説明

医薬組成物

【課題】顕著な効果を奏し、投与量が減少され、かつ副作用が軽減された医薬組成物を提供する。
【解決手段】アンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物またはその塩と、インスリン感受性増強作用を有する化合物、糖尿病食後過血糖改善作用を有する化合物、アンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するインダン誘導体、HMG−CoA還元酵素阻害作用を有するピリジン誘導体またはそれらの塩の少なくとも一種とを組み合わせてなる医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物またはその塩と、インスリン感受性増強作用を有する化合物、糖尿病食後過血糖改善作用を有する化合物、アンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するインダン誘導体、HMG−CoA還元酵素阻害作用を有するピリジン誘導体またはそれらの塩の少なくとも一種とを組み合わせてなる医薬およびその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アンジオテンシンIIは、強力な血管収縮作用、アルドステロン生成作用および細胞増殖作用を有し、各種循環器系疾患のメディエータの一つであると考えられている。このアンジオテンシンIIとアンジオテンシンII受容体で拮抗し、アンジオテンシンIIの作用を抑制するアンジオテンシンII拮抗薬は、高血圧症、心臓疾患(例えば、心不全、心筋梗塞など)、脳卒中、腎炎、動脈硬化などの循環器系疾患の予防・治療に有用である。また、アンジオテンシン変換酵素薬は、アンジオテンシン変換酵素を阻害することにより、アンジオテンシンIからアンジオテンシンIIへの変換を抑制し、アンジオテンシンII拮抗薬と同様、高血圧症、心臓疾患(例えば、心不全、心筋梗塞など)、脳卒中、腎炎、動脈硬化などの循環器系疾患の予防・治療に有用と考えられる。しかしながら、アンジオテンシン変換酵素は、キニンを分解するキニナーゼIIと同一の酵素であり、基質特異性に欠けるので、この酵素の阻害によって、キニン、サブスタンスPなどの炎症性ペプチドが貯留し、咳の発現を促すという副作用も知られている。一方、糖尿病の治療においては、糖尿病食後過血糖改善薬による治療、または末梢組織におけるグルコース取り込みに対するインスリン感受性の低下をインスリン感受性増強薬により改善する治療などが用いられている。さらに、高脂血症の治療においては、HMG−CoA還元酵素(3-hydroxy-3-methylglutaryl coenzyme A reductase)阻害薬で、コレステロールの生合成を抑制する方法が用いられている。なかでも、高血圧症、耐糖能異常、脂質代謝異常などは、相互に合併しやすいことが知られており、特に、高血圧症とインスリン抵抗性、あるいは高血圧症と動脈硬化などは、互いにそれぞれの疾患を増悪すると考えられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、アンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物またはその塩と、それ以外の作用機序を有する化合物とを組み合わせることによって、アンジオテンシンII介在性の諸疾患、特に、高血圧症、高脂血症、動脈硬化などの単独疾患あるいはこれらの合併症において、格別に顕著な効果を発揮させ、薬物を単剤で投与した時に見られる種々の欠点を補おうとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、上記したような事情に鑑み、アンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物またはその塩を必須の成分とし、インスリン感受性増強作用を有する化合物、糖尿病食後過血糖改善作用を有する化合物、アンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するインダン誘導体、HMG−CoA還元酵素阻害作用を有するピリジン誘導体およびそれらの塩から選ばれた少なくとも一種とを実際に初めて組み合わせて用いることにより、例えば医薬効果、安全性、安定性、投与量、投与形態、使用方法等において、それぞれの単一薬物投与時には見られなかった格別顕著な効果が発揮されることを見い出し、これらに基づいて本発明を完成した。
【0005】
すなわち本発明は、(1)アンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物またはその塩と、インスリン感受性増強作用を有する化合物、糖尿病食後過血糖改善作用を有する化合物、アンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するインダン誘導体、HMG−CoA還元酵素阻害作用を有するピリジン誘導体またはそれらの塩の少なくとも一種とを組み合わせてなる医薬、(2)アンジオテンシンII介在性諸疾患の予防または治療剤である前記(1)の医薬、(3)疾患が循環器系疾患である前記(2)の医薬、(4)高血圧症、心不全、脳卒中、虚血性末梢循環障害、心筋虚血、静脈機能不全、心筋梗塞後の心不全進行、糖尿病性腎症、腎炎、糸球体腎炎、動脈硬化症、血管肥厚、経皮的冠動脈形成術後の血管肥厚または閉塞、バイパス手術後の血管再閉塞、高アルドステロン症、糸球体硬化症、腎不全、緑内障、高眼圧症、高脂血症、心筋梗塞、狭心症、動脈瘤、冠動脈硬化症、脳動脈硬化症、末梢動脈硬化症、血栓症、中枢神経系疾患、アルツハイマー病、記憶欠乏症、うつ病、健忘症、老人性痴呆、知覚機能障害、多臓器不全または強皮症の予防・治療剤、または不安症状、緊張症状、不快精神状態または消化不良の予防・改善剤である前記(2)記載の医薬、(5)疾患が高血圧症の合併症である前記(2)の医薬、(6)疾患が動脈硬化症である前記(2)の医薬、(7)疾患が動脈硬化症である前記(5)の医薬、(8)アンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物が、式(I)
【化2】

(式中、R1は水素または置換されていてもよい炭化水素残基を示し、R2はエステル化されていてもよいカルボキシル基を示し、R3は陰イオンを形成しうる基またはそれに変じ得る基を示し、Xはフェニレン基とフェニル基が直接または原子鎖2以下のスペーサーを介して結合していることを示し、nは1または2を示し、環AはR2で表される基以外にさらに置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、Yは結合手、−O−、−S(O)m−(mは0、1または2を示す)または−N(R4)−(R4は水素または置換されていてもよいアルキル基を示す)を示す。)で表される化合物である前記(1)の医薬、(9)アンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物が、(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート、2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸または2−エトキシ−1−[[2'−(2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキソジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸である前記(1)の医薬、(10)インスリン感受性増強作用を有する化合物が、5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオンまたは(R)−(+)−5−[3−[4−[2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ]−3−メチキシフェニル]プロピル]−2,4−オキサアゾリジンジオンである前記(1)の医薬、(11)糖尿病食後過血糖改善作用を有する化合物が、N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミンである前記(1)の医薬、(12)アンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するインダン誘導体が、N−[N−[(S)−1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル]−L−アラニル]−N−(インダン−2−イル)グリシンである前記(1)の医薬、(13)HMG−CoA還元酵素阻害作用を有するピリジン誘導体が、(+)−3R,5S−エリスロ−(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジイソプロピル−5−メトキシメチルピリジン−3−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸[(3R,5S,6E)−7−[4−(p−フルオロフェニル)−2,6−ジイソプロピル−5−(メトキシメチル)−3−ピリジル]−3,5−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸]である前記(1)の医薬、(14)アンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物が、(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート、2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸または2−エトキシ−1−[[2'−(2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキソジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸であり、インスリン感受性増強作用を有する化合物が、5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオンまたは(R)−(+)−5−[3−[4−[2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ]−3−メチキシフェニル]プロピル]−2,4−オキサアゾリジンジオンであり、糖尿病食後過血糖改善作用を有する化合物が、N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミンであり、アンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するインダン誘導体が、N−[N−[(S)−1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル]−L−アラニル]−N−(インダン−2−イル)グリシンであり、HMG−Co A還元酵素阻害作用を有するピリジン誘導体が、(+)−3R,5S−エリスロ−(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジイソプロピル−5−メトキシメチルピリジン−3−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸である前記(1)の医薬、(15)アンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物またはその塩とインスリン感受性増強作用を有する化合物またはその塩とを組み合わせてなる前記(1)の医薬、(16)アンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物またはその塩と糖尿病食後過血糖改善作用を有する化合物またはその塩とを組み合わせてなる前記(1)の医薬、(17)(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラートまたはその塩と、5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオン、(R)−(+)−5−[3−[4−[2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ]−3−メトキシフェニル]プロピル]−2,4−オキサアゾリジンジオン、N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミン、N−[N−[(S)−1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル]−L−アラニル]−N−(インダン−2−イル)グリシン、(+)−3R,5S−エリスロ−(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジイソプロピル−5−メトキシメチルピリジン−3−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸またはそれらの塩の少なくとも一種とを組み合わせてなる高血圧症、動脈硬化症または高脂血症の予防・治療薬である前記(1)の医薬、(18)2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸と、5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオン、(R)−(+)−5−[3−[4−[2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ]−3−メトキシフェニル]プロピル]−2,4−オキサアゾリジンジオン、N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミン、N−[N−[(S)−1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル]−L−アラニル]−N−(インダン−2−イル)グリシン、(+)−3R,5S−エリスロ−(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−2,6-シ゛イソフ゜ロヒ゜ル-5-メトキシメチルヒ゜リシ゛ン-3-イル]-3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸またはそれらの塩の少なくとも一種とを組み合わせてなる高血圧症、動脈硬化症または高脂血症の予防・治療薬である前記(1)の医薬、および(19)2−エトキシ−1−[[2'−(2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸と、5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオン、(R)−(+)−5−[3−[4−[2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ]−3−メチキシフェニル]プロピル]−2,4−オキサアゾリジンジオン、N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミン、N−[N−[(S)−1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル]−L−アラニル]−N−(インダン−2−イル)グリシン、(+)−3R,5S−エリスロ−(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジイソプロピル−5−メトキシメチルピリジン−3−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸またはそれらの塩の少なくとも一種とを組み合わせてなる高血圧症、動脈硬化症または高脂血症の予防・治療薬である前記(1)の医薬である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明に用いられるアンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物またはその塩の具体例としては、例えば、特開平4−9373、EP−A−425921、特開平4−364171、EP−A−459136、EP−A−520423などに記載されているベンズイミダゾール−7−カルボン酸誘導体およびその塩、好ましくは、以下の一般式(I)で表される化合物またはその塩(好ましくは、薬理学的に許容されうる塩)などが挙げられる。
一般式(I)
【化3】

(式中、R1は水素または置換されていてもよい炭化水素残基を示し、R2はエステル化されていてもよいカルボキシル基を示し、R3は陰イオンを形成しうる基またはそれに変じ得る基を示し、Xはフェニレン基とフェニル基が直接または原子鎖2以下のスペーサーを介して結合していることを示し、nは1または2を示し、環AはR2で表される基以外にさらに置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、Yは結合手、−O−、−S(O)m−(式中、mは0、1または2を示す)または−N(R4)−(式中、R4は水素または置換されていてもよいアルキル基を示す)を示す。)
【0007】
上記式(I)中、R1としての炭化水素残基としては、例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基などが挙げられるが、なかでもアルキル基、アルケニル基およびシクロアルキル基が好ましい。R1としてのアルキル基は炭素数1〜8程度の低級アルキル基で直鎖状、分枝状のいずれでもよく、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、i−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどがあげられる。R1としてのアルケニル基としては、炭素数2〜8程度の低級アルケニル基で直鎖状、分枝状のいずれでもよく、例えばビニル、プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、イソブテニル、2−オクテニルなどがあげられる。R1としてのアルキニル基としては、炭素数2〜8程度の低級アルキニル基で直鎖状、分枝状のいずれでもよく、例えばエチニル、2−プロピニル、2−ブチニル、2−ペンチニル、2−オクチニルなどがあげられる。R1としてのシクロアルキル基としては、炭素数3〜6程度の低級シクロアルキルがあげられ、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどがあげられる。上記したアルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはシクロアルキル基は水酸基、置換されていてもよいアミノ基(例、アミノ、N−低級(C1−4)アルキルアミノ、N,N−ジ低級(C1-4)アルキルアミノなど)、ハロゲン、低級(C1-4)アルコキシ基、低級(C1-4)アルキルチオ基などで置換されていてもよい。R1としてのアラルキル基は、例えばベンジル、フェネチルなどのフェニル−低級(C1-4)アルキルなどがあげられ、R1としてのアリール基としては、例えばフェニルなどがあげられる。
【0008】
上記したアラルキル基またはアリール基はそのベンゼン環上の任意の位置に、例えばハロゲン(例、F、Cl、Br など)、ニトロ、置換されていてもよいアミノ基(例、アミノ、N−低級(C1-4)アルキルアミノ、N,N−ジ低級(C1-4)アルキルアミノなど)、低級(C1-4)アルコキシ(例、メトキシ、エトキシなど)、低級(C1-4)アルキルチオ(例、メチルチオ、エチルチオなど)、低級(C1-4)アルキル(例、メチル、エチルなど)などを有していてもよい。上記したなかでもR1としては、置換されていてもよいアルキル、アルケニル基またはシクロアルキル基(例、水酸基、アミノ基、ハロゲンあるいは低級(C1-4)アルコキシ基で置換されていてもよい低級(C1-5)アルキル、低級(C2-5)アルケニルまたは低級(C3-6)シクロアルキル基など)が好ましい。Yは、結合手、−O−、−S(O)m−(式中、m は0、1または2を示す)または−N(R4)−(R4は水素または置換されていてもよい低級アルキルを示す)を示し、好ましくは、結合手、−O−、−S−または−N(R4)−(R4は水素または低級(C1-4)アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、t-ブチルなど))を示す。
【0009】
前記一般式(I)において、R3としての陰イオンを形成しうる基(プロトンとして遊離しうる水素原子を有する基)またはそれに変じ得る基としては、以下に示すようなN、S、Oのうちの1個または2個以上を含む5〜7員(好ましくは5〜6員)の単環状の置換されていてもよい複素環残基(好ましくは、脱プロトン化し得る水素原子を有する含窒素複素環残基)または生体内でそれに変じ得る基が挙げられる。例えば、
【0010】
【化4】

などが挙げられ、また、式R3で表される基と該基が結合するフェニル基との結合は、上記に示すような炭素−炭素結合だけでなく、上記式中g=−NH−を示す時などは複数個存在する窒素原子の1つを介して結合していてもよい。例えば、
【0011】
【化5】

【化6】

>=Z、>=Z'および>=Z''はそれぞれカルボニル基、チオカルボニル基または酸化されていてもよい硫黄原子(例、S、S(O)、S(O)2など)(好ましくはカルボニルまたはチオカルボニル基、さらに好ましくはカルボニル基)を示し、mは0、1または2を示し、R7は水素原子または置換されていてもよい低級アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、 t-ブチルなどの低級(C1-4)アルキル)を示す。〕
【0012】
3としては、例えば2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール環残基、2,5−ジヒドロ−5−チオキソ−1,2,4−オキサジアゾール環残基または2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−チアジアゾール環残基のようなプロトンドナーとしての−NHや−OH基とプロトンアクセプターとしてのカルボニル基、チオカルボニル基またはスルフィニル基等を同時に有する基が好ましい。また、R3で示される複素環残基は、環上の置換基が結合して縮合環を形成していてもよいが、R3としては、5〜6員環さらに5員環の複素環残基が好ましい。R3としては、とりわけ式
【化7】

〔式中、iは−O−または−S−を示し、jは>C=0、>C=Sまたは>S(O)m を示し、mは前記と同意義。〕で示される基(なかでも、2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、2,5−ジヒドロ−5−チオキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)が好ましい。R3の置換位置は、フェニル基のオルト、メタ、パラのいずれの位置でもよいが、なかでもオルト位が好ましい。
【0013】
また、上記複素環残基(R3)は下記に示すような互変異性体が存在する。例えば、
【化8】

のようなa、bおよびcの3つの互変異性体が存在するが式
【化9】

で示される複素環残基は上記のa、bおよびcすべてを含むものである。さらに、R3としては、カルボキシル基、テトラゾリル基、トリフルオロメタンスルホン酸アミド基(−NHSO2CF3)、リン酸基、スルホン酸基、シアノ基、低級(C1-4)アルコキシカルボニル基などでもよく、これらの基が置換されていてもよい低級アルキル基またはアシル基などで保護されていてもよく、生物学的すなわち生理的条件下(例えば、生体内酵素などによる酸化、還元あるいは加水分解などの生体内反応など)で、または化学的に陰イオンを形成しうる基またはそれに変じ得る基であればいずれでもよい。
【0014】
3としては、置換されていてもよい低級(C1-4)アルキル(例、メチル、トリフェニルメチル、メトキシメチル、エトキシメチル、p−メトキシベンジル、p−ニトロベンジルなど)もしくはアシル基(例、低級(C2-5)アルカノイル、ベンゾイルなど)で保護されていてもよいテトラゾリルあるいはカルボキシル基(好ましくは、テトラゾリル)が好ましい。R3の置換位置としては、オルト、メタ、パラのいずれの位置でもよいが、なかでもオルト位が好ましい。Xは隣接するフェニレン基とフェニル基が直接または原子鎖2以下のスペーサーを介して結合していること(好ましくは直接結合)を示し、原子鎖2以下のスペーサーとしては、直鎖部分を構成する原子数が1または2である2価の鎖であればいずれでもよく、側鎖を有していてもよい。具体的には低級(C1-4)アルキレン、−CO−、−O−、−S−、−NH−、−CO−NH−、−O−CH2−、−S−CH2−、−CH=CH−などが挙げられる。nは1または2の整数(好ましくは1)を示す。
【0015】
上記したR3、Xおよびnで示される式
【化10】

としては
【化11】

で表されるものが好ましい。
【0016】
一般式(I)中、R2としてのエステル化されていてもよいカルボキシル基としては、例えば式−CO−D〔式中、Dは水酸基または置換されていてもよいアルコキシ{例、[1]アルキル部分が(1)水酸基、(2)置換されていてもよいアミノ(例、アミノ、N−低級(C1-4)アルキルアミノ、N,N−低級(C1-4)アルキルアミノ、ピペリジノ、モルホリノなど)、(3)ハロゲン、(4)低級(C1-6)アルコキシ、(5)低級(C1-6)アルキルチオあるいは(6)置換されていてもよいジオキソレニル (例、5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イルなど)で置換されていてもよい低級(C1-6)アルコキシ基、または[2]式−O−CH(R6)−OCOR5で表わされるアルコキシ基〔式中、R6は(1)水素、(2)炭素数1−6の直鎖もしくは分枝状の低級アルキル基(例、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチルなど)、(3)炭素数2〜6の直鎖もしくは分枝状の低級アルケニル基(例、ビニル、アリル、ブテニル、i−ブテニル、2−ヘキセニルなど)または(4)炭素数3〜8のシクロアルキル基(例、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど)を示し、R5は(1)炭素数1−6の直鎖もしくは分枝状の低級アルキル基(例、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチルなど)、(2)炭素数2〜6の直鎖もしくは分枝状の低級アルケニル基(例、ビニル、アリル、ブテニル、i−ブテニル、2−ヘキセニルなど)、(3)炭素数3〜8のシクロアルキル基(例、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど)、(4)炭素数3〜8のシクロアルキル基(例、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど)もしくはハロゲン、ニトロ、低級(C1-4)アルキルなどで置換されていてもよいフェニルまたはナフチルなどの置換されていてもよいアリール基で置換された炭素数1−3の低級アルキル基(例、ベンジル、p−クロロベンジル、フェネチル、シクロペンチル メチル、シクロヘキシルメチルなど)、(5)炭素数3〜8のシクロアルキルもしくはハロゲン、ニトロ、低級(C1-4)アルキルなどで置換されていてもよいフェニルまたはナフチルなどの置換されていてもよいアリール基で置換されていてもよい炭素数2〜3の低級アルケニル基(例、シンナミル等のビニル、プロペニル、アリル、イソプロペニルなどのアルケニル部を持つものなど)、(6)ハロゲン、ニトロ、低級(C1-4)アルキルなどで置換されていてもよいフェニルまたはナフチルなどの置換されていてもよいアリール基(例、フェニル、p−トリル、ナフチルなど)、(7)炭素数 1〜6の直鎖もしくは分枝状の低級アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシなど)、(8)炭素数2〜8の直鎖もしくは分枝状の低級アルケニロキシ基(例、アリロキシ、イソブテニロキシなど)、(9)炭素数3〜8のシクロアルキルオキシ基(例、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシなど)、(10)炭素数3〜8のシクロアルキル(例、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど)もしくはハロゲン、ニトロ、低級(C1-4)アルキルなどで置換されていてもよいフェニルまたはナフチルなどの置換されていてもよいアリール基で置換された炭素数1〜3の低級アルコキシ基(例、ベンジロキシ、フェネチロキシ、シクロペンチルメトキシ、シクロヘキシルメトキシなどのメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシなどのアルコキシ部を持つものなど)、(11)炭素数3〜8のシクロアルキル(例、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど)もしくはハロゲン、ニトロ、低級(C1-4)アルキルなどで置換されていてもよいフェニルまたはナフチルなどの置換されていてもよいアリール基で置換された炭素数2〜3の低級アルケニロキシ基(例、シンナミロキシ等のビニロキシ、プロペニロキシ、アリロキシ、イソプロペニロキシなどのアルケニロキシ部を持つものなど)、(12)ハロゲン、ニトロ、低級(C1-4)アルキルなどで置換されていてもよいフェノキシまたはナフトキシなどの置換されていてもアリールオキシ基(例、フェノキシ、p−ニトロフェノキシ、ナフトキシなど)を示す〕で表される基など}を示す〕で表される基などが挙げられる。また、R2としての置換基は、陰イオンを形成しうる基またはそれに変じうる基(例、置換されていてもよいアルキル(例、低級(C1-4)アルキルなど)もしくはアシル(例、低級(C2-5)アルカノイル、置換されていてもよいベンゾイルなど)で保護されていてもよいテトラゾリル基、トリフルオロメタンスルホン酸アミド基、リン酸基あるいはスルホン酸基など)であってもよい。
【0017】
置換基R2の例としては、−COOH及びその塩、−COOMe、−COOEt、−COOtBu、−COOPr、ピバロイルオキシメトキシカルボニル、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エトキシカルボニル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル、アセトキシメトキシカルボニル、プロピオニロキシメトキシカルボニル、n−ブチリロキシメトキシカルボニル、イソブチリロキシメトキシカルボニル、(1−エトキシカルボニロキシエトキシ)カルボニル、(1−アセトキシエトキシ)カルボニル、(1−イソブチリロキシエトキシ)カルボニル、シクロヘキシルカルボニルオキシメトキシカルボニル、ベンゾイルオキシメトキシカルボニル、シンナミロキシカルボニル、シクロペンチルカルボニロキシメトキシカルボニルなどが挙げられる。さらにR2としては、生物学的すなわち生理条件下(例えば、生体内酵素による酸化・還元あるいは加水分解などの生体内反応など)で、または化学的に陰イオン(例、COO-、その誘導体など)を形成しうる基またはそれに変じうる基であればいずれであってもよい。R2はカルボキシル基、またはそのプロドラッグ体であってもよい。R2は生体内などで生物学的または化学的に陰イオンに変換せしめられるものであってもよい。
【0018】
上記した中でもR2としては、カルボキシル、エステル化されたカルボキシル(例、メチルエステル、エチルエステルまた式−O−CH(R6)−OCOR5で示される基がカルボニルと結合したエステルなど)、保護されていてもよいテトラゾリル、カルボアルデヒド、ヒドロキシメチルなどが好ましい。一般式(I)中、環AはR2で表される基以外にさらに置換基を有していてもよく、例えば、ハロゲン(例、F、Cl、Br など)、シアノ、 ニトロ、低級(C1-4)アルキル、低級(C1-4)アルコキシ、置換されていてもよいアミノ基(例、アミノ、N−低級(C1-4)アルキルアミノ(例、メチルアミノなど)、N,N−ジ低級(C1-4)アルキルアミノ(例、 ジメチルアミノなど)、N−アリールアミノ(例、フェニルアミノなど)、脂環式アミノ(例、モルホリノ、ピペリジノ、ピペラジノ、N−フェニルピペラジノなど)など)、式−CO−D'〔式中、D'は水酸基またはアルキル部分が水酸基、低級(C1-4)アルコキシ、低級(C2-6)アルカノイルオキシ(例、アセトキシ、ピバロイルオキシなど)あるいは低級(C1-6)アルコキシカルボニルオキシ(例、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシなどの鎖状のアルコキシカルボニルオキシ、またはシクロヘキシルオキシカルボニルオキシなどの環状のアルコキシカルボニルオキシなど)で置換されていてもよい低級(C1-4)アルコキシを示す〕で表わされる基、または低級(C1-4)アルキルもしくはアシル(例、低級(C2-5)アルカノイル、置換されていてもよいベンゾイルなど)で保護されていてもよいテトラゾリル基、トリフルオロメタンスルホン酸アミド基、リン酸基あるいはスルホン酸基などが挙げられ、好ましくは、低級(C1-4) アルキル、ハロゲンなどである。これらの置換基が環状の任意の位置に1〜2個同時に置換されていてもよい。
【0019】
上記(I)式で表される化合物の中でも、
【化12】

〔式中、環AはR2で表わされる基以外にさらに置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、R1は水素または置換されていてもよい低級(C1-6)アルキル(好ましくは、低級(C1-4)アルキル)を示し、Yは−O−、−S−または−N(H)−を示し、R2は式−CO−D''〔式中、D''は水酸基またはアルキル部分が水酸基、アミノ、ハロゲン、低級(C2-6)アルカノイルオキシ(例、アセチルオキシ、ピバロイルオキシなど)、低級(C4-7)シクロアルカノイルオキシ、(低級(C1-6)アルコキシ)カルボニルオキシ(例、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシなど)、(低級(C3-7)シクロアルコキシ)カルボニルオキシ(例、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシなど)あるいは低級(C1-4)アルコキシで置換されていてもよい低級(C1-4)アルコキシを示す〕で表される基を示し、R3は、置換されていてもよい低級(C1-4)アルキル(例、メチル、トリフェニルメチル、メトキシメチル、アセチルオキシメチル、メトキシカルボニルオキシメチル、エトキシカルボニルオキシメチル、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル、ピバロイルオキシメチルなど)あるいはアシル基(例、低級(C2-5)アルカノイル、ベンゾイルなど)で保護されていてもよく、式
【化13】

〔式中、iは−O−または−S−を示し、jは>C=O,>C=Sまたは>S(O)mを示し、mは0、1または2を示す〕で表される基,テトラゾリルまたはカルボキシル基を示し、nは1または2(好ましくは1)を示す〕で表される化合物(I')またはその塩が好ましい。
【0020】
式(I')において、R1の置換されていてもよい低級アルキルにおける置換基としては、水酸基、アミノ基、ハロゲンまたは低級(C1-4)アルコキシ基などが挙げられる。式(I')において、環AのR2で表わされる基以外の置換基としては、ハロゲン(例、F、Cl、Br など)、低級(C1-4)アルキル、低級(C1-4)アルコキシ、ニトロ、式−CO−D'[式中、D'は水酸基またはアルキル部分が水酸基、低級(C1-4)アルコキシ、低級(C2-6)アルカノイルオキシ(例、アセトキシ、ピバロイルオキシなど)あるいは低級(C1-6)アルコキシカルボニルオキシ(例、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシなど)で置換されていてもよい低級(C1-4)アルコキシを示す]で表わされる基、または低級(C1-4)アルキルで置換されていてもよいアミノなど(好ましくは、低級(C1-4)アルキル、ハロゲンなど)が挙げられるが、環Aとしては、式R2で表わされる基以外に置換基を有していないベンゼン環がより好ましい。
【0021】
上記した塩としては、薬理学的に許容されうる塩が挙げられ、例えば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基との塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'−ジベンジルエチレンジアミン、N−メチルモルホリンなどとの塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
【0022】
本発明の有効成分として好ましい化合物としては、特開平4−364171号、EP−A−459136、EP−A−520423の実施例に挙げられたものなどが挙げられるが、なかでも、(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート、2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸、2−エトキシ−1−[[2'−(2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸またはそれらの薬理学的に許容されうる塩が好ましい。一般式(I)で表される化合物は、例えば特開平4−9373、EP−A−425921、特開平4−364171、EP−A−459136、EP−A−520423などで開示され、またこれら公報の開示に記載の方法またはそれに準ずる方法に従って製造することができる。
【0023】
本発明に用いられるインスリン感受性増強作用を有する化合物またはその塩としては、インスリン作用が障害を受けている受容体の機能を正常化する作用、すなわち、インスリン抵抗性解除作用を有する化合物またはその塩が挙げられる。その具体例としては、EP−A−193256、特願平7−284106(EP−A−710659)、特開昭60−51189などに記載されている2,4−チアゾリジンジオン、2,4−オキサアゾリジンジオン誘導体またはそれらの塩など、あるいは5−[[3,4−ジヒドロ−2−(フェニルメチル)−2H−1−ベンゾピラン−6−イル]メチル]−2,4−チアゾリジンジオン(エングリタゾン)、5−[[4−[3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−1−オキソプロピル]フェニル]メチル]−2,4−チアゾリジンジオン(ダルグリタゾン;CP−86325)、5−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキソゾリルメチル)ベンゾフラン−5−イルメチル]−2,4−オキサゾリジンジオン(CP−92768)、5−(2−ナフタレニルスルホニル)−2,4−チアゾリジンジオン(AY−31637)、4−[(2−ナフタレニル)メチル]−3H−1,2,3,5−オキサチアジアゾール−2−オキシド(AY−30711)、5−[[4−[2−(メチル−2−ピリジルアミノ)エトキシ]フェニル]メチル]−2,4−チアゾリジンジオン(BRL−49653)などの公知のインスリン感受性増強作用を有する化合物またはその塩などが挙げられるが、好ましい化合物としては、EP−A−193256、特願平7−284106(EP−A−710659)または特開昭60−51189に実施例として記載されている化合物などが挙げられ、なかでも、5−[4−[2−(3−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオン、5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオン、5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオン、5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオン、(R)−(+)−5−[3−[4−[2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ]−3−メトキシフェニル]プロピル]−2,4−オキサアゾリジンジオン、CS−045などの2,4−チアゾリジンジオンまたは2,4−オキサアゾリジンジオン誘導体が好ましく、とりわけ、5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオンまたは(R)−(+)−5−[3−[4−[2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ]−3−メトキシフェニル]プロピル]−2,4−オキサアゾリジンジオンが好ましい。インスリン感受性増強作用を有する化合物の塩の好ましい例としては、薬理学的に許容される塩が挙げられ、その具体例としては、上記したアンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物の薬理学的に許容されうる塩と同様なものが挙げられる。
【0024】
本発明に用いられる糖尿病食後過血糖改善作用を有する化合物またはその塩としては、α−グルコシダーゼ阻害作用を有し、アミラーゼ、マルターゼ、α−デキストリナーゼ、スクラーゼなどの消化酵素を阻害して、澱粉や蔗糖の消化を遅延させる作用を有する化合物またはその塩が挙げられる。その具体例としては、EP−A−56194などに記載されているバリオールアミン誘導体またはその塩、USP4062950などに記載されているアカルボースなどが挙げられるが、好ましい化合物としては、EP−A−56194に実施例として記載されている化合物などが挙げられ、なかでも、N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミンが好ましい。糖尿病食後過血糖改善作用を有する化合物の塩の好ましい例としては、薬理学的に許容されうる塩が挙げられ、その具体例としては、上記したアンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物の薬理学的に許容されうる塩と同様なものが挙げられる。
【0025】
本発明に用いられるアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するインダン誘導体またはその塩としては、アンジオテンシンIをアンジオテンシンIIに変換するアンジオテンシン変換酵素を阻害し、降圧作用を有する作用を有するインダン誘導体またはその塩が挙げられる。その具体例としては、特開昭57−179141、EP−A−51391などに記載されているインダン誘導体またはその塩などが挙げられるが、好ましい化合物としては、特開昭57−179141またはEP−A−51391に実施例として記載されている化合物などが挙げられ、なかでも、N−[N−[(S)−1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル]−L−アラニル]−N−(インダン−2−イル)グリシンまたはその塩が好ましく、とりわけ、N−[N−[(S)−1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル]−L−アラニル]−N−(インダン−2−イル)グリシン塩酸塩が好ましい。アンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するインダン誘導体の塩の好ましい例としては、薬理学的に許容されうる塩が挙げられ、その具体例としては、上記したアンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物の薬理学的に許容されうる塩と同様なものが挙げられる。
【0026】
本発明において、アンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物またはその塩と、アンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するインダン誘導体またはその塩とが組み合わせて用いられるが、上記したアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するインダン誘導体の代わりに、他のアンジオテンシン変換酵素阻害剤(例えば、カプトプリル、エナラプリル、アラセプリル、ラミプリル、リジノプリル、イミダプリルなど)を用いてもよく、また、α−ブロッカー、β−ブロッカー、利尿剤、カルシウム拮抗薬などの他の降圧薬をアンジオテンシンII拮抗薬と組み合わせて用いてもよい。
【0027】
本発明に用いられるHMG−Co A還元酵素阻害作用を有するピリジン誘導体またはその塩としては、コレステロール合成の律速酵素であるHMG−CoA還元酵素を阻害する作用を有するピリジン誘導体またはその塩が挙げられる。その具体例としては、特開平1−216974、EP−A−325130、特開平4−308573、USP5177080、特公平6−41448、EP−A−307342、特開平1−121266、EP−A−306929などに記載されているピリジン誘導体またはそれらの塩などが挙げられるが、好ましい化合物としては、これらの公報に実施例として記載されているピリジン誘導体などが挙げられ、なかでも、特開平4−308573に実施例として記載されているピリジン誘導体が好ましく、とりわけ、(+)−3R,5S−エリスロ−(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジイソプロピル−5−メトキシメチルピリジン−3−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸またはその塩が好ましく、特に、(+)−3R,5S−エリスル−(E)−7−[4−(4−フルオルフェニル)−2,6−ジイソプロピル−5−メトキシメチルピリジン−3−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エノエイトナトリウムが好ましい。HMG−Co A還元酵素阻害作用を有するピリジン誘導体の塩の好ましい例としては、薬理学的に許容されうる塩が挙げられ、その具体例としては、上記したアンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物の薬理学的に許容されうる塩と同様なものが挙げられる。
【0028】
本発明において、アンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物またはその塩と、HMG−Co A還元酵素阻害作用を有するピリジン誘導体またはその塩とが組み合わせて用いられるが、上記したHMG−CoA還元酵素阻害作用を有するピリジン誘導体の代わりに、他のHMG−Co A還元酵素阻害剤(例えば、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、フルバスタチンなど)を用いてもよく、また、スクアレン合成阻害剤、トリグリセリド低下作用を有するフィブラート系化合物(例えば、ベザフィブラートなど)などの他の高脂血薬をアンジオテンシンII拮抗薬と組み合わせて用いてもよい。
【0029】
本発明において、アンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物またはその塩と、インスリン感受性増強作用を有する化合物、糖尿病食後過血糖改善作用を有する化合物、アンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するインダン誘導体、HMG−CoA還元酵素阻害作用を有するピリジン誘導体またはそれらの塩の少なくとも一種とが組み合わせて用いられるが、インスリン感受性増強作用を有する化合物、糖尿病食後過血糖改善作用を有する化合物、アンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するインダン誘導体、HMG−CoA還元酵素阻害作用を有するピリジン誘導体およびそれらの塩を、1種または2種以上組み合わせて用いてもよく、また、これ以外の薬物(例えば、降圧薬、高脂血薬など)を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0030】
さらに、アンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物またはその塩と、インスリン感受性増強作用を有する化合物、糖尿病食後過血糖改善作用を有する化合物、アンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するインダン誘導体、HMG−CoA還元酵素阻害作用を有するピリジン誘導体またはそれらの塩の少なくとも一種とを組み合わせて用いる場合、これらの薬物を別々にあるいは同時に、薬理学的に許容されうる担体、賦形剤、結合剤、希釈剤などと混合して製剤化し、医薬組成物として経口的にまたは非経口的に投与することができる。薬物を別々に製剤化した場合、別々に製剤化したものを使用時に希釈剤などを用いて混合して投与することができるが、別々に製剤化した個々の製剤を、同時に、あるいは時間差をおいて別々に、同一対象に投与してもよい。別々に製剤化したものを使用時に希釈剤などを用いて混合して投与するためのキット製品(例えば、粉末状の個々の薬物を含有するアンプルと2種以上の薬物を用時に混合して溶解するための希釈剤などを含有する注射用キットなど)、別々に製剤化した個々の製剤を、同時に、あるいは時間差をおいて別々に、同一対象に投与するためのキット製品(例えば、個々の薬物を含有する錠剤を同一または別々の袋に入れ、必要に応じ、薬物を投与する時間の記載欄を設けた、2種以上の錠剤を同時にあるいは時間差をおいて別々に投与するための錠剤用キットなど)なども本発明の医薬に含まれる。
【0031】
本発明の医薬組成物として、好ましい組み合わせは、例えば、
(1)(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラートまたはその塩と、5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオン、(R)−(+)−5−[3−[4−[2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ]−3−メトキシフェニル]プロピル]−2,4−オキサゾリジンジオン、N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミン、N−[N−[(S)−1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル]−L−アラニル]−N−(インダン−2−イル)グリシン、(+)−3R,5S−エリスロ−(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジイソプロピル−5−メトキシメチルピリジン−3−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸またはそれらの塩の少なくとも1種との組み合わせ;
(2) 2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸またはその塩と、5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオン、(R)−(+)−5−[3−[4−[2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ]−3−メトキシフェニル]プロピル]−2,4−オキサゾリジンジオン、N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミン、N−[N−[(S)−1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル]−L−アラニル]−N−(インダン−2−イル)グリシン、(+)−3R,5S−エリスロ−(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジイソプロピル−5−メトキシメチルピリジン−3−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸またはそれらの塩の少なくとも1種との組み合わせ;
(3) 2−エトキシ−1−[[2'−(2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸またはその塩と、5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオン、(R)−(+)−5−[3−[4−[2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ]−3−メトキシフェニル]プロピル]−2,4−オキサゾリジンジオン、N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミン、N−[N−[(S)−1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル]−L−アラニル]−N−(インダン−2−イル)グリシン、(+)−3R,5S−エリスロ−(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジイソプロピル−5−メトキシメチルピリジン−3−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸またはそれらの塩の少なくとも1種との組み合わせなどが挙げられるが、なかでもアンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物またはその塩と、インスリン感受性増強作用を有する化合物、糖尿病食後過血糖改善作用を有する化合物またはそれらの塩の少なくとも1種とを組み合わせて用いるのが好ましい。上記した組み合わせ(1)ないし(3)は、高血圧症、動脈硬化症、高脂血症、なかでも高血圧症を合併症とする動脈硬化症の予防・治療薬として好ましく用いられる。
【0032】
本発明の医薬は、動物とりわけ哺乳動物(例、ヒト、イヌ、ウサギ、ラット、マウスなど)の例えばアンジオテンシンII介在性諸疾患の予防または治療剤などとして用いられるが、アンジオテンシンII介在性諸疾患としては、高血圧症、心不全、脳卒中、虚血性末梢循環障害、心筋虚血、静脈機能不全、心筋梗塞後の心不全進行、糖尿病性腎症、腎炎、糸球体腎炎、動脈硬化症、血管肥厚、経皮的冠動脈形成術後の血管肥厚または閉塞、バイパス手術後の血管再閉塞、高アルドステロン症、糸球体硬化症、腎不全、緑内障、高眼圧症、高脂血症、心筋梗塞、狭心症、動脈瘤、冠動脈硬化症、脳動脈硬化症、末梢動脈硬化症、血栓症などの循環器系の諸疾患、アルツハイマー病、記憶欠乏症、うつ病、健忘症及び老人性痴呆を含めた知覚機能障害、不安及び緊張症状、不快精神状態などの中枢神経系疾患、消化不良、多臓器不全、強皮症などが挙げられる。なかでも、循環器系疾患の予防または治療剤として好ましく用いられるが、ここで言う循環器系疾患には、循環器系の障害に起因する中枢神経系疾患なども含まれる。循環器系疾患のなかでも、動脈硬化症、高脂血症などの予防または治療に、本発明の医薬組成物を用いるのが好ましく、とりわけ、動脈硬化症の予防または治療に用いるのが好ましい。さらに、コレステロール低下に使用する治療方法にも、本発明の医薬組成物を用いることもできる。また、本発明の医薬組成物は、糖尿病性、肥満性、高脂血性、本態性などの高血圧症を合併症とする疾患の予防または治療に顕著な効果を奏し、とりわけ、高血圧症を合併症とする動脈硬化症の予防または治療に好ましく用いられる。
【0033】
本発明の医薬は、例えば、顆粒剤、散剤、粉剤、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、乳剤、坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤など)、注射剤(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉注射剤、腹腔内注射剤など)、点滴剤、外用剤(例、経鼻投与製剤、経皮製剤、軟膏剤など)、エマルジョン剤、エリキシル剤、懸濁剤、溶液剤などとして、経口または非経口的に投与することができ、これらの製剤は、製剤化工程において一般に用いる自体公知の方法に従って製剤化することができる。本明細書において、非経口とは、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射あるいは点滴法などをも含むものである。
【0034】
注射用調剤、例えば、無菌注射用水性懸濁物あるいは油性懸濁物は、適当な分散化剤または湿化剤および懸濁化剤を用いて当該分野で知られた方法で調整されうる。その無菌注射用調剤は、また、例えば水溶液などの非毒性の非経口投与することのできる希釈剤あるいは溶剤中の無菌の注射のできる溶液または懸濁液であってよい。使用することのできるベーヒクルあるいは溶剤として許されるものとしては、水、リンゲル液、等張食塩液などがあげられる。さらに、通常溶剤または懸濁化溶媒として無菌の不揮発性油も用いられうる。このためには、いかなる不揮発性油も脂肪酸も使用でき、天然あるいは合成あるいは半合成の脂肪性油又は脂肪酸、そして天然あるいは合成あるいは半合成のモノあるいはジあるいはトリグリセリド類も含められる。さらに、保存剤、等張形化剤、溶解補助剤、安定剤、無痛化剤などの添加物を適宜用いてもよい。直腸投与用の坐剤は、その薬物と適当な非刺激性の補形剤、例えば、ココアバターやポリエチレングリコール類といった常温では固体であるが腸管の温度では液体で、直腸内で融解し、薬物を放出するものなどと混合して製造されることができる。
【0035】
経口投与用の固形投与剤型としては、粉剤、顆粒剤、錠剤、ピル剤、カプセル剤などの上記したものがあげられる。そのような剤型において、有効成分は、少なくとも一つの添加物、例えば、ショ糖、乳糖、セルロース糖、マニトール、マルチトール、デキストラン、デンプン類、寒天、アルギネート類、キチン類、キトサン類、ペクチン類、トラガントガム類、アラビアゴム類、ゼラチン類、コラーゲン類、カゼイン、アルブミン、合成又は半合成のポリマー類又はグリセリド類と混合することができる。そのような剤型物はまた、通常の如く、さらなる添加物を含むことができ、例えば不活性希釈剤、マグネシウムステアレートなどの滑沢剤、パラベン類、ソルビン酸などの保存剤、アスコルビン酸、α−トコフェロール、システインなどの抗酸化剤、賦形剤、崩壊剤、結合化剤、増粘剤、緩衝化剤、甘味付与剤、フレーバー付与剤、パーフューム剤、コーティング剤などが挙げられる。錠剤及びピル剤はさらにエンテリックコーティングされて製造されることもできる。経口投与用の液剤は、医薬として許容されるエマルジョン剤、シロップ剤、エリキシル剤、懸濁剤、溶液剤などがあげられ、それらは当該分野で普通用いられる不活性希釈剤、例えば水を含んでいてよい。
【0036】
本発明の医薬は、その有効成分を含有する医薬組成物において、アンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物またはその塩を0.6〜39重量%(なかでも0.7〜27重量%)、インスリン感受性増強作用を有する化合物またはその塩を0.06〜35重量%(なかでも0.6〜23重量%)、糖尿病食後過血糖改善作用を有する化合物またはその塩を0.06〜0.39重量%(なかでも0.06〜0.24重量%)、アンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するインダン誘導体またはその塩を3〜46重量%(なかでも3〜23重量%)HMG−Co A還元酵素阻害作用を有するピリジン誘導体またはその塩を0.006〜0.77重量%(なかでも0.006〜0.39重量%)をそれぞれ含有するのが好ましい。この組成物は、2種以上の薬物を別々あるいは同時に製剤化した組成物の何れであってもよい。本発明の医薬は、低毒性で、動物とりわけ哺乳動物(例えば、ヒト、イヌ、ウサギ、ラット、マウスなど)に対し、安全に用いられ、特にアンジオテンシンIIが関与する疾患の予防または治療に有利に使用される。本発明の医薬の投与量は、個々の薬物の最少推奨臨床投与量を基準とし、投与対象、投与対象の年齢および体重、症状、投与時間、投与方法、剤型、薬物の組み合わせなどにより、適宜選択することができる。ある特定の患者の投与量は、年令、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与時間、投与方法、排泄速度、薬物の組み合わせ、患者のその時に治療を行っている病状の程度に応じ、それらあるいはその他の要因を考慮して決められる。典型的には、アンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物またはその塩と、インスリン感受性増強作用を有する化合物、糖尿病食後過血糖改善作用を有する化合物、アンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するインダン誘導体、HMG−CoA還元酵素阻害作用を有するピリジン誘導体またはそれらの塩の少なくとも一種とを組み合わせに関する個々の一日投与量は、それらが単独で投与される場合の実態に関して最少推奨臨床投与量の約1/50以上最大推奨レベル以下(好ましくは最少推奨臨床投与量以下、さらに好ましくは最少推奨臨床投与量1/2以下)の範囲である。これらの組合わせを例示すると、例えば、成人(体重約60kg)の動脈硬化症の治療において、約1〜50mg/ヒト/日(好ましくは、約1〜35mg/ヒト/日)の範囲の(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラートと、例えば、約0.1〜30mg/ヒト/日(好ましくは、約2〜30mg/ヒト/日)の範囲の5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオンまたは約0.1〜2mg/ヒト/日の範囲のN−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミンと有効に組み合わせることができる。当然ながら、これらの用量範囲は一日投与量を分割するために必要な単位ベースで調節できるが、前記のように用量は疾患の性質及び程度、患者の年令、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与時間、投与方法、排泄速度、薬物の組み合わせ、それらあるいはその他の要因を考慮して決められる。本発明の予防または治療剤において、その単位服量は1日に1回または2回(好ましくは1回)投与される。上記した好ましい組み合わせ(1)ないし(3)を成人(体重約60kg)の動脈硬化症の治療剤として用いる場合の具体的な実施態様を以下に示す。
(1) (±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート約1〜50mg(好ましくは、約1〜35mg)を含有する錠剤は、5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオン約0.1〜45mg(好ましくは、約2〜30mg)、(R)−(+)−5−[3−[4−[2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ]−3−メトキシフェニル]プロピル]−2,4−オキサゾリジンジオン約1〜20mg(好ましくは、約1〜15mg)、N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミン約0.1〜0.5mg(好ましくは、約0.1〜0.3mg)、N−[N−[(S)−1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル]−L−アラニル]−N−(インダン−2−イル)グリシン塩酸塩約5〜60mg(好ましくは、約5〜30mg)、または(+)−3R,5S−エリスロ−(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジイソプロピル−5−メトキシメチルピリジン−3−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エノエイトナトリウム約0.01〜1mg(好ましくは、約0.01〜0.5mg)を含有する錠剤との併用の形態で、経口的に同一対象に投与される。個々の錠剤は、それぞれ1日1回で投与することが好ましく、同一対象に同時に投与してもよく、また12時間以内(好ましくは6時間以内)の時間差をおいて投与してもよい。
(2) 2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸約1〜50mg(好ましくは、約1〜35mg)を含有する錠剤は、5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオン約0.1〜45mg(好ましくは、約2〜30mg)、(R)−(+)−5−[3−[4−[2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ]−3−メトキシフェニル]プロピル]−2,4−オキサゾリジンジオン約1〜20mg(好ましくは、約1〜15mg)、N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミン約0.1〜0.5mg(好ましくは、約0.1〜0.3mg)、N−[N−[(S)−1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル]−L−アラニル]−N−(インダン−2−イル)グリシン塩酸塩約5〜60mg(好ましくは、約5〜30mg)、または(+)−3R,5S−エリスロ−(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジイソプロピル−5−メトキシメチルピリジン−3−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エノエイトナトリウム約0.01〜1mg(好ましくは、約0.01〜0.5mg)を含有する錠剤との併用の形態で、経口的に同一対象に投与される。個々の錠剤は、それぞれ1日1回で投与することが好ましく、同一対象に同時に投与してもよく、また12時間以内(好ましくは6時間以内)の時間差をおいて投与してもよい。
(3) 2−エトキシ−1−[[2'−(2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸約1〜50mg(好ましくは、約1〜35mg)を含有する錠剤は、5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオン約0.1〜45mg(好ましくは、約2〜30mg)、(R)−(+)−5−[3−[4−[2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ]−3−メトキシフェニル]プロピル]−2,4−オキサゾリジンジオン約1〜20mg(好ましくは、約1〜15mg)、N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミン約0.1〜0.5mg(好ましくは、約0.01〜0.3mg)、N−[N−[(S)−1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル]−L−アラニル]−N−(インダン−2−イル)グリシン塩酸塩約5〜60mg(好ましくは、約5〜30mg)、または(+)−3R,5S−エリスロ−(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジイソプロピル−5−メトキシメチルピリジン−3−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エノエイトナトリウム約0.01〜1mg(好ましくは、約0.01〜0.5mg)を含有する錠剤との併用の形態で、経口的に同一対象に投与される。個々の錠剤は、それぞれ1日1回で投与することが好ましく、同一対象に同時に投与してもよく、また12時間以内(好ましくは6時間以内)の時間差をおいて投与してもよい。
【0037】
以下に、製剤例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0038】
製剤例
本発明でいうアンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物またはその塩と、インスリン感受性増強作用を有する化合物、糖尿病食後過血糖改善作用を有する化合物、アンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するインダン誘導体、HMG−CoA還元酵素阻害作用を有するピリジン有するまたはそれらの塩のの少なくとも一種とを組み合わせてなる医薬組成物(特に、アンジオテンシンII介在性諸疾患の予防または治療剤、好ましくは、成人の動脈硬化症の治療剤)は、例えば、次のような処方によって製造することができる。
【0039】
1.カプセル剤
(1)2−エトキシ−1−〔〔2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル〕−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸 1mg
(2)5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオン 30mg
(3)ラクトース 69mg
(4)微結晶セルロース 70mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 10mg
1カプセル 180mg

(1)、(2)、(3)、(4)および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(5)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
【0040】
2.錠剤
(1)2−エトキシ−1−〔〔2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル〕−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸 1mg
(2)5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオン 30mg
(3)ラクトース 66.4mg
(4)コーンスターチ 20mg
(5)ポリエチレングリコール 2.6mg
(6)ヒドロキシプロピルセルロース 4mg
(7)カルメロースカルシウム 5.6mg
(8)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
1錠 130mg

(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)の2/3、(7)の2/3および(8)の1/2を混和後、顆粒化する。残りの(6)、(7)および(8)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成形する。
【0041】
3.注射剤
(1)2−エトキシ−1−〔〔2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル〕−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸 1mg
(2)5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオン 30mg
(3)イノシット 79mg
(4)ベンジルアルコール 20mg
1アンプル 130mg

(1)、(2)、(3)、(4)を全量2mlになるように、注射用蒸留水に溶かし、アンプルに封入する。全工程は無菌状態で行う。
【0042】
4.カプセル剤
(1)2−エトキシ−1−〔〔2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル〕−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸 1mg
(2)(R)−(+)−5−[3−[4−[2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ]−3−メトキシフェニル]プロピル]−2,4−オキサゾリジンジオン 10mg
(3)ラクトース 89mg
(4)微結晶セルロース 70mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 10mg
1カプセル 180mg

(1)、(2)、(3)、(4)および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(5)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
【0043】
5.錠剤
(1)2−エトキシ−1−〔〔2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル〕−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸 1mg
(2)(R)−(+)−5−[3−[4−[2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ]−3−メトキシフェニル]プロピル]−2,4−オキサゾリジンジオン 10mg
(3)ラクトース 86.4mg
(4)コーンスターチ 20mg
(5)ポリエチレングリコール 2.6mg
(6)ヒドロキシプロピルセルロース 4mg
(7)カルメロースカルシウム 5.6mg
(8)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
1錠 130mg

(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)の2/3、(7)の2/3および(8)の1/2を混和後、顆粒化する。残りの(6)、(7)および(8)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成形する。
【0044】
6.注射剤
(1)2−エトキシ−1−〔〔2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル〕−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸 1mg
(2)(R)−(+)−5−[3−[4−[2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ]−3−メトキシフェニル]プロピル]−2,4−オキサゾリジンジオン 10mg
(3)イノシット 99mg
(4)ベンジルアルコール 20mg
1アンプル 130mg

(1)、(2)、(3)、(4)を全量2mlになるように、注射用蒸留水に溶かし、アンプルに封入する。全工程は無菌状態で行う。
【0045】
7.カプセル剤
(1)2−エトキシ−1−〔〔2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル〕−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸 1mg
(2)N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミン 0.2mg
(3)ラクトース 98.8mg
(4)微結晶セルロース 70mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 10mg
1カプセル 180mg

(1)、(2)、(3)、(4)および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(5)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
【0046】
8.錠剤
(1)2−エトキシ−1−〔〔2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル〕−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸 1mg
(2)N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミン 0.2mg
(3)ラクトース 96.2mg
(4)コーンスターチ 20mg
(5)ポリエチレングリコール 2.6mg
(6)ヒドロキシプロピルセルロース 4mg
(7)カルメロースカルシウム 5.6mg
(8)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
1錠 130mg

(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)の2/3、(7)の2/3および(8)の1/2を混和後、顆粒化する。残りの(6)、(7)および(8)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成形する。
【0047】
9.注射剤
(1)2−エトキシ−1−〔〔2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル〕−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸 1mg
(2)N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミン 0.2mg
(3)イノシット 108.8mg
(4)ベンジルアルコール 20mg
1アンプル 130mg

(1)、(2)、(3)、(4)を全量2mlになるように、注射用蒸留水に溶かし、アンプルに封入する。全工程は無菌状態で行う。
【0048】
10.カプセル剤
(1)2−エトキシ−1−〔〔2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル〕−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸 1mg
(2)N−[N−[(S)−1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル]−L−アラニル]−N−(インダン−2−イル)グリシン塩酸塩 10mg
(3)ラクトース 89mg
(4)微結晶セルロース 70mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 10mg
1カプセル 180mg

(1)、(2)、(3)、(4)および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(5)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
【0049】
11.錠剤
(1)2−エトキシ−1−〔〔2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル〕−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸 1mg
(2)N−[N−[(S)−1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル]−L−アラニル]−N−(インダン−2−イル)グリシン塩酸塩 10mg
(3)ラクトース 86.4mg
(4)コーンスターチ 20mg
(5)ポリエチレングリコール 2.6mg
(6)ヒドロキシプロピルセルロース 4mg
(7)カルメロースカルシウム 5.6mg
(8)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
1錠 130mg

(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)の2/3、(7)の2/3および(8)の1/2を混和後、顆粒化する。残りの(6)、(7)および(8)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成形する。
【0050】
12.注射剤
(1)2−エトキシ−1−〔〔2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル〕−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸 1mg
(2)N−[N−[(S)−1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル]−L−アラニル]−N−(インダン−2−イル)グリシン塩酸塩 10mg
(3)イノシット 99mg
(4)ベンジルアルコール 20mg
1アンプル 130mg

(1)、(2)、(3)、(4)を全量2mlになるように、注射用蒸留水に溶かし、アンプルに封入する。全工程は無菌状態で行う。
【0051】
13.カプセル剤
(1)2−エトキシ−1−〔〔2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル〕−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸 1mg
(2)(+)−3R,5S−エリスロ−(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジイソプロピル−5−メトキシメチルピリジン−3−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エノエイトナトリウム 0.15mg
(3)ラクトース 98.85mg
(4)微結晶セルロース 70mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 10mg
1カプセル 180mg

(1)、(2)、(3)、(4)および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(5)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
【0052】
14.錠剤
(1)2−エトキシ−1−〔〔2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル〕−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸 1mg
(2)(+)−3R,5S−エリスロ−(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジイソプロピル−5−メトキシメチルピリジン−3−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エノエイトナトリウム 0.15mg
(3)ラクトース 96.25mg
(4)コーンスターチ 20mg
(5)ポリエチレングリコール 2.6mg
(6)ヒドロキシプロピルセルロース 4mg
(7)カルメロースカルシウム 5.6mg
(8)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
1錠 130mg

(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)の2/3、(7)の2/3および(8)の1/2を混和後、顆粒化する。残りの(6)、(7)および(8)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成形する。
【0053】
15.注射剤
(1)2−エトキシ−1−〔〔2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル〕−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸 1mg
(2)(+)−3R,5S−エリスロ−(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジイソプロピル−5−メトキシメチルピリジン−3−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エノエイトナトリウム 0.15mg
(3)イノシット 108.85mg
(4)ベンジルアルコール 20mg
1アンプル 130mg

(1)、(2)、(3)、(4)を全量2mlになるように、注射用蒸留水に溶かし、アンプルに封入する。全工程は無菌状態で行う。
【0054】
16.カプセル剤
(1)(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート 1mg
(2)5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオン 30mg
(3)ラクトース 69mg
(4)微結晶セルロース 70mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 10mg
1カプセル 180mg

(1)、(2)、(3)、(4)および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(5)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
【0055】
17.錠剤
(1)(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート 1mg
(2)5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオン 30mg
(3)ラクトース 66.4mg
(4)コーンスターチ 20mg
(5)ポリエチレングリコール 2.6mg
(6)ヒト゛ロキシフ゜ロヒ゜ルセルロース 4mg
(7)カルメロースカルシウム 5.6mg
(8)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
1錠 130mg

(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)の2/3、(7)の2/3および(8)の1/2を混和後、顆粒化する。残りの(6)、(7)および(8)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成形する。
【0056】
18.カプセル剤
(1)(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート 1mg
(2)(R)−(+)−5−[3−[4−[2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ]−3−メトキシフェニル]プロピル]−2,4−オキサゾリジンジオン 10mg
(3)ラクトース 89mg
(4)微結晶セルロース 70mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 10mg
1カプセル 180mg

(1)、(2)、(3)、(4)および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(5)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
【0057】
19.錠剤
(1)(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート 1mg
(2)(R)−(+)−5−[3−[4−[2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ]−3−メトキシフェニル]プロピル]−2,4−オキサゾリジンジオン 10mg
(3)ラクトース 86.4mg
(4)コーンスターチ 20mg
(5)ポリエチレングリコール 2.6mg
(6)ヒドロキシプロピルセルロース 4mg
(7)カルメロースカルシウム 5.6mg
(8)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
1錠 130mg

(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)の2/3、(7)の2/3および(8)の1/2を混和後、顆粒化する。残りの(6)、(7)および(8)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成形する。
【0058】
20.カプセル剤
(1)(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート 1mg
(2)N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミン 0.2mg
(3)ラクトース 98.8mg
(4)微結晶セルロース 70mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 10mg
1カプセル 180mg

(1)、(2)、(3)、(4)および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(5)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
【0059】
21.錠剤
(1)(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート 1mg
(2)N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミン 0.2mg
(3)ラクトース 96.2mg
(4)コーンスターチ 20mg
(5)ポリエチレングリコール 2.6mg
(6)ヒドロキシプロピルセルロース 4mg
(7)カルメロースカルシウム 5.6mg
(8)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
1錠 130mg

(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)の2/3、(7)の2/3および(8)の1/2を混和後、顆粒化する。残りの(6)、(7)および(8)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成形する。
【0060】
22.カプセル剤
(1)(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート 1mg
(2)N−[N−[(S)−1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル]−L−アラニル]−N−(インダン−2−イル)グリシン塩酸塩 10mg
(3)ラクトース 89mg
(4)微結晶セルロース 70m
(5)ステアリン酸マグネシウム 10mg
1カプセル 180mg

(1)、(2)、(3)、(4)および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(5)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
【0061】
23.錠剤
(1)(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート 1mg
(2)N−[N−[(S)−1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル]−L−アラニル]−N−(インダン−2−イル)グリシン塩酸塩 10mg
(3)ラクトース 86.4mg
(4)コーンスターチ 20mg
(5)ポリエチレングリコール 2.6mg
(6)ヒドロキシプロピルセルロース 4mg
(7)カルメロースカルシウム 5.6mg
(8)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
1錠 130mg

(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)の2/3、(7)の2/3および(8)の1/2を混和後、顆粒化する。残りの(6)、(7)および(8)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成形する。
【0062】
24.カプセル剤
(1)(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート 1mg
(2)(+)−3R,5S−エリスロ−(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジイソプロピル−5−メトキシメチルピリジン−3−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エノエイトナトリウム 0.15mg
(3)ラクトース 98.85mg
(4)微結晶セルロース 70mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 10mg
1カプセル 180mg

(1)、(2)、(3)、(4)および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(5)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
【0063】
25.錠剤
(1)(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート 1mg
(2)(+)−3R,5S−エリスロ−(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジイソプロピル−5−メトキシメチルピリジン−3−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エノエイトナトリウム 0.15mg
(3)ラクトース 96.25mg
(4)コーンスターチ 20mg
(5)ポリエチレングリコール 2.6mg
(6)ヒドロキシプロピルセルロース 4mg
(7)カルメロースカルシウム 5.6mg
(8)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
1錠 130mg

(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)の2/3、(7)の2/3および(8)の1/2を混和後、顆粒化する。残りの(6)、(7)および(8)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成形する。
【0064】
26.カプセル剤
(1)2−エトキシ−1−[[2'−(2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸 1mg
(2)5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオン 30mg
(3)ラクトース 69mg
(4)微結晶セルロース 70mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 10mg
1カプセル 180mg

(1)、(2)、(3)、(4)および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(5)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
【0065】
27.錠剤
(1)2−エトキシ−1−[[2'−(2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸 1mg
(2)5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオン 30mg
(3)ラクトース 66.4mg
(4)コーンスターチ 20mg
(5)ポリエチレングリコール 2.6mg
(6)ヒドロキシプロピルセルロース 4mg
(7)カルメロースカルシウム 5.6mg
(8)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
1錠 130mg

(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)の2/3、(7)の2/3および(8)の1/2を混和後、顆粒化する。残りの(6)、(7)および(8)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成形する。
【0066】
28.カプセル剤
(1)2−エトキシ−1−[[2'−(2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸 1mg
(2)(R)−(+)−5−[3−[4−[2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ]−3−メトキシフェニル]プロピル]−2,4−オキサゾリジンジオン 10mg
(3)ラクトース 89mg
(4)微結晶セルロース 70mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 10mg
1カプセル 180mg

(1)、(2)、(3)、(4)および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(5)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
【0067】
29.錠剤
(1)2−エトキシ−1−[[2'−(2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸 1mg
(2)(R)−(+)−5−[3−[4−[2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ]−3−メトキシフェニル]プロピル]−2,4−オキサゾリジンジオン 10mg
(3)ラクトース 86.4mg
(4)コーンスターチ 20mg
(5)ポリエチレングリコール 2.6mg
(6)ヒドロキシプロピルセルロース 4mg
(7)カルメロースカルシウム 5.6mg
(8)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
1錠 130mg

(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)の2/3、(7)の2/3および(8)の1/2を混和後、顆粒化する。残りの(6)、(7)および(8)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成形する。
【0068】
30.カプセル剤
(1)2−エトキシ−1−[[2'−(2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸 1mg
(2)N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミン 0.2mg
(3)ラクトース 98.8mg
(4)微結晶セルロース 70mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 10mg
1カプセル 180mg

(1)、(2)、(3)、(4)および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(5)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
【0069】
31.錠剤
(1)2−エトキシ−1−[[2'−(2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸 1mg
(2)N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミン 0.2mg
(3)ラクトース 96.2mg
(4)コーンスターチ 20mg
(5)ポリエチレングリコール 2.6mg
(6)ヒドロキシプロピルセルロース 4mg
(7)カルメロースカルシウム 5.6mg
(8)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
1錠 130mg

(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)の2/3、(7)の2/3および(8)の1/2を混和後、顆粒化する。残りの(6)、(7)および(8)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成形する。
【0070】
32.カプセル剤
(1)2−エトキシ−1−[[2'−(2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸 1mg
(2)N−[N−[(S)−1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル]−L−アラニル]−N−(インダン−2−イル)グリシン塩酸塩10mg
(3)ラクトース 89mg
(4)微結晶セルロース 70mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 10mg
1カプセル 180mg

(1)、(2)、(3)、(4)および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(5)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
【0071】
33.錠剤
(1)2−エトキシ−1−[[2'−(2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸 1mg
(2)N−[N−[(S)−1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル]−L−アラニル]−N−(インダン−2−イル)グリシン塩酸塩10mg(3)ラクトース 86.4mg
(4)コーンスターチ 20mg
(5)ポリエチレングリコール 2.6mg
(6)ヒト゛ロキシフ゜ロヒ゜ルセルロース4mg
(7)カルメロースカルシウム 5.6mg
(8)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
1錠 130mg

(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)の2/3、(7)の2/3および(8)の1/2を混和後、顆粒化する。残りの(6)、(7)および(8)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成形する。
【0072】
34.カプセル剤
(1)2−エトキシ−1−[[2'−(2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸 1mg
(2)(+)−3R,5S−エリスロ−(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジイソプロピル−5−メトキシメチルピリジン−3−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エノエイトナトリウム 0.15mg
(3)ラクトース 98.85mg
(4)微結晶セルロース 70mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 10mg
1カプセル 180mg

(1)、(2)、(3)、(4)および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(5)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
【0073】
35.錠剤
(1)2−エトキシ−1−[[2'−(2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸 1mg
(2)(+)−3R,5S−エリスロ−(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジイソプロピル−5−メトキシメチルピリジン−3−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エノエイトナトリウム 0.15mg
(3)ラクトース 96.25mg
(4)コーンスターチ 20mg
(5)ポリエチレングリコール 2.6mg
(6)ヒドロキシプロピルセルロース 4mg
(7)カルメロースカルシウム 5.6mg
(8)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
1錠 130mg

(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)の2/3、(7)の2/3および(8)の1/2を混和後、顆粒化する。残りの(6)、(7)および(8)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成形する。
【産業上の利用可能性】
【0074】
アンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物またはその塩と、インスリン感受性増強作用を有する化合物、糖尿病食後過血糖改善作用を有する化合物またはアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するインダン誘導体、HMG−CoA還元酵素阻害作用を有するピリジン誘導体またはそれらの塩の少なくとも一種とを組み合わせてなる本発明の医薬組成物は、各有効成分を単独で使用する場合の投与量を大幅に減少させることが可能であり、その結果、それぞれを単独で使用する場合と比較すると、薬物の副作用の発現を抑えることが可能となり、アンジオテンシンII介在性諸疾患の予防または治療剤、特に動脈硬化症あるいは高血圧症を合併症とした動脈高血圧症の予防または治療剤などとして有利に用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物またはその塩と、インスリン感受性増強作用を有する化合物、糖尿病食後過血糖改善作用を有する化合物、アンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するインダン誘導体、HMG−CoA還元酵素阻害作用を有するピリジン誘導体またはそれらの塩の少なくとも一種とを組み合わせてなる医薬。
【請求項2】
アンジオテンシンII介在性諸疾患の予防または治療剤である請求項1記載の医薬。
【請求項3】
疾患が循環器系疾患である請求項2記載の医薬。
【請求項4】
高血圧症、心不全、脳卒中、虚血性末梢循環障害、心筋虚血、静脈機能不全、心筋梗塞後の心不全進行、糖尿病性腎症、腎炎、糸球体腎炎、動脈硬化症、血管肥厚、経皮的冠動脈形成術後の血管肥厚または閉塞、バイパス手術後の血管再閉塞、高アルドステロン症、糸球体硬化症、腎不全、緑内障、高眼圧症、高脂血症、心筋梗塞、狭心症、動脈瘤、冠動脈硬化症、脳動脈硬化症、末梢動脈硬化症、血栓症、中枢神経系疾患、アルツハイマー病、記憶欠乏症、うつ病、健忘症、老人性痴呆、知覚機能障害、多臓器不全または強皮症の予防・治療剤、または不安症状、緊張症状、不快精神状態または消化不良の予防・改善剤である請求項2記載の医薬。
【請求項5】
疾患が高血圧症の合併症である請求項2記載の医薬。
【請求項6】
疾患が動脈硬化症である請求項2記載の医薬。
【請求項7】
疾患が動脈硬化症である請求項5記載の医薬。
【請求項8】
アンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物が、式(I)
【化1】

(式中、R1は水素または置換されていてもよい炭化水素残基を示し、R2はエステル化されていてもよいカルボキシル基を示し、R3は陰イオンを形成しうる基またはそれに変じ得る基を示し、Xはフェニレン基とフェニル基が直接または原子鎖2以下のスペーサーを介して結合していることを示し、nは1または2を示し、環AはR2で表される基以外にさらに置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、Yは結合手、−O−、−S(O)m−(mは0、1または2を示す)または−N(R4)−(R4は水素または置換されていてもよいアルキル基を示す)を示す。)で表される化合物である請求項1記載の医薬。
【請求項9】
アンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物が、(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート、2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸または2−エトキシ−1−[[2'−(2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキソジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸である請求項1記載の医薬。
【請求項10】
インスリン感受性増強作用を有する化合物が、5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオンまたは(R)−(+)−5−[3−[4−[2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ]−3−メチキシフェニル]プロピル]−2,4−オキサアゾリジンジオンである請求項1記載の医薬。
【請求項11】
糖尿病食後過血糖改善作用を有する化合物が、N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミンである請求項1記載の医薬。
【請求項12】
アンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するインダン誘導体が、N−[N−[(S)−1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル]−L−アラニル]−N−(インダン−2−イル)グリシンである請求項1記載の医薬。
【請求項13】
HMG−Co A還元酵素阻害作用を有するピリジン誘導体が、(+)−3R,5S−エリスロ−(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジイソプロピル−5−メトキシメチルピリジン−3−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸である請求項1記載の医薬。
【請求項14】
アンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物が、(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート、2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸または2−エトキシ−1−[[2'−(2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキソジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸であり、インスリン感受性増強作用を有する化合物が、5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオンまたは(R)−(+)−5−[3−[4−[2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ]−3−メチキシフェニル]プロピル]−2,4−オキサアゾリジンジオンであり、糖尿病食後過血糖改善作用を有する化合物が、N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミンであり、アンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するインダン誘導体が、N−[N−[(S)−1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル]−L−アラニル]−N−(インダン−2−イル)グリシンであり、HMG−Co A還元酵素阻害作用を有するピリジン誘導体が、(+)−3R,5S−エリスロ−(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジイソプロピル−5−メトキシメチルピリジン−3−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸である請求項1記載の医薬。
【請求項15】
アンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物またはその塩とインスリン感受性増強作用を有する化合物またはその塩とを組み合わせてなる請求項1記載の医薬。
【請求項16】
アンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物またはその塩と糖尿病食後過血糖改善作用を有する化合物またはその塩とを組み合わせてなる請求項1記載の医薬。
【請求項17】
(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラートまたはその塩と、5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオン、(R)−(+)−5−[3−[4−[2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ]−3−メトキシフェニル]プロピル]−2,4−オキサアゾリジンジオン、N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミン、N−[N−[(S)−1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル]−L−アラニル]−N−(インダン−2−イル)グリシン、(+)−3R,5S−エリスロ−(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジイソプロピル−5−メトキシメチルピリジン−3−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸またはそれらの塩の少なくとも一種とを組み合わせてなる高血圧症、動脈硬化症または高脂血症の予防・治療薬である請求項1記載の医薬。
【請求項18】
2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸と、5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオン、(R)−(+)−5−[3−[4−[2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ]−3−メトキシフェニル]プロピル]−2,4−オキサアゾリジンジオン、N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミン、N−[N−[(S)−1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル]−L−アラニル]−N−(インダン−2−イル)グリシン、(+)−3R,5S−エリスロ−(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジイソプロピル−5−メトキシメチルピリジン−3−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸またはそれらの塩の少なくとも一種とを組み合わせてなる高血圧症、動脈硬化症または高脂血症の予防・治療薬である請求項1記載の医薬。
【請求項19】
2−エトキシ−1−[[2'−(2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸と、5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオン、(R)−(+)−5−[3−[4−[2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ]−3−メチキシフェニル]プロピル]−2,4−オキサアゾリジンジオン、N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミン、N−[N−[(S)−1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル]−L−アラニル]−N−(インダン−2−イル)グリシン、(+)−3R,5S−エリスロ−(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジイソプロピル−5−メトキシメチルピリジン−3−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸またはそれらの塩の少なくとも一種とを組み合わせてなる高血圧症、動脈硬化症または高脂血症の予防・治療薬である請求項1記載の医薬。

【公開番号】特開2008−195736(P2008−195736A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−110085(P2008−110085)
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【分割の表示】特願平9−86484の分割
【原出願日】平成9年4月4日(1997.4.4)
【出願人】(000002934)武田薬品工業株式会社 (396)
【Fターム(参考)】