説明

医薬組成物

鎮痛薬に関連する有害作用を低減するまたは排除することを含む、対象を治療するための鎮痛薬の有効量を含有する医薬組成物が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、参照によりここに組み込まれる、2006年10月9日出願の米国特許仮出願第60/850,451号、2007年4月3日出願の同第60/952,563号、および2007年7月6日出願の同第60/948,375号の優先権を主張する。
【0002】
背景技術
使用可能な疼痛薬は、有害な作用、例えば吐気、嘔吐および皮膚発疹を有することがある。そのような薬剤は疼痛緩和を提供する上で有効であり得るが、多くの対象は、有害作用の故に有効な疼痛緩和のために必要とされる推奨用量を耐容することができない。従って、鎮痛性組成物の技術分野において低い有害作用を有する有効な鎮痛薬が現在も求められている。
【0003】
発明の概要
一般に本発明は、複数の活性物質を含有する薬物製剤で対象を治療するために設計された方法および組成物を含む。
【0004】
本発明の1つの態様では、組成物は、オピオイド鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬、オピオイド鎮痛薬の有害作用を低減するまたは排除する薬剤および医薬的に許容される担体または賦形剤を含有する。
【0005】
本発明はまた、オピオイド鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬およびオピオイド鎮痛薬の有害作用を低減するまたは排除する薬剤の有効量をその必要のある対象に投与することを含む、疼痛を治療するための方法に関する。例えば有害作用を低減する薬剤は、鎮吐薬または抗ヒスタミン薬である。
【0006】
本発明はさらに、1重量%〜20重量%の抗ヒスタミン薬、10重量%〜80重量%の非オピオイド鎮痛薬、および1重量%〜20重量%のオピオイド鎮痛薬を含有する医薬組成物に関する。さらなる態様では、医薬組成物は、オピオイド鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬および抗ヒスタミン薬を含有し、前記オピオイド鎮痛薬、前記非オピオイド鎮痛薬および前記抗ヒスタミン薬の相対比率は、それぞれ1〜2:40〜45:1〜2である。
【0007】
本発明はまた、オピオイド鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬および抗ヒスタミン薬を含有し、前記オピオイド鎮痛薬および前記非オピオイド鎮痛薬よりも実質的に高い割合の前記抗ヒスタミン薬の血漿濃度を提供するように設計された医薬組成物に関する。
【0008】
本発明のもう1つの態様では、オピオイド鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬および抗ヒスタミン薬を含有する医薬組成物の有効量を投与することから利益を得ることができる何らかの状態を緩和するために対象を治療する方法。1つの実施形態では、状態は、オピオイド鎮痛薬の投与に関連する有害作用である。
【0009】
本発明はさらに、疼痛を患っているまたは疼痛に過敏である対象を治療するための方法に関し、非オピオイド鎮痛薬またはその医薬的に許容される塩である第1の成分の有効量、非オピオイド鎮痛薬またはその医薬的に許容される塩である第2の成分、および抗ヒスタミン薬である第3の成分の有効量を含有する医薬組成物を前記対象に投与することを含む。
【0010】
参照による組み込み
本明細書において言及されるすべての出版物および特許出願は、各々個々の出版物または特許出願が、参照によって組み込まれることが特定して個別に指示されているのと同じように参照によりここに組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、重酒石酸ヒドロコドンの化学構造を示す。重酒石酸ヒドロコドンはオピオイド鎮痛薬および鎮咳薬であり、微細な白色結晶としてまたは結晶性粉末として生じる。化学名は、4,5α−エポキシ−3−メトキシ−17−メチルモルフィナン−6−オン酒石酸塩(1:1)水和物(2:5)である。化学式は、C1821NO・C・212 HO、分子量=494.50である。
【図2】図2は、アセトアミノフェン、4’−ヒドロキシアセトアニリドの化学構造を示す。わずかに苦みがあり、白色で無臭の結晶性粉末であり、非オピオイド、非サリチル酸鎮痛薬および解熱薬である。化学式は、CNO、分子量=151.16である。
【図3】図3は、オキシコドンの化学構造を示す。
【図4】図4は、プロメタジンの化学構造を示す。
【0012】
発明の詳細な説明
本発明は、一般にオピオイドおよび/または非オピオイド鎮痛薬に関連する有害作用を緩和する、軽減するまたは排除する治療薬として有用な複数の活性物質から成る組成物を対象とする。本発明の様々な実施形態において、組成物は、2つの活性物質の有効量、3つの活性物質の有効量、4つの活性物質の有効量、5つの活性物質または6以上の活性物質の有効量を含有する。活性物質は、オピオイド鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬、うっ血除去薬、去痰薬、粘液を薄める薬剤(mucus thinning drugs)、鎮咳薬、抗ヒスタミン薬またはそれらの組合せを含むがこれらに限定されない、様々なクラスの薬剤から選択される。
【0013】
本発明の様々な態様は、鎮痛薬(例えば1つの鎮痛薬若しくは2、3またはそれ以上の鎮痛薬)および有害作用を低減する活性物質(たとえば抗ヒスタミン薬または鎮吐薬)を含有する組成物を対象とする。そのような鎮痛薬は、1またはそれ以上のオピオイド鎮痛薬若しくは1またはそれ以上の非オピオイド鎮痛薬を含み得る。様々なさらなる実施形態では、組成物は、抗ヒスタミン薬または鎮吐薬を含有する。
【0014】
1つの態様では、オピオイド鎮痛薬の有効量、非オピオイド鎮痛薬の有効量、および前記鎮痛薬の有害作用を低減するまたは排除する薬剤の有効量を含有する医薬組成物が提供される。1つの実施形態では、有害作用を低減するまたは排除する薬剤は、鎮咳薬または抗ヒスタミン薬である。さらなる実施形態では、低減されるまたは排除される有害作用はオピオイド鎮痛薬に関連する。1つの実施形態では、有害作用は非オピオイド鎮痛薬に関連する。
【0015】
いくつかの実施形態では、オピオイド鎮痛薬の有害作用を低減するまたは排除する薬剤は、プロメタジン、ドラセトロン、グラニセトロン、オンダンセトロン、トロピセトロン、パロノセトロン、ドンペリドン、ドロペリドール、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロクロペラジン、メトクロプラミド、アリザプリド、シクリジン、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、メクリジン、ヒドロキシジン、カンナビス、ドロナビノール、ナビロン、ミダゾラム、ロラゼパム、ヒヨスチン、デキサメタゾン、トリメトベンザミド、エメトロールおよびプロポフォルである。
【0016】
1つの実施形態では、本発明の組成物は、アセトアミノフェンまたはイブプロフェンである非オピオイド鎮痛薬を含有する。
【0017】
1つの実施形態では、オピオイド鎮痛薬は、ヒドロコドンもしくはオキシコドン、またはその医薬的に許容される塩、チオセミカルバゾン、p−ニトロフェニルヒドラゾン、o−メチルオキシム、セミカルバゾンもしくはビス(メチルカルバメート)である(前記の各々はオピオイド鎮痛薬または誘導体である)。さらなる実施形態では、オピオイド鎮痛薬は重酒石酸ヒドロコドンまたは塩酸オキシコドンである。
【0018】
本発明の1つの態様では、医薬組成物は多層錠剤の形態、例えば二層錠剤の形態である。1つの実施形態では、二層錠剤は、(a)オピオイド鎮痛薬の有害作用を低減するまたは排除する薬剤を含有する内部即時放出層、および(b)オピオイド鎮痛薬の有害作用を低減するまたは排除する薬剤、オピオイド鎮痛薬および非オピオイド鎮痛薬を含有する外側制御放出層を含む。
【0019】
1つの実施形態では、オピオイド鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬および抗ヒスタミン薬を含有し、投与後に前記オピオイドおよび前記非オピオイド鎮痛薬の血漿濃度が達成されるよりも実質的に早く前記抗ヒスタミン薬の血漿濃度を提供することができる医薬組成物が提供される。例えば3つの活性物質−オピオイド鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬および抗ヒスタミン薬または鎮吐薬を含有する医薬組成物は、後者の抗ヒスタミン薬または鎮吐薬の血漿濃度を約1分間から約20分間で提供し、これは、約30分間から約12時間で達成され得る、鎮痛薬の血漿濃度を提供するよりも実質的に速い。
【0020】
様々な実施形態において、1重量%〜20重量%の抗ヒスタミン薬、10重量%〜80重量%の非オピオイド鎮痛薬、および1重量%〜20重量%のオピオイド鎮痛薬を含有する医薬組成物が提供される。
【0021】
1つの実施形態では、組成物は、対象への投与後約1分間から約20分間で前記抗ヒスタミン薬の血漿濃度を上昇させることができる。
【0022】
一部の実施形態では、抗ヒスタミン薬は、プロメタジン、ドラセトロン、グラニセトロン、オンダンセトロン、トロピセトロン、パロノセトロン、ドンペリドン、ドロペリドール、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロクロペラジン、メトクロプラミド、アリザプリド、シクリジン、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、メクリジン、ヒドロキシジン、カンナビス、ドロナビノール、ナビロン、ミダゾラム、ロラゼパム、ヒヨスチン、デキサメタゾン、トリメトベンザミド、エメトロールおよびプロポフォルから成る群より選択される。
【0023】
本発明の1つの態様では、オピオイド鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬および前記鎮痛薬の有害作用を低減するまたは排除する薬剤を含有する医薬組成物の有効量をその必要のある対象に投与することを含む、対象を治療するための方法が提供される。
【0024】
1つの実施形態では、疼痛を患っているまたは疼痛に過敏である対象を治療するための方法であって、非オピオイド鎮痛薬またはその医薬的に許容される塩である第1の薬剤の有効量、非オピオイド鎮痛薬またはその医薬的に許容される塩である第2の薬剤の有効量、および前記鎮痛薬に関連する有害作用を低減する第3の薬剤の有効量を含有する組成物を前記対象に投与することを含む方法が提供される。
【0025】
一部の実施形態では、有害作用を低減するまたは排除するための薬剤は、プロメタジン、ドラセトロン、グラニセトロン、オンダンセトロン、トロピセトロン、パロノセトロン、ドンペリドン、ドロペリドール、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロクロペラジン、メトクロプラミド、アリザプリド、シクリジン、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、メクリジン、ヒドロキシジン、カンナビス、ドロナビノール、ナビロン、ミダゾラム、ロラゼパム、ヒヨスチン、デキサメタゾン、トリメトベンザミド、エメトロールまたはプロポフォルである。
【0026】
医薬組成物は、ここで開示される何らかの形態、例えば多層錠剤(例えば二層錠剤)であり得る。1つの実施形態では、多層錠剤は、(a)オピオイド鎮痛薬の有害作用を低減するまたは排除する薬剤を含有する外側即時放出層、および(b)オピオイド鎮痛薬と非オピオイド鎮痛薬を含有する内部制御放出層を含む二層錠剤である。
【0027】
有害作用。1つの実施形態では、有害作用を低減するまたは排除する薬剤(例えばプロメタジン)は、ここでさらに説明するように、本発明の医薬組成物中に含まれるオピオイドまたは非オピオイド鎮痛薬よりも実質的に速い速度で放出される。例えばオピオイド鎮痛薬の有害作用を低減するまたは排除する薬剤の血漿濃度は、約30分間から約8時間で提供される鎮痛薬血漿濃度と比較して、約1分間から約20分間で達成される。様々な実施形態において、本発明の医薬組成物は、少なくとも約1分間から少なくとも約20分間で放出される、有害作用を低減するまたは排除する薬剤を含有する。1つの実施形態では、そのような薬剤は抗ヒスタミン薬または鎮吐薬である。様々な実施形態において、そのような薬剤は、プロメタジン、ドラセトロン、グラニセトロン、オンダンセトロン、トロピセトロン、パロノセトロン、ドンペリドン、ドロペリドール、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロクロペラジン、メトクロプラミド、アリザプリド、シクリジン、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、メクリジン、ヒドロキシジン、カンナビス、ドロナビノール、ナビロン、ミダゾラム、ロラゼパム、ヒヨスチン、デキサメタゾン、トリメトベンザミド、エメトロールまたはプロポフォルである。
【0028】
1つの実施形態では、医薬組成物は、オピオイド鎮痛薬の、非オピオイド鎮痛薬、およびオピオイドおよび/または非オピオイド鎮痛薬に関連する有害作用を予防するおよび/または抑制するために有用な薬剤を含有する。オピオイドおよび/または非オピオイド鎮痛薬の有害作用は、吐気、嘔吐、他の胃の不調、皮膚発疹、アレルギー反応、例えば腫脹、呼吸困難、咽喉の閉鎖、腹痛、異常出血または挫傷、および皮膚発疹を含むが、これらに限定されない。1つの実施形態では、吐気、嘔吐、便秘またはそれらの組合せを含むがこれらに限定されない、低減されるまたは排除される有害作用は、オピオイド鎮痛薬に関連する。
【0029】
さらなる実施形態では、オピオイド鎮痛薬は、例えばヒドロコドン、オキシコドンまたはフェンタニルであり、非オピオイド鎮痛薬は、例えばアセトアミノフェン、イブプロフェン、ケタプロフェン、ナプロキセンまたはアスピリンであり、および有害作用を予防するおよび/または抑制するために有用な薬剤は、例えば抗ヒスタミン薬、例えばプロメタジンである。
【0030】
もう1つの実施形態では、組成物は、鎮痛薬、鎮咳薬、および鎮痛薬および/または鎮咳薬の有害作用を予防するおよび/または抑制するために有用な薬剤を含有する。言うまでもなく、一部の状況下では鎮咳薬は同時に鎮痛薬でもある。
【0031】
そこで一部の実施形態では、組成物はアセトアミノフェン、ヒドロコドンまたはオキシコドンを含有し、鎮咳薬は、例えばジカセトロン(dikasetron)、ドンペリドン、メクリジン、ドロナビノール、ベンゾジアゼピン、抗コリン作用薬、ヒドロコドンまたはオキシコドンであり、有害作用を予防するおよび/または抑制するために有用な薬剤は、例えば抗ヒスタミン薬、例えばプロメタジンである。
【0032】
本発明のもう1つの実施形態は、オピオイド鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬および鎮吐薬を含有する医薬組成物を対象とする。
【0033】
本発明のさらなる実施形態では、オピオイド鎮痛薬は、例えばヒドロコドン、オキシコドンであり、非オピオイド鎮痛薬は、例えばアセトアミノフェン、イブプロフェン、ケタプロフェン、ナプロキセンまたはアスピリンであり、鎮吐薬は、例えば5−HT受容体アンタゴニスト、ドパミンアンタゴニスト、抗ヒスタミン薬、カンナビノイド、ベンゾジアゼピン、抗コリン作用薬であり、鎮吐薬の総量の全部または全部未満は即時放出用に製剤される。
【0034】
本発明のもう1つの実施形態は、オピオイド鎮痛薬の、非オピオイド鎮痛薬、およびオピオイド鎮痛薬の有害作用を予防するおよび/または抑制する、低減するもしくは排除するために有用な薬剤の有効量をその必要のある対象に投与することを含む、疼痛の治療のための方法を対象とする。その方法は、有害作用、例えば吐気、嘔吐、他の胃の不調、皮膚発疹、アレルギー反応、例えば腫脹、呼吸困難、咽喉の閉鎖、腹痛、異常出血または挫傷、および皮膚発疹の危険性が高い集団において鎮痛薬の使用を可能にする。オピオイド鎮痛薬は、例えばヒドロコドン、重酒石酸ヒドロコドン、ヒドロコドンの医薬的に許容される塩および複合体、オキシコドン、塩酸オキシコドン、オキシコドンの医薬的に許容される塩および複合体である。非オピオイド鎮痛薬は、例えばアセトアミノフェン、イブプロフェン、ケタプロフェン、ナプロキセンまたはアスピリンを含む。前記薬剤は、例えばプロメタジン、プロメタジン類似体、プロメタジンの医薬的に許容される塩および複合体、またはこれらの化合物の組合せであり、有害作用を低減するまたは排除するために有用である。
【0035】
本発明の1つの態様では、医薬組成物はオピオイド鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬および抗ヒスタミン薬を含有し、前記組成物は、前記オピオイド鎮痛薬および前記非オピオイド鎮痛薬よりも実質的に速い速度で前記抗ヒスタミン薬の血漿濃度を提供する。1つの実施形態では、抗ヒスタミン薬は即時放出用に製剤される。もう1つの実施形態では、オピオイド鎮痛薬および/または非オピオイド鎮痛薬は制御放出用に製剤される。1つの実施形態では、組成物は、対象への投与直後に前抗ヒスタミン薬の血漿濃度を上昇させることができる。この実施形態では、前記抗ヒスタミン薬の血漿濃度の上昇は投与後約1分間から約20分間で起こる。
【0036】
本発明のもう1つの態様は、オピオイド鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬および抗ヒスタミン薬を含有する医薬組成物の有効量を投与することを含む、疼痛を緩和するために対象を治療する方法を含む。1つの実施形態では、抗ヒスタミン薬は即時放出用に製剤される。
【0037】
様々な実施形態において、本発明の投与形態は、投与後約1分間から約20分間、例えば約1分間、2分間、3分間、4分間、5分間、6分間、7分間、8分間、9分間、10分間、11分間、12分間、13分間、14分間、15分間、16分間、17分間、18分間、19分間、20分間、21分間、22分間、23分間、24分間、25分間で起こる、前抗ヒスタミン薬の血漿濃度上昇を提供する。一部の実施形態では、放出速度は、鎮痛薬についての放出速度と比較して実質的により速く生じる。それ故、対象への投与後、抗ヒスタミン薬(例えばプロメタジン、ドラセトロン、グラニセトロン、オンダンセトロン、トロピセトロン、パロノセトロン、ドンペリドン、ドロペリドール、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロクロペラジン、メトクロプラミド、アリザプリド、シクリジン、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、メクリジン、ヒドロキシジン、カンナビス、ドロナビノール、ナビロン、ミダゾラム、ロラゼパム、ヒヨスチン、デキサメタゾン、トリメトベンザミド、エメトロールおよびプロポフォル)が放出され、オピオイド鎮痛薬および/または非オピオイド鎮痛薬の放出の前に抗ヒスタミン薬の血漿濃度が提供される。
【0038】
一部の実施形態では、本発明の投与形態は、投与後約1時間から約4時間、例えば約1時間、1.2時間、1.4時間、1.6時間、1.8時間、2.0時間、2.2時間、2.4時間、2.6時間、2.8時間、3.0時間、3.2時間、3.4時間、3.6時間、3.8時間、4.0時間、5.0時間、6.0時間、7.0時間、8.0時間、9.0時間、10.0時間、11.0時間、12.0時間、13.0時間、14.0時間、15.0時間、16.0時間、17.0時間、18.0時間、19.0時間、20.0時間、21.0時間、22.0時間、23.0時間または24.0時間で生じる前記オピオイド鎮痛薬および/または前記非オピオイド鎮痛薬の血漿濃度を提供する。さらなる実施形態では、オピオイドまたは非オピオイド鎮痛薬は、約1時間から24時間、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30日間を含むがこれらに限定されない、1日間から30日間存在する。例えば投与組成物の投与は、公知のパッチ送達システムを通して実施され得る。
【0039】
本発明のもう1つの態様は、オピオイド鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬および抗ヒスタミン薬を含有する医薬組成物の治療有効量を投与することを含む、状態を緩和するために対象を治療する方法を含む。1つの実施形態では、抗ヒスタミン薬は即時放出用に製剤される。
【0040】
もう1つの実施形態では、前記抗ヒスタミン薬の血漿濃度は投与後約1分間から約20分間で生じる。付加的な実施形態では、オピオイド鎮痛薬および/または非オピオイド鎮痛薬の血漿濃度は投与後約1時間から約8時間で達成される。
【0041】
1つの実施形態では、オピオイド鎮痛薬およびアセトアミノフェンを抗ヒスタミン薬、抗精神病薬、抗不安薬または他の中枢神経系抑制薬と併用して摂取している対象は、何らかの相加作用、例えば中枢神経系抑制作用を予防するまたは改善するために1またはそれ以上の薬剤の低用量を与えられる。もう1つの実施形態では、薬剤の1またはそれ以上の用量は、疼痛の重症度および対象の応答に応じて調整される。
【0042】
末期疾患または慢性状態を有する対象においては、疼痛管理は対象の生活の質にとって一番の関心事であり得る。これらの対象の一部では、継続使用によってオピオイド鎮痛薬に対する耐性が発現し得る。1つの実施形態では、オピオイド鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬および抗ヒスタミン薬を含有する医薬組成物において成分の量または放出時間特性に対する調整が行われる。この実施形態では、調整は、オピオイド鎮痛薬に対して耐性を有する対象に疼痛軽減を提供するように設計される。1つの実施形態では、オピオイド鎮痛薬の量が、対象に投与される組成物中で増加され得る。もう1つの実施形態では、オピオイド鎮痛薬の放出時間特性が、即時放出オピオイド鎮痛薬対制御放出オピオイド鎮痛薬の比率を変化させるように調整され得る。
【0043】
本発明の1つの実施形態では、医薬組成物は、約1.0mg〜約15mgの用量範囲内のヒドロコドンまたは約1.0mg〜約200mgの用量範囲内のオキシコドン、約200mg〜約600mgの用量範囲内のアセトアミノフェン、および約0.5mg〜約60.0mgの用量範囲内のプロメタジンを含有する。
【0044】
本発明のもう1つの実施形態では、医薬組成物は、ヒドロコドン約7.5mg、アセトアミノフェン約325mgおよびプロメタジン約12.5mgを含有する。
【0045】
本発明のもう1つの実施形態では、医薬組成物は、オキシコドン約7.5mg、アセトアミノフェン約325mgおよびプロメタジン約12.5mgを含有する。
【0046】
本発明のもう1つの実施形態では、医薬組成物は、重症疼痛に対抗するために安全に倍加(doubled)され得る用量レベルを有する単一経口丸剤または錠剤形態中にヒドロコドンまたは塩酸オキシコドンの有効量、アセトアミノフェンの有効量、およびプロメタジンの有効量を含有する。
【0047】
本発明のさらなる実施形態では、プロメタジンの総量の全部または全部未満は、対象の血流中への即時放出用に製剤される。
【0048】
本発明のさらなる実施形態では、ヒドロコドンまたはオキシコドンの総量の全部または全部未満は、対象の体内への制御放出用に製剤される。
【0049】
本発明のさらなる実施形態では、薬剤は、対象を治療するために経口投与形態、吸入剤、鼻スプレー、パッチ、吸収ゲル、液体、液体タンニン酸塩(liquid tannates)、坐薬、注射剤、点滴静注剤、他の送達方法またはそれらの組合せとして製剤される。
【0050】
本発明のもう1つの実施形態では、薬剤は、単一経口投与形態、例えば錠剤、カプセル、カシェ剤、軟ゼラチンカプセル、硬ゼラチンカプセル、持続放出性カプセル、タンニン酸錠剤、経口崩壊錠剤、多層錠剤、ビーズ、液体、経口懸濁液、チュアブルトローチ、経口溶液、経口シロップ、医薬的に許容される賦形剤を含む無菌包装粉末、他の経口投与形態、またはそれらの組合せとして製剤される。
【0051】
本発明のもう1つの実施形態では、医薬組成物は、即時放出性、迅速放出性、制御放出性、持続放出性、長期放出性、他の放出性製剤またはパターン、またはそれらの組合せの薬剤を含有する。
【0052】
1つの態様では、本発明の組成物は、各々が、うっ血除去薬、鎮咳薬、去痰薬、粘液を薄める薬剤、鎮痛薬および抗ヒスタミン薬から選択される3つの活性物質を含有する。例えば1つの実施形態では、1つの薬剤は鎮咳薬、例えばコデイン、ジヒドロコデイン、ヒドロコドン、デキストロメトルファンおよびその医薬的に許容される塩であり、もう1つの薬剤はうっ血除去薬、例えばフェニレフリン、プソイドエフェドリンおよびその医薬的に許容される塩であり、およびもう1つの薬剤は去痰薬である。活性物質が2以上の分類に該当し得ることは認識される(例えばヒドロコドンは鎮咳薬であり、オピオイド鎮痛薬である)。
【0053】
もう1つの実施形態では、本発明の組成物は、オピオイド鎮痛薬(例えばヒドロコドンまたはオキシコドン)、非オピオイド鎮痛薬(例えばアセトアミノフェンまたはイブプロフェン)、および抗ヒスタミン薬(例えばプロメタジン)の有効量を含有する。さらなる実施形態では、組成物は、ヒドロコドン、アセトアミノフェンおよびプロメタジンの有効量を含有する。尚さらなる実施形態では、組成物は、オキシコドン、アセトアミノフェンおよびプロメタジンの有効量を含有する。
【0054】
ここで開示する実施形態のいずれにおいても、本発明の組成物は、ここでさらに説明する1またはそれ以上の異なる投与形態を用いて投与することができる。
【0055】
本発明の他の態様では、本発明の組成物は様々な投与形態で投与される。例えば複数の活性物質を含有する組成物は、固体、ゲル、パッチまたは液体形態で投与され得る。そのような投与形態をここでさらに説明する。そのような投与形態の例は公知であり、例えば、各々その全体が参照によりここに組み込まれる、米国特許第3048526号、同第3108046号、同第4786505号、同第4919939号、同第4950484号に開示される錠剤形態;米国特許第4904479号、同第6482435号、同第6572871号、同第5013726号に開示されるゲル形態;米国特許第5741510号、同第4624665号、同第4626539号、同第4834978号、同第6469227号、同第5919479号、同第6261595号、同第6303142号、同第6341387号、同第6465006号、同第6613350号、同第6780426号、同第7094228号、同第6756053号に開示されるような医薬組成物の送達のためのパッチ;米国特許第4800083号、同第4532126号、同第4935243号、同第6258380号に開示されるカプセル形態;米国特許第4625494号、同第4478822号、同第5610184号に開示される液体形態;または米国特許第4871353号、同第4925444号、同第5484406号に開示される静脈内形態である。
【0056】
本発明の他の態様では、本発明の組成物は、様々な用量で投与されるおよび/または様々な放出速度(例えば制御放出または即時放出)を有する。
【0057】
即時放出とは、実質的に投与後即時の活性物質の放出を指す。1つの実施形態では、即時放出は、胃に入った後1〜20分以内に薬剤の溶解を生じさせる。溶解は活性物質の全部または全部未満であり得る。薬剤(抗ヒスタミン薬または鎮吐薬)の100%の溶解は所定の時間内で起こる。あるいは、薬剤の全部未満の溶解は約1分間から約20分間で起こり得る(例えば薬剤の約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約99.5%または99.9%の溶解)。
【0058】
もう1つの実施形態では、即時放出は、投与後1〜20分間以内に薬剤の溶解が存在するときに起こる。もう1つの実施形態では、即時放出は、投与後約1時間以内に実質的に完全な溶解を生じさせる。
【0059】
様々な実施形態において、即時放出は、投与後1〜20分間以内に薬剤の溶解が存在するときに起こる。溶解は、対象の胃内および/または腸内であり得る。もう1つの実施形態では、即時放出は、対象への投与後約1時間以内に完全なまたは完全未満の溶解を生じさせる。もう1つの実施形態では、即時放出は、直腸投与後約1時間以内に完全なまたは完全未満の溶解を生じさせる。即時放出成分はまた、瞬時放出(instant release)とも称され得る。ここで開示する溶解プロフィールと組み合わせて使用するとき、「即時放出」という用語は、投与形態の総量の全部または全部未満が溶解されることを指す。一部の実施形態では、即時放出は、ここでさらに説明するように、溶解が対象の肺において起こるように、吸入を通してである。活性物質の全部未満の溶解は、活性物質の約50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.35、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%または99.99%の溶解を含むが、これらに限定されない。
【0060】
制御放出または持続放出は、物質が所望プロフィールに従って長期間にわたり放出される、組成物または投与形態からの物質の放出、例えば薬剤または薬剤成分の放出を指す。1つの実施形態では、制御放出は、胃に入った後20〜180分間以内に薬剤の溶解を生じさせる。もう1つの実施形態では、制御放出は、嚥下された後20〜180分間以内に薬剤の溶解が存在するときに起こる。もう1つの実施形態では、制御放出は、腸に入った後20〜180分間以内に薬剤の溶解が存在するときに起こる。もう1つの実施形態では、制御放出は、投与の少なくとも1時間後に実質的に完全な溶解を生じさせる。もう1つの実施形態では、制御放出は、経口投与の少なくとも1時間後に実質的に完全な溶解を生じさせる。もう1つの実施形態では、制御放出は、直腸投与の少なくとも1時間後に実質的に完全な溶解を生じさせる。例えば制御放出組成物は、あらかじめ定められたプロフィールに従って長期間にわたる対象への薬剤の送達を可能にする。そのような放出速度は、長期間にわたって薬剤の治療有効レベルを提供することができ、それにより、従来の迅速放出投与形態と比較してより長期間の薬理学的または診断的応答を提供することができる。そのようなより長期間の応答は、即時放出投与では達成されない多くの固有の利益を提供する。慢性疼痛の治療のために鎮痛薬を使用するとき、制御放出製剤は従来の短時間作用性製剤よりも好ましいことがあり得る。ここで論じる溶解プロフィールに関連して使用するとき、「制御放出」という用語は、本発明に従って製造された投与形態の総量の全部または全部未満が、1時間以上の期間にわたって活性物質を送達することを指す。
【0061】
制御放出経口投与形態中に存在するとき、本発明の組成物は、従来の即時放出製品よりも実質的に低い1日用量レベルで投与され得る。同等の1日用量レベルで、制御放出経口固体投与形態は、従来の即時放出製品よりも大きな疼痛軽減を提供することができる。
【0062】
複合製剤
【0063】
本発明の様々な態様は、鎮痛薬の有効量、およびそのような1またはそれ以上のオピオイド鎮痛薬および/または1またはそれ以上の非オピオイド鎮痛薬に関連する有害作用を低減するために有用な活性物質の有効量を含有する組成物を対象とする。そのような付加的な活性物質は、鎮吐薬および抗ヒスタミン薬を含む。一部の実施形態では、鎮痛薬は、オピオイドまたは非オピオイド鎮痛薬(例えばヒドロコドンまたはオキシコドンおよびアセトアミノフェン)である。さらなる実施形態では、そのような鎮痛薬の有害作用を低減する活性物質はプロメタジンである。
【0064】
1つの実施形態では、本発明の医薬組成物は、オピオイドおよび/または非オピオイド鎮痛薬に関連する有害作用を低減することにより、医薬組成物中の前記鎮痛薬のより高用量を可能にする。例えばさもなければオピオイド鎮痛薬の一定用量を耐容できない対象において、オピオイド鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬およびプロメタジンを含有する本発明の医薬組成物は、鎮痛薬に関連する有害作用(例えば吐気、嘔吐)を低減し、それ故高用量が投与されることを可能にする。さらに、投与は単一組成物を通してでよい。
【0065】
様々な実施形態において、多剤組成物の鎮痛薬は、オピオイド鎮痛薬、例えばヒドロコドン、オキシコドン、モルヒネ、ジアモルヒネ、コデイン、ペチジン、アルフェンタニル、ブプレノルフィン、ブトルファノール、コデイン、デゾシン、フェンタニル、ヒドロモルホン、酢酸レボメタジル、レボルファノール、メペリジン、メタドン、硫酸モルヒネ、ナルブフィン、オキシコドン、オキシモルホン、ペンタゾシン、プロポキシフェン、レミフェンタニル、スフェンタニルまたはトラマドール、およびオピオイドアンタゴニスト、例えばナルメフェン、ナロキソンまたはナルトレキソンを含有する。組成物は、鎮咳薬、例えばコデインまたはデキストロメトルファンをさらに含有し得る。
【0066】
一部の実施形態では、本発明の組成物は、オピオイドおよび非オピオイド鎮痛薬、例えばコデイン/アセトアミノフェン、コデイン/アスピリン、ヒドロコドン/アセトアミノフェン、ヒドロコドン/イブプロフェン、オキシコドン/アセトアミノフェン、オキシコドン/アスピリン、またはプロポキシフェン/アスピリンまたはアセトアミノフェンを含有する。
【0067】
それ故一部の実施形態では、組成物は、ここで述べるように、鎮痛薬および有害作用を低減するまたは排除するために有用な活性物質、例えば抗ヒスタミン薬(例えばプロメタジン)および/または鎮吐薬を含有する。
【0068】
他の実施形態では、組成物は、オピオイド鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬および抗ヒスタミン薬(例えばプロメタジン)を含有する。
【0069】
例えば1つの実施形態では、組成物は、オピオイドおよび/または非オピオイド鎮痛薬とプロメタジンを含有する。さらなる実施形態では、組成物は鎮吐薬をさらに含む。尚さらなる実施形態では、1またはそれ以上の付加的な有害作用低減活性物質を別途に(多剤組成物の投与と同時に、投与前に、投与後に)投与することができる。加えて、本発明の組成物のいずれもが、非オピオイド鎮痛薬またはオピオイド鎮痛薬を含有し得る。
【0070】
本発明の組成物において有用な非オピオイド鎮痛薬の例は、アセトアミノフェン、非ステロイド抗炎症薬(NSAID)、例えばサリチル酸塩(例えばアモキシプリン、ベノリラート、サリチル酸コリンマグネシウム、ジフルニサール、フェスラミン(faislamine)、サリチル酸メチル、サリチル酸マグネシウムを含む)、アリールアルカン酸(例えばジクロフェナク、アセクロフェナク、アセメタシン、ブロムフェナク、エトドラク、インドメタシン、ナブメトン、スリンダク、トルメチンを含む)、プロフェン(例えばイブプロフェン、カルプロフェン、フェンブプロフェン、フルビプロフェン、ケタプロフェン、ケトロラク、ロキソプロフェン、ナプロキセン、スプロフェンを含む)、フェナム酸(例えばメフェナム酸、メクロフェナム酸を含む)、オキシカム(例えばピロキシカム、ロモキシカム、メロキシカム、テノキシカム)、ピラゾリジン誘導体(例えばフェニルブタゾン、アザプロパゾン、メタミゾール、オキシフェンブタゾン、スルフィンプラゾンを含む)、および麻薬性を有する合成薬、例えばトラマドールを含むが、これらに限定されない。
【0071】
各々の薬剤は、該当する場合はその遊離塩基として、またはその医薬的に許容される塩、プロドラッグ、類似体および複合体として有用である。医薬的に許容される塩は、重酒石酸塩、重酒石酸塩水和物、塩酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、リン酸塩、硫酸塩、トリフルオロ酢酸塩、重酒石酸塩五二水和物、ペンタフルオロプロピオン酸塩、臭化水素酸塩、ムチン酸塩、オレイン酸塩、二塩基性リン酸塩、一塩基性リン酸塩、酢酸塩三水和物、ビス(ヘプタフルオロ酪酸塩)、ビス(ペンタフルオロプロピオン酸塩)、ビス(ピリジンカルボン酸塩)、ビス(トリフルオロ酢酸塩)、塩化水素酸塩および硫酸塩五水和物を含む。1つの実施形態では、薬剤は、ヒドロコドン、医薬的に許容される塩またはそのチオセミカルバゾン、p−ニトロフェニルヒドラゾン、o−メチルオキシム、セミカルバゾンまたはビス(メチルカルバメート)である。もう1つの実施形態では、薬剤は、オキシコドン、医薬的に許容される塩またはそのチオセミカルバゾン、p−ニトロフェニルヒドラゾン、o−メチルオキシム、セミカルバゾンまたはビス(メチルカルバメート)である。さらなる実施形態では、薬剤は、アセトアミノフェン、医薬的に許容される塩またはそのチオセミカルバゾン、p−ニトロフェニルヒドラゾン、o−メチルオキシム、セミカルバゾンまたはビス(メチルカルバメート)である。もう1つの実施形態では、薬剤は、プロメタジン、医薬的に許容される塩またはそのチオセミカルバゾン、p−ニトロフェニルヒドラゾン、o−メチルオキシム、セミカルバゾンまたはビス(メチルカルバメート)である。
【0072】
例えば有害作用を予防するまたは軽減することにより、対象を治療するために有用な薬剤は、例えば、受容体サブタイプに従って分類されるヒスタミンアゴニストおよびアンタゴニストを含む抗ヒスタミン薬を包含する。H1アゴニストまたは部分アゴニストは、2−(m−フルオロフェニル)−ヒスタミンを含み、H1アンタゴニストは、クロルフェニラミン、スコポラミン、メピラミン、テルフェナジン、アステミゾールおよびトリプロリジンを含む。さらなるアンタゴニスト(それらの化学構造によってさらに分類され得る)は、エタノールアミン系のカルビノキサミン、ジメチルヒドリナート、ジフェンヒドラミンおよびドキシラミン;エチルアミンジアミン系のピリラミンおよびトリペレナミン;ピペラジン誘導体であるヒドロキシジン、シクリジン、フェキソフェナジンおよびメクリジン;アルキルアミン系のブロムフェニラミンおよびクロルフェニラミン;および種々のアンタゴニスト、シプロヘプタジン、ロラタジン、セトリジンを含む。H2アゴニストは、ジマプリット、インプロミジンおよびアンタミンを含み、H2アンタゴニスト(胃酸分泌の治療において有用)は、シメチジン、ラニチジン、ニザチジンおよびファモチジンを含む。H3アゴニストは、R−α−メチルヒスタミン、イメチットおよびイメピップを含み、H3アンタゴニストは、チオペラミド、ヨードフェンプロピットおよびクロベンプロピットを含む。H4アゴニストは、クロベンプロピット、イメチットおよびクロザピンを含み、H4アンタゴニストはチオペラミドを含む。有害作用を予防するまたは抑制するために有用な薬剤はまた、H1遮断薬、例えばアゼラスチン、ブロムフェニラミン、ブクリジン、カルビノキサミン、セトリジン、クロルフェニラミン、クレマスチン、シクリジン、シプロヘプタジン、デスロラチジン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、エメダスチン、フェキソフェナジン、ヒドロキシジン、ケトチフェン、レボカバスチン、ロラチジン、メクリジン、オロパタジン、フェニンダミンおよびプロメタジンを含み得る。
【0073】
2、3、4、5またはそれ以上の活性物質を含有する組成物の様々な実施形態において、活性物質の少なくとも1つは抗ヒスタミン薬である。さらなる実施形態では、抗ヒスタミン薬はプロメタジンである。尚さらなる実施形態では、プロメタジンは、即時放出、制御放出、遅延放出またはそれらの組合せ(例えば一部の投与量は即時放出用であり、別の一部の投与量は制御/遅延放出用である)用に製剤される。
【0074】
組成物は、鎮吐薬、例えばプロメタジン、ドラセトロン、グラニセトロン、オンダンセトロン、トロピセトロン、パロノセトロン、ドンペリドン、ドロペリドール、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロクロペラジン、メトクロプラミド、アリザプリド、シクリジン、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、メクリジン、ヒドロキシジン、カンナビス、ドロナビノール、ナビロン、ミダゾラム、ロラゼパム、ヒヨスチン、デキサメタゾン、トリメトベンザミド、エメトロール、プロポフォル等を含有し得る。
【0075】
組成物は、鎮咳薬、例えばデキストロメトルファン、ノスカピン、エチルモルヒネ、コデイン、ショウノウ、メントール、テオブロミン、グアニフェネシン等を含有し得る。
【0076】
それ故本発明の様々な実施形態において、組成物は、少なくとも2つの鎮痛薬および1つの抗ヒスタミン薬または鎮吐薬を含有する。例えば1つの実施形態では、組成物は、ヒドロコドン、アセトアミノフェンおよびプロメタジンを含有する。もう1つの実施形態では、組成物は、オキシコドン、アセトアミノフェンおよびプロメタジンを含有する。
【0077】
投与
【0078】
本発明の1つの態様は、アセトアミノフェンまたは他の非オピオイド鎮痛薬およびプロメタジンまたは他の抗ヒスタミン薬を選択されたオピオイド鎮痛薬と共に投与することにより、オピオイド鎮痛薬治療を受けているまたは前記治療を必要とする対象において有害作用、例えば吐気、嘔吐、他の胃の不調、皮膚発疹、アレルギー反応、例えば腫脹、呼吸困難、咽喉の閉鎖、腹痛、異常出血または挫傷、および皮膚発疹を予防するための方法を提供する。従って、本発明は、オピオイド鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬およびオピオイド鎮痛薬の副作用を低減する薬剤の有効量をその必要のある対象に投与することを含む、疼痛を治療するための方法を提供する。1つの実施形態では、非オピオイド鎮痛薬はアセトアミノフェンである。もう1つの実施形態では、有害作用を低減する薬剤はプロメタジンである。投与は、オピオイド治療を必要とする急性状態の場合は比較的短時間だけ継続することができ、またはオピオイド鎮痛薬の慢性使用を必要とする状態の場合は長期間継続し得る。鎮痛薬の用量は、治療される状態、対象の個々の疼痛の認識(perception)、および疼痛の発現を予防するための予防策として定められた時間スケジュールでのまたは認識された疼痛に対応する必要に応じたベースでのオピオイドの使用に依存し得る。適切な量のプロメタジンを含有する組成物の用量の選択は、対象における有害作用、例えば吐気、嘔吐、他の胃の不調、皮膚発疹、アレルギー反応、例えば腫脹、呼吸困難、咽喉の閉鎖、腹痛、異常出血または挫傷、および皮膚発疹の範囲および重症度、対象における副作用低減化合物、例えばプロメタジンに対する感受性、対象が嘔吐によって薬剤を喪失する可能性、および/または認識された有害作用に対応する必要に応じたベースに依存し得る。用量は、対象、治療される状態、使用される鎮痛薬、食事および予想される治療期間を評価して処方専門家によって決定され得る。
【0079】
1つの実施形態では、本発明は、疼痛を患っているまたは疼痛に過敏である対象を治療するための方法を提供し、その方法は、非オピオイド鎮痛薬またはその医薬的に許容される塩である第1の成分の有効量、非オピオイド鎮痛薬またはその医薬的に許容される塩である第2の成分の有効量、および抗ヒスタミン薬である第3の成分の有効量を含有する医薬組成物を前記対象に投与することを含む。
【0080】
もう1つの実施形態では、非オピオイド鎮痛薬またはその医薬的に許容される塩である第1の薬剤の有効量、オピオイド鎮痛薬またはその医薬的に許容される塩である第2の薬剤の有効量、および抗ヒスタミン薬である第3の成分の有効量を含有する医薬組成物を投与することを含む、対象を治療するための方法が提供される。1つの実施形態では、少なくとも1つの有害作用は、吐気、嘔吐、他の胃の不調、皮膚発疹、アレルギー反応、例えば腫脹、呼吸困難、咽喉の閉鎖、腹痛、異常出血または挫傷、および皮膚発疹から成る群より選択される。1つの実施形態では、非オピオイド鎮痛薬はアセトアミノフェンまたはその類似体である。1つの実施形態では、抗ヒスタミン薬はプロメタジンである。1つの実施形態では、オピオイド鎮痛薬はヒドロコドンである。もう1つの実施形態では、オピオイド鎮痛薬はオキシコドンである。
【0081】
もう1つの実施形態では、本発明は、アセトアミノフェンまたはその類似体およびプロメタジンをオピオイド鎮痛薬と共に投与することにより、オピオイド治療を受けているまたはオピオイド治療を必要とする対象において有害作用、例えば吐気、嘔吐および皮膚発疹を予防するための方法を提供する。1つの実施形態では、オピオイド鎮痛薬はヒドロコドンである。もう1つの実施形態では、オピオイド鎮痛薬はオキシコドンである。1つの実施形態では、非オピオイド鎮痛薬および抗ヒスタミン薬を含有する組成物の投与は、オピオイド鎮痛薬に関連する有害作用の低減または排除を増強する。例えばプロメタジンおよびアセトアミノフェン/イブプロフェンの追加は、ピオイド鎮痛薬に関連する有害作用を相乗作用的に低減するまたは排除する。
【0082】
本発明の組成物の投与は、鎮痛薬(例えばオピオイド)に関連する有害作用の排除または低減を含む対象の治療を生じさせ、そのような鎮痛薬の有益な使用を増強し得る。そのような有害作用は、さもなければ、例えば嘔吐、吐気および皮膚発疹のために、一部の鎮痛薬の投与を耐容できないものにし得る。それ故、本発明の方法の様々な実施形態は、そのような有害作用に対して過敏である対象の集団を標的することを対象とし、そのような対象が、さもなければその投与が耐容できない鎮痛薬に基づく疼痛軽減の疼痛緩和作用から利益を得ることを可能にする。
【0083】
例えば嘔吐の危険性を低減することにより、対象が嘔吐によって鎮痛薬を喪失する(および鎮痛薬の有益な疼痛軽減作用を喪失する)危険性を最小限に抑える。さらに、医療専門家による別途の介入措置を必要とせずに対象の鎮痛薬摂取に適合する副作用低減化合物の用量を提供するように投与を調節することができる。1またはそれ以上の付加的な活性物質、例えばプロメタジンを本発明の組成物に追加することは、乱用および転用の潜在的可能性が低い組成物を生じさせると考えられる。
【0084】
用量
【0085】
様々な態様において、本発明の組成物は、同じかまたは異なる用量の複数の活性化合物を含有する。一部の実施形態では、鎮痛成分は、ここでさらに述べるように用量が多様であり得、抗ヒスタミン薬または鎮吐薬の用量は、使用される特定鎮痛薬に従って調整され得る。
【0086】
例えば様々な実施形態において、本発明の組成物中に存在するオピオイド鎮痛薬は、1.0mg〜約20mgの用量、例えば1.0mg、1.5mg、2.5mg、3.0mg、4.0 mg、5.0mg、6.0mg、6.5mg、7.0mg、7.5mg、8.0mg、8.5mg、9.0mg、9.5mg、10.0、10.5mg、11.0mg、12.0mg、12.5mg、13.0mg、13.5mg、14.0mg、14.5mg、15.0mg、15.5mg、16mg、16.5mg、17mg、17.5mg、18mg、18.5mg、19mg、19.5mgまたは20mgを含むがこれらに限定されない用量である。
【0087】
本発明の多剤組成物についてのさらなる実施形態では、非オピオイド鎮痛薬は、200 mg〜約600mgの用量、例えば200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、500mg、525mg、550mg、575mg、600mgを含むがこれらに限定されない用量で存在する。
【0088】
本発明の尚さらなる実施形態では、本発明の多剤組成物の鎮吐または抗ヒスタミン成分は、プロメタジン0.5mg〜約60mgの用量、例えば0.5mg、1.0mg、1.5mg、2.0mg、2.5mg、3.0mg、3.5mg、4.0mg、4.5mg、5.0mg、5.5mg、6.0mg、6.5mg、7.0mg、7.5mg、8.0mg、8.5mg、9.0mg、9.5mg、10mg、10.5mg、11mg、11.5mg、12.0mg、12.5mg、13.0mg、13.5mg、14.0mg、14.5mg、15.0mg、15.5mg、16mg、16.5mg、17mg、17.5mg、18mg、18.5mg、19mg、19.5mgまたは20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mgまたは60mgを含むがこれらに限定されない用量で存在する。
【0089】
1つの実施形態では、本発明の組成物は、ヒドロコドン、医薬的に許容される塩またはそのチオセミカルバゾン、p−ニトロフェニルヒドラゾン、o−メチルオキシム、セミカルバゾンまたはビス(メチルカルバメート)(前記の各々はヒドロコドン薬または誘導体である)、アセトアミノフェンおよびプロメタジンを含有する。さらに、ヒドロコドン薬は、約1.0mg〜約20mgの範囲内、例えば1.0mg、1.5mg、2.5mg、3.0mg、4.0mg、5.0mg、6.0mg、6.5mg、7.0mg、7.5mg、8.0mg、8.5mg、9.0mg、9.5mg、10.0、10.5mg、11.0mg、12.0mg、12.5mg、13.0mg、13.5mg、14.0mg、14.5mg、15.0mg、15.5mg、16mg、16.5mg、17mg、17.5mg、18mg、18.5mg、19mg、19.5mgまたは20mgを含むがこれらに限定されない用量で存在する。さらに、アセトアミノフェンは、約200mg〜約600mgの範囲内であり、例えば200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、500mg、525mg、550mg、575mg、600mgを含むがこれらに限定されない。加えて、プロメタジンは、約0.5mg〜約60mgであり、例えば0.5mg、1.0mg、1.5mg、2.0mg、2.5mg、3.0mg、3.5mg、4.0mg、4.5mg、5.0mg、5.5mg、6.0mg、6.5mg、7.0mg、7.5mg、8.0mg、8.5mg、9.0mg、9.5mg、10mg、10.5mg、11mg、11.5mg、12.0mg、12.5mg、13.0mg、13.5mg、14.0mg、14.5mg、15.0mg、15.5mg、16mg、16.5mg、17mg、17.5mg、18mg、18.5mg、19mg、19.5mgまたは20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mgまたは60mgを含むがこれらに限定されない。
【0090】
様々な実施形態において、本発明の組成物はヒドロコドン、アセトアミノフェンおよびプロメタジンを含有し、前記組成物は、それぞれの薬剤を約(1〜2):(40〜45):(1〜2)の比率、例えば約1:40:1,1:40:1.1,1.40:1.2,1:40:1.3,1:40:1.4,1:40:1.5,1:40:1.6,1:40:1.7,1:40:1.8,1:40:1.9,1:40:2,1.1:40:1,1.2:40:1,1.3:40:1,1.4:40:1,1.5:40:1,1.6:40:1,1.7:40:1,1.8:40:1,1.9:40:1,2:40:1,1:41:1,1:41:1.1,1:41:1.2,1:41:1.3,1:41:1.4,1:41:1.5,1:41:1.6,1:41:1.7,1:41:1.8,1:41:1.9,1:41:2,1.1:41:1,1.2:41:1,1.3:41:1,1.4:41:1,1.5:41:1,1.6:41:1,1.7:41:1,1.8:41:1,1.9:41:1,2:41:1,1:42:1,1:42:1.1,1:42:1.2,1:42:1.3,1:42:1.4,1:42:1.5,1:42:1.6,1:42:1.7,1:42:1.8,1:42:1.9,1:42:2,1.1:42:1,1.2:42:1,1.3:42:1,1.4:42:1,1.5:42:1,1.6:42:1,1.7:42:1,1.8:42:1,1.9:42:1,2:42:1,1:43:1,1:43:1.1,1:43:1.2,1:43:1.3,1:43:1.4,1:43:1.5,1:43:1.6,1:43:1.7,1:43:1.8,1:43:1.9,1:43:2,1.1:43:1,1.2:43:1,1.3:43:1,1.4:43:1,1.5:43:1,1.6:43:1,1.7:43:1,1.8:43:1,1.9:43:1,2:43:1,1:43.1:1,1:43.1:1.、1:43.1:1.2、1:43.1:1.3,1:43.1:1.4,1:43.1:1.5,1:43.1:1.6,1:43.1:1.7,1:43.1:1.8,1:43.1:1.9,1:43.1:2,1.1:43.1:1,1.2:43.1:1,1.3:43.1:1,1.4:43.1:1,1.5:43.1:1,1.6:43.1:1,1.7:43.1:1,1.8:43.1:1,1.9:43.1:1,2:43.1:1,1:43.2:1,1:43.2:1.1,1:43.2:1.2,1:43.2:1.3,1:43.2:1.4,1:43.2:1.5,1:43.2:1.6,1:43.2:1.7,1:43.2:1.8,1:43.2:1.9,1:43.2:2,1.1:43.2:1,1.2:43.2:1,1.3:43.2:1,1.4:43.2:1,1.5:43.2:1,1.6:43.2:1,1.7:43.2:1,1.8:43.2:1,1.9:43.2:1,2:43.2:1,1:43.3:1,1:43.3:1.1,1:43.2:1.2,1:43.3:1.3,1:43.3:1.4,1:43.3:1.5,1:43.3:1.6,1:43.3:1.7,1:43.3:1.8,1:43.3:1.9,1:43.3:2,1.1:43.3:1,1.2:43.3:1,1.3:43.3:1,1.4:43.3:1,1.5:43.3:1,1.6:43.3:1,1.7:43.3:1,1.8:43.3:1,1.9:43.3:1,2:43.3:1,1:43.4:1,1:43.4:1.1,1:43.4:1.2,1:43.4:1.3,1:43.4:1.4,1:43.4:1.5,1:43.4:1.6,1:43.4:1.7,1:43.4:1.8,1:43.4:1.9,1:43.4:2,1.1:43.4:1,1.2:43.4:1,1.3:43.4:1,1.4:43.4:1,1.5:43.4:1,1.6:43.4:1,1.7:43.4:1,1.8:43.4:1,1.9:43.4:1,2:43.4:1,1:43.5:1,1:43.5:1.1,1:43.5:1.2,1:43.5:1.3,1:43.5:1.4,1:43.5:1.5,1:43.5:1.6,1:43.5:1.7,1:43.5:1.8,1:43.5:1.9,1:43.5:2,1.1:43.5:1,1.2:43.5:1,1.3:43.5:1,1.4:43.5:1,1.5:43.5:1,1.6:43.5:1,1.7:43.5:1,1.8:43.5:1,1.9:43.5:1,2:43.5:1,1:43.6:1,1:43.6:1.1,1:43.6:1.2,1:43.6:1.3,1:43.6:1.4,1:43.6:1.5,1:43.6:1.6,1:43.6:1.7,1:43.6:1.8,1:43.6:1.9,1:43.6:2,1.1:43.6:1,1.2:43.6:1,1.3:43.6:1,1.4:43.6:1,1.5:43.6:1,1.6:43.6:1,1.7:43.6:1,1.8:43.6:1,1.9:43.6:1,2:43.6:1,1:43.7:1,1:43.7:1.1,1:43.7:1.2,1:43.7:1.3,1:43.7:1.4,1:43.7:1.5,1:43.7:1.6,1:43.7:1.7,1:43.7:1.8,1:43.7:1.9,1:43.7:2,1.1:43.7:1,1.2:43.7:1,1.3:43.7:1,1.4:43.7:1,1.5:43.7:1,1.6:43.7:1,1.7:43.7:1,1.8:43.7:1,1.9:43.7:1,2:43.7:1,1:43.8:1,1:43.8:1.1,1:43.8:1.2,1:43.8:1.3,1:43.8:1.4,1:43.8:1.5,1:43.8:1.6,1:43.8:1.7,1:43.8:1.8,1:43.8:1.9,1:43.8:2,1.1:43.8:1,1.2:43.8:1,1.3:43.8:1,1.4:43.8:1,1.5:43.8:1,1.6:43.8:1,1.7:43.8:1,1.8:43.8:1,1.9:43.8:1,2:43.8:1,1:43.9:1,1:43.9:1.1,1:43.9:1.2,1:43.9:1.3,1:43.9:1.4,1:43.9:1.5,1:43.9:1.6,1:43.9:1.7,1:43.9:1.8,1:43.9:1.9,1:43.9:2,1.1:43.9:1,1.2:43.9:1,1.3:43.9:1,1.4:43.9:1,1.5:43.9:1,1.6:43.9:1,1.7:43.9:1,1.8:43.9:1,1.9:43.9:1,2:43.9:1,1:44:1,1:44:1.1,1:44:1.2,1:44:1.3,1:44:1.4,1:44:1.5,1:44:1.6,1:44:1.7,1:44:1.8,1:44:1.9,1:44:2,1.1:44:1,1.2:44:1,1.3:44:1,1.4:44:1,1.5:44:1,1.6:44:1,1.7:44:1,1.8:44:1,1.9:44:1,2:44:1,1:45:1,1:45:1.1,1:45:1.2,1:45:1.3,1:45:1.4,1:45:1.5,1:45:1.6,1:45:1.7,1:45:1.8,1:45:1.9,1:45:2,1.1:45:1,1.2:45:1,1.3:45:1,1.4:45:1,1.5:45:1,1.6:45:1,1.7:45:1,1.8:45:1,1.9:45:1,または2:45:1の比率で含有する。例えば1つの実施形態では、各活性物質についての量の比率は、ヒドロコドン、アセトアミノフェンおよびプロメタジンについてそれぞれ(1):(43.33):(1.67)である。
【0091】
もう1つの実施形態では、医薬組成物は、オキシコドン、医薬的に許容される塩またはそのチオセミカルバゾン、p−ニトロフェニルヒドラゾン、o−メチルオキシム、セミカルバゾンもしくはビス(メチルカルバメート)(前記の各々はヒドロコドン薬または誘導体である)、アセトアミノフェンおよびプロメタジンを含有する。さらに、オキシコドン薬は、約1mg〜約200mgの範囲内、例えば1.0mg、1.5mg、2.5mg、3.0mg、4.0mg、4.5mg、5.0mg、5.5mg、6.0mg、6.5mg、7.0mg、7.5mg、8.0mg、8.5mg、9.0mg、9.5mg、10.0、10.5mg、11.0mg、12.0mg、12.5mg、13.0mg、13.5mg、14.0mg、14.5mg、15.0mg、15.5mg、16mg、16.5mg、17mg、17.5mg、18mg、18.5mg、19mg、19.5mgまたは20mg、30mg、40mg、50mg、70mg、100mg、130mg、160mg、190mg、200mgを含むがこれらに限定されない用量で存在する。さらに、アセトアミノフェンは、約200mg〜約600mgの範囲内であり、例えば200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、500mg、525mg、550mg、575mg、600mgを含むがこれらに限定されず、好ましい用量は約325mgである。医薬組成物はさらに、抗ヒスタミン薬(例えばプロメタジン)約0.5mg〜約60mg、例えば0.5mg、1.0mg、1.5mg、2.0mg、2.5mg、3.0mg、3.5mg、4.0mg、4.5mg、5.0mg、5.5mg、6.0mg、6.5mg、7.0mg、7.5mg、8.0mg、8.5mg、9.0mg、9.5mg、10mg、10.5mg、11mg、11.5mg、12.0mg、12.5mg、15mg、20mg、30mg、40mg、50mgまたは60mgを含むがこれらに限定されない用量を含有する。
【0092】
1つの実施形態では、医薬組成物は12.5mgのプロメタジンを提供する。1つの実施形態では、本発明の組成物はオキシコドン、アセトアミノフェンおよびプロメタジンを含有し、前記組成物は、それぞれ約(1〜2):(40〜45):(1〜2)の比率で薬剤を含有する。例えば1つの実施形態では、各活性物質についての量の比率は、オキシコドン、アセトアミノフェンおよびプロメタジンについてそれぞれ(1):(43.33):(1.67)である。1つの実施形態では、本発明の医薬組成物は、抗ヒスタミン薬が単独で投与される場合の用量よりも低用量の抗ヒスタミン薬(例えばプロメタジン)を含有する。例えば抗ヒスタミン薬は、プロメタジンの比較的高用量で認められることがある、鎮静を予防する用量で組成物において提供される。そこで一部の実施形態では、プロメタジンは、1、2、3、4、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、30、30.5、31、31.5、32、33、33.5、34、34.5、35、36、36.5、37、37.5、38、38.5、39、39.5、40、40.5、41、41.5、42、42.5、43、43.5、44、44.5、45、45.5、46、46.5、47、47.5、48、48.5、49、49.5または50で提供される。それ故、抗ヒスタミン薬または鎮吐薬(例えばプロメタジン)は、オピオイド鎮痛薬および/または非オピオイド鎮痛薬に関連する有害作用を低減する上で有効な用量で提供され得るが、抗ヒスタミン薬/鎮吐薬に関連する鎮静を予防するために比較的低い十分な用量(例えば対象の体重を考慮して)である。有害作用の例は、急性肝毒性、アレルギー反応、例えば腫脹、呼吸困難、咽喉の閉鎖、腹痛、吐気、異常出血または挫傷を含む。
【0093】
1つの実施形態では、本発明の医薬組成物は、ヒドロコドン6〜8mg(例えば約6.0mg、6.1mg、6.2mg、6.3mg、6.4mg、6.5mg、6.6mg、6.7mg、6.8mg、6.9mg、7.0mg、7.1mg、7.2mg、7.3mg、7.4mg、7.5mg、7.6mg、7.7mg、7.8mg、7.9mgまたは8.0mg)、アセトアミノフェン310〜330mg(例えば約310mg、315mg、320mgまたは325mg)、およびプロメタジン5〜13mg(例えば約10mg、10. 5mg、11.0mg、11.5mg、12.0mg、12.5mg、13.0mg、13.5mg、14.0mg、14.5mgまたは15mg)を含有する。ヒドロコドンおよびアセトアミノフェンは、所望投与期間にわたって持続的な放出を提供するための従来の技術を使用して製剤され得る。プロメタジンの全部または一部は、吐気、嘔吐、他の胃の不調、皮膚発疹、アレルギー反応、例えば腫脹、呼吸困難、咽喉の閉鎖、腹痛、異常出血または挫傷を含む、ヒドロコドンおよび/またはアセトアミノフェンに関連する一般的な有害作用を緩和するのを助けるために即時放出用に製剤される。
【0094】
1つの実施形態では、本発明の組成物は、1重量%〜20重量%の抗ヒスタミン薬(例えば1%,1.5%,2%,2.5%,3%,3.5%,4%,4.5%,5%,5.5%,6%,6.5%,7%,7.5%,8%,8.5%,9%,9.5%,10%,10.5%,11%,11.5%,12%,12.5%,13%,13.5%,14%,14.5%,15%,15.5%,16%,16.5%,17%,17.5%,18%,18.5%,19%,19.5%,または20%)、10重量%〜80重量%の非オピオイド鎮痛薬(例えば10%,10.5%,11%,11.5%,12%,12.5%,13%,13.5%,14%,14.5%,15%,15.5%,16%,16.5%,17%,17.5%,18%,18.5%,19%,19.5%,20%,20.5%,21%,21.5%,22%,22.5%,23%,23.5%,24%,24.5%,25%,25.5%,26%,26.5%,27%,27.5%,28%,28.5%,29%,29.5%,30%,30.5%,31%,31.5%,32%,32.5%,33%,33.5%,34%,34.5%,35%,35.5%,36%,36.5%,37%,37.5%,38%,38.5%,39%,39.5%,40%,40.5%,41%,41.5%,42%,42.5%,43%,43.5%,44%,44.5%,45%,45.5%,46%,46.5%,47%,47.5%,48%,48.5%,49%,49.5%,50%,50.5%,51%,51.5%,52%,52.5%,53%,53.5%,54%,54.5%,55%,55.5%,56%,56.5%,57%,57.5%,58%,58.5%,59%,59.5%,60%,60.5%,61%,61.5%,62%,62.5%,63%,63.5%,64%,64.5%,65%,65.5%,66%,66.5%,67%,67.5%,68%,68.5%,69%,69.5%,70%,70.5%,71%,71.5%,72%,72.5%,73%,73.5%,74%,74.5%,75%,75.5%,76%,76.5%,77%,77.5%,78%,78.5%,79%,79.5%,80%)、および1重量%〜20重量%のオピオイド鎮痛薬(例えば1%,1.5%,2%,2.5%,3%,3.5%,4%,4.5%,5%,5.5%,6%,6.5%,7%,7.5%,8%,8.5%,9%,9.5%,10%,10.5%,11%,11.5%,12%,12.5%,13%,13.5%,14%,14.5%,15%,15.5%,16%,16.5%,17%,17.5%,18%,18.5%,19%,19.5%,または20%)を含有する。
【0095】
1つの実施形態では、本発明の組成物は、塩酸オキシコドン6〜8mg(例えば約7.5mg)、アセトアミノフェン310〜330mg(例えば約325mg)、およびプロメタジン6〜8mg(例えば約12.5mg)を含有する。塩酸オキシコドンおよびアセトアミノフェンは、所望投与期間にわたって持続的な放出を提供するための従来の技術を使用して製剤され得る。プロメタジンの全部または一部は即時放出用に製剤される。それ故1つの実施形態では、そのようなプロメタジン活性物質を含有する本発明の組成物の投与は、塩酸オキシコドンおよび/またはアセトアミノフェンに関連する有害作用の低減、緩和または排除を生じさせ得る。低減、緩和または排除される有害作用は、吐気、嘔吐、他の胃の不調、皮膚発疹、アレルギー反応、例えば腫脹、呼吸困難、咽喉の閉鎖、腹痛、異常出血または挫傷、またはそれらの組合せを含むが、これらに限定されない。
【0096】
組成物中の活性物質の用量および濃度は、ここでさらに説明するように、所望に応じて変化させ得る。対象および/または治療される状態および投与経路に依存して、組成物中の活性物質は、一般に0.01mg〜500mgV/kg体重/日、例えば平均的な人について約20mg/日の用量で投与され得る。投薬は投与方法に基づいて調整され得る。典型的な投薬は、1日1回投与または1日多回投与であり得る。
【0097】
言うまでもなく持続または制御放出投与形態(例えばパッチ)に関しては、単位用量は定められた期間にわたる投与用に設計される。一部の実施形態では、1つの薬剤または薬剤の組合せのための用量は、0.01〜5mg、1〜10mg、5〜20mg、10〜50mg、20〜100mg、50〜150mg、100〜250mg、150〜300mg、250〜500mg、300〜600mgまたは500〜1000mgV/kg体重であり得る。用量レベルは、特定化合物、症状の重症度および有害作用に対する対象の感受性に応じて異なり得る。
【0098】
投与経路
【0099】
本発明の様々な実施形態において、活性物質は、対象を治療するために経口投与形態(例えば錠剤、カプセル、ゲル)、吸入剤、鼻スプレー、パッチ、吸収ゲル、液体、液体タンニン酸塩、坐薬、注射剤、点滴静注剤、他の送達方法またはそれらの組合せを通して投与されるように製剤される。投与は、経口、皮下、静脈内、鼻内、耳内、経皮、局所(例えばゲル、軟膏、ローション、クリーム等)、腹腔内、筋肉内、肺内(例えばAradigmから市販されているAERx RTM.吸入テクノロジー、またはInhale Therapeuticsから市販されている肺送達システム、Inhance)、経膣、非経口、経直腸または眼内経路を含むがこれらに限定されない様々な方法で実施され得る。
【0100】
本発明の組成物を製造するために、活性物質を適切な医薬的に許容される担体と混合することができる。化合物の混合後、生じる組成物は固体、半固体、溶液、懸濁液または乳剤であり得る。そのような組成物は当業者に公知の方法に従って製造され得る。生じる組成物の形態は、様々な因子、例えば意図される投与方法および選択される担体または賦形剤への化合物の溶解度に依存し得る。鎮痛薬の有効な濃度は、疼痛を低減するまたは緩和するために十分である。本発明の1つの実施形態では、本発明の組成物の成分は、少なくとも1つのオピオイド鎮痛薬(例えばヒドロコドン/オキシコドン)、1つの非オピオイド鎮痛薬(例えばアセトアミノフェン)、および1つの抗ヒスタミン薬(例えばプロメタジン)である。他の実施形態では、投与は、ここで述べる鎮痛製剤(例えばヒドロコドンとアセトアミノフェンを含有する)の投与の前または投与中の、別途の抗ヒスタミン薬(例えばプロメタジン)の投与を含む。
【0101】
本発明の組成物および方法の薬剤は、低い有害作用で好都合な疼痛軽減を提供するために従来のネブライザを使用してまたは酸素エアロゾル適用によって鼻吸入経路を通して投与することができる。薬剤は、医薬的に許容される吸入担体中に懸濁または溶解され得る。そのような担体の例は、蒸留水、水/エタノール混合物および生理食塩水である。安定化するためまたは等張媒質を提供するために従来の添加物、例えば塩化ナトリウム、グルコース、クエン酸等をこれらの投与形態中で使用し得る。本発明の1つの実施形態では、酸素エアロゾル投与による鼻吸入に適する組成物は、ヒドロコドンまたはオキシコドン、アセトアミノフェンおよびプロメタジンを含有する。他の実施形態では、抗ヒスタミン薬(例えばプロメタジン)を、ここで述べる組成物(例えばヒドロコドンとアセトアミノフェンを含有する組成物)の投与の前または投与中に、別途に投与することができる。
【0102】
本発明の薬剤はまた、吸入治療に適したエアロゾル形態の自己推進式(self-propelled)投与単位として投与することができる。エアロゾル吸入治療手法を使用するための適切な手段は、例えばその全体が参照によりここに組み込まれる、Couchらへの米国特許第6,913,768号に述べられている。薬剤は、共溶媒、例えばエタノールと共に、他の薬剤、例えばアルブテロールと共に、着香剤および安定剤と共に、不活性推進剤、例えばジクロロジフルオロメタンとジクロロテトラフルオロエタンの混合物中に懸濁され得る。本発明の1つの実施形態では、エアロゾル形態の投与における自己推進式投与単位のための有用な薬剤は、ヒドロコドンまたはオキシコドン、アセトアミノフェンおよびプロメタジンである。
【0103】
本発明の組成物および方法の薬剤はまた、鼻スプレー/点鼻組成物としても投与でき、それらは、低い有害作用で疼痛を有効に治療するために好都合且つ安全に対象に適用され得る。組成物は、他の薬剤、例えばスマトリプタンと共に、生体接着物質と共に、水溶性ポリマー、例えばポリビニルピロリドンをさらに含有し得る。本発明の1つの実施形態では、鼻スプレーまたは点鼻投与のための組成物の成分は、ヒドロコドンまたはオキシコドン薬、アセトアミノフェンおよびプロメタジンである。
【0104】
本発明の組成物はまた、対象の皮膚に局所的に投与することができる。薬剤は、皮膚用組成物を形成するために皮膚への局所適用に適した医薬的に許容される担体または基剤と混合され得る。担体または基剤の適切な例は、水、グリコール、アルコール、ローション、クリーム、ゲル、乳剤およびスプレーを含むが、これらに限定されない。鎮痛薬を含有する皮膚用組成物は、局所包帯、医療用テープ、皮膚パッチ吸収ゲルおよび洗浄ティッシュに組み込むことができる。本発明の1つの実施形態では、皮膚用組成物は、ヒドロコドンまたはオキシコドン、アセトアミノフェンおよびプロメタジンを含有する。
【0105】
本発明の組成物はまた、液体または液体タンニン酸塩形態であり得る。液体製剤は、例えば水溶液および/または懸濁液形態の薬剤、および着香剤を含むまたは含まない、ポリオキシエチレンヒマシ油、アルコールおよび/またはモノオレイン酸ポリオキシエチルソルビタンを含む賦形剤を含有し得る。各々の投与形態は、活性物質の有効量を含有し、場合により医薬的に不活性の物質、例えば従来の賦形剤、ビヒクル、充填剤、結合剤、崩壊剤、溶媒、可溶化剤、甘味料、着色剤および経口投与用の医薬投与形態に含まれ得る他の何らかの不活性物質を含有し得る。そのようなビヒクルおよび添加物の例は、Remington's Pharmaceutical Sciences, 17th edition (1985)に認められる。それ故1つの実施形態では、本発明の液体組成物は、オピオイド鎮痛薬(例えばヒドロコドンまたはオキシコドン)、非オピオイド鎮痛薬(例えばアセトアミノフェン)および抗ヒスタミン薬(例えばプロメタジン)を含有する。
【0106】
本発明の組成物はまた、坐薬基剤中に組成物を含有する外層を含む、坐薬形態でも投与することができる。坐薬基剤は、例えば何らかの従来の坐薬基剤材料、例えばグリコゼラチン、ポリエチレングリコール、分別パーム核油、若しくは1またはそれ以上の天然、合成または半合成の固い脂肪、例えばココアバターであり得る。それ故、本発明の1つの実施形態では、基剤材料は、オピオイド鎮痛薬(例えばヒドロコドン/オキシコドン)、非オピオイド鎮痛薬(例えばアセトアミノフェン)および抗ヒスタミン薬(例えばプロメタジン)と混合される。
【0107】
本発明の組成物はまた、注射または点滴静注のための即時注射用の安定な液体中で投与することができる。例えば食塩水または他の即時注射用液体を、オピオイド鎮痛薬(例えばヒドロコドンまたはオキシコドン)、非オピオイド鎮痛薬(例えばアセトアミノフェン)および抗ヒスタミン薬(例えばプロメタジン)と混合することができる。
【0108】
投与形態
【0109】
本発明の様々な実施形態において、組成物は1またはそれ以上の投与形態である。例えば組成物は、固体または液体形態で投与され得る。固体投与形態の例は、カプセルまたは錠剤中の、粉末または顆粒としての、または通常は圧縮成形によって形成される錠剤中に存在する、個別単位を含むが、これらに限定されない。そのような圧縮錠剤は、3またはそれ以上の物質と医薬的に許容される担体を適切な機械で圧縮することによって製造され得る。成形された錠剤は、場合により被覆するまたはその上にしるしを記載して、刻み目をつけることができ、ヒドロコドンおよび/またはアセトアミノフェンの即時、実質的に即時、緩徐または制御放出を生じさせるように製剤することができる。さらに、本発明の投与形態は、参照によりここに組み込まれる、Handbook of Pharmaceutical Excipients, American Pharmaceutical Association (1986)に記述されているような、当分野で公知の許容される担体または塩を含有し得る。
【0110】
1つの実施形態では、成分は、本発明の化合物の均一な混合物を含有する固体予備製剤組成物を形成するために医薬賦形剤と混合される。これらの組成物を「均一な」と称するとき、組成物を単位投与形態、例えば錠剤またはカプセルに再分割することができるように、薬剤が組成物全体に均一に分散していることを意味する。この固体予備製剤組成物を、次に、例えば約1.0mg〜約15mgのオピオイド、例えば本発明のヒドロコドンまたはオキシコドンを含有する上述したタイプの単位投与形態にさらに分割することができる。
【0111】
組成物は、カプセルまたは錠剤の場合は、例えば水と共に、全体が嚥下されるように製剤され得る。副作用低減剤、例えば吐気および嘔吐の一般的な症状を軽減するための抗ヒスタミン薬または鎮吐薬を含むことは、プロメタジン等が不快さを排除するまたは不快さの量を最小限に抑えるという点で有益であると考えられる。低減されるまたは排除される有害作用は、吐気、嘔吐、他の胃の不調、皮膚発疹、アレルギー反応、例えば腫脹、呼吸困難、咽喉の閉鎖、腹痛、異常出血または挫傷を含むが、これらに限定されない。
【0112】
しばしば、オピオイドを服用する対象は、1回目またはその後の用量を服用した直後に起こり得る嘔吐を含む有害作用を経験する。結果として、オピオイドの用量の一部がその後に失われ、対象に対する補充用量を正確に評価することを困難にし、病院または診療所環境の外にいる対象については、容易に入手可能な代替形態の疼痛薬が存在しないことがある。結果として、胃の不快、例えば嘔吐を経験する対象は、オピオイド鎮痛薬の有益な作用が得られず、さらなる不快と嘔吐に関連する疼痛の増強を経験する。この問題は、副作用を軽減するプロメタジンを同時に投与することによって解決される。
【0113】
本発明の投与形態は、当業者に周知の工程を用いて製造することができる。例えば二層錠剤の製造のためには、薬剤を、例えば高せん断造粒、低せん断造粒、流動床造粒を使用して、または直接圧縮のための混合によって、1またはそれ以上の賦形剤中に均一に分散させることができる。賦形剤は、希釈剤、結合剤、崩壊剤、分散剤、潤滑剤、流動促進剤、安定剤、界面活性剤および着色剤を含む。「充填剤」とも称される希釈剤は、圧縮のための粒径が提供されるように錠剤のかさを増やすために使用され得る。希釈剤の非限定的な例は、ラクトース、セルロース、微結晶セルロース、マンニトール、乾燥デンプン、加水分解デンプン、粉糖、滑石、塩化ナトリウム、二酸化ケイ素、酸化チタン、リン酸二カルシウム二水和物、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、アルミナおよびカオリンを含む。結合剤は、錠剤製剤に凝集特性を与えることができ、錠剤が圧縮後に無傷のままであるのを助けるために使用され得る。適切な結合剤の非限定的な例は、デンプン(トウモロコシデンプンおよびアルファ化デンプンを含む)、ゼラチン、糖(例えばグルコース、デキストロース、スクロース、ラクトースおよびソルビトール)、セルロース、ポリエチレングリコール、ろう、天然および合成ゴム、例えばアラビアゴム、トラガカント、アルギン酸ナトリウム、および合成ポリマー、例えばポリメタクリレートおよびポリビニルピロリドンを含む。潤滑剤も錠剤の製造を促進することができ、その非限定的な例は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリルおよびポリエチレングリコールを含む。崩壊剤は、投与後の錠剤崩壊を促進することができ、その非限定的な例は、デンプン、アルギン酸、架橋ポリマー、例えば架橋ポリビニルピロリドン、クロスカルメロースナトリウム、カリウムまたはデンプングリコール酸ナトリウム、粘土、セルロース、デンプン、ゴム等を含む。適切な流動促進剤の非限定的な例は、二酸化ケイ素、滑石等を含む。安定剤は、酸化反応を含む薬剤分解反応を阻害するまたは遅らせることができる。界面活性剤も含めることができ、陰イオン性、陽イオン性、両性または非イオン性であり得る。所望する場合は、錠剤はまた、非毒性の補助物質、例えばpH緩衝剤、防腐剤、例えば抗酸化剤、湿潤化または乳化剤、可溶化剤、被覆剤、着香剤等を含有し得る。
【0114】
持続放出または制御放出製剤は、活性物質を被覆するまたは活性物質と一時的に結合するまたは活性物質の溶解度を低下させることによって薬剤の放出を緩徐化する賦形剤の1またはそれ以上の組合せを含み得る。これらの賦形剤の例は、セルロースエーテル、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えばMethocel K4M)、ポリ酢酸ビニルベースの賦形剤、例えばKollidon SR、およびメタクリレートおよびメタクリル酸に基づくポリマーおよびコポリマー、例えばEudragit NE 30Dを含む。本発明の1つの実施形態では、鎮痛薬(例えばヒドロコドンまたはオキシコドン、およびアセトアミノフェン)は持続放出または制御放出用に製剤され、一方プロメタジンは即時放出用に製剤される。もう1つの実施形態では、すべての薬剤が持続放出または制御放出用に製剤される。
【0115】
ここで提供される化合物の投与に適する医薬担体またはビヒクルは、特定投与方法に適することが当業者に公知のすべてのそのような担体を包含する。加えて、鎮痛薬およびプロメタジンはまた、所望作用を損なわない他の成分と共に、または所望作用を補うまたは別の作用を有する成分と共に投与することができる。上述したように、組成物は、さらなる(例えば第4、第5、第6等の)追加活性化合物を含有し得る。
【0116】
本発明の1つの実施形態では、組成物は、少なくとも1つの活性物質が即時放出形態である、3またはそれ以上の活性物質を含有する。この実施形態では、即時放出形態は、血液中でのその最大濃度までの時間を短縮するために有効な量で含まれる。例として、いくつかの即時放出医薬製剤が、その全体が参照によりここに組み込まれる、「Powder Compaction and Enrobing」と題された米国特許公開第US2005/0147710A1号において教示される。
【0117】
本発明のさらなる実施形態では、即時放出形態の成分は、1またはそれ以上のオピオイド鎮痛薬に関連する有害作用を低減する、緩和するまたは排除するおよび/または抑制する成分である。
【0118】
例えば即時放出活性物質は、ここで述べるオピオイドおよび/または非オピオイド鎮痛薬に関連する有害作用を低減する、緩和するまたは排除する抗ヒスタミン薬または鎮吐薬であり得る。そこで本発明の1つの実施形態では、鎮痛製剤は、オピオイドおよび非オピオイド鎮痛薬(例えばそれぞれヒドロコドンまたはオキシコドンおよびアセトアミノフェン)および抗ヒスタミン薬(例えばプロメタジン)を含有する。
【0119】
本発明のさらなる実施形態では、鎮吐薬または抗ヒスタミン薬の総量の全部または全部未満が、ここで述べるように、即時放出形態に製剤される。
【0120】
様々な公知の方法および材料が即時放出を生じさせるために使用され得る。例えば錠剤の外側に沿った薬剤の配置(例えば外側を被覆することまたは外層を薬剤で作製すること)および/または低い圧密を使用して粉末を圧縮することにより錠剤を形成することと組み合わせた薬剤の配置は、組成物からの薬剤の即時放出を生じさせ得る。
【0121】
特定実施形態では、即時放出形態のプロメタジンの有効量が基質上に被覆され得る。例えば製剤からの1またはそれ以上の鎮痛薬の持続放出が制御放出コーティングによるものである場合、プロメタジンを含有する即時放出層は、制御放出コーティングを上塗り被覆することができる。他方で、プロメタジンの即時放出層は、ヒドロコドンおよび/またはオキシコドンが制御放出マトリックスに組み込まれた、基質の表面に被覆され得る。鎮痛薬の有効単位用量を含有する複数の制御放出基質(例えばペレット、スフェア、ビーズ等を含む多粒子システム)が硬ゼラチンカプセルに組み込まれる場合、副作用低減化合物は、一定量の即時放出プロメタジンを粉末または顆粒としてカプセル内に含めることによってゼラチンカプセルに組み込まれ得る。あるいは、ゼラチンカプセル自体をプロメタジンの即時放出層で被覆することができる。当業者は、即時放出副作用低減化合物を単位用量に組み込むさらなる他の代替手段を認識する。有効量の即時放出副作用低減化合物、例えばプロメタジンを単位用量に含めることにより、対象における有害作用、例えば吐気、嘔吐、他の胃の不調、皮膚発疹、アレルギー反応、例えば腫脹、呼吸困難、咽喉の閉鎖、腹痛、異常出血または挫傷、および皮膚発疹の経験が有意に低減され得る。
【0122】
本発明の1つの実施形態では、組成物は、少なくとも1つの活性物質が制御放出形態である、3またはそれ以上の活性物質を含有する。制御放出形態は、薬剤を体内からの速やかな排泄から保護するために有効な量であり得る。薬剤の制御放出に関連するいくつかの製剤が、その全体が参照によりここに組み込まれる、「Powder Compaction and Enrobing」と題された米国特許公開第US2005/0147710A1号において教示される。
【0123】
本発明のさらなる実施形態では、制御放出形態の薬剤は、オピオイド鎮痛薬、例えばヒドロコドンまたはオキシコドンである。本発明の1つの実施形態では、組成物は、薬剤を体内からの速やかな排泄に対して保護する1またはそれ以上の担体、例えば徐放製剤またはコーティングを含有する。そのような担体は、例えばマイクロカプセル化送達システムを含む、制御放出製剤を包含する。活性物質は、低い有害作用で対象の疼痛を治療するために十分な量で、医薬的に許容される担体中に含まれ得る。
【0124】
ある種の実施形態では、組成物は経口投与形態であり、例えば制御放出材料および鎮痛薬、例えばヒドロコドンまたは医薬的に許容されるその塩を含むマトリックスを含有する。ある種の実施形態では、マトリックスは錠剤に圧縮可能であり、場合によりヒドロコドンまたは医薬的に許容されるその塩を含む鎮痛薬の組成物からの放出を制御することができるコーティングで上塗り被覆され得る。この実施形態では、鎮痛薬の血中濃度が長期間にわたって治療範囲内に維持される。ある選択的実施形態では、マトリックスはカプセルに封入される。
【0125】
本発明の組成物を含有する錠剤またはカプセルは、長時間作用の利点を与える投与形態を提供するために被覆され得るまたは調合され得る。例えば錠剤またはカプセルは、内部投与成分と外側投与成分を含有することができ、後者が前者を包み込む形態である。2つの成分は、胃の中での崩壊に抵抗し、内部成分を無傷のまま十二指腸へと通過させるまたは放出を遅延させる働きをする腸溶層によって分離され得る。制御された持続放出のために、カプセルはまた、マイクロドリル加工穴を有し得る。
【0126】
最終投与形態を生成するために、即時放出形態の、副作用低減化合物、例えばプロメタジンを含有するコーティングを、制御放出錠剤コアの外側に付加することができる。そのようなコーティングは、プロメタジンのような化合物をポリビニルピロリドン(PVP)29/32またはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)および水/イソプロピルアルコールおよび酢酸トリエチルと混合することによって製造され得る。そのような即時放出コーティングを錠剤コアに噴霧被覆することができる。即時放出コーティングはまた、80重量%のプロメタジンと20重量%のラクトースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース2910型から成る混合物と共にプレス被覆工程を使用して適用することもできる。プレス被覆手法は当分野において公知であり、その全体が参照によりここに組み込まれる、Tingらへの米国特許第6,372,254号に述べられている。
【0127】
本発明の即時放出または制御放出投与形態はまた、第1の層と第2の層を含む二層錠剤の形態をとることができる。第1の層は、鎮痛薬、鎮咳薬、抗ヒスタミン薬、鎮吐薬から選択される第1の薬剤を含有する。第2の層は、鎮痛薬、鎮咳薬、抗ヒスタミン薬、鎮吐薬から選択される第2の薬剤を含有する。第2の薬剤は第1の薬剤と同じであるかまたは異なる。二層錠剤は、二層錠剤が第1の薬剤の治療範囲内の血漿濃度を提供する期間(例えば12時間)の少なくとも約70%と同じだけの期間にわたって第2の薬剤の治療範囲内の血漿濃度を提供し得る。
【0128】
二層錠剤のさらなる態様では、第1の層は即時放出層であり、および/または第2の層は制御放出層である。
【0129】
本発明の二層錠剤の1つの態様では、両方の層がオピオイド鎮痛薬、例えばヒドロコドンまたはオキシコドン、非オピオイド鎮痛薬、例えばアセトアミノフェン、および有害作用を低減するまたは抑制する化合物、例えばプロメタジンを含有し得る。
【0130】
本発明の二層錠剤のさらなる態様では、第1の層はプロメタジンを含有し、第2の層はヒドロコドンまたはオキシコドンを含有する。第1または第2の層は、アセトアミノフェンをさらに含有し得る。
【0131】
本発明の1つの実施形態では、成分は、第1の層と第2の層を含む多層錠剤から放出される。この実施形態では、第1の層は、鎮痛薬、鎮咳薬、抗ヒスタミン薬、鎮吐薬から選択される第1の薬剤を含有する。第2の層は、鎮痛薬、鎮咳薬、抗ヒスタミン薬、鎮吐薬から選択される第2の薬剤を含有する。第2の薬剤は第1の薬剤と同じであるかまたは異なり得る。多層錠剤の1つの態様では、第2の薬剤は、第1の薬剤の血漿半減期と少なくとも約2時間異なる血漿半減期を有し得る。
【0132】
多層錠剤のさらなる態様では、第1の層は即時放出層であり、および/または第2の層は制御放出層である。
【0133】
本発明の多層錠剤の1つの態様では、第1の層と第2の層の両方がオピオイド鎮痛薬、例えばヒドロコドンまたはオキシコドン、非オピオイド鎮痛薬、例えばアセトアミノフェン、および有害作用を低減するまたは抑制する化合物、例えばプロメタジンを含有し得る。
【0134】
本発明の多層錠剤のさらなる態様では、第1の層はプロメタジンを含有し、第2の層はヒドロコドンまたはオキシコドンを含有する。第1または第2の層は、アセトアミノフェンをさらに含有し得る。
【0135】
本発明の即時放出または制御放出投与形態はまた、高圧均質化、湿式または乾式ボールミル混合または微小粒子沈降(nGimatのNanoSpray(サービスマーク))を含むがこれらに限定されない、様々な方法によって製造される医薬粒子の形態をとることができる。適切な粉末製剤を製造するための他の方法は、有効成分と賦形剤の溶液の調製、続いて沈降、ろ過および粉砕、または続いて凍結乾燥による溶媒の除去とその後の所望粒径への粉末の粉砕である。1つの実施形態では、医薬粒子は、3〜1000μMの最終サイズ、例えば最大限3、4、5、6、7、8、9,10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000μMに製造される。もう1つの実施形態では、医薬粒子は10〜500μMの最終サイズに製造される。もう1つの実施形態では、医薬粒子は50〜600μMの最終サイズに製造される。もう1つの実施形態では、医薬粒子は100〜800μMの最終サイズに製造される。これらの投与形態は、制御放出粒子と組み合わせた即時放出粒子を、活性物質の所望用量を送達するために有用な十分な比率で含有し得る。例えば即時放出粒子はプロメタジン約12.5mgを含有することができ、制御放出粒子はヒドロコドン約7.5mg(またはオキシコドン7.5mg)およびアセトアミノフェン約325mgを含有し得る。
【0136】
本発明のもう1つの態様では、成分は、少なくとも第1の層、第2の層および第3の層を含む多層錠剤から放出される。多層錠剤では、薬剤(例えばオピオイド鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬および抗ヒスタミン薬)を含有する層は、場合により不活性材料の1またはそれ以上の層によって分離され得る。1つの実施形態では、薬剤を含有する層は同様の放出速度を有し、例えば全部が即時放出であるかまたは全部が制御放出である。選択的実施形態では、層は異なる放出速度を有する。この態様では、少なくとも1つの層は即時放出層であり、少なくとも1つの層は制御放出層である。例えば1つの実施形態では、多層錠剤は、各々が異なる薬剤を含有する少なくとも3つの層を含み、層1はプロメタジンを含有し、層2はヒドロコドンまたはオキシコドンを含有し、および層3はアセトアミノフェンを含有する。この実施形態では、プロメタジン層は即時放出用に設計され得、その他の2つの層は制御放出用に設計され得る。
【0137】
もう1つの実施形態では、オピオイド鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬および抗ヒスタミン薬を含有する組成物が対象に投与される。この実施形態では、抗ヒスタミン成分は、即時放出用に、またはオピオイド鎮痛薬および場合により非オピオイド鎮痛薬の放出よりは迅速な制御放出用に製剤され得る。1つの実施形態では、組成物は、ヒドロコドンまたはオキシコドン、アセトアミノフェンおよびプロメタジンを含有する。
【0138】
もう1つの実施形態では、オピオイド鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬および抗ヒスタミン薬を含有する組成物が対象に投与され、前記組成物におけるオピオイド鎮痛薬および抗ヒスタミン薬の量と放出速度は、対象においてオピオイド治療の少なくとも1つの副作用を低減するために有効である。1つの実施形態では、組成物は、ヒドロコドンまたはオキシコドン、アセトアミノフェンおよびプロメタジンを含有する。
【0139】
添加物
【0140】
本発明の組成物は、適切な添加物、例えば希釈剤、結合剤、界面活性剤、潤滑剤、流動促進剤、被覆材料、可塑剤、着色剤、着香剤または医薬的に不活性な物質を含むが、これらに限定されない添加物をさらに含有し得る。希釈剤の例は、例えばセルロース、セルロース誘導体、例えば微結晶セルロース等;デンプン、デンプン誘導体、例えばトウモロコシデンプン、シクロデキストリン等;糖;糖アルコール、例えばラクトース、D−マンニトール等;無機希釈剤、例えば乾燥水酸化アルミニウムゲル、沈降炭酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム等を含む。
【0141】
結合剤の例は、例えばヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン、デキストリン、プルラン、ヒドロキシプロピルデンプン、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、寒天、ゼラチン、トラガカント、マクロゴル等を含む。
【0142】
界面活性剤の例は、例えば脂肪酸のスクロースエステル、ステアリン酸ポリオキシル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ポリソルベート、モノステアリン酸グリセロール、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロマクロゴル等を含む。
【0143】
潤滑剤の例は、例えばステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、滑石等を含む。
【0144】
流動促進剤の例は、例えば乾燥水酸化アルミニウムゲル、ケイ酸マグネシウム等を含む。
【0145】
被覆材料の例は、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース2910、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、マクロゴル6000、酸化チタン等を含む。可塑剤の例は、例えばクエン酸トリエチル、トリアセチン、マクロゴル6000等を含む。
【0146】
実施例
ヒドロコドン−アセトアミノフェン−プロメタジン含有鎮痛薬の例
【実施例1】
【0147】
鎮痛薬組成物A
【0148】
薬剤mg/錠剤
【0149】
重酒石酸ヒドロコドン 7.5mg
【0150】
アセトアミノフェン 325mg
【0151】
プロメタジン 12.5mg
【実施例2】
【0152】
実施例1の組成物は、胃の不調、吐気、嘔吐または皮膚発疹の有害作用を示す傾向がある対象に、水と共に経口投与される。そのような対象は、実施例1に示す組成物の服用後、血流中にプロメタジンの治療有効量を受容する。プロメタジンは、そのような標的集団がさもなければ示す有害作用を低減する。
【0153】
もう1つの例では、投与形態は、第1の層が塩酸プロメタジン約12.5mgを含有する即時放出層であり、第2の層が塩酸プロメタジン12.5mg、重酒石酸ヒドロコドン約15mgおよびアセトアミノフェン約325mgを含有する制御放出層である、二層錠剤である。
【0154】
塩酸オキシコドン、アセトアミノフェン、プロメタジン含有鎮痛薬の例
【実施例3】
【0155】
鎮痛薬組成物B
【0156】
薬剤mg/錠剤
【0157】
塩酸オキシコドン 7.5mgまたは5mg
【0158】
アセトアミノフェン 325mg
【0159】
プロメタジン 12.5mg
【実施例4】
【0160】
実施例3の組成物は、胃の不調、吐気、嘔吐または皮膚発疹の有害作用を示す傾向がある対象に、水と共に経口投与される。そのような対象は、実施例3に示す組成物の服用後、そのような標的集団がさもなければ示す有害作用を低減するプロメタジンの治療有効量を受容する。
【0161】
1つの実施形態では、投与形態は、第1の層が塩酸プロメタジン約12.5mgを含有する即時放出層であり、第2の層が塩酸プロメタジン12.5mg、塩酸オキシコドン約15mgおよびアセトアミノフェン約325mgを含有する制御放出層である、二層錠剤である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オピオイド鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬、および前記オピオイドおよび/または非オピオイド鎮痛薬の有害作用を低減するまたは排除する薬剤を含有する組成物。
【請求項2】
有害作用を低減するまたは排除する薬剤が鎮吐薬または抗ヒスタミン薬である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
低減されるまたは排除される有害作用がオピオイド鎮痛薬に関連する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
オピオイド鎮痛薬の有害作用を低減するまたは排除する薬剤が、プロメタジン、ドラセトロン、グラニセトロン、オンダンセトロン、トロピセトロン、パロノセトロン、ドンペリドン、ドロペリドール、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロクロペラジン、メトクロプラミド、アリザプリド、シクリジン、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、メクリジン、ヒドロキシジン、カンナビス、ドロナビノール、ナビロン、ミダゾラム、ロラゼパム、ヒヨスチン、デキサメタゾン、トリメトベンザミド、エメトロールまたはプロポフォルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
非オピオイド鎮痛薬がアセトアミノフェンまたはイブプロフェンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
オピオイド鎮痛薬が、ヒドロコドンもしくはオキシコドン、またはその医薬的に許容される塩、チオセミカルバゾン、p−ニトロフェニルヒドラゾン、o−メチルオキシム、セミカルバゾンもしくはビス(メチルカルバメート)である、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
オピオイド鎮痛薬が重酒石酸ヒドロコドンまたは塩酸オキシコドンである、請求項2に記載の組成物。
【請求項8】
多層錠剤の形態の、請求項2に記載の組成物。
【請求項9】
二層錠剤の形態の、請求項2に記載の組成物。
【請求項10】
前記二層錠剤が、(a)オピオイド鎮痛薬の有害作用を低減するまたは排除する薬剤を含有する外側即時放出層、および(b)オピオイド鎮痛薬と非オピオイド鎮痛薬を含有する内部制御放出層を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
オピオイド鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬および抗ヒスタミン薬を含有し、約1分間から約20分間で前記抗ヒスタミン薬の血漿濃度を提供することができる医薬組成物。
【請求項12】
1重量%〜20重量%の抗ヒスタミン薬、10重量%〜80重量%の非オピオイド鎮痛薬、および1重量%〜20重量%のオピオイド鎮痛薬から成る、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記組成物が、約1分間から約20分間で前記抗ヒスタミン薬の血漿濃度を上昇させることができる、請求項10に記載の組成物。
【請求項14】
前記抗ヒスタミン薬が、プロメタジン、ドラセトロン、グラニセトロン、オンダンセトロン、トロピセトロン、パロノセトロン、ドンペリドン、ドロペリドール、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロクロペラジン、メトクロプラミド、アリザプリド、シクリジン、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、メクリジン、ヒドロキシジン、カンナビス、ドロナビノール、ナビロン、ミダゾラム、ロラゼパム、ヒヨスチン、デキサメタゾン、トリメトベンザミド、エメトロールまたはプロポフォルである、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
オピオイド鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬、および前記鎮痛薬の有害作用を低減するまたは排除する薬剤を含有する医薬組成物の有効量をその必要のある対象に投与することを含む、対象を治療するための方法。
【請求項16】
非オピオイド鎮痛薬またはその医薬的に許容される塩である第1の薬剤、非オピオイド鎮痛薬またはその医薬的に許容される塩である第2の薬剤、および前記オピオイドおよび/または前記非オピオイド鎮痛薬に関連する有害作用を低減する第3の薬剤の有効量を含有する組成物を対象に投与することを含む、疼痛を患っているまたは疼痛に過敏である対象を治療するための方法。
【請求項17】
有害作用を低減するまたは排除する前記薬剤が、プロメタジン、ドラセトロン、グラニセトロン、オンダンセトロン、トロピセトロン、パロノセトロン、ドンペリドン、ドロペリドール、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロクロペラジン、メトクロプラミド、アリザプリド、シクリジン、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、メクリジン、ヒドロキシジン、カンナビス、ドロナビノール、ナビロン、ミダゾラム、ロラゼパム、ヒヨスチン、デキサメタゾン、トリメトベンザミド、エメトロールまたはプロポフォルである、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記オピオイド鎮痛薬、前記非オピオイド鎮痛薬および前記第3の薬剤が単一投与形態中に含まれる、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記オピオイド鎮痛薬、前記非オピオイド鎮痛薬および前記第3の薬剤が二層錠剤中に含まれる、請求項15または16に記載の方法。
【請求項20】
前記二層錠剤が、(a)オピオイド鎮痛薬の有害作用を低減するまたは排除する薬剤を含有する外側即時放出層、および(b)オピオイド鎮痛薬と非オピオイド鎮痛薬を含有する内部制御放出層を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
オピオイド鎮痛薬の有害作用を低減するまたは排除する前記薬剤の血漿濃度が、投与工程後約1分間から約20分間で達成される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
オピオイド鎮痛薬の有害作用を低減するまたは排除する前記薬剤がプロメタジンである、請求項16または20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−522135(P2010−522135A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−531645(P2009−531645)
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/080831
【国際公開番号】WO2008/070268
【国際公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(509098582)チャールストン ラボラトリーズ,インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】