30とテモゾロマイドの併用:50.4%)。
【図8】図8は、実施例7の記載にしたがってエフェクター細胞対標的細胞が2.5:1の比で実施した、A−172細胞株を用いたin vitro検定法における腫瘍細胞の特異的溶解を示す。配列番号30のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、5μMの濃度で試験し、細胞溶解を促進した。濃度0.04pM/mlでのビンクリスチン存在下のLAK細胞誘導細胞溶解に、非常に少量の増加がみとめられうる。しかし、驚くべきことに、配列番号30(5μM)の細胞溶解作用は、ビンクリスチン(0.04pM/ml)との併用で超相加的に増大した(特異的細胞溶解、対照:10.1%、ビンクリスチン12.6%、配列番号30:13.9%、配列番号30とビンクリスチンの併用:20.5%)。
【図9】図9は、実施例7の記載にしたがってエフェクター細胞対標的細胞が1.25:1の比で実施した、NCL−H661細胞株を用いたin vitro検定法における腫瘍細胞の特異的溶解を示す。配列番号14のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、5μMの濃度で試験し、細胞溶解を促進した。対照的に、0.37μg/mlの濃度で、タクソテールはLAK細胞誘導性細胞溶解を低下させた。しかしこの場合、配列番号14(5μM)の細胞溶解作用は、タクソテール(0.37μg/ml)との併用で低下した(特異的細胞溶解、対照:49.6%、タクソテール30.5%、配列番号14:65.3%、配列番号30とタクソテールの併用:39.7%)。
【図10】図10は、実施例7の記載にしたがってエフェクター細胞対標的細胞が5:1の比で実施した、NCL−H661細胞株を用いたin vitro検定法における腫瘍細胞の特異的溶解を示す。配列番号30のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、5μMの濃度で試験し、細胞溶解を促進した。対照的に、3nM/mlの濃度で、プロカルバシンはLAK細胞誘導性細胞溶解を低下させた。しかしこの場合、配列番号30(5μM)の細胞溶解作用は、プロカルバシン(3nM/ml)との併用で低下した(特異的細胞溶解、対照:8.31%、プロカルバシン6.1%、配列番号14:16.4%、配列番号30とプロカルバシンの併用:5.7%)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
− TGF−ベータをコードするメッセンジャーRNA(m−RNA)および/またはDNAのある範囲とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、
− TGF−ベータを結合する、TGF−ベータ受容体および/またはその一部
− TGF−ベータを阻害する、抗体以外のタンパク質
− TGF−ベータを阻害する、100kDa未満のペプチド
− TGF−ベータの一部であるペプチド
の群から選択される、少なくとも一つのTGF−ベータ拮抗剤、
および、
テモゾロマイド、ニトロソ尿素、ビンカ(Vinca)アルカロイド、プリンおよびピリミジン塩基の拮抗剤、細胞分裂抑制活性抗生物質、カンプトテシン誘導体、抗アンドロゲン、抗エストロゲン、抗プロゲステロン、およびゴナドトロピン放出ホルモンのアナログ
の群から選択される、細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する少なくとも一つの物質
を含む医薬組成物。
【請求項2】
少なくとも一つのTGF−ベータ拮抗剤、および、細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する少なくとも一つの物質が混合されている、請求項1の医薬組成物。
【請求項3】
少なくとも一つのTGF−ベータ拮抗剤、および、細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する少なくとも一つの物質が分離されている、請求項1の医薬組成物。
【請求項4】
オリゴヌクレオチドが、配列表中で特定された配列番号1ないし146の配列のうちなくとも一つを含む、請求項1から3の医薬組成物。
【請求項5】
オリゴヌクレオチドの少なくとも一つのヌクレオチドが、糖成分、塩基および/またはヌクレオチド間の結合で修飾される、請求項4の医薬組成物。
【請求項6】
少なくとも一つの修飾されたヌクレオチド間の結合がホスホロチオネート結合である、請求項5の医薬組成物。
【請求項7】
− ニトロソ尿素がACNU、BCNUおよびCCNUの群から選択され、
− ビンカアルカロイドがビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシンの群から選択され、
− プリンおよびピリミジン塩基の拮抗剤が5−フルオロウラシル、5−フルオロデオキシウリジン、シタラビンおよびゲムシタビンの群から選択され、
− 細胞分裂抑制性抗生物質がドキソルビシンおよびリポソームPEG化ドキソルビシンの群から選択され、
− カンプトテシン誘導体がイリノテカンおよびトポテカンの群から選択され、
− 抗エストロゲンがタモキシフェン、エキセメスタン、アナストロゾールおよびフルベストラントの群から選択され、
− 抗アンドロゲンがフルタミドおよびビカルタミドの群から選択され、
− 抗プロゲステロンがミフェプリストンの群から選択され、
− ゴナドトロピン放出ホルモンのアナログがロイプロリドおよびゴセレリンの群から選択される、
請求項1から6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
免疫系および/または免疫細胞の機能の少なくとも一つの刺激剤、および細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する少なくとも一つの物質を含む医薬組成物。
【請求項9】
免疫系および/または免疫細胞の機能の少なくとも一つの刺激剤、および細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する少なくとも一つの物質が分離されている、請求項8の医薬組成物。
【請求項10】
免疫系および/または免疫細胞の機能の少なくとも一つの刺激剤、および細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する少なくとも一つの物質が混合されている、請求項9の医薬組成物。
【請求項11】
免疫系および/または免疫細胞の機能の少なくとも一つの刺激剤が
− GM−CSF、SCF、CSF、IFN、FLT−3−リガンド、単球走化タンパク質(MCP−1)、リンフォタクチン、インターロイキン−2、インターロイキン−4、インターロイキン−6、インターロイキン−12、インターロイキン−18および/またはインターフェロンガンマといったサイトカインの合成および/または機能を刺激および/または促進するかまたはこれらのサイトカインの一つであり、
− ウイルス、ウイルス抗原、腫瘍細胞または病原体で発現されるが正常細胞では、発現されない抗原、罹患臓器で発現するその生物にとって不可欠でない臓器特異的抗原、樹状細胞および腫瘍細胞の融合細胞、および樹状細胞自体の群から選択され、
− 免疫系の機能に負に影響する因子の拮抗剤、またはワクチンであり、
および
− 細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する少なくとも一つの物質が抗悪性腫瘍化学療法剤である
請求項8から10の医薬組成物。
【請求項12】
免疫系の機能に負の影響を及ぼす因子の拮抗剤が、DNAまたはRNA画分、アンチセンスオリゴヌクレオチド、これらの活性な誘導体、抗体、抗体の一部、タンパク質、受容体、受容体の一部、ペプチドおよび10,000Da未満の分子の群から選択される、請求項11の医薬組成物。
【請求項13】
アンチセンスオリゴヌクレオチドが、TGF−ベータ、VEGF、PGE2またはIL−10および/またはこれらの受容体をコードするメッセンジャーRNA(m−RNA)および/またはDNAのある範囲とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドである、請求項12の医薬組成物。
【請求項14】
腫瘍の治療のための医薬組成物の調製のための、
− TGF−ベータをコードするメッセンジャーRNA(m−RNA)および/またはDNAのある範囲とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、
− TGF−ベータを結合する、TGF−ベータ受容体および/またはその一部
− TGF−ベータを阻害する、抗体以外のタンパク質
− TGF−ベータを阻害する、100kDa未満のペプチド
− TGF−ベータの一部であるペプチド
の群から選択される、少なくとも一つのTGF−ベータ拮抗剤、
および、
テモゾロマイド、ニトロソ尿素、ビンカアルカロイド、プリンおよびピリミジン塩基の拮抗剤、細胞分裂抑制活性抗生物質、カンプトテシン誘導体、抗エストロゲン、抗アンドロゲン、およびゴナドトロピン放出ホルモンのアナログ
の群から選択される、細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する少なくとも一つの物質
を含む組成物の使用。
【請求項15】
免疫系および/または免疫細胞の機能の少なくとも一つの刺激剤、および細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する少なくとも一つの物質を含む、腫瘍の治療のための医薬組成物の調製のための、医薬組成物の使用。
【請求項16】
充実性腫瘍;白血病、急性または慢性の骨髄性またはリンパ芽球性白血病といった血液感染性腫瘍;腫瘍転移;良性腫瘍、たとえば血管腫、聴神経腫、神経繊維腫、トラコーマ、および化膿性肉芽腫;前がん腫瘍;星細胞腫、芽細胞腫、脊索腫、頭蓋咽頭腫、上衣細胞腫、ユーイング腫瘍、胚細胞腫、神経膠腫、膠芽細胞腫、血管芽細胞腫、ヘマンジオペリカチオマ(hemangioperycatioma)、ホジキンズリンパ腫、髄芽細胞腫、白血病、中皮腫、神経芽腫、非ホジキンズリンパ腫、松果体腫、網膜細胞芽腫、肉腫(脈管腫、軟骨肉腫、内皮肉腫、線維肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンファメジオ・オテリオサルコマ(lymphangiootheliosarcoma)、リンパ管肉腫、髄芽細胞腫、黒色腫、髄腹腫、筋肉腫、神経鞘腫、乏突起膠腫、骨原性肉腫、骨肉腫を含む)、セミノーマ、上衣下腫、ウィルムス腫瘍の群から選択される、または、胆汁腺管がん、膀胱がん、脳腫瘍、乳がん、気管支がん、腎がん、頚がん、絨毛がん、嚢胞腺がん、胎生期がん、上皮がん、食道がん、頚がん、結腸がん、大腸がん、子宮内膜がん、胆嚢がん、胃がん、頭部および頸部がん、肝がん、肺がん、髄様がん、非小細胞気管支/肺がん、卵巣がん、すい臓がん、乳頭状がん、乳頭腺がん、前立腺がん、小腸がん、直腸がん、腎細胞がん、皮膚がん、小細胞気管支/肺がん、扁平上皮がん、脂腺がん、精巣がん、子宮がんの群から選択される、腫瘍の治療のための請求項14または15の使用。
【請求項17】
神経膠腫、膠芽細胞腫および/または未分化星細胞腫の治療のための、請求項15または16の使用。
【請求項18】
少なくとも一つのTGF−ベータ拮抗剤を、
細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する少なくとも一つの物質と併用投与する工程
および/または放射線を照射する工程を含む、腫瘍を治療する方法。
【請求項19】
免疫系および/または免疫細胞の機能の少なくとも一つの刺激剤を、
細胞増殖を阻害および/または細胞死を誘導する少なくとも一つの物質と併用投与する工程
および/または放射線を照射する工程を含む、腫瘍を治療する方法。
【請求項20】
腫瘍が、胆汁腺管がん、膀胱がん、脳腫瘍、乳がん、気管支がん、腎がん、頚がん、絨毛がん、嚢胞腺がん、胎生期がん、上皮がん、食道がん、頚がん、結腸がん、大腸がん、子宮内膜がん、胆嚢がん、胃がん、頭部のがん、肝がん、肺がん、髄様がん、頸部がん、非小細胞気管支/肺がん、卵巣がん、すい臓がん、乳頭状がん、乳頭腺がん、前立腺がん、小腸がん、前立腺がん、直腸がん、腎細胞がん、皮膚がん、小細胞気管支/肺がん、扁平上皮がん、脂腺がん、精巣がん、子宮がん、聴神経腫、神経繊維腫、トラコーマ、および化膿性肉芽腫;前がん腫瘍;関節リューマチ;乾癬;星細胞腫、聴神経腫、芽細胞腫、ユーイング腫瘍、星細胞腫、頭蓋咽頭腫、上衣細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、血管芽細胞腫、ホジキンズリンパ腫、髄芽細胞腫,白血病,中皮腫,神経芽腫、神経線維腫、非ホジキンズリンパ腫、松果体腫、網膜細胞芽腫、網膜細胞芽腫、肉腫(脈管腫、軟骨肉腫、内皮肉腫、線維肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンファメジオ・オテリオサルコマ(lymphangiootheliosarcoma)、リンパ管肉腫、黒色腫、髄腹腫、筋肉腫、乏突起膠腫、骨原性肉腫、骨肉腫を含む)、セミノーマ、トラコーマ、ウィルムス腫瘍から選択される、請求項18または19の腫瘍を治療する方法。
【請求項21】
医薬組成物を投与する工程が、放射線を照射する前または後である、請求項18または19の腫瘍を治療する方法。
【請求項22】
医薬組成物を投与する工程が、放射線の照射と同時である、請求項18または19の腫瘍を治療する方法。
【請求項23】
1サイクル内の全放射量が約10Gyから約100Gyである、請求項21または22の腫瘍を治療する方法。
【請求項25】
1サイクルの全放射量が約1Gyから約2Gyのいくつか画分によって照射される、請求項23の腫瘍を治療する方法。
【請求項26】
TGF−ベータ1、TGF−ベータ2および/またはTGF−ベータ3およびそれらの保存的アナログの群から選択されるタンパク質の約5から約50のアミノ酸を含むペプチド。
【請求項27】
TGF−ベータ1、TGF−ベータ2および/またはTGF−ベータ3およびそれらの保存的アナログの群から選択されるタンパク質の約5から約50のアミノ酸を含むペプチドを含有する医薬組成物。
【請求項28】
TGF−ベータ1、TGF−ベータ2および/またはTGF−ベータ3およびそれらの保存的アナログの群から選択されるタンパク質の約5から約50のアミノ酸を含むペプチドの使用。
【請求項29】
TGF−ベータ1、TGF−ベータ2および/またはTGF−ベータ3およびそれらの保存的アナログの群から選択されるタンパク質の約5から約50のアミノ酸を含むペプチドを使用することによって、腫瘍を治療する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−518709(P2007−518709A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−544460(P2006−544460)
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【国際出願番号】PCT/EP2004/053604
【国際公開番号】WO2005/059133
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(504282740)アンティセンス ファルマ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (8)
【Fターム(参考)】