説明

医薬組成物

【課題】糖尿病、糖尿病合併症又は肥満などのグルコキナーゼに関与する疾患の予防及び/又は治療のための医薬を提供する。
【解決手段】下式で示されるオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩。


[式中、環Aはアリール又はヘテロアリールを表す。Qはシクロアルキル、ヘテロ環基等を表す。環Tはヘテロアリール又はヘテロ環基を表す。Rは水素原子等を表す。Rは−COR11又は−CR13(OH)R11を表す。R11は置換若しくは非置換アルキル、置換若しくは非置換シクロアルキル等を表す。R13は水素原子、又はアルキルを表す。R及びRは独立して水素原子、アルコキシ等を表す。Rは置換若しくは非置換アルコキシ、置換若しくは非置換アルキル等を表す。Rは水素原子等を表す。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れたグルコキナーゼ活性化作用を有し、医薬として有用な新規オキシム誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
グルコキナーゼ(GK)は、哺乳動物において見出される4つのヘキソキナーゼの中の1つである。ヘキソキナーゼは、グルコース代謝の第1段階であるグルコース−6−リン酸へのグルコースの変換を触媒する。GKは、主に肝実質細胞及び膵臓β細胞に局在しており、これらの細胞におけるグルコース代謝のための律速酵素として、体全体のグルコース恒常性に重要な役割を果たしている。該酵素の肝実質細胞及び膵臓β細胞における形態は、それぞれスプライシングの違いにより、N末15アミノ酸の配列が異なっているが、機能的には同一である。GK以外の3つのへキソキナーゼは、1mM以下のグルコース濃度にて酵素活性が飽和するが、GKのKmは8mMであり、これは血糖値の生理的な範囲内のものである。従って、血糖濃度が正常血糖(5mM)から食後血糖(10〜15mM)に上昇するにつれて、GKを介した細胞内グルコース代謝が活性化される。以前から、GKは膵臓β細胞及び肝細胞のグルコースセンサーとして機能するという仮説が提唱された(非特許文献1)。その後、GK遺伝子操作動物における研究の結果によって、GKは全身のグルコース恒常性において実際に決定的に重要な役割を果たしていることが明らかになっている。GK遺伝子破壊マウスは生後まもなく死亡する(非特許文献2)が、GKを過剰発現させた正常及び糖尿病マウスは共に、野生型動物よりも低い血糖値を示した(非特許文献3)。
【0003】
遺伝的糖尿病の一つであるII型若年発症成人型糖尿病(MODY−2: maturity-onset diabetes of the young type II)において、GK遺伝子の機能喪失型突然変異が発見され、MODY−2におけるGK活性の低下が血糖上昇の原因となると考えられている(非特許文献4)。一方、酵素活性を上昇させるGK突然変異を有する家系が見つかってきており、このような人々は低血糖症を示す(非特許文献5)。従って、GKは、ヒトでもグルコースセンサーとして機能し、グルコース恒常性の維持に重要な役割を果たしていると考えられる。GKを活性化する化合物は、GKセンサー系を活性化させることから、β細胞におけるインスリン分泌促進作用、及び肝臓における糖取り込み亢進作用及び肝臓の放出抑制作用を有することが期待でき、従って、該化合物は例えばII型糖尿病の治療に有用であると考えられる。
【0004】
近年、膵臓β細胞型グルコキナーゼがラット脳において、摂食中枢(Ventromedial hypothalamus, VMH)に局在して分布していることが示された。VMHにおける約20%の神経細胞は、グルコースレスポンシブニューロンと呼ばれ、従来から体重の制御に重要な役割を果たすと考えられてきた。ラットにおけるグルコースの脳内投与により摂食量が減少するのに対して、グルコース類縁体のグルコサミンの脳内投与によってラットは過食となり、グルコース代謝の抑制を生じる。電気生理学的実験からVMHにおけるグルコースレスポンシブニューロンは、グルコースが5から20mMまで増大する際に刺激され、グルコサミン等により活性が遮断される(非特許文献6)。VHMのグルコースセンサー機序は膵臓β細胞のものと同様であると考えられる。従って、GK活性化物質は、II型糖尿病における主な問題の一つである肥満の改善ならびに高血糖の是正の可能性を有する。
【0005】
上記から、GK活性化作用を有する化合物は、糖尿病、又は網膜症、腎症、神経症、虚血性心疾患若しくは動脈硬化等の糖尿病の慢性合併症、更には肥満の、治療剤及び/又は予防剤として有用である。
【0006】
GK活性化作用を有する化合物としては、例えばピリジンカルボン酸誘導体(特許文献1)、2−ピリジンカルボキサミド誘導体(特許文献2)、ヘテロアリールカルバモイルベンゼン誘導体(特許文献3)、ヘテロアリール誘導体(特許文献4)、置換アリールシクロプロピルアセトアミド誘導体(特許文献5)、5−置換ピラジン若しくはピリジン誘導体(特許文献6)、置換(チアゾール−2−イル)アミド若しくはスルホンアミド誘導体(特許文献7)、置換フェニルアセトアミド誘導体(特許文献8)又はアミド誘導体(特許文献9)が挙げられる。また、オキシム構造を有する化合物は、特許文献10〜13及び非特許文献7〜9に記載されている。
【特許文献1】WO05/044801
【特許文献2】WO04/081001
【特許文献3】WO04/076420
【特許文献4】WO04/063194
【特許文献5】WO04/063179
【特許文献6】WO04/052869
【特許文献7】WO04/050645
【特許文献8】WO03/095438
【特許文献9】WO03/055482
【特許文献10】WO05/023761
【特許文献11】WO01/012189
【特許文献12】WO00/026202
【特許文献13】WO96/023763
【非特許文献1】American Journal Physiology,247(3Pt2),1984年,p.527-536
【非特許文献2】Cell,83,1995年,p.69-78
【非特許文献3】Proceedings of the National Academy of Sciences of the U.S.A.,93,1996年,p.7225-7230
【非特許文献4】Nature Genetics,356,1992年,p.721-722
【非特許文献5】New England Journal of Medicine,338,1998年,p.226-230
【非特許文献6】Diabetes,48(9),1999年,p.1763-72
【非特許文献7】Bulletin des Societes Chimiques Belges,103(5-6),1994年,p.213-18
【非特許文献8】Bulletin of the Chemical Society of Japan,66(8),1993年,p.2335-8
【非特許文献9】Pharmazie,43(8),1988年,p.535-6
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、糖尿病、糖尿病合併症又は肥満などのグルコキナーゼに関与する疾患の予防及び/又は治療のための医薬の有効成分として有用な優れたグルコキナーゼ活性化作用を有する新規化合物を提供することである。本発明の課題について鋭意研究した結果、次式で示されるオキシム誘導体が優れたグルコキナーゼ活性化作用を有することを見出し、本発明を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、次の具体的態様を含む。
【0009】
(1) 一般式[I]:


【0010】
[式中、環Aはアリール又はヘテロアリールを表す。
【0011】
Qはシクロアルキル、ヘテロ環基、アルキル又はアルケニルを表す。
【0012】
環Tはヘテロアリール又はヘテロ環基を表す。
【0013】
は水素原子、ハロゲン原子、シクロアルキルスルホニル、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アルキルチオ、置換若しくは非置換テトラゾリル、−COR10又は−CR12(OH)R10を表す。
【0014】
は−COR11又は−CR13(OH)R11を表す。
【0015】
10はアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロ環基を表す。
【0016】
11は置換若しくは非置換アルキル、置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換ヘテロアリール又はヘテロ環基を表す。
【0017】
12は水素原子又はアルキルを表す。
【0018】
13は水素原子又はアルキルを表す。
【0019】
及びRは独立して、水素原子、アルコキシ、置換若しくは非置換ヘテロ環基、置換若しくは非置換ヘテロアリール、アルコキシアルコキシ、置換若しくは非置換シクロアルキル、シアノ、置換若しくは非置換アリール、置換若しくは非置換カルバモイル、ヒドロキシ、アルカノイル、アルキルチオ、アルコキシカルボニル、置換若しくは非置換アリールオキシ、ハロゲン原子、オキソ又は置換若しくは非置換アリールカルボニルオキシを表す。
【0020】
は水素原子、ホルミル、ハロゲン原子、オキソ、置換若しくは非置換アルコキシ、置換若しくは非置換アミノスルホニル、置換若しくは非置換アルキルチオ、シアノ、置換若しくは非置換ヘテロ環スルホニル、ニトロ、置換若しくは非置換シクロアルキル、アルコキシカルボニル、アルケニル、アルキルスルホニル、置換若しくは非置換カルバモイル、置換若しくは非置換ヘテロアリールチオ、置換若しくは非置換アミノ、カルボキシ、置換若しくは非置換ヘテロアリール、置換若しくは非置換アルキニル、置換若しくは非置換ヘテロ環カルボニル、置換若しくは非置換ヘテロ環オキシ、置換若しくは非置換ヘテロ環基、置換若しくは非置換ヘテロ環チオ、置換若しくは非置換シクロアルキルオキシ、アルカノイル又は置換若しくは非置換アルキルを表す。
【0021】
は水素原子、置換若しくは非置換アルキル、ハロゲン原子又はカルボキシを表す。]
で示されるオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩。
【0022】
(2) 環Tが


【0023】
で示される、ヘテロアリール又はヘテロ環基である(1)記載のオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩。
【0024】
(3) 環Tがチアゾリル、チアゾロピリジニル、ピリジル、ピラジニル、ベンゾチアゾリル、キノリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、チアゾロピラジニル、チアゾロピリミジニル、シクロヘキサノチアゾリル又はジヒドロピラゾピリジニルである(1)又は(2)記載のオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩。
【0025】
(4) 環Tがチアゾリル、チアゾロピリジニル、ピリジル、ピラジニル、ベンゾチアゾリル、チアジアゾリル、チアゾロピラジニル、チアゾロピリミジニル、シクロヘキサノチアゾリル又はジヒドロピラゾロピリジニルである(1)又は(2)記載のオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩。
【0026】
(5) 環Tがチアゾリル、チアゾロピリジニル、ピラジニル、チアジアゾリル、チアゾロピラジニル又はチアゾロピリミジニルである(1)又は(2)記載のオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩。
【0027】
(6) 環Tがチアゾリル又はチアゾロピリジニルである(1)又は(2)記載のオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩。
【0028】
(7) 環Aがアリールである(1)〜(6)のいずれか記載のオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩。
【0029】
(8) 環Aがフェニル又はピリジルである(1)〜(6)のいずれか記載のオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩。
【0030】
(9) Rが水素原子又はハロゲン原子である(1)〜(8)のいずれか記載のオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩。
【0031】
(10) Rが水素原子である(1)〜(8)のいずれか記載のオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩。
【0032】
(11) Rが−COR11である(1)〜(10)のいずれか記載のオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩。
【0033】
(12) R10がアルキル又はシクロアルキルである(1)〜(11)のいずれか記載のオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩。
【0034】
(13) R11が置換若しくは非置換アルキル又は置換若しくは非置換シクロアルキルである(1)〜(12)のいずれか記載のオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩。
【0035】
(14) R11における「置換アルキル」の置換基がアルコキシである(1)〜(13)のいずれか記載のオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩。
【0036】
(15) R11がメチル、3−メトキシプロピル又はシクロプロピルである(1)〜(12)のいずれか記載のオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩。
【0037】
(16) R12及びR13が水素原子である(1)〜(15)のいずれか記載のオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩。
【0038】
(17) Rが水素原子、ホルミル、ハロゲン原子、オキソ、置換若しくは非置換アルコキシ、置換若しくは非置換アミノスルホニル、置換若しくは非置換アルキルチオ、シアノ、置換若しくは非置換ヘテロ環スルホニル、ニトロ、置換若しくは非置換シクロアルキル、アルコキシカルボニル、アルケニル、置換若しくは非置換カルバモイル、置換若しくは非置換ヘテロアリールチオ、置換若しくは非置換アミノ、置換若しくは非置換ヘテロアリール、置換若しくは非置換アルキニル、置換若しくは非置換ヘテロ環オキシ、アルカノイル又は置換若しくは非置換アルキルである(1)〜(16)のいずれか記載のオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩。
【0039】
(18) Rが水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換アルコキシ、置換若しくは非置換アルキルチオ、シアノ、置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換カルバモイル、置換若しくは非置換アミノ、置換若しくは非置換ヘテロ環オキシ、アルカノイル又は置換若しくは非置換アルキルである(1)〜(16)のいずれか記載のオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩。
【0040】
(19) Rがハロゲン原子、置換若しくは非置換アルコキシ、置換若しくは非置換アルキルチオ、置換若しくは非置換アミノ、置換若しくは非置換ヘテロ環オキシ又は置換若しくは非置換アルキルである(1)〜(16)のいずれか記載のオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩。
【0041】
(20) Rが置換若しくは非置換アルコキシ、置換若しくは非置換アミノ、置換若しくは非置換ヘテロ環オキシ又は置換若しくは非置換アルキルである(1)〜(16)のいずれか記載のオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩。
【0042】
(21) Rが置換又は非置換アルキルである(1)〜(16)のいずれか記載のオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩。
【0043】
(22) Rにおける「置換アルキル」の置換基が、置換若しくは非置換ヘテロ環基、置換若しくは非置換アミノ、置換若しくは非置換アルコキシ、置換若しくは非置換カルバモイル、ヒドロキシ、トリアルキルシリルオキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、置換若しくは非置換ヘテロ環オキシ、ヘテロアリール、置換若しくは非置換ヒドロキシイミノ、ハロゲン原子、カルボキシ、アルコキシカルボニル又はアルカノイルオキシである(1)〜(21)のいずれか記載のオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩。
【0044】
(23) Rが置換又は非置換アルコキシである(1)〜(16)のいずれか記載のオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩。
【0045】
(24) Rにおける「置換アルコキシ」の置換基が、アルキル、アルコキシカルボニルから選択される1若しくは2の基で置換されていても良いアミノ、アルコキシカルボニル、適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいカルバモイル、カルボキシル、ヒドロキシ、オキソで置換されていても良いヘテロ環基、トリアルキルシリルオキシ又はアルコキシである(1)〜(16)及び(23)のいずれか記載のオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩。
【0046】
(25) Rが水素原子、又は置換若しくは非置換アルキルである(1)〜(24)のいずれか記載のオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩。
【0047】
(26) Rが水素原子である(1)〜(24)のいずれか記載のオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩。
【0048】
(27) (1)〜(26)のいずれか記載のオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩からなる医薬。
【0049】
(28) グルコキナーゼ活性化薬である(27)記載の医薬。
【0050】
(29) 糖尿病の治療剤及び/又は予防剤である(27)記載の医薬。
【0051】
(30) 網膜症、腎症、神経症、虚血性心疾患、動脈硬化等の糖尿病の慢性合併症の治療及び/又は予防剤である(27)記載の医薬。
【0052】
(31) 肥満の治療及び/又は予防剤である(27)記載の医薬。
【0053】
本明細書において次の用語は以下に定義の意味を有する。
【0054】
「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられ、好ましくはフッ素原子又は塩素原子が挙げられる。
【0055】
「アルキル」(「アルキルチオ」、「ヒドロキシアルキル」等のように他の基と結合している「アルキル」部分を含む。以下に定義の他の基について同じ。)としては、例えばC1−6、好ましくはC1−4の直鎖又は分枝鎖アルキルが挙げられ、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。
【0056】
「アルケニル」としては、例えばC2−6、好ましくはC2−4の直鎖又は分枝鎖アルケニルが挙げられ、具体的にはビニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル等が挙げられる。
【0057】
「アルキニル」としては、例えばC2−6、好ましくはC2−4の直鎖又は分枝鎖アルキニルが挙げられ、具体的にはアセチレニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル等が挙げられる。
【0058】
「アルコキシ」としては、例えばC1−6、好ましくはC1−4の直鎖又は分枝鎖アルコキシが挙げられ、具体的にはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。
【0059】
「アルカノイル」としては、例えばC2−7、好ましくはC2−5の直鎖又は分枝鎖アルカノイルが挙げられ、具体的にはアセチル、プロピオニル、ブチリル、ペンタノイル等が挙げられる。
【0060】
「シクロアルキル」としては、例えばC3−8、好ましくはC3−6のシクロアルキルが挙げられ、具体的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルが挙げられる。
【0061】
「アリール」としては、6〜14員、好ましくは6〜10員の単環式、二環式又は三環式の芳香族炭化水素が挙げられ、具体的にはフェニル、ナフチル、フェナントリル、アンスリル等が挙げられ、特にフェニルが好ましい。
【0062】
「ヘテロアリール」としては、1〜3の炭素原子が酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から独立して選択されるヘテロ原子で置換される、4〜10員、好ましくは5〜9員の単環式又は二環式の芳香族炭化水素が挙げられ、具体的にはチエニル、チアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリル、ベンゾチアゾリル、チアゾロピリジニル、チアゾロピラジニル、チアゾロピリミジニル等である。
【0063】
「ヘテロ環基」としては、1〜3の炭素原子が独立して酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択されるヘテロ原子で置換される、4〜10員、好ましくは4〜9員の単環式又は二環式の非芳香族炭化水素が挙げられ、具体的にはオキセタニル、アゼチジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、ジオキソラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、テトラヒドロピラニル、チアシクロヘキシル、モルホリニル、チオモルホリニル、シクロヘキサノチアゾリル、ジヒドロチアゾロピリジニル、テトラヒドロチアゾロピリジニル等が挙げられる。
【0064】
あるいは、「ハロゲン原子」、「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、「アルコキシ」、「アルカノイル」、「シクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「ヘテロ環基」の具体例としては、実施例に具体的に示したものが挙げられる。
【0065】
化合物[I]の各記号で示される基について以下に説明する。
【0066】
環Aにおける「アリール」としては、好ましくはフェニルが挙げられる。
【0067】
環Aにおける「ヘテロアリール」としては、好ましくはチエニル又はピリジルが挙げられ、特にピリジルが好ましい。
【0068】
環Aが6員環の場合、Rの置換位置は4位が好ましい。
【0069】
Qにおける好ましい「シクロアルキル」としては、例えば5〜6員の単環式シクロアルキルが挙げられ、具体的にはシクロペンチル、シクロヘキシル等であり、特にシクロペンチルが好ましい。
【0070】
Qにおける好ましい「ヘテロ環基」としては、例えば酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から独立して選択される1〜3のヘテロ原子を適宜有していてもよい4〜6員の単環式ヘテロ環基が挙げられ、具体的にはオキセタニル、テトラヒドロフリル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、チアシクロヘキシル等が挙げられ、特にテトラヒドロフリルが好ましい。
【0071】
環Tにおける「ヘテロアリール」としては、例えば酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から独立して選択される1〜3のヘテロ原子を適宜有していてもよい5〜9員の単環式、二環式のヘテロアリールが挙げられ、具体的にはチアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ベンゾチアゾリル、チアゾロピリジニル、チアゾロピラジニル、チアゾロピリミジニル、キノリルなどである。このうち、チアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ベンゾチアゾリル、チアゾロピリジニル、チアゾロピラジニル、チアゾロピリミジニルが好ましく、より好ましくはチアゾリル、チアジアゾリル、ピラジニル、チアゾロピリジニル、チアゾロピラジニルであり、特にチアゾリル、チアゾロピリジニル、更に特にチアゾリルが好ましい。
【0072】
環Tにおける「ヘテロ環基」としては、例えば酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から独立して選択される1〜3のヘテロ原子を適宜有していてもよい5〜9員の単環式、二環式のヘテロ環基が挙げられ、好ましくは9員の二環式ヘテロ環基であり、具体的にはシクロヘキサノチアゾリル、ジヒドロチアゾロピリジニル、テトラヒドロチアゾロピリジニル等である。
【0073】
10及びR11における「シクロアルキル」としては、例えば3〜4員のシクロアルキルが挙げられ、具体的にはシクロプロピル、シクロブチル等であり、特にシクロプロピルが好ましい。
【0074】
10及びR11における「ヘテロ環基」としては、例えば酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から独立して選択される1〜3のヘテロ原子を適宜有していてもよい5〜9員の単環式、二環式のヘテロ環基が挙げられ、好ましくは5〜7員の単環式ヘテロ環基であり、具体的にはアゼチジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、オキサゼピジニル(oxazepidinyl)、ペルヒドロジアゼピニルが好ましい。
【0075】
及びRにおける「アリール」としては、好ましくはフェニルが挙げられる。
【0076】
及びRにおける「ヘテロアリール」としては、例えば酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から独立して選択される1〜3のヘテロ原子を適宜有していてもよい5〜9員の単環式、二環式のヘテロアリールが挙げられ、好ましくは適宜1〜3の窒素原子を有していてもよい5〜6員の単環式ヘテロアリールであり、具体的にはピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピリミジニル等であり、特にピリミジニルが好ましい。
【0077】
及びRにおける「ヘテロ環基」としては、例えば5〜6員の単環式ヘテロ環基が挙げられ、具体的にはピロリジニル、テトラヒドロフリル、ジオキソラニル、ピペリジニル、チアシクロヘキシル等が挙げられる。
【0078】
及びRにおける「シクロアルキル」としては、好ましくは3〜6員の単環式シクロアルキルが挙げられ、具体的にはシクロプロピル、シクロペンチルである。
【0079】
における「ヘテロ環基」としては、例えば4〜6員の単環式ヘテロ環基が挙げられ、具体的にはアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル等が好ましい。
【0080】

化合物[I]の各記号で示される基における置換基は、例えば以下の意味を有する。
【0081】
「置換アミノ」、「置換アミノスルホニル」、「置換アミノアルキル」、「置換アミノアルカノイル」、「置換カルバモイル」、「置換カルバモイルアルキル」、「置換アルキル」、「置換アルキルチオ」、「置換アルキルスルフィニル」、「置換アルキルスルホニル」、「置換アルコキシ」、「置換アルカノイル」、「置換アルキニル」、「置換シクロアルキル」、「置換シクロアルキルオキシ」、「置換シクロアルキルカルボニル」、「置換シクロアルキルスルホニル」、「置換アリール」、「置換アリールオキシ」、「置換アリールカルボニル」、「置換アリールカルボニルオキシ」、「置換アリールスルホニル」、「置換アリールアルキルカルボニル」、「置換へテロアリール」、「置換へテロアリールチオ」、「置換へテロアリールスルホニル」、「置換へテロアリールアルキル」、「置換ヘテロ環基」、「置換ヘテロ環オキシ」、「置換へテロ環カルボニル」、「置換ヘテロ環チオ」、「置換ヘテロ環スルフィニル」、「置換ヘテロ環スルホニル」、「置換ヒドロキシイミノ」、「置換フェニル」、「置換ピリジル」、「置換チアゾロピリジニル」、「置換ピラジニル」、「置換ピラゾリル」、「置換イミダゾリル」、「置換チアゾリル」、「置換ベンゾチアゾリル」、「置換キノリル」、「置換チアジアゾリル」、「置換ピラゾリル」、「置換チアゾロピラジニル」、「置換チアゾロピリミジニル」、「置換シクロヘキサノチアゾリル」、「置換ジヒドロチアゾロピリジニル」、「置換トリアゾリル」、「置換ピリミジニル」、「置換ピロリジニル」、「置換テトラヒドロフリル」、「置換チアシクロヘキシル」、「置換シクロペンチル」、「置換ピペラジニル」、「置換ピペラジニルスルホニル」、「置換ホモピペラジニル」、「置換ピペリジニル」、「置換モルホリニル」、「置換チオモルホリニル」、「置換ペルヒドロジアゼピニル」及び「置換テトラゾリル」における置換基としては、(1)適宜ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、モノ若しくはジアルキルアミノ、カルバモイル、テトラヒドロフリル又はピリジルで置換されていてもよいアルキル、(2)シクロアルキル、(3)ヒドロキシ、(4)アルコキシ、(5)シアノ、(6)ハロゲン原子、(7)モノ又はジアルキルアミノ、(8)適宜アルカノイル、アルコキシアルカノイル又はアルコキシカルボニルで置換されていてもよいアミノ、(9)ピリジル、(10)カルボキシル、(11)ホルミル、(12)適宜モノ若しくはジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アルコキシ又はアルカノイルオキシで置換されていてもよいアルカノイル、(13)シクロアルキルカルボニル、(14)アルコキシカルボニル、(15)オキソ、(16)アルキルスルホニル、(16)実施例及び参考例に具体的に示したもの等が挙げられ、上記の基から選択される同一又は異なる1〜3の置換基を有することができる。
【0082】
さらに、化合物[I]の各記号(R〜R及びR11)に応じて、好ましい各置換基を説明する。これらの記号の基は、以下に定義の基から選択される同一又は異なる1〜3の置換基を有することができる。
【0083】
における「置換テトラゾリル」の好ましい置換基としては、アルキルが挙げられる。
【0084】
11における「置換アルキル」の好ましい置換基としては、アルコキシカルボニル、アルコキシ、シクロアルキル(好ましくはシクロプロピル)、ヒドロキシ、置換若しくは非置換アミノ(置換基:アルキル、アルカノイルから選択される1又は2の基)、置換若しくは非置換ヘテロアリール(好ましくはイミダゾリル、トリアゾリル)(置換基:アルキル)、アルキルスルホニル、シアノ、置換若しくは非置換ヘテロ環基(好ましくはテトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロ−3H−イソインドリル)(置換基:オキソ、ジオキソ)等が挙げられる。このうち、アルコキシ、シクロアルキル(好ましくはシクロプロピル)、ヒドロキシ、ジアルキルアミノ等がより好ましく、特にアルコキシが好ましい。
【0085】
11における「置換シクロアルキル」の好ましい置換基としては、ヒドロキシ;アルキル;オキソ;アルカノイル;ヒドロキシアルキル;適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいカルバモイル;ヘテロアリール;適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいアミノスルホニル;適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいアミノ;アルキルスルホニル;アルコキシ;アルコキシアルキルが挙げられる。このうち、ヒドロキシ;アルキル;適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいカルバモイル;オキソ;アルコキシ;アルコキシアルキルがより好ましく、特にアルキルが好ましい。
【0086】
11における「置換ヘテロアリール」の好ましい置換基としては、ヒドロキシ;アルキル;アルカノイル;ヒドロキシアルキル;適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいカルバモイル;ヘテロアリール;適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいアミノスルホニル;適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいアミノ;アルキルスルホニル;アルコキシ;アルコキシアルキルが挙げられる。このうち、ヒドロキシ;アルキル;適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいカルバモイル;アルコキシ;アルコキシアルキルがより好ましく、特にアルキルが好ましい。
【0087】
及びRにおける「置換ヘテロ環基」の好ましい置換基としては、アルコキシカルボニル、オキソ、アルキル、アルカノイル等が挙げられ、特にオキソ、アルキルが好ましい。
【0088】
及びRにおける「置換ヘテロアリール」の好ましい置換基としては、アルキル;適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいアミノが挙げられる。このうち、アルキルがより好ましい。
【0089】
及びRにおける「置換シクロアルキル」の好ましい置換基としては、ベンゾイルオキシ、オキソ、ヒドロキシ、アルカノイルが挙げられる。このうち、オキソ、ヒドロキシがより好ましい。
【0090】
及びRにおける「置換アリール」の好ましい置換基としては、アルキル、シアノ、ハロゲン原子、アルコキシ、モノ又はジアルキルアミノ等が挙げられ、特にシアノ、ハロゲン原子が好ましい。
【0091】
及びRにおける「置換カルバモイル」の好ましい置換基としては、アルキルが挙げられる。
【0092】
及びRにおける「置換アリールオキシ」の好ましい置換基としては、アルキル、シアノ、ハロゲン原子、アルコキシ、モノ又はジアルキルアミノ等が挙げられ、特にシアノ、ハロゲン原子が好ましい。
【0093】
及びRにおける「置換アリールカルボニルオキシ」の好ましい置換基としては、アルキル、シアノ、ハロゲン原子、アルコキシ、モノ又はジアルキルアミノ等が挙げられる。
【0094】

における「置換アルコキシ」の好ましい置換基としては、置換若しくは非置換アミノ(置換基:アルキル、アルコキシカルボニルから選択される1又は2の基);アルコキシカルボニル;適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいカルバモイル;カルボキシル;ヒドロキシ;置換若しくは非置換ヘテロ環基(置換基:オキソ);トリアルキルシリルオキシ;アルコキシが挙げられる。このうち、適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいアミノ;適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいカルバモイル;ヒドロキシがより好ましく、特に適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシが好ましい。
【0095】
における「置換アミノスルホニル」の好ましい置換基としては、アルキルが挙げられる。したがって、該置換基は、モノアルキル又はジアルキルであり、好ましくはジアルキルである。
【0096】
における「置換アルキルチオ」の好ましい置換基としては、適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいアミノ;アルコキシカルボニルアミノ;ハロゲン原子;ヒドロキシ;カルボキシル;適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいカルバモイル;アルコキシカルボニルが挙げられる。このうち、適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいアミノ;アルコキシカルボニルアミノ;ヒドロキシ;適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいカルバモイルがより好ましく、特にジアルキルカルバモイルが好ましい。
【0097】
における「置換ヘテロ環スルホニル」の好ましい置換基としては、アルキルが挙げられる。
【0098】
における「置換シクロアルキル」の好ましい置換基としては、適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいアミノが挙げられる。
【0099】
における「置換シクロアルキルオキシ」の好ましい置換基としては、適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいアミノが挙げられる。
【0100】

における「置換カルバモイル」の好ましい置換基としては、置換若しくは非置換アルキル(置換基:ヒドロキシ;シクロアルキル;ヘテロ環基;適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいアミノ;ヘテロアリールから選択される1又は2の基)、シクロアルキル、ヘテロアリールが挙げられる。このうち、置換若しくは非置換アルキル(置換基:ヒドロキシ、ヘテロ環基、ジアルキルアミノ、ヘテロアリールから選択される1又は2の基)、シクロアルキルがより好ましい。
【0101】
における「置換ヘテロアリールチオ」の好ましい置換基としては、アルキルが挙げられる。
【0102】
における「置換アミノ」の好ましい置換基としては、アルキル、置換若しくは非置換アミノアルキル(置換基:アルキル、アルカノイルから選択される1又は2の基)、アルカノイル、ヒドロキシアルキル、アルコキシカルボニルが挙げられる。このうち、アルキル、したがってモノアルキル又はジアルキルがより好ましく、特にジアルキルが好ましい。
【0103】
における「置換ヘテロアリール」の好ましい置換基としては、アルキルが挙げられる。
【0104】
における「置換アルキニル」の好ましい置換基としては、ヒドロキシ、適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいアミノが挙げられる。このうち、ヒドロキシ、ジアルキルアミノがより好ましい。
【0105】
における「置換ヘテロ環カルボニル」の好ましい置換基としては、ヒドロキシ、アルキル、オキソ、ヒドロキシアルキル、アルカノイルが挙げられる。このうち、ヒドロキシ、アルキル、ヒドロキシアルキルがより好ましい。
【0106】
における「置換ヘテロ環オキシ」の好ましい置換基としては、ヒドロキシ、アルキル、オキソ、ヒドロキシアルキル、アルカノイルが挙げられる。このうち、アルキル、オキソがより好ましい。
【0107】
における「置換ヘテロ環基」の好ましい置換基としては、ヒドロキシ、アルキル、オキソ、ヒドロキシアルキル、アルカノイルが挙げられる。このうち、オキソがより好ましい。
【0108】
における「置換ヘテロ環チオ」の好ましい置換基としては、ヒドロキシ、アルキル、オキソ、ヒドロキシアルキル、アルカノイルが挙げられる。このうち、アルキル、アルカノイルがより好ましい。
【0109】
における「置換アルキル」の好ましい置換基としては、置換若しくは非置換ヘテロ環基、置換若しくは非置換アミノ、置換若しくは非置換アルコキシ、置換若しくは非置換カルバモイル、ヒドロキシ、トリアルキルシリルオキシ、置換若しくは非置換アルキルチオ、置換若しくは非置換ヘテロ環オキシ、ヘテロアリール、置換若しくは非置換ヒドロキシイミノ、ハロゲン原子が挙げられ、より好ましくは置換若しくは非置換ヘテロ環基、置換若しくは非置換アミノ、置換若しくは非置換アルコキシ、ヒドロキシ、置換若しくは非置換アルキルチオ、置換若しくは非置換ヘテロ環オキシ、置換若しくは非置換ヒドロキシイミノ、ハロゲン原子であり、さらに好ましくは置換若しくは非置換ヘテロ環基、置換若しくは非置換アルコキシ、置換若しくは非置換ヘテロ環オキシであり、特に好ましくは置換若しくは非置換ヘテロ環基、置換若しくは非置換アルコキシであり、さらに特に好ましくは置換若しくは非置換ヘテロ環基である。
【0110】
における「置換アルキル」の置換基である置換ヘテロ環基の好ましい置換基としては、アルキル;オキソ;アルコキシアルカノイル;アルカノイル;アルコキシ;アルカノイルアミノ;シクロアルキルカルボニルアミノ;トリ(ハロゲノ)アルカノイルアミノ;ホルミルアミノ;アルコキシカルボニルアミノ;ヒドロキシ;シクロアルキルカルボニル;トリ(ハロゲノ)アルキル;アルコキシカルボニル;ホルミル;適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいアミノ;適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいアミノスルホニル;アルキルスルホニル;ヘテロアリール;アルコキシカルボニルアルキル;アルカノイルオキシアルカノイル;アルコキシカルボニルカルボニル;適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいアミノアルカノイル;置換若しくは非置換カルバモイル(置換基:アルキル、アルコキシから選択される1又は2の基);ヒドロキシアルカノイル;ジ(ハロゲノ)アルカノイル;置換若しくは非置換ヘテロ環カルボニル(置換基:オキソ);置換若しくは非置換ヒドロキシイミノ(置換基:アルコキシカルボニル);カルボキシル;ヒドロキシアルコキシ;アルコキシアルコキシ;ハロゲン原子;アルカノイルオキシが挙げられる。このうち、アルキル;オキソ;アルコキシアルカノイル;アルカノイル;アルコキシ;アルカノイルアミノ;シクロアルキルカルボニルアミノ;トリ(ハロゲノ)アルカノイルアミノ;ホルミルアミノ;アルコキシカルボニルアミノ;シクロアルキルカルボニル;トリ(ハロゲノ)アルキル;アルコキシカルボニル;ホルミル;適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいアミノ;適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいアミノスルホニル;アルキルスルホニル;ヘテロアリール;アルコキシカルボニルアルキル;アルカノイルオキシアルカノイル;アルコキシカルボニルカルボニル;適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいアミノアルカノイル;適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいカルバモイル;ヒドロキシアルカノイル;ジ(ハロゲノ)アルカノイル;置換若しくは非置換ヘテロ環カルボニル(置換基:オキソ);置換若しくは非置換ヒドロキシイミノ(置換基:アルコキシカルボニル)がより好ましく、更にアルキル;オキソ;アルコキシアルカノイル;アルカノイル;ホルミル;適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいアミノ;アルキルスルホニル;アルカノイルオキシアルカノイル;適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいアミノアルカノイル;ヒドロキシアルカノイルがより好ましく、更にアルキル、アルカノイル、ホルミル、ヒドロキシアルカノイルがより好ましく、特にアルキル、アルカノイルが好ましい。
【0111】
における「置換アルキル」の置換基である置換アミノの好ましい置換基としては、アルキル;適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいカルバモイルアルキル;置換若しくは非置換アミノアルキル(置換基:アルキル、アルカノイルから選択される1又は2の基);アルコキシアルキル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルカノイル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキルが挙げられる。このうち、アルキル;適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいカルバモイルアルキル;適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいアミノアルキル;アルコキシアルキル;ヘテロアリールがより好ましく、特にアルキルが好ましい。
【0112】
における「置換アルキル」の置換基である置換アルコキシの好ましい置換基としては、ヒドロキシ、アルコキシが挙げられる。
【0113】
における「置換アルキル」の置換基である置換カルバモイルの好ましい置換基としては、アルキル、アルコキシが挙げられる。
【0114】
における「置換アルキル」の置換基である置換ヘテロ環オキシの好ましい置換基としては、アルカノイル、アルキル、ホルミル、シクロアルキルカルボニル、アルコキシアルカノイル、アルキルスルホニルが挙げられる。このうち、アルカノイル、アルキルがより好ましく、特にアルカノイルが好ましい。
【0115】
における「置換アルキル」の置換基である置換ヒドロキシイミノの好ましい置換基としては、アルコキシカルボニルが挙げられる。
【0116】
における「置換アルキル」の置換基である「置換又は非置換ヘテロ環基」のヘテロ環基としては、例えば酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から独立して選択される1〜3のヘテロ原子を適宜有していてもよい5〜9員の単環式、二環式のヘテロ環基が挙げられ、好ましくは適宜1〜3の窒素原子を有していてもよい4〜6員の単環式ヘテロ環基であり、具体的にはアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ペルヒドロジアゼピニル、オクタヒドロピロロ[1,2−a]ピペラジニル等である。このうちより好ましくは、ピペラジニル、モルホリニルであり、特にピペラジニルが好ましい。
【0117】
における「置換アルキル」の置換基である「置換又は非置換ヘテロ環オキシ」のヘテロ環基としては、例えば酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から独立して選択される1〜3のヘテロ原子を適宜有していてもよい5〜9員の単環式、二環式のヘテロ環基が挙げられ、好ましくは適宜1〜3の窒素原子を有していてもよい4〜6員の単環式ヘテロ環基であり、具体的にはアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ペルヒドロジアゼピニル、オクタヒドロピロロ[1,2−a]ピペラジニル等である。このうちより好ましくは、ピペリジニルである。
【0118】
化合物[I]のうち、好ましい化合物としては、環Aがフェニルであり、環Tが2−チアゾリルまたは2−チアゾロピリジルであり、Rが水素原子であり、Rがシクロプロピルカルボニル、アルカノイルまたはアルコキシアルカノイルであり、R及びRが共に水素原子であり、Rが適宜アルキル、オキソ、アルカノイル及びアルコキシアルカノイル、ヒドロキシアルキルから選択される1〜3の置換基で置換されていてもよいピペラジニル置換アルキルである、化合物が挙げられる。
【0119】
他の好ましい化合物としては、環Aがフェニルであり、環Tが2−チアゾロピリジルであり、Rが水素原子であり、Rがシクロプロピルカルボニル、アルカノイルまたはアルコキシアルカノイルであり、R及びRが共に水素原子であり、Rが1若しくは2のアルキルで置換されていても良いアミノに置換されているアルコキシ、1若しくは2のアルキルで置換されていても良いアミノ、又は1若しくは2のアルキルで置換されていても良いアミノに置換されているアルキルアミノである化合物が挙げられる。
【0120】
本発明の化合物[I]のうちの他の好ましい具体的化合物としては、すべての実施例及び参考例のいずれかに記載の化合物が挙げられる。さらに、各基(A、Q、T、R〜R、R10及びR11)の具体例としては、実施例及び参考例に具体的に示した化合物に対応したものが挙げられる。
【0121】
本発明の化合物[I]は、立体異性体の混合物、又は純粋若しくは実質的に純粋な形態の各立体異性体を包含する。例えば、本発明化合物がいずれかの炭素原子にて一つ以上の不斉中心を有する場合、化合物[I]は、エナンチオマー又はジアステレオマー又はその混合物にて存在しうる。本発明化合物は、その異性体又はその混合物を包含する。また、本発明化合物[I]が二重結合を含む場合には、幾何異性体(シス体、トランス体)が存在することができ、本発明化合物[I]がカルボニル等の不飽和結合を含む場合には、互変異性体が存在することができるが、本発明化合物は、これらすべての異性体又はその混合物を包含する。
【0122】
化合物[I]の薬理的に許容し得る塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩若しくは臭化水素酸塩等の無機酸塩、又は酢酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩若しくはマレイン酸塩等の有機酸塩が挙げられる。また、カルボキシル等の置換基を有する場合には、該塩としては、例えばナトリウム塩若しくはカリウム塩等のアルカリ金属塩又はカルシウム塩等のアルカリ土類金属塩等の塩基との塩が挙げられる。
【0123】
本発明の化合物[I]の薬理的に許容し得る塩は、分子内塩を含み、化合物[I]及びその塩は、その水和物等の溶媒和物の形態であることができる。
【0124】
本発明の化合物[I]又はその薬理的に許容し得る塩は、治療的有効量の本化合物及び薬理的に許容し得る担体を含む医薬組成物に製剤化することができる。薬理的に許容し得る担体としては、希釈剤、結合剤(シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビット、トラガカント又はポリビニルピロリドン)、賦形剤(乳糖、ショ糖、コーンスターチ、リン酸カリウム、ソルビット又はグリシン)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール又はシリカ)、崩壊剤(ジャガイモデンプン)及び湿潤剤(ラウリル硫酸ナトリウム)等を挙げることができる。
【0125】
本発明の化合物[I]又はその薬理的に許容し得る塩は、経口的又は非経口的に投与することができ、適当な医薬製剤にて用いることができる。経口投与のための適当な医薬製剤としては、例えば錠剤、顆粒剤、カプセル剤若しくは散剤等の固形製剤、又は液剤、懸濁剤若しくは乳剤の形態が挙げられる。非経口投与のための適当な医薬製剤としては、坐剤、又は注射用蒸留水、生理食塩水若しくはブドウ糖水溶液を用いた注射用液剤若しくは点滴製剤、又は吸入剤等が挙げられる。
【0126】
本発明の化合物[I]若しくはその薬理的に許容し得る塩又はその医薬製剤は、抗糖尿病薬及び抗高血糖薬から選択される他の1つ以上の薬剤と併用することができる。この場合において用語「併用」の概念としては、これら他の薬剤と同時に又は任意の間隔をあけて別々に投与する場合、ならびにこれら他の薬剤と一緒に製剤化して一の医薬製剤として投与する場合が挙げられる。このような他の薬剤としては、スルホニルウレア(例えばグリブリド、グリメピリド、グリピリド、グリピジド、クロルプロパミド、グリクラジド、グリソキセピド、アセトヘキサミド、グリボーンウリド、トルブタミド、トラザミド、カルブタミド、グリキドン、グリヘキサミド、フェンブタミド、トルシクラミド等)、ビグアニド(例えばメトフォルミン、フェンフォルミン、ブフォルミン等)、グルカゴン・アンタゴニスト(例えばペプチド性又は非ペプチド性グルカゴン・アンタゴニスト)、グルコシダーゼ阻害剤(例えばアカルボース、ミグリトール等)、インスリン感受性増強薬(例えばトログリタゾン、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン等)、抗肥満薬(例えばシブトラミン、オルリスタット等)などが挙げられる。
【0127】
本発明の化合物[I]又はその薬理的に許容し得る塩の投与量は、投与方法、患者の年齢、体重又は病態によって異なるが、通常、1日当り約0.01〜約100mg/kgであり、好ましくは約0.1〜約10mg/kgである。
【0128】
本発明の化合物[I]は、以下の方法により製造することができる。
【0129】


【0130】
[上記反応式中、Zはハロゲン原子、ヒドロキシ又はアルコキシであり、Zは水素原子又はアルキルであり、Zはヒドロキシ、ハロゲン原子又はアリールスルホニルオキシ、アルキルスルホニルオキシであり、Zはハロゲン原子、ジアルコキシボリル、ジヒドロキシボリル又はトリアルキルスタンニル、リチオであり、Zは水素原子、ハロゲン原子、ジアルコキシボリル、ジヒドロキシボリル又はトリアルキルスタンニル、リチオであり、他の記号は前記と同一の意味を有する。]
(1)化合物[VII](Zは水素原子)と化合物[VIII](Zはハロゲン原子、Zはアルキル)から化合物[VI](Zはアルキル)を製造する反応は、いわゆるフリーデルクラフツ反応条件下実施できる。例えば本反応は、適当な溶媒(クロロホルム、塩化メチレン、ニトロメタン等)中、適当な酸(塩化アルミニウム等)の存在下で実施することができる。
【0131】
化合物[VI](Zはアルキル)はまた、化合物[VII](Zはジアルコキシボリル、ジヒドロキシボリル又はトリアルキルスタンニル)と化合物[VIII](Zはハロゲン原子、Zはアルキル)とを適当な溶媒(THF、塩化メチレン、ジオキサン、水、DMF、トルエン、1,2−ジメトキシエタン等又はその混合物)中、金属触媒(例えばジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム等)を用いて反応させることにより製造することもでき、本工程は-78℃から200℃にて好適に進行する。
【0132】
さらに、化合物[VI](Zはアルキル)はまた、化合物[VII](Zはリチオ)と化合物[VIII](Zはアルコキシ、Zはアルキル)とを適当な溶媒(THF、ジオキサン、DMF、トルエン、1,2−ジメトキシエタン等又はその混合物)中、反応させることにより製造することができ、本工程は-78℃から200℃にて好適に実施することができる。又、化合物[VII](Zはハロゲン原子)を用いた場合、化合物[VI](Zはアルキル)は、適当な溶媒(THF、ジエチルエーテル、トルエン、1,2−ジメトキシエタン等又はその混合物)中、適当なアルキルリチウム(n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム等)を用いて化合物[VII](Zはハロゲン原子)を化合物[VII](Zはリチオ)に変換した後、化合物[VIII](Zはアルコキシ、Zはアルキル)と上記と同様に反応させることにより製造することができる。
(2)化合物[VI](Zはアルキル)と、ヒドロキシルアミン又はその適当な酸との塩(塩酸塩、硫酸塩等)との反応は、ケトンをヒドロキシイミノへ変換する任意の常法にて実施できる。例えば本反応は、適当な溶媒(メタノール、エタノールなどのアルコール系溶媒、又はTHF、ジオキサン、水等、又はその混合溶媒)中、塩基の存在下又は非存在下にて実施することができる。本反応にて用いる塩基としては、ピリジン、ピコリン、ルチジン、N,N−ジメチルアニリン、トリエチルアミン等が挙げられる。シス体又はシス体とトランス体の混合物にて生成するオキシムは、酸(トリフルオロ酢酸、酢酸、塩酸、硫酸、リン酸等)で処理することにより、所望のトランス体に変換することができる。以下に記載の反応にて生成したオキシムもまた、上記と同様に処理することにより、所望のトランス体に変換することができる。
(3)化合物[IV](Zはアルキル)と、Zがヒドロキシである化合物[V]との反応は、適当な溶媒(THF、塩化メチレン等)中、トリフェニルホスフィン存在下、活性化剤(ジエチルアゾジカルボキシレート、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート等)を用いるか、又はトリフェニルホスフィン非存在下、シアノメチルトリ−n−ブチルホスホラン等を用いること(いわゆる光延反応)により、実施することができる。また、Zがハロゲン原子、アリールスルホニルオキシ又はアルキルスルホニルオキシである化合物[V]との反応は、適当な溶媒(アセトン、エタノール、THF、ジメチルスルホキシド、DMF、ジオキサン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等又はその混合溶媒)中、炭酸カリウム、カリウム t−ブトキシド、水素化ナトリウム、炭酸セシウム等の塩基存在下、実施することができる。このようにして得られた生成物は、アルコキシカルボニルをカルボキシルに加水分解する任意の常法、例えば適当な溶媒(メタノール、エタノールなどのアルコール系溶媒、又はTHF、ジオキサン、水等、又はその混合溶媒)中、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム等で処理してZ基を加水分解することにより、化合物[II](Zは水素原子)に変換することができる。
(4)化合物[II](Zは水素原子)と化合物[III]との反応は、ペプチド合成等にて通常用いられるアミド形成のための任意の常法を用いることにより、適当な溶媒中、縮合剤の存在下又は非存在下にて実施することができる。縮合剤として、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−メチル−2−ブロモピリジニウムヨージド、N,N’−カルボニルジイミダゾール、ジフェニルホスホリルアジド、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド、フルオロ−N,N,N’,N’−テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート等をいずれも好適に用いることができる。溶媒として、水、メタノール、イソプロパノール、エタノール、塩化メチレン、THF、ジオキサン、DMF、ジメチルアセトアミド、クロロホルム等を単一又は混合溶媒としていずれも好適に用いることができる。本反応は、好ましくは-78℃〜100℃、より好ましくは-25℃〜25℃にて進行する。塩基として、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基又はトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ピコリン、ルチジン等の有機塩基を加え、添加剤として、N−ヒドロキシスクシンイミド、3−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、N,N−ジメチルアミノピリジン又はN−ヒドロキシベンゾトリアゾール等を加えることにより、本反応の進行を促進することができる。
【0133】
化合物[II](Zは水素原子)から化合物[I]への反応は、化合物[II](Zは水素原子)を酸塩化物又は混合酸無水物等の反応性中間体に変換した後、化合物[III]と反応させることにより実施することができる。酸塩化物への変換は、塩化チオニル、塩化オキサリル、オキシ塩化リン、五塩化リン、又は四塩化炭素存在下のトリフェニルホスフィン等を用いることにより好適に行うことができ、混合酸無水物への変換は、ジフェニルホスホリルクロリド、ジエチルホスホロシアニデート、メタンスルホニルクロリド、クロロ蟻酸エチル、クロロ蟻酸イソブチル等をトリエチルアミン等の塩基の存在下にて用いることにより行うことができる。溶媒として塩化メチレン、クロロホルム、THF、DMF等を単一又は混合溶媒としていずれも好適に用いることができる。本反応は、好ましくは-78℃〜100℃、より好ましくは-25℃〜25℃にて進行する。このようにして得られる酸塩化物又は混合酸無水物と化合物[III]との反応は、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等の塩基存在下、好ましくは-78℃〜100℃、より好ましくは-25℃〜25℃で進行し、溶媒として塩化メチレン、クロロホルム、THF、DMF等を単一又は混合溶媒としていずれも好適に用いることができる。
(5)化合物[VI](Zは水素原子又はアルキル)と化合物[III]との反応は、Zが水素原子である場合には上記(4)の反応と同様にして、又はZがアルキルである場合には以下の化合物[VI’]及び化合物[X’]を経由して行うことができる。
【0134】
化合物[VI](Zはアルキル)から化合物[VI’](Zは水素原子)への変換は、ケトンをアルコールに還元する任意の常法、例えば適当な溶媒(水、メタノール、エタノール、クロロホルム、塩化メチレン等又はその混合溶媒)中、水素化ホウ素亜鉛、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤で処理した後、アルコキシカルボニルをカルボキシルに加水分解する任意の常法、例えば適当な溶媒(メタノール、エタノール、THF、ジオキサン、水等又はその混合溶媒)中、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム等で処理してZ基を加水分解することにより実施することができる。化合物[VI’](Zは水素原子)と化合物[III]との反応は、上記(4)の反応と同様に実施することができる。化合物[X’]から化合物[X]への変換は、アルコールをケトンに酸化する任意の常法、例えば適当な溶媒(ジメチルスルホキシド、クロロホルム、塩化メチレン等)中、塩化オキサリル等の活性化剤を用いたジメチルスルホキシド酸化(Swern酸化)によるか、又は塩基(トリエチルアミン等)の存在下若しくは非存在下にて酸化剤(活性化二酸化マンガン、三酸化硫黄−ピリジン錯体、1−ヒドロキシ−1,2−ベンズヨードキソール−3(1H)−オン−1−オキシド、1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンズヨードキソール−3(1H)−オン、クロロクロム酸ピリジニウム、二クロム酸ピリジニウム等)を用いることにより、実施することができる。
【0135】


【0136】
(6)化合物[X]から化合物[IX]への反応は、上記(2)の反応と同様に実施することができる。
(7)化合物[IX]と化合物[V]から化合物[I]への反応は、上記(3)の反応と同様に実施することができる。
(8)化合物[VI]と化合物[XI]との反応は、上記(2)の反応におけるヒドロキシルアミンの代わりとしてO−置換ヒドロキシルアミン又はその塩(アルキルオキシアミン、シクロアルキルオキシアミン、ヘテロ環オキシアミン、ベンジルオキシアミン等)を用いることにより、上記(2)の反応と同様に実施することができる。
(9)化合物[X]と化合物[XI]との反応は、上記(8)の反応と同様に実施することができる。
(10)化合物[XI]と化合物[VIII](Zはハロゲン原子又はヒドロキシ、Zはアルキル)との反応は、ペプチド合成等に通常用いられるアミド形成の任意の常法、例えば上記(4)の反応と同様に実施することができる。
(11)化合物[XIII](Zはアルキル)から化合物[XII](Zは水素原子)への反応は、アミドをハロイミノに変換するための任意の常法、好ましくは文献:WO9520569記載の方法、例えば化合物[XIII](Zはアルキル)を適当な溶媒(アセトニトリル、クロロホルム、塩化メチレン、THF等又はその混合溶媒)中、ハロゲン化剤(オキシ塩化リン、五塩化リン等)と用いることにより実施することができる。本反応はまた、トリフェニルホスフィン存在下、四塩化炭素、四臭化炭素、N−ブロモコハク酸イミド、N−クロロコハク酸イミド、ヨウ素等を用いることにより実施することができる。
(12)化合物[XII](Zはアルキル)と化合物[VII]から化合物[II](Zはアルキル)への反応は、例えばZがジヒドロキシボリルの場合、適当な溶媒(例えばジオキサン、トルエン、THF、1,2−ジメトキシエタン、メタノール、エタノール、DMF、N−メチルピロリドン等又はその混合溶媒)中、塩基(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等)の存在下、金属触媒(例えばジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム等)を用いることにより実施することができる。本反応は、アルゴンなどの不活性ガス気流下、室温から200℃又はマイクロウェーブ照射下にて好適に進行する。
【0137】
化合物[I]は次の方法により更に変換することができる。
(A)本発明の目的化合物[I]のうち、R〜R上にてスルフィニル(SO)又はスルホニル(SO)を含む化合物は、対応するスルフィド化合物をスルフィニル又はスルホニル化合物に変換するための任意の常法を用いて酸化することにより製造することができる。例えば本酸化は、適当な溶媒(塩化メチレン、クロロホルム、THF、メタノール、水等又はその混合溶媒)中、酸化剤で処理することにより実施することができる。酸化剤として、過酸化水素、m−クロロ安息香酸、過酢酸等の過酸類ならびにオキソン(登録商標)(「ペルオキシ硫酸水素カリウム・硫酸二カリウム・硫酸水素カリウムの混合物」デュポン社製)などの過酸を好適に用いることができ、本反応は、-78℃〜100℃にて好適に実施することができる。
(B)目的化合物[I]のうち、R〜R上にて式:−CHN(R11)(R12)[式中、R11及びR12は、本明細書に記載の置換アミノ基の置換基であるか、またはR11及びR12は該アミノ基の窒素原子と一体となって、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から独立して選択される1〜3のヘテロ原子を有するヘテロ環基(ここに、該ヘテロ環基は置換されていてもよい)を形成する]
で示される基を有する化合物はまた、対応する部位がホルミルである化合物と、式:HN(R11)(R12)[式中、記号は前記と同一意味を有する]
で示される置換又は非置換アミン(以下の説明において、この化合物は「置換又は非置換アミン」を意味し、この置換又は非置換アミンから水素原子を除去した後の基は「置換又は非置換アミノ」を意味する)とを還元条件下にて反応させる、いわゆる「還元的アミノ化」により製造することもできる。本反応は、還元的アミノ化の任意の常法により実施することができる。例えば本反応は、適当な溶媒(メタノール、塩化メチレン、クロロホルム等)中-78℃〜100℃にて、還元剤(水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等)を用いることにより、好適に実施することができる。
(C)目的化合物[I]のうち、R〜R上における窒素原子がアルカノイル、シクロアルキルカルボニル、アルコキシアルカノイル、アルカノイルオキシアルカノイル等の置換又は非置換アルカノイル(以下、単に置換又は非置換アルカノイルと称する)で置換されている化合物はまた、対応する窒素原子が非置換である化合物(例えばRがピペラジニルメチル、ピペラジニルカルボニル又はピペラジニルスルホニルである化合物等)のアルカノイル化により製造することもできる。該アルカノイル化は、ペプチド合成等に通常用いられるアミド形成の任意の常法を用いることにより製造することができる。例えば該アルカノイル化は、適当な溶媒(塩化メチレン、THF、DMF、N,N−ジメチルアセトアミド、クロロホルム又はその混合溶媒)中、塩基(トリエチルアミン、ピリジン等)の存在下又は非存在下、-78℃から100℃にて酸塩化物、酸無水物又はエステルを用いることにより好適に実施することができる。本反応はまた、例えば適当な溶媒中、縮合剤の存在下又は非存在下にて実施することもできる。縮合剤として、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−メチル−2−ブロモピリジニウムヨージド、N,N’−カルボニルジイミダゾール、ジフェニルホスホリルアジド、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−(4,6−ジメトキシ[1.3.5]トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド、フルオロ−N,N,N’,N’−テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート等をいずれも好適に用いることができる。溶媒として、水、メタノール、イソプロパノール、エタノール、塩化メチレン、THF、DMF、N,N−ジメチルアセトアミド、クロロホルム等を単一又は混合溶媒としていずれも好適に用いることができる。本反応は、好ましくは-78℃〜100℃、より好ましくは-25℃〜25℃にて進行する。塩基として、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム又はトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ピコリン、ルチジン等を加え、添加剤として、N−ヒドロキシスクシンイミド又は3−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、N,N−ジメチルアミノピリジン、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール等を加えることにより、本反応の進行を促進することができる。
(D)目的化合物[I]のうち、R〜R上にて置換又は非置換アミノカルボニル、すなわち置換又は非置換カルバモイルを有する化合物は、対応する部位がカルボキシである化合物と置換又は非置換アミンとを反応させることにより製造することができる。本反応は上記(C)の反応と同様に実施することができる。
(E)目的化合物[I]のうち、R又はRが置換若しくは非置換アルコキシメチル又は置換若しくは非置換ヘテロアリールメチルを有する化合物はまた、対応する部位がヒドロキシメチルである化合物を任意のエステル化の常法にてアルカノイルメチル、好ましくはアセチルオキシメチルに変換した後、置換又は非置換アルカノール、シクロアルカノール、アルキルチオ、又はヒドロキシル基を有するヘテロ環化合物、又は窒素原子上に水素原子を有する置換若しくは非置換ヘテロアリール化合物、例えばピラゾール等を縮合させることにより製造することもできる。本縮合反応は、無溶媒又は適当な溶媒(THF、ジオキサン、塩化メチレン、クロロホルム、トルエン、ベンゼン等)中、酸(p−トルエンスルホン酸、塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸等)の存在下又は非存在下-78℃〜200℃にて、より好ましくは25℃〜100℃にて好適に実施することができる。
(F)目的化合物[I]のうち、R〜R上にヒドロキシメチルを有する化合物は、ホルミルをアルコールに還元する任意の常法にて、対応する部位がホルミルである化合物を還元することにより製造することができる。例えば本反応は、適当な溶媒(メタノール、エタノール、塩化メチレン、クロロホルム、ジオキサン、THF等)中、還元剤(水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、ジボラン、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化アルミニウムリチウム等)を-78℃〜100℃にて用いることにより好適に実施することができる。
(G)目的化合物[I]のうち、R〜R上にカルボキシルを有する化合物は、ホルミルをカルボキシルに酸化する任意の常法にて、対応する部位がホルミルである化合物を酸化することにより製造することができる。該酸化は、例えば適当な溶媒(DMF、ジメチルスルホキシド、アセトン、t−ブタノール、水、塩化メチレン、クロロホルム等)中、酸化剤(亜塩素酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、二クロム酸ピリジニウム等)を-78℃〜100℃にて用いることにより好適に実施することができる。
(H)目的化合物[I]のうち、R〜R上にアルコキシカルボニルを有する化合物はまた、カルボキシルをアルコキシカルボニルにエステル化する任意の常法にて、対応する部位がカルボキシルである化合物をエステル化することにより製造することもできる。該エステル化は、例えば適当な溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール等)中、酸(硫酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸)を-78℃〜200℃にて、より好ましくは0℃〜100℃にて用いることにより好適に実施することができる。
【0138】
さらに、エステル化はまた、適当な溶媒(塩化メチレン、クロロホルム、THF、ジオキサン等)中、ハロゲン化剤(塩化オキサリル、塩化チオニル等)を用いて、カルボキシル化合物を酸ハライド体等の反応中間体に変換した後、アルカノール(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)を-78℃〜200℃にて用いることにより実施することもできる。
(I)目的化合物[I]のうち、R〜R上にカルボキシルを有する化合物はまた、エステル加水分解の任意の常法にて、対応する部位がアルコキシカルボニルである化合物を加水分解することにより製造することもできる。該加水分解は、適当な溶媒(メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒又はジオキサン、THF、水等又はその混合溶媒)中、塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、水酸化リチウム等)を-78℃〜200℃にて、より好ましくは0℃〜100℃にて用いることにより好適に実施することができる。
【0139】
さらに、加水分解はまた、適当な溶媒(THF、ジオキサン、酢酸、水等又はその混合溶媒)中、酸(硫酸、塩酸等)を-78℃〜200℃にて用いることにより好適に実施することもできる。
(J)目的化合物[I]のうち、R〜R上にホルミルを有する化合物はまた、カルボキシルをアルデヒドに還元する任意の常法にて、対応する部位がカルボキシルである化合物から製造することもできる。本反応は、適当な溶媒(塩化メチレン、クロロホルム、THF等又はその混合溶媒)中、ハロゲン化剤(塩化オキサリル、塩化チオニル等)を用いて酸ハライドを合成した後、該酸ハライドを水素雰囲気下-78℃〜200℃にて金属触媒(パラジウム炭素、二酸化白金等)で還元することにより好適に実施することができる。
(K)目的化合物[I]のうち、R〜R上にヒドロキシメチルを有する化合物は、エステル又はカルボン酸のアルコールへの還元反応の任意の常法を用いることにより製造することができる。例えば本反応は、適当な溶媒(塩化メチレン、クロロホルム、THF等)中、-78℃〜200℃にて対応するカルボキシル又はアルコキシカルボニルを還元剤(水素化ホウ素ナトリウム、ジボラン、水素化アルミニウムリチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム等)で処理することにより好適に実施することができる。
(L)目的化合物[I]のうち、R〜R上にカルボキシルを有する化合物は、第一級アルコールのカルボン酸への酸化の常法を用いることにより製造することができる。例えば本反応は、適当な溶媒(塩化メチレン、アセトン、クロロホルム、DMF等)中、例えば0℃〜100℃にて、対応する部位がヒドロキシメチルである化合物を酸化剤(三酸化クロム、二クロム酸ピリジニウム等)で処理することにより好適に実施することができる。
(M)目的化合物[I]のうち、R〜R上にアミノを有する化合物は、ニトロのアミンへの還元の任意の常法を用いることにより製造することができる。例えば本反応は、適当な溶媒(メタノール、エタノール、DMF、THF、ジオキサン等)中、水素雰囲気下-78℃〜200℃にて、対応する部位がニトロである化合物を金属触媒(パラジウム炭素、二酸化白金等)で処理することにより実施することができる。
【0140】
さらに、本工程はまた、適当な溶媒(メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒又は塩化メチレン、クロロホルム、THF、ジオキサン、酢酸、水等又はその混合溶媒)中-78℃〜200℃にて、より好ましくは0℃〜100℃にて還元剤(塩化第一スズ、鉄、亜鉛等)を用いることにより好適に実施することもできる。
(N)目的化合物[I]のうち、R〜R上にハロゲノスルホニルを有する化合物は、対応する部位がアミノである化合物をいわゆるSandmayer反応条件下反応させて、ジアゾニウム塩を経由してハロゲノスルホニル化することにより製造することができる。ジアゾニウム塩の形成は、例えば適当な溶媒(水、塩化メチレン、クロロホルム、THF等又はその混合溶媒)中、適当な酸(塩酸、硫酸等)及び/又は添加剤(塩化第二銅等)の存在下又は非存在下-78℃〜200℃にて酸化剤(亜硝酸ナトリウム、亜硝酸イソアミル、亜硝酸−t−ブチル等)を用いることにより好適に実施することができる。続くハロゲノスルホニル化は、得られた反応溶液に-78℃〜200℃にてスルホニル化剤(二酸化硫黄、亜硫酸水素ナトリウム等)を加えることにより実施することができる。
(O)目的化合物[I]のうち、R〜R上に置換又は非置換アミノスルホニルを有する化合物はまた、対応する部位がハロゲノスルホニルである化合物と置換又は非置換アミンとを反応させることにより製造することもできる。本反応は、適当な溶媒(塩化メチレン、クロロホルム、THF、ジオキサン、水等)中、塩基(ピリジン、トリエチルアミン、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等)の存在下、又は非存在下-78℃〜200℃にて好適に実施することができる。
(P)目的化合物[I]のうち、R〜R上にアルキルチオ、シクロアルキルチオ、ヘテロ環チオを有する化合物はまた、例えば文献(Young R. N., et al., Tetrahedron Lett., 1984, 25(17), 1753.)に記載と同様の方法にて、対応する部位がメチルスルフィニルである化合物をチオールに変換した後、塩基(水素化ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム、カリウムt−ブトキシド、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン等)存在下又は非存在下、アルキル化剤(ハロアルキル、ハロシクロアルキル、ハロヘテロ環化合物、アルキルメシレート、シクロアルキルメシレート、ヘテロ環メシレート、アルキルトシレート、シクロアルキルトシレート、ヘテロ環トシレート等)と反応させることにより製造することもできる。
(Q)目的化合物[I]のうち、R〜R上に置換又は非置換アルカノイルアミノを有する化合物は、対応する部位がアミノである化合物をアルカノイル化することにより製造することもできる。該アルカノイル化は上記(C)の反応と同様に実施することができる。また、該アルカノイル化は、対応する部位が第2級アミンならびに第1級アミンである化合物にて実施することができる。
(R)目的化合物[I]のうち、R〜R上にアルキルスルホニルアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、ヘテロ環スルホニルアミノ等の置換スルホニルアミノを有する化合物はまた、対応する部位がアミノである化合物をスルホニル化することにより製造することもできる。該スルホニル化は、適当な溶媒(水、THF、塩化メチレン、クロロホルム等)中、塩基(トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等)の存在下又は非存在下-78℃〜200℃にて実施することができる。また、該スルホニル化は、対応する部位が第2級アミンならびに第1級アミンである化合物にて実施することができる。
(S)目的化合物[I]のうち、R〜R上に第2級アルコールを有する化合物は、ケトンを第2級アルコールに変換する任意の常法を用いることにより製造することができる。例えば本反応は、対応するオキソを有する化合物を上記(K)の反応と同様に実施することができる。
(T)目的化合物[I]のうち、R〜R上にオキソを有する化合物は、第2級アルコールをケトンに変換する任意の常法を用いることにより製造することができる。例えば本反応は、適当な溶媒(ジメチルスルホキシド、クロロホルム、塩化メチレン等)中、塩化オキサリル等の活性化剤を用いたジメチルスルホキシド酸化(Swern酸化)によるか、又は塩基(トリエチルアミン等)の存在下若しくは非存在下、酸化剤(活性化二酸化マンガン、三酸化硫黄−ピリジン錯体、1−ヒドロキシ−1,2−ベンズヨードキソール−3(1H)−オン−1−オキシド、1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンズヨードキソール−3(1H)−オン、クロロクロム酸ピリジニウム、二クロム酸ピリジニウム等)を用いることにより、実施することができる。
(U)目的化合物[I]のうち、R〜R上に第2級アルコールを有する化合物は、ホルミルを有する化合物を第2級アルコールに変換する任意の常法を用いることにより製造することができる。例えば本反応は、適当な溶媒(THF、トルエン、ジエチルエーテル等)中、-78℃〜100℃にて、対応するホルミル体及び金属試薬(アルキルマグネシウムハライド、アルキルリチウム、ジアルキル亜鉛等)を用いることにより好適に実施することができる。
(V)目的化合物[I]のうち、R〜R上にヒドロキシアミジノを有する化合物は、シアノ基をヒドロキシアミジノ基に変換する任意の常法を用いることにより製造することができる。例えば本反応は、対応するシアノを有する化合物とヒドロキシルアミン(又はその適当な酸との塩)とを、適当な溶媒(水、メタノール、エタノール等又はその混合溶媒)中、0℃〜100℃にて塩基(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、カリウムt−ブトキシド、トリエチルアミン、ピリジン等)の存在下又は非存在下、反応させることにより、好適に実施することができる。
(W)目的化合物[I]のうち、R〜R上に非置換カルバモイルを有する化合物は、シアノ基を非置換カルバモイル基に変換する任意の常法を用いることにより製造することができる。例えば本反応は、対応するシアノを有する化合物を、適当な溶媒(水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等、又はその混合溶媒)中、-20℃〜100℃にて塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、カリウムt−ブトキシド等)で処理することにより、好適に実施することができる。
(X)目的化合物[I]のうち、R〜R上に第3級アルコールを有する化合物は、例えば上記(U)の条件下、対応するオキソを有する化合物を反応させることにより製造することができる。
(Y)目的化合物[I]のうち、R〜R上に光学活性な第2級アルコールを有する化合物の製造は、第2級アルコール化合物を酵素的トランスエステル化法にて分割する任意の常法を用いることにより実施することができる。例えば本製造は、適当な溶媒(t−ブチルメチルエーテル、ヘキサン、ジイソプロピルエーテル、THF、ジエチルエーテル、水等)中、-78℃〜100℃にて、対応するラセミの第2級アルコール体を酵素(リパーゼPS等)存在下、アシル供与体(ビニル酢酸等)で処理することにより、好適に実施することができる。
(Z)目的化合物[I]のうち、R〜R上にアルキルを有する化合物の製造は、いわゆる接触水素化法を用いることにより実施することができる。例えば本化合物は、適当な溶媒(メタノール、エタノール、DMF、THF、酢酸等又はその混合溶媒)中、0℃〜200℃にて水素雰囲気下、対応するアルケニルを有する化合物を金属触媒(パラジウム炭素、二酸化白金等)で処理することにより、好適に製造することができる。
(AA)目的化合物[I]のうち、R〜R上に1,2−ジオールを有する化合物の製造は、例えば適当な溶媒(水、アセトン、THF、アセトニトリル、酢酸エチル等又はその混合溶媒)中、0℃〜100℃にて、対応するアルケニルを有する化合物を酸化剤(四酸化オスミウム、四酸化ルテニウム、過ヨウ素酸ナトリウム等)で処理することにより、好適に実施することができる。
(BB)目的化合物[I]のうち、R〜R上にハロゲン原子を有する化合物の製造は、アルコールをハロゲン化する任意の常法を用いることにより実施することができる。例えば本製造は、適当な溶媒(塩化メチレン、クロロホルム等)中、0℃〜100℃にて、対応するアルコール体をトリフェニルホスフィン存在下、四臭化炭素で処理することにより、好適に実施することができる。
(CC)目的化合物[I]のうち、R、R、R又はR上に非置換及び置換アルキルチオ、ヘテロアリールチオ又はアリールチオを有する化合物の製造は、チオール体をハロゲン化アリール、ハロゲン化ヘテロアリール、アリールトリフラート又はヘテロアリールトリフラートとカップリングさせる任意の常法を用いることにより実施することができる。例えば本製造は、適当な溶媒(ジオキサン、トルエン、THF、1,2−ジメトキシエタン等又はその混合溶媒)中、塩基(トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン等)存在下、又は非存在下0℃〜200℃にて、金属触媒(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等)存在下、対応するハロアリールを有する化合物をチオール(ヒドロキシアルキルチオール、ジアルキルアミノアルキルチオール等)で処理することにより、好適に実施することができる。
(DD)目的化合物[I]のうち、R〜R上にモノ置換又はジ置換アルキルアミノを有する化合物の製造は、例えば適当な溶媒(メタノール、エタノール、ジオキサン、トルエン、THF、1,2−ジメトキシエタン等)中、塩基(トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン等)存在下、又は非存在下0℃〜200℃にて、対応するハロアルキルを有する化合物をモノ置換又はジ置換アルキルアミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルアミン等)で処理することにより好適に実施することができる。またジメチルアミノを有する化合物は、適当な溶媒(メタノール、エタノール、ジオキサン、トルエン、THF、1,2−ジメトキシエタン等)中0℃〜200℃にて、対応するハロアルキルを有する化合物をN−(トリメチルシリル)ジメチルアミンで処理することにより、好適に製造することができる。
(EE)目的化合物[I]のうち、R、R、R又はR上にアルキニルを有する化合物の製造は、ハロゲン化アリール、ハロゲン化ヘテロアリール、アリールトリフラート又はヘテロアリールトリフラートとアルキンを有する化合物とのいわゆる薗頭カップリング反応の任意の常法を用いることにより実施することができる。例えば本製造は、適当な溶媒(ジオキサン、トルエン、THF、1,2−ジメトキシエタン等)中、塩基(トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン等)及び/又は銅塩(例えばヨウ化第一銅)存在下、又は非存在下0℃〜200℃にて、金属触媒(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等)存在下、対応するハロゲン原子を有する化合物をアルキン(プロパルギルアルコール、N,N−ジメチルプロパルギルアミン等)で処理することにより、好適に実施することができる。
(FF)目的化合物[I]のうち、R〜R上にテトラゾリルを有する化合物の製造は、シアノ基をテトラゾリル基に変換する任意の常法を用いることにより実施することができる。例えば本製造は、適当な溶媒(メタノール、エタノール、DMF、ジオキサン、トルエン、THF、1,2−ジメトキシエタン等)中、塩基(トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン等)又は塩(トリエチルアミン塩酸塩等)存在下、又は非存在下0℃〜200℃にて、対応するシアノを有する化合物をアジ化金属(アジ化ナトリウム、アジ化トリブチルスズ、アジ化トリメチルシリル)で処理することにより好適に実施することができる。
(GG)目的化合物[I]のうち、R〜R上にO−アルコキシカルボニルヒドロキシイミンを有する化合物の製造は、適当な溶媒(DMF、ジオキサン、トルエン、THF、1,2−ジメトキシエタン等)又は無溶媒中、塩基(ピリジン、トリエチルアミン等)存在下、又は非存在下0℃〜200℃にて、対応するヒドロキシイミンを有する化合物をクロロ炭酸アルキル(クロロ炭酸エチル等)で処理することにより好適に実施することができる。
(HH)目的化合物[I]のうち、R、R、R又はR上にアリール又はヘテロアリールを有する化合物の製造は、いわゆるスティルカップリング又は鈴木カップリング反応の任意の常法を用いることにより実施することができる。例えば本製造は、適当な溶媒(ジオキサン、トルエン、THF、1,2−ジメトキシエタン等又はその混合溶媒)中、塩基(トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ナトリウムt−ブトキシド、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム等)存在下、又は非存在下0℃〜200℃にて、金属触媒(例えばジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム、酢酸パラジウム等)存在下、対応するハロアリールを有する化合物をアリールトリアルキルスズ、ヘテロアリールトリアルキルスズ、アリールジヒドロキシボラン、ヘテロアリールジヒドロキシボラン、アリールカテコールボラン、ヘテロアリールカテコールボラン等で処理することにより、好適に実施することができる。
(II)上記の各々の反応において、保護基を、適宜導入するか、又は除去して、最終的に所望の化合物[I]を得ることができる。かかる保護基の導入及び除去の方法は、Protective Groups in Organic Synthesis Third Edition(Theodora W. Green and Peter G. Wuts)の記載に準じて、実施することができる。
(JJ)あるいは、本化合物[I]はまた、(1)〜(13)の各工程における適当な段階にて、化合物[II]〜化合物[XIII]について上記(A)〜(II)の任意の反応を適宜実施することにより、合成することもできる。
実験例
グルコキナーゼ活性化作用
グルコキナーゼ活性は、生成したグルコース−6−リン酸を直接測定するのではなく、共役酵素であるグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼによりグルコース−6−リン酸から6−ホスホグルコン酸が生成する際に生じるNADPH量を測定することにより調べた。グルコキナーゼ酵素は、E.Coliで発現させたヒト肝臓型GST-GKを使用した。GK活性測定は以下の手順で行った。
【0141】
反応溶液として、25 mM MgCl2、25 mM KCl、1 mM DTT、5 mM NADP (Roche)、16.64 μg/mL G6PDH (酵母由来Roche 737-232 grade II)及び2.8 μg/mL GST-GKを含む25 mM HEPES緩衝液(pH7.4)を作製した。DMSOに溶解した評価化合物を、最終濃度が0.001〜100 μM(5% DMSO)になるように反応溶液に加えた。これに、基質としてグルコース(最終濃度 5 mM)を加え、ATP(最終濃度 5 mM)を添加して反応を開始させた。反応温度は30℃とし、340 nmの吸光度の変化でNADPHの生成をモニターした。反応開始から15分間の吸光度の増加を測定し、ブランク補正した値をGK活性(mOD/min)とした。評価化合物の各濃度におけるGK活性値よりEC50値を算出した。

【0142】
本発明の化合物[I]又はその薬理的に許容しうる塩は、優れたグルコキナーゼ活性化作用を有するため、グルコキナーゼが関与する疾患、例えば糖尿病、特にII型糖尿病、又は網膜症、腎症、神経症、虚血性心疾患若しくは動脈硬化等の慢性の糖尿病合併症、更には肥満の予防又は治療に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0143】
次の実施例及び参考例にて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例中、APCIは大気圧化学イオン化マススペクトル(atmospheric pressure chemical ionization mass spectrum)を、ESIはエレクトロスプレーイオン化マススペクトル(electrospray ionization mass spectrum)を表す。本明細書において、DMFはN,N−ジメチルホルムアミドを、THFはテトラヒドロフランを表す。
【実施例】
【0144】
実施例1


【0145】
(1)(4−ニトロフェニル)オキソ酢酸エチル 70.0 g (314 mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩 32.7 g (470 mmol)及びピリジン 37.2 g(470 mmol)のエタノール(700 ml)溶液を13時間加熱還流した。反応混合物を冷却後、析出物をろ取し、氷冷したエタノール−ジエチルエーテルの混合溶媒で洗浄した。減圧下結晶を乾燥することにより(1−B)21.7 g(収率29%)を淡黄色固体として得た。
MS (m/z) ESI: 237[M-H]-
(2)上記の化合物(1−B)29.0 g (122 mmol)のDMF(400 ml)溶液に氷冷下炭酸カリウム 33.7 g (244 mmol)及び(S)−3−テトラヒドロフラノール−p−トルエンスルホン酸エステル 44.3 g (183 mmol)を順次加え、同温で10分間、室温で18時間撹拌した。反応混合物をセライト濾過し、不溶物を酢酸エチルで洗浄した。併せた濾液を水で洗浄し、水層を酢酸エチルで抽出した。併せた有機層を希食塩水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去することにより上記化合物(1−C)55.2 gを粗結晶として得た。得られた粗結晶(1−C)は精製することなく次の反応に用いた。
(3)上記の化合物(1−C)55.2 g (122 mmol)のTHF(435 ml)、エタノール(145 ml)、及び水(72.5 ml)の混合物中に、氷冷下2N水酸化ナトリウム水溶液 102 ml (0.203 mmol)を滴下し、同温で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮後、残渣に水(500 ml)を加え、酢酸エチル(200 ml)で3回洗浄した。水層に2N塩酸(104 ml)を加えpH2〜3とした後に、更に酢酸エチルで2回抽出した。併せた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、有機溶媒を減圧下留去した。油状の残渣を酢酸エチルに溶解し、加温下白濁するまでヘキサンを加え、そのまま室温で16時間撹拌した。析出した結晶を濾取、酢酸エチル及びヘキサンの混合溶媒(1:2)で洗浄し、減圧下40℃で乾燥することにより上記化合物(1−D)18.2g((1−B)よりの収率53%)を無色結晶として得た。
MS (m/z) ESI: 279[M-H]-
(4)上記の化合物(1−D)21.5 g (76.7 mmol)のDMF(358 ml)溶液に氷冷下炭酸カリウム粉末を加え、10分間撹拌した。更に同温でヨードメタン5.75 ml (92.1 mmol)を滴下し、室温で3時間30分間撹拌した。反応混合物をセライト濾過することにより不溶物を除去し、不溶物を酢酸エチルで洗浄した。併せた溶出液を水で3回洗浄し、水層を酢酸エチルで再抽出した。併せた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去することにより上記化合物(1−E)23.9 gを粗無色油状物として得た。得られた粗無色油状物(1−E)を精製することなく次の反応に用いた。MS (m/z) APCI: 295[M+H]+
(5)上記の化合物(1−E)23.9 g (76.7 mmol)のエタノール(271 ml)溶液に、室温下で塩化スズ・2水和物 86.6 g (384 mmol)を加え、同温で15時間攪拌した。エタノールを減圧下留去し、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加えた。セライト濾過することにより不溶物を除去し、不溶物を酢酸エチルで洗浄した。有機層を分離して、水層を酢酸エチルで抽出した。併せた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮して得られた粗結晶を酢酸エチル−ヘキサン中で終夜撹拌することにより粉砕し、ろ取した。結晶を酢酸エチル−ヘキサン(1:3)で洗浄し、減圧乾燥することにより化合物(1−F)14.4 g (収率71%)を淡黄色粉末結晶として得た。MS (m/z) APCI: 265[M+H]+
(6)上記の化合物(1−F)8.03 g (30.4 mmol)を濃塩酸(80 ml)と水(26 ml)の混合溶媒に溶解させ、氷冷下で亜硝酸ナトリウム 2.34 g (33.4 mmol)の水溶液(21 ml)を加え、同温で30分攪拌した。次いでヨウ化カリウム 15.2 g (91.1 mmol)の水溶液(32 ml)を氷冷下加え、室温で1時間攪拌した。反応混合物に氷水を加え、酢酸エチルで2回抽出し、抽出液をBond Elut JR-NH2(VARIAN社)でろ取し、担体を酢酸エチルで溶出した。併せた溶出液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製(25%酢酸エチル−ヘキサン)することにより、化合物(1−G)9.10 g(収率80%)を黄色油状物として得た。
MS (m/z) APCI: 376[M+H]+
(7)アルゴン雰囲気下、ギ酸ナトリウム 816 mg (12.0 mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン 1.4 ml (8.04 mmol)及び無水酢酸 0.76 ml (8.04 mmol)のDMF懸濁液を室温で1時間攪拌した後に、上記の化合物(1−G)1.50 g (4.00 mmol)、塩化リチウム 508 mg (12.0 mmol)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)183 mg (0.20 mmol)のDMF溶液を加え、80℃で15時間加熱攪拌した。反応混合物を冷却後、酢酸エチルで希釈し、セライト濾過することにより不溶物を除去し、不溶物を酢酸エチルで洗浄した。併せた溶出液を1N塩酸で3回洗浄後、有機層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で抽出した。水層を酢酸エチルで3回洗浄後、水層に1N塩酸を加えpH2〜3とし、酢酸エチルで3回抽出した。併せた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製(10%タノール−クロロホルム)することにより、化合物(1−H)1.09 g (収率93%)を無色油状物として得た。MS (m/z) ESI: 292[M-H]-
(8)上記の化合物(1−H)1.00 g (3.41 mmol)、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩 1.31 g (6.82 mmol)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール 922 mg (6.82 mmol)のDMF(10 ml)溶液に、氷冷下、N,O−ジメチルヒドロキシアミン塩酸塩 499 mg (5.12 mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン 0.89 ml (5.11 mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を飽和食塩水で3回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(67%酢酸エチル−ヘキサン)することにより、化合物(1−I)2.88 g (収率85%)を無色油状物として得た。MS (m/z) APCI: 337[M+H]+
(9)上記の化合物(1−I)850 mg (2.53 mmol)のTHF(13 ml)、メタノール(2.5 ml)、水(1 ml)の混合溶媒に、氷冷下、2N水酸化ナトリウム水溶液 1.26 ml (2.52 mmol)を加え、同温で1.5時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣に酢酸エチル及び水を加えた。水層を分取後、有機層を水で更に抽出した。併せた水層に2N塩酸(1.27 ml)を加え酸性とし、酢酸エチルで2回抽出した。抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮することにより化合物(1−J)765 mg (収率94%)を無色油状物として得た。
MS (m/z) ESI: 321[M―H]-、643[2M-H]-
(10)上記の化合物(1−J)720 mg (2.23 mmol)、2−アミノ−5−フルオロチアゾール塩酸塩 691 mg (4.47 mmol)、及び4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン 382 mg (3.13 mmol)のクロロホルム(11 ml)溶液に、室温下、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 570μl (3.14 mmol)を加え、同温で18時間撹拌した。反応混合物に10%クエン酸水溶液を加え、減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチルを加え、10%クエン酸水溶液で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(0〜7%メタノール−クロロホルム)することにより、化合物(1−K)336 mg (収率36%)を淡黄色固体として得た。
MS (m/z) APCI: 423[M+H]+
(11)アルゴン雰囲気下、上記の化合物(1−K)100 mg (0.24 mmol)のTHF(2.0 ml)溶液に、−20℃下シクロプロピルマグネシウムブロミド2.5 ml (0.5M;1.25 mmol)を加え、−20℃で1時間、さらに0℃で1時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで3回抽出し、併せた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製(45〜70%酢酸エチル−ヘキサン)次いでNHシリカゲルクロマトグラフィーで精製(0〜4%メタノール−クロロホルム)することにより、化合物(1−L)146 mg (収率88%)を無色粉末固体として得た。
MS (m/z) APCI: 404[M+H]+

実施例2
対応原料化合物を実施例1と同様に処理して、以下の化合物を得た。
【0146】


【0147】
MS (m/z) APCI: 436[M+H]+
実施例3


【0148】
(1)アルゴン雰囲気下、上記の化合物(1−G)1.70 g (4.53 mmol)、トリブチル(1−エトキシビニル)スズ 1.68 ml (4.97 mmol)及び塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)318 mg (0.453 mmol)の1,4−ジオキサン溶液(26 ml)を80℃で4時間加熱攪拌した。反応混合物を冷却後、セライト濾過にて不純物を除去し、続いて濾液をBond Elut JR-NH2(VARIAN社)に通して溶出液を減圧下濃縮することにより化合物(3−A)を粗固体として得、精製することなく次の反応に用いた。
(2)上記の化合物(3−A)を1,4−ジオキサン(20 ml)に溶解させ、3%塩酸(5 ml)を加え、室温で32時間攪拌した。反応混合物に水を加え酢酸エチルで2回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をNHシリカゲルクロマトグラフィーで精製(25%酢酸エチル−ヘキサン)することにより、化合物(3−B)1.09 g (収率83%)を淡黄色油状物として得た。MS (m/z) :APCI: 292[M+H]+
(3)上記の化合物(3−B)1.00 g (3.43 mmol)のTHF(10 ml)、メタノール(2 ml)、水(1 ml)の混合溶媒に溶かし、氷冷下、2N水酸化ナトリウム水溶液 1.9 ml (3.80 mmol)を加え、同温で30分攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮して得られた残渣に水を加え、ジエチルエーテルで2回洗浄した。水層を分取し、有機層を水で更に抽出した。併せた水層に2N塩酸(1.95 ml)を加え酸性とし、酢酸エチルで2回抽出した。併せた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮することにより化合物(3−C)929 mg (収率98%)を淡黄色油状物として得た。MS (m/z) ESI: 276[M―H]-, 553[2M-H]-
(4)上記の化合物(3−C)150 mg (0.54 mmol)、2−アミノ−5−フルオロチアゾール塩酸塩 125 mg (0.81 mmol)、及び4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン 86 mg (0.70 mmol)のクロロホルム(2.3 ml)溶液に、室温下、N−エチル−N’−(3−ジエチルアミノプロピル)カルボジイミド 128μl (0.70 mmol)を加え、同温で16時間撹拌した。反応混合物を直接シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(0〜5%タノール−クロロホルム)することにより、化合物(3−D)73 mg (収率36%)を無色粉末固体として得た。
MS (m/z) APCI: 378[M+H]+

実施例4〜9


【0149】
[実施例4、5] 対応原料化合物を実施例3と同様に処理して、上記実施例4及び5の化合物を得た。
(実施例4)MS (m/z) APCI: 584[M+H]+
(実施例5)MS (m/z) APCI: 598[M+H]+
[実施例6]
実施例4の化合物 470 mg (0.81 mmol)をギ酸(3 ml)に溶解させ、16時間室温で攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をNHシリカゲルクロマトグラフィーで精製(0〜3%メタノール−クロロホルム)することにより、上記実施例6の化合物200 mg (収率50%)を黄色粉末固体として得た。
MS (m/z) APCI: 484[M+H]+
[実施例7]
対応原料化合物を実施例6と同様に処理して、上記実施例7の化合物を得た。
MS (m/z) APCI: 498[M+H]+
[実施例8]
実施例6の化合物 140 mg (0.29 mmol)をクロロホルム(2.5 ml)に溶解させ、室温下37%ホルマリン液(0.5 ml)及びナトリウムトリアセトキシボロヒドリド 123 mg (0.58 mmol)を加え、同温で1時間攪拌した。反応混合物に氷水を加え、クロロホルムで2回抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をNHシリカゲルクロマトグラフィーで精製(0〜2%メタノール−クロロホルム)することにより、上記実施例8の化合物154 mg(定量的)を淡黄色固体として得た。MS (m/z) APCI: 498[M+H]+
[実施例9]
対応原料化合物を実施例6と同様に処理して、上記実施例9の化合物を得た。
MS (m/z) APCI: 512[M+H]+

実施例10


【0150】
(1)実施例1の化合物(1−H)1.40 g (4.77 mmol)の塩化メチレン(15 ml)溶液に、0℃で塩化オキサリル520μl (5.96 mmol)及びDMF(触媒量:1滴)を順次滴下して加え、室温で1時間撹拌した。更に塩化オキサリル 2.91 ml (33.4 mmol)を滴下して加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物の溶媒を減圧下留去することにより上記化合物(10−A)を粗褐色粘性油状物として得、精製することなく次の反応に用いた。
(2)アルゴン雰囲気下、ヨウ化銅(I)1.07 g (5.64 mmol)のTHF(10 ml)懸濁液に、−78℃下0.5Mシクロプロピルマグネシウムブロミドを5分間かけて滴下して加えた。反応混合物を1時間かけて0℃まで昇温させ同温で1時間撹拌した。反応混合物を−78℃に冷却し、化合物(10−A)(4.77 mmol)のTHF(10 ml)溶液を滴下して加え、同温で10分間撹拌後、2時間かけて室温まで昇温させ同温で終夜撹拌した。反応混合物に5%塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下濃縮して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで分離精製(0〜40%酢酸エチル−ヘキサン)することにより上記化合物(E体:10−B)172 mg (収率11%)及び上記化合物(Z体:10−C)をそれぞれ黄色油状物として得た。
(E体:10−B)MS (m/z) APCI: 318[M+H]+
(Z体:10−C)MS (m/z) APCI: 318[M+H]+
(3)上記化合物(Z体:10−C)570 mg (1.80 mmol)をジオキサン 4.0 ml及び4N塩化水素−ジオキサン溶液 4.0 ml (16 mmol)に溶解し、室温で2時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製(10〜40%酢酸エチル−ヘキサン)することにより上記化合物(E体:10−B)177 mg (収率31%)を無色油状物として得た。MS (m/z) APCI: 318[M+H]+
(4)上記化合物(E体:10−B)366 mg (1.15 mmol)をTHF(2 ml)、メタノール(1 ml)、及び水(1 ml)の混合溶媒中に溶解し、0℃で2N水酸化ナトリウム水溶液 690μl (1.38 mmol)を加え、同温で1時間30分間撹拌した。反応混合物に2N塩酸 690μl (1.38 mmol)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下濃縮し、残渣にトルエンを加え2回共沸して水を除去することにより上記の化合物(10−D)346 mg (収率99%)を黄色固体として得た。MS (m/z) ESI: 302[M―H]-, 605[2M-H]-
(5)上記化合物(10−D)85 mg (0.28 mmol)のクロロホルム(2.0 ml)溶液に5−(3−ジメチルアミノプロポキシ)−[1,3]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−アミン及びモレキュラシーブス4A(粉末、<5ミクロン)(アルドリッチ社)を加え、室温で15分間撹拌した。次いで0℃でN−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩 70 mg (0.36 mmol)及び4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン 45 mg (0.36 mmol)を加え、同温で30分間撹拌し、室温で22時間撹拌した。反応混合物にクロロホルムを加えて希釈して、セライトろ過し、併せたろ液をNHシリカゲルクロマトグラフィーで精製(0〜15%メタノール−酢酸エチル)することにより上記化合物(10−E)61 mg (収率40%)を無色固体として得た。
MS (m/z) ESI: 538[M+H]+

実施例11〜13
対応原料化合物を実施例10及び6と同様に処理して、それぞれ実施例11〜13の化合物並びに実施例14及び15の化合物を得た。
【0151】


【0152】
実施例16


【0153】
上記の化合物(1−L)120 mg (0.30 mmol)のメタノール(3.0 ml)溶液に、0℃で水素化ホウ素ナトリウム 69 mg (1.82 mmol)を加え、同温で1時間攪拌した。反応混合物に1N塩酸を加え、減圧下濃縮した。残渣に水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。併せた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下濃縮し、残渣をNHシリカゲルクロマトグラフィーで精製(0〜10%メタノール−酢酸エチル)することにより、化合物(16−A)110 mg (収率92%)を無色粉末固体として得た。MS (m/z) APCI: 406[M+H]+

実施例17〜20
対応原料化合物を実施例16と同様に処理して、以下の化合物を得た。
【0154】


【0155】
実施例
上記実施例と同様に処理して、以下の化合物を得る。
【0156】























【0157】
参考例1



【0158】
2−t−ブチルオキシカルボニルアミノチアゾール88.0 g(439 mmol)のTHF溶液 1760 mlに-78℃で1.59M n−ブチルリチウムのヘキサン溶液 729 ml(1159 mmol)を20分かけて滴加し、1時間かけて-10℃まで昇温した。-78℃に再度冷却後DMF 102 ml(1320 mmol)を一度に加えた。アセトン−ドライアイス浴を外し、30分撹拌後、反応混合物を冷水1000 mlに注ぎ、酢酸エチル2000 mlを加えた。有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣を酢酸エチルで再結晶することにより、2−t−ブチルオキシカルボニルアミノチアゾール−5−カルボアルデヒド 74.8 gを得た。mp. 173-175℃ MS (m/z) APCI: 229 (M+H)+
上記2−t−ブチルオキシカルボニルアミノチアゾール−5−カルボアルデヒド 64.5 g(282 mmol)の塩化メチレン 322 ml溶液に、氷冷下20分かけてトリフルオロ酢酸 322 mlを滴加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、溶媒を留去した。これにクロロホルム 50 mlを加え、次いで氷冷下4N塩化水素−ジオキサン溶液 300 mlを滴加した。溶媒留去後、残渣を酢酸エチルで洗浄し、集めて標記化合物 41.3 gを一塩酸塩として得た。
mp. 190-194℃(分解) MS (m/z) APCI: 検出されず
参考例2


【0159】
2−t−ブチルオキシカルボニルアミノチアゾール 60.0 g(299 mmol)のTHF溶液 1200 mlに-78℃で1.59M n−ブチルリチウムのヘキサン溶液 428 ml(659 mmol)を20分かけて滴加し、1時間かけて-10℃まで昇温した。-78℃に再度冷却後、N−フルオロベンゼンスルホニルイミド142 g(449 mmol)を一度に加えた。アセトン−ドライアイス浴を外し、30分撹拌後、冷水 1000 mlに反応混合物を注ぎ、酢酸エチル1200 mlを加えて分液し、有機層を2N塩酸、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(15%酢酸エチル:ヘキサン=3:1)で精製した後、ジエチルエーテルで再結晶し、2−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−5−フルオロチアゾール 45.1 gを得た。
mp. 157-159℃ MS (m/z) APCI: 219 (M+H)+
上記2−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−5−フルオロチアゾール 38.0 g(174 mmol)の塩化メチレン 190 ml溶液に、氷冷下20分かけてトリフルオロ酢酸 190 mlを滴加した。室温で2.5時間撹拌し、濃縮した。これにクロロホルム 20 mlを加え、氷冷下、4N塩化水素−ジオキサン溶液 180 mlを滴加した。濃縮後、残渣を酢酸エチルで洗浄し、集め、標記化合物24.6 gを一塩酸塩として得た。mp. 142-144℃(分解) MS (m/z) APCI: 119 (M+H)+
参考例3


【0160】
(1)参考例1の化合物 80.0 g(486 mmol)の水溶液 400 mlに室温下28%アンモニア水を滴加後、析出した結晶を集め、乾燥し、フリーのアルデヒド体を得た。
(2)上記生成物をメタノール 600 mlに懸濁し、氷冷下水素化ホウ素ナトリウム 27.6 g(729 mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物にアセトン 30 ml及び水 50 mlを加えた後、減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20〜25%メタノール−クロロホルム)で精製し、2−アミノ−5−ヒドロキシメチルチアゾール45.2 g(収率71%)を得た。
MS (m/z) APCI: 131 (M+H)+
(3)上記生成物45.2 gを2M塩化水素−メタノール溶液に溶解し、60℃で5時間撹拌した。反応混合物を濃縮後、残渣をメタノール及びジエチルエーテルの混合物で固化させ、標記化合物 49.8 g(収率79%)を一塩酸塩として得た。
MS (m/z) APCI: 145(M+H)+
参考例4


【0161】
5−メトキシ[1,3]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−アミン 5.0 g(27.6 mmol)を30%臭化水素−酢酸 50 mlに溶解し、130℃で3時間撹拌した。室温まで冷却後、減圧下溶媒を留去し、残渣をジエチルエーテルで固化させ、2−アミノ[1,3]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−オール二臭化水素酸塩 9.11 g(定量的)を無色結晶として得た。
MS (m/z) APCI: 168 (M+H)+
参考例5


【0162】
参考例4の化合物 1.18 g(3.59 mmol)、ジメチルアミノエチルクロリド一塩酸塩 569 mg(3.95 mmol)及び炭酸セシウム 6.43 g(19.75 mmol)のDMF 30 ml溶液を60℃で2時間撹拌した。室温に冷却後、酢酸 2.26 ml(39.5 mmol)を加え、均一な溶液になるまで水で希釈後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH−シリカゲル;50%酢酸エチル−ヘキサン)で精製し、標記化合物 273 mg(収率32%)を淡黄色結晶として得た。
MS (m/z) APCI: 239 (M+H)+
参考例6


【0163】
参考例4の化合物 1.54 g(4.68 mmol)、ブロモ酢酸エチル 0.571 ml(5.15 mmol)及び炭酸セシウム 6.86 g(21.06 mmol)のDMF 40 ml溶液を室温で30分撹拌し、酢酸 2.47 ml(43.2 mmol)を加え、均一な溶液になるまで水で希釈し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH−シリカゲル;酢酸エチル)で精製し、ジイソプロピルエーテルで固化させ、標記化合物 862 mg(収率67%)を無色結晶として得た。
MS (m/z) APCI: 254 (M+H)+
参考例7


【0164】
対応原料化合物を参考例5と同様に処理し、標記化合物を得た。
MS (m/z) APCI: 282 (M+H)+
参考例8


【0165】
参考例6の化合物 862 mg(3.40 mmol)のTHF 20 ml溶液に、室温で水素化ホウ素リチウム 222 mg(10.21 mmol)を加え、そのまま24時間撹拌した。反応混合物に10%塩酸を加え、過剰の試薬を分解し、飽和重曹水を加え、20%メタノール−クロロホルム溶液で抽出し、有機層を分離し、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5〜20%メタノール−クロロホルム)で精製し、標記化合物 369 mg(収率51%)を無色結晶として得た。MS (m/z) APCI: 212 (M+H)+
上記化合物は以下の別法でも合成した。

【0166】
(1)化合物(8-a)5.18 g(32.7 mmol)及びエチレングリコール 20.28 g(327 mmol)のDMF溶液 20 mlに炭酸カリウム 13.55 g(98.0 mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下濃縮した残渣を酢酸エチル−ヘキサンで再結晶化することにより、化合物(8-b)5.59 g(収率93%)を黄色結晶として得た。MS (APCI): 185 (M+H)+
(2)化合物(8-b)5.57 g(30.25 mmol)のエタノール溶液 50 mlに10%Pd-C 0.50 gを加え、水素気流下2時間激しく撹拌し、反応混合物を減圧下濃縮することにより、粗アミン体を得た。
(3)上記アミン体の酢酸溶液 100 mlにチオシアン酸カリウム 17.64 g(182 mmol)を加え、氷浴で冷却しながら臭素 1.62 ml(31.8 mmol)を滴加し、次いで室温で終夜撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、トルエンで共沸後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(NH−シリカゲル;メタノール−クロロホルム=20:1〜10:1)で精製し、酢酸エチルでトリチュレーションし、化合物(8-c)5.55 g(収率87%)を無色結晶として得た。
MS (APCI): 212 (M+H)+
参考例9


【0167】
参考例4の化合物を2−ブロモアセトアミドで、参考例5と同様に処理し、標記化合物を得た。MS (m/z) APCI: 225 (M+H)+
参考例10


【0168】
参考例4の化合物を2−ブロモ−N−メチルアセトアミドで、参考例5と同様に処理し、標記化合物を得た。MS (m/z) APCI: 239 (M+H)+
参考例11


【0169】
(1)参考例9の化合物 1380 mg(3.02 mmol)のTHF 40 ml溶液に、室温で水素化アルミニウムリチウム 1.17 g(30.8 mmol)を加え、混合物を室温で20時間撹拌した。過剰の試薬を30%アンモニア水溶液で分解後、混合物を濾過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30%アンモニア水:メタノール:クロロホルム=0.1:1:5)で精製し、アミン体 150 mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物 150 mg(0.713 mmol)のTHF 10 ml懸濁液に、ジ−t−ブチルジカーボネート 187 mg(0.856 mmol)のTHF 5 ml溶液を室温下加え、そのまま室温で90分撹拌した。反応混合物に30%アンモニア水溶液を加え、室温で30分撹拌後、酢酸エチルで希釈し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0〜5%メタノール−クロロホルム)で精製し、標記化合物 177 mg(収率9%:2工程)を無色固体として得た。
MS (m/z) APCI: 311 (M+H)+
上記化合物は下に示す別法でも合成した。
【0170】


【0171】
(1)化合物(8-a)15.0 g(94.6 mmol)及びN−(t−ブトキシカルボニル)エタノールアミン 30.50 g(189.2 mmol)のDMF溶液 150 mlに炭酸カリウム 26.15 g(189.2 mmol)を少しずつ加え、50〜60℃で4時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。活性炭処理した後、減圧下濃縮し、残渣をジイソプロピルエーテルで結晶化することにより、化合物(11-a)11.86 g(収率44%)を得た。MS (m/z) APCI: 284 (M+H)+
(2)上記化合物 1.08 g(3.81 mmol)の酢酸エチル溶液 10 mlに10%Pd-C 128 mgを加え、混合物を常圧水素気流下、室温で激しく1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下濃縮し、粗アミン体1.09 gを得た。
(3)上記アミン体の酢酸溶液 20 mlに酢酸カリウム 1.87 g(19.3 mmol)及びチオシアン酸カリウム 2.22 g(22.8 mmol)を加え、氷水浴で冷却しながら臭素 0.234 ml(4.57 mmol)を滴加し、次いで室温で1時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、有機層を水、亜硫酸ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。活性炭処理した後、混合物を減圧下濃縮し、残渣を酢酸エチル−ヘキサンで結晶化し、上記化合物 516 mg(2工程で収率44%)を得た。MS (m/z) APCI: 311 (M+H)+
参考例12


【0172】
参考例10の化合物を参考例11と同様に処理し、標記化合物を無色結晶として得た。MS (m/z) APCI: 325 (M+H)+
上記化合物は以下に示す別法でも合成した。
【0173】


【0174】
(1)化合物(8-a)10.0 g(63.08 mmol)及びN−(t−ブトキシカルボニル)−N−メチルエタノールアミン 16.55 g(94.6 mmol)のジメチルスルホキシド溶液 100 mlを氷水浴で冷却しながらカリウム t−ブトキシド 10.62 g(94.6 mmol)を少しずつ加え、室温で50分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。活性炭処理した後、混合物を減圧下濃縮することにより化合物(12-a)21.76 gを得た。MS (m/z) APCI: 298 (M+H)+
(2)上記(1)で得られた化合物を参考例11の別法(2)と同様に反応させ、粗アミン体を得た。MS (m/z) APCI: 268 (M+H)+
(3)上記(2)で得られた化合物を参考例11の別法(3)と同様に処理し、上記化合物を得た。MS (m/z) APCI: 325 (M+H)+
参考例13


【0175】
(1)クロロ硫酸 80.0 g(687 mmol)を氷冷し、2−アセトアミドチアゾール 20.00 g(140.6 mmol)を数回に分けて加え、次いで混合物を100℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、氷水に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮することにより、粗生成物(13-b)9.41 gを黄色固体として得た。
(2)2Mジメチルアミン水溶液 7.2 ml(14.3 mmol)とピリジン 3 mlの混合物を氷冷し、化合物(13-b)1.50 gを数回に分けて加え、同温度で15分間、室温で終夜撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0〜10%メタノール−クロロホルム)で精製することにより、粗生成物(13-c)677 mgを黄色粉末として得た。
(3)上記化合物447 mgに6N塩酸を加え、110℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧下濃縮した。残渣に水及びアンモニア水を加え、塩基性とし、析出した結晶を集めて乾燥し、化合物(13-d)283 mg(3工程で収率9%)を黄色粉末として得た。MS (m/z) APCI: 208 (M+H)+
参考例14


【0176】
メチルピペラジンを参考例13と同様に用い、標記化合物(3工程で収率3%)を得た。MS (m/z) APCI: 263 (M+H)+
参考例15


【0177】
(1)参考例1の2−t−ブチルオキシカルボニルアミノチアゾール−5−カルボアルデヒド 4.37 g(19.1 mmol)のTHF溶液 100 mlに、室温でジエチルホスホノ酢酸エチル 9.14 ml(45.9 mmol)及びカリウムt−ブトキシド 5.16 g(45.9 mmol)を加え、同温で終夜撹拌後、5時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却し、これに水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、活性炭処理後、減圧下濃縮し、残渣を酢酸エチル−ヘキサン(1:5)で結晶化して、化合物(15-a)4.13 g(収率72%)を無色結晶として得た。
MS (m/z) APCI: 299 (M+H)+
(2)上記化合物 4.10 g(13.74 mmol)、10%Pd/C 5.0 g、酢酸エチル 50 ml及び酢酸 50 mlの混合物を、水素気流下室温で24時間激しく撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下濃縮し、次いでトルエンで数回共沸し、化合物(15-b)4.05 g(収率98%)を無色結晶として得た。
MS (m/z) APCI: 301 (M+H)+
(3)上記化合物 4.03 g(13.42 mmol)のエタノール 20 ml、THF 40 ml及び水20 mlの混合溶媒溶液を氷冷し、これに2N水酸化ナトリウム溶液 16.1 ml(32.2 mmol)を滴加した。混合物を同温で2時間、次いで室温で3時間撹拌した。クエン酸水溶液及び酢酸エチルの混合物に注ぎ、混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後に減圧下濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテルで結晶化して、化合物(15-c)3.16 g(収率86%)を無色結晶として得た。
MS (ESI): 271 (M-H)-
(4)上記化合物 589 mg(2.16 mmol)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール 584 mg(4.33 mmol)のDMF溶液10 mlを氷冷し、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド一塩酸塩 1.04 g(5.40 mmol)を加え、同温で15分間、次いで室温で1時間撹拌した。反応混合物を再び氷冷し、50%メチルアミン水溶液5 mlを加え、同温で10分間、室温で1時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル及び飽和食塩水の混合物に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を飽和重曹水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下濃縮し、残渣を酢酸エチル−ヘキサン(1:10)で結晶化し、化合物(15-d)597 mg(収率92%)を無色結晶として得た。
MS (m/z) APCI: 300 (M+H)+
(5)上記化合物 202 mg(0.675 mmol)の蟻酸溶液 6 mlに4N塩化水素−ジオキサン溶液 2 ml(8 mmol)を加え、室温で8時間撹拌した。反応混合物にジエチルエーテルを加え、室温で撹拌し、得られた結晶を集め、ジエチルエーテルで洗浄した。この結晶に、4N塩化水素−ジオキサン溶液2 ml(8 mmol)及びジエチルエーテル10 mlを加え、さらに室温で終夜撹拌した。結晶を集め、ジエチルエーテルで洗浄することにより、化合物(15-e)175 mgを定量的収率で無色結晶として得た。MS (m/z) APCI: 200 (M+H)+
参考例16


【0178】
参考例15の化合物(15-e)173 mg(0.734 mmol)にアンモニア水及び飽和食塩水を加え、混合物をクロロホルムで数回抽出した。抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮して、フリー体の無色結晶 112 mg(収率76%)を得た。上記化合物 112 mg(0.560 mmol)のTHF溶液 3 mlを氷冷し、水素化アルミニウムリチウム 65 mg(1.71 mmol)を加え、同温で1時間、次いで室温で1時間撹拌した。反応混合物にアンモニア水を加え、室温で終夜撹拌した。硫酸ナトリウムを加えた後、混合物を濾過した。濾液を減圧下濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルに溶解し、4N塩化水素−ジオキサン溶液 0.5 ml(1 mmol)及びジエチルエーテルを加え、室温で撹拌した。析出物を集め、乾燥して、標記化合物 98 mg(収率68%)を無色粉末として得た。
MS (m/z) APCI: 186 (M+H)+
参考例17


【0179】
2−アミノ−5−ブロモピラジン 2.00 g(11.5 mmol)、シクロプロピルボロン酸 1.28 g(14.9 mmol)、酢酸パラジウム 258 mg(1.15 mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン 644 mg(2.30 mmol)及びリン酸三カリウム 8.50 g(40.23 mmol)のトルエン−水(20:1)53 ml中の混合物を18時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50〜100%酢酸エチル−ヘキサン)で精製することにより、標記化合物 329 mg(収率21%)を無色粉末として得た。MS (m/z) APCI: 136 (M+H)+

参考例18


【0180】
参考例8の化合物 176 mg(0.833 mmol)及びイミダゾール 188 mg(2.76 mmol)のDMF溶液 4 mlに、氷冷下t−ブチルジメチルクロロシラン 188 mg(1.25 mmol)のDMF溶液 2 mlを滴加し、室温で終夜撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下濃縮後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(40〜70%酢酸エチル−ヘキサン)で精製し、標記化合物 172 mg(収率64%)を無色結晶として得た。MS (m/z) APCI: 326 (M+H)+
参考例19


【0181】
2−アミノ−5−ブロモチアゾール臭化水素酸塩 3.00 g(11.5 mmol)及び2−ジメチルアミノエタンチオール一塩酸塩 2.45 g(17.31 mmol)の水 15 ml−エタノール 20 ml溶液に、室温で1N水酸化ナトリウム水溶液 23.5 ml(23.5 mmol)を加え、次いで2時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下濃縮し、飽和重曹水を加え、塩化ナトリウムを飽和させて酢酸エチルで数回抽出した。抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(NH−シリカゲル;メタノール:クロロホルム=49:1〜19:1)で精製することにより、標記化合物 2.10 g(収率89%)を茶色固体として得た。MS (m/z) APCI: 204 (M+H)+

参考例20


【0182】
3−メルカプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾールを、参考例19と同様に用いることにより、標記化合物を得た。
MS (m/z) APCI: 214 (M+H)+
参考例21


【0183】
2−メルカプトエタノールを、参考例19と同様に用いることにより、標記化合物を得た。MS (m/z) APCI: 177 (M+H)+
参考例22


【0184】
3−メルカプトプロパノールを、参考例19と同様に用いることにより、標記化合物を得た。MS (m/z) APCI: 191 (M+H)+
参考例23


【0185】
2−アミノ−5−ブロモチアゾール臭化水素酸塩 5.50 g(21.2 mmol)、t−ブチル−N−(2−メルカプトエチル)カーバメート 5.25 g(29.6 mmol)及びエタノール 80 mlの混合物に氷冷下、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン7.73 g(50.8 mmol)を加え、室温で7時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣を酢酸エチルで希釈後、水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下濃縮後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:1)で精製することにより、標記化合物 5.72 g(収率98%)を無色粉末として得た。
MS (m/z) APCI: 276 (M+H)+
参考例24


【0186】
(1)既知の方法(B. Koren et al., Heterocycles, 1987, 26(3) 689.)に従って合成した化合物(24-a)1.00 g(3.30 mmol)のDMF溶液 40 mlに水 10 ml、蟻酸ナトリウム 4.50 g(66.2 mmol)及び10%Pd-C 200 mgを加え、85℃で14時間撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物を濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣に水を加え、クエン酸水溶液で酸性にした後、析出した結晶を集め、乾燥して、化合物(24-b)720 mg(収率97%)を黄色粉末として得た。
MS (m/z) APCI: 225 (M+H)+
(2)上記化合物 700 mg(3.12 mmol)に10%水酸化ナトリウム水溶液 20 mlを加え、100℃で4.5時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、10%塩酸を加えて中和し、析出物を濾去した。濾液を酢酸エチルで抽出し、抽出物を減圧下濃縮して得られる残渣をジエチルエーテルで洗浄し、化合物(24-c)228 mg(収率48%)を黄色粉末として得た。MS (m/z) APCI: 153 (M+H)+

参考例25


【0187】
(1)既知の方法(B. Koren et al., Heterocycles, 1987, 26(3) 689.)に従って合成した化合物(25-a)482 mg(2.09 mmol)、2,5−ヘキサンジオン 0.490 ml(4.17 ml)、p−トルエンスルホン酸一水和物 40 mg(0.21 mmol)及びトルエン 5 mlの混合物をDean-Stark装置で水を除去しながら、3時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却後、酢酸エチル及び少量のメタノールで希釈し、飽和重曹水及び飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下濃縮後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(NH−シリカゲル;酢酸エチル:ヘキサン=10:1、次いで酢酸エチル)で精製し、化合物(25-b)598 mg(収率93%)を淡褐色結晶として得た。
MS (m/z) APCI: 309/311 (M+H)+
(2)上記化合物 533 mg(1.72 mmol)のメタノール 15 ml−DMF 15 ml溶液を氷冷し、ナトリウムメトキシド 464 mg(8.60 mmol)を加え、室温で42時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。活性炭で処理後、混合物を減圧下濃縮し、化合物(25-c)339 mg(収率76%)を褐色結晶として得た。
MS (m/z) APCI: 261 (M+H)+
(3)上記化合物 330 mg(1.27 mmol)の水懸濁液 30 mlを氷冷し、トリフルオロ酢酸 30 mlを加え、混合物を60℃で4時間撹拌した。次いで反応混合物を室温まで冷却し、減圧下濃縮し、残渣をトルエンで共沸し、シリカゲルクロマトグラフィー(NH−シリカゲル;メタノール:クロロホルム=1:20〜1:5)で精製し、得られた粗結晶を酢酸エチル−ヘキサン(1:3)で洗浄することにより、化合物(25-d)154 mg(収率67%)を赤褐色結晶として得た。
MS (m/z) APCI: 183 (M+H)+
参考例26


【0188】
チオシアン酸カリウム 6.10 g(63 mmol)の酢酸溶液 25 mlに5−アミノピリミジン 1.00 g(10.5 mmol)を加え、氷浴で冷却しながら臭素1.08 ml(21.0 mmol)の酢酸溶液3 mlを滴加後、混合物を室温で3日間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣を飽和重曹水で中和後、減圧下濃縮した。残渣にクロロホルム及びTHFを加え、混合物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下濃縮して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(メタノール:クロロホルム=1:20〜1:10)で精製することにより、標記化合物 287 mg(収率18%)を黄色粉末として得た。MS (m/z) APCI: 153 (M+H)+
参考例27


【0189】
(1)既知の方法(T. Takahashi et al., Chemical&Pharmaceutical Bulletin, 1958, 6, 334.)に従って合成した化合物(27-a)1.00 g(4.62 mmol)のメタノール懸濁液 20 mlを-40℃に冷却し、28%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液 0.305 ml(4.85 mmol)を加え、同温で6時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(15〜35%酢酸エチル−ヘキサン)で精製することにより、化合物(27-b)194 mg(収率20%)を黄色粉末として得た。
(2)上記化合物 663 mg(3.12 mmol)の酢酸溶液 6 mlに、室温で鉄粉末 678 mg(12.2 mmol)を加え、60℃で4時間撹拌した。室温まで冷却後、酢酸エチルで希釈し、混合物をセライト濾過した。濾液を濃縮後、残渣を酢酸エチルで希釈し、飽和重曹水を加えた後、不溶物を濾去した。濾液を酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製することにより、化合物(27-c)231 mg(収率41%)を黄色粉末として得た。MS (m/z) APCI: 183 (M+H)+
参考例28


【0190】
(1)化合物(28-a)3.05 g(16.4 mmol)、2,5−ヘキサンジオン 3.85 ml(32.9 mmol)、p−トルエンスルホン酸一水和物 313 mg(1.64 mmol)のトルエン 30 ml中の混合物をDean-Stark装置で水を除去しながら、6時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却後、酢酸エチルで希釈し、飽和重曹水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下濃縮後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:10)で精製し、化合物(28-b)3.84 g(収率89%)を淡褐色結晶として得た。
MS (m/z) APCI: 264/266 (M+H)+
(2)上記化合物 600 mg(2.27 mmol)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム 131 mg(0.227 mmol)、2−ジシクロヘキシルホスホノ−2’−(N,N’−ジメチルアミノ)ビフェニル 89 mg(0.226 mmol)及びナトリウムt−ブトキシド 437 mg(4.55 mmol)のトルエン懸濁液10 mlに、アルゴン気流下、室温にて2MジメチルアミンのTHF溶液 6.81 ml(13.6 mmol)を加え、同温で5日間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(10〜35%酢酸エチル−ヘキサン)で精製し、化合物(28-c)419 mg(収率68%)を褐色結晶として得た。
MS (m/z) APCI: 273 (M+H)+
(3)上記化合物 410 mg(1.51 mmol)の水30 ml懸濁液を氷冷し、トリフルオロ酢酸 30 mlを加え、次いで50℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却後、減圧下濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和重曹水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、活性炭処理した。減圧下濃縮後、残渣を酢酸エチル:ヘキサン(3:1)で結晶化し、化合物(28-d)194 mg(収率66%)を無色粉末として得た。MS (m/z) APCI: 195 (M+H)+
参考例29


【0191】
2−アミノ−5−ブロモピラジン 2.61 g(15.0 mmol)、t−ブチルカーバメート 2.11 g(18.0 mmol)、ヨウ化銅(I)290 mg(1.50 mmol)、N,N'−ジメチルエチレンジアミン 260 mg(3.00 mmol)、炭酸カリウム 4.15 g(30.0 mmol)及びジオキサン 80 mlの混合物を16時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却後、水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物をセライト濾過し、濾液を減圧下濃縮して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(30〜80%酢酸エチル−ヘキサン)で精製し、標記化合物(収率18%)を無色粉末として得た。MS (m/z) APCI: 211 (M+H)+
参考例30


【0192】
(1)化合物(28-b)1.86 g(7.05 mmol)、t−ブチルジメチル(トリブチルスタンニルメトキシ)シラン 6.14 g(14.1 mmol)及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 495 mg(0.701 mmol)のジオキサン懸濁液 20 mlをアルゴン気流下、41時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却後、活性炭を加え、混合物を濾過し、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣に酢酸エチルを加え、飽和重曹水及び飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮し、化合物(30-a)10.44 gを黄色油状物として得た。
(2)上記化合物 10.4 gの水 60 ml中の混合物を氷冷し、トリフルオロ酢酸 60 mlを加え、次いで50℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却後、減圧下濃縮し、得られた残渣に飽和重曹水を加え、混合物を塩化ナトリウムで飽和して、酢酸エチルで抽出した。抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮し、残渣をトルエンで共沸した後、酢酸エチル:ヘキサンの混合溶媒で結晶化させ、化合物(30-b)1.10 gを褐色粉末として得た。
(3)上記化合物 1.10 g及びイミダゾール 1.54 g(22.6 mmol)のDMF溶液 30 mlに、氷冷下t−ブチルジメチルクロロシラン 1.70 g(11.3 mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和重曹水及び食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH−シリカゲル;60〜100%酢酸エチル−ヘキサン)で精製し、化合物(30-c)354 mg(3工程で収率16%)を淡黄色結晶として得た。MS (m/z) APCI: 296 (M+H)+
参考例31


【0193】
2−アミノ−5−ヨードピリジン 1.00 g(4.55 mmol)、チオグリコール酸メチル 0.482 g(4.55 mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム 208 mg(0.227 mmol)、ビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル 245 mg(0.455 mmol)及びカリウムt−ブトキシド 561 mg(5.00 mmol)のトルエン20 ml中の混合物をアルゴン気流下、100℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、セライト濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(NH−シリカゲル、0〜3%メタノール−クロロホルム)で精製することにより、標記化合物268 mg(収率30%)を淡黄色固体として得た。MS (m/z) APCI: 199 (M+H)+
参考例32


【0194】
(1)化合物(32-a)、(S)−1−アセチル−2−メチルピペラジン塩酸塩及びジイソプロピルエチルアミンを、実施例2と同様に処理し、化合物(32-b)を得た。MS (m/z) APCI: 349 (M+H)+
(2)上記(1)で得られた化合物を実施例138-(2)と同様に処理し、化合物(32-c)を得た。MS (m/z) APCI: 249 (M+H)+
参考例33


【0195】
(1)参考例28の化合物(28-b)の化合物 2.00 g(7.58 mmol)及びN,N,N’−トリメチルエチレンジアミン7.74 g(75.8 mmol)の混合物を125℃で15時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、減圧濃縮し、残渣に酢酸エチルを加え、不溶物を濾去した。濾液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH−シリカゲル;15〜35%酢酸エチル−ヘキサン)で精製することにより、化合物(33-a)2.33 g(収率93%)を得た。
MS (m/z) APCI: 330 (M+H)+
(2)上記化合物 530 mg(1.61 mmol)のメタノール溶液 2 mlに10%塩酸 3.3 mlを加え、60℃で19時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、炭酸水素ナトリウムで中和し、減圧下濃縮した。残渣にクロロホルムを加え、硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、濾液を減圧下濃縮した。得られた粗結晶を酢酸エチル−ジエチルエーテルで洗浄し、化合物(33-b)201 mg(収率50%)を得た。
MS (m/z) APCI: 252 (M+H)+
対応原料化合物を上記参考例33、参考例11−(2)もしくは参考例18又はその組合せと同様に処理し、以下の化合物を得た。
【0196】


【0197】
参考例34


【0198】
(1)化合物(28-b)500 mg(1.90 mmol)、t−ブチルカーバメート 333 mg(2.84 mmol)、炭酸セシウム 1235 mg(3.79 mmol)、酢酸パラジウム(II)21.3 mg(0.095 mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン 87.7 mg(0.152 mmol)及びジオキサン5 mlの混合物をアルゴン雰囲気下100℃で15時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出し、抽出物を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(5〜15%酢酸エチル−ヘキサン)で精製することにより、化合物(34-a)727 mg(定量的)を得た。MS (m/z) APCI: 345 (M+H)+
(2)上記(1)で得られた化合物 633 mg(1.84 mmol)のDMF溶液 4 mlを氷冷し、ヨウ化メチル 0.126 ml(2.02 mmol)及び60%水素化ナトリウム 110 mg(2.76 mmol)を順次加え、同温で10分間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、抽出物を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(NH−シリカゲル、0〜10%酢酸エチル−ヘキサン)で精製し、化合物(34-b)556 mg(収率84%)を得た。MS (m/z) APCI: 359 (M+H)+
(3)上記(2)で得られた化合物 556 mg(1.55 mmol)、10%塩酸 7 ml及びメタノール 6 mlの混合物を75℃で23時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、飽和重曹水を加え、混合物をクロロホルムで抽出し、抽出物を減圧下濃縮し、化合物(34-c)300 mg(定量的)を得た。MS (m/z) APCI: 181 (M+H)+
参考例35


【0199】
参考例34の化合物(34-a)を参考例34−(3)の方法で同様に処理し、標記化合物を得た。MS (m/z) APCI: 167 (M+H)+
参考例36
対応原料化合物を参考例11又は参考例12の別法で同様に反応させ、以下の化合物を得た。
【0200】


【0201】
参考例37


【0202】
2−アミノ−4−クロロメチルチアゾール塩酸塩 2.00 g(10.8 mmol)のジオキサン懸濁液 15 mlにN−メチルピペラジン 12 ml(108 mmol)を加え、室温で110時間撹拌した。反応混合物に飽和重曹水5 mlを加え、有機層をChem Elut 1010(登録商標、VARIAN社製)で分取し、さらにカラムをクロロホルムで溶出した。溶出液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH−シリカゲル;2%メタノール−クロロホルム)で精製し、上記化合物 1.18 g(収率52%)を得た。MS (m/z) APCI: 213 (M+H)+

参考例38


【0203】
対応原料化合物を参考例38と同様に処理し、上記化合物を得た。
MS (m/z) APCI: 227 (M+H)+
参考例39


【0204】
参考例1の化合物 10.00 g(60.7 mmol)、(S)−2−メチル−1−アセチルピペラジン塩酸塩 15.0 g(85.0 mmol)及びジイソプロピルエチルアミン 26.0 ml(149 mmol)のクロロホルム溶液 300 mlにトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム 18.0 g(85.0 mmol)を加え、室温で17時間撹拌した。反応混合物に飽和重曹水を加え、クロロホルムで抽出した。抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(6%メタノール−クロロホルム)で精製後、酢酸エチル−ジエチルエーテルで結晶化し、上記化合物 10.99 g(収率71%)を得た。MS (m/z) APCI: 255 (M+H)+
参考例40


【0205】
対応原料化合物を実施例39と同様に処理し、上記化合物を得た。
MS (m/z) APCI: 213 (M+H)+
参考例41


【0206】
参考例29の化合物 1.61 g(7.70 mmol)のDMF溶液 16 mlを氷冷し、カリウム t−ブトキシド 945 mg(8.42 mmol)を加え、室温で10分間撹拌した。反応混合物を再び氷冷し、ヨウ化メチル572 ml(9.19 mmol)を加え、室温で6時間撹拌した。反応混合物に水を加え、クロロホルムで抽出し、抽出物を水及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(NH−シリカゲル、10〜35%酢酸エチル−ヘキサン)で精製することにより、上記化合物 1.51 g(収率88%)を得た。
MS (m/z) APCI: 225 (M+H)+
参考例42


【0207】
2−アミノ−5−ブロモピラジン 5.00 g(28.74 mmol)、2−ピロリジノン 10.90 ml(143.7 mmol)、ヨウ化第一銅 1.10 g(5.75 mmol)、(1R,2R)−(−)−1,2−ジアミノシクロヘキサン 1.38 ml(11.50 mmol)、炭酸カリウム 7.94 g(57.5 mmol)及びジオキサン 86 mlの混合物をアルゴン気流下、120℃で17時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、酢酸エチル−メタノール(10:1)を加え、セライト濾過した。濾液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%メタノール−クロロホルム)で精製後、ジエチルエーテルで結晶化し、上記化合物 2.77 g(収率54%)を得た。
MS (m/z) APCI: 179 (M+H)+
参考例43


【0208】
1−t−ブトキシカルボニル−4−アセチルチオピペリジン 4.60 g(17.69 mmol)及び2−アミノ−5−ブロモチアゾール臭化水素酸塩を、参考例19と同様に反応させ、上記化合物を得た。MS (m/z) APCI: 316 (M+H)+
参考例44


【0209】
2−メトキシエタノール 55 mlに氷冷下、60%水素化ナトリウム 1.83 g(45.8 mmol)、2−アミノ−5−ブロモピラジン 7.00 g(40.23 mmol)及び銅粉末 2.91 g(53.9 mmol)を順次加え、封管中160℃で20時間撹拌した。室温に冷却後、水、アンモニア水及び酢酸エチルを加え撹拌後、セライト濾過し、濾液を酢酸エチルで抽出した。抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(40%酢酸エチル−ヘキサン)で精製し、標記化合物 2.74 g(収率40%)を得た。
MS (m/z) APCI: 170 (M+H)+
対応原料化合物を上記参考例44、参考例11−(2)もしくは参考例18又はその適当な組合せと同様に処理し、以下の化合物を得た。
[参考例44−1]

【0210】
MS (m/z) APCI: 270 (M+H)+
[参考例44−2]

【0211】
MS (m/z) APCI: 154 (M+H)+
参考例45


【0212】
(1)(S)−1−アセチル−2−メチルピペラジン塩酸塩 0.800 g(4.50 mmol)及びジイソプロピルエチルアミン 1.81 ml(10.4 mmol)のDMF溶液 10 mlを氷冷し、化合物(45-a)を加え、同温で3時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、抽出物を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製し、化合物(45-b)0.930 g(収率76%)を得た。MS (m/z) APCI: 350 (M+H)+
(2)上記(1)で得られた化合物を実施例138-(2)と同様に反応させ、化合物(45-c)を得た。MS (m/z) APCI: 250 (M+H)+
参考例46
対応原料化合物を2−アミノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾールで参考例5と同様に処理し、以下の化合物を得た。
[参考例46−1]

【0213】
MS (m/z) APCI: 325 (M+H)+
[参考例46−2]

【0214】
MS (m/z) APCI: 324 (M+H)+
参考例47


【0215】
(1)化合物(47-a)1.50 g(5.63 mmol)及びN,N−ジメチルエタノールアミン 535 mg(6.00 mmol)のTHF溶液 20 mlを氷冷し、トリフェニルホスフィン 1.57 g(6.00 mmol)及びジエチルアゾジカルボキシレート 1.04 g(6.00 mmol)を加え、同温で終夜撹拌した。反応混合物に酢酸エチル及び希塩酸を加え、水層を分液し、水酸化ナトリウム水溶液で塩基性とした。酢酸エチルで抽出後、抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(40〜60%アセトン−クロロホルム)で精製後、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、化合物(47-b)606 mg(収率32%)を無色粉末として得た。
(2)上記(1)で得られた化合物(47-b)337 mg(1.0 mmol)のメタノール溶液 5 mlに、室温で4M塩化水素−ジオキサン溶液 2.5 mlを加え、同温で終夜撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をジエチルエーテルで洗浄し、化合物(47-c)302 mg(収率97%)を無色粉末として得た。
MS (m/z) APCI: 238 (M+H)+
参考例48
対応原料化合物を参考例11の別法、参考例12の別法又は参考例53の方法で同様に反応させ、以下の化合物を得た。
【0216】


【0217】
参考例49


【0218】
(1)参考例25の化合物(25-b)1.0 g (3.23 mmol)及びTHF(10 ml)の混合物に2MジメチルアミンTHF溶液 16.2 ml (32.4 mmol)を加え、室温で40時間攪拌した。反応液を活性炭処理し、減圧下濃縮することにより上記化合物(49-a)827.5 g (収率94%)を粉末として得た。MS (m/z) APCI: 274 (M+H)+
(2)上記化合物(49-a)を参考例25−(3)と同様に処理し、化合物(49-b)を得た。MS (m/z) APCI: 196 (M+H)+
参考例50

【0219】
(1)参考例25の化合物(25-b)1.5 g (4.85 mmol)のジメチルアセトアミド(22 ml)溶液に室温でジメチルアミノエタノール 2.43 ml (24.25 mmol)及び炭酸ナトリウム 1.54 g (14.55 mmol)を加え、次いで60℃で2日間攪拌した。反応液を室温に冷却し、セライト濾過後、濾液を減圧下濃縮し、残渣にジエチルエーテル及び飽和食塩水を加えた。分液後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(NH−シリカゲル;10〜40%酢酸エチル−ヘキサン)で精製することにより、上記化合物(50-a)1.46 g (収率95%)を淡黄色粘体として得た。MS (m/z) APCI: 318 (M+H)+
(2)上記化合物(50-a)を参考例25−(3)と同様に処理し、化合物(50-b)を得た。MS (m/z) APCI: 240 (M+H)+
参考例51


【0220】
(1)既知の方法(KELLY T A, MCNEIL D W, Tetrahedron Lett., 35(48), 9003-9006(1994).)で合成した上記化合物(51-a)を参考例11の別法(2)と同様に処理し、上記化合物(51-b)を得た。MS (m/z) APCI: 210 (M+H)+
(2)上記化合物(51-b)を参考例53−(3)と同様に処理し、化合物(51-c)を得た。MS (m/z) APCI : 267 (M+H)+
参考例52


【0221】
(1)既述の化合物(51-a)8.54 g (35.7 mmol)のDMF(200 ml)溶液を氷冷し、60%水素化ナトリウム2.29 g (57.3 mmol)を少しずつ加えた後、同温度で20分間攪拌した。ヨウ化メチル 2.90 ml (46.6 mmol)を滴下し、同温度で15分間、室温で1時間攪拌した。反応液を再び氷冷し、水をゆっくり加えた後に酢酸エチルで抽出を数回行った後、抽出液を併せ、5%塩酸、水、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(17%酢酸エチル−ヘキサン)で精製することにより、上記化合物(52-a)8.88 g(収率88%)を黄色固体として得た。
MS (m/z) APCI : 254 (M+H)+
(2)参考例11の別法(3)と同様に処理し、上記化合物(51-b)を得た。
MS (m/z) APCI : 224 (M+H)+
(3)上記化合物(52-b)を参考例5の別法(3)と同様に処理し、化合物(52-c)を得た。MS (m/z) APCI : 281 (M+H)+
参考例53
参考例5に記載した化合物は下に示す別法でも合成した。
【0222】


【0223】
(1)上記の化合物(53-a)15.0 g (94.6 mmol)、N,N−ジメチルエタノールアミン 22.7 ml (227.1 mmol),炭酸カリウム 53.31 g (378.5 mmol)及びDMF(150 ml)の混合物を60℃で2時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却後セライト濾過した。濾液を減圧下濃縮して得られた残渣に、水を加え酢酸エチルエステルで2回抽出を行い、抽出液を合わせ飽和食塩水で洗浄した。乾燥(硫酸ナトリウム)、活性炭処理後、減圧下濃縮し、粗ニトロ化合物(53-b)36.10 gを得た。
(2)上記粗ニトロ化合物36.10 gのメタノール溶液(300 ml)に10%パラジウム炭素(5.0 g)を加え、水素雰囲気下5時間激しく攪拌した。反応液を濾過し、濾液を減圧下濃縮することにより、粗アミン体(53-c)31.96 gを得た。
(3)上記粗アミン体31.96 gの酢酸溶液(300 ml)にチオシアン酸カリウム 110.3 g (1135 mmol)を加え、氷浴で冷却しながら臭素 10.2 ml (198.7 mmol)を滴下し、次いで室温で2.5日間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、トルエン共沸後、残渣に水、飽和重曹水を加え、更に塩化ナトリウムを加えた。セライト濾過後、濾液に28%アンモニア水を加え水層をアルカリ性にした後に、クロロホルムで抽出を4回行った。抽出液を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒留去した。残渣をメタノールに溶解、活性炭処後、減圧下濃縮し、残渣を酢酸エチルエステルで洗浄することにより、題記化合物22.39 g(3工程で収率49%)を淡赤色粉体として得た。MS (m/z) APCI: 239[M+H]+
【産業上の利用可能性】
【0224】
本発明により、糖尿病、糖尿病合併症又は肥満などのグルコキナーゼに関与する疾患の予防及び/又は治療のための医薬の有効成分として有用な優れたグルコキナーゼ活性化作用を有する新規化合物が提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式[I]:



[式中、環Aはアリール又はヘテロアリールを表す。
Qはシクロアルキル、ヘテロ環基、アルキル又はアルケニルを表す。
環Tはヘテロアリール又はヘテロ環基を表す。
は水素原子、ハロゲン原子、シクロアルキルスルホニル、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アルキルチオ、置換若しくは非置換テトラゾリル、−COR10又は−CR12(OH)R10を表す。
は−COR11又は−CR13(OH)R11を表す。
10はアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロ環基を表す。
11は置換若しくは非置換アルキル、置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換ヘテロアリール又はヘテロ環基を表す。
12は水素原子又はアルキルを表す。
13は水素原子又はアルキルを表す。
及びRは独立して、水素原子、アルコキシ、置換若しくは非置換ヘテロ環基、置換若しくは非置換ヘテロアリール、アルコキシアルコキシ、置換若しくは非置換シクロアルキル、シアノ、置換若しくは非置換アリール、置換若しくは非置換カルバモイル、ヒドロキシ、アルカノイル、アルキルチオ、アルコキシカルボニル、置換若しくは非置換アリールオキシ、ハロゲン原子、オキソ又は置換若しくは非置換アリールカルボニルオキシを表す。
は水素原子、ホルミル、ハロゲン原子、オキソ、置換若しくは非置換アルコキシ、置換若しくは非置換アミノスルホニル、置換若しくは非置換アルキルチオ、シアノ、置換若しくは非置換ヘテロ環スルホニル、ニトロ、置換若しくは非置換シクロアルキル、アルコキシカルボニル、アルケニル、アルキルスルホニル、置換若しくは非置換カルバモイル、置換若しくは非置換ヘテロアリールチオ、置換若しくは非置換アミノ、カルボキシ、置換若しくは非置換ヘテロアリール、置換若しくは非置換アルキニル、置換若しくは非置換ヘテロ環カルボニル、置換若しくは非置換ヘテロ環オキシ、置換若しくは非置換ヘテロ環基、置換若しくは非置換ヘテロ環チオ、置換若しくは非置換シクロアルキルオキシ、アルカノイル又は置換若しくは非置換アルキルを表す。
は水素原子、置換若しくは非置換アルキル、ハロゲン原子又はカルボキシを表す。]
で示されるオキシム誘導体又はその薬理的に許容し得る塩からなる医薬。
【請求項2】
環Tが



で示される、ヘテロアリール又はヘテロ環基である請求項1記載の医薬。
【請求項3】
環Tがチアゾリル、チアゾロピリジニル、ピリジル、ピラジニル、ベンゾチアゾリル、キノリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、チアゾロピラジニル、チアゾロピリミジニル、シクロヘキサノチアゾリル又はジヒドロピラゾピリジニルである請求項1又は2記載の医薬。
【請求項4】
環Tがチアゾリル、チアゾロピリジニル、ピリジル、ピラジニル、ベンゾチアゾリル、チアジアゾリル、チアゾロピラジニル、チアゾロピリミジニル、シクロヘキサノチアゾリル又はジヒドロピラゾロピリジニルである請求項1又は2記載の医薬。
【請求項5】
環Tがチアゾリル、チアゾロピリジニル、ピラジニル、チアジアゾリル、チアゾロピラジニル又はチアゾロピリミジニルである請求項1又は2記載の医薬。
【請求項6】
環Tがチアゾリル又はチアゾロピリジニルである請求項1又は2記載の医薬。
【請求項7】
環Aがアリールである請求項1〜6のいずれか記載の医薬。
【請求項8】
環Aがフェニル又はピリジルである請求項1〜6のいずれか記載の医薬。
【請求項9】
が水素原子又はハロゲン原子である請求項1〜8のいずれか記載の医薬。
【請求項10】
が水素原子である請求項1〜8のいずれか記載の医薬。
【請求項11】
が−COR11である請求項1〜10のいずれか記載の医薬。
【請求項12】
10がアルキル又はシクロアルキルである請求項1〜11のいずれか記載の医薬。
【請求項13】
11が置換若しくは非置換アルキル又は置換若しくは非置換シクロアルキルである請求項1〜12のいずれか記載の医薬。
【請求項14】
11における「置換アルキル」の置換基がアルコキシである請求項1〜13のいずれか記載の医薬。
【請求項15】
11がメチル、3−メトキシプロピル又はシクロプロピルである請求項1〜12のいずれか記載の医薬。
【請求項16】
12及びR13が水素原子である請求項1〜15のいずれか記載の医薬。
【請求項17】
が水素原子、ホルミル、ハロゲン原子、オキソ、置換若しくは非置換アルコキシ、置換若しくは非置換アミノスルホニル、置換若しくは非置換アルキルチオ、シアノ、置換若しくは非置換ヘテロ環スルホニル、ニトロ、置換若しくは非置換シクロアルキル、アルコキシカルボニル、アルケニル、置換若しくは非置換カルバモイル、置換若しくは非置換ヘテロアリールチオ、置換若しくは非置換アミノ、置換若しくは非置換ヘテロアリール、置換若しくは非置換アルキニル、置換若しくは非置換ヘテロ環オキシ、アルカノイル又は置換若しくは非置換アルキルである請求項1〜16のいずれか記載の医薬。
【請求項18】
が水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換アルコキシ、置換若しくは非置換アルキルチオ、シアノ、置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換カルバモイル、置換若しくは非置換アミノ、置換若しくは非置換ヘテロ環オキシ、アルカノイル又は置換若しくは非置換アルキルである請求項1〜16のいずれか記載の医薬。
【請求項19】
がハロゲン原子、置換若しくは非置換アルコキシ、置換若しくは非置換アルキルチオ、置換若しくは非置換アミノ、置換若しくは非置換ヘテロ環オキシ又は置換若しくは非置換アルキルである請求項1〜16のいずれか記載の医薬。
【請求項20】
が置換若しくは非置換アルコキシ、置換若しくは非置換アミノ、置換若しくは非置換ヘテロ環オキシ又は置換若しくは非置換アルキルである請求項1〜16のいずれか記載の医薬。
【請求項21】
が置換又は非置換アルキルである請求項1〜16のいずれか記載の医薬。
【請求項22】
における「置換アルキル」の置換基が、置換若しくは非置換ヘテロ環基、置換若しくは非置換アミノ、置換若しくは非置換アルコキシ、置換若しくは非置換カルバモイル、ヒドロキシ、トリアルキルシリルオキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、置換若しくは非置換ヘテロ環オキシ、ヘテロアリール、置換若しくは非置換ヒドロキシイミノ、ハロゲン原子、カルボキシ、アルコキシカルボニル又はアルカノイルオキシである請求項1〜21のいずれか記載の医薬。
【請求項23】
が置換又は非置換アルコキシである請求項1〜16のいずれか記載の医薬。
【請求項24】
における「置換アルコキシ」の置換基が、アルキル、アルコキシカルボニルから選択される1若しくは2の基で置換されていても良いアミノ、アルコキシカルボニル、適宜モノ若しくはジアルキルで置換されていてもよいカルバモイル、カルボキシル、ヒドロキシ、オキソで置換されていても良いヘテロ環基、トリアルキルシリルオキシ又はアルコキシである請求項1〜16及び23のいずれか記載の医薬。
【請求項25】
が水素原子又は置換若しくは非置換アルキルである請求項1〜24のいずれか記載の医薬。
【請求項26】
が水素原子である請求項1〜24のいずれか記載の医薬。
【請求項27】
グルコキナーゼ活性化薬である請求項1〜26のいずれか記載の医薬。
【請求項28】
糖尿病の治療剤及び/又は予防剤である請求項1〜26のいずれか記載の医薬。
【請求項29】
網膜症、腎症、神経症、虚血性心疾患、動脈硬化等の糖尿病の慢性合併症の治療及び/又は予防剤である請求項1〜26のいずれか記載の医薬。
【請求項30】
肥満の治療及び/又は予防剤である請求項1〜26のいずれか記載の医薬。

【公開番号】特開2010−18526(P2010−18526A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−178522(P2008−178522)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(000002956)田辺三菱製薬株式会社 (225)
【Fターム(参考)】